(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121926
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】毛髪カット補助具
(51)【国際特許分類】
A45D 24/36 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A45D24/36 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029168
(22)【出願日】2023-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】723002527
【氏名又は名称】竹内 雅人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 雅人
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施術者が毛髪切断器具を用いて被施術者の毛髪を切断した後に、その落下する毛髪が被施術者の顔面に付着することを防ぐことができる毛髪カット補助具を提供する。
【解決手段】施術者の第二指から第五指の少なくとも一つの指を挿入する指挿入部3と、施術者が毛髪切断器具で切断した被施術者の毛髪が落下して留まるないしは滑り落ちる平面部2を備えることを特徴とし、被施術者に負担を強いること無く施術者が切断した後に落下する被施術者の毛髪が被施術者の顔面に付着することを防ぐことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を切断する際に用いる毛髪カット補助具であって、施術者の第二指から第五指の少なくとも一つの指を挿入する指挿入部と、施術者が毛髪切断器具で切断した被施術者の毛髪が落下して留まる乃至は滑り落ちる平面部を備えることを特徴とする毛髪カット補助具。
【請求項2】
前記指挿入部および前記平面部が1枚板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載された毛髪カット補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施術者が毛髪切断器具で切断した後の毛髪が落下中に被施術者の顔に付着するのを防ぐ毛髪カット補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
理美容において、施術者が切断した毛髪が、落下中に被施術者の顔に付着したり目や口に入ってしまう問題があった。
【0003】
そこで、この問題を解決するために、毛髪カットに関する補助具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の前髪カット用補助具においては、ベルトと面ファスナーの装着と位置の調整に時間を要し、施術の能率を下げる。また、前記前髪カット用補助具の透明フィルムの上部等が被施術者の額に密着するために、化粧が崩れたり汗がたまって不快な思いをする等の負担を被施術者に強いる。他にも、前記毛髪カット補助具は不織布と面ファスナーなどで構成されているため、使用後の洗浄や乾燥に手間と時間を要する。といった問題がある。
【0006】
本発明は、施術者が施術者自身の指に装着可能とする機能を持ち、なお、かつ非常にシンプルな構造物であることにより、上述の問題を解決する毛髪カット補助具である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る毛髪カット補助具は、その片端に施術者の第二指から第五指の少なくとも一つの指を挿入する指挿入部を有し、施術者が毛髪切断器具で切断した被施術者の毛髪が落下して留まる乃至は滑り落ちる平面部を有する。また、前記指挿入部および前記平面部が1枚板で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、毛髪カット補助具を施術者の第二指から第五指(人差し指、中指、薬指、小指)の少なくとも一本に装着して施術を行うため、被施術者に前記毛髪カット補助具を装着させる必要が無い。つまりは、前記毛髪カット補助具が被施術者の額などに密着しないために被施術者に負担を強いることが無い。さらには、施術者が前記毛髪カット補助具を装着する際に多くの時間を必要としないために、能率を下げること無く施術を行うことが可能となる。
【0009】
また、前記毛髪カット補助具は1枚板で構成されているために洗浄や乾燥も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る毛髪カット補助具の斜視図である。
【
図2】本発明に係る毛髪カット補助具の斜視図である。
【
図3】本発明に係る毛髪カット補助具の側面図である。
【
図4】本発明に係る毛髪カット補助具の斜視図である。
【
図5】実施例1の毛髪カット補助具の使用状態を表す図である。
【
図6】実施例1の毛髪カット補助具の使用状態を表す図である。
【
図7】(A)実施例1の指挿入部の形状を説明する側面図である。 (B)実施例1の指挿入部の形状を説明する側面図である。
【
図8】実施例2の毛髪カット補助具の使用状態を表す図である。
【
図9】実施例2の毛髪カット補助具に接続する受け皿の上面図である。
【
図10】実施例2の毛髪カット補助具に接続する受け皿の斜視図である。
【
図11】実施例2の毛髪カット補助具に接続する受け皿の斜視図である。
【
図12】実施例3の別ピースで構成される毛髪カット補助具の斜視図である。
【
図13】実施例3の別ピースで構成される毛髪カット補助具の側面図である。
【
図14】実施例3の別ピースで構成される毛髪カット補助具の参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1から
図4で示す本発明の毛髪カット補助具
1Aは、その片端に施術者の第二指から第五指の少なくとも一つの指を挿入する指挿入部3と、施術者が毛髪切断器具で切断した被施術者の毛髪が落下して留まる乃至は滑り落ちる平面部2を、指挿入部3の長手方向から直角方向に延設するように備えている。また、指挿入部3および平面部2が1枚板で構成されており、その材質は樹脂に限らずゴムや革や金属など、いずれのものでも構わない。樹脂やゴムの場合は帯電防止処理を施すのが好ましい。
【0013】
実施例1において、一人の施術者が本発明である毛髪カット補助具1Aの指挿入部3に第四指(薬指)を挿入して毛髪のカットを行う一連の工程を説明する。なお、毛髪を切断する毛髪切断器具とは、鋏、梳き鋏、かみそり、バリカンなどである。実施例1では鋏を右手で扱い、毛髪カット補助具1Aは毛髪切断器具を取り扱わない左手の薬指を挿入部3に挿入すると仮定する。鋏を用いて前髪をカットする工程を例とするが、毛髪カット補助具1Aの切断対象は前髪のみに限らず、もみあげやうしろ髪等も対象とし、さらにこれらに限定するものではない。
【実施例0014】
まずは
図5にて、前髪をカットする前段階を示す。施術者は左手の第四指(薬指)を毛髪カット補助具
1Aの指挿入部3に挿入して保持する。
【0015】
次に、被施術者の前髪の毛束を、左手の第二指(人差し指)と第三指(中指)で挟んで保持する。毛束を保持した人差し指と中指、指挿入部3に挿入した薬指の三本が、自然と平行に並んだ状態となる。
【0016】
その結果、左手の薬指に装着した毛髪カット補助具1Aが、被施術者の顔面と毛髪の切断箇所の間を仕切ることとなる。その後、施術者が右手に持った鋏で毛髪を切断する。
【0017】
図6は、毛髪を切断している状態を示す。施術者が鋏で被施術者の毛髪を切断した後、切断した被施術者の毛髪は、毛髪カット補助具
1Aの平面部2の上面、つまりは施術者側の面をつたいながら重力で滑り落ちる乃至は平面部2の上面に留まる。毛髪カット補助具
1Aを使用していない時と比べ、切断した被施術者の毛髪の落下位置が被施術者の顔面から離れることとなり、その毛髪は被施術者の顔面に付着することなく、被施術者が着用している刈布(カットクロス)または床の上に落ちる。
【0018】
施術者が鋏で切断した後の毛髪が毛髪カット補助具1Aの平面部2の上面に留まっても、被施術者の顔面から離れた位置でそれらを容易に払い落とすことができる。
【0019】
図3に示すように、第四指(薬指)をはめる指挿入部3の形状は、完全に閉じた円筒状であっても良いが、隙間4があるのが望ましい。その隙間4があることにより、指を締め付けず装脱着が容易となり、能率を下げることなく施術を行うことができる。さらに、使用後の毛髪カット補助具
1Aを水を使って洗浄する際に、閉じた円筒形と比べ指挿入部3の内側に残った水分を容易に拭き取ることが可能であり、乾燥が早く衛生的である。
【0020】
図7を用いて、指挿入部3の形状について更に詳しく説明する。
図7の(A)で示すように、仮に指挿入部3と平面部2が連なる境目の形状を、半径6~10mm程度の大きなR(5a)にすると、毛髪カット補助具
1Aと第三指(中指)との間に深い窪み(5b)が生じてしまう。窪みの深さは点線で示す。その深い窪み(5b)に切断後の毛髪が溜まり、溜まった毛髪が、指を開いた際に第三指(中指)と前髪カット補助具
1Aの間から被施術者の顔側にこぼれ落ちてしまう可能性が高まる。
【0021】
そこで、
図7の(B)で示すように、第三指(中指)と指挿入部3が隣り合う箇所、つまりは指挿入部3と平面部2が連なる境目を、半径6~10mm程度の大きなR(5a)ではなく、半径1~5mm程度の小さなR(6a)で構成することによって、毛髪カット補助具
1Aを装着して施術する際に生じる窪みが、深い窪み(5b)ではなく、比較的浅い窪み(6b)となった。その結果、その窪みに切断後に滞留する短い毛髪が少なくなり、施術の途中で指を開いた際に第三指(中指)と毛髪カット補助具
1Aの間から被施術者の顔側にこぼれ落ちてしまう可能性を下げることができた。