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特開2024-12181複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途
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  • 特開-複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途 図1
  • 特開-複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途 図2
  • 特開-複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012181
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240118BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20240118BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20240118BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240118BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/14 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 33/04 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 33/26 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 33/30 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/07 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/51 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4415 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/197 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/525 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/714 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/15
A23L33/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/42
A61P3/02
A61K31/14
A61K33/06
A61K33/04
A61K33/26
A61K33/30
A61K31/07
A61K31/59
A61K31/355
A61K31/122
A61K31/51
A61K31/4415
A61K31/455
A61K31/4188
A61K31/197
A61K31/525
A61K31/714
A61K31/519
A61K31/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023115716
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202210826070.7
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523269214
【氏名又は名称】ヤンシェンタン ファーマシューティカル カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、フイヤン
(72)【発明者】
【氏名】カオ、ツイフェン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018MD03
4B018MD04
4B018MD05
4B018MD06
4B018MD08
4B018MD10
4B018MD18
4B018MD23
4B018MD24
4B018MD25
4B018MD26
4B018MD34
4B018MD35
4B018MD36
4B018MF02
4B018MF06
4B018MF08
4B018MF14
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA61
4C076BB01
4C076CC22
4C076DD28C
4C076DD29C
4C076DD41C
4C076EE16
4C076EE30A
4C076EE31A
4C076EE32
4C076EE32A
4C076EE38A
4C076EE42
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA09
4C086BA18
4C086BC18
4C086BC19
4C086BC83
4C086CB09
4C086CB28
4C086DA15
4C086DA39
4C086HA03
4C086HA04
4C086HA08
4C086HA09
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA03
4C086ZC21
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA10
4C206CB28
4C206FA41
4C206GA05
4C206GA36
4C206MA03
4C206MA05
4C206NA03
4C206ZC21
(57)【要約】
【課題】吸湿、褐変等の問題を解決した複数のビタミン及びミネラルの組成物を提供する
【解決手段】本願は、複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及び用途に関する。本方法により、酒石酸水素コリンの吸湿性、錠剤の分割及び膨潤の問題が顕著に改善され、錠剤の潜在的な褐変をカバーするために合成顔料を含有する着色コーティングを使用する必要がない。透明コーティングを施した後、37℃、相対湿度75%の条件下で3ヶ月の加速安定性試験を行ったところ、栄養素含有量は安定しており、外観も完璧であることが確認された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分を含む、複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物:
成分1:酒石酸水素コリン;
成分2:以下の栄養素:カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、及びセレンを含むミネラル;
成分3:以下の栄養素:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸を含むビタミン類;
成分4:パルミチン酸アスコルビル。
【請求項2】
酒石酸水素コリンは、別個の製剤単位の形態で存在し、例えば、マイクロカプセルの形態で存在する;
好ましくは、酒石酸水素コリンに加えて、マイクロカプセルは、充填剤及びカプセル材料をさらに含む;
好ましくは、充填剤はコーンスターチ、微結晶セルロース、デキストリン及びマルトデキストリンからなる群から選択される;
好ましくは、カプセル材料は、エチルセルロース、酢酸セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ミネラルが、別個の製剤単位の形態で、例えばミネラル顆粒の形態で存在する;
好ましくは、栄養素に加えて、ミネラル顆粒はさらに結合剤を含む;
好ましくは、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、コポビドン及びゼラチンからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
成分3がビタミンCを含まない;
好ましくは、成分3に含まれる成分は以下の2つの群に分けられる:
第1群:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸;
第2群:ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸、
第1群は、充填剤をさらに含む;好ましくは、充填剤は、デンプン、微結晶セルロース、デキストリン及びマルトデキストリンからなる群から選択される;
第2群はさらに潤滑剤を含む;好ましくは、潤滑剤は二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、タルカムパウダー及び微粉化シリカゲルからなる群から選択される;
好ましくは、第1群と第2群は別々に混合され、その後組み合わされる、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
重量%で、組成物中の各栄養素の含有量が、
0.16~0.80部のビタミンA、0.002~0.015部のビタミンD、5~150部のビタミンE、0.015~0.10部のビタミンK、0.5~20部のビタミンB、0.5~20部のビタミンB、0.5~10部のビタミンB、0.0005~0.01部のビタミンB12、3~15部のナイアシン、0.08~0.50部の葉酸、0.01~0.10部のビオチン、1~20部のパントテン酸、30~500部のビタミンC、100~1000部のコリン、200~1000部のカルシウム、65~350部のマグネシウム、5~20部の鉄、3~15部の亜鉛、10~100部のセレンである、
ビタミンCを提供する原料はパルミチン酸アスコルビルである;
コリンを供給する原料は、酒石酸水素コリンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
錠剤又はカプセルである;
好ましくは、2000錠/カプセルの計算に基づき、組成物は以下の栄養素を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物:
80~400mgのビタミンA、1~7.5mgのビタミンD、2.5~75gのビタミンE、7.5~50mgのビタミンK、0.25~10gのビタミンB、0.25~10gのビタミンB、0.25~5gのビタミンB、0.25~5mgのビタミンB12、1.5~7.5gのナイアシン、40~250mgの葉酸、5~50mgのビオチン、0.5~10gのパントテン酸、15~250gのビタミンC、50~500gのコリン、100~500gカルシウム、32.5~175gのマグネシウム、2.5~10gの鉄、1.5~7.5gの亜鉛、5~50gのセレン。
【請求項7】
以下のステップを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物を調製する方法:
(1)酒石酸水素コリンマイクロカプセルを調製する;
(2)ミネラル顆粒の調製:カルシウム、マグネシウム、鉄、及び亜鉛を供給する原料を混合し、造粒してミネラル顆粒を得る;
(3)ビタミンプレミックスの調製:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸を混合してビタミンプレミックス1を得る;ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸を混合してビタミンプレミックス2を得る;ビタミンプレミックス1とビタミンプレミックス2を混合してビタミンプレミックスを得る;好ましくは、ステップ(2)でセレンを供給する原料をカルシウム、マグネシウム、鉄及び亜鉛を供給する原料と混合させるか、又はステップ(3)でビタミンプレミックス1の成分と混合させる;
(4)製剤化:酒石酸水素コリンマイクロカプセル、ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス及びパルミチン酸アスコルビルを混合して混合材料を得、次いで製剤化して必要な剤形を得る;
任意選択で、ステップ(4)で得られた剤形をコーティングするステップをさらに含む。
【請求項8】
酒石酸水素コリンマイクロカプセルが以下のステップにより調製される、請求項7に記載の調製方法:
a)酒石酸水素コリンを充填剤と混合する;
b)カプセル材料を混合してコーティング溶液を得る;
c)ステップa)及びb)で得られた生成物を混合し、乾燥して酒石酸水素コリンマイクロカプセルを得る;
好ましくは、それぞれスプレードライヤーと流動床で乾燥を行う;
好ましくは、乾燥後、ふるい分け操作がさらに含まれる;
好ましくは、充填剤とカプセル材料は請求項2で定義した通りである。
【請求項9】
ステップ(2)において、混合原料に結合剤を添加し、造粒を行う;
好ましくは、結合剤は請求項3で定義した通りである、請求項7又は8に記載の調製方法。
【請求項10】
ビタミンプレミックス1の調製中に、ビタミン類に充填剤を添加するステップをさらに含む;
好ましくは、ビタミンプレミックス2の調製中に、ビタミン類に潤滑剤を添加するステップをさらに含む;
好ましくは、充填剤と潤滑剤は請求項4で定義した通りである、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(4)において、混合材料が、充填剤、結合剤及び崩壊剤からなる群から選択される1種以上をさらに含む;
好ましくは、充填剤はデンプン、微結晶セルロース及びデキストリン(例えば、マルトデキストリン)からなる群から選択される;
好ましくは、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、コポビドン及びゼラチンからなる群から選択される;
好ましくは、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
栄養補助食品の製造における請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、CN出願番号202210826070.7、出願日2022年7月14日の出願に基づくものであり、その優先権を主張する。このCN出願の開示は、その全体が本出願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、製剤又は健康食品の技術分野に関し、特に組成物、特に複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、その調製方法及びその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
ビタミンとは、人体が正常な生理機能を維持するために必要な微量有機物質の一種で、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群などがある。ミネラルは、カルシウムやマグネシウムなどのマクロ元素、鉄、亜鉛、セレンなどの微量元素など、人体組織を構成し、正常な生理機能を維持する様々な無機物質の総称である。ビタミンやミネラルは、人体の成長、代謝、発育に重要な役割を果たしているが、そのほとんどは人体で合成できないため、食物から摂取しなければならない。複数のビタミンやミネラルを錠剤にした栄養補助食品は、食物から摂取する栄養素が不十分な場合に利用することもできる。
【0004】
しかし、複数のビタミンとミネラルの錠剤のシステムは複雑で、吸湿後、成分同士が反応して褐変を起こしやすく、特にビタミン・コリンが添加されている場合は、褐変を起こしやすい。コリンは有機塩基で、レシチンとスフィンゴミエリンの主要成分であり、脳と神経系の発達を確実にし、肝臓の脂肪代謝を促進することができる。市場に出回っている複数のビタミンやミネラルの錠剤の中で、コリンを含む製品はほんの一握りしかない。一般的な2つのコリン源である酒石酸水素コリンと塩化コリンは、白色の結晶性粉末で吸湿しやすく、添加量も多いため、製法上使いにくい面もある。現在、市販されている複数のビタミンやミネラルの錠剤は、着色コーティングによって外観が改質されていることが多いが、着色コーティングは吸湿後の錠剤の褐色を隠すことはできても、吸湿によって錠剤が膨潤した後のコーティングの破損を隠すことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の内容
先行技術に存在する問題を解決するために、本出願は複数のビタミンとミネラルを含む錠剤を開示する。この錠剤は美しい外観を有し、透明なコーティングが必要なだけである。37℃、相対湿度75%の条件下で1ヶ月間加速安定性試験の後でも、栄養素の含有量は安定している。本出願はさらに、複数のビタミン及びミネラルを含有する錠剤の膨潤、分裂及び褐変の問題を効果的に解決する、錠剤を製造するためのプロセスを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的には、1つの態様において、本出願は、ビタミン、コリン及びミネラルを含む組成物を提供し、この組成物は以下の成分を含む:
成分1:酒石酸水素コリン;
成分2:以下の栄養素:カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、及びセレンを含むミネラル;
成分3:以下の栄養素:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸を含むビタミン類;
成分4:パルミチン酸アスコルビル。
【0007】
いくつかの実施形態において、酒石酸水素コリンは、別個の製剤単位の形態で存在し、例えば、マイクロカプセルの形態で存在する。いくつかの実施形態において、酒石酸水素コリンに加えて、マイクロカプセルは、充填剤及びカプセル材料をさらに含む。いくつかの実施形態において、充填剤は、コーンスターチ、微結晶セルロース、デキストリン(例えば、マルトデキストリン)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、カプセル材料は、エチルセルロース、酢酸セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態において、ミネラルは、別個の製剤単位の形態、例えばミネラル顆粒の形態で存在する。いくつかの実施形態において、栄養素に加えて、ミネラル顆粒は、結合剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、コポビドン及びゼラチンからなる群から選択される。
【0009】
いくつかの実施形態では、成分3はビタミンCを含まない。
【0010】
いくつかの実施形態では、成分3に含まれる成分は以下の2つの群に分けられる:
【0011】
第1群:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸;
第2群:ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸;
第1群は充填剤をさらに含み、第1群は潤滑剤をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、充填剤は、デンプン、微結晶セルロース、デキストリン及びマルトデキストリンからなる群から選択される。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1群は、微結晶セルロース、マルトデキストリン、コポビドン、デンプン、及びクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される1つ以上をさらに含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、タルカムパウダー、及び微粉化シリカゲルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1群及び第2群は別々に混合され、次いで組み合わされる。
【0014】
いくつかの実施形態では、重量%で、組成物中の各栄養素の含有量は以下の通りである:
0.16~0.80部のビタミンA、0.002~0.015部のビタミンD、5~150部のビタミンE、0.015~0.10部のビタミンK、0.5~20部のビタミンB、0.5~20部のビタミンB、0.5~10部のビタミンB、0.0005~0.01部のビタミンB12、3~15部のナイアシン、0.08~0.50部の葉酸、0.01~0.10部のビオチン、1~20部のパントテン酸、30~500部のビタミンC、100~1000部のコリン、200~1000部のカルシウム、65~350部のマグネシウム、5~20部の鉄、3~15部の亜鉛、10~100部のセレンである、
ビタミンCを提供する原料はパルミチン酸アスコルビルである;
コリンを供給する原料は、酒石酸水素コリンである。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は錠剤又はカプセルである。
【0016】
いくつかの実施形態では、2000錠/カプセルを基準として、組成物は以下の栄養素を含む:
80~400mgのビタミンA、1~7.5mgのビタミンD、2.5~75gのビタミンE、7.5~50mgのビタミンK、0.25~10gのビタミンB、0.25~10gのビタミンB、0.25~5gのビタミンB、0.25~5mgのビタミンB12、1.5~7.5gのナイアシン、40~250mgの葉酸、5~50mgのビオチン、0.5~10gのパントテン酸、15~250gのビタミンC、50~500gのコリン、100~500gカルシウム、32.5~175gのマグネシウム、2.5~10gの鉄、1.5~7.5gの亜鉛、5~50gのセレン。
【0017】
別の態様において、本出願は、以下のステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法を提供する:
(1)酒石酸水素コリンマイクロカプセルを調製する;
(2)ミネラル顆粒の調製:カルシウム、マグネシウム、鉄、及び亜鉛を供給する原料を混合し、造粒してミネラル顆粒を得る;
(3)ビタミンプレミックスの調製:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸を均一に混合し、ビタミンプレミックス1を得る;ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸を均一に混合し、ビタミンプレミックス2を得る;ビタミンプレミックス1とビタミンプレミックス2を均一に混合し、ビタミンプレミックスを得る;
(4)製剤化:酒石酸水素コリンマイクロカプセル、ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス及びパルミチン酸アスコルビルを混合して混合材料を得、次いで製剤化して必要な剤形を得る;
任意選択で、ステップ(4)で得られた剤形をコーティングするステップをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、セレンを供給する原料は、ステップ(2)でカルシウム、マグネシウム、鉄及び亜鉛を供給する原料と混合されるか、又はステップ(3)でビタミンプレミックス1の成分と混合される。
【0019】
本発明において添加される各栄養素の量は、人体が必要とする適切な範囲内であり、各栄養素を供給する原料は当業者に公知であり、当業者であれば一般的な技術知識に基づいて選択することができる。より具体的には、カルシウムを供給する原料としては、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム(リン酸カルシウム)、硫酸カルシウム、L‐乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム等を挙げることができる。マグネシウムを供給する原料としては、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、L‐スレオニン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウムなどを挙げることができる。鉄を供給する原料としては、グルコン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、硫酸第一鉄、乳酸第一鉄、コハク酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、クエン酸第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウムなどを挙げることができる。亜鉛を供給する原料としては、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛、クエン酸亜鉛(三水和物)、グルコン酸亜鉛、酸化亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛などを挙げることができる。セレンを供給する原料としては、亜セレン酸ナトリウム、セレン富化酵母、L‐セレニウム‐メチルセレノシステイン、セレノカラギーナン、セレノプロテイン、セレン酸ナトリウムなどを挙げることができる。ビタミンAを供給する原料としては、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、β‐カロチンなどが挙げられる。ビタミンBを供給する原料としては、塩酸チアミン、硝酸チアミンなどが挙げられる。ビタミンBを供給する原料としては、リボフラビン、リボフラビン‐5’‐リン酸ナトリウムなどが挙げられる。ビタミンBを供給する原料としては、塩酸ピリドキシンなどが挙げられる。ビタミンB12を供給する原料としては、シアノコバラミンなどが挙げられる。ナイアシンを供給する原料としては、ニコチン酸、ニコチンアミドなどが挙げられる。パントテン酸を供給する原料としては、D‐パントテン酸カルシウム、D‐パントテン酸ナトリウムなどが挙げられる。ビタミンEを供給する原料としては、D‐α‐トコフェロール、酢酸D‐α‐トコフェロール、コハク酸D‐α‐トコフェロール、酢酸dl‐α‐トコフェロール、dl‐α‐トコフェロールコハク酸、ビタミンEカルシウムなどが挙げられる。ビタミンKを供給する原料としては、ビタミンK、ビタミンKなどを挙げることができる。ビタミンDを供給する原料としては、ビタミンD、ビタミンDなどを挙げることができる。ビオチンを供給する原料としては、D‐ビオチンを挙げることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、酒石酸水素コリンマイクロカプセルは、以下のステップにより調製される:
a)酒石酸水素コリンと充填剤を均一に混合する;
b)カプセル材料を均一に混合し、コーティング溶液を得る;
c)ステップa)及びb)で得られた生成物を均一に混合し、乾燥して酒石酸水素コリンマイクロカプセルを得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、乾燥はそれぞれスプレードライヤーと流動床で行われる。
【0022】
いくつかの実施形態では、乾燥後、ふるい分け操作がさらに含まれる。
【0023】
いくつかの実施形態では、充填剤とカプセル材料は上記で定義した通りである。
【0024】
いくつかの実施形態では、ステップ(2)において、混合原料に結合剤が添加され、造粒(例えば、沸騰造粒)が行われる。
【0025】
いくつかの実施形態において、結合剤は、先の項目のいずれか1つに定義される通りである。
【0026】
いくつかの実施形態では、ビタミンプレミックス1の調製中に、ビタミン類に充填剤を添加するステップも含まれる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ビタミンプレミックス2の調製中に、ビタミン類に潤滑剤を添加するステップも含まれる。
【0028】
いくつかの実施形態において、充填剤及び潤滑剤は、先の項目のいずれか1つに定義される通りである。
【0029】
いくつかの実施形態では、ステップ(4)において、混合材料は、充填剤、結合剤及び崩壊剤のうちの1つ以上をさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、充填剤は、デンプン、微結晶セルロース、及びデキストリン(例えば、マルトデキストリン)からなる群から選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、コポビドン、及びゼラチンからなる群から選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0033】
別の態様において、本出願は、栄養補助食品の製造における、第1の態様の項目のいずれか1つに記載の組成物の使用を提供する。
【発明の効果】
【0034】
本発明の有益な効果
本出願は、以下の技術的効果の少なくとも1つを達成することができる、複数のビタミン及びミネラルのコリン含有組成物、並びにその調製方法及び用途を提供するものである:
1.酒石酸水素コリンの吸湿性が改善される;
2.この組成物は、ビタミンCの抗酸化能力を保持したまま、ビタミンCの錯形成反応を遅らせるか、あるいは防止する;
3.本発明の方法によって調製された錠剤は、透明なコーティングを採用することができるので、その外観は美しく、褐変、錠剤破損、膨潤の問題は顕著に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本明細書に記載の添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成する。本発明の概略的な実施例及びその記載は、本発明を説明するために使用されるものであり、本発明の不適切な限定を構成するものではない。添付の図面において:
図1図1は、実施例1~4で調製した錠剤を、37℃、75%RHの条件下で1日間観察した変化を示す。
図2図2は、比較例1~4で調製した錠剤を、37℃、75%RHの条件下で1日間観察した変化を示す。
図3図3は、実施例1~4及び比較例1~4で調製した錠剤を、37℃、75%RHの条件下で1日間観察した重量増加を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明を実施するための具体的モデル
以下、本発明の実施の形態を実施例と共に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を説明するためだけに用いられるものであって、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではないことは当業者であれば理解されるであろう。実施例中に特定の条件のないものは、従来の条件又は製造業者により示唆された条件に従って実施される。また、使用した試薬又は器具のうち、製造者の指示がないものは、すべて市販されている従来品である。
【実施例0037】
実施例1
処方1(1700g、2000錠):
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 110g。
【0038】
調製プロセスは以下の通りであった:
(1)酒石酸水素コリンマイクロカプセルの調製
1)1kgの酒石酸水素コリンを粉砕し、ふるいにかけ、50gのコーンスターチを加え、後で使用するためによく混ぜた;
2)エチルセルロース50gと二酸化ケイ素3gを割合で秤量し、高速ホモジナイザーで溶解し、後で使用するためのコーティング溶液を得た;
3)ステップ1)の酒石酸水素コリンとコーンスターチの混合物を、ステップ2)のコーティング溶液と混合し、高速ホモジナイザーで均質化した;
4)ステップ3)の混合物をスプレードライヤーで噴霧乾燥した後、流動床に移して乾燥し、酒石酸水素コリンマイクロカプセルを得た;
5)酒石酸水素コリンマイクロカプセルをふるいにかけ、乾燥した環境で保存した。
【0039】
(2)ミネラル顆粒の調製
炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、及び炭酸マグネシウムを処方量に従って取り、流動床に添加し、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を結合剤として沸騰造粒を行った。造粒後、得られたミネラル顆粒を後で使用するためにふるいにかけた。
【0040】
(3)ビタミンプレミックスの調製
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、及びセレン強化酵母を処方量に従って取り、同量の微結晶セルロースと均一に混合した。ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及び二酸化ケイ素を処方量に従って取り、先のビタミン混合物と均一に混合してビタミンプレミックスを得た。
【0041】
(4)ブレンディングと打錠
ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス、酒石酸水素コリンマイクロカプセル、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンC補給用)、微結晶セルロース、マルトデキストリン、コポビドン、デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウムの1種以上を処方量に従って取り、一緒に配合した後、打錠に供した;
【0042】
(5)コーティング
透明コーティング剤を適量取り、コーティング剤の質量分率が10%になるように適量の水に溶解した。コーティングパンを予熱した後、コーティングパン内に未コーティング錠剤を入れ、入口空気温度70±10℃、錠剤床温度50±5℃、出口空気温度55±10℃、噴射圧力0.4MPaの条件を制御し、コーティング液を錠剤表面に噴霧スプレーして皮膜を形成させ、コーティング錠剤を得た。
【0043】
実施例2
処方2(1700g、2000錠)
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 12.5g、セレン 80mg、ビタミンA 358mg、ビタミンD 10mg、ビタミンE 25g、ビタミンK 80mg、ビタミンB 3.5g、ビタミンB 3.5g、ビタミンB 3.5g、ビタミンB12 5mg、ナイアシン 12g、葉酸 300mg、ビオチン 50mg、パントテン酸 5g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 120g。調製プロセスは実施例1と同様であった。
【0044】
実施例3
処方3(1700g、2000錠)
カルシウム 300g、マグネシウム 70g、鉄 16g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 120g。調製プロセスは実施例1と同様であった。
【0045】
実施例4
処方4(1700g、2000錠)
カルシウム 300g、マグネシウム 70g、鉄 10g、亜鉛 2.8g、セレン 26mg、ビタミンA 160mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 12g、ビタミンK 20mg、ビタミンB 1.6g、ビタミンB 3.5g、ビタミンB 1.6g、ビタミンB12 1.6mg、ナイアシン 3.2g、葉酸 400mg、ビオチン 26mg、パントテン酸 1.26g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 120g。調製プロセスは実施例1と同様であった。
【0046】
比較例1
比較処方1(1700g、2000錠)
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 110g。
【0047】
(1)ミネラル顆粒の調製
炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、セレン富化酵母を処方量に従って取り、流動床乾燥機に添加し、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を結合剤として沸騰造粒を行った。造粒後、得られたミネラル顆粒を後で使用するためにふるいにかけた。
【0048】
(2)ビタミンプレミックスの調製
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸を処方量に従って取り、同量の微結晶セルロースと均一に混合した。ビタミンB、ビタミンB12、葉酸を処方量に従って取り、二酸化ケイ素と均一に混合した後、先のビタミン混合物と均一に混合し、ビタミンプレミックスを得た。
【0049】
(3)ブレンディングと打錠
ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス、市販の酒石酸水素コリン、市販のアスコルビン酸、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを処方量に従って取り、一緒にブレンドした後、打錠にかけた;
【0050】
(4)コーティング
透明コーティング剤を適量取り、コーティング剤の質量分率が10%になるように適量の水に溶解した。コーティングパンを予熱した後、コーティングパン内に未コーティング錠剤を入れ、入口空気温度70±10℃、錠剤床温度50±5℃、出口空気温度55±10℃、噴射圧力0.4MPaの条件を制御し、コーティング液を錠剤表面に噴霧スプレーして皮膜を形成させ、コーティング錠剤を得た。
【0051】
比較例2
比較処方2(1700g、2000錠)
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 110g。
【0052】
(1)ミネラル粒子の調製
炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、及びセレン富化酵母を処方量に従って取り、流動床乾燥機に添加し、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を結合剤として沸騰造粒を行った。造粒後、得られたミネラル顆粒を後で使用するために、ふるいにかけた。
【0053】
(2)ビタミンプレミックスの調製
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸を処方量に従って取り、同量の微結晶セルロースと均一に混合した。ビタミンB、ビタミンB12、葉酸を処方量に従って取り、二酸化ケイ素と均一に混合した後、先のビタミン混合物と混合してビタミンプレミックスを得た。
【0054】
(3)ブレンディングと打錠
ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス、市販の酒石酸水素コリン、パルミチン酸アスコルビル、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを処方量に従って取り、一緒にブレンドした後、打錠にかけた;
【0055】
(4)コーティング
透明コーティング剤を適量取り、コーティング剤の質量分率が10%になるように適量の水に溶解した。コーティングパンを予熱した後、コーティングパン内に未コーティング錠剤を入れ、入口空気温度70±10℃、錠剤床温度50±5℃、出口空気温度55±10℃、噴射圧力0.4MPaの条件を制御し、コーティング液を錠剤表面に噴霧スプレーして皮膜を形成させ、コーティング錠剤を得た。
【0056】
比較例3
比較処方3(1700g、2000錠)
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 110g。
【0057】
(1)酒石酸水素コリンマイクロカプセルの調製
1)1kgの酒石酸水素コリンを粉砕し、ふるいにかけ、50gのコーンスターチを加え、後で使用するためによく混ぜた;
2)エチルセルロース50gと二酸化ケイ素3gの割合で秤量し、高速ホモジナイザーで溶解し、後で使用するためのコーティング溶液を得た;
3)ステップ1)の酒石酸水素コリンとコーンスターチの混合物を、ステップ2)のコーティング溶液と混合し、高速ホモジナイザーで均質化した;
4)ステップ3)の混合物をスプレードライヤーで噴霧乾燥した後、流動床に移して乾燥し、酒石酸水素コリンマイクロカプセルを得た;
5)酒石酸水素コリンマイクロカプセルはふるい分けされ、乾燥した環境で保存された。
【0058】
(2)ミネラル顆粒の調製
炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、及びセレン富化酵母を処方量に従って取り、流動床乾燥機に添加し、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を結合剤として沸騰造粒を行った。造粒後、得られたミネラル顆粒を後で使用するために、ふるいにかけた。
【0059】
(3)ビタミンプレミックスの調製
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸を処方量に従って取り、同量の微結晶セルロースと均一に混合した。ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、及び二酸化ケイ素を処方量に従って取り、均一に混合した後、先のビタミン混合物と均一に混合し、ビタミンプレミックスを得た。
【0060】
(4)ブレンディングと打錠
ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス、酒石酸水素コリンマイクロカプセル、市販のアスコルビン酸、微結晶セルロース、及びステアリン酸マグネシウムを処方量に従って取り、一緒にブレンドした後、打錠にかけた;
【0061】
(5)コーティング
透明コーティング剤を適量取り、コーティング剤の質量分率が10%になるように適量の水に溶解した。コーティングパンを予熱した後、コーティングパン内に未コーティング錠剤を入れ、入口空気温度70±10℃、錠剤床温度50±5℃、出口空気温度55±10℃、噴射圧力0.4MPaの条件を制御し、コーティング液を錠剤表面に噴霧スプレーして皮膜を形成させ、コーティング錠剤を得た。
【0062】
比較例4
比較処方4(1700g、2000錠)
カルシウム 240g、マグネシウム 70g、鉄 7g、亜鉛 8g、セレン 26mg、ビタミンA 340mg、ビタミンD 8mg、ビタミンE 10g、ビタミンK 45mg、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB 3g、ビタミンB12 3mg、ナイアシン 10g、葉酸 300mg、ビオチン 42mg、パントテン酸 6g、ビタミンC 50g、酒石酸水素コリン 110g。
【0063】
(1)酒石酸水素コリンマイクロカプセルの調製
1)1kgの酒石酸水素コリンを粉砕し、ふるいにかけ、50gのコーンスターチを加え、後で使用するためによく混ぜた;
2)エチルセルロース50gと二酸化ケイ素3gの割合で秤量し、高速ホモジナイザーで溶解し、後で使用するためのコーティング溶液を得た;
3)ステップ1)の酒石酸水素コリンとコーンスターチの混合物を、ステップ2)のコーティング溶液と混合し、高速ホモジナイザーで均質化した;
4)ステップ3)の混合物をスプレードライヤーで噴霧乾燥した後、流動床に移して乾燥し、酒石酸水素コリンマイクロカプセルを得た;
5)酒石酸水素コリンマイクロカプセルはふるい分けされ、乾燥した環境で保存された。
【0064】
(2)ミネラル顆粒の調製
炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、グルコン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、及びセレン富化酵母を処方量に従って取り、流動床乾燥機に添加し、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を結合剤として沸騰造粒を行った。造粒後、得られたミネラル顆粒を後で使用するために、ふるいにかけた。
【0065】
(3)ビタミンプレミックスの調製
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンB、ビタミンB12、及び葉酸を処方量に従って取り、後で使用するために三次元ミキサーで混合した。
【0066】
(4)ブレンディングと打錠
ミネラル顆粒、ビタミンプレミックス、酒石酸水素コリンマイクロカプセル、パルミチン酸アスコルビル、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウムを処方量に従って取り、一緒にブレンドした後、打錠にかけた;
【0067】
(5)コーティング
透明コーティング剤を適量取り、コーティング剤の質量分率が10%になるように適量の水に溶解した。コーティングパンを予熱した後、コーティングパン内に未コーティング錠剤を入れ、入口空気温度70±10℃、錠剤床温度50±5℃、出口空気温度55±10℃、噴射圧力0.4MPaの条件を制御し、コーティング液を錠剤表面に噴霧スプレーして皮膜を形成させ、コーティング錠剤を得た。
【0068】
試験例1
上記実施例のプロセス要件に従い、複数のビタミン及びミネラルの錠剤を調製するための原料及び調製プロセスを選定し、錠剤の変化を37℃、75%RHの条件下で1日間観察し、錠剤外観の変化を図1に示した。
【0069】
上記比較例のプロセス要件に従い、複数のビタミン及びミネラルの錠剤を調製するための原料及び調製プロセスを選択し、錠剤の変化を37℃、75%RHの条件下で1日間観察し、錠剤外観の変化を図2に示した。
【0070】
上記比較例のプロセス要件に従い、複数のビタミン及びミネラルの錠剤を調製するための原料及び調製プロセスを選択し、錠剤の変化を37℃、75%RHの条件下で1日間観察し、錠剤の重量増加を図3に示した。
【0071】
上記の実施例について、設計した量の栄養素に従って2ヶ月間打錠及びコーティングを行った後、HDPEボトルに入れ、乾燥剤4gを添加し、密封してキャップをし、37℃、75%RHの恒温加速箱で錠剤成分の安定性を調べた。3ヶ月後、加速試験のサンプル中の栄養素の含有量を検出し、その結果を下表に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
実験結果
各実施例において、錠剤は本発明に記載のプロセスに従って調製し、無色の透明コーティングを施した。錠剤の色は淡黄色で均一であった。高温高湿条件下では、錠剤の色は比較的安定していた。各比較例では、いくつかの材料の無理な相溶性、未熟なプロセス、及び高い吸湿性のために、錠剤は高温高湿加速プロセス中に褐変及び斑点のような問題を示した。
【0074】
また、比較例1及び2を除き、他の実施例及び比較例はいずれも重量増加率が小さく、本発明の錠剤は吸湿率が低く、錠剤の安定性が良好であることが示された。また、加速安定性試験3ヶ月後の実施例試料中の栄養素含有量を測定した結果、本発明の錠剤は安定性が良好であることが示された。
【0075】
試験例2:錠剤の吸湿性に及ぼす酒石酸水素コリン処理プロセスの影響
コリンは人体にとって重要な栄養素であるが、その一般的な化合物形態である酒石酸水素コリンは吸湿性が強く、錠剤中の水分を引き寄せやすく、他の材料の安定性に一定の影響を与える。本実施例では、異なる酒石酸水素コリン処理プロセスが錠剤の吸湿性に及ぼす影響について検討した。
【0076】
1.ポリエチレングリコール被覆コリンの調製:適量のポリエチレングリコールを取り、水に溶解して後で使用するためコーティング液を得、流動床中に酒石酸水素コリンを添加し、コーティング液を噴霧してポリエチレングリコール被覆コリンを得た。酒石酸水素コリンの含有量は90%であった。
【0077】
2.脂肪酸モノ及びジグリセリド包埋プロセス:適量の酒石酸水素コリンを取り、攪拌造粒機に入れ、スイッチを入れ、適量の脂肪酸モノ及びジグリセリドを取り、溶融させ、攪拌下、脂肪酸モノ及びジグリセリドと酒石酸水素コリンを混合し、造粒、トリミングした。酒石酸水素コリンの含有量を70%であった。
【0078】
3.微結晶セルロースのブレンディング及び造粒プロセス:微結晶セルロースに酒石酸水素コリンを混合し、流動床に入れて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを結合剤として造粒した。酒石酸水素コリンの含有量は70%であった。
【0079】
4.ポリエチレングリコール凍結乾燥プロセス:ポリエチレングリコールを水に溶解し、そこに酒石酸水素コリンを溶解し、撹拌して完全に溶解させ、凍結乾燥機で凍結乾燥し、造粒した。酒石酸水素コリンの含有量は90%であった。
【0080】
5.二酸化ケイ素包埋プロセス:適量の二酸化ケイ素を取り、三次元ミキサーで酒石酸水素コリンと均一に混合した。酒石酸水素コリンの含有率は95%であった。
【0081】
6.エチルセルロースのマイクロカプセル化プロセス(本願のプロセス):適量の酒石酸水素コリンを取り、80メッシュのふるいを通し、適量のコーンスターチ、二酸化ケイ素、及びエチルセルロースを取り、均一に混合した後、高速ホモジナイザーでよく混合溶解し、スプレードライヤーで乾燥し、酒石酸水素コリン含有量が95%の試料を得た。
【0082】
7.ポリビニルアルコールマイクロカプセル化プロセス:適量の酒石酸水素コリンを取り、80メッシュのふるいを通し、適量のコーンスターチ、二酸化ケイ素、及びポリビニルアルコールを取り、よく混合した後、高速ホモジナイザーでよく混合溶解し、スプレードライヤーで乾燥し、酒石酸水素コリン含有量が95%の試料を得た。
【0083】
8.β‐シクロデキストリン噴霧乾燥プロセス:適量の酒石酸水素コリンを取り、80メッシュのふるいを通し、適量のコーンスターチ、二酸化ケイ素、及びβ‐シクロデキストリンを取り、高速ホモジナイザーでよく混合溶解し、噴霧乾燥機で乾燥し、酒石酸水素コリン含有量が95%の試料を得た。
【0084】
調製した試料を、複数のビタミン及びミネラルの錠剤の混合原料に、実際のコリン量に応じて添加し、錠剤の重量及び硬度をコントロールしながら打錠に供し、具体的な操作は実施例1と同様とした。錠剤の吸湿性を37℃、75%RHの条件下で調べた。
【0085】
【表2】
【0086】
対照群では、コリンは使用しなかった。
実験結果から、本発明により調製された錠剤はより優れた防湿性能を有し、他の製法と比較して有意な利点があることがわかる。
【0087】
本発明を実施するための具体的なモデルを詳細に説明したが、当業者であれば、開示されたすべての教示に従って、それらの詳細に様々な修正や置換を加えることができ、これらの変更はすべて本発明の範囲内であることを理解するであろう。本発明の全範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって与えられる。
図1
図2
図3
【外国語明細書】