(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121775
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】二次電池およびその二次電池を含む電気デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/536 20210101AFI20240830BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240830BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20240830BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20240830BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20240830BHJP
B23K 26/21 20140101ALN20240830BHJP
H01M 50/586 20210101ALN20240830BHJP
H01M 50/593 20210101ALN20240830BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/533
H01M50/107
H01M50/559
H01M50/179
B23K26/21 N
H01M50/586
H01M50/593
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023207459
(22)【出願日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】202320329767.3
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】車 佩佩
【テーマコード(参考)】
4E168
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
4E168BA02
5H011AA09
5H011AA13
5H011CC06
5H011EE01
5H011FF02
5H011GG09
5H011KK01
5H043AA04
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043CA13
5H043EA35
5H043GA22
5H043GA24
5H043HA17E
5H043JA01E
5H043LA02E
(57)【要約】
【目的】既存の二次電池の極柱と集電部の間の溶接問題を解決することのできる二次電池およびその二次電池を含む電気デバイスを提供する。
【解決手段】二次電池は、ハウジング、電極アセンブリ、極柱、および集電部を含む。電極アセンブリは、密封された状態でハウジング内に配置される。極柱は、ハウジングを通過して密封および絶縁された状態で設置され、厚さT1の薄化領域が配置される。集電部は、ハウジング内に配置され、電極アセンブリの電極と電気接続される。集電部上に厚さT2の溶接部が配置され、T2は、0.3T1よりも大きい。薄化領域は、溶接部と導通接触しており、溶接によって固定される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に密封されて配置された電極アセンブリと、
前記ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、厚さT1の薄化領域が配置された極柱と、
前記ハウジング内に配置され、前記電極アセンブリの電極と電気接続された集電部と、
を含み、前記集電部に厚さT2の溶接部が配置され、T2が、0.3T1よりも大きく、前記薄化領域が、前記溶接部と導電接触しており、溶接によって固定された二次電池。
【請求項2】
前記薄化領域に補強構造が配置された請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記補強構造が、第1突部を含み、前記第1突部が、前記極柱の貫通方向に沿って前記薄化領域の一側または両側に配置された請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記補強構造が、前記薄化領域に配置された円錐台を含み、前記円錐台の大端が、前記薄化領域に接続され、前記薄化領域の溶接領域が、前記円錐台を取り囲んで配置された請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記円錐台が、前記薄化領域の前記電極アセンブリから離れた一側に配置され、前記円錐台の小端面の中心に溶接位置決め構造が配置された請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記薄化領域の前記厚さT1が、0.1mm~2mmであり、前記溶接部の前記厚さT2が、0.1mm~3mmであり、前記溶接部の前記厚さT2が、前記薄化領域の前記厚さT1以上である請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記ハウジングが、一端が閉じて他端が開いた円筒であり、前記ハウジングの閉端壁に前記極柱の取り付け穴が配置され、前記極柱が、密封および絶縁された状態で前記極柱の前記取り付け穴に挿入された請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記極柱が、導電部材、第1固定部、および第2固定部を含み、前記導電部材が、前記極柱の前記取り付け穴に貫入し、前記第1固定部および前記第2固定部が、それぞれ前記導電部材の外端および内端に配置され、それぞれ前記閉端壁の外側および内側で挟まれた請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1固定部と前記ハウジングの間に絶縁部材が配置され、前記絶縁部材が、透明または半透明のプラスチックで作られた請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記絶縁部材上に沿面距離を増やすための絶縁補強構造が配置された請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記薄化領域が、平行に配置された第1平面および第2平面を含み、前記第1平面が、前記極柱の前記電極アセンブリから離れた端面の中央部の凹みによって形成され、前記第2平面が、前記極柱の前記電極アセンブリに近い端面の中央部の凹みによって形成された請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
前記極柱および/または前記集電部上に、前記溶接部を前記薄化領域と接触するように誘導するガイド構造が配置され、前記ガイド構造が、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記薄化領域内および/または前記集電部上に逃げ溝が配置された請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記溶接部が、前記集電部上に配置された第2突部であり、前記第2突部が、前記薄化領域に溶接されて固定され、前記集電部が、環状の集電部本体を含み、前記第2突部が、前記集電部本体の中心に配置され、前記第2突部の厚さが、前記集電部本体の厚さよりも大きく、前記第2突部の厚さが、0.3mm~3mmである請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
前記極柱の上部に凹型プラットフォームが配置され、前記極柱の貫通方向に沿った前記凹型プラットフォームの投影が、少なくとも前記薄化領域を覆う請求項1に記載の二次電池。
【請求項16】
前記凹型プラットフォームが、逆台形構造を有し、前記極柱の前記貫通方向に沿った前記凹型プラットフォームの深さが、0.1mm~1.5mmである請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記二次電池が、さらに、極柱カバーを含み、前記極柱カバーの形状が、前記凹型プラットフォームと一致し、前記極柱カバーが、前記凹型プラットフォーム上に配置され、前記極柱に溶接されて固定された請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記極柱カバーの前記薄化領域に面した一側に第3突部が配置され、前記極柱の前記貫通方向に沿った前記第3突部の投影が、少なくとも前記薄化領域を覆う請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記薄化領域の前記極柱カバーに面した一側に、前記第3突部の位置に対応する第1突部が配置され、前記第1突部が、前記極柱カバーによって受けた外力が設定された閾値より大きいとき、前記第3突部に当接するように構成された請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
作業部および請求項1~19のいずれか一項に記載の前記二次電池を含む電気デバイスであって、前記作業部が、前記二次電池に電気接続されて、サポート用の電気エネルギーを得る電気デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池技術の分野に関するものであり、特に、二次電池およびその二次電池を含む電気デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
円筒形電池の正極柱と集電部を電気接続して固定するための主な方案のうち、1つは、トルク溶接を採用し、もう1つは、レーザー溶接(シーム溶接または貫通溶接)を採用する。
【0003】
トルク溶接を行うときは、溶接ピンを電極シートアセンブリの中心孔から挿入する必要がある。一般的には、中心孔が小さく(5mm~8mm)、溶接ピンの直径が大きいため、位置決め精度に対する要求が非常に高く、生産効率が低く、電極シートアセンブリが損傷しやすい。一方、トルク溶接を採用するときは、溶接工程中に発生する金属削りカスを分離して吸引する有効な方法がなく、金属削りカスが二次電池内部に残留するため、二次電池の安全性に問題が生じる。同時に、トルク溶接を行う溶接面積が制限され、通電容量も制限される。さらに、内部の溶接効果を検出して識別する有効な手段がないため、溶接効果の品質を判断することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザー溶接方法の中でシーム溶接方法を使用するとき、一般的には、極柱領域の大きさが小さいため、強度と通電容量が制限される。一方、集電部に統合された柱が極柱の貫通孔を通過するときには、要求される精度がハウジング内に入る電極アセンブリの精度に影響されるため、構成が困難になり、生産効率に大きな影響を及ぼす。また、穴あけ工程中に傷から発生する金属削りカスが二次電池内部に残留するため、二次電池の安全性に問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の先行技術の欠点を考慮して、本発明は、既存の二次電池の極柱と集電部を溶接する際の溶接問題を解決することのできる二次電池およびその二次電池を含む電気デバイスを提供する。
【0006】
上記の目的および他の関連する目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ハウジング、電極アセンブリ、極柱、および集電部を含む二次電池を提供する。電極アセンブリは、ハウジング内に密封されて配置される。極柱は、ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、厚さT1の薄化領域(thinned region)が配置される。集電部は、ハウジング内に配置され、電極アセンブリの電極と電気接続される。集電部に厚さT2の溶接部が配置され、T2は、0.3T1より大きい。薄化領域は、溶接部と導電接触しており、溶接によって固定される。
【0007】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の溶接部から離れた壁に溶接痕が配置される。
【0008】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接痕は、環状形である。
【0009】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域に溶接位置決め構造が配置される。
【0010】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域は、円形であり、溶接位置決め構造は、円の中心に配置される。
【0011】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域に補強構造が配置される。
【0012】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造は、第1突部を含み、第1突部は、極柱の貫通方向に沿って薄化領域の一側または両側に配置される。
【0013】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造は、薄化領域に配置された円錐台を含み、円錐台の大端は、薄化領域に接続され、薄化領域の溶接領域は、円錐台を取り囲んで配置される。
【0014】
本発明の二次電池の1つの例において、円錐台は、薄化領域の電極アセンブリから離れた一側に配置され、円錐台の小端面の中心に溶接位置決め構造が配置される。
【0015】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造と薄化領域は、一体構造である。
【0016】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の厚さT1は、0.1mm~2mmであり、溶接部の厚さT2は、0.1mm~3mmである。溶接部の厚さT2は、薄化領域の厚さT1以上である。
【0017】
本発明の二次電池の1つの例において、ハウジングは、一端が閉じて他端が開いた円筒である。ハウジングの閉端壁に極柱の取り付け穴が配置され、極柱は、密封および絶縁された状態で極柱の取り付け穴に挿入される。
【0018】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱は、導電部材、第1固定部、および第2固定部を含み、導電部材は、極柱の取り付け穴に貫入し、第1固定部および第2固定部は、それぞれ導電部材の外端および内端に配置され、それぞれ閉端壁の外側および内側で挟まれる。
【0019】
本発明の二次電池の1つの例において、第1固定部および第2固定部の突部は、極柱の貫通方向に沿って少なくとも極柱の取り付け穴の突部を覆う。
【0020】
本発明の二次電池の1つの例において、第1固定部とハウジングの間に絶縁部材が配置され、絶縁部材上に沿面距離(creepage distance)を増やすための絶縁補強構造が配置される。
【0021】
本発明の二次電池の1つの例において、絶縁部材は、透明または半透明のプラスチックで作られる。
【0022】
本発明の二次電池の1つの例において、絶縁補強構造は、絶縁部材の側壁の上側および/または下側に配置された面取りまたは円弧を含む。
【0023】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱の電極アセンブリとは反対側を向いた一側にある端面の中央部および/または極柱の電極アセンブリに面する端面の中央部は、凹んで薄化領域を形成する。
【0024】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域は、平行に配置された第1平面および第2平面を含む。第1平面は、極柱の電極アセンブリから離れた端面の中央部の凹みによって形成され、第2平面は、極柱の電極アセンブリに近い端面の中央部の凹みによって形成される。
【0025】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱および/または集電部上に、溶接部を薄化領域と接触するように誘導するガイド構造が配置される。
【0026】
本発明の二次電池の1つの例において、ガイド構造は、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域内および/または集電部上に逃げ溝(escape groove)が配置される。
【0028】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接部は、集電部に配置された第2突部であり、第2突部は、薄化領域に溶接されて固定される。
【0029】
本発明の二次電池の1つの例において、集電部は、環状の集電部本体を含み、第2突部は、集電部本体の中心に配置され、第2突部の厚さは、集電部本体の厚さよりも大きく、第2突部の厚さは、0.3mm~3mmである。
【0030】
本発明の二次電池の1つの例において、集電部上に、溝が配置される。
【0031】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱の上部に凹型プラットフォーム(sinking platform)が配置され、極柱の貫通方向に沿った凹型プラットフォームの突部は、少なくとも薄化領域を覆う。
【0032】
本発明の二次電池の1つの例において、凹型プラットフォームは、逆台形構造を有し、極柱の貫通方向に沿った凹型プラットフォームの深さは、0.1mm~1.5mmである。
【0033】
本発明の二次電池の1つの例において、二次電池は、さらに、極柱カバーを含み、極柱カバーの形状は、凹型プラットフォームと一致し、極柱カバーは、凹型プラットフォーム上に配置され、極柱に導電溶接されて固定される。
【0034】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバー上に溶接位置決め構造が配置される。
【0035】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接位置決め構造は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つである。
【0036】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバーの薄化領域に面した一側に第3突部が配置され、極柱の貫通方向に沿った第3突部の投影は、少なくとも薄化領域を覆う。
【0037】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の極柱カバーに面する一側に第3突部の位置に対応する第1突部が配置され、第1突部は、極柱カバーで受けた外力が設定された閾値を超えたときに、第3突部に当接するように構成される。
【0038】
本発明の二次電池の1つの例において、第1突部と第3突部の間の間隙は、0.05mm~0.5mmである。
【0039】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバーは、第3固定部および外部溶接部を含み、外部溶接部の厚さは、第3固定部の厚さよりも大きい。
【0040】
本発明の二次電池の1つの例において、外部溶接部は、第3固定部よりも高く、高度差は、0.05mm~1mmである。
【0041】
本発明の第2の態様は、作業部および上述した実施形態のうちのいずれか1つに記載の二次電池を含む電気デバイスを提供し、作業部は、二次電池に電気接続され、サポート用の電気エネルギーを得る。
【発明の効果】
【0042】
本発明の二次電池は、極柱上に薄化領域を配置し、集電部上に溶接部を配置し、薄化領域を溶接部と導電接触させることによって、溶接装置を二次電池のハウジングの内部に入れる必要がないため、ハウジングの外部で集電部と薄化領域の溶接を行うことが可能になる。このようにして、生産効率を向上させることができるだけでなく、工程位置決めの精度に対する要求を下げることができ、極柱と集電部の溶接工程中に二次電池の内部で発生する金属削りカスを回避することができ、それにより、二次電池の信頼性および安全性を向上させることができる。同時に、本発明の二次電池は、さらに、薄化領域と溶接領域の厚さを制限するため、偽溶接(false welding)または溶接溶け込み(welding penetration)の問題を解決するだけでなく、より優れた溶接効果を達成し、電気接続強度および通電容量を向上させることもできる。同時に、この種の二次電池の溶接部は、ハウジングの外部に位置するため、検出および識別を容易にし、生産と製造の一貫性を確保するのに役立つ。本発明の電気デバイスは、本発明の二次電池を含み、電気エネルギーを供給する際に高い信頼性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態または先行技術の技術方案をより明確に説明するために、実施形態または先行技術の説明に使用する必要のある図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明の一部の実施形態に過ぎない。当業者であれば、これらの図面に基づいて、創造的な努力を必要とせずに他の図面を得ることができる。
【0044】
【
図1】本発明の二次電池の1つの実施形態の立体的な概略図である。
【
図2】ハウジングを取り除いた後の本発明の二次電池の1つの実施形態の立体概略図である。
【
図3】本発明の二次電池の1つの実施形態の立体断面図である。
【
図5】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図6】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図7】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図8】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図9】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図10】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図11】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の立体図である。
【
図12】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱カバーと極柱の分解図である。
【
図13】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の上面図である。
【
図14】極柱カバーを取り除いた後の本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の上面図である。
【
図15】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側から見た集電部の立体構造図である。
【
図16】本発明の二次電池の1つの実施形態における電極アセンブリ側から見た集電部の立体構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、具体例を通して本発明の実施方式について説明するが、当業者であれば、本明細書に開示された内容から、本発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。また、本発明は、他の異なる具体的な実施方式を通して実施または応用することもできる。本明細書における各詳細は、本発明の精神から逸脱しない限り、異なる観点および応用に基づいて様々な修正や変更が可能である。説明すべきこととして、実施形態間で矛盾することがない場合、下記の実施形態および実施形態中の特徴を互いに組み合わせてもよい。また、理解すべきこととして、本発明の実施形態において使用される用語は、具体的な実施方式を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。以下の例において具体的な条件が指示されていない試験方法については、通常、従来の条件に従うか、または各製造業者が示唆する条件に従うものとする。
【0046】
実施形態が数値範囲を提供する場合、本発明において特に明記されていない限り、各数値範囲の2つの端点および2つの端点間の任意の数値を選択できることを理解すべきである。特に定義されていない限り、本発明において使用されるすべての技術的および科学的用語は、先行技術の知識および当業者による本発明の説明と一致する。それらはまた、本発明の実施形態において説明された方法と共に使用することもできる。装置および材料は、本発明を実施するための先行技術の任意の方法、装置、および材料と同様または同等である。
【0047】
注意すべきこととして、本明細書において引用される「上」、「下」、「左」、「右」、「中」、「一」などの用語は、説明の便宜を図るためのものであり、本明細書を限定するために使用されるものではない。本発明の実施可能な範囲については、技術的内容に実質的な変更がない限り、相対関係の変更や調整も本発明の実施可能な範囲と見なすべきである。
【0048】
図1~
図16を参照されたい。本発明は、二次電池100および二次電池100を含む電気デバイスを提供する。二次電池100の構造は、溶接装置がハウジング110の外部で集電部140と薄化領域131を溶接できるようにするだけでなく、偽溶接または溶接溶け込みの問題を解決し、より優れた溶接効果を達成することもできる。
【0049】
図2~
図5を参照すると、二次電池100は、ハウジング110、電極アセンブリ120、極柱130、および集電部140を含む。ハウジング110は、電極アセンブリ120を収容する内部空間を形成するために配置され、ハウジング110によって形成された内部空間を使用して、電極アセンブリ120、電解質(図示せず)、および他の構成要素を収容することができる。ハウジング110は、円筒形、直方体、六角柱などの様々な形状およびサイズを有することができる。具体的に説明すると、ハウジング110の形状は、電極アセンブリ120の具体的な形状およびサイズに応じて決定することができる。ハウジング110は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの様々な材料で作ることができる。
【0050】
図2および
図3を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、ハウジング110は、一端が閉じて他端が開いた円筒である。エンドキャップ160は、円筒の開口部を封止する。1つの実施形態において、極柱130は、集電部140を介して電極アセンブリ120の正タブに電気接続され、ハウジング110は、直接または間接的に(他の集電部を介して)電極アセンブリ120の負タブに電気接続される。ハウジング110全体は、負に帯電する。正極柱およびハウジングの端面は、いずれも極柱130が位置する一側に配置されるため、正極と負極は、同じ側にある。このようにして、極柱130およびエンドキャップ160は、それぞれ二次電池100の正極および負極を構成する。極柱130の取り付け穴は、ハウジング110の閉端にある端壁111上に配置され、極柱130は、極柱130の取り付け穴に密封および絶縁された状態で配置される。このハウジング110の構造は、構成効率を向上させることができ、両端に開口を有するハウジング110よりも組み立ておよび封止性能が優れている。
【0051】
図2~
図5を参照すると、電極アセンブリ120は、密封された状態でハウジング110内に配置され、密封の具体的な形態は、限定されない。電極アセンブリ120は、電気化学反応を起こす二次電池100内の構成要素である。1つまたはそれ以上の電極アセンブリ120をハウジング110内に収容してもよい。電極アセンブリ120は、主に、正極シートと負極シートを巻き取る、または積み重ねることによって形成され、通常、正極シートと負極シートの間にセパレータが配置される。正極シートおよび負極シートの活物質を含む部分は、電極アセンブリ120の本体を構成し、正極シートおよび負極シートの活物質を含まない各部分は、タブ(図示せず)を構成する。
【0052】
極柱130がハウジング110から密封および絶縁されている限り、極柱130をハウジング110上に配置する方法は、限定されない。
図5および
図6を参照されたい。本実施形態において、極柱130は、ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、極柱130上に厚さT1の薄化領域131が配置される。薄化領域131は、ハウジング110の外部に露出することが可能な表面を有する。薄化領域131の形状は、限定されず、例えば、薄化領域131の形状が十分な溶接面積を有して外部溶接の要件を満たしている限り、四角形、環状形、円形、または特殊形状であってもよい。集電部140は、ハウジング110内に配置され、電極アセンブリ120とハウジング110の端壁111の間に位置する。集電部140の端壁111から離れた一側は、電極アセンブリ120の電極(タブ)に電気接続される。集電部140の端壁111に面した一側は、絶縁フィルム150で覆われる。絶縁フィルム150は、集電部140をハウジング110の端壁111から絶縁して分離するために配置される。集電部140上に厚さT2の溶接部141が配置され、T2は、0.3T1よりも大きい。溶接部141は、絶縁フィルム150の貫通孔を通過して、薄化領域131と導電接触し、溶接によって固定される。導電接触のための接触面の形状は、限定されず、接触面の形状は、例えば、接触面の形状が安定した電流伝送要件を満たすことができる限り、四角形、円形、環状形、または特殊形状であってもよい。また、溶接方法は、溶接方法がハウジング110の外部で薄化領域131と溶接部141を溶接することができる限り、限定されない。T2が0.3T1より小さいとき、すなわち、薄化領域の厚さT1が溶接部141の厚さT2を大幅に超えるとき、極柱130の外部側から溶接を行う際により厚い厚さT1を通過する必要がある。この状況では、高エネルギーレーザー溶接が必要となるが、レーザーエネルギーを制御するのは困難である。レーザーエネルギーが適切に制御されなければ、溶接溶け込みが起こりやすいため、極柱の漏れが生じる可能性がある。レーザーエネルギーが不足すれば、偽溶接が発生する。したがって、厚さ関係を適切に制御することは、溶接の深さを制御して、溶接溶け込みを回避するのに役立つ。したがって、本発明は、薄化領域131と溶接部141の厚さを制限することによって溶接要件を確保することができ、過度な熱が電極アセンブリ120に伝達されるのを防いで、薄化領域131と溶接部141の厚さの不一致によって引き起こされる偽溶接および溶接溶け込みの問題を解決することができる。
【0053】
本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131の溶接部141から離れた壁に溶接痕(図示せず)が配置される。溶接痕は、レーザーを使用した溶け込み溶接などの外部溶接の間に形成される。溶接痕の形状は、溶接装置のレーザー溶接軌跡と一致し、リング形状に限定されない。
【0054】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131上に第1溶接位置決め構造1321が配置される。第1溶接位置決め構造1321は、溶接中に溶接領域を位置決めするための正確な視覚化および識別のために配置される。溶接領域を位置決めするための正確な視覚化と識別が可能で、且つ外部溶接装置が適用可能である限り、第1溶接位置決め構造1321の形状および構造は、限定されない。例えば、第1溶接位置決め構造1321の形状および構造は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つであってもよい。
【0055】
図12および
図14を参照されたい。極柱130の溶接工程におけるレーザー溶接装置の溶接ヘッドの形状を考慮すると、本発明の二次電池100の1つの例において、ハウジング110は、円筒形であり、極柱130も、回転体構造であり、好ましくは、薄化領域131は、円形であり、第1溶接位置決め構造1321は、その円の中心に配置され、第1溶接位置決め構造1321は、第1半球穴であり、第1半球穴の回転軸(すなわち、半球の端面に対して垂直で、且つ球の中心を通る軸)は、円形の薄化領域131と同軸である。
【0056】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131に補強構造が配置される。溶接に影響を与えずに薄化領域131を補強することが可能である限り、補強構造の形状は、限定されない。本発明の二次電池100の1つの例において、補強構造は、第1突部132を含み、第1突部132は、極柱130の貫通方向に沿って薄化領域131の一側または両側に配置される。第1突部132によって、極柱130の構成または集電部140の圧入工程中に溶接部141の変形が溶接効果に影響を与えるのを防ぐことができる。説明すべきこととして、第1突部132が薄化領域131の両側に分布する場合、対応する溝を集電部140の溶接部141に配置して、集電部140の一側に面する第1突部132との干渉を回避する必要がある。
【0057】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、補強構造と薄化領域131の接続方法は、溶接、接着、または一体成形を含むが、本発明はこれに限定されない。補強構造は、薄化領域131に配置された円錐台を含む。円錐台は、小さい円形の端面(以下、「小端」と呼ぶ)および大きい円形の端面(以下、「大端」と呼ぶ)を有する。円錐台の大端は、薄化領域131の上面に接触しており、薄化領域131に溶接または一体的に接続される。大端と薄化領域131の接続は、円錐形と比較して、接続の安定性を高め、より優れた補強効果をもたらすことができる。薄化領域131と集電部140の溶接領域は、円錐台を取り囲んで配置されて環状の溶接領域を形成し、薄化領域131の環状の溶接領域の外表面に環状の溶接痕が形成される。
【0058】
図5および
図6を参照されたい。本発明において、溶接補強構造と第1溶接位置決め構造1321は、独立して、且つ別々に設置されてもよく、または互いに組み合わせて、補強と位置決めを行う組み合わせを形成してもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、円錐台は、薄化領域131の電極アセンブリ120から離れた一側に配置され、第1溶接位置決め構造1321は、円錐台の小端面の中央に配置される。このような補強構造と第1溶接位置決め構造1321は、相互補完的であるため、構造を単純化し、極柱130の表面で占有する領域を減らす。同時に、環状の溶接領域と第1溶接位置決め構造1321の同軸配置は、溶接装置を正確に位置決めするのに役立つ。
【0059】
既存の溶け込みレーザー溶接装置の貫通能力およびパラメータを考慮すると、好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131の厚さT1は、0.1mm~2mmであり、溶接部141の厚さT2は、0.1mm~3mmである。溶接部141の厚さT2は、薄化領域131の厚さT1よりも大きいか、それに等しい。このようにして、大量のレーザーを溶接に採用したときに溶接部141が貫通して極柱130の漏れが生じるのをより良好に防ぐことができるだけでなく、二次電池100のコストやおよび重量の増加を回避することもできる。
【0060】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130は、導電部材134、第1固定部135、および第2固定部136を含む。導電部材134は、円筒構造である。導電部材134は、極柱130の取り付け穴に配置される。第1固定部135は、導電部材134の外端(電極アセンブリ120から離れた端部)の周方向に配置され、閉端の端壁111(電極アセンブリ120から離れた一側)の外側で挟まれる。第2固定部136は、導電部材134の内端(電極アセンブリ120に面した端部)の周方向に配置され、閉端の端壁111(電極アセンブリ120に面した一側)の内側で挟まれる。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の貫通方向に沿った第1固定部135と第2固定部136の投影は、少なくとも極柱130の取り付け穴の投影を覆う。このようにして、一方では、極柱130の構成安定性を向上させることができ、他方では、比較的大きい第1固定部135および/または第2固定部136が絶縁部材またはシール部材139を圧入することができるため、極柱130を挿入しながら、極柱130と極柱130の取り付け穴を互いに密封および絶縁させることができる。
【0061】
図6および
図10を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130は、それぞれ第1絶縁部材137、第2絶縁部材138、および端壁111を介して絶縁および分離を達成し、極柱130の取り付け穴は、第1固定部135を介してシール部材139を圧入することによって密封される。第1絶縁部材137は、第1固定部135とハウジング110の閉端の外壁の間に配置される。第1絶縁部材137上に沿面距離を増やす絶縁補強構造が配置される。絶縁補強構造は、例えば、ハウジング110と第1固定部135の間の導電路上の直線路を曲線や複数のポリライン(polyline)などに変更することによってハウジング110と第1固定部135の間の導電路を増やすことのできる構造であってもよい。沿面強化の必要性およびコストを考慮すると、例えば、絶縁補強構造は、絶縁部材の側壁の上側および/または下側に配置された面取りまたは円弧を含むことができる。本実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の外壁と、絶縁部材とハウジング110の間の接触面との間に配置された第1面取り1371を含み、さらに、上固定部の上部に配置された第1面取り1371を含むことができる。面取りの種類は、直線面取りまたは円弧面取りを含むが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の上端部と絶縁部材の側壁の間に配置された面取りを含む。本発明のさらに別の実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の上端部と絶縁部材の側壁の間に配置された面取りを含み、同時に、絶縁部材の外壁と、絶縁部材とハウジング110の接触面との間に配置された面取りをさらに含む。
【0062】
複数の二次電池100を直列または並列に接続してバッテリーモジュールまたはバッテリーパックを形成するとき、二次電池の外表面をレーザーで洗浄して、外部のバッテリーを接続する際の溶接の信頼性を確保してもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、第1絶縁部材137は、透明または半透明のプラスチックで作られ、例えば、材料は、PFA、PP、PBT、PPSのうちのいずれか1つであってもよい。このようにして、黒色やその他の不透明な材料で作られた従来のプラスチック部品が熱を吸収して焼け出しやすくなることで絶縁密封に失敗するのを防ぐことができる。
【0063】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部および/または極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部は、凹んで薄化領域131を形成する。言及すべきこととして、薄化領域131は、単に極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部の凹みまたは極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部の凹みによって形成されてもよく、あるいは極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部と極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部の両方の凹みによって形成されてもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131は、平行に配置された第1平面1311および第2平面1312を含む。第1平面1311は、極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部の凹みによって形成され、第2平面1312は、極柱130の電極アセンブリ120に近い端面の中央部によって形成されるため、全体が「H」型の構造を形成し、薄化領域131は、「H」構造の水平接続部分に配置される。一方では、平行な第1平面1311と第2平面1312が薄化領域131の壁厚を均一にすることができ、他方では、これらの平面が溶接を容易にすることができる。
【0064】
図6および
図12を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、溶接部141は、集電部140上に配置された第2突部1413である。第2突部1413の上端面と薄化領域131は、溶接によって固定される。第2突部1413が薄化領域131と確実に接触して溶接されることが可能である限り、第2突部1413の形状は、限定されず、例えば、第2突部1413の断面は、円形、四角形などであってもよい。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、集電部140は、環状の集電部本体142を含み、第2突部1413は、円筒形のボスである。第2突部1413は、集電部本体142の中心に配置され、集電部本体142と同軸に配置される。第2突部1413の厚さは、集電部本体142の厚さよりも大きく、第2突部1413の厚さは、0.3mm~3mmである。一方では、このような配置により、溶接部141の溶接の厚さをより厚くして、溶接溶け込みや溶接の熱によって電極アセンブリ120が損傷するのを防ぐことができる。他方では、集電部本体142の厚さをより薄くすることができるため、それにより、集電部本体142と電極アセンブリ120のタブの溶け込み溶接を容易に実現することができる。
【0065】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130および/または集電部140上に、溶接部141を薄化領域131と接触するように誘導するガイド構造が配置される。ガイド構造は、集電部140の溶接部141を薄化領域131の下方の位置に導入するのに役立つ。言及すべきこととして、ガイド構造は、溶接部141のみに配置されてもよく、または薄化領域131のみに配置されてもよく、あるいはガイド構造を溶接部141上および薄化領域131内の両方に配置して、溶接部141を薄化領域131と接触するように同時にまたは順番に誘導してもよい。ガイド構造は、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。この例では、薄化領域131は、環状形であり、溶接部141は、円形または環状形であり、ガイド構造は、薄化領域131の側壁の開口部に配置された第1テーパ面1361および第2突部1413の側壁の上部に配置された第2テーパ面1412を含む。第1テーパ面1361の大端は、電極アセンブリ120の一側に面し、第1テーパ面1361の小端は、電極アセンブリ120とは反対側を向いており、第2テーパ面1412の大端は、電極アセンブリ120の一側に面し、第2テーパ面1412の小端は、電極アセンブリ120とは反対側を向いている。
【0066】
本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131内および/または集電部140上に逃げ溝が配置される。このような構成により、薄化領域131が溶接部141に溶接される溶接領域において局所的な変形が接合に影響を与えるのを防ぐ。言及すべきこととして、薄化領域131と溶接部141が接触する接触領域に逃げ溝を配置して両者間の接触面積を減らすことができる限り、逃げ溝の配置位置は、限定されない。例えば、
図9に示すように、第1逃げ溝1411を溶接部141上に配置するだけであってもよく、
図8に示すように、第2逃げ溝1313を薄化領域131の下面に配置するだけであってもよい。また、溶接部141上に第1逃げ溝1411を配置し、同時に、薄化領域131の下面に第2逃げ溝1313を配置することも可能である。逃げ溝の形状および深さは、限定されない。例えば、形状は、円形、四角形、環状形などであってもよい。好ましくは、本実施形態において、薄化領域131は、円形であり、第2ボスは、円形であり、逃げ溝も、好ましくは、円形であり、且つ第1ボスおよび薄化領域131と同軸に配置されるため、逃げ溝の周囲に均一な環状の溶接領域を形成して、不均一な溶接応力によって変形が生じるのを回避することができる。
【0067】
図15および
図16を参照すると、本発明の二次電池100の1つの例において、集電部140の電極アセンブリ120に面する一側に第2溝1414が配置される。第2溝1414は、溶接工程中の熱効果によって電極アセンブリ120に生じる損傷を減らすことができる。好ましくは、第2溝1414は、溶接部141の下面に配置され、極柱130の貫通方向に沿った突出部は、溶接部141の溶接領域を覆う。このような配置により、溶接領域が電極アセンブリ120に直接接触するのを防ぐことができるため、溶接工程中の熱効果によって電極アセンブリ120に生じる損傷を減らすことができる。
【0068】
図6および
図12を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の上部に凹型プラットフォーム1351が配置される。極柱130の貫通方向に沿った凹型プラットフォーム1351の突出部は、少なくとも薄化領域131を覆う。凹型プラットフォーム1351の形状は、限定されず、例えば、四角形または円形であってもよい。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、凹型プラットフォーム1351の側壁は、逆台形構造を有する回転構造である。極柱130の貫通方向に沿った凹型プラットフォーム1351の深さH2は、0.1mm~1.5mmである。本発明の二次電池100の1つの例において、二次電池100は、さらに、極柱カバー133を含む。極柱カバー133の形状は、凹型プラットフォーム1351と一致する。極柱カバー133は、凹型プラットフォーム1351上に配置され、極柱130に導電溶接されて固定される。このような構成により、極柱130の上部に大きな導電性端面を形成することができるため、複数の二次電池を直列または並列に接続したときに単一の二次電池の極柱130が大きな溶接面を有することを確保することができる。同時に、凹型プラットフォーム1351の設置により、極柱カバー133と凹型プラットフォーム1351の溶接工程中の薄化領域131への損傷を回避することができる。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133上に第2溶接位置決め構造1331が配置される。第2溶接位置決め構造1331は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つである。
【0069】
図7を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133の薄化領域131に面する一側に第3突部1334が配置される。極柱130の貫通方向に沿った第3突部1334の突出部は、少なくとも薄化領域131を覆う。第3突部1334は、極柱カバー133と薄化領域131の間のキャビティに収容される。第3突部1334の設置により、極柱カバー133に対する壁厚と強度を大幅に改善し、レーザー溶接による溶融溶け込みを防ぐことができる。
【0070】
図7を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、第1突部132は、薄化領域131の極柱カバー133に面する一側に配置され、第3突部1334の位置に対応する。第1突部132は、極柱カバー133で受けた外力が設定された閾値を超えたときに第3突部1334に当接するように構成される。このようにして、第1突部132は、大きな外力が印加されたときに第3突部1334に抵抗するため、極柱130のユニットとしての全体的な構造強度を改善し、構造信頼性を確保することができる。
【0071】
図7を参照されたい。外力が設定された閾値を超えたときに第1突部132が第3突部1334に抵抗することができる限り、第1突部132と第3突部1334の間の隙間は、設定された外力の閾値に応じて選択することができる。レーザー溶け込み溶接中の押圧力を考慮すると、好ましくは、本実施形態において、第1突部132と第3突部1334の間の隙間H1は、0.05mm~0.5mmである。大きな外力が加わったとき、第1突部132と第3突部1334は、互いに抵抗することができるため、極柱130のユニットとしての全体的な構造強度を改善し、構造信頼性を確保することができる。
【0072】
図8を参照されたい。薄化領域131を遮蔽して保護することができ、且つより大きな外部電気接続面を形成することができる限り、極柱カバー133の構造形状は、限定されない。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133は、第3固定部1332および外部溶接部1333を含む。第3固定部1332は、第1固定部135と溶接および固定するために配置され、外部溶接部1333は、他の構造への外部電気接続のために配置される。外部溶接部1333の厚さは、固定部分の厚さよりも大きい。本発明の二次電池100の1つの例において、外部溶接部1333は、第3固定部1332よりも高く、高さ差H3は、0.05mm~1mmである。この範囲内の高さにすることによって、固定部分を突部に溶接する操作により外部アダプターメンバーに衝撃が生じるのを回避することができる。
【0073】
本発明の第2の態様は、さらに、作業部および上記の実施形態のうちのいずれか1つにおいて説明した二次電池を含む電気デバイスを提供し、作業部は、二次電池100に電気接続され、サポート用の電気エネルギーを得る。電気デバイスは、車両、携帯電話、携帯デバイス、ノートパソコン、船舶、宇宙船、電気玩具、および電動工具などであってもよい。車両は、燃料車両、ガス車両、または新エネルギー車両であってもよく、新エネルギー車両は、純粋な電気自動車、ハイブリッド車両、または長距離走行車両などであってもよい。宇宙船は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含む。電気玩具は、固定型または移動型の電気玩具、例えば、ゲーム機、電気玩具車、電気玩具船、および電気玩具飛行機などを含む。電動工具は、金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具、および鉄道電動工具、例えば、電気ドリル、電気グラインダー、電気レンチ、電気ドライバー、電気ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター、プレーナーなどを含む。本発明の実施形態は、上述した電気デバイスに対し、特に限定はしない。
【0074】
本発明の二次電池100は、極柱130上に薄化領域131を配置し、集電部140上に溶接部141を配置し、薄化領域131を溶接部141と導電接触させることによって、溶接装置を二次電池100のハウジング110の内部に入れる必要がないため、ハウジング110の外部で集電部140と薄化領域131の溶接を行うことが可能になる。このようにして、生産効率を向上させることができるだけでなく、工程位置決めの精度に対する要求を下げることができ、極柱130と集電部の溶接工程中に二次電池100内部で発生する金属削りカスを回避することができ、それにより、二次電池100の信頼性および安全性を向上させることができる。同時に、本発明の二次電池100は、さらに、薄化領域131と溶接領域141の厚さを制限するため、偽溶接または溶接溶け込みの問題を解決するだけでなく、より優れた溶接効果を達成し、電気接続強度および通電容量を向上させることもできる。同時に、この種の二次電池100の溶接部141は、ハウジング110の外部に位置するため、検出および識別を容易にし、生産と製造の一貫性を確保するのに役立つ。本発明の電気デバイスは、本発明の二次電池100を含み、電気エネルギーを供給する際に高い信頼性を有する。したがって、本発明は、先行技術におけるいくつかの実際問題を効果的に克服し、高い利用価値および使用意義を有する。上述した実施形態は、本発明の原理およびその効果を説明するための単なる例示であり、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態を修正または変更することができる。そのため、当業者によって本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われる同等の修正または変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の二次電池およびそれを含む電気デバイスは、新エネルギー車の分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
100 二次電池
110 ハウジング
111 端壁
120 電極アセンブリ
130 極柱
131 薄化領域
1311 第1平面
1312 第2平面
1313 第2逃げ溝
132 第1突部
1321 第1溶接位置決め構造
133 極柱カバー
1331 第2溶接位置決め構造
1332 第3固定部
1333 外部溶接部
1334 第3突部
134 導電部材
135 第1固定部
1351 掘下げプラットフォーム
1352 第1丸角部
136 第2固定部
1361 第1テーパ面
137 第1絶縁部材
1371 第1面取り
138 第2絶縁部材
139 シール部材
140 集電部
141 溶接部
1411 第1逃げ溝
1412 第2テーパ面
1413 第2突部
1414 第2溝
142 環状の集電部本体
150 絶縁フィルム
160 エンドキャップ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池技術の分野に関するものであり、特に、二次電池およびその二次電池を含む電気デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
円筒形電池の正極柱と集電部を電気接続して固定するための主な方案のうち、1つは、トルク溶接を採用し、もう1つは、レーザー溶接(シーム溶接または貫通溶接)を採用する。
【0003】
トルク溶接を行うときは、溶接ピンを電極シートアセンブリの中心孔から挿入する必要がある。一般的には、中心孔が小さく(5mm~8mm)、溶接ピンの直径が大きいため、位置決め精度に対する要求が非常に高く、生産効率が低く、電極シートアセンブリが損傷しやすい。一方、トルク溶接を採用するときは、溶接工程中に発生する金属削りカスを分離して吸引する有効な方法がなく、金属削りカスが二次電池内部に残留するため、二次電池の安全性に問題が生じる。同時に、トルク溶接を行う溶接面積が制限され、通電容量も制限される。さらに、内部の溶接効果を検出して識別する有効な手段がないため、溶接効果の品質を判断することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザー溶接方法の中でシーム溶接方法を使用するとき、一般的には、極柱領域の大きさが小さいため、強度と通電容量が制限される。一方、集電部に統合された柱が極柱の貫通孔を通過するときには、要求される精度がハウジング内に入る電極アセンブリの精度に影響されるため、構成が困難になり、生産効率に大きな影響を及ぼす。また、穴あけ工程中に傷から発生する金属削りカスが二次電池内部に残留するため、二次電池の安全性に問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の先行技術の欠点を考慮して、本発明は、既存の二次電池の極柱と集電部を溶接する際の溶接問題を解決することのできる二次電池およびその二次電池を含む電気デバイスを提供する。
【0006】
上記の目的および他の関連する目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ハウジング、電極アセンブリ、極柱、および集電部を含む二次電池を提供する。電極アセンブリは、ハウジング内に密封されて配置される。極柱は、ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、厚さT1の薄化領域(thinned region)が配置される。集電部は、ハウジング内に配置され、電極アセンブリの電極と電気接続される。集電部に厚さT2の溶接部が配置され、T2は、0.3T1より大きい。薄化領域は、溶接部と導電接触しており、溶接によって固定される。
【0007】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の溶接部から離れた壁に溶接痕が配置される。
【0008】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接痕は、環状形である。
【0009】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域に溶接位置決め構造が配置される。
【0010】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域は、円形であり、溶接位置決め構造は、円の中心に配置される。
【0011】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域に補強構造が配置される。
【0012】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造は、第1突部を含み、第1突部は、極柱の貫通方向に沿って薄化領域の一側または両側に配置される。
【0013】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造は、薄化領域に配置された円錐台を含み、円錐台の大端は、薄化領域に接続され、薄化領域の溶接領域は、円錐台を取り囲んで配置される。
【0014】
本発明の二次電池の1つの例において、円錐台は、薄化領域の電極アセンブリから離れた一側に配置され、円錐台の小端面の中心に溶接位置決め構造が配置される。
【0015】
本発明の二次電池の1つの例において、補強構造と薄化領域は、一体構造である。
【0016】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の厚さT1は、0.1mm~2mmであり、溶接部の厚さT2は、0.1mm~3mmである。溶接部の厚さT2は、薄化領域の厚さT1以上である。
【0017】
本発明の二次電池の1つの例において、ハウジングは、一端が閉じて他端が開いた円筒である。ハウジングの閉端壁に極柱の取り付け穴が配置され、極柱は、密封および絶縁された状態で極柱の取り付け穴に挿入される。
【0018】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱は、導電部材、第1固定部、および第2固定部を含み、導電部材は、極柱の取り付け穴に貫入し、第1固定部および第2固定部は、それぞれ導電部材の外端および内端に配置され、それぞれ閉端壁の外側および内側で挟まれる。
【0019】
本発明の二次電池の1つの例において、第1固定部および第2固定部の突部は、極柱の貫通方向に沿って少なくとも極柱の取り付け穴の突部を覆う。
【0020】
本発明の二次電池の1つの例において、第1固定部とハウジングの間に絶縁部材が配置され、絶縁部材上に沿面距離(creepage distance)を増やすための絶縁補強構造が配置される。
【0021】
本発明の二次電池の1つの例において、絶縁部材は、透明または半透明のプラスチックで作られる。
【0022】
本発明の二次電池の1つの例において、絶縁補強構造は、絶縁部材の側壁の上側および/または下側に配置された面取りまたは円弧を含む。
【0023】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱の電極アセンブリとは反対側を向いた一側にある端面の中央部および/または極柱の電極アセンブリに面する端面の中央部は、凹んで薄化領域を形成する。
【0024】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域は、平行に配置された第1平面および第2平面を含む。第1平面は、極柱の電極アセンブリから離れた端面の中央部の凹みによって形成され、第2平面は、極柱の電極アセンブリに近い端面の中央部の凹みによって形成される。
【0025】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱および/または集電部上に、溶接部を薄化領域と接触するように誘導するガイド構造が配置される。
【0026】
本発明の二次電池の1つの例において、ガイド構造は、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域内および/または集電部上に逃げ溝(escape groove)が配置される。
【0028】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接部は、集電部に配置された第2突部であり、第2突部は、薄化領域に溶接されて固定される。
【0029】
本発明の二次電池の1つの例において、集電部は、環状の集電部本体を含み、第2突部は、集電部本体の中心に配置され、第2突部の厚さは、集電部本体の厚さよりも大きく、第2突部の厚さは、0.3mm~3mmである。
【0030】
本発明の二次電池の1つの例において、集電部上に、溝が配置される。
【0031】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱の上部に凹型プラットフォーム(sinking platform)が配置され、極柱の貫通方向に沿った凹型プラットフォームの突部は、少なくとも薄化領域を覆う。
【0032】
本発明の二次電池の1つの例において、凹型プラットフォームは、逆台形構造を有し、極柱の貫通方向に沿った凹型プラットフォームの深さは、0.1mm~1.5mmである。
【0033】
本発明の二次電池の1つの例において、二次電池は、さらに、極柱カバーを含み、極柱カバーの形状は、凹型プラットフォームと一致し、極柱カバーは、凹型プラットフォーム上に配置され、極柱に導電溶接されて固定される。
【0034】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバー上に溶接位置決め構造が配置される。
【0035】
本発明の二次電池の1つの例において、溶接位置決め構造は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つである。
【0036】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバーの薄化領域に面した一側に第3突部が配置され、極柱の貫通方向に沿った第3突部の投影は、少なくとも薄化領域を覆う。
【0037】
本発明の二次電池の1つの例において、薄化領域の極柱カバーに面する一側に第3突部の位置に対応する第1突部が配置され、第1突部は、極柱カバーで受けた外力が設定された閾値を超えたときに、第3突部に当接するように構成される。
【0038】
本発明の二次電池の1つの例において、第1突部と第3突部の間の間隙は、0.05mm~0.5mmである。
【0039】
本発明の二次電池の1つの例において、極柱カバーは、第3固定部および外部溶接部を含み、外部溶接部の厚さは、第3固定部の厚さよりも大きい。
【0040】
本発明の二次電池の1つの例において、外部溶接部は、第3固定部よりも高く、高度差は、0.05mm~1mmである。
【0041】
本発明の第2の態様は、作業部および上述した実施形態のうちのいずれか1つに記載の二次電池を含む電気デバイスを提供し、作業部は、二次電池に電気接続され、サポート用の電気エネルギーを得る。
【発明の効果】
【0042】
本発明の二次電池は、極柱上に薄化領域を配置し、集電部上に溶接部を配置し、薄化領域を溶接部と導電接触させることによって、溶接装置を二次電池のハウジングの内部に入れる必要がないため、ハウジングの外部で集電部と薄化領域の溶接を行うことが可能になる。このようにして、生産効率を向上させることができるだけでなく、工程位置決めの精度に対する要求を下げることができ、極柱と集電部の溶接工程中に二次電池の内部で発生する金属削りカスを回避することができ、それにより、二次電池の信頼性および安全性を向上させることができる。同時に、本発明の二次電池は、さらに、薄化領域と溶接領域の厚さを制限するため、偽溶接(false welding)または溶接溶け込み(welding penetration)の問題を解決するだけでなく、より優れた溶接効果を達成し、電気接続強度および通電容量を向上させることもできる。同時に、この種の二次電池の溶接部は、ハウジングの外部に位置するため、検出および識別を容易にし、生産と製造の一貫性を確保するのに役立つ。本発明の電気デバイスは、本発明の二次電池を含み、電気エネルギーを供給する際に高い信頼性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態または先行技術の技術方案をより明確に説明するために、実施形態または先行技術の説明に使用する必要のある図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明の一部の実施形態に過ぎない。当業者であれば、これらの図面に基づいて、創造的な努力を必要とせずに他の図面を得ることができる。
【0044】
【
図1】本発明の二次電池の1つの実施形態の立体的な概略図である。
【
図2】ハウジングを取り除いた後の本発明の二次電池の1つの実施形態の立体概略図である。
【
図3】本発明の二次電池の1つの実施形態の立体断面図である。
【
図5】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図6】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図7】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図8】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図9】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図10】本発明の二次電池の1つの実施形態におけるハウジング上の極柱の一部の構成を示す概略図である。
【
図11】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の立体図である。
【
図12】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱カバーと極柱の分解図である。
【
図13】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の上面図である。
【
図14】極柱カバーを取り除いた後の本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側の上面図である。
【
図15】本発明の二次電池の1つの実施形態における極柱側から見た集電部の立体構造図である。
【
図16】本発明の二次電池の1つの実施形態における電極アセンブリ側から見た集電部の立体構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、具体例を通して本発明の実施方式について説明するが、当業者であれば、本明細書に開示された内容から、本発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。また、本発明は、他の異なる具体的な実施方式を通して実施または応用することもできる。本明細書における各詳細は、本発明の精神から逸脱しない限り、異なる観点および応用に基づいて様々な修正や変更が可能である。説明すべきこととして、実施形態間で矛盾することがない場合、下記の実施形態および実施形態中の特徴を互いに組み合わせてもよい。また、理解すべきこととして、本発明の実施形態において使用される用語は、具体的な実施方式を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。以下の例において具体的な条件が指示されていない試験方法については、通常、従来の条件に従うか、または各製造業者が示唆する条件に従うものとする。
【0046】
実施形態が数値範囲を提供する場合、本発明において特に明記されていない限り、各数値範囲の2つの端点および2つの端点間の任意の数値を選択できることを理解すべきである。特に定義されていない限り、本発明において使用されるすべての技術的および科学的用語、先行技術の知識および当業者による本発明の説明に基づいて、本発明は、本発明の実施形態において説明された方法、装置および材料と同様または同等の任意の方法、装置および材料を使用して実施することもできる。
【0047】
注意すべきこととして、本明細書において引用される「上」、「下」、「左」、「右」、「中」、「一」などの用語は、説明の便宜を図るためのものであり、本明細書を限定するために使用されるものではない。本発明の実施可能な範囲については、技術的内容に実質的な変更がない限り、相対関係の変更や調整も本発明の実施可能な範囲と見なすべきである。
【0048】
図1~
図16を参照されたい。本発明は、二次電池100および二次電池100を含む電気デバイスを提供する。二次電池100の構造は、溶接装置がハウジング110の外部で集電部140と薄化領域131を溶接できるようにするだけでなく、偽溶接または溶接溶け込みの問題を解決し、より優れた溶接効果を達成することもできる。
【0049】
図2~
図5を参照すると、二次電池100は、ハウジング110、電極アセンブリ120、極柱130、および集電部140を含む。ハウジング110は、電極アセンブリ120を収容する内部空間を形成するために配置され、ハウジング110によって形成された内部空間を使用して、電極アセンブリ120、電解質(図示せず)、および他の構成要素を収容することができる。ハウジング110は、円筒形、直方体、六角柱などの様々な形状およびサイズを有することができる。具体的に説明すると、ハウジング110の形状は、電極アセンブリ120の具体的な形状およびサイズに応じて決定することができる。ハウジング110は、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの様々な材料で作ることができる。
【0050】
図2および
図3を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、ハウジング110は、一端が閉じて他端が開いた円筒である。エンドキャップ160は、円筒の開口部を封止する。1つの実施形態において、極柱130は、集電部140を介して電極アセンブリ120の正タブに電気接続され、ハウジング110は、直接または間接的に(他の集電部を介して)電極アセンブリ120の負タブに電気接続される。ハウジング110全体は、負に帯電する。正極柱およびハウジングの端面は、いずれも極柱130が位置する一側に配置されるため、正極と負極は、同じ側にある。このようにして、極柱130およびエンドキャップ160は、それぞれ二次電池100の正極および負極を構成する。極柱130の取り付け穴は、ハウジング110の閉端にある端壁111上に配置され、極柱130は、極柱130の取り付け穴に密封および絶縁された状態で配置される。このハウジング110の構造は、構成効率を向上させることができ、両端に開口を有するハウジング110よりも組み立ておよび封止性能が優れている。
【0051】
図2~
図5を参照すると、電極アセンブリ120は、密封された状態でハウジング110内に配置され、密封の具体的な形態は、限定されない。電極アセンブリ120は、電気化学反応を起こす二次電池100内の構成要素である。1つまたはそれ以上の電極アセンブリ120をハウジング110内に収容してもよい。電極アセンブリ120は、主に、正極シートと負極シートを巻き取る、または積み重ねることによって形成され、通常、正極シートと負極シートの間にセパレータが配置される。正極シートおよび負極シートの活物質を含む部分は、電極アセンブリ120の本体を構成し、正極シートおよび負極シートの活物質を含まない各部分は、タブ(図示せず)を構成する。
【0052】
極柱130がハウジング110から密封および絶縁されている限り、極柱130をハウジング110上に配置する方法は、限定されない。
図5および
図6を参照されたい。本実施形態において、極柱130は、ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、極柱130上に厚さT1の薄化領域131が配置される。薄化領域131は、ハウジング110の外部に露出することが可能な表面を有する。薄化領域131の形状は、限定されず、例えば、薄化領域131の形状が十分な溶接面積を有して外部溶接の要件を満たしている限り、四角形、環状形、円形、または特殊形状であってもよい。集電部140は、ハウジング110内に配置され、電極アセンブリ120とハウジング110の端壁111の間に位置する。集電部140の端壁111から離れた一側は、電極アセンブリ120の電極(タブ)に電気接続される。集電部140の端壁111に面した一側は、絶縁フィルム150で覆われる。絶縁フィルム150は、集電部140をハウジング110の端壁111から絶縁して分離するために配置される。集電部140上に厚さT2の溶接部141が配置され、T2は、0.3T1よりも大きい。溶接部141は、絶縁フィルム150の貫通孔を通過して、薄化領域131と導電接触し、溶接によって固定される。導電接触のための接触面の形状は、限定されず、接触面の形状は、例えば、接触面の形状が安定した電流伝送要件を満たすことができる限り、四角形、円形、環状形、または特殊形状であってもよい。また、溶接方法は、溶接方法がハウジング110の外部で薄化領域131と溶接部141を溶接することができる限り、限定されない。T2が0.3T1より小さいとき、すなわち、薄化領域の厚さT1が溶接部141の厚さT2を大幅に超えるとき、極柱130の外部側から溶接を行う際により厚い厚さT1を通過する必要がある。この状況では、高エネルギーレーザー溶接が必要となるが、レーザーエネルギーを制御するのは困難である。レーザーエネルギーが適切に制御されなければ、溶接溶け込みが起こりやすいため、極柱の漏れが生じる可能性がある。レーザーエネルギーが不足すれば、偽溶接が発生する。したがって、厚さ関係を適切に制御することは、溶接の深さを制御して、溶接溶け込みを回避するのに役立つ。したがって、本発明は、薄化領域131と溶接部141の厚さを制限することによって溶接要件を確保することができ、過度な熱が電極アセンブリ120に伝達されるのを防いで、薄化領域131と溶接部141の厚さの不一致によって引き起こされる偽溶接および溶接溶け込みの問題を解決することができる。
【0053】
本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131の溶接部141から離れた壁に溶接痕(図示せず)が配置される。溶接痕は、レーザーを使用した溶け込み溶接などの外部溶接の間に形成される。溶接痕の形状は、溶接装置のレーザー溶接軌跡と一致し、リング形状に限定されない。
【0054】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131上に第1溶接位置決め構造1321が配置される。第1溶接位置決め構造1321は、溶接中に溶接領域を位置決めするための正確な視覚化および識別のために配置される。溶接領域を位置決めするための正確な視覚化と識別が可能で、且つ外部溶接装置が適用可能である限り、第1溶接位置決め構造1321の形状および構造は、限定されない。例えば、第1溶接位置決め構造1321の形状および構造は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つであってもよい。
【0055】
図12および
図14を参照されたい。極柱130の溶接工程におけるレーザー溶接装置の溶接ヘッドの形状を考慮すると、本発明の二次電池100の1つの例において、ハウジング110は、円筒形であり、極柱130も、回転体構造であり、好ましくは、薄化領域131は、円形であり、第1溶接位置決め構造1321は、その円の中心に配置され、第1溶接位置決め構造1321は、第1半球穴であり、第1半球穴の回転軸(すなわち、半球の端面に対して垂直で、且つ球の中心を通る軸)は、円形の薄化領域131と同軸である。
【0056】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131に補強構造が配置される。溶接に影響を与えずに薄化領域131を補強することが可能である限り、補強構造の形状は、限定されない。本発明の二次電池100の1つの例において、補強構造は、第1突部132を含み、第1突部132は、極柱130の貫通方向に沿って薄化領域131の一側または両側に配置される。第1突部132によって、極柱130の構成または集電部140の圧入工程中に溶接部141の変形が溶接効果に影響を与えるのを防ぐことができる。説明すべきこととして、第1突部132が薄化領域131の両側に分布する場合、対応する溝を集電部140の溶接部141に配置して、集電部140の一側に面する第1突部132との干渉を回避する必要がある。
【0057】
図5および
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、補強構造と薄化領域131の接続方法は、溶接、接着、または一体成形を含むが、本発明はこれに限定されない。補強構造は、薄化領域131に配置された円錐台を含む。円錐台は、小さい円形の端面(以下、「小端」と呼ぶ)および大きい円形の端面(以下、「大端」と呼ぶ)を有する。円錐台の大端は、薄化領域131の上面に接触しており、薄化領域131に溶接または一体的に接続される。大端と薄化領域131の接続は、円錐形と比較して、接続の安定性を高め、より優れた補強効果をもたらすことができる。薄化領域131と集電部140の溶接領域は、円錐台を取り囲んで配置されて環状の溶接領域を形成し、薄化領域131の環状の溶接領域の外表面に環状の溶接痕が形成される。
【0058】
図5および
図6を参照されたい。本発明において、溶接補強構造と第1溶接位置決め構造1321は、独立して、且つ別々に設置されてもよく、または互いに組み合わせて、補強と位置決めを行う組み合わせを形成してもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、円錐台は、薄化領域131の電極アセンブリ120から離れた一側に配置され、第1溶接位置決め構造1321は、円錐台の小端面の中央に配置される。このような補強構造と第1溶接位置決め構造1321は、相互補完的であるため、構造を単純化し、極柱130の表面で占有する領域を減らす。同時に、環状の溶接領域と第1溶接位置決め構造1321の同軸配置は、溶接装置を正確に位置決めするのに役立つ。
【0059】
既存の溶け込みレーザー溶接装置の貫通能力およびパラメータを考慮すると、好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131の厚さT1は、0.1mm~2mmであり、溶接部141の厚さT2は、0.1mm~3mmである。溶接部141の厚さT2は、薄化領域131の厚さT1よりも大きいか、それに等しい。このようにして、大量のレーザーを溶接に採用したときに溶接部141が貫通して極柱130の漏れが生じるのをより良好に防ぐことができるだけでなく、二次電池100のコストやおよび重量の増加を回避することもできる。
【0060】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130は、導電部材134、第1固定部135、および第2固定部136を含む。導電部材134は、円筒構造である。導電部材134は、極柱130の取り付け穴に配置される。第1固定部135は、導電部材134の外端(電極アセンブリ120から離れた端部)の周方向に配置され、閉端の端壁111(電極アセンブリ120から離れた一側)の外側で挟まれる。第2固定部136は、導電部材134の内端(電極アセンブリ120に面した端部)の周方向に配置され、閉端の端壁111(電極アセンブリ120に面した一側)の内側で挟まれる。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の貫通方向に沿った第1固定部135と第2固定部136の投影は、少なくとも極柱130の取り付け穴の投影を覆う。このようにして、一方では、極柱130の構成安定性を向上させることができ、他方では、比較的大きい第1固定部135および/または第2固定部136が絶縁部材またはシール部材139を圧入することができるため、極柱130を挿入しながら、極柱130と極柱130の取り付け穴を互いに密封および絶縁させることができる。
【0061】
図6および
図10を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130は、それぞれ第1絶縁部材137、第2絶縁部材138、および端壁111を介して絶縁および分離を達成し、極柱130の取り付け穴は、第1固定部135を介してシール部材139を圧入することによって密封される。第1絶縁部材137は、第1固定部135とハウジング110の閉端の外壁の間に配置される。第1絶縁部材137上に沿面距離を増やす絶縁補強構造が配置される。絶縁補強構造は、例えば、ハウジング110と第1固定部135の間の導電路上の直線路を曲線や複数のポリライン(polyline)などに変更することによってハウジング110と第1固定部135の間の導電路を増やすことのできる構造であってもよい。沿面強化の必要性およびコストを考慮すると、例えば、絶縁補強構造は、絶縁部材の側壁の上側および/または下側に配置された面取りまたは円弧を含むことができる。本実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の外壁と、絶縁部材とハウジング110の間の接触面との間に配置された第1面取り1371を含み、さらに、上固定部の上部に配置された第1面取り1371を含むことができる。面取りの種類は、直線面取りまたは円弧面取りを含むが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の上端部と絶縁部材の側壁の間に配置された面取りを含む。本発明のさらに別の実施形態において、絶縁補強構造は、絶縁部材の上端部と絶縁部材の側壁の間に配置された面取りを含み、同時に、絶縁部材の外壁と、絶縁部材とハウジング110の接触面との間に配置された面取りをさらに含む。
【0062】
複数の二次電池100を直列または並列に接続してバッテリーモジュールまたはバッテリーパックを形成するとき、二次電池の外表面をレーザーで洗浄して、外部のバッテリーを接続する際の溶接の信頼性を確保してもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、第1絶縁部材137は、透明または半透明のプラスチックで作られ、例えば、材料は、PFA、PP、PBT、PPSのうちのいずれか1つであってもよい。このようにして、黒色やその他の不透明な材料で作られた従来のプラスチック部品が熱を吸収して焼け出しやすくなることで絶縁密封に失敗するのを防ぐことができる。
【0063】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部および/または極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部は、凹んで薄化領域131を形成する。言及すべきこととして、薄化領域131は、単に極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部の凹みまたは極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部の凹みによって形成されてもよく、あるいは極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部と極柱130の電極アセンブリ120に面する端面の中央部の両方の凹みによって形成されてもよい。本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131は、平行に配置された第1平面1311および第2平面1312を含む。第1平面1311は、極柱130の電極アセンブリ120とは反対側を向いた一側にある端面の中央部の凹みによって形成され、第2平面1312は、極柱130の電極アセンブリ120に近い端面の中央部によって形成されるため、全体が「H」型の構造を形成し、薄化領域131は、「H」構造の水平接続部分に配置される。一方では、平行な第1平面1311と第2平面1312が薄化領域131の壁厚を均一にすることができ、他方では、これらの平面が溶接を容易にすることができる。
【0064】
図6および
図12を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、溶接部141は、集電部140上に配置された第2突部1413である。第2突部1413の上端面と薄化領域131は、溶接によって固定される。第2突部1413が薄化領域131と確実に接触して溶接されることが可能である限り、第2突部1413の形状は、限定されず、例えば、第2突部1413の断面は、円形、四角形などであってもよい。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、集電部140は、環状の集電部本体142を含み、第2突部1413は、円筒形のボスである。第2突部1413は、集電部本体142の中心に配置され、集電部本体142と同軸に配置される。第2突部1413の厚さは、集電部本体142の厚さよりも大きく、第2突部1413の厚さは、0.3mm~3mmである。一方では、このような配置により、溶接部141の溶接の厚さをより厚くして、溶接溶け込みや溶接の熱によって電極アセンブリ120が損傷するのを防ぐことができる。他方では、集電部本体142の厚さをより薄くすることができるため、それにより、集電部本体142と電極アセンブリ120のタブの溶け込み溶接を容易に実現することができる。
【0065】
図6を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130および/または集電部140上に、溶接部141を薄化領域131と接触するように誘導するガイド構造が配置される。ガイド構造は、集電部140の溶接部141を薄化領域131の下方の位置に導入するのに役立つ。言及すべきこととして、ガイド構造は、溶接部141のみに配置されてもよく、または薄化領域131のみに配置されてもよく、あるいはガイド構造を溶接部141上および薄化領域131内の両方に配置して、溶接部141を薄化領域131と接触するように同時にまたは順番に誘導してもよい。ガイド構造は、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。この例では、薄化領域131は、環状形であり、溶接部141は、円形または環状形であり、ガイド構造は、薄化領域131の側壁の開口部に配置された第1テーパ面1361および第2突部1413の側壁の上部に配置された第2テーパ面1412を含む。第1テーパ面1361の大端は、電極アセンブリ120の一側に面し、第1テーパ面1361の小端は、電極アセンブリ120とは反対側を向いており、第2テーパ面1412の大端は、電極アセンブリ120の一側に面し、第2テーパ面1412の小端は、電極アセンブリ120とは反対側を向いている。
【0066】
本発明の二次電池100の1つの例において、薄化領域131内および/または集電部140上に逃げ溝が配置される。このような構成により、薄化領域131が溶接部141に溶接される溶接領域において局所的な変形が接合に影響を与えるのを防ぐ。言及すべきこととして、薄化領域131と溶接部141が接触する接触領域に逃げ溝を配置して両者間の接触面積を減らすことができる限り、逃げ溝の配置位置は、限定されない。例えば、
図9に示すように、第1逃げ溝1411を溶接部141上に配置するだけであってもよく、
図8に示すように、第2逃げ溝1313を薄化領域131の下面に配置するだけであってもよい。また、溶接部141上に第1逃げ溝1411を配置し、同時に、薄化領域131の下面に第2逃げ溝1313を配置することも可能である。逃げ溝の形状および深さは、限定されない。例えば、形状は、円形、四角形、環状形などであってもよい。好ましくは、本実施形態において、薄化領域131は、円形であり、第2ボスは、円形であり、逃げ溝も、好ましくは、円形であり、且つ第1ボスおよび薄化領域131と同軸に配置されるため、逃げ溝の周囲に均一な環状の溶接領域を形成して、不均一な溶接応力によって変形が生じるのを回避することができる。
【0067】
図15および
図16を参照すると、本発明の二次電池100の1つの例において、集電部140の電極アセンブリ120に面する一側に第2溝1414が配置される。第2溝1414は、溶接工程中の熱効果によって電極アセンブリ120に生じる損傷を減らすことができる。好ましくは、第2溝1414は、溶接部141の下面に配置され、極柱130の貫通方向に沿った突出部は、溶接部141の溶接領域を覆う。このような配置により、溶接領域が電極アセンブリ120に直接接触するのを防ぐことができるため、溶接工程中の熱効果によって電極アセンブリ120に生じる損傷を減らすことができる。
【0068】
図6および
図12を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱130の上部に凹型プラットフォーム1351が配置される。極柱130の貫通方向に沿った凹型プラットフォーム1351の突出部は、少なくとも薄化領域131を覆う。凹型プラットフォーム1351の形状は、限定されず、例えば、四角形または円形であってもよい。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、凹型プラットフォーム1351の側壁は、逆台形構造を有する回転構造である。極柱130の貫通方向に沿った凹型プラットフォーム1351の深さH2は、0.1mm~1.5mmである。本発明の二次電池100の1つの例において、二次電池100は、さらに、極柱カバー133を含む。極柱カバー133の形状は、凹型プラットフォーム1351と一致する。極柱カバー133は、凹型プラットフォーム1351上に配置され、極柱130に導電溶接されて固定される。このような構成により、極柱130の上部に大きな導電性端面を形成することができるため、複数の二次電池を直列または並列に接続したときに単一の二次電池の極柱130が大きな溶接面を有することを確保することができる。同時に、凹型プラットフォーム1351の設置により、極柱カバー133と凹型プラットフォーム1351の溶接工程中の薄化領域131への損傷を回避することができる。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133上に第2溶接位置決め構造1331が配置される。第2溶接位置決め構造1331は、テーパ穴、円筒穴、または半球穴のうちのいずれか1つである。
【0069】
図7を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133の薄化領域131に面する一側に第3突部1334が配置される。極柱130の貫通方向に沿った第3突部1334の突出部は、少なくとも薄化領域131を覆う。第3突部1334は、極柱カバー133と薄化領域131の間のキャビティに収容される。第3突部1334の設置により、極柱カバー133に対する壁厚と強度を大幅に改善し、レーザー溶接による溶融溶け込みを防ぐことができる。
【0070】
図7を参照されたい。本発明の二次電池100の1つの例において、第1突部132は、薄化領域131の極柱カバー133に面する一側に配置され、第3突部1334の位置に対応する。第1突部132は、極柱カバー133で受けた外力が設定された閾値を超えたときに第3突部1334に当接するように構成される。このようにして、第1突部132は、大きな外力が印加されたときに第3突部1334に抵抗するため、極柱130のユニットとしての全体的な構造強度を改善し、構造信頼性を確保することができる。
【0071】
図7を参照されたい。外力が設定された閾値を超えたときに第1突部132が第3突部1334に抵抗することができる限り、第1突部132と第3突部1334の間の隙間は、設定された外力の閾値に応じて選択することができる。レーザー溶け込み溶接中の押圧力を考慮すると、好ましくは、本実施形態において、第1突部132と第3突部1334の間の隙間H1は、0.05mm~0.5mmである。大きな外力が加わったとき、第1突部132と第3突部1334は、互いに抵抗することができるため、極柱130のユニットとしての全体的な構造強度を改善し、構造信頼性を確保することができる。
【0072】
図8を参照されたい。薄化領域131を遮蔽して保護することができ、且つより大きな外部電気接続面を形成することができる限り、極柱カバー133の構造形状は、限定されない。好ましくは、本発明の二次電池100の1つの例において、極柱カバー133は、第3固定部1332および外部溶接部1333を含む。第3固定部1332は、第1固定部135と溶接および固定するために配置され、外部溶接部1333は、他の構造への外部電気接続のために配置される。外部溶接部1333の厚さは、固定部分の厚さよりも大きい。本発明の二次電池100の1つの例において、外部溶接部1333は、第3固定部1332よりも高く、高さ差H3は、0.05mm~1mmである。この範囲内の高さにすることによって、固定部分を突部に溶接する操作により外部アダプターメンバーに衝撃が生じるのを回避することができる。
【0073】
本発明の第2の態様は、さらに、作業部および上記の実施形態のうちのいずれか1つにおいて説明した二次電池を含む電気デバイスを提供し、作業部は、二次電池100に電気接続され、サポート用の電気エネルギーを得る。電気デバイスは、車両、携帯電話、携帯デバイス、ノートパソコン、船舶、宇宙船、電気玩具、および電動工具などであってもよい。車両は、燃料車両、ガス車両、または新エネルギー車両であってもよく、新エネルギー車両は、純粋な電気自動車、ハイブリッド車両、または長距離走行車両などであってもよい。宇宙船は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含む。電気玩具は、固定型または移動型の電気玩具、例えば、ゲーム機、電気玩具車、電気玩具船、および電気玩具飛行機などを含む。電動工具は、金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具、および鉄道電動工具、例えば、電気ドリル、電気グラインダー、電気レンチ、電気ドライバー、電気ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター、プレーナーなどを含む。本発明の実施形態は、上述した電気デバイスに対し、特に限定はしない。
【0074】
本発明の二次電池100は、極柱130上に薄化領域131を配置し、集電部140上に溶接部141を配置し、薄化領域131を溶接部141と導電接触させることによって、溶接装置を二次電池100のハウジング110の内部に入れる必要がないため、ハウジング110の外部で集電部140と薄化領域131の溶接を行うことが可能になる。このようにして、生産効率を向上させることができるだけでなく、工程位置決めの精度に対する要求を下げることができ、極柱130と集電部の溶接工程中に二次電池100内部で発生する金属削りカスを回避することができ、それにより、二次電池100の信頼性および安全性を向上させることができる。同時に、本発明の二次電池100は、さらに、薄化領域131と溶接領域141の厚さを制限するため、偽溶接または溶接溶け込みの問題を解決するだけでなく、より優れた溶接効果を達成し、電気接続強度および通電容量を向上させることもできる。同時に、この種の二次電池100の溶接部141は、ハウジング110の外部に位置するため、検出および識別を容易にし、生産と製造の一貫性を確保するのに役立つ。本発明の電気デバイスは、本発明の二次電池100を含み、電気エネルギーを供給する際に高い信頼性を有する。したがって、本発明は、先行技術におけるいくつかの実際問題を効果的に克服し、高い利用価値および使用意義を有する。上述した実施形態は、本発明の原理およびその効果を説明するための単なる例示であり、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態を修正または変更することができる。そのため、当業者によって本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われる同等の修正または変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の二次電池およびそれを含む電気デバイスは、新エネルギー車の分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
100 二次電池
110 ハウジング
111 端壁
120 電極アセンブリ
130 極柱
131 薄化領域
1311 第1平面
1312 第2平面
1313 第2逃げ溝
132 第1突部
1321 第1溶接位置決め構造
133 極柱カバー
1331 第2溶接位置決め構造
1332 第3固定部
1333 外部溶接部
1334 第3突部
134 導電部材
135 第1固定部
1351 掘下げプラットフォーム
1352 第1丸角部
136 第2固定部
1361 第1テーパ面
137 第1絶縁部材
1371 第1面取り
138 第2絶縁部材
139 シール部材
140 集電部
141 溶接部
1411 第1逃げ溝
1412 第2テーパ面
1413 第2突部
1414 第2溝
142 環状の集電部本体
150 絶縁フィルム
160 エンドキャップ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に密封されて配置された電極アセンブリと、
前記ハウジングを貫通して密封および絶縁された状態で設置され、厚さT1の薄化領域が配置された極柱と、
前記ハウジング内に配置され、前記電極アセンブリの電極と電気接続された集電部と、
を含み、前記集電部に厚さT2の溶接部が配置され、T2が、0.3T1よりも大きく、前記薄化領域が、前記溶接部と導電接触しており、溶接によって固定された二次電池。
【請求項2】
前記薄化領域に補強構造が配置された請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記補強構造が、第1突部を含み、前記第1突部が、前記極柱の貫通方向に沿って前記薄化領域の一側または両側に配置された請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記補強構造が、前記薄化領域に配置された円錐台を含み、前記円錐台の大端が、前記薄化領域に接続され、前記薄化領域と前記集電部の溶接領域が、前記円錐台を取り囲んで配置された溶接領域を形成する請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記円錐台が、前記薄化領域の前記電極アセンブリから離れた一側に配置され、前記円錐台の小端面の中心に溶接位置決め構造が配置された請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記薄化領域の前記厚さT1が、0.1mm~2mmであり、前記溶接部の前記厚さT2が、0.1mm~3mmであり、前記溶接部の前記厚さT2が、前記薄化領域の前記厚さT1以上である請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記ハウジングが、一端が閉じて他端が開いた円筒であり、前記ハウジングの閉端壁に前記極柱の取り付け穴が配置され、前記極柱が、密封および絶縁された状態で前記極柱の前記取り付け穴に挿入された請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記極柱が、導電部材、第1固定部、および第2固定部を含み、前記導電部材が、前記極柱の前記取り付け穴に貫入し、前記第1固定部および前記第2固定部が、それぞれ前記導電部材の外端および内端に配置され、それぞれ前記閉端壁の外側および内側で挟まれた請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1固定部と前記ハウジングの間に絶縁部材が配置され、前記絶縁部材が、透明または半透明のプラスチックで作られた請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記絶縁部材上に沿面距離を増やすための絶縁補強構造が配置された請求項9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記薄化領域が、平行に配置された第1平面および第2平面を含み、前記第1平面が、前記極柱の前記電極アセンブリから離れた端面の中央部の凹みによって形成され、前記第2平面が、前記極柱の前記電極アセンブリに近い端面の中央部の凹みによって形成された請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
前記極柱および/または前記集電部上に、前記溶接部を前記薄化領域と接触するように誘導するガイド構造が配置され、前記ガイド構造が、丸めた角形状、面取り形状、または斜面形状のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記薄化領域内および/または前記集電部上に逃げ溝が配置された請求項1に記載の二次電池。
【請求項14】
前記溶接部が、前記集電部上に配置された第2突部であり、前記第2突部が、前記薄化領域に溶接されて固定され、前記集電部が、環状の集電部本体を含み、前記第2突部が、前記集電部本体の中心に配置され、前記第2突部の厚さが、前記集電部本体の厚さよりも大きく、前記第2突部の厚さが、0.3mm~3mmである請求項1に記載の二次電池。
【請求項15】
前記極柱の上部に凹型プラットフォームが配置され、前記極柱の貫通方向に沿った前記凹型プラットフォームの投影が、少なくとも前記薄化領域を覆う請求項1に記載の二次電池。
【請求項16】
前記凹型プラットフォームが、逆台形構造を有し、前記極柱の前記貫通方向に沿った前記凹型プラットフォームの深さが、0.1mm~1.5mmである請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記二次電池が、さらに、極柱カバーを含み、前記極柱カバーの形状が、前記凹型プラットフォームと一致し、前記極柱カバーが、前記凹型プラットフォーム上に配置され、前記極柱に導電溶接されて固定された請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記極柱カバーの前記薄化領域に面した一側に第3突部が配置され、前記極柱の前記貫通方向に沿った前記第3突部の投影が、少なくとも前記薄化領域を覆う請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
前記薄化領域の前記極柱カバーに面した一側に、前記第3突部の位置に対応する第1突部が配置され、前記第1突部が、前記極柱カバーによって受けた外力が設定された閾値より大きいとき、前記第3突部に当接するように構成された請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
作業部および請求項1~19のいずれか一項に記載の前記二次電池を含む電気デバイスであって、前記作業部が、前記二次電池に電気接続されて、サポート用の電気エネルギーを得る電気デバイス。
【外国語明細書】