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特開2024-121840空調システム、空調システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121840
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】空調システム、空調システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/49 20180101AFI20240902BHJP
   F24F 11/38 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20240902BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/38
F24F11/54
F24F11/64
F24F3/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029029
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】森寺 峻義
(72)【発明者】
【氏名】小原 大治
(72)【発明者】
【氏名】松浦 孝幸
【テーマコード(参考)】
3L053
3L260
【Fターム(参考)】
3L053BB01
3L053BB02
3L053BB04
3L260AB07
3L260BA37
3L260CA32
3L260CB78
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】全館空調システムの性能劣化を検出する技術を提供する。
【解決手段】試運転劣化度算出部434は、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出する。実運転劣化度算出部436は、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出する。劣化判定部438は、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムであって、
施工完了の際に前記複数の前記被制御機器の試運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の消費電力である試運転電力と、前記試運転中の屋外の温度と、前記試運転中の前記屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、前記試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出する試運転劣化度算出部と、
前記試運転後において前記複数の前記被制御機器の実運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の消費電力である実運転電力と、前記実運転中の前記屋外の温度と、前記実運転中の前記屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、前記実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出する実運転劣化度算出部と、
前記試運転劣化度と前記実運転劣化度とをもとに、前記複数の前記被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定する劣化判定部と、
を備える空調システム。
【請求項2】
前記試運転電力は、
前記試運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の平均消費電力であり、
前記実運転電力は、
前記実運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の平均消費電力である請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記試運転劣化度算出部は、
前記試運転を実行した場合の前記平均消費電力を、前記試運転中の前記屋外の温度と前記試運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで前記試運転劣化度を算出し、
前記実運転劣化度算出部は、
前記実運転を実行した場合の前記平均消費電力を、前記実運転中の前記屋外の温度と前記実運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで前記実運転劣化度を算出する請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記試運転中の前記屋外の温度は、前記試運転中の前記屋外の平均温度であり、
前記実運転中の前記屋外の温度は、前記実運転中の前記屋外の平均温度である請求項3に記載の空調システム。
【請求項5】
前記劣化判定部は、前記実運転劣化度と前記試運転劣化度との差、または前記実運転劣化度と前記試運転劣化度との比をもとに、性能劣化したか否かを判定する請求項1に記載の空調システム。
【請求項6】
前記複数の前記被制御機器は、
空調室の空気の温度を調節する空調装置と、
前記空調室の空気を複数の空間のそれぞれにダクトを介して搬送する搬送ユニットとを含み、
前記劣化判定部は、前記試運転劣化度と前記実運転劣化度とをもとに、前記性能劣化または前記ダクトの劣化が発生したか否かを判定する請求項1に記載の空調システム。
【請求項7】
前記実運転劣化度算出部は、前記実運転劣化度の算出を定期的に実行し、
前記劣化判定部は、判定を定期的に実行する請求項1に記載の空調システム。
【請求項8】
前記複数の前記被制御機器を制御する空調コントローラを備え、
前記空調コントローラは、
前記試運転劣化度算出部、前記実運転劣化度算出部、および前記劣化判定部を備える請求項1に記載の空調システム。
【請求項9】
前記空調コントローラは、前記屋内に設けられ、
前記空調コントローラは、
前記劣化判定部が前記性能劣化を判定した場合に、前記性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部と、
前記劣化判定部が前記性能劣化を判定した場合に、保守業者にメンテナンス依頼を行うための連絡方法を通知する連絡方法通知部とをさらに備える請求項8に記載の空調システム。
【請求項10】
前記空調コントローラは、前記屋内に設けられ、
前記空調コントローラは、
前記劣化判定部が前記性能劣化を判定した場合に、前記性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部と、
前記ユーザからの前記性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつけるメンテナンス依頼受付部と、
前記メンテナンス依頼受付部が前記メンテナンス依頼を受けつけた場合に、保守業者にメンテナンス依頼を通知するメンテナンス通知部とをさらに備える請求項8に記載の空調システム。
【請求項11】
前記屋内とは異なる場所に設けられるサーバと、
前記屋内に設けられ、広域ネットワークを介した前記サーバからの制御内容を前記複数の前記被制御機器に送信する空調コントローラとを備え、
前記サーバは、
前記試運転劣化度算出部、前記実運転劣化度算出部、および前記劣化判定部を備える請求項1に記載の空調システム。
【請求項12】
前記屋内とは異なる場所に設けられるサーバと、
前記屋内に設けられ、広域ネットワークを介した前記サーバからの制御内容を前記複数の前記被制御機器に送信する空調コントローラとを備え、
前記空調コントローラは、
前記試運転劣化度算出部および前記実運転劣化度算出部を備え、
前記サーバは、
前記劣化判定部を備える、請求項1に記載の空調システム。
【請求項13】
前記空調コントローラは、
前記劣化判定部が前記性能劣化を判定した場合に、前記性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部と、
前記ユーザからの前記性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつけるメンテナンス依頼受付部とを備え、
前記空調コントローラまたは前記サーバは、
前記メンテナンス依頼受付部が前記メンテナンス依頼を受けつけた場合に、保守業者にメンテナンス依頼を通知するメンテナンス通知部を備える請求項11または12に記載の空調システム。
【請求項14】
屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムの制御方法であって、
施工完了の際に前記複数の前記被制御機器の試運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の消費電力である試運転電力を取得するステップと、
前記試運転中の屋外の温度を取得するステップと、
前記試運転電力と、前記試運転中の屋外の温度と、前記試運転中の前記屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、前記試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出するステップと、
前記試運転後において前記複数の前記被制御機器の実運転を実行した場合の前記複数の前記被制御機器の消費電力である実運転電力を取得するステップと、
前記実運転中の前記屋外の温度を取得するステップと、
前記実運転電力と、前記実運転中の前記屋外の温度と、前記実運転中の前記屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、前記実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出するステップと、
前記試運転劣化度と前記実運転劣化度とをもとに、前記複数の前記被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定するステップと、
を備える空調システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調技術に関し、特に複数の居室の空調を制御する空調システム、空調システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全館空調システムは、複数個の居室を備えた高断熱かつ高気密家屋において、独立して設けられた少なくとも1つの空調室の空調を制御し、その空調室と搬送ダクトで連結する各居室に空調室内の空気を分配給する(例えば、特許文献1参照)。この全館空調システムでは、空調コントローラでの制御により空調室内の空気が各居室へ個別的に分配給される。また、空調コントローラは、居室と温度センサとダンパとの組合せを設定する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第21/060066号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全館空調システムでは、空調装置、搬送ファン、ダクト、ダンパなどの様々なコンポーネントが連動することによって、住宅全体が空調される。どのコンポーネントが欠けても、住宅全体が正しく空調できなくなるので、全館空調システムの性能劣化を検出することが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、全館空調システムの性能劣化を検出する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の空調システムは、屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムであって、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出する試運転劣化度算出部と、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出する実運転劣化度算出部と、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定する劣化判定部と、を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、空調システムの制御方法である。この方法は、屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムの制御方法であって、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力を取得するステップと、試運転中の屋外の温度を取得するステップと、試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出するステップと、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力を取得するステップと、実運転中の屋外の温度を取得するステップと、実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出するステップと、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定するステップと、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、全館空調システムの性能劣化を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例に係る住宅の構成を示す図である。
図2図1の住宅の構成を示す断面図である。
図3図1の全館空調ユニットの構成を示す図である。
図4図1の空調コントローラの構成を示す図である。
図5図4の制御部の構成を示す図である。
図6図4の制御部によるしきい値の決定手順を示すフローチャートである。
図7図4の制御部による性能劣化の判定手順を示すフローチャートである。
図8図4の空調コントローラとサーバとの接続を示す図である。
図9図4の制御部の別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、住宅等の施設に設けられ、施設に対する全館空調を実行する全館空調システムに関する。一例として、施設は、複数の住宅が集合した集合住宅、例えばマンションであるとし、全館空調システムは、1つの住宅に対する全館空調を実行する。前述のごとく、住宅に設置された全館空調システムは、空調装置、搬送ファン、ダクト、ダンパ等を含む。これらのうちのいずれかが性能劣化すると、住宅全体が正しく空調されなくなる。そのため、全館空調システムの性能劣化を検出し、定期メンテナンスサービスを提供し、手軽な手段で長く安心して使ってもらうことが求められる。
【0012】
本実施例は、施工時に試運転を実行し、そのときの屋外温度とシステム全体の消費電力から、試運転時の劣化度(以下、「試運転劣化度」という)を算出する。試運転劣化度は最も小さい劣化度である。また、試運転劣化度をもとにしきい値が決定される。また、本実施例は、日々の実運転を実行する場合に、そのときの屋外温度とシステム全体の消費電力から、実運転時の劣化度(以下、「実運転劣化度」という)を適宜算出する。実運転を繰り返すことにより、実運転劣化度は上昇する。実運転劣化度がしきい値よりも大きくなった場合に、ユーザに対してメンテナンス通知がなされる。
【0013】
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、並びに、ステップ(工程)およびステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。以下では、(1)全館空調システムの基本構成、(2)全館空調システムの劣化判定(第1例)、(3)全館空調システムの劣化判定(第2例)、(4)変形例の順に説明する。
【0014】
(1)全館空調システムの基本構成
図1は、住宅500の構成を示す。住宅500は、マンション等の集合住宅における一世帯の住居である。ここでは、一例として、図1の上側を北側とし、下側を南側とし、左側を西側とし、右側を東側とする。住宅500には、居室10と総称される第1居室10aから第5居室10e、玄関12、廊下14、空調室18、トイレ20、浴室22が含まれる。第1居室10a、第4居室10d、第5居室10eは洋室であり、第2居室10bはリビングであり、第3居室10cはキッチンである。また、玄関12と廊下14の少なくとも1つは共有空間16と呼ばれてもよい。
【0015】
住宅500に設置される全館空調システムは、外気導入口100、外気導入ダクト102、熱交換器装置104、排気ダクト106、排気口108、給気ダクト110、搬送ファン120と総称される第1搬送ファン120a、第2搬送ファン120b、搬送ダクト122と総称される第1搬送ダクト122a、第2搬送ダクト122b、分岐チャンバー124と総称される第1分岐チャンバー124a、第2分岐チャンバー124b、分岐搬送ダクト126と総称される第1分岐搬送ダクト126aから第8分岐搬送ダクト126h、吹出口128と総称される第1吹出口128aから第8吹出口128h、ダンパ130と総称される第1ダンパ130aから第8ダンパ130h、排気空間口150、排気空間ダクト152を含む。外気導入ダクト102、排気ダクト106、給気ダクト110、搬送ダクト122、分岐搬送ダクト126、排気空間ダクト152は、空気を運ぶ管、つまり風路である。また、全館空調システムは、全館空調ユニット300、空調コントローラ400、温度センサ402と総称される第1温度センサ402aから第6温度センサ402fを含む。
【0016】
外気導入口100は、住宅500の南側の壁面に設置される。外気導入口100から住宅500の内部に向かって延びる外気導入ダクト102は、熱交換器装置104に接続される。熱交換器装置104は、例えば、浴室22の天井裏に配置される。熱交換器装置104には、排気ダクト106も接続され、排気ダクト106は住宅500の南側の壁面に向かって延び、南側の壁面に設置された排気口108に接続される。熱交換器装置104には、給気ダクト110も接続される。
【0017】
熱交換器装置104は、熱交換形換気扇とも呼ばれる。熱交換器装置104は、外気導入口100から外気導入ダクト102を通って外気200を取り込む。外気導入口100から吸い込まれた外気200が給気に相当する。また、熱交換器装置104は、換気口114から換気RA(Return Air:還気)202を取り込む。換気RA202は、住宅500の内部から流入された空気である。熱交換器装置104は、これらの間で熱交換を行う。熱交換器装置104は、熱交換の結果、排気ダクト106を通って排気口108から排気204を排出する。また、熱交換器装置104は、熱交換された給気208を給気ダクト110経由で全館空調ユニット300に供給する。
【0018】
全館空調ユニット300は、空調室18に設置される。全館空調ユニット300には、給気ダクト110から給気208が流入されるとともに、住宅500の内部から循環RA206が流入される。循環RA206は、換気RA202と同様に、住宅500の内部から流入された空気である。全館空調ユニット300は、給気と循環RA206とを混合した空気に対して空調を実行する。例えば、全館空調ユニット300では温度、湿度等が制御される。全館空調ユニット300における第1搬送ファン120aには第1搬送ダクト122aが接続され、第2搬送ファン120bには第2搬送ダクト122bが接続される。
【0019】
第1搬送ダクト122aは、第1分岐チャンバー124aまで延びて、第1分岐チャンバー124aにおいて第1分岐搬送ダクト126aから第4分岐搬送ダクト126dに分岐される。第1分岐搬送ダクト126aは、第1居室10aに設置された第1吹出口128aに接続される。第2分岐搬送ダクト126bは、第2居室10bに設置された第2吹出口128bに接続され、第3分岐搬送ダクト126cは、第2居室10bに設置された第3吹出口128cに接続される。第4分岐搬送ダクト126dは、第3居室10cに設置された第4吹出口128dに接続される。
【0020】
第1分岐搬送ダクト126aには第1ダンパ130aが設けられ、第1ダンパ130aは第1分岐搬送ダクト126aの開閉の程度を変化させる。第2分岐搬送ダクト126bには第2ダンパ130bが設けられ、第2ダンパ130bは第2分岐搬送ダクト126bの開閉の程度を変化させる。第3分岐搬送ダクト126cには第3ダンパ130cが設けられ、第3ダンパ130cは第3分岐搬送ダクト126cの開閉の程度を変化させる。第4分岐搬送ダクト126dには第4ダンパ130dが設けられ、第4ダンパ130dは第4分岐搬送ダクト126dの開閉の程度を変化させる。
【0021】
第2搬送ダクト122bは、第2分岐チャンバー124bまで延びて、第2分岐チャンバー124bにおいて第5分岐搬送ダクト126eから第8分岐搬送ダクト126hに分岐される。第5分岐搬送ダクト126eは、第4居室10dに設置された第5吹出口128eに接続される。第6分岐搬送ダクト126fは、第5居室10eに設置された第6吹出口128fに接続され、第7分岐搬送ダクト126gは、第5居室10eに設置された第7吹出口128gに接続される。第8分岐搬送ダクト126hは、廊下14に設置された第8吹出口128hに接続される。
【0022】
第5分岐搬送ダクト126eには第5ダンパ130eが設けられ、第5ダンパ130eは第5分岐搬送ダクト126eの開閉の程度を変化させる。第6分岐搬送ダクト126fには第6ダンパ130fが設けられ、第6ダンパ130fは第6分岐搬送ダクト126fの開閉の程度を変化させる。第7分岐搬送ダクト126gには第7ダンパ130gが設けられ、第7ダンパ130gは第7分岐搬送ダクト126gの開閉の程度を変化させる。第8分岐搬送ダクト126hには第8ダンパ130hが設けられ、第8ダンパ130hは第8分岐搬送ダクト126hの開閉の程度を変化させる。
【0023】
第1搬送ファン120aは、空調された空気を第1搬送ダクト122a、第1分岐チャンバー124a、第1分岐搬送ダクト126aから第4分岐搬送ダクト126d、第1吹出口128aから第4吹出口128d経由で第1居室10aから第3居室10cに搬送する。第2搬送ファン120bは、空調された空気を第2搬送ダクト122b、第2分岐チャンバー124b、第5分岐搬送ダクト126eから第8分岐搬送ダクト126h、第5吹出口128eから第8吹出口128h経由で第4居室10d、第5居室10e、廊下14に搬送する。
【0024】
その際、第1ダンパ130aにより第1分岐搬送ダクト126aの開閉の程度が変えられることによって、第1分岐搬送ダクト126aにおいて搬送させる空気の風量が変化し、第1吹出口128aから吹き出される空気の風量も変化する。他の分岐搬送ダクト126、吹出口128、ダンパ130についても同様である。
【0025】
図2は、住宅500の構成を示す断面図である。ここでは、住宅500における空気の流れを明瞭に説明するために、図1とは方向が一致していない。住宅500の壁面には、外気導入口100と排気口108が設置される。外気導入口100と排気口108に接続される外気導入ダクト102、排気ダクト106、熱交換器装置104、給気ダクト110は天井裏40に配置される。空調室18の天井には給気口140が設置され、給気口140には給気ダクト110が接続される。給気口140は、給気ダクト110を介して熱交換器装置104からの給気208を空調室18に吹き出す。
【0026】
空調室18には全館空調ユニット300が設置される。全館空調ユニット300に接続された第1搬送ダクト122aは、空調室18から天井裏40まで延びる。天井裏40において、第1搬送ダクト122a、第1分岐チャンバー124a、第3分岐搬送ダクト126cが順に接続される。第3分岐搬送ダクト126cは第3吹出口128cに接続される。第3吹出口128cは、複数の居室10のうちの第2居室10bの側壁50の面に設置される。第3吹出口128cは、第2居室10bに隣接する廊下14の天井裏40に配置された分岐搬送ダクト126、搬送ダクト122を介して全館空調ユニット300に接続される。第3吹出口128cは、全館空調ユニット300から送風された空気を第2居室10bに吐出する。特に、第3吹出口128cは、第2居室10bの天井34の近傍にて、床面36に対して水平方向に空気を吐出する。天井34の近傍とは、床面36よりも天井34に近いという意味であってもよい。また、水平方向は、完全な水平方向に限定されず、完全な水平方向から空気が拡散される範囲での広がりの方向を含んでもよい。
【0027】
前述のごとく、第3分岐搬送ダクト126cには第3ダンパ130cが設けられ、第3ダンパ130cが第3分岐搬送ダクト126cの開閉の程度を変えることによって、第3吹出口128cから吐出される空気の風量が変化する。他の搬送ダクト122、分岐チャンバー124、分岐搬送ダクト126、吹出口128、ダンパ130についても同様に配置される。
【0028】
第2居室10bにおいて、第3吹出口128cと同一の側壁50の面には、扉30が設けられる。また、扉30の下方には通気口52が設けられ、通気口52を介して第2居室10bと廊下14が接続される。第3吹出口128cから空気が吹き出されることによって、第2居室10bにもともと存在した空気は、通気口52を通過して廊下14にも循環する。循環する空気の一部は循環RA206として空調室18に流入される。空調室18内では、循環RA206と給気208とが混合された空気が全館空調ユニット300に取り込まれる。また、循環する空気の別の一部は換気RA202として換気口114から熱交換器装置104に取り込まれる。他の吹出口128から吹き出される空気についても同様である。
【0029】
図3は、全館空調ユニット300の構成を示し、特に全館空調ユニット300の側面方向からの断面図である。全館空調ユニット300は、空調装置302、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ304、送風装置306を含む。全館空調ユニット300の上段から順に空調装置302、HEPAフィルタ304、送風装置306が配置される。送風装置306は、第1搬送ファン120a、第2搬送ファン120bを含む。
【0030】
空調装置302は、エアコンディショナであり、全館空調ユニット300内部の空調を制御する。空調装置302は、全館空調ユニット300内部の空気の温度が設定された温度(以下、「目標温度」という)となるように、空調室18に流入した空気、つまり循環RA206と給気208とが混合された空気を加熱または冷却する。循環RA206は、共有空間16を介して吸気した空気である。目標温度は、空調コントローラ400により設定される。
【0031】
HEPAフィルタ304は、エアフィルタであり、空調装置302において空調がなされた空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。送風装置306は、空調装置302で空調され、かつHEPAフィルタ304において清浄された空気を搬送ダクト122、分岐チャンバー124、分岐搬送ダクト126経由で吹出口128に搬送する。送風装置306は、空調装置302とは独立して制御可能であり、例えば空調コントローラ400により設定される。図1に戻る。
【0032】
温度センサ402は、各空間に設置される。例えば、第1温度センサ402aは第1居室10aに設置され、第2温度センサ402bは第2居室10bに設置され、第3温度センサ402cは第3居室10cに設置される。また、第4温度センサ402dは第4居室10dに設置され、第5温度センサ402eは第5居室10eに設置され、第6温度センサ402fは共有空間16に設置される。第1温度センサ402aは第1居室10aの温度を検知する。他の温度センサ402も同様である。温度センサ402は、通信機能を有し、検知した温度を空調コントローラ400に送信する。
【0033】
空調コントローラ400は、全館空調システム全体を制御するコントローラである。空調コントローラ400は、空調装置302、送風装置306、温度センサ402と、無線通信または有線通信により通信可能に接続される。空調コントローラ400は、温度センサ402から温度を受信する。
【0034】
また、空調コントローラ400は、全館空調システムを構築するために必要な情報の入力を受けつけるためのインターフェースを備える。例えば、空調コントローラ400は、全館空調システムにおいて設定すべき温度(以下、「目標温度」という)を受けつける。空調コントローラ400は、各温度センサ402から受信した温度と、目標温度とをもとに、全館空調ユニット300に対する温度・湿度制御を実行する。空調コントローラ400は、温度・湿度制御の結果を空調装置302と送風装置306に送信する。
【0035】
空調コントローラ400におけるインターフェース機能は、空調コントローラ400とは別の通信装置であって、かつ空調コントローラ400と通信可能な通信装置に備えられてもよい。通信装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末(以下、「端末」という)である。
【0036】
トイレ20の天井には排気空間口150が設置されており、排気空間口150には排気空間ダクト152が接続され、排気空間ダクト152は熱交換器装置104に接続される。このような接続により、トイレ20の空気は、排気空間口150、排気ダクト106を通って排気口108から建物外に排出される。
【0037】
ここで、空調室18の空気を搬送する「搬送ファン120」と、複数の居室10または共有空間16(以下、「空間」と総称する)のそれぞれに対応づけられ、かつ搬送ファン120により搬送された空気が各空間に吹き出される量を変える複数の「ダンパ130」は、「搬送ユニット」とまとめられてもよい。また、空調室18の空気の温度を調節する「空調装置302」と、空調室18の空気を複数の空間のそれぞれにダクトを介して搬送する「搬送ユニット」と、複数の空間のそれぞれに対応づけられ、かつ複数の空間のそれぞれの温度を測定する複数の「温度センサ402」は、「被制御機器」としてまとめられてもよい。
【0038】
図4は、空調コントローラ400の構成を示す。空調コントローラ400は、操作部410、制御部412、記憶部414、表示部416、無線通信部420、有線通信部422を含む。無線通信部420は、無線LAN(Local Area Network)等に対応した無線通信を実行し、空調装置302、端末600と通信可能である。有線通信部422は、有線通信を実行し、搬送ファン120、ダンパ130、空調コントローラ400と通信可能である。無線通信部420と有線通信部422の通信対象は図4に限定されない。例えば、無線通信部420は温度センサ402と通信してもよい。無線通信部420と有線通信部422は制御部412に接続される。制御部412は、無線通信部420を介して空調装置302、端末600と通信可能であり、有線通信部422を介して搬送ファン120、ダンパ130、温度センサ402と通信可能である。
【0039】
操作部410は、前述のインターフェースであり、ユーザ等からの操作、例えば目標温度の設定操作を受けつける。操作部410は、受けつけた操作に応じた信号を制御部412に出力する。ユーザ等からの操作を端末600が受けつけた場合、端末600は、受けつけた操作に応じた信号を無線通信部420に送信し、無線通信部420は当該信号を制御部412に出力してもよい。
【0040】
制御部412は、有線通信部422を介して温度センサ402から受けつけた居室10または共有空間16の温度と、目標温度とをもとに、全館空調ユニット300の空調装置302と送風装置306、ダンパ130とに対する温度・湿度制御を実行する。つまり、制御部412は、居室10または共有空間16の温度をフィードバックしながら、空気調和のために施工された複数の被制御機器を制御する。制御部412における温度・湿度制御には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。その際、制御部412は、記憶部414に記憶されたテーブルを使用してもよい。表示部416は、制御部412において生成された画面、メッセージを表示する。
【0041】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0042】
(2)全館空調システムの劣化判定(第1例)
図5は、制御部412の構成を示す。制御部412は、消費電力取得部430、屋外温度取得部432、試運転劣化度算出部434、実運転劣化度算出部436、劣化判定部438、ユーザ通知部440、連絡方法通知部442を含む。ここでは、これらを(2-1)試運転時の処理、(2-2)しきい値の算出、(2-3)実運転時の処理、(2-4)判定、(2-5)通知の順に説明する。
【0043】
(2-1)試運転時の処理
全館空調システムの施工がなされた後、試運転として、全館空調システムの空運転が1日間なされる。その際、空調コントローラ400では、時期と地域によって冷暖を決める運転である自動定常が設定される。例えば12月の北海道であれば暖房、7月の東京であれば冷房等である。つまり、相対的に屋外の気温が高い場合は冷房、相対的に屋外の気温が低い場合は暖房が設定される。また、空調コントローラ400の制御部412は、冷房であれば設定できる最低温度、暖房であれば設定できる最高温度を目標温度として1日空運転を実行する。なお、空調コントローラ400の制御部412は、冷房であれば設定できる最低温度、暖房であれば設定できる最高温度を目標温度とすることが望ましいが、以下であってもよい。例えば、空調コントローラ400の制御部412は、冷房において屋外の温度と目標温度との差が一定温度以上となるように目標温度を設定する。同様に、空調コントローラ400の制御部412は、暖房において目標温度と屋外の温度との差が一定温度以上となるように目標温度を設定する。
【0044】
消費電力取得部430は、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力を取得する。ここで、試運転電力は、試運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力である。複数の被制御機器は、空調装置302、搬送ファン120、ダンパ130を含む。空調装置302、搬送ファン120、ダンパ130のそれぞれに対する試運転電力は、例えば、以下のように取得される。
【0045】
空調装置302の消費電力は、空調装置302において公知の技術により定期的に計測され、空調装置302から空調コントローラ400に定期的に送信される。消費電力取得部430は、無線通信部420を介して空調装置302からの消費電力を定期的に取得してから、試運転中の消費電力を平均することによって、空調装置302の試運転電力を取得する。なお、空調装置302と接続された電力計を備え、電力計により計測された消費電力を空調装置302の消費電力としてもよい。消費電力取得部430は、電力計を介して空調装置302からの消費電力を定期的に取得してから、試運転中の消費電力を平均することによって、空調装置302の試運転電力を取得する。
【0046】
搬送ファン120のモータ回転数は、搬送ファン120において公知の技術により定期的に計測され、搬送ファン120から空調コントローラ400に送信される。消費電力取得部430は、有線通信部422を介して搬送ファン120からのモータ回転数を定期的に取得する。また、記憶部414には、モータ回転数に対応した平均電力が予め記憶される。消費電力取得部430は、搬送ファン120の試運転電力を次のように取得する。
搬送ファン120の試運転電力=試運転中のモータ回転数の平均×試運転中のモータ回転数の最大値に対応した平均電力÷試運転中のモータ回転数の最大値 式(1)
【0047】
なお、消費電力取得部430は、搬送ファン120の試運転電力を次のように取得してもよい。記憶部414には、モータ回転数に対応した電力が予め記憶される。消費電力取得部430は、有線通信部422を介して搬送ファン120からのモータ回転数を定期的に取得し、取得したモータ回転数に対応する電力を記憶部414から定期的に取得してから、試運転中の消費電力を平均することによって、空調装置302の試運転電力を取得する。
【0048】
消費電力取得部430は、試運転中のダンパ130の開度変更回数を取得する。また、記憶部414には、1回の開度変更による消費電力が予め記憶される。消費電力取得部430は、ダンパ130の試運転電力を次のように取得する。
ダンパ130の試運転電力=1回の開度変更による消費電力×開度変更回数 式(2)
また、消費電力取得部430は、ダンパ130の消費電力は小さいので、ダンパ130の試運転電力を「0」としてもよい。最終的に、消費電力取得部430は、試運転電力を次のように取得する。
試運転電力=空調装置302の試運転電力+搬送ファン120の試運転電力+ダンパ130の試運転電力 式(3)
【0049】
屋外温度取得部432は、試運転中の屋外の温度を取得する。屋外の温度は、空調装置302において公知の技術により定期的に計測され、空調装置302から空調コントローラ400に送信される。屋外温度取得部432は、無線通信部420を介して空調装置302からの屋外の温度を定期的に取得する。屋外温度取得部432は、試運転中の屋外の平均温度を算出することによって、試運転中の屋外の温度を取得する。
【0050】
なお、屋外の温度を測定する屋外温度センサを備え、屋外温度取得部432は、屋外温度センサから屋外の温度を定期的に取得してもよい。屋外温度取得部432は、試運転中の屋外の平均温度を算出することによって、試運転中の屋外の温度を取得する。
【0051】
試運転劣化度算出部434は、試運転の終了タイミングにおいて、試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、次のように、試運転の温度調節に対する劣化度(以下、「試運転劣化度」という)を算出する。
試運転劣化度=試運転電力/(abs(目標温度-試運転中の屋外の温度)) 式(4)
absはabsolute Valueの略であり絶対値のことである。つまり、試運転劣化度は、試運転電力を、試運転中の屋外の温度と試運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで算出される。試運転劣化度は、試運転において屋内の温度を屋外の温度から目標温度に1度変化させるために必要な平均電力を示しているともいえる。
【0052】
(2-2)しきい値の算出
劣化判定部438は、試運転の終了タイミングにおいて、試運転劣化度算出部434において取得した試運転劣化度をもとにしきい値を次のように算出する。
しきい値=補正係数A×試運転劣化度 式(5)
補正係数Aは1より大きい係数であり、例えば、A=1/0.8である。この場合、試運転おいて屋内の温度を目標温度に1度変化させるために必要な平均電力が25%増加(悪化)した電力がしきい値とされている。
【0053】
(2-3)実運転時の処理
全館空調システムの試運転がなされた後、全館空調システムの実運転がなされる。消費電力取得部430は、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力を取得する。ここで、実運転電力は、実運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力である。消費電力取得部430は、試運転時と同様の処理を実行することによって、所定期間中、例えば1日の実運転電力を定期的に取得する。
【0054】
屋外温度取得部432は、試運転中の屋外の温度と同様の処理を実行することによって、実運転中の屋外の温度を取得する。ここで、実運転中の屋外の温度は、実運転中の屋外の平均温度であり、所定期間、例えば1日毎に定期的に取得される。
【0055】
実運転劣化度算出部436は、実運転中の所定期間、例えば1日毎に、実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、次のように、実運転の温度調節に対する劣化度(以下、「実運転劣化度」という)を算出する。
実運転劣化度=実運転電力/(abs(目標温度-実運転中の屋外の温度)) 式(6)
つまり、実運転劣化度は、実運転電力を、実運転中の屋外の温度と実運転目標温度との差の絶対値、にて除算される。また、実運転劣化度算出部436は、実運転劣化度の算出を定期的に実行する。実運転劣化度は、実運転において屋内の温度を屋外の温度から目標温度に1度変化させるために必要な平均電力を示しているともいえる。
【0056】
(2-4)判定
劣化判定部438は、しきい値と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定する。また、劣化判定部438は、性能劣化またはダクトの劣化が発生したか否かを判定してもよい。ダクトが劣化すると、例えば、空調室18にて空調された空気のすべてが空間に搬送されずに、一部の空気がダクトから漏れ出てしまう。このような状態においては被制御機器の消費電力が上昇することが予想される。即ち、性能劣化がなくてもダクトの劣化が発生すると実運転劣化度は大きくなりえる。つまり、劣化判定部438は、しきい値と実運転劣化度とをもとに、性能劣化またはダクトの劣化が発生したか否かを判定する。
【0057】
例えば、劣化判定部438は、実運転劣化度がしきい値よりも大きくなった場合に、性能劣化したと判定する。劣化判定部438は、実運転劣化度と試運転劣化度との差、または実運転劣化度と試運転劣化度との比をもとに、性能劣化したか否かを判定してもよい。つまり、劣化判定部438は、実運転劣化度と試運転劣化度との差が所定の閾値より大きくなった場合、または実運転劣化度と試運転劣化度の比(試運転劣化度に対する実運転劣化度の比)が所定の比閾値より大きくなった場合に、性能劣化したと判定してもよい。このような判定は、定期的、例えば1日毎に実行される。
【0058】
(2-5)通知
ユーザ通知部440は、劣化判定部438が性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知する。例えば、ユーザ通知部440は、性能劣化した旨を表示部416に表示する。また、連絡方法通知部442は、劣化判定部438が性能劣化を判定した場合に、保守業者にメンテナンスを依頼するための連絡方法を通知する。例えば、連絡方法通知部442は、保守業者の電話番号を表示部416に表示する。
【0059】
以上の構成による全館空調システムの動作を説明する。図6は、制御部412によるしきい値の決定手順を示すフローチャートである。消費電力取得部430は試運転電力を取得し(S10)、屋外温度取得部432は屋外温度を取得する(S12)。試運転劣化度算出部434は、試運転目標温度を取得し(S14)、試運転劣化度を算出する(S16)。劣化判定部438はしきい値を決定する(S18)。
【0060】
図7は、制御部412による性能劣化の判定手順を示すフローチャートである。消費電力取得部430は実運転電力を取得し(S50)、屋外温度取得部432は屋外温度を取得する(S52)。実運転劣化度算出部436は、実運転目標温度を取得し(S54)、実運転劣化度を算出する(S56)。実運転劣化度がしきい値より大きければ(S58のY)、劣化判定部438は性能劣化を判定する(S60)。実運転劣化度がしきい値より大きくなければ(S58のN)、ステップ60はスキップされる。
【0061】
(3)全館空調システムの劣化判定(第2例)
図8は、空調コントローラ400とサーバ700との接続を示す。空調コントローラ400は、住宅500の屋内に設けられる。サーバ700は、例えば、保守業者や使用者に使用される装置であり、屋内とは異なる場所に設けられる。空調コントローラ400とサーバ700は、広域ネットワーク710により接続される。例えば、空調コントローラ400の無線通信部420は、住宅500内のルータ(図示せず)を介して広域ネットワーク710に接続される。空調コントローラ400は、広域ネットワーク710を介したサーバ700からの制御内容を複数の被制御機器に送信してもよい。
【0062】
図9は、制御部412の別の構成を示す。制御部412は、消費電力取得部430、屋外温度取得部432、試運転劣化度算出部434、実運転劣化度算出部436、劣化判定部438、ユーザ通知部440、メンテナンス依頼受付部444、メンテナンス通知部446を含む。この制御部412は、これまでと同様に、(2-1)試運転時の処理、(2-2)しきい値の算出、(2-3)実運転時の処理、(2-4)判定を実行する。
【0063】
ここでは、(2-5)通知の処理を説明する。ユーザ通知部440は、劣化判定部438が性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知する。例えば、ユーザ通知部440は、性能劣化したことと、保守業者にメンテナンスを依頼するか否かを選択させるための画面を表示部416に表示する。ユーザは、表示部416に表示された画面を確認し、メンテナンスを依頼することを決定した場合、操作部410を操作してメンテナンス依頼を入力する。
【0064】
メンテナンス依頼受付部444は、操作部410からのメンテナンス依頼、つまりユーザからの性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつける。メンテナンス通知部446は、メンテナンス依頼受付部444がメンテナンス依頼を受けつけた場合に、保守業者にメンテナンス依頼を通知する。具体的に説明すると、メンテナンス通知部446は、住宅500の情報が含まれたメンテナンス依頼信号を無線通信部420、ルータ、広域ネットワーク710経由でサーバ700に送信する。サーバ700は、メンテナンス依頼信号を受信すると、メンテナンス依頼信号に含まれた住宅500の情報をもとに、メンテナンス対象を特定する。これに続いて、保守業者はメンテナンスを実行する。
【0065】
なお、サーバ700は、メンテナンス依頼信号を受信すると、メンテナンス依頼信号に含まれた住宅500の情報を保守業者の端末に送信してもよい。保守業者の端末とは、保守業者が保有するパソコン、タブレット、携帯端末等である。保守業者は、端末に受信されたメンテナンス依頼信号を基にメンテナンスを実行する。
【0066】
(4)変形例
図8に示されるように、空調コントローラ400とサーバ700が広域ネットワーク710により接続される場合、空調コントローラ400とサーバ700の処理は次の通りでもよい。
(4-1)試運転劣化度算出部434、実運転劣化度算出部436、劣化判定部438が空調コントローラ400ではなく、サーバ700に備えられてもよい。
(4-2)空調コントローラ400は、試運転劣化度算出部434および実運転劣化度算出部436を備え、サーバ700は劣化判定部438を備えてもよい。
(4-3)空調コントローラ400は、ユーザ通知部440、メンテナンス依頼受付部444を備え、空調コントローラ400またはサーバ700は、メンテナンス通知部446を備えてもよい。
【0067】
本実施例によれば、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度と、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定するので、全館空調システムの性能劣化を検出できる。また、試運転劣化度を基準として全館空調システムの性能劣化を検出するので、検出精度を向上できる。また、試運転電力は、試運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力であり、実運転電力は、実運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力であるので、試運転電力と実運転電力の精度を向上できる。また、試運転を実行した場合の平均消費電力を、試運転中の屋外の温度と試運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで試運転劣化度を算出するので、温度の影響を反映できる。
【0068】
また、実運転を実行した場合の平均消費電力を、実運転中の屋外の温度と実運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで実運転劣化度を算出するので、温度の影響を反映できる。また、試運転中の屋外の温度は、試運転中の屋外の平均温度であり、実運転中の屋外の温度は、実運転中の屋外の平均温度であるので、試運転中の屋外の温度と実運転中の屋外の温度の精度を向上できる。
【0069】
また、実運転劣化度と試運転劣化度との差、または実運転劣化度と試運転劣化度との比をもとに、性能劣化したか否かを判定するので、判定精度を向上できる。また、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、性能劣化またはダクトの劣化が発生したか否かを判定するので、ダクトの劣化の発生も検出できる。また、実運転劣化度の算出と判定を定期的に実行するので、劣化の発生を早期に検出できる。
【0070】
また、空調コントローラ400が、試運転劣化度算出部434、実運転劣化度算出部436、および劣化判定部438を備えるので、屋内で劣化を判定できる。また、性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知し、保守業者にメンテナンス依頼を行うための連絡方法を通知するので、住宅500のメンテナンスを簡易に実行できる。また、性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知し、ユーザからの性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつけ、保守業者にメンテナンス依頼を通知するので、住宅500のメンテナンスを簡易に実行できる。
【0071】
また、サーバ700が試運転劣化度算出部434、実運転劣化度算出部436、および劣化判定部438を備えるので、空調コントローラ400の構成を簡易にできる。また、空調コントローラ400が試運転劣化度算出部434および実運転劣化度算出部436を備え、サーバ700が劣化判定部438を備えるので、空調コントローラ400とサーバ700とで機能を分担できる。また、空調コントローラ400は、ユーザ通知部440とメンテナンス依頼受付部444とを備え、空調コントローラ400またはサーバ700がメンテナンス通知部446を備えるので、構成の自由度を向上できる。
【0072】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の空調システムは、屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムであって、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出する試運転劣化度算出部(434)と、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出する実運転劣化度算出部(436)と、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定する劣化判定部(438)と、を備える。
【0073】
試運転電力は、試運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力であり、実運転電力は、実運転を実行した場合の複数の被制御機器の平均消費電力であってもよい。
【0074】
試運転劣化度算出部(434)は、試運転を実行した場合の平均消費電力を、試運転中の屋外の温度と試運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで試運転劣化度を算出し、実運転劣化度算出部(436)は、実運転を実行した場合の平均消費電力を、実運転中の屋外の温度と実運転目標温度との差の絶対値、にて除算することで実運転劣化度を算出してもよい。
【0075】
試運転中の屋外の温度は、試運転中の屋外の平均温度であり、実運転中の屋外の温度は、実運転中の屋外の平均温度であってもよい。
【0076】
劣化判定部(438)は、実運転劣化度と試運転劣化度との差、または実運転劣化度と試運転劣化度との比をもとに、性能劣化したか否かを判定してもよい。
【0077】
複数の被制御機器は、空調室(18)の空気の温度を調節する空調装置(302)と、空調室(18)の空気を複数の空間のそれぞれにダクトを介して搬送する搬送ユニットとを含んでもよい。劣化判定部(438)は、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、性能劣化またはダクトの劣化が発生したか否かを判定してもよい。
【0078】
実運転劣化度算出部(436)は、実運転劣化度の算出を定期的に実行し、劣化判定部(438)は、判定を定期的に実行してもよい。
【0079】
複数の被制御機器を制御する空調コントローラ(400)を備えてもよい。空調コントローラ(400)は、試運転劣化度算出部(434)、実運転劣化度算出部(436)、および劣化判定部(438)を備えてもよい。
【0080】
空調コントローラ(400)は、屋内に設けられ、空調コントローラ(400)は、劣化判定部(438)が性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部(440)と、劣化判定部(438)が性能劣化を判定した場合に、保守業者にメンテナンス依頼を行うための連絡方法を通知する連絡方法通知部(442)とをさらに備えてもよい。
【0081】
空調コントローラ(400)は、屋内に設けられ、空調コントローラ(400)は、劣化判定部(438)が性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部(440)と、ユーザからの性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつけるメンテナンス依頼受付部(444)と、メンテナンス依頼受付部(444)がメンテナンス依頼を受けつけた場合に、保守業者にメンテナンス依頼を通知するメンテナンス通知部(446)とをさらに備えてもよい。
【0082】
屋内とは異なる場所に設けられるサーバ(700)と、屋内に設けられ、広域ネットワーク(710)を介したサーバ(700)からの制御内容を複数の被制御機器に送信する空調コントローラ(400)とを備えてもよい。サーバ(700)は、試運転劣化度算出部(434)、実運転劣化度算出部(436)、および劣化判定部(438)を備えてもよい。
【0083】
屋内とは異なる場所に設けられるサーバ(700)と、屋内に設けられ、広域ネットワーク(710)を介したサーバ(700)からの制御内容を複数の被制御機器に送信する空調コントローラ(400)とを備えてもよい。空調コントローラ(400)は、試運転劣化度算出部(434)および実運転劣化度算出部(436)を備えてもよい。サーバ(700)は、劣化判定部(438)を備える。
【0084】
空調コントローラ(400)は、劣化判定部(438)が性能劣化を判定した場合に、性能劣化した旨をユーザに通知するユーザ通知部(440)と、ユーザからの性能劣化に対応するメンテナンス依頼を受けつけるメンテナンス依頼受付部(444)とを備えてもよい。空調コントローラ(400)またはサーバ(700)は、メンテナンス依頼受付部(444)がメンテナンス依頼を受けつけた場合に、保守業者にメンテナンス依頼を通知するメンテナンス通知部(446)を備えてもよい。
【0085】
本開示の別の態様は、空調システムの制御方法である。この方法は、屋内の温度調節を実行する複数の被制御機器を制御する空調システムの制御方法であって、施工完了の際に複数の被制御機器の試運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である試運転電力を取得するステップと、試運転中の屋外の温度を取得するステップと、試運転電力と、試運転中の屋外の温度と、試運転中の屋内の目標温度である試運転目標温度とをもとに、試運転の温度調節に対する劣化度である試運転劣化度を算出するステップと、試運転後において複数の被制御機器の実運転を実行した場合の複数の被制御機器の消費電力である実運転電力を取得するステップと、実運転中の屋外の温度を取得するステップと、実運転電力と、実運転中の屋外の温度と、実運転中の屋内の目標温度である実運転目標温度とをもとに、実運転の温度調節に対する劣化度である実運転劣化度を算出するステップと、試運転劣化度と実運転劣化度とをもとに、複数の被制御機器の少なくとも1つが性能劣化したか否かを判定するステップと、を備える。
【0086】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0087】
本実施例における全館空調ユニットは、集合住宅における各住宅500に設置される。しかしながらこれに限らず例えば、全館空調ユニットは、一戸建て住宅に設置されてもよい。本変形例によれば、本実施例の適用範囲を拡大できる。
【0088】
また、試運転および実運転において消費電力を取得する所定期間は、1日(24時間)ではなく1日のなかの所定の期間でもよい。この場合、太陽光がない夜間における所定の期間であることが望ましい(例えば0時~4時の期間、20時~24時の期間等)。ここで、天気によって日中における太陽からの日射量は変化する。太陽からは熱が放出されており、太陽から放出される熱は輻射熱と呼ばれる。太陽からの日射量が変化すると、輻射熱の熱量も変化する。輻射熱は、屋内を暖める可能性があるため、日中における太陽からの日射量が異なることは被制御機器の消費電力に影響を与える。つまり、試運転および実運転において消費電力を取得する所定期間を、太陽光が存在しえる時間に設定すると、太陽からの輻射熱量の差によっては性能劣化が起きていないにも関わらず消費電力が変化してしまう可能性がある。即ち、夜間における所定の期間にすることで太陽からの輻射熱の影響によって性能劣化が起きていないにも関わらずに消費電力が変化してしまう可能性を低減できる。これにより、判定精度を向上できる。
【符号の説明】
【0089】
10 居室、 12 玄関、 14 廊下、 16 共有空間、 18 空調室、 20 トイレ、 22 浴室、 30 扉、 32 ガラリ、 34 天井、 36 床面、 40 天井裏、 50 側壁、 52 通気口、 100 外気導入口、 102 外気導入ダクト、 104 熱交換器装置、 106 排気ダクト、 108 排気口、 110 給気ダクト、 114 換気口、 120 搬送ファン、 122 搬送ダクト、 124 分岐チャンバー、 126 分岐搬送ダクト、 128 吹出口、 130 ダンパ、 140 給気口、 150 排気空間口、 152 排気空間ダクト、 200 外気、 202 換気RA、 204 排気、 206 循環RA、 208 給気、 300 全館空調ユニット、 302 空調装置、 304 HEPAフィルタ、 306 送風装置、 400 空調コントローラ、 402 温度センサ、 410 操作部、 412 制御部、 414 記憶部、 416 表示部、 420 無線通信部、 422 有線通信部、 430 消費電力取得部、 432 屋外温度取得部、 434 試運転劣化度算出部、 436 実運転劣化度算出部、 438 劣化判定部、 440 ユーザ通知部、 442 連絡方法通知部、 444 メンテナンス依頼受付部、 446 メンテナンス通知部、 500 住宅、 600 端末、 700 サーバ、 710 広域ネットワーク。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9