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特開2024-121913収納用パーツ群及び収納用パーツの提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121913
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】収納用パーツ群及び収納用パーツの提供方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20240902BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H05K5/06 E
H05K7/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029147
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾形 凌平
(72)【発明者】
【氏名】村田 聡
【テーマコード(参考)】
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
4E352AA01
4E352BB02
4E352CC33
4E352DR02
4E352GG27
4E360AB08
4E360AB59
4E360BA08
4E360BB02
4E360BB12
4E360ED02
4E360GA53
4E360GB94
(57)【要約】
【課題】収納体を、電気電子機器収納用箱と追設して利用可能とするとともに、独立して利用可能とすること。
【解決手段】電気電子機器を収納可能な本体部11と、蓋部12と、を有する収納体1と、本体部11に着脱可能な取付部材と、を備える収納用パーツ群であって、本体部11は開口部11aを備え、取付部材として、本体部11と電気電子機器収納用箱とを連結するために本体部11の開口部11aと電気電子機器収納用箱の開口部に差し込んだ状態において、本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部31aを備えた第一取付部材31と、本体部11に備えられた開口部11aを塞ぐように取り付け可能な第二取付部材32と、を選択可能に備える構成とする。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子機器を収納可能な本体部と、蓋部と、を有する収納体と、
本体部に着脱可能な取付部材と、
を備える収納用パーツ群であって、
本体部は開口部を備え、
取付部材として、
本体部と電気電子機器収納用箱とを連結するために本体部の開口部と電気電子機器収納用箱の開口部に差し込んだ状態において、本体部の内部空間と電気電子機器収納用箱の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部を備えた第一取付部材と、
本体部に備えられた開口部を塞ぐように取り付け可能な第二取付部材とを、選択可能に備えた収納用パーツ群。
【請求項2】
第一取付部材は、貫通孔部の外周側に備えられた雄ねじ部を有する第一締結部と、第一締結部のねじ部と螺合可能な雌ねじ部を内周側に備える第二締結部と、
を備える請求項1に記載の収納用パーツ群。
【請求項3】
本体部に、第一取付部材を差し込み可能な開口部を複数備えた請求項2に記載の収納用パーツ群。
【請求項4】
第二取付部材は、本体部に備えられた開口部を塞ぐことが可能な覆い部と、覆い部を本体部に備えられた開口部を塞いだ状態において本体部の外に突出させることが可能な取付部と、を備えた請求項1に記載の収納用パーツ群。
【請求項5】
第一取付部材又は第二取付部材は、本体部に設けられた係合部と係合することで移動を規制可能な位置決め部を備えた請求項1から4のいずれかに記載の収納用パーツ群。
【請求項6】
電気電子機器を収納可能な本体部と、蓋部と、を有する収納体に対して、
本体部と電気電子機器収納用箱とを連結するために本体部の開口部と電気電子機器収納用箱の開口部に差し込んだ状態において、本体部の内部空間と電気電子機器収納用箱の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部を備えた第一取付部材を用いて、本体部と電気電子機器収納用箱とを連結して利用するか、
本体部に備えられた開口部を塞ぐように取り付け可能な第二取付部材を用いて、電気電子機器収納用箱から独立して利用するか、
を選択可能にする収納用パーツの提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納用パーツ群及び収納用パーツの提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、分電盤などの電気電子機器収納用箱の筐体内に、計測などの機能を付加するための機器(例えばゲートウェイや直流電源装置などの電気・電子機器、アンテナなどの通信機器、計測センサ)などを追加したい場合がある。しかしながら、設置スペースなどを考慮すると、筐体の大きさは、必要な機器が搭載できる範囲で小さなものにしようとするのが通常である。このため、筐体には、後から機器を追加するようなスペースが設けられていないことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-282801号公報
【0004】
このことへの対策として、収納体を筐体に対して追設することも考えられる。しかしながら、追設を目的とした収納体とすると、独立した収納体と構造が異なることになる。追設用の収納体と、独立した収納体の2種を用意するものとすると、部品点数や金型が多くなってしまうなどといった製造コストに影響する問題がある。また、購入者側にとっては、連結用の収納体と、独立して利用する収納体を分けて購入する必要があるため、仕様変更などがしづらいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、収納体を、電気電子機器収納用箱と追設して利用可能とするとともに、独立して利用可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、電気電子機器を収納可能な本体部と、蓋部と、を有する収納体と、本体部に着脱可能な取付部材と、を備える収納用パーツ群であって、本体部は開口部を備え、取付部材として、本体部と電気電子機器収納用箱とを連結するために本体部の開口部と電気電子機器収納用箱の開口部に差し込んだ状態において、本体部の内部空間と電気電子機器収納用箱の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部を備えた第一取付部材と、本体部に備えられた開口部を塞ぐように取り付け可能な第二取付部材とを、選択可能に備えた収納用パーツ群とする。
【0007】
また、第一取付部材は、貫通孔部の外周側に備えられた雄ねじ部を有する第一締結部と、第一締結部のねじ部と螺合可能な雌ねじ部を内周側に備える第二締結部と、を備える構成とすることが好ましい。
【0008】
また、本体部に、第一取付部材を差し込み可能な開口部を複数備えた構成とすることが好ましい。
【0009】
また、第二取付部材は、本体部に備えられた開口部を塞ぐことが可能な覆い部と、覆い部を本体部に備えられた開口部を塞いだ状態において本体部の外に突出させることが可能な取付部と、を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、第一取付部材又は第二取付部材は、本体部に設けられた係合部と係合することで移動を規制可能な位置決め部を備えた構成とすることが好ましい。
【0011】
また、電気電子機器を収納可能な本体部と、蓋部と、を有する収納体に対して、本体部と電気電子機器収納用箱とを連結するために本体部の開口部と電気電子機器収納用箱の開口部に差し込んだ状態において、本体部の内部空間と電気電子機器収納用箱の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部を備えた第一取付部材を用いて、本体部と電気電子機器収納用箱とを連結して利用するか、本体部に備えられた開口部を塞ぐように取り付け可能な第二取付部材を用いて、電気電子機器収納用箱から独立して利用するか、を選択可能にする収納用パーツの提供方法とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、収納体を、電気電子機器収納用箱と追設して利用可能とするとともに、独立して利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】収納体を電気電子機器収納用箱の側面に取り付けた例を示す斜視図である。
図2】収納体を支柱に取り付けた例を示す斜視図である。ただし、収納体の背面側から見た斜視図を示している。
図3】収納体の例を示す斜視図である。
図4図3に示す収納体の蓋部を開放した状態の例を示す斜視図である。
図5図4に示す収納体から取付板を取り外した例を示す分解斜視図である。
図6】収納体の背面に設けた開口部に第一取付部材の第一締結部を差し込む前の状態の例を示す図である。
図7図6に示す収納体に第一取付部材の第一締結部を差し込んで状態を背面側から見た斜視図である。ただし、第一締結部と螺合される第二締結部材も示している。
図8】電気電子機器収納用箱に図3に示す収納体を取り付ける前の状態を示す図である。ただし、電気電子機器収納用箱の扉は省略している。
図9】電気電子機器収納用箱に図3に示す収納体を取り付けた後の電気電子機器収納用箱の内部の状態を示す図である。
図10】収納体に設けた二つの開口部のそれぞれに第一取付部材の第一締結部と第三取付部材の第一締結部を挿入した例を示す図である。ただし、第一締結部と螺合される第二締結部材も示している。
図11】収納体の背面に設けた開口部に第二取付部材を差し込む前の状態の例を示す図である。
図12図11に示す第二取付部材を収納体の背面に設けた開口部に差し込んだ後の状態の例を示す図である。
図13】第二取付部材を背面側から見た例を示す斜視図である。
図14】収納体の本体部と第一取付部材の間にパッキンを介在させるために、本体部の開口部の周縁にパッキンを配置した状態としたことを表した図である。
図15】収納体の本体部と第二取付部材の間にパッキンを介在させるために、本体部の開口部の周縁にパッキンを配置した状態としたことを表した図である。
図16】収納体に対して第一取付部材と第二取付部材の取り付け及び取り外しができることを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。実施形態の収納用パーツ群は、電気電子機器を収納可能な本体部11と、蓋部12と、を有する収納体1と、本体部11に着脱可能な取付部材3と、を備える。また、この収納用パーツ群の本体部11は開口部11aを備えている。また、この収納用パーツ群の取付部材3として、「本体部11と電気電子機器収納用箱8とを連結するために本体部11の開口部11aと電気電子機器収納用箱8の開口部81に差し込んだ状態において、本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部31aを備えた第一取付部材31」と、「本体部11に備えられた開口部11aを塞ぐように取り付け可能な第二取付部材32」と、を選択可能にしている。このため、収納体1を、電気電子機器収納用箱8と連結して利用可能とするとともに、独立して利用可能となる。
【0015】
また、実施形態では、電気電子機器を収納可能な本体部11と、蓋部12と、を有する収納体1に対して、「「本体部11と電気電子機器収納用箱8とを連結するために本体部11の開口部11aと電気電子機器収納用箱8の開口部81に差し込んだ状態において、本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部31aを備えた第一取付部材31」を用いて、本体部11と電気電子機器収納用箱8とを連結して利用する」か、「「本体部11に備えられた開口部11aを塞ぐように取り付け可能な第二取付部材32」を用いて、電気電子機器収納用箱8から独立して利用する」か、を選択可能にする収納用パーツの提供方法とする。このため、製造者側としては、収納体の金型を共通化することができるためコストを低減することができ、提供された側は、収納体1を、電気電子機器収納用箱8と連結して利用可能であるし、独立して利用可能である。
【0016】
まず、実施形態における収納体1を電気電子機器収納用箱8と連結する例について説明をする。図1に示す例では、金属製の電気電子機器収納用箱8の側面に樹脂製の収納体1を連結した例である。このような例の場合、収納体1は、電気電子機器収納用箱8を利用するために追加で搭載する電気電子機器を搭載することが予想される。また、例えば、収納体1の内部に搭載した電気電子機器と外部装置とを通信させるための通信機器などを搭載することが予想される。
【0017】
なお、収納体1を電気電子機器収納用箱8と連結する場合は、電気電子機器収納用箱8の内部から電線を収納体1に引き込むようにして、収納体1に収納した電気電子機器を動作させるために必要な電源を確保してもよい。また、収納体1に収納した電気電子機器を動作させるために必要なバッテリーなどを収納体1に収納しておくようにしてもよい。
【0018】
収納体1は樹脂製である必要はないが、収納する電気電子機器の種類によっては、金属製の収納体1とすると、外部と通信できないなど、収納する電気電子機器が上手く機能しない場合もあるため樹脂製の収納体1とするのが好ましい。なお、収納体1は電気電子機器収納用箱8に対して着脱可能である。
【0019】
これに対して、収納体1を電気電子機器収納用箱8とは独立して利用することもできる。例えば、図2に示すことから理解されるように、支柱99に収納体1を取り付けることなどが例示できる。例えば、簡易照明を機能させるために必要な電気電子機器などを収納体1に収納する。また、収納体1に収納した電気電子機器を動作させるために必要な電源を供給可能なバッテリーなどを収納体1に収納しておくのが好ましい。
【0020】
次に、収納体1について説明をする。実施形態の収納体1は、本体部11と蓋部12で概略の外郭が形成されている。蓋部12と本体部11は蝶番部13を用いて連結されており、蓋部12は本体部11に回動可能に取り付けられている(図3及び図4参照)。
【0021】
図4に示す例では、本体部11の内部に取付板111が備えられている。この取付板111は、電気電子機器を搭載するために利用できるものであり、板状の部材に複数の穴が設けられたものである。この例では、取付板111は本体部11の内側面から突出するように形成した突出部11bにネジ固定をすることができる。このようなことを可能とするため、突出部11bの先端には取付穴11baが設けられている(図5参照)。
【0022】
取付板111は収納体1に必須なものではない。取付板111を収納体1に取り付けない場合、本体部11の内側面から突出するように形成した突出部11bに通信機器などの電気電子機器を固定するようにしてもよい。
【0023】
なお、実施形態の収納体1は、屋外で使用することが想定されているため、本体部11には、蓋部12を閉めたときに蓋部12と当接する水切り部11cを備えている。本体部11に設けた水切り部11cを蓋部12に当接させることによって、収納体1の防水効果や防塵効果を高めることができる。また、実施形態の収納体1は、上下を逆さにしても利用することができるため、蓋部12を、左開きと右開きのいずれに利用することもできる。
【0024】
ここで、収納体1に第一取付部材311を取り付ける例について説明を行う。図6及び図7に示す例では、第一取付部材31は、第一締結部311と、第二締結部312と、を備えている。第一締結部311は、収納体1に設けられた開口部11aに一部が挿入された状態で、他の一部分が開口部11aの周縁と対向可能なものである。実施形態においては、収納体1に設けた開口部11aの周縁(収納体1の内側面)と第一締結部311のフランジ部3aが対向した状態において、第一締結部311の一部だけが収納体1の外側に突出した状態とすることができる構成となっている(図7参照)。
【0025】
収納体1の開口部11aに一部を挿入した第一締結部311は、収納体1の外側から第二締結部312と接続される。実施形態の第二締結部312は収納体1と電気電子機器収納用箱8を第一締結部311と挟み込むことができるように構成されており、第一締結部311と第二締結部312を用いれば、電気電子機器収納用箱8に対して収納体1を固定することができる。
【0026】
このようなことを可能とするため、図6及び図7に示す例では、第一締結部311の一部であって収納体1の外側に突出する部分は筒状に構成されており、外周面に雄ねじ部311aを備えている。また、第二締結部312は、第一締結部311のねじ部と螺合可能な雌ねじ部312aを内周側に備えている。これらの雄ねじ部311aと雌ねじ部312aを用いて、第一締結部311のフランジ部3aと第二締結部312の距離を縮めることで、電気電子機器収納用箱8に対して収納体1を固定することができる(図8及び図9参照)。また、第一締結部311のフランジ部3aと第二締結部312の距離をしっかりと縮めることで、収納体1の内部に水や埃などが侵入する可能性を低減させることができる。
【0027】
このようなことが可能となるため、第一取付部材31は、貫通孔部31aの外周側に備えられた雄ねじ部311aを有する第一締結部311と、第一締結部311のねじ部と螺合可能な雌ねじ部312aを内周側に備える第二締結部312と、を備える構成とするのが好ましい。
【0028】
また、実施形態の第一締結部311は雄ねじ部311aが外周面に設けられた筒状の部分である筒状部3bに貫通孔部31aを備えている(図6参照)。貫通孔部31aは、本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐことができるものである。この貫通孔部31aを利用して、電気電子機器収納用箱8に収納された電気電子機器と、収納体1に収納された電気電子機器と、を電線などで接続することができる。そのため、収納体1の外部に配線が露出しないため、露出する配線を保護するカバーなどが不要となるものである。
【0029】
また、本体部11に係合部を設けるとともに、取付部材3に係合部と係合可能な位置決め部を設け、係合部と位置決め部を用いて、取付部材3の移動を規制できるようにすることが好ましい。図6に示す例では、本体部11に設けた開口部11aの周りに係合部を備えている。この例では、凸状の部分11dが係合部であり、第一取付部材31のフランジ部3aと係合することができる。第一取付部材31には係合部と係合することで移動を規制可能な位置決め部を備えているが、この例では、第一取付部材31のフランジ部3aに設けられた凹み3aaが位置決め部である。
【0030】
もちろん、係合部や位置決め部はこのような例である必要はない。ただし、それらは第一取付部材31が筒状部3bを中心に回転することを抑制できる構成とするのが好ましい。そうすれば、第二締結部312を回して第一締結部311と第二締結部312を締め付ける場合にも、第一締め付け部の回転が規制されているため、第一締結部311に対して第二締結部312をしっかりと締めこむことができる。
【0031】
第二締結部312をしっかりと締めこむことができる構成は、このような例に限らない。例えば、第一締結部311を本体部11に対してねじで固定するようにしてもよい。このようにすれば、第一締結部311が回転しないため、第二締結部312をしっかりと締めこむことができる。
【0032】
ところで、収納体1は、本体部11に、第一取付部材31を差し込み可能な開口部11aを複数備えた構成とするのが好ましい。このようにすれば、第一締結部311と第二締結部312を螺合させる際に、本体部11が回転して向きが変わることを抑制することができる。
【0033】
また、フランジ部3aと筒状部3bを備えるが、本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐことが可能な貫通孔部31aを備えない第三取付部材33を用いて、本体部11と電気電子機器収納用箱8とを連結してもよい。例えば、図10に示す例では、本体部11に、第一取付部材31を差し込み可能な開口部11aを二つ備えた構成であるが、そのうちの一方に第一取付部材31を挿入し、他方に第三取付部材33を挿入している。
【0034】
この場合、第三取付部材33の内部を本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐ経路とすることはできないが、第一取付部材31に備えられた貫通孔部31aは本体部11の内部空間と電気電子機器収納用箱8の内部空間とを繋ぐ経路とすることができるため、一カ所は電線を通すことができる。経路としてこれで十分であれば、このような取り付け方でも問題はない。
【0035】
もちろん、本体部11に、第一取付部材31を差し込み可能な開口部11aを複数備えた構成である場合、第一取付部材31を複数取り付けてもよく、例えば、第一取付部材31を二つ取り付け、一方側を電気電子機器収納用箱8から収納体1に電気や信号などを送る線の経路用、他方側を収納体1から電気電子機器収納用箱8に電気や信号などを送る線の経路用などと、使い分けるようにしてもよい。
【0036】
電気電子機器収納用箱8と収納体1の間に電線をはわす必要がない場合は、全ての開口部11aに第三取付部材33を挿入してもよい。本体部11に、第一取付部材31を差し込み可能な開口部11aを複数備えた構成である場合、第三取付部材33が本体部11の回動を抑制することができる。
【0037】
ここまでは、収納体1を電気電子機器収納用箱8と連結する例を中心に説明したが、ここから、収納体1を電気電子機器収納用箱8から独立して利用する例について説明をする。この場合、本体部11に取り付けるのは、第二取付部材32とすればよい。第二取付部材32は、非貫通形状であり、開口部11aから収納体1の内部に水や埃が侵入することを抑制するために取り付けられる。なお、図11及び図12においては、中心部分に正面視で長方形状の四つのへこみ部があるが、このへこみ部は貫通するものではない(図13参照)。後述する取付部322の強度を持たすためや、指を差し込んで第二取付部材32を持ちやすくするためのものである。取付部322を分離可能とするものであれば、取付部322の位置決めとして作用するものである。
【0038】
また、図11から図13に示す例においては、第二取付部材32を取り付けることで、収納体1を壁面や支柱99に取り付けられるようにしている。このようなことを可能とするため、第二取付部材32は、本体部11に備えられた開口部11aを塞ぐことが可能な覆い部321と、覆い部321を本体部11に備えられた開口部11aを塞いだ状態において本体部11の外に突出させることが可能な取付部322と、を備えた構成としている。この取付部322を用いれば、例えば図2に示すように、収納体1を支柱99などに取り付けることができる。
【0039】
また、図11から図13に示す第二取付部材32は、板状の覆い部321で本体部11に備えられた開口部11aを塞ぐことができるようにしている。また、この覆い部321は正面視で円形という構成である。ただし第二取付部材32の覆い部321は、必ずしもこのような構成である必要はない。また、覆い部321の背面側には、本体部11の外方向に突出することになる取付部322を備えている。図13に示す例では、取付部322にバンド91を取り付けることができるバンド取付部322aを備える構成としており、バンド取付部322aに取り付けたバンド91などで第二取付部材32を引っ張るようにすれば、第二取付部材32を本体部11に押し付けるような力が働くことになる。
【0040】
この例では、収納体1の背面に取付部322が露出するように配置し、この取付部322に取り付けたバンド91を用いて支柱99への取付をできるようにしているが、第二取付部材32はこのような取り付け態様である必要はない。
【0041】
また、第二取付部材32は、第一取付部材31と同様に、本体部11に設けられた係合部と係合することで移動を規制可能な位置決め部を備えた構成とするのが好ましい。もちろん第三取付部材33など、他の取り付け部材においても、同様な構成とするのが好ましい。しかし、全ての取付部材3に対して位置決め部を備える必要はない。例えば、第二取付部材32は位置決め部を備えた構成とするが、第一取付部材31は位置決め部を備えていない構成とするようにしてもよい。
【0042】
ところで、第一取付部材31や第二取付部材32などの取付部材3と収納体1に設けられた開口部11aの周縁部との間にパッキン19を介在させるようにすることが好ましい(図14及び図15参照)。このような構成とすれば、収納体1の内部に水や埃が侵入しにくくなる。
【0043】
これらの例から理解されるように、第一取付部材31や第二取付部材32を取り替えることで(図16参照)、収納体1を、電気電子機器収納用箱8と連結して利用する利用態様と、収納体1を独立して利用する利用態様との間で切り替えることができる。
【0044】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、収納体は電気電子機器収納用箱の背面に取り付けてもよいし、扉に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 収納体
11 本体部
11a 開口部
12 蓋部
3 取付部材
31 第一取付部材
31a 貫通孔部
311 第一締結部
311a 雄ねじ部
312 第二締結部
312a 雌ねじ部
32 第二取付部材
321 覆い部
322 取付部
8 電気電子機器収納用箱
81 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16