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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121981
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ぱちんこ遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029255
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡會 育也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC07
2C333AA11
2C333CA58
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA16
2C333GA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】興趣性の高い演出を実行可能なぱちんこ遊技機を提供する。
【解決手段】音量調整機能と光量調整機能を有する遊技機であって、音量調整機能を機能させた場合には、調整された音量で音量調整確認音を出力し、光量調整機能を機能させた場合には、調整された光量に応じて光量調整確認音を出力する。変動演出の実行中は音量調整機能および光量調整機能に関する確認音は出力しない。変動が停止した直後であって、変動中のBGMが継続して出力される場合には、音量調整確認音を出力することなく調整された音量にてBGMを出力し続ける。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御し、所定の条件が成立した場合に特別遊技を実行する主制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
前記演出制御手段の制御によって動作する演出手段と、
前記演出手段は、
演出に関する表示を行う演出表示手段と、
発光演出を行う演出ランプと、
音声出力を行うスピーカと、
前記演出手段に接続されて遊技者の操作入力に関する情報を前記演出制御手段に入力可能な演出入力手段とを有し、
前記演出入力手段には前記演出ランプの発光輝度を調整する光量調整手段と、前記スピーカの音量を変更する音量調整手段とを有し、
前記特別遊技の実行可否に係る遊技が進行していない状況下では、前記光量調整手段による発光輝度の調整または前記音量調整手段による音量の調整を行う場合、調整された発光輝度レベルまたは音量レベルに応じて所定の確認音が出力可能であり、
前記特別遊技の実行可否に係る遊技が進行している状況下では、前記光量調整手段による発光輝度の調整または前記音量調整手段による音量の調整を行う場合、前記所定の確認音を出力せず、
前記音量調整手段による音量の調整がされた場合、前記確認音が調整後の音量レベルにて出力されるとともに、前記演出に関する音声出力の音量レベルを直後から調整後の音量レベルに設定可能とするように構成しており、
前記演出の実行に関する制御状態が特定の演出制御状態であり、前記特別遊技の実行に関する遊技が、前記特別遊技を実行しない結果となって終了した後であって、新たな遊技が開始されない状況下、前記遊技の実行中から前記遊技が停止した後の期間に跨って前記演出制御状態における音声出力の少なくとも一部が継続して出力されている場合、前記音量調整手段による音量の調整に伴う前記確認音を出力することなく、継続出力されている音声が調整後の音量レベルに応じた音量で出力されることを特徴とするぱちんこ遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のぱちんこ遊技機では、遊技者が演出ボタン等の演出操作手段を操作して演出の進行に関与する演出を実行するぱちんこ機であって、演出の進行として演出表示のみでなく振動やランプ発光などを伴う演出を実行するぱちんこ遊技機が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-205711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来のぱちんこ遊技機のように、遊技者が演出操作手段の操作を行うことにより演出態様に変化を与える演出に関し、演出表示装置以外の他デバイスにおける演出態様を工夫することで興趣の高い演出を提供するが求められている。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みたもので、興趣性が高い演出を実行可能なぱちんこ遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、遊技の進行を制御し、所定の条件が成立した場合に特別遊技を実行する主制御手段と、演出を制御する演出制御手段と、演出制御手段の制御によって動作する演出手段と、演出手段は、演出に関する表示を行う演出表示手段と、発光演出を行う演出ランプと、音声出力を行うスピーカと、演出手段に接続されて遊技者の操作入力に関する情報を演出制御手段に入力可能な演出入力手段とを有し、演出入力手段には演出ランプの発光輝度を調整する光量調整手段と、スピーカの音量を変更する音量調整手段とを有し、特別遊技の実行可否に係る遊技が進行していない状況下では、光量調整手段による発光輝度の調整または音量調整手段による音量の調整を行う場合、調整された発光輝度レベルまたは音量レベルに応じて所定の確認音が出力可能であり、特別遊技の実行可否に係る遊技が進行している状況下では、光量調整手段による発光輝度の調整または音量調整手段による音量の調整を行う場合、所定の確認音を出力せず、音量調整手段による音量の調整がされた場合、確認音が調整後の音量レベルにて出力されるとともに、演出に関する音声出力の音量レベルを直後から調整後の音量レベルに設定可能とするように構成しており、演出の実行に関する制御状態が特定の演出制御状態であり、特別遊技の実行に関する遊技が、特別遊技を実行しない結果となって終了した後であって、新たな遊技が開始されない状況下、遊技の実行中から遊技が停止した後の期間に跨って演出制御状態における音声出力の少なくとも一部が継続して出力されている場合、音量調整手段による音量の調整に伴う確認音を出力することなく、継続出力されている音声が調整後の音量レベルに応じた音量で出力される。
【0007】
なお、以上の発明に係る構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したもの、発明を実施するための形態に記載された実施形態や変形例に係る構成もまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、興趣性の高い演出を実行可能なぱちんこ遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】前提とするぱちんこ遊技機の正面図である。
図2】上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の正面方向の斜視図である。
図3】上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の背面方向の斜視図である。
図4】前提とするぱちんこ遊技機に取り付けられた遊技盤を示す斜視図である。
図5】前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。
図6】前提とするぱちんこ遊技機の遊技状態の遷移を示す図である。
図7】前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の電源投入処理を示す図である。
図8】上記電源投入処理中の遊技停止状態設定処理を示す図である。
図9】前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の割込み処理を示す図である。
図10】前提とするぱちんこ遊技機の当否抽選テーブルを示す図である。
図11】前提とするぱちんこ遊技機の当り図柄抽選テーブルを示す図である。
図12】前提とするぱちんこ遊技機の低ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。
図13】前提とするぱちんこ遊技機の高ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。
図14】前提とするぱちんこ遊技機の限定的な期間に参照される特殊変動パターン抽選テーブルを示す図である。
図15】前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の電源投入処理を示す図である。
図16】前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の割込み処理を示す図である。
図17】前提とするぱちんこ遊技機の通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)の遊技演出を表した図である。
図18】前提とするぱちんこ遊技機の大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況の遊技演出を表した図である。
図19】前提とするぱちんこ遊技機において大当り遊技を実行している状態の遊技演出を表した図である。
図20】前提とするぱちんこ遊技機の特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
図21】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの正面視図(球皿より上側)を示す図である。
図22】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの待機中(待機デモ演出)の表示例を示す図である。
図23】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の変動開始タイミングを示す図である。
図24】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の初回の擬似変動でセリフ予告が実行されている様子を示す図である。
図25】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の初回の擬似変動でセリフ予告が進行した様子を示す図である。
図26】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の初回の擬似変動でリーチ演出が実行されている様子を示す図である。
図27】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の初回の擬似変動でリーチ演出にて特殊図柄の停止煽りが実行されている様子を示す図である。
図28】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の初回の擬似変動で擬似変動(擬似連)演出の実行が確定的となったことを報知している様子を示す図である。
図29】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の2回目の擬似変動が開始された様子を示す図である。
図30】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の2回目の擬似変動にてウィンドウステップアップ予告を実行している様子を示す図である。
図31】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示の2回目の擬似変動にてウィンドウステップアップ予告をの結果である予告アニメーションを表示している様子示す図である。
図32】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出が実行されている様子を示す図である。
図33】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出の連打パターンの表示例を示す図である。
図34】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出の一撃パターンの表示例を示す図である。
図35】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出の成功(大当り)態様の表示例を示す図である。
図36】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出の失敗(はずれ)態様の表示例を示す図である。
図37】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技者操作演出を行う変動表示にて高期待度リーチであるコンビバトルリーチ演出の復活演出の表示例を示す図である。
図38】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例2の変動演出の流れを示す図である。
図39】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例2の裏ボタン演出におけるランプの発光態様の例を示す図である。
図40】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例2のスペシャルフラッシュ予告におけるランプの発光態様の例を示す図である。
図41】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例2の虹色発光におけるランプの発光態様の例を示す図である。
図42】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例3の時短モード状態の演出表示例を示す図である。
図43】第1実施例のぱちんこ遊技機Pのオートボタン(自動操作)機能の設定時におけるセリフ予告の表示例を示す図である。
図44】第1実施例のぱちんこ遊技機Pのオートボタン(自動操作)機能の設定時におけるセリフ予告において、演出ボタンを操作した場合の表示例を示す図である。
図45】第1実施例のぱちんこ遊技機Pのブロック破壊リーチ演出の表示例を示す図である。
図46】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの連撃ボタンアクション予告の表示例を示す図である。
図47】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの連撃ボタンアクション予告の演出ボタン操作時の表示例を示す図である。
図48】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの一撃チャンス演出の表示例を示す図である。
図49】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの一撃チャンス演出の演出レバー操作後の表示例を示す図である。
図50】第1実施例のぱちんこ遊技機Pの特殊な状況における演出カスタマイズ機能の使用例を示す図である。
図51】第1実施例のぱちんこ遊技機Pのボタン操作後アイコン表示演出の低期待度時の表示例を示す図である。
図52】第1実施例のぱちんこ遊技機Pのボタン操作後アイコン表示演出の高期待度時の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(前提技術)
以下、本発明の前提とするぱちんこ遊技機(以下「前提技術」)について図面を用いて説明する。前提技術に係るぱちんこ遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機を図1および図3に示すとともに、このぱちんこ遊技機に設けられる遊技盤を図4に示しており、まず、これらの図を参照して、ぱちんこ遊技機の機械構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
【0011】
[ぱちんこ遊技機の機械構成]
始めに、ぱちんこ遊技機Pの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機Pは、図1および図2に示すように、外郭方形に構成され、遊技施設において固定される外枠P1の開口前面に、外枠P1の開口に合わせたサイズで方形に構成された前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。
【0012】
前枠P2には、遊技盤P5とガラス枠P3とが着脱可能にセットされている。ガラス枠P3は方形状であり、前枠P2の前面側に上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられて保持される。遊技盤P5は、前枠P2の前面側に着脱可能にセットされ、閉鎖保持されるガラス枠P3のガラスP301を通して遊技盤P5の正面側に設けられた遊技領域P501を遊技者が視認可能に構成されている。また前枠P2およびガラス枠P3は、ぱちんこ遊技機Pの正面右側縁部に設けられた施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入し、左右方向のいずれかに回転させることで、回転方向に応じて、外枠P1と前枠P2の施錠が解除または前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除される。具体例としては、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して右方向に回転させると外枠P1と前枠P2の施錠が解除され、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して左方向に回転させると前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除されるようになっている。
【0013】
ガラス枠P3の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿P340(上球皿P341及び下球皿P342)が設けられる。またガラス枠P3には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプP350や、遊技の展開状況に応じて効果音などの音を出力可能なスピーカP370が設けられている。ガラス枠P3の下部中央には、所定の演出操作を行うための演出操作手段P380が取り付けられ、前提技術として示す本ぱちんこ遊技機が有する演出操作手段P380は、押下入力式のボタンP381と傾倒操作式のレバーP382とを備えており、ボタンP381は常時遊技者操作を可能とする一方、レバーP382はガラス枠に備えられた可動物(枠可動役物P360)の1つであり、操作手段自体が上方に突出した状態(入力許可状態)に変位した場合に操作入力を可能とする(1の演出操作手段にて、複数の操作が可能となっている)。
【0014】
前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作および発射強度の調整を行うハンドルP204が設けられている。前枠P2の下部には、さらに発射装置ユニットP240を備え、図示を省略するが、上球皿P341に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P241、この球送り機構から送り出された遊技球を遊技領域P501へ向けて打ち出す発射機構(ロータリーソレノイドで駆動される打球槌)を有する発射装置P242、球送り機構P241や発射装置P242の作動を同期的に制御する発射制御基板P243などが設けられている。
【0015】
遊技盤P5(遊技盤ユニット)は、図4に示すように、透明な合成樹脂や木材を用いて矩形の平板状に形成された基材をベースとして構成されている。なお、図1は遊技盤P5を含むぱちんこ遊技機Pを前面側から見た正面図であり、図4は遊技盤ユニットP5の斜視図を示す。図4は遊技盤ユニットに備えられた演出役物P560(「可動演出装置」「演出可動体」「演出可動役物」等とも呼ぶ)が動作している状態を図示している。遊技盤P5の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レールP502と、遊技盤の下部中央付近から外レールP502の内側における左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レールP503と、右上部の外レールP502の端部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾りP504とを備えており、外レールP502と内レールP503とレール飾りP504とで囲まれた内側に略円形の遊技領域P501が区画形成されている。この遊技領域P501は、略中央に配設される後述のセンター役物P540を基準として、センター役物P540の左側の領域である左側領域P501L(左打ち領域)と、センター役物の右側の領域である右側領域P501R(右打ち領域)とを有している。また、外レールと内レールとにより、発射装置ユニットP240により打ち出された遊技球を遊技領域P501へ案内するための案内通路が形成される。
【0016】
遊技領域P501には、図示しない多数本の遊技釘P510や風車P511とともに、第1始動入賞口P711(第1始動口)、第2始動入賞口P721(第2始動口)、一般入賞口P731、普図作動口P741(普図作動ゲート装置)、大入賞口P751(アタッカー)、等の各種入球装置(賞球が発生する場合は「入賞装置」と称する)が配設されている。なお、大入賞口は1つとしてもよいし、複数有するよう構成してもよい。また、本明細書において、入球装置の構成上、遊技球が入球装置に入球した後に排出されるもの、入球装置に入球した後にさらに遊技領域P501を流下するもの(ゲートタイプ)に対し、遊技球が内部の検出スイッチで検出されることを「入球」「入賞(特に賞球が発生するもの)」と称し、ゲートタイプの入球口のように下流の遊技領域に流下するものついては、特に「通過」と区別して記載する場合を有する。また、入球装置を入球口、入賞装置を入賞口と称することがある。
【0017】
また、遊技領域P501の右下には、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52、普通図柄表示装置P53など、後述の主制御基板にて点灯制御される主制御表示装置P50が集約的に配設されている。遊技領域P501の略中央にはセンター役物P540が配設されており、このセンター役物P540の開口を通して演出表示装置P80の画面が視認可能に設けられている。このセンター役物P540の上部等には、遊技の展開状況に応じた演出動作を行う演出役物P560(可動役物装置)が設けられている。遊技領域P501の下端部には、各種入球装置の入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口P790が設けられている。各種入賞装置の入賞口に入球した遊技球又はアウト口P790に流入した遊技球は、遊技盤P5に前後貫通して形成された貫通孔(図示せず)を通じて遊技盤P5の後面側へ流下し、前枠P2下部の回収流路(遊技済み球通路)に収集され、発射した遊技球の総数を検出するための前枠下部に備えられたアウト球センサP792(発射球数センサ)を通過したのち遊技機外へ排出される。
【0018】
第1始動入賞装置P710は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第1始動入賞装置P710には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口P711が設けられている。第1始動入賞口P711への遊技球の入球は、第1特別図柄に係る抽選に使用される乱数の取得契機となっており、第1始動入賞口P711への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第1特別図柄に係る抽選が実行される。
【0019】
第2始動入賞装置P720は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第2始動入賞装置P720には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口P721および後述する普通図柄抽選に当選した場合に第2始動入賞口P721への入球を容易となる状態に切り替える可動体である普通電動役物P770が設けられている。第2始動入賞口P721への遊技球の入球は、第2特別図柄に係る抽選に使用される乱数の契機となっており、第2始動入賞口P721への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第2特別図柄に係る抽選が実行される。第2始動入賞装置P721は、普通電動役物P770の作用により遊技球が第2始動入賞口P721へ入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が第2始動入賞口P721へ入球不能又は入球困難な閉状態とに変化する。つまり、第2始動入賞装置P720は、開状態に変位しなければ遊技球が第2始動入賞口へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。なお、普通電動役物P770の構造は様々な態様が知られており、可動体P771が開くことによる入球容易性の変化がなされる構造ではない場合があるため、「開状態」「閉状態」をそれぞれ「入球容易状態(入球容易態様)」「入球困難状態(入球困難態様)」と表記する場合を有する。
【0020】
一般入賞装置P730は、左打ち領域P501Lに配置された左側一般入賞装置P730Lと、右打ち領域P501Rに配置された右側一般入賞装置P730Rとを有している。本前提技術におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、左側一般入賞装置P730Lとして、3つの一般入賞口P731La~P731Lcが1のユニットとして構成されている一方、右側一般入賞装置P730Rは後述する大入賞装置P750の一部として構成されている。一般入賞口P731への遊技球の入球は、他の入賞装置と同じく賞球払出の契機となる。なお、前提とするぱちんこ遊技機の一般入賞口P731の個数や位置はあくまで一例であり、右打ち領域P501Rにのみ配置されるよう構成する等としてもよい。
【0021】
普図作動ゲート装置P740(普図作動口)は、普通図柄遊技に対応する始動入球口として設けられている。この普図作動ゲート装置P740には、遊技球が通過可能な作動ゲートP741が設けられており、入球した遊技球は遊技盤の遊技領域の下流をさらに流下可能に構成されている。作動ゲートP741への遊技球の通過は、第2始動入賞装置P720を開状態とするか否か、すなわち普通電動役物P770を作動させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。なお、変形例として普通図柄抽選の契機となる機能を前述した一般入賞口P731に備えるように構成することも可能であり、この場合には、普通図柄抽選を実行する機能に加えて、賞球を発生させる機能を1の入賞装置として設けることも可能である(普図作動入賞口)。
【0022】
大入賞装置P750は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りや小当りとなった場合に開閉動作する大入賞口P751(特別電動役物P755)を有して構成されており、「アタッカー(装置)」などと呼称する場合を有する。大入賞装置P750は、遊技球が大入賞口P751へ入球可能又は入球容易な開状態(例として特別電動役物が作動P755した状態)と、遊技球が大入賞口P751へ入球不能又は入球困難な閉状態(例として特別電動役物P755が非作動の状態)とに変化する。大当り遊技においては、大入賞口P751の開閉動作を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。なお、特別電動役物P755が作動した状態であっても、一連の作動パターン(「開放パターン」とも呼ぶ)により、大入賞口P751を構成する可動体P756が入球困難な閉態様となる場合を有する。
【0023】
また、大入賞装置P750には、遊技機の仕様(スペック)によっては、遊技球が通過可能な特定領域P760(「Vゾーン」、「V領域」と呼ばれ、機能によっては「確率変動機能作動領域」、「継続領域」などと呼ぶ)が設けられる場合を有する。この「特定領域」に関する機能として、(ア)大当り遊技中の特定領域に対する通過を契機として大当り遊技の後に確率変動機能(後述)を作動させること、(イ)小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与すること、(ウ)大当り遊技中の特定のラウンドにおいて特定領域を通過したか否かに基づいて、後続のラウンドの実行を確定的としたり、実行しないものとしたりすること、などが例として挙げられる。なお、「特定領域」に対し、通過の容易性を変化させるための構造体である開閉部材P761(弁部材)が設けられてもよく、開閉部材P761の作用により流下経路を振り分けられることで、特定領域P760又はそれ以外の非特定領域を通過するように構成してもよい。また、大当り遊技中や小当り遊技中において、特定領域P761の遊技球の通過が有効となる期間と無効となる期間とを有してもよい。
【0024】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて、大入賞装置P750は、遊技領域P501における右側領域P501R(右打ち領域)に設けられている。そのため、大当り遊技又は小当り遊技では、遊技領域P501に向けて遊技球を発射する際に、右側領域P501Rを狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで大入賞口P751への入球が容易となっている。
【0025】
続いて、前提とするぱちんこ遊技機Pの背面側の基本構造を説明する。前枠の背面側には、中央に遊技盤ユニットP5を取り付けるために前後連通する窓口を有した裏セットユニットP4が取り付けられている。裏セットユニットP4には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP401、貯留タンクP401からの遊技球を流下させる樋部材P402、樋部材により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP410、賞球払出ユニットP410から払い出された遊技球を上球皿P341又は下球皿P342へ流下させる裏側通路部材P403などが設けられている。また、貯留タンクP401から球皿P340までの遊技球流下経路上には、球抜き機構(球抜き操作レバーP405、操作レバーに連動して遊技球を流路上から排除する流路を形成する弁部材P406)が設けられている。
【0026】
遊技盤P5の背面側には、ぱちんこ遊技機Pの遊技進行を統括的に制御する主制御基板P40や、主制御基板P40の制御に伴う遊技進行に合わせた演出全般の制御を行う演出制御基板P41、遊技展開に応じた画像表示の制御を行う画像制御基板P42などが取り付けられている。なお、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41および画像制御基板P42は、演出表示装置P80(液晶表示装置)と一体化されたアッセンブリ状態で演出表示ユニットを構成している。これに対して、裏セットユニットP4の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板P43や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P44(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P5の背面又は裏セットユニットP4の背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行や、演出の実行が可能に構成されている。
【0027】
[機能ブロック]
図5は、前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
【0028】
ぱちんこ遊技機は、遊技機外部から供給される交流電源に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板P44と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御基板P40(主制御CPU)と、賞球の払出しや遊技球の発射を制御する枠制御装置としての払出制御基板P43(払出制御CPU)と、演出的な動作や処理を制御する演出制御基板P41とに機能を分担させた形態で構成される。なお、図中に示す矢印は機能別に、上方の送受信の関係を実線矢印で示し、電気的接続の関係を破線矢印にて示している。
【0029】
電源基板P44は、基板上に設けられた電源スイッチP47を操作することによって、後述する主制御基板P40、演出制御基板P41、払出制御基板P43、並びにそれらに電気的に接続する各種遊技用装置に対し、動作に必要となる電力を生成して供給する。詳細は後述するが、電源スイッチP47の電源投入操作は、遊技機の設定に係る情報の処理の開始契機となるスイッチ操作であるため、電源スイッチは不正な操作を防止するため開閉カバーに覆われた状態で保護されている。
【0030】
主制御基板P40は、第1始動入賞口P711(特図1始動口スイッチP712)、第2始動入賞口P721(特図2始動口スイッチP722)、大入賞口P751(大入賞口スイッチP752)、普図作動口P741(普図作動口スイッチP742)や、その他の検出スイッチである一般入賞口P731(左側一般入賞口,右側一般入賞口)、アウト口P790などの各種の遊技進行に係る検出スイッチや、設定キースイッチP49、振動検知センサP72、磁石センサP73などの各種遊技の管理や不正監視に用いられるスイッチやセンサと接続される。主制御基板は、これらのスイッチから各種の遊技状態の発生に係る情報の入力を得て、遊技進行に係る制御内容の決定をするとともに、ソレノイド等で構成され、大当りや小当りの際に大入賞口P751を拡開させるために駆動される特別電動役物駆動手段P70や、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物P770を入球容易状態とするために駆動される普通電動役物駆動手段P71といった遊技用装置に対して、駆動態様に係る情報の出力を行う。
【0031】
主制御基板P40に接続するセンサ等は、主制御基板上の入力ポートと呼ばれる端子に接続して、センサ検出に基づく各種遊技状態の発生の有無を主制御基板P40に情報として通知し、特別電動役物駆動手段P70や、普通電動役物駆動手段P71、その他、発射装置P242に対する発射許可信号などを出力ポートと呼ばれる端子から出力された情報を受け取ってそれぞれの装置、デバイスを制御する。
【0032】
また、主制御基板P40は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示装置P51、P52や大当りや小当りの種類(ラウンド数)を報知するラウンド表示灯P54、遊技状態を報知する状態表示灯P55などの各種表示を行う主制御表示装置P50や、遊技機の性能(例えば通常遊技中におけるベース値、すなわち発射総数に対する賞球数の割合)を表示する性能表示装置P59などと接続する。なお、「ベース値」に関して、始動入賞口P711等の入賞を除外して計上するデータなど、他の計上方法も多種存在するが、本件発明にて必要な場合に別途説明を行い、前提とするぱちんこ遊技機の説明では詳細は割愛する。
【0033】
主制御基板P40は、上記の他に外部情報出力端子P77や試験端子P78等により遊技機外部の装置と電気的に接続可能に構成されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、主制御基板P40は、遊技機内の他の制御基板である演出制御基板P41、払出制御基板P43とも電気的に接続している。
【0034】
払出制御基板P43は、主制御基板P40から送信される賞球払出や主制御基板の制御状態を示す信号等に基づいて、払出装置P410による賞球の払出を制御するほか、遊技者によるハンドルP204の操作を受けて発射装置ユニットP240による遊技球の発射に係る制御を行う。払出装置P410は、一例として払出モータP411と球計数センサP412有するものであり、払出モータP411の回転により、遊技球を1球ずつ払出可能に構成される。発射装置(発射装置ユニット)P240は、球皿P340(上球皿P341)に滞留している遊技球を1球ずつ球送りユニットP241によって発射可能位置へ移動させた後、打球槌を遊技球にぶつけることで遊技球を発射させるよう構成されている。なお、払出制御基板P43には、主として遊技機の初期化や、遊技中に発生したエラーの解除に用いられるラムクリアスイッチP48が配設されており、払出制御基板P43と主制御基板P40の接続に使用されるハーネスやコネクタを介して、ラムクリアスイッチP48の操作情報が主制御基板に入力されるようになっている。
【0035】
演出制御基板P41は、演出表示装置P80、演出可動役物P560の駆動源や位置検出センサ(例えば、駆動モータや、初期位置検出センサ、演出位置検出センサ)、スピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出入力装置ユニットP380(例えば演出操作手段P81である演出ボタンP381、演出レバーP382、十字キーP383など)、演出ランプP82(「装飾ランプ」「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」とも称する)と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、演出制御基板P42と、演出表示装置P80の接続は、演出表示装置P80(例えば液晶表示装置などの画像を表示する装置)の表示制御を行う画像制御基板P42(VDP)などを介して接続するものであってもよい。また、本前提とするぱちんこ遊技機では、スピーカP83を演出制御基板P41にて制御するように構成するものであるが、音声制御用のIC等を備えた音声制御基板を別途設けてスピーカP83を制御するように構成してもよい。
【0036】
主制御基板P40と演出制御基板P41の間におけるデータの送受信は主制御基板P40から演出制御基板P41への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて行われる。主制御基板P40から演出制御基板P41へのデータ送信の一方向性が保たれるため、演出制御基板P41に含まれる構成から主制御基板P40に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、演出制御基板P41は、主制御基板P40で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。なお、本前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、主制御基板P40と払出制御基板P43の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、主制御基板P40と演出制御基板P41の間と同様、主制御基板P40から払出制御基板P43への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
【0037】
[基本遊技進行]
次に、以上のように構成される前提技術としてのぱちんこ遊技機Pにおける、基本的な遊技進行および遊技方法に関して遊技状態別に説明する。「遊技状態」としては大別して「通常遊技状態」と、通常遊技状態と比して遊技球を獲得することが容易な「特別遊技状態」とがある。「通常遊技状態」は、「特別遊技状態」への移行権利の獲得を目指す状態であり、通常遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行権利の獲得に関して遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態が複数設けられており、複数の通常遊技状態の中でも、遊技者にとって比較的特別遊技状態への移行権利が獲得容易な状態(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも遊技者にとって有利な状態)に関して「特定遊技状態」と表現する。「特別遊技状態」は、いわゆる「大当り遊技」と「小当り遊技」が該当し、主制御基板P40によって特別電動役物駆動手段P70が駆動され大入賞口P751が開口した状態となり遊技球の獲得が容易となる状態のことを意味している。
【0038】
[通常遊技状態(低確率/低ベース状態)]
まず、通常遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。なお、ここで記載する通常遊技状態は特定遊技状態を除く「通常遊技状態(低確率/低ベース状態)」(図6参照)に関する説明であり、一般的に遊技者が遊技を開始する状況における遊技状態について説明するものであり、特定遊技状態における遊技方法、遊技の進行、および「低(高)確率」、「低(高)ベース」の用語の意味に関しては後述する。
【0039】
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における、遊技の方法として、まず、遊技者はハンドルP204を操作して遊技盤P5に設けられた遊技領域P501に向けて遊技球を発射する。前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において、遊技者はハンドルP204の操作量を遊技球が遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に向かって発射されるように操作して遊技を行う。
【0040】
遊技者によって遊技領域の左側領域P501Lに遊技球が発射されると、発射された遊技球は、遊技領域P501を流下し、図示しない遊技釘P510(「障害釘」、「釘」とも呼ぶ)や、風車P511によって流下方向を変位させながら、「ヘソ」などと呼ばれる遊技盤の遊技領域P501における略中央下位置に配置された第1始動入賞口P711、あるいは左側一般入賞装置の一般入賞口P731Lに入球(入賞)するか、いずれの入賞口にも入球せず、遊技済み遊技球としてアウト口P790へ入球する。第1始動入賞口P711あるいは、一般入賞口P731へ入球すると、主制御基板P40は、払出制御基板P43に対し入賞口毎に定められた賞球数の賞球をさせるための情報(制御コマンド)を出力し、遊技者は賞球払出により新たな遊技球を獲得する。
【0041】
ここで第1始動入賞口P711の内部には特図1始動口スイッチP712が配置されており、遊技者が遊技領域における左側領域P501Lに遊技球を発射して生じ得る遊技状態(遊技結果)として、第1始動入賞口P711への入球がなされた場合において、主制御基板P40に特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報が入力される。
【0042】
主制御基板P40は、特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報の入力を受けると、予め定められた賞球数の遊技球の払い出しを行うほか、第1特別図柄の制御に係る抽選を行うための乱数値を取得する。乱数値の取得は、遊技球の検出に基づいて、電気回路上で乱数生成回路の生成する乱数値を取得するもの(ハードラッチ)や、主制御基板P40の制御装置がソフト上の処理にて遊技球の検出情報を確認した際に乱数値を先の乱数生成回路から取得する処理を実行したり、ソフト的に更新されている乱数値を取得したりするもの(ソフトラッチ)などの手法があり、取得する乱数値に応じて使い分けてもよいし、組み合わせて使用することも可能である。なお、一般入賞口に入球した場合には、特別図柄に係る乱数は取得されず、賞球の払い出しのみが行われる。
【0043】
第1特別図柄の制御に係る抽選は、「特別図柄抽選」であり、「特別図柄抽選」には、「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」が含まれる。「当否抽選」は、取得した乱数値を用いた抽選結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかを決定する処理である(遊技機の仕様によっては抽選結果に「小当り」を含む)。「当り図柄抽選」(単に「図柄抽選」と呼ぶ場合もある)は、主制御表示装置P50における特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選結果を示す停止表示図柄の表示パターンを決定する処理であり、1の抽選結果(大当り、小当り)に対し、複数の停止表示図柄から1の図柄を決定可能であり、ここで決定された停止表示図柄に応じて、「大当り」、「小当り」における特別遊技の実行態様を異ならしめることを可能としている。「変動パターン抽選」は、特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選の結果を示す停止表示図柄をどのタイミングで表示させるかを決定する処理であり、特別図柄表示装置P51(P52)において特別図柄抽選が実行されたことを示す変動表示がなされる時間(「変動表示時間」、「変動パターン」と呼ぶ)を決定するものである。「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」に使用される乱数値は異なるものを使用するのが一般的であり、それぞれ「当否抽選乱数」、「図柄乱数」、「変動パターン乱数」と呼ばれる。なお、特図2始動口スイッチP722の遊技球を検出することに基づいて行われる第2特別図柄の制御に係る抽選もまた、同様の「特別図柄抽選」である。また、「特別図柄抽選」に関する説明は後述する。
【0044】
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における遊技方法の説明に戻って説明すると、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選(特別図柄抽選)を実行させ、特別図柄表示装置において「大当り」(「小当り」)を示す特別図柄の停止表示図柄が表示されることにより、特別遊技の実行権利の獲得を目指す遊技が行われる。
【0045】
なお、遊技者が特別図柄抽選を受ける過程において、変動パターン抽選により決定された時間に応じて特別図柄の変動表示がなされる点について上述しているが、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、この特別図柄の変動表示期間において、新たに始動入賞口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721)に入球があった場合には、予め定められた回数の特別図柄抽選の実行権利に対応する乱数値を一時的に記憶する保留機能を備えている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第1始動入賞口P711の入賞に基づく特別図柄抽選に対応する保留機能として、最大4回の特別図柄抽選を保留することを可能としている。なお、保留機能は特別図柄毎に設定可能であり、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の保留とは別に、第2特別図柄に対する特別図柄抽選の保留機能も、最大4回の特別図柄抽選に使用する乱数値を保留しておくことを可能としている。
【0046】
このように、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は、遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射して、第1特別図柄に係る特別図柄抽選を実行させる。そして、特別図柄抽選において、「大当り」や「小当り」などの特別遊技状態となる抽選結果に当選し、特別遊技状態への移行の権利を獲得したことが特別図柄表示装置に表示されると、ぱちんこ遊技機Pの遊技状態は特別遊技状態へ移行する。
【0047】
[特別遊技状態]
続いて、特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。特別遊技状態には「大当り(遊技)」と、「小当り(遊技)」とが存在するが、ともに特別電動役物P755が作動して、すなわち主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して駆動信号が出力されて大入賞口P751が入球容易状態となる状態であり、その相違点として、「大当り」が複数回の特別電動役物P755を連続して作動させる役物連続作動装置の作動に基づくものであるのに対し、「小当り」が1回の特別電動役物の作動により終了する点が大きな相違点である。その他の相違点としては、役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の作動(大当り)では、特別電動役物P755の作動に関し、より遊技者に有利な作動態様とすることを可能とする点にあり、具体的には、役物連続作動装置の作動状態(大当り)における大入賞口P751の総開放時間は、30秒まで許容される一方、小当りにおける大入賞口P751の総開放時間は1.8秒までに制限される点がある。以下の特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明では、大当りを例に説明を行う。
【0048】
前提技術のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技の遊技進行は、時系列に沿って、「特別遊技開始デモ」(大当りの場合は「大当り開始デモ」、「役連作動開始デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り開始デモ」)と呼ばれる遊技者に各種特別遊技を獲得した旨を報知するための演出期間と、「ラウンド(遊技)」(「単位遊技」とも称する)と呼ばれる1回の特別電動役物P755の作動期間と、「特別遊技終了デモ」(大当りの場合は「大当り終了デモ」、「役連作動終了デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り終了デモ」)と呼ばれる主に特別遊技中における遊技結果(獲得遊技球数など)および移行先の通常遊技状態(特定遊技状態を含む)の種類に係る報知を行うための期間とによって構成される。
【0049】
次に上述した各特別遊技の期間における遊技の方法について説明を行う。まず、「特別遊技開始デモ」期間において、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、大入賞口P751が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に配置されており、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の左側領域P501Lに遊技球を発射しても大入賞口P751の入球がほとんど期待できないため、特別遊技において大入賞口P751が入球容易状態となるラウンド遊技が開始する前に、遊技者に対して遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射することを促す右打ち報知演出を演出表示装置P80やスピーカ(下スピーカP141、上スピーカP370)、演出ランプP82を用いて実行する。遊技者は、右打ち報知演出に従って、ハンドルP204の操作量を増やし遊技球の発射強度を高めるよう調整し、遊技球を遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に流下するよう発射位置を変更する(右打ちを実行する)。
【0050】
「ラウンド(遊技)」期間になると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して出力される駆動信号により大入賞口P751が入球容易状態または入球困難状態となり、特別遊技の実行期間に合わせて大当り(小当り)を獲得したことを祝福するような演出や、特別遊技が終了した後に移行する通常遊技状態が遊技者にとってより有利な特定遊技状態となるかを示唆する演出などの演出を実行する。遊技者は、大入賞口P751に遊技球を入球させて多数の遊技球を得るべく、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する。
【0051】
1回の「ラウンド(遊技)」期間は、大当り(小当り)の種類に基づいて定められた大入賞口の開放パターン(特別電動役物の作動態様)が完遂する(開放時間が経過する)か、予め定められた「規定個数」(「カウント」「C」などと表現する場合を有する)の遊技球が入球することによって終了する。そして、実行中の特別遊技状態の種類(大当り、小当りの種類)に応じて、実行すべきラウンド遊技が全て終了したとき「特別遊技終了デモ」の状態へ移行する。
【0052】
続いて「特別遊技終了デモ」期間となると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、今回の特別遊技状態の期間において獲得した遊技球数や、後述する特定遊技期間と連続して行われた複数回の特別遊技状態において獲得した(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)に移行せずに獲得した)累計の獲得遊技球数を報知する演出を行ったり、特別遊技状態の後に移行する通常遊技状態の種類の報知および移行先の遊技状態における遊技方法に係る報知(前述した右打ち報知演出など)の演出が実行される。遊技者は、実行されている演出より、移行先の通常遊技状態の種類に応じた遊技に備えて、ハンドルの操作を行う。
【0053】
前提とする多くのぱちんこ遊技機Pにおいては、一部の例外を除いて、特別遊技状態としての大当り遊技が実行されると、通常遊技状態として「特定遊技状態」と呼ばれる遊技者にとって特別遊技状態への移行権利が獲得しやすい状態へ移行し、特定遊技状態と特別遊技状態とを連続して繰り返す、いわゆる「連荘」を楽しむ遊技性となっている。
【0054】
[特定遊技状態]
続いて、「特定遊技状態」に関する説明を行う。図6に示すように特定遊技状態には、大きく分けて3つの特定遊技状態が存在する。そして、それらの種類を分ける要素として「確率状態」と「ベース状態」とがあり、それらの組み合わせによって特定遊技状態を構成する。
【0055】
(確率状態)
「確率状態」は、特別図柄抽選における当否抽選において、抽選結果が「大当り」となる確率を変動させる機能である「確率変動機能」(「確変」とも言う)の作動状態に基づき、確率変動機能が作動し、作動していない場合よりも高い確率で特別図柄抽選における当否抽選が「大当り」となる場合について「高確率(状態)」(「確変状態」、「確率変動状態」と表現する場合もある)と表現し、確率変動機能が作動していない状態について「低確率(状態)」と表現する。「高確率(状態)」は、1回の特別図柄抽選に対し大当りとなる確率が高いという点で、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)より有利な遊技状態となっている。
【0056】
(ベース状態)
「ベース状態」は、「ベース」すなわち「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合(の期待値)」に関する状態であり、一般的には、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易(有利)となっている状態を「高ベース(状態)」(「電チューサポート(電サポ)状態」とも言う)と呼ぶ。なお、遊技機仕様によっては、「電チューサポート機能」が作動した状態でなくとも、推奨される遊技球の発射位置が切り替わることにより、「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合」が高まるのであれば「高ベース状態」と表現する場合も有する。「高ベース(状態)」は、特別遊技状態を獲得するまでの期間において、遊技球が賞球として払い出される数が多くなる(払い出されやすくなる)ことにより、遊技球の消費を抑えながら特別遊技状態の獲得を狙うことができる点で遊技者にとって有利となる遊技状態である。
【0057】
「電チューサポート機能」は、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易となっている状態であるが、主として3つの機能の組み合わせ(少なくとも1を備える)によって構成される。「電チューサポート機能」を構成する3つの機能とは、「普通図柄確変」、「普通図柄時短」、「(普通電動役物の)開放延長」の3つである。「普通図柄確変」は、「普通図柄抽選」において普通電動役物を作動させる結果となる確率が高い状態を指す。「普通図柄時短」は、主制御表示装置P50における普通図柄表示手段P53において、普通図柄抽選を実行してから普通図柄抽選の結果を表示するまでの時間が短縮される状態のことを指す。「普通電動役物の開放延長」は、普通図柄抽選で当選した当りの種類に対して、普通電動役物P770に係る入賞口に対し遊技球が入球しやすい態様にて普通電動役物を作動させるように変更することを指しており、一例として、普通電動役物を入球容易状態とする総時間を延長して長くすることが該当する。
【0058】
「普通図柄抽選」は、上述した特別図柄抽選が特別電動役物P755の作動に関する抽選であるのに対し、普通図柄抽選は対象が普通電動役物P770の作動に関する抽選である点、および抽選の実行契機が普図作動ゲート装置P740に対する遊技球の入球である点で相違するが、当否、図柄、変動パターンを抽選により決定する点や保留機能を有する点でほぼ同じである。普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの抽選について特に表現する場合には「普図当否抽選」、「普図図柄抽選」、「普図変動パターン抽選」というように「普図」(または「普通図柄」)を先頭につけて表現する。
【0059】
「特定遊技状態」の種類を区別する要素として、「確率状態」、「ベース状態」とを説明したが、特定遊技状態を構成する要素として、他に「時短状態」(「変動時間短縮状態」、「変動時間短縮機能」が作動した状態、ともいう)がある。一般的に「時短状態」は特別図柄の1回当りの変動表示時間(変動パターン)が短縮されて、単位時間あたりの特別図柄抽選の実行回数が増加する状態のことを指し、遊技者にとってより単位時間あたりに多くの特別図柄抽選を受けられる点で有利な状態である。「時短状態」(変動時間短縮状態)は、上述した「高確率状態」や「電チューサポート状態」と同時に制御されていることが多く、それのみで特定遊技状態を構成することは少ない。
【0060】
[特定遊技状態1:低確率/高ベース状態]
「特定遊技状態」に係る説明に戻り、最初に図6に示す特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
【0061】
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)への移行は、図6の(1)、(8)、(12)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(1)、(8)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(8)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態1から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態1へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(2)、(7)、(11)のように遷移する。これら(2)、(7)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態1でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(2)のみ)が挙げられる。なお、「遊技回数」とは、一例として「特別図柄抽選の実行回数」のことを指す。
【0062】
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」の双方が作動した状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されており、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行うことで容易に普通図柄抽選および特別図柄抽選を受けられる。また、前提とするぱちんこ遊技機Pは、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)において、前述した「時短状態」にも制御されようになっている。
【0063】
より詳細に遊技の進行に関して説明すると、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)となった場合、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射し、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)させることを第1の手順として行い、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)により、主制御基板P40において普通図柄抽選を受ける。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における普通図柄抽選は、普図確変機能の作動により高確率(約1/1)で当りとなるため、普図作動ゲート装置P740へ遊技球が1球入球(通過)すると、1回の普通電動役物P770の作動が発生する。普通電動役物P770が作動すると、前提とするぱちんこ遊技機Pでは第2特別図柄に係る特別図柄抽選の契機となる第2始動入賞口P721が入球容易状態となり、遊技者は続く第2の手順として第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射する。第2始動入賞口P721へ遊技球が入球した場合、検出情報が主制御基板P40に入力され、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が実行され、特別遊技(大当り、小当り)の実行権利の獲得に係る抽選が実行される。
【0064】
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。小当り遊技の獲得の場合は、特定遊技状態が終了しないものとすることが多いが、遊技機の仕様によっては、小当り遊技の獲得(又は複数回の小当り遊技の獲得、特定の種類の小当り遊技の獲得)によって終了するように設計される場合もある。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
【0065】
[特定遊技状態2:高確率/高ベース状態]
次に図6に示す特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
【0066】
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)への移行は、図6の(3)、(7)、(9)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(3)、(7)、(9)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得することである。図示はしていないが、特定遊技状態2から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態2へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(4)、(8)、(10)のように遷移する。これら(4)、(8)、(10)の遊技状態遷移条件としては、(イ)特定遊技状態2でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(ウ)所定遊技回数が経過することが挙げられる。
【0067】
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に対し、さらに「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」である点で相違する。特定遊技状態2における遊技の進行および遊技の方法としては、特定遊技状態1と同様であり、遊技者にとっては特別図柄抽選において大当りの当選確率が高い分より早期に大当りを獲得し得る点で相違する。
【0068】
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態2は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)や、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行する。
【0069】
[特定遊技状態3:高確率/低ベース状態]
続いて図6に示す特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
【0070】
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)への移行は、図6の(5)、(10)、(11)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(5)、(10)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(10)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態3から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態3へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(6)、(9)、(12)のように遷移する。これら(6)、(9)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態3でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(6)のみ)が挙げられる。
【0071】
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」となり、特定遊技状態1および特定遊技状態2とは異なり「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」は作動していない状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されているが、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)において遊技者が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行ったとしても普通図柄抽選にて当りに当選する確率は低く、右打ちを行う優位性が存在しない。
【0072】
そのため、遊技者は遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に遊技球を発射する「左打ち」にて遊技を進めることとなり、高確率状態であるため特別図柄抽選にて大当りとなる確率が高いため早期に大当り遊技が獲得できること以外は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技方法、遊技進行となる。
【0073】
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態3は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
【0074】
なお、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、前提とするぱちんこ遊技機Pとして記載した図6の盤面配置構成とは異なり、右側領域P501R(右打ち領域)に普通電動役物P770を有しないタイプの第3始動入賞口を配置し、「時短状態」を作動させることにより、短時間に多くの特別図柄抽選が受けられるように構成するなど、遊技盤上の入賞装置の配置構成及び時短状態の制御によっては「右打ち」が推奨される遊技状態となる場合も有する。
【0075】
以上で説明したように、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、複数の遊技状態によって遊技進行が行われるものであるが、前述した全ての遊技状態を必ずしも備える必要はない。そこで、複数の遊技状態の組み合わせ等によって構成される遊技機仕様のうち、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用可能な遊技機仕様(「スペック」と称することがある)を以下に例示する。
【0076】
代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関し、特別図柄抽選の確率変動機能の作動に係る遊技機仕様の種類の一例としては、「(次回まで)確変」、「ST(回数切り確変)」、「V確変(「球確」、「アタックラウンドシステム」ともいう)」、「潜伏確変」を採用可能である。この確率変動機能の差による遊技機仕様の違いを、「本遊技機は『○○機(例:ST機)』である」などと表現することがある。また、確率変動機能を有しない遊技機において、小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、その後役物連続作動装置が作動する(すなわち大当り遊技に移行する)こととなる「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様なども存在する。
【0077】
[(次回まで)確変]
まず始めに「(次回まで)確変」について説明する。「次回まで確変」は、一般的には、ぱちんこ遊技機Pに備わった複数の特定遊技状態の中で、前述した特定遊技状態の内の最も有利とする遊技状態として、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。換言すると、「次回まで確変」の遊技機は、次回の大当り遊技の権利を獲得するまでは特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が継続し、図柄変動回数などによっては終了しないよう構成されている。
【0078】
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、「特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続するぱちんこ遊技機」においても、確率変動機能が次回大当りまで継続するという意味で「次回まで確変」と呼称する場合もあるが、ベース状態が「低ベース状態」であり、電チューサポート機能に関して通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技が求められる場合があるため、このように電チューサポート機能が作動していない次回まで確変であることから「潜伏確変」と切り分けて表現する。
【0079】
[ST(回数切り確変)]
続いて「ST(回数切り確変)」について説明する。「ST」は、「Special Time」の略語であり、一般的には、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が予め定められた回数の特別図柄抽選を行う(予め定められた回数の図柄変動が実行される)か、大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。
【0080】
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、前述した「次回まで確変」と同様に、遊技状態が特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に予め定められた回数の特別図柄抽選を行うか、大当り遊技の権利を獲得するまで制御されることとなる場合について、「潜伏確変(潜伏ST)」と称する状態を有するように構成することも可能である。
【0081】
また、「ST(回数切り確変)」であっても、遊技状態がSTに制御される期間を、特別図柄抽選の抽選が「10000回行われるまで」とする場合など、高確率状態で実質的に次回までの大当りが保証されているといえる遊技機仕様であれば「次回まで確変」と表現する場合もある。
【0082】
ここまで述べたように、「次回まで確変」と「ST(回数切り確変)」は、特別図柄抽選の確率変動機能の終期が異なる点で、遊技機仕様としての「確変状態」を区別するものである。一方で以下に説明する「V確変(「球確」「アタックラウンドシステム」)」のように、特定遊技状態における特別図柄抽選の確率変動機能の作動の有無、すなわち確率変動機能の実行開始に関し、特殊な条件を必要することで遊技機仕様(「スペック」)を表現する場合もある。
【0083】
[V確変]
続いて、「V確変」と呼ばれる遊技機仕様に関して説明する。「V確変」は、遊技状態が特定遊技状態へ移行する前の大当り遊技中において、大入賞口P751内に設けられた「特定領域P750」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)に対し、予め定められた条件下(特定の大当りラウンドの実行中など)で遊技球の通過(「V入賞」)が検出された場合に、大当り遊技後に確率変動機能の作動を伴う特定遊技状態(特定遊技状態1や特定遊技状態3)へ移行させる制御を行うぱちんこ遊技機の遊技機仕様を示す。「V確変」に使用する「特定領域」に関し、特に「確率変動機能作動領域」と称する場合もある。
【0084】
前述したように「V確変」は、確率変動機能の作動有無が大当り遊技中の遊技結果に依存する(遊技球が特定領域P760を通過するか否かに依存する)ことを示す遊技機仕様であり、作動した確率変動機能が、先に説明した「次回まで確変」と同等制御にて終了するか、「ST」と同等の制御にて終了するかの際によって「V確変(V-ループ)」や「V-ST」と異なる遊技機仕様を示す表現が用いられる。
【0085】
なお、遊技機仕様として「V確変」を採用するぱちんこ遊技機Pにおいては、大当り遊技中においてV入賞しなかった場合においては、大当り遊技後に確率変動機能が作動せず、通常遊技状態や特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に制御される。また、このようにV入賞した場合としなかった場合とで大当り遊技後に確率変動機能の作動する遊技状態となるか否かを切り替えるとともに、同時に電チューサポート機能の作動態様についても変更可能である。一例として「V確変(V-ループ)」機では、V入賞した場合、確率変動機能および電チューサポート機能が次回大当りを獲得するまで継続し、V入賞しなかった場合、確率変動機能は作動せず、電チューサポート機能も特別図柄抽選が100回行われるまでに制限されるようにすることが挙げられる。
【0086】
[小当りV]
次に、確率変動機能を持たずに大当り獲得に関して遊技者に有利な遊技状態を提供しうる遊技機仕様として「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様(スペック)に関して説明する。
【0087】
「小当りV」は、特別図柄抽選の結果が小当りとなった際に実行される小当り遊技中(特別電動役物の作動中)に、大入賞口P751内部に設けられた「特定領域P760」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)を通過した場合に、小当り遊技に続いて役物連続作動装置を作動させる、すなわち大当り遊技を開始する遊技機仕様である。言い換えると、小当り中に特定領域P760を通過させることによって、特別図柄抽選の結果として大当りとなる結果を獲得することなく大当り遊技を獲得することができる遊技機仕様である。
【0088】
「小当りV」は特別図柄抽選の結果として役物連続作動装置や特別電動役物を作動させる「1種(ぱちんこ)」の遊技性に、役物連続作動装置非作動中の特別電動役物作動中(大入賞口P751の開放中)において特定領域P760を通過した場合に役物連続作動装置を作動させる仕様であり、「1種小当りV」と表す場合もある一方、従来のぱちんこ遊技機におけるいわゆる「2種ぱちんこ」の遊技機仕様に近い遊技性を有していることから「1種2種混合機」などと表現される場合を有する。
【0089】
一般的に「小当りV」を遊技機仕様として採用するぱちんこ遊技機においては、確変機能(確率変動機能)を有さず、電チューサポート機能の有無によって有利度合いを変更させる。すなわち、電チューサポート機能が作動した場合に入賞しやすくなる普通電動役物P770に係る入賞口を小当りに当選しやすい特別図柄(例えば1/2で小当りに当選する)の変動契機となる始動入賞口で構成することで、電チューサポート機能が作動している状況下では小当りに当選しやすく、小当り遊技中のV入賞で大当りを狙うことを可能とする。このようにすることで、確変機能のように大当りとなる乱数値範囲を増やすのではなく、小当りにより大当りの獲得可能性を増やす遊技性となっている。
【0090】
[その他の遊技機仕様(スペック)]
以上に記載した、遊技機仕様は代表的なものであり、その他にも特徴的な遊技機仕様がいくつか知られているため、それらに関して以下に簡易的に説明を行う。
【0091】
(リミッタ)
「リミッタ」は、確率変動機能や電チューサポート機能が作動する特定遊技状態が、大当り遊技の実行を挟んで繰り返し行われる状態(いわゆる「連荘」状態)が発生した場合であって、予め定められた繰り返し回数(連荘回数)に到達した場合に、本来確率変動機能や電チューサポート機能が作動するはずの大当り遊技が実行された場合であっても、確率変動機能あるいは電チューサポート機能の作動を制限する機能である。リミッタ機能として「確率変動機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「確変リミッタ」と呼び、「電チューサポート機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「時短リミッタ(電サポリミッタ)」と呼ぶ。そして、リミッタ機能を備える遊技機を「リミッタ機」と呼称する。
【0092】
(転落)
「転落」は、特別図柄抽選の確率変動機能が作動している期間において、特別図柄抽選が行われる度に、確率変動機能を終了させるか否かを決定する「転落抽選」を実行する遊技機仕様を示す。確率変動機能とともに電チューサポート機能が作動している状況において、転落抽選に当選した場合は、確率変動機能の終了に合わせて電チューサポート機能の作動が終了する場合や、確率変動機能のみが終了し電チューサポート機能の作動は継続する場合とがある。
【0093】
なお、上述した遊技機仕様は複数組み合わせることが可能であり、例えば、「ST」と「転落」を組み合わせた場合には、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)である場合に、(1)転落抽選に当選した、(2)予め定められた回数の特別図柄抽選を行った、(3)大当り遊技の権利を獲得した、のいずれかを充足した場合に、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が終了する(他の遊技状態に移行する)こととなる。
【0094】
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行を司る主制御基板P40の制御に関する説明を行う。なお、本実施形態に説明する前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した遊技機仕様(スペック)として、「ST(回数切り確変)」を採用しているぱちんこ遊技機を前提として説明を行う。なお、実施形態の説明において、図中の処理ステップを示す「P-s〇〇」の表記は、本文中において「ステップ〇〇」と表記して説明を行う。
【0095】
[主制御基板の電源投入処理(主制御基板メインループ処理)]
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40は、ぱちんこ遊技機Pの電源が投入されることにより、最初に電源投入処理(ステップ1000)を実行する。ここで、電源投入処理について図7に沿ってその詳細を説明する。
【0096】
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40において電源投入処理が開始されると、主制御基板P40上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定が行われる(ステップ1002)。初期設定は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛する。
【0097】
CPU初期設定が終了すると、続いて入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)を実行し、これらの処理内容を受けて遊技停止状態設定処理(ステップ1008)に関する処理を行う。
【0098】
より詳細に説明すると、入力ポート確認処理(ステップ1004)は、ぱちんこ遊技機Pの特別図柄抽選の有利度合い(特に役物連続作動装置の作動確率、すなわち大当り確率)を変更するための「設定値」を変更可能な「設定変更処理」を行う状態であるか否かのフラグ、「設定値」を確認するための「設定確認処理」を行う状態であるか否かのフラグについて、当該処理の後に行われる遊技停止状態設定処理で成立させるか否か(オンにするか否か)を決定するための情報を生成する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)の検出状況、ラムクリアスイッチP48が遊技者に操作されているかの検出状況、設定キースイッチP49が回転操作されているかの検出状況を示すデータを含むデータを1バイトデータとして生成する。
【0099】
続く電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)では、前回電源を切ったとき、ぱちんこ遊技機Pが正常に電源断を行い、電源断が発生したときの遊技状態に係る制御データを正常に主制御基板P40のCPUの記憶領域に正常に退避、記憶しているかを確認する処理であり、正常なデータでない場合には、エラーとして後述する遊技停止状態設定処理(ステップ1008)にて遊技を停止するようにするフラグを立てる(オンにする)処理である。
【0100】
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)は、電源投入処理における処理が終了し、遊技を開始すべくメインループ処理に移行した後、実際に遊技者が遊技できる状況としないためのフラグを設定する処理であり、入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果に基づいて、「設定変更状態」、「設定確認状態」、「復帰不可能エラー状態」のいずれかの遊技進行不許可状態へ移行させるフラグを立てる処理である。「遊技停止状態設定処理」の詳細は図8に記載しており、図8の記載に基づいて説明を行う。
【0101】
遊技停止状態設定処理では、まず枠開放中であるかを、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータを基に判断する(ステップ1100)。電源投入時にぱちんこ遊技機Pの前枠P2が外枠P1に対して開放した状態であれば(ステップ1100でYESとなる状況)、1バイトデータの特定のビットが「1」となっている状況であるため、続くステップ1102の処理を省略する。一方で、ぱちんこ遊技機の電源投入時に枠開放中でない場合は、設定変更処理を実行するための必須操作の一部が充足していないとし、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータから設定キースイッチの操作情報をオフデータにとなるように演算する。なお、不図示であるが、ステップ1102でYESとなる場合、NOとなる場合のいずれにおいても、1バイトデータ中から枠開放中のビットもオフデータとなるように演算される。
【0102】
続くステップ1104では、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータが「設定変更操作あり」と判断可能な情報となっているか否かを判断する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは「設定変更操作あり」と判断される状況は、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)であり、(2)設定キースイッチP49がオンであり(回転操作されている)、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、の3つの状態を必要としている。前述したように1バイトデータの内、枠開放スイッチP131の情報はオフに設定されており、(2)(3)の双方を満たすか否かを本ステップにて判断している。例えば特定の2つのビットデータが「1」である場合に設定変更操作ありと判断する(なお、2つのスイッチがオンであることを示すアクティブデータが必ずしも「1」である必要はなく、いずれか1つのデータが「0」であってもよい)。そして、設定変更操作があったと判断した場合、すなわちステップ1104でYESと判断した場合には、遊技停止状態フラグとして「設定変更中」を示すデータを記憶し、遊技停止状態設定処理を終了する(ステップ1106、ステップ1118)。一方、ステップ1104でNOと判断した場合には続くステップ1108の処理へ移行する。なお、主制御基板P40のラム(RAM=Random Access Memory)に記憶されている設定値情報が異常データである場合(復帰不可能エラー状態からの復帰操作である場合)には、初期設定値として設定値「1」に対応するデータを、設定値を記憶する領域にセットする(ステップ1118)。
【0103】
次にステップ1108において、遊技停止エラーの発生の判断を行う。遊技停止エラーは、例えばチェックサム異常(ラム異常)や、設定値異常など、遊技の進行を行うことができない状況に陥ったときに、ラムクリアおよび設定値の設定(変更)処理を要する場合のエラーのことを指す。ステップ1108の判断は、電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果や、前回の電源断処理時に記憶しているエラー情報を基に遊技停止状態として設定すべきか否かを判断する。エラー状態とすべきと判断した場合(ステップ1108でYESと判断した場合)には、遊技停止状態フラグを「復帰不可能エラー状態」として遊技停止状態設定処理を終了し(ステップ1110、ステップ1118)、エラーが発生していないと判断した場合には続くステップ1112の処理へ移行する。
【0104】
続くステップ1112においては、ラムクリアスイッチP48の操作の有無を判断する。遊技停止状態設定処理において、当該ステップまで進行する場合の状態として、
(ア)設定確認状態へ移行する操作が行われているとき、換言すると、「設定変更操作あり」の判断の内、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)である、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足し、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足していないとき、
(イ)データクリアのためのラムクリア操作が行われたとき、換言すると、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足しておらず、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足しているとき、
(ウ)「設定変更操作」、「設定確認操作」、「ラムクリア操作」などの操作が何ら行われず電源を投入したとき、
のいずれかの状況である。そして、これらの状態において入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、(ア)設定キースイッチP49のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(イ)ラムクリアスイッチP48の操作検出状態のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(ウ)1バイトデータが全てオフデータ(例えば全ビット「0」)のいずれかの状況である。
【0105】
そして、ステップ1112においてラムクリアスイッチP48の操作があったか否かを判断し、ラムクリア操作があった場合(ステップ1112でYESと判断する場合)には、ぱちんこ遊技機は、ラムクリアをしたのち遊技可能状態へ移行させるため、遊技停止状態フラグをクリアする処理を行う(ステップ1114)。一方、ラムクリア操作がなされた状況以外では、現在の1バイトデータをそのまま設定することとなり、この時、遊技停止状態フラグは「設定確認状態」へ移行する操作がなされているときは(ステップ1112でNOと判断する場合)、設定キースイッチP49の操作状況を示すビットデータが「1」となっており、遊技停止状態フラグを示す1バイトデータに「設定確認中」を示すデータとして記憶される(ステップ1118)。また、ラムクリア操作も設定確認状態への移行操作もない場合には、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、もともと遊技停止状態フラグとして遊技停止なしを示すデータであり、遊技停止なし情報としてセットされる。
【0106】
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)にて設定された遊技停止状態フラグについて、何らかの停止状態を示す値が記憶されている場合は、電源投入処理(ステップ1000)における遊技許容状態であるメインループ(ステップ1028~ステップ1036)への移行後に実行される遊技進行制御の主体となる割込み処理(ステップ2000)において、停止状態を示す値が参照され、「基本遊技進行」として記載した遊技の進行ができない状態となるが、これらの制御については後述する割込み処理の説明において記載する。
【0107】
図7の電源投入処理の説明に戻り、続く処理を説明する。遊技停止状態設定処理(ステップ1008)が終了すると、ラムクリア操作があったか否かを判断する(ステップ1010)。ラムクリア操作は、ぱちんこ遊技機Pの電源投入時にラムクリアスイッチP48が操作されることである。なお、設定キースイッチP49がオフの場合にもオンの場合にも本処理は実行される。ステップ1010においてラムクリア操作ありと判断した場合には、主制御基板P40のラムの記憶領域より、予め定められた部分の記憶領域を初期化する。
【0108】
続くステップ1014からステップ1020の処理では、電源投入時に主制御基板P40から演出制御基板P41に対して遊技機の状態を認識させるための演出制御コマンド(演出コマンド)をセットする処理を行う。より詳細には、ステップ1014において、前回電源が切断したとき(電源断が発生したとき)において未送信となっていた演出制御コマンドを記憶領域からクリアする処理を行う。そして、ステップ1016において電源投入後に復帰した主制御基板P40の現在の遊技状態に関する情報を演出制御コマンドとして生成し、ステップ1018において遊技停止状態でないと判断した場合には、ステップ1020において、生成した復帰した遊技状態を示す演出制御コマンドを演出制御コマンドの送信データを記憶する領域にセットする。
【0109】
電源投入時における演出制御コマンドのセットに係る処理が終了すると、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770を電源断発生前の状態に戻すべく、必要なデータ(駆動信号)を特別電動役物駆動手段P70および普通電動役物駆動手段P71に対して出力ポートから出力する。(ステップ1022)
【0110】
そして、電源投入処理におけるステップ1022までの処理が終了すると、主制御基板P40のCPUに対して、割込み処理時間の発生間隔を設定する処理を行う(ステップ1024)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する割込み処理(図9、ステップ2000)を実行する間隔を4ms(ミリ秒)としている。本処理が終了すると、遊技者が遊技可能な状態であるメインループと呼ばれる循環処理に移行し、電源断が発生するまでメインループ中の循環処理の実行を繰り返す。
【0111】
(メインループ)
主制御基板のメインループの処理は、図7に示すように、まずステップ1026にて割込み処理の発生を禁止する処理を行い、メインループの処理が完了するまで(ステップ1036にて割込みを許可するまで)割込み処理の実行を制限する。
【0112】
割込みが禁止されると、続くステップ1028では、ウォッチドッグタイマと呼ばれる主制御基板P40のCPUの暴走(処理がループしてしまったりして、進まなくなってしまう状況など)の発生を監視するための計時情報を記憶している領域をクリア(初期化)する。
【0113】
そしてステップ1030では、電源断が発生しているか(例えば電源基板P44から電圧が低下したことに基づいて送られる電源断信号が主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力されているか)を判断し、電源断が発生している状況であれば、現在の遊技状態を記憶し、電源断情報およびチェックサム情報を記憶して主制御基板P40のCPUとしての処理を停止する電源断処理(ステップ1032)を実行する。電源断が発生していない状況であれば続く処理へ移行する。
【0114】
ステップ1034では、特別図柄抽選に使用する乱数や、普通図柄抽選に使用する乱数値を更新する処理を行う。なお、これらの乱数値の更新は後述する割込み処理において更新するものもあり、割込み処理においてのみ乱数が更新されることで乱数更新周期が一定になってしまうことを防止するための処理である。なお、割込み処理において、不定期に実行されるような処理があれば、それらの処理に合わせて乱数値を更新するなどの手法を採用することにより、乱数更新周期の一定化を防止することもできるため、メインループ内に乱数更新処理を設けることは必須ではない。
【0115】
ステップ1036はメインループ中の最後の処理であり、割込みを許可する処理を行う。直後にメインループ中の最初の処理であるステップ1026の割込み禁止に戻ることになるが、割込み許可を行うステップ1036の処理が行われたときに、割込み実行周期(前回割込み処理の発生から4ms経過した状態)を示す入力が主制御基板P40のCPUにあれば、後述する割込み処理が実行されることとなる。
【0116】
[割込み処理]
続いて主制御基板P40のCPUで行われる割込み処理(「タイマ割込み処理」とも呼ぶ)について図9を参照しながら説明する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、割込み処理(ステップ2000)により遊技の進行に関する大部分が制御されており、遊技機仕様(スペック)によって変更可能に設けられたサブモジュールプログラムを、汎用的に一定の順序で読みだして制御するように構成されている。それらのサブモジュールに関する処理を以下に簡易的に説明する。
【0117】
(ウォッチドッグタイマクリア)
割込み処理の最初には、ウォッチドッグタイマクリアの処理が設けられている。本処理は、前述した主制御基板P40のCPUが実行するメインループ処理(図7、ステップ1026~ステップ1036)におけるウォッチドッグタイマクリア処理と同じ処理である。(ステップ2002)
【0118】
(入力ポート確認処理)
入力ポート確認処理は、主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力される情報を確認することにより、以降の処理において判断に必要な情報としての入力情報があったか否かを識別可能とする情報を生成する処理である。(ステップ2004)
【0119】
入力ポートに入力される情報としては、ラムクリアスイッチP48や設定キースイッチP49の操作状況を示す入力信号や、ハンドルP204の操作状況(タッチ有無)を示す入力信号等の人為的な操作に係る入力信号、特図1始動口スイッチP712や大入賞口スイッチP752等の遊技球の検出による遊技結果を示す入力信号、磁気センサP73やドア開放センサP131、振動検知センサP72など不正監視のために設けられたセンサの検出状況を示す入力信号などがある。
【0120】
入力ポート確認処理では、これらの入力ポートの入力信号を10μs(マイクロ秒)で3回読み込み、全ての読み込みで同一データ(同一ビット)となったデータを今回割込みにおける入力データ(「レベルデータ」という)として主制御基板P40のラムに記憶する。なお、3回読み込んだデータのうち全ての読み込みで同一データとならなかった部分については、前回の割込み処理(4ms前の割込み処理)において確定したデータをレベルデータとして採用することとなり、すなわち今回割込みにおいて正常にデータが読み取れなかった場合は前回割込みで記憶したデータを更新しないこととなる。
【0121】
そして今回割込みにおける入力データ(レベルデータ)が確定すると、前回割込みにおける入力データとの比較演算を行い、「立ち上がりデータ」(入力データがオフからオンに変わったビットを特定するデータ)を生成し、今回割込みでオン入力に切り替わったスイッチを特定するデータを記憶する。
【0122】
(乱数更新処理)
乱数更新処理は、特別図柄抽選に係る当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数や、普通図柄抽選の普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの各種乱数の内、ソフト的に更新される乱数値であるいわゆるソフト乱数を更新する処理である(ステップ2006)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選や普通図柄抽選に使用する乱数は、乱数生成回路にて回路上の更新周期にて乱数を更新するものと、ソフト的な周期で更新されるものを有する仕様としており、それらを組み合わせることで、乱数取得時の各種乱数のランダム性を保つように構成している。
【0123】
乱数更新処理においては、前述したようにソフト乱数を更新する処理を行うものであるが、更新の方法としては、
(ア)乱数をインクリメント(+1)あるいはデクリメント(-1)して更新し、乱数範囲の上限(又は下限)を超えた場合に下限値(または上限値)とするもの、
(イ)乱数に対して任意の素数を減算(または加算)し、乱数範囲を超える場合に乱数範囲+1(または乱数範囲-1)の値を加算(または減算)するもの、
(ウ)初期値として設定した乱数からインクリメント(またはデクリメント)を繰り返し、1周期の更新が終わった場合に、別途更新している「初期値乱数」を新たな初期値として設定し同様の更新を繰り返すもの(初期値更新型乱数ともいう)、
といった各種の更新方法が例示できる。なお、本実施例に例示したものに限らず更新方法は乱数のランダム性が保てる手法であれば、どのような手法を採用してもよい。
【0124】
(設定制御処理)
設定制御処理は、主制御基板P40のCPUにおける電源投入処理(図7参照)中で設定した遊技停止フラグが「設定変更中」、または「設定確認中」である場合の処理を行う。(ステップ2008)
【0125】
設定制御処理では、最初に電源投入処理中にて遊技停止フラグとして格納したデータの設定キー操作中を示すビットデータがオンデータであるか否かを判定し、オンデータでない、すなわちぱちんこ遊技機の電源投入時に設定キーがオン操作されていなかった場合、本処理を抜けるように構成されている。
【0126】
一方で、遊技停止フラグ中の設定キー操作中を示すビットデータがオンデータである場合には、「設定変更中」、「設定確認中」を終了させるか否かを判定するため、現在の割込み処理における設定キースイッチP49の入力情報(前述した入力ポート確認処理にて生成)を参照し、設定キースイッチP49がオフとなった場合に遊技停止フラグをクリアし、遊技可能な状態とした後、「設定変更状態」、「設定確認状態」のいずれからの復帰であるかに応じて、演出制御基板に演出を復帰(または開始)させるための演出制御コマンドを設定する。
【0127】
また、電源投入処理(図7参照)において、遊技停止フラグが「設定変更中」である場合、設定キースイッチP49がオフとなるまでの期間において、本割込みタイミングにおける「設定変更スイッチ」の役割を果たすラムクリアスイッチP48(設定値を変更するために操作するスイッチ)の操作状況を確認する。遊技停止フラグが「設定変更中」の時、今回割込みにおいて、設定変更スイッチP48の操作にかかる立ち上がりデータが生成されている場合において、「設定値」を予め定められた変更順序の内の次の設定値となるようデータの変更を行う。例えば、設定が1から6まで順に切り替わるような設定値データを有するぱちんこ遊技機Pであれば、設定変更スイッチ(ラムクリアスイッチP48)の操作に基づく立ち上がりデータがあるたびに、本設定制御処理において設定値を「1」増加させる処理(操作前の設定値が6のときは、次の値として1に変更)を行う。
【0128】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、設定変更状態や設定確認状態における処理を割込み処理中(図9参照)に設けることによって、設定キースイッチや設定変更スイッチの操作を割込み処理の周期で監視するとともに、後述するLED出力処理にて表示装置に対しての表示データの出力を可能とし、別途割込み処理の設定ができていない電源投入処理中(図7参照)において、周期的な監視のためのプログラムを設定することを省略可能としている。なお、電源投入処理中において、設定変更や設定確認に関するスイッチの監視や表示装置の制御、設定値の更新処理を行うように構成してもよい。
【0129】
(遊技停止監視処理)
遊技停止監視処理は、主制御基板のCPUがぱちんこ遊技機の電源投入時に実行した電源投入処理(図7参照)中にて生成した遊技停止フラグのデータを読みだして遊技停止中であるか否かを確認する処理である。(ステップ2010)
【0130】
遊技停止監視処理において、読みだされた遊技停止フラグのデータに何らかの遊技停止情報(遊技停止フラグ)が記憶されていた場合、例えば、遊技停止フラグのデータが0でなくいずれかのビットが「1」である場合は遊技停止状態(遊技停止が必要な状態)と判断し、遊技停止中として、割込み処理中の一部の処理(図9における「タイマ減算処理(ステップ2014)」から「特別電動役物制御処理(ステップ2028)」まで)を省略する。
【0131】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、遊技停止が必要な状態として、すなわち遊技者が遊技をすることが不可能な状態として、「設定変更中」、「設定確認中」、「復帰不可能エラーの発生中」といった状態が例示できる。
【0132】
(タイマ減算処理)
タイマ減算処理は、遊技の進行に関する時間の管理に使用されるタイマデータを更新する処理である(ステップ2014)。
【0133】
タイマデータの更新処理の例として、特別図柄の変動表示が開始された場合に設定される変動表示時間の管理や、大当り遊技中の特別電動役物P755の作動時間(大入賞口P751の開放時間)などの遊技進行を契機としたタイマデータの更新処理や、球詰まりを検出する等のエラー判定のための計時処理、特別図柄表示装置P51、P52などの主制御表示装置P50におけるLEDの点灯パターンを切り替えるための切り替え時間を計時するための処理、外部情報出力端子P77等から外部機器(ホールコンピュータなど)に対する情報の出力を行う期間を計時する処理などが例示できる。
【0134】
タイマ更新処理で更新されるタイマデータは、主制御基板P40の記憶領域(ラム記憶領域)に、「1バイトタイマ」、「2バイトタイマ」などのタイマデータの種類ごとに分けられて、連続した記憶領域にそれぞれ記憶されている。
【0135】
タイマ更新処理では、それらの個別のタイマデータの種類を記憶した記憶領域に対し、「1バイトタイマ更新処理」、「2バイトタイマ更新処理」といった処理を行い、各種タイマの時間値を更新する処理を行う。タイマの更新処理は、記憶領域に記憶されているタイマデータをデクリメント(-1)する処理を行う。なお、記憶されているタイマデータが既に「0」である場合には、処理後においても「0」となるように処理される(負の値になった場合に「0」にすることや、「0」の場合にデクリメントをしない、など)。
【0136】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、1割込みの周期が4msであるため、1バイトタイマのデータである場合には、最大255回の更新(約1秒)で終了する管理対象のみが制御可能となるが、1秒以内でのみ管理される遊技情報がない場合(少ない場合)には、2バイトタイマデータのみで構成し、1バイトタイマ更新処理を有さないように構成することも可能である。また、2バイトタイマでも管理できないような時間値の管理が必要となる場合は、「3バイトタイマ」などより長時間を管理できるタイマデータを持つように構成してもよい。
【0137】
(有効期間設定処理)
有効期間設定処理は、入球容易態様または入球困難態様に変化可能な入賞口(主として大入賞口P751や普通電動役物P770に係る入賞口が該当)に関し、入球容易態様に制御する期間および有効延長期間において有効期間を設定し、それ以外の期間(入賞口が入球困難態様であり有効延長期間以外のとき)について、無効期間を設定する処理である。(ステップ2016)
【0138】
前提とするぱちんこ遊技機では、大入賞装置としての大入賞口P751と、普通電動役物P770が備えられている第2始動入賞装置P720である第2始動入賞口P721の入賞を有効期間として設定する処理となる。
【0139】
なお、有効延長期間は大入賞口P751や普通電動役物P770が入球困難態様へ移行する直前のタイミングで入球した遊技球を有効入賞として扱うために、大入賞口P750(特別電動役物P755)や普通電動役物P770などの電動役物に対して開放制御を実行させる制御期間が経過した後においても有効期間として扱うため、電動役物の構造に応じて適宜設定される一定時間の制御期間である。
【0140】
また、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)を有する場合には、特定領域P760に関する遊技球の通過に対する有効延長期間も設定されることがあり、そのような場合には、本処理において特定領域の有効期間の設定も行われる。
【0141】
(入賞監視処理)
入賞監視処理は、ぱちんこ遊技機における各種入賞口(大入賞口P751、始動口P711、P721、一般入賞口P731)に対する遊技球の入賞を基に、有効入賞であるか否かを判定し、賞球や始動口入球に対する特別図柄抽選の権利の発生(保留の発生)の処理が行われる契機となる情報を生成する処理である。(ステップ2018)
【0142】
処理内容としては、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータを基に予め定められた順序で各種入賞口毎に(ア)入賞の有無を検出(イ)有効期間を有する入賞口の場合は有効期間中における入賞であるかの判断、各種入賞口に対する有効入賞が発生した場合には更に、(ウ)演出制御基板P41に送信する各種入賞口毎の入賞情報をしめす演出制御コマンドの設定、(エ)各種入賞口毎の入賞に基づく動作契機の発生回数を記憶するためのカウンタ値(「入賞カウンタ」と呼ぶ)を更新する(言い換えると、各種入賞口の検出に基づく動作の内で未処理の動作の回数を記憶するカウンタ値を更新する)処理を行う。
【0143】
なお、入賞監視処理においては、各種入賞口に対する入賞の発生のみでなく、アウト球を計数するために設けられたアウト球検出スイッチP792、普通図柄抽選の契機となる作動口スイッチP742や、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)に対する遊技球の入球および通過についても判定するようになっており、賞球の発生や特別図柄抽選の契機の発生以外にも遊技機の動作(例えば、演出制御基板P41に対して、作動口スイッチP742や特定領域P760を通過した旨の情報を送信する処理)に必要となる遊技球の検出の有無を本処理において行う。
【0144】
(作動口監視処理)
作動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、普図作動口スイッチP742の立ち上がりデータが生成されている場合に、普通図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2020)
【0145】
より具体的には、普図作動口スイッチP742の検出があった場合に、普通図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
【0146】
(普通図柄制御処理)
普通図柄制御処理は、普通図柄抽選、普通図柄の変動表示、普通電動役物P770の作動に係る処理を行う(ステップ2022)。これらの処理は、普通図柄ステイタスと呼ばれる普通図柄、普通電動役物の制御状態を示すデータがいずれであるかに応じて、異なるサブモジュール処理に移行して、状態に応じた制御を行う。普通図柄のステイタスとしては、「0:普通図柄待機中」、「1:普通図柄変動中」、「2:普通図柄停止表示中」、「3:普通電動役物作動中」、「4:普通電動役物終了デモ中」があり、それぞれの状態に応じた処理を行う。
【0147】
《普通図柄変動開始監視制御処理》
普通図柄変動開始監視制御処理は、普通図柄ステイタスが「0:普通図柄待機中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
【0148】
普通図柄変動開始監視制御処理では、まず、普通図柄抽選に係る保留数が「0」であるか否かを確認する。「0」である場合には、普通図柄の変動権利は発生していないため、普通図柄制御処理を抜ける。一方、普通図柄抽選に係る保留数が「0」でない場合は、普通図柄の変動権利が発生している状態であり、普通図柄の変動開始条件を満たしていると判断して普通図柄の変動の開始に係る処理を実行する。
【0149】
普通図柄の変動を開始すると判断すると、普通図柄抽選に係る保留数情報を記憶する領域より、保留数情報を-1した後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数をそれぞれ呼び出して普図当否抽選、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選をそれぞれ行い、抽選結果を主制御基板の記憶領域に格納するとともに、今回使用した乱数情報をクリアし保留数情報の記憶領域を記憶した順番に処理されるようにシフトする処理を行うとともに、普通図柄ステイタスを「1:普通図柄変動中」に更新する。なお、普通図柄抽選に関しては、前述した「ベース状態」(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能)の作動状況に応じて異なる抽選テーブルが使用され、高ベース状態では当りとなりやすく、普通図柄の変動表示時間は短いものが決定されやすい傾向にある。
【0150】
《普通図柄変動中処理》
普通図柄変動中処理は、普通図柄ステイタスが「1:普通図柄変動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
【0151】
普通図柄変動中処理では、普通図柄変動開始監視制御処理中にて決定した普通図柄の変動パターンに応じた普通図柄の変動表示時間が経過するまで、すなわち普通図柄の変動表示を管理するタイマ(普通図柄変動表示タイマ)がタイマ更新処理において0となるまで、普通図柄表示装置P53において、普通図柄の変動表示を実行させる処理である。
【0152】
より具体的には、普通図柄変動表示タイマが0でない場合には、本処理が実行されるたびに最大値が「5」である普図表示切り替えカウンタを更新し、普図表示切り替えカウンタが「5」となるタイミングで、普通図柄表示装置P53を構成するLEDの発光パターンを指定するためのデータを格納する記憶領域に、次の発光パターンに関する情報を記憶する処理を行う。なお、普図表示切り替えカウンタは最大値である「5」となるタイミングで初期値である「0」にリセットされる。すなわち、普通図柄の変動表示は5回の割込み(4ms×5=20ms)間隔で普通図柄表示装置P53の点灯パターンが切り替えられることとなる。なお、切替間隔は適宜設定可能であり、例えば普図表示切り替えカウンタの最大値を25とすれば、25割込みに1回(100msに1回)の間隔で普通図柄表示装置P53の表示パターンが切り替えられる。
【0153】
普通図柄の変動表示時間が終了する、すなわち普通図柄変動表示タイマが「0」となっている場合、本処理では普図図柄抽選で決定した普通図柄の停止表示図柄の表示パターンが主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53に停止表示されるよう、停止表示態様を示すLED点灯パターンを指定するためのデータを普通図柄表示装置P53のLED点灯パターンを記憶する記憶領域に格納する。そして、普通図柄の図柄固定時間(停止表示図柄を表示する時間)を普通図柄停止表示タイマに記憶するとともに、普通図柄ステイタスを「2:普通図柄停止表示中」に更新する。
【0154】
《普通図柄停止表示中処理》
普通図柄停止表示中処理は、普通図柄ステイタスが「2:普通図柄停止表示中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
【0155】
普通図柄停止表示中処理では、普通図柄変動中処理の終了時に図柄固定時間が設定された普通図柄停止表示タイマの値が「0」であるかの確認を行い、「0」となったタイミングにて、次の遊技動作に移るための設定を行う処理が行われる。
【0156】
普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合、当り図柄およびベース状態(普通電動役物の延長機能)の作動状態に応じて、普通電動役物P770の作動パターンを呼び出し、動作パターンを設定や、普通電動役物P770に係る入賞カウンタをクリアする等の設定をするとともに、普通図柄ステイタスを「3:普通電動役物作動中」に更新する。
【0157】
一方、普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合には、普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
【0158】
《普通電動役物作動中処理》
普通電動役物作動中処理は、普通図柄ステイタスが「3:普通電動役物作動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
【0159】
普通電動役物作動中処理では、普通図柄停止表示中処理において設定された普通電動役物P770の動作パターンに基づいて、普通電動役物の開放動作(入球容易態様への変化)および閉鎖動作(入球困難態様への変化)を制御するとともに、普通電動役物の作動終了条件の成立を監視する。普通電動役物P770の作動終了は、(ア)普通電動役物の終了条件として設定された規定数の普通電動役物入賞が発生した場合、(イ)予め設定された動作パターンの動作が終了した場合(普通電動役物の開放動作期間が終了した場合)である。
【0160】
普通電動役物の作動終了条件が成立すると、普通電動役物の有効延長期間を記憶するタイマ領域に、予め普通電動役物P770の構造に対応して定められた一定時間の延長期間を計時する時間をセットする。そして、普通電動役物の作動終了デモに係る時間値を普通電動役物作動終了デモタイマにセットし、普通図柄ステイタスを「4:普通電動役物終了デモ中」に設定する。
【0161】
《普通電動役物作動終了デモ処理》
普通電動役物作動終了デモ処理は、普通図柄ステイタスが「4:普通電動役物終了デモ中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
【0162】
普通電動役物作動終了デモ処理では、普通電動役物作動中処理にて設定した普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となるまで待機し、普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となった場合に普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
【0163】
(始動口監視処理)
始動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の立ち上がりデータが生成されている場合に、特別図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2024)
【0164】
より具体的には、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の検出があった場合に、特別図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
【0165】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄として、第1特別図柄(特図1と称することがある)と第2特別図柄(特図2と称することがある)との2種類の特別図柄を設けているため、遊技盤P5に設けられた始動口のそれぞれに対し、対応する特別図柄の保留数および始動口スイッチのデータを呼び出して、始動口毎に保留数の加算、乱数の取得の処理が行われる。
【0166】
また、処理対象とする始動口が、普通電動役物に係る始動口(電チュー)で構成される場合には、前述した有効期間設定処理にて普通電動役物P770に係る始動口入賞が有効期間内に行われたか否かを判断した上で有効期間である場合には前述した処理を行う。
【0167】
なお、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を記憶する際、取得した乱数情報を事前に予告判定値テーブルを用いて、保留される各種乱数に基づく変動が実行される際の変動内容が事前に推測可能となる情報を生成し、演出制御基板P41に対して演出制御コマンドとして通知する(「事前判定コマンド」、「事前判定情報」、「先読み判定コマンド」と呼ぶ)。事前判定コマンドは、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数それぞれに対して生成され、演出制御基板P41に送信されると、演出制御基板P41において、後述する「先読み演出」の実行に係る抽選に利用される。
【0168】
(特別図柄制御処理)
特別図柄制御処理(ステップ2026)は、特別図柄ステイタス(「特図ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別図柄を管理するための状態情報と、特別電動役物ステイタス(「特電遊技ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別電動役物の作動状態を管理するための状態情報とによって、特別図柄の変動開始の管理(特別図柄変動開始監視制御処理)、特別図柄変動中処理、特別図柄停止図柄表示中処理のいずれかの処理を実行する。
【0169】
特別図柄ステイタスには、「0:特別図柄変動待機中」、「1:特別図柄変動中」、「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」の状態を有し、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有する。なお、遊技機仕様によっては小当りを有しない場合もあり、その場合には小当りに関連したステイタスデータを持たない。そして、これらのステイタスに基づく制御は後述する。
【0170】
特別図柄制御処理は、特別図柄を複数有する場合には、予め定められた順序(優先順位)に基づいて処理が行われる。予め定められた順序として、第2特別図柄を優先して制御する処理を行い、第1特別図柄および第2特別図柄の双方の保留が存在する状況下では、第2特別図柄の変動が先に開始される(第2特別図柄が優先して変動する)よう処理される遊技機仕様について、「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」と呼び、前提とするぱちんこ遊技機Pの実施形態に係る説明では、このタイプのものに関する処理について例示して説明する。
【0171】
特別図柄制御処理では、まず、第2特別図柄の制御を行う。第2特別図柄の制御を開始すると、まず第1特別図柄の特別図柄ステイタスと、特別電動役物ステイタスの情報を参照する。特別電動役物ステイタスが大当り遊技中または小当り遊技中を示すデータの場合(特別電動役物ステイタスが「0:当り待ち中」以外のとき)、第1特別図柄が変動中でありの第1特別図柄の特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」以外の場合には、処理を行うことなく処理を完了する。
【0172】
第2特別図柄の制御を実行する状況である場合には、第2特別図柄に係る制御のタイマ値を更新する処理が実行される。タイマの更新は、タイマを記憶する記憶領域のデータをデクリメント(-1)する処理にて行われ、デクリメントした結果が負の値となる場合には「0」がセットされる。そして、タイマの更新が終了すると特別図柄2に対応する特別図柄ステイタスに基づいて、後述するサブモジュール処理が呼び出され実行される。なお、割込み処理中にもタイマ減算処理を有しているが、タイマ減算処理にて更新されるタイマに特別図柄制御処理にて更新されるタイマデータは含まれておらず、特別図柄制御処理において特別図柄に係る制御のためのタイマデータを管理している。
【0173】
《特別図柄変動開始監視制御処理》
特別図柄変動開始監視制御処理は、特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
【0174】
特別図柄変動開始監視制御処理では、対象として処理している特別図柄の保留があるか否かを確認し、保留が無ければ処理を終え、保留がある場合には続く処理が実行される。続く処理は、変動を開始する際に行われる特別図柄抽選である。特別図柄抽選は、まず設定値として格納しているデータを読みだして検査し、適切な設定値情報であるか否かを判定する。適切な設定値である場合には、遊技状態等を示す各フラグを記憶した領域のデータを参照して適宜抽選テーブルを選択し、当否抽選および図柄抽選、変動パターン抽選が実行され、抽選結果が記憶領域に格納されたのち、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」に更新される。また、特別図柄抽選によって決定された内容は、演出制御基板P41に演出制御コマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)として送信され、特別図柄の変動表示に合わせて実行される変動演出の内容の決定処理(抽選処理)のための情報として利用される。なお、特別図柄抽選に関する詳細は後述する。
【0175】
《特別図柄変動中処理》
特別図柄変動中処理は、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
【0176】
特別図柄変動中処理では、変動パターン抽選で決定した特別図柄の変動時間が経過するまで特別図柄の変動表示時間を管理するタイマを監視するとともに、残り変動時間が「0」になるまで、毎割込み更新される特別図柄表示切替タイマ(最大値「24」)により、25割込みごとに特別図柄の変動表示を示すために特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置P52(特図1の制御の時は第1特別図柄表示装置P51))の点灯表示パターンの切り替え処理を行う。
【0177】
特別図柄の残り変動表示時間が「0」となると、ぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンタ―やホールコンピュータなど)に対して、特別図柄の変動表示が1回実行されたことを示す外部信号を出力するための情報の設定と、特別図柄の停止表示図柄を固定表示するための図柄固定時間を設定する処理と、当否抽選、図柄抽選の結果決定された停止表示図柄を示す停止表示図柄を特別図柄表示装置P52(P51)に表示させるための点灯パターンデータの設定とを行う。そして、当否抽選結果に応じて特別図柄ステイタスを「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」のいずれかに設定する。
【0178】
《特別図柄はずれ図柄停止表示中処理》
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「2:はずれ図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
【0179】
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)の残り遊技回数を更新するとともに終了条件成立に関する確認し、遊技状態移行条件の成立時には遊技状態の移行に係る制御(フラグオフなど)を行う。
【0180】
《特別図柄大当り図柄停止表示中処理》
特別図柄大当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「3:大当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
【0181】
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別電動役物ステイタスを「2:大入賞口閉鎖中」に更新する。さらに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)を終了させるために、それぞれの残り回数情報格納領域および作動フラグ格納領域をクリアする処理を実行する。そして、大当り図柄に応じた大当り遊技を実行させるべく、大当り図柄情報より、前回大当り遊技中にデータとして使用していた各種記憶領域の情報を初期化し、大当り遊技中における特別電動役物P755の制御内容データのセットを行う。
【0182】
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、さらに、演出制御基板P41に対して大当り遊技の演出(大当り開始デモ演出)を実行させるための演出制御コマンドを送信する処理を実行する。また、これらの処理に合わせて、主制御表示装置P50の構成要素の一つである右打ち表示灯P56(遊技領域の右側を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技が推奨される遊技状態の時に点灯させるLED)を点灯させるための点灯パターンデータの設定も行われる。
【0183】
《特別図柄小当り図柄停止表示中処理》
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「4:小当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
【0184】
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄大当り図柄停止表示中処理と同様、図柄固定時間の終了とともに、特別電動役物P755の作動に係るデータの設定、右打ち表示灯P56の点灯に係る設定処理を行う。また、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技の実行時(小当り図柄の停止表示)では、大当り図柄が停止したときとは異なり、特別図柄抽選に係る遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を終了させる処理を有さず、特別図柄はずれ図柄停止表示中処理の処理と同様に、それぞれの遊技状態に対して終了条件を満たしたか否かの判定結果を基に遊技状態を制御する。また、これらの処理に合わせて特別電動役物ステイタスを「5:小当り閉鎖中」に更新する。なお、遊技機仕様によっては、変形例として、小当り遊技の実行に際して、大当り図柄停止時と同様に遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を強制的に終了させる処理を有する仕様として設計することも可能である。
【0185】
以上のサブモジュール処理の内いずれかの処理が選択的に実施されると、第2特別図柄の処理に続いて第1特別図柄の処理が行われる。第1特別図柄の処理については第2特別図柄の処理と参照する情報が相違するのみ(例えば、変動開始可能かどうかについて、第1特別図柄の特別図柄ステイタスではなく第2特別図柄の特別図柄ステイタスを参照して判断するなど)でほぼ同じ処理が繰り返されるのみであるため説明を割愛する。
【0186】
《入球順消化制御、並列制御》
また、前述した特別図柄制御処理の説明においては、「第2特別図柄優先消化制御」に係る処理に基づいて説明したが、本前提とするぱちんこ遊技機と異なる遊技機仕様を採用する場合にあっては、異なる処理にて特別図柄制御処理を進行することも可能である。以下にその代表的なものについて簡単に説明する。
【0187】
「入球順消化制御」は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれに対応する保留情報が発生した順番に1つずつ処理される遊技機仕様である。一方の図柄の変動中に他方の変動表示が行われることは無く、ある遊技状態において第1特別図柄に対応する保留球と第2特別図柄に対応する保留球との双方の保留球の発生が見込まれる場合に採用されることが多い仕様である。
【0188】
「並列制御(並列消化)」は、前述した「第2特別図柄優先消化制御」や「入球順消化」とは異なり、同時に第1特別図柄と第2特別図柄の双方の変動表示を同時に行うことができるタイプの遊技機仕様である。2つの図柄を同時に消化することができるため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることが可能となる。なお、1の特別図柄の停止表示に伴い特別電動役物P755が作動する場合(大当り、小当りが実行される場合)、他方の図柄は強制的にはずれとして図柄を停止したり、変動表示の残り時間の減算を一時中断するような仕様が適宜採用される。一例として、1の特別図柄が大当りとなった場合には、他方の特別図柄を強制的にはずれとして停止表示する仕様や、1の特別図柄が大当りや小当りとなった場合には、他方の特別図柄の変動表示を一時中断する仕様を採用可能である。
【0189】
(特別電動役物制御処理)
特別電動役物制御処理は、特別電動役物ステイタス(特電遊技ステイタスと称することがある)のデータ内容(値)によって、特別電動役物P755の作動に係るサブモジュール処理を実行し、特別電動役物の作動を管理する処理である(ステップ2028)。言い換えると、大当り遊技や小当り遊技を実行するに際して、大当り遊技、小当り遊技状態における各状態の制御を行い、大入賞口P751の開閉に係る制御を行う処理である。
【0190】
前述したように、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有している。
【0191】
これら特別電動役物ステイタスのうち、「0:当り待ち中」のステイタス状態である場合には、遊技者の遊技によって未だ大当り遊技または小当り遊技の実行権利の獲得がなされていない状況であるため、特別電動役物制御処理は処理を行うことなく終了する。
【0192】
そして、特別電動役物ステイタスが、「0:当り待ち中」以外である場合には、ステイタスに応じて後述するそれぞれの処理のいずれかが実行されることとなる。
【0193】
《特別電動役物作動中処理》
特別電動役物作動中処理は、特別電動役物ステイタスが「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技(単位遊技)が実行されている状態(大入賞口P751が開放制御され得る状態)の処理である。
【0194】
特別電動役物作動中処理では、まずラウンド遊技(単位遊技)の終了条件を充足したか否かを判断する処理が行われる。ラウンド遊技の終了条件としては、(ア)作動した特別電動役物に応じた規定個数(「カウント」とも呼ぶ)の入賞数が行われたか、(イ)実行される特別電動役物の作動パターンとしてセットされた開放時間(開放パターン)が終了したか、のいずれかを満たす場合に終了したものとして判断する。これらの条件を満たさない場合は、以後の処理を行うことなく今回の割込み処理における特別電動役物制御処理を終了する。なお、特別電動役物P755の作動パターン(開放パターン)の中には、複数回大入賞口P751を開閉させるパターンを有しており、これらのパターンが実行される場合には、1回のラウンド遊技中で(イ)の判断に使用するタイマが複数回「0」となる一方で、1回のラウンド遊技中の次の作動データがあるか否かを確認した上で、条件(ウ)「今回の単位遊技における次作動パターンデータなし」と判断した場合に上記(イ)を満たしたものと判断することとなる。
【0195】
一方、ラウンド遊技の終了条件の上記(ア)、(イ)のいずれかを満たした場合には、続く処理として、大入賞口閉鎖時間を特別電動役物の閉鎖時間管理用タイマに記憶するとともに、特別電動役物ステイタスをインクリメントし「2:大入賞口閉鎖中」とする。そして演出制御基板P41に対し演出制御コマンドとしてラウンド遊技が終了したことを通知するためのコマンドデータをセットして終了する。
【0196】
《大入賞口閉鎖中処理》
大入賞口閉鎖中処理は、特別電動役物ステイタスが「2:大入賞口閉鎖中」または「5:小当り閉鎖中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技とラウンド遊技との間である「ラウンド間」に制御されている状態の処理である他、大当り遊技や小当り遊技の開始時における初回ラウンドの開始前の状態である「大当り開始デモ(期間)」、「小当り開始デモ(期間)」に制御される状態のとき、あるいは最終ラウンドのラウンド遊技が終了した後に後述する当り終了デモ中処理が実行されることとなるまで待機する期間に制御されている状態のときに係る処理である。
【0197】
大入賞口閉鎖中処理では、まず、特別電動役物作動中処理にて設定した大入賞口閉鎖時間が経過したか否かを判定し、閉鎖時間管理用タイマが「0」でない、すなわち閉鎖時間が経過していない場合は、今回割込みにおける特別電動役物制御処理を終了する。
【0198】
大入賞口閉鎖時間が経過した場合、続いて先に作動が終了した特別電動役物P755の作動(ラウンド遊技)が、今回の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)における最終のラウンド遊技であったか否かを判断し、最終ラウンド遊技の終了時と、最終ラウンド以外のラウンド遊技終了時(または当り開始デモ時)とで異なる処理を実行する。なお、最終のラウンド遊技であったか否かを判断は、今回の当り遊技中に作動した特別電動役物P755の作動回数の累計データが、今回の当り遊技における特別電動役物P755の最大作動回数データを超えているか否かに基づいて判断するものであり、当り開始デモ時には特別電動役物P755の作動回数の累計データは「0」である。
【0199】
大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技の終了時と判断した場合には、当りの種類(大当り、小当りを開始することとなった特別図柄の種類)に応じて当り終了デモの実行パターン(主として当り終了デモ時間データ)を読みだして設定する。そして、特別電動役物ステイタスをインクリメントし、「3:大当り終了デモ中」または「6:小当り終了デモ中」とし、演出制御基板P41に当り終了デモ演出を実行させるための演出コマンドをセットしてする。さらに、大入賞口P751の有効延長期間を設定するため有効延長期間として定められた時間値データを大入賞口P751の有効延長期間を管理するタイマに格納して終了する。
【0200】
一方、大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技以外の終了時(または当り開始デモ時)と判断した場合には、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとして、次回のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを識別可能とする情報(Nラウンド開始デモコマンド ※Nは整数)と、当り遊技中の推奨発射位置(前提とするぱちんこ遊技機では、遊技盤の右側領域P501R(右打ち領域))を指示するための情報(右打ちコマンド)を送信する。
【0201】
そして、特別電動役物ステイタスをデクリメントして「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」に更新し、ラウンド遊技中の大入賞口P751への遊技球の入賞数をカウントするためのデータ領域のデータを初期化する。そして、ラウンド遊技中の大入賞口P751の一回目の開放(またはラウンド遊技開始直後の閉鎖)に係る時間値を、ラウンド遊技における大入賞口P751(特別電動役物P755)の作動パターンデータをセットし、特別電動役物P755の累計作動回数に関する記憶領域のデータをインクリメントする。
【0202】
(賞球制御処理)
賞球制御処理は、遊技盤P5に配置された入賞口に対する遊技球の入賞に対して、遊技者に賞球として遊技球を付与するための処理である。処理内容としては、次に示す3つのサブモジュール処理を実行する構成である。(ステップ2030)
【0203】
《払出データ受信監視処理》
払出データ受信監視処理は、払出制御基板P43から主制御基板P40に対して送信される賞球払出の実行に係る制御コマンドの有無を確認し、送信されたコマンドを受信(記憶)する処理である。主制御基板P0は、払出制御基板P43から送信された情報を2つのレジスタ(記憶領域)に格納している。そして1のレジスタは、ステイタスレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された情報があるか、および送信された情報が正常に送信されたものであるか否かを判断するための情報が格納されている。そして他方のレジスタは、データレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された払出制御に関する制御内容の情報が格納されており、ステイタスレジスタが異常でなければデータレジスタのデータを払出制御情報として記憶領域に記憶する。
【0204】
《払出コマンド要求処理》
払出コマンド要求処理では、入賞監視処理(ステップ2018)で記憶した、各種入賞口の入賞回数データを記憶する入賞口毎の入賞カウンタデータを確認し、未払出の入賞の有無を確認する。当該確認処理は入賞口毎に予め定められた順序で確認し、1の入賞口に対して入賞カウンタのデータが「0」でないと判断した場合に、該当する入賞口の賞球数に応じて、払出制御基板P43に対して遊技球の払出を実行させるための制御コマンドを送信する処理を行う。この処理によって、複数の入賞口に対する入賞カウンタデータが「0」でない場合であっても、1割込みで払出制御基板P43に対して送信される払出制御コマンドは1つに制限される。
【0205】
《払出コマンド制御処理》
払出コマンド制御処理では、正常に払出数に関する情報を払出制御基板P43が受信したか否かのチェックが行われ、この処理にて正常にコマンドを受信するか、何らかの異常で通信エラーと判断されることとなる。払出コマンド制御処理にて、コマンドの受信状況が確定する(正常に受信完了したかエラーであるか判断される)までは、払出コマンド要求処理における次の払出制御コマンドの送信は、払出コマンド要求処理および払出コマンド制御処理内でそれぞれオンオフの設定がされるフラグデータにより一時中断される。
【0206】
(異常検知処理)
異常検知処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて不正検出のために設けられたセンサの情報より異常の発生有無を確認する処理である。(ステップ2032)
【0207】
より具体的には、振動センサP72、磁気センサP73、電波検知センサP74、枠開放センサP131といったセンサの入力に関し、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成した入力情報を基に異常の発生している状況であるか否かについて判断する処理である。また、各種センサ以外にも電気的な接続のためのハーネスが抜去されていたり、配線上の短絡(ショート)なども検出対象として有している。
【0208】
そして、いずれかの判断情報に対し異常データが存在する場合には、対応するエラーフラグをオンとするようにして記憶した後、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとしてエラー情報を通知するコマンドをセットする。
【0209】
(センサ検出判定処理)
センサ検出判定処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したセンサやスイッチの検出データ(レベルデータ)より、センサやスイッチの検出が連続して行われた期間を判断し、処理を行うフラグを成立させる処理である。(ステップ2034)
【0210】
センサ検出判定処理では、対象のセンサ、スイッチの検出データ情報のレベルデータがオンである場合に、対応するスイッチの連続オン入力期間をカウントするためのデータをインクリメントして更新し、各種処理の実行開始条件を満たしたか否かを判定し、条件が成立した場合に監視対象のスイッチに応じた処理が実行される。監視対象のスイッチがオンデータでなくなった場合、連続入力期間をカウントしているデータを初期化する(「0」に更新する)。
【0211】
例えば、入賞口に設けられた入賞口検出スイッチにおいて連続的にスイッチがオン状態である旨を検出している場合は、球詰まりが発生していると判断して、エラー状態に制御し、演出制御コマンドとして演出制御基板P41に対しエラー報知を行わせるためのコマンド情報をセットする処理や、外部装置(ホールコンピュータ等)にエラーの発生を報知するための信号データの生成および出力要求を行う。
【0212】
なお、本処理において検出対象とするスイッチは、ハンドルP204に設けられたタッチセンサスイッチや、不正検出のためのスイッチなどもあり、人為的操作によるものか電気的なノイズによるものかを判別するために一定期間のオンデータの入力が必要なセンサ等についても対象としている。
【0213】
(遊技状態表示処理)
遊技状態表示処理は、主制御表示装置P50において遊技の進行に関する情報を表示するための点灯データを生成する処理である。なお、表示処理という名称であるものの、主制御表示装置P50に対する表示内容の出力は本処理ではなく後述するLED出力処理にて行っている。(ステップ2036)
【0214】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、一例としてエラー状態であることを示すエラー表示灯(状態表示灯P55)、特別図柄抽選に係る保留数を表示する特別図柄保留表示灯(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62)、普通図柄抽選に係る保留数を表示する普通図柄保留表示灯P63などの点灯データ(点灯パターン)を生成して、LED出力処理にて出力されるデータとして格納する。
【0215】
なお、遊技状態表示処理において、点灯制御されるLED表示灯に関し、点滅表示が必要な場合には、対応するLEDに関する表示切り替えカウンタの更新およびカウンタ値と閾値との比較による点灯パターンの切り替え処理が行われる。例えば、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選の保留数は、最大4つまで保留可能であるものの、2つのLED表示灯で特別図柄保留表示灯が構成(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62のそれぞれに2つずつのLEDを備える)されるため、3以上の保留数がある場合には、少なくとも1のLEDに関して連続的な点灯表示ではなく、点滅表示を行う仕様となっている。
【0216】
(出力ポート出力処理)
出力ポート出力処理は、主制御基板P40に接続した遊技盤P5上の動作デバイスである電動役物や、払出制御基板P43などに遊技動作に関する信号を送信する設定を行う処理である。(ステップ2038)
【0217】
より具体的には、普通図柄制御処理中や特別電動役物制御処理中に、普通電動役物ないし特別電動役物の作動パターンが設定されると、出力ポート出力処理中の処理によって、普通電動役物駆動手段P71、特別電動役物駆動手段P72(前提とするぱちんこ遊技機では、ソレノイド)に対し、各電動役物を開放動作(あるいは閉動作)させるための信号データが出力される。
【0218】
また、払出制御基板P43に対しては、遊技者のハンドル操作に基づく遊技球の発射を許可あるいは禁止するための制御信号(発射許可信号)を出力ポート出力処理にて生成して出力する。発射許可信号は、払出制御基板P43との通信状態や、遊技停止を要するエラーの発生状況に応じて出力内容が設定される。
【0219】
(演出制御コマンド送信処理)
演出制御コマンド送信処理は、演出制御基板P41に対し演出制御コマンドを出力する処理であり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンド送信処理においてのみ演出制御コマンドが演出制御基板P41に対して送信される仕様となっている(ステップ2040)。なお、送信する演出制御コマンドの設定に関しては、他の処理中において未送信演出制御コマンドとして所定の記憶領域に設定(セット)されるものとなっている。
【0220】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、未送信の演出制御コマンドを記憶する領域として、リングバッファと呼ばれる記憶先を循環参照する記憶領域を用いている。リングバッファと呼ばれる記憶領域では、演出制御コマンドの書き込み(セット)と演出制御コマンドの読み込み(送信)とのそれぞれの処理によって更新される、「書き込みポインタ」、「読み込みポインタ」と呼ばれる次回の処理においてコマンドを書き込む記憶領域のアドレスおよびコマンドを読み込む記憶領域のアドレスを算出するための情報を用いて演出制御コマンドの書き込みおよび読み込みを実行する仕様となっている。
【0221】
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンドの構成がコマンドの種類を示すMODEデータと、コマンドの内容を示すEVENTデータの2つのデータにより構成されている。
【0222】
演出制御コマンド送信処理の具体的な処理内容の説明に戻り説明を行う。演出制御コマンド送信処理では、まず前述した書き込みポインタと読み込みポインタの情報が一致しているか否かを確認し、一致している場合は送信する演出制御コマンドはないと判断して処理を終了する。一方で、書き込みポインタと読み込みポインタのデータが一致しない場合、送信すべき演出制御コマンドが存在すると判断して次の処理へ移行する。
【0223】
送信すべき演出制御コマンドがあると判断した場合、読み込みポインタのデータから算出される主制御基板P40の記憶領域のアドレスよりMODEデータおよびEVENTデータを呼び出し、それぞれ主制御基板P40のCPUにおけるレジスタに一時格納し、読み出し先のリングバッファにおける演出制御コマンドをクリアした後、読み出しポインタの値を次の処理時に使用する値に更新する。
【0224】
演出制御コマンドとして、主制御基板P40のレジスタに格納されたMODEデータおよびEVENTデータは、順番に演出制御基板に送信P41されることとなる。まずMODEデータを、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドを送信するための出力ポートである演出コマンド出力ポートにセットし、演出制御基板P41に読み取り動作を行わせるためのストローブ信号を出力する。主制御基板P40は、続いてEVENTデータを出力することとなるが、MODEデータを演出制御基板P41が受け取るまでに十分な期間を確保するため26μsの待機時間を挟む処理を行った後、MODEデータ送信時と同様に、EVENTデータの出力ポートへの設定およびストローブ信号の出力を行う。演出制御基板P41は、ストローブ信号を確認すると演出制御コマンド受信割込みを発生させ、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドを受信する。
【0225】
(外部情報出力処理)
外部情報出力処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンターやホールコンピュータ)に対し、外部情報出力端子77より遊技状況に関する情報や、エラー発生などセキュリティに関する情報を信号として出力する処理である(ステップ2042)。外部情報出力端子77より出力される信号は、主制御基板P40の出力ポートにセットされたデータに基づいて出力され、信号出力の契機が発生した場合に一定期間のオン電位であるパルス信号を送信するものや、信号出力が終了する条件を満たすまでオン電位を出力し続けるもの等がある。
【0226】
外部情報出力処理では、まず、遊技状態に関する信号を生成する。遊技状態に関する信号として、特定遊技状態の種類を識別可能とするために、前提とするぱちんこ遊技機Pでは確率変動機能の作動状態(確率状態)、電チューサポート機能の作動状態(ベース状態)に対応する情報と、特別遊技中(大当りや小当り)であることを示す情報とを参照し、各遊技状態に制御されている場合には、対応するデータが送信されるよう、外部出力データを更新する。なお、ここで例示したものに限らず、遊技機の仕様によっては、変動時間短縮機能の有無を示す情報や、特定の種類の大当りの場合であることを示す情報を基に出力信号を生成する場合があってもよい。
【0227】
また外部情報出力処理で出力される出力信号として、遊技状態に係る信号のみでなく、予め定めた遊技結果の発生に基づいた情報が出力される。例えば、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されるたびに送信される信号(「図柄固定信号」とも呼ぶ)や、始動口スイッチ(特図1始動口スイッチP712、特図2始動口スイッチ722)や大入賞口スイッチP752など各種入賞口に対する遊技球の入球の検出がなされる度、あるいは、各種入賞口に対する入球に基づく賞球の払い出しが所定個数(例えば10個)に到達する度に、外部出力データにデータがセットされ、外部機器に対して送信される信号などがある。これらの信号は主にパルス信号で構成され、1の信号を128msのオン電位が続くパルス信号で送信するものであるが、複数回の遊技結果が連続して発生した場合には、1回のパルス信号の出力が終わった後、一定期間のオフ電位出力を挟んだ後、再度パルス信号を出力する仕様となっている。
【0228】
また、外部信号出力処理では、前述した異常検知処理(ステップ2032)で確認した結果としてのエラーフラグを記憶した記憶領域のデータと、セキュリティ報知の必要なエラーの発生有無を確認するための比較データとを演算、比較してセキュリティ信号を出力する必要があると判断した場合は、外部出力データのセキュリティ信号に対応するビットをオンとするよう、出力ポートにセットする出力データを更新する。
【0229】
(LED出力処理)
LED出力処理は、主制御表示装置P50を構成する複数のLEDに対し、点灯パターンを示すデータを出力して、LEDを発光させ、遊技の進行状況、遊技状態を表示するための処理である。(ステップ2044)
【0230】
主制御表示装置P50を構成するLEDは、第1特別図柄表示装置P51(LED8個)、第2特別図柄表示装置P52(LED8個)、第1特別図柄保留表示灯P61(LED2個)、第2特別図柄保留表示灯P62(LED2個)、普通図柄表示装置P53(LED2個)、普通図柄保留表示灯P63(LED2個)の他、ラウンド表示灯P54、状態表示灯P55、右打ち表示灯(合計8個のLED)の計32個のLED表示部を有する。
【0231】
なお、状態表示灯P55とは、複数の遊技状態に関する表示灯を一括であらわしたものであり、詳細には確率変動機能の作動有無を示す特図確変表示灯や、普通図柄の確変機能の作動有無(電チューサポート機能の作動有無)を示す普図確変表示灯、エラー状態を示すエラー表示灯などの表示灯のことを指す。
【0232】
LED出力処理では、主制御表示装置における表示部の点灯データを割込み処理毎に1バイト分ずつ出力ポートにセットして主制御表示装置P50を点灯するよう構成しており、割込み処理毎に更新されるデジットカウンタという値に基づいて、今回の割込みで点灯させる主制御表示装置P50のLEDを選択し、遊技状況に応じた点灯パターンデータを選択し、表示データとしてセットして各LEDを点灯制御するようになっている。
【0233】
すなわち、前提とするぱちんこ遊技機Pでは主制御表示装置P50を32個のLEDに対し、少なくとも4回の割込み処理を使って順番に点灯データを出力するダイナミック点灯方式にて主制御表示装置P50を制御している。
【0234】
また、LED出力処理では、上記の主制御表示装置P50として遊技者が視認すべきLED表示以外に、遊技停止フラグが設定変更状態、設定確認状態、復帰不可能エラー状態である場合にのみ点灯制御されるLED表示の点灯制御も行っている。
【0235】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技停止フラグに何らかの遊技停止状態を示すフラグが格納されている場合、主制御表示装置P50に対する点灯パターンデータの設定は省略されるようになっており、設定変更中、設定確認中、復帰不可能エラー中は主制御表示装置を構成するLEDは全消灯状態となっている。変形例として、遊技停止フラグのセットの際に、各状態に対して設定される固定的な点灯パターンを用いて発光表示を行ってもよく、例えば設定変更中である期間に主制御表示装置P50を構成するLEDを全点灯させるように構成してもよい。
【0236】
(領域外制御処理)
領域外制御処理は、ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行う試験信号出力処理(ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行うための処理)と、性能表示装置の表示に係る制御を行う処理によって構成される(ステップ2046)。「領域外」の意味として、ぱちんこ遊技機の規則に定めるプログラム記憶領域の容量の計算に含まれない記憶領域のプログラムによって実行される処理であることを示す。
【0237】
試験信号出力処理では、ぱちんこ遊技機Pの試験端子P78から外部の試験用機器に対して出力するための遊技結果や遊技状態に係る情報を出力ポートにセットする処理が行われる。性能表示処理では、遊技状態の確認処理を行い、アウト球の計数、アウト球と賞球の数との比率(ベース)を計算して、表示データとして更新し、性能表示装置P59に対して表示出力を行う処理である。
【0238】
[特別図柄抽選]
続いて、主制御基板P40のCPUにて実行される特別図柄抽選に関し、図10から図14を用いてその詳細を説明する。「特別図柄抽選」は、主として「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」にて構成される。
【0239】
(当否抽選)
「当否抽選」は、実行される特別図柄抽選の結果に基づき特別電動役物P755を作動させる結果となるか否かを決定する抽選であり、より簡単に説明すれば、特別図柄の抽選結果として、「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるかを決定する抽選である。なお、ぱちんこ遊技機Pの仕様によっては、当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないものも存在する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを有するよう構成した場合、一方の特別図柄に関する当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しており、他方の当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないよう構成してもよい。
【0240】
当否抽選は、始動口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721など)に遊技球が入球した際に取得され記憶される乱数のうち、「当否乱数」と呼ばれる乱数値を用いて抽選を行う。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、当否乱数の取り得る乱数値の範囲(乱数値範囲)は、「0」から「65535」までの65536通りであり、いわゆる2バイト乱数で構成されている。当否抽選が行われる場合、この乱数値の値と、遊技状態や設定値に応じた当否抽選に使用する抽選テーブル(「当否抽選テーブル」と呼ぶ)との比較により、当否抽選の結果を決定する処理を行う。
【0241】
図10には、当否抽選に使用する抽選テーブルをいくつか例示している。図10の(A)は設定値「1」かつ低確率状態における当否抽選テーブルを示し、図10(B)は設定値「1」かつ高確率状態における当否抽選テーブルを示す。図10の(C)、(D)は、それぞれ設定値「6」であるときの低確率状態、高確率状態における当否抽選テーブルを示している。
【0242】
例えば、図10(A)の当否抽選テーブルを使用して当否抽選を実行する状況において、今回の特別図柄抽選における当否乱数が、第1特別図柄(特図1)に対応する乱数であり、乱数値が「1500」であったと仮定し、当否抽選の流れを説明する。
【0243】
まず、最初の当否抽選結果として大当りの乱数値範囲(「0」から「327」)に属するか否かを判定する。具体的には、今回の当否乱数の乱数値「1500」から、判定対象の大当りの乱数値範囲「328」を減算する処理を行う。このとき、減算結果は「1172」であり、負の値とはならないため、今回の当否乱数は、大当りの乱数値範囲には属さないと判定する。
【0244】
続く処理として、先の大当り判定の演算後の乱数値「1172」と、当否抽選テーブルの続く当否抽選結果の判定領域として、はずれの乱数値範囲(「328」から「65370」)の比較を行う。より具体的には、当否乱数の一次データ「1172」から、判定対象のはずれの乱数値範囲「65043」を減算する。このとき、演算結果は負の値となるため、当否抽選結果として、「はずれ」の結果に対応した情報が記憶される。
【0245】
仮に、今回の当否乱数「1500」について、高確率状態において特別図柄抽選が行われた場合には、図10(B)に示す当否抽選テーブルにて抽選されることとなり、最初の大当りの乱数値範囲(「0」から「1639」)に属するか否かを判定する。このときは、当否乱数と乱数値範囲との比較演算(減算)の結果は、負の値となるため、当否抽選結果は「大当り」であると判定される。
【0246】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このように、乱数値として取得したデータと、抽選テーブルの抽選結果に応じた乱数値範囲を順次比較していく手法により、抽選結果を判定する手法を採用しており、後述する当り図柄抽選および変動パターン抽選についても同様の抽選方法を採用するものである。なお、抽選方法は、上記した例に限らず、大当りとなる乱数値と一致するか否かを取得した乱数値と直接判定するような手法を採用してもよく、抽選内容ごとに異なる抽選方式を採用するものであってもよい。
【0247】
(当り図柄抽選)
「当り図柄抽選」は、前述した特別図柄抽選の当否抽選結果を受けて、その後の特別電動役物P755の作動に係る制御内容や、後述する変動パターン抽選の抽選テーブル(図12から図14参照)の切り替えに必要な抽選結果としての特別図柄の停止表示図柄を決定する処理である。
【0248】
図11には、当否抽選結果が「大当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される大当り図柄抽選テーブル(図11(A)参照)や、当否抽選結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される小当り図柄抽選テーブル(図11(B)参照)や、当否抽選結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選で使用されるはずれ図柄抽選テーブル(図11(C)参照)が示されている。
【0249】
当り図柄抽選に使用される、「図柄乱数」は、乱数値範囲を「1000」(「0」から「999」)として構成しており、2バイトデータで表現した場合に、上位1バイトが「0」から「3」、下位1バイトが「0」から「255」で表現されるデータである。
【0250】
当り図柄抽選を具体例にて説明すると、例えば、当否抽選結果が大当りである場合において、図柄乱数が「400」(上位バイトが「1」、下位バイトが「144」)の時の第1特別図柄に対する当り図柄抽選の場合には、図11(A)に示す上位1バイト「1」の抽選テーブルを用い、下位バイト「128」から「191」に該当する「5R(5ラウンド)確変2」が抽選結果として得られることとなり、特別図柄の変動表示にあたって、停止表示図柄として「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51(第2特別図柄抽選の場合は、第2特別図柄表示装置P52)に停止表示される。
【0251】
そして、「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51に停止表示された場合、「5R確変2」図柄に対応した大当り遊技が実行されることとなる。このとき、第1特別図柄表示装置に「5R確変2」が停止表示図柄として表示された場合と、「5R確変1」が停止表示図柄として表示された場合とで、5ラウンドの大当り遊技の各ラウンド遊技の内容(大入賞口P751の開放パターンや開放時間など)を停止表示図柄に基づいて異ならせてもよく、また大当り遊技後に移行する特定遊技状態における制御内容を異ならせるよう制御することも可能である。これらの大当り遊技、特定遊技状態における制御の割り当ては、ぱちんこ遊技機Pごとに仕様(スペック)に応じて遊技性を実現するために適宜定められるものであり、その詳細な説明は割愛する。
【0252】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示した抽選によって、大当りの種類ごとにまとめた図柄を表示するように記載しているが、例えば先の例において、抽選結果「5R確変2」という、大当りの種類を決定した後、さらに該当する種別の大当りを実行することとなる停止表示図柄を複数のパターンから別の抽選を行って決定するように、大当りの種別の決定、停止表示図柄の決定と2段階で当り図柄抽選が実行されるものであってもよい。
【0253】
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに関する特別図柄抽選において、当り図柄抽選にて大当り図柄を決定する場合に、決定され得る当り図柄の種類が異なるように構成されている。より具体的には、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄の大当りでは、「10R確変5」ないし「10R確変8」が決定される可能性が増えており、第1特別図柄の当り図柄抽選よりも、ラウンド数の大きな大当りに当選しやすく、特定遊技状態として高確率/高ベース状態へ移行することとなる大当りに当選しやすい仕様となっていると言える。
【0254】
図11(B)には、小当り図柄抽選テーブルが例示されている。小当り図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様である。
【0255】
図11(B)に図示した小当り図柄抽選テーブルでは、そのほとんどが「小当り1」図柄に当選するものとなっており、第2特別図柄の当否抽選結果として「小当り」となった場合の一部において「小当り2」が決定され得るようになっている。なお、小当り図柄に関しては1種類であってもよいし、3種類以上の図柄を決定可能に構成してもよい。
【0256】
前提とするぱちんこ遊技機Pのように、小当り図柄を複数設けることの目的の一例としては、単純に小当り遊技中の大入賞口P751の開放態様を変更することで獲得可能な遊技球数を異ならせたり、例えば小当りVを遊技機仕様(スペック)として採用するぱちんこ遊技機Pにおいて、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技とV入賞が困難となる小当り遊技とを切り分けるために小当り図柄を差別化したり、V入賞後の大当り遊技の実行後に移行する特定遊技の種類を切り分けるために小当り図柄を異ならせるなどの態様が実行されることを目的とすることが挙げられる。
【0257】
図11(C)には、はずれ図柄抽選テーブルが例示されている。はずれ図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、第1特別図柄に関して前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様であり、第2特別図柄に関しては異なる手法となっている。
【0258】
より具体的には、図11(C)には、第1特別図柄に対するはずれ図柄抽選テーブルのみが表されており、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、はずれ図柄抽選テーブルとして第1特別図柄である場合のみ抽選処理を行い、停止表示図柄として「はずれ1」または「はずれ2」のいずれかを停止表示図柄として決定する。
【0259】
「はずれ2」図柄は、第1特別図柄のはずれ時において、およそ6.4%の確率で当選するはずれ図柄であり、「はずれ2」が当選している場合、変動パターン抽選において、リーチとなりやすい特殊な抽選テーブル(不図示)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定しやすくするよう構成されている。そのため「はずれ2」に関し、「リーチはずれ図柄」などと称する場合もある。
【0260】
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄のはずれ図柄抽選テーブルを有さず、いかなる図柄乱数である場合においても1のはずれ図柄が決定されるようになっており、図柄乱数とテーブルの比較処理自体を省略し、1のはずれ図柄を記憶するよう構成している。なお、必ず1の図柄に当選する抽選テーブルを用いてはずれ図柄に当選するように構成してもよい。
【0261】
(変動パターン抽選)
「変動パターン抽選」は、特別図柄の抽選結果である停止表示図柄を停止表示するまでの変動表示時間を抽選により決定する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80において大当りであるか否か、大当りである場合について大当りの種類は何かに関する演出報知を行うため必要な演出時間として特別図柄抽選において、特別図柄の変動表示時間を後述する変動パターンテーブルを使用して決定する処理を行っている。
【0262】
図12には、主として通常遊技状態(低確率/低ベース中)、低ベース状態(非電チューサポート状態)、すなわち前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて遊技盤の左側領域P501Lに遊技球を発射することが推奨される状態の「低ベース中変動パターン抽選テーブル」を表している。
【0263】
図12に示される、「ID」は、変動パターン抽選を行った結果として記憶される情報を表しており、「変動パターン」は、同IDが当選した場合に演出表示装置P80にて表示される変動の演出の態様の代表例を示している。「変動時間」は、対象の変動パターン抽選の結果(変動パターンID)における特別図柄の変動表示時間値であり、特別図柄が変動表示してから停止表示されるまでの時間を表している。
【0264】
図12における「保1変動」から「保4変動」は、特別図柄抽選の実行条件を満たした状況における保留数を示しており、当否抽選結果が「はずれ」であり、対象の特別図柄(ここでは第1特別図柄)の保留球がN個であったとき、「保N変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。すなわち、低ベース状態における第1特別図柄の変動パターン抽選は、保留数に依存して使用する変動パターンテーブルを異ならせるように構成されている。なお、保留がない状態において、始動入賞口へ遊技球が入球した場合は、処理上一旦保留として格納されるため、「保1変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。
【0265】
一方図12中に示すように第2特別図柄に対応する変動パターン抽選は保留数に非依存であり、いかなる保留数である場合においても共通の抽選テーブルを使用するよう構成されている。なお、不図示ではあるが、図柄抽選の結果「はずれ2(リーチはずれ図柄)」が決定されている場合は、第1特別図柄の変動パターン抽選であっても、保留数に依存しない1の変動パターンテーブル(はずれ2用変動パターンテーブル)を使用して変動パターン抽選を行うよう構成されている。
【0266】
図12における「10R確変」、「5R確変」、「10R通常」、「5R通常」は、低ベース状態における、大当り時の変動パターン抽選に使用する変動パターンテーブルを示すものであり、当否抽選結果が「大当り」となり、図柄抽選結果がいずれの図柄であるかに応じて適宜変動パターンテーブルを選択して抽選が行われることを表している。図12では、第2特別図柄は低ベース状態における遊技の主体でないために、大当り変動パターンテーブルを大当り図柄に依存しない形で決定するように表現しているが、第2特別図柄の大当りについても、大当りの種別に応じて複数パターン有していてもよい。
【0267】
ここで、図12を用いて、低ベース状態における変動パターン抽選の具体例を説明する。具体例として、第1特別図柄の抽選であって、変動パターン乱数が「30000」、変動開始時の保留球数が3個である状況(変動開始後は保留数2個となる状況)であって当否抽選結果および当り図柄抽選が「はずれ1」となる状況について説明する。
【0268】
まず、変動開始時の保留数が「3」であることから「保3変動」の変動パターンテーブルを使用する。抽選処理は前述した当否抽選における抽選処理と同様、変動パターン乱数と、各抽選結果の変動パターンIDに対応する乱数値範囲を比較演算(減算)し、同範囲に乱数が属するか否かを判定する。本処理を行うことによってID「2」の通常変動Bのタイミングで、変動パターン乱数と乱数値範囲との比較演算を繰り返した結果が負の値となり、同IDが変動パターン抽選として決定され、特別図柄の変動表示として7秒の変動表示が行われた後、第1特別図柄表示装置P51にはずれ図柄1が表示されることとなる。
【0269】
続いて、図13を用いて高ベース状態における変動パターンテーブルについて説明する。高ベース状態における変動パターンテーブルの構成は、図12に示した低ベース状態における変動パターンテーブルと対象的な構成となっており、第2特別図柄に対して保留数依存となるはずれ時の変動パターンテーブル、大当り時の大当り図柄別テーブルを有するように構成されている。なお、図12図13にて、多くの変動パターンが共通して決定され得るように構成されているが、これは説明を簡略化する目的でもあり、低ベース状態と高ベース状態とで決定される変動パターンの重複はごく少数であったり、全く重複しないように構成することも可能である。
【0270】
また、高ベース状態における変動パターンテーブルの特徴として、はずれ時の第2特別図柄の「保3変動」および「保4変動」の抽選結果として、前提とするぱちんこ遊技機Pの最短変動時間となる2秒変動(変動パターンID「12」)が決定可能に構成されている。
【0271】
さらに高ベース状態における変動パターンの特徴点として、第1特別図柄の抽選については、必ず変動パターンID「4」の10秒変動が決定されるよう構成されている。第1特別図柄を10秒の変動で構成する理由として、図11に示した大当り図柄抽選テーブルにて、大当りした場合の遊技者利益が大きい(実行ラウンドが多いことによる獲得出玉期待値が高いこと、特定遊技状態として確率変動状態に移行する大当り図柄が多いこと)ことに起因しており、第2特別図柄に対応する変動表示を優先して数多く実施することで、遊技者により有利な大当りを獲得可能とすることを目的としている。また、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り遊技の有利度合いに差がほとんどない場合であっても、第2特別図柄優先消化制御を採用していることに基づいて、第1特別図柄が変動表示されることを避け、有利な状態である特定遊技状態(高ベース状態)が終了するまで、通常遊技状態(低ベース状態)にて成立した保留を保持しやすく、高ベース状態において第2特別図柄の保留を発生するのに使用する遊技球の量に対し、低ベース状態で第1特別図柄の保留を生起させるために多量の遊技球を要することを避ける目的もある。
【0272】
図14は、限定期間における特殊テーブルを示す図であり、特定の期間において参照される特殊な変動パターンテーブルを表している。図14には、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられる特殊な変動パターンテーブルの一例として、3つの期間の特殊な変動パターンテーブルを包括して記載している。
【0273】
より具体的には、図14には、大当り後の1変動目から4変動目までの期間(大当り時に存在する4つの保留で大当りとなる、いわゆる「保留連」(保留内連荘)と呼ばれる期間)に参照する「保留内連荘テーブル」(ID「51」、「71」が対象)と、大当り後のn回目からm回目の変動において参照され、55秒となるリーチ変動が選択されやすい高頻度リーチテーブル(ID「52」、「53」、「54」、「72」が対象)と、高ベース状態の最後の変動表示にて参照され、主に後述する「リザルト演出」が実行されることとなる「リザルト変動テーブル」(ID「55」、「73」が対象)が、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられていることが示されている。
【0274】
このように、限定的な期間に参照される特殊な変動パターンテーブルのことを、「特殊変動パターンテーブル」や「限定頻度(パターンテーブル)」などと称する。
【0275】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、限定頻度パターンテーブルの参照期間を、大当り遊技(特別電動役物の作動、言い換えると役物連続作動装置の作動)の後の定められた期間において参照可能に構成している。これらの参照期間について、大当りの種類(大当り図柄)によって、参照有無を異ならせたりすることも可能であり、小当り遊技に基づく特別電動役物の作動後の特定の期間において、参照する期間を異ならせるように構成することも可能である。いかなる状況でどのような特殊変動パターンテーブルを参照するかは、ぱちんこ遊技機毎に適宜設定可能なものであり、例示したものに限らず、必要があればその詳細を別途の記載で説明することとする。
【0276】
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける演出動作に係る制御を行う演出制御基板P41の制御に関する説明を行う。なお、演出制御基板P41の動作制御は、遊技機の型式試験上における制約は少なく、主制御基板P40の制御と比較して設計の自由度が高いものであるため、以下の説明で説明される処理のみに制限されるものでなく、処理が行われるタイミングについても適宜変更可能である。
【0277】
[演出制御基板の電源投入処理~メインループ処理]
前提とするぱちんこ遊技機Pは、遊技機の電源が投入されると演出制御基板P41のCPUにおいて、電源投入処理(ステップ4000)が実行する。ここで、演出制御基板P41の電源投入処理に関し図15に沿ってその詳細を説明する。
【0278】
前提とするぱちんこ遊技機Pの演出制御基板P41において電源投入処理(ステップ4000)が開始されると、演出制御基板P41上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定処理が行われる(ステップ4002)。初期設定処理は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛するが、前回の電源断が発生した状態で実行されていた演出に関し、主制御基板P40の電源投入処理(図7)と演出制御基板の電源投入処理(図15)の完了には時間差が生じるため、電源復帰後に電断前の演出に復帰してしまうと、主制御基板P40の動作とずれが発生する恐れがあることから、演出制御基板P41の電断復帰時の初期処理では、電断前に実行していた演出が実行されないよう演出情報などを初期化することが多い(「演出制御基板リセット」、「サブリセット」と呼ぶ)。
【0279】
(演出制御基板のメインループ)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、初期設定処理の後にメインループ処理へ移行する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80(画像表示装置)に対して接続する画像制御基板P42において演出画像を描画する周期(フレーム)の時間が、1秒間に30回描画するよう1周期約33ms(30FPS)に設定されるため、そのおよそ半分の周期である16msの周期にてメインループ処理のループを1回行うように構成されている(ステップ4002からステップ4016)。
【0280】
演出制御基板P41のメインループ処理では、まずCPUの暴走の検出を行うためのウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップ4004)。
【0281】
続いて、演出制御乱数データを更新する処理(ステップ4006)を行い、演出抽選を実行する契機が発生した場合に使用する各種の演出制御乱数を更新する。
【0282】
次に、入力ポート監視処理を実行する(ステップ4008)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する演出制御基板P41の割込み処理中においても入力ポートの監視を実行する仕様となっているが、メインループ処理における入力ポートの監視処理は、16ms周期の監視となるため、システム上必要な監視対象であるスイッチなどの入力の監視にとどまり、演出可動役物P560の演出制御に必要なセンサ類などの入力の監視は省略される。なお、変形例として、演出上監視すべき対象であるセンサ類に関し、メインループ処理内の入力ポート監視処理にて確認を行ってもよい。
【0283】
入力ポート監視処理で実行する内容は、主制御基板の入力ポート確認処理と同様、各種センサの入力データより、レベルデータを生成して記憶したり、立ち上がり(立ち下がり)データを記憶する処理が実行される。
【0284】
続いて、演出制御基板P41は、演出装置制御処理(ステップ4010)を行い、演出表示装置P80(画像表示)以外の演出動作に関する制御を実行する。本処理において制御される演出装置として、ランプP82(「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」)やスピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出可動役物P560などがあり、これらの演出装置に対して後述する演出制御処理(ステップ4012)などの処理によって実行が決定された演出内容に応じた演出動作命令を各演出装置に送信して演出動作を実行させる。
【0285】
演出装置制御処理(ステップ4010)における各種演出装置に対する演出動作命令の出力は、演出表示装置P80(画像表示装置)にて表示される演出画像と同期して実行(開始)される必要があるため、演出表示装置P80の制御を行っている画像制御基板P42から演出制御基板P41に対して一定間隔で送信される信号や、強制的に同期を図る信号を受信したこと(前述した入力ポート監視処理での受信)を契機として、演出表示装置P80の演出切り替わりタイミングとの同期を図り、各種演出装置に対して演出動作命令の出力を行う。
【0286】
なお、演出装置の内、演出可動役物P560の動作制御に関しては、演出可動役物P560の駆動手段に対して、より短い周期での制御が必要となることから、本処理において設定された演出動作命令にて実行されることとなる演出可動役物P560の動作パターンについて、後述する演出制御基板P41の割込み処理中(図16参照)においてもセンサの監視、動作切り替えが実行される。
【0287】
次に、演出制御基板P41のメインループ処理で実行される演出制御処理(ステップ4012)に関して説明する。演出制御処理は、後述する演出制御コマンド解析処理で主制御基板P40から受信した演出制御コマンドを解析した結果に基づき成立したフラグや受信した演出制御コマンド自体の情報(特別図柄抽選の抽選結果IDなど)、入力ポート監視処理(ステップ4008)、割込み処理(図16)等の他の処理中に成立したフラグを基に、各種演出装置で実行する演出内容を抽選したり選択することで決定する処理である。
【0288】
演出制御処理は、各フラグ情報やコマンド解析情報を基に実行すべき演出決定の処理を選択し、対応する演出決定のためのサブモジュール処理を呼び出して実行する。ここで決定される演出内容の例として、特別図柄抽選の実行結果に係るコマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)を基に1回の特別図柄の変動に対応する変動演出を決定する処理(予告やリーチの内容、停止する装飾図柄の決定などを行う処理)や、保留が発生した際に送信される保留数情報や事前判定情報を基に新たに発生した保留に対し先読み演出(「事前判定演出」とも呼ぶ)を実行するか否かを決定する先読み抽選処理や、特別遊技(大当りや小当り)の実行に際し演出制御コマンドとして送信された情報に基づき特別遊技中の演出内容を決定する特別遊技演出内容決定処理などがある。
【0289】
また、演出制御処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドに対する処理のみでなく、演出制御基板P41でエラーを検出した場合のエラー表示内容の決定処理(主制御基板から送信されたエラー情報に基づくエラー表示内容の決定処理を含む)や、遊技者によって演出操作手段P81である演出ボタンP381、十字キーP383などの入力操作に基づいてスピーカP83から出力される音量の調整や、ランプP82の発光輝度を変更する光量調整、演出内容および演出内容決定傾向のカスタマイズといった演出内容の決定も実行する。
【0290】
なお、演出制御処理で呼び出されるサブモジュール処理にて行われる各種の演出内容の決定処理については、遊技機毎に固有の仕様を用いられることが多いため、説明を割愛し、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pにおいて特徴を有する処理を実行する場合には、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pの実施例の説明にてその詳細を説明することとする。
【0291】
演出制御基板のメインループ処理の説明に戻り、メインループ処理の最後の処理として演出制御コマンド解析処理(ステップ4014)を説明する。
【0292】
演出制御コマンド解析処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドとして記憶されている情報を基に、前述した演出制御処理において演出内容の決定に使用するための演出制御コマンドに対応する情報の記憶や、フラグの設定を行う。本処理は、主制御基板P40から送信されたコマンドに応じて処理内容を決定する必要があり、演出制御コマンドであるMODEデータ、EVENTデータの内容より処理内容を決定して、演出制御コマンドに応じた処理が実行される。
【0293】
なお演出制御コマンドは、主制御基板P40の割込み処理毎(4ms毎)に1のコマンド(MODEデータとEVENTデータ)が送信される可能性があるため、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41のメインループ処理の周期(16ms)が経過するまでの間、処理可能な限り演出制御コマンドの解析を繰り返し実行する(ステップ4016)。
【0294】
[演出制御基板の割込み処理]
次に、演出制御基板P41のCPUにおいて実行される割込み処理に関して説明する。演出制御基板P41における割込み処理は、主制御基板の割込み処理とは異なり、異なる実行契機で開始される複数の割込み処理を有している(図16(A)および(B)を参照)。なお、これらの複数の割込み処理には、優先度が設定されており、より上位の優先度の割込みが発生した場合には、割込み処理の実行中であっても上位の割込み処理を実行するように制御される。本説明においては、代表して演出制御タイマ割込み処理(図16(A))と、演出制御コマンド受信割込み(図16(B))とについて説明を行う。
【0295】
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御タイマ割込み処理(図16(A))は、演出制御基板P41のCPUにおいて、1ms周期で実行される割込み処理である。
【0296】
ポート入出力処理(ステップ5002)は、演出制御基板P41の入力ポートより、演出可動役物P560の位置検出のために設けられたセンサや、他のセンサ(演出操作手段P81の入力センサ)の入力からレベルデータ、立ち上がりデータを生成して記憶する処理や、出力ポートより、演出装置制御処理にて設定された動作パターンに従って演出可動役物P560の駆動手段(ソレノイドやステッピングモータなど)に対して駆動信号を出力する処理が実行される。また、出力ポートからデータ出力を行った際には、必要があれば出力回数をカウントするカウンタ(記憶領域)のデータを更新する。
【0297】
タイマ更新処理(ステップ5004)は、演出動作の切り替えタイミングを計るタイマの減算や加算を行う処理である。各タイマに関し更新処理が終了すると、比較値との比較演算を行い、演出動作の切り替え条件が発生したか否かを判断し、演出制御処理(ステップ4012)において演出内容の決定に必要な情報やフラグを記憶領域に記憶する処理を行う。
【0298】
センサ監視処理(ステップ5006)は、ポート入出力処理にて生成したセンサの検出データより、演出可動役物P560の演出動作切り替え条件が成立したか否かなど、演出動作の切り替えに係るセンサ検出情報の発生有無を判断し、動作パターンのテーブルを切り替える処理を行ったり、演出制御処理(ステップ4012)にて演出内容を決定するための条件フラグを立てる処理を行う。
【0299】
演出ボタン監視処理(ステップ5008)は、演出操作手段P81である演出ボタンP381やレバーP382、十字キーP383などの入力に基づく演出の切り替え条件の成立有無を判断する処理である。演出ボタン監視処理では、ポート入出力処理(ステップ5002)において生成された各入力装置の入力状態を示すレベルデータや立ち上がりデータ(前回オフから今回オンへレベルデータが変化したことを示すデータ)より演出操作手段P81に対する操作有無、操作態様を判断する。
【0300】
例えば、演出操作手段P81に対する入力情報として、立ち上がりデータが生成されている場合には演出操作手段P81に対する遊技者操作があったものとして、対応する演出の実行のためのフラグなどの情報を記憶する。なお、立ち上がりデータのみで入力を判断すると電気的なノイズにより誤検出して演出動作の切り替えが行われる可能性があるため、立ち上がりデータの発生後、複数回のレベルデータ(オンデータ)の入力が連続したことを契機として演出操作手段P81に対する遊技者操作(「単押し(単引き)操作」、「一撃操作」と表現する場合がある)と判断してもよい。
【0301】
また、オン入力のレベルデータが連続して500回検出された場合、すなわち0.5秒に渡って演出操作手段P81が操作されたと判断した場合、「長押し(長引き)」操作と判断し、特殊な操作として扱うよう構成している。なお、「長押し(長引き)」操作の有無、継続の判断において立ち下がりデータ(前回オンから今回オフへレベルデータが変化したことを示すデータ)が電気的にノイズとして検出される場合があるが、この場合も前述した誤検出防止の対策と同様に立ち下がりデータの検出後、複数回のレベルデータ(オフデータ)の入力を検出したことに基づいて、「長押し(長引き)」操作の入力終了を判断するものとしてもよい。
【0302】
そして、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、実行中の演出内容によっては、演出ボタンP381に対する「長押し」操作の実行により、一定周期毎(例えば0.3秒毎)に1回の演出操作手段P81の「単押し(単引き)」入力操作があったと見做す処理を繰り返して行わせることを可能としており、このように「長押し(長引き)」操作などの特殊な操作を契機として、「単押し」操作が行われたと見做して繰り返し処理が実行されることを「オート連打」操作と呼ぶ。なお、「オート連打」操作は、例示した操作内容に限らず、複数の演出操作手段P81を同時操作するものや、演出ボタンとは異なるスイッチとして設けられたディップスイッチなどのオンオフ操作することで、演出ボタンP381の入力に基づき「オート連打」操作が実行されたと見做す手法を採用することも可能である。
【0303】
なお、演出操作手段P81に対する入力は、演出の実行状況によって、有効操作として扱う期間(「操作有効期間」)と、無効操作として扱う期間(「操作無効期間」)とが存在する。
【0304】
マルチタスク処理(ステップ5010)は、演出制御タイマ割込み処理が実行される毎に更新されるタスクカウンタ(値「0」~「15」の間で更新)の値に応じて、今回発生した演出制御タイマ割込み処理中で実行する処理内容を異ならせて行う処理である。タスクカウンタが16ms周期で循環するように構成されており、メインループ処理の1周期とほぼ同期して各カウンタ値における処理が実行されるように構成されている。各タスクにおける処理の一例としては、画像制御基板P42の動作が実行できるか否かを画像制御基板P42から送信される信号(ポート入出力処理にて入力情報を生成)を基に判断し、画像制御基板P42の動作状況を監視する処理が行われる。
【0305】
画像制御コマンド送信処理(ステップ5012)は、画像制御基板P42のCPUに対して演出制御処理P41にて決定した演出内容に応じた画像表示を実行させるべく、画像制御コマンド(「サブ間コマンド」と呼ぶ場合もある)を画像制御基板P42のCPUに対して送信する処理である。なお、画像制御基板P42と演出制御基板P41は同一の基板で構成してもよいが、本明細書内では便宜的に画像制御基板P42として記載する。
【0306】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41は、画像制御コマンドを表示内容の種類を示す第1コマンドと、表示内容のパターンを指定する第2コマンドとで構成し、画像制御基板P42に送信する構成となっている。
【0307】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御タイマ割込み処理にて画像制御コマンドを送信する構成となっているが、演出制御基板P41と画像制御基板P42との間におけるコマンドの送受信に関して、別途割込み処理を設けて送受信を行うように構成することも可能である。
【0308】
(演出制御コマンド受信割込み)
演出制御コマンド受信割込み(図16(B))は、主制御基板P40の割込み処理(図9)中の演出制御コマンド送信処理(ステップ2040)においてストローブ信号が出力され、当該ストローブ信号を演出制御基板P41が受信した場合に発生させる割込み処理である。
【0309】
演出制御基板P41は、演出制御コマンド受信割込みを開始すると、主制御基板P40の出力ポートより送信される演出制御コマンド(MODEデータまたはEVENTデータ)を読み取り、一時バッファデータを更新して記憶する(ステップ5502、ステップ5504)。
【0310】
一時バッファデータの更新が終了すると、1の演出制御コマンド(MODEデータとEVENTデータの組み合わせ)の受信が完了したか否かを判断する(ステップ5506)。なお、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドは、1バイトデータのうち、特定のビットが「1」「0」で構成されている。
【0311】
前述したステップ5504の一時バッファデータ(2バイトデータ記憶領域)の更新に際しては、通常下位の1バイトの記憶領域に今回受信した演出制御コマンドの内容を記憶する処理を行う。このとき、更新前に現在の一時バッファデータの記憶領域の下位1バイトのうち特定のビットの部分がMODEデータであることを示す場合、一時バッファデータの記憶データを上位の1バイト記憶領域にシフトさせて記憶させた後、今回受信したEVENTデータを一時バッファデータの下位の1バイトの記憶領域に記憶する処理が行われる。
【0312】
そしてステップ5506の演出制御コマンドの受信完了の判断においては、一時バッファデータの下位1バイトのうちの特定のビットがEVENTデータを示すデータであるか否かを判断し、EVENTデータであると判断した場合には、1の演出制御コマンドの受信が完了したもの(ステップ5506YES)として次の処理に進み、MODEデータであると判断した場合(ステップ5506NO)には、主制御基板P40からEVENTデータの送信に基づくストローブ信号を受信するまで、演出制御コマンド受信割込みを抜け、他の処理を行って待機する。
【0313】
ステップ5506において、演出制御コマンドの受信が完了したと判断した場合、送られた演出制御コマンドが正常なものであったか否かを判断する(ステップ5508)。この処理は、例えば、主制御基板P40から送信され得る演出制御コマンドの一覧データの中に一致するデータが存在するか否かを基に判断される。そして、正常なコマンドであると判断された場合には、演出制御タイマ割込み処理中の演出制御コマンド解析処理にて解析されるように受信した演出制御コマンドを記憶するための記憶領域に記憶し、異常データの場合には一時バッファデータを破棄する。
【0314】
[基本的な画像表示の演出例]
次に、図17から図20を用いて、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける基本的な演出に関して説明を行う。図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図であり、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。図19は、大当り遊技を実行している状態を表した図であり、図20は特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
【0315】
(通常遊技状態の演出表示例)
《装飾図柄》
図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図である。画面の略中央領域に3つの数字が遊技者に対して明瞭に確認できる態様にて表示されている。この3つの図柄は「装飾図柄(P801)」(「装図」とも呼ぶ)と呼ばれており、特別図柄抽選の結果に対応して表示される演出的な表示物であり、特別図柄の変動表示に合わせて変動表示される。なお、図17中では数字のみで表現しているが、各数字にキャラクタ画像などの装飾画像を伴って表示される場合もある。また、各数字に装飾画像を伴って表示するよう構成する場合には、遊技状態によって装飾画像や各数字の表示態様を相違させてもよい。そのように構成することによって、遊技者は現在の遊技状態を判別し易くなる。
【0316】
装飾図柄P801は、特殊な演出を行っている場合を除いて特別図柄の変動表示1回(特別図柄抽選1回)に対して、1度の演出としての変動表示が行われる。なお、不図示であるが、装飾図柄P801の変動表示が行われる際には、装飾図柄が高速で変動表示(場合によっては透過表示や非表示となる)され、アニメーションや演出効果の画像による「予告」と呼ばれる演出により、大当り遊技の権利獲得の期待感を高める演出を行う。
【0317】
図17に示す装飾図柄P801は、変動表示が開始されると上下方向(上から下方向)にスクロール表示された後、左図柄(P801a)、右図柄(P801c)、中図柄(P801b)の順に図柄列毎に、演出制御基板P41で決定された停止表示図柄が停止表示される。一般的には、3つの装飾図柄P801が同一の態様(ぞろ目)で停止表示された場合に、大当りであることを演出的に報知するものとなっている。また、1の図柄が変動表示を行う一方で他の図柄が表示されている状態、例えば、最後に停止する図柄(「最終停止図柄」とも呼ぶ)である中図柄P801bが停止する前に左図柄および右図柄が同一の図柄で表示(仮停止表示)されている状態のことを「リーチ」(「リーチ状態」「リーチ態様」)と呼ぶ。
【0318】
装飾図柄P801の変動表示は、上下方向(上から下方向)にスクロール表示する態様で表示されることが多いが、変動表示の態様は上下方向に限らず、左右方向や奥行きを使って前後(斜め)方向にスクロール表示動作を行うものであってもよいし、スクロールせずにその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよい。
【0319】
また、装飾図柄P801は1回の特別図柄の変動表示中において、複数回の停止表示を行う場合を有している。この時、複数回の停止表示に際して、特別抽選の結果を示す停止表示は、特別図柄の停止表示図柄が特別図柄表示装置に停止表示されるタイミングと同時期に表示される停止表示であり、それ以外のタイミングにおける停止表示を「仮停止(表示)」という。なお、特別図柄の停止表示と同時期の停止表示ついては、「本停止」と表現する場合がある。
【0320】
装飾図柄P801の仮停止が行われた際には、最終的な図柄の停止表示(本停止)と区別するため、装飾図柄P801を完全に固定せず、固定したと認められない程度に一時停止させたり、上下あるいは左右などの方向に動作したり、1の回転軸を中心に揺れ動作を行ったりするように構成される。このような状態のことを仮停止の他に「揺れ変動」などと表現する場合がある。
【0321】
装飾図柄P801が仮停止表示された後は、再び変動表示を繰り返す場合があり、一般的に大当り図柄以外の図柄が仮停止した状態からの再変動を「擬似変動(擬似連)」演出と呼び、大当り図柄の停止後に停止表示される大当り図柄を変更する場合がある再変動を「昇格(変動)」演出と呼ぶ。なお、昇格演出を実行する場合には、停止した大当り図柄よりも不利な大当り図柄には変更しないよう構成したり、はずれ図柄に変更しないよう構成してもよい。
【0322】
また、装飾図柄P801の停止表示に際して、通常の変動表示中は表示されておらず、一部の演出を実行する場合にのみ表示される特殊な装飾図柄の一種があり、これを「特殊装図(P804)」(特殊図柄)と呼ぶ。特殊装図は、それぞれの図柄に意味があり、例えば特定の大当りが実行されることを示唆したり、前述した擬似変動演出を行うことを示唆したり、特定のリーチ演出(リーチ態様となった場合に表示される予告演出)が実行されることを示唆するものなどが挙げられる。特殊図柄を用いる場合には、最後に仮停止する装飾図柄(中図柄P801b)として特殊図柄を仮停止させてもよいし、左図柄P801a、中図柄P801b、右図柄P801cのすべてを代用する1つの装飾図柄として特殊図柄を仮停止させてもよい。
【0323】
《簡易装図(ミニ装図)》
画面右上には、装飾図柄P801と同一の態様にて表示される3つの数字が表示されている。この図柄は「簡易装図(P802)」(「簡易図柄」)や「ミニ装図」とも呼ばれ、前述した「装飾図柄」同様特別図柄の変動表示に合わせて、特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示される。
【0324】
簡易装図P802(ミニ装図)は、「装飾図柄」と異なり、装飾図柄P801が停止表示されない特殊な演出が行われている場合であっても、特別抽選の結果を示す特別図柄が特別図柄表示装置P51、P52に表示されるのに合わせて、特別図柄抽選1回に対して必ず1回の停止表示を行う。
【0325】
また、簡易装図P802の変動表示は、前述した装飾図柄P801がリーチ態様となった場合に、同一のリーチ態様を形成するように構成してもよいし、特別図柄抽選の結果を報知するという最低限の目的を達成するために、装飾図柄P801とは無関係に特別図柄の変動表示が停止表示状態となるまで一定の表示切り替えを行う、といった簡略的な変動表示とする方法を採用してもよい。
【0326】
《保留表示領域》
図17の下部領域には、保留表示領域P810が設けられている。保留表示領域P810には、遊技者が獲得した特別図柄抽選の権利として、未行使の権利に対応する保留(乱数値)に対応した保留オブジェクトP811が表示される。図17の例では、特別図柄抽選の権利が3つ保留されている状態を示している。
【0327】
図17の例では、特別図柄抽選の実行時期が早い保留(すなわち先に発生した保留)であるほど、画面下部の略中央方向に近い位置に表示されるようになっており、保留表示領域P810の最も右側に位置する保留オブジェクトの表示位置を「保1(表示領域)」と呼び、画面左側に向かうにつれて「保2(表示領域)」、「保3(表示領域)」、「保4(表示領域)」と呼ぶ。
【0328】
また、保留表示領域P810の右側近傍には、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と略同一態様のオブジェクトが一段高い位置に保留オブジェクトP811より大サイズに表示されている。本表示領域は、現在の特別図柄変動表示の開始契機となった乱数値に対応した保留表示を保留表示領域から継続して表示するものであり、「当該変動オブジェクト表示領域(P812)」と称する。また、当該変動オブジェクト表示領域P812に表示されるオブジェクトを「当該変動オブジェクト(P813)」と呼ぶが、「当該保留表示」などと称する場合があり、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と差別化するために「当該」という頭文字をつけている。
【0329】
なお、当該変動オブジェクト表示領域P812における当該変動オブジェクトP813の表示態様は、保留オブジェクトP811と完全に同一に構成する必要はなく、変動開始に伴いある保留表示が当該変動オブジェクト表示領域P812に移動表示する際に、形状が変化したり、消失(非表示)となったりする場合があってもよい。また、当該変動オブジェクトP813についても、後述する保留変化先読みにおける保留表示と同様に表示態様が変化し得るよう構成してもよい(例えば、変動表示の途中のタイミングでオブジェクトの形状や色が変化する)。
【0330】
《簡易保留表示》
画面左側の高さ方向略中央位置には、2つの数字が縦方向に並んで表示されている。この2つの数字は、現在の第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数を表しており、「簡易保留表示(P814)」と呼ばれる。図17中の例では、第1特別図柄の保留数を上に表示される数値「3」で示しており、第2特別図柄の保留数を下に表示される数値「4」で示している。
【0331】
(先読み演出)
《保留変化先読み》
また、図17においては、保留表示領域P810における保3表示領域の保留オブジェクトP811が、保2、保1の表示領域における保留オブジェクトP811とは異なる態様で表示されている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、保3の保留オブジェクトP811の表示態様の方が保2の保留オブジェクトP811の表示態様よりも大当りとなる可能性が高くなるよう構成されている。このように、特定の保留に対して、保留オブジェクトP811の表示態様を変化して表示させる演出のことを「保留変化(先読み)」と呼んでいる。
【0332】
なお、図17に例示した態様のみに限らず、複数種類の変化態様を有し、そのそれぞれに対して大当りとなる可能性(期待度)が異なり得るように構成し、段階的に保留オブジェクトP811の表示態様を変化させていってもよい。
【0333】
また、「保留変化(先読み)」に限らず、保留として記憶されている乱数値に対して演出の実行対象として決定した場合に、演出の実行対象となった保留に対応した変動表示が開始されるよりも前に、先んじて演出の実行対象となった保留の大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出のことを「先読み演出」(「事前判定演出」と称する場合もある)と呼んでいる。
【0334】
そして、「先読み演出」を実行する場合に、演出の実行対象となった保留として決定された保留のことを、「先読み対象保留」、「トリガ保留」、「犯人保留」などと称する場合があり、先読み対象保留に基づく特別図柄の変動表示のことを「先読み対象変動」、「トリガ変動」、「犯人変動」などと称する。
【0335】
ここで、「先読み演出」として、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用し得る代表的なものをいくつか例示する。
【0336】
《チャンス目先読み》
「チャンス目先読み」は、先読み対象変動の変動が開始されるまでの装飾図柄P801の変動表示において、予め定められた法則に則った装飾図柄P801の停止表示図柄が停止表示(または仮停止表示)される演出である。チャンス目として予め定められる装飾図柄P801の停止表示態様の法則の一例としては、(ア)装飾図柄の数字部分の色合いが同一の図柄のみの組み合わせによってはずれ図柄が停止表示される場合、(イ)「1」「2」「3」や「5」「4」「3」など、装飾図柄の停止図柄が順番に並ぶ(順目、逆順目)など規則的な停止表示態様で表示される場合、(ウ)「7」などの特別な数字又は「先」などの数字とは異なる図柄が、中図柄の停止表示図柄として停止表示される場合、などが挙げられる。
【0337】
《演出可動役物先読み》
「演出可動役物先読み」は、遊技盤P5または枠(ガラス枠P3)に設けられた演出可動役物P560または枠可動役物P360(前提とするぱちんこ遊技機P1のレバーP382など)を、先読み対象変動の変動表示が開始されるまでの変動、あるいは先読み対象変動まで跨いで、変動開始から演出動作パターンに従ってにぎやかし動作させる演出である。
【0338】
《ゾーン移行先読み》
「ゾーン移行先読み」は、先読み対象変動が開始される前の特別図柄の変動表示において、特殊な演出モード(「ゾーン」と呼ばれる)へ移行させ、先読み対象変動となる変動表示までの間、特殊な演出モードに対応した予告演出を実行させるための予告抽選を実行することで、大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出である。例えば、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→大当り」となったり、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→はずれ図柄が停止して通常背景に戻る」となる。
【0339】
(リーチ演出の実行時の表示例)
続いて、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。「リーチ演出」は、前述したように、1の装飾図柄(中図柄P801b)以外の装飾図柄(左図柄P801a、右図柄P801c)が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態における演出のことを言う。
【0340】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、多くの場合、リーチ演出を経由して3つの装飾図柄P801が同一の停止表示態様となることで大当りを報知する仕様となっている。
【0341】
図18の例では、装飾図柄の左図柄P801aと右図柄P801cが「5」で表示されており、変動中の中図柄列の図柄として「4」、「5」、「6」が表示されている状況であり、「4」図柄が激しく振動し、「5」に切り替われば大当りとなる状況を示している。
【0342】
ここで、図18の例では、装飾図柄の左図柄と右図柄である「5」の表示が、図17の停止表示時の装飾図柄P801よりも小さく表示されており、変動表示中の中図柄列の装飾図柄P801bを停止表示時の装飾図柄P801よりも大きく表示し、強調表示している。この時の左図柄P801a、右図柄P801cに対応する小さく表示された装飾図柄を「退避図柄(P803)」や、「リーチ図柄」などと呼ぶ場合がある。リーチ演出では、図示した例以外にも、装飾図柄の変動表示に伴って表示される予告演出(リーチ演出)のアニメーションの結末がどのような結末になるかによって大当りとなるか否かを報知する場合もあり、すでに仮停止表示された左図柄P801a、右図柄P801cを退避図柄P803小さくして表示する(あるいは非表示とする)ことで、遊技者に注目させたい演出の視認性を高めるようにしている。
【0343】
また、装飾図柄P801の表示数を3つとしない遊技機なども知られており、同時に複数列のリーチ態様を形成するマルチラインリーチなども存在するが、その詳細に係る説明は割愛する。
【0344】
リーチ演出の例外として、3つの装飾図柄P801の全てが同一の態様で同期して変動表示される「全回転リーチ」と呼ばれるリーチ演出が存在する。リーチ演出の基準である「1の装飾図柄以外の装飾図柄が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態」とは状況的に異なるが、全回転リーチもまたリーチ演出として当業者には認識されるものである。
【0345】
また図18において、画面右下領域には、「演出設定表示領域(P850)」が表示されており、図18の例では演出設定表示として音量設定表示P851が表示されている。
【0346】
演出設定表示領域P850は、遊技機PのスピーカP83から出力される音量レベルを調整する音量設定機能や、遊技機Pの装飾ランプP82の発光輝度を調整する光量調整機能、さらには、演出モードと呼ばれる発生する予告演出の種類を変更したり、予告演出の発生頻度を変更したりする演出モード変更機能の設定状況および変更状況に係る表示を行う領域である。
【0347】
演出設定表示領域P850は、常時表示されているものではなく、遊技者が前述した各種演出設定(音量調整機能、光量調整機能、演出モード変更機能)に係る操作を実行した場合において、一時的に表示されるものであり、例えば十字キーP383の左右方向の操作により図18に示す音量調整機能に係る演出設定表示(音量設定表示P851)を表示させることが可能である。図18の状況において、さらに遊技者により十字キーP383の右ボタンが操作された場合には、設定されている音量レベル(図中の黒塗り領域)が増加し、音量設定値が「3」から「4」へと変化するようになっている。
【0348】
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、光量調整を行う場合は、十字キーP383の上下方向の操作によって変更操作が行われるように構成され、演出モード変更機能は、演出ボタンの操作に応じて演出モードを予め定められた順序で切り替える例が挙げられる。なお、これらの演出設定に係る操作は、遊技中の演出の実行との関係上異なる操作態様を採用する場合もあり、例示した設定の変更方法以外にも適宜採用可能である。
【0349】
また、演出設定表示領域P850の表示や、各種演出設定機能の利用に関し、遊技者の演出設定操作を有効とする期間、無効とする期間をそれぞれ設定することが可能であり、特に重要な演出が実行されるときには、演出設定表示領域P850を非表示とし、各種演出設定機能の利用を無効とするよう構成される。
【0350】
(大当り遊技中の演出表示例)
続いて、図19に基づき、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて大当り遊技を実行している状態における演出の表示態様を説明する。
【0351】
《大当りの種類を示す演出表示》
図19の画面左下および画面右上には、大当り遊技の実行契機となった装飾図柄P801の表示が行われている。画面左下は、前述したリーチ演出の実行中と同様、変動表示中の装飾図柄よりも小さい表示態様にて1の装飾図柄P801(「大当り装図(P805)」とも呼ぶ)を表示し、画面右上には、特別図柄の変動表示が終了した際に表示した簡易装図P802を引き続き表示している。
【0352】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当りの発生契機となった(大当りの発生時に停止表示した)装飾図柄P801の種類によって、遊技者に実行される大当りの種類や大当り中に獲得できる遊技球数の期待度合や大当り終了後の遊技状態(通常遊技状態)を演出的に示唆している。そのためこのように大当りの実行契機となった装飾図柄(大当り装図P805、簡易図柄P802)を表示させておくことによって、大当り遊技中においても大当りの種類や、獲得が期待される遊技球数を示唆することを可能としている。
【0353】
また、大当りの種類を示す表示として、図19では「ROUND6」(「ラウンド表示(P820)」と呼ぶ)という文字列の下に、五角形の盾を模したアイコン画像P821が表示されており、アイコンP821の中央に「MAX」という文字が記載されている。図中のアイコンP821では「MAX」の文字列が示唆する大当りであって、前提とするぱちんこ遊技機Pが有する最大ラウンドの大当り遊技が実行されることを示している。このアイコンP821は「大当りアイコン」や「連荘(表示)アイコン」と呼ばれ、特定遊技状態と大当り遊技が繰り返し実行される毎に、累積的に並んで表示が増加し、いわゆる「連荘」状態において何回、どのような種類の大当りを獲得したかを遊技者が理解できるように報知する演出表示である。
【0354】
なお、図示はしていないが、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り開始デモ期間において実行される演出表示の「大当り開始デモ演出」において「〇〇ボーナス!」(最大ラウンド大当りを報知)や「△△チャンス」(最大ラウンドではない大当りを示唆)といった表示を行うことにより、大当りの種類を遊技者に報知する演出を実行する。
【0355】
また、例えば実行されるラウンド数が少ない「△△チャンス」などの大当りであることが示唆された場合であっても、大当りラウンド中において「エクストラボーナス!+〇ラウンド」として、大当りの実行ラウンドが実は最大ラウンドの大当りであることを報知するといった「大当り昇格演出」を実行することも可能である。
【0356】
なお、「大当り昇格演出」は、先に報知された大当りの種類よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態へ移行することとなる大当り遊技が実行されていることを示唆する場合にも使用されることがある。例えば、大当り遊技後に確率変動機能が作動しないことを示唆する大当り遊技(「非確変大当り」、「通常大当り」と呼ばれる)の演出から、大当り後に確率変動機能が作動することとなる大当り遊技(「確変大当り」、「特定大当り」と呼ばれる)の演出へと演出表示が切り替わる、というような演出表示が挙げられる。
【0357】
《大当り遊技の進行状況を示す演出表示》
次に大当り遊技の実行に際して、大当り遊技の進行状況を示す演出表示に関する説明を行う。図19において、大当りの演出表示を示す演出として、画面左上の「ROUND_〇」の文字列表示で実行される「ラウンド表示(P820)」、画面右下において「TOTAL_〇〇pt」の文字列表示で実行される「獲得球数表示(P822)」、画面右側略中央の10個の円形画像オブジェクトで表示される「カウント表示(P825)」などが挙げられる。不図示ではあるが、大当り遊技中はこれらの表示に加えて「ラウンド演出」と呼ばれるアニメーションなどの画像表示が表示される。
【0358】
《ラウンド表示》
「ラウンド表示(P820)」は、大当り遊技中において、実行中のラウンド遊技(単位遊技)が何ラウンド目かを示す表示である。ラウンド遊技が開始されるタイミングで「ROUND」の右側の数値が更新される。図19の例では、6ラウンド目のラウンド遊技が実行されている状況を示している。
【0359】
なお、「ラウンド表示(p820)」は、必ずしも実際の大当り遊技中の実行ラウンド数に同期する必要はない。例えば、前述した「小当りV」のスペックでは、小当り遊技中を1ラウンド目としてカウントして、V入賞後に実行される大当り遊技の1ラウンド目を2ラウンド目として扱うようすることがある。また、他の例では、ラウンド遊技における大入賞口P751の開放パターンが、短時間の入球容易状態への移行で終了する場合には、「ラウンド表示」の値を更新せず、大入賞口の開放パターンが長時間の入球容易状態となる場合においてのみ、実質的に実行されたラウンド「実質ラウンド」として扱う場合などがあってもよい。
【0360】
《獲得球数表示》
「獲得球数表示(P822)」は、実行中の1回の大当り遊技で累積獲得している遊技球数を表示する「大当り獲得球数表示(P823※不図示)」と、特定遊技を挟んで複数回の大当りにおいて累積的に獲得した遊技球数を表示する「累積獲得球数表示(824)」といった種類がある。図19においては、5桁の獲得球数表示である「累積獲得球数表示(P824)」が表示されている例を示している。なお、「大当り獲得球数表示(P823)」と「累積獲得球数表示(P824)」を並列的に同時表示してもよい。
【0361】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」について、大当り遊技中における大入賞口P751への入球に基づく累積の賞球払出数を表示するものとしている。しかし、獲得球数表示P822の賞球払出の累積対象として、遊技盤P5の右側領域P501Rに配置された一般入賞口P731や第2始動入賞口P721に対する入球に基づく払出に関して累積して加算してもよい。
【0362】
また、他の変形例として、「獲得球数表示(P822)」の表示期間は、大当り遊技中だけでなく、特定遊技の実行中に表示してもよいし、「獲得球数表示(P822)」の累積賞球払出数の加算期間についても、大当り遊技中だけでなく、特定遊技中や、小当り遊技中に拡大するよう構成してもよい。
【0363】
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」の他に、累積した賞球払出数が「2500球」、「5000球」、「10000球」など、区切りとなる払出数を迎えた場合などの特殊な状況においてのみ、遊技者に「獲得球数表示」に加えて強調して報知する「区切り獲得球数表示」演出を実行可能としている(例えば、「GET10000!!」と表示する)。
【0364】
《カウント表示》
「カウント表示(P825)」は、1回のラウンド遊技において大入賞口P751の閉鎖条件として設定される遊技球数まであと何球入球可能か、または今回のラウンド遊技において何球の遊技球が大入賞口P751に入球したかを表す表示である。前者は、図19において網掛け表示される円形オブジェクトで表示されており、後者は白抜きの円形オブジェクトとして画面右側略中央位置に2列のオブジェクト表示として表示されている。
【0365】
図19の例では、6ラウンド目の遊技として、大入賞口へ5球入球済みであり(白抜きの円形オブジェクトで表示)、あと5球入球可能であること(網掛けの円形オブジェクトで表示)がカウント表示P825により示されている。カウント表示P825は新たなラウンドが開始されるたびに表示が初期態様にリセットされる。
【0366】
大当り遊技のラウンド遊技の実行中には、遊技球の流下状況により、大入賞口P751の閉鎖条件を満たすこととなる遊技球に連続して大入賞口P751の閉鎖条件以上の遊技球数となる入賞が発生する場合があり、このような閉鎖条件以上の遊技球数の入賞が発生することを「オーバー入賞」と呼ぶ。
【0367】
図示はしていないが、「オーバー入賞」が発生した場合に、カウント表示P825のオブジェクト表示等を使って特殊な演出を行ったり、演出ランプP82の特殊な発光やスピーカP83から特殊効果音を発したりして報知してもよい。また、前述した獲得球数表示P822については、「オーバー入賞」となる入賞に基づく賞球払出数を加算対象としてもよいし、加算対象外としてもよい。
【0368】
《大当り遊技中のその他の演出表示》
次に、図19において演出表示が実行されている、他の演出表示について説明する。
【0369】
まず、画面左側略中央位置に表示されている2つの数字は、前述した簡易保留表示P814である。
【0370】
画面左下の装飾図柄(大当り装図P805)の右側に表示されている「Sound_2」という表示は、現在の大当り遊技中に再生している楽曲のタイトルを示す「選択楽曲表示(P854)」である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中において、1ラウンド目や2ラウンド目の間に演出ボタンP381や十字キーP383を操作することによって、遊技者が任意に再生する楽曲を選択可能とする仕様を有している。選択楽曲表示P854に関し、楽曲が変更可能な状況である場合には、図20に示すように選択楽曲表示P854の近傍に「(上)(下)キーで変更できます」という画像表示を行う。
【0371】
なお、このような大当り遊技中における演出の選択は、楽曲選択に限らず、ラウンド演出の変更や、大当り遊技後における特定遊技中の演出(演出モード)の選択なども可能とするが(総称して「演出カスタマイズ表示(P853)」と呼ぶ)、それらの詳細な説明は割愛する。
【0372】
最後に、画面右上の簡易装図P802の下部に表示されている「右打ち」および右側矢印記号は、「打ち分け報知(P830)」(「推奨発射位置報知」などとも呼ばれる)に係る画像表示である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中は、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射することが推奨される遊技状態であるため、「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)が実行されている。
【0373】
「打ち分け報知」は、大当り遊技中に限らず、特定遊技状態における遊技中や、通常遊技状態における遊技中においても表示される場合を有する。特に、遊技状態が切り替わるような状況(大当りの発生/終了や、特定遊技状態の発生/終了)においては、図19に示す打ち分け報知P830よりも、遊技者が認識しやすいよう大きなサイズの表示を画面中央部などに一時的に表示することで、次の遊技状態での推奨される発射位置を遊技者に報知する演出が実行される。
【0374】
なお、「打ち分け報知(P830)」において、遊技状態が遷移するタイミングで一時的に大きなサイズで表示されるものを「第1打ち分け報知画像」(「右打ち大表示(P831)」、「左打ち大表示(P833)」)と表現し、大当り遊技中や特定遊技状態中において、遊技状態での推奨発射位置を、遊技状態が続く期間のほぼ全てにおいて表示する表示について「第2打ち分け報知画像」(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)と表現する場合がある。
【0375】
また、「打ち分け報知(P830)」の他の種類の演出として、推奨される発射位置以外の位置に遊技球が発射されている状況を検出した場合、例えば、大当り中に遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射した場合に、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射すべきことを遊技者に対して注意喚起する「左打ち警告報知」(「右打ち注意喚起報知(P835)」)として「右打ちしてください」などのメッセージ表示)を行う。なお、推奨発射位置と遊技者の実発射位置が逆の状況では、「右打ち警告報知」(「左打ち注意喚起報知(P936)」)が実行される。
【0376】
(特定遊技状態中の演出表示例)
図20は、特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。図中には多岐にわたる演出表示がなされているが、前述の説明の中で説明を行ったものに関しての説明は割愛し、これまでに説明がされていない演出表示、および前述の説明と相違点を有する演出表示に関する説明を行う。
【0377】
まず、これまでに説明がされていない演出表示として、特定遊技状態中の演出表示に関する説明として「演出モード表示(P840)」と「残り遊技回数表示(P841)」に関する説明を行う。
【0378】
《演出モード表示》
「演出モード表示(P840)」は、現在の演出表示態様の状態を示す表示であり、演出モードと呼ばれる状態情報によって、該当するモードに応じた予告演出が抽選されていることを示す表示である。演出モード表示が相違する場合には、遊技者に視認される予告演出の種類が、一部共通とする予告演出はあるものの、見た目に与える印象が大きく異なるように作られることが一般的である。図20では、「RUSH_MODE」という表示がなされており、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技状態が、「ST(回数切り確変)」(高確率/高ベース状態)であることを示す表示を行っている。
【0379】
なお、「演出モード表示(P840)」は、特定遊技状態における演出モードを報知する以外に、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において表示される場合があってもよいし、1の遊技状態において複数の演出モードを有する場合に、演出モードが切り替わる条件が成立するたびに表示を一時的、または演出モードが終了するまで継続して行うものであってもよい。
【0380】
《残り遊技回数表示》
「残り遊技回数表示(P841)」は、特定遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数(特別図柄抽選の回数)や、現在の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を表す表示である。図20では、画面中央上部に「残り_56」という表示が実行されており、「ST(回数切り確変)」の遊技状態が、あと56回の特別図柄抽選が実行されるまで行われることを遊技者に報知している。
【0381】
次に、図20に示す特定遊技状態の演出表示例において、前述した他の遊技状態における演出表示例と相違する表示に関して説明を行う。
【0382】
《装飾図柄(特定遊技状態)》
図20の画面中央には、装飾図柄P801の変動表示が表示されている。図20の通常遊技状態における演出表示例の装飾図柄P801に比して、図20の特定遊技状態における装飾図柄P801の演出表示例では、装飾図柄P801の表示が小さく表示されている。
【0383】
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特定遊技状態の演出表示として、画面上部に演出モード表示P840や、残り遊技回数表示P841、さらには大当りアイコン表示P821を行っており、画面下部には選択楽曲表示P854および獲得球数表示P824を行っている。特定遊技状態では、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)で表示されないこのような付加的な表示を行うため、通常遊技状態と同等のサイズで装飾図柄P801を表示してしまうと、停止表示の際に一部図柄の表示が各表示の一部と重なってしまい、停止表示図柄の視認性が低下するという問題が発生する恐れがあり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このような問題が生じにくくなるよう装飾図柄P801の表示を小さく簡略化するものとしている。また、装飾図柄P801を簡略化して表示する例として、サイズを小さくするほか、図柄を示す数字に付帯して表示されるキャラクタ画像などの表示を行わない方法なども採用可能である。
【0384】
《保留表示領域(特定遊技状態)》
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図20の画面左下に示すように、特定遊技状態の保留表示領域P810における保留オブジェクトP811の表示として、画面手前側から奥行き方向に向かって「保1」から「保4」の保留オブジェクトの表示領域が設けられている。なお、当該変動オブジェクト表示領域P812(及び当該変動オブジェクト表示P813)については「RUSH_MODE」の演出モード状態では表示が省略されている。
【0385】
図20に示す変動表示が終了し、状態で新たな変動が開始すると、図20の最も下部に位置する保留オブジェクトP811の表示が消失し、奥に並ぶ保留オブジェクトP811の表示が手前に移動するとともに表示が大きくなるよう表示制御される。
【0386】
また、図示はしないが特定遊技中において表示される演出として重要な演出である、「リザルト表示演出」に関して説明を行う。
【0387】
《リザルト表示演出》
「リザルト表示演出」は、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、主として特定遊技状態(高ベース状態)の最後の変動が実行される際、あるいは特定遊技状態中に生起した保留がなくなる際等、遊技者が「連荘」状態が終了したと認識するタイミングに行われる演出であり、いわゆる「連荘」状態において、何回の大当り遊技を獲得したかという情報や、合計で何発の遊技球を獲得したか(獲得球数表示に相当)を遊技者に報知する演出である。
【0388】
[第1実施例]
第1実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。第1実施例のぱちんこ遊技機を構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
【0389】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pは、演出ボタンP381や演出レバーP382等の遊技者の入力操作に基づいて演出の進行や変化を与える遊技者操作演出に関し、ぱちんこ遊技機の主たる演出手段である演出表示装置P80以外のデバイスとして第1実施例のぱちんこ遊技機Pに備わる演出操作手段P81、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560(遊技機枠P5に備わる可動体含む)の各種デバイスの演出動作について、遊技者により高い興趣を与えうる動作を行うように構成するものである。
【0390】
以下では、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの各種デバイスを用いた遊技者操作演出に関する特徴的な仕様例を説明する。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出手段>
【0391】
最初に図21、および図1ないし図4に基づいて、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出手段について説明する。
≪演出表示装置P80≫
【0392】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「演出表示装置」は、所謂「液晶」「画像表示装置」であり、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは遊技盤P5の略中央部であって、遊技者が遊技機の前に着席したときに略前方に正対する位置に配置される演出手段である。
【0393】
演出表示装置P80は、演出制御基板P41(演出制御CPU)にて決定された演出のうち画像表示に関する演出を画像制御基板P42(画像制御CPU、VDP)の制御に基づいて画像表示する演出手段である。
【0394】
「演出表示装置P80」の主な役割は、遊技の進行に伴い遊技者に有利な特別遊技の実行可否が決定されていることを示唆・報知する予告演出等の表示や、主制御表示装置P50における特別図柄の変動表示または普通図柄の変動表示に関連した装飾図柄P801の変動表示を行う。また、その他にも変動時間短縮機能(時短)や確率変動機能(確変)の作動状態、大当りや小当り(役物連続作動装置や特別電動役物の作動)の作動状態等の遊技の進行状況に係る遊技状態報知を行う機能を主たる役割としている。
≪演出操作手段P81≫
【0395】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pのガラス枠P3の下方には、演出手段の一つである「演出操作手段P81」として、演出ボタンP381と演出レバーP382とが一体化した演出操作ユニットP380を中央位置に備えるとともに、不図示であるが、球皿P340の上面であって演出操作ユニットP380の右側の位置には、十字キーP383を有している。
【0396】
演出ボタンP381と演出レバーP382とが一体化した演出操作ユニットP380は、主に予告演出や大当り演出等において、遊技者の所定の入力操作を契機に、表示されている演出の表示内容を変更するなどして進行させる役割を有している。また、遊技が進行していない状況においては、演出をカスタマイズする機能等のために表示可能である遊技者のメニュー画面等での決定操作などに利用される場合もある。
【0397】
十字キーP383は、予告演出や大当り演出、メニュー画面等で、遊技者の意思に応じた選択を行うための選択操作を受け付ける手段として備わっている。また、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、十字キーP383の左右ないし上下の操作によって、音量を調整する音量調整機能や光量を調整する光量調整機能を動作させるようになっている。
【0398】
また、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380の内部には、不図示の駆動手段を有しており、演出レバーP382が傾倒操作できる状態(初期位置から上方に突出した位置に変位した状態)に変位したり、初期位置に復帰させたりする動作を実行可能であるとともに、振動発生手段(偏心の回転体を備える「偏心モータ」)を内部に備えることで遊技者に対して振動を触感として与える振動演出を実行可能に構成している。
【0399】
なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作手段P81は、一例であり、例えばダイヤル式の入力装置やタッチセンサ、非接触センサ等を用いて入力を受け付けるように構成してもよいし、十字キーP383の他に、音量/光量調整用の専用の入力装置を有するように構成してもよい。
≪演出ランプP82≫
【0400】
「演出ランプP82」は、ガラス枠P3や遊技盤P5の各所に配置され、発光を行うことで電飾となる演出手段であり、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおける代表的な演出ランプP82としては、図21に示すように枠ランプP350として、ガラス枠P5の上部に配置された枠上部ランプP351、ガラス枠P5の左側部に配置された枠左側部ランプP352、ガラス枠P5の右側部に配置された枠右側部ランプP353、ガラス枠P5の下部(球皿部)に配置された枠球皿部ランプ、演出操作ユニットP380に備えられた入力装置装飾ランプP355、演出操作ユニットP380に備えられ演出ボタンP381の有効無効を報知するための入力装置操作部ランプP356、遊技盤のセンター役物P540の内側上部に配置されたロゴ発光部P650(左から小さな文字を4文字、中央に大きな文字を3文字、右側に小さな文字を3文字配置した遊技機のモチーフのタイトルを表示する発光部)を有している。
【0401】
なお、上記に例として挙げた演出ランプP82は一例であり、遊技盤P5の始動入賞装置や大入賞装置等の近傍に配置され、入賞に係る演出報知を行う入賞口発光部や、遊技盤P5を構成するアクリル盤の表面に装飾されたキャラクタなどの画像を照明するためのアクリル盤裏発光部等をその他に有している。
≪スピーカP83≫
【0402】
「スピーカP83」は、キャラクタ音声やBGM、効果音等の音声演出である音を出力する装置であり、図21図1に見受けられる通り、ガラス枠P5の上部の左右両端に配置されている。
【0403】
次に、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、演出操作手段P81の操作を演出の進行に要する「遊技者操作演出」の演出の流れの演出例を図22から図37を用いて説明する。なお、本演出例1において説明する予告演出等はあくまで一例であり、演出操作手段P81の入力操作に伴い進行する予告演出等を有する遊技者操作演出が実行される場合には、適宜の変更によって、以下に説明する演出表示装置P80の他の演出手段と連動した遊技者操作演出の特徴的な実施方法を採用可能である。なお、以下に説明する演出例1のうち、図22については、「遊技者操作演出」が実行されていない、遊技待機中(特別図柄の変動表示が実行されていない状態)の演出状態を示すものである。
【0404】
図22は、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技待機中の表示態様を示している。
【0405】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遊技待機状態(特別図柄の変動表示が行われていない状態)の一部期間で、遊技者を誘致するための待機デモ演出を表示する(図22の例では、二人の女性キャラクタが遊技者側に手を差し伸べている様が表示されているとともに、モチーフのタイトルである「(ぱちんこ)TWIN_A○○○○」)。また、図22の例では、装飾図柄P801、簡易図柄P802の表示が待機デモ演出に重ねて表示されているが、待機デモ演出が実行されている期間において、装飾図柄P801や簡易図柄P802は、少なくともその一方を非表示とするように構成してもよい。
【0406】
また、図22の例では、遊技者が自身の好みに応じて任意に演出の実行態様を変更するためのメニュー表示である待機中メニュー表示P910を待機デモ演出に重ねて表示している。待機中メニュー表示には、演出ボタンP381を模した画像と「演出カスタマイズ」という文字を表示することで、演出ボタンP381の操作により、任意に演出の実行態様を変更する演出カスタマイズ機能を設定することができることを報知するメニュー表示案内P911と、左右のキーが着色された十字キーP383を模した画像と「音量調整」の文字列を表示することで十字キーP383の左右キーを操作することで音量調整機能を作動させることができることを報知する音量調整案内表示P912、上下のキーが着色された十字キーP383を模した画像と「光量調整」の文字列を表示することで十字キーP383の上下キーを操作することで光量調整機能を作動させることができることを報知する光量調整案内表示P913が表示される。なお、待機中メニュー表示P910は遊技待機状態の一部期間で表示されるものであってよく、待機デモ演出の実行期間と重ならないようにして表示することで待機デモ演出の視認性を高め得るように構成してもよい。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例1>
【0407】
以下、図23から図37に基づいて、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて実行される「遊技者操作演出」の一例(演出例1)を示す。本演出例1は、複数回の擬似変動を含む変動演出であって最終的にリーチに発展し、当該特別図柄の変動表示の結果を報知する場合の演出例となっている。
【0408】
図23は、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、特別図柄の変動表示が開始され、演出表示装置P80にて装飾図柄の変動表示が開始された状態を示している。画面の略中央位置には装飾図柄P801が変動表示されている様が示され、装飾図柄P801はこののちに高速変動状態(透過状態)となり、視認性が低下するため、画面の右上には簡易図柄P802を一定速度で変動表示させている。なお、図23に示す装飾図柄P801の表示位置は変動開始直後の位置を示しており、変動が終了する際には、略同一の位置(画面中段位置)に並んで停止表示される。
【0409】
そして、画面の下部右側には保留表示領域P810にが表示され、現在の保留数が3個であることを示すために保留オブジェクトP811として3つの球体画像が表示されている。画面の下部中央には、現在の特別図柄の変動表示に係る乱数値(当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数であり、以下「当該保留」と称する場合がある)に関する当該保留オブジェクトP813としての球体画像が、当該保留オブジェクト表示領域P812の位置に表示されている。また、保留としては、保留オブジェクトP811や当該保留オブジェクトP813の他に、画面左側に第1特別図柄に係る保留、第2特別図柄に係る保留の数を数字で示す簡易保留表示P814が示されている。
【0410】
図23において、装飾図柄P801の右図柄の下方には、音量設定領域P851の表示位置を示している。音量設定領域P851は、特別図柄の変動中(演出表示装置P80上では装飾図柄P801の変動表示中)において、十字キーP383の左右キーを操作した場合に表示される音量調整機能に係る表示領域であり、遊技者が十字キーP383を操作することで音量調整機能を使用した場合に、十字キーP383の最後の操作(音量調整機能の利用の最後のタイミング)から一定期間(3秒程度)表示されて非表示に切り替わる。音量設定領域P851は、図23に示すように、装飾図柄P801の停止表示位置とは重ならないように表示することで、停止表示される装飾図柄P801の組合せの視認性(当否判定の結果の視認性)を阻害することがないように構成されている。なお、演出状態(演出モード)などに応じて装飾図柄P801の表示態様(付帯表示されるキャラクタ画像の種類や装飾図柄自体の大きさ)が変更されて、音量設定領域P851と装飾図柄P801の一部が重なり得る場合には、装飾図柄P801の停止表示の際に音量設定領域P851を強制的に非表示に切り替えるように構成するとよい。
【0411】
また、図23には不図示であるが、十字キーP383の上下キー操作により光量調整機能が利用された場合には、音量設定領域P851と同一位置またはその他の位置であって装飾図柄P801の停止表示と重ならない位置に光量設定領域P852を表示するように構成されている。
【0412】
ここで、図23では、音量設定領域P851が画面の右側に寄せて表示されるように構成されているが、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、音量調整機能(光量調整機能)の作動に関する十字キーP383が、遊技機の中央より右側の位置に配置されているため、遊技者が十字キーP383の位置を確認して操作する場合に、目線の位置の変更が少なくて済むように演出表示装置P80の表示領域の右側に寄せて音量設定領域P851を配置するようにしている。
【0413】
図23において、画面左下の点線で囲んだ領域には、演出カスタマイズ領域P853が表示可能に構成されている。演出カスタマイズ領域P853は、特別図柄(装飾図柄P801)の変動表示中において変更可能な演出カスタマイズ機能の一部について、設定内容の変更を行うための表示領域である。
【0414】
図23の例では、「1_先読みチャンスモード」の表示と、暗く表示された「OFF」の画像、明るく表示された「ON」の画像が表示され、現在演出カスタマイズ機能の一つである「1_先読みチャンスモード」を機能させる「ON」の状態としていることが示されている。
【0415】
また、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出カスタマイズ機能として「先読みチャンスモード」の他に「レア演出頻度アップ」、「デバイス動作頻度アップ」等の演出カスタマイズ機能があり、演出カスタマイズ領域P853には、十字キーP383の上下操作により設定する演出カスタマイズ機能の切り替えを実行可能であることを示す表示(十字キーP383を模した画像の上下キーが加色表示されている表示)と、十字キーP383の左右キーの操作により、現在選択中の演出カスタマイズ機能の項目のオンオフを切り替え可能であることを示す表示(十字キーP383を模した画像の左右キーが加色表示されている表示)が示されている。
【0416】
図23の例では、音量設定領域P851と演出カスタマイズ領域P853がいずれも機能している状態で示されているが、前述したように何れも十字キーP383を使用して設定内容を変更する機能であることより、それらが同時に機能状態(図23に示す状態)で表示されることは無く、いずれかを機能させている場合には他方は非機能状態となっている。ここで、音量設定領域P851(光量設定領域P852)の非機能状態は、非表示状態であり、演出カスタマイズ領域P853の非機能状態は図24等に示すように「(十字キーP383を模した画像であって下キーが加色された画像)キーで遊技機カスタム」という表示となっており、演出カスタマイズ領域P853を機能状態で表示するために十字キーP383の下キーの操作が必要であることが示されている。また、図24の例では演出カスタマイズ領域P853の非機能状態の表示の近傍に「カスタムON」の文字が表示されているが、この表示は第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出カスタマイズ機能の少なくとも一部の機能が初期状態から変更されている状態であることを示している。
【0417】
図24および図25は、演出例1における図23の後の演出表示の例を示しており、複数回の擬似変動のうち初回の擬似変動(「擬似1」)で表示される予告演出の一例(セリフ予告)を示すものである。
【0418】
図24には演出例1の初回の擬似変動(「擬似1」)においてセリフ予告が実行されている様が示されており、画面略中央位置に左右方向に延びる形でセリフ予告ウィンドウP920が表示されている。
【0419】
図24の演出例において、セリフ予告ウィンドウP920には、左側に寄せてセリフを発している女性キャラクタA(スピーカP83から出力される音声に対応したキャラクタ)が表示され、セリフ内容として遊技者に何かが起きることを想起させる「あれは・・・?」という文字列と、セリフ予告ウィンドウP920の右側に重ねてボタン画像P881および有効期間表示P885(内部の加色領域が減っていくことで、演出ボタンP381の操作有効期間が減っていることを示すインジケータ表示)が表示されている「遊技者操作演出」となっている。
【0420】
図24の状況において、演出ボタンP381の操作有効期間が経過する前(有効期間表示P885の加色領域が無くなる前)に遊技者によって演出ボタンP381の操作がなされた場合には、図25に示す演出表示態様に切り替わるようになっている。なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「遊技者操作演出」において演出操作手段P81に対する遊技者操作が行われない場合であっても、演出操作手段P81の操作有効期間満了のタイミングで強制的に予定されていた演出態様への変更がなされるように設定されている。
【0421】
なお、「遊技者操作演出」について、遊技者の演出操作手段P81に対する操作が行われない場合に、演出態様を切り替えない(あるいは演出操作手段P81に所定の演出切り替え操作がなされた場合とは異なる演出態様に切り替える)ように構成してもよく、また、実施する演出毎に強制的に切り替えるパターンとするか演出態様を切り替えない態様とするかを異ならせるようにしてもよい。
【0422】
図25は、図24からセリフ予告が進展した様子(図24における演出ボタンP381の操作後の様子)を示している。図25では図24のタイミングで表示されていたセリフ予告ウィンドウP920Aに重ねてセリフ予告ウィンドウP920Bを表示している。セリフ予告ウィンドウP920Bでは、女性キャラクタBをセリフ予告ウィンドウP920Bの右側に配置することで、セリフ予告ウィンドウP920Aの女性キャラクタAと対面で会話しているような表現となっている。本演出例1では、セリフ予告は2段階で終了しているが、3段階、4段階と更にステップ数を多く構成してもよい。また、ステップ数を3段階、4段階とする場合において、段階ごとに遊技者の演出操作手段P81への操作を求めるように構成してもよいし、3段階、4段階とする場合であっても遊技者操作演出とするタイミングを最終段階の1つ手前の段階のみにすることで、遊技者操作演出の操作有効期間の操作タイミングによる演出進行分の尺の吸収時間を少なく構成するようにしてもよい。
【0423】
図26から図28は、演出例1において図24および図25に示した予告演出(セリフ予告)が終了し、初回の擬似変動が終了するまでの演出表示過程を示している。
【0424】
図26では、装飾図柄P801の停止表示過程を表示するため、図25のタイミングまで表示されていたセリフ予告ウィンドウP920が非表示に切り替わり、3つの装飾図柄P801の仮停止表示状態(完全には停止表示されず揺れて表示される状態)または低速変動状態となっている様子を示しており、図26では左右の装飾図柄P801がリーチ態様を形成して、中図柄が低速変動表示を行っている様子が示されている。
【0425】
図27は、図26の後の演出状態であり、リーチ態様を形成していた装飾図柄P801の中図柄が左右のリーチ図柄と同様の図柄が停止表示せずに通過しそうになっている状況であり、かつ中図柄のリーチ図柄と同種の図柄の上方には、「NEXT」と記載された特殊なアイコンで構成される特殊図柄P804が移動表示されている様子を示しており、演出表示装置P80の表示領域の略中央位置にボタン画像P881および有効期間表示P885を表示している。図27では、「遊技者操作演出」として、遊技者操作の有効期間前に遊技者が演出ボタンP381の操作を行うことによって、現在のリーチ演出の結果が報知される演出が実行されており、当該「遊技者操作演出」の結果としては、3つの装飾図柄P381が同じ図柄で揃う「大当り報知」と、「NEXT」と表示される特殊図柄P804が停止表示されて擬似変動演出が実行されることを報知する「擬似変動報知(擬似連報知)」と、はずれの装飾図柄組み合わせ(例えば図27の状況では「5」「6」「5」)が停止表示される「はずれ報知」のいずれかの表示が表示され得る。「大当り報知」パターンおよび「はずれ報知」パターンは、演出操作手段P81に対する遊技者操作を要求しない周知のリーチ演出と略同様であるため、本演出例1では「擬似変動報知(擬似連報知)」がなされる場合のみを続けて説明する。
【0426】
図28は、図27の状況において、遊技者が演出操作手段P81であって、図27の状況下で操作を要求されている演出ボタンP381の操作を行ったことにより、リーチ態様の中図柄として特殊図柄P804が停止表示された後、擬似変動演出として2回目の擬似変動が実行されることをアピールするための表示(カットイン演出)がなされている様子を示している。
【0427】
図28では、装飾図柄P801は、画面左下に縮小して退避させて表示されており、カットイン演出として、女性キャラクタAが「まだまだいくよ!」というセリフ(音声を伴う)をしゃべっている様子と、初回の変動表示にて仮停止表示された特殊図柄P804が、女性キャラクタAと並んで大きく表示されている様子が示されている。このように擬似変動演出を実行することを示す特殊図柄P804を大きく表示し、キャラクタのセリフなどを伴う演出としてアピールすることにより、擬似変動演出として次回の擬似変動が開始されることを遊技者に認識させることが容易となる報知を行うように構成している。
【0428】
図30から図31は、本演出例1における2回目の擬似変動が実行されている期間の演出表示の一例を示す。
【0429】
図29図28のカットイン表示が終了し、2回目の擬似変動が開始されている状況を示しており、装飾図柄P801として左から「5」、「6」、「5」の図柄が動き出している様子が示されている。図27では左右のリーチ図柄「5」の間に中図柄として特殊図柄P804が停止表示されることを説明したが、2回目(3回目)の擬似変動を再開する場合には、特殊図柄P804から一旦はずれ図柄の組合せに戻した後、擬似変動を再開するように構成することで、装飾図柄P801の変動開始時のアクション(図示はしていないが装飾図柄P801に付帯表示されるキャラクタの動作、あるいは装飾図柄P801の変動表示の開始時に一旦変動表示方向とは異なる方向に動作したり拡大表示したりする動作など)のパターンによって期待度を高める演出を実行できるように構成している。
【0430】
また、図29の左上に示すように、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、擬似変動演出において、2回目以降の変動表示を実行する場合には「擬似変動回数表示P925」を表示することで、現在実行中の特別図柄の変動表示において、擬似変動演出が行われ、現在何回目の擬似変動が実行されているかが理解できるように構成されている。擬似変動回数表示P925を2回目の擬似変動から表示開始する理由としては、擬似変動演出を実行しない大半の特別図柄の変動表示において、擬似変動演出が実行されると誤認してしまうことを防止するためである。なお、演出例1のような擬似変動演出は、予告として実行される擬似変動演出であり、擬似変動回数が多くなるほど大当り期待度が高まるように構成しているため、擬似変動回数表示P925を伴うことで視覚的に期待度が高まっていることを認識しやすい構成としているが、大当り期待度の差が生じないものであって、単に特別図柄の変動時間に合わせて演出する尺を埋めるために複数回の変動表示を行う擬似変動演出を実行する場合には擬似変動回数表示P925を表示しないように構成することが好ましい。
【0431】
図30は、「遊技者操作演出」を実行する演出例1の2回目の擬似変動における予告演出(ウィンドウステップアップ予告)の実行状態を示している。
【0432】
図30に示すように、第1実施例のぱちんこ遊技機Pのウィンドウステップアップ予告は、サイコロ状のステップアップウィンドウP930の各面にウィンドウステップアップ予告の最終結果となる予告アニメーションが静止画表示されており、遊技者側に向けて最も大きく表示されている面(図30の例ではA面)が最終結果として予告アニメーション表示されることを報知する演出である。
【0433】
図30の例では、初期の表示態様(A面を正面視した状態)からステップアップウィンドウP930が傾いて表示され、B面、C面が視認可能な状況となり、ステップアップウィンドウP930の左側にボタン画像P881と有効期間表示P885が表示されている様子が示されている。ウィンドウステップアップ予告では、ボタン画像P881および有効期間表示P885が表示されている期間に遊技者が演出ボタンP381の操作を行うことで、A面が正面の状態に復帰する、図30中の矢印X方向に回転してB面が正面の状態となる、図30中の矢印Y方向に回転してC面が正面の状態となる、のいずれかの演出結果が行われ、ウィンドウステップアップ予告の結果として、A面からC面のいずれかの結果が最終結果として表示されることが示唆されている。このとき遊技者の演出ボタンP381の操作結果として、A面が表示された場合(煽りの開始時と同じ態様が結果として表示された場合)には、ウィンドウステップアップ予告の最終結果がA面の予告アニメーションを表示する期待度の演出結果であることが報知され、B面ないしC面が表示された場合には、もう一度同様の煽りを行い、B面ないしC面または不図示のD面やE面が表示される結果となることが報知される演出展開となっており、ウィンドウステップアップ予告において表示面の変化は最大2回表示可能(「遊技者操作演出」としてボタン画像P881を用いた煽りを2回実行可能)となっている。
【0434】
また、ステップアップウィンドウP930のB面、C面におけるキャラクタ画像等の静止画については表示内容を割愛しているが、B面とC面では、C面において枠状の装飾が付されB面よりも豪華な見た目となっており、C面の画像がウィンドウステップアップ予告の最終結果となった場合のほうが、B面の画像が最終結果となるよりも大当り期待度が高まることを暗に認識可能となるように構成している。
【0435】
図31は、図30に示すウィンドウステップアップ予告の結果としてC面(豪華な枠装飾が周囲に施された面)が示された後の演出表示例を示している。図31に示すタイミングでは、ウィンドウステップアップ予告のサイコロ状のステップアップウィンドウP930最終結果を表示する面が全画面表示の状態となり、C面に表示されていた2人の女性キャラクタC、Dが「発展」と喋っている様子を示すことで、リーチへ発展することを示唆するウィンドウステップアップ予告の最終結果を示す予告アニメーションが表示されている。この時、ステップアップウィンドウP930のC面に表示されていた枠状の装飾画像に応じた効果演出(「ウィンドウステップアップエフェクトP931」)が、予告アニメーションの表示中も表示されるようになっている。なお、図31においてウィンドウステップアップエフェクトP931は、図30と同様の枠状のフレーム画像となっているが、関連性が伝わるものであれば、例えば図31の枠と同色の炎の画像等の代替画像をウィンドウステップアップエフェクトP931として表示するものであってもよい。
【0436】
なお、図30において、サイコロ状のステップアップウィンドウP930が、最も期待度が低いウィンドウステップアップエフェクトP931がない初期段階の表示などで最終結果として表示され得る予告アニメーションの静止画が表示された場合には、サイコロ状のステップアップウィンドウP930の表示態様のまま、予告アニメーションが拡大表示されずに表示されて、装飾図柄P801としてはずれの装飾図柄組み合わせが停止表示されるか、リーチ態様を形成して、その後の変動演出(ノーマルリーチ演出等)を行うようになっている。
【0437】
図32から図37は、図31において報知された「発展」の内容に従い、リーチ演出(コンビバトルリーチ演出)が実行されている様子を示している。なお、図32から図37に示すコンビバトルリーチ演出は、図27等に示す通常のモード状態を示す背景映像に重ねて装飾図柄P801の表示を主として行うノーマルリーチよりも大当り期待度の高いSPリーチ(スーパーリーチ)の一つとして実行されるものである。
【0438】
図32は、コンビバトルリーチ演出において、女性キャラクタA、Bと、女性敵キャラクタE、男性敵キャラクタFが向き合って対峙している様が示されており、演出表示領域の下方にリーチ演出の名称と大当りとなる場合の演出態様が認識できるメッセージである「コンビバトルリーチ_××ペアを倒せ!」の表示がされており、さらに画面左下にリーチ中退避図柄P803を表示し、画面右下には、当該保留オブジェクト表示領域P812と当該保留オブジェクトP813を配置している。また、演出表示領域の左上には、演出として遊技者に有利な演出結果が報知される条件を示す演出成功条件表示P940として敵キャラクタのライフゲージが表示されており、本演出例1では、敵キャラクタのライフゲージをなくすことができれば演出成功となること(本演出例1では、敵キャラクタを倒すこと、すなわちリーチ演出の結果として「大当り」となること)が示されている。
【0439】
ここで図32は、コンビバトルリーチ演出における「遊技者操作演出」が実行される期間であるタイミングの様子を示しており、画面略中央の上よりの位置に「ボタンを押して_××ペアを倒せ!」の文字を表示し、この後のタイミングで遊技者に対して演出操作手段P81(図32の例では演出ボタンP381)の操作を遊技者に要求する旨が報知されている。また、画面略中央には、「READY!」の文字と、画面左右の両側から操作煽り画像P890(演出ボタンP381を模した半透明な画像であって、透過度が上下する、あるいは周囲の効果演出の明るさが明滅するなどしたアニメーション画像)が演出表示装置P80の表示領域の略中央に向けて移動している様が表されている。なお、図中において、「ボタン煽り画像P890」はボタン画像P881特別を容易とするため、周囲の輪郭線を点線で表現するとともに格子状の網掛けを施して示している。
【0440】
図33図34は、図32において操作煽り画像P890が略中央位置に移動して、ボタン画像P881が表示された場合の演出表示例として2パターンの演出例を示しており、図33では遊技者に対して演出ボタンP381の複数回操作(連打操作)を求める演出パターンを示し、図34では遊技者に対して演出ボタンP381の1回操作を求める演出パターンを示している。なお、不図示であるが、演出ボタンP381の長押し操作を求めるパターンや、演出レバーP382の傾倒操作を求める演出パターン、図32の2つの操作煽り画像P890がそのまますれ違って遊技者操作を求めないパターン等も実行可能である。
【0441】
図33は、コンビバトルリーチ演出の「遊技者操作演出」として、演出ボタンP381の連打パターンが選ばれた場合の演出表示例であり、背景アニメーションとして、女性キャラクタA、Bと敵キャラクタE、Fが取っ組み合いになっている様子が表示され、演出表示装置P80の演出表示領域の略中央位置にボタン画像P881と有効期間表示P885が表示されている。また、図33は連打パターンの演出であるため、遊技者に対して演出ボタンP381の連打操作を要求するため、「連打!」という操作態様指示P886を有効期間表示P885の下方に表示している。
【0442】
図33に示す状況において、遊技者が演出ボタンP381の操作を行うと、ボタン画像P881の近傍から操作効果画像P891(図33の例では星型の画像)が演出成功条件表示P940(敵キャラクタのライフゲージ)に向けて移動するように表示され、演出効果画像P891が演出成功条件表示P940の位置に到達すると、演出成功条件表示P940に変化を与える(敵キャラクタのライフゲージが減少する)ように表示される。ここで演出成功条件表示P940の変化は一様ではなく、操作効果画像P891の表示態様(形態や色など)に応じて、変化量を異ならせてもよいし、リーチの最終結末が失敗(はずれ)である場合や、遊技者操作が積極的に行われて単位時間当たりの操作回数が多い場合等、状況によっては変化しない場合を有していてもよい。
【0443】
図34は、コンビバトルリーチ演出において、演出ボタンP381の1回操作を求める一撃パターンが選ばれた場合の演出例を示しており、連打パターンと同様に、背景アニメーションとして、女性キャラクタA、Bと敵キャラクタE、Fが取っ組み合いになっている様子が表示され、演出表示装置P80の演出表示領域の略中央位置にボタン画像P881と有効期間表示P885が表示されている。本演出例1のコンビバトルリーチ演出では、一撃パターンは、連打パターンと比較して相対的に大当り期待度が高い演出態様として定められており、ボタン画像P881として、演出ボタンP381を模した画像の略中央に「激熱」の文字を表示し、さらに周囲に発光するエフェクト(効果)を付与するとともに、操作態様指示P886として連打パターンの「連打!」の文字よりも相対的に大きな文字や目立つ色合い(赤色や金色等)で「一撃!」の文字を表示するように構成している。
【0444】
なお、図34の例では、一撃パターンと連打パターンとを略同様の背景アニメーションに重ねて実行するようにしたが、相対的に大当り期待度が高い一撃パターンの場合には、図32における操作煽り画像P890が略中央位置に移動したタイミングで、背景画像を女性キャラクタA、Bと敵キャラクタE、Fが対峙する背景から、ブラックアウトや炎が燃えている背景画像等の一様な演出効果画像等の割込み画像に切り替え、その効果画像の上に再度一定の導入期間を経たのちに図34に示したボタン画像P881、有効期間表示P885、操作態様指示P886を表示することで、「遊技者操作演出」としての大当り期待度が高いことを報知するとともに、遊技者に演出ボタンP381を操作させるタイミングを遅らせて焦らすようにしてもよい。このように大当り期待度が相対的に高い操作態様の「遊技者操作演出」である場合には操作煽り画像P890の表示開始から演出操作手段P81の操作有効期間まで(ボタン画像P881、レバー画像P882の表示タイミングまで)を、大当り期待度が相対的に低いものよりも長く構成することで、長い時間を使って遊技者に対して大当りへの期待感を高めるように構成し、「遊技者操作演出」としての興趣を高めるように構成してもよい。
【0445】
図35は、図32から図34に示したコンビバトルリーチ演出において、遊技者が演出操作手段P81の操作を行った場合(または遊技者が演出操作手段P81の演出切り替え条件を満たす操作を行わず有効期間が満了した場合)にコンビバトルリーチ演出の演出結果として女性キャラクタA、Bが勝利した様子、すなわち演出結果としての成功かつ大当り遊技の権利の獲得を遊技者に報知している様子が表示されている。具体的には、女性キャラクタAがピースサインの決めポーズをとっており、装飾図柄P801がぞろ目で停止表示され、女性キャラクタAの横に「WIN」の文字が表示されている。
【0446】
図36は、コンビバトルリーチ演出において、失敗(はずれ)となる場合の演出表示例である。失敗(はずれ)の場合には、女性キャラクタA、Bが悔しそうに横たわっている様子が表示されるとともに、「ざんねん・・・」の文字が表示され、装飾図柄がリーチはずれ態様(左右の図柄がリーチ態様であり、中図柄が左右図柄と異なる図柄で停止する態様)で仮停止表示されることで、当該特別図柄の変動表示がはずれである可能性が高まったことを報知している。
【0447】
図36では、装飾図柄がリーチはずれ態様で仮停止している状況で、2つの操作煽り画像P890が演出表示装置P80の表示領域の略中央に向けて左右方向から移動している様が示される。操作煽り画像P890が略中央位置で重なったときにボタン画像P881に切り替わった場合、演出ボタンP381の操作有効期間における遊技者操作により、後述する図37の復活演出に移行し、操作煽り画像P890がそのまますれ違って消失した場合には、図36に示すリーチはずれ態様の装飾図柄P801が停止表示されてはずれであることが確定的に報知される。なお、本演出例1では、図36の状況下における操作煽り画像P890からボタン画像P881への変更の時点で復活演出の実行が確定的となり大当りとなる旨が確定するように構成しているが、ボタン画像P881が表示された場合であっても復活演出の実行割合が100%ではなく、30%から70%などの期待度となるように構成してもよい。
【0448】
図37は、図36のコンビバトルリーチ演出の敗北演出から復活して勝利する復活演出パターンの演出表示例であり、図36の状態において、操作煽り画像P890からボタン画像P881に変化し、遊技者が演出ボタンP381の操作を行う、または有効期間が満了した場合に切り替わる演出表示である。復活演出では、図37に示すように、女性キャラクタA、Bが再び立ち上がり、その後不図示であるが敵キャラクタE、Fに攻撃を繰り出すことで勝利し、図35と同様の成功(当り)態様の表示を行う演出となっている。また、図37に示すように、復活演出は当りを報知する演出となっているため、演出表示領域の周囲に虹色のグラデーションのレインボー効果画像P942が表示されるようになっている。
【0449】
以上、図23から図37によって説明した「遊技者操作演出」では、1回の特別図柄の変動表示において、演出操作ユニットP380に対する遊技者操作を要求する複数種類の予告を複合して実行可能であり、そのそれぞれの「遊技者操作演出」において、前述したような特徴的な動作を行うように構成することで、遊技の興趣を高め得ることを実現している。
【0450】
また、本演出例1のコンビバトルリーチ演出において、図32の例では、操作煽り画像P890を演出表示装置P80の演出表示領域における左右の両側から中央に向けて近づけるように構成したが、操作煽り画像P890の出現方法はこれに限らず、3以上のボタン画像を上下左右の各所から演出表示領域の略中央に向けて集合させるように構成してもよいし、1の操作煽り画像を表示領域の上下のいずれかから中央に向けて移動させるものであってもよいし、画面中央において小さな表示から徐々に拡大してくるように出現させるものであってもよい。また、操作煽り画像P890は、演出ボタンP381を模した画像に限らず、「遊技者操作演出」が演出レバーP382の操作を求める場合には、演出レバーP382を模した画像を用いるものであってもよいし、操作煽り画像P890を演出ボタンP381や演出レバーP382を模した画像ではなく、ギアやバネなどの機械部品などの演出操作ユニットP380の代替物を画面中央に向けて移動させ、代替物が集合した後、ボタン画像P881またはレバー画像P882等を表示させることで操作煽り画像P890の段階では、いずれの入力を求めるものであるかを認識できないようにすることで、いずれの操作入力態様が求められるかについて期待感をもって見守ることができるように構成してもよい。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例1における他デバイスの動作詳細>
【0451】
続いて前述した演出例1の演出表示に連動した演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560、演出操作ユニットP380等(以下「他デバイス」と称する場合がある)、演出表示装置P80以外のデバイスの動作詳細について説明することで、「遊技者操作演出」において他デバイスの連動が行われることによる遊技の興趣を高める演出動作について説明する。
≪セリフ予告≫
【0452】
最初に図24および図25に示した「遊技者操作演出」の1の演出である「セリフ予告」における他デバイスの動作の詳細について説明する。
【0453】
「セリフ予告」において動作が行われる他デバイスは、演出ランプP82(枠ランプP350、盤ランプP550)、スピーカP83である。
【0454】
最初に図24図25を用いて説明した「セリフ予告」について、再度詳細に演出表示装置P80の表示内容の変化について順番に説明する。
【0455】
図24では、女性キャラクタAのセリフおよび演出ボタンP381を模したボタン画像P881が表示されることを説明したが、これらは同時に表示されるものではなく、最初にセリフを表示するためのフレーム画像と女性キャラクタAの画像が表示される。そして、その直後に女性キャラクタAのセリフの内容(図24の例では「あれは・・・?」という文字列)が表示され、このセリフの内容の表示開始タイミングに合わせてスピーカP83からセリフの内容と略同一の音声が出力される。そして、セリフの内容に関する表示がなされて、スピーカP83からの音声が出力し終わるころ(完全に終了した後でなくてもよい)にボタン画像P881が演出表示装置P80に表示され、スピーカP83からボタン画像P881の表示に関する効果音(SE)が出力されるとともに、枠ランプP350の一つである演出ボタンP381の発光部(入力装置操作部ランプP356)が、演出ボタンP381の有効期間を示す態様で発光する。
【0456】
「セリフ予告」では、ボタン画像P881の表示開始に際して、事前にボタン画像P881と類似の画像等を用いてボタン画像P881の出現を示唆する表示を行わず、遊技者視点では、急にボタン画像P881が表示されるようになっており、遊技者にボタン画像P881が表示されたことを認識させるため、ボタン画像P881の表示に際して効果音(SE)をスピーカP83から出力させることで、演出ボタンP381の有効期間が開始されたことを示唆するようになっている。
【0457】
そして、遊技者が演出ボタンP381の有効期間に演出ボタンP381の操作を行うと、図25に示す女性キャラクタBのセリフが表示されるが、女性キャラクタBのセリフが演出表示装置P80に表示される際に、女性キャラクタAのセリフの表示内容が表示領域内で位置をずらして表示され、女性キャラクタBのセリフ内容に関する表示が女性キャラクタAのセリフ内容の表示と一部オーバーラップする形式で表示される。なお、女性キャラクタBのセリフ内容に関する表示(フレーム画像と女性キャラクタBの画像、セリフの内容)は、キャラクタAのセリフと同様に順番に表示されるように構成されており、スピーカP83から出力される音声もセリフの内容が表示開始されると同時に出力されるようになっている。
【0458】
また、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「セリフ予告」が表示される際、盤ランプP550においては、演出表示装置P80の近傍のランプを用いて、「セリフ予告」のキャラクタ画像の種類に応じて発光色を切り替えるように構成している。例えば、キャラクタAのセリフが表示される際は、キャラクタAのイメージカラーである橙色系統の発光を行い、キャラクタBのセリフが表示される際には青色系統の発光を行うように構成している。なお、「セリフ予告」では、大当り期待度が高い演出パターンとして、フレーム画像を赤色や金色など装飾を派手にする場合があるが、このようなチャンスパターンで「セリフ予告」を実施する場合には、表示されるキャラクタのパターンによらず盤ランプP550の発光部を、赤や金(黄色と白色の混合)にて発光させるように構成しており、また、「セリフ予告」がチャンスパターンである場合には、フレーム画像が表示される際に効果音(SE)を伴うように構成することで、遊技者の視線をひきつけ興趣を高め得るようになっている。
【0459】
なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「セリフ予告」の変形例として、スピーカP83から出力される音声をセリフの内容に応じた音声を用意せず、例えばキャラクタの画像に喜怒哀楽のパターンを容易しておき、表示されるキャラクタ画像の喜怒哀楽パターンに応じて、1から2秒程度の短い定型パターンの音声を出力するように構成してもよい。このようにすることで、演出ボタンP381の有効期間の発生タイミングを、セリフの内容の長短によらず一定のタイミングにパターン化することができ、演出のパターンの制御を容易とすることができる。
≪ウィンドウステップアップ予告≫
【0460】
続いて、図30および図31に示した「ウィンドウステップアップ予告」における他デバイスの動作について説明する。
【0461】
「ウィンドウステップアップ予告」は、前述の演出例1で示したように、サイコロ状の立方体に面に最終結果として表示され得る予告アニメーションの静止画が表示され、表示面が切り替わるごとに、最終結果として表示され得る予告アニメーションで報知される大当り期待度が高まり得る構成となっており、演出ボタンP381の操作により立方体の面が段階的に切り替えられる演出となっている。
【0462】
最初に、図30の「ウィンドウステップアップ予告」の実行中における演出表示装置P80の表示について、その表示態様の変化順序(タイミング)が分かるように順を追って表示内容の変遷を説明する。
【0463】
「ウィンドウステップアップ予告」が開始されると、最初に演出表示装置P80の表示領域中央から、小さな立方体画像が回転しながら拡大して表示される。そして所定の大きさとなると、一旦サイコロ状の立方体を覆うように周囲に効果エフェクト(発光風のエフェクト)を瞬間的に表示させ、立方体の全体の視認性を低下させると、効果エフェクトが非表示となると初期段階の面(図30の例ではA面)を正面に向けて立方体が停止表示される。なお、効果エフェクトが表示されるまでの立方体の面には、最終結果として表示され得る予告アニメーションの静止画画像は表示されておらず、その後表示される静止画画像のパターンによらず、共通の出現アニメーションが表示される。
【0464】
「ウィンドウステップアップ予告」にて、サイコロ状の立方体の初期段階の面の表示が示されると、1秒から2秒後に、次段階へのステップアップを煽る動作へと移行する(図30参照)。次段階へのステップアップを煽る動作は、図30に示すように、サイコロ状の立方体が左下斜め方向(遊技者視点で左手前方向)に、回転しようとして立方体の上の面(B面)と右側面(C面)が視認できる状態となり、その状態でガタガタと震えるように動作表示される。
【0465】
このとき、B面とC面には、大当り期待度が異なるパターンで最終結果として表示され得る予告アニメーションの静止画画像が表示されており、盤ランプP550の上側に配置されるランプでは、B面の静止画画像の期待度に応じた発光(図の例では低期待度の演出であるため白発光)を行い、盤ランプP550の右側に配置されるランプではC面の静止画画像の期待度に応じた発光(図の例では、高期待度の赤い枠画像が施された静止画画像であるため赤発光)を行うようになっている。なお、A面の側に位置する盤ランプP550の(遊技盤左側、下側のランプは、A面が表示している静止画の大当り期待度に応じた発光、図の例では白発光を行う。また、「ウィンドウステップアップ予告」が進行して、B面およびC面に同一期待度の演出画像が表示される場合には、前述の盤ランプP550の上側、右側に配置されるランプで同一の発光を行う。
【0466】
「ウィンドウステップアップ予告」の次段階へのステップアップを煽る動作が開始され、立方体がガタガタと動作を開始して後、所定期間(1秒から2秒程度)が経過すると、ボタン画像P881が表示され、演出ボタンP381の有効期間が開始される。「ウィンドウステップアップ予告」においてボタン画像P881が表示される際には、ボタン画像P881の表示を行うか否かの煽りは特になく、突然ボタン画像P881が表示され、入力装置操作部ランプP356を発光させることで演出ボタンP381の有効期間の開始を報知する。また、ボタン画像P881の表示開始の際には、スピーカP83からボタン画像P881の表示に関する効果音(SE)が出力される。
【0467】
図30に示す状況(「ウィンドウステップアップ予告」の演出ボタンP381の有効期間)において、遊技者が演出ボタンP381の操作を行うと、ボタン画像P881が非表示となり、ウィンドウステップアップ予告の次段階へのステップアップ煽りの結果が示される。このとき、例えば図30に示すC面、現在よりも大当り期待度の高いことを示すフレーム画像が付された面が最終結果として表示され得る予告アニメーションの静止画として表示される態様に切り替る場合、立方体のC面が手前の面に切り替わるように図30中のY方向(左方向)に移動するのに合わせて、演出ランプP82である盤ランプP550を、C面をステップアップ煽り中に赤発光していた右側のランプを起点として上側、下側、左側のランプに向かって赤色の発光領域が拡大していくように表示される。
≪コンビバトルリーチ演出≫
【0468】
続いて、図32から図37に示した、「コンビバトルリーチ演出」における、「遊技者操作演出」の進行および他デバイスの動作について説明する。
【0469】
「コンビバトルリーチ演出」が開始されると、女性キャラクタA、Bと敵キャラクタE、Fが対峙、戦闘している様が所定期間表示され、その際の女性キャラクタA、Bまたは敵キャラクタEが発するセリフの内容や戦闘の展開によって大当り期待度を示唆するアニメーションが演出表示装置P80にて表示される。そして、「コンビバトルリーチ演出」における「遊技者操作演出」のタイミングが近づいてくると、図32に示すように、「ボタンを押して××ペアを倒せ!」というメッセージが表示されるとともに、ボタン煽り画像P890が演出ボタンP381の有効期間の直前に表示される。
【0470】
このとき、ボタン煽り画像P890が演出表示装置P80の表示領域の左右から中央に向かって近づくように表示されるのに合わせて、枠ランプP350や盤ランプの演出表示装置P80の左右側に位置するランプを白色で激しく点滅させるとともに、入力装置装飾ランプP355および入力装置操作部ランプP356を白色で点滅させる。また、複数のボタン煽り画像P890が相対的に近づくにつれてスピーカP83から出力されるボタン煽り画像P890表示アニメーションの効果音(SE)が徐々に音量が大きくなる態様で出力されることで、ボタン画像P881の表示開始タイミング、すなわち演出ボタンP381の有効期間が近づいていることを報知する。
【0471】
「コンビバトルリーチ演出」にて、演出ボタンP381の有効期間が開始されると、演出パターン(連打パターンまたは一撃パターンなど)に応じて、他デバイスの動作と連動して演出を行う。
【0472】
図33は、連打パターンにて「コンビバトルリーチ演出」が実行されている様子を示しており、連打パターンを示す態様でボタン画像P881(操作態様指示P886)の表示が開始されると、入力装置操作部ランプP356を演出ボタンP381の連打操作の有効期間を示す青色(「セリフ予告」などでデフォルトのボタン画像が表示される演出ボタンP381の一回操作の有効期間の場合は白色)にて発光させるとともに、ボタン画像P881の表示開始の際にスピーカP83から女性キャラクタAの「連打」という音声が出力される。
【0473】
また、「コンビバトルリーチ演出」の連打パターンにおいて、演出ボタンP381の有効期間に演出ボタンP381の複数回操作(連打操作)がなされると、キャラクタA、Bと敵キャラクタE、Fが取っ組み合いをしている箇所、ボタン画像P881の近傍から操作効果画像P891が成功条件表示P940に向かって移動している様が表示され、操作効果画像P891が成功条件表示P940にぶつかると、成功条件表示P940が振動するとともに、成功条件表示P940の表示領域の近傍に配置された盤ランプP550が操作効果画像P891の色に応じた色で発光する(例えば、黄色の操作効果画像P891であれば黄色に発光し、赤色の操作効果画像P891であれば赤色に発光する)。
【0474】
さらに、「コンビバトルリーチ演出」の連打パターンのように演出ボタンP381に対して所定量の操作が必要となる演出である場合(連打パターンの他に長押しパターンである場合など)、操作効果画像P891として遊技者にとって有利な演出結果に向かいやすい高期待度の演出効果画像P891が表示されたときや、敵キャラクタのライフゲージが所定量減ったときなど適宜のタイミングにおいて、演出操作ユニットP380の振動発生手段(偏心モータ)を、短時間動作(40ミリ秒等)させ、遊技者が演出ボタンP381を操作する際に微妙な振動を触感として受けることで、演出が進行していること(有利な演出結果に近づいていること)を感じ取りやすくしている。また、「コンビバトルリーチ演出」が演出ボタンP381に対して所定量の操作が必要となる演出である場合のとき、演出操作ユニットが短時間振動を行う場合があるが、入力装置操作部ランプP356は振動に伴う演出は実施せず演出ボタンP381の操作有効期間であることを報知し続けるように構成されている。
【0475】
そして、「コンビバトルリーチ演出」において、遊技者に有利な結果となることが予め定められている場合において、演出ボタンP381の有効期間に所定の操作量の操作が演出ボタンP381に対してなされると(または、有効期間が経過すると)、図35に示すような演出成功(大当り)を報知する演出が演出表示装置P80の表示領域に表示される。この時、図33から図35に移行する期間に、演出役物P560の動作を行った後に切り替わるようにしてもよく、また、このときには演出操作ユニットP380の振動発生手段(偏心モータ)にて、例えば5秒間程度の長時間振動する「祝福バイブ」演出を実行するように構成している。
【0476】
なお、演出例1の例では、演出操作ユニットP380の「祝福バイブ」演出を「遊技者操作演出」の演出ボタンP381の有効期間における操作結果として実行することを説明したが、リーチ演出などで大当りであるか否かを報知する当落分岐演出において大当りであることが報知される場合には、「遊技者操作演出」を実行していない場合であっても実行してよい。また、「祝福バイブ」演出は、当落分岐演出にて大当りが報知された後に、さらに遊技者に有利な結果が報知される都度実行するものであってもよく、例えば再抽選演出(図50を用いて後述)にて、装飾図柄P801の組合せが変化した場合において実行してもよい。
【0477】
図34は、「コンビバトルリーチ演出」の「遊技者操作演出」が一撃パターンで実行された場合の演出ボタンP381の有効期間における演出表示例である。
【0478】
一撃パターンでは、ボタン画像P881の中央に「激熱」との文字列が表示されたボタン画像P881を表示するとともに、ボタン画像の周囲(背景)に発光エフェクトを表示している。このとき、ボタン画像P881において「激熱」の文字列が配置されている演出ボタンの操作部に対応する位置は、赤色の背景で表示され、演出ボタンP381の入力装置操作部ランプP356についてもボタン画像P881と同様に赤色に発光するように構成されている。また、一撃パターンは連打パターンよりも大当り期待度が高く設定されているため、演出ボタンP381の有効期間に切り替わるとき、高期待度である一撃パターンのボタン画像P881が表示される際には、スピーカP83からデフォルトのボタン画像P881や連打パターンのボタン画像P881が表示される場合よりも大きい効果音(SE)でボタン画像P881の表示開始を遊技者に報知するように構成している。
【0479】
図33および図34に示す連打パターンと一撃パターンとは、異なる大当り期待度の演出であるが、図32に示すボタン煽り画像P890の表示タイミングではいずれの演出に発展するかが判別できないように構成されており、図32のようにボタン煽り画像P890を表示している期間においては、演出ランプP82の発光態様、スピーカP83の音声、演出役物P560の動作等が連打パターンと一撃パターンとで共通となっている。また、図32におけるボタン煽り画像P890は演出表示装置P80の表示領域に「ボタンを押して_××ペアを倒せ!」と指示を表示しているため、復活演出の実行のためのボタン画像P881の表示を煽るボタン煽り画像P890の表示(図36を用いて後述)のように、その後にボタン画像P881が表示されないガセパターンがない演出となっている。
【0480】
このように構成することで、大当り期待度の異なる「遊技者操作演出」の実行態様(実行パターン)を備える場合であっても、ボタン煽り画像P890の表示期間でいずれの演出に発展するかが明示されず、ボタン煽り画像P890の表示中にいずれの演出に発展するか(大当り期待度の高い方のパターンに発展するか)に期待感をもって演出を楽しむことができるようになっている。
【0481】
図36は、「コンビバトルリーチ演出」の演出結果が、遊技者に不利な結果(はずれ)である可能性が示唆されている状況を示している。
【0482】
図36においては、装飾図柄P801がはずれを示す態様で仮停止している前方に、ボタン煽り画像P890を表示し、当該変動表示が大当りである場合に復活演出に移行するための演出ボタンP381の有効期間が発生するか否かを煽る演出が実行され、当該変動表示がはずれである場合には、複数のボタン煽り画像P890がすれ違ってそのまま消失するアニメーションが表示され、「遊技者操作演出」を実行しないガセパターンのボタン煽り演出が表示される。なお、「遊技者操作演出」を実行しないガセパターンのボタン煽り演出を実行する場合でも、図32に示すタイミングと同様の演出ランプP82、スピーカP83の他デバイスでの演出を実行し、ボタン煽り演出がすれ違って消失することとなるガセパターンの実行が認識されるタイミングにおいて、前述の連打パターンや一撃パターンと異なる態様で演出ランプP82、スピーカP83の演出が実行される(例えば、入力装置操作部ランプP356が消灯する、スピーカP83のボタン出現煽りの音声がフェードアウトしていく等)。
【0483】
また、図36に示す復活演出の発生を示唆する「遊技者操作演出」のボタン画像P881は、ボタン画像P881の演出ボタンP381操作部を模した部分が白色で表示される白ボタン画像と、赤色で表示される赤ボタン画像(チャンスボタン画像)があり、白ボタン画像で表示される場合に復活演出に移行する確率は50%、赤ボタン画像が表示される場合に復活演出に移行する確率は100%となっている。
【0484】
白ボタン画像または赤ボタン画像、ガセパターンのいずれの演出が選択されているかについては、図36に示すボタン煽り画像P890の表示段階からは、ボタン煽り画像P890の表示態様、スピーカP83から出力されるボタン煽り演出の効果音、入力装置操作部ランプP356等の演出ランプの発光態様から識別できないように構成されている。
【0485】
なお「コンビバトルリーチ演出」の変形例として、図32に示すボタン煽り画像P890の表示タイミングにおいて、その後に発生する「遊技者操作演出」の演出パターンが演出ボタンP381の操作を要求するパターンとなるか、演出レバーP382の操作を要求するパターンとなるか明示しない形式で実施してもよく、例えば「ボタンを押して_××ペアを倒せ!」ではなく、「力を合わせて_××ペアを倒せ!」との指示を表示するのみとし、演出レバーP382の操作を要求するパターンである場合には、ボタン煽り画像P890の代わりに演出レバーP382を模したレバー煽り画像を表示するように構成してもよい。
【0486】
なお、このように構成した場合には、ボタン煽り画像P890では連打パターンや一撃パターン、長押しパターンなど、演出ボタンP381の操作態様がボタン煽り画像P890の表示からは判断できないが、演出レバーP382の操作を要求するパターンの場合には、演出表示装置P80の表示から演出操作ユニットP380の操作有効期間前に演出レバーP382の操作が有効となることが認識できる。そのため、ボタン煽り画像P890またはレバー煽り画像が表示される前にはいずれの煽り画像が表示されるかを期待でき、さらにボタン煽り画像P890が表示された場合でも、操作が有効となるタイミングでいずれの操作が要求されるかに期待する、という複数のタイミングにおいて演出展開に期待を寄せて眺めることができる興趣性の高い「遊技者操作演出」を提供するものにできる。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例2>
【0487】
続いて図38から図41を用いて第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「遊技者操作演出」が行われる変動表示の演出例2について説明を行う。
【0488】
演出例2の変動演出について、大筋の流れは演出例1と同様であり、1回の特別図柄の変動表示の期間に複数回の装飾図柄P801の擬似変動が実行される変動表示であって実行される予告演出の内容が異なっている。本演出例2の説明では、特徴的なポイントとして、「裏ボタン演出」、「スペシャルフラッシュ予告」、「祝福バイブ」演出の実行について詳細に触れて説明する。
【0489】
最初に図38を用いて、演出例2における演出表示装置P80での演出表示の例を説明する。
【0490】
図38(A)は、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「遊技者操作演出」を含む変動演出の一つの例である演出例2の初回の擬似変動における演出表示である。図38(A)では、初回の擬似変動がリーチ態様を形成するタイミングまで跨って表示される予告演出であって、リーチ態様を形成している装飾図柄P801の間で変動表示を行っている中図柄列に向かってキャラクタEが重火器をもって攻撃を行っている様を表示している。このとき、演出表示装置P801にはボタン画像P881と有効期間表示P885が表示(便宜的に図中の右下に配置)されており、演出ボタンP381の操作有効期間に遊技者が演出ボタンP381の操作を行うことで、リーチ演出の結果(図38(B)参照)が表示されるようになっている。
【0491】
なお、図38(A)に示すノーマルリーチにおいて、図のようにノーマルリーチの演出結果を示すための演出ボタンP381の有効期間はノーマルリーチ演出の演出期間の終盤に相当し、ノーマルリーチの発生から図38(A)の演出態様の表示タイミングの少し前までの期間において裏ボタン演出(図39を用いて後述)を実行している。
【0492】
図38(B)は、図38(A)に示すノーマルリーチ演出の結果として、特殊図柄P804を含む装飾図柄P801が仮停止表示され、擬似変動演出が実行されることが報知されている状態を示している。
【0493】
図38(C)は、図38(B)において擬似変動演出が実行されることが報知された直後において、2回目の擬似変動が開始された様子を示しており、演出表示装置P80の表示領域の左上には擬似変動回数表示P925として「×2」の表示がなされ、背景に女性キャラクタA、Bが表示されるカットイン演出P955が発生している。ここで、擬似変動が開始される際にカットイン演出P955を表示するパターンとなるのは、演出例1のように演出モードの通常背景に戻って装飾図柄P801が変動を再開する場合よりも高期待度であることを示唆する擬似変動演出の変動表示の開始(再開)態様となっている。
【0494】
図38(D)は、本演出例2において2回目の擬似変動にて所定の予告演出を実行し(女性キャラクタBが動物の通り過ぎる様子をみてセリフを発するキャラクタ通過が実行されており、図の例では通り過ぎる動物として犬が選択されている様子が示されている)、その後に再び特殊図柄P804を含む装飾図柄P801が仮停止して、擬似変動演出がさらに継続する旨を報知している様をしめしている。
【0495】
図38(E)は、本演出例2において3回目の擬似変動が開始する際の様子を示している。図38(E)では、図38(C)と同様に擬似変動が開始(再開)されるタイミングでカットイン演出を発生させている。このとき図38(E)の例では、カットイン演出P955として女性キャラクタC、Dおよび女性キャラクタGの3人が表示される画像とともに「CHANCE」の文字列が表示され、カットイン演出P955として大当り期待度の高いパターン(チャンスパターン)が選択されている様子が示されている。また、図38(E)の例では、3回目の擬似変動が開始(再開)されることで、大当り期待度が相当に高まっていることを意味する表示であるチャンス帯P956(「熱」という文字が記載された帯状の表示物)が表示領域の左上側に表示されている。
【0496】
また、詳細は後述するが、図38(E)のタイミングにおいて、スペシャルフラッシュ予告(図40参照)が同期間において実行されている。スペシャルフラッシュ予告は、大当り期待度が高い変動演出に伴って実行される演出ランプP82を用いた演出であって、変動演出の開始時(装飾図柄P801の初回の擬似変動の開始時)、2回目の擬似変動の開始時、3回目の擬似変動が開始時、SPリーチ(スペシャルリーチ)の開始時、SPリーチの実行中の複数タイミングで実行可能であり、演出例2においては3回目の擬似変動が開始時のタイミングで実行されている。
【0497】
図38(F)は、演出例2における3回目の擬似変動にて所定の予告演出が表示された後、女性キャラクタC、DによってSPリーチ(演出例1のコンビバトルリーチ演出等)に発展することが示される表示例を示している。図38(F)では、図38(E)にて表示が開始されたチャンス帯P956が継続表示されているが、チャンス帯P956はSPリーチ中の当落分岐演出(大当りであるか否か結果として報知される演出)のボタン演出の演出切り替えタイミングまで(例えば図33図34参照)、すなわち演出過程として一旦演出結果を報知する演出を表示するタイミングまで表示が継続される(復活演出を行う場合でもはずれ態様を表示する際にチャンス帯P956は非表示とする)。
【0498】
続いて演出例2における演出表示装置P80以外のデバイスを用いた特徴的な演出である「裏ボタン演出」、「スペシャルフラッシュ予告」、「祝福バイブ」演出の実行態様について説明する。
≪裏ボタン演出≫
【0499】
「裏ボタン演出」は、図38(A)に示すようにリーチ演出などの演出期間の比較的長時間(例えば5秒~20秒程度)に及ぶ予告演出、リーチ演出の際に実行可能な演出であり、演出表示装置P80の表示領域において、ボタン画像P881等の遊技者に対する演出操作ユニットP380に対する操作を促す画像を表示せずに実行する「遊技者操作演出」であって、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技に関する上級者のみが知り得る「遊技者操作演出」となっている。なお、「裏ボタン演出」では、演出表示装置P80の表示領域にボタン画像P881を表示しないものの、演出ボタンP381の入力装置操作部ランプP356を有効期間を示す態様で点灯表示させることで、「裏ボタン演出」の実行期間であることを暗に報知するようになっている。
【0500】
本演出例2において、図38(A)に示すノーマルリーチ演出の結果を報知するための「遊技者操作演出」の前において、図39に示すように演出ボタンP381の入力装置操作部ランプP356が発光している期間に遊技者が演出ボタンP381に対して所定の操作(本例では連打または長押し)を行うことで、操作量に応じてロゴ発光部P650の色が次第に変化していくことで、ロゴ発光部P650の発光態様により当該変動演出の大当りとなる結果、または実行中のノーマルリーチ演出で遊技者に有利となる結果(大当りとなる期待度が高まっていること)を報知する演出となっている。
【0501】
より具体的には、本演出例2の「裏ボタン演出」を実行するため、所定のリーチ演出(演出例2ではキャラクタEが重火器をもって攻撃を行うリーチ演出であるがその他の演出であってもよい)が実行されており、かつ演出ボタンP381の入力装置操作部ランプP356が有効期間を示す態様で発光している状態で遊技者が演出ボタンP381に対して連打(長押し)操作を行うと、操作回数が増加するにしたがって徐々にロゴ発光部P650の左側から発光色が次第に変化していき、ロゴ発光部P650全体が同色に変化すると、再びロゴ発光部P650の左側から次第に他の発光色に変化する発光態様の変化を行う。そして、「裏ボタン演出」の有効期間が終了するときに発光していた態様が、変動演出において遊技者に有利な結果が報知される期待度として示される。
【0502】
ロゴ発光部P650は「裏ボタン演出」を実行しない場合は、実行中の演出に応じた発光を行うが、「裏ボタン演出」を開始するための初回の演出ボタンP381の入力操作が行われると、初期態様としてロゴ発光部P650の全体を白発光に切り替え、演出ボタンP381の入力操作の量に応じて徐々に「青」、「緑」、「赤」、「金」と次第に大当り期待度が高まる態様に変化するように構成されている。なお、ロゴ発光部P650の変化態様は、ロゴ発光部P650の左側から徐々に変化するものであるが、ロゴ発光部P650の左側の一部が「赤」であり、残りの部分が「緑」である場合は、「裏ボタン演出」の結果は「緑」であるものとして、「裏ボタン演出」の実行期間終了のタイミングにおいてロゴ発光部P650の全体を一旦「緑」で発光させるように構成している。また、「裏ボタン演出」のロゴ発光部P650の発光部の変化態様は、ロゴ発光部P650の左側から徐々に変化する態様であることを説明したが、より遊技者に有利な結果を報知する態様が「裏ボタン演出」の最終態様として決定されている場合には、ロゴ発光部P650の発光態様の変化を「右側から徐々に変化させる」、「全体を現段階と次段階の色で交互に点滅させる」などとして高期待度の「裏ボタン演出」が実行されていることを認識可能に構成してもよい。
【0503】
また、「裏ボタン演出」を実行する場合には、図39に示すように、ロゴ発光部P650の下方において、演出表示装置P80の表示領域に裏ボタンエフェクトP950を表示するようになっており、裏ボタンエフェクトP950は現段階で「裏ボタン演出」が終了した場合の期待度に応じた色で表示されるようになっている。
【0504】
さらに、「裏ボタン演出」を実行する場合、遊技者の演出ボタンP381への操作に応じて、ロゴ発光部P650を変化させる変化(発光色の変化がなく操作に応じた明滅をする場合も含む)におうじて、「裏ボタン演出」の操作に係る効果音(SE)をスピーカP83から出力する。また、効果音(SE)は、ロゴ発光部P650の発光に関し1段階の発光が完了すると、次の期待度に上昇した旨の期待度上昇を報知するための効果音(SE)を別途出力する。
【0505】
ただし、「裏ボタン演出」の効果音(SE)は、0.2秒程度の音声データで構成しており、効果音(SE)を再生してから0.2秒程度(音声データのフェードアウトを考慮して0.18秒)は、次の音声データを出力しないようにを考慮されており、遊技者の演出ボタンP381への操作の時間的感覚が次の音声データの出力を許可する間隔よりも短い場合には、後の操作に関する効果音(SE)は出力されないように構成している。なお、このように構成する場合であっても、ロゴ発光部P650の発光色の変化に関する抽選や発光データの出力、演出表示装置P80の表示領域における裏ボタンエフェクトP950の表示は遊技者の操作毎に実行されるようになっている。また、0.18秒の制限期間内であっても、演出ボタンを操作することにより、所定の演出切り替えに当選し、「裏ボタン演出」での効果音(SE)と異なる音声データを出力する場合には、制限を受けることなく新しい音声データの出力をスピーカP83から行うようになっている。
【0506】
なお、演出例2では「裏ボタン演出」として遊技盤P5の発光部であるロゴ発光部P650を用いて演出を行ったが、その他の演出ランプP82、例えばロゴ発光部P650以外の遊技盤P5に備わる演出ランプP82、あるいは枠左側部ランプP352および枠右側部ランプP353等の枠ランプP350を用いて「裏ボタン演出」としての発光演出を実行するものであってもよい。また、「裏ボタン演出」を実行する場合には、演出ランプP82以外のデバイスであるスピーカP83や演出役物P560等の動作を演出ランプP82の動作に合わせて実行するものであってよい。
≪スペシャルフラッシュ予告≫
【0507】
「スペシャルフラッシュ予告」は、演出ランプP82を用いた予告演出であって、枠ランプP350(枠上部ランプP351、枠左側部ランプP352、枠右側部ランプP353、枠球皿部ランプP354、入力装置装飾ランプP355、入力装置操作部ランプP356)を用いた発光演出である。「スペシャルフラッシュ予告」は、動物のキリン柄をイメージした発光演出であり、演出を行う発光部を黄色とオレンジ色(茶色に近い色味)で発光させたり、金色と白色で発光させたりする、遊技者の注目を引くことが演出となっている。
【0508】
「スペシャルフラッシュ予告」では、対象の枠ランプP350の配置関係に応じて図40に示すように交互に異なる色で発光させている(図40では白色となる発光部と格子状の模様で示される発光部)。発光演出を行う期間は2秒程度であり、カットイン演出P955の表示期間と略同一となっている。なお、演出例2ではカットイン演出P955と同時に実行しているが、他の予告演出と重複実行されるように構成してもよい。
【0509】
また、図40において、演出操作ユニットP380の左右に波線で示すように、「スペシャルフラッシュ予告」が実行される際には、演出操作ユニットP380の内部に備わる振動手段(偏心モータ)を動作させることで、演出操作ユニットP380が2秒程度振動する「デバイス振動演出」を伴って実行するように構成している。
【0510】
このように「デバイス振動演出」を「スペシャルフラッシュ予告」に合わせて実行することで、演出表示装置P80の表示に注目している遊技者に対し、ハンドルP204を通じて演出操作ユニットP380の振動が知覚され、枠P3の演出装置等に注意をひきつけるようにし、枠P3で行う演出(「スペシャルフラッシュ予告」)にも注目させるように構成できる。
【0511】
また、「スペシャルフラッシュ予告」の実行を遊技者に気づかせるために、「スペシャルフラッシュ予告」を実施する場合には専用の演出音声ないし効果音を出力するとよい。
【0512】
「スペシャルフラッシュ予告」は、前述したように演出操作ユニットP380の入力装置装飾ランプP355、入力装置操作部ランプP356)も使用した枠ランプP350全体を用いた発光演出であるため、「スペシャルフラッシュ予告」を実施する直前の期間には演出操作ユニットP380の操作を求める「遊技者操作演出」を設定しないようにすることで、遊技者の手指が演出操作ユニットP380の近傍に配置され難くするように構成し、枠ランプP350の発光部の発光態様を「スペシャルフラッシュ予告」の開始タイミングから突然変化させるようにすることで演出効果(インパクト)の高い見た目とすることができる。
【0513】
なお、演出例2では「スペシャルフラッシュ予告」と「デバイス振動演出」を同時に実行するものとしたが、それらを個別に実行する場合があってもよい。「デバイス振動演出」のみを実行する場合には、「デバイス振動演出」であることを気づきやすくし、「デバイス振動演出」の期待度を示唆するために入力装置操作部ランプP356を白や赤など期待度に応じて発光させるとよい。「スペシャルフラッシュ予告」と「デバイス振動演出」を同時に実行する場合は、「スペシャルフラッシュ予告」の発光のほうが大当り期待度の高い示唆態様であるため、「スペシャルフラッシュ予告」の発光が優先され、「デバイス振動演出」に伴う発光は遊技者に認識できないようになっている。
【0514】
また、「スペシャルフラッシュ予告」の他の仕様例として、先読み演出として使用する「スペシャルフラッシュ先読み予告」を備えていてもよい。「スペシャルフラッシュ先読み予告」は、「スペシャルフラッシュ先読み予告」の実行が決定される高期待度の保留が発生した場合に、保留の発生タイミングで実行される演出であり、上述の「スペシャルフラッシュ予告」と同様の演出ランプP82の発光を行うものである。
【0515】
「スペシャルフラッシュ先読み予告」は、現在実行中の変動表示において「スペシャルフラッシュ予告」が発生したと誤認しないために、現在実行中の変動表示に係る変動演出が擬似変動演出やリーチ演出等大当り期待度が高まっている変動演出を実行していないタイミングでのみ実行可能とすることが好ましい。また、「スペシャルフラッシュ先読み予告」を実行する場合、「スペシャルフラッシュ先読み予告」に当選した保留を明示するために、保留変化先読み演出を必ず伴うようにし、保留変化先読み演出の中でも高期待度の保留(保留変化先読み演出の期待度が「青」、「緑」、「赤」、「金」と順に高まる場合、「赤」または「金」の時)が必ず表示されるように構成することで、「スペシャルフラッシュ予告」と誤認せず、「スペシャルフラッシュ先読み予告」が実行されたと理解できるようにすることが好ましい。
【0516】
また、「スペシャルフラッシュ先読み予告」を実施する場合、「スペシャルフラッシュ予告」と識別性を持たせるために「スペシャルフラッシュ予告」の実施の際に行っていた「デバイス振動演出」や専用の音声、効果音の出力を行わないように構成してもよく、そのように構成した場合であっても、高期待度の保留表示態様へ変化する保留変化先読み演出を実行するため、保留変化先読み演出に連動した効果音にて現在の変動演出以外の演出表示(保留表示)ないし枠ランプP350における「スペシャルフラッシュ先読み予告」へ遊技者の注意を惹きつけるように構成してよい。
≪祝福バイブ≫
【0517】
図41図38には不図示のリーチ演出後の大当り報知演出が実施されている状況下で行われている「祝福バイブ」演出における演出ランプP82の発光例を示している。「祝福バイブ」演出は、大当りであるか否かを報知するリーチ演出の当落分岐後であって大当りを報知する演出の表示中(例えば演出例1の「コンビバトルリーチ演出」の当落分岐後の大当り報知演出、図35参照)に実施される演出操作ユニットP380の振動演出である。
【0518】
図41に示すように、「祝福バイブ」演出を実施している状況では、演出操作ユニットP380の振動が行われ(図中の演出操作ユニットP380の両脇に波線で示す)、同時に大当り報知演出に連動した虹色発光演出(図中では枠ランプP350およびロゴ発光部P650が4色の発光を行っている態様で示されているが、実際は7色で発光または7色のうちの3色から5色の色の組合せを順次7色に切り替えながら発光する演出)を枠ランプP350や盤ランプP550にて行うように構成している。
【0519】
また、「祝福バイブ」演出は、大当り報知演出や再抽選演出での図柄停止時など複数回のタイミングで実施される場合があり、かつ同時に実施している演出(表示演出)の重要性が高く演出表示装置P80から報知される情報のほうが演出価値が高いと判断されるため、おなじ演出操作ユニットP380を振動させる演出ではあるが、「デバイス振動演出」とは異なり「祝福バイブ」演出には専用の効果音を設定しないようにしている。
【0520】
また、「祝福バイブ」演出は、当落分岐演出後に実行され、当落分岐演出が「遊技者操作演出」として演出操作ユニットP380の操作を求める場合が多いことから、「祝福バイブ」演出では、演出の開始前に演出操作ユニットP380の操作有効期間が演出表示装置P80の表示内容や、入力装置操作部ランプP356の発光で事前に実行が推測できる点で「デバイス振動演出」とは異なり、また演出操作ユニットP380の操作が必要なことより、演出操作ユニットP380の近傍に遊技者の手指があるため、視覚よりも触感で楽しむ演出となっている。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例3>
【0521】
次に、図42から図49を用いて第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「遊技者操作演出」に関する演出例3を説明する。演出例3は、高ベース状態(変動時間短縮機能の作動状態)における「遊技者操作演出」の実施例であり、かつ、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性に関するカスタマイズの一つである「オートボタン(自動操作)機能」を用いた場合の演出例である。なお、演出例3にて説明する複数の「遊技者操作演出」は、全てを1回の特別図柄の変動表示における変動演出中に行うものではなく、それぞれ少なくとも1つの「遊技者操作演出」が1回の図柄変動にて行われるものでよい。
【0522】
ここで、「オートボタン(自動操作)機能」は、演出操作ユニットP380の操作部(演出ボタンP381、演出レバーP382)の操作が有効となる操作有効期間が発生した場合において、遊技者が操作ユニットP380の操作部に対する操作を行わない場合であっても、演出を切り替えるために必要となる操作がなされているとみなして演出切り替えを自動で行う機能である。「オートボタン(自動操作)機能」の設定は、遊技待機中のメニュー画面(メニュー表示案内P911に従った操作により開く演出カスタマイズメニュー)から設定するか、変動演出の実行中であって、演出ボタンP381が有効となっていない期間に、演出ボタンP381に対し所定の操作(長押し操作)を行った場合に設定状況(オンオフ)が切り替えられる。また、「オートボタン(自動操作)機能」は、演出ボタンP381の操作によって設定されるものであるが、演出レバーP382を用いた「遊技者操作演出」についても自動的に演出切り替えを行ってよく、詳細は後述するが、「遊技者操作演出」の種類によっては「オートボタン(自動操作)機能」がオンとなっている状況であっても、遊技者操作が行われるまで演出切り替えを行わない「遊技者操作演出」を設けていてもよい。また、「オートボタン(自動操作)機能」を設定している状況下では、入力装置操作部ランプP356が演出ボタンP381の操作有効期間以外では常時黄色に発光して「オートボタン(自動操作)機能」を設定していることを報知している。ただし、「オートボタン(自動操作)機能」を設定していることを報知する黄色の発光より、優先される発光演出(前述した「スペシャルフラッシュ予告」や「祝福バイブ」演出など)があってもよい。
【0523】
図42は、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて高ベース状態(変動時間短縮機能の作動中)における演出状態(以下「時短モード状態」と称する)で予告演出が表示されていない状態の表示例である。
【0524】
時短モード状態では、予告演出が行われていない状況下では、第1実施例のぱちんこ遊技機Pのモチーフの主人公キャラクタである女性キャラクタA、Bが疾走している様子が背景アニメーションとして表示される(図42では女性キャラクタBが武器(槍)をもって疾走している様子が示されている)。
【0525】
時短モード状態では、図42に示すように、演出表示装置P80の表示領域の上側に演出モード表示P840、残り遊技回数表示P841、簡易図柄P802、打ち分け報知画像P830(右打ち報知画像(小)P832)が表示される。そして表示領域の中段から下段の表示領域にかけては、簡易保留表示P814、装飾図柄P801、保留表示領域P810、保留オブジェクトP811、自動操作設定表示P855が表示される。なお、演出例3では図示していないが、演出例1と同様に時短モード状態でも演出カスタマイズ領域P853を表示したり、時短モード状態においてBGMとして流す音楽を選択する楽曲選択領域を表示するように構成してもよい。また、時短モード状態では、当該保留オブジェクト表示領域P812および当該保留オブジェクトP813は表示しないように構成されている。
【0526】
図43は、時短モード状態において、セリフ予告が実施されている状態での表示例を示している。セリフ予告の実行態様は図24および図25に示した態様とほぼ同じであり、演出例3では、「オートボタン(自動操作)機能」の設定により、遊技者に演出操作ユニットP380への操作を促すための操作画像であるボタン画像P881の表示に関して、遊技者が演出ボタンP381の操作を行わない場合に演出切り替えを行うタイミングを示唆する自動操作時期表示P887が有効期間表示P885の近傍に表示されている点で異なる。第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「オートボタン(自動操作)機能」を設定すると、演出ボタンP381の1回操作を行う「遊技者操作演出」では図43に示すように有効期間表示P885にて残りの操作有効期間が半分程度となった場合に操作されるようになっている。
【0527】
なお、自動操作時期表示P887については表示しないように構成してもよい。また、自動操作時期表示P887を表示する場合でも、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは「遊技者操作演出」において、遊技者に演出ボタン381に対する複数回操作(連打操作)や長押し操作を行う場合には、有効期間表示P885が半分近くになる前(好適には有効期間表示P885の減少が開始されるころ)より演出ボタンP381に対する遊技者操作があった場合と同様に演出表示を行うように構成しているため、自動操作時期表示P887を伴わない態様でボタン画像P881、有効期間表示P885、操作態様指示P886を表示するように構成している。
【0528】
図44は、図43に示すセリフ予告において、遊技者が有効期間表示P885の残り有効期間が自動操作時期表示P887の位置に到達する前に演出ボタンP381を操作した場合の演出表示例を示している。図44では、演出ボタンP381を操作した結果セリフ予告が進行して女性キャラクタBのセリフが前段階の女性キャラクタAのセリフに重ねて表示されている。
【0529】
また、このとき図44の演出表示例の右下に示すように、「オートボタン機能が解除されました。」、「オートボタンOFF」と示されるように自動操作設定表示P855がオフに切り替えられた旨を示している。第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「オートボタン(自動操作)機能」がオンに設定されている状況下において、遊技者が「遊技者操作演出」の演出ボタンP381の操作有効期間に自ら演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作を行うと、「オートボタン(自動操作)機能」をオフに設定するように構成している。
【0530】
「オートボタン(自動操作)機能」を設定している状況下でかつ演出ボタンP381の操作が有効期間である場合に、遊技者が演出ボタンP381の操作を行うと「オートボタン(自動操作)機能」を解除する旨説明したが、当該制御は変動中のみであり、遊技待機中(待機中メニュー表示P910が表示されているとき)は、演出カスタマイズ機能のメニュー画面を開くための操作として、演出ボタンP381の操作が有効となってしまうため、遊技者が「オートボタン(自動操作)機能」を設定仕様として演出ボタンP381の操作をした時に「オートボタン(自動操作)機能」が解除される虞がある。第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、このような意図しない「オートボタン(自動操作)機能」の解除がなされないよう、待機中メニュー表示P910が表示されているときは、演出ボタンP381の操作が有効であって演出ボタンP381の操作がなされた場合でも「オートボタン(自動操作)機能」の設定は解除(オフ)されないように構成しており、仮に遊技待機中に「オートボタン(自動操作)機能」の解除をしたい場合には、演出カスタマイズ機能のメニュー画面内で「オートボタン(自動操作)機能」の解除をする操作を行う手順を要するように構成している。
【0531】
なお、「オートボタン(自動操作)機能」をオフにするための操作について、「オートボタン(自動操作)機能」をオンにする場合と同様に遊技待機中のメニュー表示での操作や、変動中の演出ボタンP381の操作有効期間外での長押し操作により解除可能とするように構成してもよい。また、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「オートボタン(自動操作)機能」をオンにしている状況下でも、演出の進行に演出操作ユニットP380に対する所定の遊技者操作を求める特別な演出も有しており、そのような演出を実行する場合には、演出の切り替えに遊技者の操作を必要とすることから、演出操作ユニットP380に対する操作を検出した場合であっても、意図しない「オートボタン(自動操作)機能」の解除は行わないように構成することが好ましい。
【0532】
図45は、時短モード状態における1の予告演出「ブロック破壊リーチ」の演出例である。
【0533】
「ブロック破壊リーチ」は、左右の装飾図柄P801がリーチ態様を形成した状態で、中図柄列に順次出現する数字が書かれたブロックを女性キャラクタAが破壊していく様子を表示するものであり、遊技者が演出ボタンを複数回操作(連打操作)することでリーチ態様を形成している図柄に応じた数字とは異なる数字が表示されたブロックを破壊していく演出である。「ブロック破壊リーチ」では、リーチ態様を形成している図柄の数字Nより1小さい数字のブロックを破壊することができれば大当りであることが報知され、リーチ態様を形成している図柄の数字Nより小さい数字のブロックを破壊しきれなかった場合にははずれであることが報知される。
【0534】
「ブロック破壊リーチ」は、「遊技者操作演出」として、前述した「コンビバトルリーチ演出」と同様に、ボタン画像煽り演出を行い、ボタン画像煽り演出に成功して図45に示すように演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作を要求するパターンと、ボタン画像煽り演出に失敗して「遊技者操作演出」とならない非操作パターンとを有している。「ブロック破壊リーチ」は時短モード状態における高期待度のリーチとなっており、「遊技者操作演出」として実施された場合であって、演出ボタンP381の操作が単押し操作(一回操作)である単押しパターンの場合は大当り期待度50%、演出ボタンP381の操作が長押しである長押しパターンの場合は大当り期待度70%、演出ボタンP381の操作が連打操作(複数回操作)である連打パターンの場合は大当り期待度85%、非操作パターンの場合は大当り期待度30%となっている。
【0535】
図45の演出例では、自動操作設定表示P855が「オートボタン(自動操作)機能」の機能状態(オン状態)であることを示している一方で、ボタン画像P881、有効期間表示P885と同時には自動操作時期表示P887を行わず、代わりに操作態様指示P886(「連打!!」の文字列)が表示されている。
【0536】
図45のように、「オートボタン(自動操作)機能」を機能状態に設定している場合であっても、「遊技者操作演出」の演出パターンとして、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381、演出レバーP382)の一定の操作量を演出切り替えの条件として要求する演出である場合には、仮に遊技者が実際に操作する場合であっても、有効期間表示P885に示される有効期間の大部分に亘って操作をすることで演出切り替えの条件を充足し得るものであることから、「オートボタン(自動操作)機能」に基づく演出操作ユニットP380に対するみなし操作の開始タイミングを有効期間表示P885の減算が開始される頃(有効期間が開始される頃)に設定する方が、実際に遊技者が操作する場合と同様の演出表示を行うことができるため、「オートボタン(自動操作)機能」によるみなし操作を一回操作(単押しパターン、図43参照)よりも早いタイミングに行う(開始する)ように構成することが好ましく、自動操作時期表示P887の表示とみなし操作に伴う演出表示のタイミングが合わない虞があることから、自動操作時期表示P887を表示しないように構成している。
【0537】
図46および図47は、時短モード状態における「連撃ボタンアクション予告」の演出表示例を示している。
【0538】
「連撃ボタンアクション予告」は、図46に示すように、時短モード状態において装飾図柄P801が停止表示される位置に応じた個所に装飾図柄P801の数に応じた3個のボタン画像P881を表示する。そして、遊技者の演出ボタンP381の操作に応じて、背景の女性キャラクタがボタン画像P881の位置に向けて攻撃するアクションを行うとともに、停止表示する装飾図柄P801を回転、拡大させながら表示して停止表示態様に移行させるものであって、図47に示すように1個のボタン画像P881ごとに装飾図柄P801の表示に切り替えていく表示を実行する演出である。「連撃ボタンアクション予告」は、大当りとなる場合には3つの装飾図柄P801が同じ図柄で表示され、はずれとなる場合には少なくとも1の装飾図柄P801が異なる図柄で停止表示される結果が表示される。
【0539】
「連撃ボタンアクション予告」は、時短モード状態における「遊技者操作演出」であって、大当りとなる場合であっても2つの装飾図柄P801が同一図柄で表示されても、他の演出(リーチ演出等)に発展することなく、当該演出のみで特別図柄の変動表示の結果の報知が完結する予告演出であり、時短モード状態において大当りを報知する場合の変動表示の中で相対的に変動時間が短い大当り変動が選択された場合に実行される演出である。そのため、「連撃ボタンアクション予告」は、即座に大当りであることを報知する「即当り」演出と称する場合がある。また、大当りである場合でも比較的変動時間が短いに実行可能な予告演出であることから、時短モード状態における出現頻度は高めであり、大当りとなる期待度は3%~10%程度と低い演出(表示されるボタン画像P881の表示パターン、例えばチャンスボタン画像が表示されるパターンほど大当り期待度が高まる仕様)となっている。
【0540】
また、「連撃ボタンアクション予告」は、最終結果として表示される装飾図柄P801の表示順番に応じて、ボタン画像P881に対する有効期間表示P885が有効期間満了を示す態様に早く変化するように構成する(図46の例では、左、右、中のボタン画像P881の順に有効期間表示P885の示す残り有効期間が少なくなっているようになっている)。このように構成することで、ボタン画像P881毎に、自動操作時期表示P887の表示位置に対し有効期間表示P885の残り時間を示す部位が到達するタイミングが異なるように構成できるため、遊技者が演出ボタンP381の操作を行った場合と同様の態様で演出を進行させることができる。
【0541】
また「連撃ボタンアクション予告」では、装飾図柄P801に切り替わるボタン画像P881の順番によって大当り期待度に差を持たせるようにしてもよい(例えば、「右、左、中」の順番や「左、中、右」の順番などの場合は図46図47に示すパターンよりも大当り期待度が高い、等)。
【0542】
なお、上述の例ではボタン画像P881毎に有効期間表示P885の表示態様を異ならせるように構成したが、装飾図柄P801に切り替わる順番が定まっているとしても、3つのボタン画像P881の有効期間表示P885の変化を全く同一とし、いずれの順序で変化するかわからないように構成してもよい。また、このように構成する場合、遊技者が演出ボタンP381の操作を行わなかった場合に、一度に3つのボタン画像P881を装飾図柄P801に変化させるように構成してもよい。
【0543】
図48は、時短モード状態における予告演出である「一撃チャンス」演出の演出表示例を示している。
【0544】
図48には、女性キャラクタA、Bが祈りをささげるようなポーズをとっており、予告演出の説明として「一撃チャンス」、「レバーを引いて_2人が力を解き放てば大当り!」という文字が表示されている。「一撃チャンス」は、演出操作ユニットP380の演出レバーP382の1回操作により結果演出(図49参照)に切り替わる演出であって、変動開始直後に開始され、リーチ態様を形成した後に当落分岐煽りを行うという仕様でないために、比較的短時間で終了する(リーチに発展する場合に比して演出時間が短い)演出である。「一撃チャンス」は、演出時間が短い一方で、高期待度のリーチ(例えば「ブロック破壊リーチ」)よりは発生頻度が高く設定されたものであり、大当り期待度が高期待度のリーチよりは低いものの一定の期待度(例えば大当り期待度15%)で、遊技者に大当りの獲得のチャンスがある演出として設けられている。
【0545】
図48の演出表示が行われた後は、図48の右側に示すようなレバー画像P882が表示されるとともに、有効期間表示P885、「引け!」という文字と矢印画像で示す操作態様指示P886が表示される。
【0546】
「一撃チャンス」は、演出操作ユニットP380(演出レバーP382)の操作によって切り替わる演出であって、「レバーを引いて_2人が力を解き放てば大当り!」と説明がされるように、演出レバーP382の操作によって、大当りであるか否かの結果が示されることが明確に伝えられた当落分岐演出であるため、ボタン煽り画像P890、レバー煽り画像を表示することなく、演出操作ユニットP380の操作有効期間となる時期にレバー画像P882が表示される演出である。また、「一撃チャンス」は、「オートボタン(自動操作)機能」が機能状態(オン)に設定されている状況下であっても、演出レバーP382の操作の操作を行うまでは演出切り替えを行わないようになっている。
【0547】
また、「一撃チャンス」は上記のように、「オートボタン(自動操作)機能」のみなし操作が無効となる予告であることより、遊技者に演出操作ユニットP380の操作を促進する画像であるレバー画像P882においては自動操作時期表示P887を伴わないように構成している(図48では、自動操作時期表示P887が表示されないことを示すため、自動操作時期表示P887を白抜き、点線で示している)。
【0548】
「一撃チャンス」において、演出レバーP382に対する遊技者操作が行われる、または有効期間が満了したとき、「一撃チャンス」の結果が報知される。「一撃チャンス」が成功パターン、すなわち当該特別図柄の変動表示が大当りであるときには、図49に示すように、虹色の演出効果表示の前で女性キャラクタA、Bが向き合って見つめ合っている演出を表示するとともに、演出役物P560が演出表示装置P80の表示領域の前方に進出するようになっている。一方「一撃チャンス」がはずれとなる場合には、図48の女性キャラクタA、Bが祈りをささげる表示のまま、半透明な黒い画像を重ねて背景アニメーションが暗く表示されるとともに、はずれを示す装飾図柄P801の組み合わせが停止表示されるようになっている。
【0549】
また、「一撃チャンス」のように、遊技者によって演出操作ユニットP380の操作がなされるまで、演出の切り替えを行わないようにする「オートボタン(自動操作)機能」の非対象となる演出では、遊技者が演出操作ユニットP380(演出ボタンP381、演出レバーP382)を操作した場合であっても、半ば強要する形で演出操作ユニットP380の操作を遊技者に促すため、遊技者の意図しない「オートボタン(自動操作)機能」の解除とならないよう、「オートボタン(自動操作)機能」の解除は行われないように構成している。
【0550】
以上、時短モード状態における「遊技者操作演出」の演出例および、「オートボタン(自動操作)機能」の機能状態に設定されている状況下における「遊技者操作演出」の制御例を示してきたが、「オートボタン(自動操作)機能」を用いて興趣を高める手法としては以下のような変形例も考えられる。
≪演出例3の変形例≫
【0551】
図46および図47に示した「連撃ボタンアクション予告」では、ボタン画像P881ごとに表示されている有効期間表示P885と自動操作時期表示P887との相対的な位置関係より演出切り替えを行う、具体的には有効期間表示P885の残り有効期間の表示が自動操作時期表示P887に対応する位置に重なったときに演出切り替えとして装飾図柄P801を表示するように構成したが、例えば、1ないし全部のボタン画像P881に対応する有効期間表示P885の残り有効期間を示す表示が、自動操作時期である略半分に到達する前のタイミングにおいて、一度にすべてのボタン画像P881を大当りを示す装飾図柄P801の組合せの表示に切り替える演出例が挙げられる。
【0552】
このように、遊技者としては、「オートボタン(自動操作)機能」を機能状態に設定したことにより、ボタン画像P881が表示され、有効期間表示P885が略半分になるタイミングになっていずれの装飾図柄P801が表示されるか期待感をもって演出の進行を眺めているところに、意図しないタイミングで大当りとなる図柄組み合わせが表示されることによって不意を突かれた驚きと大当りを獲得したことの喜びを同時に与えることができ、通常とは異なる違和感を与えることで印象深い報知を行うことができる。なお、このように通常の「オートボタン(自動操作)機能」におけるみなし操作と異なるタイミングで、みなし操作が行われた場合と同様の演出切り替えを行う場合においては、遊技者に不利となる結果であると逆に印象が良くないため、違和感を伴う演出切り替えの制御を行う場合には、遊技者に有利な結果(大当り、より高期待度の演出への発展)が報知される演出のみを対象とすることが好ましい。
【0553】
また、図48および図49に示した一撃チャンスのような高期待度の「遊技者操作演出」において、演出例3の実施例では「オートボタン(自動操作)機能」が機能状態に設定されている状況でも、みなし操作を無効とする「オートボタン(自動操作)機能」の対象外の演出であるとしていたが、このような演出を「オートボタン(自動操作)機能」の対象とする場合には、次のような制御をすることで印象を強める興趣性の高い演出を実行できる。
【0554】
具体的には、図48に示す状況において、レバー画像P882と有効期間表示P885、自動操作時期表示P887が表示されている状況で、有効期間表示P885の残り有効期間が自動操作時期表示P887に対応する位置に到達しても、みなし操作に基づく演出切り替えを行わず、一定期間(1秒等)遅らせてみなし操作による演出切り替えを行うように制御する例が挙げられる。なお、本例においても意外性に基づく印象付けを目的としていることから、対象となる「遊技者操作演出」の結果を遊技者に有利な結果が表示される場合のみに絞って実行することが好ましい。
【0555】
このように構成することで、遊技者としては有効期間表示P885の残り有効期間が半分に到達したことによって演出が切り替わるだろうと思っていたところに演出切り替えが発生しないことで戸惑いを覚え、操作手段P81に対して操作を行おうとしたところにみなし操作に基づく演出切り替えが行われて驚きと遊技者自身にとって有利な結果が報知された喜びとにより高い興趣が得られる演出として提供できる。
【0556】
なお、本変形例は、「連撃ボタンアクション予告」や「一撃チャンス」といった「遊技者操作演出」に限らず、類似の効果が得られる「遊技者操作演出」であれば適宜の変更を施すことによって使用できる。
<第1実施例のぱちんこ遊技機Pの音量調整機能および光量調整機能の特徴>
【0557】
つぎに、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおける演出ランプP82、スピーカP83等別デバイスの演出制御に関し、演出態様(音量、光量)を変化させる調整についての特徴点を説明する。
≪遊技待機中の音量調整機能および光量調整機能の制御≫
【0558】
最初に第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおける遊技待機中(特別図柄の変動表示が実施されていない期間、ただし特別図柄の変動停止直後を除く)における音量調整機能及び光量調整機能の詳細について説明する。
【0559】
遊技待機中の演出表示例は図22に示したように、待機中メニュー表示P910の表示に音量調整案内表示P912、光量調整案内表示P913を示すことで調整機能が有効であることを報知し、遊技者が十字キーの左右キーまたは上下キーを操作することで、音量調整機能または光量調整機能に関する調整メニュー画像である音量設定領域P851(不図示)または光量設定領域P852(不図示)が表示されて、音量ないし光量の調整を行うものとなっている。
【0560】
遊技待機中においては、特別図柄の変動表示中とは異なり、変動演出が実行されていないことから、BGMや効果音等が低減されている、または一部再生されていない状況となっており、演出ランプP82の発光態様も特別図柄の変動表示中と比較して明滅が少ない発光をとりやすい状況にある。
【0561】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遊技待機中に音量調整を行うと、再生中の音声データの音量を変化させても、遊技待機中に再生される音声データの音量の基準値が小さいことから、実際に遊技した際の変動演出で再生される音量とは乖離した音量での調整になってしまうため、遊技待機中においては、音量調整機能の利用に伴う音量調整操作が行われた場合に、調整後の音量にて音量調整確認音となる専用データの効果音や音声データを再生することにより、遊技者の好みとなる音量に調整できるように構成している。
【0562】
なお、音量調整確認音となる専用データの効果音や音声データの音量基準値は、変動演出中の所定の音量基準値の予告演出(たとえばセリフ予告等)と同様であり、音量基準値が高く設定された大当り報知に関する効果音や音声などの音声データについては、遊技待機中の音量調整確認音で出力された音量よりも大きな音で出力される場合がある。
【0563】
遊技待機中に光量調整を行う場合は、遊技待機中の演出に合わせた演出ランプP82の発光態様を即座に光量調整操作に基づく光量に変化させることで、遊技者に光量を認識させるように構成している。
【0564】
なお、光量調整を待機中に行う場合、光量調整をしていることを認識させやすくするため、光量調整確認音を出力する。光量調整確認音は、調整された光量に応じて音量または音色が変化するようになっており、直感的に光量が変化していることを認識できる。光量調整確認音は、前述した音量調整確認音とは異なる音色とすることで、音量調整操作をしたと誤認しないように音量調整確認音とは識別性を有するように構成される。
【0565】
また、光量調整確認音は、システム音声(エラー音声など)の分類に割り当てられており、音量調整機能の利用に基づく、音量の設定の影響を受けることなく、光量調整の操作に応じた音がスピーカP83から出力されるようになっている。より具体的には、音量調整機能で音量「1」に設定している場合と、音量調整機能で音量「3」に設定している場合のいずれであっても光量調整確認音は、設定された光量に応じて同一の音量、音色でスピーカP83から出力される。
【0566】
ここで、上記説明では、遊技待機中に光量調整を行った場合、遊技待機中に実施されている演出ランプP82の発光に対し、調整後の光量設定を作用させる仕様を説明したが、変形例として、遊技待機中に光量調整機能を利用した場合、枠ランプP350または盤ランプP550の一部のランプ(例えば枠左側部ランプP352、枠右側部ランプP353、ロゴ発光部P650など)を、光量調整確認用の発光態様(明滅や色変化を行わずに一定の発光を行う発光態様)に変化させることで、光量の設定状況を識別しやすいように構成してもよい。
【0567】
なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、遊技待機中における状況下では音量調整確認音ないし光量調整確認音を出力する旨を説明したが、変形例として、変動中に遊技者が再生する楽曲(BGM)を選択可能とする演出状態を有している場合であって、特別図柄の変動表示が停止表示された後も遊技待機デモ演出が開始されるまで当該楽曲を再生し続ける場合などは、遊技者の意思で再生している楽曲(BGM)を邪魔しないように遊技待機中であっても音量調整確認音ないし光量調整確認音を出力しないように構成してよい。
【0568】
また、このように構成する場合には、遊技待機デモ演出が実行されて、選択した楽曲が低減ないし再生停止されている場合に音量調整ないし光量調整した場合には、音量調整確認音ないし光量調整確認音の出力ではなく、楽曲(BGM)の再生がされ、楽曲に合わせた演出ランプP82の発光が実施される状態に復帰し、楽曲(BGM)の音量を変化、演出ランプP82の発光輝度の変化をさせるように構成するとよい。
≪遊技中の音量調整機能および光量調整機能の制御≫
【0569】
つぎに、第1実施例のぱちんこ遊技機Pにおける遊技中(特別図柄の変動表示中ないし特別遊技中)における音量調整機能および光量調整機能の利用に関する詳細を説明する。
【0570】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pも、従来のぱちんこ遊技機と同様に、遊技中においては、様々な予告の効果音(SE)や音声、BGM等がスピーカP83から出力されており、演出ランプP82も、音声演出や演出表示装置P80で表示される画像演出に連動した発光演出を実行している。
【0571】
このように各種演出が実行されている状況下において、音量調整機能を利用した場合、遊技待機中とはことなり、比較的大きな音量にて各種演出音が出力されているため、音量調整確認音は遊技中の音量調整操作では、一部例外を除き出力しないように構成されている。
【0572】
ここで、遊技が進行している状況下において、音量調整操作の音量調整効果音が出力される一部の例外となる期間についていくつか例示する。
【0573】
まず1つめの例外となる期間の例として、遊技状態(演出状態)における遊技の主体となる図柄以外の図柄の変動表示が実行されている場合、すなわち変動演出を実行しない図柄が変動表示されている場合であって、例えば、特別図柄ではなく普通図柄が変動表示されている遊技の進行中や、第2特別図柄の変動演出を実行しない演出状態において、第1特別図柄が変動しておらず、第2特別図柄のみ(または第2特別図柄と普通図柄)が変動表示している状況などが挙げられる。
【0574】
2つ目の例外となる期間の例として、ブラックアウト演出(演出表示装置P80の表示領域を真っ黒にして何も見えなくする演出)やホワイトアウト演出(演出表示装置P80の表示領域を真っ白にして何も見えなくする演出)、リーチ演出への発展直前の暗転期間(ブラックアウト演出に類似)など、その後に表示される演出表示に期待感を持たせるための間を作る特殊な予告演出などであって、BGMや音声などがフェードアウトし、低減または非再生となる予告演出が実行される場合が挙げられる。このような特殊な予告演出が実施されている場合には、音量調整操作を行っても音量の変化が認識し難い、または認識できないことから変動演出が実行されている状況下であっても一時的に音量調整確認音を出力するように構成している。
【0575】
一方、遊技中の光量調整機能については、進行している遊技に合わせた演出ランプP82での発光演出の発光態様(光量)を光量調整操作に応じて即時変化させるようにしている。また、光量調整機能については、音量調整機能と異なり、前述の音量調整確認音を出力する一部の例外となる期間であっても、演出ランプP82の少なくとも一部が発光しているため、光量調整確認音は出力されないようになっている。
【0576】
なお、遊技中の光量調整についても遊技待機中と同様に、変形例として演出ランプP82の少なくとも1の発光部を光量調整用の発光データで発光させるようにしてもよい。
<その他の演出例や変形例>
【0577】
最後に、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380の操作に関連した演出制御について、特徴的な演出制御についていくつか説明する。
≪特殊演出カスタマイズ≫
【0578】
まず「特殊演出カスタマイズ」として、特殊な状況における演出カスタマイズ機能、音量調整機能(光量調整機能)である「初代カスタム」、「音量調整予約機能」について図50を用いて説明を行う。
【0579】
「初代カスタム」、「音量調整予約機能」の詳細を説明する前に図50の演出表示の流れを説明する。
【0580】
図50(A)から図50(F)には、特別図柄の変動表示中における変動演出として、大当りとなるか否かを報知するリーチ演出の結末の表示に関するタイミングから大当り演出の開始までの期間が示されている。
【0581】
より具体的には、図50(A)は、リーチ演出にて女性キャラクタA、Bと敵キャラクタHが対峙している様子を示し、図50(B)では、遊技者側のプレイヤーキャラクタである女性キャラクタAが勝利したことを示す表示と装飾図柄P801が大当りを報知する態様で停止表示されている様が示されている。
【0582】
そして、図50(C)では、装飾図柄P801の組合せをより遊技者にとって有利な利益が付与される装飾図柄P801の組合せに変化するか否かを煽る再抽選演出が示され、図50(D)には、再抽選演出の結果として遊技者にとって最も有利となる「7」図柄が停止表示された様を示し、図50(E)、図50(F)は、それぞれ大当り遊技の開始デモ演出の例、大当りの単位遊技(ラウンド遊技)中の演出表示例を示している。
[初代カスタム]
【0583】
「初代カスタム」は演出カスタマイズ機能の一部機能であり、大当り中および時短モード状態の演出表示態様を、第1実施例のぱちんこ遊技機Pのモチーフとなっている版権のシリーズ機の最初のシリーズ機の演出を主体とした演出制御に切り替える機能となっている。
【0584】
通常「初代カスタム」を設定する場合、大当り遊技の最終ラウンドや大当り終了デモ演出において選択画面が表示され(第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは「デフォルトモード」と「初代カスタム」が選択可能)、選択画面の中から「初代カスタム」を選択することで設定可能となる。
【0585】
このように構成したとき、「初代カスタム」に応じた演出は、必ず最初の大当り遊技が終了した時短モード状態の開始タイミングから演出が開始されることとなり、時短モード状態において遊技者に有利な結果が得られなかった場合(大当りが獲得できなかった場合)に、「初代カスタム」に設定されている状況下での大当り演出を楽しむことができない場合が生じてしまう虞がある。
【0586】
そこで、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、低ベース状態における大当り変動において、大当りの権利が得られたことが報知された場合、「裏ボタン演出」として演出ボタンP381を押下することで、低ベース状態で獲得した最初の大当り遊技から「初代カスタム」を適用した大当り演出を楽しむことができるように構成している。
【0587】
より具体的には、図50(B)に示す、装飾図柄P801が大当りを示す組合せ(ぞろ目)で仮停止表示されたタイミングから図50(D)に示す歳出易な装飾図柄P801が停止表示されるまでの期間において演出ボタンP381を操作することで「初代カスタム」を設定することができる(「初代カスタム」設定中における演出ボタンP381の操作は「初代カスタム」のキャンセル操作となる)。
【0588】
図50の例では、図50(B)のタイミングで遊技者が演出ボタンP381の操作を行い、図50(C)、図50(D)に示す再抽選演出および大当り図柄報知の演出期間では、「初代カスタム予約中」との文字列を表示することで、演出表示装置P80の表示領域の左下に特殊カスタム設定表示P970の表示を実行している。なお、「初代カスタム」がキャンセル操作された場合には特殊カスタム設定表示P970は非表示に切り替わる。
【0589】
特殊カスタム設定表示P970が表示されている状況下で大当り遊技が開始されると、図50(E)、図50(F)に示すように、大当り遊技の開始から演出表示態様が切り替わるため、特殊カスタム設定表示P970は非表示に切り替わる。
【0590】
なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出例1の「コンビバトルリーチ演出」において説明したように、大当りが報知される際には演出操作ユニットP380の振動発生手段(偏心モータ)を振動させる演出である「祝福バイブ」演出を実行するように構成しているため、図50(B)の期間であって「初代カスタム」に関する裏ボタンが有効となる期間であっても、入力装置操作部ランプP356の発光態様では「初代カスタム」が有効である旨の表示をせず、「祝福バイブ」に係る発光演出(複数の発光色を順番に変化させる虹色発光)を行っている。
【0591】
また、当該「祝福バイブ」期間は演出操作ユニットP380が振動する期間であるため、遊技者としても触感により大当りを獲得したことを実感するために演出ボタンP381に触れて実感を得ようとする場合が考えられる。そのため、「初代カスタム」は裏ボタン演出の一つであるにもかかわらず、「祝福バイブ」演出という意図しないタイミングで遊技者が演出ボタンP381に触れてしまことを考慮し、「初代カスタム」の裏ボタン操作について、十字キーP382の下キーを先に操作してから演出ボタンP381に触れるなど特殊な手順を踏んだ場合に演出カスタマイズ機能である「初代カスタム」を適用するように構成してもよい。
【0592】
また、当落分岐演出に係る「遊技者操作演出」が演出レバーP382の傾倒操作である場合には、演出操作ユニットP380(演出レバーP382)が初期位置にある場合と異なり、演出ボタンP381の位置が通常と異なるため、操作がしがたい状況となってしまうが、「遊技者操作演出」の演出パターンによって「初代カスタム」を設定するための裏ボタンの有効期間を異ならせることは制御が煩雑になるため、「初代カスタム」に係る操作の有効期間として、演出レバーP382が入力許可状態から初期位置へ復帰する期間についても設定されており、演出レバーP382が初期位置にない突出状態であっても演出ボタンP381の受付により「初代カスタム」を設定可能である。
【0593】
さらに、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、裏ボタン演出としての演出カスタマイズ機能を「初代カスタム」のみで説明したが、複数種類のカスタマイズの中から順番に選択する、例えば1回目の操作で「初代カスタム」、2回目の操作で「○○カスタム」、3回目の操作でカスタムキャンセル(デフォルトモード)、以下繰り返し、とするように構成してもよい。
[音量調整予約機能]
【0594】
つぎに、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「音量調整予約機能」について説明する。
【0595】
一般的なぱちんこ遊技機として、大当り中や連荘の期待がかかる高ベース状態となると、モチーフの版権の楽曲等が流れたり、楽曲に合わせた演出ランプP82の発光演出で盛り上げたりすることにより、利益を享受している遊技者に対して気分を高揚させるように構成している。その為、遊技者としては、低ベース中の状況下では、音量および光量を低減した状態で遊技し、大当りや高ベース状態へと移行する際に音量や光量を自身の好みに調整することがある。例えば、楽曲や発光演出を楽しみたい遊技者は、音量光量を高める調整をする一方、長時間の大音量、強い発光が苦手な遊技者は音量光量を低減させる調整を行う。
【0596】
遊技者が大当り演出や高ベース状態における演出について、音量光量の調整を行う具体的なタイミングの例としては、図50に示す一連の流れにおいて、高期待度のリーチが実施されているときから大当り遊技が開始された直後までの期間が頻度的に高い傾向があり、特に図50(B)に示すような、低ベース状態にて大当りとなることが報知されるタイミングなどにおいて音量光量の調整がなされることが多い。
【0597】
しかしながら、図50に示すような大当り期待度の高いリーチ演出から大当りが報知され、大当り演出が開始されるまでの期間では、演出として出力する音量のベース値(音量設定値との演算によって出力する音量を決める基準音量)が大きい演出(BGMや効果音、音声等)が多く設定されており、実施される演出について音量の大小の差が激しい期間となっている。
【0598】
例えば、図50(B)にしめす大当りの権利を獲得したことを遊技者に対し報知する期間では、演出役物P560の動作や装飾図柄P801のぞろ目停止等で大々的にアピールするために比較的大きな音量が設定され、その後に一旦図50(C)に示す再抽選演出において結果を示すまでの過程では相対的に小さな音量で、演出表示装置P80にて表示されている装飾図柄P801の組合せ表示の変化の行方に注目させ、図50(D)に示す最終的な装飾図柄の停止表示の際には、停止表示される図柄組合せをアピールするために再度大きな音量が設定されている(特に、図柄が遊技者に有利な結果を報知する態様に昇格した場合は、演出役物P560の動作等を伴う演出が設定されており、図柄が有利な結果に代わらない場合よりも大きな音が出力されるようになっている)。そして、装飾図柄P801が停止表示された後は、大当り演出を開始させるまでに一旦間があり、効果音(SE)等が出力されないことから相対的に小さな音量となる期間が挟まって、図50(E)や図50(F)に示す大当り演出が開始されるとモチーフとなる版権の楽曲が大きな音量で流れるようになっている。
【0599】
このように、遊技者が遊技中に音量を変更させやすい、大当りとなる変動表示から大当り演出の開始までの期間においては、音量の大小が大きく変化する演出群が設定されていることから、同期間に音量調整を行うと、意図しない大音量が出力されてしまったり、盛り上がる演出が実行されるタイミングで音量が小さくて盛り上がりに欠けてしまったりすることで興趣の低下を招く虞が考えられる。
【0600】
そこで、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図50に示すような大当り変動の後半(当落分岐を伴うリーチ演出)から大当り遊技の開始までの特殊な期間にかけて、音量調整操作を行った場合であっても、設定後の音量での出力を大当り遊技の開始から反映させる場合を有するように構成している。
【0601】
より具体的には、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図50(B)に示すような、今回の特別図柄の変動表示が大当りである旨を報知する演出(リーチ演出における当落分岐での当りを報知する演出の開始、演出役物P560の動作、装飾図柄のぞろ目での仮停止など)がなされてから、装飾図柄P801の停止表示が完了するまでの期間に音量調整に係る操作を行うと、大当り演出の開始時期から設定後の音量にてスピーカP83からの出力を開始する「音量調整予約機能」を備えている。
【0602】
図50の例では、図50(C)の再抽選演出の期間に、遊技者によって十字キーの左右キーが操作されて音量調整がなされている様子が示されている。「音量調整予約機能」を利用した場合の音量調整中の表示例は、図50(C)に示すように音量調整予約表示P971を演出表示装置P80の表示領域の右下位置に表示している。音量調整予約表示P971は、変動演出の実行中における音量設定表示P851の近傍に表示され、「音量調整予約機能」の利用中で即座に調整後の音量で出力されないことを示す「音量予約設定」の文字列で構成される。
【0603】
「音量調整予約機能」において、遊技者の調整操作が終了すると、図50(D)に示すように、調整後の音量にてスピーカP83から出力される期間まで音量調整が待機(予約)されていることを示す表示態様である「音量○予約中」(図50(D)の例では「音量3予約中」)の文字列表示に音量調整予約表示P971の表示態様が切り替わる。
【0604】
そして、図50(E)に示す、大当り演出の開始時期となると、スピーカP83から音量調整後の調整値を参照した音量で出力されはじめ、音量調整予約表示P971にて「音量を○に設定しました。」と表示することで、遊技者が任意に調整した音量にて出力され始めたことを報知する。
【0605】
なお、ここまで「音量調整予約機能」として、変動演出の実行中である特定の期間における音量調整機能の特殊な制御について説明してきたが、同タイミングでは、光量調整機能について、同様に制御してもよい。図50には図示されていないが、同演出期間においては、発光部を備える演出役物P560の発光演出を伴う動作などが図50(B)に示す大当りの権利の獲得に関する報知期間や、図50(D)に示す最終的な装飾図柄P801の組合せが遊技者に有利な結果となった場合に実施されることがあり、光量調整についても同様に「光量調整予約機能」を設けることで、意図せずに激しい発光部の明滅を受けてしまう等の問題を回避することができる。
【0606】
また、図50の例では、特別図柄の変動表示が大当りとなる場合の結果について演出例を示したが、特別図柄の変動表示が特別遊技(大当り、小当り)を実施しない結果(はずれ、C時短図柄の停止)などであって、遊技状態が高ベース状態または低ベース状態に変化し、演出状態の変化でBGM等の演出が変化し得る場合には、同様に音量調整や光量調整の結果を次の変動の変動演出の開始時期(保留がなければ、今回の特別図柄の停止表示後)とするように構成してもよい。
≪デバイス振動先読み演出≫
【0607】
演出例2の説明において、他デバイスの一つである演出ランプP82を用いた「スペシャルフラッシュ予告」と同様の発光演出である「スペシャルフラッシュ先読み予告」を実行する例を紹介したが、他のデバイスである演出役物P560(演出操作ユニットP380)を用いた演出「デバイス振動演出」についても同様に、当該特別図柄の変動表示ではなく新たに生起した保留に対して演出操作ユニットP380の振動演出を行う「デバイス振動先読み演出」を実行可能に構成してもよい。
【0608】
「デバイス振動先読み演出」についても、当該変動表示の変動演出である「デバイス振動演出」との識別性を担保するために、「スペシャルフラッシュ予告」と「スペシャルフラッシュ先読み予告」の差異と同様の差を持たせるように構成することが好ましく、「デバイス振動先読み演出」を実施する場合には、必ず対象となった特別図柄抽選に係る保留に対して保留変化先読み演出を実施するようにすることが好ましい。
【0609】
また、「デバイス振動先読み演出」と「デバイス振動演出」では、演出操作ユニットP380を振動させる時間を異なるように構成してもよく、「デバイス振動先読み演出」では1秒程度振動させ、「デバイス振動演出」では2秒振動させるといった手法で識別性を設けることもできる。
【0610】
その他、「デバイス振動先読み演出」は、対象となる保留が発生した場合、当該保留に係る変動が開始されるまでの各変動において変動開始時など所定のタイミングで「デバイス振動先読み演出」を実行するように構成してもよい(なお、初回の「デバイス振動先読み演出」は、変動中であるため変動開始時とは限らない)。
【0611】
また、「デバイス振動演出」では、同時に発光する入力装置操作部ランプP356の発光態様(白色や赤色)によって大当り期待度を示唆する一方、「デバイス振動先読み演出」では入力装置操作部ランプP356の発光態様を白色のみ(又は識別性を高めるため青色のみ)で発光させるように構成するなどの案も考えられる。
≪オートボタン(自動操作)機能の設定時における連打演出の制御≫
【0612】
演出例1の図33に示した連打パターンの演出において、遊技者が演出ボタンP381の操作を行った際の効果音(SE)の出力に制限を有する旨(0.2秒の効果音の出力開始後0.18秒経過するまでは後続の操作に基づく効果音を出力しない、とするもの)を前述したが、「オートボタン(自動操作)機能」を設定している場合についての制御を具体的に説明する。
【0613】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「オートボタン(自動操作)機能」を設定している場合、連打パターンの演出が選択されると、0.18秒間隔で演出ボタンP381の操作がなされたと見做して制御するように構成されており、連打パターンの演出が開始されると、効果音の出力が理論上最速で実施できる操作間隔で操作されたものとして演出を実施できる。
【0614】
このように構成することにより、「オートボタン(自動操作)機能」を設定している場合であっても、連打パターンにおいて遊技者が演出ボタンP381の操作を頑張って行った場合と略同様の音声演出(効果音の出力)が実施され、操作効果画像P891の表示や演出ランプP82の発光に微妙な差異はあるものの聴覚を通じて受け取る印象は同様となり、「オートボタン(自動操作)機能」を設定している場合であっても連打パターンのみなし操作がしっかりとなされている印象を遊技者に与えることができる。
≪一発告知スペシャルフラッシュ予告≫
【0615】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出ランプP82を用いた演出であって、大当り期待度が高いことを示唆する予告演出の「スペシャルフラッシュ予告」を有することを説明したが、「スペシャルフラッシュ予告」について、その他の興趣性を生み出す仕様例として「一発告知スペシャルフラッシュ予告」が挙げられる。
【0616】
「一発告知スペシャルフラッシュ予告」は、例えば変動開始直後やリーチ演出への発展時(リーチタイトルの表示中等)において、ボタン画像P881の表示を伴わずに実行される裏ボタン演出の一種として設けられ、変動開始直後やリーチ演出への発展時に演出ボタンP381を操作すると、当該変動が大当りである場合に「スペシャルフラッシュ予告」と同様の発光演出が実行されるように構成されるものである。
【0617】
なお、第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「スペシャルフラッシュ予告」が変動の開始時やリーチ演出への発展時を実行タイミングとして設定可能としていることより、「一発告知スペシャルフラッシュ予告」を同時に搭載するといずれの演出が実行されたか不明瞭となる場合がある。このような問題を回避するために「一発告知スペシャルフラッシュ予告」と「スペシャルフラッシュ予告」を同時に搭載する場合には、「スペシャルフラッシュ予告」の実行タイミングを「一発告知スペシャルフラッシュ予告」と重ならないように制限したり、「一発告知スペシャルフラッシュ予告」を高ベース状態における特定の演出状態のみ(「スペシャルフラッシュ予告」を実行しない演出状態のみ)で実行可能とすることが好ましい。
≪ボタン操作後アイコン表示演出≫
【0618】
つづいて、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「ボタン操作後アイコン表示演出」について図24および図51図52を用いて説明する。
【0619】
第1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「遊技者操作演出」における遊技者の演出操作ユニットP380(演出ボタンP381および演出レバーP382)への操作意欲を高めるため、「遊技者操作演出」にて遊技者が演出操作ユニットP380を要求された操作態様で操作した場合に、「遊技者操作演出」となる予告の演出結果を表示するとともに、所定の確率または演出抽選で予めアイコン表示に当選していた場合に、遊技者に対して今回の変動の大当り期待度を示唆するアイコン表示を行う「ボタン操作後アイコン表示演出」を有している。
【0620】
図51および図52は、「ボタン操作後アイコン表示予告」の表示例であり、第1実施例のぱちんこ遊技機Pの「セリフ予告」(図24図25参照)において「ボタン操作後アイコン表示演出」を実行する場合の演出表示例である。
【0621】
図51は、図24に示す「セリフ予告」において、遊技者が演出ボタンP381を操作したが、「セリフ予告」の演出結果自体が1段階で終了する大当り期待度が相対的に低い態様であった場合の「ボタン操作後アイコン表示演出」の演出表示例である。
【0622】
図51に示す例では、図24の状況下で遊技者が演出ボタンP381の操作を結果、「セリフ予告」が進展せず、1段階目の女性キャラクタAが「あれは・・・」というセリフをしゃべっている態様を表示するとともに、ボタン画像P881の表示されていた位置に、煙を模したボタン操作後アイコンP892が表示され、ボタン操作後アイコンP892が消失したことを示す消失画像が表示されている。煙を模したボタン操作後アイコンP892は、期待度が低い画像であるため、0.5秒程度で非表示に切り替わるアニメーション画像で構成されている。また、図51の例では、「遊技者操作演出」の演出結果が遊技者に相対的な不利な結果であることを示す例であり、過度に遊技者に喪失感を与えないよう、煙を模したボタン操作後アイコンP892を表示する場合には、ボタン操作後アイコンP892の表示に係る効果音(SE)は小さな音のデータまたは効果音無しに設定されており、ボタン操作後アイコンP892に関する演出ランプP82の発光態様も設定されていない。
【0623】
図52は、図24に示す「セリフ予告」において、遊技者が演出ボタンP381を操作し、「セリフ予告」の演出結果が2段階目に移行した場合であって、「セリフ予告」では大当り期待度が相対的に高い態様であった場合、かつ「ボタン操作後アイコン表示演出」が表示された場合の演出表示例である。
【0624】
図52では、「セリフ予告」の2段階目の女性キャラクタBが「継続みたいね」と喋っている画像に重ねてボタン画像P881の表示されていた位置と略同一の位置に、「チャンス」の文字列が表示された星型のボタン操作後アイコンP892が表示されている。星型のボタン操作後アイコンP892は、大当り期待度が相対的に高いことを報知し、「チャンス」である旨を遊技者に認識させるため、2秒程度表示され煙を模したボタン操作後アイコンP892よりも表示時間が長くなっており、また星型のボタン操作後アイコンP892のほうが煙を模したボタン操作後アイコンP892よりも表示が大きく目立つように構成されている。
【0625】
また、星型のボタン操作後アイコンP892を表示する場合、遊技者が気付きやすいよう「セリフ予告」の2段階目の表示に係る効果音やランプ発光に加えて、星型のボタン操作後アイコンP892の表示に係る効果音(SE)と演出ランプP82の発光が行われるようになっている。なお、「ボタン操作後アイコン表示演出」は、付加的な演出であり、主たる予告演出である「セリフ予告」の演出をしっかり遊技者に認識できるよう、「セリフ予告」の2段階目の表示(「遊技者操作演出」の演出結果の表示)が継続している状況で消失する(非表示となる)とともに、星型のボタン操作後アイコンP892の表示に係る音声も「セリフ予告」の2段階目の音声より先に終了し、ランプP82の発光については、「セリフ予告」の2段階目の表示に関する演出ランプP82の発光灯数よりも少ない灯数で部分的に演出ランプP82の発光を行うようにしている(「セリフ予告」とランプを共用する場合は「ボタン操作後アイコン表示演出」のランプ演出が優先)。
【0626】
ここまで「ボタン操作後アイコン表示演出」について、「セリフ予告」を例に説明したが、「ボタン操作後アイコン表示演出」は、演出操作ユニットP380の操作を必要とする「遊技者操作演出」にて実行されるものであればよく、その他の予告等において実行されるものであってもよい。また「ボタン操作後アイコン表示演出」にて表示されるアイコン画像は、煙を模した画像や星型のアイコンの他に期待度に応じてより多くの種類を表示可能に構成可能である。
【0627】
また、1回の特別図柄の変動表示において演出操作ユニットP380操作有効期間が複数回設けられた「遊技者操作演出」を実施する場合、いずれのタイミングで「ボタン操作後アイコン表示演出」を実施するか(あるいは実施されないか)をボタン操作毎の「ボタン操作後アイコン表示演出」の実行抽選や予め実施を演出抽選により決定しておくことで「ボタン操作後アイコン表示演出」の実施タイミングを不明瞭とすることにより、遊技者は「ボタン操作後アイコン表示演出」が表示されるかもしれないことを期待しながら「遊技者操作演出」に積極的に参加するようになることが期待できる。
【0628】
なお、上記では「ボタン操作後アイコン表示演出」を所定のアイコン画像が表示され、実施中の「遊技者操作演出」に係る予告演出の演出結果の表示よりも短時間で終了する例を説明したが、例外的な「ボタン操作後アイコン表示演出」の演出パターンを備える場合があってもよい。例えば、大当り期待度が高い高期待度リーチが実行される変動演出において、リーチ形成前の予告演出(「セリフ予告」など)で演出ボタンP381を操作した場合に、画面全体の画像を切り替え、高期待度リーチの演出開始までをカウントダウンするタイマ演出(全画面で金色のフレームのタイマが減算されている様を示す演出)に切り替えてもよい。このような場合には、高期待度リーチ演出の開始までに実行されることが予定されていた各種予告演出は視認できなくなるが、遊技者としては、想定していた演出結果の表示とは異なる演出画像が表示されることの驚きと、高期待度リーチが確定的となることのうれしさで高い興趣を得ることができる。
【0629】
また、上記タイマ演出を実施しているときは、演出表示装置P80の表示領域ではタイマ画像のみが表示されるため、演出ランプP82の発光態様やスピーカP83から出力される音声もタイマ演出に応じたもののみとなる。また、タイマ演出を実施する場合は、予め視認できないレイヤにタイマ演出の画像(カウントダウンするタイマ画像)を表示しておき、演出ボタンP381の操作タイミングに応じてタイマ演出の画像表示レイヤを手前に表示するように構成し、演出ボタンP381の操作有効期間における操作タイミングに応じてタイマ演出が表示されている期間が異なる一方、必ず高期待度リーチ演出の開始タイミングに非表示となるように構成されている。
【符号の説明】
【0630】
P ぱちんこ遊技機、 P1 外枠、 P2 前枠、 P3 ガラス枠、
P4 裏セットユニット、 P5 遊技盤、 P40 主制御基板、
P41 演出制御基板、 P42 画像制御基板、 P43 払出制御基板、
P44 電源基板、 P47 電源スイッチ、 P48 ラムクリアスイッチ、
P49 設定キースイッチ、 P50 主制御表示装置、
P51 第1特別図柄表示装置、 P52 第2特別図柄表示装置、
P80 演出表示装置、 P81 演出操作手段(P380 演出操作ユニット、
P381 演出ボタン、 P382 レバー、 P383 十字キー)、
P82 演出ランプ(P350 枠ランプ、 P550 盤ランプ)、
P83 スピーカ(P141 幕板スピーカ,P371 上スピーカ)、
P560 演出役物、 P710 第1始動入賞装置、
P720 第2始動入賞装置、 P730 一般入賞装置、
P740 普図作動ゲート装置、 P750 大入賞口装置
P755 特別電動役物、 P770 普通電動役物

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図24
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図33
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図39
図40
図41
図42
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図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52