(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122062
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】発振器及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20240902BHJP
H05K 1/02 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H05K1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029382
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 裕一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 久浩
【テーマコード(参考)】
5E338
5J079
【Fターム(参考)】
5E338CC01
5E338CC06
5E338EE13
5J079AA04
5J079BA39
5J079BA43
5J079BA47
5J079HA25
5J079HA29
(57)【要約】
【課題】デカップリングコンデンサーの効果の低減を抑制できる発振器、電子機器等の提供。
【解決手段】発振器4は、電源端子TVDDとグランド端子TGNDと正極側クロック端子TCKと負極側クロック端子TXCKと、を含む。電源端子TVDDは高電位側電源電圧が供給される。グランド端子TGNDは低電位側電源電圧が供給される。正極側クロック端子TCKは差動クロック信号の正極側クロック信号CKを出力する。負極側クロック端子TXCKは差動クロック信号の負極側クロック信号XCKを出力する。電源端子TVDDとグランド端子VGNDは並んで配置され、正極側クロック端子TCKと負極側クロック端子TXCKは並んで配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電位側電源電圧が供給される電源端子と、
低電位側電源電圧が供給されるグランド端子と、
差動クロック信号の正極側クロック信号を出力する正極側クロック端子と、
前記差動クロック信号の負極側クロック信号を出力する負極側クロック端子と、
を含み、
前記電源端子と前記グランド端子が並んで配置され、
前記正極側クロック端子と前記負極側クロック端子が並んで配置されることを特徴とする発振器。
【請求項2】
請求項1に記載された発振器において、
前記電源端子及び前記グランド端子は、前記発振器の第1辺に沿って並んで配置され、
前記負極側クロック端子及び前記正極側クロック端子は、前記第1辺の対辺である第2辺に沿って並んで配置されることを特徴とする発振器。
【請求項3】
請求項2に記載された発振器において、
クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子を含み、
前記出力制御端子、前記電源端子及び前記グランド端子は、前記第1辺に沿って並んで配置されることを特徴とする発振器。
【請求項4】
請求項3に記載された発振器において、
故障診断信号を出力する故障診断端子を含み、
前記故障診断端子、前記負極側クロック端子及び前記正極側クロック端子は、前記第2辺に沿って配置されることを特徴とする発振器。
【請求項5】
請求項2に記載された発振器において、
クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子を含み、
前記出力制御端子、前記負極側クロック端子及び前記正極側クロック端子は前記第2辺に沿って並んで配置されることを特徴とする発振器。
【請求項6】
請求項5に記載された発振器において、
故障診断信号を出力する故障診断端子を含み、
前記故障診断端子、前記電源端子及び前記グランド端子は前記第1辺に沿って並んで配置されることを特徴とする発振器。
【請求項7】
請求項1に記載された発振器において、
前記発振器の第1辺に対向する辺を第2辺とし、前記第1辺及び前記第2辺に交差する辺を第3辺とし、前記第3辺に対向する辺を第4辺としたとき、
前記第1辺と前記第4辺が交差する第1コーナー部に、前記電源端子が配置され、
前記第2辺と前記第4辺が交差する第2コーナー部に、前記グランド端子が配置されることを特徴とする発振器。
【請求項8】
請求項1に記載された発振器において、
クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子と、
故障診断信号を出力する故障診断端子を含み、
前記出力制御端子には、正論理及び負論理の一方である第1論理の前記出力制御信号が入力され、
前記故障診断端子は、前記正論理及び前記負論理の他方である第2論理の前記故障診断信号を出力することを特徴とする発振器。
【請求項9】
請求項4、6及び8のいずれか一項に記載の発振器において、
振動子と、
回路装置と、
を含み、
前記回路装置は、
前記振動子を発振させる発振回路と、
前記発振回路からの発振クロック信号に基づくクロック信号をクロック端子に出力する出力回路と、
前記出力制御信号が入力される制御回路と、
前記故障診断信号を生成するための故障診断を行う故障診断回路と、
を含むことを特徴とする発振器。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発振器と、
前記発振器が実装される回路基板と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
前記回路基板に実装されるコンデンサーを含み、
前記回路基板は、
一端が前記発振器の前記電源端子に接続される電源線と、
一端が前記発振器の前記グランド端子に接続され、他端がビアに接続されるグランド線と、
を含み、
前記コンデンサーの第1端子は、前記電源線に接続され、
前記コンデンサーの第2端子は、前記グランド線において前記グランド端子と前記ビアとの間の位置に接続されることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項10に記載の電子機器において、
前記回路基板に実装されるコンデンサーを含み、
前記回路基板は、
一端が前記発振器の前記電源端子に接続され、他端がビアに接続される電源線と、
一端が前記発振器の前記グランド端子に接続されるグランド線と、
を含み、
前記コンデンサーの第1端子は、前記電源線において前記電源端子と前記ビアの間の位置に接続され、
前記コンデンサーの第2端子は、前記グランド線に接続されることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項8に記載の発振器と、
前記発振器が実装される回路基板と、
前記回路基板に実装され、前記出力制御信号を出力する第1端子と、前記故障診断信号が入力される第2端子を有する制御装置と、
を含み、
前記回路基板は、
前記制御装置の前記第1端子に電気的に接続される第1電極と、
前記発振器の前記出力制御端子に電気的に接続される第2電極と、
前記発振器の前記故障診断端子と前記制御装置の前記第2端子に電気的に接続される第3電極と、
を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項13に記載の電子機器において、
前記第1電極と前記第2電極の間、又は前記第3電極と前記第2電極の間が、接続素子によって接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項13に記載の電子機器において、
前記回路基板は、
電源ノードに一端が電気的に接続される抵抗の他端に電気的に接続される第4電極を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項16】
請求項15に記載の電子機器において、
前記第1電極と前記第2電極の間、前記第3電極と前記第2電極の間、又は前記第4電極と前記第2電極の間が、接続素子によって接続されていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、差動の発振信号を出力する発振器が開示されている。特許文献1に開示される発振器に示されるように、電源端子とグランド端子をパッケージの対角位置に設ける配置方法が6端子の発振器において一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、発振器において電源端子とグランド端子をパッケージで対角位置に配置した場合、実装基板上においてスルーホールを含む接続配線になる場合が多い。そして、電源端子とグランド端子との間にデカップリングコンデンサーを接続した場合、当該スルーホールの寄生インダクタンスなどの影響で、デカップリングコンデンサーの効果を減じてしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、高電位側電源電圧が供給される電源端子と、低電位側電源電圧が供給されるグランド端子と、差動クロック信号の正極側クロック信号を出力する正極側クロック端子と、前記差動クロック信号の負極側クロック信号を出力する負極側クロック端子と、を含み、前記電源端子と前記グランド端子が並んで配置され、前記正極側クロック端子と前記負極側クロック端子が並んで配置される発振器に関係する。
【0006】
また本開示の他の態様は、上記に記載の発振器と、前記発振器が実装される回路基板と、を含む電子機器に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】従来の発振器におけるコンデンサーの配置例を示す図。
【
図4】従来の発振器におけるコンデンサーの他の配置例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.発振器
図1に本実施形態の発振器4の第1構成例を示す。
図1は発振器4をその主面に直交する方向の平面視で見た外観図である。本実施形態の発振器4は、出力制御端子TOE、電源端子TVDD、グランド端子TGND、端子TNC、正極側クロック端子TCK及び負極側クロック端子TXCKを含む。端子TNCはNC(Non Connection)端子である。発振器4の主面は例えば、これらの端子が設けられる面である。
【0010】
また本実施形態では、
図1に示すように出力制御端子TOE、電源端子TVDD、グランド端子TGND、正極側クロック端子TCK、負極側クロック端子TXCK、端子TNCは、例えば、それぞれ発振器4の1番端子、2番端子、3番端子、4番端子、5番端子、6番端子になる。
【0011】
また
図1に示すように、発振器4の主面に対して上方を第3方向DR3とする。上方とは、発振器4の厚み方向において裏面から表面に向かう方向である。第3方向DR3の反対方向、即ち発振器4の主面に対して下方を第4方向DR4とする。即ち、第3方向DR3、第4方向DR4は、発振器4の主面に対して直交する方向になっている。そして発振器4の主面に沿う方向で、互いに直行する方向を第1方向DR1、第2方向DR2とする。平面視とは、第3方向DR3から発振器4を見ることを指す。
【0012】
本実施形態の発振器4は、平面視において、例えば第1辺SD1、第2辺SD2、第3辺SD3、第4辺SD4を各辺とする矩形形状になっている。第1辺SD1、第2辺SD2はそれぞれ第1方向DR1に沿う辺であり、矩形形状の長辺である。また、第3辺SD3、第4辺SD4はそれぞれ第2方向DR2に沿う辺であり、矩形形状の短辺である。そして、例えば
図1に示す発振器4では、1番端子、2番端子、3番端子である出力制御端子TOE、電源端子TVDD、グランド端子TGNDは、第1辺SD1に沿って設けられている。また端子TNCと負極側クロック端子TXCK、正極側クロック端子TCKは、第2辺SD2に沿って設けられている。
【0013】
即ち
図1の発振器4は6端子の発振器である。端子はピンとも呼ばれる。この発振器4は、後述の
図6に示すように例えば振動子11と回路装置20を含む。また発振器4は、後述の
図14、
図15に示すようにパッケージ15を含み、これらの端子は発振器4のパッケージ15に設けられる。
【0014】
出力制御端子TOEは、正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKの出力制御信号OEが入力される端子である。出力制御端子TOE、出力制御信号OEは、各々、出力イネーブル端子、出力イネーブル信号とも呼ばれる。出力制御信号OEは、例えばマイクロコントローラー等の外部の制御装置により出力されて、発振器4の出力制御端子TOEに入力される。
図1では出力制御信号OEがハイレベルのときに発振器4から正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKが出力され、出力制御信号OEがローレベルのときに発振器4からの正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKの出力が停止される。正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKが出力されることを、クロック信号の出力のイネーブルといい、正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKの出力が停止されることを、クロック信号の出力のディスエーブルともいう。なお本実施形態では、ハイレベル、ローレベルを、各々、適宜、「H」、「L」と記載する。
【0015】
グランド端子TGNDは、低電位側電源電圧が供給される端子である。低電位側電源電圧はGNDであり、例えばグランド電圧と呼ばれ、例えば接地電位である。GNDはVSSとも呼ばれる。
【0016】
電源端子TVDDは、高電位側電源電圧が供給される端子である。高電位側電源電圧はVDDであり、GNDよりも高電位の電圧である。VDDは例えば外部の電源装置から供給される。
【0017】
正極側クロック端子TCK、負極側クロック端子TXCKは、正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKを出力する端子である。なお以下においては正極側クロック端子TCK、負極側クロック端子TXCKを纏めてクロック端子ともいい、正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKを纏めてクロック信号ともいう。ここではクロック信号として、差動のクロック信号CK、XCKが出力される。例えば出力制御信号OEがハイレベルである場合に、正極側クロック端子TCK、負極側クロック端子TXCKから正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKが出力され、出力制御信号OEがローレベルである場合には、正極側クロック端子TCK、負極側クロック端子TXCKからの正極側クロック信号CK、負極側クロック信号XCKの出力が停止される。なおクロック端子はシングルエンドのクロック信号を出力する端子であってもよい。
【0018】
またグランド端子TGNDは、グランド線LG1、LG2によって、ビアVIASに接続され、ビアVIASはグランドレイヤーに接続される。
図2は発振器4を搭載する回路基板の断面構造の一例を示す概略図である。
図2に示すように、回路基板は例えばトップレイヤー、VDDレイヤー、グランドレイヤー及びボトムレイヤーを含む。第3方向DR3側の最表面がトップレイヤーになっており、トップレイヤーには例えば発振器4や発振器4の各端子と繋がる配線、コンデンサーなどの各種部品が実装される。電源電圧VDDは例えばVDDレイヤーから供給され、グランド電位は例えばグランドレイヤーから供給される。回路基板の第4方向DR4側、即ち裏面側がボトムレイヤーであり、トップレイヤーと同様に配線が設けられる他、各種部品が実装される。
【0019】
図2に示す断面構造の概略図において、第3方向DR3側のトップレイヤーには、
図1に示す発振器4の例えばグランド線LG1、LG2等が設けられている。
図2の概略図の断面視において、ビアVIASは回路基板のトップレイヤーに設けられるグランド線LG2とグランドレイヤーを接続するように設けられている。このように発振器4のグランド端子TGNDにはグランド線LG1、LG2及びビアVIASを介してグランド電位が供給される。
【0020】
また電源端子TVDDは、電源線LD1、LD2によって、ビアVIADに接続され、ビアVIADはVDDレイヤーに接続される。
図2に示す断面構造の概略図に示すように、ビアVIADはトップレイヤーの電源線LD2とVDDレイヤーを接続するように設けられている。このように発振器4の電源端子TVDDには電源線LD1、LD2及びビアVIADを介して電源電圧VDDが供給される。
【0021】
また本実施形態では、
図1に示すように電源端子TVDDとグランド端子TGNDの間にコンデンサー10を設けることができる。コンデンサー10の第1端子T1は、例えば電源線LD1、LD2に接続され、コンデンサー10の第2端子T2はグランド線LG1、LG2に接続される。発振器4の電源端子TVDDとグランド端子TGNDの間に、デカップリングコンデンサーであるコンデンサー10を設けることで、電源ノイズを低減できる。この場合に電源端子TVDDとコンデンサー10の第1端子T1の間の経路やグランド端子TGNDとコンデンサー10の第2端子T2の間の経路にビアが存在すると、ビア等による寄生インダクタンスが原因となって、コンデンサー10による電源ノイズの低減等の効果が損なわれてしまう。この点、本実施形態では、これらの経路にビアが存在しないため、コンデンサー10を設けたことによる効果が損なわれるのを防止できる。この結果、発振器4の電源ノイズが除去され、発振クロックが低ジッタになる効果を有する。
【0022】
本実施形態の発振器は、電源端子TVDDとグランド端子TGNDと正極側クロック端子TCKと負極側クロック端子TXCKと、を含む。電源端子TVDDは高電位側電源電圧が供給される。グランド端子TGNDは低電位側電源電圧が供給される。正極側クロック端子TCKは差動クロック信号の正極側クロック信号CKを出力する。負極側クロック端子TXCKは差動クロック信号の負極側クロック信号XCKを出力する。電源端子TVDDとグランド端子TGNDは並んで配置され、負極側クロック端子TXCKと正極側クロック端子TCKは並んで配置される。
【0023】
本実施形態によれば、電源端子TVDDとグランド端子TGNDが並んで配置されるため、発振器4の任意の1辺に電源端子TVDDとグランド端子TGNDが並ぶように配置することができる。また正極側クロック端子TCKと負極側クロック端子TXCKが並んで配置されるため、発振器4の任意の1辺に負極側クロック端子TXCKと正極側クロック端子TCKが並ぶように配置することができる。
【0024】
従って、
図1に示すように例えば回路基板上で発振器4の電源端子TVDDとグランド端子TGNDの間にコンデンサー10を接続する場合、例えば第1辺SD1に電源端子TVDDとグランド端子TGNDが並ぶように配置されるようになるため、コンデンサー10と電源端子TVDD及びグランド端子TGNDまでの距離を近くすることができる。コンデンサー10と電源端子TVDD及びグランド端子TGNDまでの距離を近くすることができると、発振器4の電源端子TVDD又はグランド端子TGNDからコンデンサー10を接続する配線の途中にビアが設けられていない構成が実現できるようになる。従って、コンデンサー10と発振器4を接続する電源線LD1、グランド線LG1上にビアが設けられていない構成が実現でき、寄生インダクタンスは最小になり、コンデンサー10のデカップリングコンデンサーとしての効果は損なわれ難くなる。
【0025】
このように6端子の差動出力の発振器4の端子割り当てにおいて、電源端子の割り当ての工夫し、例えば電源端子TVDDとグランド端子TGNDを発振器4の同じ辺に隣接させることにより、電源端子間を繋ぐバイパスコンデンサーを寄生インダクタンスが少ない理想的な接続にすることができるようになる。これにより出力クロックである正極側クロック信号CKと負極側クロック信号XCKの信号品質の向上が実現できる。
【0026】
また電源端子TVDDとグランド端子TGNDを発振器4の同じ1辺に配置させることにより、等価直列インダクタンスが最小になるよう、デカップリングコンデンサーを配置できる。その結果、デカップリングコンデンサーの挿入損失が最小化されるため、デカップリングコンデンサーによるノイズ除去効果が最大化され、発振器4の電源のノイズが効果的に除去される。従って発振器4の出力クロックを低ジッタにすることができる。
【0027】
図3は、特許文献1などに開示される発振器の構成例であり、現在の標準である6端子差動出力発振器のピン配置を示す。
図3に示すピン配置は、
図1に示す本実施形態の発振器4におけるピン配置と比較して、電源端子TVDD、端子TNCの配置が異なっている。具体的には、
図3に示す業界標準であるピン配置は、
図1に示す本実施形態の発振器4の2番端子の電源端子TVDDと6番端子の端子TNCが入れ替わった配置になっており、2番端子が端子TNCになり、6番端子が電源端子TVDDになっている。即ち、電源端子TVDDとグランド端子TGNDは発振器4の同じ1辺ではなく、第1辺SD1と第2辺SD2の異なる2辺に分かれて設けられている。
【0028】
このため
図3に示す構成では、グランド端子TGNDから、グランド線LG1、ビアVIAS1、VIAS2、グランド線LG2を介して、コンデンサー10のグランド側の端子である第2端子T2に接続される。従ってコンデンサー10のグランド側に、ビアVIAS1、VIAS2を介して電流経路が存在するようになり、寄生インダクタンスを発生させてしまう。
【0029】
このように現在の標準である差動出力のクロック発振器のピン配置は、電源端子TVDDとグランド端子TGNDが発振器4の対角位置に配置されている。この端子配置を採用した場合、デカップリングコンデンサーの接続経路にビアが必ず存在するようになり、このビアは寄生インダクタンスを持つため、デカップリングコンデンサーの効果を減じてしまう。
【0030】
図4は、特許文献1などに開示されるピン配置を採用した場合に想定されるデカップリングコンデンサーの配置例の1つである。
図4に示す配置例では、発振器4とコンデンサー10とは、ビアVIAS、VIAD、回路基板のVDDレイヤーとグランドレイヤーを介して接続される。
【0031】
図4に示す構成例を採用した場合、グランド端子TGNDはグランド線LG1、ビアVIAS1、グランドレイヤー、ビアVIAS2、グランド線LG2を介して、コンデンサー10のGND側の端子である第2端子T2に接続される。また電源端子TVDDは、電源線LD1、ビアVIAD1、VDDレイヤー、ビアVIAD2、電源線LD2を介して、コンデンサー10のVDD側の端子である第1端子T1に接続される。このため発振器4の端子とコンデンサー10の端子の間ビアが存在し、ビアの配線による寄生インダクタンスが原因となって、コンデンサー10が電源ノイズを抑制する効果が失われる。
【0032】
この点、本実施形態の発振器4では、上述したように、例えば第1辺SD1に電源端子TVDDとグランド端子TGNDが並ぶように配置されるようになるため、コンデンサー10と電源端子TVDD及びグランド端子TGNDまでの距離を近くすることができる。そして、コンデンサー10と発振器4を接続する電源線LD1、グランド線LG1上にビアが設けられていない構成が実現でき、コンデンサー10のデカップリングコンデンサーとしての効果は損なわれ難くできる。
【0033】
また本実施形態の発振器4は、電源端子TVDD及びグランド端子TGNDは、発振器4の第1辺SD1に沿って並んで配置され、負極側クロック端子TXCK及び正極側クロック端子TCKは、第1辺SD1の対辺である第2辺SD2に沿って並んで配置される。
【0034】
このようにすれば、発振器4の第1辺SD1に電源端子TVDD及びグランド端子TGNDが並んで設けられ、第1辺SD1の対辺である第2辺SD2に負極側クロック端子TXCK及び正極側クロック端子TCKが並んで設けられる。従って、電源端子TVDDとグランド端子TGNDが発振器4の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。また負極側クロック端子TXCKと正極側クロック端子TCKが発振器4の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることも回避できる。例えば負極側クロック端子TXCK、正極側クロック端子TCKについては
図4に示すような標準的な端子配置と同様の端子配置にすることが可能になる。これにより、標準的な配線で負極側クロック端子TXCKと正極側クロック端子TCKからの負極側クロック信号XCK、正極側クロック信号CKを、等長の配線でクロックの供給先デバイスに供給することが可能になる。また負極側クロック端子TXCKと正極側クロック端子TCKからの、負極側クロック信号XCK、正極側クロック信号CKを、クロックの供給先デバイスにショートパスで供給することが可能になる。
【0035】
また本実施形態の発振器4は、クロック信号CK、XCKの出力制御信号OEが入力される出力制御端子TOEを含み、出力制御端子TOE、電源端子TVDD及びグランド端子TGNDは、第1辺SD1に沿って並んで配置される。
【0036】
このようにすれば、出力制御端子TOEについては
図4に示すような標準的な端子配置と同様の端子配置にすることが可能になる。また発振器4の第1辺SD1に配置される外部の制御装置からの出力制御信号をショートパスで出力制御端子TOEに入力できるようになる。
【0037】
2.故障診断
近年、発振器4に対しても信頼性の要求が高くなっている。例えば車載などの用途においては、発振器4が自己故障診断を行い、故障診断結果を外部に出力できることが望まれる。
【0038】
図5は本実施形態の第2構成例である。第2構成例は、
図1に示す第1構成例とは、6番端子が故障診断端子TDGになっている点が異なっている。故障診断端子TDGは故障診断信号XDGを出力する端子である。故障診断信号XDGは例えば発振器4において行われる故障診断の結果を示す信号である。例えば後述の
図9に示すように発振器4の回路装置20には故障診断回路50が設けられており、故障診断回路50により故障が発生したと診断されると、故障診断端子TDGから故障診断信号XDGが出力される。例えば故障診断信号XDGがアクティブなレベルになって出力される。故障診断は異常検出ということができ、故障診断端子TDG、故障診断信号XDGは、各々、異常検出端子、異常検出信号ということもできる。
図5に示す第2構成例では、故障診断端子TDGから出力される故障診断信号XDGがローレベルのときに、故障が検知されたことが示され、故障診断信号XDGがハイレベルのときに、故障が発生せず、正常に動作していることが示される。
【0039】
そして本実施形態では、出力制御端子TOEには、正論理及び負論理の一方である第1論理の出力制御信号が入力される。一方、故障診断端子TDGは、正論理及び負論理の他方である第2論理の故障診断信号XDGを出力する。例えば第2構成例では、出力制御端子TOEには、第1論理として正論理の出力制御信号OEが入力され、故障診断端子TDGは、第2論理として負論理の故障診断信号XDGを出力している。但し本実施形態はこれに限定されず、出力制御端子TOEに、第1論理として負論理の出力制御信号XOEが入力され、故障診断端子TDGが、第2論理として正論理の故障診断信号DGを出力してもよい。なお本実施形態では、「X」は信号が負論理であることを示している。
【0040】
正論理の信号は、信号がアクティブであることがハイレベルの信号で示される信号である。正論理の信号は、例えばローレベルである場合に非アクティブであることを示している。負論理の信号は、信号がアクティブであることがローレベルの信号で示される信号である。負論理の信号は、例えばハイレベルである場合に非アクティブであることを示している。アクティブ、非アクティブは、各々、アサート、非アサートとも呼ばれる。非アサートは、de-assert、dessert、negateとも呼ばれる。
【0041】
例えば、正論理の出力制御信号OEは、ハイレベルである場合に、信号がアクティブであることを示し、クロック信号CK、XCKが発振器4から出力される。また出力制御信号OEは、ローレベルである場合に、信号が非アクティブであることを示し、クロック信号CK、XCKの出力が停止される。一方、負論理の故障診断信号XDGは、ローレベルである場合に、信号がアクティブであることを示し、故障が検知されたことが示される。また故障診断信号XDGは、ハイレベルである場合に、信号が非アクティブであることを示し、故障が検知されず、発振器4が正常に動作していることが示される。
【0042】
このように発振器4の内部において故障診断を行って、故障が検知された場合に故障診断信号XDGを故障診断端子TDGから出力する。こうすることで、発振器4の自己故障診断が可能になり、車載用途などに好適な信頼性の高い発振器4の実現が可能になる。例えば発振器4の動作中に発生した故障をリアルタイムに検知して、外部に知らせることが可能になる。
【0043】
なお、以上の説明では、出力制御信号OEが正論理の信号であり、故障診断信号XDGが負論理の信号である場合について説明したが、本実施形態のいずれの構成例においても、出力制御信号OEが負論理の信号であり、故障診断信号XDGが正論理の信号であるとして置き換えることができる。また故障診断信号XDGをハイレベルにする代わりに、故障診断端子TDGをハイインピーダンス状態に設定して、プルアップ用の抵抗によりハイレベルにプルアップするようにしてもよい。また、故障診断端子TDGを設けた場合の以上の説明は、第2構成例に限らず、第1構成例を含むその他の発振器4においても適用できる。
【0044】
即ち本実施形態の発振器4は、故障診断信号DIAGを出力する故障診断端子TDGを含み、故障診断端子TDG、負極側クロック端子TXCK及び正極側クロック端子TCKは、第2辺SD2に沿って配置される。
【0045】
このようにすれば、故障診断信号XDGを、第2辺SD2に設けられた故障診断端子TDGから出力できるようになる。例えば故障が検出されたときに故障診断信号XDGにより外部の制御装置に対して故障の発生を通知できるようになる。
【0046】
3.変形例
図6は、本実施形態の第1変形例である。第1変形例は、
図1に示す第1構成例において、1番端子と6番端子を入れ替えた構成である。即ち、第1辺SD1に沿って、端子TNC、電源端子TVDD、グランド端子TGNDが設けられ、第2辺SD2に沿って、出力制御端子TOE、負極側クロック端子TXCK、正極側クロック端子TCKが設けられている。
【0047】
即ち本実施形態の発振器4は、クロック信号CK、XCKの出力制御信号OEが入力される出力制御端子TOEを含み、出力制御端子TOE、負極側クロック端子TXCK及び正極側クロック端子TCKは第2辺SD2に沿って並んで配置される。
【0048】
このようにすれば、出力制御端子TOEと、負極側クロック端子TXCK及び正極側クロック端子TCKとが、発振器4の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0049】
図7は、本実施形態の第2変形例である。第2変形例は、
図5に示す第2構成例において、1番端子と6番端子を入れ替えた構成である。即ち、第1辺SD1に沿って、故障診断端子TDG、電源端子TVDD、グランド端子TGNDが設けられ、第2辺SD2に沿って、出力制御端子TOE、負極側クロック端子TXCK、正極側クロック端子TCKが設けられている。
【0050】
即ち本実施形態の発振器4は、故障診断信号XDGを出力する故障診断端子TDGを含み、故障診断端子TDG、電源端子TVDD及びグランド端子TGNDは第1辺SD1に沿って並んで配置される。
【0051】
このようにすれば、故障診断端子TDGと、電源端子TVDD及びグランド端子TGNDとが、発振器4の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0052】
図8に本実施形態の発振器4の第3構成例を示す。第3構成例は、
図1に示す第1構成例と異なり、1番端子が電源端子TVDDに、2番端子が出力制御端子TOEに、3番端子が端子TNCに、6番端子がグランド端子TGNDになっている。即ち、
図1に示す第1構成例では電源端子TVDDとグランド端子TGNDが、発振器4の第1辺SD1に並んで設けられていたが、第3構成例では電源端子TVDDは第1辺SD1に、グランド端子TGNDは第2辺SD2に設けられている。そして、電源端子TVDDとグランド端子TGNDは、各々、発振器4の第4辺SD4の両端のコーナー部に設けられるようになっている。ここで、
図8において、発振器4の第1辺SD1と第4辺SD4の交差するコーナー部を第1コーナー部C1といい、第2辺SD2と第4辺SD4の交差するコーナー部を第2コーナー部C2という。
【0053】
従って、
図8に示す第3構成例では、電源端子TVDDとグランド端子TGNDの間にコンデンサー10を接続する場合、コンデンサー10を第4辺SD4に近い位置に配置すれば、コンデンサー10と電源端子TVDD及びグランド端子TGNDまでの距離を近くすることができる。このため、発振器4の電源端子TVDD又はグランド端子TGNDからコンデンサー10を接続する配線の途中にビアが設けられていない構成が実現でき、コンデンサー10のデカップリングコンデンサーとしての効果は損なわれ難くなる。
【0054】
即ち本実施形態の発振器4は、発振器4の第1辺SD1に対向する辺を第2辺SD2とし、第1辺SD1及び第2辺SD2に交差する辺を第3辺SD3とし、第3辺SD3に対向する辺を第4辺SD4としたとき、第1辺SD1と第4辺SD4が交差する第1コーナー部C1に、電源端子TVDDが配置される。そして、第2辺SD2と第4辺SD4が交差する第2コーナー部C2にグランド端子TGNDが配置される。
【0055】
このようにすれば、第4辺SD4の両端に電源端子TVDDとグランド端子TGNDを配置することができ、第4辺SD4側に電源端子TVDDとグランド端子TGNDを纏めて配置することができる。
【0056】
また第3構成例において、3番端子の端子TNCを前述した故障診断端子TDGにしてもよい。
【0057】
本実施形態の発振器4は、クロック信号の出力制御信号OEが入力される出力制御端子TOEと、故障診断信号XDGを出力する故障診断端子TDGを含む。出力制御端子TOEには、正論理及び負論理の一方である第1論理の出力制御信号OEが入力され、故障診断端子TDGは、正論理及び負論理の他方である第2論理の故障診断信号XDGを出力する。
【0058】
このようにすれば、出力制御信号OEが正論理の信号である場合には、故障診断信号XDGは負論理の信号になり、出力制御信号OEが負論理の信号である場合には、故障診断信号XDGは正論理の信号になるため、出力制御信号OEの配線と故障診断信号XDGの配線の間に短絡故障が発生しても、クロック信号CK、XCKが停止してしまうなどの事態を防止できるようになる。従って、発振器4の故障診断を実現できると共に、短絡故障等に起因するクロック出力の停止等の問題の発生も防止できるようになる。
【0059】
また第3構成例によれば、発振器4の各辺ごとに、接続先の素子を共通にする端子同士が纏まって配置されるため、ICチップ内での各素子の配置が容易になる。例えば、第2構成例において、第4辺SD4側には電源供給に関する端子が集まっており、デカップリングコンデンサーを発振器4の近くに置きやすい。このようにすることで等価直列インダクタンスを小さくすることができ、ノイズの抑制と電子基板面積の最小化が図れる。また第1辺SD1側には、出力制御端子TOE、故障診断端子TDGといった制御信号が集まっており、接続先のMCU(Micro Controller Unit)などの制御装置のロジック端子への配線が容易になる。具体的には、電源配線やクロック信号の配線との交差が生じないため、電気信号の干渉による信号劣化が生じにくい。また、第2辺SD2側では、負極側クロック端子TXCK、正極側クロック端子TCK等に繋がるクロック信号配線をグランド端子TGNGに繋がる配線で囲むことにより、クロック信号CK、XCKにノイズが加わることを抑制できる。
【0060】
4.発振器の詳細な構成例
図9に本実施形態の発振器4の詳細な構成例を示す。本実施形態の発振器4は、例えば振動子11と回路装置20を含む。振動子11は回路装置20に電気的に接続されている。振動子11と回路装置20は、例えば振動子11及び回路装置20を収納するパッケージの内部配線、ボンディングワイヤー又は金属バンプ等を用いて、電気的に接続されている。なお発振器4は第1構成例、第2構成例に示す構成には限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に置き換えるなどの種々の変形実施が可能である。
【0061】
振動子11は、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子11は、例えば水晶振動片などの振動片により実現できる。例えば振動子11は、カット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動片、音叉型水晶振動片、又は双音叉型水晶振動片などにより実現できる。例えば振動子11は、恒温槽を備えない温度補償型水晶発振器(TCXO)に内蔵されている振動子であってもよいし、恒温槽を備える恒温槽型水晶発振器(OCXO)に内蔵されている振動子であってもよい。なお本実施形態の振動子11は、例えば厚みすべり振動型、音叉型又は双音叉型以外の振動片や、水晶以外の材料で形成された圧電振動片などの種々の振動片により実現することも可能である。例えば振動子11として、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用することも可能である。
【0062】
回路装置20は、IC(Integrated Circuit)と呼ばれる集積回路装置である。例えば回路装置20は、半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。そして回路装置20は、発振回路30、故障診断回路50、制御回路60、出力回路80を含む。また回路装置20は、電源回路90、不揮発性メモリー92、温度センサー94などを含むことができる。
【0063】
回路装置20はパッドPVDD、PGND、PX1、PX2、PCK、PXCK、POE、PDGを含む。パッドは、半導体チップである回路装置20の端子である。例えばパッド領域では、絶縁層であるパシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層により回路装置20の端子であるパッドが構成される。パッドPVDD、PGNDは、各々、電源パッド、グランドパッドである。外部の電源供給デバイスからの電源電圧VDDがパッドPVDDに供給される。パッドPGNDは、グランド電圧であるGNDが供給されるパッドである。
図1に示す第1構成例において説明したのと同様に、例えばVDDは高電位側電源電圧に対応し、GNDは低電位側電源電圧に対応する。パッドPX1、PX2は、振動子11の接続用のパッドである。パッドPCK、PXCKはクロック信号CK、XCKの出力用のパッドである。パッドPOEは出力制御信号OEの入力用のパッドであり、パッドPDGは故障診断信号XDGの出力用のパッドある。PVDD、PGND、PCK、PXCK、POE、PDGの各パッドは、発振器4の外部接続用のTVDD、TGND、TCK、TXCK、TOE、TDGの各端子に電気的に接続される。例えばこれらの各パッドと各端子は、パッケージの内部配線、ボンディングワイヤー又は金属バンプ等を用いて電気的に接続される。
【0064】
発振回路30は振動子11を発振させる回路である。例えば発振回路30は、振動子11を発振させることで発振クロック信号OSCを出力する。例えば発振回路30は、振動子11の一端及び他端に電気的に接続される発振用の駆動回路と、キャパシターや抵抗などの受動素子により実現できる。駆動回路は、例えばCMOSのインバーター回路、バイポーラートランジスターにより実現できる。駆動回路は、発振回路30のコア回路であり、駆動回路が、振動子11を電圧駆動又は電流駆動することで、振動子11を発振させる。発振回路30としては、例えばインバーター型、ピアース型、コルピッツ型、又はハートレー型などの種々のタイプの発振回路を用いることができる。また発振回路30は振動子11以外の素子を用いて発振信号を生成してもよい。また発振回路30には、可変容量回路が設けられ、この可変容量回路の容量の調整により、発振周波数を調整できるようになっている。可変容量回路は、例えばバラクターなどの可変容量素子により実現できる。例えば可変容量回路は、温度補償電圧に基づいて容量が制御される可変容量素子により実現できる。或いは可変容量回路を、キャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイとにより実現してもよい。なお本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
【0065】
故障診断回路50は発振器4の故障診断を行う回路である。故障診断回路50の詳細については後述する。
【0066】
制御回路60は、例えばロジック回路であり、種々の制御処理を行う。例えば制御回路60は、回路装置20の全体の制御を行ったり、回路装置20の動作シーケンスの制御を行う。例えば制御回路60は、発振回路30、出力回路80、不揮発性メモリー92等の回路装置20の各回路ブロックの制御を行う。制御回路60は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
【0067】
出力回路80は、発振回路30からの発振クロック信号OSCに基づくクロック信号CK、XCKを出力する。例えば出力回路80は、発振回路30からの発振クロック信号OSCをバッファリングして、クロック信号CK、XCKとして、パッドPCK、PXCKに出力する。そして、このクロック信号CK、XCKが発振器4のクロック端子TCK、TXCKを介して外部に出力される。具体的には出力回路80は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)、PECL(Positive Emitter Coupled Logic)、HCSL(High Speed Current Steering Logic)、又は差動のCMOS(Complementary MOS)等の信号形式で、差動のクロック信号CK、XCKを外部に出力する。なお出力回路80が、シングルエンドのCMOSの信号形式でクロック信号を出力するようにしてもよい。
【0068】
電源回路90は、パッドPVDDからの電源電圧であるVDDとパッドPGNDからグランド電圧であるGNDが供給されて、回路装置20の内部回路用の種々の電源電圧を内部回路に供給する。例えば電源回路90は、電源電圧であるVDDをレギュレートしたレギュレート電源電圧を、発振回路30等の回路装置20の各回路に供給する。
【0069】
不揮発性メモリー92は、電源を供給しなくても情報の記憶を保持するメモリーである。例えば不揮発性メモリー92は、電源を供給しなくても情報を保持できると共に、情報の書き換えが可能なメモリーである。不揮発性メモリー92は、回路装置20の動作等に必要な種々の情報を記憶する。不揮発性メモリー92は、FAMOSメモリー(Floating gate Avalanche injection MOS memory)又はMONOSメモリー(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon memory)により実現されるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により実現できる。
【0070】
温度センサー94は温度を検出して温度検出信号を出力するセンサーである。具体的には温度センサー94は、環境の温度に応じて変化する温度検出電圧を、温度検出信号として出力する。例えば温度センサー94は、温度依存性を有する回路素子を利用して温度検出信号を生成する。具体的には温度センサー94は、例えばPN接合の順方向電圧が有する温度依存性を用いることで、温度に依存して電圧が変化する温度検出電圧を出力する。なお温度センサー94としてデジタル方式の温度センサー回路を用いる変形実施も可能である。この場合には例えば温度検出データが温度検出信号として出力される。
【0071】
また本実施形態では、発振回路30の発振周波数の温度補償が行われてもよい。発振周波数の温度補償は、発振回路30の発振信号の温度補償であり、クロック信号CK、XCKの温度補償である。この温度補償は例えば温度センサー94からの温度検出信号に基づいて行われる。例えば温度センサー94からの温度検出電圧に基づいて温度補償電圧が生成され、生成された温度補償電圧が発振回路30に入力されることで、温度補償が行われる。具体的には発振回路30が有する可変容量回路に対して、当該可変容量回路の容量制御電圧となる温度補償電圧が入力されることで温度補償が行われる。この場合には発振回路30の可変容量回路は、バラクター等の可変容量素子により実現される。また温度補償としては、多項式近似によるアナログ方式の温度補償が行われる。例えば振動子11の周波数温度特性を補償する温度補償電圧が多項式により近似される場合に、当該多項式の係数情報に基づいてアナログ方式の温度補償が行われる。この多項式の係数情報である温度補償用の補正データは不揮発性メモリー92に記憶される。或いは温度補償としてデジタル方式の温度補償を行ってもよい。例えば温度センサー94からの温度検出データに基づいて周波数調整データが求められる。周波数調整データは周波数調整コードである。そして、求められた周波数調整データに基づいて発振回路30の可変容量回路の容量値が調整されることで、デジタル方式の温度補償が実現される。この場合には発振回路30の可変容量回路は、バイナリーに重み付けされた複数のキャパシターを有するキャパシターアレイと、スイッチアレイとにより実現される。
【0072】
以上のように本実施形態の発振器4は、振動子11と回路装置20を含み、回路装置20は、発振回路30と出力回路80と制御回路60と故障診断回路50を含む。そして発振回路30は、振動子11を発振させる。
【0073】
例えば発振回路30は振動子11を発振させることで発振クロック信号OSCを出力する。出力回路80は、発振回路30からの発振クロック信号OSCに基づくクロック信号CK、XCKをクロック端子TCK、TXCKに出力する。例えば出力回路80は、発振クロック信号OSCをバッファリングして、クロック信号CK、XCKとして出力したり、或いは発振クロック信号OSCの周波数をPLL回路等により逓倍した信号をバッファリングして、クロック信号CK、XCKとして出力する。制御回路60は、出力制御信号OEが入力される。例えば制御回路60は、出力制御信号OEに基づいて出力回路80を制御することで、クロック信号CK、XCKの出力のイネーブル、ディスエーブルを制御する。故障診断回路50は、故障診断信号XDGを生成するための故障診断を行う。例えば制御回路60が、故障診断回路50の故障診断結果に基づく故障診断信号XDGを故障診断端子TDGに出力する。このようにすれば、発振回路30により振動子11を発振させることで生成されたクロック信号CK、XCKを、出力回路80によりクロック端子TCK、TXCKから出力することが可能になる。また出力制御信号OEを出力制御端子TOEを介して制御回路60に入力することで、クロック信号CK、XCKの出力制御を行えるようになる。そして故障診断回路50の故障診断に基づく故障診断信号XDGが故障診断端子TDGを介して出力されることで、発振器4の故障診断の結果を外部に伝えること可能になる。
【0074】
例えば
図9では故障診断回路50は、故障診断として発振回路30の発振信号の監視を行う。例えば故障診断回路50は、発振回路30の発振信号が適正な信号状態になっているか否かの監視を行う。具体的には発振信号の波形及び振幅を監視することなどにより発振信号の監視が実現される。そして故障診断回路50が、発振信号の監視結果に基づき発振信号が適正な信号状態ではないと判断した場合には、例えばアクティブレベルの故障診断信号XDGが例えば制御回路60を介して故障診断端子TDGから出力される。負論理の故障診断信号XDGの場合にはアクティブレベルとはローレベルである。
【0075】
本実施形態の発振器4は、振動子11と回路装置20と、を含む。回路装置20は、発振回路30と出力回路80と制御回路60と故障診断回路50と、を含む。発振回路30は振動子11を発振させる。出力回路80は発振回路30からの発振クロック信号に基づくクロック信号CK、XCKをクロック端子TCK、TXCKに出力する。制御回路60には出力制御信号OEが入力される。故障診断回路50は、故障診断信号XDGを生成するための故障診断を行う。
【0076】
このようにすれば、発振回路30により振動子11を発振させることで生成されたクロック信号CK、XCKを、出力回路80によりクロック端子TCK、TXCKから出力することが可能になる。そして故障診断回路50の故障診断に基づく故障診断信号XDGが故障診断端子TDGを介して出力されることで、発振器4の故障診断の結果を外部に伝えること可能になる。
【0077】
5.電子機器
図10に本実施形態の電子機器150の第1構成例を示す。電子機器150は、上述した本実施形態の発振器4と、発振器4が実装される回路基板110を含む。そして、本実施形態の電子機器150は、発振器4に接続されるコンデンサー10を含むことができる。
【0078】
電子機器150に実装される発振器4は、例えば
図1に示す第1構成例の発振器4である。従って、
図1等で説明したように、発振器4の電源端子TVDD及びグランド端子TGNDからコンデンサー10を接続する配線の途中にビアが設けられていない構成が実現でき、このコンデンサー10のデカップリングコンデンサーとしての効果が損なわれ難くなる。
【0079】
更に電子機器150は、不図示の通信装置、記憶装置、表示装置、音出力装置又は入力装置などを含むことができる。通信装置は、例えば車載用の場合には車内ネットワークとの通信を行うための装置である。記憶装置は、例えば各種の情報を記憶するメモリーなどにより実現される。表示装置は画像等の情報を表示する装置であり、音出力装置は音楽や音声などの音を出力する装置である。入力装置は、ユーザーが各種の情報を入力するための装置である。例えば電子機器150が車載用などのオーディオビジュアル機器である場合には、表示装置、音出力装置又は入力装置などが設けられる。
【0080】
即ち本実施形態の電子機器150は、上記に記載の発振器4と、発振器4が実装される回路基板110とを含む。
【0081】
このようにすれば、発振器4と回路基板110を含む電子機器150において、発振器4にコンデンサー10を接続する場合に、コンデンサー10と発振器4の電源端子TVDD及びグランド端子TGNDまでの距離を近くすることができる。このため発振器4の電源端子TVDD及びグランド端子TGNDからコンデンサー10を接続する配線の途中にビアが設けられていない構成が実現できる。従って、寄生インダクタンスは最小になり、信号品質の高い電子機器150を実現できる。
【0082】
また本実施形態の電子機器150は、回路基板110に実装されるコンデンサー10を含む。回路基板110は、電源線LD1、LD2とグランド線LG1、LG2を含む。
発振器4の電源端子TVDDは、電源線LD1、LD2により回路基板110のトップレイヤーの電源電圧VDDに接続される。発振器4のグランド端子TGNDは、グランド線LG1、LG2、ビアVIASを介して回路基板110のグランドレイヤーのグランド電圧に接続される。そして、コンデンサー10の第1端子T1が電源線LD1、LD2に接続され、第2端子T2がグランド線LG1、LG2に接続される。
【0083】
このようにすれば、コンデンサー10の端子のうち、第1端子T1には電源線LD2を介して回路基板110のトップレイヤーの電源電圧VDDが供給され、第2端子T2はグランド線LG2及びビアVIASを介して回路基板110のグランドレイヤーのグランド電位に設定される。
【0084】
図11は本実施形態の電子機器150の第2構成例である。電子機器150の第2構成例は、
図10に示す第1構成例と、コンデンサー10への配線が異なっている。具体的には、コンデンサー10の第1端子T1に電源電圧VDDを供給する電源線LD2は、ビアVIADを介して回路基板110のVDDレイヤーに接続されている。一方、コンデンサー10の第2端子T2をグランド電位に接続させるグランド線LG2は、回路基板110のトップレイヤーでグランド電位に接続されている。
【0085】
即ち本実施形態の電子機器150は、回路基板110に実装されるコンデンサー10を含む。回路基板110は、電源線LD1、LD2とグランド線LG1、LG2とを含む。電源線LD1、LD2は、一端が発振器4の電源端子TVDDに接続され、他端がビアに接続される。グランド線LG1、LG2は、一端が発振器4のグランド端子TGNDに接続される。コンデンサー10の第1端子は、電源線LD1、LD2において電源端子TVDDとビアの間の位置に接続され、コンデンサー10の第2端子は、グランド線LG1、LG2に接続される。
【0086】
このようにすれば、コンデンサー10の端子のうち、第1端子T1には電源線LD2及びビアVIADを介して回路基板110のVDDレイヤーの電源電圧VDDが供給され、第2端子T2にはグランド線LG2を介して回路基板110のトップレイヤーのグランド電位に設定される。
【0087】
図12は本実施形態の電子機器150の第3構成例である。第3構成例では、電子機器150は、回路基板110に実装される制御装置100を含む。制御装置100は前述したようにマイクロコントローラー等により実現される。そして、
図12に示すように制御装置100は、出力制御信号OEを出力する第3端子T3と、故障診断信号XDGが入力される第4端子T4を有する。
【0088】
また第3構成例では、回路基板110は、第1電極EL1と第2電極EL2と第3電極EL3と第4電極EL4を含む。そして第1電極EL1は、制御装置100の第3端子T3に電気的に接続される。例えば第1電極EL1は回路基板110の第1配線L1を介して制御装置100の第3端子T3に接続される。また第2電極EL2は、発振器4の出力制御端子TOEに電気的に接続される。例えば第2電極EL2は回路基板110の第2配線L2を介して発振器4の出力制御端子TOEに接続される。第3電極EL3は、発振器4の故障診断端子TDGと制御装置100の第4端子T4に電気的に接続される。例えば第3電極EL3は第3配線L3を介して発振器4の故障診断端子TDGと故障診断回路50の第4端子T4に接続される。なお、第3構成例において、出力制御端子TOEと故障診断端子TDGは入れ替えてもよい。
【0089】
ここで第1電極EL1、第2電極EL2、第3電極EL3及び後述する第4電極EL4などの電極は、回路基板110と電子部品を接続するために回路基板110に形成される導電性のパターンである。例えば電子部品の端子がハンダ等により回路基板110の電極に接続される。具体的には電極は例えばランド又はパッドなどである。ランドは、例えばスルーホールの周囲に形成され、電子部品のリード部品を穴に通してハンダ付けされる部分である。パッドは表面実装の電子部品がハンダ付けされる部分である。
【0090】
即ち本実施形態の電子機器150は、回路基板110と制御装置100とを含む。回路基板110は発振器4が実装される。制御装置100は、回路基板110に実装され、出力制御信号OEを出力する第3端子T3と、故障診断信号XDGが入力される第4端子T4を有する。回路基板110は、第1電極EL1と第2電極EL2と第3電極EL3を含む。第1電極EL1は、制御装置100の第3端子T3に電気的に接続される。第2電極EL2は、発振器4の出力制御端子TOEに電気的に接続される。第3電極EL3は、発振器4の故障診断端子TDGと制御装置100の第4端子T4に電気的に接続される。
【0091】
このように第1電極EL1、第2電極EL2、第3電極EL3を設ければ、第1電極EL1と第2電極EL2を電気的に接続することで、制御装置100からの出力制御信号OEが発振器4の出力制御端子TOEに入力されるようになる。これにより制御装置100によるクロック出力制御が可能になる。例えば制御装置100が出力制御信号OEをハイレベルにすることで、発振器4からクロック信号CK、XCKが出力され、制御装置100が出力制御信号OEをローレベルにすることで、発振器4からのクロック信号CK、XCKの出力が停止する。
【0092】
また第3電極EL3と第2電極EL2を電気的に接続することで、発振器4が出力した故障診断信号XDGが発振器4の出力制御端子TOEに入力されるようになる。これにより発振器4の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になる。例えば故障診断信号XDGがハイレベルの場合には、このハイレベルの故障診断信号XDGが出力制御端子TOEに入力されることで、発振器4はクロック信号CK、XCKを出力するようになる。一方、発振器4の自己故障診断により故障が検出されて、故障診断信号XDGがローレベルになると、このローベルの故障診断信号XDGが出力制御端子TOEに入力されることで、発振器4からのクロック信号CK、XCKの出力が停止するようになる。これにより故障の検出時に自動的にクロック出力を停止できるようになる。このような発振器4の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になるのは、出力制御端子TOEには、正論理及び負論理の一方である第1論理の出力制御信号が入力され、故障診断端子TDGは、正論理及び負論理の他方である第2論理の故障診断信号XDGを出力するからである。
【0093】
また電子機器150の第3構成例では、発振器4の故障診断端子TDGと制御装置100の第4端子T4は第3配線L3を介して接続されている。従って、発振器4が故障を検出して、故障診断信号XDGがローレベルになると、制御装置100は、このローレベルの故障診断信号XDGを検出することで、発振器4に故障が発生したことを認識できるようになる。
【0094】
第1電極EL1、第2電極EL2、第3電極EL3や後述する第4電極EL4の接続については、
図13に示すようなゼロオーム抵抗素子などの接続素子120を用いることができる。この接続素子120により、
図13に示すように配線LAに設けられた電極ELAと、配線LBに設けられた電極ELBとを接続できる。このような接続素子120を用いることで、第1電極EL1と第2電極EL2の間、又は第3電極EL3と第2電極EL2の間を低インピーダンスで接続できるようになる。また例えば第1の製品に用いられる回路基板110では、第1電極EL1と第2電極EL2の間をゼロオーム抵抗素子などの接続素子120により接続し、第2の製品に用いられる回路基板110では、第3電極EL3と第2電極EL2の間をゼロオーム抵抗素子などの接続素子120により接続することが可能になる。これにより同じ回路基板110を様々な製品に兼用して使用することが可能になり、様々な製品を低コストで提供することが可能になる。なお接続素子120はゼロオーム抵抗素子には限定されず、機械的又は電子的にオン、オフされるスイッチ素子であってもよい。
【0095】
即ち本実施形態の電子機器150は、第1電極EL1と第2電極EL2の間、又は第3電極EL3と第2電極EL2の間が、例えば
図10に例示されるような接続素子120によって接続されている。
【0096】
このようにすれば、第1電極EL1と第2電極EL2の間を接続素子120により接続することで、制御装置100からの出力制御信号OEによるクロック出力制御が可能になり、出力制御信号OEによりクロック信号CK、XCKを出力したり、出力を停止したりする制御が可能になる。また第3電極EL3と第2電極EL2の間を接続素子120により接続することで、発振器4の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になり、故障が検出されたときに故障診断信号XDGによりクロック信号CK、XCKの出力を自動的に停止できるようになる。
【0097】
また
図12に示すように、第4電極EL4は、発振器4の電源端子TVDDとコンデンサー10の第1端子T1に電気的に接続される。そして第4電極EL4は、電源ノードNVDに一端が電気的に接続される抵抗RCの他端に第4配線L4を介して電気的に接続される。この第4電極EL4の電極も、回路基板110と電子部品を接続するために回路基板110に形成される導電性のパターンであり、例えばランド又はパッドなどである。
【0098】
即ち本実施形態の電子機器150では、回路基板110は、電源ノードNVDに一端が電気的に接続される抵抗RCの他端に電気的に接続される第4電極EL4を含む。
【0099】
このような第4電極EL4を設ければ、第2電極EL2と第4電極EL4を電気的に接続することで、一端が電源電圧VDDの電源ノードNVDに接続された抵抗RCによるプルアップにより、出力制御端子TOEを常にハイレベルに設定できるようになり、常時クロック出力が可能になる。即ち発振器4から常時にクロック信号CK、XCKが出力されるようになる。
【0100】
また本実施形態の電子機器150では、第1電極EL1と第2電極EL2の間、第3電極EL3と第2電極EL2の間、又は第4電極EL4と第2電極EL2の間が、接続素子120によって接続されている。
【0101】
このようにすれば、第1電極EL1と第2電極EL2の間を接続素子120により接続することで、故障診断回路50からの出力制御信号OEによるクロック出力制御が可能になる。また第3電極EL3と第2電極EL2の間を接続素子120により接続することで、発振器4の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になる。また第4電極EL4と第2電極EL2の間を接続素子120により接続することで、クロック信号CK、XCKの常時出力が可能になる。これにより同じ回路基板110を様々な製品に兼用して使用することが可能になり、様々な製品を低コストで提供することが可能になる。
【0102】
6.発振器の構造例
図14に本実施形態の発振器4の第1構造例を示す。発振器4は、振動子11と、回路装置20と、振動子11及び回路装置20を収容するパッケージ15を有する。パッケージ15は、例えばセラミック等により形成され、その内側に収容空間を有しており、この収容空間に振動子11及び回路装置20が収容されている。収容空間は気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。パッケージ15により、振動子11及び回路装置20を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。
【0103】
パッケージ15はベース16とリッド17を有する。具体的にはパッケージ15は、振動子11及び回路装置20を支持するベース16と、ベース16との間に収容空間を形成するようにベース16の上面に接合されたリッド17とにより構成されている。そして振動子11は、ベース16の内側に設けられた段差部に端子電極を介して支持されている。また回路装置20は、ベース16の内側底面に配置されている。具体的には回路装置20は、能動面がベース16の内側底面に向くように配置されている。能動面は回路装置20の回路素子が形成される面である。また回路装置20の端子にバンプBMPが形成されている。そして回路装置20は、導電性のバンプBMPを介してベース16の内側底面に支持される。導電性のバンプBMPは例えば金属バンプであり、このバンプBMPやパッケージ15の内部配線や端子電極などを介して、振動子11と回路装置20が電気的に接続される。また回路装置20は、バンプBMPやパッケージ15の内部配線を介して、発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。外部端子18、19は、パッケージ15の外側底面に形成されている。外部端子18、19は、外部配線を介して外部デバイスに接続される。外部配線は、例えば外部デバイスが実装される回路基板に形成される配線などである。これにより外部デバイスに対してクロック信号などを出力できるようになる。
【0104】
これらの外部端子18、19が、
図1、
図5等で説明した出力制御端子TOE、故障診断端子TDG、グランド端子TGND、クロック端子TCK、TXCK、電源端子TVDDに対応する。例えば発振器4のパッケージ15の外側底面の第1辺に沿って、出力制御端子TOE、故障診断端子TDG、グランド端子TGNDが並んで配置され、外側底面の第1辺の対辺である第2辺に沿って、電源端子TVDD、クロック端子TXCK、TCKが並んで配置される。
【0105】
なお
図14では、回路装置20の能動面が下方に向くように回路装置20がフリップ実装されているが、本実施形態はこのような実装には限定されない。例えば回路装置20の能動面が上方に向くように回路装置20を実装してもよい。即ち能動面が振動子11に対向するように回路装置20を実装する。
【0106】
図15に発振器4の第2構造例を示す。発振器4は、振動子11と、回路装置20と、振動子11及び回路装置20を収容するパッケージ15を有し、パッケージ15は、ベース16とリッド17を有する。ベース16は、中間基板である第1基板6と、第1基板6の上面側に積層された略矩形フレーム形状の第2基板7と、第1基板6の底面側に積層された略矩形フレーム形状の第3基板8を有する。そして、第2基板7の上面にはリッド17が接合され、第1基板6と第2基板7とリッド17とにより形成された収容空間S1に、振動子11が収容されている。例えば収容空間S1に振動子11が気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。これにより、振動子11を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。また第1基板と第3基板8とにより形成された収容空間S2に、半導体チップである回路装置20が収容されている。また第3基板8の底面には、発振器4の外部接続用の電極端子である外部端子18、19が形成されている。
【0107】
また収容空間S1においては、振動子11が、導電性の接続部CDC1、CDC2により、第1基板6の上面に形成された不図示の第1電極端子、第2電極端子に接続される。導電性の接続部CDC1、CDC2は、例えば金属バンプ等の導電性のバンプにより実現してもよいし、導電性の接着剤により実現してもよい。具体的には、例えば音叉型の振動子11の一端に形成された不図示の第1電極パッドが、導電性の接続部CDC1を介して、第1基板6の上面に形成された第1電極端子に接続される。そして第1電極端子は回路装置20のパッドPX1に電気的に接続される。また音叉型の振動子11の他端に形成された不図示の第2電極パッドが、導電性の接続部CDC2を介して、第1基板6の上面に形成された第2電極端子に接続される。そして第2電極端子は回路装置20のパッドPX2に電気的に接続される。これにより振動子11の一端及び他端を、導電性の接続部CDC1、CDC2を介して、回路装置20のパッドPX1、PX2に電気的に接続できるようになる。また半導体チップである回路装置20の複数のパッドには導電性のバンプBMPが形成され、これらの導電性のバンプBMPが、第1基板6の底面に形成された複数の電極端子に接続される。そして回路装置20のパッドに接続された電極端子は、内部配線等を介して発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。
【0108】
これらの外部端子18、19が、
図1、
図5等で説明した出力制御端子TOE、故障診断端子TDG、グランド端子TGND、クロック端子TCK、TXCK、電源端子TVDDに対応する。
【0109】
なお発振器4は、ウェハレベルパッケージ(WLP)の発振器であってもよい。この場合には発振器4は、半導体基板と、半導体基板の第1面と第2面との間を貫通する貫通電極とを有するベースと、半導体基板の第1面に対して、金属バンプ等の導電性の接合部材を介して固定される振動子11と、半導体基板の第2面側に再配置配線層等の絶縁層を介して設けられる外部端子を含む。そして半導体基板の第1面又は第2面に、回路装置20となる集積回路が形成される。この場合には、振動子11及び集積回路が配置された複数のベースが形成された第1半導体ウェハーと、複数のリッドが形成された第2半導体ウェハーとを貼りつけることで、複数のベースと複数のリッドを接合し、その後にダイシングソー等によって発振器4の個片化を行う。このようにすれば、ウェハレベルパッケージの発振器4の実現が可能になり、高スループット、且つ、低コストでの発振器4の製造が可能になる。
【0110】
以上のように本実施形態の発振器は、電源端子とグランド端子と正極側クロック端子と負極側クロック端子と、を含む。電源端子は高電位側電源電圧が供給される。グランド端子は低電位側電源電圧が供給される。正極側クロック端子は差動クロック信号の正極側クロック信号を出力する。負極側クロック端子は差動クロック信号の負極側クロック信号を出力する。電源端子とグランド端子は並んで配置され、正極側クロック端子と負極側クロック端子は並んで配置される。
【0111】
本実施形態によれば、電源端子とグランド端子が並んで配置されるため、発振器の任意の1辺に電源端子とグランド端子が並ぶように配置することができる。また正極側クロック端子と負極側クロック端子が並んで配置されるため、発振器の任意の1辺に正極側クロック端子と負極側クロック端子が並ぶように配置することができる。
【0112】
また本実施形態の発振器は、電源端子及びグランド端子は、発振器の第1辺に沿って並んで配置され、負極側クロック端子及び正極側クロック端子は、第1辺の対辺である第2辺に沿って並んで配置される。
【0113】
このようにすれば、発振器の第1辺に電源端子及びグランド端子が並んで設けられ、第1辺の対辺である第2辺に負極側クロック端子及び正極側クロック端子が並んで設けられる。従って、電源端子とグランド端子が発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。また負極側クロック端子と正極側クロック端子が発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることも回避できる。
【0114】
また本実施形態の発振器は、クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子を含み、出力制御端子、電源端子及びグランド端子は、第1辺に沿って並んで配置される。
【0115】
このようにすれば、出力制御端子と、電源端子及びグランド端子とが、発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0116】
また本実施形態の発振器は、故障診断信号を出力する故障診断端子を含み、故障診断端子、負極側クロック端子及び正極側クロック端子は、第2辺に沿って配置される。
【0117】
このようにすれば、故障診断端子と、負極側クロック端子及び正極側クロック端子とが、発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0118】
また本実施形態の発振器は、クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子を含み、出力制御端子、負極側クロック端子及び正極側クロック端子は第2辺に沿って並んで配置される。
【0119】
このようにすれば、出力制御端子と、負極側クロック端子及び正極側クロック端子とが、発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0120】
また本実施形態の発振器は、故障診断信号を出力する故障診断端子を含み、故障診断端子、電源端子及びグランド端子は第1辺に沿って並んで配置される。
【0121】
このようにすれば、故障診断端子と、電源端子及びグランド端子とが、発振器の対辺である2つの辺に各々分かれて設けられることを回避できる。
【0122】
また本実施形態の発振器は、発振器の第1辺に対向する辺を第2辺とし、第1辺及び第2辺に交差する辺を第3辺とし、第3辺に対向する辺を第4辺としたとき、第1辺と第4辺が交差する第1コーナー部に、電源端子が配置される。そして、第2辺と第4辺が交差する第2コーナー部にグランド端子が配置される。
【0123】
このようにすれば、第4辺の両端に電源端子とグランド端子を配置することができ、第4辺側に電源端子とグランド端子を纏めて配置することができる。
【0124】
また本実施形態の発振器は、クロック信号の出力制御信号が入力される出力制御端子と、故障診断信号を出力する故障診断端子を含む。出力制御端子には、正論理及び負論理の一方である第1論理の出力制御信号が入力され、故障診断端子は、正論理及び負論理の他方である第2論理の故障診断信号を出力する。
【0125】
このようにすれば、出力制御信号が正論理の信号である場合には、故障診断信号は負論理の信号になり、出力制御信号が負論理の信号である場合には、故障診断信号は正論理の信号になるため、出力制御信号の配線と故障診断信号の配線の間に短絡故障が発生しても、クロック信号が停止してしまうなどの事態を防止できるようになる。従って、発振器の故障診断を実現できると共に、短絡故障等に起因するクロック出力の停止等の問題の発生も防止できるようになる。
【0126】
また本実施形態の発振器は、振動子と回路装置と、を含む。回路装置は、発振回路と出力回路と制御回路と故障診断回路と、を含む。発振回路は振動子を発振させる。出力回路は発振回路からの発振クロック信号に基づくクロック信号をクロック端子に出力する。制御回路には出力制御信号が入力される。故障診断回は、故障診断信号を生成するための故障診断を行う。
【0127】
このようにすれば、発振回路により振動子を発振させることで生成されたクロック信号を、出力回路によりクロック端子から出力することが可能になる。そして故障診断回路の故障診断に基づく故障診断信号が故障診断端子を介して出力されることで、発振器の故障診断の結果を外部に伝えること可能になる。
【0128】
本実施形態の電子機器は、上記に記載の発振器と、発振器が実装される回路基板とを含む。
【0129】
このようにすれば、発振器と回路基板を含む電子機器において、発振器にコンデンサーを接続する場合に、コンデンサーと発振器の電源端子及びグランド端子までの距離を近くすることができる。このため発振器の電源端子又はグランド端子からコンデンサーを接続する配線の途中にビアが設けられていない構成が実現できる。従って、寄生インダクタンスは最小になり、信号品質の高い電子回路を実現できる。
【0130】
また本実施形態の電子機器は、回路基板に実装されるコンデンサーを含む。回路基板は、電源線とグランド線を含む。電源線は、一端が発振器の電源端子に接続される。グランド線は、一端が発振器のグランド端子に接続され、他端がビアに接続される。コンデンサーの第1端子は、電源線に接続され、コンデンサーの第2端子は、グランド線においてグランド端子とビアとの間の位置に接続される。
【0131】
このようにすれば、コンデンサーの端子のうち、第1端子には電源線を介して回路基板のトップレイヤーの電源電圧が供給され、第2端子はグランド線及びビアを介して回路基板のグランドレイヤーのグランド電位に設定される。
【0132】
また本実施形態の電子機器は、回路基板に実装されるコンデンサーを含む。回路基板は、電源線とグランド線とを含む。電源線は、一端が発振器の電源端子に接続され、他端がビアに接続される。グランド線は、一端が発振器のグランド端子に接続される。コンデンサーの第1端子は、電源線において電源端子とビアの間の位置に接続され、コンデンサーの第2端子は、グランド線に接続される。
【0133】
このようにすれば、コンデンサーの端子のうち、第1端子には電源線及びビアを介して回路基板のVDDレイヤーの電源電圧が供給され、第2端子にはグランド線を介して回路基板のトップレイヤーのグランド電位に設定される。
【0134】
また本実施形態の電子機器は、回路基板と制御装置とを含む。回路基板は発振器が実装される。制御装置は、回路基板に実装され、出力制御信号を出力する第3端子と、故障診断信号が入力される第4端子を有する。回路基板は、第1電極と第2電極と第3電極を含む。第1電極は、制御装置の第3端子に電気的に接続される。第2電極は、発振器の出力制御端子に電気的に接続される。第3電極は、発振器の故障診断端子と制御装置の第4端子に電気的に接続される。
【0135】
このように第1電極、第2電極、第3電極、第4電極を設ければ、第1電極と第2電極を電気的に接続することで、制御装置からの出力制御信号が発振器の出力制御端子に入力されるようになる。これにより制御装置によるクロック出力制御が可能になる。例えば制御装置が出力制御信号をハイレベルにすることで、発振器からクロック信号が出力され、制御装置が出力制御信号をローレベルにすることで、発振器からのクロック信号の出力が停止する。
【0136】
また本実施形態の電子機器は、第1電極と第2電極の間、又は第3電極と第2電極の間が、接続素子によって接続されている。
【0137】
このようにすれば、第1電極と第2電極の間を接続素子により接続することで、制御装置からの出力制御信号によるクロック出力制御が可能になり、出力制御信号によりクロック信号を出力したり、出力を停止したりする制御が可能になる。また第3電極と第2電極の間を接続素子により接続することで、発振器の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になり、故障が検出されたときに故障診断信号によりクロック信号の出力を自動的に停止できるようになる。
【0138】
また本実施形態の電子機器では、回路基板は、電源ノードに一端が電気的に接続される抵抗の他端に電気的に接続される第4電極を含む。
【0139】
このような第4電極を設ければ、第2電極と第4電極を電気的に接続することで、一端が電源電圧の電源ノードに接続された抵抗によるプルアップにより、出力制御端子を常にハイレベルに設定できるようになり、常時クロック出力が可能になる。即ち発振器から常時にクロック信号が出力されるようになる。
【0140】
また本実施形態の電子機器では、第1電極と第2電極の間、第3電極と第2電極の間、又は第4電極と第2電極の間が、接続素子によって接続されている。
【0141】
このようにすれば、第1電極と第2電極の間を接続素子により接続することで、制御装置からの出力制御信号によるクロック出力制御が可能になる。また第3電極と第2電極の間を接続素子により接続することで、発振器の自己故障診断によるクロック出力の自動制御が可能になる。また第4電極と第2電極の間を接続素子により接続することで、クロック信号の常時出力が可能になる。これにより同じ回路基板を様々な製品に兼用して使用することが可能になり、様々な製品を低コストで提供することが可能になる。
【0142】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また発振器、電子機器の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0143】
4…発振器、6…第1基板、7…第2基板、8…第3基板、10…コンデンサー、11…振動子、15…パッケージ、16…ベース、17…リッド、18、19…外部端子、20…回路装置、30…発振回路、50…故障診断回路、60…制御回路、80…出力回路、90…電源回路、92…不揮発性メモリー、94…温度センサー、110…回路基板、120…接続素子、150…電子機器、BMP…バンプ、C1…第1コーナー部、C2…第2コーナー部、CDC1、CDC2…接続部、XDG…故障診断信号、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DR3…第3方向、DR4…第4方向、EL1…第1電極、EL2…第2電極、EL3…第3電極、EL4…第4電極、ELA、ELB…電極、L2…第2配線、L3…第3配線、L4…第4配線、LA…配線、LB…配線、LD、LD1、LD2…電源線、LG、LG1、LG2…グランド線、NVD…電源ノード、OE…出力制御信号、OSC…発振クロック信号、PCK、PDG、PGND、POE、PVDD…パッド、PX1、PX2…パッド、PXCK…パッド、RC…抵抗、S1、S2…収容空間、SD1…第1辺、SD2…第2辺、SD3…第3辺、SD4…第4辺、T1…第1端子、T2…第2端子、T3…第3端子、T4…第4端子、TCK…正極側クロック端子、TCK…正極側クロック端子、TDG…故障診断端子、TGND…グランド端子、TGNG…グランド端子、TOE…出力制御端子、TVDD…電源端子、TXCK…負極側クロック端子、VDD…電源電圧、VIAD…ビア、VIAS…ビア、XCK…負極側クロック信号、XDG…故障診断信号、XOE…出力制御信号