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  • 特開-トレーニング装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012208
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】トレーニング装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/00 20060101AFI20240118BHJP
   A63B 23/12 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A63B23/00 F
A63B23/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177893
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2022112794の分割
【原出願日】2022-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】512158697
【氏名又は名称】有限会社クラブクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】都築 岳郎
(57)【要約】
【課題】
トレーニング装置であって、特に健常者と車椅子利用者のいずれにも使用しやすいトレーニング装置を提供する。
【解決手段】
シートを備えるトレーニング装置において、
シートとトレーニング装置を連結させるシート連結手段と、
シートを移動させるシート移動手段と、
シートを最適な位置で固定させるシート固定手段を備えて、
シートが健常者に適したシート固定位置で固定し、
シートが車椅子利用者に適したシート位置に移動可能なトレーニンング装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを備えるトレーニング装置において、
前記シートとトレーニング装置本体を連結させるシート連結手段と、
前記シートを移動させるシート移動手段と、
前記シートを最適な位置で固定させるシート固定手段を備えて、
前記シートが健常者に適したシート固定位置で固定し、
前記シートが車椅子利用者に適したシート位置に移動可能なトレーニング装置であって、
前記シート連結手段は、前記トレーニング装置本体の中央に設けられる水平回転軸ベースに対してシートフレームが左右に回転可能に連結される水平回転体であり、
前記シート移動手段は、前記シート下に凸設された脚部とその脚部の先端に設けられた車輪であり、
前記シート固定手段は、前記水平回転軸ベースと前記シートフレームを固定する固定ピンであることを特徴とするトレーニング装置。
【請求項2】
前記シートフレームには、前記水平回転体の回転軸中心から予め定めた間隔の位置に前記固定ピンとしてバネ式ピンが配置され、前記水平回転軸ベースには前記回転軸中心から前記間隔の位置に窪みが設けられることを特徴とする請求項1に記載のトレーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニング装置であって、特に健常者と車椅子利用者のいずれにも使用しやすいトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トレーニング装置は、身体の特定の位置の筋肉に対して筋力トレーニングやストレッチ運動を行う事から、多種多様な形態の装置が使用されている。
【0003】
例えば、出願人は肩部のストレッチを行なうために、ストレッチマシン「ショルダーウイング装置」を社会に提供している。
【0004】
ショルダーウイング装置2は、主に肩甲骨、肩関節、脊柱と、それらに連結される僧帽筋、広背筋、菱形筋、脊柱起立筋、三角筋等上半身全体の筋肉を動かす装置である。ショルダーウイング装置2の構成は、本体ベース4の一端に、ウェイトフレーム6が立設し、他端にアーム支持フレーム8が立設し、本体ベース4に着座部ベース10がアーム支持フレーム8側端部に連結されて、その端部にはシート支持フレーム12が立設される。ウェイトフレーム6とアーム支持フレーム8は、横フレーム14でも連結されている。
【0005】
アーム支持フレーム8の先端には、回転軸16が水平方向になりその回転軸周りに二枚の連結板19が回動自在に設置されている。二枚の連結板19と連結されるアーム18は、前記底部から二股に延在して、それぞれに中途にパッド20で被覆され、端部には回転軸22がアーム18に垂直方向となるように回動自在に設けられ,U字形状したU字ハンドル24が備えられている。
【0006】
シート支持フレーム12の先端には、シート42が配置され、シート支持フレーム12は、シート横フレーム44でアーム支持フレーム8と連結される。
【0007】
ショルダーウイング装置2において使用者は、本発明に係るショルダーウイング装置2のシート42に腰掛け、両手でそれぞれU字ハンドル24に手をかける。この時、被測定者はU字ハンドル24を掴んで押し下げストレッチ運動を行う。健常者は、自由にシート42に腰掛けて、ストレッチ運動が可能である。また、シート42の位置は、シート支持フレーム12で支持されているため、シート42は最適な位置に固定されており、健常者は最適な位置でストレッチ運動が可能である。
【0008】
ところで、このショルダーウイング装置2では、車椅子を利用する高齢者や身障者が使用を試みる場合、高齢者や身障者の車椅子と、シート42、シート横フレーム44、着座部ベース10が干渉してしまい、シート42を物理的に取り除かなければならない。また、取り除いた場合、当然のことながら、元に戻すことは容易ではない。
【0009】
そこで、特許文献1は、運動補助具1と椅子5とを独立させ、特許文献1の図7の様に高齢者や身障者が車椅子に乗車したままで運動ができる様子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2019-198536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
既存のショルダーウイング装置2は、車椅子に乗車したままで使用することができない。また、仮にシート42、シート横フレーム44,着座部ベース10を取り除いてしまうと、再びシートの取り付けは容易では無い。
【0012】
また、特許文献1の場合は、車椅子を利用した場合は問題ないものの、健常者が利用した場合、従来の固定シートの場合と異なり、シートの配置に自由度が生じ、必ずしもトレーニング装置に対して左右のアームの中心線と椅子の中心軸が一致する左右の中心位置となる場合や、最適な位置に配置できない場合が生じる。この場合適切なトレーニングが行えない場合があった。
また、特許文献1では、車椅子利用者が利用する場合は椅子を手動で移動させることとなる。また、車椅子利用者が利用を完了して引き続き健常者が利用する場合は椅子を元の位置に再び手動で移動させることとなり極めて煩雑である。しかも、前記の通り、健常者が利用するためには最適な位置に正確に戻す必要があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、健常者と車椅子利用者のいずれもが左右のアームの中心位置または最適な位置でトレーニングできるよう椅子の位置の切り換えを容易にしたトレーニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るトレーニング装置は、シートを備えるトレーニング装置において、シートとトレーニング装置を連結させるシート連結手段と、シートを移動させるシート移動手段と、シートを最適な位置で固定させるシート固定手段を備えて、シートが健常者に適したシート固定位置で固定し、シートが車椅子利用者に適したシート位置に移動可能である。
シート連結手段は、トレーニング装置本体とシートフレームを連結する水平回転体であることを特徴とする。
シート連結手段は、トレーニング装置本体とシートフレームを連結する垂直回転体であることを特徴とする。
回転体には、回転軸、丁番を含むものとする。
シート連結手段は、トレーニング装置本体に設けられるレールと、シートフレームに設けられる水平移動体で連結されることを特徴とする。
シート移動手段は、シート下に凸設された脚部とその脚部の先端に設けられた車輪であることを特徴とする。
シート移動手段は、係止体、台座などを採用することもできる。
シート固定手段は、トレーニング装置本体とシートフレームを固定するバネ式ピンであることを特徴とする。シート固定手段は、差しピンなどを採用することもできる。
シート連結手段は、折り畳み可能な複数枚からなるシート間または前記シートとトレーニング装置との間に設けられる回転体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトレーニング装置の使用によって、健常者と車椅子利用者のいずれにも使用しやすいトレーニング装置であって、健常者が使用する場合も最適な位置にシートが配置可能となり、車椅子利用者も最適な位置で使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のショルダーウイング装置の構成図である。
図2】本発明に係るショルダーウイング装置の実施例1の構成図である。
図3】本発明に係るショルダーウイング装置の実施例1の椅子を移動した際の構成図である。
図4】本発明に係るショルダーウイング装置の実施例2の構成図である。
図5】本発明に係るショルダーウイング装置の実施例3の構成図である。
図6】本発明に係るショルダーウイング装置の実施例4の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を説明するために実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する全ての図面において、同一の構成要素には同一の符号を付加し、適宜説明を省略する。
【0018】
(実施例1)
本発明に係る実施例1は、本発明に係るショルダーウイング装置62である。その概要を図2に示す。
【0019】
ショルダーウイング装置62の構成は、ウェイトを内蔵するウェイトフレーム66とアーム68a、68bを搭載するアーム支持フレーム70とが本体ベース72で連結される。
【0020】
アーム支持フレーム70は、本体ベース72とは反対側にシートフレーム水平回転軸74を搭載する水平回転軸ベース76が水平方向に凸設される。
【0021】
ウェイトフレーム66とアーム支持フレーム70はそれぞれ底部に幅広の底板78,80が設けられて支持されている。
【0022】
長方形のシート82の裏面には鉛直下向きに脚部84が凸設されて、その下端に水平移動可能な車輪86が設けられる。この脚部84の中間から水平方向にシートフレーム88が凸設してその端部でシートフレーム水平回転軸74と水平方向に回動可能に連結される。
【0023】
シートフレーム88には、回転軸74中心から特定間隔Lの位置にバネ式ピン94が配置され、水平回転軸ベース76には回転軸74中心から特定間隔Lの位置に窪み92が設けられる。このバネ式ピン94の先端が窪み92で係止めされるとシートフレーム88は、回動が固定される。他方、バネ式ピン94が引張されて窪み92の係止めから解放されるとシートフレーム88は回動自在となる。
【0024】
アーム支持フレーム70の最上部には回転軸96がウェイトフレーム66の上部と平行で水平方向に設けられる。
【0025】
この回転軸96の両端には互いに独立に回転軸96に回動可能な連結板98a,98bがそれぞれ取り付けられている。
【0026】
連結板98a,98bの一端には、L字形状のアーム68a、68bが、ウェイトフレーム66と反対側にそれぞれ設けられる。連結板98a,98bの他端には、カウンターウェイト100a、100bが設けられる。連結板98a,98bは、それぞれ第二貫通孔99a、99bが設けられ、この貫通孔に固定ピン101が挿入されると連結板98a,98b及びアーム68a、68bが互いに同期することができる。
【0027】
カウンターウェイト100a、100bの両端はワイヤ102で左右ともそれぞれ連結されており、このワイヤ102は、その中央で動滑車104で引張されている。この動滑車104はさらなるワイヤ106で引張され、このワイヤ106は本体ベース72に固定される固定滑車108とウェイトフレーム66下部に固定される固定滑車110及びウェイトフレーム66上部に固定される固定滑車111を介してウェイトフレーム66に内蔵されるウェイトに連結される。
このように構成されることで、利用者の左腕で左側のアーム68aを押し下げると、カウンターウェイト100aが上に移動することで、動滑車104を移動させることができる。
また、利用者の右腕で右側のアーム68bを押し下げると、カウンターウェイト100bが上に移動することで、動滑車104を移動させることもできる。
さらに、利用者が両腕で同時に左右のアーム68a,68bを押し下げると、両側のカウンターウェイト100a、100bが同時に上に移動することで動滑車104をさらに移動させることもできる。
このショルダーウイング装置62は、左右の腕を用いて操作するため、操作者は適切な位置のシートに腰掛けることで、左右の腕を適切に使用できてより良いトレーニングを行うことができる。
すなわち、ワイヤ102は、カウンターウェイト100aに連結されて、動滑車104の車輪側を経由してカウンターウェイト100bに連結される。このため、アーム68aを下側に押圧すればカウンターウェイト100aが上昇してワイヤ102はカウンターウェイト100a側に引張される。他方、アーム68bを下側に押圧すればカウンターウェイト100bが上昇してワイヤ102はカウンターウェイト100b側に引張される。このとき、動滑車104は、ワイヤ102が引張されて上昇する。
一方、ワイヤ106は、一端が動滑車104に連結され、固定滑車108と固定滑車110及びウェイトフレーム66上部に固定される固定滑車111を介してウェイトフレーム66に内蔵される図示されないウェイトに連結され、動滑車104が引張されるとワイヤ106を介してウェイトが引張される。
【0028】
(本発明実施例1の動作について)
本ショルダーウイング装置62を健常者が使用する場合は、バネ式ピン94が窪み92で係止された状態で使用する。この場合、アーム68a、68bに対してシート82の位置が変化することなく、設計された位置に配置できる(図2)ことができる。
【0029】
他方、車椅子利用者が使用する場合はバネ式ピン94が窪み92での係止めから解放されるとシートフレーム88は回動自在として、シート82を移動させることができる(図3)。それにより車椅子利用者が車椅子から降りることなくトレーニングが可能となり、かつそのシート82の位置の変更が容易に可能である。
【0030】
(実施例2)
本発明の実施例2である本ショルダーウイング装置201について実施例1と異なる点を中心に説明する。
アーム支持フレーム70は、本体ベース72とは反対側にシートフレーム垂直回転軸200を設けられる垂直回転軸ベース202が水平方向に凸設される。
【0031】
ウェイトフレーム66とアーム支持フレーム70はそれぞれ底部に幅広の底板78,80が設けられて支持されている。
【0032】
長方形のシート82の裏面には鉛直下向きに脚部204が凸設されて、その下端に脚端部206が設けられる。この脚部204の中間から水平方向にシートフレーム208が凸設してその端部でシートフレーム垂直回転軸200と垂直方向に回動可能に連結される。垂直に回動した際に、シート82を固定する手段を別途設けることもできる。
【0033】
(本発明実施例2の動作について)
本ショルダーウイング装置201を健常者が使用する場合は、シート82が水平な状態で使用する。この場合、アーム68a、68bに対してシート82の位置が変化することなく、設計された位置に配置することができる。
【0034】
他方、車椅子利用者が使用する場合はシート82を持ち上げシートフレーム垂直回転軸200を軸に垂直方向に回転し垂直状態で固定停止する(図4)。車椅子利用者が車椅子から降りることなくトレーニングが可能となり、かつそのシート82の位置の変更が容易に可能である。
【0035】
(実施例3)
本発明の実施例3である本ショルダーウイング装置219について実施例1、2と異なる点を中心に説明する。
アーム支持フレーム70は、本体ベース72とは反対側にシート支持ベース220が水平方向に凸設される。シート支持ベース220の端部で、回転軸231を介してシート支持フレーム222と連結し、このシート支持フレーム222はその側面に前方シート226が搭載されている。前方シート支持フレーム222は、平丁番232を介して後方シート支持フレーム227と連結される。後方シート支持フレーム227はその側面に後方シート228が搭載されている。
前方シート226と後方シート228とを組み合わせてシート224となる。後方シート支持フレーム227は、回転軸233を介して脚部フレーム230と連結される。脚部フレーム230の端部には底板234が設けられる。
【0036】
(本発明実施例3の動作について)
本ショルダーウイング装置219を健常者が使用する場合は、シート224が水平な状態で使用する。すなわち、シート支持ベース220、回転軸231、平丁番232、後方シート支持フレーム227が一直線となり、その上に前方シート226と後方シート228が搭載され、回転軸233で脚部フレーム230は90度で下方に曲がり支持される。前方シート226および後方シート228はその中央で水平となるように平丁番232が開き2枚のシートが連結されて動作可能となる、
この場合、アーム68a、68bに対してシート224の位置が変化することなく、設計された位置に配置できることができる。
【0037】
他方、車椅子利用者が使用する場合は、シート支持ベース220は、回転軸231で前方シート支持フレーム222と連結されているが、この前方シート支持フレーム222は回転軸231で鉛直上向きに立設する。さらに、この前方シート支持フレーム222は、平丁番232を介して後方シート支持フレーム227と連結されるが、この後方シート支持フレーム227は下向きに配置される。そして、この後方シート支持フレーム227は、回転軸233を介して脚部フレーム230に連結されて、脚部フレーム230も下向きに配置される。
この為、シート224の奥行が大幅に短縮される。車椅子利用者が車椅子から降りることなくトレーニングが可能となり、かつそのシート224の位置の変更が容易に可能である(図5)。
実施例1、2,3はいずれも手動で制御するが、何れもステッピングモータを利用して電動制御モータで管理することもできる。
【0038】
(実施例4)
本発明の実施例4である本ショルダーウイング装置298について実施例1、2、3と異なる点を中心に説明する。
アーム支持フレーム70は、本体ベース72とは反対側にシート支持ベース300が水平方向に凸設される。このシート支持ベース300の上に、水平にレール302が配置されてその両端でフレーム304、306で支持される。
シート318は、下端に車輪316が設けられるシート支持フレーム314で支えらる。シート支持フレーム314からは水平方向にシート支持ベース312が凸設される。シート支持ベース312は、その端部にガイド308が設けられ、ガイド308の下端にはレール302と係合する図示せぬ溝部が設けられる。このレール302に沿ってシート318は横方向に移動可能である。
【0039】
(本発明実施例4の動作について)
本ショルダーウイング装置298を健常者が使用する場合は、シート318が本発明装置のシート支持ベース300の近傍に配置することができる。
他方、車椅子利用者が本ショルダ―ウイング装置298を使用する場合は、ガイド308をレール上でスライドさせて、車椅子利用者が自由自在に本ショルダーウイング装置298を利用することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6