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特開2024-12204空芯微細構造光ファイバプリフォーム、光ファイバ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012204
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】空芯微細構造光ファイバプリフォーム、光ファイバ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 37/012 20060101AFI20240118BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20240118BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
C03B37/012 A
G02B6/032 Z
G02B6/02 421
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023149255
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】202210835015.4
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515116272
【氏名又は名称】長飛光繊光纜股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】蘭 小波
(72)【発明者】
【氏名】羅 杰
(72)【発明者】
【氏名】田 巧麗
(72)【発明者】
【氏名】張 磊
(72)【発明者】
【氏名】譚 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】毛 明鋒
【テーマコード(参考)】
2H250
4G021
【Fターム(参考)】
2H250AB02
2H250AC53
2H250AD32
2H250AH23
4G021BA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネスト層数を増加させない前提で、最終的に製造された空芯微細構造光ファイバの反射面数を増加させる、空芯微細構造光ファイバプリフォーム、及び多層ネスト型ガラス管の製造難度を下げ、多層ネスト型ガラス管の製造精度とロット一致性を提供する空芯光ファイバ微細構造プリフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】クラッド空芯スリーブと、クラッド空芯スリーブの内壁に配列された複数のネスト構造ユニットとを含み、ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成ために用いられ、ネスト構造ユニットは、多層ネスト型ガラス管を含み、多層ネスト型ガラス管のうちの少なくとも1組の隣接ネストのガラス管の間に支持シートが設けられ、支持シートは、隣接ネストのガラス管により少なくとも7つの反射面を形成するように、隣接ネストのガラス管を強固に固定することを特徴とする空芯微細構造光ファイバプリフォームである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空芯微細構造光ファイバプリフォームであって、クラッド空芯スリーブと、前記クラッド空芯スリーブの内壁に配列された複数のネスト構造ユニットとを含み、前記ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成ために用いられ、前記ネスト構造ユニットは、多層ネスト型ガラス管を含み、
前記多層ネスト型ガラス管のうちの少なくとも1組の隣接ネストのガラス管の間に支持シートが設けられ、前記支持シートは、前記隣接ネストのガラス管により少なくとも7つの反射面を形成するように、前記隣接ネストのガラス管を強固に固定する、ことを特徴とする空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項2】
前記支持シートは、前記反射面の法線以外に分布し、前記反射面の法線は、前記プリフォームの横断面の幾何学中心を通る、ことを特徴とする請求項1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項3】
前記支持シートは、反射面の接線方向と平行である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項4】
前記隣接ネストのガラス管の間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して対称に設けられるか、ネスト構造ユニットの幾何学中心に関して対称に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項5】
前記隣接ネストのガラス管のうちの少なくとも1つは、円形の横断面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項6】
前記ネスト構造ユニットは、同心ネストの内ガラス管と外ガラス管とを含み、前記内ガラス管と外ガラス管は、円形の横断面を有し、前記内ガラス管と外ガラス管との間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して内ガラス管の直径に対称に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項7】
4つ以上のネスト構造ユニットを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【請求項8】
以下の工程を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
ネスト構造ユニットの組立:隣接する支持シートを有するネストガラス管に対して、内から外へ支持シートとネストガラス管を予め設定された位置で予め設定された方向に固定する。
クラッド空芯スリーブの組立:予め設定された数のネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブをネストにし、支持シートによって位置決めを行い、ネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブを予め設定された位置で固定する。
【請求項9】
前記ネスト構造ユニットの組立は、具体的には、
まず、内側ガラス管と支持シートを固定し、固定過程に補助金型を採用し、支持シートと内側ガラス管の相対位置を保持し、
次に、支持シートが固定された内側ガラス管と外側ガラス管とをネストにし、支持シートと外側ガラス管が予め設定された位置にあるように横方向に配置して固定する、ことを特徴とする請求項8に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
【請求項10】
前記支持シートによって位置決めを行うことは、横断面画像法を用いて機械的視覚位置決めを行うか、又は端面スリーブを用いて機械的位置決めを行う、ことを特徴とする請求項8に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
【請求項11】
空芯微細構造光ファイバであって、複数のネスト微細構造を有するクラッド外スリーブを含み、前記複数のネスト微細構造で囲んでコア領域が形成され、前記ネスト微細構造は、前記クラッド外スリーブの内壁に分布し、前記クラッド外スリーブの内壁と接線固定され、
前記ネスト構造は、少なくとも外側から内側へネストにされた第1及び第2の反共振リングを含み、前記第1及び第2の反共振リングの間に接続ブリッジを有し、前記ネスト微細構造は、少なくとも第1及び第2の反共振リングにより形成された7つの反射面を有する、ことを特徴とする空芯微細構造光ファイバ。
【請求項12】
前記複数のネスト微細構造のうち、空芯微細構造光ファイバの軸線からの距離が同じである反射面の内接円は、クラッドを複数の領域に区分し、内から外へそれぞれ直径Dのコア領域、直径Dの第1の反共振リング、直径Dの第2の反共振リング、厚さTの接続ブリッジであり、コア領域の直径Dは、10~50μmであり、
第1の反共振リングの等価面積Sは、20~1600μmであり、第2の反共振リングの等価外径Sは、3~500μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.1~2.0μmである、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【請求項13】
前記反射面は、正曲率反射面及び負曲率反射面を含み、前記正曲率反射面の曲率半径範囲は、0.2~150μmであり、負曲率反射面の曲率半径範囲は、-150~-0.2μmである、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【請求項14】
前記第1の反共振リング及び/又は第2の反共振リングは、円形、楕円形又は8字型に形成されている、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【請求項15】
前記ネスト微細構造間の最小距離gは、0<g≦15μmの関係を満たし、ネスト微細構造間の最小距離gと第1の反共振リングの肉厚Tとの比g/Tは、5~20、又は1~6、又は15~25である、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【請求項16】
前記ネスト微細構造材料の屈折率は、<2.0である、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【請求項17】
複数の前記ネスト微細構造は、反射性能が異なり、前記空芯微細構造ファイバの横断面に非対称性を持たせる、ことを特徴とする請求項11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ通信技術分野に属し、より具体的には、空芯微細構造光ファイバプリフォーム、光ファイバ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空芯微細構造光ファイバは、構造が簡単で、空芯の単一モード導光、伝送スペクトルが広いという特徴があり、光と充填物質の相互作用、非線形光学、ガス検出、ガスレーザー発生、光流体技術などの分野で重要な応用を持っている。大空気孔コア導光は、超低レイリー散乱、低非線形係数、分散調整可能特性を有し、高出力レーザ伝送、紫外/中赤外光伝送、パルス圧縮及び光ソリトン伝送などの面で潜在的な応用を持つように、より高いレーザ損傷閾値を提供することができる。空気コアの超低損失、低分散、低非線形、光速に近い伝播速度は、空芯光ファイバ通信伝送及び通信デバイスの開発を実現し、次世代の超大容量、低遅延、高速光通信システムの建設発展の基礎を築くことができる。
【0003】
空芯光ファイバは、設計と応用の面で大きな優位性があるとしても、その伝送損失が従来の石英光ファイバよりずっと高い。近年、反共振原理に基づく空芯光ファイバは、合理的な構造設計の下で、効率的に伝送損失を減少することができ、超長距離通信光ファイバとしての潜在力を持っていることを、人々が驚いて発見した。空芯微細構造光ファイバは、更に減衰を低減することが、依然として光ファイバ製造分野の重要な課題となっている。既存の研究により、構造設計によりガラス薄膜の層数を増加させ、各層のガラス薄膜の曲率を制御することにより、この光ファイバは任意の波長で既存の従来の光ファイバよりも低い損失を提供できることが明らかになった。
【0004】
従来技術では、空芯ファイバの減衰は、負曲率のクラッド設計と無ノード構造によって低減されることが多い。文献US10989866B2は、外クラッド領域と外クラッド領域の周囲の7つの空芯管からなる空芯フォトニック結晶ファイバを提案し、それぞれの空芯管を外クラッドに溶着して環状を形成し、空芯管が互いに接触せず、隣接する空芯管と距離があり、それぞれの空芯管が平均外径d2と平均内径d1を有し、d1/d2が約0.8以上であり、それによってガラス薄膜の曲率を制御し、このように空芯光ファイバの減衰が30dB/kmまで可能である。しかし、反射面の曲率を更に低下させることで減衰が制限され、その応用シーンが制限され、クラッドキャピラリーに反共振層の数を増やすことでより低い光ファイバ減衰性能を実現する技術が登場した。
【0005】
文献US10527782B2は、正接毛細管をネストにすることにより反共振層の数を増加させ、減衰をある程度低減できることを提案しているが、その反共振層の数が5層しかなく、その減衰レベルが従来の石英光ファイバよりも高く、長距離光ファイバ伝送を満たすことができない。
【0006】
しかし、現在、構造単位層数を増加させて反共振光ファイバの損失を低減しているため、その製造制御は、極めて困難である。具体的には、反射フィルムの曲率制御の難度も構造単位層数が増加するにつれて増加し、正接円管接続の方式は、製造制御の面で制御しにくく、複数の構造単位間の一致性が理想的ではない。全体的に言えば、現在の多層反射面を備えた空芯微細構造反共振光ファイバは、実際の製造過程で歩留まりが低く、ロット一致性が悪い。以上の問題は、現在設計されている低損失反共振光ファイバの量産の困難を招いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の以上の欠陥又は改良ニーズに対して、本発明は、空芯微細構造光ファイバプリフォーム、光ファイバ及びその製造方法を提供し、空芯微細構造光ファイバプリフォームのネスト構造ユニットに支持シートを導入することにより、ガラス管ネスト層数を増加させない前提で反射面を増加するだけでなく、正接構造ネスト型ガラス管よりも支持シートの正確な位置決めが容易であり、製造精度を向上させることで、従来の反共振光ファイバではネスト微細構造ユニットの層数を増加させることにより反射面を増加させることによる反射面曲率制御の困難さ、製作精度の低さ、実損失と理論損失の差が大きい、又はロット一致性が悪いという技術問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を実現するために、本発明の一態様によれば、空芯微細構造光ファイバプリフォームを提供し、クラッド空芯スリーブと、前記クラッド空芯スリーブの内壁に配列された複数のネスト構造ユニットとを含み、前記ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成ために用いられ、前記ネスト構造ユニットは、多層ネスト型ガラス管を含み、前記多層ネスト型ガラス管のうちの少なくとも1組の隣接ネストのガラス管の間に支持シートが設けられ、前記支持シートは、前記隣接ネストのガラス管により少なくとも7つの反射面を形成するように、前記隣接ネストのガラス管を強固に固定することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、前記支持シートは、前記反射面の法線以外に分布し、前記反射面の法線は、前記プリフォームの横断面の幾何学中心を通る。
【0010】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、前記支持シートは、反射面の接線方向と平行である。
【0011】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、前記隣接ネストのガラス管の間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して対称に設けられるか、ネスト構造ユニットの幾何学中心に関して対称に設けられている。
【0012】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、前記隣接ネストのガラス管のうちの少なくとも1つは、円形の横断面を有し、好ましくは、前記隣接ネストのガラス管のうちの外側ガラス管は、円形の横断面を有する。
【0013】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、前記ネスト構造ユニットは、同心ネストの内ガラス管と外ガラス管とを含み、前記内ガラス管と外ガラス管は、円形の横断面を有し、前記内ガラス管と外ガラス管との間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して内ガラス管の直径に対称に設けられている。
【0014】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームにおいて、4つ以上のネスト構造ユニットを含む。
【0015】
本発明の別態様によれば、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法を提供し、以下の工程を含む。
ネスト構造ユニットの組立:隣接する支持シートを有するネストガラス管に対して、内から外へ支持シートとネストガラス管を予め設定された位置で予め設定された方向に固定する。
クラッド空芯スリーブの組立:予め設定された数のネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブをネストにし、支持シートによって位置決めを行い、ネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブを予め設定された位置で固定する。
【0016】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法において、前記ネスト構造ユニットの組立は、具体的には、
まず、内側ガラス管と支持シートを固定し、固定過程に補助金型を採用し、支持シートと内側ガラス管の相対位置を保持し、
次に、支持シートが固定された内側ガラス管と外側ガラス管とをネストにし、支持シートと外側ガラス管が予め設定された位置にあるように横方向に配置して固定する。
【0017】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法において、前記支持シートによって位置決めを行うことは、横断面画像法を用いて機械的視覚位置決めを行うか、又は端面スリーブを用いて機械的位置決めを行う。
【0018】
本発明の別態様によれば、空芯微細構造光ファイバを提供し、複数のネスト微細構造を有するクラッド外スリーブを含み、前記複数のネスト微細構造で囲んでコア領域が形成され、前記ネスト微細構造は、前記クラッド外スリーブの内壁に分布し、前記クラッド外スリーブの内壁と接線固定され、前記ネスト構造は、少なくとも外側から内側へネストにされた第1及び第2の反共振リングを含み、前記第1及び第2の反共振リングの間に接続ブリッジを有し、前記ネスト微細構造は、少なくとも第1及び第2の反共振リングにより形成された7つの反射面を有する。
【0019】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、前記複数のネスト微細構造のうち、空芯微細構造光ファイバの軸線からの距離が同じである反射面の内接円は、クラッドを複数の領域に区分し、内から外へそれぞれ直径Dのコア領域、直径Dの第1の反共振リング、直径Dの第2の反共振リング、厚さTの接続ブリッジであり、コア領域の直径Dは、10~50μmであり、より好ましい前記コア領域の直径Dは、10~20μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは20~30μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、30~40μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、40~50μmであり、
第1の反共振リングの等価面積Sは、20~1600μmであり、第2の反共振リングの等価外径Sは、3~500μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.1~2.0μmである。
【0020】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、前記反射面は、正曲率反射面及び負曲率反射面を含み、前記正曲率反射面の曲率半径範囲は、0.2~150μmであり、負曲率反射面の曲率半径範囲は、-150~-0.2μmである。
【0021】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、前記第1の反共振リング及び/又は第2の反共振リングは、円形、楕円形又は8字型に形成されている。
【0022】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、前記ネスト微細構造間の最小距離gは、0<g≦15μmの関係を満たし、ネスト微細構造間の最小距離gと第1の反共振リングの肉厚Tとの比g/Tは、5~20、又は1~6、又は15~25である。
【0023】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、前記ネスト微細構造材料の屈折率は、<2.0であり、より好ましくは<1.5である。
【0024】
好ましくは、前記空芯微細構造光ファイバにおいて、複数の前記ネスト微細構造は、反射性能が異なり、好ましくは、前記ネスト微細構造は、異なる形状、厚さ、及び/又は寸法を有し、前記空芯微細構造ファイバの横断面に非対称性を持たせる。
【発明の効果】
【0025】
全体として、本発明によって考案された以上の技術手段は、従来技術と比較して、以下のような有益な効果を得ることができる。
【0026】
本発明が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、ネスト微細構造ユニットに支持シート構造を導入し、ネスト層数を増加させない前提で、最終的に製造された空芯微細構造光ファイバの反射面数を増加させる。同時に支持シートの構造が明らかであり、正接構造に対して、空芯微細構造光ファイバプリフォームを組み立てる時、より正確に位置決めしやすく、それによって光ファイバプリフォームの製作精度とロット一致性を高める。したがって、反射面の数を高めることにより、空芯微細構造光ファイバの損失を低減する一方、光ファイバプリフォームの製作精度を向上させ、製作した空芯微細構造光ファイバの損失を理論値に近づけ、製作した空芯微細構造光ファイバの損失を総合的に低減した。広帯域低損失空芯光ファイバの設計と製作に新しい方案と構想を提供した。
【0027】
本発明が提供する空芯光ファイバ微細構造プリフォームの製造方法は、支持シートの支持により多層ネスト型ガラス管の製造難度を下げ、多層ネスト型ガラス管の製造精度とロット一致性を提供する。ネストガラス管中の支持シートの位置決めにより、複数のネスト構造ユニットをクラッド空芯スリーブと正確に固定することができ、製作精度が高く、ロットの一致性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例1により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図2】本発明の実施例1の空芯微細構造光ファイバプリフォーム製作で支持シートと内ガラス管を固定した構造の概略図である。
図3】本発明の実施例1の空芯微細構造光ファイバプリフォーム製作で支持シートと外ガラス管を固定した構造の概略図である。
図4】本発明の実施例1-1~1-6により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図5】本発明の実施例2により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図6】本発明の実施例3、4により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図7】本発明の実施例5により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図8】本発明の実施例6により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図9】本発明の実施例7、8により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図10】本発明の実施例9、10により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図11】本発明の実施例11により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図12】本発明の実施例12、13により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図13】本発明の実施例14により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図14】本発明の実施例15~18により提供される空芯微細構造光ファイバの構造概略図である。
図15】本発明の実施例1により提供される空芯微細構造光ファイバのモードフィールド分布概略図である。
図16】本発明の実施例1、1-1、1-6、2により提供される空芯微細構造光ファイバの減衰スペクトル図である。
図17】本発明の実施例4、5、6、7により提供される空芯微細構造光ファイバの減衰スペクトル図である。
図18】本発明の実施例9、11、12、14、17により提供される空芯微細構造光ファイバの減衰スペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下に実施例を組み合わせて、本発明を更に詳細に説明する。なお、ここに記載された具体的な実施例は、本発明を説明するためだけに使用され、本発明を限定するために使用されない。また、以下に説明する本発明の様々な実施形態に係る技術的特徴は、互いに衝突が形成されていない限り互いに組み合わされてもよい。
【0030】
本発明が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、クラッド空芯スリーブと、前記クラッド空芯スリーブの内壁に均一に配列された複数のネスト構造ユニットとを含む。前記ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成ために用いられる。前記ネスト構造ユニットは、多層ネスト型のガラス管を含み、4つ以上のネスト構造ユニットを含むことが好ましい。前記クラッド空芯スリーブは、空芯微細構造光ファイバのクラッド外スリーブを形成するために用いられる。前記ネスト構造ユニットは、ネスト微細構造を形成するために用いられる。前記ガラス管は、反共振リングを形成するために用いられる。前記多層ネスト型のガラス管のうちの少なくとも1組の隣接ネストのガラス管の間に支持シートが設けられている。前記支持シートは、前記隣接ネストのガラス管により少なくとも7つの反射面を形成するように、前記隣接ネストのガラス管を強固に固定する。好ましくは、前記支持シートは、前記反射面の法線以外に分布する。前記支持シートは、反射面の接線方向と平行であることが好ましい。前記反射面の法線は、前記プリフォームの横断面の幾何学中心を通る。好ましくは、前記隣接ネストのガラス管の間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して対称に設けられるか、ネスト構造ユニットの幾何学中心に関して対称に設けられている。
【0031】
現在、ネストガラス管の支持は、使用ノードの接続によるガラスの厚さの増加や厚さの不均一で共振が生じて光ファイバ性能に影響を与えることを避けるために、一般的に内外ガラス管の正接による支持を採用している。しかし、この支持は、ネストガラス管の厚さに対する影響を避けることができるが、少なくとも2つの反射面を減らす。同時に、ネスト構造ユニットの円形の外壁により、プリフォーム製造時に正接の接続箇所をクラッド空芯スリーブの内壁に正確に固定することが困難になり、微細構造光ファイバの実際の製造が極めて困難である。実際に製作された光ファイバ構造は、反共振光ファイバの設計構造を実現することが困難であり、光ファイバ減衰が理論分析値と大きく異なり、量産することが困難である。
【0032】
一方、支持シートの場合、隣接ネストのガラス管の壁が接触せず、より多くの反射面を形成するだけでなく、支持シートによって位置決めすることができ、ネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブの内壁を正確に固定することができる。横断面は、直線構造を採用することが好ましい。好ましくは、反射面の法線方向に関して対称に設けられて反射面の接線方向と平行である一対の支持シートを用いて、支持シートの線引き過程における反射面の曲率及び厚さ制御への干渉を低減する。内外ガラス管の正接による支持は、一般的にその接点が反射面にあり、接点のところの厚さが内外ガラス管の厚さの和によって決定され、その厚さが明らかに他の反射面より大きい。本発明は、支持シートを用いて形成された反共振リングの厚さが均一であり、反射面がより多い。支持シートを採用すると、より多くのノードが導入されるが、支持シートを反共振リングの反射面の法線方向両側に分布させるなど、ノードをなるべく反射面を避けて分布させることで、支持シートが光ファイバ減衰の低減に与える悪影響を効果的に低減することができる。総合的には光ファイバ減衰を低減し、実際に製作された光ファイバと、理論モデルでシミュレーションされた光ファイバとは、減衰の差を小さくすることができる。
【0033】
好ましい態様では、前記隣接ネストのガラス管のうちの少なくとも1つは、円形の横断面を有し、好ましくは、前記隣接ネストのガラス管のうちの外側ガラス管は、円形の横断面を有する。横断面方向から見ると、円形のガラス管と直線構造の支持シートは、ネスト構造単位の対称性を著しく向上させ、光ファイバプリフォームの製造技術の難度を低下させ、低損失光ファイバプリフォームの構造精度を向上させることができる。相対的に、支持シートが外側ガラス管の内部に設置されており、ネストや固定が難しいため、外側ガラス管の円形の横断面は、光ファイバプリフォームの構造精度向上に大きく寄与する。
【0034】
本発明が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、好ましい製造方法が以下の工程を含む。
【0035】
ネスト構造ユニットの組立:隣接する支持シートを有するネストガラス管に対して、内から外へ支持シートとネストガラス管を予め設定された位置で予め設定された方向に固定する。具体的には、まず、内側ガラス管と支持シートを固定し、好ましくは溶融固定し、固定過程に補助金型を採用し、支持シートと内側ガラス管の相対位置を保持する。次に、支持シートが固定された内側ガラス管と外側ガラス管とをネストにし、支持シートと外側ガラス管が予め設定された位置にあるように横方向に配置して固定し、好ましくは溶融固定する。
【0036】
クラッド空芯スリーブの組立:予め設定された数のネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブをネストにし、支持シートによって位置決めを行い、ネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブを予め設定された位置で固定する。前記支持シートによって位置決めを行うことは、横断面画像法を用いて機械的視覚位置決めを行うか、又は端面スリーブを用いて機械的位置決めを行う。
【0037】
本発明が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、線引き過程において各閉領域への通気量を制御することにより、最終的に線引きにより形成される光ファイバのクラッドの微細構造の反射面の曲率と厚みを制御することができる。同じ光ファイバプリフォームであっても、反射面曲率と厚みの異なる微細構造を有する空芯微細構造光ファイバを線引きにより形成することができる。
【0038】
本発明が提供する空芯微細構造光ファイバは、ネスト微細構造を有するクラッド外スリーブを含む。前記ネスト微細構造により囲んでコア領域が形成される。前記ネスト微細構造は、前記クラッド外スリーブの内壁に均一に分布し、前記クラッド外スリーブの内壁と接線固定される。前記ネスト構造は、少なくとも外側から内側へネストにされた第1及び第2の反共振リングを含む。前記第1及び第2の反共振リングの間に接続ブリッジを有する。前記ネスト微細構造は、少なくとも第1及び第2の反共振リングにより形成された7つの反射面を有する。前記複数のネスト微細構造のうち、空芯微細構造光ファイバの軸線からの距離が同じである反射面の内接円は、クラッドを複数の領域に区分し、内から外へそれぞれ直径Dのコア領域、面積Sの第1の反共振リング、面積Sの第2の反共振リング、厚さTの支持シートである。コア領域の直径Dは、10~50μmであり、より好ましい前記コア領域の直径Dは、10~20μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは20~30μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、30~40μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、40~50μmである。第1の反共振リングの等価面積Sは、20~1600μmであり、第2の反共振リングの等価外径Sは、3~500μmである。接続ブリッジの肉厚Tは、0.1~2.0μmである。
【0039】
前記反射面は、正曲率反射面及び負曲率反射面の2種類を含む。正曲率反射面の曲率半径範囲は、0.2~150μmであり、負曲率反射面の曲率半径範囲は、-150~-0.2μmであり、第1の反共振リング及び/又は第2の反共振リングは、円形、楕円形又は8字型に形成されている。
【0040】
前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmである。
【0041】
前記ネスト微細構造間の最小距離gは、0<g≦15μmの関係を満たし、ネスト微細構造間の最小距離gと第1の反共振リングの肉厚Tとの比g/Tは、5~20、又は1~6、又は15~25である。
【0042】
前記微細構造材料の屈折率は、<2.0であり、より好ましくは<1.5である。
【0043】
上述のように設計された空芯微細構造光ファイバによれば、その導光は、0.25μmから3.5μmまで低損失の性能を備え、その最低の光学伝搬損失レベルは、≦50dB/km、より好ましくは≦1dB/km、より好ましくは≦0.1dB/kmである。
【0044】
前記の空芯微細構造光ファイバは、有効な単一モード伝送、少モード又は多モード伝送、非線形光学、ガス検出、ガスレーザー発生、偏光保持などのシーンに応用できる。
【0045】
特に、偏光保持ファイバとして使用する場合、その複数のネスト微細構造は、反射性能が異なり、好ましくは、前記ネスト微細構造は、異なる形状、厚さ、及び/又は寸法を有し、前記空芯微細構造ファイバの横断面に非対称性を持たせ、それによって大きな複屈折性能を実現し、その複屈折が≧10-5、より好ましくは≧10-4、より好ましくは≧10-3である。
【0046】
以下に実施例を示す。
【0047】
[実施例1]
本実施例で提供される空芯光ファイバプリフォームは、クラッド空芯スリーブと、前記クラッド空芯スリーブの内壁に均一に配列された6つのネスト構造ユニットとを含む。前記クラッド空芯スリーブは、空芯微細構造光ファイバのクラッド外スリーブを形成するために用いられる。前記ネスト構造ユニットは、ネスト微細構造を形成するために用いられる。前記ガラス管は、反共振リングを形成するために用いられる。前記ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成するために用いられる。本実施例では、ネストユニットは、2層の同心ネストの円形ガラス管を含み、内外ガラス管の間に支持シートが設けられている。前記支持シートは、内外ガラス管により7つの反射面を形成するように、前記隣接ネストのガラス管を強固に固定する。
【0048】
本実施例では、2つの支持シートは、反射面の法線方向に垂直に配置され、第1の反共振リングと第2の反共振リングとを接続している。反射面の法線方向は、本実施例では光ファイバの幾何学中心を通る径方向である。支持シートは、この反射面の法線方向に関して対称で離れ、かつ反射面の接線方向と平行である。それにより、支持シートのノードを反射面から遠ざけ、反射面への影響を減少させるとともに、支持シート自体も反射面の役割をある程度果たし、減衰の低減に寄与する。
【0049】
本実施例が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、その製造方法が以下の工程を含む。
【0050】
ネスト構造ユニットの組立:図2に示すように、予め製造された外径3.2mm、肉厚0.12mmの内ガラス管と幅1.5mm、厚さ0.12mmの支持シートを内ガラス管の直径の両側の延長線に金型で固定し、酸水素炎又はレーザー溶接により両者を溶融固定する。次に、図3に示すように、予め製造した外径6.3mm、肉厚0.13mmの外ガラス管に挿入してネストにし、端面金型で固定し、酸水素炎又はレーザー溶接により支持シートと外ガラス管の内壁を溶融固定した。
【0051】
クラッド空芯スリーブの組立:6つのネスト構造ユニットをクラッド空芯スリーブに順次挿入してネストにし、ネスト構造ユニットを挿入するたびに機械的視覚位置決めを行う。即ち、カメラ側は、予め所定の空芯微細構造光ファイバプリフォームの一部又は全部の横断面図像を投射し、挿入されたネスト機構ユニットを側置クラッド空芯スリーブの内側底部に位置させ、支持シートと投射された横断面画像の支持シートの位置が合うように微細構造ユニットを回転させ、支持シートの位置でネスト構造ユニットを位置決めする。調整が完了したら、このネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブを酸水素炎又はレーザー溶接により両者を溶融固定する。次に、固定されたネスト構造ユニットが投射された横断面画像の他のネスト構造ユニットの投影位置にあるように、クラッド空芯スリーブを回転させ、次のネスト構造ユニットを挿入し、すべてのネスト微細構造ユニットが予め設定された位置に固定されるまで、上記の操作を繰り返す。
【0052】
本実施例は、横断面画像法を用いて機械的視覚位置決めを行い、端面スリーブの機械加工精度に制限されず、良好な精度とロット一致性を有する。
【0053】
本実施例で提供される空芯光ファイバプリフォームによって引き出された空芯光ファイバは、図1に示すように、ネスト微細構造5を有するクラッド外スリーブ1を含み、前記ネスト微細構造5により囲んでコア領域が形成される。前記クラッド領域は、クラッド外スリーブ1及び複数のネスト微細構造ユニット5からなる。前記ネスト微細構造ユニット5は、第1の反共振リング2と、接続ブリッジ4を介して接続された第2の反共振リング3とからなる。前記ネスト微細構造5により囲んで前記コア領域が形成される。前記コア領域は、ネスト微細構造ユニット5に正接する最大内接円であり、その直径Dが34.5μmである。前記第1の反共振リングの等価面積Sは、480μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.5μmである。前記第2の反共振リングの等価面積Sは、122μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.45μmである。接続ブリッジ4の肉厚Tは、0.45μmである。前記ネスト微細構造ユニット5間の間隔gは、4.4μmである。第1の反共振リングの内部に第2の反共振リングを増やして反共振層の数を増やし、図1に示すように、反共振層の数を7層(5a~5g)に増やした。このような利点は、より多くの光がクラッドからコア層へ反射されて伝送されることを可能にし、更に光ファイバ減衰を低減する目的を達成することである。実施例1のモデル化された光ファイバの1550nmにおけるモードフィールド分布は、図15に示すように、空芯コア中を光がよく閉じ込められて伝送されていることがわかる。実施例1に示すモデル化光ファイバに対応する損失の波長変化は、図16に示すように、その最低減衰が0.01dB/km以下とすることができる。ここで、文献US10527782B2における減衰を比較例1として図16図18に示す。シミュレーションにより、本発明が設計した反共振ファイバが明らかに低い減衰を有することを示している。
【0054】
本実施例が提供する空芯微細構造光ファイバプリフォームは、線引きの過程で各閉領域へ流入するガスの通気量を制御することによって、最終的に線引きによって形成される光ファイバのクラッドの微細構造の反射面の曲率と厚みを制御することができる。図4に示した実施例1-1~1-6に示した構造の空芯光ファイバは、いずれも実施例1に示した空芯光ファイバプリフォームが線引き時に発生する構造変形であり、第1の反共振リングと第2の反共振リングが円形、楕円形、滑走路形又は「8」字型に変形可能であるが、それらに限定されず、低損失の空芯光伝送能力を備えている。実施例1-1と実施例1-6の減衰曲線は、図16に示す通りである。実施例1及び実施例1-1~1-6の構造パラメータは、表1に示す通りである。曲率半径1、2、3、4は、それぞれ反射面5a、5c、5e、5gの法線方向の曲率半径に対応する。
【0055】







【表1】
【0056】
[実施例2]
本実施例が提供する空芯光ファイバは、基本構造が実施例1と同じであり、ネスト構造ユニットの接続ブリッジと反射面法線方向の交差角が異なるという点だけに相違する。実施例2の構造は、図5に示すように、その接続ブリッジが反射面法線方向と一定の角度をなす。実施例2における接続ブリッジは、法線方向に対して60°で分布する。前記コア領域直径Dは、37.8μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、585μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.64μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、190μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.76μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.56μmである。ここで、実施例2の減衰曲線を図16に示す。
【0057】
[実施例3,4]
本実施例が提供する空芯光ファイバは、基本構造が実施例1と同じであり、ネスト構造ユニットの接続ブリッジの分布のみが異なる。実施例3の構造は、図6に示すように、一方の接続ブリッジが形成する接続ブリッジが法線方向に分布するが、他方の接続ブリッジがそれと垂直になって分布する。前記コア領域直径Dは、36.4μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、540μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.46μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、180μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.46μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.51μmである。実施例4における2つの接続ブリッジと法線方向の角度は、30°であり、前記コア領域直径Dは、31.3μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、448μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.68μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、132μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.46μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.59μmである。ここで、実施例4の減衰曲線を図17に示す。
【0058】
[実施例5]
本実施例が提供する空芯光ファイバは、そのネスト微細構造が非同心ネストを採用している。その基本構造は、実施例1と同じであるが、両側の接続ブリッジの長さ及び方位角が異なる。実施例5の構造は、図7に示すように、その接続ブリッジは、法線方向に沿って90°で分布し、短い接続ブリッジの長さは、長い接続ブリッジの長さの1/4であり、前記コア領域の直径Dは、33.2μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、515μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.77μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、155μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.56μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.43μmである。ここで、実施例5の減衰曲線を図17に示す。
【0059】
[実施例6]
本実施例が提供する空芯光ファイバは、そのネスト微細構造の接続ブリッジが外側円形ガラス管の非直径弦上にあり、内外円形ガラス管を同心又は非同心ネストにする。構造を図8に示す。実施例6の接続ブリッジは、法線方向に沿って90°で分布し、接続ブリッジと第1の反共振リングの中心とは、1/6の第1の反共振リング直径のオフセットがあり、そのコア領域直径Dは、38.5μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、590μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.87μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、187μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.69μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.57μmである。ここで、実施例6の同心ネスト方式減衰曲線を図17に示す。
【0060】
[実施例7,8]
1つの接続ブリッジだけで7層の反共振面も実現でき、空芯光ファイバの構造について、図9を参照することができる。実施例7の接続ブリッジは、法線方向に90°で分布し、接続ブリッジの長さは、第1の反共振リングの直径の1/2であり、そのコア領域の直径Dは、31.6μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、488μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.42μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、122μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.52μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.57μmである。実施例8の接続ブリッジは、法線方向に90°で分布し、接続ブリッジの長さは、第1の反共振リングの直径の1/6であり、そのコア領域の直径Dは、25.8μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、443μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.75μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、114μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.63μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.65μmである。実施例7の減衰曲線を図17に示す。
【0061】
[実施例9,10]
直径の接続ブリッジにより、図10に示すように、空芯微細構造における反共振リングの相対位置をより正確に決定することができ、微細構造の一致性を高めることができる。実施例9の接続ブリッジは、第1の反共振リングの中心を通り、法線方向に90°で分布し、第2の反共振リングは、接続ブリッジを介してコアに近い側に固定され、そのコア領域直径Dは、28.9μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、457μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.52μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、83μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.48μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.64μmである。実施例10の接続ブリッジは、第1の反共振リングの中心を通り、法線方向に90°で分布し、第2の反共振リングは、接続ブリッジを介してクラッドに近い側に固定され、そのコア領域直径Dは、29.6μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、460μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.86μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、102μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.74μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.79μmである。ここで、実施例9の減衰曲線を図18に示す。
【0062】
[実施例11]
3つ以上の接続ブリッジを用いても第2の反共振リングを支持する目的を達成することができ、図11の実施例11の接続ブリッジの数は、3である。その接続ブリッジは、実施例1の構造に基づいて、法線方向に沿って第3の接続ブリッジを増加する。そのコア領域直径Dは、26.5μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、432μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.41μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、113μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.53μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.55μmである。その減衰曲線を図18に示す。
【0063】
[実施例12,13]
ネストされたガラス管には、図5の実施例12及び実施例13のように、より多くのガラス管及びそれ以上の数の反共振リングを追加することもでき、同様に低損失の性能を達成することができる。実施例12は、実施例1に加えて、第2の反共振リングの内部に接続ブリッジを介して第3の反共振リングを追加し、第1と第2の反共振リングの間の接続ブリッジと、第2と第3の反共振リングの間の接続ブリッジは、同一直径上にある。そのコア領域直径Dは、33.8μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、447μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.44μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、143μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.43μmであり、前記第3の反共振リングの等価面積Sは、32μmであり、前記第3の反共振リングの肉厚Tは、0.48μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.54μmである。実施例13は、実施例1に加えて、第2の反共振リングの内部に第3の反共振リングを直接ネストし、第3の反共振リングが第2の反共振リング内に正接支持の形で設置され、接点が第2の反共振リングの外側と光ファイバの径方向の交点である。そのコア領域直径Dは、35.4μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、477μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.45μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、157μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.54μmであり、前記第3の反共振リングの等価面積Sは、38μmであり、前記第3の反共振リングの肉厚Tは、0.66μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.57μmである。ここで、実施例12の減衰曲線を図18に示す。
【0064】
[実施例14]
多層ネスト型のネスト構造ユニットは、組み立てが更に困難になり、接続ブリッジの使用は、製作精度と光ファイバの線引きの安定性を大幅に向上させる。同時に、図13に示すように、楕円と円形の組み合わせにより、正確な多層ネスト構造を実現することができる。実施例14の第2の反共振リングは、楕円形であり、第2の反共振リングの内部に第3の反共振リングがネストされ、第3の反共振リングが円形であり、第2の反共振リングに正接にネストされる。そのコア領域直径Dは、47.9μmであり、前記第1の反共振リングの等価面積Sは、677μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、1.13μmであり、前記第2の反共振リングの等価面積Sは、159μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、1.05μmであり、前記第3の反共振リングの等価面積Sは、64μmであり、前記第3の反共振リングの肉厚Tは、0.93μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.89μmである。実施例14の減衰曲線を図18に示す。
【0065】
[実施例15~18]
また、空芯微細構造光ファイバは、図14に示すように、異なる形状、異なる厚さ、異なるサイズ、異なる反射層数の毛細管を導入することにより、構造の対称性を低減し、大きな複屈折性能を実現することができる。例えば、実施例15は、実施例1の構造に基づいて、2つの対称分布の第1の共振リングの形状を円形から楕円形に変更し、楕円形の長い半軸が16.4μmであり、短い半軸の長さが12.4μmであり、残りのパラメータが実施例1と変わらず、その複屈折が4.5×10-4である。実施例16に示す空芯微細構造光ファイバは、厚みを変えることにより空芯微細構造光ファイバの複屈折性能を向上させ、実施例1の構造に基づいて2つの対称分布の第1の共振リングの肉厚を1.1μmに変更し、残りのパラメータが実施例1と変わらず、その複屈折が3.7×10-5である。実施例17に示す空芯微細構造光ファイバは、実施例1の構造に基づいて2つの対称分布の第1の共振リングの等価面積を570μmに変更し、残りのパラメータが実施例1と変わらず、その複屈折が5.3×10-4である。実施例18に示す空芯微細構造光ファイバは、実施例1の構造に基づいて2つの対称分布の第2の共振リングとその接続ブリッジを除去した後も、大きな複屈折効果を実現することができ、残りのパラメータが実施例1と変わらず、その複屈折が1.8×10-5である。なお、実施例17の減衰曲線は、図18に示すように、低損失伝送の性能を同様に備えている。
【0066】
以上の実施例において、そのプリフォームの製造は、端面スリーブ型の方法を用いて製造することもでき、具体的な方法は以下の通りである。
【0067】
ガラス管、接続ブリッジの軸方向端面を金型に固定し、ネスト構造ユニットとして組み立て、ネスト構造ユニットの各部品を溶融固定する。
【0068】
クラッド空芯スリーブの組立において、端面スリーブの横断面には、設計された空芯微細構造光ファイバプリフォームの接続ブリッジ位置に対応する位置決め溝を有し、複数のネスト構造ユニットが位置決め溝によって固定され、その後、クラッド空芯スリーブに挿入され、酸水素炎又はレーザー溶接によって両者を溶融固定する。
【0069】
端面スリーブ型の方式で空芯微細構造光ファイバのプリフォームの組立を行い、精度は機械加工の制限を受けているが、同時に複数のネスト構造ユニットを位置決めすることができ、効率が高く、大きいサイズの空芯光ファイバプリフォームの量産に適している。
【0070】
当業者は、上記は本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を限定することなく、本発明の精神及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の置換及び改良などは、本発明の保護範囲に含まれるべきであることを容易に理解するであろう。
【0071】
(付記)
(付記1)
空芯微細構造光ファイバプリフォームであって、クラッド空芯スリーブと、前記クラッド空芯スリーブの内壁に配列された複数のネスト構造ユニットとを含み、前記ネストユニットは、その内接円寸法の空気コア領域を形成ために用いられ、前記ネスト構造ユニットは、多層ネスト型ガラス管を含み、
前記多層ネスト型ガラス管のうちの少なくとも1組の隣接ネストのガラス管の間に支持シートが設けられ、前記支持シートは、前記隣接ネストのガラス管により少なくとも7つの反射面を形成するように、前記隣接ネストのガラス管を強固に固定する、ことを特徴とする空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0072】
(付記2)
前記支持シートは、前記反射面の法線以外に分布し、前記反射面の法線は、前記プリフォームの横断面の幾何学中心を通る、ことを特徴とする付記1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0073】
(付記3)
前記支持シートは、反射面の接線方向と平行である、ことを特徴とする付記1又は2にに記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0074】
(付記4)
前記隣接ネストのガラス管の間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して対称に設けられるか、ネスト構造ユニットの幾何学中心に関して対称に設けられている、ことを特徴とする付記1又は2に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0075】
(付記5)
前記隣接ネストのガラス管のうちの少なくとも1つは、円形の横断面を有し、好ましくは、前記隣接ネストのガラス管のうちの外側ガラス管は、円形の横断面を有する、ことを特徴とする付記1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0076】
(付記6)
前記ネスト構造ユニットは、同心ネストの内ガラス管と外ガラス管とを含み、前記内ガラス管と外ガラス管は、円形の横断面を有し、前記内ガラス管と外ガラス管との間には、一対の支持シートを含み、前記支持シートは、反射面の法線方向に関して内ガラス管の直径に対称に設けられている、ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0077】
(付記7)
4つ以上のネスト構造ユニットを含む、ことを特徴とする付記1に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォーム。
【0078】
(付記8)
以下の工程を含む、ことを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
ネスト構造ユニットの組立:隣接する支持シートを有するネストガラス管に対して、内から外へ支持シートとネストガラス管を予め設定された位置で予め設定された方向に固定する。
クラッド空芯スリーブの組立:予め設定された数のネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブをネストにし、支持シートによって位置決めを行い、ネスト構造ユニットとクラッド空芯スリーブを予め設定された位置で固定する。
【0079】
(付記9)
前記ネスト構造ユニットの組立は、具体的には、
まず、内側ガラス管と支持シートを固定し、固定過程に補助金型を採用し、支持シートと内側ガラス管の相対位置を保持し、
次に、支持シートが固定された内側ガラス管と外側ガラス管とをネストにし、支持シートと外側ガラス管が予め設定された位置にあるように横方向に配置して固定する、ことを特徴とする付記8に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
【0080】
(付記10)
前記支持シートによって位置決めを行うことは、横断面画像法を用いて機械的視覚位置決めを行うか、又は端面スリーブを用いて機械的位置決めを行う、ことを特徴とする付記8に記載の空芯微細構造光ファイバプリフォームの製造方法。
【0081】
(付記11)
空芯微細構造光ファイバであって、複数のネスト微細構造を有するクラッド外スリーブを含み、前記複数のネスト微細構造で囲んでコア領域が形成され、前記ネスト微細構造は、前記クラッド外スリーブの内壁に分布し、前記クラッド外スリーブの内壁と接線固定され、
前記ネスト構造は、少なくとも外側から内側へネストにされた第1及び第2の反共振リングを含み、前記第1及び第2の反共振リングの間に接続ブリッジを有し、前記ネスト微細構造は、少なくとも第1及び第2の反共振リングにより形成された7つの反射面を有する、ことを特徴とする空芯微細構造光ファイバ。
【0082】
(付記12)
前記複数のネスト微細構造のうち、空芯微細構造光ファイバの軸線からの距離が同じである反射面の内接円は、クラッドを複数の領域に区分し、内から外へそれぞれ直径Dのコア領域、直径Dの第1の反共振リング、直径Dの第2の反共振リング、厚さTの接続ブリッジであり、コア領域の直径Dは、10~50μmであり、より好ましい前記コア領域の直径Dは、10~20μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは20~30μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、30~40μmであり、又はより好ましい前記コア領域の直径Dは、40~50μmであり、
第1の反共振リングの等価面積Sは、20~1600μmであり、第2の反共振リングの等価外径Sは、3~500μmであり、前記第1の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記第2の反共振リングの肉厚Tは、0.1~2.0μmであり、前記接続ブリッジの肉厚Tは、0.1~2.0μmである、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【0083】
(付記13)
前記反射面は、正曲率反射面及び負曲率反射面を含み、前記正曲率反射面の曲率半径範囲は、0.2~150μmであり、負曲率反射面の曲率半径範囲は、-150~-0.2μmである、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【0084】
(付記14)
前記第1の反共振リング及び/又は第2の反共振リングは、円形、楕円形又は8字型に形成されている、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【0085】
(付記15)
前記ネスト微細構造間の最小距離gは、0<g≦15μmの関係を満たし、ネスト微細構造間の最小距離gと第1の反共振リングの肉厚Tとの比g/Tは、5~20、又は1~6、又は15~25である、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【0086】
(付記16)
前記ネスト微細構造材料の屈折率は、<2.0であり、より好ましくは<1.5である、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
【0087】
(付記17)
複数の前記ネスト微細構造は、反射性能が異なり、好ましくは、前記ネスト微細構造は、異なる形状、厚さ、及び/又は寸法を有し、前記空芯微細構造ファイバの横断面に非対称性を持たせる、ことを特徴とする付記11に記載の空芯微細構造光ファイバ。
構造光ファイバ。
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図5
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【外国語明細書】