(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121897
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】熱吸収構造体および温度差発電装置
(51)【国際特許分類】
F02G 1/055 20060101AFI20240902BHJP
F24S 20/00 20180101ALI20240902BHJP
F03G 7/04 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
F02G1/055 E
F24S20/00
F02G1/055 G
F03G7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029123
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(71)【出願人】
【識別番号】511237656
【氏名又は名称】株式会社フォルテ
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】榎木 光治
(72)【発明者】
【氏名】葛西 純
(72)【発明者】
【氏名】葛西 成美
(72)【発明者】
【氏名】中野 和司
(72)【発明者】
【氏名】横井 浩史
(57)【要約】
【課題】より効率良く熱エネルギーを取り込む。
【解決手段】温度差発電装置は、高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部と低温熱源として利用される流体が流される冷却部との温度差に応じて発電を行う。そして、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層を有する熱吸収構造体が、加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられる。本技術は、例えば、雪冷熱を使用した積雪発電で用いられる温度差発電装置に適用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層
を備える熱吸収構造体。
【請求項2】
前記集熱層によって覆われる前記加熱部の表面形状に沿って前記集熱層よりも前記加熱部側に設けられ、電源から供給される電力によって発熱する発熱体
をさらに備える請求項1に記載の熱吸収構造体。
【請求項3】
前記集熱層、前記発熱体、および前記発熱体を固定する固定部材のうちの、少なくとも1つ以上が黒体化されている
請求項2に記載の熱吸収構造体。
【請求項4】
前記集熱層および前記発熱体を収納する密閉容器
をさらに備える請求項2または3のいずれかに記載の熱吸収構造体。
【請求項5】
前記集熱層に対して太陽光を集光する単体もしくは複数の集光レンズ
をさらに備える請求項1乃至4のいずれかに記載の熱吸収構造体。
【請求項6】
高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部と、
低温熱源として利用される流体が流される冷却部と、
前記加熱部と前記冷却部との温度差に応じて発電を行う発電部と、
前記加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層を有する熱吸収構造体と
を備える温度差発電装置。
【請求項7】
前記熱吸収構造体は、前記集熱層によって覆われる前記加熱部の表面形状に沿って前記集熱層よりも前記加熱部側に設けられる発熱体をさらに有しており、
前記発電部によって発電された電力の少なくとも一部が供給されることによって前記発熱体が発熱する
請求項6に記載の温度差発電装置。
【請求項8】
前記発電部によって発電された電力の少なくとも一部を蓄電する蓄電部
をさらに備える請求項7に記載の温度差発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱吸収構造体および温度差発電装置に関し、特に、より効率良く熱エネルギーを取り込むことができるようにした熱吸収構造体および温度差発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、密閉したシリンダーの外側から熱を加えて、気体(作動流体)の膨張および収縮を利用してピストンを動かすスターリングエンジンの冷却(低温熱源)に、雪冷熱を使用した積雪発電の研究が進められている。例えば、積雪発電は、環境負荷が少ないという面で他の再生可能エネルギーよりもメリットが大きいと考えられている。
【0003】
特許文献1には、加熱部を覆う熱源キャップを設けて、熱源キャップの内周面に発熱体を配置したスターリングエンジンが開示されている。特許文献2には、耐熱容器内に吸熱部を覆う発熱体を形成し、発熱体を熱源として発電するスターリングエンジンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-98318号公報
【特許文献2】特開2020-169638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、積雪発電を行うスターリングエンジンの高温熱源として太陽光による熱エネルギーを利用する場合、いかに効率良く太陽光による熱エネルギーを取り込むかが課題となっていた。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より効率良く熱エネルギーを取り込むことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面の熱吸収構造体は、高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層を備える。
【0008】
本開示の一側面の温度差発電装置は、高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部と、低温熱源として利用される流体が流される冷却部と、前記加熱部と前記冷却部との温度差に応じて発電を行う発電部と、前記加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される集熱層を有する熱吸収構造体とを備える。
【0009】
本開示の一側面においては、熱吸収構造体の集熱層が、高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込む加熱部の少なくとも一部を覆うように設けられ、所定の耐熱性を備えた材料の繊維体または多孔質体により構成される。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一側面によれば、より効率良く熱エネルギーを取り込むことができる。
【0011】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術を適用したスターリングエンジンの一実施の形態の構成例を示す図である。
【
図2】熱吸収構造体の第1の構成例を説明する図である。
【
図3】熱吸収構造体の第2の構成例を説明する図である。
【
図4】熱吸収構造体の第3の構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本技術を適用した温度差発電装置の一例であるスターリングエンジンの一実施の形態の構成例を示す図である。
【0015】
図1に示されるスターリングエンジン11は、発電部21、冷却部22、および加熱部23を少なくとも備えて構成される。
【0016】
発電部21には、密閉された気体(例えば、高圧のヘリウムガスや空気など)の膨張および収縮によってシリンダー内を駆動するピストンや、ピストンの動きを電力に変換するための磁石およびコイルなどから構成される発電機能が組み込まれている。
【0017】
冷却部22は、例えば、積雪によって冷却された冷水を流し込んで排水する流路を有して構成され、その冷水がスターリングエンジン11の低温熱源として利用される。もちろん、冷却部22は、水を流して冷却する水冷構造を採用する他、空気を流して冷却する空冷構造を採用してもよく、スターリングエンジン11の低温熱源として様々な流体を利用することができる。
【0018】
加熱部23は、スターリングエンジン11の高温熱源として利用される熱エネルギーを取り込むためのフィンなどを有して構成され、加熱部23の少なくとも一部を覆うように熱吸収構造体31が設けられている。熱吸収構造体31は、後述する
図2乃至
図4に示すように、加熱部23を加熱するのに用いられる発熱体42を有しており、発熱体42に電力を供給するための直流または交流の電源32が熱吸収構造体31に接続されている。
【0019】
このように構成されるスターリングエンジン11は、加熱部23と冷却部22との温度差に応じて発電部21において発電された電力を出力することができる。このとき、スターリングエンジン11から出力される電力の少なくとも一部を電源32に供給することで、例えば、その電力を初動発電の補助として利用することができ、発電効率の高効率化を図ることができる。
【0020】
そして、スターリングエンジン11は、
図2乃至
図4を参照して説明するような熱吸収構造体31によって、太陽光による熱エネルギーを効率良く取り込むことができ、より出力電力を向上させることができる。
【0021】
図2を参照して、熱吸収構造体31の第1の構成例について説明する。
【0022】
図2に示すように、熱吸収構造体31は、加熱部23の上端面41を覆うように設けられる発熱体42、並びに、上端面41および発熱体42を包むように設けられる集熱層43を有して構成される。なお、
図2(後述する
図3および
図4も同様)に示す例では、加熱部23の上端面41は、上方に向かって凸となるドーム形状に形成されているが、このような形状に限定されることなく、例えば、平坦な形状であってもよい。
【0023】
発熱体42は、例えば、加熱部23の上端面41の表面形状に沿って渦巻状となる形状で設けられたニクロム線によって構成することができ、ニクロム線の両端に接続されている電源32から供給される電力によって発熱(例えば、200°以上を維持)する。また、発熱体42は、熱伝導性の高いコンクリートなどの固定部材44を塗り固めることによって上端面41に対して固定することができる。なお、発熱体42は、上端面41の表面形状に沿って形成することができれば、渦巻状に形成されたニクロム線に限定されることはなく、例えば、ニクロム線以外の素材を採用してもよい。
【0024】
集熱層43は、太陽光を集光しても溶けない程度の耐熱性を備えた材料(例えば、金属やカーボンファイバーなど)によって上端面41および発熱体42を覆うように層状に形成され、その内部に、所定の割合で略均一に多数の空間(気孔、空孔、空隙、または隙間)を有する繊維体または多孔質体により構成される。例えば、集熱層43の内部に設けられる空間は、集熱層43が温められたときの熱対流の発生を抑制するように、金属やカーボンファイバーなどに対して10%以上の割合で設けられることが好適である。また、後述する集光レンズ46の特性に応じて、この割合を適用的に設定してもよい。また、集熱層43は、発熱体42を固定する固定部材44を介して加熱部23の上端面41に熱を伝えることができるように、固定部材44に対して接着される。
【0025】
このように構成される熱吸収構造体31に太陽光が照射されると、集熱層43において太陽光による熱エネルギーが集積され、その熱エネルギーは集熱層43を通過しながら加熱部23へ伝達される。このとき、集熱層43は、繊維体または多孔質体に設けられた空間内の空気が温められることによって熱を蓄積するように構成されているので、例えば、反射や放射、対流などによって熱が逃げてしまうことを防止することができ、太陽光による熱エネルギーの損失を抑制することができる。また、熱吸収構造体31は、集熱層43が加熱部23の上端面41の全体を覆うように設けられていることにより、温度環境によって加熱部23の温度分布に偏りが生じるのを防止し、スターリングエンジン11の出力が不安定となることを回避することができる。
【0026】
このように、スターリングエンジン11は、熱吸収構造体31を備えることによって、太陽光による熱エネルギーを吸収して加熱部23を加熱する際の熱吸収効率を向上させることができる。例えば、スターリングエンジン11は、ほぼ100%の太陽光エネルギーを熱吸収構造体31および加熱部23で回収することができる可能性がある。
【0027】
また、スターリングエンジン11は、例えば、太陽光が十分に照射されていない場合や夜間または悪天候である場合などに、発熱体42に電源32から電力を供給することによって加熱部23を加熱して発電を行うとき、熱吸収構造体31を設けることによる保温効果によって発電効率の向上を図ることができる。このとき、スターリングエンジン11は、積雪によって冷却された冷水で冷却部22を冷却することによって、発電部21のシリンダー内の膨張収縮の収縮側を使用して発電を維持することができる。従って、スターリングエンジン11は、例えば、他の再生可能エネルギーによる電力が天候変化によって一時的に不安定となる場合でも発電し続けることができ、電力の調整機能も兼ね備えることができる。
【0028】
また、スターリングエンジン11は、例えば、太陽光が十分に照射されている場合には、発電部21のシリンダー内の膨張収縮の膨張側および収縮側の両方を利用して発電を行うことができ、例えば、余剰電力は蓄電池に蓄えることができる。
【0029】
さらに、スターリングエンジン11は、発熱体42、集熱層43、および固定部材44に対して、太陽光などの光を吸収して効率良く熱に変換することができる黒色の微粒子の被膜を設けることによって、発熱体42、集熱層43、および固定部材44が黒体化された構成とすることができる。具体的には、放射率が黒体に近い塗料を塗布する黒体スプレーを吹き付けて表面を黒色に着色することで、発熱体42、集熱層43、および固定部材44の表面の放射率を、例えば、0.9以上に高めることによって黒体化することができる。
【0030】
これにより、スターリングエンジン11の熱吸収効率を格段に向上させることができ、集熱層43の保温効果の向上を図ることができる。なお、発熱体42、集熱層43、および固定部材44のうちの、少なくとも1つ以上が黒体化されることによって、これらの効果を少なくとも得ることができる。
【0031】
なお、スターリングエンジン11は、発電部21によって発電された電力の少なくとも一部が発熱体42に供給されることによって発熱体42が発熱するような構成の他、例えば、外部から供給される電力によって発熱体42が発熱するような構成としてもよい。また、熱吸収構造体31は、加熱部23の上端面41の全体を覆うような構成に限定されることなく、加熱部23の少なくとも一部分を覆うように設けられていればよく、太陽光による熱エネルギーを加熱部23に伝えることができるように構成されていればよい。
【0032】
図3を参照して、熱吸収構造体31の第2の構成例について説明する。なお、
図3に示す熱吸収構造体31Aにおいて、
図2の熱吸収構造体31と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0033】
図3に示すように、熱吸収構造体31Aは、
図2の熱吸収構造体31と同様に、発熱体42および集熱層43を有して構成されるのに加えて、発熱体42および集熱層43を収納する密閉容器45を有して構成される。密閉容器45は、発熱体42および集熱層43を収納した空間を、例えば、太陽光を透過させることができる透明な部材によって密閉する密閉構造となっている。
【0034】
このように構成される熱吸収構造体31Aは、密閉容器45によって密閉された空間内の空気によって、加熱部23に対する保温効果の向上を図ることができる。これにより、熱吸収構造体31Aを備えたスターリングエンジン11では、さらなる熱吸収効率の向上を期待することができる。
【0035】
なお、熱吸収構造体31Aは、密閉容器45の内部に空気が密閉される構成とする他、例えば、地球温暖化係数の高い気体(例えば、二酸化炭素など)を充填することによって、加熱部23に対する保温効果の向上を図ることができる。さらに、熱吸収構造体31Aは、密閉容器45の気密性を高めることによって内部を高圧にすることで、密閉容器45により密閉された空間内の気体の密度を上げることによっても、加熱部23に対する保温効果の向上を図ることができる。
【0036】
例えば、熱吸収構造体31Aを備えたスターリングエンジン11を、降雪量の多い地域で使用する場合には、密閉容器45として、図示するようなドーム形状の傾斜を有する構造を採用することが好適である。これにより、例えば、密閉容器45に対して雪が積もったとしても、その雪が太陽光によって自然と融解して密閉容器45から流れ落ちるので、スターリングエンジン11は、ある程度の太陽光が照射される環境であれば常に発電することが可能となる。また、スターリングエンジン11は、ドーム形状の密閉容器45に積もった雪が流れ落ちていくことで、その表面を自然と洗浄するような効果を期待することができる。なお、密閉容器45の形状としては、太陽光によって雪が解け落ちるような傾斜が設けられていればドーム形状に限定されることはなく、例えば、三角錐や円錐などのような形状を採用してもよい。
【0037】
図4を参照して、熱吸収構造体31の第3の構成例について説明する。なお、
図4に示す熱吸収構造体31Bにおいて、
図2の熱吸収構造体31と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図4に示すように、熱吸収構造体31Bは、
図2の熱吸収構造体31と同様に、発熱体42および集熱層43を有して構成されるのに加えて、発熱体42および集熱層43を収納する密閉容器45B、並びに、単体もしくは複数の集光レンズ46を有して構成される。
【0039】
密閉容器45Bは、
図3の密閉容器45と同様に、発熱体42および集熱層43を収納するとともに、集光レンズ46を収納するための空間が設けられた形状となっている。
【0040】
集光レンズ46は、熱吸収構造体31Bに照射される太陽光が集熱層43において効率良く熱エネルギーに変換されるように、太陽光を集光する。例えば、様々な角度からの太陽光が集熱層43に集光されるように、複数の集光レンズ46を三次元的に配置することができる。これにより、日中であれば、集光レンズ46が太陽光を集光することができ、熱吸収構造体31Bの温度維持を可能とする。
【0041】
なお、
図4に示す例では、6個の集光レンズ46-1乃至46-6が設けられている構成が示されているが、スターリングエンジン11の出力に応じて必要な個数の集光レンズ46を設けることができる。例えば、集光レンズ46の集光能力は口径Dの2乗に比例し、スターリングエンジン11が獲得したい伝熱量を設定して、熱吸収構造体31Bに設ける集光レンズ46を設計することができる。なお、集熱層43に対して集光レンズ46の焦点が完全に合っていなくても、集光レンズ46が集光した太陽光によって集熱層43の空間内の空気が温められることで、例えば、加熱部23が局所的に高温となるのを防止し、熱エネルギーを集熱層43によって効率良く回収することができる。
【0042】
このように構成される熱吸収構造体31Bは、集光レンズ46によって太陽光を集光することで、集熱層43の保温効果および集熱効率の向上を図ることができる。これにより、熱吸収構造体31Bを備えたスターリングエンジン11では、より一層の熱吸収効率の向上を期待することができる。
【0043】
なお、熱吸収構造体31Bでは、密閉容器45Bの内部に集光レンズ46が設けられた構成となっているが、密閉容器45Bの外部に集光レンズ46が設けられた構成を採用してもよい。また、集光レンズ46として、凸レンズを使用する他、例えば、いわゆるノコギリ形状の断面を有するフレネルレンズ(図示せず)を使用してもよい。また、密閉容器45Bの表面形状を加工して、集光レンズ46が密閉容器45Bと一体になるような構造としてもよい。
【0044】
以上のように、本実施の形態のスターリングエンジン11は、上述した各構成例の熱吸収構造体31を備えることによって、より効率良く、太陽光による熱エネルギーを取り込むことができる。なお、本実施の形態では、温度差発電装置の一例としてスターリングエンジン11について説明を行ったが、本技術は、スターリングエンジン11以外の様々な温度差発電装置に適用すること、例えば、ペルチェ素子を利用した温度差発電装置に適用することができる。さらに、熱吸収構造体31は、スターリングエンジン11などの温度差発電装置で利用されるのに限定されることはなく、太陽光による熱エネルギーを高効率で回収する必要のある様々な装置、例えば、太陽熱温水器などでも利用することができる。
【0045】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0046】
11 スターリングエンジン, 21 発電部, 22 冷却部, 23 加熱部, 31 熱吸収構造体, 32 電源, 41 上端面, 42 発熱体, 43 集熱層, 44 固定部材, 45 密閉容器, 46 集光レンズ