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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121839
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】機器制御システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20240902BHJP
   F24F 8/24 20210101ALI20240902BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240902BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F8/24
F24F11/65
F24F11/74
F24F11/80
F24F11/88
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029028
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】小林 一幸
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB01
3L260AB14
3L260AB18
3L260BA05
3L260BA06
3L260BA09
3L260CA12
3L260EA07
3L260FA06
3L260FA07
3L260FB01
3L260FC25
(57)【要約】
【課題】空気調和装置と空間浄化装置により、所定空間の湿度をより適切に制御できる技術を提供する。
【解決手段】機器制御システム100は、空間浄化装置20と、空気調和装置10と、を備える。空間浄化装置20は、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部22と、室内の空気を取り込み当該取り込んだ空気に次亜塩素酸水生成部22により生成された次亜塩素酸水を含ませることで加湿を伴って室内に次亜塩素酸水を含んだ空気を送風する空間浄化送風部24と、を有する。空気調和装置10は、室内の空調を行う。制御装置30は、空間浄化装置20と空気調和装置10との連携制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、室内の空気を取り込み当該取り込んだ空気に前記次亜塩素酸水生成部により生成された前記次亜塩素酸水を含ませることで加湿を伴って前記室内に前記次亜塩素酸水を含んだ空気を送風する空間浄化送風部と、を有する空間浄化装置と、
前記室内の空調を行う空気調和装置と、
前記空間浄化装置と前記空気調和装置との連携制御を行う制御装置と、
を備える機器制御システム。
【請求項2】
前記空気調和装置は、
暖房運転において、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が大きいほど暖房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が暖房運転し、かつ、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が所定値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記空気調和装置は、
暖房運転において、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が大きいほど暖房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が暖房運転し、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が所定値未満であり、かつ、前記室内の湿度が所定の低湿度閾値未満の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である請求項2または3に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も大きい送風量である請求項4に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記所定の低濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも低い濃度である請求項2または3に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記所定の低濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最も低い濃度である請求項6に記載の機器制御システム。
【請求項8】
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、かつ、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が所定値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、かつ、前記室内の湿度が所定の高湿度閾値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項10】
前記所定の低風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも小さい送風量である請求項8または9に記載の機器制御システム。
【請求項11】
前記所定の低風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も小さい送風量である請求項10に記載の機器制御システム。
【請求項12】
前記所定の高濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも高い濃度である請求項8または9に記載の機器制御システム。
【請求項13】
前記所定の高濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最も高い濃度である請求項12に記載の機器制御システム。
【請求項14】
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、前記空間浄化送風部の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、前記冷房能力を前記温度差が前記所定値未満の際に設定される前記冷房能力よりも大きく設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項15】
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、前記室内の湿度が所定の高湿度閾値未満であり、かつ、前記空間浄化送風部の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、前記冷房能力を前記温度差が所定値未満の際に設定される前記冷房能力よりも大きく設定する請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項16】
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である請求項14または15に記載の機器制御システム。
【請求項17】
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も大きい送風量である請求項16に記載の機器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去を行うために、電気分解により次亜塩素酸水を生成して放出する空間浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-108925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室内等の所定空間に空気調和装置および空間浄化装置が設置されることで、空気調和装置により空間の温度を調節し、空間浄化装置により空間の除菌と脱臭等を行うことができる。しかし、空気調和装置および空間浄化装置がそれぞれ個別に動作する場合、状況によっては空間の湿度を適切に調整できない可能性がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、空気調和装置と空間浄化装置により、所定空間の湿度をより適切に制御できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の機器制御システムは、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、室内の空気を取り込み当該取り込んだ空気に次亜塩素酸水生成部により生成された次亜塩素酸水を含ませることで加湿を伴って室内に次亜塩素酸水を含んだ空気を送風する空間浄化送風部と、を有する空間浄化装置と、室内の空調を行う空気調和装置と、空間浄化装置と空気調和装置との連携制御を行う制御装置と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、空気調和装置と空間浄化装置により、所定空間の湿度をより適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の機器制御システムの機能構成を示す図である。
図2】機器制御システムの制御手順を示すフローチャートである。
図3図2に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態を具体的に説明する前に、実施の形態の概要を説明する。本実施の形態は、空気調和装置および空間浄化装置を有する機器制御システムに関する。空気調和装置は、暖房、冷房、または除湿運転を実行し、室内の空調を行う。空間浄化装置は、次亜塩素酸水を用いて当該室内を浄化する。
【0011】
既述のように、空気調和装置および空間浄化装置がそれぞれ独立して動作する場合、季節などによっては空間の湿度を適切に調整できない可能性がある。例えば、空気調和装置が冷房運転または除湿運転中、空間浄化装置が次亜塩素酸水を含む空気を放出することで加湿し、空間の湿度が低下し難くなり、空気調和装置の消費電力が増加する可能性がある。また、空気調和装置が暖房運転中、空間浄化装置が次亜塩素酸水を含む空気を放出しても、加湿量が少なく、空間が乾燥し過ぎる可能性がある。
【0012】
そのために、本実施の形態に係る機器制御システムでは、制御装置が空間浄化装置と空気調和装置とを連携制御する。連携制御により、所定空間の温度を調整しつつ、湿度もより適切に制御できる。
【0013】
以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0014】
図1は、実施の形態の機器制御システム100の機能構成を示す。機器制御システム100は、空気調和装置10、空間浄化装置20、制御装置30、および操作装置40を備える。空気調和装置10と空間浄化装置20は、同じ空間に設置される。
【0015】
空気調和装置10は、例えば、エアコンディショナ(エアコン)である。空気調和装置10は、室内空間の天井等に埋め込まれた4方向カセットエアコンであってもよいし、壁掛型または床置き型のエアコンであってもよい。なお、カセットエアコンは、4方向でなくてもよい。例えば1方向や2方向のカセットエアコンでもよい。空気調和装置10は、室内から吸い込んだ空気に対して空調制御を実行し、温度調節した空気を室内に送出する。
【0016】
空間浄化装置20は、次亜塩素酸水を含む空気を室内に放出する。空間浄化装置20は、次亜塩素酸水生成部22および空間浄化送風部24を有する。
【0017】
次亜塩素酸水生成部22は、電極に通電して塩化物イオンを含む水を電気分解することにより、次亜塩素酸水を生成する。次亜塩素酸水生成部22は、次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度を制御可能である。次亜塩素酸水生成部22は、例えば、電気分解の際の電極の通電時間を制御することで、次亜塩素酸生成量を制御し、これにより次亜塩素酸水の濃度を制御する。次亜塩素酸水生成部22は、電気分解の際の電極の通電時間を長くするほど、次亜塩素酸生成量を多くできる。
【0018】
また、次亜塩素酸水生成部22は、通電時間における電力量を制御することで次亜塩素酸生成量を制御し、これにより次亜塩素酸水の濃度を制御してもよい。次亜塩素酸水生成部22は、電気分解の際の電極の通電時間における電力量を大きくすれば、次亜塩素酸生成量を多くできる。
【0019】
なお、次亜塩素酸水生成部22は、次亜塩素酸生成量を一定量に保ち、生成された一定濃度の次亜塩素酸水と水とを混合槽で混合することで、混合水である濃度の調整された次亜塩素酸水を生成してもよい。この場合、次亜塩素酸水生成部22は、混合される次亜塩素酸水の量および混合される水の量を制御することにより、混合水である次亜塩素酸水の濃度を制御できる。
【0020】
空間浄化送風部24は、室内の空気を取り込み、取り込んだ空気に次亜塩素酸水生成部22により生成された次亜塩素酸水を含ませることで加湿を伴って室内に次亜塩素酸水を含んだ空気を送風する。空間浄化送風部24による単位時間あたりの送風量が増加するほど、単位時間あたりに送風される空気に含まれる次亜塩素酸水の量が増加し、単位時間あたりの加湿量が増加する。
【0021】
空間浄化送風部24は、例えば、ファン(図示せず)とフィルタ(図示せず)を備える。第2制御部36による制御に応じてファンが回転することにより、空間浄化装置20の本体ケース(図示せず)に設けられた吸込口(図示せず)から、空間浄化装置20の内部に空気が吸い込まれる。フィルタは、次亜塩素酸水と、ファンによって空間浄化装置20内に流入した室内空気とを接触させる部材である。フィルタは、例えば円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔を備える。フィルタの一端が貯留された次亜塩素酸水に浸漬され、保水ができるようにかつ、フィルタは、中心軸を回転中心として回転が可能に構成される。フィルタは、駆動部(図示せず)により回転され、次亜塩素酸水と室内空気を連続的に接触させる。空間浄化送風部24は、吸込口からフィルタ、ファン、吹出口(図示せず)に続く送風路(図示せず)を有する。ファンが回転すると、吸込口から吸い込まれ送風路内に入った外部の空気は、順に、フィルタ、ファン、吹出口を介して、空間浄化装置20の外部へ吹き出される。これにより、次亜塩素酸水を含んだ空気が外部へ放出される。
【0022】
空間浄化送風部24は、操作装置40がユーザから受け付けた設定送風量に応じて、送風量を制御可能である。設定送風量は、例えば、大、中、小などに設定可能である。なお、機器制御システム100は、室内の臭いを検知する臭いセンサ(図示せず)を備えてもよく、空間浄化送風部24は、臭いセンサで検知された臭いの程度が所定の臭い閾値を超える場合、送風量を増加させてもよい。
【0023】
空間浄化送風部24が次亜塩素酸水と接触させた空気を空間浄化装置20の外部に放出することで、時間の経過とともに次亜塩素酸水は減少する。そのため、次亜塩素酸水生成部22は、次亜塩素酸水の生成開始タイミングになると、電気分解を再開して次亜塩素酸水を再び生成する。次亜塩素酸水の生成開始タイミングは、公知の技術を利用して適宜定めることができる。
【0024】
制御装置30は、空気調和装置10と空間浄化装置20のそれぞれに通信可能に接続される。制御装置30には操作装置40が通信可能に接続される。
【0025】
操作装置40は、ユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、ユーザから設定温度、空間浄化装置20の設定送風量などを受けつける。操作装置40は、図示しない温湿度センサを備え、温湿度センサは、室内の空気の温度および湿度を検出する。操作装置40は、設定温度、設定送風量、室内の温度、および室内の湿度を制御装置30に送信する。
【0026】
制御装置30は、操作装置40から送信された情報に基づいて、空気調和装置10と空間浄化装置20との連携制御を行う。制御装置30は、空気調和装置10と空間浄化装置20を協調制御するともいえる。
【0027】
制御装置30は、任意の場所に配置されてよい。制御装置30は、例えば、建物内に設置される中央制御装置として構成されてよく、操作装置40は、室内空間の壁などに設けられてよい。操作装置40は、スマートフォンなどの携帯端末に含まれてもよい。制御装置30と操作装置40は、建物内に設置される制御盤として一体に構成されてもよい。空気調和装置10、空間浄化装置20、制御装置30、および操作装置40は、有線通信してもよいし、無線通信してもよい。空気調和装置10、空間浄化装置20、制御装置30、および操作装置40は、ネットワーク(図示せず)を介して通信してもよいし、ネットワークを介さずに直接通信してもよい。
【0028】
また、制御装置30は、空気調和装置10と同一の筐体内に配置され、空気調和装置10と一体に構成されてもよい。あるいは、制御装置30は、空間浄化装置20と同一の筐体内に配置され、空間浄化装置20と一体に構成されてもよい。
【0029】
また、制御装置30は、サーバであってもよい。この場合、空気調和装置10、空間浄化装置20、および操作装置40のそれぞれは無線通信機能を有し、基地局である無線局(図示せず)経由で、インターネットなどのネットワークを介して制御装置30に通信可能に接続する。空気調和装置10、空間浄化装置20、および操作装置40のそれぞれは、有線通信によりネットワークを介して制御装置30に通信可能に接続してもよい。
【0030】
制御装置30は、取得部32、第1制御部34、および第2制御部36を有する。取得部32は、操作装置40から送信された情報を取得し、取得した情報を第1制御部34および第2制御部36に供給する。操作装置40は、例えば空気調和装置10に接続されても空間浄化装置20に接続されてもよい。その場合、空気調和装置10または空間浄化装置20を経由して制御装置30は情報取得を行う。また、操作装置40と制御装置30とは必要な情報のみ直接通信を行ってもよい。
【0031】
第1制御部34は、空気調和装置10による空気の加熱または冷却を制御する。第1制御部34は、空気調和装置10による空気の温度または湿度の調節を制御するとも言える。第2制御部36は、空間浄化装置20による空間の浄化を制御する。
【0032】
空気調和装置10は、第1制御部34の制御により、暖房運転、冷房運転、または除湿運転時に、室内の温度が設定温度に近づくように空調制御を実行する。
【0033】
空気調和装置10は、第1制御部34の制御により、除湿運転時に、室内の湿度が設定湿度に近づくように空調制御を実行してもよい。この場合、操作装置40は、ユーザから設定湿度を受け付け、受け付けた設定湿度を制御装置30に供給する。
【0034】
空気調和装置10は、第1制御部34の制御により、暖房運転において、空気調和装置10の設定温度と室内の温度との温度差が大きいほど暖房能力を大きくする。暖房能力が大きいほど、空気調和装置10の単位時間当たりの供給熱量が多くなり、加熱能力が高くなる。つまり、第1制御部34は、暖房運転時に室内の温度が設定温度よりも低い場合に、設定温度から室内の温度を減じた温度差が大きくなるほど、空気調和装置10による加熱の程度を増加させる。
【0035】
空気調和装置10は、第1制御部34の制御により、冷房運転または除湿運転において、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくする。冷房能力が大きいほど、空気調和装置10の単位時間当たりの吸熱量が多くなり、冷却能力が高くなる。つまり、第1制御部34は、冷房運転時に室内の温度が設定温度よりも高い場合に、室内の温度から設定温度を減じた温度差が大きくなるほど、空気調和装置10による冷却の程度を増加させる。冷房能力は、除湿能力も兼ね、冷房能力が大きいほど、除湿能力が高くなる。
【0036】
以下、(1)暖房運転時の制御、(2)冷房運転または除湿運転時の制御、(3)空気調和装置10の停止時の制御の順に、連携制御の一例を説明する。
【0037】
(1)暖房運転時の制御
第2制御部36は、空気調和装置10が暖房運転し、かつ、空気調和装置10の設定温度と室内の温度との温度差が所定値以上の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する。例えば、第2制御部36は、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸生成量を所定の低生成量以下に設定することで、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する。次亜塩素酸生成量が所定の低生成量以下に設定されると、次亜塩素酸水生成部22は、所定の低生成量に対応する通電時間を用いて電気分解する。第2制御部36は、一定期間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻す。
【0038】
所定値と一定期間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
所定の高風量は、空間浄化送風部24にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である。例えば、所定の高風量は、空間浄化送風部24にて設定可能な送風量のうち最も大きい送風量である。
【0039】
所定の低濃度は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも低い濃度である。例えば、所定の低濃度は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な濃度のうち最も低い濃度である。つまり、所定の低生成量は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な生成量のうち最小値と最大値との中間の値よりも小さい生成量である。例えば、所定の低生成量は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な生成量のうち最も小さい生成量である。
【0040】
暖房運転の開始直後などで設定温度と室内の温度との温度差が所定値以上の場合、ある程度の期間にわたり暖房能力が高まることが想定される。この場合、上記の連携制御によって、空気の加熱により室内の乾燥が進む前に先回りして加湿効果を強化でき、暖房運転による室内の過度な乾燥を未然に防ぐことができる。よって、室内を快適な湿度に維持しやすくなる。
【0041】
また、このとき次亜塩素酸水の濃度が低下するので、加湿量が大きくなっても室内空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。よって、次亜塩素酸と室内の空気とが反応して発生するクロラミン等の臭いが強くなることを抑制でき、利用者が不快に感じる可能性を低減できる。
【0042】
第2制御部36は、空気調和装置10が暖房運転し、空気調和装置10の設定温度と室内の温度との温度差が所定値未満であり、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値未満の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する。低湿度閾値は、例えば、40%程度であってよく、35%以上45%以下の範囲内の値であってもよく、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。第2制御部36は、一定期間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻す。
【0043】
この制御により、例えば、暖房運転により室内の温度が設定温度に近づいた状態で室内が乾燥している場合、加湿効果を強化でき、室内の湿度を増加させることができる。また、次亜塩素酸水の濃度が低下するので、加湿量が大きくなっても空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。
【0044】
第2制御部36は、空気調和装置10が暖房運転し、設定温度と室内の温度との温度差が所定値未満であり、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値以上である場合、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度の現在の設定値を維持する。
【0045】
なお、第2制御部36は、送風量を所定の高風量以上に設定し、かつ、次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定した場合、空気調和装置10の設定温度と室内の温度との温度差が所定値未満になり、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値以上になると、一定期間の経過とは無関係に、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻してもよい。また、第2制御部36は、送風量を所定の高風量以上に設定し、かつ、次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定した場合、空気調和装置10の設定温度と室内の温度との温度差が所定値未満になり、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値以上になった状態で、所定の待ち時間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻してもよい。待ち時間を用いることで、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水の濃度の設定値が頻繁に切り替わるハンチングの発生を抑制できる。
【0046】
(2)冷房運転または除湿運転時の制御
第2制御部36は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、かつ、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値以上の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する。例えば、第2制御部36は、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸生成量を所定の高生成量以上に設定することで、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する。次亜塩素酸生成量が所定の高生成量以上に設定されると、次亜塩素酸水生成部22は、所定の高生成量に対応する通電時間を用いて電気分解する。所定の高生成量に対応する通電時間は、所定の低生成量に対応する通電時間より長い。第2制御部36は、一定期間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻す。
【0047】
冷房運転または除湿運転時の制御に用いられる所定値と一定期間は、暖房運転時の制御に用いられる所定値および一定期間と同じでもよいし、異なってもよい。
所定の低風量は、空間浄化送風部24にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも小さい送風量である。例えば、所定の低風量は、空間浄化送風部24にて設定可能な送風量のうち最も小さい送風量である。
【0048】
所定の高濃度は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも高い濃度である。例えば、所定の高濃度は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な濃度のうち最も高い濃度である。つまり、所定の高生成量は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な生成量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい生成量である。例えば、所定の高生成量は、次亜塩素酸水生成部22にて設定可能な生成量のうち最も大きい生成量である。
【0049】
この制御により、室内の温度が相対的に高く湿度が高い可能性のある状態で空間浄化装置20の加湿量を小さくするので、より短時間で湿度を低下させることができ、空気調和装置10が湿度を低下させるために要する消費電力を小さくできる。また、次亜塩素酸水の濃度が高くなるので、加湿量が小さくなっても空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。よって、除菌および脱臭の効果を維持できる。
【0050】
第2制御部36は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、かつ、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満の場合、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度の現在の設定値を維持する。
【0051】
第1制御部34は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、一定期間、冷房能力を上記温度差が所定値未満の際に設定される冷房能力よりも大きく設定する。つまり、第1制御部34は、上記の条件が満たされた場合、一定期間、冷房能力を上記の条件が満たされたときの設定値よりも大きく設定する。例えば、ユーザが空間浄化装置20の送風量を高風量以上に設定した場合、または、臭いセンサで検知された臭いの程度が臭い閾値を超えた場合、第2制御部36により、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量以上に設定される。第1制御部34は、一定期間が経過すると、空気調和装置10の冷房能力を元の設定値に戻す。
【0052】
この制御により、冷房運転または除湿運転により室内の温度が設定温度に近づいた状態で、空間浄化装置20による大きな加湿量により室内の湿度が高まる前に冷房能力を大きくできるので、先回りして除湿能力を大きくでき、湿度の過度な増加を未然に防ぐことができる。よって、室内を快適な湿度に維持しやすくなる。
【0053】
第1制御部34は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量未満に設定されている場合、空気調和装置10の冷房能力の現在の設定値を維持する。
【0054】
なお、第2制御部36は、送風量を所定の低風量以下に設定し、かつ、次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定した場合、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満になり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量未満に設定されていれば、一定期間の経過とは無関係に、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻してもよい。第1制御部34は、冷房能力を温度差が所定値未満の際に設定される冷房能力よりも大きく設定した場合、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量未満に設定されると、一定期間の経過とは無関係に、冷房能力を元の設定値に戻してもよい。
【0055】
また、第2制御部36は、送風量を所定の低風量以下に設定し、かつ、次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定した場合、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満になり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量未満に設定された状態で、所定の待ち時間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻してもよい。第1制御部34は、冷房能力を温度差が所定値未満の際に設定される冷房能力よりも大きく設定した場合、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量未満に設定された状態で、所定の待ち時間が経過すると、冷房能力を元の設定値に戻してもよい。待ち時間を用いることで、空間浄化送風部24の送風量、次亜塩素酸水の濃度、冷房能力の設定値が頻繁に切り替わるハンチングの発生を抑制できる。
【0056】
以上の説明では、制御装置30は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転しているとき、室内の温度をもとに制御を実行したが、室内の温度に替えて、室内の湿度をもとに制御を実行してもよい。この場合、第2制御部36は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、かつ、室内の湿度が所定の高湿度閾値以上の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定してもよい。高湿度閾値は、例えば、60%程度であってよく、55%以上65%以下の範囲内の値であってもよく、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0057】
この制御により、室内の湿度が相対的に高い状態で空間浄化装置20の加湿量を小さくするので、より短時間で湿度を低下させることができ、空気調和装置10が湿度を低下させるために要する消費電力を低減できる。また、次亜塩素酸水の濃度が高くなるので、加湿量が小さくなっても空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。
【0058】
また、第1制御部34は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、室内の湿度が所定の高湿度閾値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、一定期間、冷房能力を温度差が所定値未満の際に設定される冷房能力よりも大きく設定してもよい。
【0059】
この制御により、空間浄化装置20による大きな加湿量により室内の湿度が高まる前に冷房能力を大きくできるので、先回りして除湿能力を大きくでき、湿度の過度な増加を未然に防ぐことができる。
【0060】
あるいは、制御装置30は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転しているとき、室内の温度と湿度の両方をもとに制御してもよい。この場合、第2制御部36は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転している場合、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値以上であるか、または、室内の湿度が所定の高湿度閾値以上の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定してもよい。
【0061】
第1制御部34は、空気調和装置10が冷房運転または除湿運転し、室内の温度と空気調和装置10の設定温度との温度差が所定値未満であり、室内の湿度が高湿度閾値未満であり、かつ、空間浄化送風部24の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、一定期間、冷房能力を温度差が所定値未満の際に設定される冷房能力よりも大きく設定してもよい。
【0062】
(3)空気調和装置10の停止時の制御
空気調和装置10の停止時とは、空気調和装置10の電源がオフになっており、空気調和装置10が暖房、冷房、除湿運転のいずれも実行していない状態を表す。第2制御部36は、空気調和装置10が停止し、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値未満の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する。第2制御部36は、一定期間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻す。
【0063】
この制御により、空気調和装置10が停止している状態で室内が乾燥している場合、加湿効果を強化でき、室内の湿度を増加させることができる。また、次亜塩素酸水の濃度が低下するので、加湿量が大きくなっても空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。
【0064】
第2制御部36は、空気調和装置10が停止し、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値以上の場合、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度の現在の設定値を維持する。
【0065】
また、第2制御部36は、空気調和装置10が停止し、かつ、室内の湿度が所定の高湿度閾値以上の場合、一定期間、空間浄化送風部24の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定してもよい。第2制御部36は、一定期間が経過すると、空間浄化送風部24の送風量および次亜塩素酸水生成部22により生成される次亜塩素酸水の濃度を元の設定値に戻す。
【0066】
この制御により、空気調和装置10が停止している状態で室内の湿度が相対的に高い状態である場合、加湿を抑制でき、室内の湿度増加を抑制できる。また、次亜塩素酸水の濃度が上昇するので、加湿量が小さくなっても空間に放出される次亜塩素酸の量を概ね適正に保つことができる。
【0067】
第2制御部36は、空気調和装置10が停止し、かつ、室内の湿度が所定の低湿度閾値以上、所定の高湿度閾値未満の場合、空間浄化送風部24の送風量および生成される次亜塩素酸水の濃度の現在の設定値を維持する。
【0068】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0069】
図2は、機器制御システム100の制御手順を示すフローチャートである。図3は、図2に続くフローチャートである。図2図3は、主に連携制御に関する処理を示す。図2図3の処理は、定期的に実行される。
【0070】
空気調和装置10が冷房運転または除湿運転している場合(S10のY)、「室温-設定温度」が所定値以上であれば(S12のY)、制御装置30は、空間浄化装置20の送風量を低風量以下に設定し、次亜塩素酸水の濃度を高濃度以上に設定し(S14)、処理を終了する。
【0071】
S12にて「室温-設定温度」が所定値以上でない場合(S12のN)、空間浄化装置20の送風量が高風量以上であれば(S16のY)、制御装置30は、空気調和装置10の冷房能力を増加させ(S18)、処理を終了する。S16にて空間浄化装置20の送風量が高風量以上でない場合(S16のN)、処理を終了する。
【0072】
S10にて空気調和装置10が冷房運転または除湿運転していない場合(S10のN)、処理は図3のS30に移る。
【0073】
図3のS30にて空気調和装置10が暖房運転している場合(S30のY)、「設定温度-室温」が所定値以上であれば(S32のY)、制御装置30は、空間浄化装置20の送風量を高風量以上に設定し、次亜塩素酸水の濃度を低濃度以下に設定し(S34)、処理を終了する。
【0074】
S30にて空気調和装置10が暖房運転していない場合(S30のN)、室内の湿度が低湿度閾値より小さければ(S36のY)、処理はS34に移る。S36にて室内の湿度が低湿度閾値より小さくない場合(S36のN)、処理を終了する。S32にて「設定温度-室温」が所定値以上でない場合(S32のN)、S36の処理に移る。
【0075】
本実施の形態によれば、制御装置30が空気調和装置10と空間浄化装置20との連携制御を行うことで、所定空間の温度を制御しながら、所定空間の湿度をより適切に制御でき、適切に空間の除菌と脱臭等を行うこともできる。
【0076】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0077】
例えば、制御装置30は、制御装置30の一部の機能を実行する第1制御装置、別の一部の機能を実行する第2制御装置、残りの機能を実行する第3制御装置に分かれて構成されてもよい。この場合、第1制御装置が空気調和装置10と同一の筐体内に配置され、第2制御装置が空間浄化装置20と同一の筐体内に配置され、第3制御装置が中央制御装置、制御盤、またはサーバとして構成されてもよい。
【0078】
また、制御装置30は、制御装置30の一部の機能を実行する第1制御装置、および、残りの機能を実行する第2制御装置に分かれて構成されてもよく、第1制御装置が空気調和装置10と同一の筐体内に配置され、第2制御装置が空間浄化装置20と同一の筐体内に配置されてもよい。
【0079】
本開示の一態様は、次の通りである。
【0080】
[項目1]
次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、室内の空気を取り込み当該取り込んだ空気に前記次亜塩素酸水生成部により生成された前記次亜塩素酸水を含ませることで加湿を伴って前記室内に前記次亜塩素酸水を含んだ空気を送風する空間浄化送風部と、を有する空間浄化装置と、
前記室内の空調を行う空気調和装置と、
前記空間浄化装置と前記空気調和装置との連携制御を行う制御装置と、
を備える機器制御システム。
【0081】
[項目2]
前記空気調和装置は、
暖房運転において、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が大きいほど暖房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が暖房運転し、かつ、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が所定値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する項目1に記載の機器制御システム。
【0082】
[項目3]
前記空気調和装置は、
暖房運転において、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が大きいほど暖房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が暖房運転し、前記空気調和装置の設定温度と前記室内の温度との温度差が所定値未満であり、かつ、前記室内の湿度が所定の低湿度閾値未満の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の高風量以上に設定することで加湿量を大きくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の低濃度以下に設定する項目1または2に記載の機器制御システム。
【0083】
[項目4]
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である項目2または3に記載の機器制御システム。
【0084】
[項目5]
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も大きい送風量である項目4に記載の機器制御システム。
【0085】
[項目6]
前記所定の低濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも低い濃度である項目2から5のいずれかに記載の機器制御システム。
【0086】
[項目7]
前記所定の低濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最も低い濃度である項目6に記載の機器制御システム。
【0087】
[項目8]
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、かつ、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が所定値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する項目1から7のいずれかに記載の機器制御システム。
【0088】
[項目9]
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、かつ、前記室内の湿度が所定の高湿度閾値以上の場合、前記空間浄化送風部の送風量を所定の低風量以下に設定することで加湿量を小さくし、かつ、前記次亜塩素酸水生成部により生成される前記次亜塩素酸水の濃度を所定の高濃度以上に設定する項目1から8のいずれかに記載の機器制御システム。
【0089】
[項目10]
前記所定の低風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも小さい送風量である項目8または9に記載の機器制御システム。
【0090】
[項目11]
前記所定の低風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も小さい送風量である項目10に記載の機器制御システム。
【0091】
[項目12]
前記所定の高濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最小値と最大値との中間の値よりも高い濃度である項目8から11のいずれかに記載の機器制御システム。
【0092】
[項目13]
前記所定の高濃度は、
前記次亜塩素酸水生成部にて設定可能な濃度のうち最も高い濃度である項目12に記載の機器制御システム。
【0093】
[項目14]
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が所定値未満であり、かつ、前記空間浄化送風部の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、前記冷房能力を前記温度差が前記所定値未満の際に設定される前記冷房能力よりも大きく設定する項目1から13のいずれかに記載の機器制御システム。
【0094】
[項目15]
前記空気調和装置は、
冷房運転または除湿運転において、前記室内の温度と前記空気調和装置の設定温度との温度差が大きいほど冷房能力を大きくし、
前記制御装置は、
前記空気調和装置が冷房運転または除湿運転し、前記室内の湿度が所定の高湿度閾値未満であり、かつ、前記空間浄化送風部の風量設定が所定の高風量以上に設定されることで加湿量が大きい場合、前記冷房能力を前記温度差が所定値未満の際に設定される前記冷房能力よりも大きく設定する項目1から14のいずれかに記載の機器制御システム。
【0095】
[項目16]
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最小値と最大値との中間の値よりも大きい送風量である項目14または15に記載の機器制御システム。
【0096】
[項目17]
前記所定の高風量は、
前記空間浄化送風部にて設定可能な送風量のうち最も大きい送風量である項目16に記載の機器制御システム。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示に係る機器制御システムは、対象空間の空気の空調を行うとともに、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去(不活性化を含む)を実行するシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0098】
10 空気調和装置、 20 空間浄化装置、 22 次亜塩素酸水生成部、 24 空間浄化送風部、 30 制御装置、 32 取得部、 34 第1制御部、 36 第2制御部、 40 操作装置、 100 機器制御システム。
図1
図2
図3