(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122084
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】製パン機
(51)【国際特許分類】
A47J 37/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A47J37/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029416
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】株式会社ツインバード
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】廣田 諒平
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB04
4B040AC01
4B040AC15
4B040AC16
4B040AE05
4B040CA05
4B040CA14
4B040CA18
4B040NB03
(57)【要約】
【課題】蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる製パン機を提供することを目的とする。
【解決手段】第1空間部29内に、第2空間部30が設けられる。この第2空間部30は、蓋体3の左右側にそれぞれ設けられる。蓋体3の左側に設けられる左第2空間部30Aは、中蓋18の前側の壁と中蓋18の左側の壁と上蓋19と仕切り部材31で囲われた空間である。また、蓋体3の右側に設けられる右第2空間部30Bは、中蓋18の前側の壁と中蓋18の右側の壁と上蓋19と仕切り部材32で囲われた空間である。加熱室6の熱は、第1空間部29と仕切り部材31,32を介して第2空間部30に伝わるため、第2空間部30は第1空間部29より温度上昇が抑えられる。したがって、第2空間部30の範囲内に設けられるつまみ部21も温度上昇が抑えられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に加熱室が設けられた本体と、前記加熱室内に着脱可能に収納される加熱容器と、前記加熱容器を前記加熱室内に出し入れするための開口部と、前記開口部を開閉自在に覆う蓋体とを有する製パン機において、
前記蓋体が外カバーと内カバーで構成され、前記外カバーがつまみ部を有し、前記外カバーと前記内カバーとで囲われた空間を第1空間部とし、前記第1空間部内に仕切り部材が設けられ、前記外カバーと前記仕切り部材で囲われた空間を第2空間部とし、前記第2空間部を構成する前記外カバーの範囲内に前記つまみ部が設けられることを特徴とする製パン機。
【請求項2】
前記第2空間部が前記つまみ部付近のみに設けられることを特徴とする請求項1に記載の製パン機
【請求項3】
前記仕切り部材が前記外カバー及び前記内カバーより伝熱性が低い材料で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の製パン機。
【請求項4】
前記仕切り部材が前記外カバーと一体で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の製パン機。
【請求項5】
前記つまみ部が前記外カバーの側面に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の製パン機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の製パン機として、加熱室を有する本体と加熱室の開口部を開閉自在に覆う蓋体と蓋体の開閉のための突起部分(本発明のつまみ部に相当する)とを有し、蓋体が外蓋(本発明の外カバーに相当する)と遮熱板と内蓋(本発明の内カバーに相当する)とで構成された構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような蓋体の構造の製パン機では、加熱室から上がってきた熱が十分に遮熱できず、熱がつまみ部に伝わりやすいため、つまみ部の温度が高くなり、使用者が火傷をしてしまう虞があった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる製パン機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の製パン機は、内部に加熱室が設けられた本体と、前記加熱室内に着脱可能に収納される加熱容器と、前記加熱容器を前記加熱室内に出し入れするための開口部と、前記開口部を開閉自在に覆う蓋体とを有する製パン機において、前記蓋体が外カバーと内カバーで構成され、前記外カバーがつまみ部を有し、前記外カバーと前記内カバーとで囲われた空間を第1空間部とし、前記第1空間部内に仕切り部材が設けられ、前記外カバーと前記仕切り部材で囲われた空間を第2空間部とし、前記第2空間部を構成する前記外カバーの範囲内に前記つまみ部が設けられるものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の製パン機は、請求項1において、前記第2空間部が前記つまみ部付近のみに設けられるものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の製パン機は、請求項1または請求項2において、前記仕切り部材が前記外カバー及び前記内カバーより伝熱性が低い材料で形成されるものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の製パン機は、請求項1または請求項2において、前記仕切り部材が前記外カバーと一体で形成されるものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の製パン機は、請求項1または請求項2において、前記つまみ部が前記外カバーの側面に設けられるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に記載の製パン機は、以上のように構成することにより、前記外カバーと前記仕切り部材とで囲われた前記第2空間部が前記つまみ部の断熱空間部となるので、前記つまみ部の温度を下げることができ、蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる。
【0012】
また、前記第2空間部がつまみ部付近のみに設けられることにより、前記加熱室の熱の排熱流路への影響を抑えつつ、前記つまみ部の温度を下げることができ、蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる。
【0013】
また、前記仕切り部材が前記外カバー及び前記内カバーより伝熱性が低い材料で形成されることにより、前記第2空間部への熱の伝わりを抑えることができるので、よりつまみ部の温度を下げることができ、蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる。
【0014】
また、前記仕切り部材が前記外カバーと一体で形成されることにより、部品点数を減らすことができ、より安価に製パン機を製造することができる。
【0015】
さらに、前記つまみ部が前記外カバーの側面に設けられることにより、よりつまみ部への伝熱を抑えることができるので、前記つまみ部の温度を下げることができ、蓋体開閉時の使用者の火傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第一及び第二の実施形態を示す製パン機の斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】同、製パン機の斜め後方から見た斜視図である。
【
図3】同、製パン機の蓋体を開けた状態の斜視図である。
【
図5】本発明の第一の実施形態を示す製パン機のつまみ部の断面図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態を示す製パン機のつまみ部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第一の実施形態について、
図1から
図6を用いて説明する。なお、実施形態の説明において、
図1の左下方向を前、右上方向を後、右下方向を右、左上方向を左とする。
【0018】
1は本発明の製パン機である。この製パン機1は、本体2と、蓋体3とを有して構成される。そして、前記本体2と前記蓋体3は、それぞれの後部に設けられたヒンジ機構4によって接続され、このヒンジ機構4によって、前記蓋体3は前記本体2に対して、開閉自在に動かすことができる。
【0019】
また、前記本体2の前側にはタッチパネル式の操作部5が設けられ、この操作部5でメニューの選択や各メニューの開始等を操作することができる(タッチパネルの表示や各メニューの詳細は省略する。)。
【0020】
前記本体2は、加熱室6と、この加熱室6の下部に備えた加熱容器取付台7と、モータ8と、このモータ8の回転を減速して伝達する伝達機構9を備える。
【0021】
前記加熱室6の内部には、調理材料が収容される加熱容器10と、ヒータ11と、前記加熱室6の内部の温度を検知する温度センサ(図示しない)を備える。
【0022】
前記加熱容器10は、前記加熱容器取付台7に着脱可能に取り付けられ、アルミやステンレス等の金属製の有底筒状に形成されると共に、少なくとも内側面の表面にフッ素樹脂加工が施される。
【0023】
前記加熱容器10の底部には、軸12が設けられ、前記モータ8及び前記伝達機構9によって回転される軸である。この軸12には、前記調理材料の撹拌・混練を行う羽根13が着脱可能に取り付けられる。
【0024】
前記羽根13は、前記軸12に嵌合可能な穴を設けたボス部14と、このボス部14と一体に形成された平板状の羽根本体15を備える。
【0025】
前記蓋体3は、外カバー16と、内カバー17とで構成される。そして、この外カバー16は、中蓋18と、上蓋19と、天面パネル20とで構成される。また、前記中蓋18の左右側面にはつまみ部21が形成される。
【0026】
前記内カバー17は、アルミニウムメッキ鋼板やステンレス等の金属によって形成され、前記ヒータ11から発せられる熱が前記蓋体3へ伝わらないようにする遮熱板としての役割をはたす。
【0027】
また、前記内カバー17には、通気口22が前記内カバー17の前側や後側の左右に複数設けられる。また、前記内カバー17の後側中央には、排熱通気口23が複数設けられる。この排熱通気口23は、前記中蓋18の後側に設けられた蓋排気口24と連通する
前記加熱室6は上部に開口部25を有し、この開口部25は、上本体26と、加熱室カバー27とで構成される。また、この開口部25から前記加熱容器10を出し入れすることができる。
【0028】
前記開口部25は、前記蓋体3によって開閉自在に覆われる。
【0029】
前記上本体26には、通気口28が前記上本体26の前側や後側の左右に複数設けられる。そして、前記蓋体3が閉じた状態のとき、前記内カバー17の通気口22と前記上本体26の通気口28は対向する位置に配置されるように設けられる。このように配置されることで、前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成される空間と後述する第1空間部29と前記蓋排気口24が、通気口22及び通気口28を介して連通する。一方、前記加熱室6内の空間は、前記排熱通気口23を介して前記第1空間部29と連通する。更に、前記第1空間部29は、前記蓋排気口24を介して外気と連通する。なお、前記加熱室6外から通気口28,22、第1空間部29、蓋排気口24を経て外気に至る経路は、排熱通路として作用する。これに対し、前記排熱通気口23、第1空間部29、蓋排気口24を経て外気に至る経路は、排熱通路としても作用するが、主として前記加熱室6内で発生した水蒸気の排出経路として作用する。
【0030】
前記蓋体3の内部に、前記第1空間部29が設けられ、この第1空間部29は、前記中蓋18と、前記上蓋19と、前記内カバー17で囲われた空間である。
【0031】
また、前記第1空間部29内に、第2空間部30が設けられる。この第2空間部30は、前記蓋体3の左右側にそれぞれ設けられる。前記蓋体3の左側に設けられる左第2空間部30Aは、前記中蓋18の前側の壁と前記中蓋18の左側の壁と前記上蓋19と仕切り部材31で囲われた空間である。また、前記蓋体3の右側に設けられる右第2空間部30Bは、前記中蓋18の前側の壁と前記中蓋18の右側面の壁と前記上蓋19と仕切り部材32で囲われた空間である。前記仕切り部材31と前記仕切り部材32は、前記中蓋18にビス留め等で固定される。
【0032】
前記左第2空間部30A及び前記右第2空間部30Bの範囲は、少なくとも前記つまみ部21が設けられている範囲より大きくする必要がある。また、前記左第2空間部30A及び前記右第2空間部30Bの範囲を大きくしすぎると、前記第1空間部29が狭くなってしまう、つまり前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成される空間と前記第1空間部29と前記蓋排気口24と前記通気口22及び前記通気口28で構成される排気通路が狭くなってしまうため、排熱性に影響を与えてしまう。したがって、前記左第2空間部30A及び前記右第2空間部30Bの範囲は、前記つまみ部21の範囲より大きくしつつ、前記つまみ部21の温度上昇を抑えられる大きさにし、かつ排熱性に影響を与えない程度の大きさに適宜調整して設けられる。なお、前記本体2の外殻の左右側面と後側の面には、本体排気口33が設けられる。
【0033】
次に、本実施形態での効果について説明する。ここでは、この製パン機1で食パンを作成する場合を例として扱う。
【0034】
前記製パン機1で食パンを作成する場合、前記加熱容器10の前記軸12に前記羽根13を取り付ける。そして、調理材料を前記加熱容器10に投入し、前記加熱容器取付台7に調理材料が投入された前記加熱容器10を取り付け、前記蓋体3を閉じる。
【0035】
そして、電源プラグ(図示しない)をコンセントに差し込み、前記操作部5を操作し、メニューを選択し、パン焼き調理を開始する。
【0036】
パン焼き調理が開始されると、前記モータ8によって、前記羽根13が回転し、調理材料がこねられる。一定時間こねられると前記羽根13が止まり、寝かしの工程となる。このこねと寝かしの工程を数回繰り返し、一次発酵の工程に移行する。
【0037】
そして、一次発酵が完了すると、ガス抜き工程が行われ、二次発酵の工程に移行する。そして、二次発酵が完了すると、成形が行われ、成形発酵に移行する。そして、成形発酵が完了すると、焼きの工程が始まり、食パンが焼きあがる。
【0038】
焼きあがった食パンを取り出すため、前記つまみ部21を利用して前記蓋体3を開け、前記加熱室6から前記加熱容器10を取り出し、前記加熱容器10から食パンを取り出す。
【0039】
前述したパン焼き調理の焼きの工程では、前記ヒータ11に通電し、熱が発生する。その熱よって前記加熱室6が加熱され、前記加熱容器10内にあるパン生地が焼かれる。
【0040】
前記ヒータ11から発生した熱は、前記加熱室6の壁も加熱する。この結果、前記ヒータ11から発生した熱は、前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成された空間の温度も上昇させる。この空間で熱せられた空気の一部は、前記通気口22,28を経て前記第1空間部29へと至り、更に前記蓋排気口24から排出される。また、前記空間で熱せられた空気の残りの一部は、前記本体排気口33から外部に排出される。
【0041】
前記加熱室6内の熱の一部は、調理により発生した水蒸気と共に前記排熱通気口23を通り、前記第1空間部29内に伝わる。そして、前記前記第1空間部29に伝わった熱は、前記中蓋18の後側に設けられた蓋排気口24から外部に排出される。
【0042】
なお、前記第1空間部29内は、前記ヒータ11が発生させた熱が前記内カバー17を加熱することによっても、温度が上昇する。
【0043】
前記第2空間部30には、前記第1空間部29の熱が前記仕切り部材31,32を介して伝わる。このため、前記第2空間部30は、前記第1空間部29より温度上昇が抑えられる。そして、前記第2空間部30に伝わった熱が、前記つまみ部21に伝わるため、前記つまみ部21の温度上昇も抑えられる。したがって、前記つまみ部21にとって、前記第2空間部30は断熱層の働きをしている。また、前記つまみ部21は前記第2空間部30の範囲内にあるため、前記つまみ部21全体の温度上昇が抑えられる。また、前記仕切り部材31,32を前記外カバー16及び前記内カバー17より伝熱性が低い材料で作成することにより、さらに前記第2空間部30の温度上昇を抑えることができるため、前記つまみ部21の温度上昇をさらに抑えることができる。
【0044】
次に、本発明の第二の実施形態について、
図1から
図4及び
図7と
図8を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0045】
40は第二の実施形態の製パン機である。この製パン機40は、本体2と、蓋体41とを有して構成される。そして、前記本体2と前記蓋体41は、それぞれの後部に設けられたヒンジ機構4によって接続され、このヒンジ機構4によって、前記蓋体41は前記本体2に対して、開閉自在に動かすことができる。
【0046】
前記蓋体41は、外カバー42と、内カバー17とで構成される。そして、前記外カバー42は、中蓋43と、上蓋19と、天面パネル20とで構成される。また、前記中蓋43の左右側面にはつまみ部44が形成される。また、前記つまみ部44を囲うように、前記中蓋43の内壁に隔壁47が設けられる。
【0047】
前記本体2は加熱室6を有し、この加熱室6は上部に開口部25を有し、この開口部25は、上本体26と、加熱室カバー27とで構成される。また、前記開口部25から加熱容器10を出し入れすることができる。
【0048】
前記開口部25は、前記蓋体41によって開閉自在に覆われる。
【0049】
前記上本体26には、通気口28が前記上本体26の前側や後側の左右に複数設けられる。そして、前記蓋体41が閉じた状態のとき、前記内カバー17の通気口22と前記上本体26の通気口28は対向する位置に配置されるように設けられる。このように配置されることで、前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成される空間と後述する第1空間部45と前記蓋体41に設けられた蓋排気口24が、通気口22及び通気口28を介して連通する。一方、前記加熱室6内の空間は、前記内カバー17に形成された排熱通気口23を介して前記第1空間部45と連通する。更に、前記第1空間部45は、前記蓋排気口24を介して外気と連通する。なお、前記加熱室6外から通気口28,22、第1空間部45、蓋排気口24を経て外気に至る経路は、排熱通路として作用する。これに対し、前記排熱通気口23、第1空間部45、蓋排気口24を経て外気に至る経路は、排熱通路としても作用するが、主として前記加熱室6内で発生した水蒸気の排出経路として作用する。
【0050】
前記蓋体41の内部に、前記第1空間部45が設けられ、この第1空間部45は、前記中蓋43と、前記上蓋19と、前記内カバー17で囲われた空間である。
【0051】
また、前記第1空間部45内に、第2空間部46が設けられる。この第2空間部46は、前記蓋体41の左右側に設けられる。この第2空間部46は、前記中蓋43の前側の壁と前記中蓋43の側面の壁と前記上蓋19と隔壁47で囲われた空間である。
【0052】
前記第2空間部46の範囲は、少なくとも前記つまみ部44が設けられている範囲より大きくする必要がある。また、前記第2空間部46の範囲を大きくしすぎると、前記第1空間部45が狭くなってしまう、つまり前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成される空間と前記第1空間部45と前記蓋排気口24と前記通気口22及び前記通気口28で構成される排気通路が狭くなってしまうため、排熱性に影響を与えてしまう。したがって、前記第2空間部46の範囲は、前記つまみ部44の範囲より大きくしつつ、前記つまみ部44の温度上昇を抑えられる大きさにし、かつ排熱性に影響を与えない程度の大きさに適宜調整して設けられる。
【0053】
次に、本実施形態での効果について説明する。
【0054】
第一の実施形態で述べたように、パン焼き調理の焼きの工程ではヒータ11に通電し、熱が発生する。その熱よって前記加熱室6が加熱され、前記加熱容器10内にあるパン生地が焼かれる。
【0055】
前記ヒータ11から発生した熱は、前記加熱室6の壁も加熱する。この結果、前記ヒータ11から発生した熱は、前記本体2の外殻と加熱室6との間に形成された空間の温度も上昇させる。この空間で熱せられた空気の一部は、前記通気口22,28を経て前記第1空間部45へと至り、更に前記蓋排気口24から排出される。また、前記空間で熱せられた空気の残りの一部は、前記本体2の左右側面と後側の面に設けられた本体排気口33から外部に排出される。
【0056】
前記加熱室6内の熱の一部は、調理により発生した水蒸気と共に前記排熱通気口23を通り、前記第1空間部45内に伝わる。そして、前記前記第1空間部45に伝わった熱は、前記中蓋43の後側に設けられた蓋排気口24から外部に排出される。
【0057】
なお、前記第1空間部45内は、前記ヒータ11が発生させた熱が前記内カバー17を加熱することによっても、温度が上昇する。
【0058】
前記第2空間部46には、前記第1空間部45の熱が前記隔壁47を介して伝わる。このため、前記第2空間部46は、前記第1空間部45より温度上昇が抑えられる。そして、前記第2空間部46に伝わった熱が、前記つまみ部44に伝わるため、前記つまみ部44の温度上昇も抑えられる。したがって、前記つまみ部44にとって、前記第2空間部46は断熱層の働きをしている。また、前記つまみ部44は前記第2空間部46の範囲内にあるため、前記つまみ部44全体の温度上昇が抑えられる。
【0059】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、つまみ部を中蓋側面に設けていたが、天面パネルにつまみ部を設け、そのつまみ部の範囲に第2空間部を設けてもよい。
【0060】
また、本発明の第二の実施形態では、隔壁を中蓋に一体で形成したが、上蓋や天面パネルに隔壁を設ける構造でもよい。
【符号の説明】
【0061】
1,40 製パン機
2 本体
3,41 蓋体
6 加熱室
10 加熱容器
25 開口部
16,42 外カバー
17 内カバー
21,44 つまみ部
29,45 第1空間部
30,46 第2空間部
31 仕切り部材
32 仕切り部材
47 隔壁(仕切り部材)