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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121929
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20240902BHJP
   G01F 15/06 20220101ALI20240902BHJP
   G01F 1/68 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G01F1/00 Y
G01F1/00 T
G01F15/06
G01F1/00 Z
G01F1/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029172
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】津持 貴啓
(72)【発明者】
【氏名】林 輝明
(72)【発明者】
【氏名】松本 智也
【テーマコード(参考)】
2F030
2F031
2F035
【Fターム(参考)】
2F030CB02
2F030CC11
2F030CE09
2F030CE17
2F030CE22
2F030CE24
2F030CE25
2F030CE27
2F031AB01
2F031AE07
2F031AF03
2F031AF04
2F035EA00
(57)【要約】
【課題】装置が消費する気体の積算流量と電力または電力量を一緒に表示可能にしてユーザが消費エネルギー量を把握し易くする。
【解決手段】流量計1は、配管20内の気体の流量を測定する流量測定手段と、流量測定手段を内蔵するセンサ本体1Aと、流量測定手段により測定される気体の流量から積算流量を算出する流量算出手段と、電力監視機器200により計測された電力または電力量を受け付ける受付ポート57と、流量算出手段により算出された積算流量と受付ポート57を介して受け付けた電力監視機器200からの電力または電力量とを表示する表示部61とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内の気体の流量を測定する流量測定手段と、
配管に設置され、前記流量測定手段を内蔵するセンサ本体と、
前記流量測定手段により測定される気体の流量から積算流量を算出する流量算出手段と、
電力監視機器と接続し、当該電力監視機器により計測された電力または電力量を受け付ける受付ポートと、
前記センサ本体に対し一体型として設けられ、または、前記センサ本体に対し脱着可能に位置決め固定する分離型として設けられ、前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記受付ポートを介して受け付けた前記電力監視機器からの電力または電力量とを表示する表示部とを備える流量計。
【請求項2】
請求項1に記載の流量計において、
現在時刻データを保持し、現在の時刻に対応して現在時刻データを更新する実時間クロックと、
前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記電力監視機器からの電力または電力量に基づく累積の電力量とを前記実時間クロックの時刻情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第1履歴データは、前記記憶手段に記憶された積算流量に基づいて各前記日時区分における積算流量としてグラフ表示され、当該複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分には、前記流量算出手段により順次算出される現在の積算流量データに基づき当該現在の日時を含む日時区分における積算流量が順次更新されたグラフを表示する積算流量グラフ画面を生成する第1画面生成手段と、
時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第2履歴データは、前記記憶手段に記憶された累積の電力量に基づいて各前記日時区分における電力量としてグラフ表示され、当該複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分には、前記電力監視機器からの電力または電力量に基づき当該現在の日時を含む日時区分における電力量が順次更新されたグラフを表示する電力量グラフ画面を生成する第2画面生成手段とをさらに備え、
前記表示部は前記積算流量グラフ画面及び前記電力量グラフ画面を表示する流量計。
【請求項3】
請求項2に記載の流量計において、
気体の流路に配置され、気体の流れを遮断する弁と、
前記弁により気体の流れを遮断することで防止した気体のリーク量を算出するリーク量算出手段とをさらに備え、
前記記憶手段は、前記リーク量算出手段により算出されたリーク量を前記実時間クロックの時刻情報に対応付けて記憶し、
前記第1画面生成手段は、前記記憶手段に記憶された履歴データに基づいて算出された各前記日時区分の積算リーク量をグラフ表示する積算リーク量グラフ画面を生成し、
前記表示部は、前記積算リーク量グラフ画面を表示する流量計。
【請求項4】
請求項1に記載の流量計において、
前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記受付ポートを介して受け付けた前記電力監視機器からの電力または電力量とを合わせてエネルギー使用量として前記表示部に表示する流量計。
【請求項5】
請求項1に記載の流量計において、
配管内の気体の温度を測定する温度センサと、
配管内の気体の圧力を測定する圧力センサと、
配管内の気体の湿度を測定する湿度センサとをさらに備え、
前記表示部は、前記記憶手段に記憶された前記温度、前記圧力及び前記湿度のうち、任意の一または二以上を表示する流量計。
【請求項6】
請求項1に記載の流量計において、
サイクル開始信号及びサイクル停止信号の入力を受け付ける受付部を備え、
前記受付部が前記サイクル開始信号の入力を受け付けてから前記サイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、前記電力監視機器からの電力または電力量を積算してサイクル毎の電力量を取得し、
前記流量算出手段は、前記受付部が前記サイクル開始信号の入力を受け付けてから前記サイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、前記積算流量を算出してサイクル毎の積算流量を取得し、
前記表示部は、前記サイクル毎の電力量と、前記サイクル毎の積算流量とを表示する流量計。
【請求項7】
請求項1に記載の流量計において、
前記表示部に向かって見たとき、前記表示部の長手方向が前記配管の延びる方向と直交する方向となるように設置される流量計。
【請求項8】
請求項7に記載の流量計において、
前記センサ本体における前記表示部が配設される面には、前記表示部に表示される画面の遷移操作を行うための操作部が配設されている流量計。
【請求項9】
請求項1に記載の流量計において、
電力または電力量を計測する第1の電力監視機器及び第2の電力監視機器をさらに備え、
前記第1の電力監視機器の側面には、増設コネクタが接続される増設ポートが配設され、
前記増設ポートに接続された前記増設コネクタに、前記第2の電力監視機器が接続される流量計。
【請求項10】
請求項9に記載の流量計において、
前記第2の電力監視機器を作動させるための電力が前記増設コネクタを介して前記第1の電力監視機器から前記第2の電力監視機器に供給される流量計。
【請求項11】
請求項9に記載の流量計において、
前記第2の電力監視機器で計測された電力または電力量は、前記増設コネクタを介して前記第1の電力監視機器で取得され、
前記第1の電力監視機器は、前記第2の電力監視機器で計測された電力または電力量を前記受付ポートに送る流量計。
【請求項12】
請求項9に記載の流量計において、
前記第1の電力監視機器は、前記増設ポートが配設されている側面とは別の面に、前記受付ポートに対し通信ケーブルを介して接続される通信ポートが配設されている流量計。
【請求項13】
請求項1に記載の流量計において、
電力または電力量を計測する電力監視機器を備え、
前記電力監視機器は、筐体と、当該筐体の長手方向に並んで配設された電圧計測端子及び電流計測端子とを有している流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管内の気体の流量を測定する流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば配管内の気体の流量を測定する流量計として、特許文献1に開示されているように、流量測定手段により測定される流量から積算流量を算出し、算出された積算流量を日時で区分けしてグラフ表示可能な流量計が知られている。
【0003】
また、特許文献2には、異なる物理量をそれぞれ測定する複数の測定ヘッドが共通のセンサ本体に接続されたセンサが開示されている。このセンサは、複数の測定ヘッドで測定された異なる物理量がセンサ本体に入力され、センサ本体では、入力された異なる物理量を用いて所定の演算処理が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-109356号公報
【特許文献2】特許第4919702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば工場等では電力をはじめとした各種エネルギーが消費されており、その省エネルギー化が推進されている。省エネルギー化を推進する際、工場内に設置されている各装置が消費するエネルギー量を把握することから始め、消費エネルギー量を把握した後に、具体的な省エネルギーのための施策の検討及び実行がなされるケースが多い。
【0006】
工場内には様々な装置が設置されているが、装置が消費するエネルギー量の大部分は、電力と圧縮空気で占められている。よって、各装置が消費するエネルギー量を把握するためには、各装置が消費する電力量及び圧縮空気量を把握する必要がある。
【0007】
ところが、特許文献1では、圧縮空気の積算流量を把握することができるものの、電力量は別の測定器で測定された測定値に基づいて把握する必要があり、装置で消費した圧縮空気量と電力または電力量とを一緒に表示、管理できるものではなかった。
【0008】
また、特許文献2では、各測定ヘッドが測定可能な物理量として、例えば流量、圧力、温度等が挙げられているが、電力量を測定可能な構成とはなっていない。よって、特許文献2のセンサも、各装置が消費した圧縮空気量と電力または電力量とを一緒に表示、管理できるものではなかった。
【0009】
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、装置が消費する気体の積算流量と電力または電力量を一緒に表示可能にしてユーザが消費エネルギー量を把握し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る流量計は、配管内の気体の流量を測定する流量測定手段と、配管に設置され、前記流量測定手段を内蔵するセンサ本体と、前記流量測定手段により測定される気体の流量から積算流量を算出する流量算出手段と、電力監視機器と接続し、当該電力監視機器により計測された電力または電力量を受け付ける受付ポートと、前記センサ本体に対し一体型として設けられ、または、前記センサ本体に対し脱着可能に位置決め固定する分離型として設けられ、前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記受付ポートを介して受け付けた前記電力監視機器からの電力または電力量とを表示する表示部とを備えている。
【0011】
この構成によれば、例えば装置に気体を供給するための配管にセンサ本体を設置した場合には、配管内の気体の流量が流量測定手段によって測定され、その測定結果に基づいて流量算出手段が積算流量を算出する。一方、例えば同じ装置で使用される電力を電力監視機器で監視している場合には、電力監視機器により計測された電力または電力量が受付ポートを介してセンサ本体で取得される。積算流量と、電力監視機器からの電力または電力量とが表示部に表示されるので、例えば同一の装置で消費される気体の積算流量と、電力または電力量とを一緒に表示してユーザに提示し、ユーザによる管理が行えるようになる。
【0012】
流量計は、現在時刻データを保持し、現在の時刻に対応して現在時刻データを更新する実時間クロックと、前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記電力監視機器からの電力または電力量に基づく累積の電力量とを前記実時間クロックの時刻情報に対応付けて記憶する記憶手段と、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第1履歴データは、前記記憶手段に記憶された積算流量に基づいて各前記日時区分における積算流量としてグラフ表示され、当該複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分には、前記流量算出手段により順次算出される現在の積算流量データに基づき当該現在の日時を含む日時区分における積算流量が順次更新されたグラフを表示する積算流量グラフ画面を生成する第1画面生成手段と、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第2履歴データは、前記記憶手段に記憶された累積の電力量に基づいて各前記日時区分における電力量としてグラフ表示され、当該複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分には、前記電力監視機器からの電力または電力量に基づき当該現在の日時を含む日時区分における電力量が順次更新されたグラフを表示する電力量グラフ画面を生成する第2画面生成手段とさらに備えていてもよい。この場合、前記表示部は前記積算流量グラフ画面を表示できるので、ユーザは日時区分毎の積算流量を把握することができる。また、前記表示部は前記電力量グラフ画面を表示できるので、ユーザは日時区分毎の電力量を把握することもできる。
【0013】
流量計は、気体の流路に配置され、気体の流れを遮断する弁と、前記弁により気体の流れを遮断することで防止した気体のリーク量を算出するリーク量算出手段とをさらに備えていてもよい。この場合、前記記憶手段は、前記リーク量算出手段により算出されたリーク量を前記実時間クロックの時刻情報に対応付けて記憶することが可能であり、前記第1画面生成手段は、前記記憶手段に記憶された履歴データに基づいて算出された各前記日時区分の積算リーク量をグラフ表示する積算リーク量グラフ画面を生成し、前記表示部は、前記積算リーク量グラフ画面を表示することができる。これにより、ユーザがリーク量を把握することができる。
【0014】
前記流量算出手段により算出された前記積算流量と前記受付ポートを介して受け付けた前記電力監視機器からの電力または電力量とを合わせてエネルギー使用量として前記表示部に表示することもできる。これにより、例えば一の装置で消費されたエネルギー量を流量計によって把握できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0015】
流量計は、配管内の気体の温度を測定する温度センサと、配管内の気体の圧力を測定する圧力センサと、配管内の気体の湿度を測定する湿度センサとをさらに備えていてもよい。前記温度センサで測定された気体の温度、前記圧力センサで測定された気体の圧力及び前記湿度センサで測定された気体の湿度は、メモリ等に記憶することが可能であり、前記表示部はメモリに記憶された前記温度、前記圧力及び前記湿度のうち、任意の一または二以上を表示することができる。これにより、エネルギー量以外の物理量も把握することができる。
【0016】
流量計は、サイクル開始信号及びサイクル停止信号の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が前記サイクル開始信号の入力を受け付けてから前記サイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、前記電力監視機器からの電力または電力量を積算してサイクル毎の電力量を取得する電力量取得部とをさらに備えていてもよい。この場合、前記流量算出手段は、前記受付部が前記サイクル開始信号の入力を受け付けてから前記サイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、前記積算流量を算出してサイクル毎の積算流量を取得し、前記表示部は、前記サイクル毎の電力量と、前記サイクル毎の積算流量とを表示することができる。これにより、サイクル毎の消費エネルギー量を把握することができ、例えば1サイクルで製造した製品数が分かっている場合には、1サイクルの消費エネルギー量を製品数で割ることにより、1つの製品を製造するために消費したエネルギー量を算出できる。
【0017】
流量計は、前記表示部に向かって見たとき、前記表示部の長手方向が前記配管の延びる方向と直交する方向となるように設置されてもよい。これにより、流量計を設置する際に要するスペースが配管の延びる方向について小さくて済む。また、前記センサ本体における前記表示部が配設される面には、前記表示部に表示される画面の遷移操作を行うための操作部が配設されていてもよい。
【0018】
流量計は、電力または電力量を計測する第1の電力監視機器及び第2の電力監視機器をさらに備えていてもよい。前記第1の電力監視機器の側面には、増設コネクタが接続される増設ポートが配設され、前記増設ポートに接続された前記増設コネクタに、前記第2の電力監視機器が接続されるので、複数の電力監視機器をコンパクトにまとめて設置することができる。
【0019】
前記第2の電力監視機器を作動させるための電力が前記増設コネクタを介して前記第1の電力監視機器から前記第2の電力監視機器に供給されてもよい。また、前記第2の電力監視機器で計測された電力または電力量が、前記増設コネクタを介して前記第1の電力監視機器で取得された場合には、前記第1の電力監視機器は、前記第2の電力監視機器で計測された電力または電力量を前記受付ポートに送ることができる。
【0020】
前記第1の電力監視機器は、前記増設ポートが配設されている側面とは別の面に、前記受付ポートに対し通信ケーブルを介して接続される通信ポートが配設されていてもよい。これにより、増設ポートを使用した通信と、通信ポートを使用した通信とのうち、設置現場や環境に適した方を選択することができ、設置自由度が向上する。
【0021】
各種装置の電力または電力量を計測する電力監視機器は、筐体と、当該筐体の長手方向に並んで配設された電圧計測端子及び電流計測端子とを有していてもよい。これにより、筐体の幅を拡大することなく、電圧計測端子及び電流計測端子を配設することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、流量算出手段により算出された気体の積算流量と、受付ポートを介して受け付けた電力監視機器からの電力または電力量とを表示部に一緒に表示させることができるので、例えば同一の装置が消費する気体の量と電力または電力量とを把握し、管理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る流量計の使用状態を示す図である。
図2】流量計の使用状態の別の例を示す図である。
図3】流量計の正面図である。
図4】弁が開いている気体流量計の縦断面図である。
図5】弁が閉じている気体流量計の縦断面図である。
図6】気体流量計のブロック図である。
図7】データ処理部の構成を示すブロック図である。
図8】リーク防止量の演算処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】ロギングメモリの記憶区分を示す図である。
図10】流量表示画面の例を示す図である。
図11】電力量表示画面の例を示す図である。
図12】リーク量表示画面の例を示す図である。
図13】日時区分あたりのリーク防止量を示す図12相当図である。
図14】エネルギー使用量表示画面の例を示す図である。
図15】エネルギー量を二酸化炭素排出量に換算した表示画面の一例を示す図である。
図16】エネルギー量を金額に換算した表示画面の一例を示す図である。
図17】流量をリアルタイムで表示する表示画面の一例を示す図である。
図18】温湿度表示画面の一例を示す図である。
図19】サイクルエネルギーの測定手順を説明する図である。
図20】サイクルエネルギーの表示画面の一例を示す図である。
図21】サイクルエネルギーの表示画面の別の例を示す図である。
図22】電力監視機器の斜視図である。
図23】保護カバーを外した状態の図17相当図である。
図24】保護カバーを外した状態の電力監視機器の正面図である。
図25】複数の電力監視機器を接続して運用する場合のブロック図である。
図26】第1の電力監視機器と第2の電力監視機器とを増設コネクタで接続する要領を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る流量計1の使用状態を示す図である。流量計1は、各種製品を製造する製造装置(図示せず)で使用される気体の流量を測定する機器であり、製造装置で使用される気体としては、例えば圧縮空気や窒素等を挙げることができる。以下、圧縮空気を使用する製造装置の場合について説明する。
【0026】
製造装置には、圧縮空気を使用するエアブロー装置、エアシリンダー装置、吸着搬送装置、着座装置等が設けられており、これらは流体機器の一種である空圧機器と呼ぶことができ、1台の製造装置に一または複数の空圧機器が設けられることがある。1台の製造装置に1台の流量計1が設置され、1台の製造装置で使用される圧縮空気の流量を測定する。空圧機器が一つだけ設けられている製造装置の場合は、当該一の空圧機器で使用される圧縮空気の流量が流量計1によって測定され、また、空圧機器が複数設けられている製造装置の場合は、当該複数の空圧機器で使用される圧縮空気の合計の流量が流量計1によって測定されることになる。1台の流量計1によって複数の製造装置で使用される圧縮空気の流量を測定してもよく、流量計1の使用形態は特に限定されるものではない。
【0027】
圧縮空気は、コンプレッサ及びドライヤを用いて得られるものであり、コンプレッサ及びドライヤを作動させるのに電力が必要であることから、圧縮空気を消費するということは電力を消費するのと同様に、エネルギーを消費することになる。
【0028】
流量計1は、製造装置の空圧機器に接続されるエア供給管100に接続されて使用される。図1では、流量計1と、電力監視機器200A、200B、200C、・・・、200Fとを通信ケーブル201で接続して運用する場合を示している。詳細については後述するが、電力監視機器200A~200Fは、流量計1で測定する圧縮空気を使用している製造装置と同じ製造装置で消費される電力または電力量を計測する機器である。流量計1では、電力監視機器200A~200Fで計測された電力または電力量を取得することが可能になっている。これにより、同じ製造装置で使用される圧縮空気の流量と電力または電力量とを一の流量計1で一緒に管理することが可能になる。
【0029】
電力監視機器200A~200Fは、1つのみ流量計1に接続して運用してもよいし、複数を互いに接続して電力監視ユニットYを構成し、電力監視ユニットYの中の任意の一の電力監視機器200Aを通信ケーブル201により流量計1に接続して運用してもよい。
【0030】
また、図2に示すように、複数の電力監視機器200D~200Fで電力監視ユニットY1を構成し、電力監視機器200A、200Bで電力監視ユニットY2を構成し、複数の電力監視ユニットY1、Y2と、別の電力監視機器200Cとを通信ケーブル201で接続し、電力監視ユニットY2の中の任意の一の電力監視機器200Aを流量計1に対し通信ケーブル201により接続して運用してもよい。複数の電力監視ユニットY1、Y2の接続形態としては、電力監視機器200Bと電力監視機器200Cとを直接接続する形態と、通信ケーブル201を介して接続する形態とがあり、どちらの接続形態にも対応可能になっている。接続形態についても詳細は後述する。尚、電力監視機器の数は、6つに限定されるものではなく、5つ以下の任意の数、または7つ以上の任意の数であってもよい。
【0031】
流量計1は、電力監視機器200A~200Fを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。流量計1が電力監視機器200A~200Fを含んでいる場合、流量計1の一部を電力監視機器200A~200Fが構成することになり、流量計1の一部を構成する電力監視機器200A~200Fの数は1つであってもよいし、複数であってもよい。また、流量計1が電力監視機器200A~200Fを含んでいない場合、流量計1に対して、当該流量計1を構成しない部材である電力監視機器200A~200Fが接続されて使用されることになり、この場合の電力監視機器200A~200Fの数も1つであってもよいし、複数であってもよい。また、流量計1は、通信ケーブル201を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0032】
流量計1には、電源供給部を有する制御装置101から電力が供給される。制御装置101と流量計1とは接続線102によって接続される。流量計1に供給された電力は、電力監視機器200A~200Fを作動させるための電力として、流量計1から電力監視機器200Aに直接供給される。電力監視機器200Aに供給された電力は、別の電力監視機器200B~200Fにも供給可能になっている。また、制御装置101からは制御信号が出力される。制御装置101から出力された制御信号は、接続線102を介して流量計1に入力される。流量計1は、制御装置101を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0033】
(流量計の構成)
この説明では、流量計1が電力監視機器200A~200Fを含んでいない場合について説明する。図3に示すように、流量計1は、正面視で上下方向に長い筐体10を備えている。この実施形態の説明では、図3図5の左側を流量計1の左側といい、図3図5の右側を流量計1の右側というものとする。また、流量計1の正面を前面、流量計1の背面を後面といい、流量計1の前後方向をこのように定義する。この方向の定義は、実施形態の説明を容易にするためのものであり、流量計1の使用時の方向を限定するものではない。
【0034】
圧縮空気は、矢印A方向(図3の左側から右側へ向かう方向)に流れている。図6は、流量計1のブロック図であり、このブロック図に示すように、流量計1は、圧縮空気の流路を形成する配管20と、配管20に設置されるセンサ本体1Aと、インタフェースユニット1Bとを備えている。センサ本体1Aは、筐体10と、配管20内の圧縮空気の流量を測定する流量センサ(流量測定手段)30と、配管20内の圧縮空気の圧力を測定する圧力センサ31と、配管20内の圧縮空気の温度を測定する温度センサ32と、配管20内の圧縮空気の湿度を測定する湿度センサ33とを備えている。流量センサ30、圧力センサ31、温度センサ32及び湿度センサ33は、センサ本体1Aに内蔵されている。
【0035】
図4、5に示すように、配管20は、筐体10の上下方向中間部において左右方向に延びている。配管20の左端(上流端)には上流側のエア供給管100が接続され、また、配管20の右端(下流端)には下流側のエア供給管100が接続されている。これにより、上流側のエア供給管100から配管20内に流入した圧縮空気が下流側のエア供給管100へ流出する。
【0036】
流量センサ30は、熱式の流量測定素子で構成されている。図4図5に示すように、流量センサ30は、圧縮空気の流れ方向に延びる一対の板状の測温抵抗体30aを有している。一対の測温抵抗体30aは互いに平行である。このような熱式の流量センサ30は従来から周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0037】
また、熱式の流量センサ30の代わりに、超音波式の流量測定素子を用いてもよい。この超音波式の流量測定素子も従来から周知であるため、詳細な説明は省略するが、例えば特開2020-109356号公報に開示されているような構成を適用できる。超音波式の流量測定素子を用いる場合、圧縮空気の質量流量を測定するため、配管20における圧縮空気の圧力を測定する圧力センサ31を設ける必要がある。
【0038】
流量計1は、配管20内の流路に配置され、当該流路における圧縮空気の流れを遮断する弁(主弁)40も備えている。すなわち、配管20の流れ方向中間部の下側には、弁収容空間Sが形成されている。弁収容空間Sは、配管20における弁収容空間Sよりも上流側の空間20aと連通している。弁収容空間Sの上部には、隔壁部22が設けられている。隔壁部22は、弁収容空間Sと、配管20における弁収容空間Sよりも下流側の空間20bとを区画する部分である。隔壁部22の下部には、弁収容空間Sと下流側の空間20bとを連通可能にする連通孔22aが形成されている。
【0039】
弁40は、弁収容空間S内で上下方向に移動可能に配設されている。弁40が上へ移動した状態で連通孔22aの周縁部に対して下から当接して当該連通孔22aを閉塞し、この位置で弁40が閉になる。一方、弁40が下へ移動した状態で連通孔22aの周縁部から下へ離れて当該連通孔22aが開放され、この位置で弁40が開になる。
【0040】
弁40は、上下方向に延びる支軸40aを有している。支軸40aは、配管20の下側に設けられた支持部材40bによって上下方向にのみ移動可能に支持されている。支軸40aの下部には、ピストン40cが設けられている。ピストン40cは、支持部材40bの内部に形成された作動室S1に収容されている。
【0041】
弁40は、ソレノイドモジュール41からなる駆動体によって上下方向に駆動される。この実施形態では、弁40の動作機構として、パイロット式にするとともに、キープソレノイドを用いている。配管20の一次圧及び二次圧は、空気通路S2、S3を介してソレノイドモジュール41のパイロット弁(図示せず)に導かれるようになっており、パイロット弁の動作によって生じる作動圧は、図示しない空気通路を介して作動室S1に導かれてピストン40cに作用するようになっている。また、図示しないが、キープソレノイドの動作は、パイロット弁に伝達されるようになっており、キープソレノイドの動作によってパイロット弁を開閉することが可能になっている。キープソレノイドによってパイロット弁を開閉動作させることにより、作動室S1に所望の圧力を供給し、弁40を上下方向に移動させることができるようになっている。
【0042】
配管20は、整流板21を備えている。整流板21は、配管20内における弁40よりも流れ方向下流に配置されており、弁40の上方に位置付けられている。整流板21は配管20内を通過する気体を整流するための部材であり、その具体的な構成は特に限定されるものではないが、例えば、配管20内において流れ方向と直交する方向に延びるように配置される板状部21aと、取付基部21bとを備えた構成とすることができる。板状部21aには、当該板状部21aを厚み方向(気体の流れ方向)に貫通する複数の貫通孔21cが形成されている。気体が貫通孔21cを通過することによって整流される。これにより、流量の検出精度が向上する。また、流量センサ30の両測温抵抗体30aは、配管20内において偏流が均等になる位置、すなわち、配管20における整流板21よりも流れ方向下流に配置されている。
【0043】
圧力センサ31としては、例えばひずみゲージや静電容量式のもの等で構成されており、圧縮空気の圧力を電気信号に変換して出力するように構成されている。圧力センサ31は、配管20の整流板21よりも下流側の圧力を検出するように配置されている。これにより、配管20の下流部近傍の圧力を安定して測定可能になる。
【0044】
温度センサ32は、配管20の整流板21よりも上流側を流れる圧縮空気の温度を測定し、電気信号に変換して出力するように構成されている。また、湿度センサ33は、配管20の整流板21よりも上流側を流れる圧縮空気の湿度を測定し、電気信号に変換して出力するように構成されており、例えば容量式や抵抗式のものを用いることができる。温度センサ32と湿度センサ33とは別体とされていてもよいし、一体化された温湿度センサで構成されていてもよい。
【0045】
図6に示すように、センサ本体1Aは、センサ処理部34とメモリ35とを備えている。センサ処理部34は、流量センサ30、圧力センサ31、温度センサ32及び湿度センサ33から出力された信号を受信し、圧縮空気の流量、圧力、温度、湿度を算出する部分である。センサ処理部34で算出した圧縮空気の流量、圧力、温度、湿度はメモリ35に一時的に記憶される。メモリ35に記憶された流量、圧力、温度、湿度は読み出し可能になっている。センサ処理部34は、後述するデータ処理部50と統合されていてもよい。
【0046】
インタフェースユニット1Bは、データ処理部50、リアルタイムクロック(実時間クロック)51、ロギングメモリ52及びメモリ53を備えている。データ処理部50はセンサ本体1Aのセンサ処理部34と通信可能に接続されており、センサ処理部34で算出した圧縮空気の流量、圧力、温度、湿度等がデータ処理部50に入力されるようになっている。リアルタイムクロック51は、現在時刻データを保持し、現在の時刻に対応して現在時刻データを更新する部分である。リアルタイムクロック51は、制御装置101から供給される電力や内蔵されたバッテリ(図示せず)の電力等によって常時動作するようになっている。メモリ53には、所定のプログラム及びアプリケーションが記憶されている。データ処理部50は、メモリ53に記憶されたプログラムやアプリケーションに従い、後述する動作を実行する。
【0047】
インタフェースユニット1Bは、出力ポート56及び受付ポート57を備えている。出力ポート56及び受付ポート57は、データ処理部50に接続されている。出力ポート56には、制御装置101から延びる接続線102が接続されており、データ処理部50から出力された信号が出力ポート56及び接続線102を介して制御装置101に入力されるとともに、制御装置101から出力された電力や制御信号等が出力ポート56及び接続線102を介してデータ処理部50に入力される。
【0048】
受付ポート57は、通信ケーブル201を介して電力監視機器200Aと接続されており、電力監視機器200Aにより計測された電力または電力量を受け付ける部分である。また、後述するが、他の電力監視機器200B~200Fにより計測された電力または電力量を受付ポート57で受け付けることもできる。さらに、電力監視機器200Aや他の電力監視機器200B~200Fにより計測された電力または電力量に対応する電圧および電流を受け付けてもよい。
【0049】
受付ポート57で受け付けられた電力または電力量はデータ処理部50に入力される。データ処理部50は、電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量に基づいて、累積の電力量を算出する。例えば、データ処理部50に対して外部の制御装置101からトリガ信号(制御信号の一例)が入力されると、トリガ信号が入力された時点で累積の電力量をゼロにし、トリガ信号が入力された時点を起点してデータ処理部50が累積の電力量を算出する。データ処理部50には、外部の制御装置101からのトリガ信号の他に、操作部60を介してユーザからの操作を受け付け、操作を受け付けた時点で累積の電力量をゼロにし、累積処理を開始するようにしてもよい。
【0050】
インタフェースユニット1Bは、操作部60と表示部61と表示灯62を備えている。操作部60は、ユーザによって操作される複数の操作ボタン等を含んでおり、図3に示すように筐体10の前面の下側部分に位置している。操作部60のユーザによる操作には、各種設定操作や、表示部61に表示される画面の遷移操作等が含まれている。操作部60のユーザによる操作は、データ処理部50で受け付けられる。
【0051】
表示部61は、例えば有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等で構成されており、データ処理部50によって制御される。表示部61は縦長形状とされており、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長く設定されている。すなわち、図3に示すように、流量計1は、表示部61に向かって見たとき、表示部61の長手方向が配管20の延びる方向と直交する方向となるように設置されて使用される。また、筐体10の前面が表示部61の配設される面とされており、この前面に操作部60が配設されている。
【0052】
本実施形態では、表示部61がセンサ本体1Aに対し一体型として設けられている。これに限らず、表示部61がセンサ本体1Aに対し分離型として設けられていてもよい。分離型とする場合、表示部61をセンサ本体1Aに対し脱着可能にしておき、装着した状態でセンサ本体1Aに対し位置決め固定する。脱着可能にする構造としては、例えばネジ等の締結部材を用いた構造、爪を相手側部材に係合させる構造等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、位置決めする構造としては、例えば凹凸嵌合等を挙げることができるが、これに限られるものではない。
【0053】
表示灯62も筐体10の前面に設けられている。表示灯62は、データ処理部50により制御され、流量計1の動作状態に応じて点灯ないし点滅する。
【0054】
図7に示すように、データ処理部50は弁制御部50aを有している。弁制御部50aは、ソレノイドモジュール41のキープソレノイドを制御する部分である。キープソレノイドを制御することで、弁40を開から閉、閉から開にすることができる。弁制御部50aが弁40を制御するので、弁40が開であるか、閉であるかを示す開閉情報は、弁制御部50aが取得できる。弁40の開閉情報に基づいて、弁40が閉である期間を取得できる。例えば弁40が開から閉に切り替わったタイミングから開に切り替わったタイミングまでの時間を弁制御部50aが計測することで、弁40が閉である期間を取得できる。尚、弁40が開であるか、閉であるかを接点によって検出し、これを開閉情報として弁制御部50aが取得してもよい。
【0055】
データ処理部50は流量算出部(流量算出手段)50bを有している。流量算出部50bは、流量センサ30により測定される気体の流量から積算流量を算出する部分である。例えば、熱式の流量センサ30の場合、測温抵抗体30aからの放散熱量に係る測定信号を生成し、この放散熱量に係る測定信号に基づいて、放熱熱量と流量との関係式を用いることにより、配管20における圧縮空気の流量を演算することができる。流量センサ30が超音波式の場合は、例えば2つの超音波素子を設けておき、これら2つの超音波素子間での伝搬時間差を流量算出部50bが取得し、取得した伝搬時間差を用いて配管20における圧縮空気の流量を演算し、決定することができる。流量算出部50bは、上述のようにして圧縮空気の流量を演算し、演算した流量を測定対象の期間分だけ積算することで、積算流量を算出する。
【0056】
積算流量は、例えば第1の時点から第2の時点までに配管20を通過した圧縮空気の総量である。積算流量をリセットするためのリセット信号が入力された時点から現在までの間に配管20を通過した圧縮空気が積算流量であり、体積流量に基づく場合、積算流量は、配管20を通過した圧縮空気の体積が積算流量となり、その単位は例えば立方メートルである。また、質量流量に基づく場合、積算流量は、配管20を通過した圧縮空気の質量となり、その単位は例えばキログラムである。
【0057】
流量算出部50bにはトリガ信号が外部の制御装置101から入力可能になっている。流量算出部50bにトリガ信号が入力されると、トリガ信号が入力された時点で積算流量をゼロにし、トリガ信号が入力された時点を起点して流量算出部50bが積算流量を算出する。このトリガ信号は積算流量をリセットするためのリセット信号である。流量算出部50bにより算出された積算流量はメモリ53に一時的に記憶される。尚、流量算出部50bには、外部の制御装置101からのトリガ信号の他に、操作部60を介してユーザからの操作を受け付け、操作を受け付けた時点で積算流量をゼロにし、積算処理を開始するようにしてもよい。
【0058】
データ処理部50はリーク量算出部(リーク量算出手段)50cを有している。リーク量算出部50cは、弁40により圧縮空気の流れを遮断することで防止した圧縮空気のリーク量を算出する部分である。例えば、弁40が開であり、かつ製造装置で圧縮空気が使用されていない時に配管20内に圧縮空気が流れている場合には、リークが生じているということである。この圧縮空気のリーク状態において、リーク量算出部50cが流量センサ30により生成する測定信号に基づく流量をリーク流量として取得し、決定する。具体的には、リーク量算出部50cは、弁40が開から閉にされるときの瞬間流量値を瞬間リーク流量として決定する。
【0059】
リーク量算出部50cは、リーク流量を決定すると、弁40が閉である期間と、リーク流量とに基づいて、リーク防止量を演算する。リーク量算出部50cがリーク防止量を演算する際、瞬間リーク流量を、弁40が閉である期間分だけ積算すればよい。弁40が閉である期間は、上述したように弁制御部50aによって取得でき、弁制御部50aによって取得した期間をリーク量算出部50cが使用すればよい。また、リーク量算出部50cが、弁40が閉である期間を計測し、取得してもよい。これにより、リーク量算出部50cが、所定期間内でリークした圧縮空気量(積算リーク量)を算出することができる。
【0060】
また、リーク量算出部50cは、弁40が閉である期間以外の期間についても、流量センサ30により生成する測定信号に基づく流量を積算して積算流量を取得できる。したがって、流量センサ30により生成する測定信号に基づく流量を積算する期間は、弁40が閉である期間に限られるものではなく、任意の期間(所定期間)とすることができる。
【0061】
以下、図8に示すフローチャートに基づいて、リーク防止量の算出処理手順の一例を説明する。この例では、リーク量算出部50cは、弁40が開である場合、瞬間リーク流量を、弁40が開である期間分だけ積算することによって開状態にあるときのリーク量とすることが可能になっている。
【0062】
スタート後のステップSA1では、圧縮空気の流通が可能な状態、即ち弁40が開である状態となっていることを確認する。弁40が開になっている場合にはステップSA2に進む。ステップSA2では、弁制御部50aが弁40を開から閉にする要求(弁閉要求)を受け付ける。弁閉要求は、リーク量算出部50cが所定のタイミングになった時点で弁制御部50aに対して出してもよいし、外部の制御装置101またはユーザが弁制御部50aに対して出してもよい。
【0063】
ステップSA3では、リーク量算出部50cが流量センサ30により生成する測定信号に基づく流量を瞬間流量として取得し、メモリ53等に一時的に記憶する。ステップSA3の段階では弁40が閉になっていない。瞬間流量を取得する際には、配管20の内径等の配管条件、環境温度、配管20の内部の圧力等の情報に基づいて流量データを補正し、補正後の流量データを瞬時流量データとしてもよい。
【0064】
瞬間流量の取得後、ステップSA4では、弁制御部50aが弁40を開から閉にする制御(弁閉制御)を実行する。これによって弁40が閉に切り替わるのであるが、ステップSA5では、上記開閉情報に基づいて、弁40が閉に切り替わったか否かを弁制御部50aが判定する。弁40が閉に切り替わっていない場合には、何らかの不具合が発生している可能性があるので、ステップSA6に進んで弁制御部50aがエラーを出力し、終了する。一方、弁40が閉に切り替わった場合にはステップSA7に進み、リーク量算出部50cは、ステップSA3で取得した瞬間流量を瞬間リーク流量としてメモリ53等に一時的に記憶する。
【0065】
ステップSA8では、ステップSA7で演算した瞬間リーク流量を取得する。そして、リーク量算出部50cは、瞬間リーク流量を、弁40が閉である期間分だけ積算してリーク量を得る。ステップSA9では、弁制御部50aが弁40を閉から開にする要求(弁開要求)を受け付ける。弁開要求は、リーク量算出部50cが所定のタイミングになった時点で弁制御部50aに対して出してもよいし、外部の制御装置101またはユーザが弁制御部50aに対して出してもよい。
【0066】
ステップSA10では、リーク量算出部50cが流量センサ30により生成する測定信号に基づく流量を瞬間リーク流量として取得し、メモリ53等に一時的に記憶する。ステップSA10の段階では弁40が開になっていない。
【0067】
瞬間リーク流量の取得後、ステップSA11では、弁制御部50aが弁40を閉から開にする制御(弁開制御)を実行する。これによって弁40が開に切り替わるのであるが、ステップSA12では、上記開閉情報に基づいて、弁40が開に切り替わったか否かをリーク量算出部50cが判定する。弁40が開に切り替わっていない場合には、何らかの不具合が発生している可能性があるので、ステップSA13に進んでエラーを出力し、終了する。一方、弁40が開に切り替わった場合にはステップSA14に進み、リーク量算出部50cは、ステップSA10で取得した瞬間リーク流量を瞬間リーク防止流量としてメモリ53等に一時的に記憶する。
【0068】
ステップSA15では、ステップSA14で演算した瞬間リーク防止流量を取得する。そして、リーク量算出部50cは、瞬間リーク防止流量を、弁40が閉である期間分だけ積算してリーク防止量を得る。
【0069】
ロギングメモリ52には、流量算出部50bにより算出された積算流量と電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量に基づく累積の電力量とがリアルタイムクロック51の時刻情報に対応付けて記憶される。積算流量と累積の電力量とは、例えば1時間単位、即ち、所定の時間単位で区分された状態でロギングメモリ52に記憶することができる。また、リーク量算出部50cがリーク量を算出した場合、リーク防止量や積算リーク量も、リアルタイムクロック51の時刻情報に対応付けてロギングメモリ52に記憶される。ロギングメモリ52の保存フォーマットが例えば1時間単位で区分されている場合には、1時間毎にログが追加されることになる。ロギングメモリ52には、積算流量や累積の電力量に加え、電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量に対応する電圧および電流をリアルタイムクロック51の時刻情報に対応付けて記憶されてもよい。
【0070】
すなわち、図9にロギングメモリ52の記憶区分を概念的に示しているように、ロギングメモリ52には、所定の時間単位で区分され、かつ、時間的に連なる複数の記憶領域T(1)、T(2)、T(3)、・・・、T(n)が予め設定されている。ロギングメモリ52の各記憶領域T(n)に、順次、積算流量、リーク量、累積の電力量等が保存される。メモリ先頭アドレスの年月日時データと、リアルタイムクロック51の時刻情報(年月日時情報)とが紐付けられており、対応する各記憶領域T(n)に積算流量、リーク防止量、累積の電力量等がそれぞれ記憶される。ロギングメモリ52に記憶されている積算流量は、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち、過去の日時区分に含まれる第1履歴データを含んでいる。また、ロギングメモリ52に記憶されている累積の電力量は、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第2履歴データを含んでいる。また、ロギングメモリ52に記憶されている積算リーク量は、時間的に連なる複数の日時区分を有している。さらに、ロギングメモリ52には、算出されたリーク量をリアルタイムクロック51の時刻情報に対応付けて記憶することも可能になっており、これによりリーク量に関する履歴データが保存される。
【0071】
また、各記憶領域T(n)は先頭アドレスからのオフセット量(アドレスオフセット量)と、時刻のオフセット量とが対応付けられている。これにより、所望の時刻に対して一意にメモリアドレスを決めることができる。つまり、ロギングメモリ52は、リアルタイムクロック51で実時間の年月日時として時刻情報を管理しており、この時刻情報と、記憶されているデータとが一対一で対応付けられているので、時刻情報とアドレスとの対応関係から対象期間のデータを抽出できる。
【0072】
(表示部の表示形態)
表示部61には、流量センサ30により算出された積算流量と、受付ポート57を介して受け付けた電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量とを表示することができる。図10は、流量センサ30により算出された積算流量を表示する流量表示画面70を示している。流量表示画面70は、図7に示す第1画面生成部50dが生成して表示部61に表示させる。
【0073】
流量表示画面70には、ヘッダ領域70aと、流量表示領域70bと、積算流量グラフ表示領域70cとが設けられている。ヘッダ領域70aには、流量表示画面70の説明が表示されるようになっており、本例では積算流量を表示するので「流量」と表示される。流量表示領域70bには、リセット信号が入力されてから現在までの積算流量が数値で表示される。積算流量グラフ表示領域70cには、日時区分として1時間ごとに区分された積算流量が棒グラフ形式で表示され、縦軸は積算流量の単位(例えば立方メートル)である。横軸の日時区分は、1時間に限られるものではなく、1分、30分等の分ごとの区分であってもよいし、半日、1日、1週間等の日にちによる区分であってもよい。また、日時区分は、ユーザが操作部60を操作することで自由に変更することもできる。図10の表示例では、右端が現在の日時を含む日時区分における積算流量であり、左は過去の日時区分の積算流量であり、時間の経過に伴って積算流量グラフは更新される。グラフは折れ線グラフであってもよい。
【0074】
なお、流量表示領域70bには、特定の期間(6時間、1日、1週間、1ヶ月)の積算流量を数値で表示してもよい。たとえば、積算流量グラフ表示領域70cに表示される積算流量の総和を数値で表示してもよい。この場合、積算流量グラフ表示領域70cに表示される日時区分の範囲が変更されるのに応じて、積算流量として積算する対象期間が変更される。
【0075】
すなわち、積算流量グラフ表示領域70cには、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第1履歴データが、ロギングメモリ52に記憶された積算流量に基づいて各日時区分における積算流量としてグラフ表示される。さらに、積算流量グラフ表示領域70cには、複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分に、流量算出部50bにより順次算出される現在の積算流量データに基づき当該現在の日時を含む日時区分における積算流量が順次更新されたグラフが表示される。よって、積算流量グラフ表示領域70cに表示される画面は、本発明の積算流量グラフ画面に相当する。
【0076】
図11は、受付ポート57を介して受け付けた電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量を表示する電力量表示画面71を示している。電力量表示画面71は、図7に示す第2画面生成部50eが生成して表示部61に表示させる。
【0077】
電力量表示画面71には、ヘッダ領域71aと、電力量表示領域71bと、電力量グラフ表示領域71cとが設けられている。ヘッダ領域71aには、電力量表示画面71の説明が表示されるようになっており、本例では電力または電力量を表示するので「電力/電力量」と表示される。電力量表示領域71bには、リセット信号が入力されてから現在までの電力または電力量が数値で表示される。電力量グラフ表示領域71cには、日時区分として1時間ごとに区分された電力または電力量が棒グラフ形式で表示され、縦軸の単位は例えばkWhである。横軸の日時区分は、1時間に限られるものではなく、1分、30分等の分ごとの区分であってもよいし、半日、1日、1週間等の日にちによる区分であってもよい。また、日時区分は、ユーザが操作部60を操作することで自由に変更することもできる。図11の表示例では、右端が現在の日時を含む日時区分における電力量であり、左は過去の日時区分の電力量であり、時間の経過に伴って電力量グラフは更新される。
【0078】
すなわち、電力量グラフ表示領域71cには、時間的に連なる複数の日時区分を有し、当該複数の日時区分のうち過去の日時区分に含まれる第2履歴データが、ロギングメモリ52に記憶された累積の電力量に基づいて各日時区分における電力量としてグラフ表示される。さらに、電力量グラフ表示領域71cには、複数の日時区分のうち現在の日時を含む日時区分に、電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量に基づき当該現在の日時を含む日時区分における電力量が順次更新されたグラフが表示される。よって、電力量グラフ表示領域71cに表示される画面は、本発明の電力量グラフ画面に相当する。
【0079】
なお、電力量表示領域71bには、特定の期間(6時間、1日、1週間、1ヶ月)の電力量を数値で表示してもよい。たとえば、電力量グラフ表示領域71cに表示される電力量の総和を数値で表示してもよい。この場合、電力量グラフ表示領域71cに表示される日時区分の範囲が変更されるのに応じて、電力量として積算する対象期間が変更される。
【0080】
図12は、リーク防止量を表示するリーク量表示画面72を示しており、このリーク量表示画面72には、リーク量の他、圧縮空気の積算流量も表示可能になっている。リーク量表示画面72は、図7に示す第1画面生成部50dが生成して表示部61に表示させる。リーク量表示画面72には、ヘッダ領域72aと、数値表示領域72bと、グラフ表示領域72cとが設けられている。ヘッダ領域72aには、図に示すように「エナジーグラフ」と表示してもよいし、「リーク量」等と表示してもよい。数値表示領域72bには、積算流量と、積算リーク量とが数値で表示される。数値表示領域72bには、積算リーク量のみ表示してもよい。グラフ表示領域72cには、ロギングメモリ52に記憶された履歴データに基づいて算出された各日時区分の積算リーク量がグラフ表示される。グラフ表示領域72cを含むリーク量表示画面72は、積算リーク量グラフ画面である。
【0081】
積算リーク量のグラフにおいて、斜線で示されている部分が積算リーク量を表しており、白抜きで示されている部分が圧縮空気の積算流量を表している。このグラフの横軸は、図10に示すグラフと同様に、日時区分として1時間ごとに区分されている。図12の表示例では、右端が現在の日時を含む日時区分における積算リーク量及び積算流量であり、左は過去の日時区分の積算リーク量及び積算流量であり、時間の経過に伴って積算リーク量のグラフは更新される。尚、積算リーク量のグラフには、積算リーク量のみ表示してもよい。
【0082】
図13は、日時区分あたりのリーク防止量を示した表示画面の例である。日時区分あたりのリーク防止量は、横軸から下へ延びる棒グラフで示している。これにより、日時区分あたりのリーク防止量をユーザが把握し易くなる。なお、グラフ表示領域72cには、積算流量とリーク量とリーク防止量とが、それぞれ異なる色の棒グラフとして一つのグラフに同時に表示されてもよい。
【0083】
図14は、エネルギー使用量表示画面73の例を示す図である。エネルギー使用量表示画面73は、例えばデータ処理部50が生成して表示部61に表示させる。エネルギー使用量表示画面73では、流量算出部50bにより算出された積算流量と、受付ポート57を介して受け付けた電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量とを合わせたエネルギー使用量を表示することができる。
【0084】
エネルギー使用量表示画面73には、ヘッダ領域73aと、数値表示領域73bと、グラフ表示領域73cとが設けられている。ヘッダ領域73aには、エネルギー使用量を表示する画面であることを示す「エナジーグラフ」と表示される。数値表示領域73bには、積算流量をエネルギー値に換算した値と、累積の電力量とを合わせた値が表示される。圧縮空気量をエネルギー値に換算する際には、ロギングメモリ52に記憶された履歴データに基づいて取得した積算流量を、データ処理部50が所定の換算係数を用いて自動的に換算する。
【0085】
グラフ表示領域73cには、ロギングメモリ52に記憶された履歴データに基づいて算出された各日時区分のエネルギー使用量がグラフ表示される。このグラフの横軸は、図10に示すグラフと同様に、日時区分として1時間ごとに区分されている。図14の表示例では、右端が現在の日時を含む日時区分におけるエネルギー使用量であり、左は過去の日時区分のエネルギー使用量であり、時間の経過に伴ってエネルギー使用量のグラフは更新される。
【0086】
グラフ表示領域73cには、ロギングメモリ52に記憶された履歴データに基づいて各日時区分の稼働率がグラフ表示される。稼働率は、測定対象の製造装置等が稼働する割合を示すものであり、たとえば、各期間に占める稼働中の期間の割合で示してもよく、最大能力に占める実際の稼働状態を割合で示してもよい。各期間に占める稼働中の期間の割合で示す場合は、たとえば、ユーザが流量計1の操作部60を介して稼働を検出するための流量のしきい値を選択可能であってもよい。この場合、流量計1のデータ処理部50は、流量センサ30により測定した配管20内の圧縮空気の流量と稼働を検出するための流量のしきい値とを比較して、稼働中か否かを判定する。データ処理部50は、稼働中か否かの判定結果に基づいて各期間に占める稼働中の期間の割合である稼働率を算出する。ロギングメモリ52には、各日時区分の稼働率が時刻情報とともに記録されてもよい。
【0087】
図15は、エネルギー量を二酸化炭素排出量に換算して表示する二酸化炭素排出量表示画面220である。二酸化炭素排出量表示画面220は、データ処理部51が生成して表示部61に表示させる。表示部61に二酸化炭素排出量を表示する際にはデータ処理部51が二酸化炭素排出量を演算する。具体的には、データ処理部51が、積算流量を、当該積算流量を供給する際に発生した二酸化炭素排出量に換算するための換算係数によって二酸化炭素排出量に換算する。換算係数は、メモリ53等に事前に記憶させておけばよい。
【0088】
二酸化炭素排出量表示画面220には、圧縮空気の使用量を二酸化炭素排出量に換算してグラフで表示するグラフ表示領域221と、圧縮空気の総使用量を二酸化炭素排出量に換算して数値で表示する総量表示領域222とが設けられている。
【0089】
グラフ表示領域221に表示される棒グラフの縦軸は圧縮空気の使用量を二酸化炭素排出量に換算した換算値(kg-CO)であり、横軸は日時区分である。棒グラフの横軸よりも下へ延びる斜線部分は、リーク防止量を二酸化炭素排出量に換算した値を示している。棒グラフの横軸よりも上へ延びる斜線部分は、リーク量を二酸化炭素排出量に換算した値を示しており、棒グラフの白部分は単位時間で消費した圧縮空気量を二酸化炭素排出量に換算した値を示している。
【0090】
総量表示領域222の上段には、測定開始信号が入力されてから現在までに消費した圧縮空気量やエネルギー使用量を二酸化炭素排出量に換算した値が表示され、下段には、リーク量またはリーク防止量を二酸化炭素排出量に換算した値が表示される。いずれを表示するかは、ユーザが選択可能になっている。
【0091】
図16は、エネルギー量を金額に換算して表示する金額表示画面230である。金額表示画面230は、データ処理部51が生成して表示部61に表示させる。表示部61に金額を表示する際にはデータ処理部51が金額を演算する。具体的には、データ処理部51が、流体の流量を、当該流量を供給するのに要した金額に換算するための換算係数によって金額に換算する。換算係数は、メモリ53等に事前に記憶させておけばよい。
【0092】
金額表示画面230には、圧縮空気の使用量を金額に換算してグラフで表示するグラフ表示領域231と、圧縮空気の総使用量を金額に換算して数値で表示する総量表示領域232とが設けられている。
【0093】
グラフ表示領域231に表示される棒グラフの縦軸は圧縮空気の使用量を金額に換算した換算値(円)であり、横軸は日時区分である。尚、通貨の設定は任意に行えるようになっている。棒グラフの横軸よりも下へ延びる斜線部分は、リーク防止量を金額に換算した値を示している。棒グラフの横軸よりも上へ延びる斜線部分は、リーク量を金額に換算した値を示しており、棒グラフの白部分は単位時間で消費した圧縮空気量を金額に換算した値を示している。
【0094】
総量表示領域232の上段には、測定開始信号が入力されてから現在までに消費した圧縮空気量を金額に換算した値が表示され、下段には、リーク量またはリーク防止量を金額に換算した値が表示される。いずれを表示するかは、ユーザが選択可能になっている。
【0095】
図17は、流量をリアルタイムで表示する流量表示画面250を示している。流量表示画面250は、データ処理部51が生成して表示部61に表示させる。流量表示画面250には、流量をリアルタイムで表示するグラフ表示領域251が設けられている。
【0096】
グラフ表示領域251には、瞬間流量が折れ線グラフの形式で表示される。さらに、グラフ表示領域251には、現在までの瞬間流量の最大値が数値で表示される最大値表示領域251aと、瞬間流量の現在値が数値で表示される現在値表示領域251bと、現在までの瞬間流量の最小値が数値で表示される最小値表示領域251cとが設けられている。
【0097】
表示部61には、メモリ35に記憶された温度、圧力、湿度のうち、任意の一または二以上を表示することもできる。例えばユーザが操作部60を操作して温度の表示を選択すると、データ処理部50はメモリ35から温度を読み出し、図18に示すような温湿度表示画面260を生成して表示部61に表示させる。圧力、湿度も同様に表示させることができる。
【0098】
温湿度表示画面260には、温度表示領域261、湿度表示領域262、露点表示領域263等が設けられている。湿度表示領域262には、メモリ35に記憶された湿度を表示させることができる。また、露点表示領域263には、温度及び湿度に基づいて算出された露点を表示させることができる。
【0099】
表示部61に表示される表示画面の遷移は、操作部60の操作によって可能になっている。すなわち、操作部61の操作をデータ処理部50が受け付けると、操作部61の操作に応じて表示画面を切り替えて表示部61に表示させることができるようになっている。
【0100】
(サイクルエネルギー)
図19は、サイクルエネルギーの測定手順を説明する図である。例えば、1サイクルで複数個の製品を製造することがあり、この場合には、使用したエネルギー量をサイクル単位で取得して表示部61に表示させることができる。
【0101】
図19に示すように、流量計1がサイクル開始待ちの状態で、サイクル開始信号が流量計1に入力されると、図7に示す受付部51fがサイクル開始信号の入力を受け付ける。受付部51fがサイクル開始信号の入力を受け付けると、流量計1がサイクル測定中となる。サイクル測定中の流量計1にサイクル停止信号が入力されると、受付部51fがサイクル停止信号の入力を受け付ける。受付部51fがサイクル停止信号の入力を受け付けると、流量計1がサイクル確定処理を実行する。
【0102】
サイクル確定処理が終了すると、サイクル開始待ちの状態になる。流量計1がサイクル測定中のときにのみ、即ち、受付部51fがサイクル開始信号の入力を受け付けてからサイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、流量算出部50bが積算流量を算出し、サイクル毎の積算流量を取得する。また、受付部51fがサイクル開始信号の入力を受け付けてからサイクル停止信号の入力を受け付けるまでの間、データ処理部50は、電力監視機器200A~200Fからの電力または電力量を積算してサイクル毎の電力量を取得する。これにより、1サイクルで使用された圧縮空気量と電力量の取得が可能になる。
【0103】
なお、1サイクルで使用された圧縮空気量と電力量は、ロギングメモリ52に履歴データとして記憶されてもよい。たとえば、ロギングメモリ52には、1サイクルで使用された積算流量や1サイクルで使用された電力量に加え、電力監視機器200A~200Fからの1サイクルで使用された電力または電力量に対応する電圧および電流の代表値をリアルタイムクロック51の時刻情報に対応付けて記憶されてもよい。ここで、電圧および電流の代表値には、1サイクル内での最大値および最小値、平均値などが含まれる。また、電圧および電流の代表値に代えて、または、加えて、電圧および電流の1サイクルの時系列データであってもよい。
【0104】
図20は、サイクルエネルギーを表示するサイクルエネルギー表示画面270を示す図である。サイクルエネルギー表示画面270は、データ処理部50が生成して表示部61に表示させる。サイクルエネルギー表示画面270には、サイクル積算流量表示領域271と、サイクル電力量表示領域272と、サイクル時間表示領域273とが設けられている。サイクル積算流量表示領域271には、1サイクルで使用された圧縮空気量が表示される。サイクル電力量表示領域272には、1サイクルで使用された電力量が表示される。サイクル時間表示領域273には、1サイクルに要した時間が表示される。1サイクルに要した時間は、サイクル開始信号が入力された時点からサイクル停止信号が入力された時点までの時間である。
【0105】
図21は、サイクルエネルギーを表示する別の例に係るサイクルエネルギー表示画面280を示す図である。サイクルエネルギー表示画面280はデータ処理部50が生成して表示部61に表示させる。サイクルエネルギー表示画面280には、エネルギー換算値表示領域281と、二酸化炭素排出量表示領域282と、金額表示領域283とが設けられている。エネルギー換算値表示領域281には、1サイクルで消費した圧縮空気量をエネルギー値に換算した値と、1サイクルで消費した電力量とを合わせた値が表示される。二酸化炭素排出量表示領域282には、エネルギー換算値表示領域281に表示されたエネルギー量を二酸化炭素排出量に換算した値が表示される。金額表示領域283には、エネルギー換算値表示領域281に表示されたエネルギー量を金額に換算した値が表示される。
【0106】
(原単位の演算機能)
流量計1は、製造現場で製造される製品1つあたりの製造に要するエネルギー量を演算する機能を有している。製品1つあたりを原単位と呼び、よって原単位のエネルギー量として、圧縮空気の使用量、電力の使用量、リーク量等を流量計1が演算してユーザに提供できる。
【0107】
原単位を演算する際には、外部の制御装置101等から、測定開始信号及び測定終了信号を流量計1に入力する。測定開始信号及び測定終了信号は、受付部50fによって受け付けられる。データ処理部50は、受付部50fが測定開始信号及び測定終了信号の受信を受け付けると、積算流量を算出する。
【0108】
一方、データ処理部50は、測定開始信号及び測定終了信号の入力回数をカウントする。測定開始信号及び測定終了信号の入力回数は、製造装置で製造された製品の個数に相当する。よって、データ処理部50は、製造装置で製造された製品の個数を、測定開始信号及び測定終了信号の入力回数に基づいて取得する。
【0109】
データ処理部50は、積算流量と、製造装置で製造された製品の個数とを取得した後、積算流量を製造装置で製造された製品の個数で割ることによって製品1つあたりの製造に使用された積算流量を演算する。これにより、圧縮空気の使用量の原単位が取得される。
【0110】
リーク量の原単位を求めることもできる。すなわち、測定開始信号及び測定終了信号の受信を受け付けると、リーク量を、測定開始信号の受信時から測定終了信号の受信時までの間だけ積算して積算リーク量として取得する。データ処理部50は、積算リーク量を製造装置で製造された製品の個数で割ることによって製品1つあたりのリーク量を演算する。
【0111】
次に、電力量の原単位の演算について説明する。データ処理部50は、電力監視機器200A~200Fからの電力量を、測定開始信号の受信時から測定終了信号の受信時までの間だけ積算することで累積の電力量として取得する。データ処理部50は、累積の電力量を、製造装置で製造された製品の個数で割ることによって製品一個あたりの製造に使用された電力量を演算する。これにより、電力の使用量の原単位が取得される。上述のようにして取得した各原単位は、データ処理部50が表示画面を生成して表示部61に表示させることができる。
【0112】
(電力監視機器の構成)
図22図23は、第1の電力監視機器200Aの斜視図であり、また、図24は第1の電力監視機器200Aの正面図である。図25は、第1の電力監視機器200A、第2の電力監視機器200B及び第3の電力監視機器200Cを1つの流量計1に接続して運用する場合を示している。図25中、符号300で示しているのは製造装置に電力を供給している電力線であり、図25では、3つのブレーカ(図示せず)によって電力線300が分岐している場合を示している。第1の電力監視機器200A、第2の電力監視機器200B及び第3の電力監視機器200Cは、図25のブロック図からも明らかなように同じものである。
【0113】
第1の電力監視機器200Aは、電流計202、電圧計203、電力量演算部204、メモリ205及び通信部206を有している。また、第1の電力監視機器200Aは、電流計202、電圧計203、電力量演算部204、メモリ205及び通信部206を収容する筐体210も有している。
【0114】
図22図24に示すように、第1の電力監視機器200Aの上下方向、左右方向及び奥行方向を定義するが、この方向の定義は説明を容易にするためのものであり、第1の電力監視機器200Aの使用時の方向を限定するものではない。
【0115】
筐体210は、左右方向の寸法に比べて上下方向の寸法が長く設定されており、筐体210の長手方向は上下方向となっている。また、筐体210の奥行方向の寸法は、左右方向の寸法よりも長く設定されている。これにより、第1の電力監視機器200A、第2の電力監視機器200B及び第3の電力監視機器200Cを左右方向に並べて使用する場合に、左右方向の寸法(幅方向の寸法)を短くすることができ、設置時のレイアウト性が良好になる。
【0116】
図23に示すように、筐体210の手前側の面(前面)の上部には、電圧計203に接続される4つの電圧計測端子203aが配設されている。4つの電圧計測端子203aのうち、2つの電圧計測端子203aが上段に、残りの2つの電圧計測端子203aが下段に配設されている。上段の2つの電圧計測端子203aは左右方向に並んでおり、また、下段の2つの電圧計測端子203aも左右方向に並んでいる。このように、4つの電圧計測端子203aを上段と下段とに分けて配設することで、各電圧計測端子203aの大型化を図りながら、筐体210の左右方向の寸法を短くすることができる。4つの電圧計測端子203aを設けているので、電力線300が2線、3線、4線のいずれであっても電圧の測定が可能である。
【0117】
また、上段の2つの電圧計測端子203aは、下段の2つの電圧計測端子203aに対して左右方向の一方(図24では右方向)にずれている。このように上段の2つの電圧計測端子203aと下段の2つの電圧計測端子203aとを左右にずらして配設することで、電力線300を接続した状態でも、電力線300の隙間から電圧計測端子203aのネジに工具をアクセスさせやすくなる。また、上段の2つの電圧計測端子203aと下段の2つの電圧計測端子203aとを左右にずらして配設することで、電圧計測端子203a間の距離が長くなり、入力定格電圧によって決まる絶縁距離を確保できる。さらに、他の電力監視機器と連結して使用する時に、他の電力監視機器との絶縁距離を、電圧計測端子203aと筐体210の左右の側面との距離で確保できるようにしている。
【0118】
図22に示すように、第1の電力監視機器200Aは、上段の保護カバー211及び下段の保護カバー212を備えている。上段の保護カバー211及び下段の保護カバー212は、感電防止用の部材であり、絶縁性を有している。上段の保護カバー211は、上段の2つの電圧計測端子203aを前方から覆うように配置される部材である。下段の保護カバー212は、下段の2つの電圧計測端子203aを前方から覆うように配置される部材である。保護カバー211、212は、上下方向にスライド可能に筐体210に取り付けられており、図23に示すように、保護カバー211、212を上方向にスライドさせて、取り外すことで、筐体210内に格納されて電圧計測端子203aを露出させることができる。
【0119】
筐体210の前面の電圧計測端子203aよりも下方には、電流計202に接続される電流計測端子202aが配設されている。すなわち、電圧計測端子203a及び電流計測端子202aは、筐体210の長手方向に並んで配設されている。電流計測端子202aは、いわゆるヨーロピアン端子で構成されており、省スペース化を図るとともに、配線作業を容易にしている。電流計測端子202aをヨーロピアン端子で構成する場合、コネクタ部が分割可能な構造になるが、例えば極数が少ないと固定力が弱く、すぐに抜けてしまうおそれがあることから、分割部まで筐体210内に埋め込み、抜け難くしている。尚、電圧計測端子203aがヨーロピアン端子で構成されていてもよい。
【0120】
図25に示す電力量演算部204は、電流計202で計測された電流値と、電圧計203で計測された電圧とに基づいて電力量を演算する部分であり、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成することができる。電力量の演算方法は従来から周知であるため、説明を省略する。メモリ205は、電力量演算部204が実行するプログラムを記憶したり、電力量演算部204が演算した電力量を一時的に記憶したりすることができる。
【0121】
通信部206は、電力量演算部204が演算した電力量を流量計1に送信する部分である。第1の電力監視機器200Aに別の電力監視機器として第2の電力監視機器200Bが接続されている場合には、第2の電力監視機器200Bの電力量演算部で演算した電力量を通信部206で受信する。通信部206で受信した電力量は、通信部206が流量計1に送信する。また、第1の電力監視機器200Aの電力量演算部204が演算した電力量を第2の電力監視機器200Bに送信し、第2の電力監視機器200Bが流量計1に送信することもできる。この場合、第1の電力監視機器200Aの通信部206は、電力量演算部204が演算した電力量を第2の電力監視機器200Bに送信する。
【0122】
第1の電力監視機器200Aは、第1増設ポート207、第2増設ポート208及び通信ポート209を備えている。第1増設ポート207、第2増設ポート208及び通信ポート209は通信部206に接続されている。第1増設ポート207は、筐体210の左側面に配設されている。第2増設ポート208は、筐体210の右側面に配設されている。第1増設ポート207と第2増設ポート208とは、筐体10の下面を基準とした時に同じ高さに位置付けられるともに、前面を基準とした時に奥行方向について同じ位置に位置付けられる。図26に第1の電力監視機器200Aの第2増設ポート208を示しており、図22に示す蓋210aを取り外すことで、第2増設ポート208を露出させることができる。つまり、第2増設ポート208の不使用時には蓋210aで覆っておくことで異物の侵入等を防止できる。図26には示さないが、第1の電力監視機器200Aの左側面に、第1増設ポート207が同様に設けられている。
【0123】
なお、通信形態は、デイジーチェーン方式であってもよく、RS-485などのマルチドロップ方式であってもよい。マルチドロップ方式の場合、電力監視機器200A~200Fの各筐体210の前面には通信アドレスを設定するための設定スイッチが設けられてもよい。設定スイッチは、たとえば、ロータリースイッチで構成され、回転位置に応じて0番~9番の通信アドレスを指定することができる。さらに、電力監視機器200A~200Fは、マルチドロップ方式の通信線のための終端抵抗を内蔵していてもよく、この場合、各筐体210の前面には終端抵抗を通信線へ接続するか切り離すかを選択するためのスライドスイッチが設けられてもよい。
【0124】
図26に示す符号218は、増設コネクタである。増設コネクタ218は、流量計1に含まれる部材であってもよいし、流量計1に含まれない部材であってもよい。増設コネクタ218は、第1の電力監視機器200Aに加えて第2の電力監視機器200Bを増設する際に使用される部材である。増設コネクタ218の左右方向一方側は、第1の電力監視機器200Aの第2増設ポート208に差し込まれて接続される。増設コネクタ218の左右方向他方側は、第2の電力監視機器200Bの第1増設ポート207に差し込まれて接続される。これにより、第1の電力監視機器200Aの第2増設ポート208と、第2の電力監視機器200Bの第1増設ポート207とが増設コネクタ218を介して通信可能に接続される。
【0125】
増設コネクタ218の左右方向の寸法は、第1の電力監視機器200Aの第2増設ポート208及び第2の電力監視機器200Bの第1増設ポート207に差し込まれた状態で、第1の電力監視機器200A及び第2の電力監視機器200Bの間に殆ど隙間が生じないように設定されている。これにより、第1の電力監視機器200A及び第2の電力監視機器200Bの間に無駄なスペースができなくなり、複数の電力監視機器200A、200Bをコンパクトにまとめることができる。
【0126】
増設コネクタ218を用いて接続した場合、第2の電力監視機器200Bを作動させるための電力が増設コネクタ218を介して第1の電力監視機器200Aから第2の電力監視機器200Bに供給される。これにより、第2の電力監視機器200Bには作動用の電力を供給するための配線が不要になる。
【0127】
また、第2の電力監視機器200Bで計測された電力または電力量は、増設コネクタ218を介して第1の電力監視機器200Aの通信部206で取得される。第1の電力監視機器200Aは、第2の電力監視機器200Bで計測された電力または電力量を通信部206及び通信ポート209を介して流量計1の受付ポート57に送る。これにより、第2の電力監視機器200Bには、流量計1と通信するための通信ケーブル201を接続せずに済む。
【0128】
図24に示すように、通信ポート209は、筐体210の前面において電流計測端子202aよりも下方に配設されている。すなわち、通信ポート209は、増設ポート207、208が配設されている側面(左側面及び右側面)とは別の面に配設されており、流量計1の受付ポート57に対し通信ケーブル201を介して接続される。また、図25に示すように、第2の電力監視機器200Bの通信ポートと、第3の電力監視機器200Cの通信ポートとを通信ケーブル201で接続することもできる。通信ケーブル201で接続する場合には、第1増設ポート207及び第2増設ポート208を使用しない。
【0129】
通信ケーブル201を用いて接続した場合、第2の電力監視機器200Bを作動させるための電力が通信ケーブル201を介して第1の電力監視機器200Aから第2の電力監視機器200Bに供給される。図25に示すように、第1~第3の電力監視機器200A、200B、200Cは、通信ケーブル201を用いた接続形態と、増設コネクタ218を用いた接続形態とのうち、どちらの接続形態でも接続できる。よって、現場に適した接続形態を選択できる。例えば、第1~第3の電力監視機器200A、200B、200Cを制御盤(図示せず)内に設置する必要がある場合に、まとまったスペースを確保できなくても、分離した状態にすることで空きスペースを利用して効率良く設置できる。また、電力量の計測対象が離れている場合には、通信ケーブル201を利用することで第1の電力監視機器200Aと第2の電力監視機器200Bとを離して設置できる。
【0130】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、製造装置に供給される圧縮空気が通過する配管20にセンサ本体1Aを設置することで、配管20内の圧縮空気の流量が流量センサ30によって測定され、その測定結果に基づいて流量算出部50bが圧縮空気の積算流量を算出できる。一方、同じ製造装置で使用される電力を電力監視機器200で監視している場合には、電力監視機器200により計測された電力または電力量が流量計1の受付ポート57を介してセンサ本体1Aで取得できる。
【0131】
流量算出部50bが算出した積算流量と、電力監視機器200から送信された電力または電力量とを、図10図16等に示すように様々な形態で表示部61に表示させることができる。これにより、同一の製造装置で消費される圧縮空気の積算流量と、電力または電力量とを一緒に表示してユーザに提示し、ユーザによる管理が行えるようになる。
【0132】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上説明したように、本開示に係る流量計は、配管内を流通する気体の流量を測定する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0134】
1 流量計
1A センサ本体
20 配管
30 流量センサ(流量測定手段)
31 圧力センサ
32 温度センサ
33 湿度センサ
50b 流量算出部(流量算出手段)
50c リーク量算出部
50d 第1画面生成部(第1画面生成手段)
50e 第2画面生成部(第2画面生成手段)
50f 受付部
51 リアルタイムクロック(実時間クロック)
52 ロギングメモリ(記憶手段)
57 受付ポート
60 操作部
61 表示部
200A 第1の電力監視機器
200B 第2の電力監視機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
図16
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図19
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図22
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図24
図25
図26