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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122193
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20240902BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20240902BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1334
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029613
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新免 涼
(72)【発明者】
【氏名】野口 通一
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
2H391
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA55
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA72
2H189AA75
2H189LA02
2H189NA09
2H291FA52X
2H291FA71X
2H291FA75X
2H291FA75Z
2H291FA85X
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FB02
2H291GA02
2H291GA19
2H291GA24
2H291JA02
2H291LA21
2H291LA31
2H291NA62
2H391AA23
2H391AB05
2H391AC32
2H391AD52
2H391AD55
2H391AD59
2H391CA02
2H391CA10
2H391CB03
2H391FA02
(57)【要約】
【課題】 表示品位を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板と向かい合う対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に設けられた液晶層と、前記対向基板と向かい合う第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、第1方向に延びる第1側面と、を有する透明な第1カバー部材と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備えている。前記第1側面は、前記第1方向に見て、前記第1主面と前記第2主面とをつなぎ、前記光源に向かう凸の曲面である。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
前記アレイ基板と向かい合う対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に設けられた液晶層と、
前記対向基板と向かい合う第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、第1方向に延びる第1側面と、を有する透明な第1カバー部材と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備え、
前記第1側面は、前記第1方向に見て、前記第1主面と前記第2主面とをつなぎ、前記光源に向かう凸の曲面である、
表示装置。
【請求項2】
前記第1カバー部材は、前記第1方向に延びるとともに、前記第2方向に前記第1側面と並ぶ第2側面をさらに有し、
前記第2側面は、前記第1方向に見て、前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ凸の曲面である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記アレイ基板と向かい合う第3主面と、前記第3主面の反対側の第4主面と、前記第1方向に延びる第3側面と、を有する透明な第2カバー部材をさらに備え、
前記第3側面は、前記第1方向に見て、前記第3主面と前記第4主面とをつなぎ、前記第2方向に凸の曲面である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2カバー部材は、前記第1方向に延びるとともに、前記第2方向に前記第3側面と並ぶ第4側面をさらに有し、
前記第4側面は、前記第1方向に見て、前記第3主面と前記第4主面とをつなぎ、前記第2方向の反対の方向に凸の曲面である、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1カバー部材は、前記第2方向に延びる第5側面と、前記第2方向に延びるとともに、前記第1方向に前記第5側面と並ぶ第6側面と、をさらに有し、
前記第5側面および前記第6側面は、前記第2方向に見て、前記第1主面と前記第2主面とをつなぐ凸の曲面である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1カバー部材は、前記第2方向に延びる第5側面と、前記第2方向に延びるとともに、前記第1方向に前記第5側面と並ぶ第6側面と、をさらに有し、
前記第5側面および前記第6側面は、平面である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2カバー部材は、前記第2方向に延びる第7側面と、前記第2方向に延びるとともに、前記第1方向に前記第7側面と並ぶ第8側面と、をさらに有し、
前記第7側面および前記第8側面は、平面である、
請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2カバー部材は、前記第2方向に延びる第7側面と、前記第2方向に延びるとともに、前記第1方向に前記第7側面と並ぶ第8側面と、をさらに有し、
前記第7側面および前記第8側面は、前記第2方向に見て、前記第3主面と前記第4主面とをつなぐ凸の曲面である、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1側面の曲率半径は、2.0mm以上2,5mm以下である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1側面は、鏡面に形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1側面は、粗面に形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
反射材をさらに備え、
前記第1カバー部材は、前記第1方向に延びるとともに、前記第2方向に前記第1側面と並ぶ第2側面をさらに有し、
前記反射材は、前記第2側面に設けられている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記液晶層は、印加される電圧に応じて、入射した光を透過する状態と散乱させる状態とを切り替え可能な高分子分散液晶層である、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高分子分散液晶層(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)を有する表示パネル、および光源などを備えた表示装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。高分子分散液晶層は、光を散乱する散乱状態と光を透過する透明状態とを切り替えることできる。表示パネルを散乱状態に切り替えることで、表示装置は画像を表示することが可能となる。一方、表示パネルを透明状態に切り替えることで、ユーザは、表示パネルを透かして背景を視認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-140161号公報
【特許文献2】特開2020-101684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、表示品位を向上させることが可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板と向かい合う対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に設けられた液晶層と、前記対向基板と向かい合う第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、第1方向に延びる第1側面と、を有する透明な第1カバー部材と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備えている。前記第1側面は、前記第1方向に見て、前記第1主面と前記第2主面とをつなぎ、前記光源に向かう凸の曲面である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、表示装置の概略的な断面図である。
図3図3は、図2に示された第1カバー部材および第2カバー部材を含む表示装置を示す概略的な平面図である。
図4図4は、図3に示すIV-IV線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図5図5は、図3に示すV-V線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図6図6は、表示装置の反入光側を拡大して示す断面図である。
図7図7は、比較例に係る表示装置の光の伝搬を説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態に係る表示装置の光の伝搬を説明するための図である。
図9図9は、シミュレーションにおける輝度強度の測定点を示す図である。
図10図10は、シミュレーション結果を示す表である。
図11図11は、反射材の他の例を説明するための図である。
図12図12は、反射材のさらに他の例を説明するための図である。
図13図13は、反射材のさらに他の例を説明するための図である。
図14図14は、第2実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
図15図15は、第3実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
図16図16は、第3実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
図17図17は、第4実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明の各実施形態につき、図面を参照しながら説明する。開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。
【0008】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。
【0009】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと呼び、Y軸に沿った方向を第2方向Yと呼び、Z軸に沿った方向を第3方向Zと呼ぶ。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視と呼ぶ。
【0011】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した透光性の高い液晶表示装置(いわゆる透明表示装置)を開示する。ただし、本実施形態にて開示する構成は、他種の表示装置にも適用可能である。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの構成例を示す図である。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、光源ユニットLUと、導光体LGと、を備えている。図1においては、光源ユニットLUおよび導光体LGの一部を破断線を付して一部省略している。
【0013】
表示パネルPNLは、第3方向Zに重ねられたアレイ基板ARおよび対向基板CTを備えている。対向基板CTは、アレイ基板ARと向かい合う。図1においては、アレイ基板ARおよび対向基板CTの平面視における形状がいずれも第1方向Xに長尺な矩形状である。ただし、アレイ基板ARおよび対向基板CTの形状はこの例に限られない。
【0014】
アレイ基板ARの第2方向Yにおける幅は、対向基板CTの第2方向Yにおける幅よりも大きい。これにより、アレイ基板ARは、対向基板CTと重ならない実装領域MAを有している。実装領域MAには、後述するフレキシブル回路基板や集積回路が実装される。
【0015】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む額縁状の周辺領域SAと、を有している。表示領域DAおよび周辺領域SAは、いずれもアレイ基板ARと対向基板CTとが重なる部分に形成されている。表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0016】
表示パネルPNLは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に封止された液晶層LCをさらに備えている。図1の下方に拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶によって構成されている。一例では、ポリマー31は液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。
【0017】
ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCに印加される電圧に応じて変化する。
【0018】
液晶層LCに電圧が印加されていない状態においては、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射する光が液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。
【0019】
液晶層LCに電圧が印加された状態においては、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射する光が液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。すなわち、液晶層LCは、印加される電圧に応じて、透明状態と散乱状態とを切り替え可能である。
【0020】
図1の上方に拡大して示すように、表示領域DAには、複数の走査線Gと、複数の信号線Sとが配置されている。複数の走査線Gは、第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに並んでいる。複数の信号線Sは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並んでいる。
【0021】
各画素PXは、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、共通電極CEと、容量CSと、を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0022】
液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極と、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0023】
光源ユニットLUおよび導光体LGは、実装領域MAにおいて、第1方向Xに沿って配置されている。光源ユニットLUは、第1方向Xに並ぶ複数の光源LSを備えている。各光源LSは、導光体LGに光を照射する。導光体LGとしては、例えばプリズムレンズなどのレンズを用いることができる。
【0024】
複数の光源LSは、例えば、赤色の光を放つ発光素子と、緑色の光を放つ発光素子と、青色の光を放つ発光素子とを含む。これらの発光素子は、第1方向Xに並んでいてもよいし、第3方向Zに積層されていてもよい。発光素子としては、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
【0025】
図2は、表示装置DSPの概略的な断面図である。この図においては表示パネルPNL等の構造を模式的に示し、走査線G、信号線Sおよびスイッチング素子SWなどの要素は省略している。
【0026】
アレイ基板ARは、シール材SEによって対向基板CTと貼り合わされている。シール材SEは、平面視において表示領域DAを囲う形状を有している。液晶層LCは、シール材SEで囲われた空間に封止されている。
【0027】
アレイ基板ARは、上述の画素電極PEを備えている。対向基板CTは、上述の共通電極CEを備えている。画素電極PEと共通電極CEは、液晶層LCを介して向かい合っている。なお、画素電極PEと共通電極CEの配置はこの例に限られない。他の例として、アレイ基板ARが画素電極PEと共通電極CEの双方を備えてもよい。
【0028】
アレイ基板ARは、主面F1と、主面F1の反対側の主面F2と、主面F1と主面F2とをつなぐ側面E1a,E1bと、を有している。対向基板CTは、主面F3と、主面F3の反対側の主面F4と、主面F3と主面F4とをつなぐ側面E2a,E2bと、を有している。主面F3は、液晶層LCを介して主面F2と向かい合っている。
【0029】
表示パネルPNLは、第1カバー部材CM1と、第2カバー部材CM2と、をさらに備えている。第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2は、いずれも透明であり、一例ではガラスによって形成されたカバーガラスである。なお、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2は、プラスチックなどの透明な樹脂材料で形成されてもよい。
【0030】
第1カバー部材CM1は、例えば、第2カバー部材CM2と同等の厚さを有する。ここで、厚さとは、第3方向Zに沿う距離である。第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2の厚さは、アレイ基板ARおよび対向基板CTの厚さよりも十分に大きい。第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2は、一例では、アレイ基板ARおよび対向基板CTの厚さの2倍以上の厚さを有している。
【0031】
第1カバー部材CM1は、主面F4と向かい合う主面F5と、主面F5の反対側の主面F6と、主面F5と主面F6とをつなぐ側面E3a,E3bと、を有している。本実施形態において、主面F5は第1主面に相当し、主面F6は第2主面に相当し、側面E3aは第1側面に相当し、側面E3bは第2側面に相当する。
【0032】
主面F4は、透明な第1接着層AD1によって主面F5と接着されている。第1接着層AD1としては、例えばOCA(Optical Clear Adhesive)を用いることができる。
【0033】
第2カバー部材CM2は、主面F1と向かい合う主面F7と、主面F7の反対側の主面F8と、主面F7と主面F8とをつなぐ側面E4a,E4bと、を有している。本実施形態において、主面F7は第3主面に相当し、主面F8は第4主面に相当し、側面E4aは第4側面に相当し、側面E4bは第3側面に相当する。
【0034】
主面F1は、透明な第2接着層AD2によって主面F1と接着されている。第2接着層AD2としては、第1接着層AD1と同じくOCAを用いることができる。
【0035】
側面E1a,E2a,E3a,E4aは、いずれも光源LS側(入光側)に位置している。側面E1b,E2b,E3b,E4bは、いずれも光源LSの反対側(反入光側)に位置している。
【0036】
実装領域MAは、アレイ基板ARのうち側面E2aよりも突出した部分に形成されている。側面E4bは、例えば、側面E3bの直下に位置する。側面E4aは、例えば、側面E1aよりも第2方向Yの反対の方向に突出した位置に設けられている。
【0037】
表示パネルPNLは、反射材RF1をさらに備えている。反射材RF1は、側面E1b,E2b,E3b,E4bの近傍に配置されている。言い換えると、反射材RF1は、平面視において、第1カバー部材CM1を挟んで、光源ユニットLUの反対側に配置されている。反射材RF1は、例えば、側面E1b,E2b,E3b,E4bに貼り付けられた反射テープである。
【0038】
光源LSは、側面E3aと向かい合っている。導光体LGは、側面E3aと光源LSとの間に配置されている。図2においては、光源LSが放つ光Lの経路の一例を示している。
【0039】
光源LSは、第2方向Yに沿って、光を照射する。具体的には、光源LSは、側面E3aに向けて光を照射する。光源LSから放たれた光Lは、導光体LGを通って側面E3aに入射する。この光Lは、主面F6と主面F8との間で全反射を繰り返しながら反入光側に向かう。側面E1b,E2b,E3b,E4bに到達した光Lは、反射材RF1によって反射され、主面F6と主面F8の間で全反射を繰り返しながら入光側に向かう。
【0040】
透明状態の画素PXの近傍においては、光Lが液晶層LCでほとんど散乱されない。そのため、光Lは第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2の外部にほとんど漏れ出すことはない。
【0041】
一方、散乱状態の画素PXの近傍においては、光Lが液晶層LCで散乱される。この散乱光SLは、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2から出射し、表示画像としてユーザに視認される。画素電極PEに印加する電圧を所定範囲で段階的に規定することにより、散乱度(輝度)の階調表現を実現することも可能である。
【0042】
なお、透明状態の画素PXの近傍において、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2に入射する外光は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。すなわち、第1カバー部材CM1側から表示装置DSPを見た場合には第2カバー部材CM2側の背景が視認可能であり、第2カバー部材CM2側から表示装置DSPを見た場合には第1カバー部材CM1側の背景が視認可能である。
【0043】
例えば、表示装置DSPによる画像表示の方式としては、複数の光源LSのうち赤色の発光素子を点灯させて赤色の画像を表示する第1サブフレーム、緑色の発光素子を点灯させて緑色の画像を表示する第2サブフレーム、青色の発光素子を点灯させて青色の画像を表示する第3サブフレームを繰り返すフィールドシーケンシャル方式を用い得る。
【0044】
図3は、図2に示された第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2を含む表示装置DSPを示す概略的な平面図である。
【0045】
まず、実装領域MA付近に適用し得る構成の一例について説明する。表示装置DSPは、光源ユニットLUおよび導光体LGを保持するフレームFMをさらに備えている。フレームFMは、第1方向Xに長尺な形状を有し、実装領域MAを覆うとともに第2カバー部材CM2の一部と重なっている。フレームFMは、図3に示す例において、第1方向Xに延びるリブRIと、複数の開口OPとを有している。
【0046】
実装領域MAには、複数のフレキシブル回路基板FPCの一端が接続されている。これらフレキシブル回路基板FPCの他端は、例えば剛性のプリント回路基板である回路基板PCBに接続されている。
【0047】
続いて、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2について説明する。
【0048】
図3に示す例においては、対向基板CTと第1カバー部材CM1の平面形状が一致している。第2カバー部材CM2は、第1方向Xにおいてアレイ基板AR、対向基板CTおよび第1カバー部材CM1のそれぞれよりも大きい幅を有している。
【0049】
これにより、第2カバー部材CM2の第1方向Xにおける両端部は、アレイ基板AR、対向基板CTおよび第2カバー部材CM2よりも突出している。第2カバー部材CM2の当該両端部は、例えば表示パネルPNLの第1方向Xにおける両側辺を保護するフレームの取り付けに用いることができる。
【0050】
第1カバー部材CM1は、側面E3c,E3dをさらに有している。本実施形態において、側面E3cは第5側面に相当し、側面E3dは第6側面に相当する。側面E3c,E3dは、主面F5と主面F6とをつないでいる。
【0051】
側面E3a,E3bは、第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに並ぶ。側面E3aおよび側面E3bは、例えば、この順で第2方向Yに並ぶ。側面E3c,E3dは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並ぶ。側面E3cおよび側面E3dは、例えば、この順で第1方向Xに並ぶ。
【0052】
第2カバー部材CM2は、側面E4c,E4dをさらに有している。本実施形態において、側面E4cは第7側面に相当し、側面E4dは第8側面に相当する。側面E4c,E4dは、主面F7と主面F8をつないでいる。
【0053】
側面E4a,E4bは、第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに並ぶ。側面E4aおよび側面E4bは、例えば、この順で第2方向Yに並ぶ。側面E4c,E4dは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並ぶ。側面E4cおよび側面E4dは、例えば、この順で第1方向Xに並ぶ。
【0054】
図3に示すように、側面E4cは側面E3cよりも第1方向Xの反対の方向に突出した位置に設けられ、側面E4dは側面E4cよりも第1方向Xに突出した位置に設けられている。反射材RF1は、第1方向Xに沿って、設けられている。
【0055】
続いて、図4および図5を用いて、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2に適用可能な構造について説明する。
【0056】
図4は、図3に示すIV-IV線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図5は、図3に示すV-V線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。図4では表示装置DSPの断面を第1方向Xに見て、図5では表示装置DSPの断面を第2方向Yに見ている。第1カバー部材CM1は、上述の通り、側面E3a,E3b,E3c,E3dを有する。
【0057】
側面E3a,E3bは、図4に示すように、主面F5と主面F6とをつなぐ凸の曲面である。具体的には、側面E3aは第2方向Yの反対の方向に凸の曲面であり、側面E3bは第2方向Yに凸の曲面である。
【0058】
言い換えると、側面E3a,E3bは、円弧である断面形状を有する。側面E3a,E3bの断面形状は、R形状であるともいえる。側面E3a,E3bは、このような断面形状にて第1方向Xに延びている。光源LSとの観点では、側面E3aは光源LSに向かう凸の曲面であり、側面E3bは光源LSから離れるような凸の曲面である。
【0059】
側面E3c,E3dは、図5に示すように、主面F5と主面F6とをつなぐ凸の曲面である。具体的には、側面E3cは第1方向Xの反対の方向に凸の曲面であり、側面E3dは第1方向Xに凸の曲面である。言い換えると、側面E3c,E3dは、円弧である断面形状を有する。側面E3c,E3dは、このような断面形状にて第2方向Yに延びている。
【0060】
第2カバー部材は、上述の通り、側面E4a,E4b,E4c,E4dを有する。側面E4a,E4bは、図4に示すように、主面F7と主面F8とをつなぐ凸の曲面である。
【0061】
具体的には、側面E4aは第2方向Yの反対の方向に凸の曲面であり、側面E4bは第2方向Yに凸の曲面である。言い換えると、側面E4a,E4bは、円弧である断面形状を有する。側面E4a,E4bは、このような断面形状にて第1方向Xに延びている。
【0062】
側面E4c,E4dは、図5に示すように、主面F7と主面F8とをつなぐ凸の曲面である。具体的には、側面E4cは第1方向Xの反対の方向に凸の曲面であり、側面E4dは第1方向Xに凸の曲面である。言い換えると、側面E4c,E4dは、円弧である断面形状を有する。側面E4c,E4dは、このような断面形状にて第2方向Yに延びている。
【0063】
上述の通り、本実施形態において、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dは、いずれも凸の曲面になるように形成される。本実施形態において、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dは、いずれも同様の表面性状を有する。ここで、第1カバー部材CM1の側面E3aについてさらに説明するが、側面E3b,E3c,E3d,E4a,E4b,E4c,E4dについても同様に形成されている。
【0064】
側面E3aは、図4に示すように、凸の曲面である。側面E3aは、第1方向Xに一様な曲率半径Rを有する。曲率半径Rの中心C1は、例えば、第1カバー部材CM1の厚さの中心に位置する。
【0065】
側面E3aの曲率半径Rは、例えば、第1カバー部材CM1の厚さよりも小さい。側面E3aの曲率半径Rは、例えば、アレイ基板ARおよび対向基板CTの厚さよりも大きい。第1カバー部材CM1の厚さが2.75mmである場合、側面E3aの曲率半径Rは、例えば、2.0mm以上2,5mm以下であり、一例では2.5mmである。側面E3aの曲率半径Rは、第1カバー部材CM1の厚さなどによって適宜変更され得る。
【0066】
続いて、側面E3aの表面性状について説明する。
側面E3aは、一例では、鏡面に形成されてもよい。鏡面とは、例えば、ほとんど凹凸のない平滑面である。側面E3aは、例えば、CNC加工などの後、研磨することによって形成される。
【0067】
この場合、JIS B 0601:2013に規定されるパラメータの観点において、側面E3aの算術平均粗さRaは、例えば、0.02μm以下であり、側面E3aの最大高さ粗さRzは、例えば、0.2μm以下である。なお、鏡面に形成する場合における側面E3aのパラメータは、上述の例に限られない。
【0068】
側面E3aは、他の例では、粗面に形成されてもよい。粗面とは、例えば、微細かつランダムな凹凸を有する面である。言い換えると、側面E3aは、すりガラス状に形成される。側面E3aは、CNC加工などによって形成される。側面E3aは、例えば、主面F5,F6よりも粗い表面性状を有する。
【0069】
この場合、JIS B 0601に規定されるパラメータの観点において、側面E3aの算術平均粗さRaは、例えば、0.1μm以上0.5μm以下であり、側面E3aの最大高さ粗さRzは、例えば、1.5μm以上9.5μm以下である。なお、すりガラス状に形成する場合における側面E3aのパラメータは、上述の例に限られない。
【0070】
図4に示すように、導光体LGの上面および下面には、反射テープTP1,TP2がそれぞれ設けられている。
【0071】
図6は、表示装置DSPの反入光側を拡大して示す断面図である。反射材RF1は、側面E3bから側面E4bにわたり設けられる。反射材RF1は、図6に示す例において、側面E3bおよび側面E4dの全体に設けられていない。
【0072】
言い換えると、側面E3bは第2方向Yに反射材RF1と重ならない部分P1を有し、側面E4bは第2方向Yに反射材RF1と重ならない部分P2を有している。部分P1は側面E3bの主面F6側に位置し、部分P2は側面E4bの主面F8側に位置する。部分P1および部分P2の第3方向Zの長さは、例えば、0.5mmである。
【0073】
続いて、表示パネルPNLの入光側および反入光側における光の伝搬について説明する。図7は、比較例に係る表示装置DSP10の光の伝搬を説明するための図である。図8は、本実施形態に係る表示装置DSPの光の伝搬を説明するための図である。図7および図8においては、表示パネルPNLおよび導光体LGなどの一部の要素は省略している。
【0074】
比較例に係る表示装置DSP10は、第1カバー部材CM10を備えている。第1カバー部材CM10は、側面E30a,E30bを有している。側面E30aは入光側の側面に相当し、側面E30bは反入光側の側面に相当する。
【0075】
側面E30a,E30bは、曲面ではなく、第1方向Xおよび第3方向Zによって規定されるX-Z平面と平行な平面である。表示装置DSP10を構成する第1カバー部材CM10以外の要素は、表示装置DSPと同様である。
【0076】
まず、入光側について説明する。図7および図8においては、同じ位置に設けられた光源LSから照射される光の伝搬を示している。
【0077】
図7において、側面E30aから第1カバー部材CM10に入射した光は、第1カバー部材CM10と空気層との界面、および第2カバー部材(図示しない)と空気層との界面での反射を繰り返しながら、第2方向Yに沿って進行する。
【0078】
図7に示すように、側面E30aから入射した光のうち、第1カバー部材CM10の主面F60に進行する光と主面F60とがなす角度を角度θ1と定義する。図8において、側面E3aから入射した光のうち、第1カバー部材CM1の主面F6に進行する光と主面F6とがなす角度を角度θ2と定義する。
【0079】
第1カバー部材CM1の側面E3aは、上述の通り、光源LSに向かう凸の曲面である。光源LSから照射された光は側面E3aで屈折し、第1カバー部材CM1に入射するため、角度θ2は角度θ1よりも小さくなる。
【0080】
角度θ2が小さくなることによって、第2方向Yに沿って進行する光が主面F6と主面F8の間で全反射をする回数が減少する。言い換えると、第2方向Yの単位長さ当たりに光が液晶層LCを通過する回数は、表示装置DSPのほうが表示装置DSP10よりも少ない。
【0081】
光がアレイ基板ARおよび対向基板CTを通過することによって、光は、液晶層LCで散乱したり、アレイ基板ARの配線などで吸収されたり散乱したりする。これらは、光源LSから照射された光が反入光側に伝搬するにしたがって弱くなる原因となり得る。
【0082】
本実施形態であれば、入光側において光が液晶層LCを通過する回数が減少することによって、第2方向Yに沿って伝搬される光が弱くなりにくい。言い換えると、比較例よりも強い光を反入光側まで送ることができる。
【0083】
続いて、反入光側について説明する。
図7に示すように、比較例に係る表示装置DSP10では、第2方向Yに沿って進行する光が反入光側に到達し反射材RF1によって反射されると、当該光は第2方向Yと反対の方向に進行する光となる。
【0084】
一方、図8に示すように、本実施形態に係る表示装置DSPでは、第2方向Yに沿って進行する光が反入光側に到達すると、当該光は反射材RF1によって反射する前後において、側面E3bで屈折する。これにより、当該光は、液晶層LCに向けて進行する光へ変換される。その結果、反入光側において液晶層LCに入射する光が増加し、反入光側における輝度を大きくすることができる。
【0085】
図9は、シミュレーションにおける輝度強度の測定点を示す図である。図9においては、第1カバー部材CM1を示し、表示装置DSPの他の要素については省略している。図9においては、第1カバー部材CM1を平面視で示している。
【0086】
シミュレーションにおける条件は、以下の通りである。
測定点A,B,Cは、第1カバー部材CM1の第1方向Xにおける幅の中心に位置する。側面E3aから測定点Aまでの距離D1は57mmであり、側面E3aから測定点Bまでの距離D2は130mmであり、側面E3aから測定点Cまでの距離D3は216mmである。測定点Bは、表示領域DAの第2方向Yにおける幅の中心に相当する。側面E3a,E3bから表示領域DAの端DA1,DA2までの距離は3mmである。
【0087】
第1カバー部材CM1の第2方向Yにおける幅は265.2mmであり、第1カバー部材CM1の厚さは2.75mmであり、第1カバー部材CM1の屈折率は1.47である。
【0088】
第2カバー部材CM2の厚さは2.75mmであり、第2カバー部材CM2の屈折率は1.47である。第2カバー部材CM2の側面E4aから表示領域DAの端DA1までの距離は28.7mmである。
【0089】
側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dは、いずれも凸の曲面である。側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dは、いずれも同様の表面性状を有する。
【0090】
アレイ基板ARが有する透明基板の厚さは0.5mmであり、当該透明基板の屈折率は1.51である。当該透明基板にスイッチング素子SW、画素電極PE(図1に示す)などが実装される。対向基板CTが有する透明基板の厚さは0.7mmであり、当該透明基板の屈折率は1.51である。当該透明基板に共通電極CE(図1に示す)が実装される。
【0091】
第1接着層AD1および第2接着層AD2の厚さはそれぞれ0.125mmであり、第1接着層AD1および第2接着層AD2の屈折率はそれぞれ1.47である。導光体LGの厚さは2.4mmであり、反射テープTP1,TP2の厚さはいずれも0.21mmである。
【0092】
このようにアレイ基板ARの透明基板、対向基板CTの透明電極、第1接着層AD1、第2接着層AD2、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2の屈折率は、いずれも同等である。なお、ここでの「同等」とは、屈折率の差がゼロの場合に限らず、屈折率差が0.03以下の場合を含む。
【0093】
シミュレーションにおいて、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dの曲率半径は、2.0mm、2.25mmおよび2.5mmの3通りに変化させた。曲率半径の中心は、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2の厚さの中心にそれぞれ位置している。
【0094】
ただし、曲率半径が2.5mmの場合において、曲率半径の中心の位置を第3方向Zに0.2mm(図10において「+0.2」と示す)と、第3方向Zと反対の方向に0.2mm(図10において「-0.2」と示す)変化させた。
【0095】
シミュレーションにおいて、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dの表面性状は、鏡面および粗面の2通りに変化させた。
【0096】
図10は、シミュレーション結果を示す表である。入光側から反入光側に向けて、画面輝度が暗くなることを輝度傾斜という。輝度傾斜は、上述の条件によって算出される測定点A,B,Cにおける輝度強度の比によって計算される。
【0097】
輝度傾斜(C/A)とは、測定点Aにおける輝度強度と測定点Cにおける輝度強度との比である。輝度傾斜(B/A)とは、測定点Aにおける輝度強度と測定点Bにおける輝度強度との比である。輝度傾斜(C/B)とは、測定点Bにおける輝度強度と測定点Cにおける輝度強度との比である。輝度傾斜は、その数値が小さいほど、第2方向Yにおける輝度の変化が小さいことを示している。そのため、輝度傾斜は、表示装置において、小さいほうが好ましい。
【0098】
図10においては、比較例として、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dが平面である場合を「面取りなし」として示す。当該比較例における表面性状は、粗面である。
【0099】
図10に示すように、側面E3a,E3b,E3c,E3dおよび側面E4a,E4b,E4c,E4dを凸の曲面に形成することによって、比較例よりも、輝度傾斜(C/A)、輝度傾斜(B/A)および輝度傾斜(C/B)が全体的に小さくなり、表示装置DSPの表示品位が向上することが確認された。
【0100】
輝度傾斜(C/A)においては、比較例よりも、4~14%小さくなることが確認された。輝度傾斜(C/A)において、曲率半径が2.5mmであり、表面性状が鏡面であるの場合に最も輝度傾斜の数値が小さくなることが確認された。表面性状の観点では、輝度傾斜(C/A)において、粗面よりも鏡面のほうが輝度傾斜の数値が小さくなることが確認された。
【0101】
輝度傾斜(C/A)において、曲率半径の中心の位置を変化させた場合にも輝度傾斜の数値が小さくなることが確認された。より詳細には、曲率半径の中心の位置を第3方向Zと反対の方向に変化させた場合のほうが曲率半径の中心の位置を第3方向Zに変化させた場合よりも輝度傾斜の数値が小さくなることが確認された。このように、シミュレーション結果の輝度傾斜(C/A)からも反入光側において液晶層LCに入射する光が増加することを確認することができる。
【0102】
以上のように構成された表示装置DSPであれば、表示品位を向上させることが可能である。より具体的には、表示装置DSPは、アレイ基板ARと、対向基板CTと、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に設けられた液晶層LCと、側面E3aを有する第1カバー部材CM1と、側面E3aに向けて光を照射する光源LSと、を備えている。側面E3aは、第1方向Xに見て、光源LSに向かう凸の曲面である。
【0103】
図7および図8を用いて説明したように、側面E3aによって、入光側において光が液晶層LCを通過する回数が減少し、第2方向Yに沿って伝搬される光が弱くなりにくくなる。そのため、本実施形態であれば、反入光側における輝度を比較例に係る表示装置DSP10よりも大きくすることができる。その結果、輝度傾斜が抑制され、表示装置DSPの表示品位を向上させることが可能である。
【0104】
本実施形態の第1カバー部材CM1は、凸の曲面である側面E3bをさらに有している。主面F5と主面F6とをつなぐ側面E3a,E3bを曲面に形成することによって、主面F5,F6と側面E3a,E3bとで形成される角部が欠けにくくなり、第1カバー部材CM1の強度を向上させることが可能である。
【0105】
さらに、本実施形態おいては、主面F5と主面F6とをつなぐ側面E3c,E3dのいずれも曲面に形成されている。これにより、第1カバー部材CM1の強度をさらに向上させることが可能である。
【0106】
図7および図8を用いて説明したように、側面E3bによって、反入光側において液晶層LCに入射する光が増加する。これにより、反入光側における輝度が大きくなり、輝度傾斜が抑制される。その結果、表示装置DSPの表示品位をさらに向上させることが可能である。
【0107】
本実施形態において、表示装置DSPは、凸の曲面である側面E4bを有する第2カバー部材CM2をさらに備えている。側面E4bによっても、側面E3bと同様に、反入光側において液晶層LCに入射する光を増加させることができる。これにより、反入光側における輝度がさらに大きくなり、輝度傾斜が抑制される。その結果、表示装置DSPの表示品位をさらに向上させることが可能である。
【0108】
さらに、本実施形態の第2カバー部材CM2おいては、主面F7と主面F8とをつなぐ側面E4a,E4b,E4c,E4dのいずれも曲面に形成されている。主面F7,F8と側面E4a,E4b,E4c,E4dとで形成される角部が欠けにくくなり、第2カバー部材CM2の強度を向上させることが可能である。
【0109】
本実施形態であれば、表示装置DSPにおける表示品位を向上させることが可能である。その他にも、本実施形態からは上述した種々の効果を得ることができる。
【0110】
なお、反射材は、上述の例に限られない。図11乃至図13は、反射材の他の例を説明するための図である。
【0111】
反射材RF1は、図11に示す例において、側面E3bおよび側面E4dの全体に設けられている。言い換えると、側面E3bの全体は第2方向Yに反射材RF1と重なり、側面E4bの全体は第2方向Yに反射材RF1と重なる。これにより、反入光側から光が外部に漏れにくくなるため、光の利用効率を向上させることが可能である。
【0112】
図12に示す例においては、表示装置DSPは、反射材RF1の代わりに、反射材RF2,RF3を備えている。反射材RF2は側面E3bの全体に設けられ、反射材RF3は側面E4dの全体に設けられている。
【0113】
反射材RF2,RF3は、例えば、反射膜である。反射材RF2,RF3は、銀などの光反射性を有する材料を塗装することによって形成されてもよいし、このような材料を蒸着することによって形成されてもよい。反射材RF2,RF3は、これらの例に限られない。
【0114】
反射材RF2を側面E3bに設け、反射材RF3を側面E4dに設けることによって、反入光側から光が外部に漏れにくくなる。図12に示す例においては、アレイ基板ARの側面E1bおよび対向基板CTの側面E2bには、反射材が設けられていない。
【0115】
図13に示す例においては、反射材RF1および反射材RF2,RF3がいずれも設けられている。アレイ基板ARの側面E1bおよび対向基板CTの側面E2bに反射材RF1が設けられているため、図12に示した例よりも反入光側から光が外部に漏れにくくなるため、光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0116】
なお、第1カバー部材CM1において、側面E3c,E3dは、側面E3a,E3bと異なる表面性状を有してもよい。側面E3c,E3dをすりガラス状に形成することによって、側面E3c,E3dの近傍で光が拡散され、表示領域DAの第1方向Xにおける表示むらを抑制することができる。上述の例は、第2カバー部材CM2にも適用することができる。
【0117】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下に述べる他の実施形態および変形例において、上述した第1実施形態と同様の構成要素には、第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0118】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。ここでは、主に第1実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、第1実施形態と同様の構造を適用できる。
【0119】
図14は、本実施形態に係る表示装置DSPの概略的な断面図である。図14では表示装置DSPの断面を第2方向Yに見ている。本実施形態においては、第1カバー部材CM1の側面E3c,E3dおよび第2カバー部材CM2の側面E4c,E4dが第1実施形態と相違している。第1カバー部材CM1の側面E3a,E3bおよび第2カバー部材CM2の側面E4a,E4bは、図4に示す例と同様の構造を有している。
【0120】
第1カバー部材CM1は、図14に示すように、側面E3c,E3dを有している。側面E3c,E3dは、側面E3a,E3bと異なる形状を有している。具体的には、側面E3c,E3dは、第2方向Yおよび第3方向Zによって規定されるY-Z平面と平行な平面である。
【0121】
第2カバー部材CM2は、図14に示すように、側面E4c,E4dを有している。側面E4c,E4dは、側面E4a,E4bと異なる形状を有している。具体的には、側面E4c,E4dは、Y-Z平面と平行な平面である。
【0122】
本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態において、側面E3c,E3d,E4c,E4dは、平面である。これにより、第1カバー部材CM1および第2カバー部材CM2の内部を伝搬する光が側面E3c,E3d,E4c,E4dから外部に漏れにくくなる。これより、表示装置DSPにおける光の利用効率を向上させることが可能である。
【0123】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0124】
図15および図16は、本実施形態に係る表示装置DSPの概略的な断面図である。図15では表示装置DSPの断面を第1方向Xに見て、図16では表示装置DSPの断面を第2方向Yに見ている。本実施形態においては、第1カバー部材CM1の側面E3c,E3dおよび第2カバー部材CM2の側面E4a,E4b,E4c,E4dが第1実施形態と相違している。
【0125】
第1カバー部材CM1は、図16に示すように、側面E3c,E3dを有している。側面E3c,E3dは、Y-Z平面と平行な平面である。第2カバー部材CM2は、図15および図16に示すように、側面E4a,E4b,E4c,E4dを有している。
【0126】
側面E4a,E4bはX-Z平面と平行な平面であり、側面E4c,E4dはY-Z平面と平行な平面である。本実施形態の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0128】
図17は、本実施形態に係る表示装置DSPの概略的な断面図である。図17では表示装置DSPの断面を第1方向Xに見ている。本実施形態においては、第2カバー部材CM2の側面E4aが第2実施形態と相違している。第1カバー部材CM1の側面E3c,E3dおよび第2カバー部材CM2の側面E4c,E4dは、図14に示す例と同様の構造を有している。
【0129】
第2カバー部材CM2は、図17に示すように、側面E4aを有している。側面E4aはX-Z平面と平行な平面である。図示されていないが、側面E3c,E3d,側面E4c,E4dはY-Z平面と平行な平面である。
【0130】
本実施形態の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態であれば、側面E3c,E3d,E4c,E4dから光が外部に漏れにくくなるとともに、反入光側における光を液晶層LCに入射させやすくなり、光の利用効率を向上させることが可能である。
【0131】
なお、第2実施形態乃至第4実施形態においては、図11乃至図13を用いて説明した反射材RF1,RF2,RF3をそれぞれ適用することが可能である。
【0132】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0133】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0134】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0135】
AR…アレイ基板、CT…対向基板、CM1…第1カバー部材、CM2…第2カバー部材、DSP…表示装置、E3a,E3b,E3c,E3d…側面、E4a,E4b,E4c,E4d…側面、F5,F6,F7,F8…主面、LC…液晶層、LS…光源、PNL…表示パネル、RF1,RF2,RF3…反射材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17