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  • 特開-電気錠システム 図1
  • 特開-電気錠システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121927
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】電気錠システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
E05B47/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029169
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】森竹 信志
(57)【要約】
【課題】搭載されるデバイスに依存することなく簡単にモード移行を実施できる電気錠システムを提供する。
【解決手段】機械的開閉が可能な少なくとも2つの錠部と、少なくとも2つの錠部の開閉状態をそれぞれ検知する検知部と、検知部からの検知信号に応じて錠部の施錠及び解錠を制御する制御部と、操作によって通常動作が行われる第1モードから、通常動作とは異なる特定制御が行われる第2モードに切り替え可能なスイッチ部と、制御部に接続され、複数の検知信号を組み合わせた信号パターンと、信号パターンに対応させた特定制御と、を記憶する記憶部と、を備える。制御部は、第2モードにおいて信号パターンと合致する検知信号を受信したときに、特定制御を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的開閉が可能な少なくとも2つの錠部と、
少なくとも2つの前記錠部の開閉状態をそれぞれ検知する検知部と、
前記検知部からの検知信号に応じて前記錠部の施錠及び解錠を制御する制御部と、
操作によって通常動作が行われる第1モードから、通常動作とは異なる特定制御が行われる第2モードに切り替え可能なスイッチ部と、
前記制御部に接続され、複数の前記検知信号を組み合わせた信号パターンと、前記信号パターンに対応させた前記特定制御と、を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記信号パターンと合致する前記検知信号を受信したときに、前記特定制御を実行させる、電気錠システム。
【請求項2】
前記錠部は、箱錠及びサムターンの少なくとも何れか一方を有する、
請求項1に記載の電気錠システム。
【請求項3】
前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方のテストを行う動作を含む、
請求項1または2に記載の電気錠システム。
【請求項4】
前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方の設定を行う動作を含む、
請求項1または2に記載の電気錠システム。
【請求項5】
前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方を修復する動作を含む、
請求項1または2に記載の電気錠システム。
【請求項6】
前記施錠及び前記解錠に関する機能を有する機能部を備え、
前記特定制御は、前記機能部の動作のテストを行う動作を含む、
請求項3に記載の電気錠システム。
【請求項7】
前記信号パターンは、前記機能部からの機能信号を含む、
請求項6に記載の電気錠システム。
【請求項8】
前記特定制御は、前記機能部の設定を行う動作を含む、
請求項6に記載の電気錠システム。
【請求項9】
前記特定制御は、前記機能部における動作を修復する動作を含む、
請求項6に記載の電気錠システム。
【請求項10】
前記記憶部は、複数の前記信号パターンと、複数の前記特定制御を実装可能である、
請求項1または2に記載の電気錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設、公共施設および集合住宅等の出入口や一般住宅の玄関等には、セキュリティや操作性の向上を目的として、電気的に施錠及び解錠される電気錠システムが設置されている。特許文献1には、電気的開閉が可能で且つ機械的開閉も可能な少なくとも2つの錠部と、各錠部の開閉状態を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に応じて錠部の施錠及び解錠を制御する制御手段を備える電気錠システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-148014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気錠システムにおいて、不具合が生じた場合には、不具合内容を絞らずに対応を開始することが多いため、不具合内容によっては何度も訪問する必要がある。予め使用者に不具合内容を絞ってもらうために、電気錠システムにおいては、使用者による通常動作の他に、テスト動作を行うモードを内蔵しておくことが可能である。
【0005】
使用者が通常動作からテスト動作モードに移行する場合、コマンド入力が必要になる。電気錠システムにおいてコマンド入力が可能なデバイスは機種等によって異なるため、搭載されるデバイス毎に通常動作からテスト動作モードに移行する手順を設定することは非効率となる。使用者がコマンド入力を行って移行するモードは、テスト動作モードに限られず、搭載するデバイスの設定モード、デバッグモード等の複数モードが想定される。
【0006】
本開示は、以上のような点を考慮してなされたもので、搭載されるデバイスに依存することなく簡単にモード移行を実施できる電気錠システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、機械的開閉が可能な少なくとも2つの錠部と、少なくとも2つの前記錠部の開閉状態をそれぞれ検知する検知部と、前記検知部からの検知信号に応じて前記錠部の施錠及び解錠を制御する制御部と、操作によって通常動作が行われる第1モードから、通常動作とは異なる特定制御が行われる第2モードに切り替え可能なスイッチ部と、前記制御部に接続され、複数の前記検知信号を組み合わせた信号パターンと、前記信号パターンに対応させて前記特定制御と、を記憶する記憶部と、を記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記信号パターンと合致する前記検知信号を受信したときに、前記特定制御を実行させる、電気錠システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の電気錠システムを示す概略的な断面図である。
図2】テスト動作を実行する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の電気錠システムの実施の形態を、図1から図2を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0010】
図1に示すように、電気錠システム1は、ドア10を施錠及び解錠可能な第1錠部2と、ドア10を施錠及び解錠可能な第2錠部3と、屋内側操作部5と、屋外側操作部6と、制御ユニット7と、機能部8と、第1施解錠検知センサ24と、第2施解錠検知センサ34と、を備える。第1錠部2は、錠部に対応する。第2錠部3は、錠部に対応する。第1施解錠検知センサ24は、検知部に対応する。第2施解錠検知センサ34は、検知部に対応する。
【0011】
第1錠部2は、ドア10において、屋内側ハンドル11及び屋外側ハンドル12の上方側に配置される。第1錠部2は、第1シリンダー21と、第1電動サムターン22と、第1デッドボルト23と、を有する。第1電動サムターン22は、サムターンに対応する。第1錠部2は、ドア枠10Aに設けられた図示しない係合部に第1デッドボルト23が係合する係合位置と係合しない非係合位置との間において移動することによって、ドア10を施錠及び解錠可能である。
【0012】
第1電動サムターン22は、ドア10の屋内側に配置される。第1電動サムターン22は、ドア10が解錠状態及び施錠状態になるように、後述する制御部71により制御される。第1電動サムターン22は、後述する制御部71からの解錠信号及び施錠信号を受信することによって、第1デッドボルト23を係合位置と非係合位置との間において移動させることができる。
【0013】
第1シリンダー21は、第1電動サムターン22に対してドア10を挟んだ反対側に配置されている。第1シリンダー21は、伝達軸25を介して、第1電動サムターン22に接続されている。第1シリンダー21は、鍵穴211を有する。使用者は、第1シリンダー21の鍵穴211にシリンダー鍵110を差し込んで回転させることによって、第1デッドボルト23を係合位置と非係合位置との間において移動させることができる。第1シリンダー21は、シリンダー鍵110を用いた機械的な動作によって、ドア10に対して機械的開閉が可能である。
【0014】
第1施解錠検知センサ24は、第1錠部2が、施錠状態にあるか、解錠状態にあるかを検知する。第1施解錠検知センサ24は、第1錠部2の開閉状態をそれぞれ検知する。第1施解錠検知センサ24によって検知された施解錠検知信号は、制御ユニット7に送信される。
【0015】
第2錠部3は、ドア10を施錠及び解錠可能である。第2錠部3は、ドア10に設けられ、例えば、第1錠部2よりも下方側に配置される。第2錠部3は、ドア10において、屋内側ハンドル11及び屋外側ハンドル12の下方側に配置される。第2錠部3は、第2シリンダー31と、第2電動サムターン32と、第2デッドボルト33と、を有する。第2電動サムターン32は、サムターンに対応する。第2錠部3は、ドア枠10Aに設けられた図示しない係合部に第2デッドボルト33が係合する係合位置と係合しない非係合位置との間において移動することによって、ドア10を施錠及び解錠可能である。
【0016】
第2電動サムターン32は、ドア10の屋内側に配置される。第2電動サムターン32は、ドア10が解錠状態及び施錠状態になるように、後述する制御部71により制御される。第2電動サムターン32は、後述する制御部71からの解錠信号及び施錠信号を受信することによって、第2デッドボルト33を係合位置と非係合位置との間において移動させることができる。
【0017】
第2シリンダー31は、第2電動サムターン32に対してドア10を挟んだ反対側に配置されている。第2シリンダー31は、伝達軸35を介して、第2電動サムターン32に接続されている。第2シリンダー31は、鍵穴311を有する。使用者は、第2シリンダー31の鍵穴311にシリンダー鍵110を差し込んで回転させることによって、第2デッドボルト33を係合位置と非係合位置との間において移動させることができる。第2シリンダー31は、シリンダー鍵110を用いた機械的な動作によって、ドア10に対して機械的開閉が可能である。
【0018】
第2施解錠検知センサ34は、第2錠部3が、施錠状態にあるか、解錠状態にあるかを検知する。第2施解錠検知センサ34は、第2錠部3の開閉状態をそれぞれ検知する。第2施解錠検知センサ34によって検知された施解錠検知信号は、制御ユニット7に送信される。
【0019】
屋内側操作部5は、屋内アンテナ51と、屋内側施解錠スイッチ52と、を有する。屋内アンテナ51は、屋内側の所定領域に、電子鍵100が存在する場合に、電子鍵100から送信されるキー情報を受信して、電子鍵100の存在を検知する。屋内側施解錠スイッチ52は、屋内側から、ドア10を施解錠することが可能なスイッチである。屋内側施解錠スイッチ52は、スイッチ部に対応する。屋内側施解錠スイッチ52は、長押しの操作によって、後述するように、通常動作が行われる第1モードから、通常動作とは異なる特定制御が行われる第2モードに切り替えて移行可能である。
【0020】
屋外側操作部6は、屋外アンテナ61と、屋外側施解錠スイッチ62と、を有する。屋外アンテナ61は、屋外側の所定領域に、電子鍵100が存在する場合に、電子鍵100から送信されるキー情報を受信して、電子鍵100の存在を検知する。屋外側施解錠スイッチ62は、屋外アンテナ61により電子鍵100が屋外側の所定領域に存在することが受信された状態において、屋外側から、ドア10を施解錠することが可能なスイッチである。
【0021】
機能部8は、第1錠部2及び第2錠部3とは異なる施解錠に関する機能を有する。機能部8は、一例として、屋外側ハンドル12に設けられたLEDである。機能部8は、第1錠部2及び第2錠部3の施解錠に応じて発光可能である。機能部8は、1つ以上あってもよい。機能部8における発光は、後述する制御部71によって制御される。
【0022】
制御ユニット7は、制御部71と、記憶部72と、を有する。制御部71は、ドア10の施解錠を制御する。制御部71は、通常動作が行われる第1モードにおいて、第1電動サムターン22に対して解錠信号及び施錠信号を送信することによって、第1デッドボルト23を係合位置と非係合位置との間において移動させ、ドア10を解錠状態及び施錠状態にする。制御部71は、通常動作が行われる第1モードにおいて、第2電動サムターン32に対して解錠信号及び施錠信号を送信することによって、第2デッドボルト33を係合位置と非係合位置との間において移動させ、ドア10を解錠状態及び施錠状態にする。
【0023】
記憶部72は、制御部71に接続されている。記憶部72は、屋内側施解錠スイッチ52に対する長押しの操作によって第2モードに切り替えられたときの制御に関する情報を記憶している。記憶部72は、複数の検知信号を組み合わせた信号パターンと、信号パターンに対応させた特定制御と、を記憶している。記憶部72は、複数の信号パターンと複数の特定制御を実装可能である。
【0024】
信号パターンは、第1施解錠検知センサ24から送信される施錠検知信号と、第1施解錠検知センサ24から送信される解錠検知信号と、第2施解錠検知センサ34から送信される施錠検知信号と、第2施解錠検知センサ34から送信される解錠検知信号から選択された2つ以上の検知信号を組み合わせたパターンである。
【0025】
特定制御は、例えば、テスト動作、設定動作、デバッグ動作が挙げられる。テスト動作としては、例えば、第1錠部2における第1電動サムターン22及び第2錠部3における第2電動サムターン32の施錠及び解錠に関するテストを行う動作、第1施解錠検知センサ24及び第2施解錠検知センサ34の検知に関するテストを行う動作及び機能部8の発光に関するテストを行う動作が挙げられる。
【0026】
設定動作としては、例えば、電気錠システム1の使用者に関する設定、第1電動サムターン22と第2電動サムターン32における施錠及び解錠に関する動作の設定が挙げられる。設定動作としては、例えば、第1施解錠検知センサ24及び第2施解錠検知センサ34の検知動作の設定が挙げられる。設定動作としては、例えば、機能部8の発光に関する動作の設定が挙げられる。
【0027】
デバッグ動作としては、例えば、第1錠部2における第1電動サムターン22及び第2錠部3における第2電動サムターン32の施錠及び解錠に関する動作の修復が挙げられる。デバッグ動作としては、例えば、第1施解錠検知センサ24及び第2施解錠検知センサ34の検知動作の修復が挙げられる。デバッグ動作としては、例えば、機能部8の発光に関する動作の修復が挙げられる。
【0028】
電気錠システム1において、通常動作が行われる第1モードから特定制御が行われる第2モードに切り替えて移行する手順について、図2を参照して説明する。記憶部72に対しては、一例として、第1施解錠検知センサ24の解錠検知信号→第1施解錠検知センサ24の施錠検知信号→第2施解錠検知センサ34の解錠検知信号→第2施解錠検知センサ34の施錠検知信号の順序及び組み合わせで構成される信号パターンが、テスト動作を特定制御として対応付けられて予め記憶されているものとする。
【0029】
図2に示すように、ステップS0でモード移行を開始するには、使用者がステップS1で屋内側施解錠スイッチ52を長押し操作する。屋内側施解錠スイッチ52を長押し操作することによって第2モードに移行し、制御部71は、信号待ち受け状態となる。
【0030】
屋内側施解錠スイッチ52を長押し操作した後に、ステップS2において第1電動サムターン22を手動によって開操作する。第1電動サムターン22の開操作によって、ステップS3において第1施解錠検知センサ24が解錠検知信号を制御部71に送信する。第1電動サムターン22を開操作した後に、ステップS4において第1電動サムターン22を手動によって閉操作する。第1電動サムターン22の閉操作によって、ステップS5において第1施解錠検知センサ24が施錠検知信号を制御部71に送信する。第1電動サムターン22を閉操作した後に、ステップS6において第2電動サムターン32を手動によって開操作する。第2電動サムターン32の開操作によって、ステップS7において第2施解錠検知センサ34が解錠検知信号を制御部71に送信する。第2電動サムターン32を開操作した後に、ステップS8において第2電動サムターン32を手動によって閉操作する。第2電動サムターン32の閉操作によって、ステップS9において第2施解錠検知センサ34が施錠検知信号を制御部71に送信する。
【0031】
制御部71は、信号が入力する毎に記憶部72に記憶されている信号パターンと照合し、ステップS10において、入力した4つの信号の順序及び組み合わせが合致する信号パターンに対応する特定制御であるテスト動作を実行させる。テスト動作の実行によって使用者は、不具合内容を絞ることができる。
【0032】
テスト動作以外の特定制御である設定動作及びデバッグ動作については、テスト動作に対応した信号パターンと異なる信号パターンが各動作に対応して設定され、予め記憶部72に記憶されている。屋内側施解錠スイッチ52を長押し操作した後に、各特定制御に対応した信号パターンに従って第1電動サムターン22及び第2電動サムターン32を手動で操作することによって、所望の動作を実行させることができる。
【0033】
電気錠システム1においては、通常搭載されている第1錠部2及び第2錠部3を手動で操作することによって、搭載されるデバイスに依存することなく、通常動作とは異なる特定制御を行う第2モードに簡単に移行することができる。電気錠システム1においては、特定制御に対応した信号パターンを予め記憶部72に記憶させることによって、施解錠動作の設定、検知動作の設定、施解錠動作の修復、検知動作の修復等、複数種の特定制御を容易に選択して実行させることが可能になる。
【0034】
電気錠システム1においては、機能部8が設けられている場合に施解錠動作及び検知動作の他に、機能部8における動作のテスト、設定及び修復を容易に選択して実行させることが可能になる。
【0035】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0036】
例えば、電気錠システム1においては、第1錠部2及び第2錠部3を設ける構成を例示したが、この構成に限定されない。3つ以上の錠部を設ける構成であってもよい。
【0037】
電気錠システム1においては、第1錠部2及び第2錠部3がサムターンを有する構成を例示したが、この構成に限定されない。第1錠部2及び第2錠部3がサムターン及び箱錠の少なくとも何れか一方を有する構成であれが、箱錠のみを有する構成、サムターンと箱錠の双方を有する構成を選択可能である。箱錠は、例えば、ラッチを用いて施解錠を行う。
【0038】
電気錠システム1においては、錠部の開閉状態をそれぞれ検知した検知信号によって信号パターンが設定される構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば機能部がテンキー等の入力部を含む場合には、入力された機能部からの機能信号を信号パターンに含める構成としてもよい。
【0039】
電気錠システム1において例示した機能部8の構成は一例であり、LEDの他に液晶ディスプレイ、音声発生装置、生体認証等を行う認証装置等、施解錠に関する機能を有する他のデバイスを設ける構成であってもよい。
【0040】
電気錠システム1においては、特定制御として、テスト動作、設定動作、デバッグ動作の複数が記憶部72に実装される構成を例示したが、これらの特定制御に限定されず、他の動作が特定制御として実装される構成であってもよい。
【0041】
本発明は下記の態様を含む。
[1]機械的開閉が可能な少なくとも2つの錠部と、少なくとも2つの前記錠部の開閉状態をそれぞれ検知する検知部と、前記検知部からの検知信号に応じて前記錠部の施錠及び解錠を制御する制御部と、操作によって通常動作が行われる第1モードから、通常動作とは異なる特定制御が行われる第2モードに切り替え可能なスイッチ部と、前記制御部に接続され、複数の前記検知信号を組み合わせた信号パターンと、前記信号パターンに対応させて前記特定制御と、を記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記信号パターンと合致する前記検知信号を受信したときに、前記特定制御を実行させる、電気錠システム。
[2]前記錠部は、箱錠及びサムターンの少なくとも何れか一方を有する、前記[1]に記載の電気錠システム。
[3]前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方のテストを行う動作を含む、前記[1]または前記[2]に記載の電気錠システム。
[4]前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方の設定を行う動作を含む、前記[1]から前記[3]のいずれか一項に記載の電気錠システム。
[5]前記特定制御は、前記錠部における前記施錠及び前記解錠の動作及び前記検知部の検知動作の少なくとも何れか一方を修復する動作を含む、前記[1]から前記[4]のいずれか一項に記載の電気錠システム。
[6]前記施錠及び前記解錠に関する機能を有する機能部を備え、前記特定制御は、前記機能部の動作のテストを行う動作を含む、前記[3]に記載の電気錠システム。
[7]前記信号パターンは、前記機能部からの機能信号を含む、前記[6]に記載の電気錠システム。
[8]前記特定制御は、前記機能部の設定を行う動作を含む、前記[6]または前記[7]に記載に記載の電気錠システム。
[9]前記特定制御は、前記機能部における動作を修復する動作を含む、前記[6]から前記[8]のいずれか一項に記載の電気錠システム。の電気錠システム。
[10]前記記憶部は、複数の前記信号パターンと、複数の前記特定制御を実装可能である、前記[1]から前記[9]のいずれか一項に記載の電気錠システム。
【符号の説明】
【0042】
1…電気錠システム、2…第1錠部、3…第2錠部、22…第1電動サムターン、24…第1施解錠検知センサ、32…第2電動サムターン、34…第2施解錠検知センサ、52…屋内側施解錠スイッチ、71…制御部、72…記憶部
図1
図2