(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122154
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029534
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慧
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆章
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA02
2C518AD08
2C518CA03
2C518CA06
2C518CA08
2C518DA03
(57)【要約】
【課題】有利区間移行時の制御について改良を施したスロットマシンを提供すること。
【解決手段】AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間の開始時に制御されるCZ2状態、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれの状態においても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、CZ2状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、
前記有利状態に制御されない通常区間と、前記有利状態に制御され得る有利区間と、のいずれかの区間に制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記通常区間に制御されているか前記有利区間に制御されているかを特定不能に制御可能であり、
前記有利区間において、前記有利状態に制御されていない非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったことに基づいて前記有利状態に制御可能であり、
前記有利状態は、第1有利状態と、前記第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態と、を含み、
前記有利区間が開始して所定期間経過した後では、前記非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったことに基づいて前記有利状態に制御される場合に前記第1有利状態及び前記第2有利状態のうち前記第1有利状態に制御される割合が高く、
前記第1有利状態に制御された後に前記第2有利状態に制御可能であり、
前記有利区間は、前記第2有利状態が終了した場合に終了させることが可能であり、
前記有利区間が開始して前記所定期間が経過する以前では、前記非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったことに基づいて前記有利状態に制御される場合に前記第1有利状態及び前記第2有利状態のうち前記第2有利状態に制御される割合が高い、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンとしては、有利状態に制御されない通常区間と、有利状態に制御され得る有利区間と、に制御可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のように有利区間を備えるスロットマシンにおいては、有利区間移行時の制御について改良の余地がある。
【0005】
本発明は、有利区間移行時の制御について改良を施したスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、
前記有利状態に制御されない通常区間と、前記有利状態に制御され得る有利区間と、のいずれかの区間に制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記通常区間に制御されているか前記有利区間に制御されているかを特定不能に制御可能であり、
前記有利区間において、前記有利状態に制御されていない非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったことに基づいて前記有利状態に制御可能であり、
前記有利状態は、第1有利状態と、前記第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態と、を含み、
前記有利区間が開始して所定期間経過した後では、前記非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに前記第1有利状態及び前記第2有利状態のうち前記第1有利状態に制御される割合が高く、
前記第1有利状態に制御された後に前記第2有利状態に制御可能であり、
前記有利区間は、前記第2有利状態が終了した場合に終了させることが可能であり、
前記有利区間が開始して前記所定期間が経過する以前では、前記非有利状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに前記第1有利状態及び前記第2有利状態のうち前記第2有利状態に制御される割合が高い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が開始して所定期間経過した後では、第1有利状態の後に、第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態に制御され得ることとなるが、第2有利状態が終了した後に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、第1有利状態を経ることなく再度第2有利状態に制御されることを期待させることができる。
【0007】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
【
図3】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【
図4】内部抽選の対象となる役について説明するための図である。
【
図5】ナビ報知及びナビ演出の実行態様について説明するための図である。
【
図6】遊技区間及び有利区間における有利区間状態の遷移を示す図である。
【
図7】有利区間状態について説明するための図である。
【
図9】CZ1状態及びAT1状態開始時の制御内容について説明するための図である。
【
図10】CZ1状態及びAT1状態開始時の制御内容について説明するための図である。
【
図11】AT2状態終了時の制御内容について説明するための図である。
【
図12】AT2状態終了時の制御内容について説明するための図である。
【
図13】AT2状態終了時の制御内容について説明するための図である。
【
図14】AT2状態終了時の制御内容について説明するための図である。
【
図15】AT2状態終了時の制御内容について説明するための図である。
【
図16】AT2状態終了時の画面遷移について説明するための図である。
【
図17】AT2状態終了時の画面遷移について説明するための図である。
【
図19】AT2状態終了時の制御内容の変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
[形態1]
形態1-1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
有利状態(AT状態)に制御可能な有利状態制御手段と、
前記有利状態(AT状態)に制御されない通常区間と、前記有利状態(AT状態)に制御され得る有利区間と、のいずれかの区間に制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記通常区間に制御されているか前記有利区間に制御されているかを特定不能に制御可能であり、
前記有利区間において、前記有利状態(AT状態)に制御されていない非有利状態(CZ1状態、CZ2状態)において前記事前決定手段の決定結果が特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御可能であり、
前記有利状態(AT状態)は、第1有利状態(AT1状態)と、前記第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態(AT2状態)と、を含み、
前記有利区間が開始して所定期間経過した後(CZ2状態終了後)では、前記非有利状態(CZ1状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第1有利状態(AT1状態)に制御される割合が高く、
前記第1有利状態(AT1状態)に制御された後に前記第2有利状態(AT2状態)に制御可能であり、
前記有利区間は、前記第2有利状態(AT2状態)が終了した場合に終了させることが可能であり、
前記有利区間が開始して前記所定期間が経過する以前(CZ2状態)では、前記非有利状態(CZ2状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第2有利状態(AT2状態)に制御される割合が高い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が開始して所定期間経過した後では、第1有利状態の後に、第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態に制御され得ることとなるが、第2有利状態が終了した後に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、第1有利状態を経ることなく再度第2有利状態に制御されることを期待させることができる。
【0011】
形態1-2のスロットマシンは、形態1-1に記載のスロットマシンであって、
前記第2有利状態(AT2状態)が終了して前記所定期間経過した後(CZ2状態終了後)では、前記非有利状態(CZ1状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第1有利状態(AT1状態)に制御される割合が高く、
前記第2有利状態が終了して前記所定期間が経過する以前(CZ2状態)では、前記非有利状態(CZ2状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第2有利状態(AT2状態)に制御される割合が高い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2有利状態が終了した後に有利区間が終了しているか否かに関わらず、第1有利状態を経ることなく再度第2有利状態に制御されることを期待させることができる。
【0012】
形態1-3のスロットマシンは、形態1-1または1-2に記載のスロットマシンであって、
前記有利状態(AT状態)において獲得した遊技用価値に関する獲得情報(獲得枚数)を報知可能な獲得情報報知手段(獲得枚数報知)を備え、
前記獲得情報報知手段は、前記有利区間が開始して前記所定期間が経過する以前(CZ2状態)に前記第2有利状態(AT2状態)に制御されたときに、前回の有利区間終了時に制御されていた前記有利状態(AT状態)における前記獲得情報(獲得枚数)を引き継いで報知する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が途切れても第2有利状態が連続して発生しているように見せることができる。
【0013】
形態1-4のスロットマシンは、形態1-1~1-3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間の終了条件は、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値(純増枚数)が上限量(上限枚数)を超えたときに成立する上限終了条件(終了条件1)を含み、
前記第2有利状態(AT2状態)が終了するときに、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値の量(純増枚数)と前記上限量(上限枚数)との差数(残り純増枚数)が特定量(特定数)以下の場合に前記有利区間を終了させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態の途中で有利区間の上限終了条件が成立し、突然有利状態が終了してしまうことや、上限量に到達しないように上乗せが制限されてしまうことを防止できる。
【0014】
形態1-5のスロットマシンは、形態1-4に記載のスロットマシンであって、
前記上限終了条件(終了条件1)が成立して前記有利区間が終了した後、新たに前記有利区間が開始するときに、前記上限終了条件(終了条件1)が成立せずに前記有利区間が終了した後、新たに前記有利区間が開始するときと異なる態様の演出(結果報知・有利区間終了演出、通常演出、復活演出)を実行する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上限終了条件が成立して有利区間が終了した後、新たに有利区間が開始するときには、上限終了条件が成立せずに有利区間が終了した後、新たに有利区間が開始するときの演出態様と異なるため、上限終了条件が成立して有利区間が終了したにも関わらず、新たに第2有利状態が継続することへの違和感を軽減することができる。
【0015】
[形態2]
形態2-1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
有利状態(AT状態)に制御可能な有利状態制御手段と、
前記有利状態(AT状態)に制御されない通常区間と、前記有利状態(AT状態)に制御され得る有利区間と、のいずれかの区間に制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記通常区間に制御されているか前記有利区間に制御されているかを特定不能に制御可能であり、
前記有利区間において、前記有利状態(AT状態)に制御されていない非有利状態(CZ1状態、CZ2状態)において前記事前決定手段の決定結果が特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御可能であり、
前記有利状態(AT状態)は、第1有利状態(AT1状態)と、前記第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態(AT2状態)と、を含み、
前記有利区間が開始して所定期間経過した後(CZ2状態終了後)では、前記非有利状態(CZ1状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第1有利状態(AT1状態)に制御される割合が高く、
前記第1有利状態(AT1状態)に制御された後に前記第2有利状態(AT2状態)に制御可能であり、
前記有利区間は、前記第2有利状態(AT2状態)が終了した後に終了させることが可能であり、
前記通常区間において、少なくとも前記事前決定手段の決定結果が所定結果(押し順役)となったこと、または前記特定結果(AT抽選対象役(通常リプレイを除く))となったことに基づいて前記有利区間に移行し、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役(通常リプレイを除く))となったことに基づいて前記有利区間に移行する場合には、前記有利区間へ移行したときに前記有利状態(AT状態)に制御可能であり、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役(通常リプレイを除く))となったことに基づいて前記有利区間に移行し、前記有利状態(AT状態)に制御される場合に、前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第2有利状態(AT2状態)に制御される割合が高い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が開始して所定期間経過した後では、第1有利状態の後に、第1有利状態よりも多くの遊技用価値の増加が期待できる第2有利状態に制御され得ることとなるが、第2有利状態が終了した後に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、再度第2有利状態に制御されることを期待させることができる。
【0016】
形態2-2のスロットマシンは、形態2-1に記載のスロットマシンであって、
前記第2有利状態(AT2状態)が終了して前記所定期間経過した後(CZ2状態終了後)では、前記非有利状態(CZ1状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第1有利状態(AT1状態)に制御される割合が高く、
前記第2有利状態が終了して前記所定期間が経過する以前(CZ2状態)では、前記非有利状態(CZ2状態)において前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(AT抽選対象役)となったことに基づいて前記有利状態(AT状態)に制御される場合に前記第1有利状態(AT1状態)及び前記第2有利状態(AT2状態)のうち前記第2有利状態(AT2状態)に制御される割合が高い
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2有利状態が終了した後に有利区間が終了しているか否かに関わらず、再度第2有利状態に制御されることを期待させることができる。
【0017】
形態2-3のスロットマシンは、形態2-1または2-2に記載のスロットマシンであって、
前記有利状態(AT状態)において獲得した遊技用価値に関する獲得情報(獲得枚数)を報知可能な獲得情報報知手段(獲得枚数報知)を備え、
前記獲得情報報知手段は、前記有利区間が開始して前記所定期間が経過する以前(CZ2状態)に前記第2有利状態(AT2状態)に制御されたときに、前回の有利区間終了時に制御されていた前記有利状態(AT状態)における前記獲得情報(獲得枚数)を引き継いで報知する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が途切れても第2有利状態が連続して発生しているように見せることができる。
【0018】
形態2-4のスロットマシンは、形態2-1~2-3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間の終了条件は、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値(純増枚数)が上限量(上限枚数)を超えたときに成立する上限終了条件(終了条件1)を含み、
前記第2有利状態(AT2状態)が終了するときに、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値の量(純増枚数)と前記上限量(上限枚数)との差数(残り純増枚数)が特定量(特定数)以下の場合に前記有利区間を終了させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態の途中で有利区間の上限終了条件が成立し、突然有利状態が終了してしまうことや、上限量に到達しないように上乗せが制限されてしまうことを防止できる。
【0019】
形態2-5のスロットマシンは、形態2-4に記載のスロットマシンであって、
前記上限終了条件(終了条件1)が成立して前記有利区間が終了した後、新たに前記有利区間が開始するときに、前記上限終了条件(終了条件1)が成立せずに前記有利区間が終了した後、新たに前記有利区間が開始するときと異なる態様の演出(結果報知・有利区間終了演出、通常演出、復活演出)を実行する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上限終了条件が成立して有利区間が終了した後、新たに有利区間が開始するときには、上限終了条件が成立せずに有利区間が終了した後、新たに有利区間が開始するときの演出態様と異なるため、上限終了条件が成立して有利区間が終了したにも関わらず、新たに第2有利状態が継続することへの違和感を軽減することができる。
【0020】
[形態3]
形態3-1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
有利状態(AT状態)に制御可能な有利状態制御手段と、
前記有利状態(AT状態)に制御されない通常区間と、前記有利状態(AT状態)に制御され得る有利区間と、のいずれかの区間に制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を継続したまま前記有利状態(AT状態)への移行確率が高い高確率状態(CZ2状態)に制御するときと、前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を終了させて前記通常区間に移行し、再度前記有利区間に移行したときに前記高確率状態(CZ2状態)に制御するときと、があり、
前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を継続したまま前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に所定期間の準備状態を経て前記高確率状態(CZ2状態)に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態が終了した後、有利区間を終了させてから再度有利区間に移行したときに高確率状態に制御される場合には、有利状態の終了後、高確率状態が開始するまでに必ず待機期間が生じることとなるが、有利区間が継続したまま高確率状態に制御された場合でも、すぐに高確率状態が開始することがなく、所定期間の準備状態を経て高確率状態に制御されるため、有利区間が継続したまま高確率状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0021】
形態3-2のスロットマシンは、形態3-1に記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)を備え、
前記通常区間において前記事前決定手段の決定結果が特定結果(有利区間移行役)となったことに基づいて前記有利区間に移行し、
前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を継続したまま前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果(有利区間移行役)となったことに基づいて前記高確率状態(CZ2状態)に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が継続したまま高確率状態に制御された場合に、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御される場合と同じ契機にて高確率状態に制御されることとなるため、有利区間が継続したまま高確率状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0022】
形態3-3のスロットマシンは、形態3-1または3-2に記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)を備え、
前記有利区間において前記有利状態(AT2状態)に制御されていない非有利状態(通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態)において、第1態様(左リールを第1停止とする停止操作順)で前記導出操作手段が操作された場合と、第2態様(左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順)で前記導出操作手段が操作された場合と、で前記有利状態(AT状態)への移行に関する有利度が異なり(左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行うとATに関連してペナルティが与えられる)、
前記準備状態においては、いずれの態様で前記導出操作手段が操作された場合でも前記有利状態への移行に関する有利度は変わらない(左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行ってもATに関連してペナルティが与えられない)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、準備状態では通常区間と同様にいずれの態様で導出操作手段が操作された場合でも有利状態への移行に関する有利度は変わらないため、有利区間が継続したまま高確率状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0023】
形態3-4のスロットマシンは、形態3-1~3-3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間中に前記スロットマシンの外部に出力可能な外部信号(CZ・AT中信号、AT中信号)をオン状態に制御することが可能であり、
前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を終了させて前記通常区間に移行し、再度前記有利区間に移行したときに前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に、前記有利状態が終了することで前記外部信号(CZ・AT中信号、AT中信号)を一旦オフ状態とし、前記高確率状態(CZ2状態)に移行して以降にオン状態とし、
前記有利区間を継続したまま前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に、前記有利状態(AT2状態)が終了することで前記外部信号(CZ・AT中信号、AT中信号)を一旦オフ状態とし、少なくとも1ゲームに亘ってオフ状態とした後、前記高確率状態(CZ2状態)に移行して以降にオン状態とする
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が継続したまま高確率状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御された場合と同様に、外部信号が一旦オフ状態となるため、有利区間が継続したまま高確率状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0024】
形態3-5のスロットマシンは、形態3-1~3-4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間中に発行可能な特定発光部(CZ・AT中LED19a、AT中LED19b)を備え、
前記有利状態(AT2状態)が終了した後、前記有利区間を終了させて前記通常区間に移行し、再度前記有利区間に移行したときに前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に、前記有利状態(AT2状態)が終了することで前記特定発光部(CZ・AT中LED19a、AT中LED19b)を一旦非発光状態(非点灯状態)とし、前記高確率状態(CZ2状態)に移行して以降に発光状態(点灯状態)とし、
前記有利区間を継続したまま前記高確率状態(CZ2状態)に制御する場合に、前記有利状態(AT2状態)が終了することで前記特定発光部(CZ・AT中LED19a、AT中LED19b)を一旦非発光状態(非点灯状態)とし、少なくとも1ゲームに亘って非発光状態(非点灯状態)とした後、前記高確率状態(CZ2状態)に移行して以降に発光状態(点灯状態)とする
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間が継続したまま高確率状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御された場合と同様に、特定発光部が一旦非発光状態となるため、有利区間が継続したまま高確率状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、高確率状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0025】
形態3-6のスロットマシンは、形態3-1~3-5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間の終了条件は、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値(純増枚数)が上限量(上限枚数)を超えたときに成立する上限終了条件(終了条件1)を含み、
前記第2有利状態(AT2状態)が終了するときに、前記有利区間において遊技者が獲得した遊技用価値の量(純増枚数)と前記上限量(上限枚数)との差数(残り純増枚数)が特定量(特定数)以下の場合に前記有利区間を終了させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態の途中で有利区間の上限終了条件が成立し、突然有利状態が終了してしまうことや、上限量に到達しないように上乗せが制限されてしまうことを防止できる。
【0026】
形態3-7のスロットマシンは、形態3-1~3-6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利状態(AT2状態)において前記有利状態(AT2状態)に制御する旨の権利が付与されていることが確定している場合には、当該有利状態(AT2状態)が終了した後、前記高確率状態(CZ2状態)にも前記準備状態にも制御することなく前記有利状態(AT2状態)に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態が継続することが確定している状況では、余計な期間を挟まずに速やかに有利状態を継続させることができる。
【実施例0027】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明する。本実施例のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。スロットマシン1の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、スロットマシン1の正面の略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。また、
図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄(「赤7」、「白7」、「BAR」、「スイカa」、「スイカb」、「チェリー」、「ベルa」、「ベルb」、「リプレイ」、「プラム」)が所定の順序で配列されている。
【0028】
尚、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良い。また、本実施例では、リール2L、2C、2Rにより図柄を可変表示させる可変表示部を構成しているが、可変表示部は、リール以外であっても良く、例えば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でも良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成しても良い。
【0029】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて遊技状態に応じて定められた規定数(本実施例では、非内部中及び内部中:3、特別状態:2)の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0030】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードや、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様に対応する操作情報(ナビ報知)等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述するCZ状態または後述するAT状態の一方に制御されている旨及び後述するCZ・AT中信号がオン状態である旨を点灯により報知するCZ・AT中LED19a、後述するAT状態に制御されている旨及び後述するAT中信号がオン状態である旨を点灯により報知するAT中LED19b、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0031】
尚、本実施例では、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを別個に設けているが、CZ・AT中信号がオン状態である旨またはAT中信号がオン状態である旨を点灯により報知する1つのLEDで兼用するようにしても良い。この場合、CZ・AT中信号及びAT中信号の双方がオフ状態である状況ではLEDを非点灯状態とし、CZ・AT中信号またはAT中信号の少なくともどちらか一方の信号がオン状態となったときに、LEDを点灯状態とし、その後、CZ・AT中信号及びAT中信号の双方がオフ状態となったときに、LEDを非点灯状態とすれば良く、このような構成とすることで、CZ・AT中信号またはAT中信号のいずれかがオン状態にあるときは、必ずLEDが点灯状態となり、いずれかの信号が出力中であることを確認可能となる。
【0032】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールを停止させる操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図3参照)がそれぞれ設けられている。
【0033】
また、スロットマシン1の正面には、画像を表示可能な液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)に表示領域が配置されるように設けられている。液晶表示器51の背面側の各リール2L、2C、2Rは、液晶表示器51の表示領域のうち透視窓3に対応する透過領域及び透視窓3を介して遊技者側から視認可能である。
【0034】
スロットマシン1の前面扉1bの内側には、所定キー操作によりスロットマシン1の外部からのエラー状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、スロットマシン1の内部に設けられた後述のホッパータンク側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入されてホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a~31cを有するメダルセレクタ29が設けられている。
【0035】
また、スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からの制御信号に応じて前述のリール2L、2C、2Rを回転させたり停止させたりするためのリールユニット34、メイン制御部41からの制御信号に応じてメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーユニット35が設けられている。
【0036】
また、スロットマシン1の内部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0037】
図3に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって遊技(ゲーム)の制御が行われ、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出の制御が行われる。
【0038】
遊技制御基板40には、前述のMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31a~31c、リールユニット34のリールセンサ(図示略)、ホッパーユニット35の払出センサ及び満タンセンサ(図示略)、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類等の検出信号が入力されるようになっている。
【0039】
また、遊技制御基板40には、前述のクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、スタート有効LED18、CZ・AT中LED19a、AT中LED19b、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールユニット34、ホッパーユニット35が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0040】
また、遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、プログラム等が記憶されるROM41b、ワークデータが一時的に記憶されるRAM41cを備える。
【0041】
また、メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
【0042】
また、メイン制御部41は、外部出力基板(図示略)を介して呼出ランプ等、外部のホール機器に対して後述するAT状態または後述するCZ状態の一方に制御されている旨を特定可能なCZ・AT中信号、後述するAT状態に制御されている旨を特定可能なAT中信号を出力する。
【0043】
演出制御基板90には、前述の演出用スイッチ56が接続されており、その検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述の液晶表示器51、音声を出力可能なスピーカ53、54、発光態様を変化可能な演出用LED57等の演出装置が接続されており、これら演出装置の出力状態は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により制御可能となっている。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるコマンドや演出用スイッチ56の検出信号を受けて、演出を行うための各種の制御等を行うようになっている。
【0044】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる構成である。詳しくは、内部抽選やAT抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0045】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源スイッチ39をONにする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONにすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFにされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。また、メイン制御部41は、設定値が変更されることに伴い、RAM41cに格納された遊技に関連するデータを初期化する。
【0046】
尚、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38は、スロットマシン1の内部に設けられ、所定のキー操作により開放可能な前面扉1bを開放しない限り操作不可能とされており、スロットマシン1が設置される遊技店の店員のうち所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。特に、設定キースイッチ37は、さらにキー操作を要することから、遊技店の店員の中でも、設定キースイッチ37の操作を行うためのキーを所持する店員のみが操作可能とされている。また、リセットスイッチ23は、前面扉1bを開放する必要はないが、所定のキーを用いたキー操作を必要とするため、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。また、リセット/設定スイッチ38は、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとしても機能するようになっている。
【0047】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはMAXBETスイッチ6を操作してクレジットを使用して賭数を設定する。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、予め定められた入賞ラインLN(
図1参照、本実施例では、リール2L、2Cの中段、リール2Rの上段に屈曲して並んだ図柄に跨がって設定されている)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。また、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0048】
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1~5を設定している。無効ラインLM1~5は、これら無効ラインLM1~5に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1~5のいずれかに入賞を示唆する示唆図柄の組合せ(例えば、ベルa-ベルa-ベルa)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0049】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転され、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動される。リール2L、2C、2Rが回転されている状態で、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rに対して停止制御が行われ、当該リールの回転が停止され、当該リールの図柄が透視窓3に表示結果として導出表示される。
【0050】
停止制御では、各ストップスイッチについて操作が行われたときから最大停止遅延時間(本実施例では、190ms(ミリ秒))以内に、操作に対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御が行われ、最大停止遅延時間(190ms)が経過するまでの間では、最大で4コマ分の図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止制御では、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(引込範囲)の図柄から一の図柄を選択して、リール2L、2C、2Rに導出させることが可能である。
【0051】
これにより、停止制御では、各リール2L、2C、2Rについて対応するストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで回転を停止させる際に、後述する内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、ストップスイッチが操作されたときの図柄から4コマ先までの引込範囲内にある場合には、当該図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させる一方で、内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、当該引込範囲内にない場合には、内部抽選にて当選していない入賞役を構成する図柄が、入賞ラインLN上に停止しないように、いずれの入賞役も構成しない図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させるように制御することが可能である。
【0052】
また、停止制御では、遊技状態の移行を伴う特別役(本実施例では、BB)の当選が持ち越されている場合に、内部抽選にてメダルの付与を伴う小役が当選して、特別役と小役が同時に当選している状況であるときには、当選している小役の構成図柄を前述の引込範囲内で優先して入賞ラインLNに引き込むように制御し、当選している小役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込むことができないときに、当選している特別役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込むように制御する。このため、特別役と小役が同時当選しているゲームにおいて、当選している特別役を入賞させることが困難になっている。
【0053】
また、停止制御では、特別役(本実施例では、BB)の当選が持ち越されている場合に、内部抽選にて再遊技の付与を伴う再遊技役が当選して、特別役と再遊技役が同時に当選している状況であるときには、当選している再遊技役の構成図柄を優先して入賞ラインLNに引き込むようになっている。各リール2L、2C、2Rにおいて再遊技役を構成する図柄は、所定の引込範囲内に配置されており、再遊技役の当選時には必ず再遊技役の構成図柄が入賞ラインLNに引き込まれることとなる。このため、特別役と再遊技役が同時に当選しているゲームでは、当選している特別役を入賞させることができないようになっている。
【0054】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた入賞役の図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rに表示結果として入賞ラインLN上に停止した場合に入賞が発生した場合に、入賞に応じた制御が行われる。小役が入賞した場合には、その種類に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。また、再遊技役が入賞した場合には、メダルを投入せずに遊技を行うことが可能な再遊技が付与されるようになっている。また、特別役が入賞した場合には、遊技状態が他の遊技状態に移行されるようになっている。
【0055】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0056】
本実施例のスロットマシン1において、入賞となる役(以下、入賞役と呼ぶ)の種類は、遊技状態に応じて定められ、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次ゲームが開始可能となる再遊技が付与される再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部41が、前述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出された時)に、乱数を用いて決定するものである。
【0057】
尚、各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次ゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次ゲームへ持ち越されるようになっている。
【0058】
また、内部抽選では、予め定められた所定の操作態様(例えば、押し順、操作タイミング)で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役、再遊技役(以下、ナビ対象役と呼ぶ場合がある。)が当選し得るようになっている。ナビ対象役には、例えば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役等を含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。
【0059】
メイン制御部41は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を特定可能なナビ情報を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)状態に制御可能である。メイン制御部41は、AT状態に制御される権利が遊技者に対して付与されることで、AT状態の制御を開始する。そして、AT状態に制御している場合には、ナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(例えば、押し順、操作タイミング等)を遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信することで、当該操作態様を液晶表示器51等を用いて報知するナビ演出を実行させる。ナビ報知及びナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで、内部抽選にて当選したナビ対象役を確実に入賞させることができるようになっている。
【0060】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、メダルの払出枚数やエラーコード、ナビ情報を表示させることが可能な遊技補助表示器12を備え、ナビ報知の制御において遊技補助表示器12を用いてナビ情報を報知する構成であるが、ナビ情報のみを表示させることが可能な専用の表示器を備え、ナビ報知の制御において当該専用の表示器を用いてナビ情報を報知する構成でも良い。
【0061】
[遊技状態について]
メイン制御部41は、遊技状態として非内部中、内部中、特別状態のいずれかに制御することが可能である。
【0062】
非内部中は、特別役(BB)の当選が持ち越されていない状態である。スロットマシン1の工場出荷時の状態や、設定変更によりRAM41cに格納されている遊技に関連するデータが初期化された状態では、先ず、非内部中に制御される。また、特別状態が終了されることで非内部中に制御される。そして、非内部中は、当該非内部中のゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB)が当選し、当該特別役が取りこぼされて、内部中に移行されることで終了される。また、内部抽選にて特別役(BB)が当選したゲームにおいて、当該特別役(BB)が入賞し、特別状態に移行されることでも終了される。
【0063】
また、非内部中では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないことで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。非内部中では、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されないことで、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。
【0064】
内部中は、特別役(BB)の当選が持ち越されている状態である。非内部中における内部抽選にて特別役(BB)が当選することで開始される。
【0065】
内部中では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないことで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっており、遊技者にとって有利となる操作態様が報知される期間では、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方で、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されない期間では、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。
【0066】
特別状態は、特別役(BB)の入賞に伴い制御される遊技状態であり、非内部中において特別役(BB)が入賞することで開始され、所定の終了条件の成立(例えば、特別状態中のメダルの総払出枚数が所定枚数(例えば、50枚)を超えること)により終了される。特別状態の終了後は、非内部中に移行される。
【0067】
本実施例のスロットマシン1では、非内部中において予め定められた所定確率(例えば、約1/4.2)で特別役(BB)が当選し、内部中に移行するとともに、内部中、すなわち特別役(BB)の当選フラグが持ち越されている状態において、後述するAT状態に制御されていない場合には、1ゲームあたりのメダルの払出率が100%を超えない一方、AT状態に制御されている場合には、1ゲームあたりのメダルの払出率が100%を超えるようになっている。
【0068】
また、リールの停止制御では、特別役と小役が同時に当選している場合には、小役を優先して揃える制御を行うようになっており、さらに内部中において内部抽選の対象となる全ての小役において特別役(BB)の構成図柄の引込範囲と小役の構成図柄の引込範囲とが重複しており、いずれの小役が当選した場合でも当選した小役の構成図柄が入賞ラインLNに停止することとなる。また、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、再遊技役を必ず揃える制御を行う。すなわち内部中において小役または再遊技役が当選している場合には、特別役(BB)が入賞しないようになっている。
【0069】
また、内部中では、必ずいずれかの小役またはいずれかの再遊技役が当選するので、内部中に一度移行されると特別役(BB)が入賞しないようになっており、内部中への移行後は、当該内部中が維持されることとなる。
【0070】
このため、本実施例のスロットマシン1では、遊技の大半において内部中に制御されることとなることから、内部中に制御されていることを前提とし、設定値(本実施例では、1~6)に応じたメダルの払出率が各設定値に応じて定められた値となるように、内部中においてATに制御するか否か、具体的には、後述の内部抽選の当選確率、AT状態への移行確率等を設定することにより、設定値に応じたメダルの払出率が設定される。
【0071】
また、メイン制御部41は、特別役(BB)の当選が持ち越されている内部中においてナビ報知により有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(正解押し順)を報知させるATの制御を行うことが可能であり、当該内部中においてメダルの払出率が適正となるように設計されている。
【0072】
[内部抽選の対象役について]
図4に示すように、本実施例において、再遊技の付与を伴う通常リプレイの入賞が許容される通常リプレイ、再遊技の付与を伴うレアリプレイの入賞が許容されるレアリプレイ、12枚のメダルの付与を伴う主小役及び1枚のメダルの付与を伴う副小役の入賞が許容される12種類の押し順役、1枚のメダルの付与を伴うレア小役Aの入賞が許容されるレア小役A、3枚のメダルの付与を伴うレア小役Bの入賞が許容されるレア小役B、3枚のメダルの付与を伴うレア小役Cの入賞が許容されるレア小役C、6枚のメダルの付与を伴うレア小役Dの入賞が許容されるレア小役D、1枚のメダルの付与を伴う1枚小役の入賞が許容される1枚小役、特別状態への移行を伴うBBの入賞が許容されるBB、BBとレア小役Aの双方の入賞が許容されるBB+レア小役A、BBとレア小役Bの双方の入賞が許容されるBB+レア小役B、BBとレア小役Cの双方の入賞が許容されるBB+レア小役C、BBとレア小役Dの双方の入賞が許容されるBB+レア小役D、BBと1枚小役の双方の入賞が許容されるBB+1枚小役が内部抽選の対象となり得る。
非内部中においては、通常リプレイ、レアリプレイ、16種類の押し順役、BB+レア小役A、BB+レア小役B、BB+レア小役C、BB+レア小役D、BB+1枚小役、BBが内部抽選の対象となる。非内部中の内部抽選において、通常リプレイの当選確率は約1/7.54、レアリプレイの当選確率は約1/228、押し順役の当選確率は約1/1.59(それぞれの当選確率は約1/12.7)、BB+レア小役Aの当選確率は1/8192、BB+レア小役Bの当選確率は約1/199、BB+レア小役Cの当選確率は約1/60、BB+レア小役Dの当選確率は約1/33、BB+1枚小役の当選確率は約1/5.46、BBの当選確率は1/16384に設定されている。
【0073】
また、内部中においては、通常リプレイ、レアリプレイ、16種類の押し順役、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D、1枚小役が内部抽選の対象となり、特別役を含む役は内部抽選の対象とならない。内部中の内部抽選において、通常リプレイの当選確率は約1/7.53、レアリプレイの当選確率は約1/228、押し順役の当選確率は約1/1.59(それぞれの当選確率は約1/12.7)、レア小役Aの当選確率は1/8192、レア小役Bの当選確率は約1/199、レア小役Cの当選確率は約1/60、レア小役Dの当選確率は約1/33、1枚小役の当選確率は約1/5.46に設定されている。
【0074】
押し順役は、前述のように複数の小役(本実施例では、主小役と副小役)が当選する役であり、それぞれの押し順役に対応する停止操作順(中左右、中右左、右左中、右中左のいずれかの操作順)で停止操作が行われることで、停止操作タイミングに関わらず、12枚のメダルの付与を伴う主小役が入賞する一方、対応する停止操作順以外の停止操作順で停止操作が行われることで、停止操作タイミングに応じて1枚のメダルの付与を伴う副小役が入賞するか、副小役が入賞しないハズレとなるナビ対象役である。すなわち、停止操作順の違いにより付与されるメダル数の期待値が変化するとともに、それぞれの押し順役に対応する停止操作順がナビ報知されることにより付与されるメダル数の期待値が変化する小役である。
【0075】
尚、本実施例では、押し順小役の停止操作順として中リールまたは右リールを第1停止とする停止操作順のみが割り当てられており、中リールまたは右リールを第1停止とする停止操作順で遊技を行うことで、メダルの付与率は高まることとなるが、後述する通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態ではAT状態への移行に関連してペナルティが与えられ、不利益となることでAT状態への移行を加味したメダルの付与率は、左リールを第1停止とする停止操作順で遊技を行う場合よりもメダルの付与率は低くなる。具体的には、後述する通常状態、前兆状態において左リール以外を第1停止とする停止操作順で停止操作を行うと後述する終了ゲーム数の更新が行われず、後述するCZ1状態、CZ2状態においては、AT抽選が行われなくなる。このため、後述する通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態においては、左リールを第1停止とする停止操作順での遊技が促されるようになっている。
【0076】
また、通常リプレイ、レアリプレイ、16種類の押し順、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D、1枚小役、BB+レア小役A、BB+レア小役B、BB+レア小役C、BB+レア小役D、BB+1枚小役、BBに対してそれぞれ1~29の当選番号が割り当てられており、内部抽選において当選した役の当選番号がRAM41cに設定されるようになっている。当選番号は、後述する有利区間に移行することのない役に対して、当選番号1以下の値が割り当てられており、有利区間移行する有利区間移行役に対して、当選番号2以上の値が割り当てられている。このため、メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役が当選したか否かについて、個々の当選番号を特定するのではなく、当選番号が2以上であるか否かを判定し、当選番号が2以上である場合に、有利区間移行役の当選であることを特定するようになっている。
【0077】
また、内部抽選の対象となる役には、フラグカテゴリ(FC)が割り当てられており、内部抽選において当選した役のフラグカテゴリ(FC)がRAM41cに設定されるようになっている。フラグカテゴリ(FC)は、例えば、複数種類の押し順役、当選確率が近い複数の役、共通の役が当選する役等、共通の属性を有する役に対して共通の値が割り当てられている。このため、メイン制御部41は、後述するAT抽選等を行う場合において、当選役に応じた確率を特定する場合に、個々の当選番号から当選役に応じた確率を特定するのではなく、当選役に割り当てられたフラグカテゴリ(FC)の値に応じて当選役に応じた確率を特定するようになっている。これにより、個々の当選番号毎に確率を定める必要がなく、当選番号よりも少ないフラグカテゴリ(FC)毎に確率を定めることで、当選役の属性に応じた確率を特定することが可能となる。
【0078】
[ナビ報知及びナビ演出について]
メイン制御部41が行うナビ報知の態様及びサブ制御部91が行うナビ演出の態様について、
図5に基づいて説明する。
【0079】
メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行う所定のゲーム中(リールの回転が開始されたときからすべてのリールの回転が停止されるときまで)において、内部抽選にて当選しているナビ対象役に対応するナビ表示を遊技補助表示器12に表示させることで、当該ナビ対象役に応じて遊技者にとって有利な停止態様を報知するナビ報知を行うことが可能である。また、メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行う所定のゲームの開始時に、遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ番号を含むコマンドをサブ制御部91に対して送信することが可能である。
【0080】
これに対してサブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なゲームにおいて、当該停止態様を報知するナビ演出を液晶表示器51等を用いて行うことが可能である。
【0081】
メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行うことでナビ番号として「1」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中左右の停止操作順である旨を示唆するナビ表示1(遊技補助表示器12に「21」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「2」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中右左の停止操作順である旨を示唆するナビ表示2(遊技補助表示器12に「23」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「3」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右左中の停止操作順である旨を示唆するナビ表示3(遊技補助表示器12に「31」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「4」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右中左の停止操作順である旨を示唆するナビ表示4(遊技補助表示器12に「32」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させるようになっている。
【0082】
これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいてナビ番号「1」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中左右の停止操作順である旨を示唆するナビ画像1を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「2」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中右左の停止操作順である旨を示唆するナビ画像2を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「3」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右左中の停止操作順である旨を示唆するナビ画像3を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「4」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右中左の停止操作順である旨を示唆するナビ画像4を液晶表示器51に表示させるようになっている。
【0083】
尚、本実施例では、ナビ報知では、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様として、停止操作順(正解押し順)を報知する構成であるが、ナビ報知により、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングを示唆する構成でも良いし、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作順と操作タイミングの組合せを示唆する構成でも良い。例えば、遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作態様が所定リールに対する所定の操作タイミングである場合には、遊技補助表示器12において、当該所定の操作タイミングに対応する図柄の番号等を所定リールに対応する番号等とともに表示させたり、液晶表示器51において、当該所定の操作タイミングに対応する図柄の画像等を所定リールに対応する位置に表示させることで、当該操作態様を示唆することが可能である。
【0084】
[遊技区間について]
メイン制御部41は、
図6に示すように、遊技区間として通常区間及び有利区間のいずれかに制御することが可能である。
【0085】
通常区間は、ナビ報知が行われることのない遊技区間であり、設定変更により遊技に関連するデータ(遊技状態を示すデータ、遊技区間を示すデータ、BBの当選フラグ等)が初期化された後、または有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始される。その後、通常区間は、特別状態以外の遊技状態に制御されているゲームにおいて内部抽選にて有利区間移行役が当選したゲームにおいて終了される。
【0086】
有利区間は、ナビ報知が行われることのある遊技区間であり、ナビ報知が実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。有利区間は、通常区間のゲームにおいて特別状態以外の遊技状態に制御されているゲームにおいて内部抽選にて有利区間移行役が当選することで有利区間に移行させる旨が決定され、次ゲームが開始されることで開始される。その後、有利区間の終了条件(後述の終了条件1、2)が成立することで終了される。
【0087】
有利区間では、所定の報知条件が成立すること(本実施例では、後述のAT状態に制御されており、内部抽選にてナビ対象役が当選すること)で、ナビ報知を行うことが可能とされ、ナビ報知が行われることで遊技者にとって有利なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が報知される。
【0088】
メイン制御部41は、有利区間に制御しており、ナビ報知が行われるAT状態に制御している場合には、内部抽選にてナビ対象役が当選したときに、ナビ報知の制御(遊技補助表示器12にナビ表示を表示させる制御、ナビ表示に対応するナビ番号を特定可能なコマンドを送信する制御等)を行って、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を報知することが可能であり、有利区間は、通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間となる。
【0089】
有利区間の終了条件には、有利区間におけるメダルの純増枚数(付与枚数-使用枚数)が上限枚数として定められた規定数(本実施例では、2400)を超えることで成立する終了条件1、予め定められた任意条件(本実施例では、後述するAT2状態の終了時において残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定値(本実施例では200)以下となること)を満たすことで成立する終了条件2が含まれ、終了条件1、2のうち少なくとも一の条件が成立することで有利区間は終了される。有利区間にけるメダルの純増枚数は、マイナス値も計数されるようになっており、メダルが減少した場合には、マイナス値を取りうる。この場合、その後、メダルが増加に転じて0まで回復し、プラス値となって規定数を超えることで終了条件1は成立することとなる。このため、有利区間におけるメダルの純増枚数がマイナス値の状態でメダルが増加に転じてから、終了条件1が成立するまでに2400枚を超えてメダルが増加する状況は起こりうる。
【0090】
尚、本実施例では、遊技区間が通常区間に制御されているときに、予め定められた有利区間移行役が当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成であるが、遊技区間が通常区間に制御されているときに、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選することで、有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選にて当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成でも良い。
【0091】
また、本実施例では、有利区間におけるメダルの純増枚数(付与枚数-使用枚数)が上限枚数として定められた規定数(本実施例では、2400)を超えることで有利区間が終了する構成であるが、有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数として定められた規定数(例えば、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件が成立すること、またはこれら複数の条件のうちいずれかが成立することで有利区間が終了する構成としても良い。
【0092】
[遊技区間及び有利区間状態の遷移について]
次に、メイン制御部41による遊技区間及び有利区間における有利区間状態の遷移について、
図6、
図7に基づいて説明する。
【0093】
メイン制御部41は、通常区間内で行われたゲームにおいて、有利区間移行役が内部抽選で当選した場合に、次ゲームから遊技区間を有利区間に移行させる。有利区間は、通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態、AT1状態、AT2状態、準備状態からなる複数種類の遊技区間状態により構成される。
【0094】
図7に示すように、通常状態は、ナビ報知が行われない状態であり、相対的に遊技者にとって不利な状態である。前兆状態は、通常状態の終了後に移行し、ナビ報知が行われない状態であるが、その後、必ずCZ1状態に移行する状態であり、この点において通常状態よりも遊技者にとって有利な状態である。CZ1状態は、ナビ報知が行われない状態であるが、その後、AT1状態に移行し得る状態であり、通常状態及び前兆状態よりも遊技者にとって有利な状態である。CZ2状態は、ナビ報知が行われない状態であるが、その後、AT2状態に移行し得る状態であり、通常状態及び前兆状態よりも遊技者にとって有利な状態である。また、CZ2状態は、AT抽選の当選確率がCZ1状態よりも高く、さらに後述のようにAT抽選の当選時にAT1状態よりも有利なAT2状態に移行する点においてCZ1状態よりも遊技者にとって有利な状態である。尚、本実施例では、CZ2状態が、AT抽選の当選確率がCZ1状態よりも高く、かつAT抽選の当選時にAT1状態よりも有利なAT2状態に移行する点においてCZ1状態よりも有利な状態であるが、少なくともAT抽選の当選確率がCZ1状態よりも高い点、AT抽選の当選時にAT1状態よりも有利なAT2状態に移行する点、AT抽選の当選時にCZ1状態よりもAT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高い点のいずれかにおいてCZ2状態がCZ1状態よりも優遇されることでCZ1状態よりも有利な状態であれば良い。AT1状態は、ナビ報知が行われるAT状態であり、通常状態、前兆状態、CZ1状態及びCZ2状態よりも遊技者にとって有利な状態である。AT2状態は、ナビ報知が行われるAT状態であり、通常状態、前兆状態、CZ1状態及びCZ2状態よりも遊技者にとって有利な状態である。また、AT2状態は、AT1状態よりも多くのメダルの増加が期待できるうえ、ゲーム数が上乗せされ得るとともに、終了後に必ずCZ2状態へ移行する点で、AT1状態よりも遊技者にとって有利な状態である。準備状態は、ナビ報知が行われない状態であり、AT2状態の終了後、有利区間が継続する場合においてCZ2状態が開始する前に制御される状態である。
【0095】
これら有利区間状態のうち、ナビ報知が行われない通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態においては、左リール以外を第1停止とする停止操作順で遊技が行われた場合にペナルティが与えられる。具体的には、通常状態及び前兆状態であれば、後述する終了ゲーム数の更新が行われず、CZ1状態及びCZ2状態ではAT抽選の対象役が当選していてもAT抽選が行われないようになっている。また、サブ制御部91は、通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態において、左リール以外を第1停止とする停止操作順で遊技が行われた場合にペナルティが与えられた旨及び左リールを第1停止とする停止操作順で遊技を行うことを促す警告報知を実行する。
【0096】
一方、ナビ報知が行われるAT1状態、AT2状態では、左リール以外を第1停止とする停止操作順で遊技が行われた場合でもペナルティは与えられず、警告報知も行われない。また、準備状態では、ナビ報知は行われないものの、左リール以外を第1停止とする停止操作順で遊技が行われた場合でもペナルティは与えられず、警告報知も行われない。
【0097】
メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役が当選することで遊技区間を有利区間に移行させる。この際、遊技状態が非内部中であるか、内部中であるか、を判定し、非内部中であると判定した場合には、モード抽選及びゲーム数抽選を行い、通常状態に制御する。非内部中においては内部中に移行することとなるBBの当選時には必ず有利区間に移行することとなるため、非内部中で通常区間に制御されるのは、設定変更により遊技に関連するデータ(遊技状態を示すデータ、遊技区間を示すデータ、BBの当選フラグ等)が初期化された後の状況である。このため、設定変更後、最初に有利区間に移行する場合には、最初に通常状態に制御されることとなる。
【0098】
モード抽選では、その後制御される通常状態のモードを決定する。ゲーム数抽選では、モード抽選にて決定されたモードに応じて複数のゲーム数の範囲からいずれかの範囲を決定し、さらに決定された範囲から終了ゲーム数を決定する。
【0099】
メイン制御部41は、通常状態において1ゲーム毎に、通常状態に制御されてからのゲーム数(通常ゲーム数と呼ぶ。)を加算する。通常ゲーム数は、1ゲーム毎に規定値(例えば、1)が加算される構成でも良いし、内部抽選の結果に応じて加算ゲーム数を決定し、決定された加算ゲーム数が加算される構成でも良い。また、特定の期間において加算ゲーム数を増加させる構成としても良い。
【0100】
メイン制御部41は、加算後の通常ゲーム数がゲーム数抽選にて決定された終了ゲーム数に到達したか否かを判定し、終了ゲーム数に到達している場合には、通常状態を終了させて所定期間(本実施例では、16~32ゲーム)にわたり前兆状態に制御する。そして、前兆状態が終了すると、CZ1状態に制御する。
【0101】
尚、本実施例では、通常ゲーム数が当該通常状態のモードに応じて選択された終了ゲーム数に到達して通常状態が終了したことに基づいて前兆状態及びその後のCZ1状態に制御される構成であるが、通常ゲーム数が終了ゲーム数に到達するばかりでなく、1ゲーム毎または特定役が当選・入賞したときに行われる終了抽選に当選して通常状態が終了したことに基づいて前兆状態及びその後のCZ1状態に制御される構成でも良く、1ゲーム毎または特定役が当選・入賞したときに行われる終了抽選に当選して通常状態が終了したことのみに基づいて前兆状態及びその後のCZ1状態に制御される構成でも良い。
【0102】
CZ1状態は、最大20ゲームの期間にわたり制御され、その間、メイン制御部41は、AT抽選対象役が当選する毎に、AT状態に制御するか否かを決定するAT抽選を行う。AT抽選の当選確率は、
図8に示すように、抽選契機、AT抽選対象役に割り当てられたFC毎に設定されており、抽選契機及び当選したAT抽選対象役のFCに対応する当選確率にてAT状態に制御されるか否かが決定される。
【0103】
メイン制御部41は、CZ1状態の開始後、20ゲーム経過するまでにAT抽選に当選した場合には、CZ1状態を終了させ、次ゲームからAT1状態に制御する。一方、AT抽選に当選することなく20ゲーム経過した場合には、CZ1状態を終了させた後、前述したモード抽選及びゲーム数抽選を行ってその後の通常状態のモード及び終了ゲーム数を決定し、次ゲームから通常状態に制御する。
【0104】
AT1状態は、15ゲームのポイントアップゲームと、最大3ゲームの条件判定ゲームと、から構成される。いずれのゲームでもナビ報知の対象役が当選した場合には、ナビ報知が行われるため、メダルの増加が期待できる。
【0105】
メイン制御部41は、AT1状態の開始に伴い、まず、ポイントアップゲームに制御し、15ゲーム経過することで、最大3ゲームの条件判定ゲームに制御する。
【0106】
尚、本実施例では、ポイントアップゲームのゲーム数が15ゲームの構成であるが、ポイントアップゲームにおける所定の契機(特定役の当選等)または1ゲーム毎に終了抽選を行い、終了抽選に当選することでポイントアップゲームを終了し、条件判定ゲームに制御する構成としたり、ポイントアップゲームのゲーム数を複数のゲーム数のうちいずれかのゲーム数を抽選により決定する構成とすることで、ポイントアップゲーム数が変動する構成としても良い。
【0107】
メイン制御部41は、条件判定ゲームにおいて、1ゲーム毎に条件判定抽選を行い、3ゲーム連続で条件判定抽選に当選することで、条件達成としてAT1状態を終了させて次ゲームからAT2状態に制御する。一方、条件判定抽選において1回でも非当選となった場合には、そのゲームで条件非達成としてAT1状態を終了させた後、前述したモード抽選及びゲーム数抽選を行ってその後の通常状態のモード及び終了ゲーム数を決定し、次ゲームから通常状態に制御する。
【0108】
条件判定抽選では、初期値である当選確率に、有利区間開始から蓄積されているポイント数に応じた当選確率を加算した当選確率を使用する。ポイント数は、通常状態、前兆状態、AT1状態において行われるポイント抽選で当選することで付与され、AT2状態に移行するまで累積して蓄積されるものである。
【0109】
尚、本実施例では、AT1状態における条件判定ゲームにおいて条件を達成することでAT2状態に制御される構成であるが、AT1状態においてAT抽選を行い、AT抽選に当選することでAT2状態に制御される構成でも良い。
【0110】
メイン制御部41は、AT2状態の開始に伴い、残りゲーム数の初期値として30ゲームを設定する。そして、1ゲーム毎に残りゲーム数を減算し、残りゲーム数が0となることで、AT2状態を終了させる。
【0111】
また、メイン制御部41は、AT2状態において上乗せ対象役(FC4~6に対応する抽選役)の当選時に残りゲーム数を上乗せするか否か及びそのゲーム数を決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合には、当選したゲーム数を残りゲーム数に加算する。また、AT2状態において上乗せ対象役が当選した場合でも、残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下である場合には、上乗せ抽選を行わないようになっており、残りゲーム数の上乗せが制限されるようになっている。特定数は、最も多くのゲーム数の上乗せが期待できる上乗せ対象役(FC6に対応する抽選役)の当選時に、ゲーム数の上乗せにより増加が見込まれるメダル数よりも大きい数値である。このため、有利区間中の純増枚数が上限枚数を超えるゲーム数の上乗せが発生し難くなる。
【0112】
尚、本実施例では、AT2状態において上乗せ対象役が当選した場合に、残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下である場合には、上乗せ抽選を行わない構成であるが、例えば、上乗せ抽選対象役が増加し、または上乗せ抽選の当選確率が高まる上乗せ状態に制御可能な構成とし、このような構成において、AT2状態において残り純増枚数が特定数以下である場合に、上乗せ状態の制御を制限する一方、上乗せ対象役が当選した場合の上乗せ抽選は行う構成としても良い。また、上乗せが期待されるゲーム数の異なる複数種類の上乗せ状態に制御され得る構成において、AT2状態において残り純増枚数が特定数以下である場合に、上乗せが期待されるゲーム数が相対的に多い一部の種類の上乗せ状態のみを制限する構成としても良い。
【0113】
また、メイン制御部41は、AT2状態においてストック抽選対象役(FC5~7に対応する抽選役)の当選時にAT2状態へ再度制御させる権利を付与するか否かを決定するストック抽選を行い、ストック抽選に当選した場合には、AT当選の権利をストックする。サブ制御部91は、AT当選の権利がストックされると、その旨を報知するとともに、残っているAT当選の権利の数を特定可能に報知する。また、AT2状態においてストック抽選対象役が当選した場合でも、残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下である場合に、ストック抽選を行わないようになっており、再度のAT2状態の制御が制限されるようになっている。
【0114】
メイン制御部41は、AT2状態において残りゲーム数が0となった場合に、AT2状態を終了させる。この際、AT当選の権利がストックされている場合には、ストックされているAT当選の権利を1減算し、次ゲームから再びAT2状態に制御する。また、AT当選の権利がストックされていない場合には、残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下であるか否かを判定し、残り純増枚数が特定数以下である場合には、有利区間を終了させて、遊技区間を通常区間に移行させる。この際、ATに関連する全てのデータ(有利区間における純増枚数、有利区間開始から蓄積されているポイント数等)を初期化する。また、AT当選の権利がストックされていない場合に、残り純増枚数が特定数以下でない場合(特定数を超える場合)には、有利区間を継続したまま次ゲームから準備状態に制御する。
【0115】
このようにAT2状態の終了時に残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下であるか否かを判定し、残り純増枚数が特定数以下である場合には、有利区間を終了させて、遊技区間を通常区間に移行させるので、AT2状態の途中で有利区間の純増枚数が上限枚数を超えることで有利区間の終了条件が成立し、突然AT2状態が終了してしまうことや、上限枚数に到達しないように上乗せ抽選による残りゲーム数の上乗せやストック抽選によるAT2状態の権利の付与が制限されてしまうことが防止される。
【0116】
また、残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下である状況で上乗せ抽選に当選し、一度に多くのゲーム数が上乗せされた結果、特定数以上のメダルの増加が見込まれることがある。また、ゲーム数の上乗せにより特定数以上のメダルの増加が見込まれない状況であっても、以前にストックされたAT当選の権利によって残り純増枚数が特定数以下の状況で再度AT2状態に制御されることがある。このような場合には、AT2状態において残りゲーム数が0となる前であっても、有利区間における純増枚数が上限枚数を超えて有利区間の終了条件1が成立することがある。
【0117】
このため、メイン制御部41は、上乗せ抽選において残りゲーム数が加算された結果、現在の有利区間中の純増枚数と、現在の残りゲーム数及びストックされているAT権利に基づいて増加が期待される純増枚数と、を加算した値が上限枚数を超える場合には、ED状態に制御し、残りゲーム数に関わらず、有利区間中の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間の終了条件1が成立するまでAT2状態を継続し、終了条件1が成立することで有利区間とともにAT2状態を終了させる。このような場合にも、メイン制御部41は、AT2状態を終了させるとともに、有利区間を終了させて、遊技区間を通常区間に移行させる。また、ATに関連する全てのデータ(有利区間における純増枚数、有利区間開始から蓄積されているポイント数等)を初期化する。また、サブ制御部91は、ED状態に制御した場合に、後述のAT2演出(
図16(a))とは態様の異なるED演出(
図17(a))を実行する。ED演出では、AT2演出において表示される残りゲーム数やストックされているAT当選の権利の数は表示されず、終了条件1が成立するまでのメダルの残り増加数が報知される。
【0118】
メイン制御部41は、準備状態において有利区間移行役が当選することで、有利区間移行役がAT抽選対象役である場合にはAT抽選を行い、準備状態を終了させる。準備状態は、有利区間移行役が当選することで終了するため、少なくとも1ゲーム以上の期間にわたり制御される。準備状態において有利区間移行役が当選し、AT抽選に当選した場合には、次ゲームから再度AT2状態に制御する。また、AT抽選に当選しなかった場合には、次ゲームからCZ2状態に制御する。また、当選した有利区間移行役がAT抽選対象役でない場合、すなわち押し順役の場合にはAT抽選を行わずに次ゲームからCZ2状態に制御する。
【0119】
CZ2状態は、最大20ゲームの期間にわたり制御され、その間、メイン制御部41は、AT抽選対象役が当選する毎にAT抽選を行う。メイン制御部41は、CZ2状態の開始後、20ゲーム経過するまでにAT抽選に当選した場合には、CZ2状態を終了させ、次ゲームからAT2状態に制御する。一方、AT抽選に当選することなく20ゲーム経過した場合には、CZ2状態を終了させた後、前述したモード抽選及びゲーム数抽選を行ってその後の通常状態のモード及び終了ゲーム数を決定し、次ゲームから通常状態に制御する。
【0120】
また、メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役が当選して有利区間に移行する際に、遊技状態が内部中であると判定した場合には、有利区間移行役がAT抽選対象役である場合にAT抽選を行う。この際、AT抽選に当選した場合には、次ゲームからAT2状態に制御する。また、AT抽選に当選しなかった場合には、次ゲームからCZ2状態に制御する。また、当選した有利区間移行役がAT抽選対象役でない場合、すなわち押し順役の場合にはAT抽選を行わずに次ゲームからCZ2状態に制御する。
【0121】
前述のように非内部中においては内部中に移行することとなるBBの当選時に必ず有利区間に移行することとなるため、内部中で通常区間に制御されるのは、設定変更により遊技に関連するデータ(遊技状態を示すデータ、遊技区間を示すデータ、BBの当選フラグ等)が初期化された後の状況ではなく、必ず有利区間が終了した後の状況となる。また、有利区間の終了条件は、AT2状態以外の有利区間状態で成立することはほとんどないため、実質的にはAT2状態が終了し、通常区間に移行した状況である。このため、AT2状態が終了することに伴い有利区間が終了した後の通常区間から再度有利区間に移行する場合には、AT抽選を行い、AT抽選に当選した場合には、最初にAT2状態に制御され、AT抽選に当選しなかった場合(有利区間移行役が押し順役の場合も含む)には、最初にCZ2状態に制御されることとなり、その後、CZ2状態においてAT抽選に当選しなかった場合に、通常状態に制御されることとなる。
【0122】
[AT抽選について]
本実施例では、
図8に示すように、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時(有利区間移行時(内部中))、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間の開始時に制御されるCZ2状態におけるAT抽選対象役の当選時(CZ2状態(有利区間開始時))、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態におけるAT抽選対象役の当選時(CZ1状態)、AT2状態終了後に有利区間が継続したまま準備状態からCZ2状態に移行する契機となった有利区間移行役の当選時(準備状態終了(有利区間移行役当選)時)、AT2状態終了後に有利区間が継続したまま制御されるCZ2状態におけるAT抽選対象役の当選時(CZ2状態(AT2状態終了後1~3回)、CZ2状態(AT2状態終了後4回~))を抽選契機としてAT抽選が行われる。
【0123】
図8に示すように、有利区間移行時(内部中)のAT抽選では、対象となるAT状態はAT2状態であり、有利区間移行役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は10%、有利区間移行役がFC3~FC7に属する場合(レアリプレイ、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D当選時)の当選確率は100%に設定されている。
【0124】
また、
図8に示すように、CZ2状態(有利区間開始時)のAT抽選では、対象となるAT状態はAT2状態であり、AT抽選対象役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は10%、AT抽選対象役がFC2に属する場合(通常リプレイ当選時)の当選確率は25%、AT抽選対象役がFC3~FC7に属する場合(レアリプレイ、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D当選時)の当選確率は100%に設定されている。
【0125】
また、
図8に示すように、CZ1状態のAT抽選では、対象となるAT状態はAT1状態であり、AT抽選対象役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は2.5%、AT抽選対象役がFC2に属する場合(通常リプレイ当選時)の当選確率は5%、AT抽選対象役がFC3に属する場合(レア小役D当選時)の当選確率は6.25%、AT抽選対象役がFC4に属する場合(レア小役C当選時)の当選確率は12.5%、AT抽選対象役がFC5に属する場合(レア小役B当選時)の当選確率は25%、AT抽選対象役がFC6に属する場合(レアリプレイ当選時)の当選確率は50%、AT抽選対象役がFC7に属する場合(レア小役A当選時)の当選確率は100%に設定されている。
【0126】
また、
図8に示すように、準備状態終了(有利区間移行役当選)時のAT抽選では、対象となるAT状態はAT2状態であり、有利区間移行役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は10%、有利区間移行役がFC3~FC7に属する場合(レアリプレイ、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D当選時)の当選確率は100%に設定されている。
【0127】
また、
図8に示すように、AT2状態終了後におけるCZ2状態のAT抽選では、対象となるAT状態はAT2状態である。また、この場合には、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が1~3回であるか、4回以上であるか、によって当選確率が異なり、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が1~3回であれば、AT抽選対象役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は5%、AT抽選対象役がFC2に属する場合(通常リプレイ当選時)の当選確率は10%、AT抽選対象役がFC3に属する場合(レア小役D当選時)の当選確率は12.5%、AT抽選対象役がFC4に属する場合(レア小役C当選時)の当選確率は25%、AT抽選対象役がFC5に属する場合(レア小役B当選時)の当選確率は50%、AT抽選対象役がFC6に属する場合(レアリプレイ当選時)の当選確率は66%、AT抽選対象役がFC7に属する場合(レア小役A当選時)の当選確率は100%に設定されており、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上であれば、AT抽選対象役がFC1に属する場合(1枚小役当選時)の当選確率は10%、AT抽選対象役がFC2に属する場合(通常リプレイ当選時)の当選確率は25%、AT抽選対象役がFC3~FC7に属する場合(レアリプレイ、レア小役A、レア小役B、レア小役C、レア小役D当選時)の当選確率は100%に設定されている。
【0128】
このように本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間の開始時に制御されるCZ2状態、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれの状態においても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、CZ2状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、有利区間が開始してCZ2状態が終了した後では、AT1状態の後に、AT1状態よりも多くのメダルの獲得が期待できるAT2状態に制御され得ることとなるが、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができるようになっている。
【0129】
また、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合よりもCZ2状態においてAT抽選対象役が当選した場合の方が、AT抽選に当選する確率も高く設定されており、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることをさらに期待させることができる。
【0130】
また、本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれにおいても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、有利区間移行時のAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、有利区間が開始してCZ2状態が終了した後では、AT1状態の後に、AT1状態よりも多くのメダルの獲得が期待できるAT2状態に制御され得ることとなるが、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができるようになっている。
【0131】
また、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合よりも有利区間移行時においてAT抽選対象役が当選した場合の方が、AT抽選に当選する確率も高く設定されており、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることをさらに期待させることができる。
【0132】
尚、有利区間移行時(内部中)のAT抽選では、AT抽選の対象となる有利区間移行役が当選し、かつAT抽選に当選する確率が、いずれも50%未満である。すなわち有利区間移行時においては、AT状態に制御される確率よりもAT状態に制御されない確率の方が高く、有利区間移行と同時にAT状態に制御される割合が抑えられており、過度に射幸心が煽られないようになっている。また、有利区間においてはAT抽選対象役となるが、有利区間移行役とならない役(通常リプレイ)を備えており、通常区間において当該役が当選した場合に、有利区間に移行せず、かつAT抽選を行わない構成であるため、通常区間が有利区間と同等に有利となることがない。また、FC3~FC7のように当選時に100%AT抽選に当選する役について、有利区間においてはAT抽選対象となり、有利区間移行役とならない役を備える構成としても良く、このような構成とすることで、通常区間と有利区間の有利度合いの差がさらに明確となる。
【0133】
また、本実施例では、AT2状態終了後に有利区間が継続したまま制御されるCZ2状態、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれの状態においても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、CZ2状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、AT2状態の終了後は、有利区間が終了したか否かに関わらず、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができるようになっている。
【0134】
また、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合よりもCZ2状態においてAT抽選対象役が当選した場合の方が、AT抽選に当選する確率も高く設定されており、AT2状態の終了後は、有利区間が終了したか否かに関わらず、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることをさらに期待させることができる。
【0135】
また、本実施例では、AT2状態終了後に有利区間が継続したまま準備状態からCZ2状態に移行する契機となった有利区間移行役の当選時、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれにおいても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、準備状態終了(有利区間移行役当選)時のAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、AT2状態の終了時に有利区間が終了しているか否かに関わらず、AT2状態の終了後、最初に有利区間移行役が当選したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができるようになっている。
【0136】
また、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合よりも準備状態終了(有利区間移行役当選)時においてAT抽選対象役が当選した場合の方が、AT抽選に当選する確率も高く設定されており、AT2状態の終了時に有利区間が終了しているか否かに関わらず、AT2状態の終了後、最初に有利区間移行役が当選したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることをさらに期待させることができる。
【0137】
また、本実施例では、有利区間において一度通常状態に制御されると、その後AT抽選が行われることとなるCZ1状態では、AT抽選に当選した場合に、まず相対的に不利なAT1状態に制御されることとなり、AT1状態における条件判定ゲームにおいて条件を達成させることで初めてAT1状態よりも有利なAT2状態に制御されることとなる。
【0138】
一方、一度AT2状態に制御されると、AT2状態の終了後は、AT2状態に制御される可能性の高いCZ2状態にされるので、一度AT2状態に制御されることで、AT2状態が連続することを期待させることができる。
【0139】
また、AT2状態終了後に制御されるCZ2状態では、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が1~3回である場合よりもAT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上である場合の方が、AT抽選に当選する確率が高く設定されているので、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上となることで、さらにAT2状態が連続することを期待させることができる。
【0140】
また、AT2状態において、有利区間における純増枚数が上限枚数を超えてAT2状態とともに有利区間が終了した場合、AT2状態終了時に残り純増枚数が特定数以下となって有利区間が終了した場合には、ATに関連するデータが初期化されることとなるが、その後、有利区間の開始時に、AT2状態に制御される可能性の高いCZ2状態にされるので、一度AT2状態に制御されることで、途中で有利区間が終了してしまった場合でもAT2状態が連続することを期待させることができる。
【0141】
また、AT2状態の終了時に有利区間が終了するのは、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上である可能性が高く、有利区間の開始時に制御されるCZ2状態においても、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上である場合と同じく、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が1~3回である場合よりもAT抽選に当選する確率が高く設定されているので、AT1状態の後、AT2状態に制御された回数が4回以上となることで、途中で有利区間が終了してしまった場合でもAT2状態が連続することを期待させることができる。
【0142】
また、本実施例では、メイン制御部41が、有利区間移行時において、AT状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間である場合に、CZ2状態に制御する一方、設定変更後、最初に通常区間から有利区間に移行する場合には、有利区間の開始時にCZ2状態に制御せず、通常状態に制御するようになっており、遊技店が設定変更しても意図的に、遊技者にとって有利となるCZ2状態に制御されることがないようになっている。
【0143】
また、メイン制御部41は、有利区間移行時において、遊技状態が内部中であるか、非内部中であるか、を判定することにより、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間であるか、設定変更後、最初に通常区間から移行した有利区間であるか、を特定するようになっており、有利区間終了時に、ATに関連するデータが全て初期化されている状況であっても、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間であるか、設定変更後、最初に通常区間から移行した有利区間であるか、を特定可能となる。
【0144】
[CZ1状態開始時の制御について]
次に、CZ1状態開始時の制御について、
図9、
図10に基づいて説明する。
【0145】
図9に示すように、メイン制御部41は、通常状態を経て前兆状態が終了した後、次ゲームからCZ1状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19aを非点灯状態から点灯状態に切り替える。尚、AT中信号はオフ状態のままであり、AT中LED19bも非点灯状態のままである。
【0146】
また、サブ制御部91は、CZ1状態の開始に伴い、通常状態及び前兆状態において実行される通常演出からCZ1演出に切り替える。通常演出は、通常背景画像などが表示される演出であり、CZ1演出は、CZ1状態に特有のCZ1背景画像などが表示される演出である。
【0147】
その後、メイン制御部41は、CZ1状態においてAT抽選に当選した場合に、次ゲームからAT1状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオン状態のまま維持するとともに、AT中信号をオン状態に切り替え、CZ・AT中LED19aを点灯状態のまま維持するとともに、AT中LED19bを非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0148】
また、サブ制御部91は、AT1状態の開始に伴い、CZ1演出からAT1演出に切り替える。AT1演出は、AT1状態に特有のAT1背景画像などが表示される演出である。また、AT1演出の開始時に、一連のAT中における獲得枚数を計数する獲得枚数カウンタ値をリセットして0にするとともに、獲得枚数カウンタ値を表示させる獲得枚数報知を開始させる。
【0149】
一方、メイン制御部41は、CZ1状態においてAT抽選に当選することなく、CZ1状態が終了した場合には、次ゲームから通常状態に制御する。この際、CZ・AT中信号、AT中信号をオン状態からオフ状態に切り替え、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを点灯状態から非点灯状態に切り替える。また、サブ制御部91は、CZ1状態の終了に伴い、CZ1演出から通常演出に切り替える。
【0150】
メイン制御部41は、AT1状態における条件判定ゲームにおいて条件を達成した場合に、次ゲームからAT2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号、AT中信号をオン状態のまま維持するとともに、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを点灯状態のまま維持する。
【0151】
また、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、AT1演出からAT2演出に切り替える。AT2演出は、AT2状態に特有のAT2背景画像などが表示される演出である。また、AT2演出が開始しても獲得枚数カウンタ値は引き継がれ、獲得枚数報知も継続する。
【0152】
一方、
図10に示すように、メイン制御部41は、AT1状態における条件判定ゲームにおいて条件を達成しなかった場合に、次ゲームから通常状態に制御する。この際、CZ・AT中信号、AT中信号をオン状態からオフ状態に切り替え、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを点灯状態から非点灯状態に切り替える。また、サブ制御部91は、CZ1状態の終了に伴い、CZ1演出から通常演出に切り替え、獲得枚数報知も終了する。
【0153】
[AT2状態終了時の制御について]
次に、AT2状態終了時の制御について、
図11~
図17に基づいて説明する。
【0154】
図11に示すように、メイン制御部41は、有利区間の純増枚数が上限枚数以下の状況でAT2状態が終了し、有利区間を終了させた場合に、次ゲームから通常区間に移行させる。この際、CZ・AT中信号及びAT中信号をオン状態からオフ状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを点灯状態から非点灯状態に切り替える。
【0155】
また、サブ制御部91は、AT2状態の終了に伴い、AT2演出(
図16(a))を終了し、一連のAT期間(AT1状態からの期間)における純増枚数やATに制御されたゲーム数等の結果を報知する結果報知演出(
図16(b))を実行し、これに伴い獲得枚数報知を終了する。その後、次ゲームの開始操作を契機として、結果報知演出(
図16(b))から待機演出(
図16(c))に切り替える。待機演出は、待機画像などが表示される演出である。
【0156】
その後、メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役が当選することで、通常区間が終了し、次ゲームから有利区間を開始させる。この際行われるAT抽選に当選しない場合に、有利区間の開始とともにCZ2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19aを非点灯状態から点灯状態に切り替える。尚、AT中信号はオフ状態のままであり、AT中LED19bも非点灯状態のままである。
【0157】
また、サブ制御部91は、CZ2状態の開始に伴い、待機演出(
図16(c))からCZ2演出(
図16(d))に切り替える。CZ2演出は、CZ2状態に特有のCZ2背景画像などが表示される演出である。
【0158】
一方、メイン制御部41は、有利区間の移行時においてAT抽選に当選した場合に、有利区間の開始とともにAT2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号、AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0159】
また、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、待機演出(
図16(c))からAT2演出(
図16(a))に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0160】
メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選した場合に、次ゲームからAT2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオン状態のまま維持するとともに、AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替え、CZ・AT中LED19aを点灯状態のまま維持するとともに、AT中LED19bを非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0161】
また、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、CZ2演出(
図16(d))からAT2演出(
図16(a))に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0162】
一方、
図13に示すように、メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく、CZ2状態が終了した場合には、次ゲームから通常状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオン状態からオフ状態に切り替え、CZ・AT中LED19aを点灯状態から非点灯状態に切り替える。また、サブ制御部91は、CZ2状態の終了に伴い、CZ2演出(
図16(d))から通常演出(
図16(e))に切り替える。
【0163】
図12に示すように、メイン制御部41は、AT2状態が終了し、有利区間が継続する場合に、次ゲームから準備状態に制御する。この際、有利区間が終了した場合と同様にCZ・AT中信号及びAT中信号をオン状態からオフ状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを点灯状態から非点灯状態に切り替える。
【0164】
また、サブ制御部91は、AT2状態の終了に伴い、AT2演出(
図16(a))を終了し、結果報知演出(
図16(b))を実行し、これに伴い獲得枚数報知を終了する。その後、次ゲームの開始操作を契機として、通常区間に移行した場合と同様に、結果報知演出(
図16(b))から待機演出(
図16(c))に切り替える。
【0165】
その後、メイン制御部41は、準備状態において有利区間移行役が当選することで、準備状態を終了させる。この際行われるAT抽選に当選しない場合に、次ゲームからCZ2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19aを非点灯状態から点灯状態に切り替える。尚、AT中信号はオフ状態のままであり、AT中LED19bも非点灯状態のままである。
【0166】
また、サブ制御部91は、CZ2状態の開始に伴い、待機演出(
図16(c))からCZ2演出(
図16(d))に切り替える。
【0167】
一方、メイン制御部41は、準備状態の終了時においてAT抽選に当選した場合に、次ゲームからAT2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号、AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bを非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0168】
また、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、待機演出(
図16(c))からAT2演出(
図16(a))に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0169】
メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選した場合に、次ゲームからAT2状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオン状態のまま維持するとともに、AT中信号をオフ状態からオン状態に切り替え、CZ・AT中LED19aを点灯状態のまま維持するとともに、AT中LED19bを非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0170】
また、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、CZ2演出(
図16(d))からAT2演出(
図16(a))に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0171】
一方、
図14に示すように、メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく、CZ2状態が終了した場合には、次ゲームから通常状態に制御する。この際、CZ・AT中信号をオン状態からオフ状態に切り替え、CZ・AT中LED19aを点灯状態から非点灯状態に切り替える。また、サブ制御部91は、CZ2状態の終了に伴い、CZ2演出(
図16(d))から通常演出(
図16(e))に切り替える。
【0172】
図15に示すように、メイン制御部41が、残りゲーム数の上乗せにより前述のED状態に制御された結果、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えてAT2状態が終了し、有利区間を終了させた場合にも、次ゲームから通常区間に移行させる。この際、サブ制御部91は、ED状態の開始とともに、ED演出(
図17(a))を開始するとともに、AT2状態の終了に伴い、ED演出(
図17(a))を終了し、一連のAT期間(AT1状態からの期間)における純増枚数やATに制御されたゲーム数等の結果に加え、純増枚数が有利区間の上限枚数を超えた結果、有利区間が終了する旨を報知する結果報知・有利区間終了演出(
図17(b))を実行し、これに伴い獲得枚数報知を終了する。その後、次ゲームの開始操作を契機として、結果報知・有利区間終了演出(
図17(b))から通常演出(
図17(c))に切り替える。
【0173】
その後、メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役が当選することで、通常区間が終了し、次ゲームから有利区間を開始させる。この際行われるAT抽選に当選しない場合に、有利区間の開始とともにCZ2状態に制御する。この際、サブ制御部91は、CZ2状態の開始に伴い、復活演出(
図17(d))を実行した後、CZ2演出(
図17(e))に切り替える。
【0174】
一方、メイン制御部41は、有利区間の移行時においてAT抽選に当選した場合に、有利区間の開始とともにAT2状態に制御する。この際、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、復活演出(
図17(d))を実行した後、AT2演出に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0175】
メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選した場合に、次ゲームからAT2状態に制御する。この際、サブ制御部91は、AT2状態の開始に伴い、CZ2演出(
図17(e))からAT2演出に切り替える。獲得枚数カウンタ値は前回のAT2状態の終了時に有利区間が終了しても初期化されることなく引き継がれ、AT2演出の開始に伴い、前回のAT2状態の終了時から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を開始する。
【0176】
一方、メイン制御部41は、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく、CZ2状態が終了した場合には、次ゲームから通常状態に制御する。この際、サブ制御部91は、CZ2状態の終了に伴い、CZ2演出(
図17(e))から通常演出(
図17(f))に切り替える。
【0177】
このように本実施例では、AT2状態が終了した後、有利区間が継続したままAT2状態に制御される可能性の高いCZ2状態に制御されるときと、AT2状態が終了した後、有利区間を終了させて通常区間に移行し、再度有利区間に移行したときにCZ2状態に制御するときと、があり、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合には、準備状態を経てCZ2状態に制御されるようになっており、AT2状態が終了した後、有利区間を終了させてから再度有利区間に移行したときにCZ2状態に制御される場合には、AT2状態の終了後、CZ2状態が開始するまでに必ず待機期間が生じることとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合でも、すぐにCZ2状態が開始することがなく、所定期間の準備状態を経てCZ2状態に制御されるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0178】
また、通常区間においては、有利区間移行役が当選したときに有利区間に移行させるとともに、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合に制御される準備状態においても、有利区間移行役が当選したときに準備状態を終了してCZ2状態に制御するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合に、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御される場合と同じ契機にてCZ2状態に制御されることとなるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0179】
また、通常区間では、ATに関連する制御が行われることがなく、左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行っても、ATに関連してペナルティが与えられることがなく、警告報知が実行されることもないが、準備状態において左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行った場合でも、通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態とは異なり、ATに関連してペナルティが与えられることがなく、通常区間と同様にATに関連する有利度に変化はなく、ATに警告報知が実行されることもないため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0180】
また、AT2状態が終了し、有利区間が終了すると、CZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となり、有利区間に移行してCZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中信号、AT中信号がオン状態に変化することとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合にも、準備状態においてCZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となり、その後、少なくとも1ゲームに亘ってオフ状態となった後、CZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中信号、AT中信号がオン状態に変化するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御された場合と同様に、CZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0181】
特に、CZ・AT中信号は、有利区間が継続する状況において、CZ1状態からAT1状態に移行する場合、AT1状態からAT2状態に移行する場合、CZ2状態からAT2状態に移行する場合など、いずれもCZ・AT中信号がオン状態となる一方の状態から他方の状態に切り替わる場合には、CZ・AT中信号のオン状態が継続することとなるが、有利区間が継続する状況において、AT2状態からCZ2状態に切り替わる場合には、準備状態を挟み、その間CZ・AT中信号が一旦オフ状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、が判別し難くなる。
【0182】
また、AT2状態が終了し、有利区間が終了すると、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦点灯状態から非点灯状態となり、有利区間に移行してCZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが点灯状態に変化することとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合にも、準備状態においてCZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦点灯状態から非点灯状態となり、その後、少なくとも1ゲームに亘って非点灯状態となった後、CZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが点灯状態に変化するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御された場合と同様に、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦非点灯状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0183】
特に、CZ・AT中LED19aは、有利区間が継続する状況において、CZ1状態からAT1状態に移行する場合、AT1状態からAT2状態に移行する場合、CZ2状態からAT2状態に移行する場合など、いずれもCZ・AT中LED19aが点灯状態となる一方の状態から他方の状態に切り替わる場合には、CZ・AT中LED19aの点灯状態が継続することとなるが、有利区間が継続する状況において、AT2状態からCZ2状態に切り替わる場合には、準備状態を挟み、その間CZ・AT中LED19aが一旦非点灯状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、が判別し難くなる。
【0184】
また、本実施例では、メイン制御部41は、AT2状態においてストック抽選対象役(FC5~7に対応する抽選役)の当選時にAT2状態へ再度制御させる権利を付与するか否かを決定するストック抽選を行い、ストック抽選に当選した場合には、AT当選の権利をストックするとともに、サブ制御部91は、AT当選の権利がストックされると、その旨を報知するとともに、残っているAT当選の権利の数を特定可能に報知するようになっており、AT2状態の終了時にATの権利がストックされている場合には、準備状態やCZ2状態を経ることなく、次ゲームから再びAT2状態に制御するようになっており、AT2状態が継続することが確定している状況では、余計な期間を挟まずに速やかにAT2状態を継続させることができる。
【0185】
また、本実施例では、サブ制御部91が、一連のAT中(AT1状態の開始後、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく当該CZ2状態が終了するまでの期間)における獲得枚数を計数する獲得枚数カウンタ値を備えており、AT1状態中のAT1演出、AT2状態中のAT2演出において、獲得枚数カウンタ値に基づいて一連のAT中におけるメダルの獲得枚数を報知する獲得枚数報知を実行する。また、AT2状態が終了し、有利区間が終了して通常区間に移行した場合に、獲得枚数カウンタ値はリセットされることなく引き継がれ、その後、有利区間移行時または、有利区間移行後最初に制御されるCZ2状態においてAT抽選に当選し、AT2状態に制御された場合に、有利区間終了前のAT2状態から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を実行するようになっており、有利区間が途切れてもAT2状態が連続して発生しているように見せることができる。
【0186】
また、本実施例では、サブ制御部91は、有利区間の純増枚数が上限枚数以下の状況でAT2状態が終了し、有利区間を終了させた後、新たに有利区間が開始してCZ2状態またはAT2状態が開始する場合に、有利区間が継続する場合と同様に、AT2状態及び有利区間の終了時には、結果報知演出(
図16(b))を実行し、その後、通常区間においては待機演出(
図16(c))を実行し、CZ2状態またはAT2状態が開始するときには、待機演出(
図16(c))からCZ2演出(
図16(d))またはAT2演出(
図16(a))に切り替えるのに対し、ゲーム数が上乗せされた結果、ED状態に制御され、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えてAT2状態が終了し、有利区間を終了させた後、新たに有利区間が開始してCZ2状態またはAT2状態が開始する場合に、有利区間が継続する場合とは異なり、ED状態の制御の開始とともに、ED演出(
図17(a))を実行し、AT2状態及び有利区間の終了時には、結果報知に加え純増枚数が有利区間の上限枚数を超えた結果、有利区間が終了する旨を報知する結果報知・有利区間終了演出(
図17(b))を実行し、その後、通常区間においては通常演出を実行し、CZ2状態またはAT2状態が開始するときには、復活演出(
図17(d))を実行した後、CZ2演出(
図17(e))またはAT2演出に切り替えるようになっている。このように、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間を終了した後、新たに有利区間が開始するときには、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えることなく有利区間を終了した後、新たに有利区間が開始するときの演出態様と異なるため、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了したにも関わらず、新たにAT2状態が継続することへの違和感を軽減することができる。
【0187】
[作用効果1]
本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間の開始時に制御されるCZ2状態、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれの状態においても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、CZ2状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、有利区間が開始してCZ2状態が終了した後では、AT1状態の後に、AT1状態よりも多くのメダルの獲得が期待できるAT2状態に制御され得ることとなるが、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0188】
尚、本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から移行した有利区間の開始時にCZ2状態に制御され、設定変更後、最初に移行した有利区間の開始時にはCZ2状態に制御されない構成であるが、設定変更後、最初に移行した有利区間の開始時においてもCZ2状態に制御される構成としても良い。
【0189】
また、本実施例では、CZ1状態におけるAT抽選ではAT1状態が抽選対象となり、有利区間開始時のCZ2状態におけるAT抽選ではAT2状態が抽選対象となる構成であるが、CZ1状態におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、有利区間開始時のCZ2状態におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、CZ1状態におけるAT抽選、有利区間開始時のCZ2状態におけるAT抽選のいずれにおいてもAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としても良い。このような構成とした場合でも、例えば、
図18に示すように、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高く、有利区間開始時のCZ2状態においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定することで、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0190】
また、本実施例では、有利区間に移行後、CZ2状態が終了した後は、CZ1状態に制御されるまでの通常状態及び前兆状態においてAT抽選が行われない構成であるが、CZ1状態に制御されるまでの通常状態及び前兆状態においてAT抽選対象役が当選した場合にAT抽選が行われる構成としても良く、このような構成とした場合でも、通常状態及び前兆状態のAT抽選では、AT1状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とし、有利区間開始時のCZ2状態におけるAT抽選では、AT2状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とすることで、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0191】
本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれにおいても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、有利区間移行時のAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、有利区間が開始してCZ2状態が終了した後では、AT1状態の後に、AT1状態よりも多くのメダルの獲得が期待できるAT2状態に制御され得ることとなるが、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0192】
尚、本実施例では、AT2状態の終了とともに有利区間が終了した後の通常区間から有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時にAT抽選を行い、設定変更後、最初に有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時にAT抽選を行わない構成であるが、設定変更後、最初に有利区間に移行する契機となった有利区間移行役の当選時にAT抽選を行う構成としても良い。
【0193】
また、本実施例では、CZ1状態におけるAT抽選ではAT1状態が抽選対象となり、有利区間移行時におけるAT抽選ではAT2状態が抽選対象となる構成であるが、CZ1状態におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、有利区間移行時におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、CZ1状態におけるAT抽選、有利区間移行時におけるAT抽選のいずれにおいてもAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としても良い。このような構成とした場合でも、例えば、
図18に示すように、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高く、有利区間移行時においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定することで、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0194】
また、前述のようにCZ1状態に制御されるまでの通常状態及び前兆状態においてAT抽選対象役が当選した場合にAT抽選が行われる構成とした場合でも、通常状態及び前兆状態のAT抽選では、AT1状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とし、有利区間移行時のAT抽選では、AT2状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とすることで、AT2状態の終了時に有利区間が終了している場合には、その後有利区間が開始したときに、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0195】
本実施例では、AT2状態終了後に有利区間が継続したまま制御されるCZ2状態、CZ2状態終了後に通常状態及び前兆状態を経て制御されるCZ1状態のいずれの状態においても、AT抽選対象役が当選した場合に、AT抽選が行われるが、CZ1状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態に制御されるのに対し、CZ2状態でAT抽選に当選した場合には、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されるようになっており、AT2状態の終了後は、有利区間が終了したか否かに関わらず、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0196】
尚、本実施例では、CZ1状態におけるAT抽選ではAT1状態が抽選対象となり、AT2状態終了後のCZ2状態におけるAT抽選ではAT2状態が抽選対象となる構成であるが、CZ1状態におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、AT2状態終了後のCZ2状態におけるAT抽選においてAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としたり、CZ1状態におけるAT抽選、AT2状態終了後のCZ2状態におけるAT抽選のいずれにおいてもAT1状態、AT2状態の双方が抽選対象となる構成としても良い。このような構成とした場合でも、例えば、
図18に示すように、CZ1状態においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高く、AT2状態終了後のCZ2状態においてAT抽選対象役が当選した場合のAT抽選では、AT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定することで、AT2状態の終了後は、有利区間が終了したか否かに関わらず、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0197】
また、前述のようにCZ1状態に制御されるまでの通常状態及び前兆状態においてAT抽選対象役が当選した場合にAT抽選が行われる構成とした場合でも、通常状態及び前兆状態のAT抽選では、AT1状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT1状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とし、AT2状態終了後のCZ2状態におけるAT抽選では、AT2状態のみが当選する構成またはAT1状態及びAT2状態のうちAT2状態に当選する割合が高くなるように当選確率を設定する構成とすることで、AT2状態の終了後は、有利区間が終了したか否かに関わらず、AT1状態を経ることなく、AT1状態よりも相対的に有利なAT2状態に制御されることを期待させることができる。
【0198】
本実施例では、サブ制御部91が、一連のAT中(AT1状態の開始後、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく当該CZ2状態が終了するまでの期間)における獲得枚数を計数する獲得枚数カウンタ値を備えており、AT1状態中のAT1演出、AT2状態中のAT2演出において、獲得枚数カウンタ値に基づいて一連のAT中におけるメダルの獲得枚数を報知する獲得枚数報知を実行するとともに、AT2状態が終了し、有利区間が終了して通常区間に移行した場合に、獲得枚数カウンタ値はリセットされることなく引き継がれ、その後、有利区間移行時または、有利区間移行後最初に制御されるCZ2状態においてAT抽選に当選し、AT2状態に制御された場合に、有利区間終了前のAT2状態から引き継がれて計数されている獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を実行するようになっており、有利区間が途切れてもAT2状態が連続して発生しているように見せることができる。
【0199】
尚、本実施例では、AT1状態中のAT1演出、AT2状態中のAT2演出において獲得枚数報知を実行する構成であるが、CZ2状態中のCZ2演出においても獲得枚数報知を実行する構成としても良い。
【0200】
本実施例では、AT2状態の終了時に残り純増枚数(上限枚数-有利区間中の純増枚数)が特定数(本実施例では200)以下であるか否かを判定し、残り純増枚数が特定数以下である場合には、有利区間を終了させて、遊技区間を通常区間に移行させるので、AT2状態の途中で有利区間の純増枚数が上限枚数を超えることで有利区間の終了条件が成立し、突然AT2状態が終了してしまうことや、上限枚数に到達しないように上乗せ抽選による残りゲーム数の上乗せやストック抽選によるAT2状態の権利の付与が制限されてしまうことを防止できる。
【0201】
本実施例では、サブ制御部91は、有利区間の純増枚数が上限枚数以下の状況でAT2状態が終了し、有利区間を終了させた後、新たに有利区間が開始してCZ2状態またはAT2状態が開始する場合に、有利区間が継続する場合と同様に、AT2状態及び有利区間の終了時には、結果報知演出(
図16(b))を実行し、その後、通常区間においては待機演出(
図16(c))を実行し、CZ2状態またはAT2状態が開始するときには、待機演出から(
図16(c))CZ2演出(
図16(d))またはAT2演出(
図16(a))に切り替えるのに対し、ゲーム数が上乗せされた結果、ED状態に制御され、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えてAT2状態が終了し、有利区間を終了させた後、新たに有利区間が開始してCZ2状態またはAT2状態が開始する場合に、有利区間が継続する場合とは異なり、ED状態の制御の開始とともに、ED演出(
図17(a))を実行し、AT2状態及び有利区間の終了時には、結果報知に加え純増枚数が有利区間の上限枚数を超えた結果、有利区間が終了する旨を報知する結果報知・有利区間終了演出(
図17(b))を実行し、その後、通常区間においては通常演出(
図17(c))を実行し、CZ2状態またはAT2状態が開始するときには、復活演出(
図17(d))を実行した後、CZ2演出(
図17(e))またはAT2演出に切り替えるようになっており、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間を終了した後、新たに有利区間が開始するときには、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えることなく有利区間を終了した後、新たに有利区間が開始するときの演出態様と異なるため、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了したにも関わらず、新たにAT2状態が継続することへの違和感を軽減することができる。
【0202】
尚、
図19に示すように、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えてAT2状態が終了し、有利区間を終了させた後、新たに有利区間が開始してCZ2状態またはAT2状態が開始する場合に、AT2状態及び有利区間の終了時には、結果報知・有利区間終了演出(
図17(b))を実行し、その後、通常区間においては通常演出(
図17(c))を実行するとともに、有利区間に移行後のCZ2状態においても通常演出(
図17(c))を継続して実行し、CZ2状態においてAT抽選に当選し、AT2状態が開始したときに、通常演出(
図17(c))からAT2演出に切り替えるようにしても良く、このような構成とすることで、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了した場合には、その後のAT2状態との関連が希薄となるため、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了したにも関わらず、新たにAT2状態が継続することへの違和感を軽減することができる。また、このような構成では、有利区間移行時にAT抽選に当選した場合には、AT2状態が開始したときに、通常演出からAT2演出に切り替える構成とすれば良く、有利区間に移行後、AT抽選に当選することなくCZ2状態が終了した場合に、そのまま通常演出を継続する構成とすれば良い。また、このような構成では、有利区間移行時または有利区間移行後のCZ2状態においてAT抽選に当選し、AT2状態に制御される場合に、純増枚数カウンタ値をリセットして0とし、有利区間終了前のAT2状態における獲得枚数を引き継がない構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了した場合には、その後のAT2状態との関連がさらに希薄となるため、有利区間の純増枚数が上限枚数を超えて有利区間が終了したにも関わらず、新たにAT2状態が継続することへの違和感をさらに軽減することができる。
【0203】
[作用効果2]
本実施例では、AT2状態が終了した後、有利区間が継続したままAT2状態に制御される可能性の高いCZ2状態に制御されるときと、AT2状態が終了した後、有利区間を終了させて通常区間に移行し、再度有利区間に移行したときにCZ2状態に制御するときと、があり、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合には、準備状態を経てCZ2状態に制御されるようになっており、AT2状態が終了した後、有利区間を終了させてから再度有利区間に移行したときにCZ2状態に制御される場合には、AT2状態の終了後、CZ2状態が開始するまでに必ず待機期間が生じることとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合でも、すぐにCZ2状態が開始することがなく、所定期間の準備状態を経てCZ2状態に制御されるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0204】
本実施例では、通常区間においては、有利区間移行役が当選したときに有利区間に移行させるとともに、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合に制御される準備状態においても、有利区間移行役が当選したときに準備状態を終了してCZ2状態に制御するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合に、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御される場合と同じ契機にてCZ2状態に制御されることとなるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0205】
本実施例では、通常区間においては、ATに関連する制御が行われることがなく、左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行っても、ATに関連してペナルティが与えられることがなく、警告報知が実行されることもないが、準備状態において左リール以外のリールを第1停止とする停止操作順で遊技を行った場合でも、通常状態、前兆状態、CZ1状態、CZ2状態とは異なり、ATに関連してペナルティが与えられることがなく、通常区間と同様にATに関連する有利度に変化はなく、ATに警告報知が実行されることもないため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0206】
本実施例では、AT2状態が終了し、有利区間が終了すると、CZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となり、有利区間に移行してCZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中信号、AT中信号がオン状態に変化することとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合にも、準備状態においてCZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となり、その後、少なくとも1ゲームに亘ってオフ状態となった後、CZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中信号、AT中信号がオン状態に変化するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御された場合と同様に、CZ・AT中信号、AT中信号が一旦オフ状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0207】
本実施例では、AT2状態が終了し、有利区間が終了すると、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦点灯状態から非点灯状態となり、有利区間に移行してCZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが点灯状態に変化することとなるが、有利区間が継続したままCZ2状態に制御される場合にも、準備状態においてCZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦点灯状態から非点灯状態となり、その後、少なくとも1ゲームに亘って非点灯状態となった後、CZ2状態が開始した以降に、再度CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが点灯状態に変化するようになっており、有利区間が継続したままCZ2状態に制御された場合にも、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御された場合と同様に、CZ・AT中LED19a、AT中LED19bが一旦非点灯状態となるため、有利区間が継続したままCZ2状態に制御されたのか、有利区間が一度終了した後、CZ2状態に制御されたのか、を判別し難くできる。
【0208】
本実施例では、サブ制御部91が、一連のAT中(AT1状態の開始後、CZ2状態においてAT抽選に当選することなく当該CZ2状態が終了するまでの期間)における獲得枚数を計数する獲得枚数カウンタ値を備えており、AT1状態中のAT1演出、AT2状態中のAT2演出において、獲得枚数カウンタ値に基づいて一連のAT中におけるメダルの獲得枚数を報知する獲得枚数報知を実行するとともに、AT2状態が終了し、有利区間が終了して通常区間に移行した場合に、獲得枚数カウンタ値はリセットされることなく引き継がれ、その後、有利区間移行時または、有利区間移行後最初に制御されるCZ2状態においてAT抽選に当選し、AT2状態に制御された場合に、有利区間終了前のAT2状態から引き継がれた獲得枚数カウンタ値に基づいて獲得枚数報知を実行するようになっており、有利区間が途切れてもAT2状態が連続して発生しているように見せることができる。
【0209】
本実施例では、メイン制御部41は、AT2状態においてストック抽選対象役(FC5~7に対応する抽選役)の当選時にAT2状態へ再度制御させる権利を付与するか否かを決定するストック抽選を行い、ストック抽選に当選した場合には、AT当選の権利をストックするとともに、サブ制御部91は、AT当選の権利がストックされると、その旨を報知し、残っているAT当選の権利の数を特定可能に報知するようになっており、AT2状態の終了時にATの権利がストックされている場合には、準備状態やCZ2状態を経ることなく、次ゲームから再びAT2状態に制御するようになっており、AT2状態が継続することが確定している状況では、余計な期間を挟まずに速やかにAT2状態を継続させることができる。
【0210】
尚、本実施例では、AT当選の権利がストックされると、その旨が報知され、残っているAT当選の権利の数も特定可能に報知される構成であるが、全ての権利が特定可能に報知される必要はなく、一部の権利のみが特定可能に報知される構成としても良い。このような構成においては、AT当選の権利が特定可能に報知されている場合のみ、AT2状態の終了時にAT当選の権利がストックされている場合に、準備状態やCZ2状態を経ることなく、次ゲームから再びAT2状態に制御し、AT当選の権利がストックされていてもAT当選の権利が特定可能に報知されていない場合に、準備状態やCZ2状態を経てからストックを消費してAT2状態に制御する構成としても良く、このような構成とすることでAT2状態の終了後、直ぐにAT2状態が開始しない場合でも、AT当選の権利がストックされていることを期待させることができる。
【0211】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0212】
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてメダルを用いることなく、クレジットのみを使用して賭数を設定するメダル不要のスロットマシンに適用しても良い。