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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012210
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B60P1/44 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189167
(22)【出願日】2023-11-06
(62)【分割の表示】P 2022113803の分割
【原出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清藤 英樹
(57)【要約】
【課題】荷受台と荷箱の床面との間で荷物を移動させる作業を行う際に、その作業性が低下するのを抑制することができる荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
【解決手段】荷受台昇降装置10は、車体2に搭載された荷箱3に対して荷物を積み降ろすために当該荷物が載置される荷受台11と、荷受台11を荷箱3の床面3aと同一高さの上昇位置T1、及び地面に接地させる下降位置T2の間で昇降させる昇降機構12と、荷受台11の昇降位置が上昇位置T1であることを検出する第1検出部41と、荷受台11が上昇位置T1にあることを作業者に報知する報知部51と、第1検出部41から検出信号が入力されている間、報知部51に報知させる制御部52と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載された荷箱に対して荷物を積み降ろすために当該荷物が載置される荷受台と、
前記荷受台を、前記荷箱の床面と同一高さの上昇位置、及び地面に接地させる下降位置の間で昇降させる昇降機構と、
前記荷受台の昇降位置が前記上昇位置であることを検出する第1検出部と、
前記荷受台が前記上昇位置にあることを作業者に報知する報知部と、
前記第1検出部から検出信号が入力されている間、前記報知部に報知させる制御部と、を備える荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記荷受台が前記上昇位置にあるときに、前記荷受台を起立姿勢及び倒伏姿勢の間で起伏回動させる起伏機構と、
前記荷受台の起伏姿勢が前記倒伏姿勢であることを検出する第2検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1検出部の検出信号及び前記第2検出部の検出信号がいずれも入力されている間、前記報知部に報知させる、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記荷箱内に設けられている、請求項1又は請求項2に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車等に装着され、荷物の積み降ろしに利用される荷受台昇降装置として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1の荷受台昇降装置は、貨物自動車の荷箱の後方に配置された荷受台と、荷受台を下降位置と上昇位置との間で昇降させる昇降機構と、を備えている。荷受台は、下降位置において地面に接地し、上昇位置において荷箱の床面と同一高さになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-199834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者は、昇降機構により荷受台を上昇位置まで上昇させた後、荷物を載せた台車を荷受台と荷箱の床面との間で移動させる移動作業を行うことがある。しかし、この移動作業は、荷受台が上昇位置よりも少し低い位置にあるときに行われると、台車を荷受台と荷箱の床面との間でスムーズに移動させることができなくなり、作業性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、荷受台と荷箱の床面との間で荷物を移動させる際に、その作業性が低下するのを抑制することができる荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、車体に搭載された荷箱に対して荷物を積み降ろすために当該荷物が載置される荷受台と、前記荷受台を、前記荷箱の床面と同一高さの上昇位置、及び地面に接地させる下降位置の間で昇降させる昇降機構と、前記荷受台の昇降位置が前記上昇位置であることを検出する第1検出部と、前記荷受台が前記上昇位置にあることを作業者に報知する報知部と、前記第1検出部から検出信号が入力されている間、前記報知部に報知させる制御部と、を備える荷受台昇降装置である。
【0007】
本発明によれば、荷受台が荷箱の床面と同一高さの上昇位置にあることを第1検出部が検出している間、制御部は、報知部により荷受台が上昇位置にあることを作業者に報知させる。これにより、作業者は、報知部が報知しているときに、すなわち荷受台が荷箱の床面と同一高さにあるときに、荷箱の床面と荷受台との間で荷物の移動作業を行うことができる。その結果、荷受台が荷箱の床面よりも低い位置にあるときに、荷物の移動作業が行われるのを抑制できるので、前記移動作業の作業性が低下するのを抑制することができる。
【0008】
(2)前記(1)の荷受台昇降装置において、前記荷受台が前記上昇位置にあるときに、前記荷受台を起立姿勢及び倒伏姿勢の間で起伏回動させる起伏機構と、前記荷受台の起伏姿勢が前記倒伏姿勢であることを検出する第2検出部と、をさらに備え、前記制御部は、前記第1検出部の検出信号及び前記第2検出部の検出信号がいずれも入力されている間、前記報知部に報知させるのが好ましい。
この場合、制御部は、荷受台が上昇位置かつ倒伏姿勢である場合に、報知部により報知させるので、荷受台が上昇位置にあっても起立姿勢である場合には、報知部により報知されることはない。このため、荷受台が起立姿勢にあるときの消費電力を抑えることができる。
【0009】
(3)前記(1)又は(2)の荷受台昇降装置において、前記報知部は、前記荷箱内に設けられているのが好ましい。
この場合、作業者は、荷箱内で作業していても、荷受台が上昇位置にあることを容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷受台と荷箱の床面との間で荷物を移動させる作業を行う際に、その作業性が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置が設けられた貨物自動車の側面図である。
図2】荷受台昇降装置の拡大側面図である。
図3】荷受台昇降装置の平面図である。
図4】昇降機構を分解して示す側面図である。
図5】荷受台の基部付近を示す拡大側面図である。
図6】荷受台が上昇位置にあるときに荷箱内から後方を見た斜視図である。
図7】荷受台昇降装置の制御構成を示すブロック図である。
図8】制御部が実行する報知部の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置10が設けられた貨物自動車1の側面図である。貨物自動車1は、車体2と、車体2上に搭載された荷箱3と、荷箱3の後部開口を開閉可能な開閉扉4と、を備えている。作業者は、開閉扉4を開放することで、荷箱3の後部開口から荷物を積み降ろしすることができる。車体2の後部には、いわゆる起立格納式の荷受台昇降装置10が設けられている。
【0013】
[荷受台昇降装置]
図2は、荷受台昇降装置10の拡大側面図である。図3は、荷受台昇降装置10の平面図である。図2及び図3において、荷受台昇降装置10は、荷受台11と、荷受台11を昇降させる昇降機構12と、荷受台11を起伏回動させる起伏機構13と、支持部14と、を備えている。
【0014】
支持部14は、左右一対の固定枠15と、クロスメンバ16と、を有している。左右の固定枠15は、それぞれブラケット17を介して車体2に固定されている。クロスメンバ16は、車体2の下方において車幅方向(左右方向)に延びる角パイプ材からなる。クロスメンバ16は、左右の固定枠15に固定されている。
【0015】
左右の固定枠15には、それぞれ前後方向に延びるバンパアーム6の前端が固定されている。これら一対のバンパアーム6の前後方向の中間部は、ブラケット7を介して車体2に固定されている。一対のバンパアーム6の後端には、車幅方向に延びるリヤバンパ8が固定されている。
【0016】
図4は、昇降機構12を分解して示す側面図である。図2図4において、昇降機構12は、補助リンク21、上アーム22、下アーム23、連結リンク24、及びリフトシリンダ25を有している。これらの構成部材21~25は、それぞれ車体2の車幅方向外側に一対設けられている。
【0017】
補助リンク21の上端は、固定枠15に固定されたブラケット26に対して、水平軸P1回りに回動可能に連結されている。荷受台11の昇降中において、補助リンク21に荷受台11等の重量が常時作用することで、補助リンク21は固定枠15に当接した状態(図2に示す状態)で保持される。これにより、上アーム22及び下アーム23による平行リンク(後述)が維持される。
【0018】
上アーム22の一端は、補助リンク21の上部において、水平軸P1よりも下方に位置する水平軸P2回りに回動可能に連結されている。上アーム22の他端は、連結リンク24の上部において水平軸P3回りに回動可能に連結されている。左右の上アーム22の他端同士は、車幅方向に延びる連結部材27により連結されている。連結部材27は、例えば丸パイプ材からなる。
【0019】
下アーム23は、側面視において上アーム22よりも下側に配置され、かつ平面視において上アーム22よりも車幅方向外側に配置されている。下アーム23の一端は、固定枠15に固定されたブラケット28に対して、水平軸P4回りに回動可能に連結されている。下アーム23の他端は、連結リンク24の下部において水平軸P5回りに回動可能に連結されている。上アーム22および下アーム23は、4つの水平軸P2~P5を結ぶ四角形が平行四辺形となる平行リンクを構成する。
【0020】
リフトシリンダ25は、例えば単動式の油圧シリンダからなる。リフトシリンダ25の先端は、補助リンク21の下部において、水平軸P6回りに回動可能に連結されている。リフトシリンダ25の基端は、上アーム22の他端側において、水平軸P7回りに回動可能に連結されている。リフトシリンダ25は、伸縮作動することで上アーム22にトルクを付与する。
【0021】
連結リンク24の上部には、荷受台11の基部11bが、前記水平軸P3回りに回動可能に連結されている。荷受台11は、荷箱3に対して積み降ろす荷物や、当該荷物を運搬する台車等が載置される載置面11aを有している。
【0022】
荷受台11の載置面11aの裏側には、起伏機構13が設けられている。起伏機構13は、例えば単動式の油圧シリンダからなる起伏シリンダ31を備えている。起伏シリンダ31の基端は、荷受台11の裏側に連結されている、起伏シリンダ31の先端は、連結リンク24に連結されている。起伏シリンダ31は、伸縮作動することで荷受台11にトルクを付与する。
【0023】
以上の構成により、リフトシリンダ25を伸縮作動させると、上アーム22および下アーム23は、平行リンクを維持しながら上下に回動する。具体的には、リフトシリンダ25を伸長作動させると、上アーム22および下アーム23は、それぞれ水平軸P2,P4を中心として上方回動する。リフトシリンダ25を収縮作動させると、上アーム22および下アーム23は、それぞれ水平軸P2,P4を中心として下方回動する。これにより、図1に示すように、荷受台11は、載置面11aが水平となる水平姿勢を維持しながら、上昇位置T1と下降位置T2との間で昇降する。
【0024】
荷受台11が水平姿勢のまま下降位置T2まで下降すると、荷受台11の基部11b側が地面に接地する。この接地状態から、さらにリフトシリンダ25が収縮作動すると、補助リンク21は、水平軸P1を中心として図2の反時計回り方向に少し回動する。これにより、上アーム22および下アーム23の平行リンクが崩れ、荷受台11は、図1に示すように、後ろ下がりに傾斜した傾斜姿勢T3となる。これにより、作業者は、地面と荷受台11の載置面11aとの間で、台車等をスムーズに移動させることができる。
【0025】
荷受台11を水平姿勢のまま上昇位置T1まで上昇させると、荷受台11の載置面11aは、荷箱3の床面3aと同一高さになる。これにより、作業者は、荷箱3の床面3aと荷受台11の載置面11aとの間で、台車等をスムーズに移動させることができる。
【0026】
図1及び図2において、荷受台11が上昇位置T1にあるときに、起伏シリンダ31を伸縮作動させると、荷受台11は起伏回動する。具体的には、起伏シリンダ31を伸長作動させると、荷受台11は水平軸P3を中心として起立回動する。起伏シリンダ31を収縮作動させると、荷受台11は水平軸P3を中心として倒伏回動する。
【0027】
荷受台11は、上昇位置T1である倒伏姿勢T4と、載置面11aが略鉛直になる起立姿勢T5との間で起伏回動する。したがって、作業者は、荷物の積み降ろし作業が終了した後、開閉扉4を閉鎖して荷受台11を起立姿勢T5にすることで、貨物自動車1を走行させることができる。
【0028】
[第1検出部]
図2及び図3において、荷受台昇降装置10は、荷受台11の昇降位置が上昇位置T1(図1参照)であることを検出する第1検出部41をさらに備えている。第1検出部41は、荷箱3の補強桁3bに、横ステー42及び縦ステー45を介して取り付けられている。補強桁3bは、床面3aの後部下方において車幅方向に延びて配置されている。補強桁3bは、例えばコ字形状のチャンネル材からなる。
【0029】
横ステー42は、前後方向に延びるL字形状のアングル材からなる。横ステー42は、左右方向一方側(図3では左側)に配置された下アーム23の上方において、補強桁3bに取り付けられる。横ステー42は、当該横ステー42を補強桁3bに取り付ける第1横板部43と、縦ステー45が取り付けられる第2横板部44と、を有している。
【0030】
第1横板部43には、当該第1横板部43を補強桁3bに締結するボルト(図示省略)が挿通される挿通孔43aが、前後方向に間隔をあけて複数形成されている。これにより、補強桁3bに対する第1横板部43の取付位置を前後方向に調整することができる。また、各挿通孔43aは、第1横板部43において左右方向に長く形成された長孔であるため、補強桁3bに対する第1横板部43の取付位置を左右方向に調整することもできる。
【0031】
第2横板部44には、当該第2横板部44に縦ステー45を締結するボルト(図示省略)が挿通される挿通孔44aが、前後方向に間隔をあけて複数形成されている。これにより、第2横板部44に対する縦ステー45の取付位置を前後方向に調整することができる。また、各挿通孔44aは、第2横板部44において上下方向に長く形成された長孔であるため、第2横板部44に対する縦ステー45の取付位置を上下方向に調整することもできる。
【0032】
縦ステー45は、上下方向に延びるL字形状のアングル材からなる。縦ステー45は、左側の下アーム23よりも左側(車幅方向外側)に配置される。縦ステー45は、当該縦ステー45を第2横板部44に取り付ける第1縦板部46と、第1検出部41が取り付けられる第2縦板部47と、を有している。
【0033】
第1縦板部46には、当該第1縦板部46を第2横板部44に締結するボルト(図示省略)が挿通される挿通孔46aが、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。各挿通孔46aは、第1縦板部46において上下方向に長く形成された長孔である。これにより、第2横板部44に対する第1縦板部46の取付位置を上下方向に調整することができる。第2縦板部47の下部には、第1検出部41が固定されている。
【0034】
以上により、第1検出部41は、荷箱3の補強桁3bに対して前後方向に位置調整可能に取り付けられる横ステー42と、その横ステー42に対して前後方向および上下方向にそれぞれ位置調整可能に取り付けられる縦ステー45を介して、補強桁3bに取り付けられるようになっている。したがって、横ステー42と縦ステー45によって、補強桁3bに対する第1検出部41の取付位置を前後方向および上下方向に調整することができる。
【0035】
第1検出部41は、例えば近接センサからなる。第1検出部41の検出面41aは、荷受台11が上昇位置T1まで上昇したときに、左側の下アーム23が近接する位置に配置されている。これにより、本実施形態の第1検出部41は、荷受台11が上昇位置T1まで上昇したときに、左側の下アーム23が検出面41aに近接することで、荷受台11の昇降位置が上昇位置T1であることを検出するようになっている。第1検出部41の検出信号は、後述する制御部52に出力される。
【0036】
[第2検出部]
図5は、荷受台11の基部11b付近を示す拡大側面図である。図1及び図5において、荷受台昇降装置10は、荷受台11の起伏姿勢が倒伏姿勢T4であることを検出する第2検出部48をさらに備えている。第2検出部48は、例えば近接センサからなり、荷受台11の基部11bに取り付けられている。
【0037】
第2検出部48の検出面48aは、荷受台11が倒伏姿勢T4まで倒伏回動したときに、連結リンク24に近接する位置に配置されている。これにより、本実施形態の第2検出部48は、検出面48aが連結リンク24に近接することで、荷受台11の起伏姿勢が倒伏姿勢T4であることを検出するようになっている。第2検出部48の検出信号は、後述する制御部52に出力される。
【0038】
[報知部]
図6は、荷受台11が上昇位置T1にあるときに荷箱3内から後方を見た斜視図である。図6において、荷受台昇降装置10は、荷受台11が上昇位置T1かつ倒伏姿勢T4にあることを作業者に報知する報知部51をさらに備えている。報知部51は、例えばLED灯などのランプである。本実施形態の報知部51は、貨物自動車1の後部において荷箱3の外側に設けられたブレーキランプ等の灯火器(図示省略)と誤認されないように、荷箱3内に設けられている。具体的には、本実施形態の報知部51は、荷箱3の左側の側壁3cの後端に配置された支柱3dに取り付けられている。
【0039】
また、報知部51は、荷箱3内で作業をしている作業者が視認し易いように、支柱3dの前面3eにおいて、人の目線の高さ位置にある庫内リモコン18の設置位置付近に取り付けられている。庫内リモコン18は、作業者が荷箱3内で荷受台11の昇降や起伏回動を操作するために、荷受台昇降装置10に備えられた有線のリモートコントローラである。報知部51の点灯及び消灯は、後述する制御部52によって制御される。
【0040】
[制御部]
図7は、荷受台昇降装置10の制御構成を示すブロック図である。図7において、荷受台昇降装置10は、報知部51を制御する制御部52をさらに備えている。制御部52は、荷受台昇降装置10のパワーユニット(図示省略)に設けられている。制御部52は、CPU等を有するコンピュータを備えて構成されている。制御部52の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶された制御プログラムがCPUにより実行されることで発揮される。
【0041】
制御部52には、第1検出部41、第2検出部48、及び報知部51がそれぞれ信号線(図示省略)を介して接続されている。第1検出部41及び第2検出部48の各検出信号は、制御部52に入力される。制御部52は、これらの検出信号に基づいて報知部51の点灯及び消灯を制御する。
【0042】
具体的には、制御部52は、第1検出部41の検出信号及び第2検出部48の検出信号がいずれも入力されている間、報知部51を点灯させる(報知部51に報知させる)。この状態から、第1検出部41の検出信号及び第2検出部48の検出信号のいずれか一方が制御部52に入力されなくなると、制御部52は、報知部51を消灯させる(報知部51の報知を停止させる)。
【0043】
図8は、制御部52が実行する報知部51の制御例を示すフローチャートである。以下、図8を参照しながら、報知部51が消灯している状態から制御部52が実行する制御例について説明する。まず、制御部52は、第1検出部41の検出信号が入力されたか否かを判定する(ステップST1)。第1検出部41の検出信号が入力されていない場合(ステップST1で「No」の場合)、制御部52は、ステップST1に戻り、所定時間が経過した後に、再度ステップST1の判定を行う。
【0044】
一方、第1検出部41の検出信号が入力された場合(ステップST1で「Yes」の場合)、制御部52は、次に第2検出部48の検出信号が入力されたか否かを判定する(ステップST2)。なお、ステップST2の判定は、ステップST1の判定よりも先に行ってもよい。
【0045】
第2検出部48の検出信号が入力されていない場合(ステップST2で「No」の場合)、制御部52は、ステップST1に戻り、所定時間が経過した後に、再度ステップST1の判定を行う。一方、第2検出部48の検出信号が入力された場合(ステップST2で「Yes」の場合)、制御部52は、報知部51を点灯させる(ステップST3)。
【0046】
次に、制御部52は、第1検出部41の検出信号が入力されなくなったか否かを判定する(ステップST4)。第1検出部41の検出信号が入力されなくなった場合(ステップST4で「Yes」の場合)、制御部52は、報知部51を消灯させ(ステップST5)、ステップST1に戻る。
【0047】
一方、第1検出部41の検出信号が依然として入力されている場合(ステップST4で「No」の場合)、制御部52は、次に第2検出部48の検出信号が入力されなくなったか否かを判定する(ステップST6)。なお、ステップST6の判定は、ステップST4の判定よりも先に行ってもよい。第1検出部41の検出信号が入力されなくなった場合(ステップST6で「Yes」の場合)、制御部52は、報知部51を消灯させ(ステップST5)、ステップST1に戻る。
【0048】
一方、第2検出部48の検出信号が依然として入力されている場合(ステップST6で「No」の場合)、制御部52は、ステップST4に戻り、所定時間が経過した後に、再度ステップST4の判定を行う。
【0049】
以上の制御により、第1検出部41及び第2検出部48の両検出信号がいずれも制御部52に入力されている間、つまり荷受台11が上昇位置T1かつ倒伏姿勢T4にある間、報知部51は点灯(報知)し続ける。この状態から、第1検出部41及び第2検出部48の両検出信号のいずれか一方が制御部52に入力されなくなると、報知部51は消灯する(報知を停止する)。例えば、上昇位置T1にある荷受台11が、下降したり起立回動したりすると、報知部51は消灯する。また、上昇位置T1にある荷受台11の載置面11aを後ろ下がりに傾斜させ、荷受台11をプラットフォームに橋渡しする場合(特開2003-165378号公報の図10参照)にも、報知部51は消灯する。
【0050】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の荷受台昇降装置10によれば、荷受台11が荷箱3の床面3aと同一高さの上昇位置T1にあることを第1検出部41が検出している間、制御部52は、報知部51を点灯させる。これにより、作業者は、報知部51が報知しているときに、すなわち荷受台11が荷箱3の床面3aと同一高さにあるときに、荷箱3の床面3aと荷受台11の載置面11aとの間で荷物の移動作業を行うことができる。その結果、荷受台11が荷箱3の床面3aよりも低い位置にあるときに、荷物の移動作業が行われるのを抑制できるので、前記移動作業の作業性が低下するのを抑制することができる。特に、荷物を運搬する台車を床面3aと載置面11aとの間で移動させる場合に、本実施形態の荷受台昇降装置10がより有効となる。
【0051】
また、制御部52は、荷受台11が上昇位置T1かつ倒伏姿勢T4である場合に、報知部51を点灯させるので、荷受台11が上昇位置T1にあっても起立姿勢T5である場合には、報知部51が点灯することはない。このため、荷受台11を起立姿勢T5にして貨物自動車1を走行させるときの消費電力を抑えることができる。
【0052】
また、報知部51は荷箱3内に設けられているので、作業者は、荷箱3内で作業していても、荷受台11が上昇位置T1にあることを容易に把握することができる。また、報知部51が、貨物自動車1の後部に設けられたブレーキランプ等の灯火器と誤認されるのを抑制することができる。
【0053】
また、補強桁3bに対する第1検出部41の取付位置は、横ステー42と縦ステー45によって前後方向および上下方向に調整できるので、荷受台11が上昇位置T1にあることを第1検出部41により確実に検出することができる。
【0054】
[その他]
上記実施形態の荷受台昇降装置10は、起立格納式であるが、床下格納式や垂直昇降式などの他の種類の荷受台昇降装置であってもよい。
【0055】
上記実施形態の第1検出部41は、左側の下アーム23を検出しているが、これに限定されるものではない。例えば、第1検出部41は、右側の下アーム23、左右いずれかの上アーム22、左右いずれかの連結リンク24、又は上昇位置T1の荷受台11を検出してもよい。また、第1検出部41は、昇降機構12に設けられていてもよい。その場合、第1検出部41は、荷受台11が上昇位置T1のときに、車体2、支持部14、又はブラケット17を検出すればよい。また、第1検出部41は、荷受台11に設けられていてもよい。その場合、第1検出部41は、荷受台11が上昇位置T1のときに、荷箱3又は昇降機構12を検出すればよい。また、第1検出部41は、近接センサに限定されるものではなく、例えばリミットスイッチであってもよい。第1検出部41の取り付け構造は、横ステー42と縦ステー45に限定されるものでなく、他の取り付け構造であってもよい。
【0056】
上記実施形態の第2検出部48は、荷受台11に設けられて連結リンク24を検出しているが、連結リンク24に設けられて荷受台11を検出してもよい。また、第2検出部48は、近接センサに限定されるものではなく、例えばリミットスイッチや、荷受台11の起伏角度を検出する角度センサあってもよい。
【0057】
上記実施形態の制御部52は、報知部51の制御専用であるが、荷受台昇降装置10の駆動制御を兼ねていてもよい。また、上記実施形態の制御部52は、第1検出部41及び第2検出部48の両検出信号が入力されることで報知部51を報知させているが、第1検出部41の検出信号の入力だけで報知部51を報知させてもよい。
【0058】
報知部51の取付位置は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、報知部51は、荷箱3内の右側、床面3a、又は天井に設けられてもよいし、荷受台11に設けられてもよい。後者の場合、荷箱3内で作業している作業者が視認し易いように、荷受台11が上昇位置T1にあるときに報知部51を荷箱3内に向けて点灯させるのが好ましい。
【0059】
報知部51は、点灯と消灯との違いで荷受台11が上昇位置T1にあることを報知しているが、点灯と点滅との違いや、点灯色の変更等によって、荷受台11が上昇位置T1にあることを報知してもよい。例えば点灯色を変更させる場合、報知部51は、荷受台11が上昇位置T1以外であれば赤色を点灯させ、荷受台11が上昇位置T1のときに青色を点灯させるようにしてもよい。また、報知部51は、ランプ以外に、液晶画面に文字を表示して報知するものや、警報ブザーやスピーカー等により音声で報知するものであってもよい。
【0060】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
2 車体
3 荷箱
3a 床面
10 荷受台昇降装置
11 荷受台
12 昇降機構
13 起伏機構
41 第1検出部
48 第2検出部
51 報知部
52 制御部
T1 上昇位置
T2 下降位置
T4 倒伏姿勢
T5 起立姿勢
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載された荷箱に対して荷物を積み降ろすために当該荷物が載置される載置面を有する荷受台と、
前記載置面が水平姿勢を維持しながら、前記荷受台を、前記荷箱の床面と同一高さの上昇位置、及び地面に接地させる下降位置の間で昇降させる昇降機構と、
前記荷受台の昇降位置が前記上昇位置であることを検出する第1検出部と、
前記載置面が水平姿勢であることを検出する第2検出部と、
前記荷受台が前記上昇位置にあることを作業者に報知する報知部と、
前記第1検出部から検出信号及び前記第2検出部の検出信号いずれも入力されている間、前記報知部に報知させる制御部と、を備える荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記荷受台が前記上昇位置にあるときに、前記荷受台を起立姿勢及び倒伏姿勢の間で起伏回動させる起伏機構をさらに備え、
前記第2検出部は、前記荷受台の起伏姿勢が前記倒伏姿勢であり、かつ前記載置面が水平姿勢であることを検出する、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記昇降機構は、上アームと、前記上アームよりも下側に配置された下アームと、を有し、
前記第1検出部は、前記荷受台が前記上昇位置まで上昇したときに、前記上アーム又は前記下アームを検出する、請求項1又は請求項2に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記荷箱内に設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の荷受台昇降装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
(1)本発明は、車体に搭載された荷箱に対して荷物を積み降ろすために当該荷物が載置される載置面を有する荷受台と、前記載置面が水平姿勢を維持しながら、前記荷受台を、前記荷箱の床面と同一高さの上昇位置、及び地面に接地させる下降位置の間で昇降させる昇降機構と、前記荷受台の昇降位置が前記上昇位置であることを検出する第1検出部と、前記載置面が水平姿勢であることを検出する第2検出部と、前記荷受台が前記上昇位置にあることを作業者に報知する報知部と、前記第1検出部から検出信号及び前記第2検出部の検出信号いずれも入力されている間、前記報知部に報知させる制御部と、を備える荷受台昇降装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
(2)前記(1)の荷受台昇降装置、前記荷受台が前記上昇位置にあるときに、前記荷受台を起立姿勢及び倒伏姿勢の間で起伏回動させる起伏機構をさらに備え、前記第2検出部は、前記荷受台の起伏姿勢が前記倒伏姿勢であり、かつ前記載置面が水平姿勢であることを検出するのが好ましい。
この場合、制御部は、荷受台が上昇位置かつ倒伏姿勢である場合に、報知部により報知させるので、荷受台が上昇位置にあっても起立姿勢である場合には、報知部により報知されることはない。このため、荷受台が起立姿勢にあるときの消費電力を抑えることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(3)前記(1)又は(2)の荷受台昇降装置において、前記昇降機構は、上アームと、前記上アームよりも下側に配置された下アームと、を有し、前記第1検出部は、前記荷受台が前記上昇位置まで上昇したときに、前記上アーム又は前記下アームを検出するのが好ましい。
(4)前記(1)から(3)のいずれかの荷受台昇降装置において、前記報知部は、前記荷箱内に設けられているのが好ましい。
この場合、作業者は、荷箱内で作業していても、荷受台が上昇位置にあることを容易に把握することができる。