IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開-空気調和機 図1
  • 特開-空気調和機 図2
  • 特開-空気調和機 図3
  • 特開-空気調和機 図4
  • 特開-空気調和機 図5
  • 特開-空気調和機 図6
  • 特開-空気調和機 図7
  • 特開-空気調和機 図8
  • 特開-空気調和機 図9
  • 特開-空気調和機 図10
  • 特開-空気調和機 図11
  • 特開-空気調和機 図12
  • 特開-空気調和機 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121844
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20240902BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240902BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20240902BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20240902BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F7/007 101
F24F7/007 B
B01D53/26 100
F24F11/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029033
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 豪
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 芳美
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
4D052
【Fターム(参考)】
3L056BG02
3L260AB11
3L260BA07
3L260BA74
3L260CB79
3L260FA12
3L260FB61
3L260FC05
3L260HA06
4D052AA10
4D052BA04
4D052BB02
4D052BB04
4D052BB06
4D052BB09
4D052GA02
4D052GA03
4D052GB00
4D052GB07
(57)【要約】
【課題】タイマ運転時にユーザへ不信感を与えない空気調和機を提供する。
【解決手段】除湿ユニット側通信部82は、算出部79で算出したタイマ運転の残り時間を含む制御信号を送信し、サーキュレータ側制御部170は、サーキュレータ側通信部182がタイマ運転の残り時間を含む制御信号を受信したら、タイマ運転の残り時間を受信した制御信号の残り時間にする。除湿ユニット2のみが電源ゼロクロス回路88搭載したものであっても、タイマ運転時において残り時間がゼロになったタイミングで、除湿ユニット2とサーキュレータ3との停止タイミングが大幅にズレることがないので、コストアップを阻止しつつ停止タイミングのズレによるユーザの不信感発生を未然に阻止することができ、製品性が向上する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ユニットと、
当該空調ユニットに対して連動して運転する連動動作を行う送風ユニットと、
前記連動動作を所定時間だけ行うタイマ運転と、を備え、
前記空調ユニット及び前記送風ユニットの一方は、
入力された電源の交流電圧の電圧ゼロ点を検出し検出信号として出力する電源ゼロクロス回路と、
前記一方側に対しての入力信号に基づき制御信号を出力する一方側マイコンと、
当該一方側マイコンから出力された前記制御信号を前記空調ユニット及び前記送風ユニットの他方に送信する送信部と、を有し、
前記一方側マイコンは、
前記電源ゼロクロス回路での前記検出信号に基づき前記タイマ運転の経過時間をカウントする一方側計時手段と、
当該一方側計時手段でカウントした前記経過時間を前記所定時間から減じて前記タイマ運転の残り時間を算出する一方側残り時間算出手段と、を有し、
前記一方側マイコンは、前記一方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間がゼロになったら、前記一方側の前記連動動作を停止させ、
前記空調ユニット及び前記送風ユニットの前記他方は、
前記他方側に対しての入力信号に基づき前記他方側の駆動部を動作させる他方側マイコンと、
前記送信部から送信された前記制御信号を受信する受信部と、を有し、
前記他方側マイコンは、
クロック信号を発生させる内蔵発振回路と、
当該内蔵発振回路で発生する前記クロック信号に基づき前記タイマ運転の経過時間をカウントする他方側計時手段と、
当該他方側計時手段でカウントした前記経過時間を前記所定時間から減じて前記タイマ運転の残り時間を算出する他方側残り時間算出手段と、を有し、
前記他方側マイコンは、前記他方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間がゼロになったら、前記他方側の前記連動動作を停止させ、
前記送信部は、前記一方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を前記受信部へ送信し、
前記他方側マイコンは、前記受信部が前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を受信したら、前記タイマ運転の残り時間を受信した前記制御信号の残り時間にすることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記送信部は、少なくとも前記タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を送信することを特徴とした請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記送信部は、前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を所定周期で送信することを特徴とした請求項1記載の空気調和機。
【請求項4】
前記送風ユニットは、前記空調ユニットに対して一体又は分離して運転し、
前記タイマ運転は、前記空調ユニットに対する分離時に実行されることを特徴とした請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調ユニットに対して連動して運転する送風ユニットを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空調ユニットとしての空気調和機と送風ユニットとしての加湿機での連動動作を所定時間だけ行うタイマ運転時、空調ユニットから送信した制御信号を送風ユニットが受信することで、連動動作に沿わない内容の運転を送風ユニットが単独で実施する事態を阻止し、効率のよい連動動作が実施可能な内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2806232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、空調ユニットと送風ユニットとで連動動作を所定時間だけ行うタイマ運転時、所定時間が経過し残り時間がゼロになった時点で空調ユニットと送風ユニットとの停止タイミングがズレないようすることについて何ら開示されておらず、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で空調ユニット又は送風ユニットの一方が停止しているにも関わらず、空調ユニット又は送風ユニットの他方の運転がしばらく継続した後停止し、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で空調ユニットと送風ユニットとの停止タイミングが大幅にズレることでユーザに不信感を与える虞があることから、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、空調ユニットと、
当該空調ユニットに対して連動して運転する連動動作を行う送風ユニットと、
前記連動動作を所定時間だけ行うタイマ運転と、を備え、
前記空調ユニット及び前記送風ユニットの一方は、
入力された電源の交流電圧の電圧ゼロ点を検出し検出信号として出力する電源ゼロクロス回路と、
前記一方側に対しての入力信号に基づき制御信号を出力する一方側マイコンと、
当該一方側マイコンから出力された前記制御信号を前記空調ユニット及び前記送風ユニットの他方に送信する送信部と、を有し、
前記一方側マイコンは、
前記電源ゼロクロス回路での前記検出信号に基づき前記タイマ運転の経過時間をカウントする一方側計時手段と、
当該一方側計時手段でカウントした前記経過時間を前記所定時間から減じて前記タイマ運転の残り時間を算出する一方側残り時間算出手段と、を有し、
前記一方側マイコンは、前記一方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間がゼロになったら、前記一方側の前記連動動作を停止させ、
前記空調ユニット及び前記送風ユニットの前記他方は、
前記他方側に対しての入力信号に基づき前記他方側の駆動部を動作させる他方側マイコンと、
前記送信部から送信された前記制御信号を受信する受信部と、を有し、
前記他方側マイコンは、
クロック信号を発生させる内蔵発振回路と、
当該内蔵発振回路で発生する前記クロック信号に基づき前記タイマ運転の経過時間をカウントする他方側計時手段と、
当該他方側計時手段でカウントした前記経過時間を前記所定時間から減じて前記タイマ運転の残り時間を算出する他方側残り時間算出手段と、を有し、
前記他方側マイコンは、前記他方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間がゼロになったら、前記他方側の前記連動動作を停止させ、
前記送信部は、前記一方側残り時間算出手段で算出した前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を前記受信部へ送信し、
前記他方側マイコンは、前記受信部が前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を受信したら、前記タイマ運転の残り時間を受信した前記制御信号の残り時間にすることを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記送信部は、少なくとも前記タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を送信することを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記送信部は、前記タイマ運転の残り時間を含む前記制御信号を所定周期で送信することを特徴とした。
【0008】
また、請求項4では、前記送風ユニットは、前記空調ユニットに対して一体又は分離して運転し、
前記タイマ運転は、前記空調ユニットに対する分離時に実行されることを特徴とした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、一方側マイコンは、電源ゼロクロス回路での検出信号に基づきタイマ運転の経過時間をカウントする一方側計時手段と、当該一方側計時手段でカウントした経過時間を所定時間から引いてタイマ運転の残り時間を算出する一方側残り時間算出手段と、を有し、送信部は、一方側残り時間算出手段で算出したタイマ運転の残り時間を含む制御信号である制御信号を受信部へ送信し、他方側マイコンは、受信部が制御信号を受信したら、タイマ運転の残り時間を受信した制御信号の残り時間にするので、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で空調ユニットと送風ユニットとの停止タイミングが大幅にズレることがないため、ユーザの不信感発生を未然に阻止し製品性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における除湿機の一体時における正面から見た外観斜視図。
図2】本実施形態における除湿機の一体時における背面から見た外観斜視図。
図3】サーキュレータ付除湿機の一体時における縦断面図。
図4】サーキュレータ付除湿機の一体時における分解斜視図。
図5】サーキュレータ付除湿機の機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図6図5の機能ブロックのうち、各電源部を特に説明するための概略的な機能ブロック図。
図7】分離時におけるサーキュレータの正面から見た外観斜視図。
図8】分離時におけるサーキュレータの背面から見た外観斜視図。
図9】分離時における除湿機の使用状態の一例を示す外観斜視図。
図10】サーキュレータにおいてサーキュレータ側制御部により実行される制御信号無効処理を説明するフローチャート。
図11図10の処理に対応する除湿機で実行されるシーケンス図。
図12】本実施形態の除湿ユニット側におけるタイマ運転時の動作を説明するフローチャート。
図13】本実施形態のサーキュレータ側におけるタイマ運転時の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る空気調和機の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明の空気調和機を、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用し空気中に含まれる水分を結露させて除湿し、送風するサーキュレータ付除湿機に適用して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態におけるサーキュレータ付除湿機1の一体時における正面から見た外観斜視図である。
図2は、本実施形態におけるサーキュレータ付除湿機1の一体時における背面から見た外観斜視図である。
図3は、サーキュレータ付除湿機1の一体時における縦断面図である。
図4は、サーキュレータ付除湿機1の一体時における分解斜視図である。
図5は、サーキュレータ付除湿機1の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
図6は、図5の機能ブロックのうち、各電源部83、183を特に説明するための概略的な機能ブロック図である。
図7は、分離時におけるサーキュレータ3の正面から見た外観斜視図である。
図8は、分離時におけるサーキュレータ3の背面から見た外観斜視図である。
図9は、分離時における除湿機1の使用状態の一例を示す外観斜視図である。
【0013】
以下の説明においては、各図面に示される前後上下左右の定義に従って説明する。除湿ユニット側操作部74が設けられている前方を向く面を正面、後方を向く正面と反対の面を背面という場合がある。また、前後左右方向に沿う方向を、水平方向とする。サーキュレータ3の前後上下左右の定義は、サーキュレータ3が除湿ユニット2へ取り付けられた場合(以下単に「一体時」という。)と、除湿ユニット2から分離された場合(以下単に「分離時」という。)とで、異なる場合があり、一体時においては図1から4の定義に従い、分離時においては図7及び8に従う場合がある。
【0014】
サーキュレータ付除湿機1(以下単に「除湿機1」という。)は、除湿(調和)した空気を吹き出す除湿ユニット2(空調ユニット)と、除湿ユニット2の上方に配置され、周囲の空気を吸い込んで送風するサーキュレータ3(送風ユニット)と、を有する。サーキュレータ3は、図4に示すように、除湿ユニット2(筐体10)に対して着脱可能であり、除湿ユニット2と連動又は独立して送風可能である。また、サーキュレータ3は、除湿ユニット2に対して一体又は分離して運転可能である。
【0015】
除湿ユニット2は、除湿ユニット2の外観をなす筐体10を有する。筐体10は、前枠11と、後枠12と、上面板14と、ベース15と、を有する。
【0016】
前枠11及び後枠12は、筐体10の前後方向のほぼ中央位置において上下方向に延びる接続線13を介して組み合わされ、筐体10の上面21及び底面22を繋ぐ、四面を有するほぼ角柱状の側面23をなす。前枠11及び後枠12は、それぞれ上端から水平方向内側に折れ曲がり形成される上面枠部24を有する。また、右側面23c、左側面23dとしての前枠11及び後枠12は、取っ手43が配置されるための取っ手切欠25を有する。取っ手切欠25は、右側面23c、左側面23dの上端かつ前後方向ほぼ中央位置に形成される。前枠11の前方を向く面は、側面23のうちの正面23aとなる。
【0017】
図2及び3に示すように、後枠12(背面23b)は、吸込口31と、タンク挿入口32と、電源コード口34と、を有する。吸込口31は、複数のスリット36を有し、外表面にフィルタ37及びフィルタケース38を有する。フィルタ37は、樹脂製の網や不織布などからなり、吸入空気に混入する埃やにおい成分などを取り除く。フィルタケース38は、フィルタ37を吸込口31に固定する。タンク挿入口32は、吸込口31の下方に配置され、ここからドレンタンク69が挿入され、また取り出される。電源コード口34は、後枠12の右下方に配置され、除湿ユニット側制御部70に接続された電源コード4が電源コード口34から筐体10外部に引き回される。
【0018】
上面板14は、上方に面する基部14aと、基部14aの周縁から下方に延びる周壁部14bと、を有する。上面板14は、上面枠部24の内縁が形成する開口24a(図3)を覆うように配置される。基部14aは、上述した上面枠部24と共に、筐体10の上方に面する面である上面21をなす。上面21においては、周壁部14bが上面枠部24に対する段差を形成することにより、基部14aが上面枠部24に対して上方に凸となる上面側凸部90(図4)として機能する。
【0019】
また、上面板14は、吹出口41と、導風壁42と、取っ手43と、左右吸込口凹部45と、を有する。
【0020】
図3及び4に示すように、吹出口41は、基部14aのほぼ中央位置に矩形状に形成される。吹出口41には、乾燥空気の吹出方向を制御可能なルーバ48と、ルーバ48を駆動するルーバモータ49(図5)と、が配置される。
【0021】
導風壁42は、上方視における吹出口41の外側で吹出口41を囲むようにして、基部14aに対して上方に所定量立ち上がる壁である。導風壁42は、吹出口41から吹き出される空気を上方のサーキュレータ3方向に導く。導風壁42は、筐体10の内部と接続された、吹出口41から吹き出される空気の通り道となる空間を形成する。
【0022】
取っ手43は、上面板14の左方及び右方の、前枠11及び後枠12の取っ手切欠25に対応する位置であって、右側面23c、左側面23dの上方に形成される。取っ手43は、右側面23c、左側面23dから左右方向内側に凹んだ取っ手凹部51及び指掛部52を有し、ユーザが除湿機1を運搬する際に利用される。
【0023】
左右吸込口凹部45は、後述する左右吸込口121を形成するための凹部である。左右吸込口凹部45は、指掛部52に関して取っ手凹部51(取っ手43)と左右方向において重なり合う位置に形成される。
【0024】
図3に示すように、ベース15は、組み合わされた前枠11及び後枠12が下方に形成する開口22aを覆うように配置される。ベース15は、除湿機1の土台となり、床などの設置面に直接、又は脚部などを有する場合には間隙を介して面して設置される底面22となる。
【0025】
除湿ユニット2は、筐体10に収容される主な内部部品として、図3に示すように、ファンケース61と、シロッコファン62と、送風モータ63と、圧縮機65と、熱交換器66と、加熱ヒータ67と、ドレンパン68と、ドレンタンク69と、を有する。
【0026】
ファンケース61は、ベース15上に配置され、主にシロッコファン62、送風モータ63、及びドレンタンク69を支持したり位置決めしたりする。
【0027】
シロッコファン62は、送風モータ63の回転により回転し、吸込口31から空気を吸い込み、吹出口41から吹き出す空気の流れを形成する。シロッコファン62及び送風モータ63は、回転軸が前後方向に沿うようにファンケース61に取り付けられている。
【0028】
圧縮機65は、ベース15上に固定されており、配管65a及び減圧装置を介して熱交換器66に接続される。
【0029】
熱交換器66は、吸込口31から吸い込まれた空気と熱交換を行う。熱交換器66は、吸込口31に近い位置に配置される蒸発器66aと、蒸発器66aよりも前方に配置される凝縮器66bと、を有する。蒸発器66a及び凝縮器66bは、U字状の冷媒管66cにフィン66dが取り付けられた、フィンチューブ型の熱交換器である。冷媒管66cは、水平方向(左右方向)に延びる複数の直線部と、上下方向にU字に曲り2本の直線部をつなげる曲げ部と、を有し、この直線部と曲げ部とが冷媒管66cの長さ方向に渡って連続して現われる。
【0030】
圧縮機65、配管65a、減圧装置及び熱交換器66は、冷媒が流れる冷凍サイクルを形成する。冷凍サイクルは、冷媒が流れる順に、圧縮機65、凝縮器66b、減圧装置、蒸発器66aを有する。冷媒は、蒸発器66aを流れる際に、蒸発器66aを通過する空気から熱を奪い蒸発する。また、冷媒は、凝縮器66bを流れる際に、凝縮器66bを通過する空気を再加熱し凝縮する。これにより、吸込口31から吸い込まれた空気は、フィルタ37で埃やにおい成分などが取り除かれた後、蒸発器66aで冷却、除湿され、次いで凝縮器66bで加熱されて、低湿度の空気となる。
【0031】
加熱ヒータ67は、凝縮器66bを通過した低湿度の空気を、吹出口41の前段で加熱する。
【0032】
ドレンパン68は、排水口を有し、蒸発器66aで発生し落下するドレン水を受け、この排水口から排出する。ドレンパン68は、熱交換器66を下方で支持し、固定する。
【0033】
ドレンタンク69は、ドレンパン68の排水口から排出されるドレン水を貯留する。ドレンタンク69は、タンク挿入口32から前後方向にスライドされることにより、筐体10に対して着脱される。筐体10内に挿入されたドレンタンク69は、ファンケース61により形成されたタンク室に配置される。
【0034】
ドレンタンク69は、タンク蓋69aと、浮き収容部69bと、を有する。タンク蓋69aは、ドレンパン68の排水口からのドレン水をドレンタンク69内に落下させる。浮き収容部69bは、ドレンタンク69内の水位を検出するための、例えばマグネットを有する浮きを収容する。水位に応じたマグネットの磁界は、除湿ユニット側制御部70などに実装されたAMRセンサ(Anisotropic-Magneto-Resistance、異方性磁気抵抗センサ)などの水位センサ69cにより検出され、ドレンタンク69の満水をユーザに通知する。
【0035】
除湿ユニット2は、図5に示すように、さらに除湿ユニット側制御部70と、温度センサ71と、湿度センサ72と、報知部73と、除湿ユニット側操作部74と、表示部75と、を有する。
【0036】
一方側マイコンである除湿ユニット側制御部70は、ファンケース61の前方に、所要のケースに支持されて配置される制御基板である。
【0037】
除湿ユニット側制御部70は、除湿ユニット側操作部74からの指示や予め記憶されたプログラムの入力信号に基づいて制御信号を出力し、ルーバモータ49、送風モータ63や圧縮機65、加熱ヒータ67、表示部75などの各部を電気的に制御することにより、除湿機1の動作を統括的に制御する。除湿ユニット側制御部70は、一体時及び分離時において、サーキュレータ3の首振りモータ138などの各部も赤外線信号の送信により制御する。これにより、本実施形態においては、除湿ユニット側制御部70は、除湿ユニット2及びサーキュレータ3の連動動作を制御する。
【0038】
除湿ユニット側制御部70は、記憶部77、タイマ78、及び算出部79を有する。記憶部77は、各部の動作プログラムなどを記憶する。一方側計時手段としてのタイマ78は、ユーザが任意に設定した運転時間や予め設定された上限となる所定時間(例えば24時間)だけサーキュレータ3との連動動作を行うタイマ運転の経過時間をカウントする。一方側残り時間算出手段としての算出部79は、タイマ78でカウントしたタイマ運転の経過時間をタイマ運転の所定時間から減じてタイマ運転の残り時間を算出する。
【0039】
温度センサ71及び湿度センサ72は、除湿機1本体の所定位置に設けられ、除湿機1の周囲温度及び湿度を計測する。除湿ユニット側制御部70は、温度や湿度を必要に応じて使用し各部を制御する。報知部73は、除湿ユニット側制御部70の指示に基づいてユーザに状況を知らせるためのアラーム音などを出力する。
【0040】
除湿ユニット側操作部74及び表示部75は、筐体10の正面23a(側面23、前枠11)側における上方であって、左右方向におけるほぼ中央位置に配置される。除湿ユニット側操作部74及び表示部75は、除湿ユニット側操作部74、表示部75及び除湿ユニット側通信部82用の、正面23aにほぼ平行に配置される制御基板70a上に配置される。除湿ユニット側操作部74は、例えば、運転スイッチ、タイマスイッチ、運転モード選択スイッチ、サーキュレータ3の動作を設定するためのスイッチ、などを実現する複数の入力ボタンを有する。表示部75は、除湿機1の運転状態などをLED(Light Emitting Diode)の点灯状態で表示する。
【0041】
除湿ユニット2は、さらに、サーキュレータ検出センサ81と、除湿ユニット側通信部82と、除湿ユニット側電源部83と、電源切替部84と、電源ゼロクロス回路88と、を有する。
【0042】
サーキュレータ検出センサ81は、除湿ユニット2(除湿ユニット2及びサーキュレータ3の一方)に配置され、除湿ユニット2及びサーキュレータ3が一体であるか又は分離しているかを示す着脱状態を検出する。サーキュレータ検出センサ81は、例えばサーキュレータ3の所定位置に配置された磁石の磁界を検出することによりサーキュレータ3の近接の有無を検出するリードスイッチ(近接センサ)である。
【0043】
サーキュレータ検出センサ81は、磁界の検出の有無を除湿ユニット側制御部70に出力する。除湿ユニット側制御部70は、取得した検出結果に基づいて、磁界の検出がある場合にはサーキュレータ3は一体となっており、検出がない場合には分離しているとして着脱状態を取得する。
【0044】
除湿ユニット側通信部82は、除湿ユニット側制御部70の制御に基づいてサーキュレータ3のサーキュレータ側通信部182に所要の赤外線信号(無線信号)を送信する赤外線アンテナである。除湿ユニット側通信部82は、図1に示すように、除湿ユニット側操作部74が形成されるパネル76内に設けられた赤外線を透過させる除湿ユニット側透過窓86から赤外線を送信する。
【0045】
除湿ユニット側制御部70は、除湿ユニット側通信部82を介して、所要の情報をサーキュレータ3に送信する。具体的には、除湿ユニット側制御部70は、サーキュレータ検出センサ81の検出結果から取得した着脱状態に関する情報や、サーキュレータ3の運転を除湿ユニット2の運転に連動させるために必要な運転制御に関する情報を除湿ユニット側通信部82に送信させる。このため、本実施形態においては、除湿ユニット側通信部82は、連動動作を制御するための制御信号をサーキュレータ3に送信する送信部として機能する。
【0046】
図6に示すように、除湿ユニット側電源部83は、商用電源と接続された電源コード4から供給される交流電流を直流電流に変換し、除湿ユニット2の各部に供給する。
【0047】
電源切替部84は、商用電源から供給される交流電流を、電源出力端子87に供給するか否かを切り替える。電源出力端子87は、図4に示すように、サーキュレータ3の取付箇所となる上面21から上方に露出している。除湿ユニット側制御部70は、一体時においては、電源切替部84を閉じて電源出力端子87からサーキュレータ3の電源入力端子187に電源を供給する。一方、除湿ユニット側制御部70は、分離時においては、電源切替部84を開き、電源出力端子87に電源を供給しない。
【0048】
電源ゼロクロス回路88は、商用電源に接続された電源コード4を介して入力された電源の交流電圧に対して、当該交流電圧のゼロ点の通過を検出信号として出力する回路である。タイマ運転時、タイマ78が電源ゼロクロス回路88での検出信号に基づきタイマ運転の経過時間を算出する。電源基準での経過時間カウントが可能となるため、内蔵発振回路でのクロック信号での経過時間カウントと比較し、正確に経過時間をカウントすることができる。
【0049】
サーキュレータ3は、一体時においては、除湿ユニット2から吹き出される除湿された空気を主に吸い込み、また分離時においては、周囲の空気を吸い込み、これらの空気を送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。
【0050】
サーキュレータ3は、台座部110と、送風部130と、を有する。送風部130は、台座部110に対して一体時における左右方向に沿う軸周りに首振り可能に支持されている。
【0051】
台座部110は、図1、7及び8などに示すように、台座部110内側に送風部130を収容可能な空間(一体時における上下方向に貫通する貫通孔)を形成する筒状のケーシングである。台座部110は、台座部底面111と、台座部側面112と、台座部上面113と、を有する。台座部側面112は、外側面及び内側面からなり、台座部底面111、台座部側面112及び台座部上面113で閉じて形成される内部空間115は、図3に示すように一部又は全てが中空である。
【0052】
台座部底面111は、上面枠部24が形成する上面21とほぼ同一の形状を有する枠状面である。台座部底面111は、一体時においては、上面枠部24に設置され上面枠部24に接触する面となる。
【0053】
また、台座部底面111は、図3及び8に示すように、台座部底面111の内周縁111aより内側に、サーキュレータ側凹部190を有する。サーキュレータ側凹部190は、上面板14の周壁部14bの上下方向長さに対応し、かつ上面側凸部90の形状に対応して、上方に凹んだ凹空間である。サーキュレータ側凹部190は、上面側凸部90の形状に対応しているため、一体時においては上面側凸部90と掛かり合う。この結果、台座部110は、上面側凸部90により設置面に平行な水平方向の移動、すなわち上面21上での移動が規制される。また、サーキュレータ3は単純な凹凸の掛かり合いにより筐体10に支持されているため、上方に持ち上げることにより簡単に取り外される。
【0054】
台座部側面112は、外周面の形状が筐体10の側面23の外周面の形状とほぼ同一である。すなわち、サーキュレータ3の台座部側面112は、一体時においては、除湿ユニット2の側面23と面一になり、筐体10と一体であるような外観を有する。台座部側面112は、左右吸込口121と、後吸込口122と、を有する。
【0055】
左右吸込口121は、台座部左右側面112cの、前後方向ほぼ中央位置に配置され、台座部左右側面112cの台座部底面111との境界から所定量上方に切り欠かれて形成される。左右吸込口121は、図2などに示すように、筐体10の側面23の取っ手43に対して、指掛部52に関して、又は上面枠部24と台座部底面111との境界線5に関してほぼ上下対称となる形状を有する。上述したように、上面板14には左右吸込口凹部45が形成されており、この左右吸込口凹部45に形成された空間と、左右吸込口121とが作用して、左右吸込口121を介して除湿機1の周囲と台座部110(台座部側面112)の内側とを接続する。
【0056】
台座部側面112は、図1に示すように、一体時において正面23aと同方向である前方に面し、台座部110の正面となる台座部正面112aを有する。また、一体時において後方に面し、台座部110の背面となる台座部背面112bを有する。
【0057】
後吸込口122は、台座部背面112bの、左右方向におけるほぼ中央位置に配置され、台座部背面112bの台座部底面111との境界から所定量上方に切り欠かれて形成される。後吸込口122は、筐体10の上面21の形状と作用して、後吸込口122を介して周囲と台座部110の内側とを接続する。
【0058】
台座部上面113は、前後方向において、後方からほぼ中央位置まで水平方向に平行な面113aと、ほぼ中央位置から前方にかけて下方に曲線的に傾斜する面113bと、からなる。台座部上面113は、このような構成から、一体時において台座部底面111の上方に位置し、上方(ほぼ上方)に面する面となる。台座部上面113は、後方に、曲線的な凹部113cを有する。凹部113cは、一体時におけるサーキュレータ3からの送風を台座部110が妨げることなく、送風路を形成するために形成される。
【0059】
送風部130は、カバー131と、ファンモータ135と、ファン136と、を有する。
【0060】
カバー131は、ユーザの指などをファン136から保護するための骨状の部材である。カバー131は、ファン136の吸込側(上流側)を覆い吸込面となる、例えばほぼ半球状の吸込側カバー131aと、ファン136の吹出側(下流側)を覆い吹出面となる平面状の吹出側カバー131bと、を有する。吸込側カバー131a及び吹出側カバー131bは、組み合わされて一体となる。一体時において吹出側カバー131bがほぼ水平方向に沿う送風部130の姿勢であって、ファン136の回転軸が上下方向に沿う姿勢である図3の姿勢(以下単に「停止姿勢という」。)において、吸込側カバー131aは、下方に面する中心位置に上方に凹となり形成されるモータ支持部131cを有する。
【0061】
ファンモータ135及びファン136は、停止姿勢において、ファンモータ135(ファン136)の回転軸が上下方向に沿い、カバー131をなす球体の中心を通るようにカバー131の内部に収容される。ファンモータ135は、回転軸周りにファン136を回転させる。ファン136は、吸込側カバー131aから吸い込まれた吹出口41から吹き出される空気や除湿機1の外側から吸込側カバー131aに吸い込まれた空気を吹出側カバー131bから送風する。
【0062】
送風部130は、台座部110に対して、ファン136からの吹出方向が吹出口41から吹き出された空気の吹出方向であるほぼ上方にほぼ一致する、停止姿勢で支持される。また、送風部130は、首振りモータ138により一体時の停止姿勢から左右方向(所定方向)に沿う首振り軸周りに所定範囲内の角度で首振り可能なように、台座部110に支持されている。首振りモータ138は、台座部110の内部空間115に配置される。首振りモータ138は、首振り軸をサーキュレータ3の前後方向のほぼ中央位置に配置する。また首振り軸は、半球状の吸込側カバー131aをなす球体の中心を通る。また、首振り軸は、ファン136の回転軸に直交する。
【0063】
サーキュレータ3は、さらに、サーキュレータ側制御部170と、サーキュレータ側操作部174と、サーキュレータ側通信部182と、サーキュレータ側電源部183と、を有する。
【0064】
サーキュレータ側制御部170は、台座部110の内部空間115に配置される制御基板(図3)である。他方側マイコンとしてのサーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70又はサーキュレータ側操作部174からの入力信号に基づいてファンモータ135及び首振りモータ138を電気的に制御する。本実施形態においては、サーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70(除湿ユニット側通信部82)から受信した制御信号に基づいてサーキュレータ3を制御する送風側制御部として機能する。
【0065】
サーキュレータ側操作部174は、台座部正面112aの左右方向におけるほぼ中央位置に配置される。サーキュレータ側操作部174は、除湿ユニット側操作部74同様に、台座部正面112aにほぼ平行に配置される制御基板170a上に配置される。制御基板170aは、サーキュレータ側操作部174及びサーキュレータ側通信部182用の制御基板である。サーキュレータ側操作部174の制御基板170aは、除湿ユニット側操作部74の制御基板70aに対して上方視においてほぼ重なり合う位置又は可能な限り近い位置に配置される。サーキュレータ側操作部174は、例えば、運転スイッチ及び首振りスイッチなどを実現する複数の入力ボタンを有する。特に、本実施形態においては、サーキュレータ側操作部174は、サーキュレータ側制御部170にサーキュレータ3の運転の停止又は開始のユーザ指示を入力する送風側操作部として機能する。
【0066】
サーキュレータ側制御部170は、記憶部177、タイマ178、算出部179、及び内蔵発振回路180を有する。記憶部177は、各部を制御するために必要なプログラムや情報などを記憶する。他方側計時手段としてのタイマ178は、ユーザが任意に設定した運転時間や予め設定された上限となる所定時間(例えば24時間)だけ除湿ユニット2との連動動作を行うタイマ運転の経過時間をカウントする。他方側残り時間算出手段としての算出部179は、タイマ178でカウントしたタイマ運転の経過時間をタイマ運転の所定時間から減じてタイマ運転の残り時間を算出する。内蔵発振回路180は、他方側マイコンであるサーキュレータ側制御部170に内蔵されクロック信号を発生させる。タイマ178は、内蔵発振回路180で発生したクロック信号に基づき、タイマ運転の経過時間をカウントする。
【0067】
サーキュレータ側通信部182は、サーキュレータ側制御部170の制御に基づいて除湿ユニット側通信部82から送信される所要の赤外線信号(無線信号)を受信する赤外線アンテナである。本実施形態においては、サーキュレータ側通信部182は、送信部としての除湿ユニット側通信部82から送信された制御信号を受信する受信部として機能する。サーキュレータ側通信部182は、例えば台座部110の台座部上面113に設けられた赤外線を透過させるサーキュレータ側透過窓186から赤外線を受信する。サーキュレータ側透過窓186及び除湿ユニット側透過窓86は、例えば台座部上面113及び前枠11のサーキュレータ側透過窓186及び除湿ユニット側透過窓86が形成される領域を薄肉にする又は赤外線の透過率の高い材料で形成することなどにより実現される。
【0068】
図6に示すように、サーキュレータ側電源部183は、電源入力端子187から供給される交流電流を直流電流に変換し、サーキュレータ3の各部に供給する。電源入力端子187は、図8に示すように、一体時において除湿ユニット2の上面21から露出した電源出力端子87に直接接続可能な位置に配置される。
【0069】
サーキュレータ側電源部183は、一体時においては、除湿ユニット2の電源出力端子87と直接接続された電源入力端子187から供給される電源を各部に供給する。また、分離時においては、商用電源に接続された電源コード8(図9)と接続された電源入力端子187から供給される電源を各部に供給する。電源入力端子187への電源出力端子87及び電源コード8の端子の接続は、例えば磁力を利用して引き合うことによりユーザの端子接続動作を容易にすることができる。
【0070】
このようなサーキュレータ3は、一体時においては、除湿ユニット2から吹き出される除湿された空気を主に吸い込み、これらの空気を上方に送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。また、サーキュレータ3は、左右方向に沿う首振り軸周りに交互に前後方向に吹出面を向けるように首振りしながら運転する。
【0071】
また、サーキュレータ3は、分離時においては、除湿ユニット2に対して所定距離を隔てて配置される(図9)。その際、サーキュレータ3は、台座部背面112bが床などの設置面に面し(設置され)、台座部正面112aが上方に面し、また台座部上面113が除湿ユニット2に面するように、一体時から90度起立させて配置され使用される。このように配置されたサーキュレータ3は、周囲の空気を背面となる台座部底面111側から吸い込み、これらの空気を正面となる台座部上面113側に送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。また、サーキュレータ3は、左右方向に沿う首振り軸周りに上下方向に首振りしながら運転する。
【0072】
このような除湿機1は、サーキュレータ3を一体にして運転することにより、除湿ユニット2で除湿されたほとんどの空気をサーキュレータ3が吸い込み、除湿空気を好適に送風することができることから、除湿効率を向上させることができる。また、除湿機1は、サーキュレータ3を分離して運転することにより、例えば以下のような用途において好適に使用される。
【0073】
室内に干された洗濯物を乾燥させるために除湿機1が使用される場合、除湿機1を洗濯物の直下において使用することにより洗濯物を効率的に乾燥させることができる。その際、除湿機1と洗濯物が重なり合わないように除湿機1を配置することが好ましい。しかしながら、物干しの高さの都合や洗濯物の種類によっては、除湿機1を洗濯物の直下に配置することが困難となる場合があり、洗濯物に重なり合わないように洗濯物から離れた位置に除湿機1を配置しなければならない。これに対し本実施形態における除湿機1は、除湿機1の上方に配置されたサーキュレータ3を取り外し、設置面に別途配置することができる。このため、除湿機1が洗濯物と重なり合う場合には、サーキュレータ3を分離し、除湿機1の高さを低くしての使用が可能であり、状況に応じて使い勝手のよい除湿機1を実現できる。
【0074】
ここで、本実施形態における除湿機1は、上述したように、除湿ユニット2及びサーキュレータ3が物理的に分離した分離時においても、除湿ユニット側制御部70が除湿ユニット側通信部82及びサーキュレータ側通信部182を介してサーキュレータ側制御部170に制御信号を送信することにより、周囲の環境に適した運転を行うことができる。
【0075】
具体的には、除湿ユニット側制御部70が取得した、温度センサ71や湿度センサ72から得られる周囲の温度や湿度に基づいて、除湿ユニット2からの除湿空気の送風量(送風モータ63の回転数)や温度、サーキュレータ3の送風量、除湿機1の運転時間などを決定し、これに適した制御を除湿ユニット2及びサーキュレータ3を連動させて実行することができる。
【0076】
これら温度や湿度の取得、周囲の環境に応じた好適な制御内容の決定を除湿ユニット側制御部70及びサーキュレータ側制御部170が個別に行うこともできるが、除湿ユニット側制御部70及びサーキュレータ側制御部170の双方に高性能な制御基板を用いる必要が生じたり、相互に連携を図るための処理の複雑化を招いたりするおそれもある。そこで、本実施形態における除湿機1は、連動動作時においては、除湿ユニット側制御部70が除湿機1を全体的に制御すべくサーキュレータ3の制御も除湿ユニット側制御部70が行うことにより、上記課題に対応した。以下、除湿ユニット側制御部70が、除湿ユニット2及びサーキュレータ3を連動させて運転するために、サーキュレータ側制御部170に制御信号を送信しサーキュレータ側制御部170がこの制御信号に基づいて運転することを「連動動作」という。
【0077】
ここで、除湿機1は、サーキュレータ3にも運転の停止や開始の指示を入力するためのサーキュレータ側操作部174を、除湿ユニット側操作部74とは別に設けた。これにより、除湿機1は、分離時において、除湿ユニット2から離れたサーキュレータ3に対する操作の入力についてのユーザの使用性も担保することができる。しかしながら、連動動作の実行中にサーキュレータ側操作部174からサーキュレータ3の運転を停止する指示が入力された場合、除湿ユニット2との連携が図れなくなってしまい、不具合が生じるおそれがある。例えば、除湿機1の運転の停止に所定時間のタイマが設定されている場合、サーキュレータ側操作部174を介してサーキュレータ3の運転が停止されてしまうと、その後、サーキュレータ側操作部174を介してサーキュレータ3の運転が開始された場合には、タイマ満了までの時間が共有できず、除湿ユニット2が停止したにもかかわらずサーキュレータ3が運転を継続してしまうおそれがある。
【0078】
また、連動動作中に、サーキュレータ側操作部174を介してサーキュレータ3の運転の停止及び再開が順次行われると、本来であれば除湿ユニット側制御部70の制御に基づいた連動動作により、好適な空調が可能であるにもかかわらず、除湿ユニット2からの指示が反映されないまま、サーキュレータ3が独立して運転されてしまうおそれもある。
【0079】
そこで、本実施形態における除湿機1は、一層の空調効率の向上を目的として、好適に連動動作を行うために、連動動作中にサーキュレータ側操作部174からサーキュレータ3の運転の停止の指示が入力された場合、サーキュレータ側制御部170によって制御信号を無効とする処理を実行した。
【0080】
図10は、サーキュレータ3においてサーキュレータ側制御部170により実行される制御信号無効処理を説明するフローチャートである。
【0081】
図11は、図10の処理に対応する除湿機1で実行されるシーケンス図である。
【0082】
この制御信号無効処理は、サーキュレータ3が除湿ユニット2から分離され、除湿ユニット側制御部70の制御に基づく連動動作を開始した(図11のステップS21)場合に実行される。また、除湿ユニット側制御部70は、連動動作のための制御信号を、制御内容に変更があった場合、及び所定周期(例えば1時間)で送信するものとする。送信内容は、例えば送風量や首振り角度などの各部の制御値や運転の停止、タイマ運転の残り時間である。
【0083】
ステップS1において、サーキュレータ側制御部170は、サーキュレータ側操作部174よりサーキュレータ3の運転を停止する指示を受け付けたか否かを判定する。サーキュレータ側制御部170は、運転を停止する指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS1のNO)、運転の停止の指示を受け付けるまで待機する。
【0084】
一方、サーキュレータ側制御部170は、運転を停止する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1のYES、ステップS22)、ステップS2において、サーキュレータ3の運転を停止する(ステップS23)。ステップS3において、サーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70から受け付ける連動動作のための制御信号を無効とする(ステップS24)。上述したとおり、サーキュレータ側通信部182は、除湿ユニット側通信部82からの制御信号を受信するのみで送信はしないため、サーキュレータ3の運転が停止したことは除湿ユニット側制御部70は把握していない。また、除湿ユニット側制御部70は、サーキュレータ3が停止中においても、制御内容に変更があった場合、又は所定周期で、制御信号をサーキュレータ側制御部170に繰り返し送信している(ステップS25)。
【0085】
ステップS4において、サーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70からの制御信号をサーキュレータ側通信部182において受信したか否かを判定する。サーキュレータ側制御部170は、制御信号を受信したと判定した場合(ステップS4のYES、ステップS25)、ステップS5において、受信した制御信号が、除湿ユニット2の停止に伴いサーキュレータ3を停止する指示に関するものであるか否かを判定する。サーキュレータ側制御部170は、サーキュレータ3を停止する指示に関するものではないと判定した場合(ステップS5のNO)、ステップS6において、受信した制御信号を記憶部177に記憶する(ステップS26)。
【0086】
受信判定ステップS4で制御信号を受信していないと判定した場合(ステップS4のNO)及び制御信号記憶ステップS6の後、ステップS7において、サーキュレータ側制御部170は、サーキュレータ側操作部174よりサーキュレータ3の運転を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。サーキュレータ側制御部170は、運転を開始する指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS7のNO)、受信判定ステップS4に戻り以降の処理を繰り返す。
【0087】
一方、サーキュレータ側制御部170は、運転を開始する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS7のYES、ステップS27)、ステップS8において、サーキュレータ側制御部170はサーキュレータ3の運転を開始する。このとき、サーキュレータ側制御部170は、記憶部177に記憶した、運転の停止中に受信した制御信号に基づいて運転を開始する(ステップS28)。
運転開始ステップS8の後、ステップS9において、サーキュレータ側制御部170は、制御信号の無効を解除する(ステップS29)。これにより、サーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70から送信される制御信号に基づいて、連動動作を行う。
また、停止判定ステップS5で受信した制御信号が除湿ユニット2の停止に伴うサーキュレータ3を停止する指示に関するものであると判定した場合(ステップS5のYES、ステップS25′)においても、ステップS9において、サーキュレータ側制御部170は、制御信号の無効を解除する(ステップS29′)。これにより、除湿ユニット2及びサーキュレータ3が停止した状態となり、連動動作を両者が終えた状態となると同時に、制御信号に基づく制御の無効が解除される。すなわち、サーキュレータ3は、受信した制御信号に基づいて運転可能となるため、次回の連動動作を不具合なくなく開始できる。
【0088】
このような除湿機1は、除湿ユニット2及びサーキュレータ3を好適に連動動作することができると共に、連動動作に伴い生じる課題をも好適に対応することができ、ユーザにとって使用性に優れている。すなわち、除湿機1は、連動動作を行う場合においては、除湿ユニット側制御部70の制御に基づいてサーキュレータ3も運転を行うが、サーキュレータ3側でサーキュレータ3の運転が停止された場合においては、除湿ユニット側制御部70からの制御信号は受信しつつもその制御信号に基づく制御は無効とした。これにより、除湿機1は、サーキュレータ3の運転が再開された場合であっても、受信した制御信号を参照できる。
【0089】
また、除湿機1は、サーキュレータ3の運転が再開された場合には、制御信号に基づく制御の無効を解除すると同時に、停止中に受信した制御信号に基づいて速やかに連動動作を再開できる。
【0090】
また、除湿機1は、除湿ユニット側制御部70が所定周期で制御信号を送信するため、除湿ユニット2及びサーキュレータ3の間の障害物の存在などに起因して、特に分離時において通信が不安定になりがちな状況においても制御信号が受信できないという事態を低減できる。
【0091】
次に、本実施形態における除湿機1のタイマ運転について説明する。
【0092】
除湿ユニット2とサーキュレータ3とを所定時間だけ連動動作させるタイマ運転時、タイマ運転の経過時間を除湿ユニット2とサーキュレータ3とが、それぞれのマイコンに内蔵された内蔵発振回路180から発信されるクロック信号に基づいてカウントし、残り時間を算出する方法が考えられる。内蔵発振回路は、一般にクロック精度が劣り、マイコンの個体差によって時間カウントのズレが生じることから、除湿ユニット2側ではタイマ運転の残り時間がゼロになったとして運転停止したにも関わらず、サーキュレータ3側ではタイマ運転の残り時間がゼロにならないことで運転が継続され、除湿ユニット2とサーキュレータ3とで運転停止のタイミングにズレが生じる。特に、タイマ運転の所定時間が大きい場合、運転停止タイミングのズレ幅が大きくなりユーザに不信感を与える。
【0093】
タイマ運転の経過時間を内蔵発振回路のクロック信号よりも正確にカウントが可能な電源ゼロクロス回路の検出信号に基づきカウントする方法が考えられる。しかし、除湿ユニット2及びサーキュレータ3のそれぞれに電源ゼロクロス回路を搭載すると、コストアップになるので好ましくない。
【0094】
そこで、本実施形態の除湿機1は、除湿ユニット2側にのみ電源ゼロクロス回路88を搭載したもので、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点で除湿ユニット2とサーキュレータ3との停止タイミングが大きくズレないようにした。
【0095】
図12は、本実施形態における除湿ユニット2側におけるタイマ運転時の動作を説明するフローチャートである。
【0096】
除湿ユニット側制御部70は、サーキュレータ3が除湿ユニット2から分離された状態で除湿ユニット側操作部74にある図示しないタイマスイッチが押されたと判断したら、除湿ユニット側通信部82からタイマ運転の開始指示を含む制御信号をサーキュレータ側通信部182へ向けて送信し、圧縮機65、送風モータ63、及び加熱ヒータ67を駆動させると共に、タイマ運転の経過時間カウントをタイマ78で開始する(ステップS31)。
除湿ユニット側制御部70は、前記ステップS31の処理が完了したら、タイマ運転の残り時間を算出部79で算出する(ステップS32)。
【0097】
前記ステップS31でタイマ78は、タイマ運転の経過時間を電源ゼロクロス回路88の検出信号に基づいてカウントする。また、前記ステップS32で算出部79は、予め設定されたタイマ運転の所定時間からタイマ78でカウントした経過時間を減じることで、タイマ運転の残り時間を算出する。
【0098】
除湿ユニット側制御部70は、前記ステップS32の処理が完了したら、除湿ユニット側通信部82によりタイマ運転の残り時間を含む制御信号を所定周期(例えば、1時間)で送信する時間に達したか判断する(ステップS33)。除湿ユニット側制御部70は、制御信号を所定周期で送信する時間に達したと判断したら、算出部79で算出したタイマ運転の残り時間を含む制御信号を除湿ユニット側通信部82から送信する(ステップS34)。
【0099】
除湿ユニット側制御部70は、前記ステップS34の処理が完了したか、前記ステップS33の判断で制御信号を所定周期で送信する時間に達していないと判断したら、算出部79で算出したタイマ運転の残り時間がゼロになったか判断する(ステップS35)。除湿ユニット側制御部70は、タイマ運転の残り時間がゼロになったと判断したら、タイマ運転の残り時間がゼロであることを含む制御信号を除湿ユニット側通信部82から送信し(ステップS36)、タイマ運転の残り時間がゼロでなければ前記ステップS32の処理を繰り返す。除湿ユニット側制御部70は、前記ステップS36の処理が完了したら、除湿ユニット2の圧縮機65、送風モータ63、及び加熱ヒータ67を停止してタイマ運転を終了する。
【0100】
図13は、サーキュレータ3側におけるタイマ運転時の動作について説明するフローチャートである。
【0101】
サーキュレータ側制御部170は、前記ステップS31で除湿ユニット側通信部82から送信されたタイマ運転の開始指示を含む制御信号をサーキュレータ側通信部182で受信したら、ファンモータ135、及び首振りモータ138を駆動させると共に、タイマ運転の経過時間カウントをタイマ178で開始する(ステップS41)。
サーキュレータ側制御部170は、前記ステップS41の処理が完了したら、タイマ運転の残り時間を算出部179で算出する(ステップS42)。
【0102】
前記ステップS41でタイマ178は、タイマ運転の経過時間を内蔵発振回路180で発生するクロック信号に基づいてカウントする。また、前記ステップS42で算出部179は、予め設定されたタイマ運転の所定時間からタイマ178でカウントした経過時間を減じることで、タイマ運転の残り時間を算出する。
【0103】
サーキュレータ側制御部170は、前記ステップS42の処理が完了したら、前記ステップS34で除湿ユニット側通信部82から送信されたタイマ運転の残り時間を含む制御信号をサーキュレータ側通信部182が受信したか判断する(ステップS43)。サーキュレータ側制御部170は、前記ステップS42でタイマ運転の残り時間を含む制御信号を受信したと判断したら、タイマ運転の残り時間を受信したタイマ運転の残り時間に更新する(ステップS44)。
【0104】
サーキュレータ側制御部170は、前記ステップS44でタイマ運転の残り時間を受信内容に更新したか、前記ステップS43でタイマ運転の残り時間を含む制御信号をサーキュレータ側通信部182が受信していないと判断したら、算出部179で算出したタイマ運転の残り時間がゼロになったか判断する(ステップS45)。サーキュレータ側制御部170は、タイマ運転の残り時間がゼロになったと判断したら、サーキュレータ3のファンモータ135、及び首振りモータ138を停止してタイマ運転を終了させ、タイマ運転の残り時間がゼロでなければ前記ステップS42の処理を繰り返す。
【0105】
このように、タイマ運転時に電源ゼロクロス回路88に基づく経過時間カウントを行う除湿ユニット2側からタイマ運転の残り時間を含む制御信号を送信し、サーキュレータ3側で送信されたタイマ運転の残り時間を含む制御信号を受信したら、サーキュレータ3側でカウントしたタイマ運転の残り時間を除湿ユニット2側から送信されたタイマ運転の残り時間に更新するので、除湿ユニット2とサーキュレータ3の両者に電源ゼロクロス回路を搭載することでのコストアップを防ぎつつ、タイマ運転終了時に除湿ユニット2とサーキュレータ3の運転停止タイミングが大きくズレることを未然に阻止することができ、ユーザに不信感を与えず製品性が向上する。
【0106】
なお、タイマ運転時にサーキュレータ側操作部174でサーキュレータ3の運転停止が指示された場合、サーキュレータ3の各駆動部が運転停止すると共にタイマ運転の経過時間カウントも停止する。その後、除湿ユニット2がタイマ運転中にサーキュレータ側操作部174でサーキュレータ3の運転開始が指示された場合、サーキュレータ3の各駆動部を動作させると共にタイマ運転の経過時間カウントも開始する。所定周期で除湿ユニット2側からタイマ運転の残り時間を含む制御信号が送信され、サーキュレータ3側がタイマ運転の残り時間を含む制御信号を受信することで、サーキュレータ3側におけるタイマ運転の残り時間が更新される。タイマ運転時にサーキュレータ3側での運転停止させた後、サーキュレータ3の運転を再開しても、タイマ運転の残り時間がゼロになったタイミングで除湿ユニット2とサーキュレータ3との運転停止タイミングが大きくズレることがないので、ユーザに不信感を与えず製品性が向上する。
【0107】
次に、本発明の効果を説明する。
【0108】
除湿ユニット2とサーキュレータ3とでの連動運転を所定時間だけ行うタイマ運転において、除湿ユニット2は、電源ゼロクロス回路88の検出信号に基づきタイマ運転の経過時間をカウントしてタイマ運転の残り時間を算出し、サーキュレータ3は、内蔵発振回路180でのクロック信号に基づきタイマ運転の経過時間をカウントしてタイマ運転の残り時間を算出し、除湿ユニット側通信部82は、算出部79で算出したタイマ運転の残り時間を含む制御信号を送信し、サーキュレータ側制御部170は、サーキュレータ側通信部182がタイマ運転の残り時間を含む制御信号を受信したら、タイマ運転の残り時間を受信した制御信号の残り時間にする。除湿ユニット2のみが電源ゼロクロス回路88搭載した除湿機1であっても、タイマ運転時において残り時間がゼロになった時点で除湿ユニット2とサーキュレータ3との停止タイミングが大幅にズレることがないので、コストアップを阻止しつつ停止タイミングのズレによるユーザの不信感発生を未然に阻止することができ、製品性が向上する。
【0109】
また、除湿ユニット側通信部82は、少なくともタイマ運転の残り時間がゼロになった時点で制御信号を送信するので、サーキュレータ側通信部182が制御信号を受信することでサーキュレータ3側でのタイマ運転の残り時間がゼロになり、除湿ユニット2とサーキュレータ3との停止タイミングを合わせることができるため、停止タイミングのズレによるユーザの不信感発生を未然に阻止することができ、製品性が向上する。
【0110】
また、除湿ユニット側通信部82は、所定周期で制御信号を送信するため、除湿ユニット2及びサーキュレータ3の間の障害物の存在などに起因して、特に分離時において通信が不安定になりがちな状況においても制御信号が受信可能な状態を増やし、タイマ運転の残り時間について除湿ユニット2側に合わせることができる可能性が高まるため、停止タイミングのズレによるユーザの不信感発生を未然に阻止することができ、製品性が向上する。
【0111】
また、タイマ運転は、除湿ユニット2からサーキュレータ3が分離時に実行されるので、除湿ユニット2とサーキュレータ3とに物理的な距離がある中で、タイマ運転の残り時間がゼロになったら除湿ユニット2とサーキュレータ3とが大幅にズレることなく運転停止するので、停止タイミングのズレによるユーザの不信感発生を未然に阻止することができ、製品性が向上する。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、特許請求の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0113】
例えば、本発明に係る空気調和機は、空調ユニットが除湿機1である例を用いて説明したが、除湿機1以外にも空気の湿度、温度、清浄度などを調整可能な加湿機、乾燥機、冷暖房装置、空気清浄機などの、他の空調機器にも適用することができる。
【0114】
除湿機1が分離している場合にタイマ運転が行われる例を用いて残り時間の処理を説明したが、除湿機1が一体である場合であってもタイマ運転を行ってもよく、その場合には同様の残り時間の処理を実行してもよい。
【0115】
また、本実施形態では除湿ユニット2側に電源ゼロクロス回路88を搭載し、タイマ運転の残り時間について除湿ユニット2側からサーキュレータ3側へ送信する内容で説明したが、これに限られない。サーキュレータ3側に電源ゼロクロス回路を搭載し、タイマ運転の残り時間についてサーキュレータ3側から除湿ユニット2側へ送信し、除湿ユニット2側のタイマ運転の残り時間を受信したタイマ運転の残り時間に更新するものであってもよい。
【0116】
また、本実施形態では除湿ユニット側通信部82からタイマ運転の残り時間を含む制御信号を所定周期で送信する内容で説明したが、これに限られない。例えば、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点でのみ、タイマ運転の残り時間がゼロになった情報を含む制御信号を除湿ユニット側通信部82から送信するものであってもよい。タイマ運転の残り時間がゼロになったことを含む制御信号をサーキュレータ側通信部182が受信することで、タイマ運転の残り時間がゼロになった時点での除湿ユニット2とサーキュレータ3の停止タイミングを合わせることができるため、発明の要旨が満たされる。
【0117】
除湿ユニット2が着脱状態を検出するためのサーキュレータ検出センサ81を有する例を用いて説明した。しかしながら、除湿ユニット2及びサーキュレータ3がそれぞれ着脱状態を検出してもよいし、サーキュレータ3が検出した着脱状態を除湿ユニット2に共有してもよい。例えば、サーキュレータ3が一体時の姿勢(台座部底面111が下方を向く姿勢)であるか、分離時の姿勢であるか(台座部背面112bが下方を向く(設置面に設置される)姿勢)であるかを検出するための姿勢センサを有することにより、着脱状態を検出してもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 サーキュレータ付除湿機(除湿機)
2 除湿ユニット
3 サーキュレータ
70 除湿ユニット側制御部
78 タイマ
79 算出部
82 除湿ユニット側通信部
88 電源ゼロクロス回路
170 サーキュレータ側制御部
178 タイマ
179 算出部
180 内蔵発振回路
182 サーキュレータ側通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13