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  • 特開-反応装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122162
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】反応装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/24 20060101AFI20240902BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20240902BHJP
   C07C 9/04 20060101ALI20240902BHJP
   C07C 1/04 20060101ALI20240902BHJP
   C07C 1/22 20060101ALI20240902BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
B01J19/24 Z
B01J19/00 301B
C07C9/04
C07C1/04
C07C1/22
B01J19/00 301A
C07B61/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029544
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】水野 彰人
(72)【発明者】
【氏名】薮花 優棋
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 翔斗
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋介
【テーマコード(参考)】
4G075
4H006
【Fターム(参考)】
4G075AA03
4G075BA10
4G075CA02
4G075CA03
4G075CA54
4G075DA01
4G075DA02
4G075EA06
4G075EB27
4G075FB01
4G075FB02
4H006AA04
4H006AC11
4H006BA19
4H006BA20
4H006BA21
4H006BD81
4H006BE20
4H006BE40
4H006BE41
(57)【要約】
【課題】系外に捨てられる熱を低減できる反応装置を提供する。
【解決手段】反応装置は、入口から出口に向かって内側を原料ガスが流れる反応器と、反応器が内包する触媒と、を備え、発熱を伴う化学反応によって生成ガスを得る。反応装置は反応器の外側に配置される冷媒流路を備え、原料ガスのうち反応器を流通する前のガスが冷媒として冷媒流路を流れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口から出口に向かって内側を原料ガスが流れる反応器と、前記反応器が内包する触媒と、を備え、発熱を伴う化学反応によって生成ガスを得る反応装置であって、
前記反応器の外側に配置され、前記原料ガスのうち前記反応器を流通する前のガスが冷媒として流れる冷媒流路を備える反応装置。
【請求項2】
前記冷媒流路は、前記原料ガスが流れる方向において前記触媒の劣化前における前記化学反応で生じる熱による前記触媒の温度分布において温度が最も高い部分を含む位置に配置される請求項1記載の反応装置。
【請求項3】
前記反応器の外周を覆う外周管を備え、
前記冷媒流路は、前記反応器と前記外周管との間に設けられている空間である請求項1記載の反応装置。
【請求項4】
前記反応器のうち前記原料ガスが流れる方向において前記触媒の劣化前における前記化学反応で生じる熱による前記触媒の温度分布において温度が最も高い部分を含む位置よりも前記出口に近い部分に配置されたヒータをさらに備える請求項1記載の反応装置。
【請求項5】
前記冷媒流路は、前記ヒータよりも前記入口側に配置され、
前記冷媒は、前記原料ガスが前記反応器を流れる方向と逆方向に流れる請求項4記載の反応装置。
【請求項6】
前記生成ガスで前記原料ガスを加熱する熱交換器をさらに備える請求項1記載の反応装置。
【請求項7】
前記原料ガスは二酸化炭素および一酸化炭素の少なくとも一方と水素とを含み、
前記化学反応は前記原料ガスからメタンを合成する反応である請求項1から6のいずれかに記載の反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発熱を伴う化学反応によって生成ガスを得る反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒が配置された反応器に原料ガスを流し、発熱を伴う化学反応によって生成ガスを得る反応装置において、反応器の一部を冷やすため、冷却水の配管やフィンを反応器に設ける先行技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-243425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術では、冷却水やフィンによって除去された反応器の熱が、反応装置の系外に捨てられてしまうという問題点がある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、系外に捨てられる熱を低減できる反応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の第1の態様は、入口から出口に向かって内側を原料ガスが流れる反応器と、反応器が内包する触媒と、を備え、発熱を伴う化学反応によって生成ガスを得る反応装置であって、反応器の外側に配置され、原料ガスのうち反応器を流通する前のガスが冷媒として流れる冷媒流路を備える。
【0007】
第2の態様は、第1の態様において、冷媒流路は、原料ガスが流れる方向において触媒の劣化前における化学反応で生じる熱による触媒の温度分布において温度が最も高い部分を含む位置に配置される。
【0008】
第3の態様は、第1又は第2の態様において、反応器の外周を覆う外周管を備え、冷媒流路は、反応器と外周管との間に設けられている空間である。
【0009】
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、反応器のうち触媒の温度分布において温度が最も高い部分を含む位置よりも出口に近い部分に配置されたヒータをさらに備える。
【0010】
第5の態様は、第4の態様において、冷媒流路は、ヒータよりも入口側に配置され、冷媒は、原料ガスが反応器を流れる方向と逆方向に流れる。
【0011】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、生成ガスで原料ガスを加熱する熱交換器をさらに備える。
【0012】
第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、原料ガスは二酸化炭素および一酸化炭素の少なくとも一方と水素とを含み、化学反応は原料ガスからメタンを合成する反応である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の反応装置によれば、反応器の外側に配置された冷媒流路に、原料ガスのうち反応器を流通する前のガスが冷媒として流れる。反応器から熱を奪った原料ガスが反応器に入り発熱反応が起こるため、反応器から奪われて系外に捨てられる熱を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施の形態における反応装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態における反応装置10のブロック図である。反応装置10は原料ガスが流通し発熱反応によって生成ガスを得る反応器20を備えている。
【0016】
反応器20に2つの配管11,14が接続されている。配管11は第1の原料ガスが供給される配管であり、上流から下流へ順に調節弁12、逆止弁13が配置されている。配管14は第2の原料ガスが供給される配管であり、上流から下流へ順に調節弁15、逆止弁16が配置されている。配管11,14が合流する第1の原料ガス管17には仕切弁18が配置されている。第1及び第2の原料ガスは、それぞれ調節弁12,15を経て最適な混合比に設定され、2つの原料ガスが混ざった混合ガス(原料ガス)は、仕切弁18を経て第1の原料ガス管17を流れる。
【0017】
第1の原料ガス管17に配置された仕切弁18の下流側に熱交換器19が接続されている。熱交換器19は、第1の原料ガス管17を流れる温度の低い原料ガスと、生成ガス管24(後述する)を流れる温度の高い生成ガスと、の間で熱交換を行う。熱交換器19に制限はないが、積層した伝熱プレート間に原料ガスと生成ガスとを交互に流して熱交換を行うプレート式熱交換器が、伝熱係数が高いため好ましい。
【0018】
生成ガス管24の上流端は反応器20の出口22に接続されている。反応器20の入口21には、第1の原料ガス管17の下流に接続された第2の原料ガス管29の下流端が接続されている。反応器20の中に触媒23が配置されている。触媒23は、反応器20の入口21から入った原料ガスの化学反応の活性化エネルギーを下げ、化学反応を進行させやすくする。化学反応の生成物を含む生成ガスは、反応器20の出口22から生成ガス管24に入る。
【0019】
触媒23は、各種の化学反応に適したものが制限なく用いられる。触媒23は、担体に粒子が担持された粉末、ペレット又は多孔質構造体が例示される。担体は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカ・アルミナ、ゼオライト、リン酸カルシウムの1種以上を含む酸化物の粉末、ペレット又は多孔質構造体が例示される。多孔質構造体は原料ガスが通過できる通気性を有する。また、粉末およびペレットの間の空隙を原料ガスが通過する。担体に担持される粒子は、Fe,Co,Ni,Cu,Ru,Rh,Pd,Ag,Ir,Pt,Auの1種以上を含む金属が例示される。
【0020】
反応器20の中の触媒活性の分布に制限はない。例えばガスが流れる方向の全長に亘って触媒活性がほぼ等しくなるように触媒23を配置しても良いし、上流の触媒活性が下流の触媒活性より低くなるように触媒23を配置しても良い。触媒23は、担体および粒子の材料および粒子径が同じであれば、触媒活性は担体が担持する粒子の表面積に比例するので、担体が担持する粒子の表面積を小さくすることにより触媒活性を低くできる。触媒活性を有しない不活性粒子を触媒23に混合し、一定量中に含まれる触媒23の量を少なくしても触媒活性を低くできる。不活性粒子は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカ・アルミナ、ゼオライト、リン酸カルシウムの1種以上を含む酸化物の粉末またはペレットが例示される。
【0021】
本実施形態では、第1の原料ガスが水素、第2の原料ガスが二酸化炭素および一酸化炭素の少なくとも一方である場合を説明する。反応器20は適度な圧力に設定され、CO+4H→CH+2HO、又は、CO+3H→CH+HOの化学反応式で表されるメタン製造(メタネーション)を行う。生成ガスは生成ガス管24に接続された凝縮器25により冷却され、メタンを含むガスと水とに分離される。メタンを含むガスは原料ガスの一部を含み得る。
【0022】
メタネーションは反応器20で起こる化学反応の一例であり、これに限られるものではない。原料ガスの種類、触媒23の種類および反応条件を適宜選択することにより、例えば以下の化学反応を反応器20で起こすことができる。
【0023】
メタンの部分酸化による合成ガス製造:2CH+O→2CO+4H
メタノール合成:CO+2H→CHOH
メタノール合成:CO+3H→CHOH+H
フィッシャー・トロプシュ合成:CO+2H→-(CH)-+H
-(CH)-は直鎖炭化水素を意味する
ジメチルエーテル合成:2CO+4H→CHOCH+H
アンモニア合成:N+3H→2NH
【0024】
反応器20の出口22付近にヒータ26が配置されている。ヒータ26は反応器20の中の触媒23や原料ガス、生成ガスを加熱する。反応器20の全周に亘ってヒータ26を設ける必要はない。円筒状の反応器20のように反応器20の内部に空洞がある場合、空洞の部分にヒータ26を配置することは可能である。ヒータ26は、ガスの燃焼熱や電気で熱源を加熱して触媒23を加熱するものや誘導加熱を利用するものが例示される。特に電気で熱源を加熱して触媒23を加熱するヒータ26が、温度制御の正確性が高いため好ましい。
【0025】
反応器20の外側に冷媒流路27が配置されている。冷媒流路27を流れる冷媒は、反応器20との間で熱交換を行う。冷媒は、原料ガスのうち反応器20を流通する前のガスである。本実施形態の冷媒流路27は、反応器20の入口21付近の外周を覆う筒状の外周管28と反応器20との間に設けられた空間である。これにより冷媒流路27の構造を簡易にできる。
【0026】
冷媒流路27は、反応器20の出口22に近い位置に、第1の原料ガス管17の下流端が接続され、反応器20の入口21に近い位置に、第2の原料ガス管29の上流端が接続されている。第1の原料ガス管17から冷媒流路27に入った原料ガスは、反応器20の外の冷媒流路27の中を反応器20に沿って、反応器20の出口22から入口21へ向かって流れ、第2の原料ガス管29に入る。第2の原料ガス管29の下流端から反応器20に入った原料ガスは反応器20の入口21から出口22へ向かって流れるため、冷媒流路27の中の原料ガスは、反応器20の中の原料ガスの流れと逆方向に流れる。
【0027】
第2の原料ガス管29を流れる原料ガスを加熱するヒータ30が、第2の原料ガス管29に配置されている。ヒータ30は、ガスの燃焼熱や電気で熱源を加熱して原料ガス管29を加熱するもの、誘導加熱を利用するもの、反応器20の排熱を利用するものが例示される。特に電気で熱源を加熱して原料ガス管29を加熱するヒータ30が、温度制御の正確性が高いため好ましい。
【0028】
入口21から反応器20の中に原料ガスが入ると、触媒23の間を原料ガスが通過する間に化学反応が進行し、反応器20の出口22から生成ガスが出てくる。反応器20の中で起こる化学反応は発熱を伴うため、反応熱によって触媒23は加熱される。
【0029】
図1に示す触媒23の温度分布31は、触媒23の入口21近くの端からの距離を縦軸にとり、反応熱によって加熱された触媒23の温度を横軸にとった図である。温度分布31は、原料ガスの流れ方向において触媒活性がほぼ等しくなるように触媒23を配置し、反応場(触媒23の集合)の断面の重心に、原料ガスが流れる方向に沿って複数の熱電対を配置して、その触媒23を初めて使うときの反応開始時から所定の時間が経過して化学平衡に達したときに各熱電対が検知した温度を記録した結果に等しい。
【0030】
大きな発熱を伴う化学反応(例えばメタネーション)では、入口21から反応器20に入った原料ガスと触媒23とが出合う入口21付近における反応の立ち上がりがとても速い。この反応の立ち上がりによって触媒23が加熱され、温度が最も高い部分32(以下「ホットスポット」と称す)が入口21付近に発生する。反応の生成物は原料ガスの流れに乗って下流へ移動するため、出口22付近には反応の生成物が多く存在することになり出口22付近の反応熱はそれほど大きくならない。
【0031】
触媒23の性能は、反応装置10の稼働に伴い徐々に低下する。いわゆる触媒23の劣化である。シンタリング等の触媒23の劣化は、触媒23が高温に晒されるホットスポット32を中心に生じやすい。本実施形態では劣化前の触媒23の温度分布31のホットスポット32を含む位置33に冷媒流路27が配置されているため、冷媒流路27を流れる冷媒(原料ガス)と、反応器20の中の触媒23、原料ガス及び生成ガスと、の熱交換によって触媒23が到達する温度を低下させることができる。従って触媒23の劣化を低減できる。
【0032】
反応器20の中の触媒23やガスとの熱交換によって加熱された冷媒(原料ガス)は、第2の原料ガス管29を通って反応器20に入り、反応器20の中で化学反応を起こす。冷媒が奪った反応器20の熱を反応装置10の系外に捨てないようにできるため、系外に捨てられる熱を低減できる。
【0033】
反応器20で生じる反応は発熱反応なので、反応器20の入口21付近で化学反応が始まれば自発的に反応が進行する。入口21付近で化学反応が始まるためには、反応器20に入る原料ガスは温度が高い方が有利であり、例えば300-350℃の温度であると好ましい。冷媒流路27を流れる冷媒(原料ガス)は、反応器20の中の触媒23やガスとの熱交換によって加熱されるため、反応効率を向上できる。
【0034】
冷媒流路27の中の原料ガスは、反応器20の中の原料ガスの流れと逆方向に流れるため、反応器20の中の原料ガスと冷媒とが同じ方向に流れる場合に比べ、反応器20の中の原料ガスと冷媒との間の対数平均温度差を大きくできる。従って原料ガスと冷媒との間の熱交換量を大きくできる。
【0035】
第1の原料ガス管17を流れる原料ガスの温度は、生成ガス管24を流れる生成ガスの温度よりも低いため、熱交換器19において原料ガスは生成ガスに加熱される。原料ガスは、冷媒流路27における触媒23やガスとの熱交換に加え、熱交換器19における生成ガスとの熱交換によって加熱されるため、反応器20に入る原料ガスの温度をさらに高めることができる。従って反応効率をさらに向上できる。
【0036】
反応器20から出た生成ガスは熱交換器19で原料ガスに冷やされる。熱交換器19に対し生成ガスの流れの下流に凝縮器25が配置されているため、生成ガスを冷やすために凝縮器25に入力するエネルギーを低減できる。
【0037】
熱交換器19の中の原料ガスは、熱交換器19の中の生成ガスの流れと逆方向に流すのが好ましい。熱交換器19の中の原料ガスと生成ガスとが同じ方向に流れる場合に比べ、熱交換器19の中の原料ガスと生成ガスとの間の対数平均温度差を大きくできるからである。これにより熱交換器19における熱交換量を大きくできる。
【0038】
第2の原料ガス管29にヒータ30が配置されているため、ヒータ30を作動すると、第2の原料ガス管29から反応器20に入る原料ガスの温度をさらに高めることができる。その結果、反応効率をさらに向上できる。
【0039】
ヒータ26は、触媒23の温度分布31のホットスポット32を含む位置33よりも反応器20の出口22に近い部分、すなわち触媒23が配置された部分の全長の中間位置よりも下流の部分に配置されている。ヒータ26は下流の部分の触媒23を加熱し、反応の生成物が多く存在する下流の部分における反応速度を確保する。ヒータ26は、触媒23の劣化などの影響に関わらず、出口22から生成ガス管24に入る生成ガスの温度が所定の範囲(例えば±10℃)になるように触媒23を加熱する。ヒータ26による下流の部分の触媒23の温度管理によって生成ガスの品質を安定化できる。
【0040】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0041】
実施形態では反応器20と外周管28との間に冷媒流路27が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の構造の冷媒流路を設けることは当然可能である。他の構造の冷媒流路は、内側に冷媒流路が設けられた管を反応器20に接した状態で配置するものが例示される。伝熱面積が大きくなるように反応器20に管を螺旋状や蛇行状に配置することができる。管は、管を流れる冷媒(原料ガス)の流れが、反応器20の中の原料ガスの流れに向き合う向流(直交流を含む)になるように配置するのが好ましい。管を流れる冷媒(原料ガス)が、反応器20の中の原料ガスと同じ向きに流れる並流に比べ、原料ガスと冷媒との間の熱交換量を大きくできるからである。
【0042】
実施形態では劣化前の触媒23のホットスポット32を含む位置33に冷媒流路27を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。位置33を含まないように、例えば位置33よりも出口22に近い部分に冷媒流路27を設けることは当然可能である。この場合も冷媒(原料ガス)によって除去された反応器20の熱が、反応装置10の系外に捨てられないようにできる。
【0043】
実施形態では第1の原料ガス管17に熱交換器19が配置され、第2の原料ガス管29にヒータ30が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。熱交換器19やヒータ30を省くことは当然可能である。
【0044】
実施形態では、高温流体と低温流体とが向き合う向流になるように熱交換器19や冷媒流路27を設定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。高温流体と低温流体とが同じ向きに流れるように熱交換器19や冷媒流路27を設定することは当然可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 反応装置
19 熱交換器
20 反応器
21 入口
22 出口
23 触媒
26 ヒータ
27 冷媒流路
28 外周管
31 触媒の温度分布
32 温度が最も高い部分
33 温度が最も高い部分を含む位置
図1