IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

<>
  • 特開-制御装置 図1
  • 特開-制御装置 図2
  • 特開-制御装置 図3
  • 特開-制御装置 図4
  • 特開-制御装置 図5
  • 特開-制御装置 図6
  • 特開-制御装置 図7
  • 特開-制御装置 図8
  • 特開-制御装置 図9
  • 特開-制御装置 図10
  • 特開-制御装置 図11
  • 特開-制御装置 図12
  • 特開-制御装置 図13
  • 特開-制御装置 図14
  • 特開-制御装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122106
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/16 20060101AFI20240902BHJP
   G05B 9/03 20060101ALI20240902BHJP
   G06F 11/20 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G06F11/16 629
G05B9/03
G06F11/20 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029463
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島村 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】水谷 英司
(72)【発明者】
【氏名】大森 尉久
【テーマコード(参考)】
5B034
5H209
【Fターム(参考)】
5B034AA02
5B034CC01
5H209DD20
5H209GG20
5H209HH13
5H209JJ05
5H209JJ07
5H209SS01
(57)【要約】
【課題】複数の処理装置の出力を照合する制御装置において、処理装置間の出力の順番に不一致があってもデータを正確に照合すること
【解決手段】第1の記憶回路に記憶された制御信号と第2の処理装置が出力した制御信号を比較する第1の比較回路と、第2の記憶回路に記憶された制御信号と第1の処理装置が出力した制御信号を比較する第2の比較回路と、第1の処理装置が出力した制御信号と第2の処理装置が出力した制御信号を比較する第3の比較回路と、第1の処理装置が出力したデータと第1の記憶回路が出力したデータからデータを選択する第1の選択回路と、第2の処理装置が出力したデータと第2の記憶回路が出力したデータからデータを選択する第2の選択回路と、比較回路が出力した比較結果から第1の選択回路及び第2の選択回路の選択信号を生成する選択信号生成回路と、第1の選択回路と第2の選択回路が選択したデータを照合する照合回路と、を設ける。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制御信号と第1のデータを出力する第1の処理装置と、
第2の制御信号と第2のデータを出力する第2の処理装置と、
前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号と前記第1のデータを記憶する第1の記憶回路と、
前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号と前記第2のデータを記憶する第2の記憶回路と、
前記第1の記憶回路に記憶されかつ前記第1の記憶回路が出力した前記第1の制御信号と前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号を比較する、または前記第1の記憶回路に記憶されかつ前記第1の記憶回路が出力した前記第1のデータと前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを比較する第1の比較回路と、
前記第2の記憶回路に記憶されかつ前記第2の記憶回路が出力した前記第2の制御信号と前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号を比較する、または前記第2の記憶回路に記憶されかつ前記第2の記憶回路が出力した前記第2のデータと前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを比較する第2の比較回路と、
前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号と前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号を比較する、または前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータと前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを比較する第3の比較回路と、
前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータと前記第1の記憶回路が出力した前記第1のデータから照合するデータを選択する第1の選択回路と、
前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータと前記第2の記憶回路が出力した前記第2のデータから照合するデータを選択する第2の選択回路と、
前記第1の比較回路、前記第2の比較回路及び前記第3の比較回路が出力した比較結果から前記第1の選択回路及び前記第2の選択回路の選択信号を生成する選択信号生成回路と、
前記第1の選択回路が選択したデータと前記第2の選択回路が選択したデータを照合する照合回路と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制御装置において、
前記第1の比較回路は、前記第1の記憶回路が出力した前記第1の制御信号と前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号を比較し、
前記第2の比較回路は、前記第2の記憶回路が出力した前記第2の制御信号と前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号を比較し、
前記第3の比較回路は、前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号と前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号を比較すること、
を特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の制御装置において、
前記第1の比較回路は、前記第1の記憶回路が出力した前記第1のデータと前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを比較し、
前記第2の比較回路は、前記第2の記憶回路が出力した前記第2のデータと前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを比較し、
前記第3の比較回路は、前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータと前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを比較すること、
を特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の制御装置において、
前記選択信号生成回路は、前記第1の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の記憶回路が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路に前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、
前記選択信号生成回路はまた、前記第2の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第2の記憶回路が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、
前記選択信号生成回路はまた、前記第3の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力すること、
を特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の制御装置において、
前記第1の記憶回路が出力した前記第1の制御信号と前記第1のデータを記憶する第3の記憶回路と、
前記第2の記憶回路が出力した前記第2の制御信号と前記第2のデータを記憶する第4の記憶回路と、
前記第3の記憶回路に記憶されかつ前記第3の記憶回路が出力した前記第1の制御信号と前記第2の処理装置が出力した前記第2の制御信号を比較する、または前記第3の記憶回路に記憶されかつ前記第3の記憶回路が出力した前記第1のデータと前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを比較する第4の比較回路と、
前記第4の記憶回路に記憶されかつ前記第4の記憶回路が出力した前記第2の制御信号と前記第1の処理装置が出力した前記第1の制御信号を比較する、または前記第4の記憶回路に記憶されかつ前記第4の記憶回路が出力した前記第2のデータと前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを比較する第5の比較回路とを有し、
前記選択信号生成回路は、前記第1の比較回路、前記第2の比較回路、前記第3の比較回路、前記第4の比較回路及び前記第5の比較回路が出力した比較結果から前記第1の選択回路及び前記第2の選択回路の選択信号を生成すること、
を特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項5記載の制御装置において、
前記選択信号生成回路は、前記第4の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第3の記憶回路が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、
前記選択信号生成回路はまた、前記第1の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の記憶回路が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、
前記選択信号生成回路はまた、前記第5の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第4の記憶回路が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、
前記選択信号生成回路はまた、前記第2の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路で前記第2の記憶回路が出力したデータを選択させるように、前記選択信号を出力し、かつ
前記選択信号生成回路はまた、前記第3の比較回路が一致を検出した場合に、
前記第1の選択回路において前記第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ
前記第2の選択回路において前記第2の処理装置が出力した前記第2のデータを選択させるように、前記選択信号を出力すること、
を特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば特許文献1がある。この公報には、複数のデータ元から送出されるデータの同期がずれた場合にもデータを正確に照合することが可能なデータ照合装置が記載されている。特許文献1のデータ照合装置は、複数のデータ元A,Bから送出されるデータ1a,1bに基づいて同期信号3を生成する同期信号生成回路10と、同期信号3に基づいて同期調整信号5を生成する同期ずれ検知回路20と、同期調整信号5に基づいて照合タイミングを調整してデータ1a,1bを照合する同期調整照合回路30とを有し、2つのデータ元A,Bから送出される同期の取れていない可能性のあるデータ1a,1bを照合する。特許文献1に開示された図1のデータ照合装置では、同期ずれ検知回路によって同期のずれ量を検知し、検知された同期ずれ量に応じて適切な照合用シフトレジスタのデータをマルチプレクサで選択することにより、照合回路の入力が同期していることを保証し、正確に照合することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5925507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術においてデータ元の処理装置にCPUを含む場合、CPUへの割込によって複数の処理を時分割で実行する方法が良く用いられる。例えば、あるタスクを実行中に割込が発生するとタスクの処理を中断して割込ルーチンを実行し、割込ルーチンの処理が完了した後に中断したタスクの処理を再開する、という方法がある。複数のCPUで同一のプログラムを実行したとしても、CPU間の同期がずれていた場合、割込によってタスクを中断する箇所がCPUによって異なる可能性がある。その場合、一つの処理装置では割込ルーチンの処理の前に行われた出力が、別の処理装置では割込ルーチンの処理の後に行われる可能性があり、結果として複数の処理装置間で出力の順番が不一致となる。特許文献1に開示されたデータ照合装置は出力の順番が不一致となる場合には対応しておらず、データを正確に照合することができない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、複数の処理装置の出力を照合する制御装置において、出力の順番に不一致があってもデータを正確に照合することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明の代表的な制御装置の一つは、第1の制御信号と第1のデータを出力する第1の処理装置と、第2の制御信号と第2のデータを出力する第2の処理装置と、第1の処理装置が出力した第1の制御信号と第1のデータを記憶する第1の記憶回路と、第2の処理装置が出力した第2の制御信号と第2のデータを記憶する第2の記憶回路と、第1の記憶回路に記憶されかつ第1の記憶回路が出力した第1の制御信号と第2の処理装置が出力した第2の制御信号を比較する、または第1の記憶回路に記憶されかつ第1の記憶回路が出力した第1のデータと第2の処理装置が出力した第2のデータを比較する第1の比較回路と、第2の記憶回路に記憶されかつ第2の記憶回路が出力した第2の制御信号と第1の処理装置が出力した第1の制御信号を比較する、または第2の記憶回路に記憶されかつ第2の記憶回路が出力した第2のデータと第1の処理装置が出力した第1のデータを比較する第2の比較回路と、第1の処理装置が出力した第1の制御信号と第2の処理装置が出力した第2の制御信号を比較する、または第1の処理装置が出力した第1のデータと第2の処理装置が出力した第2のデータを比較する第3の比較回路と、第1の処理装置が出力した第1のデータと第1の記憶回路が出力した第1のデータから照合するデータを選択する第1の選択回路と、第2の処理装置が出力した第2のデータと第2の記憶回路が出力した第2のデータから照合するデータを選択する第2の選択回路と、第1の比較回路、第2の比較回路及び第3の比較回路が出力した比較結果から第1の選択回路及び第2の選択回路の選択信号を生成する選択信号生成回路と、第1の選択回路が選択したデータと第2の選択回路が選択したデータを照合する照合回路と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、出力の順番に不一致があってもデータを正確に照合することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施例1~3に係る制御装置に共通するブロック図である。
図2図2は、図1の制御装置における同期化回路の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図2の同期化回路における第1の要求保持回路の動作の一例を示す状態遷移図である。
図4図4は、図2の同期化回路における第2の要求保持回路の動作の一例を示す状態遷移図である。
図5図5は、図2の同期化回路における第1の応答保持回路の動作の一例を示す状態遷移図である。
図6図6は、図2の同期化回路における第2の応答保持回路の動作の一例を示す状態遷移図である。
図7図7は、図2の同期化回路の動作の第1の例を示すタイミング図である。
図8図8は、図2の同期化回路の動作の第2の例を示すタイミング図である。
図9図9は、図1の制御装置における順番調整回路の第1例を示すブロック図である。
図10図10は、図9の順番調整回路における選択信号生成回路の動作の一例を示す表である。
図11図11は、図9の順番調整回路の動作の一例を示すタイミング図である。
図12図12は、図1の制御装置における順番調整回路の第2例を示すブロック図である。
図13図13は、図1の制御装置における順番調整回路の第3例を示すブロック図である。
図14図14は、図13の順番調整回路における選択信号生成回路の動作の一例を示す表である。
図15図15は、図13の順番調整回路の動作の一例を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施例1~3の順に図面を用いて説明する。実施例1は図1図11に示され、実施例2は図1図8及び図12に示され、実施例3は図1図8及び図13図15に示されている。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0010】
なお、以下の説明において、信号の種類を、信号が伝達する信号線に付された符号を用いて特定することがある。例えば、信号線Aによって制御信号が伝達される場合、信号線Aによって伝達される信号を制御信号Aという場合がある。要求信号、応答信号、データ等の他の種類の信号にも適用される。
【0011】
[実施例1]
実施例1について、図1図11を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1~3に係る制御装置に共通するブロック図である。なお、図1の説明は、後述する実施例2~3の説明において省略する。図1に示すように、実施例1の制御装置10は、第1の処理装置100と、第2の処理装置120と、出力停止回路152と、順番調整回路140と、照合回路150と、入力制御回路170と、を有する。例えば、制御装置10は、照合回路150を介して機器160を制御する。
【0012】
なお、順番調整回路140には、3つのバリエーションがあり、実施例1~3のそれぞれにおいて順番調整回路140A(図9),140B(図12),140C(図13)が示される。実施例1において、これらの共通部分を順番調整回路140として説明する。
【0013】
第1の処理装置100は、第1の制御信号と第1のデータを出力する。また、第2の処理装置120は、第2の制御信号と第2のデータを出力する。具体的には、第1の処理装置100は、CPU101と、同期化回路103と、RAM104と、ROM105と、出力回路107と、入力回路108と、バス102と、バス106と、を有する。第2の処理装置120は、CPU121と、同期化回路123と、RAM124と、ROM125と、出力回路127と、入力回路128と、バス122と、バス126と、を有する。
なお、第2の処理装置120は、第1の処理装置100の構成と同様の構成を有している。以下の説明において、第2の処理装置120の説明は省略することがある。
【0014】
CPU101は、ROM105に格納されたプログラムに従い、以下の処理を実行する。まず、CPU101は、入力回路108からバス106、同期化回路103、バス102を介して機器160に関する情報を受け取り、予め定められた制御処理を行う。その後、機器160の制御に必要な情報は、CPU101から、バス102、同期化回路103、バス106、出力回路107を介してバス109に出力される。RAM104は、制御処理の途中経過の保存に使用される。CPU121の動作もCPU101の動作と同じである。
【0015】
同期化回路103は、動作周波数の異なるバス102とバス106の間で情報のやり取りを行うための回路である。一般に、CPUの動作周波数の向上はシステム性能に与える影響が大きいが、それ以外の回路の動作周波数の向上はシステム性能に与える影響が小さい。そのため、CPUを比較的高い動作周波数で動作させ、それ以外の回路を比較的低い動作周波数で動作させることがよく行われる。その様な背景から、図1にはバス102の動作周波数がバス106の動作周波数より高い例を示した。後述する通り、バス102とバス106の動作周波数が異なることに起因して、CPU101とCPU121の動作タイミングにずれが生じる場合がある。この動作タイミングのずれが、割込タイミングのずれにつながり、第1の処理装置100と第2の処理装置120の出力の順番が不一致となる原因となる。同期化回路123の動作も同期化回路103と同じである。
【0016】
入力回路108は、バス102、同期化回路103、バス106を介してCPU101から入力要求を受け取ると、その入力要求は、バス110を介して入力制御回路170へ出力される。また、バス110を介して入力制御回路170から出力された入力要求に対するデータを入力回路108が受け取ると、そのデータは、入力回路108により、バス106、同期化回路103、バス102を介してCPU101に出力される。入力回路128の動作も入力回路108と同じである。
【0017】
出力回路107は、バス102、同期化回路103、バス106を介してCPU101から情報を受け取ると、受け取った情報をバス109に出力する。バス109に出力される値は、機器160に存在するAD(Analog-to-Digital)変換回路に対するデジタル値であっても良い。また、バス109に出力される値は、機器160に存在するスイッチや、AD変換回路などの状態を変化させるための指令値であっても良い。バス109に出力される値は、イネーブル信号、アドレス値などを含む制御信号と、データから構成される。出力回路127の動作も出力回路107と同じである。
【0018】
照合回路150は、初期状態では信号線151を介して出力停止回路152に出力する停止指令を0(出力許可)とする。また、照合回路150は、バス141,142を介して順番調整回路140によって順番や出力タイミングが調整された出力回路107,127の出力を取り込む。その結果、値が不一致となった場合、照合回路150は、信号線151を介して出力停止回路152に出力する停止指令を1(出力停止)とする。
【0019】
照合回路150が停止指令を0(出力許可)に戻すタイミングは、バス141とバス142が一致した時であっても良い。また、停止指令を0(出力許可)に戻すタイミングは、図1に明示されていないシステムリセット状態を示す信号がアサートされた場合であっても良い。この場合、バス141とバス142が一致しても、停止指令は、システムリセット状態となるまで1(出力停止)のままとなる。
【0020】
出力停止回路152は、信号線151を介して照合回路150から受け取った停止指令が0(出力許可)の場合、バス109の値をバス161に出力する。また、出力停止回路152は、信号線151を介して照合回路150から受け取った停止指令が1(出力停止)の場合、バス161に予め定められた値を出力する。この時、バス161に出力される値は、機器160を安全に停止させるための値として規定される。
【0021】
入力制御回路170は、つぎの処理を順次実行する。まず、バス110を介して入力回路108から入力要求を入力制御回路170が受け取る。つぎに、入力制御回路170は、信号線162から取り込んだ機器160の情報と、過去に信号線162から取り込み内部に記憶した機器160の情報と、何れかを選択する。選択された情報は、バス110を介して入力回路108に入力制御回路170から出力される。
【0022】
また、入力制御回路170は、つぎの処理を順次実行する。まず、バス130を介して入力回路128から入力要求を入力制御回路170が受け取る。つぎに、入力制御回路170は、信号線162から取り込んだ機器160の情報と、過去に信号線162から取り込み内部に記憶した機器160の情報と、何れかを選択する。選択された情報は、バス130を介して入力回路128に入力制御回路170から出力される。
【0023】
機器160の内部状態は時間の経過とともに変化する。従って、入力回路108からの入力要求の発生時刻と入力回路128からの入力要求の発生時刻にずれがある場合、入力要求の発生した時刻に信号線162から取り込んだ機器160の情報は値が異なる可能性がある。入力回路108に出力される値と入力回路128に出力される値が異なると、第1の処理装置100の処理結果と第2の処理装置120の処理結果に相違が生じ、照合回路150による照合で不一致を検知してしまう。この様な事態を防ぐため、入力制御回路170は最初に入力要求を受け取った入力回路への出力値を内部に記憶し、後から入力要求を受け取った入力回路には内部に記憶した値を出力する。このような処理をすることによって、入力回路108に出力される値と入力回路128に出力される値が同一となることが保証される。
【0024】
図2は、図1の制御装置における同期化回路103の一例を示すブロック図である。同期化回路103は、バス102からバス106に要求情報、及び出力データを伝達する回路と、バス106からバス102に入力データを伝達する回路が存在するが、図2にはバス102からバス106に要求情報、及び出力データを伝達する回路を示した。バス106からバス102に入力データを伝達する回路の構成も、情報の伝達される方向が異なる点を除いては、図2の回路と同様である。
【0025】
図2の同期化回路103は、第1の要求保持回路211と、第1の記憶回路231と、第2の記憶回路233と、第2の要求保持回路251と、第1の応答保持回路254と、第3の記憶回路234と、第4の記憶回路232と、第2の応答保持回路212と、制御信号記憶回路252と、データ記憶回路253と、を有する。バス102は、クロック信号201、要求信号202、制御信号203、データ204、応答信号205を伝達する信号線を含む。制御信号203は、要求の種類(入力か出力か)、要求先に複数ある記憶回路のうちの1つを選択するためのアドレス、あるいは、出力データが複数バイトから構成される場合にどのバイトのデータが有効かを示すバイトイネーブルを含んでいても良い。バス106も同様に、クロック信号261、要求信号262、制御信号263、データ264、応答信号265を伝達する信号線を含む。
【0026】
第1の要求保持回路211は、信号線202から要求ありの状態である1の値を受け取ると、信号線221に一定期間要求ありの状態である1を出力する。1を出力する期間の決定方法に関しては後述する。
【0027】
第1の記憶回路231は、クロック信号261の立ち上がりエッジで信号線221の値を取り込み、信号線241に出力する。
【0028】
第2の記憶回路233は、クロック信号261の立ち上がりエッジで信号線241の値を取り込み、信号線243に出力する。
【0029】
第2の記憶回路233は、異なるクロック間で信号を伝達する際に発生する中間値の伝搬を防止する役割を担う。信号線221はクロック信号201に同期して動作するのに対して、第1の記憶回路231はクロック信号261の立ち上がりで信号線221の値を取り込むため、クロック信号261の立ち上がりとほぼ同時に信号線221の値が変化する可能性があり、その場合には信号線241の値が0と1の中間となる場合がある。しかし、この様な場合でもクロック信号261の1周期の時間以内には信号線241の値は0か1のいずれかに収束する。第2の記憶回路で信号線241の値を取り込む時には信号線241の値は0か1に収束しているため、信号線243に中間値が伝搬するのを防ぐことができる。
【0030】
第2の要求保持回路251は、信号線243から要求ありの状態である1の値を受け取ると、信号線262に一定期間要求ありの状態である1を出力する。1を出力する期間の決定方法に関しては後述する。
【0031】
第1の応答保持回路254は、信号線262が要求ありの状態である1の値となっている際に信号線265から応答ありの状態である1の値を受け取ると、信号線244に一定期間応答ありの状態である1を出力する。1を出力する期間の決定方法に関しては後述する。
【0032】
第3の記憶回路234は、クロック信号201の立ち上がりエッジで信号線244の値を取り込み、信号線242に出力する。
【0033】
第4の記憶回路232は、クロック信号201の立ち上がりエッジで信号線242の値を取り込み、信号線222に出力する。第4の記憶回路232は、第2の記憶回路233と同様に、異なるクロック間で信号を伝達する際に発生する中間値の伝搬を防止する役割を担う。
【0034】
第2の応答保持回路212は、信号線222から応答ありの状態である1の値を受け取ると、信号線205に一定期間応答ありの状態である1を出力する。1を出力する期間の決定方法に関しては後述する。
【0035】
制御信号記憶回路252は、クロック信号261の立ち上がりエッジで信号線203の値を取り込み、信号線263に出力する。信号線263にも異なるクロック間での信号伝達に起因する中間値が発生する可能性はあるが、後述する通り信号線263の値は0または1に収束するまで使われることは無いため、問題ない。
【0036】
データ記憶回路253は、クロック信号261の立ち上がりエッジで信号線204の値を取り込み、信号線264に出力する。信号線264にも異なるクロック間での信号伝達に起因する中間値が発生する可能性はあるが、信号線263と同様に信号線264の値は0または1に収束するまで使われることは無いため、問題ない。
【0037】
なお、クロック信号201及びクロック信号261は、例えば、第1の処理装置100内に設けられた水晶振動子から生成される。第1の処理装置100において、クロック信号201はCPU101に用いられ、クロック信号261はCPU101以外の構成に用いられる。
【0038】
図3は、図2の同期化回路103における第1の要求保持回路211の動作の一例を示す状態遷移図である。図3の状態遷移図は、第1の要求出力なし状態301、要求出力あり状態302、第2の要求出力なし状態303を有する。第1の要求出力なし状態301と第2の要求出力なし状態303では第1の要求保持回路211の出力である要求信号221は0であり、要求出力あり状態302では第1の要求保持回路211の要求信号221は1である。ここで、第1の要求出力なし状態301及び第2の要求出力なし状態303は、信号線202の値が要求信号として要求なしを示す0であり、かつ信号線203の値が無効である場合における状態である。また、要求出力あり状態302は、信号線202の値が要求信号として要求ありを示す1であり、かつ信号線203の値が有効である場合における状態である。
【0039】
第1の要求出力なし状態301で信号線202の値が1となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで要求出力あり状態302に遷移する。信号線202の値が0の場合には、第1の要求出力なし状態301にとどまる。
【0040】
要求出力あり状態302で信号線222の値が1となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで第2の要求出力なし状態303に遷移する。信号線222の値が0に場合には、要求出力あり状態302にとどまる。
【0041】
第2の要求出力なし状態303で信号線222の値が0、かつ信号線202の値が1となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで要求出力あり状態302に遷移する。
【0042】
第2の要求出力なし状態303で信号線222の値が0、かつ信号線202の値が0となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで第1の要求出力なし状態301に遷移する。信号線222が1の場合には、第2の要求出力なし状態303にとどまる。
【0043】
図4は、図2の同期化回路103における第2の要求保持回路251の動作の一例を示す状態遷移図である。図4の状態遷移図は、第1の要求出力なし状態401、要求出力あり状態402、第2の要求出力なし状態403を有する。第1の要求出力なし状態401と第2の要求出力なし状態403では第2の要求保持回路251の出力である要求信号262は0であり、要求出力あり状態402では第2の要求保持回路251の要求信号262は1である。ここで、第1の要求出力なし状態401及び第2の要求無し状態403は、信号線202の値が要求信号として要求なしを示す0であり、かつ信号線203の値が無効である場合における状態である。また、要求出力あり状態402は、信号線202の値が要求信号として要求ありを示す1であり、かつ信号線203の値が有効である場合における状態である。
【0044】
第1の要求出力なし状態401で信号線243の値が1となった場合には、次のクロック信号261の立ち上がりエッジで要求出力あり状態402に遷移する。信号線243の値が0の場合には、第1の要求出力なし状態401にとどまる。
【0045】
要求出力あり状態402で信号線265の値が1となった場合には、次のクロック信号261の立ち上がりエッジで第2の要求出力なし状態403に遷移する。信号線265の値が0の場合には、要求出力あり状態402にとどまる。
【0046】
第2の要求出力なし状態403で信号線243が0となった場合には、次のクロック信号261の立ち上がりエッジで要求出力なし状態401に遷移する。信号線243が1の場合には、第2の要求出力なし状態403にとどまる。
【0047】
図5は、図2の同期化回路103における第1の応答保持回路254の動作の一例を示す状態遷移図である。図5の状態遷移図は、応答出力なし状態501、応答出力あり状態502を有する。応答出力なし状態501では第1の応答保持回路254の出力である応答信号244の値は0であり、応答出力あり状態502では第1の応答保持回路254の応答信号244の値は1である。ここで、応答出力なし状態501は、信号線262の値が要求信号として要求なしを示す0であるか、または信号線265の値が応答信号として応答なしを示す0の場合における状態である。また、応答出力あり状態502は、信号線262の値が要求信号として要求ありを示す1であり、かつ信号線265の値が応答信号として応答ありを示す1の場合における状態である。
【0048】
応答出力なし状態501で信号線262の値が1、かつ信号線265の値が1となった場合には、次のクロック信号261の立ち上がりエッジで応答出力あり状態502に遷移する。信号線262の値が0、または信号線265の値が0の場合には、応答出力なし状態501にとどまる。
【0049】
応答出力あり状態502で信号線243の値が0となった場合には、次のクロック信号261の立ち上がりエッジで応答出力なし状態501に遷移する。信号線243の値が1の場合には、要求出力あり状態502にとどまる。
【0050】
図6は、図2の同期化回路103における第2の応答保持回路212の動作の一例を示す状態遷移図である。図6の状態遷移図は、第1の応答出力なし状態601、応答出力あり状態602、第2の応答出力なし状態603を有する。第1の応答出力なし状態601と第2の応答出力なし状態603では第2の応答保持回路212の出力である応答信号205の値は0であり、応答出力あり状態602では第2の応答保持回路212の応答信号205の値は1である。ここで、第1の応答出力なし状態601及び第2の応答出力なし状態603は、信号線262の値が要求信号として要求なしを示す0であるか、または信号線265の値が応答信号として応答なしを示す0の場合における状態である。また、要求出力あり状態602は、信号線262の値が要求信号として要求ありを示す1であり、かつ信号線265の値が応答信号として応答ありを示す1の場合における状態である。
【0051】
第1の応答出力なし状態601で信号線222の値が1となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで応答出力あり状態602に遷移する。信号線222の値が0の場合には、第1の応答出力なし状態601にとどまる。
【0052】
応答出力あり状態602では、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで常に第2の応答出力なし状態603に遷移する。
【0053】
第2の応答出力なし状態603で信号線222が0となった場合には、次のクロック信号201の立ち上がりエッジで第1の応答出力なし状態601に遷移する。信号線222が1の場合には、第2の応答出力なし状態603にとどまる。
【0054】
図7は、図2の同期化回路103の動作の第1の例を示すタイミング図である。サイクル701は、クロック信号201の各周期に番号を付けたものである。奇数回のサイクルを表記し、偶数回のサイクルの表記は省略した。サイクル702はクロック信号261の各周期に番号を付けたものである。
【0055】
要求信号202は、一度1となると応答信号205が1となるまで値を保持し、応答信号205が1となると次のサイクルで0となる。
【0056】
制御信号203とデータ204は、要求信号202が1となったサイクルでその要求に対応する値が出力され、応答信号205が1となるまで同じ値を保持する。制御信号203にはサイクル1に1番目の要求A-1が出力され、サイクル17に2番目の要求A-2が出力される。データ204にはサイクル1に1番目のデータD-1が出力され、サイクル17に2番目のデータD-2が出力される。
【0057】
要求信号221は、図3で説明した第1の要求保持回路211の状態遷移に従って出力値が決定される。
【0058】
要求信号241(信号線241において伝達される信号)は、クロック信号261の立ち上がりエッジで要求信号221の値が反映される。
【0059】
要求信号243(信号線243において伝達される信号)は、クロック信号261の立ち上がりエッジで要求信号241の値が反映される。
【0060】
要求信号262(信号線262において伝達される信号)は、図4で説明した第2の要求保持回路251の状態遷移に従って出力値が決定される。
【0061】
制御信号263(信号線263において伝達される信号)は、クロック信号261の1サイクル目で制御信号203の値A-1が反映され、8サイクル目で制御信号203の値A-2が反映される。制御信号263は、クロック信号261の1サイクル目、あるいは8サイクル目で値が変化する際に、異なるクロック間での信号伝達に起因する中間値が発生する可能性はあるが、クロック信号261の1サイクル目、あるいは8サイクル目の期間の間に0か1に収束する。制御信号263の値が接続先の回路に取り込まれるのは、要求信号262が1の期間であるため、その期間に制御信号263の値が中間値となることは無い。
【0062】
データ264は、クロック信号261の1サイクル目でデータ204の値D-1が反映され、8サイクル目でデータ204の値D-2が反映される。データ264においても異なるクロック間での信号伝達に起因する中間値が発生する可能性はあるが、制御信号263と同様に、接続先の回路に取り込まれる期間に中間値となることは無い。
【0063】
応答信号265は、バス106に接続されたアクセス先の回路が出力する信号であり、アクセス先毎に動作が異なる可能性があるが、ここでは、要求信号262の値が1となった次のサイクルで1となる例を示した。
【0064】
応答信号244は、図5で説明した第1の応答保持回路254の状態遷移に従って出力値が決定される。
【0065】
応答信号242(信号線242において伝達される信号)は、クロック信号201の立ち上がりエッジで応答信号244の値が反映される。
【0066】
応答信号222(信号線222において伝達される信号)は、クロック信号201の立ち上がりエッジで応答信号242の値が反映される。
【0067】
応答信号205(信号線205において伝達される信号)は、図6で説明した第2の応答保持回路212の状態遷移に従って出力値が決定される。
【0068】
以上の一連の動作により、クロック信号201の1サイクル目から15サイクル目で1つの要求A-1、及びデータD-1の転送が終了し、17サイクル目から2番目の要求A-2、及びデータD-2の転送が開始される。
【0069】
図8は、図2の同期化回路103の動作の第2の例を示すタイミング図である。図7のタイミング図では、応答信号244の立ち上がりとクロック信号201の13サイクル目の立ち上がりの時間差が小さいが、応答信号242にはクロック信号201の13サイクル目に応答信号244の1の値が伝搬すると仮定した。回路の動作速度によっては、応答信号242への応答信号244の1の値の伝搬がクロック信号201の14サイクル目となる可能性がある。図8はその様なケースを図示したものである。図7と比べると、応答信号242の立ち上がりがクロック信号201の1サイクル遅れることにより、応答信号222も1サイクル遅れ、応答信号205の値が1となるタイミングも1サイクル遅れることになる。結果として、2番目の要求A-2、及びデータD-2の転送が開始されるタイミングも1サイクル遅れることになる。
【0070】
この様に、同期化回路103の動作は回路の遅延時間やクロック間の立ち上がりの時間差の影響で異なる場合がある。例えば、第1の処理装置100の同期化回路103は図7のタイミングで動作し、第2の処理装置120の同期化回路123は図8のタイミングで動作したとすると、第1の処理装置100と第2の処理装置120の動作タイミングにずれが生じ、結果として割込タイミングのずれに起因する出力順番の不一致が発生する。
【0071】
図9は、図1の制御装置における順番調整回路140の第1例を示すブロック図である。図9の順番調整回路140Aは、第1の制御信号記憶回路911と、第1のデータ記憶回路912と、第2の制御信号記憶回路913と、第2のデータ記憶回路914と、第1の比較回路931と、第2の比較回路933と、第3の比較回路932と、選択信号生成回路951と、第1の制御信号選択回路971と、第1のデータ選択回路972と、第2の制御信号選択回路973と、第2のデータ選択回路974と、を有する。
【0072】
順番調整回路140Aに含まれる各回路は、バス109を介して伝達された第1の処理装置100の出力およびバス129を介して伝達された第2の処理装置120の出力に基づいて各回路が有する機能を行う。また、各回路が機能を行うタイミングは、第1の処理装置100におけるクロック信号261(または第2の処理装置120におけるクロック信号)に従い、例えば、クロック信号261の立ち上がりのときに機能を切り替える。順番調整回路140Aは、バス109における出力およびバス129における出力を比較したうえで、バス141およびバス142に同じタイミングで出力をする。このようにすることによって、順番調整回路140Aは、バス109の出力とバス129の出力のタイミングにずれが生じる場合または出力の順番が合致しない場合でも、相違点を調整したうえで照合回路150へ出力を行うことを可能とする。以下、具体的に説明する。
【0073】
バス109は、制御信号901とデータ902を伝達する信号線を含む。制御信号901は、要求の有無、要求の種類(入力か出力か)、要求先に複数ある記憶回路のうちの1つを選択するためのアドレス、あるいは、出力データが複数バイトから構成される場合にどのバイトのデータが有効かを示すバイトイネーブルを含んでいても良い。バス129も同様に、制御信号903とデータ904を伝達する信号線を含む。バス141も同様に、制御信号981とデータ982を伝達する信号線を含む。バス142も同様に、制御信号983とデータ984を伝達する信号線を含む。
【0074】
第1の記憶回路は、第1の処理装置100が出力した第1の制御信号(信号線901において伝達される信号)と第1のデータ(信号線902において伝達される信号)を記憶する。具体的には、第1の記憶回路は、第1の制御信号記憶回路911と第1のデータ記憶回路912を含む構成とすることが可能である。
【0075】
第1の制御信号記憶回路911は、信号線901に要求があり、かつ、第1の制御信号選択回路971で信号線901の制御信号が選択されていない場合に、信号線901の値を記憶する。
【0076】
第1のデータ記憶回路912は、信号線901に要求があり、かつ、第1の制御信号選択回路971で信号線901の制御信号が選択されていない場合に、信号線902の値を記憶する。
【0077】
また、第2の記憶回路は、第2の処理装置120が出力した第2の制御信号(信号線903において伝達される信号)と第2のデータ(信号線904において伝達される信号)を記憶する。具体的には、第2の記憶回路は、第2の制御信号記憶回路913と第2のデータ記憶回路914を含む構成とすることが可能である。
【0078】
第2の制御信号記憶回路913は、信号線903に要求があり、かつ、第2の制御信号選択回路973で信号線903の制御信号が選択されていない場合に、信号線903の値を記憶する。
【0079】
第2のデータ記憶回路914は、信号線903に要求があり、かつ、第2の制御信号選択回路973で信号線903の制御信号が選択されていない場合に、信号線904の値を記憶する。
【0080】
第1の比較回路931は、第1の記憶回路に記憶されかつ第1の記憶回路が出力した第1の制御信号と第2の処理装置が出力した第2制御信号を比較する。具体的には、第1の比較回路931は、信号線921の制御信号と信号線903の制御信号を比較し、一致している場合は信号線941に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0081】
第2の比較回路933は、第2の記憶回路に記憶されかつ第2の記憶回路が出力した第2の制御信号と第1の処理装置が出力した第1の制御信号を比較する。具体的には、第2の比較回路933は、信号線923の制御信号と信号線901の制御信号を比較し、一致している場合は信号線943に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0082】
第3の比較回路932は、第1の処理装置100が出力した第1の制御信号と第2の処理装置120が出力した第2の制御信号を比較する。具体的には、第3の比較回路932は、信号線901の制御信号と信号線903の制御信号を比較し、一致している場合は信号線942に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0083】
選択信号生成回路951は、第1の比較回路931、第2の比較回路933及び第3の比較回路932が出力した比較結果から後述する第1の選択回路及び第2の選択回路の選択信号を生成する。具体的には、選択信号生成回路951は、信号線941、943、942から比較結果を取り込み、予め定められた規則に従って選択信号961、及び選択信号962を出力する。出力を決める規則は後述する。
【0084】
第1の選択回路は、第1の処理装置100が出力した第1のデータと第1の記憶回路が出力した第1のデータから照合するデータを選択する。具体的には、第1の選択回路は、第1の制御信号選択回路971と第1のデータ選択回路972を含む構成とすることが可能である。
【0085】
第1の制御信号選択回路971は、選択信号961に従って信号線901の制御信号か信号線921の制御信号のいずれか一方を選択し、信号線981に出力する。
【0086】
第1のデータ選択回路972は、選択信号961に従って信号線902のデータか信号線922のデータのいずれか一方を選択し、信号線982に出力する。
【0087】
第2の選択回路は、第2の処理装置120が出力した第2のデータと第2の記憶回路が出力した第2のデータから照合するデータを選択する。具体的には、第2の選択回路は、第2の制御信号選択回路973と第2のデータ選択回路974を含む構成とすることが可能である。
【0088】
第2の制御信号選択回路973は、選択信号962に従って信号線903の制御信号か信号線923の制御信号のいずれか一方を選択し、信号線983に出力する。
【0089】
第2のデータ選択回路974は、選択信号962に従って信号線904のデータか信号線924のデータのいずれか一方を選択し、信号線984に出力する。
【0090】
第1の選択回路が選択したデータと第2の選択回路が選択したデータは、照合回路150によって照合される。
【0091】
図10は、図9の順番調整回路140Aにおける選択信号生成回路951の動作の一例を示す表である。
【0092】
選択信号生成回路951は、第1の比較回路931が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の記憶回路が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路に第2の処理装置120が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路951は、第1の比較回路931の出力941が1の時には、第1の制御信号選択回路971の出力981が信号線921の値、データ982が信号線922の値、第2の制御信号選択回路973の出力983が信号線903の値、データ984が信号線904の値となる様に、選択信号961、及び選択信号962を出力する。
【0093】
選択信号生成回路951はまた、第2の比較回路933が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の処理装置100が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において第2の記憶回路が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路951は、第1の比較回路931の出力941が0、かつ第2の比較回路933の出力943が1の時には、第1の制御信号選択回路971の出力981が信号線901の値、データ982が信号線902の値、第2の制御信号選択回路973の出力983が信号線923の値、データ984が信号線924の値となる様に、選択信号961、及び選択信号962を出力する。
【0094】
選択信号生成回路951はまた、第3の比較回路942が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の処理装置100が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において第2の処理装置120が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路951は、第1の比較回路931の出力941が0、第2の比較回路933の出力943が0、かつ第3の比較回路932の出力942が1の時には、第1の制御信号選択回路971の出力981が信号線901の値、データ982が信号線902の値、第2の制御信号選択回路973の出力983が信号線903の値、データ984が信号線904の値となる様に、選択信号961、及び選択信号962を出力する。
【0095】
選択信号生成回路951はまた、第1の比較回路931の出力941が0、第2の比較回路933の出力943が0、かつ第3の比較回路932の出力942が0の時には、第1の制御信号選択回路971の出力981が要求なし、第2の制御信号選択回路973の出力983が要求なしとなる様に、選択信号961、及び選択信号962を出力する。このケースでは、データ982、及びデータ984はdon't careである。
【0096】
図11は、図9の順番調整回路140Aの動作の一例を示すタイミング図である。図11のサイクルの列は、図2のクロック信号261の各周期に番号を付けたものである。図9の順番調整回路140Aの入力であるバス109、129には有効な値が出力されない場合がある。例えば、バス109は図1の出力回路107がバス106から情報を受け取った時のみ有効な値を出力する。出力回路107のバス106からの情報の受け取りは、図2の同期化回路の信号線262(第2の要求保持回路251の出力が伝達する信号線)と信号線265(第1の応答保持回路254の入力を伝達する信号線)がともに1の時で、かつ、信号線263(制御信号記憶回路252の出力が伝達する信号線)の値が出力回路107へのデータ取り込み要求を示している時にのみ行われる。図7の例では、信号線262と信号線265がともに1を伝達するのは5サイクル目と13サイクル目のみであり、信号線263の条件も考慮すると、バス109に有効な値が出力されるサイクルはごく一部であることがわかる。図11の網掛けした行は、バス109、129のいずれにも有効な値が出力されていないサイクルを示し、1行で複数のサイクルを示している。
【0097】
図11において、<t1>~<t5>は割り込まれるタスクの出力、(i1)~(i3)は割込ルーチンの出力である。信号線901には<t3>と<t4>の間に(i1)~(i3)が出力されているのに対し、信号線903には<t2>と<t3>の間に(i1)~(i3)が出力されており、順番が異なっている。
【0098】
サイクルa、b、f、g、hでは第1の比較回路931の出力941(信号線941において伝達される信号)が1となっているため、信号線981には信号線921の値が出力され、信号線983には信号線903の値が出力される。
【0099】
サイクルc、d、eでは第3の比較回路932の出力942(信号線942において伝達される信号)が1となっているため、信号線981には信号線901の値が出力され、信号線983には信号線903の値が出力される。
【0100】
上述のように、本開示によれば、第1の比較回路931、第2の比較回路933、第3の比較回路932の出力を用いることで第1の処理装置100と第2の処理装置120の対応する出力を検出し、第1の選択回路(第1の制御信号選択回路971及び第1のデータ選択回路972)と第2の選択回路(第2の制御信号選択回路973と第2のデータ選択回路974)で対応する出力を選択することにより、第1の処理装置100と第2の処理装置120の出力の順番を同一とすることができる。このため、結果として、信号線981と信号線983に出力される制御信号の順番と出力されるサイクルが一致するため、正確な照合を行うことが可能となる。
【0101】
なお、図11において第2の比較回路933の出力943が1となるサイクルが存在しないが、これは、信号線901の動作が信号線903より先行しているためである。信号線901と信号線903の値が逆のケースでは、第1の比較回路931の出力941の代わりに第2の比較回路943の出力943が1となる。
【0102】
[実施例2]
図12は、図1の制御装置における順番調整回路140の第2例を示すブロック図である。図9と同じ符号をつけた構成要素の動作は図9と同じである。図9の順番調整回路140Aと図12の順番調整回路140Bの違いは、第1の比較回路1231、第2の比較回路1233、及び第3の比較回路1232で制御信号ではなくデータを比較する様にした点である。
【0103】
第1の比較回路1231は、第1の記憶回路に記憶されかつ第1の記憶回路が出力した第1のデータと第2の処理装置120が出力した第2データを比較する。具体的には、第1の比較回路1231は、信号線922のデータと信号線904のデータを比較し、一致している場合は信号線941に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0104】
第2の比較回路1233は、第2の記憶回路に記憶されかつ第2の記憶回路が出力した第2データと第1の処理装置100が出力した第1データを比較する。具体的には、第2の比較回路1233は、信号線924のデータと信号線902のデータを比較し、一致している場合は信号線943に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0105】
第3の比較回路1232は、第1の処理装置100が出力した第1のデータと第2の処理装置120が出力した第2のデータを比較する。具体的には第3の比較回路1232は、信号線902のデータと信号線904のデータを比較し、一致している場合は信号線942に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0106】
制御信号ではなくデータを比較することにより、制御信号よりデータの方が信号線の数が少なかった場合に、第1の比較回路、第2の比較回路、及び第3の比較回路の物量を図9より減らすことができる。
【0107】
図12の順番調整回路140Bの動作は、図10図11に示した順番調整回路140Aの動作と同様である。
【0108】
[実施例3]
図13は、図1の制御装置における順番調整回路140の第3例を示すブロック図である。図9と同じ符号をつけた構成要素の動作は図9と同じである。図9の順番調整回路140Aと図13の順番調整回路140Cの違いは、第3の制御信号記憶回路1311、第3のデータ記憶回路1312、第4の制御信号記憶回路1313、第4のデータ記憶回路1314、第4の比較回路1331、及び第5の比較回路1333が追加されている点である。また、それに伴い、選択信号生成回路1351、第1の制御信号選択回路1371、第1のデータ選択回路1372、第2の制御信号選択回路1373、第2のデータ選択回路1374の構成も図9とは異なっている。
【0109】
第3の記憶回路は、第1の記憶回路が出力した第1の制御信号と第1のデータを記憶する。具体的には、第3の記憶回路は、第3の制御信号記憶回路1311と第3のデータ記憶回路1312を含む構成とすることが可能である。
【0110】
第3の制御信号記憶回路1311は、信号線901に要求があり、第1の制御信号選択回路1371で信号線901または信号線921の制御信号が選択されておらず、かつ第1の制御信号記憶回路911に有効な制御信号が格納されている場合に、信号線921の値を記憶する。
【0111】
第3のデータ記憶回路1312は、信号線901に要求があり、第1の制御信号選択回路1371で信号線901または信号線921の制御信号が選択されておらず、かつ第1の制御信号記憶回路911に有効な制御信号が格納されている場合に、信号線922の値を記憶する。
【0112】
第4の記憶回路は、第2の記憶回路が出力した第2の制御信号と第2のデータを記憶する。具体的には、第4の記憶回路は、第4の制御信号記憶回路1313と第4のデータ記憶回路1314を含む構成とすることが可能である。
【0113】
第4の制御信号記憶回路1313は、信号線903に要求があり、第2の制御信号選択回路1373で信号線903または信号線923の制御信号が選択されておらず、かつ第2の制御信号記憶回路913に有効な制御信号が格納されている場合に、信号線923の値を記憶する。
【0114】
第4のデータ記憶回路1314は、信号線903に要求があり、第2の制御信号選択回路1373で信号線903または信号線923の制御信号が選択されておらず、かつ第2の制御信号記憶回路913に有効な制御信号が格納されている場合に、信号線924の値を記憶する。
【0115】
第4の比較回路1331は、第3の記憶回路に記憶されかつ第3の記憶装置が出力した第1の制御信号と第2の処理装置120が出力した第2の制御信号を比較する。具体的には、第4の比較回路1331は、信号線1321の制御信号と信号線903の制御信号を比較し、一致している場合は信号線1341に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0116】
第5の比較回路1333は、第4の記憶回路に記憶されかつ第4の記憶回路が出力した第2の制御信号と第1の処理装置100が出力した第1の制御信号を比較する。具体的には、第5の比較回路1333は、信号線1323の制御信号と信号線901の制御信号を比較し、一致している場合は信号線1343に1を、不一致の場合は0を出力する。
【0117】
選択信号生成回路1351は、第1の比較回路931、第2の比較回路933、第3の比較回路932、第4の比較回路1331及び第5の比較回路1333が出力した比較結果から第1の選択回路及び第2の選択回路の選択信号を生成する。具体的には、選択信号生成回路1351は、信号線941、943、942、1341、1343から比較結果を取り込み、予め定められた規則に従って選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。出力を決める規則は後述する。
【0118】
第1の制御信号選択回路1371は、選択信号1361に従って信号線901の制御信号、信号線921の制御信号、または信号線1321の制御信号のいずれかを選択し、信号線981に出力する。
【0119】
第1のデータ選択回路1372は、選択信号1361に従って信号線902のデータ、信号線922のデータ、または信号線1322のデータのいずれかを選択し、信号線982に出力する。
【0120】
第2の制御信号選択回路1373は、選択信号1362に従って信号線903の制御信号、信号線923の制御信号、または信号線1323の制御信号のいずれかを選択し、信号線983に出力する。
【0121】
第2のデータ選択回路1374は、選択信号1362に従って信号線904のデータ、信号線924のデータ、信号線1324のデータのいずれかを選択し、信号線984に出力する。
【0122】
図14は、図13の順番調整回路140Cにおける選択信号生成回路1351の動作の一例を示す表である。図14には制御信号の出力を示したが、データの出力も同様である。
【0123】
選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第3の記憶回路が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において第2の処理装置120が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331の出力1341が1の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が信号線1321の値、第2の制御信号選択回路1373の出力983が信号線903の値、となる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0124】
選択信号生成回路1351はまた、第1の比較回路931が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の記憶回路が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において第2の処理装置120が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331の出力1341が0、かつ第1の比較回路931の出力が1の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が信号線921の値、第2の制御信号選択回路1373の出力983が信号線903の値となる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0125】
選択信号生成回路1351はまた、第5の比較回路1333が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の処理装置100が出力した第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において第4の記憶回路が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331の出力1341が0、第1の比較回路931の出力が0、かつ第5の比較回路1333の出力が1の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が信号線901の値、第2の制御信号選択回路1373の出力983が信号線1323の値となる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0126】
選択信号生成回路1351はまた、第2の比較回路933が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の処理装置100が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路で第2の記憶回路が出力したデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331の出力1341が0、第1の比較回路931の出力が0、第5の比較回路1333の出力が0、かつ第2の比較回路933の出力が1の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が信号線901の値、第2の制御信号選択回路1373の出力983が信号線923の値となる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0127】
選択信号生成回路1351はまた、第3の比較回路932が一致を検出した場合に、第1の選択回路において第1の処理装置が出力した前記第1のデータを選択させ、かつ第2の選択回路において前記第2の処理装置が出力した第2のデータを選択させるように、選択信号を出力する。具体的には、選択信号生成回路1351は、第4の比較回路1331の出力1341が0、第1の比較回路931の出力が0、第5の比較回路1333の出力が0、第2の比較回路933の出力が0、かつ第3の比較回路932の出力が1の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が信号線901の値、第2の制御信号選択回路1373の出力983が信号線903の値となる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0128】
選択信号生成回路1351はまた、第4の比較回路1331の出力1341が0、第1の比較回路931の出力が0、第5の比較回路1333の出力が0、第2の比較回路933の出力が0、かつ第3の比較回路932の出力が0の時には、第1の制御信号選択回路1371の出力981が要求なし、第2の制御信号選択回路1373の出力983が要求なしとなる様に、選択信号1361、及び選択信号1362を出力する。
【0129】
図15は、図13の順番調整回路140Cの動作の一例を示すタイミング図である。網掛けした行の意味は図11と同様である。図11に示したように、信号線901と信号線903の動作のずれが小さい場合は、順番調整回路140Cの動作は図11と同様である。一方、図9の順番調整回路140Bでは信号線901と信号線903のそれぞれに対して1つの値を保持する記憶回路しかないため、信号線901と信号線903のずれが大きい場合には対応ができなかった。例えば、図15の様に、信号線903に<t1>が出力されるより前に信号線901に<t1>と<t2>の2つの値が出力されると、図9の順番調整回路140Bでは対応できない。一方、図13の順番調整回路140Cでは信号線901と信号線903のそれぞれに対して2つの値を保持する記憶回路が存在するため、信号線901に出力された<t1>と<t2>の両方を記憶することが可能である。
【0130】
サイクルb、c、g、hでは第4の比較回路1331の出力1341が1となっているため、信号線981には信号線1321の値が出力され、信号線983には信号線903の値が出力される。
【0131】
サイクルd、e、fでは第3の比較回路932の出力942が1となっているため、信号線981には信号線901の値が出力され、信号線983には信号線903の値が出力される。
【0132】
サイクルiでは第1の比較回路931の出力941が1となっているため、信号線981には信号線921の値が出力され、信号線983には信号線903の値が出力される。
【0133】
結果として、信号線981と信号線983に出力される制御信号の順番と出力されるサイクルが一致するため、正確な照合を行うことが可能となる。
【0134】
なお、図15において第5の比較回路1333の出力1343が1となるサイクルは存在しないが、これは、信号線901の動作が信号線903より先行しているためである。信号線901と信号線903の値が逆のケースでは、第4の比較回路1331の出力1341の代わりに第5の比較回路1333の出力1343が1となる。
【0135】
[その他の実施例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、実施例2の順番調整回路140Bと実施例3に示される順番調整回路140Cを組み合わせて、第4の比較回路と第5の比較回路と制御信号ではなくデータを比較する構成としてもよい。
【0136】
比較回路の構成としては、第1の比較回路は、第1の記憶回路に記憶されかつ第1の記憶回路が出力した第1のデータと第2の処理装置120が出力した第2のデータを比較する。第2の比較回路は、第2の記憶回路に記憶されかつ第2の記憶回路が出力した第2のデータと第1の処理装置100が出力した第1のデータを比較する。第3の比較回路は、第1の処理装置100が出力した第1のデータと第2の処理装置120が出力した第2のデータを比較する。
【0137】
また、第4の比較回路は、第3の記憶回路に記憶されかつ前記第3の記憶装置が出力した第1のデータと第2の処理装置が出力した記第2のデータを比較する。第5の比較回路は、第4の記憶回路に記憶されかつ第4の記憶回路が出力した第2のデータと第1の処理装置が出力した第1のデータを比較する。
【符号の説明】
【0138】
10 制御装置
100 第1の処理装置
102、104~106、109、110、122、126、129、130、141、142、161 バス
103 同期化回路
120 第2の処理装置
140 順番調整回路
150 照合回路
201-205、221、222、241、242、243、244、261-265、901-904、921-924、941-943、961、962、981-984、1321-1324、1341、1343、1361、1362 信号線
911 第1の制御信号記憶回路
912 第1のデータ記憶回路
913 第2の制御信号記憶回路
914 第2のデータ記憶回路
931 第1の比較回路
932 第3の比較回路
933 第2の比較回路
951 選択信号生成回路
971、1371 第1の制御信号選択回路
972、1372 第1のデータ選択回路
973、1373 第2の制御信号選択回路
974、1374 第2のデータ選択回路
1231 第1の比較回路
1232 第3の比較回路、
1233 第2の比較回路
1311 第3の制御信号記憶回路
1312 第3のデータ記憶回路
1313 第4の制御信号記憶回路
1314 第4のデータ記憶回路
1331 第4の比較回路
1333 第5の比較回路
1351 選択信号生成回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15