IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-表示装置 図1
  • 特開-表示装置 図2
  • 特開-表示装置 図3
  • 特開-表示装置 図4
  • 特開-表示装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122192
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240902BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029612
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 祐太
(72)【発明者】
【氏名】花澤 康行
(72)【発明者】
【氏名】野口 通一
(72)【発明者】
【氏名】新免 涼
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA55
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA72
2H189AA75
2H189AA78
2H189AA86
2H189HA02
2H189LA02
2H189LA07
2H189LA08
2H189LA10
2H189LA18
2H189LA20
2H189LA22
2H189NA09
2H391AA23
2H391AB05
2H391AC23
2H391AC32
2H391AD52
2H391AD55
2H391AD59
2H391CA02
2H391CA10
2H391CB03
2H391FA02
(57)【要約】
【課題】 実装領域の周囲の強度を高めることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、アレイ基板と、第1カバー部材と、第1接着層とを備えている。前記アレイ基板は、第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第1主面および前記第2主面を繋ぐ第1側面と、を有している。前記第1カバー部材は、前記第1主面に対向する第3主面と、前記第3主面の反対側の第4主面と、前記第3主面と前記第4主面を繋ぐ第2側面と、を有している。前記第1接着層は、前記第1主面と前記第3主面を接着する。さらに、前記アレイ基板は、複数の画素電極を含む表示領域と、平面視において前記第1側面と前記表示領域の間に位置し、前記アレイ基板の駆動信号が入力される端子を含む実装領域とを有し、前記第1カバー部材は、前記第1側面よりも突出した突出部分を有している。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第1主面および前記第2主面を繋ぐ第1側面と、を有するアレイ基板と、
前記第1主面に対向する第3主面と、前記第3主面の反対側の第4主面と、前記第3主面と前記第4主面を繋ぐ第2側面と、を有する透明な第1カバー部材と、
前記第1主面と前記第3主面を接着する第1接着層と、
を備え、
前記アレイ基板は、複数の画素電極を含む表示領域と、平面視において前記第1側面と前記表示領域の間に位置し、前記アレイ基板の駆動信号が入力される端子を含む実装領域と、を有し、
前記第1カバー部材は、前記第1側面よりも突出した突出部分を有している、
表示装置。
【請求項2】
前記第2主面に対向する第5主面と、前記第5主面の反対側の第6主面と、前記第5主面および前記第6主面を繋ぐ第3側面と、を有する対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板を接着するシール材と、
前記シール材によって前記アレイ基板と前記対向基板の間に封止された液晶層と、
をさらに備え、
前記実装領域は、前記アレイ基板のうち前記第3側面よりも突出した部分に形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第6主面に対向する第7主面と、前記第7主面の反対側の第8主面と、前記第7主面と前記第8主面を繋ぐ第4側面と、を有する透明な第2カバー部材と、
前記第6主面と前記第7主面を接着する第2接着層と、
をさらに備える、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1カバー部材は、前記第4側面よりも突出している、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3側面の位置と前記第4側面の位置とが揃っている、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第4側面に対向する光源と、
前記第4側面と前記光源の間に配置された導光体と、
をさらに備える、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記液晶層は、光を透過する透明状態と、前記光源からの光を散乱する散乱状態とを電圧の印加に応じて切り替え可能な高分子分散型である、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光源および前記導光体を保持するフレームと、
前記突出部分における前記第3主面に前記フレームを貼り付ける接着部材と、
をさらに備える、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記フレームは、前記第8主面に接触している、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記導光体は、前記フレームと前記実装領域の間に位置している、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記端子に接続されたフレキシブル回路基板をさらに備え、
前記フレキシブル回路基板の一部は、前記フレームと前記突出部分の間に形成された隙間を通っている、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記実装領域に配置された集積回路と、
前記フレキシブル回路基板および前記集積回路に貼り付けられた放熱シートと、
をさらに備える、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1カバー部材側から前記第2カバー部材側の背景を視認可能であり、前記第2カバー部材側から前記第1カバー部材側の背景を視認可能である、
請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一例として、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が知られている。また、近年では、光を透過する透明状態と光を散乱する散乱状態とを電圧の印加に応じて切り替え可能な高分子分散型の液晶層を備えた透明表示装置も提案されている。
【0003】
これらの表示装置は、複数の画素電極や駆動回路が形成されたアレイ基板を備えている。また、アレイ基板の両側にカバーガラスなどのカバー部材が配置される。
【0004】
通常、集積回路やフレキシブル回路基板を実装するための実装領域がアレイ基板のいずれかの辺に沿って形成される。また、表示に利用される光を放つ光源、当該光源からの光が入射するレンズなどの導光体、さらにはこれら光源および導光体を保持するフレームが実装領域の近くに配置されることもある。
【0005】
このように、実装領域の周囲には種々の要素が配置される。そのため、実装領域の周囲の構造には、各要素を安定的に支持するための強度が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-186251号公報
【特許文献2】特開2022-186252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、実装領域の周囲の強度を高めることが可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る表示装置は、アレイ基板と、第1カバー部材と、第1接着層とを備えている。前記アレイ基板は、第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第1主面および前記第2主面を繋ぐ第1側面と、を有している。前記第1カバー部材は、前記第1主面に対向する第3主面と、前記第3主面の反対側の第4主面と、前記第3主面と前記第4主面を繋ぐ第2側面と、を有している。前記第1接着層は、前記第1主面と前記第3主面を接着する。さらに、前記アレイ基板は、複数の画素電極を含む表示領域と、平面視において前記第1側面と前記表示領域の間に位置し、前記アレイ基板の駆動信号が入力される端子を含む実装領域とを有し、前記第1カバー部材は、前記第1側面よりも突出した突出部分を有している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、表示装置の概略的な断面図である。
図3図3は、実装領域付近に適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。
図4図4は、実装領域付近を拡大して示す概略的な平面図である。
図5図5は、図3中のV-V線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと呼び、Y軸に沿った方向を第2方向Yと呼び、Z軸に沿った方向を第3方向Zと呼ぶ。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視と呼ぶ。
【0012】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した透光性の高い液晶表示装置(いわゆる透明表示装置)を開示する。ただし、本実施形態にて開示する構成、特に実装領域とその近傍に配置される各種要素に関する構成は、他種の表示装置にも適用可能である。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの構成例を示す図である。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、光源ユニットLUと、導光体LGとを備えている。図1においては、光源ユニットLUおよび導光体LGに破断線を付してこれらの一部を省略している。
【0014】
表示パネルPNLは、第3方向Zに重ねられたアレイ基板ARおよび対向基板CTを備えている。図1においては、アレイ基板ARおよび対向基板CTの平面視における形状がいずれも第1方向Xに長尺な矩形状である。ただし、アレイ基板ARおよび対向基板CTの形状はこの例に限られない。
【0015】
アレイ基板ARの第2方向Yにおける幅は、対向基板CTの第2方向Yにおける幅よりも大きい。これにより、アレイ基板ARは、対向基板CTと重ならない実装領域MAを有している。実装領域MAには、後述する集積回路やフレキシブル回路基板が実装される。
【0016】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む額縁状の周辺領域SAとを有している。これら表示領域DAおよび周辺領域SAは、いずれもアレイ基板ARと対向基板CTが重なる部分に形成されている。表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0017】
表示パネルPNLは、アレイ基板ARと対向基板CTの間に封止された液晶層LCをさらに備えている。図1の下方に拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32とを含む高分子分散型液晶によって構成されている。一例では、ポリマー31は液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。
【0018】
ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCに印加される電圧に応じて変化する。
【0019】
液晶層LCに電圧が印加されていない状態においては、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射する光が液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。
【0020】
液晶層LCに電圧が印加された状態においては、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射する光が液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0021】
図1の上方に拡大して示すように、表示領域DAには、複数の走査線Gと、複数の信号線Sとが配置されている。複数の走査線Gは、第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに並んでいる。複数の信号線Sは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並んでいる。
【0022】
各画素PXは、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、共通電極CEと、容量CSとを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0023】
液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極と、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0024】
光源ユニットLUおよび導光体LGは、実装領域MAに沿って配置されている。光源ユニットLUは、第1方向Xに並ぶ複数の光源LSを備えている。各光源LSは、導光体LGに光を照射する。導光体LGとしては、例えばプリズムレンズなどのレンズを用いることができる。
【0025】
例えば、複数の光源LSは、赤色の光を放つ発光素子と、緑色の光を放つ発光素子と、青色の光を放つ発光素子とを含む。これらの発光素子は、第1方向Xに並んでいてもよいし、第3方向Zに積層されていてもよい。発光素子としては、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
【0026】
図2は、表示装置DSPの概略的な断面図である。この図においては表示パネルPNLなどの構造を模式的に示し、走査線G、信号線Sおよびスイッチング素子SWなどの要素は省略している。
【0027】
アレイ基板ARと対向基板CTは、シール材SEによって貼り合わされている。シール材SEは、平面視において表示領域DAを囲う形状を有している。液晶層LCは、シール材SEで囲われた空間に封止されている。
【0028】
アレイ基板ARは、上述の画素電極PEを備えている。対向基板CTは、上述の共通電極CEを備えている。画素電極PEと共通電極CEは、液晶層LCを介して対向している。画素電極PEおよび共通電極CEは、アレイ基板ARおよび対向基板CTが備える絶縁基板の上にそれぞれ形成されている。これら絶縁基板は、例えばガラスで形成されているが、プラスチックにより形成されてもよい。一例では、画素電極PEおよび共通電極CEは、アレイ基板ARおよび対向基板CTにそれぞれ形成された配向膜によって覆われている。なお、画素電極PEと共通電極CEの配置はこの例に限られない。他の例として、アレイ基板ARが画素電極PEと共通電極CEの双方を備えてもよい。
【0029】
表示パネルPNLは、第1カバー部材CM1と、第2カバー部材CM2とをさらに備えている。これらカバー部材CM1,CM2は、いずれも透明であり、一例ではガラスによって形成されたカバーガラスである。他の例として、カバー部材CM1,CM2は、プラスチックにより形成されてもよい。カバー部材CM1,CM2は、アレイ基板ARおよび対向基板CTよりも十分に厚い。一例では、カバー部材CM1,CM2は、アレイ基板ARおよび対向基板CTの2倍以上の厚さを有している。
【0030】
アレイ基板ARは、主面F1(第1主面)と、主面F1の反対側の主面F2(第2主面)と、主面F1,F2を繋ぐ側面E1a,E1b(第1側面)とを有している。第1カバー部材CM1は、主面F1に対向する主面F3(第3主面)と、主面F3の反対側の主面F4(第4主面)と、主面F3,F4を繋ぐ側面E2a,E2b(第2側面)とを有している。主面F1,F3は、透明な第1接着層AD1によって接着されている。第1接着層AD1としては、例えばOCA(Optical Clear Adhesive)を用いることができる。
【0031】
対向基板CTは、液晶層LCを介して主面F2に対向する主面F5(第5主面)と、主面F5の反対側の主面F6(第6主面)と、主面F5,F6を繋ぐ側面E3a,E3b(第3側面)とを有している。第2カバー部材CM2は、主面F6に対向する主面F7(第7主面)と、主面F7の反対側の主面F8(第8主面)と、主面F7,F8を繋ぐ側面E4a,E4b(第4側面)とを有している。主面F6,F7は、透明な第2接着層AD2によって接着されている。第2接着層AD2としては、第1接着層AD1と同じくOCAを用いることができる。
【0032】
側面E1a,E2a,E3a,E4aは、いずれも光源LS側(入光側)に位置している。側面E1b,E2b,E3b,E4bは、いずれも光源LSの反対側(反入光側)に位置している。実装領域MAは、アレイ基板ARのうち側面E3aよりも突出した部分に形成されている。
【0033】
図2の例においては、側面E2a,E4a,E2b,E4bの断面形状が凸状の円弧である。側面E2a,E4a,E2b,E4bは、このような断面形状にて第1方向Xに延びている。この例に限られず、側面E2a,E4a,E2b,E4bの少なくとも1つが第1方向Xおよび第3方向Zと平行な平面であってもよい。
【0034】
図2の例においては、側面E1b,E2b,E3b,E4bの近傍に反射材RFが配置されている。反射材RFは、例えば側面E1b,E2b,E3b,E4bに貼り付けられた反射テープである。他の例として、反射材RFは、側面E1b,E2b,E3b,E4bに形成された反射膜であってもよい。
【0035】
光源LSは、側面E4aに対向している。導光体LGは、側面E4aと光源LSの間に配置されている。図2においては、光源LSが放つ光Lの経路の一例を示している。光源LSから放たれた光Lは、導光体LGを通って側面E4aに入射する。この光Lは、主面F8と主面F4の間で全反射を繰り返しながら反入光側に向かう。側面E1b,E2b,E3b,E4bに到達した光Lは、反射材RFによって反射され、主面F8と主面F4の間で全反射を繰り返しながら入光側に向かう。
【0036】
透明状態の画素PXの近傍においては、光Lが液晶層LCでほとんど散乱されない。そのため、光Lはカバー部材CM1,CM2の外にほとんど漏れ出すことはない。
【0037】
一方、散乱状態の画素PXの近傍においては、光Lが液晶層LCで散乱される。この散乱光SLは、カバー部材CM1,CM2から出射し、表示画像としてユーザに視認される。画素電極PEに印加する電圧を所定範囲で段階的に規定することにより、散乱度(輝度)の階調表現を実現することも可能である。
【0038】
なお、透明状態の画素PXの近傍において、カバー部材CM1,CM2に入射する外光は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。すなわち、第1カバー部材CM1側から表示装置DSPを見た場合には第2カバー部材CM2側の背景が視認可能であり、第2カバー部材CM2側から表示装置DSPを見た場合には第1カバー部材CM1側の背景が視認可能である。
【0039】
例えば、表示装置DSPによる画像表示の方式としては、複数の光源LSのうち赤色の発光素子を点灯させて赤色の画像を表示する第1サブフレーム、緑色の発光素子を点灯させて緑色の画像を表示する第2サブフレーム、青色の発光素子を点灯させて青色の画像を表示する第3サブフレームを繰り返すフィールドシーケンシャル方式を用い得る。
【0040】
図3は、実装領域MA付近に適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。表示装置DSPは、光源ユニットLUおよび導光体LGを保持するフレーム1を備えている。フレーム1は、第1方向Xに長尺な形状を有し、実装領域MAを覆っている。
【0041】
例えば、フレーム1は、第1部分11と、第2部分12と、第1部分11および第2部分12の間に位置するリブ13とを有している。第1部分11は、リブ13よりも図中下方(表示領域DAと反対側)に位置している。第2部分P2は、リブRと表示領域DAの間に位置している。図3の例において、フレーム1は、複数の開口14と、開口14よりも第1方向Xに長尺な複数の開口15とをさらに有している。
【0042】
図3の例においては、対向基板CTと第2カバー部材CM2の平面形状が一致している。第1カバー部材CM1は、第1方向Xにおいてアレイ基板AR、対向基板CTおよび第2カバー部材CM2のそれぞれよりも大きい幅を有している。これにより、第1カバー部材CM1の第1方向Xにおける両端部は、アレイ基板AR、対向基板CTおよび第2カバー部材CM2よりも突出している。第1カバー部材CM1の当該両端部は、例えば表示パネルPNLの第1方向Xにおける両側辺を保護するフレームの取り付けに用いることができる。
【0043】
実装領域MAには、複数のフレキシブル回路基板2の一端がそれぞれ接続されている。これらフレキシブル回路基板2の他端は、例えば剛性のプリント回路基板(PCB)である回路基板3に接続されている。
【0044】
図4は、フレーム1、光源ユニットLUおよび導光体LGを外した表示パネルPNLの実装領域MA付近を示す概略的な平面図である。実装領域MAには、複数の端子Tが設けられている。フレキシブル回路基板2は、導電性の接着材を介して端子Tに接続されている。さらに、実装領域MAには、複数の集積回路4が実装されている。図4の例においては、各集積回路4が端子Tと第2方向Yに並んでいる。
【0045】
アレイ基板ARの駆動信号は、回路基板3およびフレキシブル回路基板2を介して端子Tに入力される。例えば、集積回路4は、端子Tに入力された駆動信号に基づいて図1に示した走査線Gや信号線Sに信号を供給するドライバを含む。
【0046】
第1カバー部材CM1は、アレイ基板ARの側面E1aから突出した突出部分PTを有している。突出部分PTには、少なくとも1つの接着部材5が配置されている。例えば、接着部材5は、隣り合う2つのフレキシブル回路基板2の間にそれぞれ設けられている。
【0047】
図5は、図3中のV-V線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図5においては、接着層AD1,AD2、シール材SEおよび液晶層LCなどの図示を省略している。
【0048】
ここまでの説明からも明らかなように、アレイ基板ARは対向基板CTの側面E3aよりも突出し、第1カバー部材CM1はアレイ基板ARの側面E1aよりも突出している。また、第1カバー部材CM1は、第2カバー部材CM2の側面E4aよりも突出している。図5の例においては、対向基板CTの側面E3aの位置と、第2カバー部材CM2の側面E4aの位置とが揃っている。実装領域MAは、アレイ基板ARのうち側面E3a,E4aよりも突出した部分に形成されている。
【0049】
実装領域MAに実装されたフレキシブル回路基板2および集積回路4に対し、放熱シート20が貼り付けられてもよい。これにより、表示駆動時に発生する熱による集積回路ICの昇温を抑制することができる。
【0050】
フレーム1の第1部分11、第2部分12およびリブ13は、例えば金属材料によって一体的に形成されている。第1部分11および第2部分12は、第1方向Xおよび第2方向Yと平行な平板状である。
【0051】
図5の例においては、第1部分11の位置と第2部分12の位置とが第3方向Zにおいてずれている。具体的には、第1部分11と第1カバー部材CM1の間の距離は、第2部分12と第1カバー部材CM1の間の距離よりも短い。リブ13は、第1部分11および第2部分12から第3方向Zに突出している。リブ13は、第3方向Zにおいてアレイ基板ARの側面E1aと重なる位置に設けられている。
【0052】
第1部分11は、突出部分PTの主面F3に対して接着部材5により貼り付けられている。接着部材5は、例えば放熱シートである基材50と、基材50の両面にそれぞれ設けられた接着層51とを有している。基材50は、突出部分PTにおける主面F3と第1部分11との間にフレキシブル回路基板2を通すための隙間を形成するスペーサとしても機能する。
【0053】
第2部分12の先端部12aは、第2カバー部材CM2の主面F8に接触している。例えば、先端部12aと主面F8は接着されていない。他の例として、先端部12aと主面F8の少なくとも一部が接着層により接着されてもよい。
【0054】
光源ユニットLUは、光源LSが実装された光源基板6を備えている。光源基板6は、フレーム1に固定されている。この固定の方法は特に限定されないが、図5の例においては光源基板6がリブ13の内面に対して接着層60により貼り付けられている。
【0055】
例えば、光源基板6は、図3に示した開口14に挿入された複数の突起61を有している。また、光源基板6には、図3に示した開口15を通じてコネクタ62が接続されている。このコネクタ62を介して光源LSを駆動するための信号が入力される。
【0056】
導光体LGは、表示パネルPNLおよびフレーム1で囲われた空間に配置されている。導光体LGは、第3方向Zにおいてフレーム1と実装領域MAの間に位置している。例えば、導光体LGは、光反射性を有する接着層7によって第2部分12に貼り付けられている。また、導光体LGの実装領域MAと対向する面には、反射シート8が貼り付けられている。これら接着層7および反射シート8は、導光体LGからの光の出射を抑制する。
【0057】
このように、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、第1カバー部材CM1がアレイ基板ARの側面E1aよりも突出した突出部分PTを有している。この突出部分PTを利用することで、実装領域MA付近の強度を高めることができる。
【0058】
仮に、第1カバー部材CM1がアレイ基板ARの側面E1aよりも後退している場合には、フレーム1を表示パネルPNLに取り付けるための複雑な構造が必要となる。その一例として、側面E1aから一部が突出するプレート材をアレイ基板ARの主面F1に貼り付け、このプレート材の突出した部分にフレーム1を貼り付ける構造が考え得る。しかしながら、この場合には、薄いアレイ基板ARに負荷が掛かり易い。また、表示装置DSPの組立時にアレイ基板ARへの負荷を抑制すべく、弱い力で各部材の接着作業を行えば、各部材の接着力が不十分となり得る。
【0059】
これに対し、本実施形態においては、光源ユニットLUおよび導光体LGを保持するフレーム1が第1カバー部材CM1の突出部分PTに接着されている。この場合には、第1カバー部材CM1がアレイ基板ARなどに比べて厚いことから、フレーム1の取り付け構造の強度を高めることができる。また、表示装置DSPの組立時には、強い力で各部材の接着作業を行うことができ、良好な接着強度を実現することが可能である。
【0060】
表示領域DAのうち光源LSの近傍においては、虹のような色むらが生じることがある。発明者らが検証した結果、この色むらは、本実施形態のように対向基板CTの側面E3aと第2カバー部材CM2の側面E4aとを揃えることで低減可能であることが判明した。すなわち、本実施形態の構成であれば、上記色むらを抑制して表示品位を向上させる効果も得ることができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0062】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0063】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0064】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、LU…光源ユニット、LS…光源、LG…導光体、AR…アレイ基板、CT…対向基板、LC…液晶層、SE…シール材、CM1…第1カバー部材、CM2…第2カバー部材、1…フレーム、2…フレキシブル回路基板、4…集積回路、5…接着部材。
図1
図2
図3
図4
図5