(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122069
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】スタンド
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20240902BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H04N5/64 581P
G09F9/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029391
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】399032905
【氏名又は名称】朝日木材加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友樹
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA00
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE13
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】外観を向上できるスタンドを提供すること。
【解決手段】上装飾板5bは、取付穴31c及び配線穴31dを露出させる露出状態と、取付穴31c及び配線穴31dを被覆する被覆状態とを形成可能である。これにより、取付穴31c及び配線穴31dを使用する時にはそれらの穴を露出させる一方、使用しない時には上装飾板5bで取付穴31c及び配線穴31dを覆い隠すことができるので、取付穴31c及び配線穴31dが常に露出した状態になることを抑制できる。よって、スタンド1の外観を向上できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置されるベースと、そのベースから上方に立ち上がり、上部に表示装置が取り付けられる支柱と、その支柱の前面を覆う被覆部材と、その被覆部材の前方側に配置され、前記表示装置の周辺機器を支持する棚と、を備え、
前記支柱の前面には、前記周辺機器の配線を前記支柱の背面側に通すための配線穴が形成され、
前記被覆部材は、前記配線穴を露出させる露出状態と、前記配線穴を被覆する被覆状態とを形成可能であることを特徴とするスタンド。
【請求項2】
設置面に設置されるベースと、そのベースから上方に立ち上がり、上部に表示装置が取り付けられる支柱と、その前面を覆う被覆部材と、その被覆部材の前方側に配置され、前記表示装置の周辺機器を支持する棚と、を備え、
前記支柱の前面には、前記棚を取り付けるための第1取付穴が形成され、
前記被覆部材は、前記第1取付穴を露出させる露出状態と、前記第1取付穴を被覆する被覆状態とを形成可能であることを特徴とするスタンド。
【請求項3】
前記支柱の前面には、前記棚を取り付けるための第1取付穴が形成され、
前記被覆部材は、前記露出状態で前記第1取付穴を露出させる一方、前記被覆状態で前記第1取付穴を覆うことを特徴とする請求項1記載のスタンド。
【請求項4】
前記被覆部材は、前記支柱の前面に取り付けられた状態で前記露出状態を形成可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタンド。
【請求項5】
上下方向に並ぶ複数の前記被覆部材が前記支柱の前面に取り付けられ、
前記支柱に対する前記被覆部材の取り付け高さを変化させることによって前記露出状態と前記被覆状態とが形成されることを特徴とする請求項4記載のスタンド。
【請求項6】
前記支柱の前面には、左右方向に並ぶ複数の前記被覆部材を取り付けるための第2取付穴が形成され、
前記第2取付穴は、上下に複数並べられ、
複数の前記第2取付穴に対する前記被覆部材の取り付け位置を変更することによって前記露出状態と前記被覆状態とが形成されることを特徴とする請求項5記載のスタンド。
【請求項7】
前記被覆部材を上下反転させて前記第2取付穴に取り付けることによって前記露出状態と前記被覆状態とが形成されることを特徴とする請求項6記載のスタンド。
【請求項8】
前記棚は、前後方向視において前記露出状態の前記配線穴と重なる位置に配置され、
前記棚の後端には、前記配線穴の前方側に位置する切欠きが形成されることを特徴とする請求項1記載のスタンド。
【請求項9】
前記棚の上面は、前記露出状態の前記配線穴よりも上方側に位置することを特徴とする請求項8記載のスタンド。
【請求項10】
前記棚を支持する支持部材を備え、
前記被覆部材は、前記露出状態の前記配線穴の上方に配置される上被覆部材と、前記露出状態の前記配線穴の下方に配置される下被覆部材とから少なくとも構成され、
前記支持部材は、前記上被覆部材と前記下被覆部材との間に挿入されて前記支柱に取り付けられる被取付部と、その被取付部から前方に延びて前記棚を支持する支持部と、を備え、
前記被取付部には、前記配線穴に連なる連通穴が形成され、
前記棚は、前記上被覆部材の前方側で前記支持部に支持されることを特徴とする請求項8記載のスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンドに関し、特に、外観を向上できるスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビなどの表示装置が支柱の上部に支持されるスタンドにおいて、表示装置の周辺機器(DVDレコーダーなど)を載せるための棚を支柱の前方側に配置する技術が知られている。この種のスタンドとして、特許文献1には、上下方向に並ぶ複数の配線穴が柱6(支柱)に形成される大型モニタースタンドが記載されている。このスタンドによれば、棚5に載置された周辺機器の配線を、配線穴を通して柱6の背面側に隠すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-283566号公報(例えば、段落0010,0011、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、支柱の側面に形成された複数の取付穴に棚が取り付けられるため、それらの取付穴が支柱の側面に露出する。また、支柱の前面に形成された配線穴も同様に露出するため、スタンドの外観を十分に向上できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、外観を向上できるスタンドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明のスタンドは、設置面に設置されるベースと、そのベースから上方に立ち上がり、上部に表示装置が取り付けられる支柱と、その支柱の前面を覆う被覆部材と、その被覆部材の前方側に配置され、表示装置の周辺機器を支持する棚と、を備え、前記支柱の前面には、前記周辺機器の配線を前記支柱の背面側に通すための配線穴が形成され、前記被覆部材は、前記配線穴を露出させる露出状態と、前記配線穴を被覆する被覆状態とを形成可能である。
【0007】
本発明のスタンドは、設置面に設置されるベースと、そのベースから上方に立ち上がり、上部に表示装置が取り付けられる支柱と、その支柱の前面を覆う被覆部材と、その被覆部材の前方側に配置され、前記表示装置の周辺機器を支持する棚と、を備え、前記支柱の前面には、前記棚を取り付けるための第1取付穴が形成され、前記被覆部材は、前記第1取付穴を露出させる露出状態と、前記第1取付穴を被覆する被覆状態とを形成可能である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のスタンドによれば、支柱の前面には、表示装置の周辺機器の配線を支柱の背面側に通すための配線穴が形成され、被覆部材は、配線穴を露出させる露出状態と、配線穴を覆う被覆状態と、を形成可能である。これにより、棚を使用する(周辺機器の配線を支柱の背面側に隠す)場合には配線穴を露出させる一方、棚を使用しない場合には配線穴を被覆部材で覆い隠すことができる。よって、配線穴が常に露出することを抑制できるので、スタンドの外観を向上できるという効果がある。
【0009】
請求項2記載のスタンドによれば、支柱の前面には、棚を取り付けるための第1取付穴が形成され、被覆部材は、第1取付穴を露出させる露出状態と、第1取付穴を被覆する被覆状態とを形成可能である。これにより、棚を使用する(支柱に棚を取り付ける)場合には第1取付穴を露出させる一方、棚を使用しない場合には第1取付穴を被覆部材で覆い隠すことができる。よって、第1取付穴が常に露出することを抑制できるので、スタンドの外観を向上できるという効果がある。
【0010】
請求項3記載のスタンドによれば、請求項1記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。支柱の前面には、棚を取り付けるための第1取付穴が形成される。被覆部材は、配線穴および第1取付穴を露出させる露出状態と、配線穴および第1取付穴を覆う被覆状態と、を形成可能である。これにより、棚を使用しない場合に、配線穴および第1取付穴の各々を被覆部材で覆い隠すことができるので、スタンドの外観をより向上できるという効果がある。
【0011】
請求項4記載のスタンドによれば、請求項1又は2に記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。被覆部材は、支柱の前面に取り付けられた状態で、配線穴や第1取付穴を露出させる状態を形成可能であるので、配線穴や第1取付穴を使用する場合に、支柱から取り外した被覆部材を別の場所に保管することを不要にできる。よって、スタンドの取り扱いが煩雑になることを抑制できるという効果がある。
【0012】
請求項5記載のスタンドによれば、請求項4記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。支柱に対する被覆部材の取り付け高さを変化させることにより、配線穴や第1取付穴を露出させる状態と被覆する状態とが形成されるので、上下に並ぶ複数の被覆部材の相対位置を左右方向で変化させることなく、配線穴や第1取付穴を露出させることができる。これにより、配線穴や第1取付穴を露出させる場合に、上下に並ぶ各被覆部材の左右方向における配置が不揃いになることを抑制できるので、スタンドの外観を向上できるという効果がある。
【0013】
請求項6記載のスタンドによれば、請求項5記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。支柱の前面には、左右方向に並ぶ複数の被覆部材を取り付けるための第2取付穴が形成される。第2取付穴は、上下に複数並べられ、それらの第2取付穴に対する被覆部材の取り付け位置を変更することにより、配線穴や第1取付穴を露出させる状態と被覆する状態とが形成される。これにより、例えば上下に延びる長穴に沿って被覆部材の取り付け高さを調整する場合とは異なり、左右に並ぶ各被覆部材の取り付け高さの調整を不要にしつつ、上下方向における各被覆部材の配置(高さ)を揃えることができる。よって、各被覆部材の取り付け高さの変更を容易にできると共に、スタンドの外観を向上できるという効果がある。
【0014】
請求項7記載のスタンドによれば、請求項6記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。被覆部材を上下反転させて第2取付穴に取り付けることにより、配線穴や第1取付穴を露出させる状態と被覆する状態とが形成される。これにより、共通の取付穴を利用して被覆部材の取り付け高さを変更できるので、取付穴を形成する個数を低減できるという効果がある。
【0015】
請求項8記載のスタンドによれば、請求項1記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。棚は、前後方向視において露出状態の配線穴と重なる位置に配置されるので、配線穴を棚で覆い隠すことができる。よって、スタンドの外観を向上できるという効果がある。また、前後方向視で棚と配線穴とが重なるように配置した場合であっても、棚の後端に形成された切欠きによって配線の経路が確保されるので、配線穴に配線を容易に通すことができるという効果がある。
【0016】
請求項9記載のスタンドによれば、請求項8記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。棚の上面は、露出状態の配線穴よりも上方側に位置するので、棚を見下ろす角度でスタンドを見た場合に配線穴が視認され難くなる。よって、スタンドの外観を向上できるという効果がある。また、露出状態の配線穴よりも棚の上面が上方側に位置する場合であっても、棚の後端に形成された切欠きによって配線の経路が確保されるので、配線穴に配線を容易に通すことができるという効果がある。
【0017】
請求項10記載のスタンドによれば、請求項8記載のスタンドの奏する効果に加え、次の効果を奏する。被覆部材は、露出状態の配線穴の上方に配置される上被覆部材と、露出状態の配線穴の下方に配置される下被覆部材とから少なくとも構成される。棚を支持する支持部材は、上被覆部材と下被覆部材との間に挿入されて支柱に取り付けられる被取付部を備え、被取付部には、配線穴に連なる連通穴が形成されるので、配線穴に向けた配線の経路を連通穴によって確保できる。
【0018】
支持部材は、被取付部から前方に延びて棚を支持する支持部を備え、棚は、上被覆部材の前方側で支持部に支持されるので、棚を見下ろす角度でスタンドを見た場合に、上被覆部材の下方に位置する被取付部の連通穴が視認され難くなる。よって、スタンドの外観を向上できるという効果がある。また、上被覆部材の前方側に棚が配置される場合であっても、棚の後端に形成された切欠きによって棚と上被覆部材との間の配線の経路を確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態のスタンドの正面斜視図である。
【
図2】(a)は、上装飾板を取り外した状態を示すスタンドの正面斜視図であり、(b)は、同状態におけるスタンドの背面斜視図である。
【
図3】前面板の取付領域に棚を取り付ける様子を示すスタンドの正面斜視図である。
【
図4】
図3の矢印IV方向視におけるスタンドの正面図である。
【
図5】
図4のV-V線におけるスタンドの部分拡大断面図である。
【
図6】(a)は、第2実施形態のスタンドの正面斜視図であり、(b)は、取付領域から取り外した装飾板を保持領域に取り付ける様子を示すスタンドの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、第1実施形態のスタンド1の全体構成について説明する。
図1は、第1実施形態のスタンド1の正面斜視図である。なお、
図1では、表示装置100の外形を2点鎖線で模式的に図示している。また、
図1の矢印U-D,L-R,F-B方向は、スタンド1の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している(
図2以降においても同様である)。
【0021】
図1に示すように、スタンド1は、液晶テレビや有機ELテレビなどの薄型の表示装置100を支持するための支持台である。スタンド1は、設置面に設置される板状のベース2を備え、ベース2の後端側(矢印B側)の上面には支柱3が固定される。
【0022】
支柱3は、左右(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てる一対の側板30と、それら一対の側板30の内面(左右方向内側を向く面)の前端部分(矢印F側の端部)を左右に繋ぐ前面板31と、を備える。ベース2や、支柱3を構成する各板30,31は、それぞれ木製の板であり、ベース2の上面に支柱3の各板30,31の下端がねじ止めされている。
【0023】
側板30の厚み方向はスタンド1の左右方向と一致しており、前面板31の厚み方向はスタンド1の前後方向と一致している。側板30の上部(上端側)には、表示装置100を支持するための支持金具4が取り付けられる。
【0024】
支持金具4は、左右に延びて一対の側板30の前面に固定されるフレーム40と、そのフレーム40に沿って(左右方向に)取り付け位置を変更できるブラケット41と、を備え、左右一対のブラケット41が表示装置100の背面に固定されるものであり、公知の構成が採用可能であるので詳細な説明を省略する。なお、公知の構成としては、登録実用新案第3240749号公報のテレビ取付部15が例示される。
【0025】
支柱3の前面を構成する前面板31には、装飾板5が着脱可能に取り付けられる。前面板31に装飾板5を取り付けた状態では、前面板31の前面の半分以上(80%以上)の領域が木製(木目調の化粧材)の装飾板5によって覆われるので、スタンド1の外観を向上できる。
【0026】
装飾板5は、前面板31の下端側の領域を覆う下装飾板5aと、その下装飾板5aの上方に隣接して前面板31の上端側の領域を覆う上装飾板5bと、を備える。これらの各装飾板5a,5bの各々は、左右方向に4枚ずつ並べられている。つまり、前面板31には、上下2段×左右4列の合計8枚の装飾板5a,5bが取り付けられる。
【0027】
次いで、
図2を参照して、前面板31及び装飾板5の詳細構成について説明する。
図2(a)は、上装飾板5bを取り外した状態を示すスタンド1の正面斜視図であり、
図2(b)は、同状態を示すスタンド1の背面斜視図である。なお、
図2(b)では、4枚の上装飾板5bのうち、左側(矢印L側)に位置する2枚の上装飾板5bを上下反転させた状態を図示している。
【0028】
図2に示すように、前面板31には、上装飾板5bを取り付けるための複数の取付穴31a,31bが貫通している。上下に並ぶ一対の取付穴31a,31bを一組とすると、左右に4組の取付穴31a,31bが並べられている。前面板31の上端側に位置するものが取付穴31aであり、その取付穴31aよりも下方に位置するものが取付穴31bである。上装飾板5bの後面(矢印B側を向く面)には、一対のねじ穴50b,51bが一対の取付穴31a,31bと同一の間隔で上下に並んでいる。前面板31の後方から取付穴31a,31bに挿入したねじ6aを上装飾板5bのねじ穴50b,51bにねじ込むことにより、前面板31に上装飾板5bが取り付けられる。
【0029】
上装飾板5bを上下反転させて前面板31に取り付けることにより、前面板31に対する上装飾板5bの取り付け高さを変更できるようになっている。具体的には、上装飾板5bを反転させる前の状態(
図2(b)に示す上装飾板5bのうち、右側に位置する2枚の上装飾板5bの状態)において、ねじ穴50bから上装飾板5bの上端までの寸法は、ねじ穴51bから上装飾板5bの下端までの寸法よりも小さくなっている。
【0030】
よって、取付穴31aにねじ穴50bをねじ止めする(取付穴31bにねじ穴51bをねじ止めする)場合に比べ、上装飾板5bを上下反転させて取付穴31aにねじ穴51bをねじ止めする(取付穴31bにねじ穴50bをねじ止めする)場合の方が、前面板31に対する上装飾板5bの取り付け高さが高くなる。
【0031】
なお、下装飾板5aは、上装飾板5bと同様のねじ止めの構造によって前面板31に取り付けられているが、下装飾板5aについては、上下反転させても前面板31に対する取り付け高さが不変となるように構成されている。
【0032】
次いで、
図3及び
図4を参照して、上装飾板5bを上下反転させて棚7を取り付ける場合について説明する。
図3は、前面板31の取付領域R1に棚7を取り付ける様子を示すスタンド1の正面斜視図であり、
図4は、
図3の矢印IV方向視におけるスタンド1の正面図である。
【0033】
図3及び
図4に示すように、上装飾板5bを上下反転させて取り付け高さを高くした場合、下装飾板5aと上装飾板5bとの間に前面板31の前面の一部が露出する。以下、この状態を「露出状態」といい、同状態において前面板31が露出している領域を「取付領域R1」という。
【0034】
前面板31の取付領域R1には、棚7を支持する支持部材8を取り付けるための取付穴31cが左右(矢印L-R方向に)一対に形成される。この取付穴31cは、ねじ穴である。支持部材8は、左右に延びる板状の被取付部80を備え、被取付部80には、左右一対の貫通穴80aが貫通している。一対の貫通穴80aの間隔は、前面板31の一対の取付穴31cと同一であり、これらの貫通穴80aに前方側(矢印F側)から挿入したねじ6bを前面板31の取付穴31cにねじ込むことにより、被取付部80が前面板31に取り付けられる。
【0035】
被取付部80の前面からは、一対の板状の支持部81が前方側に延びており、この左右一対の支持部81の各々には、前後(矢印F-B方向)に並ぶ一対の貫通穴81aが形成される。
【0036】
棚7の下面には、図示しない一対のねじ穴が一対の貫通穴81aと同一の間隔で形成されており、貫通穴81aに下方側から挿入したねじ6cを棚7のねじ穴にねじ込むことにより、支持部81に棚7が支持される。なお、支持部材8は、木製の被取付部80及び支持部81を接合することによって形成されているが、それらの各部80,81を一体に形成して良い。
【0037】
棚7は、支柱3よりも左右方向寸法が長い板状に形成され、棚7には、表示装置100(
図1参照)に接続されるDVDレコーダーやゲーム機などの周辺機器101(
図4参照)が載置される。棚7の後方側には、左右に並ぶ一対の円形の配線穴31dが前面板31を貫通しており、周辺機器101から延びる配線W(
図5参照)を、配線穴31dを通して前面板31の背面側に隠すことができる。よって、スタンド1の外観を向上できる。
【0038】
一方、棚7を使用しない場合には、取付領域R1から棚7及び支持部材8を取り外して上装飾板5bを元の状態(
図1の状態)に上下反転させることにより、取付領域R1に形成される取付穴31cや配線穴31dを上装飾板5bで覆うことができる(
図1参照)。以下、取付穴31c及び配線穴31d(前面板31の取付領域R1)を上装飾板5bが覆う状態を「被覆状態」という。
【0039】
このように、本実施形態のスタンド1によれば、上装飾板5bは、取付穴31c及び配線穴31dを露出させる露出状態と、取付穴31c及び配線穴31dを被覆する被覆状態とを形成可能である。これにより、棚7を使用する時にはそれらの取付穴31c及び配線穴31dを露出させる一方、棚7を使用しない時には上装飾板5bで取付穴31c及び配線穴31dを覆い隠すことができる。よって、取付穴31c及び配線穴31dが常に露出することを抑制できるので、スタンド1の外観を向上できる。
【0040】
また、棚7を支持する支持部材8が前面板31の前面に取り付けられるので、従来技術の棚の取り付け構造(例えば、特開2010-283566号公報の
図6に図示される構造)とは異なり、支持部材8が支柱3(側板30)の側面を覆うことが無い。これによってもスタンド1の外観を向上できる。
【0041】
このように、取付穴31cや配線穴31dを覆い隠すことを目的とする場合、例えば、前面板31の取付領域R1に着脱可能な装飾板を別途(上装飾板5bとは別に)設ける構成を採用することも可能である。この構成の場合には、上装飾板5bの高さを高くした状態(
図3の状態)のまま、棚7を使用しない時には別途設けた装飾板を取付領域R1に取り付ける一方、棚7を使用する時には装飾板を取付領域R1から取り外せば良い。
【0042】
しかしながら、前面板31の取付領域R1を覆う装飾板を別途設ける構成であると、棚7を使用する時に、前面板31から取り外した装飾板を別の場所に保管する必要がある。よって、スタンド1の取り扱いが煩雑になる。
【0043】
これに対して本実施形態では、支柱3(前面板31)の前面に上装飾板5bを取り付けた状態で、取付穴31c及び配線穴31dを露出させた状態を形成できる。これにより、上装飾板5bとは別に設けた装飾板で取付穴31c及び配線穴31dを覆い隠す場合とは異なり、上装飾板5bを別の場所に保管することを不要にできる。よって、スタンド1の取り扱いが煩雑になることを抑制できる。
【0044】
また、取付穴31c及び配線穴31dの露出状態と被覆状態とを上装飾板5bで形成することを目的とする場合、例えば、上装飾板5bの取り付け位置を左右に変化させる構成を採用することも可能である。
【0045】
このような構成の一例として、4枚の上装飾板5bのうち、右側の2枚の上装飾板5bと左側の2枚の上装飾板5bとをそれぞれ一体に形成して2枚の上装飾板5bとし、棚7を使用する場合に、それらの2枚の上装飾板5bの固定位置を前面板31の左右の両端側に変更する構成が例示される。
【0046】
しかしながら、上装飾板5bの取り付け位置を左右にずらす構造であると、取付穴31c及び配線穴31dを露出させた(棚7を使用する)時に上装飾板5bが下装飾板5aよりも側方側に突出してしまう。即ち、上下に並ぶ各装飾板5a,5bの左右方向における配置が不揃いになり、スタンド1の外観が悪くなる。また、上装飾板5bの取り付け位置を左右にずらす構造では、取付穴31c及び配線穴31dを露出させた時に、それらの穴の上方側の不要な領域においても前面板31が露出してしまい、これによってもスタンド1の外観が悪くなる。
【0047】
これに対して本実施形態では、上装飾板5bの取り付け高さを変更すること、即ち、支柱3(前面板31)に対する上装飾板5bの取り付け位置を上方側に変化させることによって取付穴31c及び配線穴31dを露出させる構成である。このような構成であれば、下装飾板5aと上装飾板5bとが上下に並べられている場合であっても、それらの各装飾板5a,5bの左右方向における相対位置を変化させることなく、取付穴31c及び配線穴31dを露出させることができる。
【0048】
これにより、取付穴31c及び配線穴31dを露出させる場合に、上下に並ぶ各装飾板5a,5bの左右方向における配置が不揃いになることを抑制できるので、スタンド1の外観を向上できる。また、取付穴31c及び配線穴31dを露出させた際に、それらの穴の上方側の不要な領域で前面板31が露出することを抑制できるので、これによってもスタンド1の外観を向上できる。
【0049】
また、上装飾板5bの取り付け高さを上下方向で変更する場合、取付穴31a,31b(
図2参照)を上下に延びる1本の長穴とし、その長穴に沿って上装飾板5bの取り付け高さを変更する構成を採用することも可能である。しかしながら、そのような構成の場合、上装飾板5bの取り付け高さが長穴に沿って無段階に変更可能となるため、スタンド1の外観の悪化を抑制するためには、左右に並ぶ各上装飾板5bの取り付け高さを調整する(揃える)必要がある。
【0050】
これに対して本実施形態では、左右に並ぶ各上装飾板5bを取り付けるための取付穴31a,31bが上下一対に並べられ、取付穴31a,31bに対する上装飾板5bの取り付け位置を変更する(上装飾板5bを上下反転させて取付穴31a,31bにねじ止めする)ことにより、取付穴31c及び配線穴31dの露出状態と被覆状態とを形成できる。これにより、上述した長穴に沿って上装飾板5bの取り付け高さを変更する場合とは異なり、左右に並ぶ上装飾板5bの取り付け高さを調整することを不要にしつつ、各上装飾板5bの取り付け高さを揃えることができる。よって、上装飾板5bの取り付け高さの変更を容易にしつつ、スタンド1の外観を向上できる。
【0051】
また、このような取り付け高さの調整を不要にする構成の別例として、一対の取付穴31a,31bに加え、取付穴31aの上方側と、取付穴31bの上方側とのそれぞれに取付穴を追加する構成が例示される。このような構成であれば、上装飾板5bを上下反転させることなく(
図2(a)の状態のまま)、追加した取付穴に上装飾板5bをねじ止めすることによって上装飾板5bの取り付け高さを高くできる。しかしながら、このような構成であると、取付穴を多数形成する必要があり、スタンド1の製造コストが増大する。
【0052】
これに対して本実施形態では、上装飾板5bを上下反転させて取付穴31a,31bにねじ止めすることにより、取付穴31c及び配線穴31dの露出状態と被覆状態とを形成できる。即ち、共通の取付穴31a,31bを利用して上装飾板5bの取り付け高さを変更できるので、前面板31に形成する取付穴31a,31bの個数を低減できる。よって、スタンド1の製造コストを低減できる。
【0053】
次いで、
図3~
図5を参照して、棚7の取り付け構造の詳細について説明する。
図5は、
図4のV-V線におけるスタンド1の部分拡大断面図である。なお、
図5では、前面板31の取付穴31bを通して上装飾板5bのねじ穴50bにねじ込まれるねじ6a(
図2参照)の図示を省略している。
【0054】
図3~
図5に示すように、前面板31の取付領域R1に取り付けられる支持部材8の被取付部80は、その上下方向寸法が取付領域R1の上下方向寸法(露出状態における各装飾板5a,5bの間隔)よりも僅かに小さく形成され、左右方向寸法が取付領域R1の左右方向寸法(左右の側板30の間隔)よりも僅かに小さく形成される。即ち、被取付部80は、後述する切欠き80cが形成される領域を除き、前面板31の取付領域R1の略全体を覆っている。また、被取付部80の厚み(矢印F-B方向における厚さ)は、各装飾板5a,5bと略同一である。
【0055】
支持部材8の被取付部80の上面80b(
図5参照)は、左右方向視において配線穴31dと前後に並ぶ高さにあり、被取付部80には、その上面80bを切欠くことによって切欠き80cが形成される。この切欠き80cが配線穴31dに連なっているので、周辺機器101の配線Wを配線穴31d側に延ばすための経路を形成できる。
【0056】
支持部材8の支持部81は、切欠き80cを挟んで左右一対に形成され(
図3又は
図4参照)、一対の支持部81の上面は、被取付部80の上面80bと略一致する高さである。この支持部81の上面に棚7が支持されるので、棚7は、被取付部80の上面80bよりも上方側で、上装飾板5bの前面の下端部分を前方側から覆うようにして配置される。棚7は、上装飾板5b(下装飾板5a)と同様の装飾が施された木製の板(木目調の化粧材)であり、棚7の後端と上装飾板5bとの間の隙間は僅かである。これにより、上装飾板5bと棚7との一体感を高めてスタンド1の外観を向上できる。
【0057】
このように、本実施形態では、棚7は、上装飾板5bの前方側で支持部材8(支持部81)に支持されるので、棚7を見下ろす角度でスタンド1を見た場合に、上装飾板5bの下方に位置する被取付部80の切欠き80cが視認され難くなる。よって、スタンド1の外観を向上できる。
【0058】
また、棚7の後端には切欠き70が形成されているので、上装飾板5bの前方側に棚7が配置される場合であっても、棚7と上装飾板5bとの間の配線Wの経路を切欠き70によって確保できる。よって、配線穴31dに周辺機器101の配線Wを容易に通すことができる。
【0059】
また、棚7(支持部材8)を前面板31の取付領域R1に取り付けた状態においては、棚7が前後方向視において配線穴31dと重なる位置に配置される。これにより、配線穴31dを棚7で覆い隠すことができる。また、同状態において、棚7の上面が配線穴31dよりも上方側に位置するので、棚7を見下ろす角度でスタンド1を見た場合に配線穴31dが視認され難くなる。よって、スタンド1の外観を向上できる。
【0060】
また、切欠き70,80cは、左右一対の配線穴31dの形成領域にわたって左右に延びており、切欠き70,80cの左右の両端は、一対の配線穴31dよりも左右方向外側に位置している。これにより、周辺機器101の配線Wを切欠き70,80cに通し易くできる。
【0061】
次いで、
図6を参照して、第2実施形態のスタンド201について説明するが、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)は、第2実施形態のスタンド201の正面斜視図であり、
図6(b)は、取付領域R3から取り外した装飾板205を保持領域R2に取り付ける様子を示すスタンド201の正面斜視図である。なお、
図6では、装飾板205に隠れている配線穴31dを破線で図示している。
【0062】
図6に示すように、第2実施形態のスタンド201は、支柱3の前面板31に取り付けられる装飾板205を備える。装飾板205は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状に形成される点を除き、第1実施形態の装飾板5(下装飾板5a及び上装飾板5b)と同一の構成である。
【0063】
装飾板205は、上下方向に6枚並べられており、それらの装飾板205のうち、上から2~4段目に位置する装飾板205の背面側には配線穴31dが形成される。即ち、左右に並ぶ一対の配線穴31dを一組とすると、三組の配線穴31dが上下に並べられている。
【0064】
配線穴31dを挟んだ左右の両側には、一対の取付穴231eが前面板31を貫通している。装飾板205の背面(矢印B側を向く面)には、図示しないねじ穴が一対の取付穴231eと対応する位置に形成されており、取付穴231eの背面側から挿入したねじ(図示せず)を装飾板205のねじ穴にねじ込むことにより、前面板31に装飾板205が取り付けられる。
【0065】
複数の装飾板205よりも上方側では、前面板31の前面が露出している。以下、この領域を保持領域R2と記載する。保持領域R2にも取付穴231eと同様の取付穴231fが形成されており、配線穴31d及び取付穴231eを覆う装飾板205を前面板31から取り外した後、取付穴231fを用いて装飾板205を保持領域R2に取り付けられるようになっている。
【0066】
保持領域R2に形成される取付穴231fは、支持金具4に取り付けた表示装置100(
図1参照)と前後方向で重なる位置に配置される。これにより、保持領域R2に装飾板205が取り付けられていない場合でも、取付穴231fを表示装置100で覆い隠すことができる。よって、スタンド201の外観を向上できる。
【0067】
以下、装飾板205を取り外して配線穴31d及び取付穴231eを露出させた状態(
図6(b)の状態を「露出状態」といい、同状態において前面板31が露出している領域を「取付領域R3」という。前面板31の取付領域R3には、第1実施形態で説明したものと同様の棚7(
図3参照)を取り付けることが可能になっている。取付領域R3に棚7を取り付けるための構成の一例として、支持部材8(
図3参照)の被取付部80の背面側にねじ穴を形成し、取付穴231eに後方側から挿入したねじを被取付部80のねじ穴にねじ込む構成が例示される。
【0068】
一方、棚7を使用しない場合には、保持領域R2から取り外した装飾板205を取付領域R3に戻す(取付穴231eにねじ止めして
図6(a)の状態とする)ことにより、配線穴31d及び取付穴231eを装飾板205で覆うことができる。以下、配線穴31d及び取付穴231e(取付領域R3)を装飾板205が覆う状態を「被覆状態」という。
【0069】
このように、本実施形態のスタンド201においても、装飾板205は、配線穴31d及び取付穴231eを露出させる露出状態と、それらの穴を被覆する被覆状態とを形成可能である。これにより、配線穴31d及び取付穴231eが常に露出した状態になることを抑制できるので、スタンド201の外観を向上できる。また、棚7を支持する支持部材8(
図3参照)が前面板31の前面に取り付けられ、支持部材8が支柱3(側板30)の側面を覆うことが無いので、スタンド201の外観を向上できる。
【0070】
また、装飾板205と支持部材8とを共通の取付穴231eを用いてねじ止めできるので、それらの取付穴(ねじ穴)を別個に設ける場合に比べてスタンド201の製造コストを低減できる。
【0071】
また、支柱3(前面板31)の保持領域R2に装飾板205を取り付けた状態で、配線穴31d及び取付穴231eを露出させた状態を形成できる。即ち、取付領域R3から取り外した装飾板205を別の場所に保管する必要が無いので、スタンド201の取り扱いが容易になる。なお、上下に並ぶ複数組の配線穴31d及び取付穴231eが別々の装飾板205によって覆われているので、前面板31から取り外して保持領域R2に保持する装飾板205を変更することにより、棚7の高さの変更を可能にしつつ、棚7に支持される周辺機器101の配線W(
図5参照)を配線穴31dに通すことができる。
【0072】
ここで、配線穴31d及び取付穴231eの露出状態と被覆状態とを装飾板205で形成することを目的とする場合、例えば、装飾板205の取り付け位置を左右に変化させる構成を採用することも可能である。このような構成の一例として、装飾板205を左右に2分割し、その分割した2枚の装飾板205の取り付け位置を前面板31の左右の両端側にずらす構成が例示される。しかしながら、このような構成の場合、各装飾板205が上下に並べられているため、左右に取り付け位置を変更させた装飾板205が他の装飾板205よりも側方側に突出してしまい、スタンド201の外観が悪くなる。
【0073】
これに対して本実施形態では、装飾板205の取り付け位置を保持領域R2に変更すること、即ち、支柱3(前面板31)に対する装飾板205の取り付け位置を上方側に変化させることにより、配線穴31d及び取付穴231eを露出させる構成である。これにより、上下に並ぶ各装飾板205の左右方向における相対位置を変化させることなく、配線穴31d及び取付穴231eを露出させることができるので、スタンド201の外観を向上できる。
【0074】
以上、上記実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0075】
上記各実施形態では、周辺機器101の配線Wを通すための配線穴31dや、支持部材8を取り付けるための取付穴31c,231eが支柱3(前面板31)の前面に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、配線穴31d又は取付穴31c,231eを省略しても良い。取付穴31c,231eを省略する場合には、他の公知の支持構造によって棚を支持すれば良い。公知の支持構造としては、特開2010-283566号公報や国際公開第2020/105185号に開示される構造が例示される。また、上記各実施形態では、棚7が支柱3よりも左右方向寸法が長い板状に形成される場合を説明したが、棚7の左右方向寸法を支柱3と同一に(又はそれよりも小さく)することは当然可能である。即ち、棚7の形状や支持構造は、上記の形態に限定されるものではない。
【0076】
上記各実施形態では、支柱3の前面を構成する前面板31に配線穴31dや取付穴31c,231eが形成され、それらの穴が上装飾板5bや装飾板205によって覆われる場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、支柱の前面に飾り板のような他の部材が取り付けられ、その他の部材に形成された配線穴31dや取付穴31c,231eを上装飾板5bや装飾板205によって覆う構成でも良い。この他の部材としては、国際公開第2020/105185号などに開示される飾り板が例示されるが、この飾り板のような他の部材が支柱の前面に取り付けられる(他の部材が支柱の一部を構成する)スタンドにおいては、かかる他の部材の前面が「支柱の前面」に相当する。
【0077】
上記各実施形態では、配線穴31dや取付穴31c,231eを覆う部材(被覆部材)の一例として上装飾板5bや装飾板205を例示したが、必ずしもこれに限られない。例えば、それらの穴を覆う部材は、板状で無くても良いし、支柱3(前面板31)を装飾するものでなくても良い。即ち、配線穴31dや取付穴31c,231eの露出状態と被覆状態とを形成可能なものであれば、被覆部材の形状や材質は適宜設定できる。
【0078】
上記第1実施形態では、各装飾板5a,5bが上下2段×左右4列に設けられる場合を説明し、第2実施形態では、装飾板205が上下6段×左右1列に設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、下装飾板5a及び上装飾板5bを1枚または2枚以上の板から構成しても良いし、下装飾板5aを省略しても良い。また、各装飾板205を1枚の板から構成しても良いし、装飾板205を左右に複数分割しても良い。即ち、各装飾板5a,5b,205の段数や列数は適宜変更できる。
【0079】
上記各実施形態では、支柱3(前面板31)の前面に上装飾板5b及び装飾板205が取り付けられた状態で、配線穴31dや取付穴31c,231eを露出させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、配線穴31dや取付穴31c,231eを覆う被覆部材を支柱3(前面板31)から取り外した後、その取り外し後の被覆部材が支柱3(前面板31)に対して取り付け不能であっても良い。また、かかる取り外し後の被覆部材を支柱3の他の部位(側板30の内面や前面板31の背面)に固定する構成でも良い。
【0080】
上記各実施形態では、支柱3に対する上装飾板5b及び装飾板205の取り付け高さを変化させることにより、配線穴31dや取付穴31c,231eの露出状態と被覆状態とを形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、上装飾板5b及び装飾板205の取り付け位置を左右(又は斜め)にずらすことによって露出状態と被覆状態とを形成しても良い。
【0081】
上記各実施形態では、取付穴31a,31b,231e,231fに対する取り付け位置を変更することによって上装飾板5b及び装飾板205の取り付け位置を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、長穴に沿って上装飾板5b及び装飾板205の取り付け(ねじ止め)位置を無段階に変化させる構成でも良い。また、スライドレールに上装飾板5b及び装飾板205をスライド可能に支持し、そのスライド変位を露出状態と被覆状態とで固定(ロック)可能にする構成も良い。即ち、配線穴31dや取付穴31c,231eの露出状態と被覆状態とを形成できる構成であれば、上装飾板5b及び装飾板205の配置を変化させる手段は他の公知の構造を適用できる。
【0082】
上記第1実施形態では、上装飾板5bを上下反転させて取付穴31a,31bに取り付けることによって露出状態と被覆状態とが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、取付穴31aの上方側と、取付穴31bの上方側とのそれぞれに取付穴を追加し、上装飾板5bを上下反転させることなく(
図2(a)の状態のまま)、追加した取付穴に上装飾板5bをねじ止めすることによって上装飾板5bの取り付け高さを高くする構成でも良い。また、このような構成を採用する場合には、取付穴の数を更に増やすことによって上装飾板5bの取り付け高さを段階的に変化させても良い。
【0083】
上記各実施形態では、棚7が前後方向視において露出状態の配線穴31dと重なる位置に配置され、棚7の上面が露出状態の配線穴31dよりも上方側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、棚7が配線穴31dより上方または下方に位置していても良いし、棚7の上面と配線穴31dとが前後に並ぶ高さにあっても良い。
【0084】
上記各実施形態では、棚7の後端に切欠き70が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、切欠き70を省略しても良い。切欠き70を省略する場合には、配線Wを通せる程度に上装飾板5bと棚7との隙間を確保したり、棚7の上面と被取付部80の切欠き80cとが前後に並ぶ位置まで棚7の高さを下げたりすれば良い。
【0085】
上記各実施形態では、配線穴31dに配線Wを通すための連通穴の一例として、被取付部80の上面80bを切欠いて形成される切欠き80cを例示したが、必ずしもこれに限られない。例えば、配線穴31dに配線Wを通すための連通穴の他の例として、被取付部80を貫通する貫通穴が例示される。
【0086】
上記各実施形態では、装飾板5,205と棚7とが共に木目調の化粧材である場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、装飾板5,205又は棚7のいずれか一方または両方が石目調などの他の装飾が施された化粧材であっても良し、木以外の他の公知の材料を用いて装飾板5,205や棚7を形成することも当然可能である。
【符号の説明】
【0087】
1,201 スタンド
2 ベース
3 支柱
31a 取付穴(第2取付穴)
31b 取付穴(第2取付穴)
31c 取付穴(第1取付穴)
31d 配線穴
231e 取付穴(第1取付穴)(第2取付穴)
231f 取付穴(第2取付穴)
5a 下装飾板(下被覆部材)(被覆部材)
5b 上装飾板(上被覆部材)(被覆部材)
205 装飾板(下被覆部材)(上被覆部材)(被覆部材)
7 棚
70 切欠き
8 支持部材
80 被取付部
80c 切欠き(連通穴)
81 支持部
100 表示装置
101 周辺機器