(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121921
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
B05B 11/10 20230101AFI20240902BHJP
B65D 83/76 20060101ALI20240902BHJP
B05B 11/00 20230101ALI20240902BHJP
【FI】
B05B11/10 103G
B65D83/76 120
B05B11/00 103G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029161
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014KA09
3E014KC09
(57)【要約】
【課題】径方向に大型化することを抑制できる構造を有する吐出容器を提供する。
【解決手段】吐出容器(1)は、加圧室(131)が形成され、容器本体(10)に対して容器軸方向の一方側に配置された加圧部(130)と、加圧室内から容器本体内に向かう空気の流れを許容する空気弁(73)と、容器本体内に繋がる第1流路部(150)と、吐出孔(126)に繋がる第2流路部(160)と、第1流路部内を閉塞する第1吐出弁(70)と、第2流路部内を閉塞する第2吐出弁(110)と、容器軸方向に移動可能な操作部(140)と、を備え、加圧部には、外気導入部(96)が形成され、加圧室は、操作部の移動に伴って内部の容積が変化するように形成され、第1流路部と第2流路部とが互いに繋がった状態においてヘッド部(120)が操作されることで、容器本体の内部と吐出孔とが第1流路部および第2流路部を介して連通する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が内部に収容される容器本体と、
前記内容物が吐出される吐出孔が形成されたヘッド部と、
連通孔を介して前記容器本体の内部と連通可能な加圧室が形成され、前記容器本体に対して容器軸方向の一方側に配置された加圧部と、
前記連通孔を開放可能に閉塞し、前記加圧室内から前記連通孔を介して前記容器本体内に向かう空気の流れを許容し、かつ、前記容器本体内から前記連通孔を介して前記加圧室内に向かう空気の流れを遮断する空気弁と、
前記容器本体の内部に繋がる第1流路部と、
前記吐出孔に繋がる第2流路部と、
前記第1流路部に配置され、前記第1流路部内の一部を開放可能に閉塞する第1吐出弁と、
前記第2流路部に配置され、前記第2流路部内の一部を開放可能に閉塞する第2吐出弁と、
前記加圧部に形成され、前記容器軸方向に移動可能な操作部と、
を備え、
前記加圧部には、前記加圧室内に外気を導入可能な外気導入部が形成され、
前記加圧室は、前記操作部の前記容器軸方向の移動に伴って内部の容積が変化するように形成され、
前記第1流路部と前記第2流路部とは、少なくとも前記操作部が最も前記容器軸方向の他方側に位置する状態において互いに繋がり、
前記第1流路部と前記第2流路部とが互いに繋がった状態において前記ヘッド部が操作されることで、前記第1吐出弁が前記第1流路部内を開放し、かつ、前記第2吐出弁が前記第2流路部内を開放した状態となり、前記容器本体の内部と前記吐出孔とが前記第1流路部および前記第2流路部を介して連通する、吐出容器。
【請求項2】
前記ヘッド部は、前記操作部に繋がり、前記操作部と共に前記容器軸方向に移動可能である、請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記第1流路部と前記第2流路部とは、前記容器軸方向に離間可能に互いに連結される連結部をそれぞれ有し、
前記第2流路部は、少なくとも前記操作部が最も前記一方側に位置する状態において前記第1流路部の前記一方側に離間して配置される、請求項2に記載の吐出容器。
【請求項4】
前記外気導入部は、前記操作部に形成されたスリットであり、容器軸線回りの周方向に延びている、請求項1から3のいずれか一項に記載の吐出容器。
【請求項5】
前記第1流路部と前記第2流路部との少なくとも一方には、前記容器本体内の前記内容物と前記容器本体内の空気とを混合可能な混合室が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
操作ピストンを進退移動させる操作をすることにより吐出容器の内部の圧力を高めて、当該圧力を利用して容器本体内の内容物を吐出させる構造を有する吐出器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような吐出容器においては、操作ピストンなどの吐出容器の内部を加圧する構造を設けるために、吐出容器全体が径方向に大型化しやすい問題があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、径方向に大型化することを抑制できる構造を有する吐出容器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の吐出容器の一つの態様は、内容物が内部に収容される容器本体と、前記内容物が吐出される吐出孔が形成されたヘッド部と、連通孔を介して前記容器本体の内部と連通可能な加圧室が形成され、前記容器本体に対して容器軸方向の一方側に配置された加圧部と、前記連通孔を開放可能に閉塞し、前記加圧室内から前記連通孔を介して前記容器本体内に向かう空気の流れを許容し、かつ、前記容器本体内から前記連通孔を介して前記加圧室内に向かう空気の流れを遮断する空気弁と、前記容器本体の内部に繋がる第1流路部と、前記吐出孔に繋がる第2流路部と、前記第1流路部に配置され、前記第1流路部内の一部を開放可能に閉塞する第1吐出弁と、前記第2流路部に配置され、前記第2流路部内の一部を開放可能に閉塞する第2吐出弁と、前記加圧部に形成され、前記容器軸方向に移動可能な操作部と、を備え、前記加圧部には、前記加圧室内に外気を導入可能な外気導入部が形成され、前記加圧室は、前記操作部の前記容器軸方向の移動に伴って内部の容積が変化するように形成され、前記第1流路部と前記第2流路部とは、少なくとも前記操作部が最も前記容器軸方向の他方側に位置する状態において互いに繋がり、前記第1流路部と前記第2流路部とが互いに繋がった状態において前記ヘッド部が操作されることで、前記第1吐出弁が前記第1流路部内を開放し、かつ、前記第2吐出弁が前記第2流路部内を開放した状態となり、前記容器本体の内部と前記吐出孔とが前記第1流路部および前記第2流路部を介して連通する。
【0007】
本発明の吐出容器の一つの態様によれば、操作部を容器軸方向に移動させる操作を行うことで、加圧室内の容積を変化させることができ、外気導入部から加圧室内に導入された外部の空気を容器本体内に送って容器本体内を加圧することができる。また、容器本体内を加圧した後に第1流路部と第2流路部とが互いに繋がった状態においてヘッド部を操作することで、第1吐出弁および第2吐出弁を開放状態にして第1流路部および第2流路部を開放し、容器本体内と吐出孔とを繋げることができる。これにより、加圧された容器本体内の圧力を利用して、容器本体から第1流路部および第2流路部を介して吐出孔へと内容物を送ることができる。これにより、好適に内容物を外部に連続して吐出させることができる。また、加圧部が容器本体に対して容器軸方向の一方側に配置されているため、加圧部を設けても吐出容器が径方向に大型化することを抑制できる。また、ヘッド部などと同様にして、加圧部を容器本体に対して容器軸方向から組み付けることができるため、吐出容器1を組み立てる作業が複雑化することを抑制できる。
【0008】
前記ヘッド部は、前記操作部に繋がり、前記操作部と共に前記容器軸方向に移動可能である構成としてもよい。
この構成によれば、ヘッド部が操作部の操作によらず容器軸方向に移動しない場合に比べて、容器本体の容器軸方向の一方側に加圧部を設けやすく、吐出容器の構造が複雑化しにくい。また、ヘッド部と容器本体との容器軸方向の間に加圧室を設けることができ、ヘッド部が操作部と共に容器軸方向に移動することで、加圧室内の容積を大きく変化させやすくできる。これにより、操作部を容器軸方向に操作した際に容器本体内に送れる空気の量を大きくしやすい。また、ヘッド部と加圧部とを一体的に設けることができるため、ヘッド部と加圧部とを別々に容器本体に組み付ける場合よりも、ヘッド部および加圧部の容器本体に対する組み付けを容易にしやすい。また、このように容器本体に対して複数の部品を別々に組み付ける必要がないため、容器本体の形状が特殊な形状となることを抑制しやすく、一般的な形状の容器を容器本体として用いることが可能になるなど、容器本体の形状として採用できる形状の自由度を向上させることができる。
【0009】
前記第1流路部と前記第2流路部とは、前記容器軸方向に離間可能に互いに連結される連結部をそれぞれ有し、前記第2流路部は、少なくとも前記操作部が最も前記一方側に位置する状態において前記第1流路部の前記一方側に離間して配置される構成としてもよい。
この構成によれば、容器本体内を加圧する操作を行う際、操作部およびヘッド部を容器軸方向の一方側に移動させた状態においては、第1流路部と第2流路部とが互いに繋がっていない状態となる。これにより、操作部およびヘッド部が容器軸方向の一方側に位置する状態においてヘッド部を誤って操作しても、第1吐出弁が第1流路部内を開放してしまうことを抑制できる。したがって、容器本体内を加圧している途中に容器本体内の圧力が開放されてしまうことを抑制できる。
【0010】
前記外気導入部は、前記操作部に形成されたスリットであり、容器軸線回りの周方向に延びている構成としてもよい。
この構成によれば、操作部を容器軸方向の一方側に引っ張って加圧室内の容積を大きくする際には、周方向に延びるスリットである外気導入部の容器軸方向の一方側の縁が引っ張られて外気導入部が開き、加圧室内に外気を好適に導入できる。一方、操作部を容器軸方向の他方側に押して加圧室内の空気を容器本体内に送る際には、周方向に延びるスリットである外気導入部の容器軸方向の他方側の縁部が押されて外気導入部が閉じ、加圧室内の空気が外気導入部から吐出容器の外部に漏れることを抑制できる。したがって、外気導入部に対して空気の逆流を抑制する逆止弁などの部品を別途設ける必要がなく、外気導入部を簡易な構成とすることができる。
【0011】
前記第1流路部と前記第2流路部との少なくとも一方には、前記容器本体内の前記内容物と前記容器本体内の空気とを混合可能な混合室が形成されている構成としてもよい。
この構成によれば、混合室内において、内容物と空気とを混合して泡状にすることができ、吐出孔から吐出される内容物を泡状にできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一つの態様によれば、吐出容器が径方向に大型化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態における吐出容器を示す部分断面図である。
【
図2】一実施形態における吐出容器を上方から見た図である。
【
図3】一実施形態における吐出容器の一部を示す断面図である。
【
図4】一実施形態における吐出容器の一部を示す断面図であって、
図3の部分拡大図である。
【
図5】一実施形態における吐出容器の操作手順の一部を示す断面図である。
【
図6】一実施形態における吐出容器の操作手順の他の一部を示す断面図である。
【
図7】一実施形態における吐出容器の操作手順のさらに他の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る吐出容器を説明する。
本実施形態に係る吐出容器1は、
図1から
図3に示すように、内容物Cが内部に収容される容器本体10と、容器本体10の口部11に取り付けられた吐出器20と、を備える。容器本体10は、有底筒状の容器である。本実施形態において容器本体10は、円筒状の容器である。容器本体10は、例えば、樹脂製である。容器本体10の内部に収容される内容物Cは、特に限定されない。内容物Cは、例えば、洗剤などの液体である。
【0015】
以下、吐出容器1の各部の説明においては、容器本体10の容器軸線Oが延びる方向、すなわち容器軸方向を上下方向と呼ぶ。また、上下方向と直交する方向のうち後述するノズル部124が延びる方向と平行な方向を前後方向と呼ぶ。また、上下方向と直交する方向のうち前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。前後方向、左右方向、および上下方向は、互いに直交する方向である。
【0016】
上下方向のうち容器本体10に対して吐出器20が位置する方を上方とし、上下方向のうち吐出器20に対して容器本体10が位置する方を下方とする。また、前後方向のうち後述するノズル部124に形成された吐出孔126が開口する方、すなわち
図1における左方を前方とし、吐出孔126が開口する方と逆の方、すなわち
図1における右方を後方とする。また、上下方向から見た平面視において、容器軸線Oに交差する方向を径方向と呼び、容器軸線O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0017】
図1に示すように、容器本体10は、口部11と、胴部12と、底部13と、を有する。口部11と胴部12と底部13とは、上方から下方に向けてこの順に連なって設けられている。口部11と胴部12と底部13とは、容器軸線Oと同軸に配置されている。口部11は、上方に開口している。
【0018】
図3に示すように、吐出器20は、容器本体10に取り付けられた被取付部21と、被取付部21に対して上下方向に移動可能な可動部22と、を有する。被取付部21は、容器本体10の口部11に着脱可能に取り付けられている。被取付部21は、シリンダ部材30と、第1カバー部材37と、下側流路部材40と、上側流路部材50と、第2カバー部材56と、弁部材60と、封止部材71と、空気弁73と、第1付勢部材81と、を有する。
【0019】
シリンダ部材30は、容器軸線Oと同軸に配置された円筒状の部材である。シリンダ部材30は、シリンダ外筒部31と、底壁部32と、シリンダ内筒部33と、環状部34と、装着筒部35と、柱部36と、を有する。
シリンダ外筒部31は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向に延びる円筒状である。シリンダ外筒部31は、上下方向の両側に開口している。シリンダ外筒部31の下端部における内周面には、容器本体10の口部11の外周面に形成された雄ねじ部と螺合される雌ねじ部が形成されている。シリンダ外筒部31が口部11に対して取り付けられることで、被取付部21は、容器本体10に着脱可能に取り付けられている。なお、シリンダ外筒部31は、口部11に対してアンダーカット嵌合などによって取り付けられてもよい。
【0020】
シリンダ外筒部31の上側部分における外径は、シリンダ外筒部31の下側部分における外径よりも小さい。シリンダ外筒部31のうち上側部分における外周面には、径方向外側に突出する環状突起31aが形成されている。環状突起31aは、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。
底壁部32は、シリンダ外筒部31の下側部分における内周面から径方向内側に突出している。底壁部32は、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。本実施形態において底壁部32は、板面が上下方向を向く板状である。底壁部32の径方向外側部分は、口部11の上端部の上側に配置されている。底壁部32と口部11の上端部との間には、シール部材14が挟まれて配置されている。底壁部32の径方向内側部分は、底壁部32の径方向外側部分よりも下方に位置し、口部11の上端部内に挿入されている。底壁部32の径方向内縁部は、シリンダ内筒部33の外周面に繋がっている。
【0021】
底壁部32には、連通孔32aが形成されている。本実施形態において連通孔32aは、底壁部32を上下方向に貫通する孔である。連通孔32aは、底壁部32の径方向内側部分に形成されている。連通孔32aは、シリンダ外筒部31の内部と容器本体10の内部とを連通可能な孔である。本実施形態において連通孔32aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0022】
シリンダ内筒部33は、シリンダ外筒部31の径方向内側に位置する。シリンダ内筒部33は、底壁部32を介してシリンダ外筒部31と繋がっている。シリンダ内筒部33は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向の両側に開口する円筒状である。シリンダ内筒部33は、底壁部32よりも上下方向の両側に突出している。シリンダ内筒部33の下端部は、口部11内に挿入されている。シリンダ内筒部33のうち底壁部32の径方向内縁部よりも下側に位置する部分は、シリンダ内筒部33のうち底壁部32の径方向内縁部よりも上側に位置する部分よりも、上下方向の寸法が小さい。
【0023】
環状部34は、シリンダ内筒部33の内周面から径方向内側に突出している。環状部34は、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。環状部34は、底壁部32よりも上方に位置し、シリンダ内筒部33の上端部よりも下方に位置する。
装着筒部35は、環状部34の径方向内縁部から下方に延びている。装着筒部35は、容器軸線Oと同軸に配置された円筒状である。装着筒部35は、上下方向の両側に開口している。装着筒部35は、シリンダ内筒部33の径方向内側に位置する。装着筒部35の下端部は、シリンダ内筒部33の下端部よりも僅かに上方に位置する。
柱部36は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向に延びる円柱状である。柱部36は、装着筒部35の径方向内側に位置する。柱部36は、装着筒部35の内周面と接続部36aを介して繋がっている。接続部36aには、孔部36bが形成されている。
【0024】
第1カバー部材37は、シリンダ部材30の上端部に取り付けられている。第1カバー部材37は、周壁部37aと、環状壁部37bと、を有する。
周壁部37aは、容器軸線Oと同軸に配置された円筒状である。周壁部37aは、シリンダ部材30のシリンダ外筒部31における上端部に外嵌されている。周壁部37aの下端部は、環状突起31aの上方に対向して配置されている。
環状壁部37bは、周壁部37aの上端部から径方向内側に突出している。環状壁部37bは、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。環状壁部37bは、シリンダ外筒部31における上端部の上方に位置し、シリンダ外筒部31における上端部と接触している。環状壁部37bの径方向内縁部は、シリンダ外筒部31の内周面よりも径方向内側に位置する。
【0025】
下側流路部材40は、シリンダ部材30に取り付けられている。下側流路部材40は、大径筒部41と、小径筒部42と、挿入筒部43と、リブ44と、を有する。
大径筒部41は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。大径筒部41は、装着筒部35に外嵌されている。大径筒部41の上端部は、シリンダ内筒部33と装着筒部35との径方向の間に挟まれて保持され、環状部34の下面に接触している。大径筒部41の下端部は、シリンダ内筒部33の下端部よりも下方に位置する。大径筒部41の下端部における径方向外縁部には、容器本体10の内部に開口する開口部41aが形成されている。開口部41aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0026】
小径筒部42は、大径筒部41の下端部に繋がっている。小径筒部42は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。小径筒部42は、大径筒部41の下端部から下方に延びている。小径筒部42の外径は、大径筒部41の外径よりも小さい。小径筒部42の内径は、大径筒部41の内径よりも小さい。小径筒部42の下端部は、容器本体10の胴部12内に位置する。小径筒部42の内部には、吸引筒45が嵌合されて、保持されている。吸引筒45は、上下方向に延び、上下方向の両側に開口する円筒状である。吸引筒45は、例えば、可撓性を有する。
図1に示すように、吸引筒45の下端部は、容器本体10の底部13の近傍に配置され、内容物C内に浸漬されている。
【0027】
図3に示すように、挿入筒部43は、大径筒部41の内周面と小径筒部42の内周面との間の段差部分から上方に突出している。挿入筒部43は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。挿入筒部43は、大径筒部41の径方向内側に位置する。挿入筒部43は、装着筒部35内に下方から挿入されている。挿入筒部43の上端部は、大径筒部41の上端部よりも下方に位置する。
リブ44は、挿入筒部43の内周面から径方向内側に突出している。リブ44は、上下方向に延びている。リブ44は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。周方向に間隔を空けて配置された複数のリブ44の内側には、柱部36の下側部分が嵌合されている。
【0028】
上側流路部材50は、シリンダ部材30に取り付けられている。上側流路部材50は、環状部34を上下方向に挟んで下側流路部材40の上方に位置する。上側流路部材50は、底部51と、外筒部52と、環状突起53と、内筒部54と、ガイドリブ55と、を有する。
底部51は、容器軸線Oと同軸に配置された円板状である。底部51は、シリンダ部材30の環状部34の上方に位置する。底部51の下面は、環状部34の上面に接触している。底部51には、底部51を上下方向に貫通する貫通孔51aが形成されている。本実施形態において貫通孔51aは、容器軸線Oと同軸に配置された孔である。貫通孔51aの内縁部は、環状部34の径方向内縁部よりも径方向内側に位置する。
【0029】
外筒部52は、底部51の径方向外縁部から上方に延びている。外筒部52は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。外筒部52の下側部分は、シリンダ内筒部33のうち環状部34よりも上方に位置する部分の内側に嵌合されている。
環状突起53は、外筒部52の外周面から径方向外側に突出している。環状突起53は、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。環状突起53は、外筒部52の下端部よりも上方に位置し、外筒部52の上端部よりも下方に位置する。環状突起53は、シリンダ内筒部33の上端部の上方に対向して配置されている。
【0030】
内筒部54は、底部51から上方に延びている。内筒部54は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。内筒部54は、外筒部52の径方向内側に離れて位置する。内筒部54は、貫通孔51aの内縁部よりも径方向外側に離れて配置されている。内筒部54の上端部は、外筒部52の上端部よりも僅かに下方に位置する。
ガイドリブ55は、内筒部54の内周面から径方向内側に突出している。ガイドリブ55は、上下方向に延びている。ガイドリブ55は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0031】
第2カバー部材56は、上側流路部材50に取り付けられている。第2カバー部材56は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する有頂筒状の部材である。第2カバー部材56は、容器軸線Oと同軸に配置された円板状の頂壁部56aと、頂壁部56aの径方向外縁部から下方に延びる周壁部56bと、を有する。
頂壁部56aは、外筒部52および内筒部54の上方に離れて配置されている。頂壁部56aは、外筒部52の上端部および内筒部54の上端部との上下方向の間で、封止部材71を挟んでいる。
【0032】
頂壁部56aには、貫通孔56cが形成されている。貫通孔56cは、頂壁部56aを上下方向に貫通している。貫通孔56cは、容器軸線Oと同軸に配置された孔である。貫通孔56cの内径は、内筒部54の内径よりも小さい。
周壁部56bは、外筒部52のうち環状突起53よりも上方に位置する部分に外嵌されている。周壁部56bの下端部は、環状突起53に上方から接触している。
【0033】
弁部材60は、上側流路部材50に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。弁部材60は、基部61と、筒状部62と、隔壁部63と、を有する。
基部61は、内筒部54の径方向内側に位置する。基部61は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。基部61は、内筒部54の内周面に形成された複数のガイドリブ55の内側に嵌合されている。基部61は、複数のガイドリブ55の径方向内縁部に対して上下方向に摺動可能である。基部61の外径は、底部51に形成された貫通孔51aの内径よりも大きい。
【0034】
基部61の下端部と底部51の上面における貫通孔51aの周縁部との上下方向の間には、第1付勢部材81が配置されている。本実施形態において第1付勢部材81は、上下方向に弾性変形可能なコイルスプリングである。第1付勢部材81は、基部61を下方から上方に向けて付勢している。これにより、弁部材60は、上方に付勢されている。
【0035】
筒状部62は、基部61から上方に延びている。筒状部62は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。筒状部62の外径は、基部61の外径よりも小さい。筒状部62は、貫通孔56cに上下方向に通されている。筒状部62は、貫通孔56cを介して第2カバー部材56の頂壁部56aよりも上方に突出している。筒状部62の下端部には、第1連通孔64が形成されている。第1連通孔64は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。本実施形態において第1連通孔64は、4つ形成されている。なお、第1連通孔64の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。
隔壁部63は、基部61の内部と筒状部62の内部とを隔てる壁である。隔壁部63は、筒状部62の底部を構成している。
【0036】
封止部材71は、上側流路部材50と第2カバー部材56の頂壁部56aとの上下方向の間に位置する。封止部材71は、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。封止部材71は、弾性変形可能な弾性部材である。本実施形態において封止部材71は、ゴム製である。封止部材71は、第2カバー部材56の周壁部56bにおける上端部の内側に嵌合されている。
【0037】
封止部材71の内径は、貫通孔56cの内径とほぼ同じである。封止部材71の径方向内側には、弁部材60の筒状部62が上下方向に通されている。封止部材71は、径方向外縁部が外筒部52と頂壁部56aの径方向外縁部とによって上下方向に挟まれて固定されている。封止部材71の径方向内縁部は、弁部材60の基部61における外周面と弁部材60の筒状部62における外周面との間に形成された段差部60aに上方から接触している。段差部60aは、上方を向く段差面を有する。
【0038】
封止部材71の径方向内縁部は、筒状部62のうち複数の第1連通孔64が形成された部分の外周面に接触している。封止部材71の径方向内縁部は、複数の第1連通孔64を径方向外側から開放可能に閉塞している。本実施形態において封止部材71は、頂壁部56aと外筒部52とによって上下方向に挟まれることで、上下方向に潰されて、径方向に広がる向きに弾性変形している。これにより、封止部材71の径方向内縁部が筒状部62の外周面に好適に押し付けられた状態となり、封止部材71によって複数の第1連通孔64を好適に閉塞できる。
【0039】
本実施形態においては、弁部材60と封止部材71とによって、第1吐出弁70が構成されている。第1吐出弁70は、封止部材71によって複数の第1連通孔64を閉塞することで、後述する第1流路部150内の一部を開放可能に閉塞している。第1吐出弁70において、弁部材60が下方に移動して第1連通孔64が封止部材71よりも下方に移動すると、第1連通孔64が内筒部54の内部に開口した状態となる。これにより、第1吐出弁70は、後述する第1流路部150を開放する状態となる。
【0040】
空気弁73は、シリンダ部材30に固定されている。空気弁73は、シリンダ内筒部33の下端部に固定されている。空気弁73は、シリンダ内筒部33の下端部に外嵌される筒状の基部73aと、基部73aから径方向外側に広がる弁本体部73bと、を有する。
基部73aの上端部は、底壁部32の下面に接触している。
弁本体部73bは、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。弁本体部73bは、上下方向に弾性変形可能である。弁本体部73bは、シリンダ部材30の底壁部32における径方向内側部分の下方に対向して配置されている。弁本体部73bの径方向外縁部は、底壁部32の下面のうち連通孔32aよりも径方向外側に位置する部分に接触している。弁本体部73bは、底壁部32に形成された複数の連通孔32aを下方から覆っている。これにより、空気弁73は、複数の連通孔32aを開放可能に閉塞している。空気弁73は、後述する加圧室131内から連通孔32aを介して容器本体10内に向かう空気の流れを許容し、かつ、容器本体10内から連通孔32aを介して加圧室131内に向かう空気の流れを遮断する。
【0041】
可動部22は、被取付部21に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。
図1、
図3、
図4、
図6、および
図7では、可動部22が最も下側に位置する状態を示している。
図5では、可動部22が最も上側に位置する状態を示している。以下の可動部22の説明においては、特に断りのない限り、可動部22が最も下側に位置するものとして各部の相対位置関係の説明を行う。
図3に示すように、可動部22は、ピストン部材90と、弁座部材100と、第2吐出弁110と、ヘッド部120と、第2付勢部材82と、を有する。
【0042】
ピストン部材90は、シリンダ部材30の内部に挿入されている。ピストン部材90は、ピストン筒部91と、第1接続壁部92aと、第2接続壁部92bと、ヘッド収容筒部93と、弁収容筒部94と、を有する。
ピストン筒部91は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。ピストン筒部91は、シリンダ外筒部31の径方向内側に位置し、シリンダ内筒部33の径方向外側に位置する。ピストン筒部91は、本体筒部91aと、本体筒部91aの下端部に繋がる摺動部91bと、を有する。
【0043】
本体筒部91aの下端部には、外径が大きくなる段差部91cが形成されている。本体筒部91aの外周面は、シリンダ外筒部31の内周面から径方向内側に離れて配置されている。本体筒部91aのうち段差部91cよりも上方に位置する部分における外径は、第1カバー部材37の環状壁部37bの内径以下であり、環状壁部37bの内側を上下方向に通過可能となっている。可動部22が最も下側に位置する状態において、本体筒部91aの上端部は、環状壁部37bの径方向内側に位置する。段差部91cは、環状壁部37bの径方向内縁部の下方に対向して配置されている。
図5に示すように、可動部22が最も上側に位置する状態において段差部91cは、環状壁部37bに下方から接触する。
【0044】
図3に示すように、摺動部91bは、本体筒部91aの下端部における径方向外縁部から下方に突出している。摺動部91bは、下方に向かうに従って径方向外側に広がっている。摺動部91bは、シリンダ外筒部31の内周面に対して摺動する部分である。摺動部91bの下端部は、シリンダ外筒部31の内周面に、周方向の全周に亘って接触している。可動部22が最も下側に位置する状態において摺動部91bの下端部は、底壁部32の径方向外縁部に上方から接触する。
【0045】
ピストン筒部91には、外気導入部96が形成されている。外気導入部96は、後述する加圧室131内に外気を導入可能な部分である。本実施形態において外気導入部96は、ピストン筒部91を構成する壁部を径方向に貫通するスリットである。
図5に示すように、外気導入部96は、容器軸線O回りの周方向に直線状に延びている。本実施形態において外気導入部96は、周方向に間隔を空けて複数形成されている。なお、外気導入部96は、後述する加圧室131内に外気を導入可能であり、かつ、加圧室131内の空気が外部に漏れることを抑制できるならば、どのような構成であってもよい。
【0046】
図4に示すように、ヘッド収容筒部93は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。ヘッド収容筒部93は、内部にヘッド部120を収容している。ヘッド収容筒部93は、ピストン筒部91よりも径方向内側に位置する。ヘッド収容筒部93の下側部分は、ピストン筒部91の内部に位置する。ヘッド収容筒部93の上側部分は、ピストン筒部91よりも上方に突出している。ヘッド収容筒部93は、第1接続壁部92aよりも上下方向の両側に突出している。
【0047】
ヘッド収容筒部93には、第1スリット93aおよび第2スリット93bが形成されている。第1スリット93aおよび第2スリット93bは、ヘッド収容筒部93を構成する壁部を径方向に貫通している。第1スリット93aおよび第2スリット93bは、上下方向に延びている。第1スリット93aの下端部および第2スリット93bの下端部は、第1接続壁部92aの上面と上下方向において同じ位置に配置されている。第1スリット93aの上端部および第2スリット93bの上端部は、ヘッド収容筒部93の上端部に位置し、上方に開口している。第1スリット93aと第2スリット93bとは、容器軸線Oを前後方向に挟んで配置されている。第1スリット93aは、ヘッド収容筒部93のうち前側の部分に形成されている。第2スリット93bは、ヘッド収容筒部93のうち後側の部分に形成されている。
【0048】
第1接続壁部92aは、ピストン筒部91の上端部から径方向内側に突出している。第1接続壁部92aの径方向内縁部は、ヘッド収容筒部93の外周面に繋がっている。第2接続壁部92bは、ヘッド収容筒部93の下端部から径方向内側に突出している。第2接続壁部92bの径方向内縁部は、弁収容筒部94の外周面に繋がっている。
【0049】
弁収容筒部94は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向の両側に開口する円筒状である。弁収容筒部94は、第2接続壁部92bよりも上下方向の両側に突出している。弁収容筒部94の下端部には、径方向内側に突出する係止壁部94aが形成されている。係止壁部94aは、容器軸線Oと同軸に配置された円環状である。係止壁部94aの内側には、弁部材60の筒状部62が上下方向に通される。
【0050】
図2に示すように、ピストン部材90は、一対の指掛け部95a,95bを有する。一対の指掛け部95a,95bは、ヘッド収容筒部93の上端部から径方向外側に突出している。本実施形態において一対の指掛け部95a,95bは、左右方向に突出している。指掛け部95aと指掛け部95bとは、容器軸線Oを左右方向に挟んで配置されている。指掛け部95aは、板面が上下方向を向く略長方形板状である。なお、
図5および
図6では、二点鎖線によって、一対の指掛け部95a,95bを、前後方向から見た状態で示している。
【0051】
図4に示すように、弁座部材100は、ピストン部材90に固定されている。弁座部材100は、ヘッド収容筒部93の径方向内側に位置する。弁座部材100は、弁収容筒部94の上方に位置する。弁座部材100は、弁収容筒部94のうち第2接続壁部92bよりも上方に突出する部分に固定されている。弁座部材100は、容器軸線Oと同軸に配置された円筒状である。弁座部材100は、弁座壁部101と、固定筒部102と、第1ガイド筒部103と、第2ガイド筒部104と、を有する。
【0052】
弁座壁部101は、容器軸線Oと同軸に配置されている。弁座壁部101は、弁収容筒部94の上方に位置し、弁収容筒部94の上側の開口を覆っている。弁座壁部101の径方向の中央部には、弁座壁部101を上下方向に貫通する第2連通孔101aが形成されている。弁座壁部101のうち第2連通孔101aの周縁部は、弁座部101bである。
固定筒部102は、弁座壁部101の径方向外縁部から下方に突出している。固定筒部102は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。固定筒部102は、弁収容筒部94のうち第2接続壁部92bよりも上方に位置する部分に外嵌されて固定されている。
【0053】
第1ガイド筒部103および第2ガイド筒部104は、弁座壁部101から上方に延びている。第1ガイド筒部103および第2ガイド筒部104は、容器軸線Oと同軸に配置され、上方に開口する円筒状である。第2ガイド筒部104は、第1ガイド筒部103の径方向内側に離れて位置する。第2ガイド筒部104は、弁座壁部101のうち第2連通孔101aの周縁部から上方に延びている。第2ガイド筒部104の上端部は、第1ガイド筒部103の上端部よりも下方に位置する。
【0054】
第2吐出弁110は、弁収容筒部94内に収容されている。第2吐出弁110は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向に延びる柱状である。第2吐出弁110は、弁収容筒部94内に位置する基部111と、基部111から上方に延びる延伸部112と、を有する。
基部111は、容器軸線Oと同軸に配置された略円柱状である。基部111の下側部分における外周面には、シール部材114が取り付けられている。シール部材114は、容器軸線Oと同軸に配置された円環状のOリングである。シール部材114は、基部111の外周面と弁収容筒部94の内周面との間を封止している。基部111の下端面には、上方に窪む凹部(連結部)111aが形成されている。可動部22が最も下側に位置する状態において凹部111aには、弁部材60における筒状部62の上端部が嵌合されている。筒状部62の上端部は、嵌合部(連結部)62aである。本実施形態において凹部111aおよび嵌合部62aは、上下方向に離間可能に互いに連結される連結部である。
基部111には、接続流路部113が形成されている。接続流路部113は、凹部111aの内部と、弁収容筒部94の内部のうちシール部材114よりも上方に位置する部分と、を繋いでいる。
【0055】
延伸部112は、容器軸線Oと同軸に配置された略円柱状である。延伸部112の外径は、基部111の外径よりも小さい。延伸部112は、弁座壁部101に形成された第2連通孔101aに上下方向に通されている。延伸部112は、第2ガイド筒部104内を上下方向に貫通し、第2ガイド筒部104よりも上方に突出している。延伸部112の下端部は、弁部112aである。弁部112aは、下方に向かうに従って外径が大きくなっている。弁部112aが弁座部101bに下方から着座することによって、第2吐出弁110は、第2連通孔101aを開放可能に閉塞している。第2吐出弁110は、
図4に示す状態から下方に移動可能となっている。
【0056】
ヘッド部120は、弁座部材100の上方に位置する。ヘッド部120は、弁座部材100に対して、上下方向に移動可能に取り付けられている。ヘッド部120は、ヘッド収容筒部93内に位置する。ヘッド部120は、ノズル部材121と、取付部材122と、を有する。
ノズル部材121は、取付部材122を介して弁座部材100に取り付けられている。ノズル部材121は、円筒部123と、ノズル部124と、嵌合筒部125と、を有する。
【0057】
円筒部123は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する有頂の円筒状である。円筒部123の内径は、弁座部材100の外径よりも大きい。円筒部123の外周面は、ヘッド収容筒部93の内周面から径方向内側に離れて配置されている。
ノズル部124は、円筒部123の上端部から前方に延びる円筒状である。ノズル部124は、第1スリット93aに前後方向に通されて、ヘッド収容筒部93よりも前方に突出している。ノズル部124には、内容物Cが吐出される吐出孔126が形成されている。吐出孔126は、前後方向に延びている。吐出孔126の後側の端部は、嵌合筒部125の上端部における内部と繋がっている。
【0058】
嵌合筒部125は、円筒部123の頂壁部から下方に突出している。嵌合筒部125は、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。嵌合筒部125は、円筒部123の径方向内側に位置する。嵌合筒部125の下端部は、円筒部123の下端部よりも上方に位置する。嵌合筒部125の上端部は、吐出孔126の後端部と繋がっている。
【0059】
取付部材122は、第1被ガイド筒部127と、第2被ガイド筒部128と、を有する。
第1被ガイド筒部127は、容器軸線Oと同軸に配置され、上下方向の両側に開口する円筒状である。第1被ガイド筒部127の下側部分は、第1ガイド筒部103の内部に挿入されている。第1被ガイド筒部127の下端部における内部には、第2ガイド筒部104が嵌合されている。第1被ガイド筒部127の外周面には、下側を向く段差面を有する段差部127aが形成されている。
【0060】
段差部127aと弁座壁部101との上下方向の間には、第2付勢部材82が配置されている。本実施形態において第2付勢部材82は、上下方向に弾性変形可能なコイルスプリングである。第2付勢部材82は、第1被ガイド筒部127を下方から上方に向けて付勢している。これにより、ヘッド部120は、上方に付勢されている。
【0061】
第1被ガイド筒部127の上側部分は、ノズル部材121の嵌合筒部125内に嵌合されて固定されている。第1被ガイド筒部127内には、第2吐出弁110の延伸部112が下方から挿入されている。第1被ガイド筒部127の内周面には、係止部127bが形成されている。係止部127bには、延伸部112の外周面が係止されている。これにより、取付部材122と第2吐出弁110とが互いに連結され、第2吐出弁110が、ヘッド部120と共に上下方向に移動可能となっている。また、ヘッド部120が第2付勢部材82によって上方に付勢されることで、ヘッド部120に連結された第2吐出弁110も第2付勢部材82によって上方に付勢されている。
【0062】
第2被ガイド筒部128は、第1被ガイド筒部127の径方向外側に位置する。第2被ガイド筒部128は、第1被ガイド筒部127の外周面から径方向外側に突出するフランジ部128aと、フランジ部128aの径方向外縁部から下方に延びる係合筒部128bと、を有する。
フランジ部128aは、嵌合筒部125の下側に位置する。フランジ部128aの径方向外縁部は、第1ガイド筒部103よりも径方向外側に位置する。
係合筒部128bは、容器軸線Oと同軸に配置され、下方に開口する円筒状である。係合筒部128bは、第1ガイド筒部103の上端部を径方向外側から囲んでいる。係合筒部128bの内周面には、第1ガイド筒部103の外周面に形成された係合突起103aに下方から係合する係合突起128cが形成されている。これにより、ヘッド部120が弁座部材100から上方に抜けて外れることが抑制されている。
【0063】
図3に示すように、吐出容器1は、加圧部130を備える。加圧部130は、使用者によって操作されることで、容器本体10の内部を加圧可能な部分である。本実施形態において加圧部130は、シリンダ部材30と第1カバー部材37とピストン部材90とによって構成されている。加圧部130は、容器本体10に対して上下方向の一方側(上側)に配置されている。
【0064】
加圧部130には、加圧室131が形成されている。加圧室131は、シリンダ部材30とピストン部材90とによって囲まれて形成されている。加圧室131の内部は、ピストン部材90におけるピストン筒部91の内部と、シリンダ部材30におけるシリンダ外筒部31の内部のうち底壁部32よりも上方に位置する部分の少なくとも一部と、を含む。加圧室131は、連通孔32aを介して容器本体10の内部と連通可能となっている。加圧室131には、上述した外気導入部96が形成されている。
【0065】
加圧室131には、操作部140が形成されている。操作部140は、使用者が加圧部130を操作する際に操作される部分である。本実施形態において操作部140は、ピストン部材90によって構成されている。操作部140を構成するピストン部材90は、弁座部材100を介してヘッド部120と繋がっている。そのため、本実施形態においてヘッド部120は、操作部140に繋がっている。操作部140は、上下方向に移動可能である。操作部140に繋がるヘッド部120は、操作部140と共に上下方向に移動可能である。本実施形態においては、操作部140が上下方向に移動すると、可動部22の全体が上下方向に移動する。
【0066】
使用者は、操作部140を上下方向に移動させて操作することができる。より具体的には、使用者は、一対の指掛け部95a,95bに手指を引っ掛けて操作部140を上側に引っ張ることで、
図5に示すように操作部140を上方へと移動させることができる。使用者は、
図6に示すように、引き上げた操作部140を下方に向けて押すことにより、操作部140を下方へと移動させることができる。
【0067】
操作部140が上下方向に移動させられることによって、加圧室131内の容積が変化する。つまり、加圧室131は、操作部140の上下方向の移動に伴って内部の容積が変化するように形成されている。
図5に示すように、操作部140が最も上側に位置する状態において加圧室131内の容積は最大となる。この状態において、加圧室131の内部は、シリンダ外筒部31の内部のうち底壁部32よりも上方に位置する部分のほぼ全体とピストン筒部91の内部とによって構成される。一方、
図3および
図6に示すように、操作部140が最も下側に位置する状態において加圧室131内の容積は最小となる。この状態において加圧室131の内部は、シリンダ外筒部31の内部のうち底壁部32よりも上方に位置する部分の下端部とピストン筒部91の内部とによって構成される。
【0068】
図3に示すように、吐出容器1は、容器本体10の内部に繋がる第1流路部150を備える。本実施形態において第1流路部150は、下側流路部材40と上側流路部材50と弁部材60と装着筒部35と第2カバー部材56と吸引筒45とによって構成されている。第1流路部150の内部は、吸引筒45の内部と、挿入筒部43の内部と、装着筒部35の内部と、貫通孔51aの内部と、内筒部54の内部と、第1連通孔64の内部と、筒状部62の内部と、を含む。
【0069】
本実施形態では、第1吐出弁70の封止部材71によって第1連通孔64が径方向外側から塞がれることで、第1流路部150内の一部が閉塞される。操作部140が最も下側に位置する状態でヘッド部120が下方に押されると、ヘッド部120と共にヘッド部120に連結された第2吐出弁110が下方に移動する。これにより、第2吐出弁110によって弁部材60が下方に押されて、弁部材60が下方に移動する。弁部材60が下方に移動すると、
図7に示すように、第1連通孔64が封止部材71よりも下方に移動する。これにより、第1連通孔64が開放されて第1吐出弁70が開放状態となり、第1流路部150が開放される。このように、本実施形態において第1吐出弁70は、第1流路部150に配置され、第1流路部150内の一部を開放可能に閉塞している。
【0070】
図4に示すように、吐出容器1は、吐出孔126に繋がる第2流路部160を備える。本実施形態において第2流路部160は、弁収容筒部94と、第2吐出弁110と、弁座部材100と、取付部材122と、嵌合筒部125と、によって構成されている。第2流路部160の内部は、第2吐出弁110に形成された接続流路部113の内部と、弁収容筒部94の内部のうちシール部材114よりも上方に位置する部分と、第2連通孔101aの内部と、第2ガイド筒部104の内部と、第1被ガイド筒部127の内部と、嵌合筒部125の内部と、を含む。
【0071】
本実施形態では、第2吐出弁110によって第2連通孔101aが下方から塞がれることで、第2流路部160内の一部が閉塞される。ヘッド部120が下方に押されると、
図7に示すように、第2吐出弁110が下側に移動し、第2連通孔101aが開放される。これにより、第2流路部160が開放される。このように、本実施形態において第2吐出弁110は、第2流路部160に配置され、第2流路部160内の一部を開放可能に閉塞している。
【0072】
図4に示すように、第1流路部150と第2流路部160とは、少なくとも操作部140が最も上下方向の他方側(下側)に位置する状態において互いに繋がる。本実施形態においては、第2吐出弁110の連結部としての凹部111a内に、弁部材60の連結部としての嵌合部62aが嵌合されることで、第2吐出弁110に形成された接続流路部113内と弁部材60の筒状部62内とが繋がり、第1流路部150と第2流路部160とが互いに繋がる。
図5に示すように、本実施形態において第2流路部160は、少なくとも操作部140が最も上側に位置する状態において第1流路部150の上側に離間して配置される。本実施形態では、
図3に示す状態から操作部140が上方に移動して嵌合部62aが凹部111aから抜け出ることで、第2流路部160が第1流路部150の上方に離間する。
【0073】
図3に示すように、本実施形態において第1流路部150には、混合室180が形成されている。混合室180は、装着筒部35の上側部分によって構成されている。混合室180は、容器本体10内の内容物Cと容器本体10内の空気とを混合可能な部分である。混合室180内には、メッシュ部181が配置されている。メッシュ部181は、混合室180の上端部を覆っている。メッシュ部181は、内容物Cが通過可能な複数の孔を有する部材である。メッシュ部181は、装着筒部35の内周面に固定されている。
【0074】
吐出容器1は、ストッパ部材170を備える。ストッパ部材170は、操作部140が操作されること、およびヘッド部120が操作されることを阻止可能な部材である。ストッパ部材170は、被保持部171と、ストッパ本体部172と、摘み部173と、を有する。
図2に示すように、被保持部171は、周方向に延びている。被保持部171は、上下方向から見て、前方に開口するC字状である。
図3に示すように、被保持部171は、シリンダ外筒部31の外周面に沿って、シリンダ部材30に着脱可能に取り付けられる。被保持部171は、シリンダ外筒部31の外周面に形成された段差部31bと環状突起31aとの上下方向の間に保持される。
【0075】
ストッパ本体部172は、被保持部171のうち後側に位置する部分から上方に突出している。ストッパ本体部172は、被保持部171から上方に突出する基部172aと、基部172aの上端部から径方向内側に延びるストッパ板部172bと、を有する。
ストッパ板部172bは、板面が上下方向を向く板状である。本実施形態においてストッパ板部172bは、前後方向に延びる略長方形板状である。ストッパ板部172bは、第2スリット93bを介して、ヘッド収容筒部93内に挿し込まれている。ストッパ板部172bの先端部、すなわち前側の端部は、ヘッド部120における円筒部123の下方に対向して配置される。これにより、ヘッド部120が下方に移動することがストッパ板部172bによって阻止される。ストッパ板部172bは、ピストン部材90における第1接続壁部92aの上方に対向して配置されている。ストッパ板部172bは、第1接続壁部92aの上面に接触している。これにより、操作部140がストッパ板部172bに下方から引っ掛かり、操作部140が上方に移動することが阻止される。
摘み部173は、被保持部171から径方向外側に突出している。本実施形態において摘み部173は、被保持部171から後方に突出している。使用者は、摘み部173を手指で摘んで後方に引っ張ることで、ストッパ部材170をシリンダ部材30から取り外すことができる。
【0076】
次に、吐出容器1の使用方法について説明する。流通状態における吐出容器1は、操作部140が最も下側に位置する状態であり、かつ、シリンダ部材30にストッパ部材170が取り付けられた状態となっている。使用者は、まずシリンダ部材30からストッパ部材170を取り外す。これにより、操作部140を上下方向に移動させる操作、およびヘッド部120を上下方向に移動させる操作を実行可能となる。
【0077】
次に、
図5に示すように、使用者は、指掛け部95a,95bに指を掛けて操作部140を上方に引っ張り、操作部140を上方に移動させる。操作部140が上方に移動すると、加圧室131内の容積が大きくなる。これにより、加圧室131内が負圧になるため、吐出容器1の外部の空気が外気導入部96から加圧室131内に流入する。使用者は、加圧室131内に空気が導入された状態で、
図6に示すように、操作部140を下方に移動させる。操作部140が下方に移動すると、加圧室131内の容積が小さくなる。そのため、加圧室131内の圧力が高まり、加圧室131内の空気の一部が連通孔32aを介して容器本体10内に流れる。このとき、空気弁73は加圧室131内から容器本体10内へと向かう空気によって弁本体部73bが下側に弾性変形した状態となり、連通孔32aを開放する。なお、第2流路部160の一部は第2吐出弁110によって閉塞されているため、操作部140を上下動させる際に、加圧室131内に導入された空気が第2流路部160を介して吐出孔126から外部に漏れることが抑制される。
【0078】
空気弁73は、容器本体10内から連通孔32aを介して加圧室131内に向かう空気の流れを遮断するため、加圧室131内から容器本体10内に送られた空気は、容器本体10内に留まる。これにより、容器本体10内が加圧される。使用者は、操作部140を上下動させる操作を複数回行って空気を容器本体10内に送り込み、容器本体10内を十分に加圧する。当該加圧する操作によって、容器本体10内の空気は、圧縮された圧縮空気CAとなる。
【0079】
使用者は、上述したようにして容器本体10内を加圧した後、
図7に示すように、操作部140が最も下側に位置する状態で、ヘッド部120を下方に押し下げる。これにより、ヘッド部120と共に第2吐出弁110が下方に移動し、かつ、第2吐出弁110の凹部111aに連結された弁部材60が第2吐出弁110に押されて下方に移動する。第2吐出弁110および弁部材60が下方に移動することで、第1流路部150内と第2流路部160内とが互いに繋がった状態でそれぞれ開放される。これにより、第1流路部150および第2流路部160を介して、容器本体10の内部と吐出孔126とが互いに繋がる。このように、第1流路部150と第2流路部160とが互いに繋がった状態においてヘッド部120が操作されることで、第1吐出弁70が第1流路部150内を開放し、かつ、第2吐出弁110が第2流路部160内を開放した状態となり、容器本体10の内部と吐出孔126とが第1流路部150および第2流路部160を介して連通する。
【0080】
容器本体10内が加圧された状態で容器本体10の内部と吐出孔126とが繋がると、加圧された容器本体10内の圧力に押されて、容器本体10内の内容物Cが吸引筒45の下端部から第1流路部150内に吸い込まれる。第1流路部150内に吸い込まれた内容物Cは、第1流路部150内を、吸引筒45内、挿入筒部43内、装着筒部35内、貫通孔51a内、内筒部54内、第1連通孔64内、および筒状部62内の順に流れて、接続流路部113の下端部から第2流路部160内に流入する。
【0081】
第2流路部160内に流入した内容物Cは、第2流路部160内を、接続流路部113内、弁収容筒部94内、第2連通孔101a内、第2ガイド筒部104内、第1被ガイド筒部127内、および嵌合筒部125内をこの順に流れて、吐出孔126内に流入する。第2ガイド筒部104内を流れる内容物Cは、第2ガイド筒部104と延伸部112との隙間を流れる。第1被ガイド筒部127内を流れる内容物Cは、第1被ガイド筒部127と延伸部112との間の隙間を流れる。吐出孔126内に流入した内容物Cは、吐出孔126を前方に流れて、吐出孔126の前端部から吐出容器1の外部に吐出される。
【0082】
図7に示すように、本実施形態では、内容物Cが第1流路部150内に吸い込まれるとともに、容器本体10内の圧縮空気CAの一部が、開口部41aを介して第1流路部150内に流入する。第1流路部150内に流入した圧縮空気CAは、挿入筒部43と装着筒部35との径方向の隙間を上方に流れて、装着筒部35の上側部分によって形成された混合室180内に流入する。当該圧縮空気CAは、混合室180内において、第1流路部150内を流れる内容物Cと混合される。混合室180内において圧縮空気CAと混合されることで内容物Cは、泡状となる。本実施形態では、圧縮空気CAと混合された内容物Cが装着筒部35内から内筒部54内に流れる際にメッシュ部181を通過することで、内容物Cがより好適に泡状となる。このように、本実施形態において吐出孔126から吐出される内容物Cは、泡状となる。
【0083】
本実施形態によれば、吐出容器1は、内容物Cが内部に収容される容器本体10と、内容物Cが吐出される吐出孔126が形成されたヘッド部120と、連通孔32aを介して容器本体10の内部と連通可能な加圧室131が形成され、容器本体10に対して上下方向の一方側(上側)に配置された加圧部130と、連通孔32aを開放可能に閉塞し、加圧室131内から連通孔32aを介して容器本体10内に向かう空気の流れを許容し、かつ、容器本体10内から連通孔32aを介して加圧室131内に向かう空気の流れを遮断する空気弁73と、容器本体10の内部に繋がる第1流路部150と、吐出孔126に繋がる第2流路部160と、第1流路部150に配置され、第1流路部150内の一部を開放可能に閉塞する第1吐出弁70と、第2流路部160に配置され、第2流路部160内の一部を開放可能に閉塞する第2吐出弁110と、加圧部130に形成され、上下方向に移動可能な操作部140と、を備える。加圧部130には、加圧室131内に外気を導入可能な外気導入部96が形成されている。加圧室131は、操作部140の上下方向の移動に伴って内部の容積が変化するように形成されている。第1流路部150と第2流路部160とは、少なくとも操作部140が最も上下方向の他方側(下側)に位置する状態において互いに繋がる。第1流路部150と第2流路部160とが互いに繋がった状態においてヘッド部120が操作されることで、第1吐出弁70が第1流路部150内を開放し、かつ、第2吐出弁110が第2流路部160内を開放した状態となり、容器本体10の内部と吐出孔126とが第1流路部150および第2流路部160を介して連通する。
【0084】
そのため、上述したように操作部140を上下方向に移動させる操作を行うことで、加圧室131内の容積を変化させることができ、外気導入部96から加圧室131内に導入された外部の空気を容器本体10内に送って容器本体10内を加圧することができる。また、容器本体10内を加圧した後に第1流路部150と第2流路部160とが互いに繋がった状態においてヘッド部120を操作することで、第1吐出弁70および第2吐出弁110を開放状態にして第1流路部150および第2流路部160を開放し、容器本体10内と吐出孔126とを繋げることができる。これにより、加圧された容器本体10内の圧力を利用して、容器本体10から第1流路部150および第2流路部160を介して吐出孔126へと内容物Cを送ることができる。これにより、好適に内容物Cを外部に連続して吐出させることができる。また、加圧部130が容器本体10に対して上下方向の一方側に配置されているため、加圧部130を設けても吐出容器1が径方向に大型化することを抑制できる。また、ヘッド部120などと同様にして、加圧部130を容器本体10に対して上下方向から組み付けることができるため、吐出容器1を組み立てる作業が複雑化することを抑制できる。
【0085】
また、本実施形態によれば、ヘッド部120は、操作部140に繋がり、操作部140と共に上下方向に移動可能である。そのため、ヘッド部120が操作部140の操作によらず上下方向に移動しない場合に比べて、容器本体10の上下方向の一方側に加圧部130を設けやすく、吐出容器1の構造が複雑化しにくい。また、ヘッド部120と容器本体10との上下方向の間に加圧室131を設けることができ、ヘッド部120が操作部140と共に上下方向に移動することで、加圧室131内の容積を大きく変化させやすくできる。これにより、操作部140を上下方向に操作した際に容器本体10内に送れる空気の量を大きくしやすい。また、ヘッド部120と加圧部130とを一体的に設けることができるため、ヘッド部120と加圧部130とを別々に容器本体10に組み付ける場合よりも、ヘッド部120および加圧部130の容器本体10に対する組み付けを容易にしやすい。また、このように容器本体10に対して複数の部品を別々に組み付ける必要がないため、容器本体10の形状が特殊な形状となることを抑制しやすく、一般的な形状の容器を容器本体10として用いることが可能になるなど、容器本体10の形状として採用できる形状の自由度を向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、第1流路部150と第2流路部160とは、上下方向に離間可能に互いに連結される連結部として凹部111aおよび嵌合部62aをそれぞれ有する。第2流路部160は、少なくとも操作部140が最も上側に位置する状態において第1流路部150の上側に離間して配置される。そのため、容器本体10内を加圧する操作を行う際、操作部140およびヘッド部120を上側に移動させた状態においては、第1流路部150と第2流路部160とが互いに繋がっていない状態となる。これにより、操作部140およびヘッド部120が上側に位置する状態においてヘッド部120を誤って操作しても、第1吐出弁70が第1流路部150内を開放してしまうことを抑制できる。したがって、容器本体10内を加圧している途中に容器本体10内の圧力が開放されてしまうことを抑制できる。
【0087】
また、本実施形態によれば、外気導入部96は、操作部140に形成されたスリットであり、容器軸線O回りの周方向に延びている。そのため、操作部140を上下方向の上側に引っ張って加圧室131内の容積を大きくする際には、周方向に延びるスリットである外気導入部96の上側の縁が上方に引っ張られて外気導入部96が開き、加圧室131内に外気を好適に導入できる。一方、操作部140を下側に押して加圧室131内の空気を容器本体10内に送る際には、周方向に延びるスリットである外気導入部96の上側の縁部が下方に押されて外気導入部96が閉じ、加圧室131内の空気が外気導入部96から吐出容器1の外部に漏れることを抑制できる。したがって、外気導入部96に対して空気の逆流を抑制する逆止弁などの部品を別途設ける必要がなく、外気導入部96を簡易な構成とすることができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、第1流路部150には、容器本体10内の内容物Cと容器本体10内の空気とを混合可能な混合室180が形成されている。そのため、混合室180内において、内容物Cと空気とを混合して泡状にすることができ、吐出孔126から吐出される内容物Cを泡状にできる。本実施形態では、混合室180内で空気と混合された内容物Cをメッシュ部181に通すことで、より好適に内容物Cを泡状にできる。
【0089】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、以下の構成および方法を採用することもできる。
加圧室は、操作部の容器軸方向(上下方向)の移動に伴って内部の容積が変化するように形成されるならば、どのような構造であってもよい。加圧室は、例えば、蛇腹状の部材で形成され、容器軸方向に伸縮可能に形成されてもよい。
第1流路部と第2流路部とは、操作部の操作によらず常に繋がっていてもよい。この場合、例えば、ヘッド部および第2流路部が、操作部と共に容器軸方向に移動しない構成として、第1流路部と第2流路部とが常に繋がる構成としてもよい。また、例えば、第1流路部と第2流路部とを繋ぐ伸縮可能な部材を設けることで、操作部と共に第2流路部が容器軸方向に移動しても第1流路部と第2流路部とが常に繋がる構成としてもよい。また、例えば、上述した実施形態における筒状部62が容器軸方向に伸縮可能な蛇腹状などに形成され、筒状部62の上端部である嵌合部62aが第2吐出弁110の凹部111a内に着脱不能に固定されることで、第1流路部150と第2流路部160とが常に繋がる構成としてもよい。
【0090】
ヘッド部は、操作部に繋がらなくてもよく、操作部が操作されても容器軸方向に移動しなくてもよい。ヘッド部と操作部との相対配置関係は、特に限定されない。操作部は、ヘッド部よりも容器軸方向の他方側(下側)に位置してもよい。操作部は、ヘッド部と径方向に並んで配置されてもよい。
外気導入部は、外気を加圧室内に導入できるならば、どのような構成であってもよい。
容器本体内の内容物と容器本体内の空気とを混合可能な混合室は、第2流路部に形成されてもよいし、第1流路部および第2流路部の両方に形成されてもよい。混合室は、設けられなくてもよい。
以上、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、相互に組み合わせることができる。
【0091】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
内容物が内部に収容される容器本体と、
前記内容物が吐出される吐出孔が形成されたヘッド部と、
連通孔を介して前記容器本体の内部と連通可能な加圧室が形成され、前記容器本体に対して容器軸方向の一方側に配置された加圧部と、
前記連通孔を開放可能に閉塞し、前記加圧室内から前記連通孔を介して前記容器本体内に向かう空気の流れを許容し、かつ、前記容器本体内から前記連通孔を介して前記加圧室内に向かう空気の流れを遮断する空気弁と、
前記容器本体の内部に繋がる第1流路部と、
前記吐出孔に繋がる第2流路部と、
前記第1流路部に配置され、前記第1流路部内の一部を開放可能に閉塞する第1吐出弁と、
前記第2流路部に配置され、前記第2流路部内の一部を開放可能に閉塞する第2吐出弁と、
前記加圧部に形成され、前記容器軸方向に移動可能な操作部と、
を備え、
前記加圧部には、前記加圧室内に外気を導入可能な外気導入部が形成され、
前記加圧室は、前記操作部の前記容器軸方向の移動に伴って内部の容積が変化するように形成され、
前記第1流路部と前記第2流路部とは、少なくとも前記操作部が最も前記容器軸方向の他方側に位置する状態において互いに繋がり、
前記第1流路部と前記第2流路部とが互いに繋がった状態において前記ヘッド部が操作されることで、前記第1吐出弁が前記第1流路部内を開放し、かつ、前記第2吐出弁が前記第2流路部内を開放した状態となり、前記容器本体の内部と前記吐出孔とが前記第1流路部および前記第2流路部を介して連通する、吐出容器。
<2>
前記ヘッド部は、前記操作部に繋がり、前記操作部と共に前記容器軸方向に移動可能である、前記<1>に記載の吐出容器。
<3>
前記第1流路部と前記第2流路部とは、前記容器軸方向に離間可能に互いに連結される連結部をそれぞれ有し、
前記第2流路部は、少なくとも前記操作部が最も前記一方側に位置する状態において前記第1流路部の前記一方側に離間して配置される、前記<2>に記載の吐出容器。
<4>
前記外気導入部は、前記操作部に形成されたスリットであり、容器軸線回りの周方向に延びている、前記<1>から<3>のいずれか1つに記載の吐出容器。
<5>
前記第1流路部と前記第2流路部との少なくとも一方には、前記容器本体内の前記内容物と前記容器本体内の空気とを混合可能な混合室が形成されている、前記<1>から<4>のいずれか1つに記載の吐出容器。
【符号の説明】
【0092】
1…吐出容器、10…容器本体、32a…連通孔、62a…嵌合部(連結部)、70…第1吐出弁、73…空気弁、96…外気導入部、110…第2吐出弁、111a…凹部(連結部)、120…ヘッド部、126…吐出孔、130…加圧部、131…加圧室、140…操作部、150…第1流路部、160…第2流路部、180…混合室、C…内容物、O…容器軸線