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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121866
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】調湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20240902BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240902BHJP
【FI】
F24F11/32
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029074
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】関谷 佳子
(72)【発明者】
【氏名】梅本 大輔
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AB02
3L260AB12
3L260AB14
3L260BA55
3L260BA61
3L260CB71
3L260CB74
3L260DA10
3L260FB61
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】 新規な調湿装置を提供する。
【解決手段】 空気を調湿するためのバッチ式の調湿装置15である。調湿装置15は、ケーシング26と、調湿部16と、空気搬送部と、駆動部28と、調湿部16の回転位置を検出するための第1センサー及び第2センサーを含むセンサー群と、センサー群の信号に基づいて、駆動部28の回転制御を行うための制御部とを含んでいる。制御部は、第1センサーの信号に基づいて、調湿部16が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように駆動部28を制御する第1運転処理を実行する。制御部は、さらに、第2センサーを用いて第1センサーの故障の有無を判定する判定処理と、第1センサーが故障していると判定したときに、第2センサーの信号に基づいて、調湿部16を第1の位置又は第2の位置で停止するように駆動部28を制御する第2運転処理とを実行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を調湿するためのバッチ式の調湿装置であって、
第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口を有するケーシングと、
前記ケーシング内で回転軸の周りに回転可能に配された調湿部であって、互いに独立した第1チャンバー及び第2チャンバーを有し、各チャンバーは、内部に調湿材が配され、かつ、両端が開口する筒状構造を備えている前記調湿部と、
第1空気を前記第1入口に供給し、かつ、前記第1空気よりも相対湿度が高い第2空気を前記第2入口に供給するための空気搬送部と、
前記調湿部を回転駆動するための駆動部と、
前記調湿部の回転位置を検出するための第1センサー及び第2センサーを含むセンサー群と、
前記センサー群の信号に基づいて、前記駆動部の回転制御を行うための制御部とを含み、
前記制御部は、前記第1センサーの信号に基づいて、前記調湿部が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように前記駆動部を制御する第1運転処理を実行し、
前記第1の位置では、前記第1入口が前記第1チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第2チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、
前記第2の位置では、前記第1入口が前記第2チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第1チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、
前記制御部は、さらに、
前記第2センサーを用いて前記第1センサーの故障の有無を判定する判定処理と、
前記第1センサーが故障していると判定したときに、前記第2センサーの信号に基づいて、前記調湿部を前記第1の位置又は前記第2の位置で停止するように前記駆動部を制御する第2運転処理とを実行する、
調湿装置。
【請求項2】
前記判定処理は、前記調湿部が前記第1の位置及び前記第2の位置の一方から前記第1の位置及び前記第2の位置の他方へ移動している間に、前記第1センサーの故障の有無を判定する、請求項1に記載の調湿装置。
【請求項3】
前記第1センサーは、前記第1の位置及び前記第2の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成されており、
前記第2の位置は、前記回転軸を中心として前記第1の位置から180°を隔てた位置である、請求項1又は2に記載の調湿装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2センサーの信号に基づいて、前記調湿部を、第3の位置又は第4の位置で停止するように前記駆動部を制御するメンテナンスモードを備える、請求項3に記載の調湿装置。
【請求項5】
前記第2センサーは、前記第1の位置ないし前記第4の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成されており、
前記第3の位置は、前記回転軸を中心として前記第1の位置から90°を隔てた位置であり、
前記第4の位置は、前記回転軸を中心として前記第3の位置から180°を隔てた位置である、請求項4に記載の調湿装置。
【請求項6】
前記判定処理は、前記調湿部が前記第1の位置及び前記第2の位置の一方から前記第1の位置及び前記第2の位置の他方へ移動している間に、前記移動に要する予め定められた時間内に前記第1センサーの前記検出信号を検出できず、かつ、前記第2センサーの前記検出信号を2回以上検出したときに、前記第1センサーが故障していると判定する、請求項5に記載の調湿装置。
【請求項7】
前記第1センサーは、接触式センサー又は非接触式センサーであり、
前記第2センサーは、接触式センサー又は非接触式センサーである、請求項1又は2に記載の調湿装置。
【請求項8】
前記調湿部は、前記回転軸を中心とした最大回転半径を有し、
前記第1センサーは、前記回転軸の方向から見て、前記回転軸から前記最大回転半径の50%以上の距離を隔てた前記調湿部の外周部分の位置を検出するように設けられている、請求項1に記載の調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、調湿チャンバーを有するバッチ式の調湿システムが記載されている。調湿チャンバーは、互いに独立した第1チャンバーと第2チャンバーとを含んで構成されており、それらの内部には、調湿材が配されている。これらのチャンバーには、空調機で空調された相対湿度の低い空気と、調湿材を吸湿状態とするための相対湿度の高い空気とが、ダンパーを介して交互に切換供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-071891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような調湿システムとは異なる、新規な調湿装置の提供を主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、空気を調湿するためのバッチ式の調湿装置であって、第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口を有するケーシングと、前記ケーシング内で回転軸の周りに回転可能に配された調湿部であって、互いに独立した第1チャンバー及び第2チャンバーを有し、各チャンバーは、内部に調湿材が配され、かつ、両端が開口する筒状構造を備えている前記調湿部と、第1空気を前記第1入口に供給し、かつ、前記第1空気よりも相対湿度が高い第2空気を前記第2入口に供給するための空気搬送部と、前記調湿部を回転駆動するための駆動部と、前記調湿部の回転位置を検出するための第1センサー及び第2センサーを含むセンサー群と、前記センサー群の信号に基づいて、前記駆動部の回転制御を行うための制御部とを含み、前記制御部は、前記第1センサーの信号に基づいて、前記調湿部が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように前記駆動部を制御する第1運転処理を実行し、前記第1の位置では、前記第1入口が前記第1チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第2チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、前記第2の位置では、前記第1入口が前記第2チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第1チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、前記制御部は、さらに、前記第2センサーを用いて前記第1センサーの故障の有無を判定する判定処理と、前記第1センサーが故障していると判定したときに、前記第2センサーの信号に基づいて、前記調湿部を前記第1の位置又は前記第2の位置で停止するように前記駆動部を制御する第2運転処理とを実行する、調湿装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の調湿装置においては、調湿部が回転可能に配されており、調湿部を第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように駆動部を制御するバッチ運転モードを備える。したがって、本発明の調湿装置では、ダンパーが必須では無いので、それらのメンテナンスを省くことができる。
【0007】
本発明の調湿装置においては、制御部が、第1センサーが故障していると判定したときに、第2センサーの信号に基づいて、調湿部を第1の位置又は第2の位置で停止するように駆動部を制御することができる。したがって、第1センサーが故障した場合であっても、空調空気が搬送されうる位置での調湿部の回転停止が保障される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の調湿装置と空気調和機とを備える住宅の概念的な断面図である。
図2】本実施形態の調湿装置を含む空調・調湿装置の主ケーシングを示す斜視図である。
図3図2の部分斜視図である。
図4図2の部分断面図である。
図5】駆動部とセンサー群の拡大図である。
図6図5のA-A線断面図である。
図7】空気搬送部を除いた調湿装置の分解斜視図である。
図8】空気搬送部を除いた調湿装置の断面図である。
図9】(a)は、第1の位置を示す断面図、(b)は、第2の位置を示す断面図である。
図10】第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置の調湿部の正面図である。
図11】第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置のセンサー群の正面図である。
図12】制御部の構成の一例を示す概念図である。
図13】調湿方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】第1運転処理ステップの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】第2運転処理ステップの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の他の実施形態の調湿装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態の調湿装置は、空気を調湿するためのものである。本実施形態の調湿装置は、予め定められた周期で、放湿と吸湿とを交互に繰り返すことが可能なバッチ式の調湿装置として構成されている。
【0011】
本実施形態の調湿装置は、例えば、空気調和機とともに、住宅に備えられている。本実施形態では、空気調和機を含む全館空調システムにおいて、居室への空気搬送経路中に、調湿装置が介在している。
【0012】
[住宅]
図1は、本実施形態の調湿装置と空気調和機とを備える住宅2の概念的な断面図である。本実施形態の住宅2は、例えば、床下空間3と、床上空間4とを含んで構成されている。
【0013】
本実施形態の床上空間4には、例えば、複数の居室5が設けられている。居室5には、1階の居室が含まれているが、2階以上の居室(図示省略)が含まれてもよい。また、各居室5は、例えば、扉6等で区画されており、扉6に形成された隙間7を介して、空気A2が流通している。
【0014】
[全館空調システム]
本実施形態の全館空調システム1は、空気調和機13で空調された空気(以下、単に「空調空気」ということがある。)A1を調湿して、複数の居室5に供給するためのものである。
【0015】
本実施形態の全館空調システム1は、空調・調湿装置10と、第1流路11とを含んで構成されている。本実施形態の第1流路11は、空調・調湿装置10と複数の居室5との間に接続されている。これにより、第1流路11は、空調・調湿装置10からの空調空気(調湿された空調空気)A1を、複数の居室5に供給することができる。第1流路11は、例えば、筒状に形成されたダクトによって形成されうる。
【0016】
[空調・調湿装置]
本実施形態の空調・調湿装置10は、主ケーシング12、空気調和機13及びフィルター部材17を含んで構成されている。さらに、本実施形態の空調・調湿装置10には、上述の調湿装置15が含まれる。なお、調湿装置15は、空調・調湿装置10とは独立していてもよい。図2は、本実施形態の調湿装置15を含む空調・調湿装置10の主ケーシング12を示す斜視図である。図3は、図2の部分斜視図である。図4は、図2の部分断面図である。図5は、駆動部28とセンサー群64の拡大図である。図6は、図5のA-A線断面図である。本実施形態において、空調・調湿装置10の各構成部材の位置等は、x軸と、y軸と、x軸及びy軸と直交するz軸との直交座標上で特定される。また、本実施形態において、x軸及びy軸の方向が水平方向、及び、z軸の方向が垂直方向(高さ方向)に設定されているが、このような態様に限定されない。
【0017】
[主ケーシング]
図2及び図3に示されるように、本実施形態の主ケーシング12は、その内部に主空間(メインスペース)18を有する箱状に形成されている。本実施形態の主空間18は、枠体19と、枠体19に支持された面材20とによって区分されている。面材20には、例えば、主空間18内と、主ケーシング12の外部とを断熱するための断熱材(図示省略)が含まれていてもよい。
【0018】
図3及び図4に示されるように、本実施形態の主空間18は、主ケーシング12に設けられた第1仕切面材20A(本例では、後述する第1側面材33Aを含む)により、第1主空間18Aと、第2主空間18Bと、第3主空間18Cとに区分されている。本実施形態の第1仕切面材20A(第1側面材33A)は、主ケーシング12において、x軸の方向のほぼ中央に配置されている。これにより、第1主空間18A及び第2主空間18Bは、x軸の方向において、第1仕切面材20A(第1側面材33A)を介して隣接している。
【0019】
本実施形態の第1仕切面材20A(第1側面材33A)は、z軸の方向において、主ケーシング12の一端(本例では、上端)から他端(本例では、下端)側に延び、他端に至ることなく終端している。これにより、主空間18は、第1仕切面材20A(第1側面材33A)の他端側に、第1主空間18A及び第2主空間18Bに連通する第3主空間18Cが区分される。
【0020】
図2及び図3に示されるように、本実施形態の主ケーシング12には、開閉可能な扉部21が設けられている。このような扉部21が開かれることにより、主ケーシング12の内部の主空間(メインスペース)18に容易にアクセスすることができ、空調・調湿装置10のメンテナンス性が向上する。本実施形態の扉部21は、第1扉部21A及び第2扉部21Bを含んで構成されている。
【0021】
図2ないし図4に示されるように、本実施形態の主ケーシング12は、少なくとも一つの入口22と、少なくとも一つの出口23と、入口22と出口23とを連通させる内部流路24(図4に示す)とを備えている。
【0022】
本実施形態の入口22は、主ケーシング12の主空間(メインスペース)18に、空気を供給するためのものである。本実施形態の入口22は、例えば、主ケーシング12の外部(本例では、図1に示した床上空間4)と、主ケーシング12の主空間18とを連通させる孔として形成されている。
【0023】
本実施形態の入口22は、z軸の方向において、主ケーシング12の一端(上端)側に設けられている。さらに、入口22は、x軸の方向において、第1仕切面材20Aに対して一方側(第1主空間18A)側に設けられている。これにより、入口22は、第1主空間18Aに、空気(本例では、住宅2内の空気A2)を供給することができる。本実施形態の入口22は、住宅2内の空気(本例では、複数の居室5からのリターン空気)A2を、主ケーシング12の主空間18に供給可能に形成されているが、換気用の外気(図示省略)を供給可能に形成されてもよい。
【0024】
本実施形態の出口23は、例えば、主ケーシング12の主空間(メインスペース)18の空調空気(本例では、調湿された空調空気)A1を、主ケーシング12の外部に供給するためのものである。本実施形態の出口23は、主ケーシング12の主空間18と、主ケーシング12の外部(本例では、第1流路11)とを連通させる孔として形成されている。
【0025】
本実施形態の出口23は、z軸の方向において、主ケーシング12の一端(上端)側に設けられている。さらに、出口23は、x軸の方向において、第1仕切面材20Aに対して他方側(第2主空間18B)側に設けられている。これにより、出口23は、第2主空間18Bの空気を取り出して、主ケーシング12の外部(本例では、第1流路11)に供給することが可能となる。本実施形態の出口23には、上述の第1流路11が接続されている。これにより、第2主空間18Bの空気(空調空気A1)は、出口23から第1流路11を介して、複数の居室5(図1に示す)に供給されうる。
【0026】
図4に示されるように、本実施形態の内部流路24は、入口22と出口23とを連通している。内部流路24には、空気調和機13が設けられている。これにより、入口22から供給された空気(本例では、リターン空気)A2を空気調和機13で空調させ、かつ、空調空気A1を出口23(第1流路11)に案内することができる。
【0027】
本実施形態の内部流路24は、入口22と連通する第1主空間18A、出口23と連通する第2主空間18B、及び、第1主空間18Aと第2主空間18Bとを連通する第3主空間18Cで構成されている。これにより、内部流路24は、y軸の方向から見た側面視において、U字状に形成されている。
【0028】
[空気調和機]
図3及び図4に示されるように、本実施形態の空気調和機13は、例えば、一般的な家庭用のセパレート型エアコンで構成されている。空気調和機13は、室内機13Aと、住宅2の外部に設置された室外機(図示省略)とをセットとして含んでいる。室内機13Aは、吸込み口13aと吹出し口13bとを有している。
【0029】
本実施形態の空気調和機13(室内機13A)は、主ケーシング12の内部流路24中に配されている。本実施形態では、内部流路24のうち、第1主空間18A(入口22側)に、室内機13Aが配されている。
【0030】
本実施形態の吸込み口13aは、入口22から供給された空気(本例では、住宅2内の空気(リターン空気))A2を取り込んで、室内機13Aの内部に設けられた熱交換器(図示省略)に供給している。一方、本実施形態の吹出し口13bは、熱交換器で空調された空気(空調空気)A1を、出口23側(内部流路24の下流側(第3主空間18C及び第2主空間18B側))に吐出している。空気調和機13の設定温度や風量(吹出し風量)は、例えば、後述する制御部25(図1に示す)によって制御される。
【0031】
[フィルター部材]
本実施形態のフィルター部材17は、空気を浄化するためのものである。本実施形態のフィルター部材17は、主ケーシング12の内部流路24に配されている。このようなフィルター部材17により、内部流路24内の空気が浄化されうる。
【0032】
本実施形態のフィルター部材17は、内部流路24において、空気調和機13と後述する調湿装置15との間に位置している。これにより、フィルター部材17で浄化された空調空気A1が、調湿装置15に供給されるため、調湿装置15の汚損等が抑制される。フィルター部材17の一例としては、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター等が挙げられる。
【0033】
[調湿装置(第1実施形態)]
図4に示されるように、本実施形態の調湿装置15は、主ケーシング12の内部流路24中、かつ、空気調和機13よりも出口23側に配されている。このような調湿装置15により、空気調和機13の空調空気A1が調湿されうる。
【0034】
本実施形態の調湿装置15の位置は、主ケーシング12の内部流路24中、かつ、空気調和機13よりも出口23側(内部流路24の下流側)に配されていれば、特に限定されない。本実施形態の調湿装置15(調湿部16)は、第2主空間18Bに設けられている。
【0035】
図2ないし図4に示されるように、本実施形態の調湿装置15は、ケーシング26と、調湿部16と、空気搬送部14と、駆動部28と、センサー群64(図5及び図6に示す)と、制御部25(図1に示す)とを含んで構成されている。
【0036】
[ケーシング(副ケーシング)]
本実施形態のケーシング26は、主ケーシング12内において、調湿部16を内部に配置する副ケーシング27として構成される。図4に示されるように、本実施形態のケーシング26は、その内部に副空間(サブスペース)29を有する箱状に形成されている。
【0037】
本実施形態のケーシング26は、主ケーシング12に、分解可能に固定されている。これにより、調湿装置15のメンテナンス性が向上する。なお、ケーシング26は、主ケーシング12と一体に構成(分解不能に固定)されていてもよい。図7は、空気搬送部14を除いた調湿装置15の分解斜視図である。図8は、空気搬送部14を除いた調湿装置15の断面図である。
【0038】
図4図7及び図8に示されるように、本実施形態のケーシング26は、z軸の方向の両側に配された下面材31及び上面材32と、下面材31と上面材32との間に配された複数の側面材33とを含んで構成されている。これらの下面材31、上面材32及び複数の側面材33により、ケーシング26には、副空間29が区画される。
【0039】
本実施形態の下面材31、上面材32及び複数の側面材33のそれぞれは、平面視において矩形状に形成されている。これにより、ケーシング26は、x軸、y軸及びz軸のそれぞれの方向から見た平面視において、矩形状に形成される。これらの下面材31、上面材32及び複数の側面材33には、断熱材(図示省略)が含まれていてもよい。
【0040】
図7に示されるように、本実施形態の下面材31及び上面材32は、x軸-y軸の平面に広がっている。これらの下面材31及び上面材32は、z軸の方向で互いに離間して配置されている。
【0041】
図4図7及び図8に示されるように、本実施形態の複数の側面材33は、第1側面材33A、第2側面材33B、第3側面材33C及び第4側面材33Dを含んで構成されている。
【0042】
本実施形態の第1側面材33A及び第2側面材33Bは、y軸-z軸の平面に広がっている。これらの第1側面材33A及び第2側面材33Bは、x軸の方向で互いに離間して配置されている。図4に示されるように、本実施形態の第1側面材33Aは、主ケーシング12の第1仕切面材20Aに固定されているが、このような態様に限定されない。
【0043】
図7に示されるように、本実施形態の第3側面材33C及び第4側面材33Dは、x軸-z軸の平面に広がっている。これらの第3側面材33C及び第4側面材33Dは、y軸の方向で互いに離間して配置されている。
【0044】
図7及び図8に示されるように、本実施形態のケーシング26には、第2仕切部34が設けられている。第2仕切部34は、z軸の方向に延びる後述の第1仕切部30の両端(本例では、z軸の方向の両端)から、隙間44を介してz軸の方向に延びている。本実施形態の第2仕切部34は、x軸-z軸の平面に広がる板状に形成されている。さらに、第2仕切部34は、y軸の方向において、第3側面材33Cと第4側面材33Dとの間に配されている。このような第1仕切部30及び第2仕切部34により、ケーシング26(副空間29)は、y軸の方向に並んで配置され、かつ、z軸の方向に空気を通過させる第1空間29A及び第2空間29Bに区分される。
【0045】
本実施形態のケーシング26は、空気の出入口として、第1入口35A、第1出口36A、第2入口35B及び第2出口36Bを有している。
【0046】
本実施形態の第1入口35Aは、第1空間29Aに空気を供給するためのものである。この第1入口35Aは、下面材31に形成されている。一方、本実施形態の第2入口35Bは、第2空間29Bに空気を供給するためのものである。この第2入口35Bは、第4側面材33Dに形成されている。
【0047】
本実施形態の第1出口36Aは、第1空間29Aから空気を取り出すためのものである。一方、第2出口36Bは、第2空間29Bから空気を取り出すためのものである。これらの第1出口36A及び第2出口36Bは、上面材32に形成されている。
【0048】
図7に示されるように、本実施形態の第1入口35A及び第1出口36Aは、ケーシング26において、y軸の方向の一方側(本例では、第1仕切部30及び第2仕切部34に対して一方側(第1空間29A側))に設けられている。これにより、第1入口35A及び第1出口36Aは、第1空間29Aと、ケーシング26の外部との間を連通しうる。
【0049】
図4に示されるように、本実施形態の第1入口35Aは、主ケーシング12の第3主空間18Cと連通している。これにより、第1入口35Aは、第3主空間18Cから空調空気A1を、第1空間29A(第2主空間18B)に供給することができる。一方、本実施形態の第1出口36Aは、上述の主ケーシング12の出口23で構成されている。
【0050】
図7に示されるように、本実施形態の第2入口35B及び第2出口36Bは、ケーシング26において、y軸の方向の他方側(本例では、第1仕切部30及び第2仕切部34に対して他方側(第2空間29B側))に設けられている。これにより、第2入口35B及び第2出口36Bは、第2空間29Bと、ケーシング26の外部との間を連通しうる。
【0051】
図7及び図8に示されるように、本実施形態の第2入口35Bは、外気A3(図1に示す)を供給するための外気供給部37が接続されている。これにより、第2入口35Bは、第2空間29B(第2主空間18B)に、外気A3を供給することができる。
【0052】
本実施形態の外気供給部37は、第2流路38を含んで構成されている。図1に示されるように、第2流路38の一端は、住宅2の小屋裏39に配されている。この小屋裏39には、後述する調湿材43(調湿エレメント53)の回復(再生)に用いられる外気A3が供給されている。一方、図7に示されるように、第2流路38の他端は、第2入口35Bに接続されている。本実施形態の第2流路38は、筒状に形成されたダクトによって形成されている。
【0053】
図7及び図8に示されるように、本実施形態の第2出口36Bは、第3流路41の一端が接続されている。第3流路41の他端は、図1に示されるように、小屋裏39に配されている。したがって、第2空間29Bの外気A3は、第2出口36B及び第3流路41を介して、小屋裏39(図1に示す)に供給されうる。
【0054】
図3図4及び図7に示されるように、本実施形態のケーシング26には、開閉可能な点検用の扉42が設けられるのが好ましい。このような点検用の扉42が開かれることにより、ケーシング26の内部(本例では、後述する調湿部16(調湿材43))に容易にアクセスでき、メンテナンス性が向上する。
【0055】
点検用の扉42は、ケーシング26を開閉可能なものであれば、適宜設定されうる。図3及び図4に示されるように、本実施形態の点検用の扉42は、第1側面材33Aの一部として、第1側面材33Aの下側に設けられており、y軸の回りに回動可能な扉として構成されている。したがって、例えば、主ケーシング12の外部から、扉部21(図2に示す)を開き、フィルター部材17を取り外すことで、点検用の扉42を開くことができる。これにより、ケーシング26の内部に容易にアクセスすることが可能となる。
【0056】
[調湿部]
図7及び図8に示されるように、本実施形態の調湿部16は、互いに独立した第1チャンバー45及び第2チャンバー46を有している。本実施形態の第1チャンバー45及び第2チャンバー46は、第1仕切部30によって区分される。さらに、本実施形態の調湿部16は、各チャンバー(第1チャンバー45、第2チャンバー46)の内部に配される調湿材43を備えている。
【0057】
[第1仕切部]
本実施形態の第1仕切部30は、z軸の方向に延びている。本実施形態の第1仕切部30は、x軸-z軸の平面に広がる板状に形成されている。この第1仕切部30と、第2仕切部34とにより、ケーシング26が、第1空間29Aと第2空間29Bとに区分される。本実施形態の第1仕切部30のx軸方向の両端は、第1側面材33A及び第2側面材33Bと、隙間(図示省略)を介して隣接している。
【0058】
[第1チャンバー・第2チャンバー]
第1チャンバー45及び第2チャンバー46は、第1仕切部30を介してy軸の方向に並んで区分されている。本実施形態の第1チャンバー45は、x軸の方向に延びる回転軸51に対してy軸の方向の一方側に配されている。一方、本実施形態の第2チャンバー46は、回転軸51に対してy軸方向の他方側に配されている。
【0059】
本実施形態の第1チャンバー45は、第1仕切部30、第3仕切部48、上述の第1側面材33A、及び、上述の第2側面材33Bによって区分されている。なお、第1チャンバー45は、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、他の仕切部(図示省略)で区分されてもよい。
【0060】
本実施形態の第3仕切部48は、第1仕切部30と同様に、x軸-z軸の平面に広がる板状に形成されている。この第3仕切部48は、例えば、第1仕切部30に、連結部(図示省略)を介して固定されている。また、第3仕切部48のx軸方向の両端56、56(図7に示す)は、第1仕切部30と同様に、第1側面材33A及び第2側面材33Bと、隙間を介して隣接している。
【0061】
本実施形態の第2チャンバー46は、第1仕切部30、第4仕切部49、上述の第1側面材33A、及び、上述の第2側面材33Bによって区分されている。なお、第2チャンバー46は、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、他の仕切部(図示省略)で区分されてもよい。
【0062】
本実施形態の第4仕切部49は、第1仕切部30及び第3仕切部48と同様に、x軸-z軸の平面に広がる板状に形成されている。この第4仕切部49は、例えば、第1仕切部30に、連結部(図示省略)を介して固定されている。また、第4仕切部49のx軸方向の両端57、57(図7に示す)は、第1仕切部30と同様に、第1側面材33A及び第2側面材33Bと、隙間を介して隣接している。
【0063】
このように、第1チャンバー45及び第2チャンバー46は、それぞれ複数の仕切部及び側面材によって区分されている。これにより、第1チャンバー45及び第2チャンバー46は、互いに独立している。
【0064】
図7及び図8に示されるように、各チャンバー(第1チャンバー45、第2チャンバー46)は、両端が開口する筒状構造を備えている。本実施形態の調湿部16の第1チャンバー45及び第2チャンバー46は、第1仕切部30、第3仕切部48、第4仕切部49の長手方向(z軸の方向)の両端が開口している。これにより、z軸の方向(上下方向)に沿って、第1チャンバー45は、後述する第1空気58を、第2チャンバー46は、後述する第2空気59を通過させることができる。
【0065】
第1チャンバー45及び第2チャンバー46内(後述する調湿材43)に効率よく空気を通過させるために、ケーシング26には、例えば、第5仕切部52が設けられるのが好ましい。本実施形態の第5仕切部52は、x軸-y軸の平面に広がる板状に形成されており、第3仕切部48と第3側面材33Cとの間、及び、第4仕切部49と第4側面材33Dとの間を延びている。このような第5仕切部52により、第3仕切部48と第3側面材33Cとの隙間や、第4仕切部49と第4側面材33Dとの隙間を塞ぐことができ、これらの隙間に空気が進入するのを防ぐことが可能となる。
【0066】
[調湿材]
調湿材43は、各チャンバー(第1チャンバー45、第2チャンバー46)の内部に配されている。本実施形態の調湿材43は、z軸の方向に通過する空気(第1空気58及び第2空気59)を調湿するためのものである。この調湿材43は、相対湿度の高い空気から水蒸気を吸着しうるとともに、相対湿度の低い空気に自らが吸着した水蒸気を放出しうる吸放湿性能を有している。
【0067】
調湿材43は、吸放湿性能を有するものであれば、特に限定されない。本実施形態の調湿材43は、調湿エレメント53で構成されている。
【0068】
図7に示されるように、本実施形態の調湿エレメント53は、複数の調湿シート54を含んで構成されている。複数の調湿シート54は、空気をz軸の方向に通過可能なように、間隔を空けて積層(例えば、ハニカム状やオニ段状に積層)されている。このような調湿エレメント53により、湿気交換面積を効果的に増大させることが可能となる。調湿シート54には、例えば、上記特許文献1と同様の吸着材(図示省略)が担持されている。
【0069】
本実施形態の各調湿材43は、それぞれ、分割可能な複数の調湿エレメント53を含んで構成されている。例えば、第1チャンバー45の内部に配される調湿材43は、第1調湿エレメント53Aと、第1調湿エレメント53Aとy軸の方向で隣接する第2調湿エレメント53Bとを含んでいる。一方、第2チャンバー46の内部に配される調湿材43は、第1調湿エレメント53Cと、この第1調湿エレメント53Cとy軸の方向で隣接する第2調湿エレメント53Dとを含んでいる。第1調湿エレメント53A、53Cは、回転軸51側に設けられている。
【0070】
本実施形態の各調湿エレメント53A~53Dは、同一形状に形成されている。これにより、調湿エレメント53A~53Dの製造コストが低減する。なお、各調湿エレメント53A~53Dは、互いに異なる形状であってもよい。
【0071】
図4図7及び図8に示されるように、本実施形態の調湿部16は、ケーシング26内で、回転軸51の周りに回転可能に配されている。
【0072】
本実施形態の回転軸51は、x軸方向に延びており、その一端が、後述するカップリング(軸継手)60を介して、駆動部28に連結されている。図4に示されるように、回転軸51の他端は、第2側面材33Bに設けられた軸受(図示省略)に支持されている。これにより、本実施形態の調湿部16は、回転軸51の周りに回転することが可能となる。
【0073】
[空気搬送部]
図1に示されるように、空気搬送部14は、ケーシング26内に空気を通過させている。図4、7及び8に示されるように、この空気搬送部14は、第1空間29A及び第2空間29Bに空気を通過させている。空気搬送部14は、第1空気58を第1入口35Aに供給し、かつ、第1空気よりも相対湿度が高い第2空気59を第2入口35Bに供給するためのものである。空気搬送部14は、第1ファン14Aと、第2ファン40(図1に示す)とを含んでいる。
【0074】
図1ないし図4に示されるように、本実施形態の第1ファン14Aは、第1入口35Aに空気(第1空気)58を供給するためのものである。この第1ファン14Aは、主ケーシング12の内部流路24に配されており、空気調和機13と調湿部16との間(本例では、第3主空間18C(図4に示す))に位置している。
【0075】
本実施形態の第1ファン14Aは、主ケーシング12の入口22から出口23(ケーシング26の第1出口36A)に向かう空気流を生成している。これにより、第1ファン14Aは、調湿部16の外部に対して、第1空間29Aに空気(第1空気)58を通過させることができる。このような空気流により、住宅2内の空気(リターン空気)A2が入口22から取り込まれ、空気調和機13によって空調される。さらに、空気流により、空気調和機13から吐出された空調空気A1が、ケーシング26内に通過させて、出口23(第1出口36A)側へと円滑に案内されうる。
【0076】
図1に示されるように、本実施形態の第2ファン40は、ケーシング26の第2空間29Bに空気(第2空気)59を供給するためのものである。この第2ファン40は、第2流路38に配されており、一端側(小屋裏39側)から他端側(ケーシング26の第2入口35B側)に向かう空気流を生成している。これにより、第2ファン40は、調湿部16の外部に対して、第2空間29Bに空気(第2空気)59を通過させることができる。このような空気流により、外気(第2空気)A3が第2入口35Bから取り込まれ、かつ、その外気(第2空気)A3をケーシング26内に通過させて、第2出口36Bへと円滑に案内されうる。なお、第2ファン40は、第2流路38に配される態様に限定されるわけではなく、例えば、第2入口35Bと調湿部16との間に配されていてもよい。
【0077】
上述のように、第1空気58は、空気調和機13によって空調された空気である。一方、第2空気59は、小屋裏39からの外気A3である場合が例示されるが、床下空間3からの外気A3であっても良く、住宅2が複層建ての場合には、階間空間(図示省略)からの外気A3であっても良い。例えば、冬季において、空気調和機13が暖房運転している場合には、空気搬送部14によって、第1空気(温められた空調空気)A1が第1入口35Aに供給され、かつ、第1空気58よりも相対湿度が高い第2空気(外気)A3が第2入口35Bに供給される。
【0078】
[駆動部]
図4図5及び図7に示されるように、駆動部28は、調湿部16を回転駆動するためのものである。本実施形態の駆動部28は、例えば、ケーシング26内で、x軸の方向に延びる回転軸51周りに調湿部16を回転駆動する。
【0079】
駆動部28は、調湿部16を回転駆動可能なものであれば、特に限定されない。本実施形態の駆動部28は、例えば、回転駆動可能な電気モーターとして構成されている。本実施形態では、駆動部28の回転軸82が、カップリング(軸継手)60を介して、調湿部16の回転軸51に接続されている。このようなカップリング60により、駆動部28の回転の開始時や停止時に発生する衝撃や、トルク変動が緩和されうる。図8において、調湿部16の回転軌道が、仮想線で示されており、回転方向として、反時計回りの回転が例示されている。
【0080】
本実施形態の駆動部28は、第1側面材33Aに固定されたブラケット61を介して、第1側面材33Aに固定されている。図4に示されるように、本実施形態では、第1主空間18Aに、駆動部28が露出して固定されている。これにより、主ケーシング12に設けられた扉部21から第1主空間18Aを介して、駆動部28に容易にアクセスでき、メンテナンス性が向上する。ブラケット61の内部には、空間62が形成されている。この空間62には、上述のカップリング60や、後述の回転ディスク63及びセンサー群64が収容されている。これにより、回転ディスク63及びセンサー群64が保護されうる。
【0081】
本実施形態では、x軸の方向に延びる回転軸51周りで、駆動部28が調湿部16を回転駆動させることにより、調湿部16が、後述の第1の位置と第2の位置とに交互に切り替えられうる。
【0082】
図9(a)は、第1の位置を示す断面図である。図9(b)は、第2の位置を示す断面図である。図9では、第1チャンバー45の調湿材43と、第2チャンバー46の調湿材43とを区別しやすくするために、異なる色が付されている。さらに、図9の外気A3に色が付されている。
【0083】
[第1の位置]
図9(a)に示されるように、第1の位置では、第1入口35Aが第1チャンバー45を経由して第1出口36Aに接続され、かつ、第2入口35Bが第2チャンバー46を経由して第2出口36Bに接続されている。本実施形態の第1の位置では、第1チャンバー45が第1空間29A内に配置され、かつ、第2チャンバー46が第2空間29B内に配置される。したがって、本実施形態の第1の位置では、第1入口35Aからの第1空気58が第1チャンバー45を経由して第1出口36Aへと流れ、第2入口35Bからの第2空気59が第2チャンバー46を経由して第2出口36Bへと流れている。
【0084】
第1の位置での第1入口35Aには、空気調和機13(図4に示す)の第1空気(空調空気)58が供給される。例えば、冬季において、空気調和機13が暖房運転している場合には、第1空気(温められた空調空気)58の相対湿度が低くなる。このような相対湿度が低い第1空気58が、第1チャンバー45(調湿エレメント53)のz軸方向の一端45aから他端45bに通過することにより、第1チャンバー45の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着している水蒸気が放出される(放湿状態)。これにより、第1空気58の相対湿度が高められる。そして、相対湿度が高められた(第1チャンバー45の他端45bを通過した)第1空気58は、第1出口36Aから第1流路11を介して、複数の居室5(図1に示す)に供給される。これにより、第1の位置では、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
【0085】
一方、第1の位置での第2入口35Bには、外気供給部37から第2空気(外気)59が供給される。例えば、冬季の第2空気59は、第1空気(温められた空調空気)58に比べて、相対湿度が高くなる。このような相対湿度が高い第2空気59が、第2チャンバー46のz軸方向の一端46aから他端46bに通過することにより、第2空気59に含まれる水蒸気が、第2チャンバー46の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着する(吸湿状態)。これにより、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。そして、水蒸気の吸着によって相対湿度が低くなった(第2チャンバー46の他端46bを通過した)第2空気59は、第2出口36Bから第3流路41を介して、小屋裏39(図1に示す)に供給される。これにより、第1の位置では、小屋裏39を除湿する(小屋裏39の結露を抑制)ことが可能となる。
【0086】
[第2の位置]
図9(b)に示されるように、第2の位置では、第1入口35Aが第2チャンバー46を経由して第1出口36Aに接続され、かつ、第2入口35Bが第1チャンバー45を経由して第2出口36Bに接続されている。本実施形態の第2の位置では、第1チャンバー45が第2空間29B内に配置され、かつ、第2チャンバー46が第1空間29A内に配置される。したがって、本実施形態の第2の位置では、第1入口35Aからの第1空気58が第2チャンバー46を経由して第1出口36Aへと流れ、かつ、第2入口35Bからの第2空気59が第1チャンバー45を経由して第2出口36Bへと流れている。
【0087】
本実施形態の第2の位置は、回転軸51を中心として、第1の位置から180°を隔てた位置に設定される。ここで、「180°」は、駆動部28の回転精度の誤差(-5~+5°)が許容されるものとする。
【0088】
第2の位置での第1入口35Aには、空気調和機13の第1空気(本例では、相対湿度が低い空調空気)58が供給される。このような相対湿度が低い第1空気58が、第2チャンバー46の他端46bから一端46aに通過することにより、第2チャンバー46の調湿材43に吸着している水蒸気が放出される(放湿状態)。これにより、第1空気58の相対湿度が高められる。そして、相対湿度が高められた(第2チャンバー46の一端46aを通過した)第1空気58は、第1出口36Aから第1流路11を介して、複数の居室5(図1に示す)に供給される。これにより、第2の位置では、第1の位置と同様に、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
【0089】
第2の位置での第2入口35Bには、外気供給部37からの第2空気(本例では、相対湿度が高い外気)59が供給される。このような相対湿度が高い第2空気59が、第1チャンバー45の他端45bから一端45aに通過することにより、第2空気59に含まれる水蒸気を、第1チャンバー45の調湿材43に吸着させることができる(吸湿状態)。これにより、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。そして、水蒸気の吸着によって相対湿度が低くなった(第1チャンバー45の一端45aを通過した)第2空気59は、第2出口36Bから第3流路41を介して、小屋裏39(図1に示す)に供給される。これにより、第2の位置では、小屋裏39を除湿(小屋裏39の結露を抑制)することが可能となる。
【0090】
[調湿部の作用]
このように、本実施形態の調湿装置15は、駆動部28が調湿部16を回転駆動させることで、調湿部16が第1の位置と第2の位置とに交互に切り替えられる。このような切り替えにより、空調空気A1を、第1チャンバー45及び第2チャンバー46に交互に通過させることができるため、空調及び加湿された空調空気A1を、複数の居室5に連続的に、かつ、効率よく供給することが可能となる。
【0091】
さらに、調湿部16が回転駆動されることで、第1の位置及び第2の位置に切り替え可能であるため、上記特許文献1の調湿チャンバーに設けられたダンパーが必須ではない。このため、ダンパーのメンテナンスを省くことが可能となる。
【0092】
[調湿装置のメンテナンス]
調湿装置15は、必要に応じて、メンテナンスされるのが好ましい。本実施形態では、調湿装置15のメンテナンス時において、駆動部28が調湿部16を回転軸51周りで回転駆動させることにより、調湿部16が、後述する第3の位置又は第4の位置に切り替えられる。
【0093】
図10は、第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置の調湿部16の正面図である。図10では、第1チャンバー45の調湿材43と、第2チャンバー46の調湿材43とを区別しやすくするために、異なる色が付されている。図10の第1の位置は、図9(a)に相当し、図10の第2の位置は、図9(b)に相当する。
【0094】
[第3の位置]
図10に示されるように、本実施形態の第3の位置は、回転軸51を中心として第1の位置から90°を隔てた位置に設定されている。したがって、駆動部28が、第1の位置の調湿部16を90°回転駆動させることで、調湿部16が第3の位置に切り替えられる。ここで、「90°」は、駆動部28の回転精度の誤差(-5~+5°)が許容されるものとする。
【0095】
第3の位置では、第2チャンバー46の複数の調湿エレメント53C、53Dがz軸の方向に並べられ、かつ、ケーシング26(副ケーシング27)の点検用の扉42(図7に示す)側に配される。そして、これらの調湿エレメント53C、53Dのそれぞれが、点検用の扉42から取り出される。これにより、調湿エレメント53C、53Dがメンテナンスされうる。
【0096】
[第4の位置]
本実施形態の第4の位置は、回転軸51を中心として第3の位置から180°を隔てた位置に設定されている。したがって、駆動部28が、第3の位置の調湿部16を180°回転駆動させることで、調湿部16が第4の位置に切り替えられる。ここで、「180°」は、駆動部28の回転精度の誤差(-5~+5°)が許容されるものとする。
【0097】
第4の位置では、第1チャンバー45の複数の調湿エレメント53A、53Bがz軸の方向に並べられ、かつ、ケーシング26(副ケーシング27)の点検用の扉42(図7に示す)側に配される。そして、これらの調湿エレメント53A、53Bのそれぞれが、点検用の扉42から取り出される。これにより、調湿エレメント53A、53Bがメンテナンスされうる。
【0098】
このように、本実施形態の調湿装置15では、調湿部16が、第3の位置又は第4の位置に切り替えられることで、ケーシング26(副ケーシング27)に設けられた点検用の扉42から、調湿エレメント53を容易に出し入れすることができる。したがって、メンテナンス性が向上する。
【0099】
[センサー群]
図4ないし図6に示されるように、センサー群64は、第1センサー65及び第2センサー66を含んで構成されている。これらの第1センサー65及び第2センサー66は、調湿部16の回転位置(図9に示した第1の位置及び第2の位置を含む)を検出するためのものである。
【0100】
第1センサー65及び第2センサー66は、調湿部16の回転位置を検出することができれば、種々のセンサーが採用されうる。第1センサー65及び第2センサー66には、接触式センサー又は非接触式センサーを採用することができ、本実施形態では、非接触式センサーが採用されうる。このような非接触式センサーでは、センサーのスイッチ部分の摩耗等による劣化が発生しないため、例えば、接触式センサーに比べて、耐久性が向上する。
【0101】
本実施形態の非接触式センサーは、公知の透過型フォトインタラプタとして構成されている。この透過型フォトインタラプタには、溝形の透過型フォトインタラプタが採用され、投光器と、受光器とを含んで構成されている。投光器と受光器とは、互いに向かい合い、かつ、離間して配されている。
【0102】
投光器は、例えば、発光素子(LED)で構成されており、受光器に向かって光を発することが可能とされている。一方、受光器は、例えば、フォトトランジスタで構成されており、投光器からの光を検出することが可能とされている。
【0103】
本実施形態の非接触式センサーでは、投光器から光が発せられ、かつ、その光を受光器が検出すると、投光器と受光器との間に物体がないものとして、第1信号が出力される。一方、投光器から光が発せられ、かつ、その光を受光器が感知できない場合には、投光器と受光器との間に物体があるものとして、第2信号が出力される。
【0104】
本実施形態では、第1センサー65の投光器と受光器との間、及び、第2センサーの投光器と受光器との間に、各投光器から発せられた光を遮断可能な回転ディスク63が配置されている。本実施形態の回転ディスク63は、円盤状に形成されており、調湿部16の回転軸51と同一軸心で(x軸方向を中心として)回転可能なように、回転軸51に固定されている。したがって、回転ディスク63は、回転軸51の回転とともに(回転軸51と同一の角速度で)回転される。
【0105】
回転ディスク63には、回転軸51と平行(x軸方向)に貫通する複数の穴部67が設けられている。本実施形態の穴部67は、外穴部68と、内穴部69とを含んで構成される。
【0106】
外穴部68は、第1センサー65の投光器(以下、「第1投光器」ということがある。)65Aから発せられた光を、第1センサー65の受光器(以下、「第1受光器」ということがある。)65Bに通過させるためのものである。本実施形態では、駆動部28による調湿部16の回転駆動によって、調湿部16が第1の位置及び第2の位置にそれぞれ移動したときに、第1投光器65Aからの光を第1受光器65Bに通過可能な位置に、外穴部68が設けられる。したがって、本実施形態では、2つの外穴部68が設けられる。
【0107】
本実施形態の外穴部68は、第1外穴部68Aと、第2外穴部68Bとを含んで構成される。図11は、第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置のセンサー群の正面図である。第1外穴部68Aは、調湿部16が第1の位置に移動したときに、第1投光器65Aの光を通過させるためのものである。第2外穴部68Bは、調湿部16が第2の位置に移動したときに、第1投光器65Aの光を通過させるためのものである。
【0108】
これらの第1外穴部68A及び第2外穴部68Bは、図9及び図10に示した駆動部28による調湿部16の回転駆動によって調湿部16が第1の位置又は第2の位置に移動したときに、第1投光器65Aから発せられた光を通過させ、その光を第1受光器65Bに感知させることができる。これにより、第1センサー65は、調湿部16の回転位置のうち、第1の位置及び第2の位置を検出して、第1信号を出力することができる。この第1信号は、第1の位置及び第2の位置を検出したときに出力される検出信号として扱われる。したがって、第1センサー65は、第1の位置及び第2の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成される。一方、調湿部16が第1の位置及び第2の位置以外の位置に配置されている場合には、第1投光器65Aから発せられた光は、回転ディスク63によって遮断され、第1センサー65からは、第2信号が出力されるように構成される。
【0109】
第1センサー65は、上記のような調湿部16の回転位置を検出できれば、適宜設置される。図8に示されるように、本実施形態では、第1センサー65が、回転軸51の方向から見て、回転軸51から最大回転半径Rmaxの50%以上の距離Lを隔てた調湿部16の外周部分の位置100を検出するように設けられるのが好ましい。最大回転半径Rmaxは、回転軸51を中心とした調湿部16の回転半径の最大値である。距離Lは、回転軸51の半径方向において、第1センサー65が検出される位置と回転軸51との最短距離として特定される。
【0110】
このように、第1センサー65が上記の位置100(最大回転半径Rmaxの半分の距離よりも外側)を検出できるように設けられることで、回転軸51の半径方向の外側(調湿部16の回転方向の移動距離が相対的に大きくなる側)において、調湿部16の第1の位置及び第2の位置が検出されうる。これにより、第1センサー65は、駆動部28の回転軸と、調湿部16の回転軸51とがカップリング(軸継手)60で接続されることによって生じやすい回転誤差や、調湿部16に作用する慣性等に影響されることなく、第1の位置及び第2の位置を正しい位置で検出することが可能となる。このような作用を効果的に発揮させるために、第1センサー65は、回転軸51から最大回転半径Rmaxの70%以上の距離Lを隔てた調湿部16の外周部分の位置100を検出するように設けられるのが好ましい。
【0111】
図4ないし図6に示されるように、内穴部69は、第2センサー66の投光器(以下、「第2投光器」ということがある。)66Aから発せられた光を、第2センサー66の受光器(以下、「第2受光器」ということがある。)66Bに通過させるためのものである。本実施形態では、駆動部28による調湿部16の回転駆動によって、図10に示した調湿部16が第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置にそれぞれ移動したときに、第2投光器66Aからの光を第2受光器66Bに通過可能な位置に、内穴部69がそれぞれ設けられる。したがって、本実施形態では、4つの内穴部69が設けられる。
【0112】
本実施形態の内穴部69は、第1内穴部69Aと、第2内穴部69Bと、第3内穴部69Cと、第4内穴部69Dとを含んで構成される。第1内穴部69Aは、調湿部16が第1の位置に移動したときに、第2投光器66Aの光を通過させるためのものである。第2内穴部69Bは、調湿部16が第2の位置に移動したときに、第2投光器66Aの光を通過させるためのものである。第3内穴部69Cは、調湿部16が第3の位置に移動したときに、第2投光器66Aの光を通過させるためのものである。第4内穴部69Dは、調湿部16が第4の位置に移動したときに、第2投光器66Aの光を通過させるためのものである。
【0113】
これらの第1内穴部69Aないし第4内穴部69Dは、図11に示されるように、駆動部28による調湿部16の回転駆動によって調湿部16が第1の位置ないし第4の位置の何れかに移動したときに、第2投光器66Aから発せられた光を通過させ、その光を第2受光器66Bに感知させることができる。これにより、第2センサー66は、調湿部16の回転位置のうち、第1の位置ないし第4の位置を検出して、第1信号を出力することができる。この第1信号は、第1の位置ないし第4の位置の何れかを検出したときに出力される検出信号として扱われる。したがって、第2センサー66は、第1の位置ないし第4の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成される。一方、調湿部16が第1の位置ないし第4の位置以外の位置に配置されている場合には、第2投光器66Aから発せられた光は、回転ディスク63によって遮断され、第2センサー66からは、第2信号が出力されるように構成される。
【0114】
本実施形態の第1内穴部69Aないし第4内穴部69Dは、第1外穴部68A及び第2外穴部68Bよりも、回転ディスク63の半径方向内側に配されている。さらに、第1内穴部69Aと、第1外穴部68Aとは、回転ディスクの周方向に位置ずれして配されている。同様に、第2内穴部69Bと、第2外穴部68Bとは、回転ディスク63の周方向に位置ずれして配されている。これにより、外穴部68と内穴部69とを離間させることができるため、これらの間の部分の回転ディスク63の剛性が確保される。
【0115】
図6に示されるように、本実施形態の第1センサー65及び第2センサー66は、ブラケット61に接続されたセンサー固定具70に固定されている。第1センサー65及び第2センサー66は、調湿部16の回転軸51に固定された回転ディスク63を挟み込むように設けられている。第1センサー65及び第2センサー66は、回転ディスク63の外穴部68及び内穴部69に対応した位置に配されている。
【0116】
本実施形態の第2センサー66は、第1センサー65よりも、回転ディスク63の半径方向内側に配されている。さらに、第1センサー65と第2センサー66とは、回転ディスク63の周方向に隔てられて配されている。これにより、第1センサー65と第2センサー66とが干渉するのを防ぐことが可能となる。また、第2センサー66は、第1センサー65と同様の観点より、回転軸51の方向から見て、回転軸51から最大回転半径Rmaxの50%以上の距離Lを隔てた調湿部16の外周部分の位置100を検出するように設けられるのが好ましく、回転軸51から最大回転半径Rmaxの70%以上の距離Lを隔てた調湿部16の外周部分の位置100を検出するように設けられるのがより好ましい。
【0117】
[制御部]
図12は、制御部25の構成の一例を示す概念図である。図12に示されるように、制御部25は、センサー群(第1センサー65及び第2センサー66)64の信号に基づいて、駆動部28の回転制御を行うためのものである。本実施形態の制御部25は、コンピュータで構成されている。制御部25は、例えば、居室5の間仕切り壁等に設置されているが、このような態様に限定されない。
【0118】
本実施形態の制御部25は、CPU(中央演算装置)からなる演算部71と、処理手順が記憶されている記憶部72と、記憶部72に記憶された処理手順等を読み込むための作業用メモリ73とを含んで構成されている。
【0119】
演算部71には、入力装置74が接続されている。本実施形態の入力装置74は、例えば、制御部25の筐体(図1に示す)に設けられた操作ボタンやタッチパネル等によって構成されている。このような入力装置74により、例えば、居住者等による調湿装置15の運転の指示データ等が、演算部71に入力されうる。
【0120】
演算部71には、出力装置75が接続されている。本実施形態の出力装置75は、制御部25の筐体(図1に示す)に設けられたディスプレイとして構成されている。演算部71は、例えば、調湿装置15の運転状況や第1センサー65及び第2センサー66の故障に関するデータ等を、出力装置75に表示させることができる。
【0121】
本実施形態の演算部71には、センサー群64(第1センサー65及び第2センサー66)が接続されている。これにより、演算部71は、センサー群64が出力した信号(第1信号及び第2信号)が入力されうる。これらの信号のうち、第1信号(検出信号)に基づいて、駆動部28による回転駆動によって、調湿部16が第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置の何れかに切り替えられたことを、演算部71が検出(把握)することができる。
【0122】
本実施形態の演算部71には、室内機13A(空気調和機13)及び空気搬送部14が接続されている。これにより、演算部71は、それらの運転等の制御や、運転状況の把握をすることができる。さらに、本実施形態の演算部71には、駆動部28が接続されている。これにより、駆動部28(調湿部16)の回転及び停止を制御することが可能となる。
【0123】
このように、本実施形態の制御部25(演算部71)は、第1センサー65の信号(検出信号)に基づいて、調湿部16が、第1の位置又は第2の位置に切り替えられたことを検出(把握)することができる。この検出信号に基づいて、制御部25が、駆動部28を制御することで、調湿部16を第1の位置と第2の位置とに交互に位置決め停止させることが可能となる(第1運転処理)。
【0124】
また、制御部25(演算部71)は、第2センサー66の信号(検出信号)に基づいて、調湿部16が、第1の位置及び第2の位置に加えて、第3の位置及び第4の位置に切り替えられたことを検出(把握)することができる。この検出信号に基づいて、制御部25が、駆動部28を制御することで、調湿部16を第3の位置又は第4の位置で停止させることができる(メンテナンスモード)。
【0125】
[調湿方法]
次に、調湿装置15を用いた調湿方法が説明される。本実施形態では、調湿方法の実施に先立って、例えば、居住者等による調湿装置15の運転開始の指示データが、図12に示した演算部71(制御部25)に入力される。この入力に基づき、制御部25が、空気搬送部14の運転を開始する。さらに、制御部25は、センサー群64による調湿部16の回転位置の検出(すなわち、第1投光器65A及び第2投光器66Aによる発光と、第1受光器65B及び第2受光器66Bによる光の感知)を開始する。また、必要に応じて、制御部25が、空気調和機13の運転を開始する。
【0126】
本実施形態では、第1運転処理の開始時において、調湿部16が、第1の位置に位置決め停止されている場合が例示されるが、特に限定されるわけではなく、例えば、調湿部16が、第2の位置に位置決め停止されていてもよい。
【0127】
図13は、調湿方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、制御部25(図12に示す)に記憶されている処理手順に基づいて実施される。
【0128】
[第1運転処理ステップ]
本実施形態の調湿装置15では、先ず、制御部25(図12に示す)が、第1運転処理を実行する(第1運転処理ステップS1)。第1運転処理では、図9に示されるように、第1センサー65の信号に基づいて、調湿部16が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように、制御部25が駆動部28を制御する。
【0129】
上述したように、本実施形態では、第1運転処理の開始時において、調湿部16が第1の位置に位置決め停止されている。この場合、第1チャンバー45の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着している水蒸気が放出され(放湿状態)、第1空気(本例では、相対湿度が低い空調空気)58の相対湿度が高められる。そして、相対湿度が高められた第1空気58は、第1流路11を介して、複数の居室5(図1に示す)に供給される。これにより、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
【0130】
一方、第2チャンバー46の調湿材43では、第2空気(本例では、相対湿度が高い外気)59に含まれる水蒸気が、第2チャンバー46の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着され(吸湿状態)、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。そして、相対湿度が低くなった第2空気59は、第3流路41を介して、小屋裏39(図1に示す)に供給される。これにより、小屋裏39を除湿する(小屋裏39の結露を抑制)ことが可能となる。図14は、第1運転処理ステップの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0131】
[予め定められた時間経過の判断]
図14に示されるように、本実施形態の第1運転処理ステップS1では、制御部25(図12に示す)が、第1運転処理を開始してから、予め定められた時間t1を経過したかを判断する(ステップS11)。本実施形態の時間t1は、第1の位置での第1チャンバー45の調湿材43(図9(a)に示す)に吸着している水蒸気の大部分が放湿されるのに要する時間に設定される。この時間t1は、調湿材43の大きさや、吸放湿性能等に応じて適宜設定される。時間t1は、例えば、10~120分に設定され、好ましくは30~60分に設定されうる。これにより、後述するように、第1の位置での第1チャンバー45の調湿材43に吸着している水蒸気の大部分が確実に放湿されたタイミングで、調湿部16を第1の位置から第2の位置へ移動させることが可能となる。
【0132】
ステップS11において、時間t1を経過したと判断された場合(ステップS11で「Y」)、第1チャンバー45の調湿材43からは、水蒸気の大部分が放湿されている。一方、第2チャンバー46の調湿材43には、第2空気59に含まれる水蒸気が吸着され、調湿材43の加湿能力が回復している。この場合、制御部25(図12に示す)は、調湿部16を回転駆動する(ステップS12)。
【0133】
一方、ステップS11において、時間t1を経過していないと判断された場合(ステップS11で「N」)、第1チャンバー45の調湿材43からの水蒸気の放湿を継続させることが可能と考えられる。さらに、第2チャンバー46の調湿材43の加湿能力の回復が十分ではないと考えられる。この場合、制御部25(図12に示す)は、第1チャンバー45の調湿材43からの水蒸気の放湿を継続したまま、ステップS11を再度実施する。これにより、複数の居室5を、継続して、暖房及び加湿することができる。
【0134】
[調湿部を回転駆動]
次に、本実施形態の第1運転処理ステップS1では、制御部25(図12に示す)が、調湿部16を回転駆動する(ステップS12)。本実施形態のステップS12では、制御部25が、調湿部16を回転駆動させることで、第1の位置の調湿部16を、第2の位置に向かって移動させている。これにより、制御部25は、例えば、第1チャンバー45の調湿材43から水蒸気の大部分が放湿されたタイミングで、調湿部16を第1の位置から第2の位置へ移動させることが可能となる。さらに、制御部25は、第2チャンバー46の調湿材43の加湿能力が回復したタイミングで、調湿部16を第1の位置から第2の位置に移動させることが可能となる。なお、調湿部16の移動中は、第1投光器65A及び第2投光器66Aから発せられた光が、回転ディスク63によって遮断されている。このため、第1センサー65及び第2センサー66から、第2信号が出力される。
【0135】
[第1センサーの検出信号を検出できたかの判断]
次に、本実施形態の第1運転処理ステップS1では、制御部25(図12に示す)が、第1センサー65の検出信号を検出できたかを判断する(ステップS13)。本実施形態のステップS13では、ステップS12において、第1の位置から第2の位置に向かって移動を開始した調湿部16が、第2の位置に移動したか否かが検出される。
【0136】
図6及び図11に示されるように、上述した調湿部16の第1の位置から第2の位置への移動中は、第1投光器65Aから発せられた光が、回転ディスク63によって遮断されるため、第1センサー65からは、第2信号が出力されている。そして、調湿部16が第2の位置に移動したときに、第1投光器65Aから発せられた光が第2外穴部68Bを通過し、その光が第1受光器65Bに感知される。これにより、第1センサー65は、第2の位置を検出して、検出信号(第1信号)を出力することができる。この検出信号の出力により、制御部25(図12に示す)は、図9(b)及び図10に示されるように、調湿部16が第2の位置に移動したことを検出(把握)することができる。
【0137】
なお、第1センサー65が故障等している場合や、第1センサー65が正常であるにもかかわらず、調湿部16に与えられた振動等によって外穴部68が位置ずれし、第1投光器65Aの光が外穴部68を通過できなかった場合には、第1センサー65は、第2の位置を検出できない。このような場合を考慮して、ステップS13では、調湿部16が第1の位置及び第2の位置の一方から第1の位置及び第2の位置の他方へ移動に要する予め定められた時間t2内に、第1センサー65の検出信号を検出できたか否かが判断される。これにより、調湿部16が第1の位置及び第2の位置の一方から第1の位置及び第2の位置の他方へ移動している間に、第1センサー65の故障の有無が判定されうる。
【0138】
本実施形態の時間t2は、調湿装置15の駆動部28等に故障が無いときに、調湿部16が第1の位置から第2の位置まで移動に要する時間が設定される。この時間t2は、調湿部16の回転軸51の角速度等に応じて適宜設定され、例えば、5~60秒に設定される。
【0139】
ステップS13において、時間t2内に第1センサー65の検出信号が検出できたと判断された場合(ステップS13で「Y」)、第1センサー65等が故障することなく正常に作動しており、制御部25(図12に示す)が、第1センサー65の検出信号を検出できている。したがって、制御部25は、第1センサー65から出力された第1信号(検出信号)に基づいて、図9(b)及び図10に示した調湿部16が第2の位置に切り替えられたことを検出(把握)し、調湿部16の回転を停止する(ステップS14)。これにより、制御部25は、調湿部16が第2の位置に位置決め停止されるように駆動部28を制御することができる。
【0140】
一方、ステップS13において、時間t2内に第1センサー65の検出信号が検出できなかったと判断された場合(ステップS13で「N」)、第1センサー65の故障等が疑われる。このため、制御部25(図12に示す)は、第2センサー66を用いて第1センサー65の故障の有無を判定するための判定処理を実行する(ステップS15~S17)。
【0141】
ステップS14で、図10に示した調湿部16が第2の位置に位置決め停止された後に、ステップS11が再度実施される。ステップS11において、調湿部16の回転が停止されてから時間t1を経過していないと判断されている間(ステップS11で「N」である間)、第2チャンバー46の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着している水蒸気が放出され(放湿状態)、第1空気58の相対湿度が高められ、複数の居室5(図1に示す)に供給される。これにより、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
【0142】
一方、第1チャンバー45の調湿材43では、第2空気59に含まれる水蒸気が、第1チャンバー45の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着され(吸湿状態)、調湿材43の加湿能力が回復する。そして、相対湿度が低くなった第2空気59は、小屋裏39(図1に示す)に供給され、小屋裏39を除湿する(小屋裏39の結露を抑制)ことが可能となる。
【0143】
そして、ステップS11において、時間t1を経過したと判断された場合(ステップS11で「Y」)、第2チャンバー46の調湿材43から水蒸気の大部分が放湿されたタイミングで、制御部25(図12に示す)は、調湿部16を回転駆動する(ステップS12)。そして、ステップS13において、時間t2内に第1センサー65の検出信号が検出できたと判断された場合(ステップS13で「Y」)、調湿部16の回転を停止する(ステップS14)。これにより、制御部25は、第2の位置から第1の位置に向かって移動してきた調湿部16を、第1の位置に位置決め停止されるように駆動部28を制御することができる。
【0144】
なお、図6及び図11に示されるように、ステップS13では、調湿部16が第2の位置から第1の位置に移動したときに、第1投光器65Aから発せられた光が第1外穴部68Aを通過し、その光が第1受光器65Bに感知される。これにより、第1センサー65は、第1の位置を検出して、検出信号(第1信号)を出力することができる。この検出信号の出力により、制御部25(図12に示す)は、駆動部28を制御して、調湿部16の回転を停止することができる。
【0145】
このように、第1センサー65の信号に基づいて、図9に示した調湿部16が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止される。これにより、本実施形態の調湿装置15は、加湿された空調空気A1を、複数の居室5に連続的に、かつ、効率よく供給することや、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。但し、ステップS12で調湿部16の回転が開始されてから時間t2内に第1センサー65の検出信号が検出できなかったと判断された場合(ステップS13で「N」)、第1センサー65の故障等が疑われるため、制御部25(図12に示す)は、次の判定処理(ステップS15~17)を実行する。
【0146】
[判定処理]
本実施形態の判定処理(ステップS15~17)では、制御部25(図12に示す)が、第2センサー66を用いて第1センサー65の故障の有無を判定する。判定処理(ステップS15~17)では、ステップS13での判断で(ステップS13で「N」)故障が疑われた第1センサー65が、本当に故障しているか否かが判定される。
【0147】
本実施形態では、第1センサー65の故障の有無の判定に先立ち、第2センサー66の故障の有無が判定される。ここで、第2センサー66に故障がなければ、ステップS12において調湿部16が回転駆動を開始してから、調湿部16が第1の位置及び第2の位置の一方から第1の位置及び第2の位置の他方へ移動している間に、第2センサー66は、検出信号を2回以上出力することができる。このため、本実施形態では、第2センサー66の検出信号を2回以上検出したときに、第2センサー66には故障が無いと判定される。なお、第2センサー66が、検出信号を2回以上出力する手順については、後述される。
【0148】
そして、判定処理では、ステップS13において時間t2内に第1センサー65の検出信号を検出できず、かつ、第2センサー66の検出信号を2回以上検出した(第2センサー66に故障がないと判定された)ときに、第1センサー65が故障していると判定されうる。
【0149】
一方、上述したように、第1センサー65が正常であるにもかかわらず、調湿部16に与えられた振動等によって、第1センサー65が検出信号を出力できなかった場合もありうる。このため、本実施形態の判定処理では、ステップS13において時間t2内に第1センサー65の検出信号を検出できず、かつ、第2センサー66の検出信号を2回以上検出した場合において、第1センサー65が故障していると判定するのに先立ち、第1センサー65が検出信号を出力できるか否かが再度判定されるのが好ましい。
【0150】
[第2センサーの検出信号を2回検出できたかの判断]
判定処理では、先ず、制御部25(図12に示す)が、第2センサー66の検出信号を2回検出できたかを判断する(ステップS15)。第2センサー66に故障が無ければ、上述のように、調湿部16が第1の位置から第2の位置へ移動する場合には、ステップS12で調湿部16の回転が開始されてから時間t2内に、第2センサー66は、第3の位置及び第2の位置を順に検出できる。
【0151】
図6及び図11に示されるように、本実施形態では、駆動部28による調湿部16の回転駆動によって調湿部16が第1の位置から第3の位置に移動したときに、第2投光器66Aから発せられた光が第3内穴部69Cを通過して、その光を第2受光器66Bが感知する。これにより、第2センサー66は、第3の位置を検出して、検出信号を出力できる。さらに、調湿部16が第3の位置から第2の位置に移動したときに、第2投光器66Aから発せられた光が第2内穴部69Bを通過して、その光を第2受光器66Bが感知する。これにより、第2センサー66は、第2の位置を検出して、検出信号を出力できる。これにより、第2センサー66は、調湿部16が第1の位置から第2の位置まで移動している間、検出信号を2回出力できる。
【0152】
一方、調湿部16が第2の位置から第1の位置へ移動する場合には、ステップS12で調湿部16の回転が開始されてから時間t2内に、第2センサー66は、第4の位置及び第1の位置を順に検出できる。
【0153】
本実施形態では、調湿部16が第2の位置から第4の位置に移動したときに、第2投光器66Aから発せられた光が第4内穴部69Dを通過して、その光を第2受光器66Bが感知する。これにより、第2センサー66は、第4の位置を検出して、検出信号を出力できる。さらに、調湿部16が第4の位置から第1の位置に移動したときに、第2投光器66Aから発せられた光が第1内穴部69Aを通過して、その光を第2受光器66Bが感知する。これにより、第2センサー66は、第1の位置を検出して、検出信号を出力できる。これにより、第2センサー66は、調湿部16が第2の位置から第1の位置まで移動している間、検出信号を2回出力できる。
【0154】
ステップS15において、第2センサー66の検出信号が2回検出されたと判断された場合(ステップS15で「Y」)、制御部25(図12に示す)は、第2センサー66の故障が無いと判定する。さらに、ステップS13において時間t2内に第1センサー65の検出信号を検出できていないため、第1センサー65が故障していると判定されうる。上述したように、本実施形態では、第1センサー65が検出信号を出力できるか否かを再度判定するために、次のステップS16が実施される。
【0155】
[第1センサー及び第2センサーの故障時の処理]
一方、ステップS15において、第2センサー66の検出信号が2回検出されていないと判断された場合(ステップS15で「N」)、第2センサー66が故障していると判定される。この場合、第2センサー66を用いて、第1センサー65が故障しているか否かを再度判定することができないため、制御部25(図12に示す)は、判定処理を終了する。そして、調湿部16の回転駆動の開始から、予め定められた時間t3が経過した後、制御部25は、調湿部16の回転を停止する(ステップS20)。
【0156】
本実施形態の時間t3は、上述の時間t2(すなわち、調湿部16が第1の位置及び第2の位置の一方から第1の位置及び第2の位置の他方へ移動に要する時間)の2倍に設定される。これにより、制御部25(図12に示す)は、調湿部16が1回転した後に、元の位置(第1の位置又は第2の位置)で調湿部16を停止するように駆動部28を制御することができるので、空調空気A1が搬送されうる位置での調湿部16の回転停止が保障される。したがって、本実施形態では、第1センサー65及び第2センサー66に故障が有っても、調湿装置15が、空調空気A1を、複数の居室5に連続的に供給することが可能となる。なお、元の位置(第1の位置又は第2の位置)で調湿部16が停止された場合には、調湿材43から水蒸気の大部分が放湿された第2チャンバー46に、空調空気A1が供給されるため、空調空気A1を加湿することができない。このため、時間t3は、上述の時間t2の3倍(すなわち、調湿部16の回転駆動の開始から、調湿部16が1回転半するまでの時間)に設定されてもよい。これにより、制御部25は、第1の位置及び第2の位置の一方の位置から回転駆動した調湿部16を、第1の位置及び第2の位置の他方の位置で回転を停止させることができるため、加湿された空調空気A1を、複数の居室5に供給することができる。
【0157】
ステップS20の後に、制御部25(図12に示す)は、第1センサー65及び第2センサー66の故障に関するデータを、出力装置75に表示させ(ステップS21)、調湿方法の実施を終了する。故障に関するデータが表示されることで、調湿装置15の修理を担当するカスタマーセンターへの迅速な連絡が可能となり、調湿装置15の早期復旧が可能となる。調湿装置15の復旧後、図13に示した調湿方法が再度実施される。
【0158】
[第2センサーの検出信号を8回検出したかの判断]
次に、判定処理では、制御部25(図12に示す)が、ステップS15において第2センサー66の検出信号を2回検出した後、さらに、第2センサー66の検出信号が8回検出されたか否かを判断する(ステップS16)。本実施形態では、ステップS15で第2センサー66の検出信号が2回検出されると、調湿部16は、第1の位置から移動を開始してから、第2の位置に到達している。そして、ステップS16において、第2センサー66の検出信号が8回検出(すなわち、第1の位置~第4の位置を2回ずつ検出)されることで、ステップS15で第2の位置に到達した調湿部16を、さらに2回転させることができる。この調湿部16を2回転させている間に、故障が疑われた第1センサー65が、第1の位置又は第2の位置を検出して検出信号を出力した場合、次のステップS17において、制御部25が、第1センサー65に故障はないと判定しうる。
【0159】
ステップS16において、第2センサー66の検出信号が8回出力されたと判断された場合(ステップS16で「Y」)、調湿部16の2回転が完了している。この場合、調湿部16が2回転している間に、故障が疑われた第1センサー65が検出信号を出力しているか否かが判定される(ステップS17)。
【0160】
一方、ステップS16において、第2センサー66の検出信号が8回出力されていないと判断された場合(ステップS16で「N」)、調湿部16の2回転が完了していない。この場合、調湿部16の回転を継続したまま、ステップS16が再度実施される。これにより、制御部25(図12に示す)は、調湿部16を確実に2回転させることができる。本実施形態の制御部25は、調湿部16を2回転させたが、特に限定されるわけではなく、例えば、1回転させてもよいし、3回転以上させてもよい。
【0161】
[第1センサーの検出信号を検出できたかの判断]
次に、判定処理では、制御部25(図12に示す)が、第1センサー65の検出信号を検出できたかを判断する(ステップS17)。ステップS17では、ステップS16の判定によって調湿部16が2回転している間に、第1センサー65が第1の位置又は第2の位置を検出して、検出信号を出力したか否かが判定される。そして、制御部25が、第1センサー65の検出信号を検出した場合、第1センサー65に故障はなく、例えば、調湿部16に与えられた振動等によって、ステップS13で、第1センサー65の検出信号を検出できなかったものと判定される。
【0162】
ステップS17において、制御部25(図12に示す)が、第1センサー65の検出信号を検出できた場合(ステップS17で「Y」)、第1センサー65に故障はないと判定される。この場合、調湿部16の回転を停止するステップS14が実施される。これにより、調湿部16が第2の位置に位置決め停止されるように駆動部28を制御することができる。そして、ステップS11において、調湿部16の回転が停止されてから時間t1を経過していないと判断されている間(ステップS11で「N」である間)、第2チャンバー46の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着している水蒸気が放出される一方(放湿状態)、第1チャンバー45の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着される(吸湿状態)。
【0163】
このように、本実施形態の制御部25は、判定処理(ステップS15~S17)において、第1センサー65に故障がないと判定された場合、第1センサー65の検出信号に基づく通常のステップS11~14に復帰させることができる。したがって、加湿された空調空気A1を、複数の居室5に連続的に、かつ、効率よく供給することや、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。
【0164】
[第1センサーの故障時の処理]
一方、ステップS17において、第1センサー65の検出信号が検出できなかったと判断された場合(ステップS17で「N」)、制御部25(図12に示す)は、第1センサー65が故障していると判定し、調湿部16の回転を停止する(ステップS18)。続いて、制御部25は、第1センサー65の故障に関するデータを、出力装置75に表示させ(ステップS19)、第1運転処理を終了する。その後、第1センサー65が修理されるまでの間、正常な第2センサー66の信号に基づいて、図9に示した調湿部16を第1の位置又は第2の位置で停止するように、制御部25が駆動部28を制御するための第2運転処理が実施される。
【0165】
[第2運転処理ステップ]
次に、本実施形態の調湿方法では、制御部25(図12に示す)が、第2運転処理を実行する(第2運転処理ステップS2)。第2運転処理は、図14に示したステップS17において第1センサー65が故障していると判定されたときに(ステップS17で「N」)、実施される。この第2運転処理では、第2センサー66の信号に基づいて、調湿部16が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように、制御部25が駆動部28を制御する。これにより、第1運転処理の場合と同様に、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができ、小屋裏39を除湿する(小屋裏39の結露を抑制)ことが可能となる。図15は、第2運転処理ステップの処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、第2運転処理の開始時において、調湿部16が、第2の位置に位置決め停止されている場合が例示される。
【0166】
[予め定められた時間経過の判断]
図15に示されるように、本実施形態の第2運転処理ステップS2では、制御部25(図12に示す)が、第2運転処理を開始してから(ステップS18で調湿部16の回転が停止されてから)、時間t1を経過したかを判断する(ステップS31)。本実施形態の時間t1は、上述のように、第2の位置での第2チャンバー46の調湿材43(図9(b)に示す)に吸着している水蒸気の大部分が放湿されるのに要する時間に設定されている。
【0167】
ステップS31において、時間t1を経過したと判断された場合(ステップS31で「Y」)、第2チャンバー46の調湿材43からは、水蒸気の大部分が放湿されている。一方、第1チャンバー45の調湿材43には、第2空気59に含まれる水蒸気が吸着され、調湿材43の加湿能力が回復している。この場合、制御部25(図12に示す)は、調湿部16を回転駆動する(ステップS32)。
【0168】
一方、ステップS31において、時間t1を経過していないと判断された場合(ステップS31で「N」)、第2チャンバー46の調湿材43からの水蒸気の放湿を継続させることが可能と考えられる。さらに、第1チャンバー45の調湿材43の加湿能力の回復が十分ではないと考えられる。この場合、制御部25(図12に示す)は、第2チャンバー46の調湿材43からの水蒸気の放湿を継続したまま、ステップS31を再度実施する。
【0169】
[調湿部を回転駆動]
次に、本実施形態の第2運転処理ステップS2では、制御部25(図12に示す)が、調湿部16を回転駆動する(ステップS32)。本実施形態のステップS32では、制御部25が、調湿部16を回転駆動させることで、図9(b)に示した第2の位置の調湿部16を、図9(a)に示した第1の位置へ移動させている。これにより、制御部25は、例えば、第2チャンバー46の調湿材43から水蒸気の大部分が放湿されたタイミングで、調湿部16を第2の位置から第1の位置へ移動させることが可能となる。さらに、制御部25は、第1チャンバー45の調湿材43の加湿能力が回復したタイミングで、調湿部16を第2の位置から第1の位置に移動させることが可能となる。
【0170】
[第2センサーの検出信号を2回検出できたかの判断]
次に、本実施形態の第2運転処理ステップS2では、制御部25(図12に示す)が、第2センサー66の検出信号を2回検出できたかを判断する(ステップS33)。本実施形態のステップS33では、ステップS32において、第2の位置から第1の位置に向かって移動を開始した調湿部16が、第1の位置に移動したか否かが検出される。
【0171】
上述したように、調湿部16が第2の位置から第1の位置へ移動する場合、第2センサー66の検出信号が2回出力される。この検出信号の出力により、制御部25(図12に示す)は、調湿部16が第1の位置に移動したことを検出(把握)することができる。
【0172】
なお、例えば、第2センサー66が故障している場合には、調湿部16が第2の位置から第1の位置へ移動する間に、第2センサー66は、第4の位置及び第1の位置を検出できない。このような場合を考慮して、ステップS33では、時間t2(すなわち、調湿部16が第2の位置から第1の位置へ移動に要する時間)内に、第2センサー66の検出信号を2回検出できたか否かが判断される。
【0173】
ステップS33において、時間t2内に第2センサー66の検出信号が2回検出できたと判断された場合(ステップS33で「Y」)、第2センサー66が故障することなく正常に作動し、制御部25(図12に示す)が、第2センサー66の検出信号を検出できている。したがって、制御部25は、第2センサー66から出力された第1信号(検出信号)に基づいて、調湿部16が第1の位置に切り替えられたことを検出(把握)し、調湿部16の回転を停止する(ステップS34)。これにより、制御部25は、調湿部16が第1の位置に位置決め停止されるように駆動部28を制御することができる。
【0174】
一方、ステップS33において、調湿部16の回転が開始されてから時間t2内に第2センサー66の検出信号が2回検出できなかったと判断された場合(ステップS33で「N」)、第2センサー66が故障していると判定される。この場合、制御部25(図12に示す)は、第2センサー66の信号に基づいて、調湿部16を位置決め停止できないため、第2運転処理を終了させるために、ステップS35~36が実行される。
【0175】
ステップS34において、調湿部16が第1の位置に位置決め停止された後に、ステップS31が再度実施される。ステップS31において、調湿部16の回転が停止されてから時間t1を経過していないと判断されている間(ステップS31で「N」である間)、第1チャンバー45の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着している水蒸気が放出され(放湿状態)、第1空気58の相対湿度が高められ、複数の居室5(図1に示す)に供給される。これにより、複数の居室5を暖房しつつ効果的に加湿することができる。
【0176】
一方、第2チャンバー46の調湿材43では、第2空気59に含まれる水蒸気が、第2チャンバー46の調湿材43(調湿エレメント53)に吸着され(吸湿状態)、調湿材43の加湿能力が回復する。そして、相対湿度が低くなった第2空気59は、小屋裏39(図1に示す)に供給され、小屋裏39を除湿する(小屋裏39の結露を抑制)ことが可能となる。
【0177】
そして、ステップS31において、時間t1を経過したと判断された場合(ステップS31で「Y」)、第1チャンバー45の調湿材43から水蒸気の大部分が放湿されたタイミングで、制御部25(図12に示す)は、調湿部16を回転駆動する(ステップS32)。そして、ステップS33において、時間t2内に第2センサー66の検出信号が2回検出できたと判断された場合(ステップS33で「Y」)、調湿部16の回転を停止する(ステップS34)。これにより、制御部25は、第1の位置から第2の位置に向かって移動してきた調湿部16を、第2の位置に位置決め停止されるように駆動部28を制御することができる。
【0178】
このように、第2センサー66の信号に基づいて、調湿部16が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止される。これにより、本実施形態の調湿装置15は、加湿された空調空気A1を、複数の居室5に連続的に、かつ、効率よく供給することや、調湿材43の加湿能力を回復させることが可能となる。
【0179】
[第1センサー及び第2センサーの故障時の処理]
上述したように、ステップS33において、第2センサー66が故障していると判定されると(ステップS33で「N」)、制御部25(図12に示す)は、第2センサー66の信号に基づいて、調湿部16を位置決め停止できないため、時間t3経過後に、調湿部16の回転を停止する(ステップS35)。
【0180】
本実施形態の時間t3は、上述のように、時間t2(すなわち、調湿部16が第1の位置及び第2の位置の一方から第1の位置及び第2の位置の他方へ移動に要する時間)の2倍に設定されている。このため、制御部25(図12に示す)は、調湿部16が1回転した後に、元の位置(第1の位置又は第2の位置)で調湿部16を停止するように駆動部28を制御することができるので、空調空気A1が搬送されうる位置での調湿部16の回転停止が保障される。したがって、本実施形態では、第2運転処理中に第2センサー66が故障しても、調湿装置15が、空調空気A1を、複数の居室5に連続的に供給することが可能となる。
【0181】
ステップS35の後に、制御部25(図12に示す)は、第1センサー65及び第2センサー66の故障に関するデータを、出力装置75に表示させ(ステップS36)、第2運転処理、及び、調湿方法の実施を終了させる。故障に関するデータが表示されることで、上述と同様に、調湿装置15の早期復旧が可能となる。そして、調湿装置15の復旧後、調湿方法が再度実施される。
【0182】
[調湿装置(第2実施形態)]
これまでの実施形態では、第1センサー65及び第2センサー66が、非接触式センサーである場合が例示されたが、このような態様に限定されない。第1センサー80及び第2センサー81は、例えば、接触式センサーであってもよい。このような接触式センサーは、非接触式センサーと比べて、外乱光等の影響を受けにくいため、調湿部16の回転位置をより確実に検出しうる。
【0183】
図16は、本発明の他の実施形態の調湿装置の分解斜視図である。この実施形態の接触式センサーは、公知のリミットスイッチとして構成されている。この実施形態では、リミットスイッチに外力が加えられると(物体が接触すると)、第1信号(検出信号)が出力される。一方、リミットスイッチに外力が加えられない場合には、第2信号が出力される。
【0184】
この実施形態の第1センサー80及び第2センサー81は、点検用の扉42に設けられている。第1センサー80及び第2センサー81は、第2主空間18B側に面し、点検用の扉42の開口部に固定されている。
【0185】
この実施形態の調湿部16では、第1センサー80及び第2センサー81(接触式センサー)に外力を加える(押し込む)ことが可能なように突起部77が設けられている。この実施形態の突起部77は、調湿部16の第1仕切部30、第3仕切部48及び第4仕切部49に形成されている。この実施形態の突起部77は、外突起部78と、内突起部79とを含んで構成される。
【0186】
外突起部78は、第1センサー80に外力を加えるためのものである。この実施形態では、調湿部16が第1の位置及び第2の位置にそれぞれ移動したときに、第1センサー80に外力を加える位置に、外突起部78が設けられる。したがって、この実施形態では、2つの外突起部78が設けられる。
【0187】
この実施形態の外突起部78は、第1外突起部78Aと、第2外突起部78Bとを含んで構成される。第1外突起部78Aは、調湿部16が第1の位置に移動したときに、第1センサー80に外力を加えるためのものである。第2外突起部78Bは、調湿部16が第2の位置に移動したときに、第1センサー80に外力を加えるためのものである。
【0188】
内突起部79は、第2センサー81に外力を加えるためのものである。この実施形態では、調湿部16が第1の位置、第2の位置、第3の位置及び第4の位置にそれぞれ移動したときに、第2センサー81に外力を加える位置に、内突起部79が設けられる。したがって、この実施形態では、4つの内突起部79が設けられる。
【0189】
内突起部79は、第1内突起部79Aと、第2内突起部79Bと、第3内突起部79Cと、第4内突起部79Dとを含んで構成される。第1内突起部79Aは、調湿部16が第1の位置に移動したときに、第2センサー81に外力を加えるためのものである。第2内突起部79Bは、調湿部16が第2の位置に移動したときに、第2センサー81に外力を加えるためのものである。第3内突起部79Cは、調湿部16が第3の位置に移動したときに、第2センサー81に外力を加えるためのものである。第4内突起部79Dは、調湿部16が第4の位置に移動したときに、第2センサー81に外力を加えるためのものである。
【0190】
この実施形態の内突起部79は、外突起部78よりも、調湿部16の回転軸51側に配されている。これにより、外突起部78と内突起部79との干渉(第1センサー80と第2センサー81との干渉)を防ぐことが可能となる。
【0191】
この実施形態では、第1センサー80及び第2センサー81が、接触式センサーで構成されても、これまでの実施形態の非接触センサーと同様に、調湿部16の第1の位置~第4の位置を検出して、検出信号を出力することができる。したがって、制御部25(図12に示す)は、図13に示した調湿方法の処理手順に基づいて、複数の居室5を、継続して、暖房及び加湿することができる。さらに、第1センサー80が故障した場合であっても、空調空気A1が搬送されうる位置での調湿部16の回転停止が保障される。
【0192】
以上、本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な開示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、種々変更して実施することができる。
【0193】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0194】
[本発明1]
空気を調湿するためのバッチ式の調湿装置であって、
第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口を有するケーシングと、
前記ケーシング内で回転軸の周りに回転可能に配された調湿部であって、互いに独立した第1チャンバー及び第2チャンバーを有し、各チャンバーは、内部に調湿材が配され、かつ、両端が開口する筒状構造を備えている前記調湿部と、
第1空気を前記第1入口に供給し、かつ、前記第1空気よりも相対湿度が高い第2空気を前記第2入口に供給するための空気搬送部と、
前記調湿部を回転駆動するための駆動部と、
前記調湿部の回転位置を検出するための第1センサー及び第2センサーを含むセンサー群と、
前記センサー群の信号に基づいて、前記駆動部の回転制御を行うための制御部とを含み、
前記制御部は、前記第1センサーの信号に基づいて、前記調湿部が、第1の位置と、第2の位置とに交互に位置決め停止されるように前記駆動部を制御する第1運転処理を実行し、
前記第1の位置では、前記第1入口が前記第1チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第2チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、
前記第2の位置では、前記第1入口が前記第2チャンバーを経由して前記第1出口に接続され、かつ、前記第2入口が前記第1チャンバーを経由して前記第2出口に接続され、
前記制御部は、さらに、
前記第2センサーを用いて前記第1センサーの故障の有無を判定する判定処理と、
前記第1センサーが故障していると判定したときに、前記第2センサーの信号に基づいて、前記調湿部を前記第1の位置又は前記第2の位置で停止するように前記駆動部を制御する第2運転処理とを実行する、
調湿装置。
[本発明2]
前記判定処理は、前記調湿部が前記第1の位置及び前記第2の位置の一方から前記第1の位置及び前記第2の位置の他方へ移動している間に、前記第1センサーの故障の有無を判定する、本発明1に記載の調湿装置。
[本発明3]
前記第1センサーは、前記第1の位置及び前記第2の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成されており、
前記第2の位置は、前記回転軸を中心として前記第1の位置から180°を隔てた位置である、本発明1又は2に記載の調湿装置。
[本発明4]
前記制御部は、前記第2センサーの信号に基づいて、前記調湿部を、第3の位置又は第4の位置で停止するように前記駆動部を制御するメンテナンスモードを備える、本発明1ないし3のいずれかに記載の調湿装置。
[本発明5]
前記第2センサーは、前記第1の位置ないし前記第4の位置を検出したときに検出信号を出力するように構成されており、
前記第3の位置は、前記回転軸を中心として前記第1の位置から90°を隔てた位置であり、
前記第4の位置は、前記回転軸を中心として前記第3の位置から180°を隔てた位置である、本発明4に記載の調湿装置。
[本発明6]
前記判定処理は、前記調湿部が前記第1の位置及び前記第2の位置の一方から前記第1の位置及び前記第2の位置の他方へ移動している間に、前記移動に要する予め定められた時間内に前記第1センサーの前記検出信号を検出できず、かつ、前記第2センサーの前記検出信号を2回以上検出したときに、前記第1センサーが故障していると判定する、本発明5に記載の調湿装置。
[本発明7]
前記第1センサーは、接触式センサー又は非接触式センサーであり、
前記第2センサーは、接触式センサー又は非接触式センサーである、本発明1ないし6のいずれかに記載の調湿装置。
[本発明8]
前記調湿部は、前記回転軸を中心とした最大回転半径を有し、
前記第1センサーは、前記回転軸の方向から見て、前記回転軸から前記最大回転半径の50%以上の距離を隔てた前記調湿部の外周部分の位置を検出するように設けられている、本発明1ないし7のいずれかに記載の調湿装置。
【符号の説明】
【0195】
15 調湿装置
16 調湿部
26 ケーシング
28 駆動部
35A 第1入口
35B 第2入口
36A 第1出口
36B 第2出口
43 調湿材
45 第1チャンバー
46 第2チャンバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16