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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122228
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20240902BHJP
   B65D 83/06 20060101ALI20240902BHJP
   A47G 19/12 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B65D83/06 A
A47G19/12 A
A47G19/12 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029661
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】519198926
【氏名又は名称】株式会社ルナロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓治
【テーマコード(参考)】
3B001
3E014
【Fターム(参考)】
3B001AA24
3B001AA25
3B001BB10
3B001CC26
3E014PA01
3E014PA02
3E014PB03
3E014PC04
3E014PC06
3E014PC08
3E014PC11
3E014PC12
3E014PC16
3E014PD15
3E014PE14
3E014PF05
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】 新規な調味料容器の一例を開示する。
【解決手段】 調味料容器1は、調味料を貯留するとともに、弾性的に変形可能なタンク部2であって、外部と連通する連通口2Aが設けられたタンク部2と、タンク部2を収納するケーシング3であって、タンク部2に比べて剛性が大きい剛体製のケーシング3と、利用者の操作力を直接的又は間接的にタンク部2に伝達して当該タンク部2を縮小変形させるための操作部4とを備える。これにより、利用者は、操作部4を操作することにより、タンク部2を縮小変形させることができる。したがって、利用者は、操作力を調節することにより排出させる調味料の量を調整できる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体状又は液体状の目的物を貯留するとともに、その貯留された目的物を必要とする量に応じて排出可能な容器において、
前記目的物を貯留するとともに、弾性的に変形可能なタンク部であって、外部と連通する連通口が設けられたタンク部と、
前記タンク部を収納するケーシングであって、前記タンク部に比べて剛性が大きい剛体製のケーシングと、
利用者の操作力を直接的又は間接的に前記タンク部に伝達して当該タンク部を縮小変形させるための操作部と
を備える容器。
【請求項2】
前記操作部は、
前記ケーシングの外壁に設けられ、前記タンク部の一部を露出させる操作口、及び
前記ケーシング内のうち前記タンク部を挟んで前記操作口と反対側に設けられた壁部であって、前記タンク部に比べて剛性が大きい壁部
を有して構成されている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ケーシングは筒状に構成され、かつ、当該ケーシングの中心軸線を中心とする円周上に複数の前記タンク部が配置されており、
さらに、前記ケーシングの外周面のうち複数の前記タンク部それぞれに対応する位置には、前記操作口が設けられ、かつ、
前記ケーシングの中心軸線側には、複数の前記操作口それぞれに対応する前記壁部が設けられている請求項2に記載の容器。
【請求項4】
複数の前記タンク部は、前記中心軸線と平行な方向から前記ケーシングに対して着脱自在であり、
複数の前記壁部それぞれ及び前記ケーシングの内壁には、複数の前記タンク部それぞれの姿勢を保持する姿勢保持部が設けられている請求項3に記載の容器。
【請求項5】
複数の前記タンク部それぞれには、前記連通口から延びる管部が設けられている請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記ケーシングの中心軸線方向一端側には、複数の前記タンク部を当該ケーシングに対して着脱するための着脱口が設けられ、
さらに、前記着脱口を閉塞するための蓋部を備える請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記蓋部は、前記着脱口を閉塞する位置と当該着脱口を開く位置との間で回転自在に前記ケーシングに連結されている請求項6に記載の容器。
【請求項8】
複数の前記管の延び方向先端は、前記ケーシングの中心軸線方向他端側に位置し、
前記ケーシングの中心軸線方向他端は、複数の前記先端が露出可能な開口が設けられており、
さらに、前記開口を閉塞するための第2の蓋部を備える請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記第2の蓋部は、磁力により前記ケーシングに着脱自在に装着されている請求項8に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粉体又は液体の目的物を貯留するとともに、その貯留された目的物を必要とする量に応じて排出可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の液体調味料用容器は、タンク部がベローズ(蛇腹)状のスポイトにて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3199124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、特許文献1と異なる新規な容器の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
粉体状又は液体状の目的物を貯留するとともに、その貯留された目的物を必要とする量に応じて排出可能な容器は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0006】
すなわち、当該構成要件は、目的物を貯留するとともに、弾性的に変形可能なタンク部(2)であって、外部と連通する連通口(2A)が設けられたタンク部(2)と、タンク部(2)を収納するケーシング(3)であって、タンク部(2)に比べて剛性が大きい剛体製のケーシング(3)と、利用者の操作力を直接的又は間接的にタンク部(2)に伝達して当該タンク部(2)を縮小変形させるための操作部(4)とである。
【0007】
これにより、利用者は、操作部(4)を操作することにより、タンク部(2)を縮小変形させることができる。したがって、利用者は、操作力を調節することにより、連通口(2A)から排出させる目的物の量を調整できる。
【0008】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る調味料容器を示す図である。
図2】第1実施形態に係る調味料容器の分解図である。
図3】第1実施形態に係るタンク部を示す図である。
図4】第1実施形態に係るケーシングを示す図である。
図5】第1実施形態に係るケーシングを示す図である。
図6】第1実施形態に係るケーシングを断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された容器は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0013】
(第1実施形態)
<1.容器の概要>
本実施形態に係る容器は、粉体状又は液体状の目的物を貯留するとともに、その貯留された目的物を必要とする量に応じて排出可能な容器である。具体的には、当該容器は、醤油やソース等の液体状の調味料を貯留し、その貯留された調味料を利用者が必要とする量に応じて排出可能な調味料容器である。
【0014】
<2.調味料容器の構成>
調味料容器1は、図1に示されるように、外観形状が略筒(本実施形態では、円筒)状の容器である。当該調味料容器1は、図2に示されるように、タンク部2、ケーシング3、及び操作部4(図1参照)等を少なくとも備える。
【0015】
<2.1 タンク部>
本実施形態では、複数のタンク部2を備える。それら複数のタンク部2は、合同な同一品である(図2参照)。各タンク部2は、目的物である調味料を貯留するとともに、図3に示されるように、弾性的に変形可能な長球状のタンクである。
【0016】
各タンク部2の長手方向一端側には、外部と連通する連通口2Aが設けられている。そして、各タンク部2には、連通口2Aから延びる管部2Bが設けられている。タンク部2は、透明又は半透明な樹脂材製である。
【0017】
透明又は半透明とは、有色・無色を問わず、タンク部2内の調味料の量を利用者が目視確認可能な程度の透明度を有することを意味する。なお、本実施形態では、タンク部2と管部2Bとは、樹脂にて一体成形された一体品である。
【0018】
そして、タンク部2に貯留されている調味料は、連通口2Aから流出して管部2Bを経由して外部に排出される。具体的には、タンク部12を縮小変形させる押圧力が当該タンク部2に作用すると、その縮小した体積に応じた調味料が外部に排出される。
【0019】
<2.2 ケーシング>
ケーシング3は、各タンク部2を収納するとともに、タンク部2に比べて剛性が大きい剛体製の容器である。具体的には、図2に示されるように、ケーシング3は筒状(本実施形態では、円筒状)に構成されている。
【0020】
ケーシング3には、図4に示されるように、タンク部2と同数の収納部3Aが設けられている。各収納部3Aは、ケーシング3の中心軸線Loを中心とする円周上に等間隔で設けられている。
【0021】
このため、複数のタンク部2は、中心軸線Loを中心とする円周上に配置される。なお、本実施形態では、中心軸線Lo上にも収納部3Aが設けられている。この中心軸線Lo上の収納部3Aは、予備のタンク部2が収納される。
【0022】
そして、各タンク部2は、図2に示されるように、中心軸線Loと平行な方向からケーシング3に対して着脱自在である。このため、ケーシング3の略中央に設けられた複数の壁部4Bそれぞれ及びケーシング3の内壁には、姿勢保持部3Bが設けられている。
【0023】
各姿勢保持部3Bは、複数のタンク部2それぞれの姿勢を保持するための部位である。具体的には、本実施形態に係る各姿勢保持部3Bは、タンク部2の外周曲面に沿うような曲面で構成されている。
【0024】
そして、図4に示されるように、ケーシング3の中心軸線方向一端側(図4では、上端側)には着脱口3Cが設けられている。当該着脱口3Cは、複数のタンク部2を当該ケーシング3に対して着脱するための開口である。そして、着脱口3Cは、図1に示されるように、上蓋部5により閉塞されている。
【0025】
つまり、上蓋部5は、着脱口3Cを閉塞するための蓋であって、着脱口3Cを閉塞する位置と当該着脱口3Cを開く位置との間で回転自在にケーシング3に連結されている。具体的には、軸ネジ5A(図1参照)を中心に平行移動するように回転する。
【0026】
本実施形態では、上蓋部5及びケーシング3のうちいずれか一方(本実施形態では、上蓋部5)には、他方(本実施形態では、ケーシング3)と圧接する球面部(図示せず。)が設けられている。
【0027】
具体的には、上蓋部5のうちケーシング3側に設けられた凹部(図示せず。)には、バネ(図示せず。)及び球面部を構成する鋼球(図示せず。)が嵌め込まれている。そして、当該バネは、鋼球をケーシング3側に押圧している。
【0028】
また、各タンク部2がケーシング3に装着された状態では、複数の管3Bの延び方向先端は、ケーシング3の中心軸線方向他端側(図4では、下端側)に位置する。そして、図5及び図6に示されるように、ケーシング3の中心軸線方向他端は、各管3Bの先端が露出可能な開口3Dが設けられている。
【0029】
そして、当該開口3Dは下蓋部6(図1参照)により閉塞されている。下蓋部6は、当該下蓋部6又はケーシング3に埋設された永久磁石(図示せず。)の磁力によりケーシング3に着脱自在に装着されている。
【0030】
<2.3 操作部>
操作部4(図1参照)は、利用者の操作力を直接的又は間接的にタンク部2に伝達して当該タンク部2を縮小変形させるための構造である。具体的には、当該操作部4は、図6に示されるように、操作口4A及び壁部4B等を有して構成されている。
【0031】
操作口4Aは、ケーシング3の外壁に設けられ、タンク部2の一部を視認可能な状態で露出させる開口である。なお、本実施形態に係る操作口4Aは、中心軸線Loと平行な方向に延びる長穴状の貫通穴である。
【0032】
壁部4Bは、ケーシング3内のうちタンク部2、つまり収納部3Aを挟んで操作口4Aと反対側に設けられた壁状の部位であって、タンク部2に比べて剛性が大きい部位である。そして、各壁部4Bは、中心軸線Loを囲むように配置されている(図4参照)。
【0033】
つまり、図6に示されるように、ケーシング3の外周面のうち各収納部3Aに対応する位置には、操作口4Aが設けられ、かつ、ケーシング3の中心軸線Lo側には、各操作口4Aに対応する壁部4Bが設けられている。
【0034】
<3.本実施形態に係る調味料容器の特徴>
利用者は、操作部4を操作することにより、タンク部2を縮小変形させることができる。したがって、利用者は、操作力を調節することにより、連通口2A、つまり管部2Bの先端から排出させる調味料の量を調整できる。
【0035】
なお、本実施形態における「利用者は、操作部4を操作する」とは、具体的には、操作口4Aを通じて利用者が指等にてタンク部2を押圧することである。つまり、利用者は、希望する調味料が貯留されているタンク部2を操作口4Aを通じて押圧することにより、希望の調味料を排出させることができる。
【0036】
因みに、本実施形態に係る調味料容器1では、タンク部2がケーシング3に対して着脱自在であるので、タンク部2に貯留されていた調味料の全て排出された場合には、利用者は、当該タンク部2をケーシング3から取り出し、当該タンク部2をスポイトのようにして調味料をタンク部2内に再び充填すればよい。
【0037】
本実施形態に係るタンク部2は透明又は半透明である。このため、利用者は、操作口4Aを通じてタンク部2内の残量を容易に確認できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、液体状の調味料を目的物とする容器に本実施形態を適用した例であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、胡椒等の粉体状の調味料、又は香水等の液体を目的物としてよい。
【0038】
上述の実施形態では、操作口4Aを通じてタンク部2を利用者が直接的に押圧操作する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、操作口4Aに変位可能な操作ボタン状の部材又は薄膜を配置し、当該操作ボタン又は薄膜を介して利用者が間接的に押圧操作する構成であってもよい。
【0039】
上述の実施形態では、操作口4Aがケーシング3の外周に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、操作口4Aがケーシング3の上部に設けられていてもよい。
【0040】
上述の実施形態では、利用者の操作力を利用してタンク部2を縮小変形させた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、電動アクチュエータにてタンク部2を縮小変形させる構成であってもよい。
【0041】
上述の実施形態では、弾性変形可能なタンク部2を用いた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、タンク部2を筒状(シリンダー状)の剛体で構成し、ピストン等の押圧手段を利用者の操作力又は電動アクチュエータの操作力を利用して直接的又は間接的に作動させてもよい。
【0042】
上述の実施形態に係るタンク部2は透明又は半透明であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、利用者が内部を視認できない不透明なタンク部2であってもよい。
【0043】
上述の実施形態では、複数のタンク部2が中心軸線Loを中心とする円周上に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、タンク部2が1つである構成であってもよい。
【0044】
上述の実施形態では、タンク部2に貯留されていた調味料が全て排出された場合には、当該タンク部2をケーシング3から取り出して、タンク部2をスポイトのようにして調味料を充填する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0045】
すなわち、タンク部2に貯留されていた調味料が全て排出された場合には、調味料が既に充填されているタンク部2と交換する構成であってもよい。
上述の実施形態に係るケーシング3は円筒状であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、角筒(例えば、六角筒)状であってもよい。また、操作口4Aは長穴に限定されない。当該操作口4Aは、例えば丸穴であってもよい。
【0046】
上述の実施形態では、上蓋部5は、軸ネジ5Aを中心に平行移動するように回転する構成であり、下蓋部6は磁力によりケーシング3に着脱自在に装着される構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0047】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1… 調味料容器 2…タンク部 3… ケーシング
3A… 収納部 3B…姿勢保持部 3C… 着脱口
4… 操作部 4A…操作口 4B… 壁部
5… 上蓋部 6…下蓋部
図1
図2
図3
図4
図5
図6