IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスジーエム・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特開2024-121809様々なプレイ方式を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121809
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】様々なプレイ方式を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240830BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A63B71/06 M
A63B71/06 U
A63B69/36 522B
A63B69/36 541Q
A63B69/36 541W
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025105
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0026014
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0026031
(32)【優先日】2023-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】323014764
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(57)【要約】
【課題】本発明は様々なプレイ方式を提供する仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムを提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、ユーザがプレイする仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、ユーザが前記仮想ゴルフコースでプレイする時に特定の打撃段階をスキップすることができるスキッププレイモードを提供する管理部とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがプレイする仮想ゴルフコースを表示する表示部と、
ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、
ユーザが前記仮想ゴルフコースでプレイする時に特定の打撃段階をスキップすることができるスキッププレイモードを提供する管理部とを
含む
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階は、パッティング段階に進入する前のショット段階(パッティング前ショット段階)を含む、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、ユーザの打数は前記パッティング前ショット段階のスキップに対して付加する追加打数とパッティング段階でユーザの実際プレイによるプレイ打数とを合算して得られる、請求項2に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、パッティング段階で仮想ゴルフボールのパッティング開始位置は、前記仮想ゴルフコースにおいてグリーン領域及び前記グリーン領域周辺のパッティングが可能な地点のうちでランダムに選定された地点またはユーザが選択した地点を含む、請求項3に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記仮想ゴルフボールのパッティング開始位置、現在プレイしている前記仮想ゴルフコースの規定打数、及びユーザのゴルフ実力のうち少なくともいずれか1つにより前記追加打数を決定する、請求項4に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、前記スキップされる時点にユーザの仮想のゴルフボールが前記仮想のゴルフコースに置かれている地点で模擬打撃を行って前記追加打数を決定し、前記模擬打撃はユーザ本人のプレイ記録及び他のユーザのプレイ記録のうち少なくともいずれか1つのプレイ記録を反映して行われる、請求項3に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
前記仮想ゴルフコースは複数のコースを含み、
ユーザは前記複数のコースに対して一括してパッティング前ショット段階をスキップするかどうかを選択したり、または前記複数のコースのそれぞれに対して個別にパッティング前ショット段階をスキップするかどうかを選択したりすることができる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項8】
前記スキッププレイモードでは、パッティング前ショット段階で発生可能な全てのショットの中で全体をスキップしたり、または一部のショットのみを選択してスキップしたりすることができる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項9】
前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階はパッティング段階を含む、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項10】
前記スキッププレイモードでパッティング段階をスキップする場合、ユーザの打数は前記パッティング段階までユーザの実際プレイによるプレイ打数と前記パッティング段階のスキップに対して付加する追加打数とを合算して得られる、請求項9に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項11】
前記管理部は、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点とホールカップとの間の距離、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点とホールカップとの間の地形、およびユーザのゴルフ実力のうち少なくともいずれか1つにより前記追加打数を決定する、請求項10に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項12】
前記管理部は、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点で模擬パッティングを行って前記追加打数を決定し、前記模擬打撃はユーザ本人のプレイ記録及び他のユーザのプレイ記録のうち少なくともいずれか1つのプレイ記録を反映して行われる、請求項10に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項13】
前記仮想ゴルフコースは複数のコースを含み、
ユーザは前記複数のコースに対して一括してパッティング段階をスキップするかどうかを選択したり、または前記複数のコースのそれぞれに対して個別にパッティング段階をスキップするかどうかを選択したりすることができる、請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項14】
前記スキッププレイモードでは、パッティングの開示からホールインまでの全てのパッティングの中で全体をスキップしたり、または一部のパッティングのみを選択してスキップしたりすることができる、請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項15】
サービス装置と、
前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置とを
含み、
前記仮想ゴルフ装置は、ユーザがプレイする仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、
ユーザが前記仮想ゴルフコースでプレイする時に特定の打撃段階をスキップすることができるスキッププレイモードを提供する管理部が前記サービス装置又は前記仮想ゴルフ装置に具備される
仮想ゴルフシステム。
【請求項16】
前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階は、パッティング段階に進入する前のショット段階を含む、請求項15に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項17】
前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階はパッティング段階を含む、請求項15に記載の仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザが所望の様々な方式でプレイすることができるように構成される仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながら仮想ゴルフ装置などを利用してゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフが広く普及されている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
スクリーンゴルフを利用する人々がますます増えながらスクリーンゴルフに対するユーザーの期待が高まっている。スクリーンゴルフと実際のゴルフとを比較すると、スクリーンゴルフは密閉された屋内空間でサービスされる特性上、オープンな屋外空間で行われる実際のゴルフで提供するのが難しい技術的サービスをユーザに提供することができる利点がある。したがって、スクリーンゴルフだけの利点を活用して様々な技術的サービスを提供することで、ユーザの利便と興味を高める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、ユーザの好みに応じてユーザが様々な方式でプレイすることができるように構成される仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
【0004】
また、本発明はユーザの好みに応じてユーザが様々な方式でプレイすることができるように構成される仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、ユーザがプレイする仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、ユーザが前記仮想ゴルフコースでプレイする時に特定の打撃段階をスキップすることができるスキッププレイモードを提供する管理部とを含む。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階は、パッティング段階に進入する前のショット段階(パッティング前ショット段階)を含む。
【0007】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、ユーザの打数は前記パッティング前ショット段階のスキップに対して付加する追加打数とパッティング段階でユーザの実際プレイによるプレイ打数とを合算して得られる。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、パッティング段階で仮想ゴルフボールのパッティング開始位置は、前記仮想ゴルフコースにおいてグリーン領域及び前記グリーン領域周辺のパッティングが可能な地点のうちでランダムに選定された地点またはユーザが選択した地点を含む。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置において、前記管理部は、前記仮想ゴルフボールのパッティング開始位置、現在プレイしている前記仮想ゴルフコースの規定打数、及びユーザのゴルフ実力のうち少なくともいずれか1つにより前記追加打数を決定する。
【0010】
上記仮想ゴルフ装置において、前記管理部は、前記スキッププレイモードでパッティング前ショット段階をスキップする場合、前記スキップされる時点にユーザの仮想のゴルフボールが前記仮想のゴルフコースに置かれている地点で模擬打撃を行って前記追加打数を決定し、前記模擬打撃はユーザ本人のプレイ記録及び他のユーザのプレイ記録のうち少なくともいずれか1つのプレイ記録を反映して行われる。
【0011】
上記仮想ゴルフ装置において、前記仮想ゴルフコースは複数のコースを含み、ユーザは前記複数のコースに対して一括してパッティング前ショット段階をスキップするかどうかを選択したり、または前記複数のコースのそれぞれに対して個別にパッティング前ショット段階をスキップするかどうかを選択したりすることができる。
【0012】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでは、パッティング前ショット段階で発生可能な全てのショットの中で全体をスキップしたり、または一部のショットのみを選択してスキップしたりすることができる。
【0013】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階はパッティング段階を含む。
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでパッティング段階をスキップする場合、ユーザの打数は前記パッティング段階までユーザの実際プレイによるプレイ打数と前記パッティング段階のスキップに対して付加する追加打数とを合算して得られる。
【0014】
上記仮想ゴルフ装置において、前記管理部は、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点とホールカップとの間の距離、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点とホールカップとの間の地形、およびユーザのゴルフ実力のうち少なくともいずれか1つにより前記追加打数を決定する。
【0015】
上記仮想ゴルフ装置において、前記管理部は、前記パッティング段階に進入する際にユーザの仮想ゴルフボールが前記仮想ゴルフコースに置かれている地点で模擬パッティングを行って前記追加打数を決定し、前記模擬打撃はユーザ本人のプレイ記録及び他のユーザのプレイ記録のうち少なくともいずれか1つのプレイ記録を反映して行われる。
【0016】
上記仮想ゴルフ装置において、前記仮想ゴルフコースは複数のコースを含み、ユーザは前記複数のコースに対して一括してパッティング段階をスキップするかどうかを選択したり、または前記複数のコースのそれぞれに対して個別にパッティング段階をスキップするかどうかを選択したりすることができる。
【0017】
上記仮想ゴルフ装置において、前記スキッププレイモードでは、パッティングの開示からホールインまでの全てのパッティングの中で全体をスキップしたり、または一部のパッティングのみを選択してスキップしたりすることができる。
【0018】
本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは、サービス装置と、前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置とを含み、前記仮想ゴルフ装置は、ユーザがプレイする仮想ゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すれば打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、ユーザが前記仮想ゴルフコースでプレイする時に特定の打撃段階をスキップすることができるスキッププレイモードを提供する管理部が前記サービス装置又は前記仮想ゴルフ装置に具備される。
【0019】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階は、パッティング段階に進入する前のショット段階を含む。
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記スキッププレイモードでスキップすることができる打撃段階はパッティング段階を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザの好みに応じてユーザが様々な方式でプレイすることができるように構成されることで、ユーザに様々な利便を提供しまたゴルフプレイに対するユーザの興味を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図2】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
図3】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図4】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図5】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図6】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図7】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図8】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図9】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図10】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図11】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図12】パッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図13】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程を例示的に示すフローチャートである。
図14】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図15】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図16】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図17】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図18】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図19】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図20】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図21】パッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
図22】パッティング段階および/またはパッティング前ショット段階をスキップするオプションを選択するためのメニュー画面を例示的に示す図である。
図23】パッティング段階および/またはパッティング前ショット段階をスキップするオプションを選択するためのメニュー画面を例示的に示す図である。
図24】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図25】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0023】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0024】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0025】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)を含む。
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域であり、ユーザはゴルフボールを打撃プレート(10)に置いて打撃する。打撃プレート(10)は別途具備されているプレート状物体から構成されたり、又は別途の物体ではなく仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。図面に図示されていないが、打撃プレート(10)には打撃用ゴルフボールが置かれる打撃マットが具備され、前記打撃マットには上下に移動可能な構造のオートティーが設けられる。前記オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0026】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃マットに設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーが打撃用ゴルフボールを提供するように動作する。またユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当ゴルフコースでプレイすることができるように関連動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を具備してユーザが選択した特定ゴルフコースの映像を形成した後、これを表示部(60)に伝達してディスプレイされるように動作する。
【0027】
制御部(20)は算出部(21)と管理部(22)と貯蔵部(23)とを備えている。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、前記物理的状態でゴルフボールが実際のゴルフ場で移動すると仮定したときの軌跡を算出する算出過程を行う。管理部(22)はユーザが自分の好みに応じて様々な方法でプレイすることができるようにユーザに様々なプレイモードを提供するための動作を行い、その詳細な説明は後述する。貯蔵部(23)はメモリやハードディスクなどの記憶機器を含み、制御部(20)、算出部(21)、管理部(22)等の動作に必要な各種プログラム及び/又はデータを貯蔵している。
【0028】
感知部(30)はゴルフボールの打撃時にゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して算出過程に必要な情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなど様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。
【0029】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。仮想ゴルフ装置を利用するためにまずログインが必要な場合にユーザがログインに使用されるIDやパスワードを入力するとき、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択するときなどに入力部(40)を用いることができる。
【0030】
サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これを通じてユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのようなディスプレイ用の機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールがスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。図面に図示されていないが、表示部(60)にスクリーン以外に補助ディスプレイの役割をするキオスクなどのような表示機器がさらに具備されても良い。
【0031】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する場合がある。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0032】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)では算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を継続する。ユーザのネクスト打撃では上記動作過程を繰り返す。
【0033】
本実施例の仮想ゴルフ装置によれば、ユーザは従来のような通常的なプレイ方法でゴルフをプレイしたり又は自分の好みに応じて従来と異なる非通常的な方法でゴルフをプレイしたりすることができる。前記非通常的な方法によれば、管理部(22)がスキッププレイモードを提供し、上記スキッププレイモードを選択することによりユーザはゴルフボールの打撃において特定段階をスキップすることができる。前記スキッププレイモードでスキップ可能な打撃段階としては、パッティング段階、パッティング段階に進入する前のショット段階などがあり得る。以下、上記パッティング段階、パッティング前ショット段階をスキップする方式について説明する。
【0034】
図2はパッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程を例示的に示すフローチャートであり、図3乃至図12はパッティング段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【0035】
図2を参照すると、パッティング段階をスキップする方式における動作過程は第1乃至第5ステップ(S1、S2、S3、S4、S5)を含む。第1ステップ(S1)ではユーザによってパッティング前ショット段階(パッティング段階の進入前にユーザがゴルフボールを打撃する段階を「パッティング前ショット段階」と命名する)が進行され、第2ステップ(S2)ではユーザが打撃したゴルフボールがグリーン領域に到達することでパッティング前ショット段階が終了してパッティング段階に進入し、第3ステップ(S3)ではパッティング段階がスキップされ、第4ステップ(S4)ではスキップされたパッティング段階での打数を決定し、第5ステップ(S5)ではパッティングでの打数が決定されるに従って該当ゴルフコースでの最終打数が決定されてユーザのプレイが完了する。以下、第1乃至第5ステップ(S1、S2、S3、S4、S5)の具体的な内容を個別に説明する。
【0036】
図3を参照すると、第1ステップ(S1)のパッティング前ショット段階においてユーザは打撃プレート(10)の打撃マットに置かれている実際のゴルフボールを打撃する。このとき、感知部(30)は打撃されたゴルフボールの物理的状態を感知して制御部(20)に伝達する。
【0037】
図4を参照すると、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)での感知情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する。ゴルフボールの軌跡を算出するときには様々な方式を適用することができ、その中一つとして打撃後のゴルフボールの物理的状態を示すパラメータ値を把握してこれから軌跡を算出することができる。上記パラメータとしてゴルフボールの速度(V)、打撃によって飛ぶゴルフボールの水平面上での方向を示す左右方向角(φ)、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角(θ)、ゴルフボールの回転状態を示すスピン(S)などがある。速度(V)、方向角(φ)、発射角(θ)、スピン(S)などのようなパラメータに基づいて物理法則を用いた計算モデルを適用すれば、ゴルフボールの軌跡を算出することができる。図面には図示されていないが、ゴルフボールの物理的状態だけでなく、ユーザがゴルフボールを打撃するときのゴルフクラブの動きを感知してゴルフクラブについて感知された情報を活用することでゴルフボールの軌跡を算出することも可能である。
【0038】
図5を参照すると、算出過程の終了時にその結果がスクリーンに表示される。すなわち、算出部(21)での算出結果通り仮想ゴルフボールが移動する映像がスクリーンに表示される。仮想ゴルフボールは算出された通り移動した後、仮想ゴルフコースの特定の位置に着地し、ユーザは着地位置でネクスト打撃をする。
【0039】
上記のような打撃過程を繰り返してユーザの仮想ゴルフボールはグリーン領域に到達し、これにより第2ステップ(S2)であるパッティング段階に進入する。図6を参照すると、仮想ゴルフコースにおいて、ユーザの仮想ゴルフボールが最初にティーボックスの最初位置(P0)にあり、ユーザが打撃マットに置かれているゴルフボールを打撃することで仮想ゴルフボールが第1位置(P1)、第2位置(P2)、第3位置(P3)に移動すると仮定する。第3位置(P3)はグリーン領域内にあり、これによりパッティング前ショット段階が完了して第3位置(P3)でパッティング段階に進入する。
【0040】
従来技術によれば、パッティング段階に進入すると、ユーザは打撃マットに置かれている実際のゴルフボールを転がす「パッティング」をし、パッティングされた実際のゴルフボールの物理的状態などにより、スクリーンに表示される仮想ゴルフボールがどのような軌跡で転がるかが算出される。上記算出結果により仮想ゴルフボールがホールカップに入ると、現在のゴルフコースでのプレイが終了し、次のゴルフコースのティーボックスで再びコース攻略が始まる(現在のゴルフコースが最後のプレイコースであれば、スクリーンゴルフプレイ自体が終了する)。上記算出結果、仮想ゴルフボールがホールカップに入らずにグリーン領域の特定地点で停止すると、仮想ゴルフボールが停止している位置でネクストパッティングをし、これはホールカップにゴルフボールがホールインされるまで繰り返される。本実施例によれば、ユーザはパッティング段階をスキップするオプションを選択することができ、この場合、第3乃至第5ステップ(S3、S4、S5)が実行されてパッティング段階に進入した後にパッティング段階がスキップされ、ユーザはパッティングをする必要なく該当ゴルフコースでのプレイが終了する。ユーザの中にはパッティング段階をスキップしたいユーザが有り得、その理由はいろいろある。例えば、パッティングに自信を持っているユーザがパッティングをスキップし、可能であればパッティング前ショット段階のみに集中してプレイしたいと思う場合がある。あるいは、パッティングに自信がなくてパッティングのために成績が悪いユーザであれば、パッティングでは自動的に付与されるスコア(パッティングでホールインされるまでの打数)に満足してパッティングをスキップすることを望む場合がある。
【0041】
具体的には、パッティング段階に進入する際に第3ステップ(S3)でパッティング段階がスキップされ、第4ステップ(S4)でスキップされたパッティング段階でユーザの打数が何打とするかが決定され、前記打数が決定されると該当ゴルフコースでのスコアが計算(パッティング前ショット段階でユーザが実際に記録した打数に第4ステップ(S4)で決定されたパッティング段階での打数を合算)されて、当該ゴルフコースでのユーザプレイが完了する(第5ステップ(S5))。第4ステップ(S4)において、スキップされたパッティング段階でユーザの打数が何打とするかは管理部(22)などが決定することができる。管理部(22)で前記スキップされたパッティング段階での打数を決定する方法はいろいろある。いくつかの例を図7乃至図12を参照して説明する。
【0042】
図7を参照すると、パッティング段階でのユーザの打数は、パッティング段階に進入するときにユーザの仮想ゴルフボールがホールカップからどの程度離れているかにより決定されるようにすることができる。ホールカップからの距離が近ければ近いほどゴルフボールを転がしてホールカップに入れるのが容易であるため、ゴルフボールがホールカップに近いとホールインにかかる打数が減少する。このような点を勘案して、パッティング段階の進入時におけるゴルフボールとホールカップとの間の距離に応じてパッティング段階でのユーザの打数を決定することができる。例えば、図7に図示されているように、ホールカップから第1距離以内の領域を第1領域(A1)とし、ホールカップから第1距離と第1距離より大きい第2距離との間の領域を第2領域(A2)とし、ホールカップから第2距離と第2距離より大きい第3距離との間の領域を第3領域(A3)とすると、オングリーン(ユーザが打撃したゴルフボールがグリーン領域に到達することを意味する)された仮想ゴルフボールが第1領域(A1)にある場合にユーザの打数を+1打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第2領域(A2)にある場合にユーザの打数を+2打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第3領域(A3)にある場合にユーザの打数を+3打と決定することができる。
【0043】
図8を参照すると、パッティング段階でのユーザの打数は、パッティング段階に進入するときにユーザの仮想ゴルフボールが位置する地点の地形特性により決定されるようにすることができる。仮想ゴルフボールが位置する地点がホールカップに近いとしても、上記地点とホールカップとの間の地形に急傾斜があると一回のパッティングのみでホールインすることは容易ではなく、仮想ゴルフボールが位置する地点がホールカップに遠いとしても、上記地点とホールカップとの間の地形が非傾斜であれば容易にホールインに成功することができる。実際のゴルフのグリーン領域の地形は非傾斜の平地になっている場合もあるが、高低が一定ではなく複雑な傾斜地形である場合も多い。仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示されるほとんどの仮想ゴルフコースは、実際のゴルフ場のゴルフコースをモデルにして作られるため、仮想ゴルフコースのグリーン領域も傾斜地形である場合が多い。したがって、パッティングに成功するためには、仮想ゴルフボールとホールカップとの間の地形の傾斜方向/傾斜度などを考慮しなければならない。上記地形特性を考慮しないと、仮想ゴルフボールの正面にホールカップが位置しており正面に向かってパッティングしても、グリーン領域の傾斜のために仮想ゴルフボールが傾斜に沿って曲がってパッティングに失敗する確率が高い。結局、パッティング段階の進入時に仮想のゴルフボールが位置する地点とホールカップとの間の地形における特性(傾斜の存不、傾斜がある場合における傾斜方向と傾斜度など)によってパッティング難易度が変わるので、上記地形特性を勘案して、パッティング段階をスキップする時にスキップされたパッティング段階における打数を決定する好ましい。例えば、図8に図示されているようにグリーン領域内に傾斜を有する第4及び第5領域(B4、B5)があり、第4領域(B4)は傾斜が緩やかで比較的パッティングが容易であり、第5領域(B5)は急傾斜を有して第4領域(B4)に比べてパッティング難易度が高いと仮定すると、オングリーンされた仮想のゴルフボールが第4領域(B4)にあるときにスキップされたユーザの打数を+M打(Mは自然数である)と決定し、オングリーンされた仮想のゴルフボールが第5領域(B5)にあるときにスキップされたユーザの打数を第4領域(B4)の場合より大きい+N打(NはMより大きい自然数である)と決定することができる。
【0044】
図9を参照すると、パッティング段階でのユーザの打数は、パッティング段階に進入するときにユーザの仮想ゴルフボールがホールカップからどの程度離れているか及びパッティング段階に進入するときにユーザの仮想ゴルフボールが位置する地点の地形特性により決定されるようにすることができる。前述のように、ゴルフボールがホールカップに近い場合はホールインにかかる打数が減少するために、パッティング段階の進入時のゴルフボールとホールカップとの間の距離(1要件)を考慮し、また仮想ゴルフコースのグリーン領域に傾斜などがあるか及び傾斜がある場合における傾斜度などによりホールインにかかる打数が増加するために、パッティング段階の進入時のゴルフボールが置かれている地点の地形特性(2要件)を考慮するのが好ましい。上記1、2要件をすべて考慮する場合、まず1要件によりパッティングでの所要打数を決定した後、ここに2要件によるパッティングでの所要打数を合算して最終的にスキップされたパッティング段階での打数を決定することができる。例えば、図9に図示されているように、ホールカップから第1距離以内の領域を第1領域(A1)とし、ホールカップから第1距離と第1距離より大きい第2距離との間の領域を第2領域(A2)とし、ホールカップから第2距離と第2距離より大きい第3距離との間の領域を第3領域(A3)とすると、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第1領域(A1)にある場合にユーザの打数を+1打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第2領域(A2)にある場合にユーザの打数を+2打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第3領域(A3)にある場合にユーザの打数を+3打と決定することができる。また、図9に図示されているようにグリーン領域内に地形特性が異なる第4及び第5領域(B4、B5)があり、第4領域(B4)は傾斜が緩やかで比較的パッティングが容易であり、第5領域(B5)は急傾斜を有して第4領域(B4)に比べてパッティング難易度が高いと仮定すると、オングリーンされた仮想のゴルフボールが第4領域(B4)にあるときにはユーザの追加打数を+1打として合算し、オングリーンされた仮想のゴルフボールが第5領域(B5)にあるときにはユーザの追加打数を+2打として合算することができる。このような方式が適用されると、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第1位置(L1)にある場合、第1位置(L1)は第2領域(A2)に属するので1要件による打数が+2打となり、また第1位置(L1)は第4及び第5領域(B4、B5)に属しないので2要件による追加打数は0打となり、スキップされたパッティング段階での最終記録は+2打となる。また、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第2位置(L2)にある場合、第2位置(L2)は第1領域(A1)に属するので1要件による打数が+1打となり、第2位置(L2)は第5領域(B5)に属するので2要件による追加打数は+2打となり、スキップされたパッティング段階での最終記録は+3打となる。
【0045】
スキップされたパッティング段階でユーザのスコアを決定する際にユーザのゴルフ実力を考慮してもよい。ユーザのゴルフ実力に関するデータは貯蔵部(23)などに貯蔵されている。図10は前記貯蔵部の例示的な構造を示す。図10に図示されているように、貯蔵部にはユーザごとに異なる貯蔵領域が割り当てられ、各ユーザに割り当てられた領域には様々な情報が貯蔵されている。例えば、相違するユーザA、B、Cがあるとすると、貯蔵部にはユーザAに関する情報を貯蔵する領域、ユーザBに関する情報を貯蔵する領域、ユーザCに関する情報を貯蔵する領域などが互いに区別されており、各ユーザに関する情報を貯蔵する領域には、ユーザの身元情報、ユーザのプレイ記録情報などが貯蔵されている。ユーザの身元情報にはユーザの個人身上に関する情報が貯蔵され、これはログイン過程などに利用することができる。ユーザのプレイ記録情報にはユーザがプレイした記録が貯蔵される。例えば、前記プレイ記録情報は、当該ユーザの過去プレイ記録(ユーザがプレイした仮想ゴルフ場、前記仮想ゴルフ場でプレイしたときのスコアなど)及び/又は過去プレイ記録から得られるユーザ個人記録(ゴルフクラブ別平均飛距離、平均打数など)などを含む。また、ユーザの身元情報及び/又はプレイ情報にはユーザのゴルフ実力に対するレベルを評価した情報が貯蔵されていてもよい。上記レベル情報はユーザの個人記録などを分析して当該ユーザに対してゴルフ実力を評価したものであり、ユーザのレベルは固定されておらずユーザのプレイ記録が更新されるにつれてそれに合わせて変更される。例えば、ユーザのゴルフ実力を評価するための指標としてハンディ(ハンディキャップ)値を用いることができる。通常18ホールからなるゴルフコースにおいて18ホールでの規定打数を全て加えれば72打となり、ユーザが18ホールプレイで記録した打数が低ければ低いほどゴルフ実力が良いといえる。プロゴルファーは60代後半または70代前半の打数を記録し、一般人は80打以内に入ると上級者と言えまた100打を基準にして2桁打数を記録するか又は3桁打数を記録するかにより初心者の可否を判断することができる。ユーザが記録したスコアが82打である場合、該当ユーザのハンディ値は82と72の差である+10になる。ハンディ値が大きいと18ホールでのプレイ打数が高いという意味であるため、それだけユーザのゴルフレベルが低いと言える。マイナスハンディ値の場合は18ホールでのプレイ打数が72打より少ないことを意味するので、そのユーザはゴルフレベルが高いと言える。
【0046】
上記のように、ユーザのゴルフ実力に対するレベルが評価されている場合、パッティング段階をスキップしてパッティングでの打数を決定する際に、評価されたユーザのゴルフ実力のベルを反映することができる。パッティング段階に進入する時に2人のユーザの仮想ゴルフボールがすべて同一地点にあると仮定し、2人のユーザ中で1人は高レベルのユーザとして平均パッティング打数が低いのに対して、残りの1人のユーザは低レベルのユーザとして平均パッティング打数が高いと仮定すると、高レベルのユーザは低レベルのユーザに比べて少ない打数でホールインに成功する可能性が高いので、このような点を反映してスキップされたパッティング段階でのスコアを決定することができる。例えば、図11に図示されているように、低レベル使用者については、ホールカップから第1距離以内の領域を第1領域(A1)とし、ホールカップから第1距離と第1距離より大きい第2距離との間の領域を第2領域(A2)とし、ホールカップから第2距離と第2距離より大きい第3距離との間の領域を第3領域(A3)とすると、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第1領域(A1)にある場合にユーザの打数を+1打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第2領域(A2)にある場合にユーザの打数を+2打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第3領域(A3)にある場合にユーザの打数を+3打と決定することができる。また、高レベル使用者については、同一グリーン領域でホールカップから第4距離以内の領域を第4領域(A4)とし、ホールカップから第4距離と第4距離より大きい第5距離との間の領域を第5領域(A5)とすると、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第4領域(A4)にある場合にユーザの打数を+1打と決定し、オングリーンされた仮想ゴルフボールが第5領域(A5)にある場合にユーザの打数を+2打と決定することができる。低レベルユーザよりも高レベルユーザがパッティングで良い成績を得ることができるという点を前提にして、同一グリーン領域について低レベルユーザと高レベルユーザとに対してパッティング打数を決定する領域(A1、A2、A3、A4、A5)が互いに異なるように設定することで、低レベルユーザはパッティングで最大+3打まで記録することができるようになっている反面、高レベルユーザはパッティングで最大+2打まで記録することができるようになっており、これにより高レベルユーザは低レベルユーザに比べてスキップされるパッティングスコアがさらに良くなる可能性が高い。
【0047】
図12を参照すると、パッティング段階でのユーザの打数を決定するために、ユーザのプレイ記録やゴルフ実力などを反映した模擬パッティングを行うことも可能である。模擬パッティングでは、実際のパッティング前にグリーン領域において仮想ゴルフボールが置かれている地点でユーザがゴルフボールをパッティングしたと仮定し、仮定したパッティングの結果を制御部(20)などでのシミュレーションによる算出過程を実施することで得る。ここで模擬パッティングを行う具体的な方法は様々なものがあり得る。
【0048】
模擬パッティングを行う一つの方法として、ユーザの仮想ゴルフボールの現在状況と同一または類似の状況で過去にユーザがプレイしたことがある場合は、過去にプレイした記録を使用して模擬パッティングを実施することができる。例えば、現在のユーザの仮想ゴルフボールがホールカップから9m離れており、仮想ゴルフボールとホールカップとの間に0.05mの高さ差があるとすると、前記距離と高さ差と同一の距離(9m)と高さ差(0.05m)または前記距離と高さ差と類似の距離(例えば、8.5~9.5m)と高さ差(例えば、0.04~0.06m)で、ユーザが過去にプレイした記録があるかについて貯蔵部(23)のデータを検索し、検索されたケースがあればこれを用いて模擬パッティングを行うことができる。具体的に、前記検索されたケースが(1)、(2)、(3)の3つがあるとすれば、貯蔵部(23)には前記(1)、(2)、(3)の該当ケースにおけるパッティング結果が記録されている。例えば、(1)ではパッティングされたゴルフボールが3.5m/sのボールスピードと正面に対して左に0.96度傾いた方向角を有すると記録されており、(2)ではパッティングされたゴルフボールが4m/sのボールスピードと正面に対して左に1.6度傾いた方向角を有すると記録されており、(3)ではパッティングされたゴルフボールが5m/sのボールスピードと正面に対して右に0.5度傾いた方向角を有すると記録されていると、前記ボールスピードと方向角情報を現在の仮想ゴルフボールに適用して現在状況での模擬パッティング結果を得ることができる。ここでは、3つのケースが検索された例を説明したが、ケースの数はより多くてもいい。ケースの数が足りない場合には、本人だけでなく、自分と同一又は類似のゴルフ実力レベルを持っている他のユーザについても、上記の方法によりプレイ記録を検索してより多くのケースが検索されるようにすることができる。
【0049】
(1)、(2)、(3)の3つのケースからパッティング結果を得る方法としては、選択された(1)、(2)、(3)のいずれか一つを選択する方法がある。例えば、(1)、(2)、(3)中でランダムに(2)が選択されたとすると、現在状況の仮想のゴルフボールが(2)での物理状態(パッティングされたゴルフボールが4m/sのボールスピードと1.6度傾いた左側方向角とを示す状態)を有すると仮定して、前記物理状態の通り現在プレイしているゴルフコースのゴルフボール位置で転がる際にゴルフボールがどのような軌跡を有するかをパッティング結果として導出することができる。例えば、図12図示されているように、(1)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはホールカップに及ばなくなり、ここでホールインされるまで模擬パッティングをさらに2回行うことになり、結果的にスキップされたパッティング段階で合計+3打を記録し、(2)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはホールカップにホールインすることになり、結果的にスキップされたパッティング段階で合計+1打を記録し、(3)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはホールカップを右側に過ぎて停止し、ここでホールインされるまで模擬パッティングをさらに1回行うことになり、結果的にスキップされたパッティング段階で合計+2打を記録することになる。
【0050】
複数のケースを検索した後に模擬パッティングを行う方法として、前述の検索されたケース中にいずれか一つを選択する方法だけがあるのではなく、他の方法を使用することも可能である。例えば、複数のケースが検索されると、各ケースに記録されているゴルフボールの物理的状態を示す数値の平均、標準偏差を計算し、前記平均/標準偏差によって所定の範囲を選定した後、前記範囲内に任意の値を選択して模擬パッティングを行うことができる。具体的に、過去プレイ記録を検索して仮想のゴルフボールの現在状況と対応する20個程度のケースが検索され、検索された20個のケースにおいてパッティングされたゴルフボールのボールスピードの平均と標準偏差をそれぞれμとσとすると、ボールスピードに対する所定の範囲を「μ-σ~μ+σ」に設定し、上記設定範囲から任意の値を選択することにより現在状況で模擬パッティングによってゴルフボールが有するボールスピードを獲得することができる。同様に、模擬パッティングによってゴルフボールが有する方向角を獲得することができる。ボールスピードと方向角を獲得すると、現在状況の仮想ゴルフボールが前記獲得したボールスピードと方向角を有すると仮定し、前記物理状態の通り現在プレイしているゴルフコースのゴルフボール位置で転がるときにゴルフボールがどのような軌跡を示すかについて算出過程を進行して模擬パッティングの結果を導出することができる。
【0051】
以上、パッティング段階をスキップする方式について説明したが、本発明による仮想ゴルフ装置では、パッティング段階だけでなく他の打撃段階のスキップも可能である。ユーザの中にはパッティング段階ではなくパッティング段階に進入する前のショット段階(パッティング前ショット段階)をスキップしたいユーザがあり得る。例えば、パッティング前のショットに自信を持っているユーザがパッティング前のショットをスキップし、可能であればパッティング段階のみに集中してプレイしたいと思う場合がある。あるいは、パッティング前のショットに自信がなくてこれのために成績が悪いユーザであれば、パッティング前のショットでは自動的に付与されるスコア(パッティングに進入する前における打数)に満足してパッティング前のショットをスキップすることを望む場合がある。
【0052】
図13はパッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程を例示的に示すフローチャートであり、図14乃至図21はパッティング前ショット段階をスキップする方式が適用される場合の動作過程の各ステップを具体的に説明するための図である。
【0053】
図13を参照すると、パッティング前ショット段階をスキップする方式における動作過程は第1乃至第5ステップ(S10、S20、S30、S40、S50)を含む。第1ステップ(S10)ではパッティング前ショット段階でのプレイがスキップされ、第2ステップ(S20)ではスキップされたパッティング前ショット段階での打数を決定し、第3ステップ(S30)ではパッティング前ショット段階での打数が決定されるに従ってパッティング前ショット段階が終了してパッティング段階に進入し、第4ステップ(S4)ではユーザによってパッティング段階が進行され、第5ステップ(S50)ではユーザがパッティングを完了して該当ゴルフコースでの最終打数が決定されユーザのプレイが終わる。
【0054】
第1ステップ(S10)ではパッティング前ショット段階がスキップされる。図14を参照すると、仮想ゴルフコースにおいて、ユーザの仮想ゴルフボールがティーボックスの最初位置(P0)から第1位置(P1)、第2位置(P2)、ホールインの過程を経由すると仮定すると、最初位置(P0)からグリーン領域内の第1位置(P1)までの過程がパッティング前ショット段階に該当してスキップ可能である。
【0055】
第2段階(S20)でスキップされたパッティング前ショット段階でユーザの打数を何打とするかが決定され、これは管理部(22)で決定することができる。管理部(22)がスキップされたパッティング前ショット段階における打数を決定する方法はいろいろある。上記方法のいくつかの例を図15乃至図18を参照して説明する。
【0056】
パッティング前ショット段階でのユーザの打数は、ユーザがプレイしている仮想のゴルフコースにおける規定打数により決定されるようにすることができる。通常、ゴルフは総18ホール(18個の異なるゴルフコース)でプレイし、各ホールのスコアを合算して勝敗を決定し、各ホールには規定の基準打数がある。上記規定の基準打数として3打、4打、5打がある。ゴルフで規定の基準打数をパーと命名する。例えば、パー3ホールではパーを記録するために3回ゴルフボールを打撃してホールカップにゴルフボールを入れなければならない。パー3ホールにおいて、4回ゴルフボールを打撃してホールインに成功すれば該当ホールでの成績は+1打(1オーバーパー)になり、2回ゴルフボールを打撃してホールインに成功すれば該当ホールでの成績は-1打(1アンダーパー)になる。つまり、パー3ホールとは平均的に3打でホールインに成功することができる程度のコースであり、同様に、パー4ホールとは平均的に4打でホールインに成功することができる程度のコースであり、パー5ホールとは平均的に5打でホールインに成功することができる程度のコースである。規定打数が大きければ大きいほど、それだけホールインにかかる打数がさらに必要であるためにコース難易度が高いといえる。このように、規定打数が大きいとコース難易度が高く、それだけホールインにもっと多くの打数が必要であるとすることができるため、規定打数によりスキップされたパッティング前ショット段階でのユーザ打数を決定することができる。
【0057】
例えば、図15に図示されているような3つのゴルフコースがあり、そのうち左コースはサイズが一番小さいパー3ホールであり、中央コースはサイズが中間であるパー4ホールであり、右コースはサイズが一番大きいパー5ホールであると仮定する。このようなパー3ホール、パー4ホール、パー5ホールにおいてパッティング前ショット段階をスキップする場合に、パー3ホールでのパッティング前ショット段階でスキップされた打数を第1打数(HN1)とし、パー4ホールでのパッティング前ショット段階でスキップされた打数を第2打数(HN2)とし、パー5ホールでのパッティング前ショット段階でスキップされた打数を第3打数(HN3)とすると、第1打数(HN1)は第2打数(HN2)より小さく(例:HN1=HN2-1)、第2打数(HN2)は第3打数(HN3)より小さく(例:HN2=HN3-1)なるように決定することができる。規定打数が大きいほどコースのサイズが大きくなり、コースのサイズが大きいほどパッティング前ショット段階でゴルフボールが移動する距離も増加するので、ゴルフボールが上記増加した距離を移動するためにはそれだけユーザによって消費される打数も増加することになる。このような点を考慮して、パッティング前ショット段階でのユーザの打数は、ユーザがプレイしているコースの規定打数により規定打数が大きいほど大きくなるように決定することができる。
【0058】
パッティング前ショット段階がスキップされると、ユーザの仮想ゴルフボールはティーボックスからグリーン領域の第1位置(図14のP1を参照)に移動し、このとき管理部(22)によって第1位置(P1)が決定される。第1位置(P1)はパッティング可能な地点中にいずれかの一つ地点であり、パッティング可能地点はグリーン領域内の任意の位置およびグリーン領域の周辺(グリーン領域外のパッティング可能なエッジ部分まで含む)を含む。管理部(22)はパッティング可能な地点中にいずれかの一つ地点をランダムに決定して第1位置(P1)を指定することができる。しかし、パッティング可能な地点中にホールカップに近い地点はホールカップから遠い地点と比較してパッティングに有利であるため、第1位置(P1)はユーザのパッティングに直接影響を与える。従って、ユーザのパッティングに影響を与える可能性がある第1位置(P1)を任意に選定すると、共にパッティング前ショット段階をスキップした異なるユーザに対して、第1位置の選定地点に応じてあるユーザが他のユーザに比べて有利な立場でパッティングするという問題がある。このような点を考慮して、パッティング前ショット段階をスキップした全てのユーザに対して第1位置(P1)を同一に選定したり、又はパッティングにおける有不利がほぼ同一又は類似の地点中で第1位置(P1)を選定したりすることが好ましい。パッティングにおける有不利がほぼ同一又は類似の地点として、グリーン領域の境界部分(境界部分の内側または外側部分を含む)があり得る。
【0059】
パッティング前ショット段階でのユーザの打数を決定する際に、ユーザのゴルフ実力を考慮してみることができる。上述したように、ユーザのゴルフ実力はユーザのプレイ記録などに関するデータを分析して評価することができ、評価されたユーザのゴルフ実力レベルは貯蔵部(23)に貯蔵される。ユーザのゴルフ実力レベルが評価されている場合、パッティング前ショット段階をスキップしその打数を決定する際に、評価されたユーザのゴルフ実力レベルを反映することができる。図16を参照すると、同一ゴルフコースでプレイしている2人のユーザがパッティング前ショット段階をスキップし、2人のユーザ中に1人は高レベルユーザとしてドライバなどの飛距離が長くて平均打数が小さい反面、残りの1人のユーザは低レベルユーザとしてドライバなどの飛距離が短くて平均打数が大きいと仮定する。このような場合、高レベルユーザは低レベルユーザに比べて少ない打数でオングリーンに成功する可能性が高いため、低レベルユーザに対してパッティング前ショット段階での打数を第1打数(HN1)とし、高レベルユーザに対してパッティング前ショット段階での打数を第2打数(HN2)とすれば、第2打数(HN2)は第1打数(HN1)より小さくなるように決定することができる。具体的には、パー3ホールで第2打数(HN2)を1打とすれば、第1打数(HN1)は2打以上となるように決定することができる。ここで、第1および第2打数(HN1、HN2)の間の差は、高レベルユーザと低レベルユーザとのレベル差に応じて変わるようにすることができる。例えば、高レベルユーザと低レベルユーザとのレベル差を前述のハンディキャップを用いて表現するときに、前記ハンディ値差が1~10の場合に第1および第2打数(HN1、HN2)の間の差が1となるようにし、前記ハンディ値差が11~20の場合に第1および第2打数(HN1、HN2)の間の差が2となるようにすることができる。
【0060】
パッティング前ショット段階でのユーザの打数を決定するために、パッティング前ショット段階をスキップした後にユーザの仮想ゴルフボールがグリーン領域に置かれる地点を考慮してみることができる。前述したように、仮想ゴルフボールがグリーン領域に置かれる地点によりパッティングにおける有不利に差異があるので、前記有不利が発生しないように管理部(22)がグリーン領域の境界部分でパッティング開始地点を指定することができる。又は、有不利に関係なくグリーン領域においてパッティング可能な地点中で任意の地点をパッティング前ショット段階をスキップするユーザが選択(又は管理部(22)が指定)するようにすることも可能である。この場合、選択された地点でのパッティングの有不利によりパッティング前ショット段階でのユーザの打数が変わるように決定することができる。例えば、パッティング段階に進入するときにユーザの仮想ゴルフボールがホールカップからの距離が近ければ近いほどゴルフボールを転がしてホールカップに入れるのが容易であるため、ゴルフボールのパッティング開始地点がホールカップに近いほどパッティングに有利であり、パッティング開始地点がパッティングに有利に選択されるとそれほどパッティング前ショット段階でのユーザの打撃が高くなるように決定し、逆にゴルフボールのパッティング開始地点がホールカップから遠いほどパッティングに不利であり、パッティング開始地点がパッティングに不利に選択されるとそれほどパッティング前ショット段階でのユーザの打数が低くなるように決定することができる。例えば、図17に図示されているように、ホールカップから第1距離以内の領域を第1領域(A1)とし、ホールカップから第1距離と第1距離より大きい第2距離との間の領域を第2領域(A2)とし、ホールカップから第2距離と第2距離より大きい第3距離との間の領域を第3領域(A3)とすると、ゴルフボールのパッティング開始地点が第1領域(A1)に選択される場合にパッティング前ショット段階でのユーザの打数を第1打数(HN1)と決定し、ゴルフボールのパッティング開始地点が第2領域(A2)に選択される場合にパッティング前ショット段階でのユーザの打数を第2打数(HN2)と決定し、ゴルフボールのパッティング開始地点が第3領域(A3)に選択される場合にパッティング前ショット段階でのユーザの打数を第3打数(HN3)と決定し、ここで第1打数(HN1)は第2打数(HN2)より大きく(例:HN2=HN1-1)、第2打数(HN2)は第3打数(HN3)より大きく(例:HN3=HN2-1)ように決定することができる。
【0061】
パッティング前ショット段階でのユーザの打数を決定するために、ユーザのプレイ記録やゴルフの実力などを反映した模擬打撃を行うことも可能である。模擬打撃では、現在プレイしている仮想ゴルフコースでティーボックスで行われる最初のショットに対してユーザがゴルフボールを打撃したと仮定し、仮定した打撃結果を制御部など(20)でのシミュレーションによる算出過程を実施することで得る。ここで模擬打撃を行う具体的な方法は様々なものがあり得る。
【0062】
模擬打撃を行う一つの方法として、ユーザの仮想ゴルフボールの現在状況と同一または類似の状況で過去にユーザがプレイしたことがある場合、過去にプレイした記録を使用して模擬打撃を進行することができる。例えば、パッティング前ショット段階の最初の打撃であるティーショットの場合、ユーザが現在プレイしているゴルフコースと同一又は類似のコースで過去にティーショットをした記録があるか、または現在プレイしているゴルフコースにおいて仮想ゴルフボールが位置するティーボックスとホールカップとの間の距離や現在プレイしているコースの規定打数(パー3ホール、パー4ホール、パー5ホール)などの要件をチェックし、上記要件と同一または類似の要件でユーザが過去にプレイした記録があるかについて貯蔵部(23)のデータを検索し、検索されたケースがあればこれを用いて模擬打撃を行うことができる。具体的に、前記検索されたケースが(1)、(2)、(3)の3つがあるとすれば、貯蔵部(23)には前記(1)、(2)、(3)の該当ケースにおける打撃結果が記録されている。上記(1)、(2)、(3)の各ケースについて、当該打撃においてゴルフボールのボールスピード、方向(ゴルフボールの移動方向と水平面との差を示す上下角、水平面でゴルフボールが正面に対して左右に傾いた方向を示す方向角など)、スピンなどのゴルフボールの物理的状態を示すパラメータ値が記録されている場合、前記記録されたパラメータ値を有する状態で仮想ゴルフボールが現在プレイしているコースで移動するとするときにどのような軌跡を有するかを算出することができ、上記算出結果から模擬打撃の結果を得ることができる。ここでは、3つのケースが検索された例を説明したが、ケースの数はより多くてもいい。ケースの数が足りない場合には、本人だけでなく、自分と同一又は類似のゴルフ実力レベルを持っている他のユーザについても、上記の方法によりプレイ記録を検索してより多くのケースが検索されるようにすることができる。
【0063】
(1)、(2)、(3)の3つのケースから打撃結果を得る方法としては、検索された(1)、(2)、(3)のいずれか一つを選択する方法がある。図18に図示されているように、(1)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはティーショットによりグリーン領域からかなり離れた地点に着地するようになり、ここでオングリーンされるまで模擬打撃をさらに2回行うことになり、結果的にスキップされたパッティング前ショット段階で総+3打を記録し、(2)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはティーショットにより直ちにオングリーンに成功することになり、結果的にスキップされたパッティング前ショット段階で総+1打を記録し、(3)のケースが選択された場合に仮想ゴルフボールはティーショットがグリーン領域に及ばず、アプローチショットを通じてオングリーンに成功することになり、結果的にスキップされたパッティング前ショット段階で総+2打を記録することになる。
【0064】
複数のケースを検索した後に模擬打撃を行う方法として、前述の検索されたケース中にいずれか一つを選択する方法だけがあるのではなく、他の方法を使用することも可能である。例えば、複数のケースが検索されると、各ケースに記録されているゴルフボールの物理的状態を示すパラメータ値(ボールスピード、上下角、方向角、スピンなど)の平均、標準偏差を計算し、前記平均/標準偏差によって所定の範囲を選定した後、前記範囲内に任意の値を選択して模擬打撃を行うことができる。この方法については、パッティング段階をスキップする場合において説明した内容を同様に適用することができる。
【0065】
このように、パッティング前ショット段階がスキップされた後、第3ステップ(S30)でパッティング段階に進入する。パッティング段階の開始時にユーザの仮想ゴルフボールが置かれるグリーン領域(グリーン領域のエッジ部分も含む)における位置は、管理部(22)又はユーザによって選定されることができ、前述のように前記パッティング開始位置によりパッティング前ショット段階でのユーザのスコア(オングリーンまでのユーザの記録として認められる打数)が変わる。あるいは、パッティング前ショット段階がスキップされて模擬打撃が行われる場合には、前記模擬打撃の結果に応じて仮想ゴルフボールがグリーン領域に着地する位置が前記パッティング開始位置となる。
【0066】
図19を参照すると、第4ステップ(S40) においてユーザは打撃プレートの打撃マットに置かれている実際のゴルフボールを転がしてパッティングを行う。パッティングを開始する際に、実際のゴルフボールに対応する仮想ゴルフボールは、現在プレイしている仮想ゴルフコースにおいて前記パッティング開始位置にあると認められる。ユーザがパッティングをすると、感知部(30)はパッティングされたゴルフボールの物理的状態を感知して制御部(20)に伝達する。
【0067】
図20を参照すると、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)での感知情報に基づいてパッティングされたゴルフボールの軌跡を算出する。ゴルフボールの軌跡を算出するときには様々な方式を適用することができ、その中一つとして打撃後のゴルフボールの物理的状態を示すパラメータを感知してこれから軌跡を算出することができる。上記パラメータとしてゴルフボールの速度(V)、パッティングにより転がるゴルフボールの水平面上での方向を示す左右方向角(φ)などがあり、これらのパラメータに基づいて物理法則を用いた計算モデルを適用すれば、ゴルフボールの軌跡を算出することができる。
【0068】
図21を参照すると、算出過程の終了時にその結果がスクリーンに表示される。すなわち、算出部(21)での算出結果の通り仮想ゴルフボールが移動する映像がスクリーンに表示される。仮想ゴルフボールは算出された通り移動した後に停止し、もしホールカップに入ってホールインになるとパッティング段階が完了し、ホールインされなければ仮想のゴルフボールが停止している位置でホールインになるまでネクストパッティングをする。
【0069】
第5ステップ(S50)において上記のようにユーザのパッティングが進行されてホールインになると、ユーザのプレイが完了する。ユーザのプレイが完了すると、プレイしたコースにおけるユーザの成績(スコア)が計算される。すなわち、パッティング前ショット段階においてユーザが記録したと決定された打数に、パッティング段階でホールインまでユーザが実際に進行したパッティング回数を合算することにより、プレイしたゴルフコースでのユーザ成績を計算することができる。
【0070】
以上、パッティング段階および/またはパッティング前ショット段階をスキップする方法について説明した。上記方法は特定の段階をスキップできる方法のいくつかの例であり、ここで説明しない他の方法でパッティング段階、パッティング前ショット段階、その他の段階をスキップすることができる。また、パッティング段階やパッティング前ショット段階は必ずしも該当段階の全体を全てスキップしなければならないわけではなく、全体過程のうちの一部だけをスキップするようにしてもよい。例えば、パッティング段階の全体をスキップする代わりにパッティング段階に進入した後の最初あるいは最初から数回目までのパッティングだけをスキップし、ホールインとなる最後のパッティングなどについてはユーザが実際にパッティングを行うこと、パッティング前ショット段階を全てスキップする代わりに、パッティング前ショット段階における最初打撃(ティーショット)だけをスキップすることなどのように、特定段階の一部だけをスキップすることも可能である。
【0071】
図22及び図23はパッティング段階および/またはパッティング前ショット段階をスキップするオプションを選択するためのメニュー画面を例示的に示す図である。
図22を参照すると、スクリーンや図面に図示されていないが別途具備されるキオスクなどに、ユーザのプレイオプションを選択するためのメニュー画面が表示される。通常実際のゴルフ場は18ホール(18個の異なるゴルフコース)で構成され、スクリーンゴルフでもユーザが自分がプレイしたい特定のゴルフ場を選択すれば、ユーザは該当ゴルフ場における複数のゴルフコースでプレイすることができる。スクリーンゴルフでは、実際のゴルフと同様に全18ホールプレイをしたり、又は略式プレイとして例えば18ホールの半分の9ホールプレイをしたりすることができ、これはプレイオプションのメニュー画面から選択することができる。また、プレイオプションでは、距離や速度を表示する単位を選択することができ、特に特定段階のスキップの可否を選択することができる。特定段階のスキップの可否を選択する際に、図22に図示されているような一括選択または図23に図示されているような個別選択を行うことができる。一括選択では、パッティング段階のスキップの可否、パッティング前ショット段階のスキップの可否を複数のゴルフコース(例えば、18ホールプレイにおいて18ホール全体)に対して一括して選択することができる。個別選択では、複数のゴルフコースについて、各ホールごとにパッティング段階のスキップの可否やパッティング前ショット段階のスキップの可否を個別に選択することができる。ユーザがスキップの可否を選択しない場合、デフォルトとしてパッティング段階やパッティング前ショット段階をスキップしないことを自動的に選択するように設定することができる。あるいは、ユーザがスキップの可否を選択しない場合、デフォルトとしてパッティング段階又はパッティング前ショット段階のスキップの可否を自動的にランダムに選択するようにしてもよい。
【0072】
図24は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図24を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されているコンピューター機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどを含む他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置において、コンピューター機器(101b)には前述の実施例における制御部、管理部が具備され、これによりユーザはパッティング段階やパッティング前ショット段階などのような特定段階をスキップすることができる。
【0073】
図25は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図25を参照すると、仮想ゴルフシステムは仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として図1乃至図24などに図示されたような仮想ゴルフ装置などが使用されることができる。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができる家庭用または公共用などのスクリーンゴルフ場に設置され、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設置されて全体的に複数個が具備される。仮想ゴルフ装置は(100)サービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。
サービス装置(200)は管理部(210)と貯蔵部(220)とを具備している。
【0074】
管理部(210)の動作は前述の実施例の仮想ゴルフ装置に備えられている管理部の動作と類似であり、その詳細な説明は省略する。管理部(210)の動作により、ユーザはパッティング段階やパッティング前ショット段階などのような特定段階をスキップすることができる。図25には管理部(210)がサービス装置(200)に具備されている例が図示されているが、管理部(210)がサービス装置(200)に具備されておらず仮想ゴルフ装置(100)ごとに具備されるように構成することも可能である。
【0075】
貯蔵部(220)はユーザ情報及び他の様々な情報を貯蔵する。また、管理部(210)の動作に必要なデータも貯蔵部(220)に貯蔵されていてもよい。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザが上記サービスの提供を受けるためにまずログインをする場合、サービス装置(200)はユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。上記ログイン動作のために、貯蔵部(220)はユーザの身元を確認するための情報を貯蔵している。また、貯蔵部(220)はユーザの身元確認用情報だけでなくユーザのプレイ記録などを貯蔵する。貯蔵部(220)には複数のユーザに関する情報が各ユーザ毎に区分されて貯蔵され、貯蔵部(220)は前述の貯蔵部(図10及びこれに関する説明を参照)と同一又は類似の構造を有することができる。このように貯蔵部(220)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている複数の仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(220)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0076】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0077】
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
100:仮想ゴルフ装置
200:サービス装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25