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特開2024-121807仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121807
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240830BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A63B71/06 M
A63B71/06 U
A63B69/36 522B
A63B69/36 541W
A63B69/36 541Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025103
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0025985
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】323014764
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ボクスン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒョンジン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムを提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、プレイ記録を貯蔵する貯蔵部と、仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する仮想プレイヤー管理部とを含む。前記仮想プレイヤー管理部は、前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況を把握し、前記仮想プレイヤーとのゴルフ試合に参加しているユーザのプレイ記録及び前記ゴルフ試合に参加していない他のユーザのプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて、前記把握された現在プレイ状況に附合する複数の予想プレイ結果を形成した後、前記複数の予想プレイ結果から前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ゴルフコースを表示する表示部と、
ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、
ユーザのプレイ記録を貯蔵する貯蔵部と、
ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるように仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する仮想プレイヤー管理部とを
含み、
前記仮想プレイヤー管理部は、
前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況を把握し、
前記仮想プレイヤーとのゴルフ試合に参加しているユーザ(「本人ユーザ」)のプレイ記録及び前記ゴルフ試合に参加していない他のユーザ(「他人ユーザ」)のプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて、前記把握された現在プレイ状況に附合する複数の予想プレイ結果を形成した後、前記複数の予想プレイ結果から前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
ユーザは自分のプレイ記録に基づいて計算されたレベルを有しており、
前記仮想プレイヤー管理部は、前記他人ユーザの全体で前記本人ユーザのレベルと同一のレベルを有するユーザを含む一部の他人ユーザを選定し、前記本人ユーザのプレイ記録及び前記選定された他人ユーザのプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて前記複数の予想プレイ結果を形成する、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
前記本人ユーザは第1及び第2ユーザを含み、
前記仮想プレイヤーは第1ユーザに対応する第1仮想プレイヤー及び第2ユーザに対応する第2仮想プレイヤーを含み、
前記第1仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する際に、前記仮想プレイヤー管理部は前記第1ユーザのプレイ記録と前記第2ユーザのプレイ記録と前記他人ユーザのプレイ記録とのうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて前記複数の予想プレイ結果を形成する、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記複数の予想プレイ結果は、前記本人ユーザ及び前記他人ユーザのうちに少なくともいずれか1人のユーザの実際の過去プレイ結果に該当する第1予想プレイ結果及び/又は前記実際の過去プレイ結果から算出される第2予想プレイ結果を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
前記仮想プレイヤー管理部は前記複数の予想プレイ結果うちにいずれか1つを選択することで前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出し、前記複数の予想プレイ結果うちにいずれか1つを選択する確率は前記複数の予想プレイ結果のそれぞれに対して互いに異なる場合を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
前記複数の予想プレイ結果のそれぞれは前記仮想プレイヤーのゴルフボールの状態を示す複数のパラメータを含み、前記複数のパラメータはゴルフボールの速度、発射角、方向角、スピンのうちに少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況は、ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されているゴルフコースに関する情報、前記ゴルフコースにおいて前記仮想プレイヤーのゴルフボールが位置する地点に関する距離情報、前記ゴルフコースにおいて前記仮想プレイヤーのゴルフボールが位置する地点に関する地形情報、ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるときの気候条件、および仮想プレイヤーのゴルフボールに対してどのような打撃をすべきかに関する情報のうちに少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項8】
前記貯蔵部に貯蔵される前記ユーザのプレイ記録はユーザがゴルフボールを打撃するときのプレイ状況に関する情報を含み、
前記プレイ状況は、ユーザがプレイしたゴルフコースに関する情報、前記ゴルフコースにおいてユーザがゴルフボールを打撃した地点に関する距離情報、前記ゴルフコースにおいてユーザがゴルフボールを打撃した地点に関する地形情報、ユーザがプレイしたときの気候条件、及びユーザがゴルフボールに対してどのような種類の打撃をしたかに関する情報のうちに少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項9】
サービス装置と、
前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置と、
前記仮想ゴルフ装置においてプレイするユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるように仮想プレイヤーのプレイ結果を導出し、前記サービス装置又は前記仮想ゴルフ装置に具備される仮想プレイヤー管理部とを
含み、
前記サービス装置はユーザのプレイ記録を貯蔵する貯蔵部を含み、
前記仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、
前記プレイヤー管理部は、
前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況を把握し、
前記仮想プレイヤーとのゴルフ試合に参加しているユーザ(「本人ユーザ」)のプレイ記録及び前記ゴルフ試合に参加していない他のユーザ(「他人ユーザ」)のプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて、前記把握された現在プレイ状況に附合する複数の予想プレイ結果を形成した後、前記複数の予想プレイ結果から前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する
仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムに関するものであり、より具体的にはスクリーンゴルフなどのような仮想ゴルフのプレイにおいて仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供することができる仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながら仮想ゴルフ装置などを利用してゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフが広く普及されている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンゴルフを利用する人々がますます増えながらスクリーンゴルフに対するユーザの期待が高まっている。スクリーンゴルフと実際のゴルフとを比較すると、スクリーンゴルフは密閉された屋内空間でサービスされる特性上、オープンな屋外空間で行われる実際のゴルフで提供するのが難しい技術的サービスをユーザに提供することができる利点がある。したがって、スクリーンゴルフだけの利点を利用して様々な技術的サービスを提供することで、スクリーンゴルフのプレイに対するユーザの興味を高める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供することができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明は仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供することができる仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、ユーザのプレイ記録を貯蔵する貯蔵部と、ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるように仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する仮想プレイヤー管理部とを含む。前記仮想プレイヤー管理部は、前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況を把握し、前記仮想プレイヤーとのゴルフ試合に参加しているユーザ(「本人ユーザ」)のプレイ記録及び前記ゴルフ試合に参加していない他のユーザ(「他人ユーザ」)のプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて、前記把握された現在プレイ状況に附合する複数の予想プレイ結果を形成した後、前記複数の予想プレイ結果から前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置において、ユーザは自分のプレイ記録に基づいて計算されたレベルを有しており、前記仮想プレイヤー管理部は、前記他人ユーザの全体で前記本人ユーザのレベルと同一のレベルを有するユーザを含む一部の他人ユーザを選定し、前記本人ユーザのプレイ記録及び前記選定された他人ユーザのプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて前記複数の予想プレイ結果を形成する。
【0007】
上記仮想ゴルフ装置において、前記本人ユーザは第1及び第2ユーザを含み、前記仮想プレイヤーは第1ユーザに対応する第1仮想プレイヤー及び第2ユーザに対応する第2仮想プレイヤーを含み、前記第1仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する際に、前記仮想プレイヤー管理部は前記第1ユーザのプレイ記録と前記第2ユーザのプレイ記録と前記他人ユーザのプレイ記録とのうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて前記複数の予想プレイ結果を形成する。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記複数の予想プレイ結果は、前記本人ユーザ及び前記他人ユーザのうちに少なくともいずれか1人のユーザの実際の過去プレイ結果に該当する第1予想プレイ結果及び/又は前記実際の過去プレイ結果から算出される第2予想プレイ結果を含む。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置において、前記仮想プレイヤー管理部は前記複数の予想プレイ結果うちにいずれか1つを選択することで前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出し、前記複数の予想プレイ結果うちにいずれか1つを選択する確率は前記複数の予想プレイ結果のそれぞれに対して互いに異なる場合を含む。
【0010】
上記仮想ゴルフ装置において、前記複数の予想プレイ結果のそれぞれは前記仮想プレイヤーのゴルフボールの状態を示す複数のパラメータを含み、前記複数のパラメータはゴルフボールの速度、発射角、方向角、スピンのうちに少なくともいずれか1つを含む。
【0011】
上記仮想ゴルフ装置において、前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況は、ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されているゴルフコースに関する情報、前記ゴルフコースにおいて前記仮想プレイヤーのゴルフボールが位置する地点に関する距離情報、前記ゴルフコースにおいて前記仮想プレイヤーのゴルフボールが位置する地点に関する地形情報、ユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるときの気候条件、および仮想プレイヤーのゴルフボールに対してどのような打撃をすべきかに関する情報のうちに少なくともいずれか1つを含む。
【0012】
上記仮想ゴルフ装置において、前記貯蔵部に貯蔵される前記ユーザのプレイ記録はユーザがゴルフボールを打撃するときのプレイ状況に関する情報を含み、前記プレイ状況は、ユーザがプレイしたゴルフコースに関する情報、前記ゴルフコースにおいてユーザがゴルフボールを打撃した地点に関する距離情報、前記ゴルフコースにおいてユーザがゴルフボールを打撃した地点に関する地形情報、ユーザがプレイしたときの気候条件、及びユーザがゴルフボールに対してどのような種類の打撃をしたかに関する情報のうちに少なくともいずれか1つを含む。
【0013】
本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは、サービス装置と、前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置と、前記仮想ゴルフ装置においてプレイするユーザと仮想プレイヤーとの間にゴルフ試合が進行されるように仮想プレイヤーのプレイ結果を導出し、前記サービス装置又は前記仮想ゴルフ装置に具備される仮想プレイヤー管理部とを含む。前記サービス装置はユーザのプレイ記録を貯蔵する貯蔵部を含み、前記仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含む。前記プレイヤー管理部は、前記仮想プレイヤーの現在プレイ状況を把握し、前記仮想プレイヤーとのゴルフ試合に参加しているユーザ(「本人ユーザ」)のプレイ記録及び前記ゴルフ試合に参加していない他のユーザ(「他人ユーザ」)のプレイ記録のうちに少なくともいずれか1つのプレイ記録に基づいて、前記把握された現在プレイ状況に附合する複数の予想プレイ結果を形成した後、前記複数の予想プレイ結果から前記仮想プレイヤーのプレイ結果を導出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムによれば、ユーザに仮想プレイヤーとのゴルフ試合を提供することにより、ユーザが様々な方法でゴルフプレイを楽しむことができ、またユーザのゴルフ実力まで向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図2】仮想プレイヤーの生成過程を示すスクリーン画面の一例を示す。
図3】仮想プレイヤーの形態を示す図である。
図4】仮想プレイヤーの形態を示す図である。
図5】仮想プレイヤーの形態を示す図である。
図6図1の仮想ゴルフ装置において仮想プレイヤーとゴルフ試合をする全体過程を例示的に示すフローチャートである。
図7】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図8】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図9】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図10】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図11】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図12】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図13】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図14】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図15】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図16】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図17】仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である。
図18】パッティング段階で仮想プレイヤーのプレイ結果が導出されて表示される具体的な過程を例示的に示す図である。
図19】パッティング段階で仮想プレイヤーのプレイ結果が導出されて表示される具体的な過程を例示的に示す図である。
図20】パッティング段階で仮想プレイヤーのプレイ結果が導出されて表示される具体的な過程を例示的に示す図である。
図21】パッティング段階で仮想プレイヤーのプレイ結果が導出されて表示される具体的な過程を例示的に示す図である。
図22】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図23】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0017】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0018】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0019】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)を含む。
【0020】
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。打撃プレート(10)は別途具備されているプレート状物体から構成されたり、又は別途の物体ではなく仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。図面に図示されていないが、打撃プレート(10)には打撃用ゴルフボールが置かれる打撃マットが具備され、前記打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設けられる。前記オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0021】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃マットに設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーが打撃用ゴルフボールを提供するように動作する。またユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当ゴルフコースでプレイすることができるように関連動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を具備してユーザが選択した特定ゴルフコースの映像を形成した後、これを表示部(60)に伝達して表示させるように動作する。
【0022】
制御部(20)は算出部(21)と仮想プレイヤー管理部(22)と貯蔵部(23)とを備えている。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、前記物理的状態でゴルフボールが実際のゴルフ場で移動すると仮定したときの軌跡を算出する算出過程を行う。仮想プレイヤー管理部(22)(本明細書では「管理部」という略称によって命名する場合もある)は、ユーザが仮想プレイヤーとの仮想ゴルフ試合をすることができるように、仮想ゴルフ試合および/または仮想プレイヤーに対する様々な処理動作を行い、 仮想プレイヤー管理部(22)の詳細な動作については後述する。貯蔵部(23)はメモリやハードディスクなどのような貯蔵機器を含み、制御部(20)、算出部(21)、仮想プレイヤー管理部(22)等の動作に必要な各種プログラム及び/又はデータを貯蔵している。
【0023】
感知部(30)はゴルフボールの打撃時にゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して算出過程に必要な情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなどのような様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。
【0024】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、入力部(40)としてキーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置を利用するためにログインが必要な場合にユーザがログインのための自分のIDやパスワードを入力するとき、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度などを選択するときなどに入力部(40)を用いることができる。
【0025】
サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを通じてユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのようなディスプレイ用機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールがスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。図面には図示されていないが、表示部(60)はスクリーン以外に補助ディスプレイの役割をするキオスクなどのような表示機器をさらに含むことができる。
【0026】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する場合がある。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0027】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場等に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)では算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を継続する。ユーザのネクスト打撃では上記動作過程を繰り返す。
【0028】
上記のようなスクリーンゴルフのプレイにおいて、ユーザは他のユーザとゴルフ試合をすることができる。また、本実施例の仮想ゴルフ装置によれば、ユーザは仮想プレイヤー管理部(22)を介して提供される仮想プレイヤーと仮想ゴルフ試合をすることができる。以下、仮想プレイヤーとのゴルフ試合について説明する。
【0029】
図2は仮想プレイヤーの生成過程を示すスクリーン画面の一例を示し、図3乃至図5は仮想プレイヤーの様々な形態を示す図である。
図2を参照すると、ユーザが仮想ゴルフ試合に対するオプションを選択した場合、仮想プレイヤーが生成され、スクリーンに仮想プレイヤーが生成される過程が表示される。仮想プレイヤーは仮想ゴルフ試合をしたいユーザのプレイ記録データに基づいて生成することができる。したがって、仮想プレイヤーはユーザ自身と同一又は類似のゴルフ実力とプレイスタイルを持つ。例えば、図2に図示されたように、仮想プレイヤーはハンディ/飛距離/ショット正確性/トラブルショット能力/ショートゲーム/パッティングなどにおいてユーザと同一又は類似の能力値を有するように形成することができる。
【0030】
ユーザのプレイ記録は貯蔵部(23)に貯蔵されている。例えば、貯蔵部(23)にはユーザごとに異なる貯蔵領域が割り当てられており、各ユーザに割り当てられた領域にはユーザの身元情報、ユーザのプレイ情報などのような様々な情報が貯蔵されている。仮想プレイヤーが生成される時に、仮想プレイヤー管理部(22)は仮想ゴルフ試合をしようとする該当ユーザの情報を貯蔵部(23)から抽出して管理部(22)内で一時的に有してもよい。仮想ゴルフ試合をしながらユーザのプレイ情報をよく使用するために、使用する時ごと貯蔵部(23)から必要な情報を抽出することよりも管理部(22)内で迅速にアクセスすることができるようにすれば仮想ゴルフ試合を進行するのにかかる時間を減らすことができる。
【0031】
ユーザのプレイ記録が仮想ゴルフ試合の進行には不十分な場合があり得る。例えば、ユーザのプレイ回数が著しく少なくてプレイ記録自体がほとんどない場合がある。この場合、ユーザ自身だけでなく、ユーザと同一又は類似の実力を有する他のユーザのプレイ記録まで反映して仮想プレイヤーを生成することができる。
【0032】
仮想プレイヤーはユーザのプレイ記録に基づいて生成されるため、生成された仮想プレイヤーのゴルフ実力はユーザと同一レベルになる。例えば、1人のユーザ(プレイヤー1)が1人の仮想プレイヤー(仮想プレイヤー1)と仮想ゴルフ試合をすると仮定すると、図3に図示されたように、仮想プレイヤー1はプレイヤー1と同一ハンディを持つように生成されることができる。ここで、ハンディ(ハンディキャップ)はユーザのゴルフ能力を示す指標とすることができる。通常18ホールからなるゴルフコースにおいて18ホールでの規定打数を全て加えれば72打となり、ユーザが18ホールプレイで記録した打数が低ければ低いほどゴルフ実力が良いといえる。プロゴルファーは60代後半または70代前半の打数を記録し、一般人は80打以内に入ると上級者と言えまた100打を基準にして2桁打数を記録するか又は3桁打数を記録するかにより初心者の可否を判断することができる。ユーザが記録したスコアが82打である場合、該当ユーザのハンディは82と72の差である+10になる。ハンディ値が大きいと18ホールでのプレイ打数が高いという意味であるため、それだけユーザのゴルフレベルが低いと言える。マイナスハンディ値の場合は18ホールでのプレイ打数が72打より少ないことを意味するので、そのユーザはゴルフレベルが高いと言える。
【0033】
図4を参照すると、複数のユーザがチームを構成する場合、ユーザチームと仮想プレイヤーチームとが互いに仮想ゴルフ試合をすることができ、仮想プレイヤーチームにはユーザチームと同一/類似のゴルフ実力を有する仮想プレイヤーを生成することができる。例えば、3人のユーザ(プレイヤー1、プレイヤー2、プレイヤー3)がチームを構成して3人の仮想プレイヤー(仮想プレイヤー1、仮想プレイヤー2、仮想プレイヤー3)と仮想ゴルフ試合をすると仮定すると、仮想プレイヤー1はプレイヤー1と同一ハンディを有するように生成され、仮想プレイヤー2はプレイヤー2と同一ハンディを有するように生成され、仮想プレイヤー3はプレイヤー3と同一ハンディを有するように生成される。
【0034】
ユーザチームと仮想プレイヤーチームとの間の試合において、仮想プレイヤーチームのメンバーの個人は必ずしもユーザチームの個人と同一/類似のゴルフ実力を持つように生成される必要はない。例えば、3人のユーザ(プレイヤー1、プレイヤー2、プレイヤー3)がチームを構成して3人の仮想プレイヤー(仮想プレイヤー1、仮想プレイヤー2、仮想プレイヤー3)と仮想ゴルフ試合をすると仮定すると、仮想プレイヤー1 、2、3はそれぞれプレイヤー1、2、3と同一ハンディを有するように生成されず、仮想プレイヤー1、2、3はすべてプレイヤー1、2、3のゴルフ実力を合わせた実力を有するように生成されてもよい。例えば、図5に図示されたように、仮想プレイヤー1、2、3は、全てプレイヤー1、2、3のハンディを合算したハンディを有するように生成されることができる。
【0035】
上記のように、仮想プレイヤーはユーザまたは同一/類似の実力を持つ他のユーザのプレイ記録に基づいてユーザと同一/類似の実力を持つように生成することができ、これによりユーザと仮想プレイヤーとの試合は接戦になる可能性が高いので、ユーザは仮想のゴルフ試合で面白い勝負を楽しむことができる。また、仮想プレイヤーはユーザのプレイ記録を反映してプレイするため、仮想プレイヤーはユーザ自分と同一のスタイルでプレイすることができ、ユーザは仮想プレイヤーと試合しながら自分のプレイスタイルの長所と短所を客観的にチェックすることができる。
【0036】
図6図1の仮想ゴルフ装置において仮想プレイヤーとゴルフ試合をする全体過程を例示的に示すフローチャートであり、図7乃至図17は仮想プレイヤーとゴルフ試合をする個別過程を例示的に示す図である(図7乃至図17図1の仮想ゴルフ装置における試合過程を示すため、これらの図面を参照して説明する際に図1に表示されている図面参照符号を用いる場合がある)。
【0037】
図6を参照すると、仮想プレイヤーが生成されると、ユーザと仮想ゴルフ試合が開始される。仮想ゴルフ試合を行う過程は、第1乃至第4ステップ(S10、S20、S30、S40)を含む。第1ステップ(S10)ではユーザがゴルフプレイをし、第2ステップ(S20)ではユーザのゴルフプレイの結果を表示し、第3ステップ(S30)では仮想プレイヤーのゴルフプレイ結果を獲得し、第4ステップ(S40)では仮想プレイヤーのプレイ結果を表示する。第1及び第2ステップ(S10、S20)はユーザ側のプレイを示し、第3及び第4ステップ(S30、S40)は仮想プレイヤー側のプレイを示す。ユーザが先にプレイをし、仮想プレイヤーが後でプレイする場合には、第1、2ステップ(S10、S20)が第3、4ステップ(S30、S40)より先に実行されるが、ユーザと仮想のプレイヤーのプレイ順序は逆にすることができ、この場合に第3、4ステップ(S30、S40)を第1、2ステップ(S10、S20)より先に実行することができる。
【0038】
図7を参照すると、第1ステップ(S10)のユーザ側のプレイ順序において、ユーザは打撃プレート(10)に位置して打撃マットに置かれている実際のゴルフボールを打撃する。このとき、感知部(30)は打撃されたゴルフボールの物理的状態を感知して制御部(20)に伝達する。
【0039】
図8を参照すると、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの感知情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する。ゴルフボールの軌跡を算出する際に様々な方式を適用することができる。適用可能な一つの方式は、打撃後のゴルフボールの物理的状態を示すパラメータを感知しこれから軌跡を算出することである。上記パラメータとしてゴルフボールの速度(V)、打撃により飛ぶゴルフボールの水平面上での方向を示す左右方向角(φ)、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角(θ)、ゴルフボールの回転状態を示すスピン(S)などがある。速度(V)、方向角(φ)、発射角(θ)、スピン(S)などのようなパラメータに基づいて物理法則を用いた計算モデルを適用すれば、ゴルフボールの軌跡を算出することができる。図面には図示されていないが、ゴルフボールの物理的状態だけでなく、ユーザがゴルフボールを打撃したときのゴルフクラブの動きを感知してゴルフクラブについて感知された情報を活用してゴルフボールの軌跡を算出することも可能である。
【0040】
図9を参照すると、第2ステップ(S20)においてユーザのプレイ結果がスクリーンに表示される。すなわち、算出部(21)で算出した通り、仮想ゴルフボールが移動する映像がスクリーンに表示される。仮想ゴルフボールは算出された通りに移動した後に仮想ゴルフコースの特定の位置に着地し、ユーザは着地位置でネクスト打撃をする。
【0041】
第3ステップ(S30)において、制御部(20)の仮想プレイヤー管理部(22)により仮想プレイヤーのゴルフプレイ結果が得られる。図6を再び参照すると、第3ステップ(S30)は複数のサブステップを含む。前記複数のサブステップは、現在のプレイ状況を把握するステップ、複数の予想プレイ結果を形成するステップ、仮想プレイヤーに対するプレイ結果を導出するステップを含む。
【0042】
図10乃至図16は第3ステップ(S30)を実行する具体的な過程を示す図である。
第3ステップ(S30)において、仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得するために、まず仮想プレイヤーに対する現在のプレイ状況を把握する。例えば、仮想プレイヤーのゴルフボールが現在図10に図示されたような状況にあると仮定する。この時にチェックされる現在のプレイ状況に関する情報はいろいろある。例えば、現在のプレイ状況情報は第1乃至第4情報(I1、I2、I3、I4)を含む。第1情報(I1)はゴルフボールと目標地点であるホールカップとの間の距離や高さ差に関する情報を含む。第2情報(I2)はゴルフボールが置かれている地点の地形属性に関する情報を含む。例えば、ゴルフボールが現在バンカーに置かれているので、第2情報(I2)はユーザがバンカーショットをしなければならないという内容を含む。第3情報(I3)はバンカーの地形特性に関する内容を含む。バンカーは通常周囲の他の領域よりも底が低いグルーブのような形状をしており、バンカーのヘリ部分には傾斜が形成されている。上記傾斜をさらに容易に識別するために、スクリーンの映像に別途のカラー表示を追加してもよい(例:上り坂傾斜は赤色で表示し下り坂傾斜は青色で表示する)。第3情報(I3)はバンカーにおける上り坂/下り坂情報、バンカーの角度、バンカーショットに用いられるゴルフクラブ弾道などに関する内容を含む。第4情報(I4)は現在の気候条件に関するものであり、天気状態(晴天/雪や雨の可否、雪や雨が降る場合の降雨量や降雪量など)や風条件(風向、風速など)などに関する内容を含む。ここで言及した第1乃至第4情報(I1、I2、I3、I4)は仮想プレイヤーの現在状況を把握するための情報のいくつかの例を挙げたものであり、第1乃至第4情報(I1、I2、I3、I4)以外の他の情報をさらに使用すること、第1乃至第4情報(I1、I2、I3、I4)の一部を省略して使用することなども可能である。例えば、第1および第2情報(I1、I2)などから現在状況で仮想プレイヤーがどのような打撃をすべきか(ティーショット、バンカーショット、アプローチショット、パッティングなど)に関する情報をさらに用いることができる。
【0043】
仮想プレイヤーの現在のプレイ状況を把握した後、上記プレイ状況に合致する複数の予想プレイ結果を形成する。これを行うにプレイ状況と同一または類似の状況でユーザが打撃したケースを検索する。例えば、現在仮想プレイヤーのゴルフボールとホールカップとの間の距離と高さ差がそれぞれD(distance)とH(height)であり、ゴルフボールがバンカーにある状況であり、バンカーが傾斜度A(angle of inclination)の上り坂であり、晴れ天気にWD(wind direction)/WS(wind speed)の風向と風速がある状況であるとすれば、過去ユーザが「D(またはD±ΔD)、H(またはH±ΔH)、A(またはA±ΔA)、WD(またはWD±ΔWD)、 WS(またはWS±ΔWS)」の状況でプレイした記録を検索する(ここで「D(またはD±ΔD)」は過去のプレイ記録でDと同一の状況である場合または「D-ΔD~D+ΔD」の範囲に属する状況である場合を意味し、「H(またはH±ΔH)、A(またはA±ΔA)、WD(またはWD±ΔWD)、 WS(またはWS±ΔWS)」の意味もすべて同様である)。
【0044】
図11は貯蔵部(23)の詳細構造の一例を示している。図11を参照すると、貯蔵部(23)はユーザごとに身元情報DBを貯蔵する領域(23a)、個人記録DBを貯蔵する領域(23b)、ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)を含む。身元情報DBを貯蔵する領域(23a)には、ユーザの姓名、性別、年齢などのようなユーザの身元に関する情報が貯蔵されている。個人記録DBを貯蔵する領域(23b)には、ユーザがプレイしたスコア情報、個人プレイ記録(平均打数、平均飛距離など)などのようなプレイ情報が貯蔵されている。ここで、身元情報DBを貯蔵する領域(23a)や個人記録DBを貯蔵する領域(23b)には、ユーザのレベルを評価した情報が貯蔵されていてもよい。上記レベル情報は当該ユーザに対してゴルフ実力を評価したものであり、ユーザのレベルは固定されているわけではなく、ユーザのプレイ記録が変更されるに従って更新されることができる。ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)には、ユーザの全てのプレイにおいてそれぞれのショットやパッティング等の詳細情報が貯蔵される。例えば、ユーザAが過去に特定のゴルフコースのホールでプレイしたときにティーショットからホールインまで合計3打を使用したと仮定する。図11に図示されたように、ユーザAのティーショットでゴルフボールは最初位置(P0)から第1位置(P1)に移動し、ネクスト打撃によりゴルフボールは第2位置(P2)に移動し、第2位置(P2)でのパッティングが成功してゴルフボールがホールカップに入りながら当該ホールでのプレイが終了したとすれば、ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)におけるユーザAに対する貯蔵領域には前記ホールでのプレイに関するデータとして最初位置(P0)のデータ(X0、Y0)、第1位置(P1)のデータ(X1、Y1)、第2位置(P2)のデータ(X2、Y2)が貯蔵される。各貯蔵データは2種類を含み、便宜上これを第1データ(X0、X1、X2)と第2データ(Y0、Y1、Y2)と命名する。前記第1データ(X0、X1、X2)はユーザが最初位置(P0)、第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃するときのプレイ状況情報を含む。例えば、前記第1データX1は、第1位置(P1)でショットを行う際にゴルフボールと目標地点であるホールカップとの間の距離や高さ差に関する情報、ゴルフボールが置かれている地点の地形属性に関する情報(ゴルフボールが置かれている地点がフェアウェイ/ラフ/バンカーであるかなどに関する情報)、ユーザがゴルフボールに対してどんな打撃をしたかに関する情報(最初位置(P0)ではティーショットをし、第1位置(P1)ではアプローチショットをし、第2位置(P2)ではパッティングをしたなどの情報)、ゴルフボールが置かれている地点が平坦地形であるかまたは傾斜地形であるかと傾斜がある場合に傾斜度に関する情報、現在の気候条件に関する情報(晴天/雪や雨の可否、雪や雨が降る場合の降雨量や降雪量など、風の可否、風がある場合に風向、風速など)などに関する内容を含む。前記第2データ(Y0、Y1、Y2)はユーザが最初位置(P0)、第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃するときの打撃結果に関する情報を含む。例えば、前記第2データY1は、第1位置(P1)でショットをしたときに打撃されたゴルフボールの物理的パラメータ(打撃後のゴルフボールの速度、打撃により飛ぶゴルフボールの水平面上での方向を示す方向角、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角、ゴルフボールの回転状態を示すスピンなど)、打撃されたゴルフボールの飛距離、打撃によって飛んだゴルフボールが地面に落ちた後転がった距離、ゴルフコースにおいて打撃されたゴルフボールの最終位置、最終位置により把握される打撃結果などに内容を含む。このようなショット情報DBに貯蔵される詳細な打撃に関する情報は仮想プレイヤーのプレイ結果を導出するために使用される。
【0045】
上述したように、仮想プレイヤーのプレイ結果を算出するために、まず仮想プレイヤーの現在状況を把握し、ここで把握された内容を便宜上「Xpresent」と表現すれば、現在状況を把握した後には該当ユーザの全ての第1データにおいて把握された前記「Xpresent」に対応するものを検索する。ここで、「Xpresent」に対応する第1データは第1データ中でXpresentと同一および/または類似の場合を含む。例えば、Xpresentにゴルフボールからホールカップまでの距離が100mであり、また0.5m/sの逆風がある条件がある場合、第1データ中でユーザのゴルフボールからホールカップまでの距離が100mまたは95~105mであり、0.5m/sまたは0.4~0.6m/sの逆風がある状況で打撃したケースがあるかを検索する(説明の便宜上、第1データ中に距離および風に対する要件のみを言及したが、高さ、地形特性、傾斜などの他の要件も考慮すべき場合もあり得る)。このようにして、第1データで現在状況と対応するケースを見つけると、上記ケースにおける第2データの値を抽出して該当ケースから予想プレイ結果を形成することができる。例えば、ユーザが過去に100mの距離で0.5m/sの逆風がある状態でショットをしたことがあり、図12に図示されたように、その際にユーザの打撃後のゴルフボールがボールスピード65.4、発射角15.4、方向角1.4、バックスピン4889の状態を示したとすると、上記物理状態(ボールスピード65.4、発射角15.4、方向角1.4、バックスピン4889)に関する第2データを第1予想打撃結果として抽出することができる。このようにして、第1データにおいて現在状況と対応するケースを検索し、該当ケースにおける第2データに属するパラメータ値を抽出すると、図12に図示されたような予想プレイ結果を形成することができる。前記抽出されたパラメータ値を「予想プレイ結果」と命名する理由は、仮想プレイヤーが打撃したゴルフボールが前記抽出されたパラメータ値を有すると仮定すれば、これからゴルフボールがどのような軌跡を有してどのような地点に到達するかを算出することができ、結果的に該当パラメータ値によってゴルフボールの打撃結果を得ることができるからである。
【0046】
総10個のケース(予想プレイ結果)が得られたと仮定すると、この中からいずれかを選択することにより、選択されたデータから仮想プレイヤーのプレイ結果を得ることができる。あるいは、10個のケースからいずれかのケースを選択してプレイ結果を得る代わりに、複数のケースを選択し、選択された複数のケースそれぞれから異なるパラメータ値を抽出した後、抽出されたパラメータ値によって仮想プレイヤーのプレイ結果を得ることも可能である。この方法については図13を参照して再び説明する。一方、予想プレイ結果で得られるケースの個数については制限がない。ただし、ケースの数が多すぎる場合には最新のデータを優先にして一定の数以下に制限することができる。あるいは、ケースの数が少なすぎる場合(又はまったくない場合)には他人のデータを用いて補充することも可能である。その結果、予想プレイ結果から仮想プレイヤーのプレイ結果を得る方法と、本人及び/又は他人のデータを用いて予想プレイ結果を形成する方法とを組み合わせると、仮想プレイヤーの予想プレイ結果を得る方法には様々な組合せがあり得る。図12乃至図16は様々な組み合わせの例を示している。
【0047】
図12を参照すると、予想プレイ結果は本人のデータのみで所定数(例えば10個)を形成し、そのうちのいずれかをランダムに選択することにより選択された予想プレイ結果(図12において予想ショット6番が選択される)から仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得することができる。ここで、10個の予想プレイ結果からいずれかを選択するとき、選択の確率は10個を全て同等に設定したりまたは非同等に設定したりすることができる。同等に設定する場合、各予想プレイ結果が選択される確率は1/10となる。これに対して非同等に設定する場合、各予想プレイ結果が選択される確率は「1/10×α」となるように設定することができる。ここで、α(kは1から10の自然数)はk番目の予想プレイ結果に対する選択確率の加重値である。例えば、α1が1であれば最初の予想プレイ結果が選択される確率は10% になり、α2が2であれば2番目の予想プレイ結果が選択される確率は20%になり、α10が0.5であれば10番目の予想プレイ結果が選択される確率は5%になる。上記の加重値を設定する方法は様々であり、一例としてユーザが最近プレイした記録で得られた予想プレイ結果であるほど加重値を高く設定し、ユーザが過去にプレイした記録で得られた予想プレイ結果であるほど加重値を低く設定する方法がある。
【0048】
図13を参照すると、予想プレイ結果は本人および他人のデータから形成することができる。予想プレイ結果が少なすぎると、仮想プレイヤーのプレイ結果を抽出することができるソースが少なすぎるという欠点がある。例えば、本人データから形成される予想プレイ結果が2個だけであれば、仮想プレイヤーのプレイ結果は上記2個の予想プレイ結果中にいずれかの一つになるために、仮想プレイヤーのプレイ結果の多様性が低下する可能性がある。このような点を考慮すると、予想プレイ結果は少なくとも10~20個程度になることが好ましい。本人のデータだけで上記個数の予想プレイ結果を獲得することができない場合、本人とゴルフ実力のレベルが同一又は類似の他人のデータを用いて予想プレイ結果を追加することができる。本人とゴルフ実力のレベルが同一又は類似の他人を選定する判断基準はいろいろある。例えば、本人ユーザのハンディと同一または類似のハンディを有する他のユーザを選定した後、選定されたユーザのプレイ記録を予想プレイ結果を形成するためのソースとして用いることができる。予想プレイ結果が少なくとも10個以上になるように設定されている場合、本人データに基づいて仮想プレイヤーの現在のプレイ状況に合致する予想プレイ結果を形成したことの個数が6個であれば、前述の方法によって他人ユーザを選定して残りの4個の予想プレイ結果は他人のデータに基づいて形成することができる。こうして予想プレイ結果を形成した後、10個の予想プレイ結果から仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得する。仮想プレイヤーのプレイ結果を取得する方法として、上述したように10個のうちの1個を選択する方法を用いることができる。又は仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得するための複数のパラメータが必要な場合、各パラメータを異なる予想プレイ結果から選択して獲得した後、獲得したパラメータを組み合わせて仮想プレイヤーのプレイ結果を導出することも可能である。例えば、図13に図示されたように、7番予想プレイ結果からボールスピードを、6番予想プレイ結果から発射角を、10番予想プレイ結果から左右方向角を、1番予想プレイ結果からバックスピンをそれぞれ選択し、前記選択されたボールスピード/発射角/左右方向角/バックスピン値を仮想プレイヤーが打撃したゴルフボールが有するとするときのゴルフボールの軌跡を算出して仮想プレイヤーのプレイ結果を得ることができる。
【0049】
図14を参照すると、予想プレイ結果は本人および他人のデータから形成することができる。仮想プレイヤーのプレイ結果を得るために必要な予想プレイ結果の数を20個に設定し、本人データだけで6個の予想プレイ結果を形成すると仮定する。残りの14個の予想プレイ結果を他人のデータから得るとき、本人と同一又は類似のゴルフ実力を持つ他人が相当数があって他人データから得られる予想プレイ結果の個数がかなり多い場合があり得る。このような場合には、他人のデータを統計的に分析して予想プレイ結果を形成することができる。例えば、本人ユーザと同一または類似のゴルフ実力を有する他人ユーザが30人であり、これらから得られた仮想プレイヤーの現在プレイ状況に対応するケースが100個であると仮定する。上記100個のケースをそのまま予想プレイ結果と形成することも可能であるが、もし予想プレイ結果の個数が多すぎるとすると、各パラメータの平均と標準偏差を計算し、前記平均/標準偏差をベースにして他人データに基づく予想プレイ結果は統計的な方法で形成することができる。具体的には、上記100個のケースにおけるボールスピードの平均と標準偏差をそれぞれμとσとすると、予想プレイ結果におけるボールスピードの範囲を「μ-σ~μ+σ」に設定し、上記設定範囲に属する任意の14個の値をランダムに抽出する。同様に他のパラメータ(発射角、左右方向角、スピンなど)の数値範囲を設定し、設定範囲に属する任意の14個の値を抽出することができる。このようにしてボールスピード/発射角/左右方向角/スピンなどにおける14個の値を抽出することができ、これから他人データに基づく14個の予想プレイ結果を形成することができる。このように本人データおよび他人データに基づく予想プレイ結果が得られたら、これらからいずれかの1個を選択して仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得することができる(図14に図示されている例で予想ショット4番が選択される)。
【0050】
複数のユーザがチームを構成して仮想プレイヤーとプレイする場合がある。例えば、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3がチームを構成して仮想プレイヤーとゴルフ試合を行う場合、ユーザ1、2、3に対応して仮想プレイヤー1、2、3からなるチームを形成することができる。このとき、仮想プレイヤー1、2、3のプレイ結果は、それぞれユーザ1、2、3のプレイ記録から得ることができ、仮想プレイヤーのプレイ結果を得るために上述した方法を適用することができる。例えば、図15(a)に図示されたように、仮想プレイヤー1のプレイ結果は、ユーザ1の本人データに基づいて予想プレイ結果を形成し、上記予想プレイ結果の数が十分であれば、これらからどの1個を選択することにより仮想プレイヤー1のプレイ結果を獲得することができる。図15(b)に図示されたように、仮想プレイヤー2のプレイ結果は、ユーザ2の本人データに基づいて予想プレイ結果を形成し、また予想プレイ結果の数が足りない場合、ユーザ2と同一又は類似の実力を有する他人データに基づいて追加の予想プレイ結果を形成し、本人データおよび他人データに基づいて形成された予想プレイ結果中のいずれかの1個を選択することにより仮想プレイヤー2のプレイ結果を獲得することができる。図15(c)に図示されたように、仮想プレイヤー3のプレイ結果は、ユーザ3本人データに基づいて予想プレイ結果を形成し、また予想プレイ結果の数が足りない場合、ユーザ3と同一又は類似の実力を有する他人データに基づいて追加の予想プレイ結果を形成する。ここで、追加の予想プレイ結果を形成する際に、他人のデータを統計的に分析して予想プレイ結果を形成することができる(図14を参照して説明した方法)。このように本人データおよび他人データに基づいて形成された予想プレイ結果中にいずれかの1個を選択することにより仮想プレイヤー3のプレイ結果を獲得することができる。
【0051】
ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3がチームを構成して仮想プレイヤーとゴルフ試合をする場合、仮想プレイヤー1、2、3からなる仮想プレイヤーのチームを形成する。この時、仮想プレイヤー1、2、3は全て同一プレイ特性を有するようにし、上記プレイ特性はユーザ1、2、3のデータを組み合わせて得られるようにすることができる。例えば、図16に図示されたように、仮想プレイヤープレイ結果は、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3の本人データに基づいて予想プレイ結果を形成し、上記予想プレイ結果の数が十分であれば、この予想プレイ結果からいずれかを選択することにより仮想プレイヤーのプレイ結果を獲得ことができる。具体的には、仮想プレイヤー1のプレイ結果は、仮想プレイヤー1の現在状況と同一または類似の状況でユーザ1、2、3がプレイした過去のプレイ記録から複数の予想プレイ結果を形成し、前記複数の予想プレイ結果からいずれかの1個を選択することにより獲得することができる。ここで、予想プレイ結果を形成する時に、ユーザ1のデータに基づく予想プレイ結果に優先順位を置き、ユーザ2、3のデータに基づく予想プレイ結果は補充的にのみ使用されるようにしてもよい。例えば、ユーザ1のデータに基づく予想プレイ結果が所定の数以上である場合にはユーザ2、3のデータを使用せず、ユーザ1のデータに基づく予想プレイ結果が所定の数に達しない場合のみユーザ2、3のデータを使用するようにする方法を適用することができる。又は、複数の予想プレイ結果から仮想プレイヤー1のプレイ結果を選択する時に、ユーザ1のデータに基づいて形成された予想プレイ結果がユーザ2,3のデータに基づいて形成された予想プレイ結果より選択確率が高くなるように予想プレイ結果の選択確率に相違する加重値を設定する方法を適用することができる。仮想プレイヤー2、3のプレイ結果も仮想プレイヤー1のプレイ結果と同一の方法で得ることができる。
【0052】
以上、本人及び/又は他人のデータを用いて予想プレイ結果を形成し、ここで仮想プレイヤーのプレイ結果を得る様々な方法を説明したが、これはいくつかの例を挙げたものであり、ここに言及されていない方法がさらにあり得る。また、上記方法は様々な方式で組み合わせて使用することも可能である。
【0053】
図17を参照すると、第4ステップ(S40)では仮想プレイヤーのプレイ結果が表示される。スクリーンには仮想プレイヤーが仮想ゴルフボールを打撃する映像が表示され、また打撃された仮想ゴルフボールが第3ステップ(S30)で得られたプレイ結果に応じて所定の着地位置まで移動する映像が表示される。仮想プレイヤーのプレイ結果は必ずしも図17に図示されたようにゴルファーが打撃する姿を表示する必要はなく、ゴルファーの打撃姿を省略しゴルフボールが移動する姿のみを表示してもよい。
【0054】
仮想ゴルフ試合中には、ユーザが特定のゴルフコースでコース攻略を完了するまでゴルフボールを打撃するたびにユーザのプレイ結果がスクリーンに表示され、また同一のゴルフコースで仮想のプレイヤーによるプレイ結果もスクリーンに表示され、仮想ゴルフ試合の結果はコース攻略までのユーザと仮想プレイヤーの打撃回数に応じて決定される。ユーザと仮想プレイヤーとの間のプレイ順序については様々な進行方式があり得る。例えば、ユーザと仮想プレイヤーとが打撃ごとに交互にすることができる。又は、ユーザと仮想プレイヤーとにおける一方のコース攻略が完了するまで一方のみプレイし、その後残りの他方のコース攻略が完了するまで他方が連続的に打撃してプレイするようにすることができる。又は、ゴルフボールとホールカップとの間の位置関係により、ユーザと仮想プレイヤーは自分のゴルフボールがホールカップからさらに遠い方が打撃するようにすることができる。
【0055】
図18乃至図21はパッティング段階で仮想プレイヤーのプレイ結果が導出されて表示される具体的な過程を例示的に示す図である。
図18を参照すると、仮想プレイヤーは現在パッティング段階に進入しており、具体的な仮想プレイヤーの現在状況は次の通りである。
【0056】
(1)ゴルフボールがホールカップから9.84mの距離にある
(2)ゴルフボールとホールカップの間に0.09mの高さ差があり、上記高さ差により傾斜が形成されている
(3)上記傾斜を考慮してゴルフボールをホールカップに向かって正面にパッティングする代わりにホールカップから左側にライ1クラブ程度離隔している地点を目標にしてパッティングする
上記仮想プレイヤーの現在状況((1)、(2)、(3))から予想プレイ結果を形成するために、ユーザの過去プレイ記録のうちに、上記状況に対応する次のような要件を満たすことを検索する。
【0057】
(1)'ゴルフボールとホールカップとの間の距離が9~9.9mである場合
(2)'ゴルフボールとホールカップとの間に0.05m~0.09mの高さ差があり、上記高さ差により傾斜が形成されている場合
(3)'ゴルフボールをホールカップに向かって正面にパッティングする代わりに、上記傾斜を考慮してホールカップから左側にライ4カップ~1クラブ離隔している地点を目標にしてパッティングする場合
【0058】
図18に図示されたように、ユーザ本人の過去プレイ記録から(1)'、(2)'、(3)'の要件を満たす5個の予想プレイ結果が検索されると仮定し、また予想プレイ結果が少なくとも20個であると設定されているとすれば、残りの15個の予想プレイ結果がさらに必要であり、これは他人データを用いて獲得することができる(図14を参照して説明した方法を適用)。このような方法で20個の予想プレイ結果が得られれば、これら中にいずれかの1個をランダムに選択し、選択された予想プレイ結果により、仮想プレイヤーのプレイ結果は「パッティングされたゴルフボールが正面に対して左側に1.96度偏った状態で4.7m/sのボールスピードで転がること」になる。
【0059】
図19を参照すると、左図にスクリーンに表示される画面の一例が図示されている。スクリーンの画面にはパッティング段階において仮想プレイヤーの現在状況(前述の(1)、(2)、(3))が図示されている。この状況で上述したような過程を経て複数の予想プレイ結果が形成され、これら中のいずれかの1個を選択することにより仮想プレイヤーのプレイ結果が得られる。図19の右図に図示されたように、複数の予想プレイ結果のそれぞれについてどのようなプルイ結果になるかを算出することができ、このうち仮想プレイヤーのプレイ結果として選択されたケース(図面に「決定ショット(5番)」と表示されている)のみがスクリーンに表示される。図18、19に図示されている例において、仮想プレイヤーのゴルフボールはパッティング後に4.7m/sのボールスピード、1.96度の左右方向角を有し、このような物理的状態で現在プレイしている仮想ゴルフコースで転がると、最終的にホールインに失敗してゴルフボールはホールカップを2.97mさらに過ぎて止まる。
【0060】
ホールインに失敗したため、仮想プレイヤーのプレイは前記ホールインに失敗した状況に続いてさらに進行される。このときに図18、19を参照して説明した過程を繰り返す。
図20を参照すると、仮想プレイヤーがパッティングに失敗して再びパッティングをトライする現在状況は次の通りである。
【0061】
(1)ゴルフボールがホールカップから2.97mの距離にある
(2)ゴルフボールとホールカップの間に0.03mの高さ差があり、上記高さ差により傾斜が形成されている
(3)上記傾斜を考慮してゴルフボールをホールカップに向かって正面にパッティングする代わりにホールカップから左側にライ1カップ程度離隔している地点を目標にしてパッティングする
【0062】
上記仮想プレイヤーの現在状況((1)、(2)、(3))から予想プレイ結果を形成するために、ユーザの過去プレイ記録のうちに、上記状況に対応する次のような要件を満たすことを検索する。
【0063】
(1)'ゴルフボールとホールカップとの間の距離が2~2.99mである場合
(2)'ゴルフボールとホールカップとの間に0.01m~0.04mの高さ差があり、上記高さ差により傾斜が形成されている場合
(3)'ゴルフボールをホールカップに向かって正面にパッティングする代わりに、上記傾斜を考慮してホールカップから左側にライ0.5カップ~1カップ離隔している地点を目標にしてパッティングする場合
【0064】
図20に図示されたように、ユーザ本人の過去プレイ記録から(1)'、(2)'、(3)'の要件を満たす3個の予想プレイ結果が検索されると仮定し、また予想プレイ結果が少なくとも20個であると設定されているとすれば、残りの17個の予想プレイ結果がさらに必要であり、これは他人データを用いて獲得することができる(図14を参照して説明した方法を適用)。このような方法で20個の予想プレイ結果が得られれば、これら中にいずれかの1個をランダムに選択し、選択された予想プレイ結果により、仮想プレイヤーのプレイ結果は「パッティングされたゴルフボールが正面に対して左側に0.34度偏った状態で2.23m/sのボールスピードで転がること」になる。
【0065】
図21を参照すると、スクリーンの画面には再びパッティングをトライする前に仮想プレイヤーの現在状況が図示されている。この状況で前述の過程を経て複数の予想プレイ結果が形成され、これら中のいずれかの1個を選択することにより仮想プレイヤーのプレイ結果が得られる。図21の右図に図示されたように、複数の予想プレイ結果のそれぞれについてどのようなプルイ結果になるかを算出することができ、このうち仮想プレイヤーのプレイ結果として選択されたケース(図面に「決定ショット(12番)」と表示されている)のみがスクリーンに表示される。図20、21に図示されている例において、仮想プレイヤーのゴルフボールはパッティング後に2.23m/sのボールスピード、0.34度の左右方向角を有し、このような物理的状態で現在プレイしている仮想ゴルフコースで転がると、最終的にホールインに成功して該当ホールでのプレイが終了する。
【0066】
図22は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図22を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されるコンピューター機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどのような他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置においてコンピューター機器(101b)は前述の制御部の役割をすることができる。また、コンピューター機器(101b)には前述の仮想プレイヤー管理部が具備されており、これによりユーザは仮想プレイヤーとの仮想ゴルフ試合をすることができる。
【0067】
図23は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図23を参照すると、仮想ゴルフシステムは仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として図1乃至図22などに図示されたような仮想ゴルフ装置などを使用すれることができる。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができる家庭用または公共用などのスクリーンゴルフ場に設置され、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設置されて全体的に複数個が具備される。仮想ゴルフ装置は(100)サービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。
【0068】
サービス装置(200)には仮想プレイヤー管理部(210)と貯蔵部(220)が具備されている。仮想プレイヤー管理部(210)を介してユーザが仮想プレイヤーとの仮想ゴルフ試合をすることができる。仮想プレイヤー管理部(210)の動作は前述の実施例の仮想ゴルフ装置に備えられた仮想プレイヤー管理部の動作と類似であり、その詳細な説明は省略する。図22には仮想プレイヤー管理部(210)がサービス装置(200)に具備されている例が図示されているが、これと異なる構造も可能である。たとえば、仮想プレイヤー管理部が複数の仮想ゴルフ装置(100)のそれぞれに具備されるように構成することもできる。
【0069】
貯蔵部(220)はユーザ情報を含む様々な情報を貯蔵し、また仮想プレイヤー管理部(210)の動作に必要なデータも貯蔵部(220)に貯蔵されていてもよい。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザが上記サービスの提供を受けるためにまずログインをする場合、サービス装置(200)はユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。上記ログイン動作のために、貯蔵部(220)はユーザの身元を確認するための情報を貯蔵している。貯蔵部(220)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵される。各ユーザの貯蔵領域には、身元情報、個人記録情報、ショット情報などが貯蔵されている。身元情報は当該ユーザの身元を確認するためのものであり、ログイン過程等に用いることができる。個人記録情報およびショット情報は当該ユーザの過去プレイに関するものであり、仮想プレイヤー管理部(210)で仮想ゴルフ試合に関する動作を行う時などに用いることができる。貯蔵部(220)は一例として図11に図示されたような構造を有する。身元情報、個人記録情報、ショット情報に加えて、貯蔵部(220)はユーザの設定情報を貯蔵していてもよい。設定情報はユーザの設定事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。毎回プレイするたびに様々な選択事項を入力することを面倒くさいと思うユーザがあり得、もしユーザが前記選択事項を入力しなかった場合には、前記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。このように貯蔵部(220)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている複数の仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(220)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0070】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0071】
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
100:仮想ゴルフ装置
200:サービス装置
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