(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012193
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】半導体プロセスのための光学機器の障害検出及び動作即応性のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116412
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】63/389,498
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/352,058
(32)【優先日】2023-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505350178
【氏名又は名称】ヴェリティー インストルメンツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウィークス キュニー
(72)【発明者】
【氏名】マイク ウィーラン
(57)【要約】
【課題】半導体プロセスのための光学機器の障害検出及び動作即応性のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本開示は、光学機器、たとえば、プロセス制御機器/センサ、で、その光学機器が適切に動作していないときに、プロセスをモニタすることよりも制御可能なプロセスのモニタリングを開始しないことの方が良いと認識する。1つの態様において、本開示は、光学機器の動作状態の評価及び検証のためのシステムを提供する。1つの実例において、システムは、(1)積分光源と、(2)積分光源から光を集めるための光学センサと、(3)積分光源及び光学センサを制御するコントローラと、(4)光から取得された収集された光信号データを処理する及び動作状態を示すメトリックを導出するためのプロセッサとを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学機器の動作状態の評価及び検証のためのシステムであって、
積分光源と、
前記積分光源から光を集めるための光学センサと、
前記積分光源及び前記光学センサを制御するコントローラと、
前記光から取得された収集された光信号データを処理する及び前記動作状態を示すメトリックを導出するためのプロセッサと
を備える、システム。
【請求項2】
前記積分光源が、オン及びオフにされ得る制御可能な光源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記積分光源が、少なくとも部分的に前記光学機器内に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記集められた光信号データが、前記積分光源がオンであるとき及び前記積分光源がオフであるときに集められたデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理が、前記光学センサが前記積分光源によって生成された光に応答しているということを検証することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理が、検査差スペクトルを前記集められた光から生成することと、前記検査差スペクトルを基準である異なるスペクトルと比較することとを含み、前記検査差スペクトルが、前記光学機器の製造の後に取得され、前記基準差スペクトルが、製造中に取得される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記積分光源が、LEDである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサがさらに、前記光学機器の1つ又は複数のサブシステムの機能検査を実行又は指示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記光学機器が、分光計である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光学機器の前記動作状態を評価する方法であって、
前記光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で取得された微分光学スペクトルから差スペクトルを取得するステップと、
前記差スペクトルを分析して、前記動作状態を示すメトリックを導出するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記差スペクトルが、製造後に取得された検査差スペクトルであり、前記分析するステップが、前記検査差スペクトルを製造中に取得された基準差スペクトルと比較するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記比較するステップが、前記検査差スペクトルと前記基準差スペクトルとの差の閾値化を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記比較するステップが、前記検査差スペクトルと前記基準差スペクトルとの比率の平均値の範囲を検証するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記比較するステップが、前記検査差スペクトルと前記基準差スペクトルとの間の相関係数を計算するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記検査差スペクトルと前記基準差スペクトルとの両方が、波長情報を提供し、前記比較するステップが、前記検査差スペクトルと前記基準差スペクトルとの間の自己相関パラメータを計算することによってそれらの間の波長較正シフトを決定するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記光学機器の特定のサブサブシステムを対象とする1つ又は複数の個々の機能検査を実施するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ又は複数の個々の機能検査のうちの1つを分析することに基づいて前記光学機器の即応性又は非即応性状態を生成及び送信するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記光学機器が、分光計である、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された一連の動作命令を有するコンピュータ・プログラム製品であって、前記動作命令が、1つ又は複数のプロセッサの動作を、前記1つ又は複数のプロセッサにより開始されて動作を実行するときに指示し、前記動作が、
光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で得られた微分光学スペクトルから検査差スペクトルを取得し、
前記検査差スペクトルを基準差スペクトルと比較することによって前記検査差スペクトルを分析する
ことを含み、前記検査差スペクトルが、前記光学機器の製造の後に取得され、前記基準差スペクトルが、前記光学機器の製造中に取得される、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
光学センサと、
前記光学センサを照らすために置かれた積分光源と、
動作を実行する1つ又は複数のプロセッサと
を備える分光計であって、前記動作が、
前記積分光源を操作し、且つ前記積分光源がオンであること及び前記積分光源がオフであることに対応する微分光学スペクトル・データを処理することによって、前記分光計の機能評価を実行する
ことを含む、分光計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本出願で一般に与えられる及び参照によりその全部が本明細書に組み込まれている、2022年7月15日にAndrew Weeks Kuenyらによって出願された、発明の名称が「System and Method for Fault Detection and Operational Readiness for Optical Instruments for Semiconductor Processes」の米国仮出願第63/389,498号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して光学分光システム及び使用方法に関し、より詳細には、半導体プロセスをモニタするために使用される光学機器の使用の障害検出及び即応性に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体プロセスの光学モニタリングは、エッチング、堆積、化学機械研磨及び注入などのプロセスを制御するための確立された方法である。光学発光分光法(OES:optical emission spectroscopy)及び干渉法エンドポイント(IEP:interferometric endpoint)は、データ収集の動作のモードの2つの基本タイプである。OES適用では、プロセスから、通常はプラズマから、放射された光は、モニタされているプロセスの状態又は前進を示す原子及び分子種の変化を識別及び追跡するために、収集及び分析される。IEP適用では、光は、通常は、外部源、たとえば、フラッシュ・ランプ、から供給され、ワークピースに向けられる。ワークピースから反射したとき、供給される光は、ワークピースの状態を示す、ワークピースの反射率の形で、情報を運ぶ。ワークピースの反射率の抽出及びモデリングは、数ある特性の中で膜の厚さ及び形状サイズ/深度/幅の理解を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,049,156号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、本開示は、光学機器の動作状態の評価及び検証のためのシステムを提供する。1つの実例において、システムは、以下を含む:(1)積分光源と、(2)積分光源から光を集めるための光学センサと、(3)積分光源及び光学センサを制御するコントローラと、(4)光から取得された収集された光信号データを処理する及び動作状態を示すメトリックを導出するためのプロセッサ。
【0006】
もう1つの態様において、本開示は、光学機器の動作状態を評価する方法を提供する。1つの実例において、評価の方法は、以下を含む:(1)光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で微分光学スペクトルから差スペクトルを取得することと、(2)差スペクトルを分析して、動作状態を示すメトリックを導出すること。
【0007】
さらに別の態様において、本開示は、動作を実行するためにそれにより開始されたときに1つ又は複数のプロセッサの動作を指示する非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された一連の動作命令を有するコンピュータ・プログラム製品を提供する。1つの実例において、動作は、以下を含む:(1)光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で得られた微分光学スペクトルから検査差スペクトルを取得すること、及び(2)検査差スペクトルを基準差スペクトルと比較することによって検査差スペクトルを分析すること、そこで、検査差スペクトルは、光学機器の製造の後に取得され、基準差スペクトルは、光学機器の製造中に取得される。
【0008】
さらに別の態様において、本開示は、分光計を提供する。1つの実例において、分光計は、以下を含む:(1)光学センサ、(2)光学センサを照らすために置かれた積分光源、及び(3)動作を実行する1つ又は複数のプロセッサ。動作は、積分光源を操作することと積分光源がオンであること及び積分光源がオフであることに対応する微分光学スペクトル・データを処理することとによって分光計の機能評価を実行することを含む。
【0009】
添付の図面と併せて、以下の記述をここで参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】OES及び/又はIEPを使用して半導体プロセス・ツール内のプラズマ又は非プラズマプロセスの状態をモニタ及び/又は制御するためのシステムのブロック図を示す。
【
図2】本開示による、分光計及び特定の関連システムのブロック図を示す。
【
図3】本開示による、半導体プロセス中の光学機器への入射である可能性のある典型的なOES及びIEP光学スペクトルのプロットを示す図である。
【
図4】本開示による、光学機器検査のために使用され得る光源の代表的スペクトルのプロットを示す図である。
【
図5】本開示による、照明を当てた及び暗い検査データの代表的スペクトルのプロットを示す図である。
【
図6】本開示による、検査データの代表的差スペクトルのプロットを示す図である。
【
図7】本開示による、光学機器の障害検出及び即応性検査の例示的方法の流れ図を示す。
【
図8】本開示の原理による光学機器の機能健康評価を実行するように構成された計算デバイスの一実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述では、その一部を形成する、及び発明が実施され得る特定の実施例が実例としてそこに示された、添付の図面が参照される。これらの実施例は、発明を当業者が実施することを可能にするために十分に詳しく説明されており、他の実施例が使用され得るということを理解されたい。構造、手続き及びシステムの変更が、本発明の真意及び範囲を逸脱せずに行われ得る、ということもまた理解されたい。したがって、以下の記述は、制限的な意味で理解されるべきではない。説明を明確にするために、添付の図面に示される類似の特徴は、類似の参照番号で指示されており、図において代替実施例で示されるような類似の特徴は、類似の参照番号で指示されている。本発明の他の特徴が、添付の図面から及び以下の詳細な記述から明らかとなろう。説明を分かりやすくするために、図中のある特定の要素は正確な縮尺率ではないことがある、ということに留意されたい。
【0012】
より速いプロセス、より小さな形状サイズ、より複雑な構造、より大きなウエハ、及びより複雑なプロセス化学に向けた半導体プロセスの絶え間ない前進は、プロセス・モニタリング技術に大きな要求を突き付ける。たとえば、より高いデータ・レートは、オングストロームにおける変化(少数の原子層)がフィン電界効果トランジスタ(FINFET)及び3次元NAND(3D NAND)構造などに重要である、非常に薄い層ではるかに速いエッチング・レートを正確にモニタすることを求められる。より広い光学帯域幅及びより大きな信号対ノイズが、反射率及び光放射のいずれか/両方の小さな変化を検出するのに役立つようにOES及びIEP方法論の両方について多くの場合に必要とされる。プロセス機器が、それ自体、より複雑で高価になるので、コスト及びパッケージ・サイズもまた、一定した圧力下にある。これらの要件のすべてが、半導体プロセスの光モニタリングの性能を高めようとする。ともかく、OES方法論のために又はIEP方法論のために、受信された光学データを電気的データに確実に、矛盾なく及び正確に変換する光学機器の能力は、半導体プロセスの制御及びモニタリングのための重要な態様である。
【0013】
半導体プロセスの高いコスト、半導体ウエハの高い価値、及び処理の安全要件は、そのようなプロセスをモニタ及び制御するために使用される光学機器に厳しい要求を突き付ける。したがって、半導体プロセスをモニタ又は制御するための光学機器の即応性の評価及び検証は、重大な機能であり、光学機器の複数のサブシステムの詳細な評価を含み得る。分光計、モノクロメータ、及び、光の複数の波長を処理する他の光学デバイスは、半導体プロセスをモニタために使用される光学機器の実例である。本明細書で提供される様々な実例において、分光計は、光学機器の非制限的実例として使用される。
【0014】
本開示は、分光計が適切に動作していないとき、プロセス制御機器/センサとして、その分光計でそのプロセスをモニタするよりも制御可能なプロセスのモニタリングを開始しないことの方がよいと認識する。したがって、本開示は、半導体プロセスをモニタするために使用される前に分光計が適切に機能していることをチェックするための新しい特徴に関する。新しい特徴は、本明細書で提供される実例で開示されるものとしての方法、システム、及び計算デバイスにおいて実装され得る。たとえば、開示される方法は、知られている光源を使用して分光計の動作機能性を決定する差分検査を含む。知られている光源は、分光計のセンサを照らすために置かれた、安定した、制御可能な光源(たとえば、オン及びオフにする並びに/又は強度を調整することが可能な)である。制御可能な光源は、センサを直接照らす又は照らさないように置かれ得る。制御可能な光源は、分光計内に挿入する(又は部分的に挿入する)或いは分光計の外に置くことができる。制御可能な光源を参照して本明細書で使用されるものとしての統合は、分光計に対して内部、外部、又は部分的に内部/外部に置かれることを含む。本明細書で積分光源とも称される、制御可能な光源は、発光ダイオード(LED)、白熱光源、或いは、差動的に制御され得る(たとえば、オン及びオフにする並びに/又は強度を調整することが可能な)別のタイプの光源でもよい。緑色LEDが、本明細書で開示される様々な実例において制御可能な光源の実例として使用される。
【0015】
プロセス・ツール内の半導体プロセスの状態のモニタリング及び評価に特に関して、
図1は、OES及び/又はIEPを使用して半導体プロセス・ツール110内のプラズマ又は非プラズマ・プロセスの状態をモニタ及び/又は制御する実例プロセス・システム100のブロック図を示す。半導体プロセス・ツール110、又は単純にプロセス・ツール110、は、一般に、様々なプロセス・ガスを含み得る室135の通常は部分的に真空の体積でウエハ120及び場合によりプロセス・プラズマ130を含んでいる。プロセス・ツール110は、様々なロケーション及び向きにおける室135の観測を可能にするために、1つ又は複数の光学インターフェース、或いは単純にインターフェース、140、141及び142を含み得る。インターフェース140、141及び142は、光学フィルタ、レンズ、窓、開口部、光ファイバなどの、しかしこれらに制限されない、複数のタイプの光学要素を含み得る。
【0016】
IEP適用について、光源150は、直接に又は光ファイバ・ケーブル組立部品153を介してインターフェース140と接続され得る。この構成において示すように、インターフェース140は、ウエハ120の表面に垂直に向けられ、しばしばウエハ120に関して中心に置かれる。光源150からの光は、平行ビーム155の形で室135の内部体積に入り得る。ウエハ120から反射したビーム155は、インターフェース140によって再受信され得る。一般的適用において、インターフェース140は、光コリメータでもよい。インターフェース140による受信に続いて、光は、検出及びデジタル信号への変換のために分光計160に光ファイバ・ケーブル組立部品157を介して転送され得る。光は、供給及び検出された光を含むことができ、たとえば、深紫外線(DUV)から近赤外線(NIR)の波長範囲を含み得る。対象の波長が、波長範囲の任意の部分範囲から選択され得る。より大きな回路基板について、又はウエハ非均一性の理解が関心事である場合、通常はウエハ120と方向付けられた追加の光学インターフェース(
図1に示さず)が、使用され得る。処理ツール110はまた、他のモニタリング・オプションのための異なるロケーションに置かれた追加の光学インターフェースを含むことができる。
【0017】
OES適用について、インターフェース142は、プラズマ130からの光放射を集めるように方向付けられ得る。インターフェース142は、単純にビューポートでもよく、又はレンズ、鏡及び光学波長フィルタなどの他の光学部品を追加で含み得る。光ファイバ・ケーブル組立部品159は、任意の集められた光を検出及びデジタル信号への変換のために分光計160に向けることができる。分光計160は、検出及び変換のためのCCDセンサ及び変換器を含むことができる。
図2のセンサ250は、分光計160と使用され得るセンサの一実例を提供する。複数のインターフェースは、OES関連光信号を集めるために、個別に又は並行して使用され得る。たとえば、
図1に示すように、インターフェース141は、ウエハ120の表面の近くからの放射を集めるように位置付けられ得、一方、インターフェース142は、プラズマ130の大部分を見るために位置付けられ得る。
【0018】
多数の半導体処理適用において、OES及びIEP光信号の両方を集めることが一般的であり、この収集は、分光計160を使用するための複数の問題を与える。通常はOES信号は、時間において連続しており、その一方で、IEP信号は、時間において連続的又は個別のいずれか/両方でもよい。プロセス制御は、OES及びIEP信号の両方の小さな変化の検出をしばしば必要とし、いずれかの信号の固有の変動は、他方の信号の変化の観測を隠し得るので、これらの信号の混合は、多数の難点を引き起こす。たとえば、信号タイミング同期化、較正及びパッケージングのコスト、複雑さ、不便のため、各信号タイプの複数の分光計をサポートすることは有利ではない。
【0019】
分光計160による受信光信号の検出及びアナログ電気信号への変換の後、アナログ電気信号は、通常は、分光計160のサブシステム内で増幅及びデジタル化され、信号プロセッサ170に渡される。信号プロセッサ170は、たとえば、1つ又は複数のアルゴリズムを使用して出力180、たとえば、特定の波長の強度又は2つの波長帯の比率を表すアナログ又はデジタル制御値など、を生み出す、産業用PC、PLC又は他のシステムでもよい。別個のデバイスの代わりに、信号プロセッサ170は、別法として分光計160と統合され得る。信号プロセッサ170は、所定の波長で放射強度信号を分析する及びプロセスの状態に関連する傾向パラメータを決定するOESアルゴリズムを使用することができ、その状態、たとえば、エンドポイント検出、エッチング深度など、にアクセスするために使用され得る。IEP適用について、信号プロセッサ170は、スペクトルの広帯域幅部分を分析して膜の厚さを決定するアルゴリズムを使用することができる。たとえば、参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1を参照されたい。出力180は、プロセス・ツール110の室135内で生じる生産プロセスをモニタ及び/又は修正するために通信リンク185を介してプロセス・ツール110に転送され得る。
【0020】
図1の図示及び記述された構成要素は、便宜上単純化されており、一般に知られている。共通の機能に加えて、分光計160又は信号プロセッサ170はまた、定常及び過渡の光及び非光信号を識別する並びに本明細書で開示される方法及び/又は特徴に従ってこれらの信号を処理するように構成され得る。そのようなものとして、分光計160又は信号プロセッサ170は、光信号及びそこから抽出された時間的傾向を識別及び処理するために、アルゴリズム、処理能力、及び/又はロジックを含み得る。アルゴリズム、処理能力、及び/又はロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその任意の組合せの形を取り得る。アルゴリズム、処理能力、及び/又はロジックは、1つの計算デバイス内にあり得る、又は複数のデバイス、たとえば、分光計160及び信号プロセッサ170、にわたって分散され得る。分光計160、信号プロセッサ170、又はその組合せはまた、本明細書で開示されるものとしての機能健康評価を開始又は制御する付加的機能を実行するように構成され得る。したがって、アルゴリズム、処理能力、及び/又はロジックは、1つの計算デバイス、たとえば分光計160、内にあり得る、又は、機能健康評価を実行するために、複数のデバイスに分散され得る。たとえば、方法700のステップのうちの少なくともいくつかによる動作命令が、分光計160の動作状態の評価及び検証のために、1つ又は複数のデバイス、たとえば、分光計160と関連するメモリ、信号プロセッサ170と関連するメモリ、に記憶され得る、又は、それらの間で分散され得る。
図2の分光計210は、動作命令が記憶され得るデバイスのうちの1つの一実例を提供する。そのようなものとして、プロセス・システム100はまた、分光計160と統合された本明細書で開示されるものなどの制御可能な光源を含む。制御可能な光源161は、分光計160のセンサを照らす(直接又は間接的に)ためのそのような積分光源の一実例を提供する。制御可能な光源161は、分光計160内に位置する。分光計の外部に置かれた制御可能な光源の一実例は、
図2に示された制御可能な光源231である。
【0021】
図2は、本開示の原理による、分光計210及び特定の関連システムを含む例示的光学システム200のブロック図である。分光計210は、半導体プロセスからの光信号の測定、特徴描写、分析、及び処理に有利な本明細書で開示されるシステム、特徴、及び方法を組み込むことができ、
図1の分光計160に関連し得る。分光計210は、光信号を外部光学部品230から、たとえば、光ファイバ・ケーブル組立部品157又は159を介して、受信することができ、たとえば、動作のモードを選択すること又は本明細書で定義されるような統合タイミングを制御することによって、分光計210を制御するためにも使用され得る、外部システム220へのデータ、たとえば、
図1の出力180、を、統合及び変換に続いて、送ることができる。外部光学部品230は、たとえば、制御可能な光源231によって表される、制御可能な光源を含むことができる。別法として、制御可能な光源232は、より具体的には、光学構成要素245に関する適切な配置によって分光計210と統合され得る。分光計210は、超小型組立部品(SMA:subminiature assembly)又はフェルール・コネクタ(FC:ferrule connector)光ファイバコネクタ或いは他の光学機械インターフェースなどの光学インターフェース240を含み得る。CCD読み取り手続きが、それぞれのチャネルを正確に隔離し得るように、光学機械インターフェースは、分光計の入力に対するファイバ・アレイの向きを制御する。スリット、レンズ、フィルタ及び格子などのさらなる光学構成要素245が、受信光信号を形成し、誘導し、及び色に関して分ける並びに統合及び変換のためにそれらをセンサ250に向かわせるように作用し得る。
【0022】
センサ250の低レベルの機能が、FPGA260及びプロセッサ270などの要素によって、制御され得る。光から電気への変換に続いて、アナログ信号は、A/D変換器280に向けられ得、即座の又は後の使用及び送信、たとえば、外部システム220(
図1の信号プロセッサ170を参照)への、のためにメモリ290に次いで記憶され得る電気デジタル信号に電気アナログ信号から変換され得る。分光計210はまた、通常は分光計と含まれる従来のAC又はDC電源になり得る、電源295に含まれる。
【0023】
ある特定のインターフェース及び関係が、矢印で示されているが、すべての相互作用及び制御関係は、
図2には示されていない。
図3~
図5に示されたスペクトル・データは、たとえば、
図7のプロセス700に従って、並びにメモリ/ストレージ290、FPGA260、プロセッサ270及び/又は外部システム220のうちの1つ又は複数の内で又はそれによって、収集、記憶、及び/又は作用され得る。メモリ/ストレージ290、FPGA260、プロセッサ270、及び/又は外部システム220は、本明細書で開示されるような機能健康評価を開始又は制御するためのアルゴリズムに対応する処理能力、ロジック、及び/又は動作命令が、記憶され得る、実例を提供する。分光計210
【0024】
プロセス即応性の機能健康評価及び検証のために、光学機器の複数の機能性が、個々に又は組み合わせて検査される。これらのサブシステム及び機能性は、主電源、システムI/O電源、プロセッサ電源、FPGA電源、プロセッサブート機能性、FPGAブート機能性、システムクロック動作、イーサネット(登録商標)又は他の接続リンク、A/D電源、A/Dデータ進路動作、PPIポートデータ機能性、基本CCDクロッキング動作、データ統合時間機能性、冷却ファン動作、動作温度検証、アクセサリ光源利用可能性及び動作状況、並びに光信号ノイズ署名を含むが、これらに制限されない。1つ又は複数の実例において、複数の機能性が、検査されなければならない。加えて、ある特定の機能性は、基準として使用され得る光信号の知識なしに評価及び検証されないことがある。基準光信号を提供し得る光信号ソースの実例としては、制御可能な光源231及び232、光源150、並びに/又はプラズマ130が挙げられる。これらのソースは、光学機器の機能評価に役立つ光信号を提供するために、個々に、順次に又は組み合わせて使用され得る。これらの機能性は、CCD電源、クロック運転者動作、及びCCD信号チェーン構成要素の機能性を含むが、これらに制限されない。
【0025】
光学機器の1つの一次機能性は、光学データを収集し、処理し、半導体制御システムに送信することなので、本開示は、適切に設計された機能検査は、可変入射光学照明のポテンシャルの下でも、前述のサブシステムの有意な部分を評価及び検証するのに十分であり得る、ということを認識する。
図3は、半導体プロセス中に、光学機器、たとえば、
図1又は2の分光計160又は200、に入射し得る典型的なOES(スペクトル330)及びIEP(スペクトル320)光学スペクトルのプロット300を提供する。そのようなものとして、スペクトル320及びスペクトル330は、予期される及びモニタリング中のセンサの照明を提供する及び光学機器のプロセス即応性を決定するときに考慮される、入射光を表す。光学機器、たとえば分光計160、は、プラズマの作成(たとえば、スペクトル330をもたらす)及び/又は間接的に光源150の動作(たとえば、スペクトル320をもたらす)も制御するシステム100と統合されるので、スペクトル320又はスペクトル330が、光学機器によって提供、作成、及び受信されていないとき、光学機器は、機能評価を実行することを決定し得る又は実行するように指示され得る。光学機器はまた、処理システムの外部の白熱、LED、及び蛍光照明などの1つ又は複数の他のソースからの低制御の又は制御しにくい周囲光にさらされ得る。周囲光は、たとえば、光学インターフェース141を介してプロセス室135に入ることができ、分光計160のセンサに入射し得る。期待される入射光、たとえば、スペクトル320及びスペクトル330、によるセンサの照明と意図的でない光、たとえば、周囲光、による照明とを区別することは、有益になり得る。
【0026】
光学機器との安定した及び制御可能な光源の統合は、可変照明の問題を避ける及び前述のサブシステムのうちのすべてではないが少なくとも複数の評価を支える、微分光学スペクトルの収集を支える。微分光学スペクトルは、1)制御可能な光源がオンであるとき及び2)制御可能な光源がオフであるときなどの異なる照明条件の下で取得される光学スペクトルである。微分光学スペクトルは、差スペクトルを得るために、処理される。処理は、本明細書で論じられるような様々なスペクトルの単純な差を計算することを含むことができる。結果として得られる差スペクトルは、そのとき、制御された光源への並びに制御されていない周囲及び外部光源を条件としない光学機器の応答を表す。製造の時間に収集及び記憶された基準差スペクトルと任意のその後に収集された差スペクトルとの間の変化は、光学機器のプロセス即応性の状態又は程度の指示を提供することができる。本明細書で使用される検査差スペクトルは、製造後に集められる差スペクトルの一実例である。別法として又は基準差スペクトルとの比較に加えて、比較が、複数のその後に集められた異なるスペクトルの間で行われ得る。たとえば、光学機器の初期セットアップにおいて得られた差スペクトルは、初期セットアップの後にモニタされるプロセスのある特定の時間量又はプロセスの数において得られた差スペクトルと比較される。そのような製造後の差スペクトル及び比較は、光学機器の動作変動及び動向に関する様々な指示を提供し得る。
【0027】
図3のプロット300は、波長単位におけるx軸と信号カウント単位のy軸とを有する。
図4、5、及び6もまた、波長単位におけるx軸と信号カウント単位のy軸とを有する。
図4は、光学機器検査のために使用され得る光源の代表的スペクトルを示す。
図5は、差スペクトルを決定するために処理され得る光学スペクトル520及び530の実例を提供し、
図6は、差スペクトル620及び630の実例を提供する。
【0028】
図4は、光学機器検査のために使用され得る、光源の代表的スペクトル、トレース420及びトレース430を含む、プロット400を示す。トレース420は、それが光学センサ、たとえば、CCD、を直接に照らすように、光学機器内に位置付けられた光源、たとえばLED、のスペクトルを表す。したがって、直接照明のため、特定のスペクトル情報は、入手不可能である。トレース430は、ソースのスペクトル特徴が明白であるように光学機器内に位置付けられることを除いて、同じLED、たとえば緑色又は赤色LED、の別のスペクトルを表す。LEDは、光の色彩の分離が、たとえば格子又はプリズムより前に、生じるように、機器の光学進路内に位置付けられ得る。たとえば、センサを直接照らすように置かれるのではなくて、スペクトル特質が決定され得る場所に光源を置くことの1つの可能な利益は、光学スペクトル波長較正がより容易に評価され得るということである。それが色に関して特徴付けられ得る、狭帯域光源を提供することの付加的利益は、結果として得られるスペクトルが、光が存在するか排除されるかを前もって決定されることになる特定の波長領域(光学センサの特定の物理領域に関連する)(すなわち、
図2のセンサ250又は
図1のセンサ160などのセンサの照らされた及び暗い領域)を含む、ということである。
【0029】
図5は、CCDを直接照らす積分光源で集められたスペクトル520とCCDを照らさない積分光源で集められたスペクトル530とのプロット500を示す。スペクトル520及び530の両方において、周囲蛍光性光が、存在する。スペクトル520及び530は、製造中に集められ得、後で参照(たとえば、比較)するために記憶され得る、又は後のいつかに集められ得る。スペクトル530は、スペクトル620及び630又は
図6などの差スペクトルを提供するために、スペクトル520から差し引かれ得る。
【0030】
図6は、基準差スペクトル620及び製造後のいつかに集められた検査差スペクトル630のプロット600を示す。差スペクトル620及び630の両方が、一般に、周囲光信号を排除するということと、差スペクトルが時間とともに小さな差のみを示すということとが理解され得る。基準差スペクトル620は、製造中に決定され得(たとえば、スペクトル520及び530などから)、製造後に後で参照(たとえば、比較)するために記憶され得る。差スペクトル630は、即応性チェックの一部として規則的間隔などの任意の都合の良い時間に集められ得る。
【0031】
図7は、光学機器の障害検出及び即応性検査の使用の方法700の流れ図である。方法700のステップのうちの少なくともいくつかは、1つ又は複数のプロセッサ、たとえば、本明細書で開示されるような計算デバイス、によって実施され得る。方法700は、所定の光信号収集パラメータの選択を含み得る、任意の準備アクションが取られ得る、準備ステップ710で開始する。
【0032】
ステップ720において、電力が、光学機器に印加され得る。同様に、機器のウォーム又はコールド・ブートが、同等の初期条件を達成し得る。ステップ730の後で、本明細書に記載の機能性のうちの1つ又は複数が、評価され得る。たとえば、ブート機能性は、光学機器が通信していることを示す「準備完了」メッセージを期待する接続された外部システムと連携して評価及び検証され得る。内部で、光学機器は、他の機能性の期待される動作を評価及び検証し、内部でその情報をアーカイブに入れる、又は
図1の半導体プロセス・ツール110などの外部に接続されたシステムにそれを送信することができる。任意の個々の又はグループの機能性が、評価及び検証され得、重大性、たとえば、警報、エラー及び障害、が、個々の又はグループ評価の結果に基づいて定義され得る。たとえば、非動作ファンの指示は、動作温度の範囲内指示でグループ化され得、光学機器は、逆の指示が提示されるが、「準備完了」として分類され得る。評価及び検証は、たとえば、
図2の分光計210の、1つ又は複数のサブシステム内で記憶された及び作動するハードウェアにおいて及び/又はソフトウェアにおいて実行され得る。
【0033】
機能評価及び検証は、積分光源が、光学機器内の光学センサを照らすように構成された、ステップ740で開始するプロセス700の一部として実行され得る。光信号を提供する積分光源で、1つ又は複数のスペクトル(微分光信号の第1の部分)が、集められ、使用のために記憶され得る。統合時間、サンプリング・レート、及びサンプルの数などの収集パラメータは、ノイズ特質及び信号レベルなどの評価されるべき機能性に一致して、前もって決められ得る。ステップ750で、微分光信号データの第2の部分は、光信号を提供しない積分光源で集められ得る。ステップ740及び750は、任意の順番で実行され得る。ステップ760で、ステップ740及び750の間に集められたスペクトル・データは、差スペクトルを定義するために処理され得、1つ又は複数の即応性メトリックを抽出するために追加で処理され得る。即応性メトリック、又は単純にメトリックは、光学機器の初期製作又は製造時に記憶された基準差スペクトル(たとえば、620)と現在集められている差スペクトル(たとえば、630)の比較を含み得る。スペクトル・データ比較は、現在のスペクトルと基準スペクトルとの差の閾値化、現在のスペクトルと基準スペクトルとの比率の平均値の範囲検証、を含み得る(たとえば、平均比率は、理想的には1.0であるが、0.9~1.1の所定の範囲を有する範囲内でもよい)。スペクトル比較はまた、現在のスペクトルと基準スペクトルとの間の相関係数の計算を含み得る。現在の及び基準スペクトルが、
図4のトレース430のように波長情報を提供するように構成されるとき、自己相関パラメータが、即応性メトリックとして任意の波長較正シフトを決定するために、現在のスペクトルと基準スペクトルとの間で計算され得る。加えて、トレース430などのトレースによって提供される情報は、即応性メトリックとして迷光及び背景信号動向について分析され得る。ノイズ又は信号対ノイズ評価が、即応性メトリックとして実行及び提供されることになっている場合、スペクトル・データが、複数の統合時間又は光信号レベルにおいて集められ得る。ステップ770で、即応性又は非即応性状態が、1つ又は複数の実行された評価及び検証から決定され得、そのような状況は、外部システム、たとえば、処理ツール(たとえば、110)又は外部システム220のうちの1つ、に送信され得る。即応性が、検証されない場合、半導体プロセスは、光学機器の動作即応性が検証され得るまで、開始を禁止され得る。任意の即応性メトリック又はその組合せが、即応性を検証するために使用され得る。前述のように、1つ又は複数の即応性メトリックが、異なるやり方で導出され得る。たとえば、即応性メトリックは、光学機器について即応的か否かを決定するために、所定の閾値と比較され得る。具体的には、スペクトル比較相関関係即応性メトリックは、スペクトル強度動向における制限された変化を示す、0.9より大きいが1.1未満であることが必要とされ得る。さらに、スペクトル較正即応性メトリックは、較正動向の制限された変化を示すために、0.2nmの絶対値未満であることが必要とされ得る。方法700は、ステップ780で終了する。
【0034】
積分光源は、制御され得、
図2のFPGA260又はプロセッサ270などの統合された処理又は制御構成要素によるスペクトル・データ収集と同期され得る。FPGA260、プロセッサ270、及びメモリ290は、本明細書で開示されるプロセス、たとえば、積分光源からの光信号データを含むスペクトル・データ及び処理信号を集めること、のためにも使用することができる合成計算デバイスとして使用され得る。計算デバイスはまた、分光計210の他の要素を含み得、分散型計算システム内の外部システム220を含み得る。計算デバイスは、少なくとも1つのインターフェース(
図2に矢印で示されたような)、1つ又は複数のメモリ(たとえば、
図2のメモリ290によって表された)及び1つ又は複数のプロセッサ(たとえば、
図2のFPGA260又はプロセッサ270によって表された)を含み得る。
図8は、少なくとも1つのインターフェース810、1つ又は複数のメモリ、及び1つ又は複数のプロセッサを含む、計算デバイス800の一実例を示す。メモリ820は、1つ又は複数のメモリを表し、プロセッサ830は、1つ又は複数のプロセッサを表す。インターフェース810は、たとえば、未加工のスペクトル・データを受信するために及び、たとえば、処理されたスペクトル・データを送信するために、必要なハードウェア、ソフトウェア、又はその組合せを含む。インターフェース810はまた、光信号データを積分光源から受信し、積分光源からの光信号データに基づく機能評価の結果を送信することができる。プロセッサ830は、そこから光信号データが生成される積分光源を操作するように構成され得る。プロセッサ830は、未加工のスペクトル・データが処理のために受信されていないときに、積分光源を操作することができる。インターフェース810の一部はまた、アナログ又はデジタル電気信号を通信するための必要なハードウェア、ソフトウェア、又はその組合せを含むことができる。インターフェース810は、プロトコル、たとえば、標準プロトコル又は専用プロトコル、に従って、様々な通信システム、接続、バスなどを介して通信する従来のインターフェースであり得る(たとえば、インターフェースは、I2C、USB、RS232、SPI、又はMODBUSをサポートし得る)。メモリ820は、計算デバイスに関連する様々なソフトウェア及びデジタル・データ態様を記憶するように構成される。加えて、メモリ820は、たとえば、スペクトル・データにおいて異常信号を識別する及び識別された異常信号を処理するように開始されたときにプロセッサ830の動作を指示する1つ又は複数のアルゴリズムに対応する一連の動作命令を記憶するように構成される。処理は、信号データ又は異なるアクションを取り除くこと又は修正することを含み得る。たとえば、一連の動作命令は、分光計の健康状態を決定するために微分機能検査を制御又は指示するようにプロセッサ830(又はプロセッサ)に指示することができる。プロセス700及びその変更形態は、分光計などの光学機器の健康を検証するために使用されるアルゴリズムの実例を表す。メモリ820は、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、フラッシュ・メモリ及び/又は他の媒体)であり得る。
【0035】
プロセッサ830は、計算デバイス800の動作を指示するように構成される。そのようなものとして、プロセッサ830は、インターフェース810及びメモリ820と通信する及び健康評価のための本明細書に記載の機能を実行するための並びにスペクトル・データにおける異常信号を識別及び処理するための必要なロジックを含む。たとえば、プロセッサ830は、即応性メトリックを生成し、配信のためにインターフェース810にメトリックを提供することができ、そこで、即応性メトリックは、光学機器の機能評価を表すことができる。前述の装置、システム又は方法の一部は、様々な、たとえば、従来の、デジタル・データ・プロセッサ又はコンピュータにおいて実施する又はそれらによって実行することができ、そこで、コンピュータは、方法のステップのうちの1つ又は複数を実行するために、プログラムされる又はソフトウェア命令のシーケンスの実行可能なプログラムを記憶する。そのようなプログラム又はコードのソフトウェア命令は、アルゴリズムを表し得、前述の方法、或いは本明細書に記載の機能、システム又は装置のうちの1つ又は複数のステップのうちの1つ、複数、又はすべてを様々なタイプのデジタル・データ・プロセッサ又はコンピュータが実行することを可能にするために、非一時的デジタル・データ記憶媒体、たとえば、磁気又は光学ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ハード・ディスク、フラッシュ・メモリ、及び/或いはリード・オンリ・メモリ(ROM)、において機械実行可能な形でエンコードされ得る。
【0036】
開示される実施例の部分は、装置、デバイスの一部を実施する又は本明細書に記載の方法のステップを実施する様々なコンピュータ実施動作を実行するためにプログラム・コードをそこに有する非一時的コンピュータ可読媒体を有するコンピュータ・ストレージ製品に関し得る。本明細書では、非一時的は、一時的な、伝搬する信号を除く、すべてのコンピュータ可読媒体を参照する。非一時的コンピュータ可読媒体の実例は、以下を含むが、これらに制限されない:ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、及び磁気テープなどの磁気媒体と、CD-ROMディスクなどの光学媒体と、フロプティカル・ディスクなどの磁気光学媒体と、プログラム・コードを記憶及び実行するように特別に構成されたハードウェア・デバイス、たとえば、ROM及びRAMデバイス。プログラム・コードの実例は、両方の機械コード、たとえばコンパイラによって製作された、と、インタープリタを使用するコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含むファイルとを含む。構成されるとは、たとえば、1つ又は複数のタスクを実行するための必要なロジック、アルゴリズム、処理命令、及び/又は特徴を有して、設計、構築、又はプログラムされることを意味する。
【0037】
前述の、及び他の変更が、本明細書に記載の光学測定システム及びサブシステムにおいて、その範囲を逸脱せずに、行われ得る。たとえば、ある特定の実例が、半導体ウエハ処理機器に関連して説明されているが、本明細書に記載の光学測定システムは、ロール・ツー・ロール薄膜処理、太陽電池製作、又は、高精度の光学測定が必要とされ得る任意の適用などの他のタイプの処理機器に適応され得る、ということが理解され得る。さらに、本明細書で論じられるある特定の実施例は、一般的光分析デバイス、たとえば、画像化スペクトルグラフ、の使用を記述するが、知られている相対感度を有する複数の光分析デバイスが使用され得る、ということを理解されたい。さらに、「ウエハ」という用語が、本発明の態様を説明するときに、本明細書で使用されてあるが、水晶版、位相シフト・マスク、LED回路基板及び他の非半導体処理関連回路基板などの他のタイプのワークピースと、固体、気体及び液体ワークピースを含むワークピースとが、使用され得る、ということを理解されたい。
【0038】
本明細に記載の実施例は、発明の原理及び実際の適用例を最もよく説明するために、並びに、企図された特定の使用に適したものとしての様々な修正形態を有する様々な実施例について本発明を他の当業者が理解することを可能にするために、選択され、記述された。本明細に記載の特定の実施例は、発明の範囲及び意図を逸脱せずに様々な変更形態及び環境において実施され得るので、本発明の範囲をいかなる方法でも制限するものではない。したがって、本発明は、示された実施例に制限されることは意図されておらず、本明細書に記載の原理及び特徴と合致する最も広い範囲を受けることになっている。
【0039】
図中の流れ図及びブロック図は、本発明の様々な実施例によるシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この関連で、流れ図又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。いくつかの代替実装形態において、ブロックに示された機能は、図に示された順番以外で生じ得る、ということにも留意されたい。たとえば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行され得、又は、ブロックは、関連する機能性に応じて、逆の順番で時には実行され得る。ブロック図及び/又は流れ図のイラストレーションの各ブロック、並びにブロック図及び/又は流れ図のイラストレーション内のブロックの組合せは、指定された機能又は行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せによって、実装され得る、ということにも留意されたい。
【0040】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施例を説明することを目的としており、発明の制限を意図されていない。本明細書では、文脈で別段の明確な指示のない限り、単数形の一(「a」、「an」)及び「その」は、複数形を同様に含むよう意図されている。「含む」及び/又は「備える」という用語は、本明細書では、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/或いはそのグループの存在又は追加を排除しない、ということが理解されよう。
【0041】
本発明は、方法、システム、又はコンピュータ・プログラム製品として実施され得る、ということが当業者には理解されよう。したがって、本発明は、完全にハードウェア実施例、完全にソフトウェア実施例(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、或いは、「回路」又は「モジュール」と本明細書ですべて一般に称される、ソフトウェア及びハードウェア態様を結合する実施例の形を取り得る。さらに、本発明は、媒体において実施されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体に関してコンピュータ・プログラム製品の形を取り得る。
【0042】
本開示の様々な態様が、本明細書で開示される装置、システム、及び方法を含んで、請求され得る。本明細書で開示される及び発明の概要において言及された態様は、以下を含む:
【0043】
A.以下を含む、光学機器の動作状態の評価及び検証のためのシステム:(1)積分光源と、(2)積分光源から光を集めるための光学センサと、(3)積分光源及び光学センサを制御するコントローラと、(4)光から取得された収集された光信号データを処理する及び動作状態を示すメトリックを導出するためのプロセッサ。
【0044】
B.以下を含む、光学機器の動作状態を評価する方法:(1)光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で微分光学スペクトルから差スペクトルを取得することと、(2)差スペクトルを分析して動作状態を示すメトリックを導出すること。
【0045】
C.動作を実行するようにそれにより開始されたとき1つ又は複数のプロセッサの動作を指示する非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された一連の動作命令を有するコンピュータ・プログラム製品であり、動作は、以下を含む:(1)光学機器の積分光源の異なる照明条件の下で得られた微分光学スペクトルから検査差スペクトルを取得することと、(2)検査差スペクトルを基準差スペクトルと比較することによって検査差スペクトルを分析すること、そこで、検査差スペクトルは、光学機器の製造の後に取得され、基準差スペクトルは、光学機器の製造中に取得される。
【0046】
D.以下を含む、分光計:(1)光学センサと、(2)光学センサを照らすために置かれた積分光源と、(3)動作を実行する1つ又は複数のプロセッサ。動作は、積分光源を操作することと積分光源がオンであること及び積分光源がオフであることに対応する微分光学スペクトル・データを処理することとによって分光計の機能評価を実行することを含む。
【0047】
態様A、B、C、及びDのそれぞれは、組み合わせて以下の追加の要素のうちの1つ又は複数を有し得る:要素1:そこで、積分光源は、オン及びオフにされ得る制御可能な光源である。要素2:そこで、積分光源が、少なくとも部分的に光学機器内に位置付けられる。要素3:そこで、集められた光信号データが、積分光源がオンであるとき及び積分光源がオフであるときに集められたデータを含む。要素4:そこで、処理が、光学センサが積分光源によって生成された光に応答していることを検証することを含む。要素5:そこで、処理が、検査差スペクトルを集められた光から生成することと、検査差スペクトルを基準である異なるスペクトルと比較することとを含み、そこで、検査差スペクトルが、光学機器の製造の後に取得され、基準差スペクトルが、製造中に取得される。要素6:そこで、積分光源が、LEDである。要素7:そこで、プロセッサはさらに、光学機器の1つ又は複数のサブシステムの機能検査を実行又は指示するように構成される。要素8:そこで、光学機器は、分光計である。要素9:そこで、差スペクトルが、製造後に取得された検査差スペクトルであり、分析することが、検査差スペクトルを製造中に取得された基準差スペクトルと比較することを含む。要素10:そこで、比較することが、検査差スペクトルと基準差スペクトルとの差の閾値化を含む。要素11:そこで、比較することが、検査差スペクトルと基準差スペクトルとの比率の平均値の範囲を検証することを含む。要素12:そこで、比較することが、検査差スペクトルと基準差スペクトルとの間の相関係数を計算することを含む。要素13:そこで、検査差スペクトルと基準差スペクトルとの両方が、波長情報を提供し、比較することが、検査差スペクトルと基準差スペクトルとの間の自己相関パラメータを計算することによってそれらの間の波長較正シフトを決定することを含む。要素14:光学機器の特定のサブサブシステムを対象とする1つ又は複数の個々の機能検査を実施することをさらに含む。要素15:1つ又は複数の個々の機能検査のうちの1つを分析することに基づいて光学機器の即応性又は非即応性状態を生成及び送信することをさらに含む。要素16:そこで、光学機器は、分光計である。
【外国語明細書】