(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121781
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】伝熱プレート及び伝熱プレートを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6568 20140101AFI20240830BHJP
F28F 3/12 20060101ALI20240830BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20240830BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240830BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240830BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240830BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20240830BHJP
【FI】
H01M10/6568
F28F3/12 Z
F28D9/00
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6566
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216946
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】23158875
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】507200972
【氏名又は名称】ベンテラー・アウトモビールテヒニク・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・デュプマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・フォルトマイアー
(72)【発明者】
【氏名】エルマー・グルースマン
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ビックマン
【テーマコード(参考)】
3L103
5H031
【Fターム(参考)】
3L103BB37
5H031KK08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安価な接合を保証する伝熱プレート及びその伝熱プレートをを製造する方法を提供する。
【解決手段】自動車の車両バッテリ用の冷却プレートであって、2つのプレート要素3、4から構成されたプレート体2と、冷却流体用の接続管6を備える。接続管6は、プレート要素3、4の間に形成されたプレート体2の収容部分8内で接合された接続部分を備える。接続部分は、横断面で、2つのアーチ状の壁部分16、17と、2つの互いに対向する外向きの縦方向ウェブ9を備える。収容部分8は、プレート要素3、4の間の接合平面FEの領域内に延在する縦方向溝10を備える。縦方向ウェブ9は、縦方向溝10内に延在する。プレート要素3、4の間及び接続部分と収容部分8の間は、はんだ材料20を溶融し、はんだ付けにより接合する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのプレート要素(3,4)から構成されたプレート体(2)と、冷却流体用の接続管(6)を備え、接続管(6)が、接続部分(7)を備え、この接続部分が、プレート要素(3,4)の間に形成されたプレート体(2)の収容部分(8)内で接合されている伝熱プレートにおいて
接続部分(7)が、2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を備え、収容部分(8)が、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を備え、縦方向ウェブ(9)が、縦方向溝(10)内に延在すること、を特徴とする伝熱プレート。
【請求項2】
縦方向ウェブ(9)が、横断面を、凹のウェブ壁(12)及び丸められた先端(13)を有する三角形に構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の伝熱プレート。
【請求項3】
縦方向溝(10)が、横断面を、凹の溝側壁(14)及び楔状の溝底(15)を有する漏斗状に構成されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の伝熱プレート。
【請求項4】
縦方向ウェブ(9)及び縦方向溝(10)が、互いに相補的に形成されていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項5】
接続部分(7)が、2つの凸に湾曲した壁部分(16,17)を備え、これら壁部分が、縦方向ウェブ(9)の間に延在すること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項6】
収容部分(8)が、凸に湾曲して延在する収容壁部分(18,19)を備え、これら収容壁部分に、溝側壁(14)が接続すること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項7】
接続部分(7)が、接合平面(FE)に対して平行に延在する壁部分を備え、これら壁部分が、それぞれ終端側でもって、湾曲して延在する壁部分を介して縦方向ウェブに移行すること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項8】
接続管(6)が、端面で収容部分(8)に当接する、特に環状ビード(21)の形態の、ストッパを備えること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項9】
接続管(6)、特に接続管(6)の接続部分(7)と、収容部分(8)との間に、はんだストップ手段(28)が設けられていること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項10】
接続管(6)が、特に環状ビード(25)の形態のアバットメント体を有する連結部分(24)を備えること、を特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の伝熱プレート。
【請求項11】
接続管(6)を有する伝熱プレートを製造するための方法において、
・2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を有する接続部分(7)を備える接続管(6)を提供するステップと、
・第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を提供するステップであって、第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)が、接続部分(7)用の収容輪郭を備えるステップと、
・下側型と上側型を備える加熱された成形はんだ付け金型に第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を移送するステップであって、接続管(6)の接続部分(7)が、プレート要素(3,4)の成形部分(27)の間に位置決めされ、接続部分(7)とプレート要素(3,4)の間にはんだ材料(20)が配置されているステップと、
・成形はんだ付け金型を閉鎖し、下側型と上側型の間でプレート積層体をクランプするステップであって、プレート要素(3,4)の成形部分(27)内の収容輪郭が接続管(6)の接続部分(7)の周囲で最終成形され、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を有する収容部分(8)が構成されるステップと、
・プレート積層体を加熱するステップと、
・接続管(6)を介して中間スペースに作用媒体を導入することによってプレート積層体のプレート要素(3,4)の間の中間スペースに内圧を作用させ、少なくとも一方のプレート要素(3,4)にチャネルを形成するステップと、
・プレート要素(3,4)の間及び接続部分(7)と収容部分(8)の間のはんだ材料(20)を溶融し、はんだ付けにより接合するステップと、
・成形はんだ付け金型を開放し、成形はんだ付け金型から冷却プレート(1)を取り出すステップと
を有すること、を特徴とする方法。
【請求項12】
冷却プレート(1)が、成形はんだ付け金型の開放後で取出しの前に、成形はんだ付け金型内に保持されて冷却されること、を特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱プレート並びに伝熱プレートを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝熱プレートは、異なる適用のために使用される。ここで問題にしている種類の伝熱プレートは、特に、自動車のバッテリを冷却するための冷却プレートである。
【0003】
走行距離、走行性能及び充電時間に関する電気自動車に対して増大する要求は、バッテリに対する熱的負荷が過熱もしくは老化によって増加することを意味する。これらの有害な影響を低減するため、媒体が貫流する調温要素によってバッテリの操作温度が制限される。調温要素は、バッテリモジュールの上、横及び/又は下に配置される冷却プレートの形態の伝熱プレートである。
【0004】
従来の形式の伝熱プレートは、通常は、接続管を介して調温媒体もしくは冷却流体による伝熱プレートの貫流を可能にする接合されたアルミニウムシート又は押出成形されたアルミニウムプロファイルから成る。大抵は、接続管は、成形又は機械加工により製造され、冷却プレートのプレート体に結合される。接続管は、冷却流体ラインの迅速な組立を可能にするように考えられている。
【0005】
欧州特許第2372761号明細書によれば、2つのプレート要素から構成されたプレート体を有する冷却プレートは、従来技術の一部であるが、この冷却プレートの場合、冷却流体用の流体接続部材もしくは接続管が、プレート要素の面に対して平行なプレート要素の平らな面に配置されている。
【0006】
欧州特許出願公開第2607832号明細書から知られた冷却プレートの場合、冷却流体の供給及び排出が、接続部分によってプレート要素の収容部に差込み可能な接続部材を介して行なわれる。
【0007】
欧州特許出願公開第3741876号明細書に記載されたバッテリ冷却プレートの場合も、プレート体は、2つのプレート要素から構成され、冷却流体用の接続管を備え、接続管は、プレート要素の平面に対して平行に整向され、プレート体の収容部分内で接続部分に接合されている。
【0008】
独国特許第102010051106号明細書は、冷却材を導くための少なくとも1つの冷却チャネルを備え、この冷却チャネルが、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を備えている冷却プレートを開示する。冷却プレートは、少なくとも2つの面で互いに当接するプレート要素を備え、これらプレート要素内に、互いに冷却チャネルを形成する膨出部が形成されている。入り口及び出口は、それぞれ、冷却チャネルを冷却材接続ユニットに接続するための接続管を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第2372761号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2607832号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3741876号明細書
【特許文献4】独国特許第102010051106号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術に基づいて、本発明の根底にある課題は、機能的及び製造技術的に改善された伝熱プレートを提供し、伝熱プレートのプレート体への接続管の組立てやすく、プロセス信頼性を有し、安価な接合を保証する伝熱プレートを製造するための方法を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題の物の部分の解決策は、請求項1の特徴による伝熱プレートにある。
【0012】
課題の方法の部分は、請求項11による方法によって解決される。
【0013】
本発明の有利な形成及び発展形は、従属請求項の対象である。
【0014】
伝熱プレートは、2つのプレート要素から構成されたプレート体と、冷却流体の供給及び排出用の接続管を備える。プレート要素は、特に、プレート積層体に統合されかつ互いに接合されてプレート体を構成するチャネルプレート及びベースプレートである。プレート体に、接続管が接合されている。少なくとも1つの接続管が、接続部分を備え、この接続部分が、プレート要素の間に形成されたプレート体の収容部分内で接合されている。接続管の接続部分の整向は、プレー地要素の平面に対して平行である。プレート体の外側に、接続管は、アーチ及び/又は湾曲部分を備えることができる。プレート体の外側に延在する接続管の部分は、冷却流体用の接続ラインを接続するための連結部分として構成されている。
【0015】
プレート要素は、軽金属又は軽金属合金、特にアルミニウム合金から成る。
【0016】
冷却プレートのプレート体の少なくとも1つのプレート要素は、冷却流体の導くためのチャネル構造を備える。
【0017】
本発明によれば、接続部分が、2つの外向きの縦方向ウェブを備え、収容部分が、プレート要素の間の接合平面の領域内に延在する縦方向溝を備え、縦方向ウェブが、縦方向溝内に延在する。
【0018】
プレート要素は、プレート体の収容部分に接続管の接続部分を組み込んだ状態で、はんだ付けによって接合されている。縦方向ウェブ及び縦方向溝は、相補的に補完し合う。縦方向ウェブ及び縦方向溝の輪郭もしくは構成は、技術的に必要な接合ギャップを保証する。接合面は最適化されている。接合ギャップ、特に接合ギャップの幅は、接続部分と収容部分の間の周囲もしくは経路にわたって、厚さの急変なしに均等化されている。ギャップ幅は小さい。プレート体の収容部分内での接続管のその接続部分による高強度で緊密な素材的な接合が達成される。
【0019】
接続部分は、2つの凸に湾曲した壁部分を備え、これら壁部分は、縦方向ウェブの間に延在する。特に、壁部分は、楕円形もしくは楕円部分状に湾曲している。
【0020】
湾曲した両壁部分は、接続部分の横軸、特に中心縦軸に対して鏡面対称に延在し、それぞれ終端側でもって、縦方向ウェブに移行する。壁部分は、接続部分の中心点もしくは中心縦軸に向かって凸に湾曲している。ウェブ部分内で、側面は、凹に湾曲している。
【0021】
接続部分の形成は、接続管の接続部分が、横断面で、横軸上で互いに対向する外向きの縦方向ウェブを有する楕円形もしくは楕円状の外輪郭を備えること、を企図する。
【0022】
接続部分が、横断面で、平坦な上下の壁部分、特に中心壁部分を備え、これら壁部分が、それぞれ終端側でもって、凸に湾曲した壁部分を介して縦方向ウェブに移行すること、が可能である。
【0023】
プレート体の収容部分は、接続管の接続部分用の差込みもしくは接合領域を構成する。
【0024】
接続管は、接続部分内に、接続管の縦方向で両側に延在する縦方向ウェブを備える。これら縦方向ウェブは、横断面を、凹のウェブ壁及び丸められた先端を有する三角形に構成されている。縦方向ウェブの輪郭は、楕円形の外輪郭から丸められた面を有する縦方向ウェブへの、段又はシャープな湾曲部もしくは角部のない滑らかな移行を保証する。
【0025】
収容部分の縦方向溝は、横断面を、接続管及び収容部分の中心点もしくは中心縦軸に対して凹の溝側壁及び楔状の溝底を有する漏斗状に構成されている。溝側壁によって構成される収容部分の内コーナーの領域内の内輪郭は、溝側壁に沿って丸められている。互いに接触するプレート要素への収容部分の移行部の溝底は、鋭角である。
【0026】
縦方向ウェブ及び縦方向溝の構成は、互いに相補的に形成されている。縦方向ウェブ及び縦方向溝の輪郭は、縦方向溝に入る縦方向ウェブが、実矧ぎ結合の形式で協働し、輪郭の間に接合ギャップが形成されるように補完し合う。
【0027】
接続部分は、2つの凸に湾曲して延在する壁部分を備える。これら壁部分は、それぞれ、互いに対向する縦方向ウェブの間に延在し、凹のウェブ壁に移行する。
【0028】
収容部分は、凸に湾曲して延在する内壁部分を備え、これら内壁部分に、凹の溝側壁が接続する。
【0029】
「凸」及び「凹」との記載は、それぞれ、接続管の中心点もしくは縦軸に関係する。凸の面、凸の壁又は凸の壁部分は、接続管の中心点もしくは中心縦軸から外に向かって膨らんだ面もしくは部分である。
【0030】
凹の面、凹の壁部分又は凹の溝側壁は、接続部分の中心点もしくは中心縦軸に対して内に向かって膨らんだ又は湾曲して延在する面、部分又は側面である。
【0031】
横断面を、接続管の接続部分は、収容部分と同様に、水平な中心横軸及び垂直な中心横軸に対して鏡面対称に形成されている。
【0032】
接続部分の横断面輪郭は、レモン形状もしくはレモン状であると表現することができ、横断面の記載は、レモンを通る縦断面に関係している。これは、接続部分が、楕円状に構成され、横断面で、主軸並びに副軸を備えることを意味する。主軸及び副軸は、互いに垂直であり、接続管の中心軸に沿った中心点で交差する。主軸は、接続部分内の接続管の最大寸法を表し、これに対して、副軸は、半径方向で外方向の接続部分の最小寸法を表す。プレート体のプレート要素の接合平面に対して、主軸は、接合平面内に延在し、水平な中心横軸に一致する。副軸は、垂直な中心横軸に一致する。
【0033】
接続部分内の接続管の横断面は、主軸及び副軸に対して対称である。
【0034】
縦方向ウェブは、主軸上で互いに対向し、接続管の壁から外向きに形成されている。
【0035】
説明したように、縦方向ウェブは、横断面を、特に、丸められた凹のウェブ壁と丸められた先端を有する三角形に形成されている。丸められた先端は、側方ウェブの重畳を構成する。
【0036】
接続管の接続部分とプレート体の収容部分との間に、接合ギャップが形成されている。接続管及び収容部分の管形状の輪郭付近までの形成とそれらの互いの調整により、技術的に必要かつ有利な接合ギャップが保証されている。特に有利であるのは、接合ギャップが、横断面で、その周方向の経路内に僅かなもしくは小さい幅を有し、この幅が、接合ギャップの周方向長さの大部分にわたって均等に小さいことである。縦方向ウェブの先端と縦方向溝の楔状の溝底との間の領域内でも、はんだ付けギャップは小さい。
【0037】
接続部分と収容部分の間に、はんだ材料が適用されている。上下のプレート要素と、プレート要素と接続管は、はんだ付けにより接合されている。これは、製造技術的にかつプロセス信頼性的に並びに安価に実現することができる。部品のはんだ付けによる接合は、成形はんだ付け金型内で行なわれ、この成形はんだ付け金型内で、プレート要素が、接合面において互いに押し付けられ、両プレート要素から構成されるプレート体の収容部分が、最終成形され、チャネルが、プレート体内に形成され、部品が、はんだ付け温度に加熱され、はんだ付けにより互いに接合される。
【0038】
成形型内で、成形とはんだ付けの組合せが行なわれる。成形はんだ付け金型内で、チャネルとチャネル構造が、プレート体内に形成され、プレート体の接続部分が最終成形され、上下のプレート要素と、プレート要素もしくは収容部分と接続管の接合部分が、互いにはんだ付けされる。はんだ付けプロセス時に、部品は、成形はんだ付け金型内でクランプされ、互いに押し付けられる。
【0039】
本発明の態様は、収容部分内の接続管をシールするために延性のはんだ材料成形特性を利用する。接続管の接続部分は、少なくとも最終輪郭付近まで予備成形される。ここで、接続部分は、横軸上で外向きの2つの縦方向ウェブと、縦方向ウェブの間に延在するアーチ状に湾曲して延在する壁部分とを有するその横断面構成を得る。接続管の成形は、インナマンドレルを利用して成形技術的に行なわれる。
【0040】
接続管の接続部分に、はんだ材料が適用される。接続部分と収容部分の間の領域内のはんだ材料は、プレート要素の両成形部分と接続輪郭に予備適用することができる。有利な形成及び方法は、はんだ材料が、接続輪郭内又は接続部分上に、例えばはんだ材料層又ははんだ材料スリーブの形態で適用されることを企図する。既に述べたように、このため、適当な量で、プレート要素の成形部分及び接続輪郭に予備適用することができる。はんだ材料は、例えば、低融点のはんだ材料、特にアルミニウム系のはんだ材料から成るはんだストリップ又ははんだスリーブの形態で接続部分に適用される。
【0041】
プレート要素は、上型及び下型を備えた加熱可能な成形はんだ付け金型に移送される。このため、成形はんだ付け金型の外で、両プレート要素から成るプレート積層体を構成することができ、接続管は、その接続部分でもって、プレート要素の成形部分の間で既にセル族輪郭内に位置決めすることができる。次いで、このプレート積層体は、成形はんだ付け金型内に移送される。
【0042】
接続管が組み込まれたプレート積層体は、成形はんだ付け金型内で構成することもできる。このため、プレート要素は、接続管を組み込んだ状態で成形はんだ付け金型内に位置決めされる。成形はんだ付け金型内で、接続部分は、プレート要素の成形部分と、そこに設けられた接続輪郭との間に位置決めされている。成形部分は、プレート要素の基体から突出するプレート要素のボード部分に形成することができる。
【0043】
成形はんだ付け金型の閉鎖時に、両プレート要素から構成されたプレート積層体は、組み込まれた接続管の接続部分と共に成形はんだ付け金型内でクランプされる。ここで、接続輪郭は、接続管の接続部分の周囲のプレート要素の成形部分内で最終成形される。プレート要素の成形部分は、最終成形され、収容部分を構成する。接続部分の外輪郭は、収容部分の内輪郭を設定する。成形された成形部分は、収容部分を形成するように補完し合う。収容部分は、凸に湾曲して延在する内壁部分を備える。プレート要素の間の接合平面の領域で、収容部分の縦方向に延在する縦方向溝が構成される。縦方向溝は、横断面を漏斗状に構成され、凹の溝側壁及び楔状の溝底を備える。溝側壁は、湾曲して延在する収容部分の内壁部分に接続する。
【0044】
成形プロセス及び成形はんだ付け金型内での収容部分の輪郭の形成時、接続管の周囲に適用されるはんだ材料は、半径方向に圧縮され、延性のはんだ材料が接続部分と収容部分の間に生じる接合ギャップに流入するように押圧される。
【0045】
成形はんだ付け金型内でプレート積層体のプレート要素の間の中間スペースが、内圧の作用を受ける。これは、接続管を介する作用媒体の導入によって行なわれる。内圧による成形により、少なくとも1つのチャネルが、少なくとも一方のプレート要素に形成される。
【0046】
プレート要素もしくは成形はんだ付け金型内でクランプされるプレート積層体のために、はんだ材料は、プレート要素の間及び接続部分と収容部分の間で溶融され、部品を素材的に接合する。
【0047】
有利な形成は、接続管が、ストッパを備えること、を企図する。特に、ストッパは、環状ビードの形態で形成されている。ストッパもしくは環状ビードは、端面で接続管に当接する。端面で接続管に当接するストッパにより、プレート体に対して相対的な軸方向の導入方向の接続管の位置が決まる。更に、接続管の開口において、ストッパもしくは環状ビードによって軸方向のシールが行なわれる。
【0048】
本発明による伝熱プレートの別の有利な実施形態は、はんだ付け継手の形成時にはんだ流を制限するはんだストップ手段が設けられていること、を企図する。はんだストップ手段は、接続管と収容部分の間に配置され、特に、はんだストップ手段は、接続管の接続部分と収容部分との間に配置されている。
【0049】
1つの実施形態は、収容部分の開口側に、はんだストップ手段が配置されていること、を企図する。開口側とは、はんだストップ手段が、収容部分の開口の領域内で、内側で収容部分に適用されているか、または外側で収容部分の開口の周囲の端面に適用されていることを意味する。
【0050】
実践に特に有利な形成は、はんだストップ手段が、接続管の接続部分及び収容部分での横断面変化によって形成されていること、を企図する。はんだストップ手段は、プレート要素の成形部分に形成された収容部分と接続管との間の接合領域での横断面変化によって形成されている。接続部分と収容部分の両方は、互いに異なる横断面を有する2つの長さ部分を備える。接続部分の長さ部分及び収容部分の長さ部分は、テーパ部分を介して互いに移行する。
【0051】
接続部分及び収容部分での横断面変化は、補完し合い、接続部分と収容部分の間の環状空間の横断面の減少を生じさせる。はんだ付けプロセス時に溶融したはんだ材料は、接続部分と収容部分の間の断面変化部に留められる。これにより、はんだ付け継手の形成時のはんだ流が制限される。
【0052】
任意付加的又は選択的な実施形態は、はんだストップ手段がシール金属から構成されていること、を企図する。シール金属は、成形はんだ付け金型内の温度作用下で軟化して粘性を有する。その結果、成形はんだ付け金型内の圧力下で、溶融したはんだ付け材料が望ましくないもしくは技術的に不利な領域に流れ込むことを防止する流動性の均質なシール剤が得られる。シール金属は、成形はんだ付けプロセスに使用されるはんだ材料よりも高い溶融温度を備える。
【0053】
はんだストップ手段は、はんだ付け継手の形成時のはんだ流を制限するために装備及び設定されている。また、はんだストップ手段は、チャネルを形成するためのプレート要素の内圧再形成中にまだ溶融しているはんだ材料の吹き出しを防止するために装備及び設定並びに位置決めされている。
【0054】
はんだストップ手段は、はんだ材料から構成することもできる。その結果、異なる材料特性を有する2つのはんだ材料が適用される。第1の種類のはんだ材料は、接続管の接続部分に又はその周囲に適用されるはんだ材料である。第2の種類のはんだ材料は、第1の種類のはんだ材料よりも高い溶融温度を備え、はんだストップ手段を構成する。第2の種類のはんだ材料は、熱間成形型内での接続管及び収容部分の加熱時に後から溶融し、熱間成形型の温度作用下で、第1の種類のはんだ材料よりも硬く、これにより、高い粘性を有するか、もしくは高粘度である。このようにして、第2の種類のはんだ材料は、第1の種類のはんだ材料のためのはんだストップ手段を構成する。
【0055】
はんだストップ手段は、異なるように、例えば、機械的なはんだストップバリア、特にはんだストップリングの形態で、実現することもできる。端面で収容部分に当接する外側環状ビードも、開口をはんだ材料でシールするように閉鎖することができる。
【0056】
2つの異なるはんだストップ手段もしくは2つの異なる種類のはんだストップ手段を組み合わせて使用することもできる。こうして、はんだストップ手段は、接続管の接続部分での横断面変化と、これに対して相補的に形成された収容部分での横断面変化の形態で設けることができる。更に、はんだストップ手段は、機械的なはんだストップバリア、特にはんだストップ材料から成る別個のリング体、または接続管に同じ材料で一体的に形成されたはんだストップリングの形態で設けることができる。
【0057】
接続管は、接続部分を備え、この接続部分を介して、プレート体の収容部分内で接合が行なわれる。入口側に、接続管は、連結部分を備える。連結部分は、冷却流体ラインを接続するために使用される。連結部分内に、接続管は、円形の横断面を備える。連結部分の円形の横断面から、接続管は、移行部分を介して接続部分に移行する。
【0058】
実用的な形成を更に改善する実施形態は、接続管が、アバットメントを有する連結部分を備えること、を企図する。アバットメントは、冷却流体用の接続ラインを接続するために機能する。アバットメント体は、好ましくは、後方の連結部分内の環状ビードの形態で形成されている。環状ビードは、連結部分の同じ材料の一体的な構成要素である。
【0059】
接続部分の上流及び/又は下流に、接続部分の横断面とは異なる横断面、例えば、縦方向ウェブを有しない円形又は楕円形の横断面を有する管部分を設けることができる。
【0060】
実践に有利な実施形態は、接続管の接続部分が、2つの長さ部分を備え、両長さ部分が、互いに異なる横断面を備えること、を企図する。接続部分の第1のもしくは前方のプレート体側の長さ部分は、第2のもしくは後方の長さ部分よりも大きい横断面積を備える。前方のもしくは第1の長さ部分は、横の縦方向ウェブを有する横断面構成を備える。第1の長さ部分及び第2の長さ部分は、移行部分もしくは結合部分を介して互いに結合されている。
【0061】
接続部分の長さ部分の形成に対して相補的に、収容部分は形成されている。収容部分も、前方のプレート体側の長さ部分を備える。この長さ部分は、移行部を介して接続する主要部分の第2の後方の長さ部分とは異なる横断面構成を備える。収容部分の前方の第1の長さ部分の横断面積は、収容部分の後方の第2の長さ部分の横断面積よりも大きい。
【0062】
本発明は、伝熱プレート、特に冷却プレートの1つもしくは複数の接続管とプレート体との間の、有利かつ迅速で、組み立て易く、プロセス信頼性の高い結合部を提供する。高いプロセス安定性が保証されている。結合部は、効率的であり、部品に要求される気密性を備える。
【0063】
接続管の接続部分は、プレート要素の接合平面内でプレート要素に対して平行に整向されている。これは、平行な冷却流体入口もしくは冷却流体出口によって、流動抵抗の低減に寄与する。プレート要素及びプレート体の表面平面に対して平行な接続管の位置調整により、急激な偏向、渦流又は乱流のない冷却流体の層流が生じる。
【0064】
更に、本発明による接続管及び収容部分の形成が、伝熱プレートへの接続管のより大きい結合面積を実現すること、が有利である。これにより、全体として耐久性の向上が達成され、電圧ピークが低減される。
【0065】
最後に、本発明による伝熱プレート及びその製造は、スクラップ率の低減に寄与するが、それは、下流の接合作業が廃止されるか、少なくとも削減されるからである。
【0066】
接続管を有する伝熱プレートを製造するための方法は、
・2つの外向きの縦方向ウェブを有する接続部分を備える接続管を提供するステップと、
・第1のプレート要素と第2のプレート要素を提供するステップであって、第1のプレート要素と第2のプレート要素が、接続部分用の収容輪郭を備えるステップと、
・下側型と上側型を備える加熱された成形はんだ付け金型に第1のプレート要素と第2のプレート要素を移送するステップであって、接続管の接続部分が、プレート要素の成形部分の間に位置決めされ、接続部分とプレート要素の間にはんだ材料が配置されているステップと、
・成形はんだ付け金型を閉鎖し、下側型と上側型の間でプレート積層体をクランプするステップであって、プレート要素の成形部分内の収容輪郭が接続管の接続部分の周囲で最終成形され、プレート要素の間の接合平面の領域内に延在する縦方向溝を有する収容部分が構成されるステップと、
・プレート積層体を加熱するステップと、
・接続管を介して中間スペースに作用媒体を導入することによってプレート積層体のプレート要素の間の中間スペースに内圧を作用させ、少なくとも一方のプレート要素にチャネルを形成するステップと、
・プレート要素の間及び接続部分と収容部分の間のはんだ材料を溶融し、はんだ付けにより接合するステップと、
・成形はんだ付け金型を開放し、成形はんだ付け金型から冷却プレートを取り出すステップと
を備える。
【0067】
本発明による方法は、プロセス技術的に改善され、効率的な方法で、接続管の結合を最適化した高品質の伝熱プレートの製造を可能にする。
【0068】
伝熱プレートは、複数の接続管を備え、特にプレート体は、冷却流体を供給するための接続管と、冷却流体を排出するための接続管を備える。好ましくは、プレート体の全ての接続管の、プレート要素の間のプレート体上もしくはプレート本体内での固定は、本発明により実施される。
【0069】
金型はんだ付け金型は、加熱可能であり、伝熱プレートを製造するためにはんだ付けに必要な型温度に加熱されている。
【0070】
プレート積層体は、金属材料、特に軽金属材料から成る少なくとも2つのプレート要素から構成されている。プレート要素の間に、はんだ材料が適用されている。
【0071】
接続輪郭は、シャーレ状又はチャネル状であり、接続管がその接続部分でもって収容輪郭の間に位置決め可能であるか、もしくは位置決めされ得るように構成されている。
【0072】
本発明による方法の範囲内で、好ましくは及び効果的には、はんだ材料を備えたプレート要素が使用され、はんだ材料は、メッキされたはんだ層の形態でプレート要素の少なくとも1つに適用されている。その結果、少なくとも1つのプレート要素がはんだ材料を既に備えているプレート要素が提供される。
【0073】
両プレート要素から、プレート積層体は構成される。プレート積層体の構成時、接続管は、その接続部分でもってプレート要素の間に位置決めされる。このため、接続部分は、プレート要素の成形部分と、そこで予備成形された接続輪郭との間に配置される。
【0074】
プレート積層体は、熱間成形型に挿入され、熱間成形型は閉鎖される。プレート積層体は、熱間成形型の外側で構成し、熱間成形型に導入することができる。プレート積層体は、熱間成形型内で初めて構成することもできる。
【0075】
成形はんだ付け金型は、下型及び上型を備える。これらの型は、成形はんだ付け金型の閉鎖運動時に互いに相対的に移動され、特に、上型は、下型上に降下される。閉鎖運動時、プレート積層体は、下型と上型の間に収容され、クランプされる。この場合、プレート積層体は、下型と上型の間で面接触し、成形はんだ付け金型内で加熱される。成形はんだ付け金型は、成形プロセスとはんだ付けによる接合プロセスの両方が実行される型温度に加熱される。特に、型温度は、540℃~670℃である。特に有利には、型温度は、特に有利には、550℃~640℃である。
【0076】
成形はんだ付け金型の閉鎖時、プレート要素の成形部分は、接続管の接続部分の周囲で最終成形され、プレート要素の間の接合平面内に延在する縦方向溝を有する収容部分が形成される。接続部分の縦方向ウェブは、接続管の縦方向に延在する。縦方向溝内でそれぞれ接続管の縦側に沿って、接続部分の縦方向ウェブは、収容部分の縦方向溝内に延在する。
【0077】
プレート積層体のプレート要素の間の中間スペースは、内圧の作用を受ける。中間スペースは、隣接するプレート要素の間の領域であり、必ずしも、プレート要素の間の間隙が、中間スペースの領域に存在する必要はない。中間スペースへの内圧の作用は、中間スペースへの作用媒体、特に窒素の導入によって行なわれる。ここで、チャネルは、成形はんだ付け金型の一方又は両方の接触面内のチャネルキャビティ内へ少なくとも1つのプレート要素領域を内圧により成形することによって形成される。作用媒体の供給は、プレート積層体の接続管の1つを介して行なわれる。
【0078】
プレート体にチャネルもしくはチャネル構造を形成するための作用媒体は、接続部品もしくは接続管の1つを介して導入される。
【0079】
プレート要素の間とプレート要素と接続管の間のはんだ材料は、成形はんだ付け金型の型温度のために溶融される。プレート要素同士及び収容部分の領域内のプレート要素と接続管は、はんだ付けにより接合される。
【0080】
成形はんだ付け金型は、成形はんだ付けプロセスの終了後に開放され、下型と上型が、互いに相対的に移動され、離間される。接合された高温のプレート体もしくは伝熱プレートは、成形はんだ付け金型の開放後、この成形はんだ付け金型から取り出すことができる。取出し前、伝熱プレートは、成形はんだ付け金型内に保持し、冷却することができる。冷却は、好ましくははんだ材料の溶融温度未満まで行なわれる。
【0081】
プレート要素、特にその接合面は、はんだ材料を備えている。プレート積層体の構成及び接続管の位置決め前、接続管の接続部分は、第1の種類のはんだ材料を備えられる。更に、接続管は、はんだストップ手段を備えることができる。はんだストップ手段も、例えば、第1の種類のはんだ材料よりも高い溶融温度を備える第2の種類のはんだ材料の形態で、接続管上に位置決めされる。
【0082】
接続管を位置決めするため、この接続管に、環状ビードの形態のストッパを設けることができる。その場合、接続管は、環状ビードと共に、プレート要素から構成されたプレート積層体及びそこに設けられた成形部分の端面に位置決めされる。
【0083】
プレート積層体は、伝熱プレートの製造時、下型と上型の間でクランプされる。チャネルの内圧による成形及び形成時、プレート積層体は、隣接する周縁領域に沿って環状に及び/又はチャネルキャビティに隣接してシールされる。シールは、下型及び/又は上型に設けられた加圧要素によって惹起又は支援することができる。このような加圧要素は、任意であり、接続管の領域に設けることもできる。加圧要素は、下型及び/又は上型の成形部分内の相応の輪郭形成によって、例えばシールビードによって形成することができる。シール要素は、上型及び/又は下型の隣接する周縁領域に沿って環状に設けることができる。シール要素は、更に、接続管の接続部分を内部に配置した収容部分が、クランプされかつシールされているか、もしくは拡大プロセス及びはんだ付けプロセス時にクランプされかつシールされるように配置されている。シール要素は、チャネルキャビティに隣接して設けることもできる。シール要素は、特に有利な成形プロセスを、特に、成形プロセスが、チャネルキャビティの領域内並びに接続管の接続輪郭の領域内で行なわれることを保証する。このようにして、高い寸法精度及び成形精度が保証されている。
【0084】
車両バッテリ用の冷却装置は、本発明による伝熱プレートを備え、この伝熱プレートは、本発明による方法に応じて製造されている。冷却装置は、冷却流体ライン、冷却流体用の貯蔵及び補償容器、冷却流体用の供給ユニット及び/又はポンプユニット及び/又は再冷却器のような、車両バッテリを冷却するために必要な周辺構成要素及び装置構成部品を含む。
【0085】
本発明を、以下で図面により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図6】
図5の線A-Aによる接続管の接続領域を経る横断面図
【
図10】
図7の線B-Bに沿ったプレート体を経る断面図
【
図11】伝熱プレートの別の実施形態の一部の斜視図
【
図12】プレート要素の一部と、収容部分の収容輪郭内に位置決めされた接続管を見た図
【
図13】接続管を有するプレート体の一部と、プレート要素と接続管の接続領域内のバリエーションを見た図
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1~14により、本発明による伝熱プレート1及びその製造並びに伝熱プレート1への冷却流体ラインの接続部のバリエーションが説明される。図内で、同じかつ機能的に一致する部品もしくは構成要素に対しては、簡略化のために繰り返しの説明を省略する場合でも、同じ符号が使用される。
【0088】
図1~6は、伝熱プレート1の第1の実施例を説明するために使用される。
【0089】
図6~10により、冷却プレート1の第2の実施例が説明される。
図6内の横断面図は、冷却プレート1の両実施形態に適用される。同じことが、冷却プレート1のプレート体2と、プレート体2を構成するプレート要素3,4に当て嵌まる。
【0090】
図11~13は、冷却流体ラインの接続部のバリエーションを示す。
【0091】
図14は、冷却プレート1の別の実施形態と冷却流体ラインの接続部の構成を説明するために使用される。
【0092】
伝熱プレート1は、特に、バッテリ冷却用の、特に自動車の車両バッテリ用の冷却プレートである。
【0093】
伝熱プレート1は、2つのプレート要素3,4から構成されたプレート体2を備える。プレート要素3は、少なくとも1つのチャネル5から成るチャネル構造を備えるチャネルプレートである(特に、
図1,5並びに11参照)。プレート要素4は、完全に又はほぼ完全に平らなベースプレートである(
図2参照)。
【0094】
両プレート要素3,4は、平らに重なり合うように位置決めされ、プレート積層体を構成する。プレート要素3,4の隣接する面は、完全に又は部分的にはんだ材料を備えている。特に、メッキされたはんだ層の形態のはんだ材料が、プレート要素3,4の一方に予め適用されている。
【0095】
プレート要素3,4の隣接する面は、完全に又は領域的に互いに接合されている。プレート体2に、冷却流体用の接続管6が接続されている。接続管6は、冷却流体を供給又は排出するために使用される。通常、接続管6は、冷却流体を供給するために設けられ、一方、別の接続管6を介して、冷却流体の排出が行なわれる。
【0096】
接続管6は、プレート要素3,4の間に形成されたプレート体2の収容部分8内で接合された接続部分7を備える。
【0097】
接続部分7は、横断面で楕円形の外輪郭を備える。
【0098】
接続管6の接続部分7は、横断面で、主軸H及びそれに垂直な副軸Nを備える。主軸Hは、中心横軸に一致し、接続部分7の最大寸法を表す。主軸Hは、プレート要素3,4の接合平面FE内に延在する。副軸Nは、接続部7の半径方向外向きの最小寸法である。
【0099】
接続部分7は、2つの外向きの縦方向ウェブ9を備える。縦方向ウェブ9は、接続管6の主軸H上で互いに対向する。縦方向ウェブ9は、接続部分7の同じ材料の一体的な構成要素であり、接続管6の内部から外に向かって整向されている。
【0100】
接続管6の接続部分7は、プレート体2の収容部分8内に位置し、収容体に接合されている。収容部分8は、プレート要素3,4の間の接合平面FEの領域内に延在する縦方向溝10を備える。接続部分7の縦方向ウェブ9は、縦方向溝10内で収容部分8の縦方向Lに延在する。
【0101】
縦方向ウェブ9及び縦方向溝10は、互いに相補的に形成されている。これは、縦方向溝10の輪郭と縦方向ウェブ9の輪郭が、接合ギャップ11を形成しつつ補完し合うことを意味する。縦方向ウェブ及び縦方向溝は、実矧ぎ式に協働する。
【0102】
縦方向ウェブ9は、断面を三角形に構成され、凹に湾曲して延在しかつ丸められた先端13(特に
図6参照)で終わるウェブ壁12を備える。
【0103】
縦方向溝10は、横断面を、凹の溝側壁14及び楔状の溝底15を有する漏斗状に構成されている。これに関しても、特に
図6の図を参照すべきである。
【0104】
凸及び凹との情報は、それぞれ接続管6の中心点Mに関連する。
【0105】
接続部分7は、凸に湾曲して延在する上の壁部分16と、凸に湾曲して延在する下の壁部分17を備える。それぞれ両側で、壁部分16,17に縦方向ウェブ9が接続する。壁部分16,17は、縦方向ウェブ9のウェブ壁12に移行する。
【0106】
収容部分8は、凸に湾曲して延在する収容壁部分18,19を備え、これら収容壁部分は、それぞれ溝側壁14に移行する。
【0107】
接続部分7は、収容部分8内で、接合ギャップ11に適用されたはんだ材料20によって素材的に接合されている。このため、はんだ材料は、接続管6の接続部分7の周囲に配置されている。
図3は、はんだ材料20が適用されていない接続管6を示し、
図4は、はんだ材料20が適用されている接続管6を示す。成形はんだ付けによるプレート要素3,4及び接続部分7の結合時、はんだ材料20が溶融され、接合ギャップ11が全面にはんだ材料20で濡らされて埋められ、部品が素材的に接合される。
【0108】
接続部分7の横断面輪郭は、レモン形状として説明することができ、横断面情報は、レモンを経る縦断面に関連する。
【0109】
接続部分7の外輪郭及び収容部分8の内輪郭は、接合ギャップ11を形成しつつ互いに相補的に形成されている。
【0110】
図6~10によって図解されるような冷却プレート1の実施形態は、接続管6の形成の点で異なる。
図7~10に認められるような接続管6の場合、ストッパが設けられている。ストッパは、環状ビード21の形態で形成されている。環状ビード21は、アプセット加工及びバルジ加工によって接続管6の壁から形成される。このため、接続管6は、環状ビード21が外に向かって折り返されるように接続する狭窄領域22で窄められている。接続管6のプレート体側の開口23の方向に、管状ビード21には、接続部分7が接続する。接続部分7は、前記のように構成され、特に
図6に図示されている。
【0111】
プレート体2に対して突出する接続管6の自由端部分は、連結部分24として形成され、連結部分24に固定され得る冷却流体ラインを接続するために使用される。
【0112】
図11に認められるような接続管6の実施形態の場合、連結部分24に、環状ビード25の形態で形成されたアバットメント体が設けられている。環状ビード25は、連結部分24の壁から形成されている。冷却流体ライン、特に冷却流体ホースは、結合セクション24及びそこに一体化された環状ビード25の形態のアバットメント体上に装着し、適当な固定手段、例えばバネクランプによって固定することができる。
【0113】
接続管6の連結部分24は、横断面が円形である。
図3及び4に示したような接続管6実施形態の場合、連結部分24の円形の横断面は、移行部分26を介して接続部分7及びその横断面構成に連続的に移行する。
【0114】
収容部分8内での接続部分7の素材的な接合のため、はんだスリーブ又ははんだストリップの形態のはんだ材料20が接続部分7に適用されている。接続管6は、接続部分7でもってプレート体2の収容部分7内に位置決めされ、成形はんだ付けによって収容部分に結合される。
【0115】
少なくとも1つの接続管6を有する冷却プレート1を製造するため、接続管6が提供され、この接続管に、2つの外向きの縦方向ウェブ9と、アーチ状に丸められて延在する壁部分16,17を有する接続部分7が形成されている。更に、第1及び第2のプレート要素3,4が提供される。両プレート要素3,4は平らである。プレート要素3,4の少なくとも一方は、はんだ材料を備えている。各プレート要素3,4は、突出する成形部分27を備える。これら成形部分27に、接続管6の接続部分7用のそれぞれ1つの収容輪郭が形成されている。両プレート要素3,4から、プレート積層体が構成され、接続管6の接続部分7は、成形部分27及びそこに設けられた収容輪郭の間に配置される。接続部分7に、はんだ材料20が適用されている。
【0116】
プレート要素3、4は、加熱された成形はんだ付け金型に移送される。このため、成形はんだ付け金型外で、接続管6を間に組み込んだ両プレート要素から成るプレート積層体を構成することができる。プレート積層体は、成形はんだ付け金型内で構成することもできる。
【0117】
プレート積層体もしくはプレート要素3,4と、接続部分7を位置決めした接続管6は、加熱された成形はんだ付け金型内に挿入される。接続管6の接続部分7は、プレート要素3,4の間で、収容部分8を形成するように補完し合う収容輪郭内に配置されている。成形はんだ付け金型は、下型と上型を備える。成形はんだ付け金型を閉鎖することにより、プレート積層体は、上型と下型との間でクランプされ、加熱される。プレート積層体は、その下側でもって下型と面接触し、その上側でもって上型と面接触している。
【0118】
成形はんだ付け金型の閉鎖時、成形部分27は、プレート要素3,4の収容輪郭の領域で最終成形され、接続部分7の外輪郭に向かって成形される。ここで、接合ギャップ11が形成され、この接合ギャップに、はんだ材料20が押し込まれる。成形された成形部分27は、プレート要素3,4の間の接合平面FEの領域に延在する縦方向溝10を有する収容部分8を形成するように補完し合う。
【0119】
成形はんだ付け金型が閉鎖されると、下型と上型の間にクランプされたプレート積層体が加熱される。プレート要素3,4の間の中間スペースは、内圧の作用を受ける。これは、作用媒体、通常は窒素をプレート要素3,4の間の中間スペースに導入することによって行なわれる。これにより、内圧による成形によってチャネル5が形成される。チャネル成形時、チャネルプレートを構成する上のプレート要素3のプレート要素領域は、上型内のチャネルキャビティに入るように成形される。チャネル5のチャネル部分は、ループ状に互いに入り込み、ここに図示した接続管6と図示してない別の接続管の間を連通する。
【0120】
成形はんだ付け金型内での内圧による成形時、プレート積層体は、隣接する周縁領域に沿って及び/又はチャネルキャビティに隣接して、特にプレート要素3,4の収容部分の領域で、1つ又は複数の加圧要素によってシールすることができる。加圧要素は、シールストリップとして上型及び/又は下型に設けることができ、このために企図され、プレート積層体もしくは両プレート要素3,4を、外縁領域に沿って環状に並びにチャネルキャビティ及び接続管6の接続部分7を収容した収容部分8に隣接してシールすることを決定する。加圧要素は、例えばビード状の物体の形態で実現することができる。
【0121】
プレート要素3,4の間に適用されたはんだ材料と、収容部分8と接続部分7の間に適用されたはんだ材料20は、プレート素3,4加熱時に融解するか、もしくは溶融している。接合パートナー間で素材的な接合が行なわれる。チャネル5を有するチャネル構造を形成し、はんだ付けプロセスを終了した後、成形はんだ付け金型が開放され、冷却プレート1が成形はんだ付け金型から取り出される。
【0122】
冷却プレート1は、成形はんだ付け金型の開放後で取出しの前に、成形はんだ付け金型内に保持して冷却することができる。このため、チャネルプレート1は、成形はんだ付け金型の開放時もしくは開放後に、マニピュレータ要素によって下型から取り除くことができるので、下型といまだ高温のチャネルプレートとの間の接触が解除される。上型は、開放されており、同様に、もはや冷却プレートと接触していない。保持時間又は冷却時間の後、冷却プレート1は、次いで、成形はんだ付け金型から取り出される。
【0123】
はんだ付けプロセスを改善するため、特にはんだ材料の濡れもしくははんだ材料の流出を制限するため、はんだストップ手段28を接続管6及び収容部分8の配置部に統合することができる。はんだストップ手段28は、端面で収容部分8の開口29に当接する環状ビード21によって構成することができる。
【0124】
特に、はんだストップ手段28は、シール金属材料30からなる層、リング又はスリーブによって構成されている。そのような形成を、
図12及び13の図が示す。はんだストップ手段28は、第1の種類のはんだ材料20よりも高い溶融温度を有するシール金属30から形成されている。はんだストップ手段28は、はんだ材料20の前の収容部分8の内部の接続部分8の開口29の領域に配置されている。
【0125】
図13に図示したような実施形態の場合、はんだストップ手段28は、環状ビード21とはんだ材料20の間の開口29の領域に配置されている。
【0126】
シール金属30は、第1の種類のはんだ材料20よりも高い溶融温度を有する第2の種類のはんだ材料でもあり得る。第1の種類のはんだ材料の溶融温度が高いことに基づいて、この第1の種類のはんだ材料は、成形はんだ付け金型内の温度作用下で粘性を有し、塑性変形可能になるので、接続管6、接続部分7及び収容部分8の間の成形はんだ付けによる接合の所定の領域内で、全面的なシール作用が達成される。
【0127】
図14は、プレート体2の一部と、プレート要素3と、成形部分27内に形成された収容部分8を見た図を示す。接続管8の接続部分7は、収容部分内に位置決めされている。
【0128】
接続部分7は、横断面を、
図6によって説明したように構成されている。
【0129】
接続部分7は、移行部分31を介して長さ部分32に先細る。長さ部分32内で、接続片6は円形である。
【0130】
収容部分も、異なる横断面を有する2つの長さ部分33,34を備える。プレート体側の長さ部分33は、
図6によって説明したように構成されている。移行部分35を介して、プレート体側の内側に位置する長さ部分33は、長さ部分32の円形の輪郭に適合した開口側の長さ部分34に移行する。
【0131】
接続部分7には、はんだ材料20が適用されている。接続部分7及び収容部分での横断面変化は、はんだストップ手段28を構成する。接続部分7から長さ部分32への移行部及び受容部分8の長さ部分33から長さ部分34への移行部での横断面変化によって形成されるはんだストップ手段28は、接続管6もしくは接続部分7と収容部分8との間のはんだ継手の生成時にはんだ流を制限する。
【符号の説明】
【0132】
1 伝熱プレート
2 プレート体
3 プレート要素
4 プレート要素
5 チャネル
6 接続管
7 接続部分
8 収容部分
9 縦方向ウェブ
10 縦方向溝
11 接合ギャップ
12 ウェブ壁
13 先端
14 溝側壁
15 溝底
16 壁部分
17 壁部分
18 収容壁部分
19 収容壁部分
20 第1の種類のはんだ材料
21 環状ビード
22 狭窄領域
23 開口
24 連結部分
25 環状ビード
26 移行領域
27 成形部分
28 はんだストップ手段
29 開口
30 第2の種類のはんだ材料
31 移行部分
32 長さ部分
33 長さ部分
34 長さ部分
35 移行部分
H 主軸
N 副軸
FE 接合平面
M 中心点
L 縦方向
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのプレート要素(3,4)から構成されたプレート体(2)と、冷却流体用の接続管(6)を備え、接続管(6)が、接続部分(7)を備え、この接続部分が、プレート要素(3,4)の間に形成されたプレート体(2)の収容部分(8)内で接合されている伝熱プレートにおいて
接続部分(7)が、2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を備え、収容部分(8)が、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を備え、縦方向ウェブ(9)が、縦方向溝(10)内に延在すること、を特徴とする伝熱プレート。
【請求項2】
縦方向ウェブ(9)及び縦方向溝(10)が、互いに相補的に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の伝熱プレート。
【請求項3】
縦方向ウェブ(9)が、横断面を、凹のウェブ壁(12)及び丸められた先端(13)を有する三角形に構成されていること、を特徴とする請求項2に記載の伝熱プレート。
【請求項4】
縦方向溝(10)が、横断面を、凹の溝側面(14)及び楔状の溝底(15)を有する漏斗状に構成されていること、を特徴とする請求項2に記載の伝熱プレート。
【請求項5】
接続部分(7)が、2つの凸に湾曲して延在する壁部分(16,17)を備え、これら壁部分が、縦方向ウェブ(9)の間に延在すること、を特徴とする請求項3に記載の伝熱プレート。
【請求項6】
収容部分(8)が、凸に湾曲して延在する収容壁部分(18,19)を備え、これら収容壁部分に、溝側面(14)が接続すること、を特徴とする請求項4に記載の伝熱プレート。
【請求項7】
接続部分(7)が、接合平面(FE)に対して平行に延在する壁部分を備え、これら壁部分が、それぞれ終端側でもって、凸に湾曲して延在する壁部分を介して縦方向ウェブに移行すること、を特徴とする請求項5に記載の伝熱プレート。
【請求項8】
接続管(6)が、端面で収容部分(8)に当接する、特に環状ビード(21)の形態の、ストッパを備えること、を特徴とする請求項1に記載の伝熱プレート。
【請求項9】
接続管(6)、特に接続管(6)の接続部分(7)と、収容部分(8)との間に、はんだストップ手段(28)が設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の伝熱プレート。
【請求項10】
接続管(6)が、特に環状ビード(25)の形態のアバットメント体を有する連結部分(24)を備えること、を特徴とする請求項1に記載の伝熱プレート。
【請求項11】
接続管(6)を有する伝熱プレートを製造するための方法において、
・2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を有する接続部分(7)を備える接続管(6)を提供するステップと、
・第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を提供するステップであって、第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)が、接続部分(7)用の収容輪郭を備えるステップと、
・下側型と上側型を備える加熱された成形はんだ付け金型に第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を移送するステップであって、接続管(6)の接続部分(7)が、プレート要素(3,4)の成形部分(27)の間に位置決めされ、接続部分(7)とプレート要素(3,4)の間にはんだ材料(20)が配置されているステップと、
・成形はんだ付け金型を閉鎖し、下側型と上側型の間でプレート積層体をクランプするステップであって、プレート要素(3,4)の成形部分(27)内の収容輪郭が接続管(6)の接続部分(7)の周囲で最終成形され、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を有する収容部分(8)が構成されるステップと、
・プレート積層体を加熱するステップと、
・接続管(6)を介して中間スペースに作用媒体を導入することによってプレート積層体のプレート要素(3,4)の間の中間スペースに内圧を作用させ、少なくとも一方のプレート要素(3,4)にチャネルを形成するステップと、
・プレート要素(3,4)の間及び接続部分(7)と収容部分(8)の間のはんだ材料(20)を溶融し、はんだ付けにより接合するステップと、
・成形はんだ付け金型を開放し、成形はんだ付け金型から冷却プレート(1)を取り出すステップと
を有すること、を特徴とする方法。
【請求項12】
冷却プレート(1)が、成形はんだ付け金型の開放後で取出しの前に、成形はんだ付け金型内に保持されて冷却されること、を特徴とする請求項11に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
接続部分7には、はんだ材料20が適用されている。接続部分7及び収容部分での横断面変化は、はんだストップ手段28を構成する。接続部分7から長さ部分32への移行部及び受容部分8の長さ部分33から長さ部分34への移行部での横断面変化によって形成されるはんだストップ手段28は、接続管6もしくは接続部分7と収容部分8との間のはんだ継手の生成時にはんだ流を制限する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.
少なくとも2つのプレート要素(3,4)から構成されたプレート体(2)と、冷却流体用の接続管(6)を備え、接続管(6)が、接続部分(7)を備え、この接続部分が、プレート要素(3,4)の間に形成されたプレート体(2)の収容部分(8)内で接合されている伝熱プレートにおいて
接続部分(7)が、2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を備え、収容部分(8)が、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を備え、縦方向ウェブ(9)が、縦方向溝(10)内に延在すること、を特徴とする伝熱プレート。
2.
縦方向ウェブ(9)が、横断面を、凹のウェブ壁(12)及び丸められた先端(13)を有する三角形に構成されていること、を特徴とする上記1に記載の伝熱プレート。
3.
縦方向溝(10)が、横断面を、凹の溝側面(14)及び楔状の溝底(15)を有する漏斗状に構成されていること、を特徴とする上記1又は2に記載の伝熱プレート。
4.
縦方向ウェブ(9)及び縦方向溝(10)が、互いに相補的に形成されていること、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
5.
接続部分(7)が、2つの凸に湾曲した壁部分(16,17)を備え、これら壁部分が、縦方向ウェブ(9)の間に延在すること、を特徴とする上記1~4のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
6.
収容部分(8)が、凸に湾曲して延在する収容壁部分(18,19)を備え、これら収容壁部分に、溝側面(14)が接続すること、を特徴とする上記1~5のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
7.
接続部分(7)が、接合平面(FE)に対して平行に延在する壁部分を備え、これら壁部分が、それぞれ終端側でもって、湾曲して延在する壁部分を介して縦方向ウェブに移行すること、を特徴とする上記1~6のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
8.
接続管(6)が、端面で収容部分(8)に当接する、特に環状ビード(21)の形態の、ストッパを備えること、を特徴とする上記1~7のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
9.
接続管(6)、特に接続管(6)の接続部分(7)と、収容部分(8)との間に、はんだストップ手段(28)が設けられていること、を特徴とする上記1~8のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
10.
接続管(6)が、特に環状ビード(25)の形態のアバットメント体を有する連結部分(24)を備えること、を特徴とする上記1~9のいずれか1つに記載の伝熱プレート。
11.
接続管(6)を有する伝熱プレートを製造するための方法において、
・2つの外向きの縦方向ウェブ(9)を有する接続部分(7)を備える接続管(6)を提供するステップと、
・第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を提供するステップであって、第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)が、接続部分(7)用の収容輪郭を備えるステップと、
・下側型と上側型を備える加熱された成形はんだ付け金型に第1のプレート要素(3)と第2のプレート要素(4)を移送するステップであって、接続管(6)の接続部分(7)が、プレート要素(3,4)の成形部分(27)の間に位置決めされ、接続部分(7)とプレート要素(3,4)の間にはんだ材料(20)が配置されているステップと、
・成形はんだ付け金型を閉鎖し、下側型と上側型の間でプレート積層体をクランプするステップであって、プレート要素(3,4)の成形部分(27)内の収容輪郭が接続管(6)の接続部分(7)の周囲で最終成形され、プレート要素(3,4)の間の接合平面(FE)の領域内に延在する縦方向溝(10)を有する収容部分(8)が構成されるステップと、
・プレート積層体を加熱するステップと、
・接続管(6)を介して中間スペースに作用媒体を導入することによってプレート積層体のプレート要素(3,4)の間の中間スペースに内圧を作用させ、少なくとも一方のプレート要素(3,4)にチャネルを形成するステップと、
・プレート要素(3,4)の間及び接続部分(7)と収容部分(8)の間のはんだ材料(20)を溶融し、はんだ付けにより接合するステップと、
・成形はんだ付け金型を開放し、成形はんだ付け金型から冷却プレート(1)を取り出すステップと
を有すること、を特徴とする方法。
12.
冷却プレート(1)が、成形はんだ付け金型の開放後で取出しの前に、成形はんだ付け金型内に保持されて冷却されること、を特徴とする上記11に記載の方法。
【外国語明細書】