(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121768
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240830BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186399
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2023028333の分割
【原出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】川本 大功
(72)【発明者】
【氏名】須田 洋行
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA71
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】NFTの2次流通等の取引によって得られる利益をコンテンツ作者等の以前の保有者に還元する利益を算出することを図る。
【解決手段】ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン又は非代替性トークンの保有者に関連付けて利益還元条件を記憶する利益還元条件記憶部と、一の非代替性トークンの第1の保有者よりも後に当該一の非代替性トークンを保有する第2の保有者が行う当該一の非代替性トークンに関連する取引に関する取引情報を取得する取引情報取得部と、取引情報と利益還元条件とに基づいて第2の保有者の利益の中から第1の保有者に還元する利益の還元率を決定する還元率決定部と、還元率を用いて第2の保有者の利益の中から第1の保有者に還元する利益を算出する還元利益算出部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン又は前記非代替性トークンの保有者に関連付けて利益還元条件を記憶する利益還元条件記憶部と、
一の非代替性トークンの第1の保有者よりも後に前記一の非代替性トークンを保有する第2の保有者が行う前記一の非代替性トークンに関連する取引に関する取引情報を取得する取引情報取得部と、
前記取引情報と前記利益還元条件とに基づいて、前記第2の保有者の利益の中から前記第1の保有者に還元する利益を算出する還元利益算出部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記利益還元条件記憶部は、非代替性トークンの保有者が設定する利益還元条件を記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
非代替性トークンの保有者から利益還元条件の設定を受付ける受付部をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される、前記第1の保有者による前記一の非代替性トークンの販売価格に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される、前記第1の保有者による前記一の非代替性トークンの販売期間に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引情報は、前記第2の保有者が前記一の非代替性トークンに基づいて得る利益に関する利益情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される前記第2の保有者の利益の額に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される前記一の非代替性トークンの購入価格と転売価格の差額に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される利益獲得時期に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記還元利益算出部は、前記取引情報に示されるリース回数に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記一の非代替性トークンは、仮想空間内で利用されるアバターに対して発行された非代替性トークンである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取引情報取得部は、前記アバターに紐づけられた取引情報を取得する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記一の非代替性トークンは、ゲーム内で取引されるゲームアイテムに対して発行された非代替性トークンである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記取引情報取得部は、前記ゲームアイテムに紐づけられた取引情報を取得する、
請求項13記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン又は前記非代替性トークンの保有者に関連付けて利益還元条件を記憶する利益還元条件記憶ステップと、
一の非代替性トークンの第1の保有者よりも後に前記一の非代替性トークンを保有する第2の保有者が行う前記一の非代替性トークンに関連する取引に関する取引情報を取得する取引情報取得ステップと、
前記取引情報と前記利益還元条件とに基づいて、前記第2の保有者の利益の中から前記第1の保有者に還元する利益を算出する還元利益算出ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)は、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるものとして注目されている。そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)では、NFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。また特許文献1には、コンテンツの一次流通及び二次流通においてコンテンツの著作権者に譲渡の対価を分配する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NFTは、NFTマーケットプレイスにおいて転売等の2次流通が行われ得るが、2次流通時に、NFTの対象のコンテンツの作者(コンテンツ作者)が得る収益をどのようにして決定するのかが課題であった。例えば、コンテンツ作者がNFTの販売利益の還元率をNFT発行時に予め決定してNFTのメタデータに含めておくことが考えられる。しかしながら、2次流通の段階でNFTの市場価値が変動し得るので、コンテンツ作者がNFT発行時に適切な販売利益の還元率を決定することは難しい。特許文献1に記載された技術では、二次流通の譲渡額に対する分配の割合である第2分配率が設定されるが、第2分配率をどのように決定するのかまでは開示されていない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、NFTの2次流通等の取引によって得られる利益をコンテンツ作者等の以前の保有者に還元する利益を算出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン又は前記非代替性トークンの保有者に関連付けて利益還元条件を記憶する利益還元条件記憶部と、一の非代替性トークンの第1の保有者よりも後に前記一の非代替性トークンを保有する第2の保有者が行う前記一の非代替性トークンに関連する取引に関する取引情報を取得する取引情報取得部と、前記取引情報と前記利益還元条件とに基づいて、前記第2の保有者の利益の中から前記第1の保有者に還元する利益を算出する還元利益算出部と、を備える情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記利益還元条件記憶部は、非代替性トークンの保有者が設定する利益還元条件を記憶する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、非代替性トークンの保有者から利益還元条件の設定を受付ける受付部をさらに備える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される、前記第1の保有者による前記一の非代替性トークンの販売価格に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される、前記第1の保有者による前記一の非代替性トークンの販売期間に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記取引情報は、前記第2の保有者が前記一の非代替性トークンに基づいて得る利益に関する利益情報である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される前記第2の保有者の利益の額に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される前記一の非代替性トークンの購入価格と転売価格の差額に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示される利益獲得時期に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記還元利益算出部は、前記取引情報に示されるリース回数に応じて前記第1の保有者に還元する利益を変更する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記一の非代替性トークンは、仮想空間内で利用されるアバターに対して発行された非代替性トークンである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記取引情報取得部は、前記アバターに紐づけられた取引情報を取得する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記一の非代替性トークンは、ゲーム内で取引されるゲームアイテムに対して発行された非代替性トークンである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記取引情報取得部は、前記ゲームアイテムに紐づけられた取引情報を取得する、情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ブロックチェーン上に記録される非代替性トークン又は前記非代替性トークンの保有者に関連付けて利益還元条件を記憶する利益還元条件記憶ステップと、一の非代替性トークンの第1の保有者よりも後に前記一の非代替性トークンを保有する第2の保有者が行う前記一の非代替性トークンに関連する取引に関する取引情報を取得する取引情報取得ステップと、前記取引情報と前記利益還元条件とに基づいて、前記第2の保有者の利益の中から前記第1の保有者に還元する利益を算出する還元利益算出ステップと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、NFTの2次流通等の取引によって得られる利益をコンテンツ作者等の以前の保有者に還元する利益を算出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る利益還元システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る利益還元サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る利益還元条件情報の構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】一実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る利益還元システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、利益還元サーバ1は、NFT(非代替性トークン)に関連する取引(例えば、2次流通など)によって得られる利益をコンテンツ作者等の以前の保有者に還元する利益を算出するための情報処理を実行する。利益還元サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用する端末(ユーザ端末)2との間でデータを送受する。
【0011】
利益還元サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFTを管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0012】
ブロックチェーン5には、NFTの識別子(トークンID)や保有者を特定する保有者アドレスやメタデータの場所を示すトークンURI(Uniform Resource Identifier)などが記録される。NFTのメタデータは、コンテンツ名称やコンテンツ説明やコンテンツURL(Uniform Resource Locator)や利益の還元率を示す利益還元率情報などを含むデータである。
【0013】
NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有する。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの発行や購入や販売等の流通に関する機能であり、例えばNFTの発行要求の受付及びNFTの発行やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付及びNFTの売買やNFTの代金の決済等である。
【0014】
例えば、NFT管理システム4は、コンテンツ作者からのNFT発行依頼に応じて、コンテンツ作者が作成したコンテンツに紐づけられたNFTを発行する。NFT発行時の保有者として、例えばコンテンツ作者がブロックチェーン5に記録される。例えば、NFT管理システム4は、NFT購入者AからのNFT購入依頼に応じて、コンテンツ作者が作成したコンテンツに紐づけられたNFTをNFT購入者Aに売却する。このNFT売却により、NFT購入者Aが当該NFTの保有者としてブロックチェーン5に記録される。当該NFTの売却は、NFTに関連する取引の一例である。例えば、NFT管理システム4は、NFT購入者AからのNFT売却依頼に応じて、コンテンツ作者が作成したコンテンツに紐づけられたNFTを他のNFT購入者Bに転売(2次流通)する。このNFT転売により、NFT購入者Bが当該NFTの保有者としてブロックチェーン5に記録される。当該NFTの転売は、NFTに関連する取引の一例である。
【0015】
利益還元サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、コンテンツ取引サーバ7との間でデータを送受する。コンテンツ取引サーバ7は、NFT管理システム4で管理されるNFTに対応するコンテンツに関する取引を行うための情報処理を実行する。NFTに対応するコンテンツに関する取引は、NFTに関連する取引の一例である。
【0016】
コンテンツ取引サーバ7は、例えば、仮想空間内で利用されるアバターに対して発行されたNFTに関して、当該アバターに関する取引を行うための情報処理を実行する。当該アバターに関する取引は、NFTに対応するコンテンツに関する取引の一例である。
【0017】
アバターに関する取引は、アバターを活用して利益を得ることを含む。アバターに関する取引として一例を挙げれば、仮想空間上でイベントを行うアバターに対して当該イベントを視聴するユーザが投げ銭を行うことにより、当該アバターのユーザに対して投げ銭に応じた対価を与えることが挙げられる。この例に限定されず、アバターに関する取引は、アバターを活用して利益を得る様々な事例であってよい。
【0018】
コンテンツ取引サーバ7は、例えば、ゲーム内で取引されるゲームアイテムに対して発行されたNFTに関して、当該ゲームアイテムに関する取引を行うための情報処理を実行する。当該ゲームアイテムに関する取引は、NFTに対応するコンテンツに関する取引の一例である。
【0019】
ゲームアイテムに関する取引は、ゲームアイテムを活用して利益を得ることを含む。ゲームアイテムに関する取引として一例を挙げれば、ゲーム内でゲームアイテムの価値を増大させたユーザAが他のユーザBに当該ゲームアイテムをレンタルすることにより、ユーザAに対してレンタルの対価を与えることが挙げられる。この例に限定されず、ゲームアイテムに関する取引は、ゲームアイテムを活用して利益を得る様々な事例であってよい。
【0020】
NFTに対応するコンテンツに関する取引の例として、アバター及びゲームアイテムの例を挙げたが、これに限定されず、NFTに対応するコンテンツを活用して利益を得る様々な事例であってよい。
【0021】
図2は、本実施形態に係る利益還元サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図2において、利益還元サーバ1は、取引情報取得部101と、還元率決定部102と、還元利益算出部103と、受付部104と、記憶部200とを備える。
【0022】
利益還元サーバ1の各機能は、利益還元サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、利益還元サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、利益還元サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、利益還元サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、利益還元サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は利益還元サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、利益還元サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0023】
記憶部200は、各種のデータを記憶する。記憶部200は、利益還元条件情報201を記憶する。
【0024】
図3は、本実施形態に係る利益還元条件情報の構成例を示す図である。
図3に示されるように、利益還元条件情報201は、トークンIDと保有者アドレスと利益還元条件とを対応付ける情報である。トークンIDは、ブロックチェーン5上に記録されるNFTのトークンIDである。保有者アドレスは、ブロックチェーン5上に記録されるNFTの保有者アドレスである。利益還元条件情報201は、トークンID又は保有者アドレスを利益還元条件に関連付ける情報であってもよい。利益還元条件情報201は、さらに、利益還元条件を設定した設定者を特定する設定者情報を含んでもよい。
【0025】
例えば、利益還元条件1は、トークンID「NFTid1」と保有者アドレス「保有者ad1」とに関連付けられており、NFT発行者によって設定されている。ここでの一例として、NFT発行者は、コンテンツ作者である。例えば、利益還元条件2は、トークンID「NFTid2」に関連付けられており、NFT管理システム4のマーケット管理者によって設定されている。利益還元条件2は、保有者アドレスには関連付けられていない。例えば、利益還元条件3は、保有者アドレス「保有者ad3」に関連付けられており、NFTの保有者によって設定されている。利益還元条件2は、トークンIDには関連付けられていない。
【0026】
利益還元条件は、NFTの第1保有者よりも後に当該NFTを保有する第2保有者が当該NFTに関連する取引によって得る利益の中から当該第1保有者に還元する利益の還元率を決定するための条件である。NFTに関連する取引は、当該NFT自体の取引(例えば、売買や転売など)であってもよいし、当該NFTに対応するコンテンツに関する取引(例えば、コンテンツの活用やレンタルなど)であってもよい。
【0027】
NFTの第1保有者は、第2保有者よりも前に当該NFTを保有する者であれば何世代前の保有者でもよい。例えば、第1保有者は、最初の保有者でもよいし、二番目の保有者でもよいし、第2保有者の直前の保有者でもよい。第2保有者によるNFTに関連する取引は、第2保有者による当該NFTの取得時の取引(例えば、転売によるNFT取得時)であってもよいし、NFT取得後の取引であってもよい。第2保有者がNFTに関連する取引によって得る利益は、確定した利益であってもよいし、見込みの利益であってもよいし、確定した利益と見込みの利益の総利益であってもよい。
【0028】
取引情報取得部101は、NFTの第1保有者よりも後に当該NFTを保有する第2保有者が行う当該NFTに関連する取引に関する取引情報を取得する。
【0029】
NFTに関連する取引に関する取引情報は、例えば、当該NFTの売買(NFTに関連するコンテンツの活用やレンタルなどによる取引を含む)や転売における販売価格、販売期間、購入価格、購入時期、転売価格、転売時期、購入価格と転売価格の差額などの情報である。これらのNFTの売買や転売に関する取引情報については、取引情報取得部101は、NFT管理システム4から取得する。
【0030】
NFTに関連する取引に関する取引情報は、例えば、当該NFTに対応するコンテンツに関する取引における利益の金額や利益を得る時期などの情報である。例えば、仮想空間内で利用されるアバターに対して発行されたNFTに関連する取引に関する取引情報の一例として、仮想空間上でイベントを行うアバターに対して当該イベントを視聴するユーザが行った投げ銭の総額や投げ銭の時期などの情報が挙げられる。例えば、ゲーム内で取引されるゲームアイテムに対して発行されたNFTに関連する取引に関する取引情報の一例として、ゲーム内でゲームアイテムの価値を増大させたユーザAが他のユーザBに当該ゲームアイテムをレンタルすることにより、ユーザAに対して与えられたレンタルの対価の総額やレンタルの回数(リース回数)やレンタルの時期などの情報が挙げられる。これらのNFTに対応するコンテンツに関する取引の取引情報については、取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7から取得する。例えば、取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7から、アバターに紐づけられた取引情報を取得する。例えば、取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7から、ゲームアイテムに紐づけられた取引情報を取得する。
【0031】
還元率決定部102は、利益還元条件情報201と取引情報取得部101が取得した取引情報とに基づいて、NFTの第2保有者の利益の中から当該NFTの第1の保有者に還元する利益の還元率(利益還元率)を決定する。利益還元率の決定方法の例を以下に挙げる。
【0032】
(利益還元率の決定方法の例1)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示される第1保有者によるNFTの販売価格に応じて、利益還元率を変更する。例えば、販売価格が所定額以上の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。これは、NFTが高額で販売される場合には、利益還元率を低く抑えることによって、第1保有者の収益確保とNFTの販売促進の両方に寄与することができる。なお、第1保有者によるNFTの販売価格は、第2の保有者が当該NFTを購入した購入価格と同じでもよいし、異なってもよい。
【0033】
(利益還元率の決定方法の例2)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示される第1の保有者によるNFTの販売期間に応じて、利益還元率を変更する。例えば、NFTの販売期間が所定期間内である場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。例えば、NFTの販売期間がタイムセール期間内である場合には、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。これは、例えばタイムセール期間等の特別な期間内に販売される場合には、利益還元率を低く抑えることによって、第1保有者の収益確保とNFTの販売促進の両方に寄与することができる。
【0034】
(利益還元率の決定方法の例3)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示される第2保有者の利益の額に応じて、利益還元率を変更する。例えば、第2保有者が得る利益の額が所定の第1閾値以上の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。例えば、第2保有者が得る利益の額が所定の第2閾値未満の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ高レートに変更する。
【0035】
(利益還元率の決定方法の例4)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示されるNFTの購入価格と転売価格の差額に応じて、利益還元率を変更する。例えば、NFTの購入価格と転売価格の差額が所定の第3閾値以上の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。例えば、NFTの購入価格と転売価格の差額が所定の第4閾値未満の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ高レートに変更する。これは、例えばNFTの価値を上げる再販売など「購入価格<転売価格」の場合には、利益還元率を低く抑えることによって、第1保有者の収益確保とNFTの販売促進の両方に寄与することができる。
【0036】
(利益還元率の決定方法の例5)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示される利益獲得時期に応じて、利益還元率を変更する。例えば、NFTの販売期間が第2保有者がNFTを購入してから所定期間経過後である場合には、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ高レートに変更する。これは、例えば第2保有者の購入後の所定期間経過後に転売される場合には、利益還元率を上げることによって、第2保有者に対して早期の転売を促すことができ、第1保有者の収益確保とNFTの販売促進の両方に寄与することができる。
【0037】
(利益還元率の決定方法の例6)
還元率決定部102は、利益還元条件情報201に基づいて、取引情報に示されるリース回数に応じて、利益還元率を変更する。例えばゲームアイテムのリース回数が所定の第5閾値以上の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ低レートに変更する。例えば、ゲームアイテムのリース回数が所定の第6閾値未満の場合、利益還元率をデフォルト値よりも所定値だけ高レートに変更する。これにより、例えばゲームアイテムのレンタル機会の増加による第1保有者へ還元される総利益の増加に寄与することができる。
【0038】
なお、利益還元率の決定方法は、上述した例に限定されず、利益還元条件として任意に設定することができる。
【0039】
還元率決定部102は、決定した利益還元率を記録する。例えば、還元率決定部102は、決定した利益還元率によって、NFTのメタデータに含まれる利益還元率情報を変更してもよい。例えば、還元率決定部102は、外部データベースから還元率算出係数を取得して利益還元率を算出するスマートコントラクトがブロックチェーン5に記録されている場合、決定した利益還元率によって、当該外部データベース内の還元率算出係数を変更してもよい。なお、利益還元率を記録する記録手段は、ブロックチェーン5に限定されない。例えば、利益還元率を格納するデータベースを設けてもよい。
【0040】
還元利益算出部103は、還元率決定部102が決定した利益還元率を用いて、第2保有者の利益の中から第1保有者に還元する利益を算出する。例えば、還元利益算出部103は、還元率決定部102が決定した利益還元率を用いて、第2保有者がNFT自体の取引(例えば、売買や転売など)によって得る利益の中から第1保有者に還元する利益を算出する。例えば、還元利益算出部103は、還元率決定部102が決定した利益還元率を用いて、第2保有者がNFTに対応するコンテンツに関する取引(例えば、コンテンツの活用やレンタルなど)によって得る利益の中から第1保有者に還元する利益を算出する。
【0041】
受付部104は、利益還元条件の設定を受付ける。例えば、受付部104は、NFTの保有者が使用するユーザ端末2から利益還元条件設定を受信することにより、NFTの保有者から利益還元条件の設定を受付ける。例えば、受付部104は、NFTの発行者(例えば、コンテンツ作者)が使用するユーザ端末2から利益還元条件設定を受信することにより、NFTの発行者から利益還元条件の設定を受付ける。例えば、受付部104は、NFT管理システム4のマーケット管理者が使用するユーザ端末2から利益還元条件設定を受信することにより、NFT管理システム4のマーケット管理者から利益還元条件の設定を受付ける。
【0042】
次に
図4、
図5を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。
図4、
図5は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。
図4には、NFTに関連する取引としてNFT自体の取引(例えば、売買や転売など)に係る情報処理方法の手順の一例が示される。
図5には、NFTに関連する取引としてNFTに対応するコンテンツに関する取引(例えば、コンテンツの活用やレンタルなど)に係る情報処理方法の手順の一例が示される。
【0043】
図4を参照して、NFTに関連する取引としてNFT自体の取引に係る情報処理方法を説明する。
【0044】
(ステップS101) 第1保有者(例えば、NFT発行者(コンテンツ作者)など)はユーザ端末2-1を使用して、利益還元サーバ1に対して利益還元条件を設定する。この利益還元条件の設定(利益還元条件設定)は、利益還元条件と、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方とを含む情報である。利益還元サーバ1の受付部104は、当該ユーザ端末2から利益還元条件設定を受信することにより、第1保有者から利益還元条件の設定を受付ける。
【0045】
(ステップS102) 利益還元サーバ1の受付部104は、第1保有者のユーザ端末2-1から受信した利益還元条件設定に含まれる情報(利益還元条件とトークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方)を利益還元条件情報201に含めて記憶部200に記憶させる。受付部104は、当該利益還元条件の設定者情報として第1保有者を示す情報(例えば、NFT発行者(コンテンツ作者)など)を利益還元条件情報201に含めてもよい。
【0046】
(ステップS103) 利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、NFT管理システム4に対して、NFT自体の取引(NFTの売買や転売など)に係る取引情報の照会を行う(NFT取引情報照会)。このNFT取引情報照会は、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0047】
(ステップS104) NFT管理システム4は、利益還元サーバ1からのNFT取引情報照会に応じて、該当するNFT自体の取引(NFTの売買や転売など)に係る取引情報(販売価格、販売期間、購入価格、購入時期、転売価格、購入価格と転売価格の差額など)を利益還元サーバ1へ回答する。利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、NFT管理システム4から、NFT自体の取引に係る取引情報を受信する。
【0048】
(ステップS105) 利益還元サーバ1の還元率決定部102は、利益還元条件情報201と、取引情報取得部101がNFT管理システム4から受信したNFT自体の取引に係る取引情報とに基づいて、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に利益還元率を決定する。
【0049】
(ステップS106) 利益還元サーバ1の還元率決定部102は、NFT管理システム4に対して、決定した利益還元率をブロックチェーン5により記録する要求を行う(利益還元率記録要求)。この利益還元率記録要求は、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0050】
(ステップS107) NFT管理システム4は、利益還元サーバ1からの利益還元率記録要求に応じて、利益還元率記録要求に含まれる利益還元率(還元率決定部102が決定した利益還元率)を該当するNFTに関連付けてブロックチェーン5により記録する。例えば、外部データベースから還元率算出係数を取得して利益還元率を算出するスマートコントラクトがブロックチェーン5に記録されている場合、利益還元率記録要求に含まれる利益還元率によって、当該外部データベース内の還元率算出係数を変更してもよい。NFT管理システム4は、利益還元サーバ1に対して、利益還元率記録要求の応答を行う。
【0051】
(ステップS108,S109) 上述したステップS103,S104と同様に、利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、NFT管理システム4に対してNFT取引情報照会を行い、NFT管理システム4からNFT自体の取引に係る取引情報を受信する。
【0052】
(ステップS110) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS109で取引情報取得部101がNFT管理システム4から受信したNFT自体の取引に係る取引情報に基づいて、第2保有者がNFT自体の取引によって得る利益を算出する。この利益算出方法については限定しない。当該利益算出方法は、予め利益還元サーバ1に設定される。
【0053】
(ステップS111) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、NFT管理システム4に対して、ステップS110で算出した第2保有者の利益に関する利益還元率の照会を行う(利益還元率照会)。この利益還元率照会は、第2保有者が利益を得る取引に関するNFTのトークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0054】
(ステップS112) NFT管理システム4は、利益還元サーバ1からの利益還元率照会に応じて、該当するNFTに関する利益還元率を回答する(利益還元率回答)。利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、NFT管理システム4から、利益還元率を受信する。
【0055】
(ステップS113) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS112でNFT管理システム4から受信した利益還元率を用いて、ステップS110で算出した第2保有者の利益の中から第1保有者に還元する利益(還元利益)を算出する。
【0056】
(ステップS114) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS113で算出した還元利益を示す還元利益情報を、第1保有者のユーザ端末2-1及び第2保有者のユーザ端末2-2各々へ送信する。第1保有者は、ユーザ端末2-1が利益還元サーバ1から受信した還元利益情報によって、第2保有者がNFT自体の取引によって得る利益の中から自分に還元される還元利益を認識することができる。第2保有者は、ユーザ端末2-2が利益還元サーバ1から受信した還元利益情報によって、自分がNFT自体の取引によって得る利益の中から第1保有者に還元される還元利益を認識すると共に、自分が実際に得ることができる利益を認識することができる。
【0057】
図5を参照して、NFTに関連する取引としてNFTに対応するコンテンツに関する取引に係る情報処理方法を説明する。
【0058】
(ステップS201) 第1保有者(例えば、NFT発行者(コンテンツ作者)など)はユーザ端末2-1を使用して、利益還元サーバ1に対して利益還元条件を設定する。この利益還元条件の設定(利益還元条件設定)は、利益還元条件と、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方とを含む情報である。利益還元サーバ1の受付部104は、当該ユーザ端末2から利益還元条件設定を受信することにより、第1保有者から利益還元条件の設定を受付ける。
【0059】
(ステップS202) 利益還元サーバ1の受付部104は、第1保有者のユーザ端末2-1から受信した利益還元条件設定に含まれる情報(利益還元条件とトークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方)を利益還元条件情報201に含めて記憶部200に記憶させる。受付部104は、当該利益還元条件の設定者情報として第1保有者を示す情報(例えば、NFT発行者(コンテンツ作者)など)を利益還元条件情報201に含めてもよい。
【0060】
(ステップS203) 利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7に対して、NFTに対応するコンテンツに関する取引(例えば、コンテンツの活用やレンタルなど)に係る取引情報の照会を行う(コンテンツ取引情報照会)。このコンテンツ取引情報照会は、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0061】
(ステップS204) コンテンツ取引サーバ7は、利益還元サーバ1からのコンテンツ取引情報照会に応じて、NFT管理システム4に対して、該当するNFTに対応するコンテンツの照会を行う(コンテンツ照会)。
【0062】
(ステップS205) NFT管理システム4は、コンテンツ取引サーバ7からのコンテンツ照会に応じて、該当するNFTに対応するコンテンツの情報(コンテンツ名称やコンテンツ説明やコンテンツURLなど)をコンテンツ取引サーバ7へ回答する。
【0063】
(ステップS206) コンテンツ取引サーバ7は、NFT管理システム4から受信したコンテンツの情報(コンテンツ名称やコンテンツ説明やコンテンツURLなど)に該当するコンテンツに紐づけられた取引情報(コンテンツに関する取引における利益の金額や利益を得る時期など)を、利益還元サーバ1へ回答する。利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7から、NFTに対応するコンテンツに関する取引に係る取引情報を受信する。
【0064】
(ステップS207) 利益還元サーバ1の還元率決定部102は、利益還元条件情報201と、取引情報取得部101がコンテンツ取引サーバ7から受信したNFTに対応するコンテンツに関する取引に係る取引情報とに基づいて、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に利益還元率を決定する。
【0065】
(ステップS208) 利益還元サーバ1の還元率決定部102は、NFT管理システム4に対して、決定した利益還元率をブロックチェーン5により記録する要求を行う(利益還元率記録要求)。この利益還元率記録要求は、利益還元条件情報201に含まれる利益還元条件毎に、トークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0066】
(ステップS209) NFT管理システム4は、利益還元サーバ1からの利益還元率記録要求に応じて、利益還元率記録要求に含まれる利益還元率(還元率決定部102が決定した利益還元率)を該当するNFTに関連付けてブロックチェーン5により記録する。例えば、外部データベースから還元率算出係数を取得して利益還元率を算出するスマートコントラクトがブロックチェーン5に記録されている場合、利益還元率記録要求に含まれる利益還元率によって、当該外部データベース内の還元率算出係数を変更してもよい。NFT管理システム4は、利益還元サーバ1に対して、利益還元率記録要求の応答を行う。
【0067】
(ステップS210-S213) 上述したステップS203-S206と同様に、利益還元サーバ1の取引情報取得部101は、コンテンツ取引サーバ7に対してコンテンツ取引情報照会を行い、コンテンツ取引サーバ7からNFTに対応するコンテンツに関する取引に係る取引情報を受信する。
【0068】
(ステップS214) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS213で取引情報取得部101がコンテンツ取引サーバ7から受信したNFTに対応するコンテンツに関する取引に係る取引情報に基づいて、第2保有者がNFTに対応するコンテンツに関する取引によって得る利益を算出する。この利益算出方法については限定しない。当該利益算出方法は、予め利益還元サーバ1に設定される。
【0069】
(ステップS215) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、NFT管理システム4に対して、ステップS214で算出した第2保有者の利益に関する利益還元率の照会を行う(利益還元率照会)。この利益還元率照会は、第2保有者が利益を得る取引に関するNFTのトークンID若しくは保有者アドレス又はトークンID及び保有者アドレスの両方を指定して行われる。
【0070】
(ステップS216) NFT管理システム4は、利益還元サーバ1からの利益還元率照会に応じて、該当するNFTに関する利益還元率を回答する(利益還元率回答)。利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、NFT管理システム4から、利益還元率を受信する。
【0071】
(ステップS217) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS216でNFT管理システム4から受信した利益還元率を用いて、ステップS214で算出した第2保有者の利益の中から第1保有者に還元する利益(還元利益)を算出する。
【0072】
(ステップS218) 利益還元サーバ1の還元利益算出部103は、ステップS217で算出した還元利益を示す還元利益情報を、第1保有者のユーザ端末2-1及び第2保有者のユーザ端末2-2各々へ送信する。第1保有者は、ユーザ端末2-1が利益還元サーバ1から受信した還元利益情報によって、第2保有者がNFTに対応するコンテンツに関する取引によって得る利益の中から自分に還元される還元利益を認識することができる。第2保有者は、ユーザ端末2-2が利益還元サーバ1から受信した還元利益情報によって、自分がNFTに対応するコンテンツに関する取引によって得る利益の中から第1保有者に還元される還元利益を認識すると共に、自分が実際に得ることができる利益を認識することができる。
【0073】
上述した実施形態によれば、NFTの2次流通等の取引によって得られる利益をコンテンツ作者等の以前の保有者に還元する利益を算出することができる。
【0074】
なお、これにより、例えばNFTマーケットプレイスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0076】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0077】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…利益還元サーバ、2…ユーザ端末、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、7…コンテンツ取引サーバ、101…取引情報取得部、102…還元率決定部、103…還元利益算出部、104…受付部、200…記憶部、NW…通信ネットワーク