(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122113
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 4/34 20060101AFI20240902BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H01R4/34
H01R4/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029473
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】木下 賢
【テーマコード(参考)】
5E012
5E085
【Fターム(参考)】
5E012BA13
5E085BB06
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD09
5E085DD13
5E085FF01
5E085JJ50
(57)【要約】
【課題】充電コネクタにおいて、部品種類数を削減することを目的とする。
【解決手段】充電コネクタ10は、互いに同じ端子形状を有する第1中継端子46R及び第2中継端子46Lを含む。前記端子形状は、締結孔49が形成された締結板部47と、電力線56に接続される電線接続部53とを有する。前記締結板部47は、前記締結孔49の中心を通り電力線56の延びる第3方向に平行な線に対して非対称に形成されている。前記第1中継端子46Rの前記締結板部47は、第1面47Aを第1コネクタ端子42Rに向けた姿勢で前記第1コネクタ端子42Rに締結されている。前記第2中継端子46Lの前記締結板部47は、前記第1面47Aとは反対側の第2面47Bを第2コネクタ端子42Lに向けた姿勢で前記第2コネクタ端子42Lに締結されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、
電力端子と、
前記電力端子を保持するハウジングと、
前記電力端子に接続された電力線と、
を備え、
前記電力端子は、前記外部充電コネクタの給電端子に接続されるコネクタ端子と、前記コネクタ端子及び前記電力線に接続された中継端子と、を含み、
前記コネクタ端子、前記中継端子及び前記電力線の組として、互いに導通する第1コネクタ端子、第1中継端子及び第1電力線を含む第1組と、互いに導通する第2コネクタ端子、第2中継端子及び第2電力線を含む第2組とが設けられ、
前記給電端子と前記コネクタ端子とが接続する方向を第1方向とすると、
前記第1コネクタ端子と前記第2コネクタ端子とが前記第1方向と交差する第2方向に並び、
前記第1電力線及び前記第2電力線は、前記中継端子との接続部から前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに交差する第3方向に延び、
前記第1中継端子及び前記第2中継端子は互いに同じ端子形状を有しており、
前記端子形状は、締結孔が形成された締結板部と、前記電力線に接続される電線接続部とを有し、
前記締結板部は、前記締結孔の中心を通り前記第3方向に平行な線に対して非対称に形成され、
前記第1中継端子の前記締結板部は、第1面を前記第1コネクタ端子に向けた姿勢で前記第1コネクタ端子に締結され、
前記第2中継端子の前記締結板部は、前記第1面とは反対側の第2面を前記第2コネクタ端子に向けた姿勢で前記第2コネクタ端子に締結されている、充電コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の充電コネクタであって、
前記電線接続部は、前記締結板部から延長された延長板部を有し、
前記第1中継端子において前記第1電力線が接続される面と、前記第2中継端子において前記第2電力線が接続される面とが、前記電力端子の前記延長板部における互いに同じ面である、充電コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の充電コネクタであって、
前記締結板部は、前記締結孔が形成された本体板部と、前記本体板部から前記電線接続部に向けて延びる連結板部とを有し、
前記連結板部は、前記第1面及び前記第2面を結ぶ厚み方向に曲がる曲げ部を有する、充電コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載の充電コネクタであって、
前記電線接続部は、前記延長板部から突出し、前記電力線に圧着される圧着片を有する、充電コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記ハウジングから突出し、前記電力線のうち前記中継端子から延び出た部分を支持するアームを備え、
前記アームの支持面からの前記第1電力線の位置及び前記第2電力線の位置が互いに同じである、充電コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記ハウジングに保持される信号端子と、
前記信号端子に接続される信号線と、
を備え、
前記締結板部に前記信号線の配置領域を避ける凹部が形成されていることによって、前記締結板部が非対称形状とされる、充電コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載の充電コネクタであって、
前記ハウジングは、前記コネクタ端子及び前記信号端子を保持するハウジング本体と、前記ハウジング本体の後部に取付けられて前記コネクタ端子及び前記信号端子の後方を押さえるリテーナとを含み、
前記リテーナは、前記信号線の周囲を覆いつつ、前記第1中継端子の前記凹部と前記第2中継端子の前記凹部とに沿う形状に形成された絶縁壁を有する、充電コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
前記締結孔が前記締結板部の中心から一方側部に寄った位置にあることによって、前記締結板部が非対称形状とされる、充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両外部の電源を用いて車両のバッテリを充電するためのコネクタを備えるワイヤハーネスを開示している。当該コネクタにおいて、電源端子は、外部コネクタの端子と接続されるコネクタ端子と、コネクタ端子と電源線とを接続する中継端子とを含む。また、当該コネクタにおいて、コネクタ端子、中継端子及び電源線が2組設けられており、このうちの2つの中継端子は互いに異なる形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電コネクタにおいて、部品種類数の削減が望まれている。
【0005】
そこで、充電コネクタにおいて、部品種類数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の充電コネクタは、車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、電力端子と、前記電力端子を保持するハウジングと、前記電力端子に接続された電力線と、を備え、前記電力端子は、前記外部充電コネクタの給電端子に接続されるコネクタ端子と、前記コネクタ端子及び前記電力線に接続された中継端子と、を含み、前記コネクタ端子、前記中継端子及び前記電力線の組として、互いに導通する第1コネクタ端子、第1中継端子及び第1電力線を含む第1組と、互いに導通する第2コネクタ端子、第2中継端子及び第2電力線を含む第2組とが設けられ、前記給電端子と前記コネクタ端子とが接続する方向を第1方向とすると、前記第1コネクタ端子と前記第2コネクタ端子とが前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1電力線及び前記第2電力線は、前記中継端子との接続部から前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに交差する第3方向に延び、前記第1中継端子及び前記第2中継端子は互いに同じ端子形状を有しており、前記端子形状は、締結孔が形成された締結板部と、前記電力線に接続される電線接続部とを有し、前記締結板部は、前記締結孔の中心を通り前記第3方向に平行な線に対して非対称に形成され、前記第1中継端子の前記締結板部は、第1面を前記第1コネクタ端子に向けた姿勢で前記第1コネクタ端子に締結され、前記第2中継端子の前記締結板部は、前記第1面とは反対側の第2面を前記第2コネクタ端子に向けた姿勢で前記第2コネクタ端子に締結されている、充電コネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、充電コネクタにおいて、部品種類数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる充電コネクタを示す斜視図である。
【
図5】
図5は充電コネクタを示す分解側面図である。
【
図6】
図6はハウジングと端子付き電線とを分解した図である。
【
図7】
図7は電力線に接続される前の中継端子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の充電コネクタは、次の通りである。
【0011】
(1)車両に搭載されると共に外部充電コネクタと接続される充電コネクタであって、電力端子と、前記電力端子を保持するハウジングと、前記電力端子に接続された電力線と、を備え、前記電力端子は、前記外部充電コネクタの給電端子に接続されるコネクタ端子と、前記コネクタ端子及び前記電力線に接続された中継端子と、を含み、前記コネクタ端子、前記中継端子及び前記電力線の組として、互いに導通する第1コネクタ端子、第1中継端子及び第1電力線を含む第1組と、互いに導通する第2コネクタ端子、第2中継端子及び第2電力線を含む第2組とが設けられ、前記給電端子と前記コネクタ端子とが接続する方向を第1方向とすると、前記第1コネクタ端子と前記第2コネクタ端子とが前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1電力線及び前記第2電力線は、前記中継端子との接続部から前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに交差する第3方向に延び、前記第1中継端子及び前記第2中継端子は互いに同じ端子形状を有しており、前記端子形状は、締結孔が形成された締結板部と、前記電力線に接続される電線接続部とを有し、前記締結板部は、前記締結孔の中心を通り前記第3方向に平行な線に対して非対称に形成され、前記第1中継端子の前記締結板部は、第1面を前記第1コネクタ端子に向けた姿勢で前記第1コネクタ端子に締結され、前記第2中継端子の前記締結板部は、前記第1面とは反対側の第2面を前記第2コネクタ端子に向けた姿勢で前記第2コネクタ端子に締結されている、充電コネクタである。
【0012】
(1)のように構成された充電コネクタによると、電力線が第3方向に延びると共に、非対称形状を有する締結板部を第1面と第2面とが互いに反対向きとなるように第1中継端子と第2中継端子とを配置することによって、第1中継端子と第2中継端子として同じ端子形状の端子を用いることができる。これにより、第1中継端子及び第2中継端子に用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。これにより、充電コネクタにおいて、部品種類数を削減することができる。
【0013】
(2)(1)の充電コネクタにおいて、前記電線接続部は、前記締結板部から延長された延長板部を有し、前記第1中継端子において前記第1電力線が接続される面と、前記第2中継端子において前記第2電力線が接続される面とが、前記電力端子の前記延長板部における互いに同じ面であってもよい。これにより、第1中継端子に第1電力線を接続する向きと、第2中継端子に第2電力線を接続する向きとを同じとすることができる。
【0014】
(3)(2)の充電コネクタにおいて、前記締結板部は、前記締結孔が形成された本体板部と、前記本体板部から前記電線接続部に向けて延びる連結板部とを有し、前記連結板部は、前記第1面及び前記第2面を結ぶ厚み方向に曲がる曲げ部を有してもよい。これにより、互いに同じ端子形状を有する第1中継端子と第2中継端子とは、曲げ部における曲げの向きが互いに逆向きとなるように配置される。これにより、端子形状における互いに同じ面に電力線が接続される場合でも、本体板部に対して第1電力線の位置と第2電力線の位置とを揃えやすい。
【0015】
(4)(3)の充電コネクタにおいて、前記電線接続部は、前記延長板部から突出し、前記電力線に圧着される圧着片を有してもよい。これにより、中継端子が電力線に圧着によって接続される場合でも、締結板部に対して第1電力線の位置と第2電力線の位置とを揃えやすい。
【0016】
(5)(1)から(4)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記ハウジングから突出し、前記電力線のうち前記中継端子から延び出た部分を支持するアームを備え、前記アームの支持面からの前記第1電力線の位置及び前記第2電力線の位置が互いに同じであってもよい。これにより、アームがあることで端子・ネジ締結部へ車両の振動による影響を下げられる。また、同じように電力線の位置が揃っている既存のアームが有れば、当該既存のアームの設定を流用しやすい。
【0017】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記ハウジングに保持される信号端子と、前記信号端子に接続される信号線と、を備え、前記締結板部に前記信号線の配置領域を避ける凹部が形成されていることによって、前記締結板部が非対称形状とされてもよい。これにより、信号線と電力端子とを離しつつ、第1中継端子及び第2中継端子に用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。
【0018】
(7)(6)の充電コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記コネクタ端子及び前記信号端子を保持するハウジング本体と、前記ハウジング本体の後部に取付けられて前記コネクタ端子及び前記信号端子の後方を押さえるリテーナとを含み、前記リテーナは、前記信号線の周囲を覆いつつ、前記第1中継端子の前記凹部と前記第2中継端子の前記凹部とに沿う形状に形成された絶縁壁を有してもよい。これにより、信号線と第1中継端子及び第2中継端子の間に絶縁壁を設けつつ、第1中継端子及び第2中継端子に用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記締結孔が前記締結板部の中心から一方側部に寄った位置にあることによって、前記締結板部が非対称形状とされてもよい。これにより、締結板部を大きくしつつ、第1中継端子及び第2中継端子に用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる充電コネクタについて説明する。
図1は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す斜視図である。
図1には互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向が記載されている。
図1以降の図に記載のX方向、Y方向及びZ方向は、
図1に記載のX方向、Y方向及びZ方向に対応する。
図2は充電コネクタ10を示す背面図である。
図3は充電コネクタ10を示す側面図である。
図4は充電コネクタ10を示す底面図である。
図5は充電コネクタ10を示す分解側面図である。
図6はハウジング20と端子付き電線44とを分解した図である。
図7は電力線56に接続される前の中継端子46を示す斜視図である。
【0022】
充電コネクタ10は、車両に搭載される。
図4に示すように、車両のバッテリの充電時などに、充電コネクタ10は外部充電コネクタ80と接続される。外部充電コネクタ80は外部ハウジング81と給電端子82とを備える。本開示において、充電コネクタ10の前後に関し、外部充電コネクタ80と接続される側(
図4の紙面下側)を前とし、その反対側(
図4の紙面上側)を後ろとする。
【0023】
充電コネクタ10は、端子と電線とハウジング20とを備える。端子及び電線の種類及び数は、通常、充電コネクタ10の規格などによって定められる。ここでは、充電コネクタ10は、2組の電力端子40及び電力線56と、8組の信号端子61及び信号線62とを備える。なお、
図1から
図6では、一部又は全部の信号線62が省略されている。また、
図2では、信号端子61の形状が円形状に簡略化されて記載されている。
【0024】
各電力端子40は、外部充電コネクタ80の給電端子82に接続されるコネクタ端子42と、コネクタ端子42と電力線56とに接続された中継端子46とを含む。なお、図面においてコネクタ端子42の形状が円筒状に簡略化されて記載されている。コネクタ端子42と電力線56とが中継端子46を介して導通する。充電コネクタ10において、コネクタ端子42、中継端子46及び電力線56の組として、互いに導通する第1コネクタ端子42R、第1中継端子46R及び第1電力線56Rを含む第1組と、互いに導通する第2コネクタ端子42L、第2中継端子46L及び第2電力線56Lを含む第2組とが設けられる。以下では、第1コネクタ端子42R及び第2コネクタ端子42Lについて区別不要な場合、単にコネクタ端子42と称することがある。中継端子46及び電力線56についても同様である。本開示において、コネクタ端子42と給電端子82との接続方向を第1方向とする。第1方向は、充電コネクタ10の前後方向であり、図面におけるX方向である。
【0025】
充電コネクタ10において、外部充電コネクタ80の端子と接続される端子(ここではコネクタ端子42及び信号端子61)は、ハウジング20に保持されて所定の配列に配置される。ハウジング20における端子の配列も、通常、充電コネクタ10の規格などによって定められる。ここでは、2つのコネクタ端子42と、8つの信号端子61とが以下のように配置されている。
【0026】
2つのコネクタ端子42は、第1方向(X方向)と交差する方向に並んでいる。本開示において、2つのコネクタ端子42の並列方向を第2方向とし、第1方向及び第2方向のそれぞれに交差する方向を第3方向とする。ここでは第2方向は図面におけるY方向であり、第3方向は図面におけるZ方向である。それぞれ4つの信号端子61を含む2組の信号端子群が、2つのコネクタ端子42に対して
図2の上下方向における上下に分かれて配置される。2組の信号端子群は、それぞれ
図2の左右方向における2つのコネクタ端子42の間に配置される。各組の信号端子群において、4つの信号端子61は、正方形の4つの角に対応する位置に設けられる。以下の説明において、
図2の上下方向上側及び下側を充電コネクタ10の上側及び下側と称し、
図2の左右方向左側及び右側を充電コネクタ10の左側及び右側と称することがある。
【0027】
ハウジング20はハウジング本体21とリテーナ30とを含む。コネクタ端子42及び信号端子61はハウジング本体21に保持される。ハウジング本体21にキャビティが形成されている。キャビティ(図示しない)の数及び配列は、充電インレット仕向国に応じて適宜設定される。ここではハウジング本体21には端子の数に応じた10のキャビティが、端子の配列に応じた位置に形成される。コネクタ端子42及び信号端子61は、第1方向に沿って、ハウジング本体21の後ろからキャビティへ挿入される。各キャビティにコネクタ端子42及び信号端子61が収容されることによって、ハウジング本体21はコネクタ端子42及び信号端子61を保持する。ハウジング本体21は外部ハウジング81と嵌合する形状に形成される。充電コネクタ10と外部充電コネクタ80との接続時に、ハウジング本体21と外部ハウジング81とが嵌合することによって、充電コネクタ10の端子と、外部充電コネクタ80の端子との接続をガイドする。
【0028】
ここではハウジング本体21にフランジ23が設けられる。フランジ23はハウジング本体21の前側においてハウジング本体21の外周から外側に突出する。フランジ23に車両への固定部24が設けられる。ここでは、固定部24として締結孔が形成され、車体のパネルなどにボルト締結される。もっとも固定部24としては特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
【0029】
リテーナ30はハウジング本体21の後部に取付けられる。リテーナ30はコネクタ端子42及び信号端子61の後方を押さえる。これにより、コネクタ端子42及び信号端子61がハウジング本体21から後ろに抜けることが抑制される。またリテーナ30には、第1方向に沿ってリテーナ30を貫通する貫通孔31A、31Bが形成されている。2つの貫通孔31Aが2つのコネクタ端子42に応じた位置に形成されている。貫通孔31Aを通じて、コネクタ端子42と中継端子46とが締結される。貫通孔31Aは中継端子46よりも小さい。リテーナ30のうち貫通孔31Aの周縁部分が中継端子46を支持する。8つの貫通孔31Bが8つの信号端子61に応じた位置に形成されている。貫通孔31Bを通じて、信号線62がハウジング20の後方に延び出る。リテーナ30は、例えば、係止構造又は締結構造などによってハウジング本体21に固定される。
【0030】
本実施形態では、リテーナ30は、絶縁壁32を有する。絶縁壁32は、第1中継端子46R、第2中継端子46L、上側の4つ1組の信号線群、及び、下側の4つ1組の信号線群の間をそれぞれ仕切るように設けられる。絶縁壁32の一部は、第1中継端子46Rを囲う囲い部33Aとされる。同様に、絶縁壁32の他の一部によって、第2中継端子46Lを囲う囲い部33B、上側の4つ1組の信号線群を囲う囲い部33C、及び、下側の4つ1組の信号線群を囲う囲い部33Dが設けられる。
【0031】
囲い部33A、33Bは、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lの外形に沿う形状に形成されている。また囲い部33A、33Bの内面には第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに向けて突出する突起が設けられる。これらより、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lがリテーナ30に対して位置決めされている。囲い部33A、33Bの下側に部分的に絶縁壁32がないことによって、囲い部33A、33Bに開口34が設けられている。当該開口34から第1中継端子46R及び第2中継端子46Lの他端部が下方に延び出ている。
【0032】
囲い部33Cは、上側の4つ1組の信号線群の下側を部分的に囲っている。上側の4つ1組の信号線群の上側には中継端子46が位置しないため、囲い部33Cも設けられていない。囲い部33Dは、下側の4つ1組の信号線群の周囲全体を囲っている。
【0033】
コネクタ端子42は、給電端子接続部と中継端子接続部とを有する。第1方向に沿ったコネクタ端子42の一端部に給電端子接続部が設けられ、他端部に中継端子接続部が設けられる。給電端子接続部は、充電コネクタ10と外部充電コネクタ80との接続時に、給電端子82に接続される。給電端子接続部の構成は、給電端子82と接続可能であればよい。給電端子接続部は、例えば、筒状に形成されたメス端子構造を有していてもよい。給電端子接続部の先端には給電端子82のオス端子構造が挿入される開口が形成されていてもよい。中継端子接続部は中継端子46に締結されている。中継端子接続部は、中継端子46と締結可能であればよく、例えば、板状又は筒状に形成されていてもよい。
【0034】
コネクタ端子42において、給電端子接続部と中継端子接続部との間に位置決めするスタビライザ(図示しない)が設けられ、リテーナ30は当該スタビライザをハウジング本体21に向けて押えていてもよい。例えば、スタビライザは給電端子接続部よりも外側に突出し、リテーナ30はスタビライザをキャビティの開口の周縁部に向けて押さえていてもよい。
【0035】
コネクタ端子42は、導体板が折曲げられて形成されたプレス端子であってもよいし、棒状導体が切削加工されて形成された切削端子であってもよい。
【0036】
2つの中継端子46それぞれに電力線56が接続される。中継端子46と電力線56とが接続されて端子付き電線44をなしている。第1中継端子46Rと第1電力線56Rとが接続されて端子付き電線44Rをなし、第2中継端子46Lと第2電力線56Lとが接続されて端子付き電線44Lをなしている。中継端子46は端子付き電線44となった状態で、コネクタ端子42と締結されることができる。
【0037】
第1電力線56R及び第2電力線56Lは、中継端子46との接続部から第3方向に延びる。各電力線56は導体芯線57及び絶縁被覆層58を有する絶縁電線である。電力線56の端部において絶縁被覆層58の端部よりも先端側に導体芯線57が露出している。当該露出芯線部が電線接続部53に接続されている。
【0038】
2つの中継端子46は互いに同じ端子形状を有する。
図7に示す中継端子46の端子形状は、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに共通の形状である。かかる中継端子46の端子形状について、詳しくは後述する。同様に、2つの電力線56は互いに同じ形状に形成されている。2つの端子付き電線44において、中継端子46のうち電力線56と接合される部分及び電力線56の接合向きが互いに同じである。このため、2つの端子付き電線44は互いに同じ形状となっている。2つの端子付き電線44において、コネクタ端子42との締結姿勢が互いに逆向きの姿勢となっている。
【0039】
各信号端子61は、端子接続部と信号線接続部とを含む。端子接続部は、外部充電コネクタ80の信号端子61と接続される部分である。例えば、端子接続部は、外部充電コネクタ80の信号端子61のオス端子構造と接続可能なメス端子構造を有していてもよい。信号線接続部は、信号線62に接続される部分である。信号線接続部は、例えば、信号線62に圧着されて接続される圧着部であってもよい。また信号端子61は、リテーナ30に押さえられるスタビライザ(図示しない)を含んでもよい。例えば、信号端子61のスタビライザは、端子接続部と信号線接続部との間に設けられ、スタビライザの先端部は、端子接続部及び信号線接続部よりも外周側に突出してもよい。リテーナ30はスタビライザをキャビティの開口の周縁部に向けて押さえてもよい。
【0040】
8つの信号端子61それぞれに、信号線62が接続される。信号端子61と信号線62とが接続されて端子付き電線60(
図5参照)をなしている。信号端子61は端子付き電線60となった状態で、キャビティに挿入されることができる。各信号線62は、導体芯線57及び絶縁被覆層58を有する被覆電線である。信号線62の端部の露出芯線部が信号端子61の圧着部に圧着される。
【0041】
信号端子61は、後端までハウジング20内に収まる。リテーナ30の貫通孔31Bから後方に信号線62が延び出る。リテーナ30の貫通孔31Bから延び出た信号線62の周囲は囲い部33C、33Dの絶縁壁32に覆われる。
図1に示すように、囲い部33Cの下側から囲い部33Dの上側にかけての絶縁壁32Aと、囲い部33Dの下側の絶縁壁32Bとが、囲い部33C、33Dの他の絶縁壁32よりも部分的に低くなっていることによって、囲い部33C、33Dに開口が設けられると共に、囲い部33C、33Dの開口の外側に信号線62の通ることができる通路が生じる。貫通孔31Bから後方に延び出た信号線62が、当該開口及び通路を通じて下方に向けて延びている(
図2参照)。
【0042】
信号線62は、電力線56よりも細い。信号線62は、電力線56よりも小さい曲げ半径で曲がることができる。例えば、信号線62は、リテーナ30の貫通孔31Bの後部開口と絶縁壁32の先端との間で、90度曲がることができる(
図1参照)。
【0043】
<中継端子46の端子形状について>
中継端子46の端子形状についてより具体的に説明する。中継端子46は、締結孔49が形成された締結板部47と電力線56に接続される電線接続部53とを有する。中継端子46の長手方向一端に締結板部47が設けられ、他端に電線接続部53が設けられる。ここでは中継端子46は、導体板が折曲げられて形成されたプレス端子である。
【0044】
締結板部47は、第1面47A及び第2面47Bを有する。第1面47A及び第2面47Bを結ぶ方向が締結板部47の厚み方向である。第1面47A及び第2面47Bは厚み方向において互いに逆を向く面である。締結孔49は、第1面47Aから第2面47Bまで貫通する。締結板部47は、締結孔49にボルトBなどの締結部材が通されて、コネクタ端子42と締結される。締結板部47は、本体板部48と連結板部50とを有する。本体板部48は締結孔49が形成された部分である。本体板部48は厚み方向が第1方向に沿うように配置される。本体板部48はリテーナ30のうち貫通孔31Aの周縁部に支持される。連結板部50は本体板部48から電線接続部53に向けて延びる。本実施形態では連結板部50は本体板部48と電線接続部53とを連結する。
【0045】
本実施形態では連結板部50は、厚み方向に曲がる曲げ部51を有する。連結板部50は2箇所の曲げ部51を含む第1板部50Aと、第1板部50Aよりも電線接続部53側の第2板部50Bとを有する。第2板部50Bは本体板部48と平行である。ここでは曲げ部51は水平から90度よりも小さい角度で曲がっている。なお、曲げ部51は90度で曲がっていてもよい。本体板部48及び連結板部50を有する締結板部47は、平板が長手方向に沿った2箇所において厚み方向に互いに逆向きに曲げ変形された形状に形成されている。
【0046】
図2に示すように、締結板部47は、締結孔49の中心を通り第3方向に平行な線L1に対して非対称に形成されている。第1中継端子46Rの締結板部47は、第1面47Aを第1コネクタ端子42Rに向けた姿勢で第1コネクタ端子42Rに締結されている。第2中継端子46Lの締結板部47は、第1面47Aとは反対側の第2面47Bを第2コネクタ端子42Lに向けた姿勢で第1コネクタ端子42Rに締結されている。第1方向後方から見たとき、第1中継端子46Rの締結板部47と第2中継端子46Lの締結板部47とが、第1中継端子46Rと第2中継端子46Lとの間を通り、第3方向に平行な線Lに対して線対称となるように配置されている。
【0047】
ここでは締結板部47に信号線62の配置領域を避ける凹部52が形成されていることによって、締結板部47が非対称形状とされる。具体的には、
図2に示すように、第1方向後方から見たとき、第1中継端子46Rの本体板部48の左端の下方に、1つの信号端子61から延出する信号線62が配置される。このため、第1中継端子46Rの連結板部50が本体板部48の左端の下方にそのまま延長することが難しく、信号線62の配置領域を避けるように延長している。これに伴い、第1中継端子46Rの本体板部48の左端の下方に凹部52が形成される。同様に、第2中継端子46Lの本体板部48の右端の下方にも信号線62の配置領域があり、当該信号線62の配置領域に、第2中継端子46Lの凹部52が位置する。
【0048】
図2に示すように、凹部52は、第1板部50Aの側方に位置する。第2板部50Bのうち電線接続部53側の部分は、第2板部50Bのうち第1板部50Aとの連結部分よりも凹部52のある側にオフセットされている。これにより、第2板部50Bが第1板部50Aとの連結部分から電線接続部53まで真っ直ぐ延びる場合と比べて、電力線56同士を第2方向に沿って近づけることができ、もって、充電コネクタ10の大型化を抑制できる。また、第2方向において、締結孔49の中心と、電力線56の中心とを近づけることもできる。
【0049】
図2に示すように、囲い部33Dにおける絶縁壁32は、第1中継端子46Rの凹部52と第2中継端子46Lの凹部52とに沿う形状に形成されている。絶縁壁32A、32Bの一部と、絶縁壁32C、32Dとが、信号線62の周囲を囲う囲い部33Dをなしている。絶縁壁32Cは、第1中継端子46Rの凹部52に沿う形状に形成されている。絶縁壁32Dは、第2中継端子46Lの凹部52に沿う形状に形成されている。
【0050】
またここでは締結孔49が締結板部47の中心(本体板部48の中心)から一方側部に寄った位置にあることによって、締結板部47が非対称形状とされる。ここで、2つの中継端子46の締結孔49の位置はコネクタ端子42の位置に設けられ、コネクタ端子42の位置は充電コネクタ10の規格等によって設定される。このため、一方の本体板部48を、他方の本体板部48に向けて広げることは難しいのに対して、他方の本体板部48から離れる方向には広げやすい。そして、一方の本体板部48を他方の本体板部48から離れる方向に広げると、締結孔49が本体板部48の中心から一方側部(他方の本体板部48側)に寄った位置になる。
【0051】
電線接続部53は
図7に示すように延長板部54と圧着片55とを有する。延長板部54は連結板部50と連結されている。延長板部54は締結板部47における連結板部50から延長された部分である。延長板部54において締結板部47の第1面47Aと連続する面は第1面47Aと同じ方向を向き、第2面47Bと連続する面は第2面47Bと同じ方向を向く。以下、延長板部54において締結板部47の第1面47Aと連続する面を延長板部54の第1面54Aとし、締結板部47の第2面47Bと連続する面を延長板部54の第2面54Bとする。第1中継端子46Rにおいて第1電力線56Rが接続される面と、第2中継端子46Lにおいて第2電力線56Lが接続される面とが、端子形状の延長板部54における互いに同じ面(ここでは延長板部54の第1面47A)である。本実施形態では、延長板部54の両側縁部から延長板部54の第1面47A側に圧着片55が突出する。延長板部54の第1面47Aに電力線56が配置された状態で、圧着片55が電力線56に圧着される。互いに逆向きに配置される端子付き電線44R、44Lにおいて、延長板部54と圧着片55との位置関係も互いに逆となる。端子付き電線44Rにおいて、圧着片55が延長板部54よりもコネクタ端子42側に位置する。端子付き電線44Lにおいて、延長板部54が圧着片55よりもコネクタ端子42側に位置する。
【0052】
図5に示すように、曲げ部51を含む第1板部50Aによって本体板部48と第2板部50Bとが本体板部48の厚み方向に離れている。ここでは第2板部50Bの第1面47Aが本体板部48の第2面47B側に位置する。このため、本体板部48の厚み方向において、第2板部50Bの第1面47Aに接続された電力線56の径方向中心C1が、本体板部48の厚み方向中心C2に近づいている。これにより、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lを互いに逆向きに配置し、かつ、第1中継端子46Rの本体板部48と第2中継端子46Lの本体板部48と厚み方向に同じ位置にある場合でも、本体板部48の厚み方向において、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1とが大きく離れることを抑制できる。
【0053】
図5に示すように、本体板部48の厚み方向において、電力線56の径方向中心C1が、本体板部48の厚み方向中心C2と一致していてもよい。これにより、本体板部48の厚み方向において、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1とが一致する。本体板部48の厚み方向において、電力線56の径方向中心C1が、本体板部48の第1面47Aと第2面47Bとの間にあってもよい。これにより、本体板部48の厚み方向において、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1との距離が、本体板部48の厚み寸法以下となる。本開示では、本体板部48の厚み方向(第1方向)において、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1との距離が、本体板部48の厚み寸法以下の場合、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1とが同じ位置にあるものとみなす。
【0054】
<端子付き電線44の支持構造について>
ここでは充電コネクタ10は、アーム25を備える。アーム25は、ハウジング20から突出する。ここではアーム25は、ハウジング本体21から突出する。アーム25は、電力線56のうち中継端子46から延び出た部分を支持する。アーム25の先端に電力線56を支持する支持部26が設けられている。ここでは電力線56における絶縁被覆層58の端部よりも若干中間側の部分が、支持部26に支持される。支持部26の底面(第1方向前側の面)がアーム25の支持面とされる。
【0055】
アーム25の支持面からの第1電力線56Rの位置及び第2電力線56Lの位置が互いに同じである。第1電力線56Rを支持する支持面と、第2電力線56Lを支持する支持面とが第1方向に同じ位置にある。また、上記したように、曲げ部51を含む第1板部50Aによって本体板部48と第2板部50Bとが本体板部48の厚み方向に離されることによって、第1電力線56Rの径方向中心C1と第2電力線56Lの径方向中心C1とが第1方向に同じ位置にある。これらより、アーム25の支持面からの第1電力線56Rの位置及び第2電力線56Lの位置が互いに同じである。
【0056】
端子付き電線44において、本体板部48がリテーナ30に支持されると共に電力線56がアーム25に支持される。端子付き電線44のうちリテーナ30に支持される部分とアーム25に支持される部分との間の部分は、何にも支持されていない。充電コネクタ10において、端子付き電線44のうちリテーナ30に支持される部分とアーム25に支持される部分との間の部分を支持する部分が設けられていてもよい。
【0057】
<効果等>
以上のように構成された充電コネクタ10によると、電力線56が第3方向に延びると共に、非対称形状を有する締結板部47を第1面47Aと第2面47Bとが互いに反対向きとなるように第1中継端子46Rと第2中継端子46Lとを配置することによって、第1中継端子46Rと第2中継端子46Lとして同じ端子形状の端子を用いることができる。これにより、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。これにより、充電コネクタ10において、部品種類数を削減することができる。
【0058】
また、第1中継端子46Rにおいて第1電力線56Rが接続される面と、第2中継端子46Lにおいて第2電力線56Lが接続される面とが、互いに同じ延長板部54の第1面47Aである。これにより、第1中継端子46Rに第1電力線56Rを接続する向きと、第2中継端子46Lに第2電力線56Lを接続する向きとを同じとすることができる。これにより、2つの端子付き電線44R、44Lにおいて、中継端子46と電力線56との接続部分の形状を互いに同じ形状とすることができる。
【0059】
また、連結板部50は、厚み方向に曲がる曲げ部51を有する。これにより、第1中継端子46Rと第2中継端子46Lとが曲げ部51における曲げの向きが互いに逆向きとなるように配置される。これにより、端子形状における互いに同じ面に電力線56が接続される場合でも、本体板部48に対して第1電力線56Rの位置(本体板部48の厚み方向に沿った位置)と第2電力線56Lの位置とを揃えやすい。
【0060】
また、電線接続部53は、延長板部54から突出し、電力線56に圧着される圧着片55を有する。これにより、中継端子46が電力線56に圧着によって接続される場合でも、締結板部47に対して第1電力線56Rの位置(締結板部47の厚み方向に沿った位置)と第2電力線56Lの位置とを揃えやすい。
【0061】
また、アーム25の支持面からの第1電力線56Rの位置及び第2電力線56Lの位置が互いに同じである。これにより、アーム25があることで端子・ネジ締結部へ車両の振動による影響を下げられる。また、アーム25と同じように電力線56の位置が揃っている既存のアームが有れば、当該既存のアームの設定を流用しやすい。これにより、充電コネクタ10の開発コストの上昇を抑えることができる。
【0062】
また、締結板部47に信号線62の配置領域を避ける凹部52が形成されていることによって、締結板部47が非対称形状とされる。これにより、信号線62と電力端子40とを離しつつ、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。
【0063】
また、リテーナ30は、信号線62の周囲を覆いつつ、第1中継端子46Rの凹部52と第2中継端子46Lの凹部52とに沿う形状に形成された絶縁壁32を有する。これにより、信号線62と第1中継端子46R及び第2中継端子46Lの間に絶縁壁32を設けつつ、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。また信号線62を中継端子46よりも後方まで引き出すことができる。これにより、コネクタ端子42を第1方向に短くすることができる。
【0064】
また、締結孔49が締結板部47の中心(ここでは第2方向における本体板部48の中心)から一方側部に寄った位置にあることによって、締結板部47が非対称形状とされる。これにより、締結板部47を大きくしつつ、第1中継端子46R及び第2中継端子46Lに用いる端子の部品種類数を1つとすることができる。
【0065】
[付記]
これまで、第1中継端子46Rにおいて第1電力線56Rが接続される面と、第2中継端子46Lにおいて第2電力線56Lが接続される面とが、端子形状の延長板部54における互いに同じ第1面47Aであるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1中継端子46Rにおいて第1電力線56Rが延長板部54の第1面47Aに接続され、第2中継端子46Lにおいて第2電力線56Lが延長板部54の第2面47Bに接続されてもよい。
【0066】
またこれまで、電線接続部53は、電力線56に圧着される圧着片55を有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、延長板部54に電力線56が溶接されることにより、電線接続部が電力線56と接続されていてもよい。
【0067】
またこれまで、連結板部50が厚み方向に曲がる曲げ部51を有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。連結板部50は、曲げ部51を有していなくてもよい。この場合、第1中継端子46Rにおいて第2面47Bに電力線56が溶接されると共に、第2中継端子46Lにおいて第1面47Aに電力線56が溶接されることによって、連結板部50に曲げ部51が設けられなくとも、第1電力線56R及び第2電力線56Lの位置を揃えられる。
【0068】
またこれまで、充電コネクタ10がアーム25を備え、アーム25の支持面からの第1電力線56Rの位置及び第2電力線56Lの位置が互いに同じであるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。充電コネクタ10はアーム25を備えていなくてもよい。また、充電コネクタ10がアーム25を備える場合でも、アーム25の支持面からの第1電力線56Rの位置及び第2電力線56Lの位置が互いに異なっていてもよい。第1電力線56Rを支持する支持面と、第2電力線56Lを支持する支持面とが第1方向にずれていてもよい。
【0069】
またこれまで、締結板部47に信号線62の配置領域を避ける凹部52が形成されていることによって、締結板部47が非対称形状とされるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、締結板部47が信号線62の配置領域を避ける必要がない場合、締結板部47に凹部52が設けられていなくてもよい。この場合、締結板部47は、凹部52とは別の構成によって非対称形状とされているとよい。
【0070】
またこれまで、リテーナ30は、信号線62の周囲を覆いつつ、第1中継端子46Rの凹部52と第2中継端子46Lの凹部52とに沿う形状に形成された絶縁壁32を有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。リテーナ30は、凹部52に沿う絶縁壁32を有していなくてもよい。
【0071】
またこれまで、締結孔49が締結板部47の中心から一方側部に寄った位置にあることによって、締結板部47が非対称形状とされるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、締結孔49が締結板部47の中心にあってもよい。この場合、締結板部47は、締結孔49の位置の偏りとは別の構成によって非対称形状とされているとよい。
【0072】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 充電コネクタ
20 ハウジング
21 ハウジング本体
23 フランジ
24 固定部
25 アーム
26 支持部
30 リテーナ
31A、31B 貫通孔
32、32A、32B、32C、32D 絶縁壁
33A、33B、33C、33D 囲い部
34 開口
40 電力端子
42 コネクタ端子
42R 第1コネクタ端子(コネクタ端子)
42L 第2コネクタ端子(コネクタ端子)
44、44L、44R、60 端子付き電線
46 中継端子
46R 第1中継端子(中継端子)
46L 第2中継端子(中継端子)
47 締結板部
47A 第1面
47B 第2面
48 本体板部
49 締結孔
50 連結板部
50A 第1板部
50B 第2板部
51 曲げ部
52 凹部
53 電線接続部
54 延長板部
55 圧着片
56 電力線
56R 第1電力線(電力線)
56L 第2電力線(電力線)
57 導体芯線
58 絶縁被覆層
61 信号端子
62 信号線
80 外部充電コネクタ
81 外部ハウジング
82 給電端子
B ボルト
C1 電力線の径方向中心
C2 本体板部の厚み方向中心