(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121945
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】磁気装置
(51)【国際特許分類】
B03C 1/28 20060101AFI20240902BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20240902BHJP
B03C 1/14 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B03C1/28 105
B03C1/00 A
B03C1/00 C
B03C1/00 F
B03C1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029204
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】518044631
【氏名又は名称】株式会社JMC
(74)【代理人】
【識別番号】100146732
【弁理士】
【氏名又は名称】横島 重信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅人
(57)【要約】
【課題】液体や気体等の流体中に混在する磁性異物を磁気的に吸着して分離すると共に、当該吸着された磁性異物を容易に除去して回収可能な磁気分離装置を提供すること。
【解決手段】複数の永久磁石を、各永久磁石の同極同士が相互に対向するように列状に配置してなる磁石列であって、当該永久磁石の間の少なくとも一部に空間を有する磁石列と、当該永久磁石間の空間と連通し、外部から吸引可能な通気管を有する磁気装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の永久磁石を、各永久磁石の同極同士が相互に対向するように列状に配置してなる磁石列であって、当該永久磁石の間の少なくとも一部に空間を有する磁石列と、
当該永久磁石間の空間と連通し、外部から吸引可能な通気管を有する磁気装置。
【請求項2】
上記永久磁石は磁極面に開口を持つ貫通孔を有する環状の永久磁石であって、当該貫通孔が上記通気管の一部を構成する請求項1に記載の磁気装置。
【請求項3】
磁極が対向する方向での上記永久磁石の間の空間の幅が0.1~45mmである請求項1に記載の磁気装置。
【請求項4】
磁極が対向する方向での上記永久磁石の間の空間の幅が、上記通気管の側で広がっている請求項1に記載の磁気装置。
【請求項5】
上記永久磁石の表面の少なくとも一部が非磁性体で構成される部材により被覆されている請求項1に記載の磁気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に液体や気体等の流体中に混在する磁性体粒子を、磁気の作用を利用して吸着して分離するための磁気装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、主に液体や気体等の流体中に不純物等として存在する各種の磁性体粒子を除去する目的で、当該流体に外部から磁場を印加することで磁性体粒子を吸着して除去する装置が広く使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、食品や医薬品、化学薬品等の被処理物中から鉄粉等の磁性体粒子からなる異物を除去するための棒磁石等が記載されている。当該棒磁石は、相互に同極が対向するようにヨークを介して棒状に配置された複数の希土類磁石から構成され、当該棒磁石を非磁性体であるチタン合金の筒に挿入してなるものである。
【0004】
上記の棒磁石の構成を採ることにより、同極の希土類磁石に挟まれたヨークは、当該希土類磁石から発した磁束を取り込むと共に、棒磁石の表面に露出したヨークの表面(開放端)から当該磁束を放出するため、実質的に各ヨーク材がN極又はS極の磁極として作用するものである。そして、当該ヨークの厚みを調整することで、当該棒磁石の表面での各ヨークの表面積が調整可能であり、特にヨークの表面積を縮小することによりヨークから放出される磁束の密度を高めることで、希土類磁石を単体で使用した場合よりも鉄粉等の異物の除去能力を高めるものである。
【0005】
特許文献1に記載の棒磁石では、上記希土類磁石とヨークを組み合わせたものを非磁の筒に挿入して使用することで、磁力によって吸引された鉄粉等の異物は、ヨーク付近の筒の表面に吸着して固定される。
特許文献1に記載の棒磁石(マグネットバー)と同様の構成を有する磁力装置を非磁性体で構成される筒(保護筒)に収納して使用する例は、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4などにも記載され、各種の液体や気体等の流体中に混在する磁性体粒子を吸着して分離するための手段として広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-303714号公報
【特許文献2】特開2006-102625号公報
【特許文献3】特開2001-9322号公報
【特許文献4】特開2003-211022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、複数の希土類磁石等の永久磁石の同極同士を対向させることで構成したマグネットバーを非磁性体で構成される保護筒に収納して各種の流体内に含まれる磁性異物の分離を行う場合、当該磁性異物は保護筒の表面に吸着されることによって流体から分離される。一方、当該磁性異物の分離を継続して行うことにより、保護筒の表面に吸着した磁性異物が蓄積し、更に磁性異物を吸着する際の吸着力が低下するため、定期的に吸着した磁性異物を除去することが必要となる。
【0008】
マグネットバーを収納した保護筒の表面に吸着した磁性異物の除去の手段として、例えば、特許文献2には、保護筒の内部からマグネットバーを引き抜くことで保護筒への吸着力を無くした状態で磁性異物を脱離させて除去することが記載されている。また、特許文献3には、保護筒の外部をリング状のスクレーパーで扱くことによって磁性異物を磁力の強い位置から移動させて脱離・除去することが記載されている。また、特許文献4には、保護筒の外部に吸着した磁性異物にエアを吹き付けることによって、磁性異物を保護筒から脱離・除去することが記載されている。
【0009】
上記特許文献2~4等に記載の手段によっても保護筒の外部に吸着した磁性異物を脱離・除去することが可能である。一方、例えば、特許文献2に記載の方法で保護筒の外部に吸着した磁性異物を除去する際には、当該保護筒を含むマグネットバーを処理装置から取り外した状態で磁性異物を除去する操作を行う必要があり、処理装置の休止時間が長くなる問題を生じる。
【0010】
また、上記特許文献3,4等に記載の手段によれば、マグネットバー等を処理装置に取り付けた状態で保護筒からの磁性異物の除去操作が可能である一方、保護筒から脱離した磁性異物は当該処理装置の内部に開放されることで処理装置の内部が汚染され、その後の処理の際に非処理物を再汚染する原因となり、その防止のために処理装置の内部を洗浄する必要などを生じる結果、同様に処理装置の休止時間が長くなる問題を生じる。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決して、液体や気体等の流体中に混在する磁性異物や、非処理物に付着した磁性異物を磁気的に吸着して分離すると共に、当該吸着された磁性異物を容易に除去して回収可能な磁気装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を提供する。
<1>複数の永久磁石を、各永久磁石の同極同士が相互に対向するように列状に配置してなる磁石列であって、当該永久磁石の間の少なくとも一部に空間を有する磁石列と、当該永久磁石間の空間と連通し、外部から吸引可能な通気管を有する磁気装置。
<2>上記永久磁石は磁極面に開口を持つ貫通孔を有する環状の永久磁石であって、当該貫通孔が上記通気管の一部を構成する上記の磁気装置。
<3>磁極が対向する方向での上記永久磁石の間の空間の幅が0.1~45mmである上記の磁気装置。
<4>磁極が対向する方向での上記永久磁石の間の空間の幅が、上記通気管の側で広がっている上記の磁気装置。
<5>上記永久磁石の表面の少なくとも一部が非磁性体で構成される部材により被覆されている上記の磁気装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る磁気装置によれば、被処理物に含まれる磁性異物を吸着して被処理物から分離すると共に、当該吸着した磁性異物を容易に磁気装置から脱離させて外部に回収可能であり、磁気装置に磁性異物が吸着することにより低下する吸着力の回復が容易であって、当該吸着力の回復のために処理の中断時間等を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る磁気装置の一例を示す模式図(斜視図)である。
【
図2】本発明に係る磁気装置による磁性異物の吸着機構を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る磁気装置による磁性異物の吸着と脱離の機構を示す模式図である。
【
図4】本発明に係る磁気装置の他の例を示す模式図(断面図)である。
【
図5】本発明に係る磁気装置で使用される永久磁石の形態を示す模式図である。
【
図6】本発明に係る磁気装置で使用される永久磁石の形態を示す模式図である。
【
図7】本発明に係る磁気装置で使用される永久磁石の間隙部分の形態を示す模式図である。
【
図8】本発明に係る磁気装置で使用される永久磁石の間隙部分の形態を示す模式図である。
【
図9】本発明に係る磁気装置により磁性異物を分離回収する装置の一例を示す模式図(断面図)である。
【
図10】本発明に係る磁気装置により磁性異物を分離回収する装置の他の一例を示す模式図(断面図)である。
【
図11】本発明に係る磁気装置により磁性異物を分離回収する装置の他の一例を示す模式図(斜視図)である。
【
図12】本発明に係る磁気装置における永久磁石の配置の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
液体や気体等の流動性の被処理物に含まれる磁気によって吸着可能な磁性体粒子等(以下、磁性異物ということがある。)や、被処理物に付着した磁性異物を磁力装置が発生する磁場によって吸着して除去しようとした際には、被処理物が流動する経路等に磁性異物を吸着するための磁極を有効に分布させ、被処理物において当該磁場の内部を通過していない部分の発生を防止することが必要となる。
【0016】
特許文献1~4等に記載されるマグネットバーは、当該必要性を満足するための手段であって、複数の永久磁石とヨークを所定の様式で組み合わせることによって、全体として複数の磁極が所定の間隔で直線状に分散して配置された磁力装置としたものであり、必要に応じて複数のマグネットバーを処理室の内部等に配置することによって、処理室の内部を流れる被処理物がいずれかの磁極の近傍を通過するようにして、被処理物に含まれる磁性異物の捕捉率を高めるものである。
【0017】
上記マグネットバー等から発する磁束の総量は、それに使用される永久磁石が発する磁束の総和、又はそれ以下になることから、使用目的に適した磁束の分布を発生させる磁力手段を構成する際には、使用する永久磁石の発する磁束を有効に活用可能な構造を採ることが望ましい。上記マグネットバーは当該磁力手段の構成の一例であり、特に同極同士を対向して配置される永久磁石の間に設置されるヨークは、当該永久磁石から発する磁束を効率的に活用するための部材であると考えられる。
【0018】
つまり、マグネットバーにおいて永久磁石の間に設置される磁性金属等で構成されるヨークは、当該ヨークが接触する磁極から発する磁束を効率良く吸収すると共に、当該ヨークの開放端から垂直方向に磁束を放出する役割を果たすものである。また、当該ヨークの開放端の表面積はヨークの厚みに比例することから、当該ヨークの厚みを調整することによってヨークの開放端から放出される磁束密度を調整可能である。特に薄いヨークを使用することで、使用する永久磁石よりも高い密度の磁束を放出することが可能となる等、永久磁石の間に設置されるヨークは、永久磁石から発する磁束を目的に応じて効率的に活用するために使用されている。
【0019】
一方、上記のようにヨークを使用して、特許文献1~4等に記載されるマグネットバーを構成した場合には、永久磁石から発する磁束が当該ヨークの開放端から放出されるため、磁性異物等は当該ヨークの開放端の付近に吸着して堆積することとなり、それを除去しようとした際には、例えば、特許文献2~4等に記載される手段が必要とされる。
【0020】
上記従来技術に対して、本発明者が、複数の永久磁石を含むマグネットバー状の磁気装置であって、特に当該磁気装置に吸着した磁性異物等を容易に除去可能な磁気装置の構造について種々検討した結果、本発明に係る磁気装置を創作するに至ったものである。
【0021】
本発明者が種々検討したところ、特許文献1等に記載される磁気装置によって磁気的に吸引されて吸着し、堆積した磁性異物の少なくとも一部は、空気等の気体や各種の液体等の流れに晒されることによって比較的容易に磁気装置から脱離可能であることを見出し、これを利用することにより、特許文献1等に記載される磁気装置に堆積した磁性異物の少なくとも一部を回収することで、当該磁気装置を使用して磁性異物を分離するための処理装置の休止時間を短縮可能であるとの知見を得たものである。
【0022】
つまり、本発明に係る磁気装置は、複数の永久磁石を、各永久磁石の同極同士が相互に対向するように列状に配置してなる磁石列であって、当該磁石列に含まれる永久磁石の間の少なくとも一部には空間が設けられていると共に、当該永久磁石の間の空間と連通し、外部から吸引可能な通気管を有することによって、当該通気管の内部を外部から吸引することによって減圧することで、当該空間を介して磁気装置の外側にある液体や気体等の流体を通気管の内部に誘導可能としたものである。当該構成を有することにより、磁気装置を構成する永久磁石等に吸着した磁性異物等の少なくとも一部を、当該流体の流れによって脱落させて回収可能とすることが可能となる。
【0023】
図1には、本発明に係る磁気装置の一形態を模式的に示す。
図1に示す磁気装置1では、直方体状の形状を有する複数の永久磁石2を使用し、各永久磁石2の同極同士が相互に対向するように空間5を介して列状に配置してなる磁石列が、組み付け部材8によって保持された構造を有している。
図1に示す磁気装置1では、永久磁石2で構成される磁石列の面(各永久磁石2のN極面/S極面と略直交する側面を含む面)の内の一方の面が磁気装置の外部に露出すると共に、他方の面の側が組み付け部材8との間で通気管3としての空間を形成している。
上記磁気装置1を構成する際には、組み付け部材8によって各永久磁石2から生じる磁場が影響されないように、非磁性体によって構成される組み付け部材8を使用することが好ましい。
【0024】
例えば、磁性異物が混在する液体や気体等の流体や、磁性異物が付着した非処理物等を、
図1に示す磁気装置1に対して接触するように、又は、磁気装置1の近傍を通過するように供給することによって、永久磁石2が発する磁場によって流体内等の磁性異物が引き付けられて磁気装置に吸着し、当該磁性異物を流体内や非処理物の表面から分離することが可能である。その際に、
図1に示す構成を有することによって、磁性異物を、主に磁気装置1を構成する各永久磁石2のN極とS極の端部に集中して吸着させることが可能であり、更にその吸着量が増加することで、各永久磁石2の間の空間5が磁気装置の外部に開口する開口部を塞ぐように磁性異物を堆積させることが可能である。
【0025】
そして、上記のような磁性異物の吸着の形態を利用して、適時に通気管3の内部を図示しない送風機やポンプ等の吸引手段によって減圧して吸引することで、永久磁石2に堆積した磁性異物を脱落させて回収可能であり、磁気装置に吸着した磁性異物の量を減少させて、磁気装置1の磁性異物に対する吸着力を回復させることで、再度、流体内の磁性異物の分離除去を効率的に吸着可能とすることができる。
【0026】
図1に示す磁気装置1を磁性異物が混在する液体や気体等の流体を接触させた際に、磁性異物が主に磁気装置1を構成する各永久磁石2のN極とS極の端部に集中して吸着する理由は、以下のように考察される。
図2には、各種の永久磁石等の組合せの様式に応じた磁性異物の吸着の形態を示す模式図を示す。単一の永久磁石2(
図2(a))に着目した場合、磁性異物等は当該磁石のN極とS極の表面に吸着し、当該N極とS極が磁性異物等の吸着のための実質的な磁極6として機能すると考えられる。一方、特許文献1等に記載されるような、ヨークを介して永久磁石2の同極同士を対向させた構造においては(
図2(b))、永久磁石2のN極/S極の全面から放出された磁束がヨークに吸収され、空間等に露出したヨークの開放端から当該磁束が空間中に放出されることから、当該ヨークの開放端が実質的な磁極6として機能し、当該ヨークの開放端の付近に磁性異物が吸着するものと考えられる。
【0027】
他方、例えば、
図2(d)に示すように、永久磁石の異極同士が対向するように配置した場合には、各永久磁石から放出される磁束が当該対向して存在する磁極に直線的に吸収されるために、磁気装置の外部に放出される磁束が著しく減少し、磁気装置の周囲を通過する磁性異物の捕捉が困難になる。
【0028】
これに対して、
図2(c)に示すように、永久磁石の同極同士が空間を介して対向するように配置した際には、永久磁石2のN極(S極)の表面のうちで、特に隣接するN極(S極)と空間を介して対向する部分においては、当該空間の内部に磁界の傾きが存在しないために、実質的に磁束が放出(吸収)されないものと考えられる。一方、当該永久磁石2のN極(S極)の表面の端部付近においては、隣接するN極(S極)を見込む角以外の角度が存在するために、当該角度に向けて磁束が放出されて当該部分が実質的な磁極6として機能し、その結果、磁気装置の外部に永久磁石2が発する磁束が放出されて、磁気装置の周囲を通過する磁性異物を効率的に吸着可能になるものと考えられる。
【0029】
また、
図2(c)に示す構成において、実質的な磁極6として機能する永久磁石2の各磁極の端部の面積は、永久磁石2の各磁極の面積よりも小さいために、永久磁石2から放出される磁束の集束を生じて、使用する永久磁石2が本来有する磁束密度よりも高い密度の磁束が磁気装置の外部に放出可能であると考えられる。
【0030】
図3には、
図1に示す磁気装置1における磁性異物の吸着と、その脱離の様子を模式的に示す。
図1に示す磁気装置1においては、永久磁石2の同極同士を空間を介して対向して配置することで、永久磁石2の各磁極の端部を実質的な磁極6として磁性異物等を吸着させることができる。その際に、当該永久磁石2の間の間隔を所定の範囲に調整することにより、例えば、
図3(a)に示すように、吸着した磁性異物10が磁気装置の外部の空間と永久磁石2の間の空間5とを仕切るように堆積させることが可能である。
【0031】
上記のように永久磁石2の各磁極の端部に吸着した磁性異物については、通気管3を介して当該永久磁石2の間の空間5を吸引することにより、気体や液体の流動によって上記堆積した磁性異物10の一部又は全部を脱落させて回収する(
図3(b))ことが可能である。その際に、上記で説明したように、当該永久磁石2のN極面/S極面の中央付近の部分は実質的に磁極として作用しないため、脱落した磁性異物10は容易に当該空間5内を通過して通気管3の側に吸引可能である。
また、上記磁性異物10を吸引して回収する際には、永久磁石2の各磁極の通気管3の側の端部に吸着した磁性異物10についても、磁極間の空間5を介した吸引により脱落して回収することが可能である。
【0032】
図1に示す実施形態においては、それぞれ4個の永久磁石2から構成される磁石列を使用して磁気装置を構成する例を示すが、本発明はこれに限定されず、本発明に係る磁気装置の用途等に応じて、適宜の個数の永久磁石2を使用して磁気装置を構成することができる。また、各永久磁石2の形状は直方体状に限定されず、例えば、アーチ状などの異形状等の永久磁石を使用することで、磁性異物10を吸着可能な面積を増加することができる。
【0033】
また、本発明で使用する永久磁石2の材質等は特に限定されず、磁性異物10を吸着可能な程度の磁力を生じる磁石であれば特に制限無く使用することができる。一方、永久磁石2により生じる磁力が強いことにより効率的に磁性異物を捕捉可能であり、例えば、Fe-Nd系やSm-Co系などの希土類磁石等の強い磁場を形成可能な永久磁石を使用することが望ましい。
【0034】
また、例えば、永久磁石の単位体積当たりに発生される磁束の総量が一定である場合には、永久磁石から発生される磁束の総量は、当該永久磁石の体積に比例するため、吸着の目的とされる磁性異物が有する磁性の強さや等に応じて、永久磁石の体積や、形状等を決定することが望ましい。
また、隣接する永久磁石の間の間隔に応じて永久磁石が発する磁束の分布等が変化し、当該間隔を狭くすることにより永久磁石から発する磁束密度が高めることが可能であり、非処理物である流体に含まれる磁性異物に対して強い吸引力を生じることができる。
【0035】
一方、隣接する永久磁石の間の間隔を広くすることにより、実質的に磁極として作用する面積が広がり、より多くの磁性異物を吸着することが可能となる。その際に、隣接する永久磁石の間に形成される空間5が永久磁石の磁極面と垂直方向に有する幅を、例えば、0.1~45mm程度にすることにより、磁気装置の周囲を通過する磁性異物を良好に吸着可能であると共に、所定量の磁性異物を吸着して維持することが可能である。
【0036】
上記永久磁石の間に形成される空間5の幅は、例えば、吸着される磁性異物のサイズに応じて決定されるものであり、当該磁性異物の平均直径の3~4倍以上とすることで、吸着した磁性異物を当該空間を通じて通気管3の側に良好に誘導することができる。当該観点からは、例示的に、当該空間5の幅を1~3mm以上程度とすることが考慮される。一方、当該空間5の幅が広くなるに従って、各磁極から発せられる磁束の集束の程度が低下すると共に、通気管3を通じた吸引の際の流体の流速が低下することから、当該空間5の幅を20mm以下、或いは10mm以下程度とすることが考慮される。
【0037】
図1に示す磁気装置1において、組み付け部材8は、所定の位置に各永久磁石2を保持すると共に、永久磁石2の間の空間5を吸引する際の通気管3を構成している。永久磁石の近傍に磁性体(強磁性体)を配置した際には、永久磁石を発した磁束が当該磁性体を通過するように誘導されるため、各永久磁石2から生じる磁場が影響されないように、組み付け部材8を非磁性体によって構成することが好ましい。一方、磁気装置1が発する磁束の分布を調整する等の目的に応じて、組み付け部材8の一部を磁性体で構成することで、当該磁性体をヨーク(継鉄)とすることも可能である。
【0038】
また、
図1に示す磁気装置1においては、永久磁石2の表面が露出する形態で組み付け部材8によって固定されるが、本発明はこれに限定されず、例えば、永久磁石を非磁性体で構成される適宜の保持部材で覆った状態で組み付け部材8によって固定することにより、一般に脆性を示す永久磁石を保護して破損を防止することができる。また、その際に、永久磁石から発する磁束の分布を調整する等の目的で、当該保持部材の一部にヨークとして作用する磁性体を使用することができる。
【0039】
なお、本発明において非磁性体と記載する場合は、強磁性を示さない物質を意味するものとし、例えば、チタン合金、アルミニウム合金、SUS304等の合金や、各種の樹脂材料などは非磁性体に該当する。
また、
図1に示す磁気装置1においては、磁石列を構成する各永久磁石2の間の間隙の全てが空間とされているが、本発明はこれに限定されず、磁気装置1が使用される用途等に応じて、各永久磁石2の間の間隙の一部分に磁性体や非磁性体を含むことができる。
【0040】
本発明に係る磁力装置の具体的な形態等は、例えば、
図1等に記載するものに限定されず、その用途等に応じて適宜に決定することができる。
図4には、本発明に係る磁気装置の他の形態について模式的に示す。
図4に示す磁気装置は、
図5(a)に示すような、環状の永久磁石2を使用する点で
図1に記載の磁気装置と相違する。
【0041】
図4に示す磁気装置で使用される永久磁石2(
図5(a))は、磁極(N極,S極)の面に開口した貫通孔21を有しており、当該形態の永久磁石2を組み付け部材8を使用して、当該永久磁石の同極同士が対向するように配置されて固定される。
図5(a)に示す形態の永久磁石が
図4に示すように組み合わされることにより、当該貫通孔21が通気管3の一部(貫通孔によって形成される空間4)を構成し、当該貫通孔21を介して永久磁石間の空間5を吸引することができる。
【0042】
つまり、
図4に示す磁気装置は、
図1に示す磁気装置と対比した際に、
図1においては組み付け部材8が通気管3の一方の面(
図1における下面)を構成しているのに対して、
図4に示す磁気装置では環状の永久磁石2を使用することによって、当該部分も永久磁石で構成したものに相当する。
図4に示す構成にすることで、
図1に示す構成と比較して磁気装置に含まれる永久磁石の体積が増加することによって、磁気装置の周囲に放出される磁束量が増加すると共に、磁性異物を吸着可能な表面積が増加する点で、より効率的に流体などの中から磁性異物を分離して吸着することができる。
【0043】
図4に示す磁気装置においても、当該磁気装置を、磁性異物を含む液体や気体中に設置することにより、各永久磁石2の磁極の端部付近に磁性異物10を吸着することができる(
図4(a))と共に、通気管3を介して磁石間の空間5を介して吸引することで、当該磁性異物10を脱落させて回収する(
図4(b))ことで、磁気装置に吸着した異物を除去して磁性異物の除去能力を回復することができる。
【0044】
図4に示す磁気装置において使用される永久磁石が有する貫通孔21は、
図4に示すように、当該貫通孔によって形成される空間4を介した吸引を可能とするものであって、当該貫通孔を囲む当該永久磁石は、必ずしも一体のものとして形成されている必要はない。例えば、複数の永久磁石を非磁性の部材等によって締結する等により、全体として環状を成すことにより
図4に示す形態の磁気装置を構成する際に使用することができる。また、本発明に係る磁力装置を使用する用途等に応じて、例えば、
図5(b)に示すように永久磁石を含む環の一部を、適宜の非磁性体23で構成することができる。
【0045】
また、環状の永久磁石2の外形等は、
図5に示すような円形に限定されず、磁気装置が収納される空間の形状に応じて、例えば、磁極の面が矩形等の外形とされた永久磁石を使用することができる。
図6には、永久磁石2が取り得る形態等について、例示的に示す。環状の永久磁石2は、
図6(a)に示すような略矩形の形状を有することが可能であって、当該永久磁石2に設けられる貫通孔21の断面形状も適宜の形状とすることができる。
【0046】
また、
図4に示す磁気装置において、実質的な磁極として機能する磁極の端部付近を均一に吸引する目的で、
図6(b)に示すように、複数の貫通孔21を有することができる。また、
図4に示す磁気装置が使用される際の流体の流れに応じて、例えば、
図6(c)に示すような形状にすることによって、流体の流れに対する抵抗を低下させることも可能である。また、例えば、
図6(d)に示すように、流体の流れに対する抵抗を低下させる形状を有する非磁性体23のカバーを使用する等、永久磁石2の形態等はその用途に応じて適宜決定することができる。
【0047】
環状の永久磁石2の貫通孔21の断面積を大きくすることにより、通気管3を介して減圧する際の流通抵抗が低減され、各永久磁石に吸着した磁性異物10の脱落を良好に行うことができる。一方、永久磁石2が有する磁性異物10を吸着するための磁力を高める点からは、貫通孔21の断面積を小さくして、永久磁石2の体積を大きくすることが好ましい。
【0048】
図7には、本発明に係る磁気装置において、同極同士を対向させて配置される永久磁石2の間隙付近の構造の例を示す。本発明に係る磁気装置においては、隣接する永久磁石2の間に堆積した磁性異物を吸引可能とする空間が設けられていれば良く、永久磁石2の間の間隙付近を各種の態様とすることができる。
【0049】
例えば、
図7(a)に示すように、永久磁石2の間の間隙の幅を、磁気装置の外部側と通気管3の側で変化させ、例えば、磁気装置の外部側において永久磁石2の間の間隙の幅を小さく、通気管3の側で広くすることにより、磁極の端部に付着して堆積した磁性異物の付近で通気管3を介して吸引する際の気体等の流速を高めることが可能であり、磁性異物の脱落をより生じ易くすることができる。
【0050】
また、
図7(b)に示すように、永久磁石2の間の空間に後退可能な状態で開閉弁28を挿入した状態で磁性異物の吸着を行い、その後に開閉弁28を後退させて通気管3を介して吸着した磁性異物を吸引することが可能である。当該開閉弁28を構成する材質は特に限定されないが、特に当該開閉弁28を磁性体で構成することにより、当該開閉弁28はヨークとして実質的な磁極として作用し、当該開閉弁28の端部に磁性異物を吸着することができる。そして、開閉弁28を後退させることで当該開閉弁28の端部の磁束密度が低下し、通気管3を介した吸引により容易に脱離して回収することが可能となる。
【0051】
例えば、磁性異物を含む流体を加圧して流通させる経路に、本発明に係る磁気装置を設ける際に、
図7(b)に示す機構を設けることで、流体の流通時に永久磁石2の間の空間に開閉弁28を挿入して当該空間を閉じることで、当該空間からの流体の漏出を防止しながら磁性異物の吸着を行うことができる。一方、当該流体の加圧を停止した状態で開閉弁28を後退させて通気管3を介して吸引することにより、磁性体28等に付着した磁性異物を脱落させて回収し、磁気装置の清掃を行うことができる。
【0052】
その他、
図7(c)に示すように、永久磁石2の表面の全部又は一部を非磁性体23で覆うことにより、永久磁石2により形成される磁場に大きな影響を与えない状態で永久磁石2を保護することができる。
また、
図7(d)に示すように、永久磁石2の間隙に各種の素材で構成され通気性を有するメッシュ部材25を充填して使用することもできる。その際に、メッシュ部材25を非磁性体で構成することにより、永久磁石2によって引き付けられた磁性異物が当該メッシュ部材25の表面付近に保持可能であり、その後に通気口を介して吸引することにより、メッシュ部材25の内部の空間を通じて当該磁性異物を脱離させて回収することができる。また、メッシュ部材25を磁性体で構成することにより、当該メッシュ部材25はヨークとして作用し、主に当該メッシュ部材25の表面付近に磁性異物を吸着して堆積することができる。当該堆積した磁性異物は、メッシュ部材25の内部の空間を通じて回収することができる。
【0053】
また、
図7(e)に示すように、永久磁石2から放出される磁束を、永久磁石2の磁極の端部に集中可能とするような形態で磁性体24を永久磁石2の磁極に設けることで、磁性異物に対する吸着力を高めることができる。また、
図7(f)に示すように、隣接する永久磁石2の中央部付近に、永久磁石2の磁極との間に空間を設けた状態で磁性体24を設置することにより、永久磁石2の磁極の中心部付近から発する磁束を当該磁性体24によって有効に誘導し、永久磁石2が形成する磁場を効率的に利用することができる。
【0054】
図8には、本発明に係る磁気装置において、同極同士を対向させて配置される永久磁石2の間隙付近の構造の他の例を示す。
図8(a)に示すように、永久磁石2の同極同士を対向して配置する際に、適宜のスペーサー26を使用し、当該永久磁石2の間の間隙の一部のみを空間とすることができる。当該形態とすることにより、当該空間を磁性異物を含む流体の下流側に向けることで、磁性異物以外の被処理物が永久磁石2の間の空間に流入することを防止可能とすることができる。当該スペーサー26は磁性体、非磁性体のいずれとすることも可能であり、特に磁性体で構成されるスペーサー26を使用することで、当該スペーサー26の開口部付近への磁性異物の吸着が促され、磁性異物の吸着と、その後の脱離を良好に行うことができる。
【0055】
また、
図8(b)に示すように、対向して配置される永久磁石2の磁極の表面に所定の溝部27等を設けることで、通気管3を介して磁極間を吸引する際の流れを制御可能であり、吸着した磁性異物の脱離を良好に行うことができる。当該、永久磁石2間の空間を流れる流体の流れを制御する溝部27は、永久磁石2の磁極の表面に設けられる以外に、例えば、
図7(f)のような形態で磁極間に設置される磁性体24の表面に設けることも可能である。
【0056】
図9には、本発明に係る磁気装置を使用する形態の一例を模式的に示す。本発明に係る磁気装置は、例えば、非処理物である粉体32を気流で搬送する搬送装置において、当該搬送経路に設けた処理室30の内部に本発明に係る磁気装置1を設置して、その近傍を粉体32が通過するように供給して流動させることにより、粉体32に混入した磁性異物10を磁気装置1に吸着することで粉体32から分離することができる。
【0057】
所定の時間、上記の処理を継続することで所定量の磁性異物10が磁気装置1に吸着した際に、粉体32の供給を停止し、或いは粉体32の供給を継続した状態で、通気管3を介して吸引を行うことで、磁気装置1に吸着した磁性異物10の一部又は全部を脱落させて回収し、磁気装置1の磁性異物の吸着能力を回復することができる。また、その際に、通気管3の経路にフィルター材31を設置することにより、磁性異物10を分離して回収することができる。
【0058】
上記のような使用によって、磁性異物の吸着によって、磁気装置が有する磁性異物の吸着能力が低下した際に、当該磁気装置の清掃のために処理装置を分解する等の必要がなく、短時間で磁気装置が有する磁性異物の吸着能力を回復可能である。
また、例えば、上記通気管3の経路に設けたフィルター材31において、フィルター材31に回収された磁性異物について、その形状の観察や成分の分析を行うための画像解析装置、顕微鏡、蛍光X線装置を備えることで、磁性異物の発生原因等についての情報を取得することが可能となる。また、フィルター材31の重量変化を検出するための重量計等のフィルター材31に回収された磁性異物の量を検出することや、通気管3の経路に設けた圧力計等によって吸引力の変化を検出することで、装置のメンテナンス時期などを知ることが可能となり、メンテナンス時期の到来を外部に出力することが可能となる。
【0059】
図9に示す本発明に係る磁気装置を有する搬送装置の他の動作方法として、搬送装置の内部の処理室30を洗浄する等によって磁性異物10を除去可能である場合には、粉体32の供給を停止した状態で通気管3から圧縮した気体を挿入することにより、より効果的に磁気装置1に吸着した磁性異物10を脱落させることも可能である。
本発明に係る磁気装置は、気流中に含まれる磁性異物10の分離除去の他、液体中に分散して存在する磁性異物10の分離除去にも同様に使用することができる。その他、本発明に係る磁気装置は、全体として流動性を有する各種の粘性体や液体、各種微粒子を含む気体に対して好適に使用することが可能である。
【0060】
図9に示す形態で本発明に係る磁気装置1を使用する際には、
図9に示すように、直線的に永久磁石2を配置する他、搬送装置の処理室30の形状等に応じて、例えば、円弧を描くように永久磁石2を配置する等により、処理室30の内部を通過する非処理物に対して均一に磁場を印加することができる。また、処理室30の内部に設置される永久磁石2の体積を増加させることが可能となり、磁気装置1が発揮する吸着力が向上すると共に、磁性異物10を吸着可能な磁極の面積が増加する点でも好ましい。
【0061】
また、
図9に示す形態で本発明に係る磁気装置1を使用する際に、非処理物である粉体32が磁気装置1の有する空間に侵入して処理の効率が低下することを防止する等の目的で、例えば、
図10に示すような形態で磁気装置1の上流側にカバー材34を設置して、磁気装置1の下流側の側面において磁性異物10の吸着を行うことも有効である。
【0062】
本発明に係る磁気装置は、例えば、食品用途として、各種の果汁飲料、ひき肉等のように、金属部材による粉砕加工を経る液体や粘性体に含まれる磁性異物の分離に好適に使用することができる。また、小麦粉、米粉、デンプン粉等のように、金属部材による粉砕加工を経て生成した粉体を気体中に分散した状態で本発明に係る磁気装置を用いることにより、混入した磁性異物を良好に分離することができる。また、各種の電池の製造等に使用され、磁性異物の混入を防止する必要のあるポリマーの原料粉やポリマー溶液等の工業材料に対しても好適に使用することができる。
【0063】
図11には、本発明に係る磁気装置1を使用する形態の他の例を模式的に示す。本発明に係る磁気装置は、例えば、非処理物であるシート材35を搬送する搬送装置において、当該搬送経路のシート材35に本発明に係る磁気装置を対面・接近させて設置することにより、当該シート材35に付着した磁性異物を吸着除去する目的で使用することができる。
図10には、非処理物であるシート材35の一方の面に本発明に係る磁気装置1を対面させて使用する場合について示すが、本発明はこれに限定されず、一対の磁気装置1を使用してシート材35の両面について同時に磁性異物を吸着除去することが可能である。
【0064】
図11に示す形態で本発明に係る磁気装置1を使用する際には、通気管3を介して永久磁石間の空間5から気体(空気)を吸引しながらシート材35に磁気装置1を対面させて磁性異物を吸着除去することにより、永久磁石2に吸着した磁性異物が適時に脱離して通気管3の側に吸引されるため、長時間の処理を継続して行うことができる。
【0065】
図11に示す形態で本発明に係る磁気装置1を使用する際には、シート材35の全面が磁気装置1の形成する磁場の中を確実に通過するように、磁気装置1を構成することが望ましい。
図12には、シート材35の搬送方向36に対する永久磁石2の配置方法の例を示す。
図12(a)に示すように、永久磁石間の空間5の長手方向とシート材35の搬送方向36を直交させて配置する以外に、永久磁石間の空間5の長手方向と当該搬送方向36が並行になるように配置することができる(
図12(b))。また、
図12(c)に示すように、永久磁石間の空間5の長手方向とシート材35の搬送方向36が0~90度の角度を成すように配置することにより、シート材35の幅方向に印加される磁場が均一化すると共に、シート材35の各部が磁力の最も強い領域を複数回通過するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、被処理物に含まれる磁性異物を効率的に分離可能であると共に、磁性異物の吸着によって、磁気装置が有する磁性異物の吸着能力が低下した際に、短時間で磁気装置が有する磁性異物の吸着能力を回復可能であり、磁性異物の除去処理の効率を向上することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 磁力装置
2 永久磁石
3 通気管
4 磁気装置の内部の空間
5 永久磁石間の空間
6 実質的な磁極
7 ヨーク(磁性体)
8 組み付け部材
9 磁力線
10 磁性異物
21 貫通孔
22 分極方向
23 非磁性体(非磁性部)
24 磁性体
25 メッシュ部材
26 スペーサー
27 溝部
28 開閉弁
30 処理室
31 フィルター
32 粉体
34 カバー材
35 シート材
36 シート材の搬送方向