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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122250
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】排水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/30 20060101AFI20240902BHJP
   E03C 1/28 20060101ALI20240902BHJP
   B08B 9/032 20060101ALI20240902BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
E03C1/30
E03C1/28 A
B08B9/032 321
B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029693
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】松村 秀幸
【テーマコード(参考)】
2D061
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
2D061AA02
2D061AE10
2D061DA01
2D061DD08
3B116AA13
3B116AB53
3B116BB11
3B116BB22
3B116BB62
3B116BB82
3B201AA13
3B201AB53
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB82
3B201BB92
3B201BB96
(57)【要約】
【課題】排水配管内に汚れが蓄積するのを抑制することが可能な排水装置を提供する。
【解決手段】この排水装置100は、槽体10の湯水を排出する排水装置であって、槽体10に接続され、槽体10から湯水を排水する排水配管20と、排水配管20内の洗浄を行う洗浄部30と、を備える。そして、洗浄部30は、加熱された湯水を排水配管20内に吐出するとともに、排水配管20内に配置された第1吐出口31を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体の湯水を排出する排水装置であって、
前記槽体に接続され、前記槽体から湯水を排水する排水配管と、
前記排水配管内の洗浄を行う洗浄部と、を備え、
前記洗浄部は、加熱された湯水を前記排水配管内に吐出するとともに前記排水配管内に配置された第1吐出口を含む、排水装置。
【請求項2】
前記排水配管は、前記槽体から湯水が流入する流入口と、湯水を貯留して封水を形成する封水室と、湯水を排出する排出口と、を有する排水トラップを含み、
前記洗浄部は、湯水を加熱するとともに前記排水配管の外に配置されたヒータと、前記ヒータにより加熱した湯水を前記第1吐出口に供給する湯水流路とを有する湯水供給部を含み、
前記洗浄部は、前記第1吐出口から前記排水トラップ内に前記ヒータにより加熱した湯水を吐出して、前記排水トラップ内の洗浄を行うように構成されている、請求項1に記載の排水装置。
【請求項3】
前記洗浄部は、前記封水室内の封水を排出する封水排出部をさらに含む、請求項2に記載の排水装置。
【請求項4】
前記封水排出部は、前記封水室内に配置され、湯水を吐出する第2吐出口を有する、請求項3に記載の排水装置。
【請求項5】
前記洗浄部は、前記封水室内の封水を取水する取水口をさらに含み、前記取水口から取水した封水を洗浄水として前記第2吐出口から吐出するように構成されている、請求項4に記載の排水装置。
【請求項6】
前記洗浄部は、前記第1吐出口から湯水を加熱した蒸気を噴射して、前記排水配管内の洗浄を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の排水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排水装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、キッチンのシンクから水を排水する排水配管と、排水配管内の洗浄を行う洗浄部と、を備える排水装置が開示されている。この排水装置は、キッチンのシンクに吐水される水により、排水配管内の水位を上昇させた状態で、洗浄部により排水配管内に超音波を発生させて、排水配管内の洗浄を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-051219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上記のような従来技術を背景としてなされたものであり、この発明の1つの目的は、排水配管内に汚れが蓄積するのを抑制することが可能な排水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による排水装置は、槽体の湯水を排出する排水装置であって、槽体に接続され、槽体から湯水を排水する排水配管と、排水配管内の洗浄を行う洗浄部と、を備え、洗浄部は、加熱された湯水を排水配管内に吐出するとともに排水配管内に配置された第1吐出口を含む。
【0007】
この発明の一の局面による排水装置では、上記のように、洗浄部は、加熱された湯水を排水配管内に吐出するとともに、排水配管内に配置された第1吐出口を含む。これにより、洗浄部の第1吐出口により排水配管内に湯水を吐出することにより、排水配管内を洗浄することができる。その結果、排水配管内に汚れが蓄積するのを抑制することができる。また、洗浄部の第1吐出口により加熱された湯水を排水配管内に吐出するので、油汚れなどの落ちにくい汚れを加熱された湯水により効果的に除去することができる。このような効果は、調理により発生する油分を含む排水が排出されるキッチンの排水装置において特に有効である。
【0008】
上記一の局面による排水装置において、好ましくは、排水配管は、槽体から湯水が流入する流入口と、湯水を貯留して封水を形成する封水室と、湯水を排出する排出口と、を有する排水トラップを含み、洗浄部は、湯水を加熱するとともに排水配管の外に配置されたヒータと、ヒータにより加熱した湯水を第1吐出口に供給する湯水流路とを有する湯水供給部を含み、洗浄部は、第1吐出口から排水トラップ内にヒータにより加熱した湯水を吐出して、排水トラップ内の洗浄を行うように構成されている。このように構成すれば、常に封水が貯留され、封水の液面付近に汚れが溜まりやすい排水トラップを、加熱された湯水により洗浄することができるので、排水配管の汚れが溜まりやすい排水トラップを洗浄して、排水配管内を清潔に保つことができる。
【0009】
この場合、好ましくは、洗浄部は、封水室内の封水を排出する封水排出部をさらに含む。このように構成すれば、封水室内を洗浄する際に、封水排出部により封水室内から封水を排出することができるので、封水が排出された封水室内において、洗浄のための湯水を封水室の壁部に直接当てて洗浄を行うことができる。その結果、封水室内を効果的に洗浄することができる。
【0010】
上記洗浄部が封水排出部を含む構成の排水装置において、好ましくは、封水排出部は、封水室内に配置され、湯水を吐出する第2吐出口を有する。このように構成すれば、封水室内に配置された第2吐出口から湯水を吐出することにより、封水室内の封水を排出することができる。また、第2吐出口から湯水を封水室内に吐出することができるので、第2吐出口から吐出する湯水により封水室内を洗浄することができる。その結果、封水室内を効果的に洗浄することができる。
【0011】
上記洗浄部が第2吐出口を含む構成の排水装置において、好ましくは、洗浄部は、封水室内の封水を取水する取水口をさらに含み、取水口から取水した封水を洗浄水として第2吐出口から吐出するように構成されている。このように構成すれば、封水室に貯めた洗浄水(湯水)を循環させて洗浄に用いることができるので、洗浄水を用いる量が多くなるのを抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による排水装置において、好ましくは、洗浄部は、第1吐出口から湯水を加熱した蒸気を噴射して、排水配管内の洗浄を行うように構成されている。このように構成すれば、加熱した蒸気により、排水配管内の汚れを浮かせることができるので、排水配管内の汚れを効果的に除去することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記のように、排水配管内に汚れが蓄積するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による排水装置を示した概略図である。
図2】本発明の実施形態による排水装置の封水室の底部を示した平面図である。
図3】本発明の実施形態による排水装置の排水配管洗浄手順を示したフロー図である。
図4】本発明の実施形態による排水装置の排水配管の洗浄を説明するための図である。
図5】本発明の実施形態の第1変形例による排水装置を示した概略図である。
図6】本発明の実施形態の第2変形例による排水装置を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以降において特に指定の無い限り「湯水」とは槽体や排水配管内に生じる水を包括的に指すものであり、吐出口から噴射された水や水道水、排水等を含み、その由来・成分・特徴・目的・温度に関係なく「湯水」という用語を使用する。一方、具体的な特徴・目的等を有する湯水を指す場合には「洗浄水」「水道水」「排水」「温水」のように特徴や目的等に沿った記載をする場合がある。たとえば、「洗浄水」とは、排水配管の洗浄の際に加熱して利用する湯水等を目的に合わせて「洗浄水」として記載するものであり、後述する薬剤供給部によって生成した洗浄用の薬液を混入した湯水の他、洗浄の際に利用される湯水であれば特に薬液等が混入されていなくとも「洗浄水」として記載する。
【0016】
(排水装置の構成)
図1および図2を参照して、本発明の実施形態による排水装置100の構成について説明する。
【0017】
本実施形態による排水装置100は、槽体10の湯水を排出するように構成されている。排水装置100は、図1に示すように、槽体10の下方に設けられている。また、排水装置100は、排水配管20と、洗浄部30と、を備えている。また、排水装置100は、下水配管(図示せず)に接続され、槽体10から排出される排水を、下水配管に排出するように構成されている。
【0018】
槽体10は、たとえば、キッチンのシンクである。また、槽体10は、湯水供給部11から供給される水を受けるように、湯水供給部11の下方に設けられている。湯水供給部11は、水道水を常温または加温して供給する。湯水供給部11は、吐水口と、吐水口からの吐水および止水を切り替える水栓部と、を含む。湯水供給部11は、水栓部を吐水に切り替えることにより、吐水口から湯水を吐水する。また、湯水供給部11は、水栓部の開度を調整することにより、吐水口から吐水する量が調整される。
【0019】
排水配管20は、槽体10に接続され、槽体10から湯水を排水するように構成されている。排水配管20は、排水トラップ21と、蓋22と、ごみかご23と、を含んでいる。排水トラップ21は、封水を貯めることにより、下水配管から臭いや生物(虫やネズミなど)が槽体10側に入り込むのを抑制するように構成されている。
【0020】
排水トラップ21は、流入口21aと、封水室21bと、排出口21cとを含んでいる。流入口21aは、槽体10から湯水が流入するように構成されている。また、流入口21aは、上下方向に沿って延びる管部材21dの上方に設けられた開口により構成されている。封水室21bは、湯水を貯留して封水を形成するように構成されている。封水室21bは、流入口21aを介して槽体10から排出された湯水が必ず通過するように構成されている。排出口21cは、排水トラップ21の湯水が排出されるように構成されている。排出口21cは、封水室21bから越流した湯水が排出されるように構成されている。つまり、排水トラップ21は、流入口21aから湯水が流入し、流入した湯水が管部材21dを通り、封水室21bを経て、排出口21cから下水配管に湯水を排出する。
【0021】
蓋22は、洗浄部30により排水配管20を洗浄する際に、洗浄水(洗浄のための湯水)が槽体10に流出しないように、排水配管20の流入口21aを閉塞するように構成されている。蓋22は、排水配管20を隙間なく密閉する必要はなく、洗浄水の流出を抑制することができればよい。蓋22は、洗浄部30による排水配管20の洗浄時以外には、取り外される、または、槽体10から排水が流出可能なように隙間を空けて配置される。
【0022】
ごみかご23は、槽体10から排出される排水内のごみを捕捉して、排水配管20内に大きなごみが排出されるのを抑制するように構成されている。
【0023】
ここで、本実施形態では、洗浄部30は、排水配管20内の洗浄を行う。洗浄部30は、加熱された湯水を洗浄水として排水配管20内に吐出するとともに、排水配管20内に配置された第1吐出口31を含んでいる。また、洗浄部30は、洗浄水を第1吐出口31に供給するための洗浄水供給部32を含んでいる。また、洗浄部30は、封水室21b内の洗浄水を取水して吐出する洗浄水循環部33を含んでいる。なお、洗浄水供給部32は、特許請求の範囲の「湯水供給部」の一例である。また、洗浄水循環部33は、特許請求の範囲の「封水排出部」の一例である。
【0024】
第1吐出口31は、封水室21bの水面付近に配置されている。また、第1吐出口31は、管部材21dに対向する位置に配置されている。
【0025】
第1吐出口31は、加熱された洗浄水(熱水)を噴射することが可能である。加熱された洗浄水は、たとえば、35℃以上100℃未満程度の温度を有する。また、第1吐出口31は、加熱して気体となった洗浄水の蒸気を噴射することが可能である。加熱された洗浄水の蒸気は、たとえば、90℃以上130℃以下程度の温度を有する。
【0026】
つまり、洗浄部30は、第1吐出口31から加熱された洗浄水を吐出して、排水配管20内を洗浄するように構成されている。また、洗浄部30は、第1吐出口31から洗浄水を加熱した蒸気を噴射して、排水配管20内の洗浄を行うように構成されている。
【0027】
洗浄水供給部32は、第1吐出口31に、加熱した洗浄水を供給する。洗浄水供給部32は、洗浄水流路32aと、ヒータ32bと、タンク32cと、バキュームブレーカ32dと、電磁弁32eと、薬液供給部32fと、を有している。洗浄水流路32aは、ヒータ32bにより加熱した洗浄水を第1吐出口31に供給する。洗浄水流路32aは、管部材により形成されている。また、洗浄部30は、第1吐出口31から排水トラップ21内にヒータ32bにより加熱した洗浄水を吐出して、排水トラップ21内の洗浄を行うように構成されている。なお、洗浄水流路32aは、特許請求の範囲の「湯水流路」の一例である。
【0028】
ヒータ32bは、洗浄水を加熱するように構成されている。また、ヒータ32bは、排水配管20の外に配置されている。また、ヒータ32bは、タンク32c内の洗浄水を加熱するように構成されている。また、ヒータ32bは、電気ヒータにより洗浄水を加熱する、ヒートポンプにより洗浄水を加熱する、ガスなどの燃焼熱により洗浄水を加熱する、熱水との熱交換により洗浄水を加熱する、のうち少なくとも1つの方法により、洗浄水を加熱するように構成されている。
【0029】
タンク32cは、加熱する洗浄水を貯留するように構成されている。バキュームブレーカ32dは、タンク32cから電磁弁32eに、水が逆流しないように設けられている。つまり、バキュームブレーカ32dは、電磁弁32e側がタンク32c側よりも負圧となった場合に、空気を吸引して逆サイフォンを防止して、逆流を抑制する。
【0030】
電磁弁32eは、水道水をバキュームブレーカ32dを介してタンク32cに供給する。つまり、電磁弁32eは、開状態とすることにより、水道水をタンク32cに供給する。また、電磁弁32eは、閉状態とすることにより、タンク32cへの水道水の供給を停止する。
【0031】
薬液供給部32fは、薬液を洗浄水に供給する。具体的には、薬液供給部32fは、タンク32cと第1吐出口31との間の洗浄水流路32aに薬液を供給する。薬液供給部32fは、たとえば、界面活性剤を含む洗剤、次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、オゾン水、過酸化水素水溶液などの薬液を供給する。
【0032】
洗浄水循環部33は、封水室21bを洗浄する際に、封水室21b内の封水を排出するように構成されている。また、洗浄水循環部33は、封水室21b内の湯水を循環させて封水室21b内を洗浄するように構成されている。また、洗浄水循環部33は、第2吐出口33aおよび33bと、取水口33cと、ポンプ33dと、取水管33eと、吐出管33fと、を有している。洗浄水循環部33は、取水口33cから封水室21b内の洗浄水を取水して、取水管33eを介してポンプ33dに洗浄水を取り込む。そして、洗浄水循環部33は、ポンプ33dから吐出管33fを介して第2吐出口33aおよび33bから洗浄水を吐出させる。つまり、洗浄水循環部33(洗浄部30)は、取水口33cから取水した封水を洗浄水として第2吐出口33aおよび33bから吐出するように構成されている。
【0033】
第2吐出口33aおよび33bは、封水室21b内に配置されている。また、第2吐出口33aおよび33bは、洗浄水を吐出するように構成されている。第2吐出口33aおよび33bは、封水室21bの底部に設けられている。また、図2に示すように、第2吐出口33aは、複数設けられている。具体的には、複数の第2吐出口33aは、平面視において、管部材21dよりも外側に周状に配置されている。また、第2吐出口33bは、平面視において、管部材21dの内側に配置されている。なお、管部材21dの内側に配置される第2吐出口33bが複数設けられていてもよい。これにより、管部材21dよりも外側に配置された第2吐出口33aから吐出される洗浄水により管部材21dよりも外側の封水室21b内を洗浄することが可能である。また、管部材21dの内側に配置された第2吐出口33bから吐出される洗浄水により管部材21dの内側を洗浄することが可能である。
【0034】
また、第2吐出口33aは、封水室21b内の封水を吐出することにより、封水室21bの外部に封水を排出するように構成されている。
【0035】
取水口33cは、封水室21b内の封水を取水するように構成されている。取水口33cは、封水室21bの底部に設けられている。取水口33cには、異物の侵入を抑制するための網などのストレーナが設けられている。また、取水口33cは、封水室21b内の封水を洗浄水として取水するように構成されている。
【0036】
(排水配管洗浄手順)
図3および図4を参照して、排水装置100の排水配管洗浄の手順について説明する。
【0037】
図3のステップS1において、洗浄部30が起動される。たとえば、ユーザにより排水配管20内を洗浄するための操作が行われることにより、洗浄部30が起動される。また、たとえば、排水配管20内を洗浄するために所定時間毎に洗浄部30が起動される。
【0038】
図3のステップS2および図4のAにおいて、蓋22が閉められる。蓋22は、アクチュエータの駆動により自動で閉められてもよい。また、蓋22は、ユーザの作業により閉められてもよい。また、蓋22が閉められたことを洗浄部30を制御する制御部により取得するようにしてもよい。
【0039】
図3のステップS3および図4のBにおいて、第1吐出口31から封水室21bに洗浄水が吐出される。これにより、封水室21bに溜まった封水が排出されて、封水室21b内の水が綺麗な状態の洗浄水に置換される。
【0040】
図3のステップS4および図4のCにおいて、第2吐出口33aから洗浄水を吐出して封水室21bの洗浄水が排出される。つまり、封水室21bに置換された洗浄水を取水口33cから取水して、第2吐出口33aから吐出することにより、封水室21bの洗浄水の水位を下げる。また、この際に、第2吐出口33aおよび33bから吐出された洗浄水により封水室21b内が洗浄される。
【0041】
図3のステップS5および図4のDにおいて、第1吐出口31から封水室21bに洗浄水の蒸気を噴射する。これにより、封水室21bを含む排水配管20内に蒸気が充満する。そして、洗浄水の蒸気により、排水配管20内の汚れが浮き上がる。
【0042】
図3のステップS6および図4のEにおいて、湯水供給部11から水が供給されて、封水室21bに注水される。なお、湯水供給部11から封水室21bに水が供給される前に蓋22が開かれる。また、封水室21bへの注水は、第1吐出口31から供給されてもよい。封水室21bへの注水により、封水室21bを含む排水配管20内の浮き上がった汚れが排出口21cから排出される。また、封水室21bに封水が貯められる。以上により、排水配管20内が洗浄される。
【0043】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0044】
本実施形態では、上記のように、洗浄部30は、加熱された湯水を洗浄水として排水配管20内に吐出するとともに、排水配管20内に配置された第1吐出口31を含む。これにより、洗浄部30の第1吐出口31により排水配管20内に洗浄水を吐出することにより、排水配管20内を洗浄することができる。その結果、排水配管20内に汚れが蓄積するのを抑制することができる。また、洗浄部30の第1吐出口31により加熱された洗浄水を排水配管20内に吐出するので、油汚れなどの落ちにくい汚れを加熱された洗浄水により効果的に除去することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、排水配管20は、槽体10から湯水が流入する流入口21aと、湯水を貯留して封水を形成する封水室21bと、湯水を排出する排出口21cと、を有する排水トラップ21を含む。また、洗浄部30は、洗浄水を加熱するとともに排水配管20の外に配置されたヒータ32bと、ヒータ32bにより加熱した洗浄水を第1吐出口31に供給する洗浄水流路32aとを有する洗浄水供給部32を含む。そして、洗浄部30は、第1吐出口31から排水トラップ21内にヒータ32bにより加熱した洗浄水を吐出して、排水トラップ21内の洗浄を行うように構成されている。これにより、常に封水が貯留され、封水の液面付近に汚れが溜まりやすい排水トラップ21を、加熱された洗浄水により洗浄することができるので、排水配管20の汚れが溜まりやすい排水トラップ21を洗浄して、排水配管20内を清潔に保つことができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、洗浄部30は、封水室21b内の封水を排出する洗浄水循環部33をさらに含む。これにより、封水室21b内を洗浄する際に、洗浄水循環部33により封水室21b内から封水を排出することができるので、封水が排出された封水室21b内において、洗浄のための湯水を封水室21bの壁部に直接当てて洗浄を行うことができる。その結果、封水室21b内を効果的に洗浄することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、洗浄部30は、封水室21b内に配置され、洗浄水を吐出する第2吐出口33aおよび33bを含む。これにより、第2吐出口33aから洗浄水を吐出することにより、封水室21b内の封水を排出することができる。その結果、封水が排出された封水室21b内において、第1吐出口31および第2吐出口33aおよび33bから吐出した洗浄水を封水室21bの壁部に直接当てて洗浄を行うことができる。また、第2吐出口33aおよび33bから洗浄水を封水室21b内に吐出することができるので、第2吐出口33aおよび33bから吐出する洗浄水により封水室21b内を洗浄することができる。これらの結果、封水室21b内を効果的に洗浄することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、洗浄部30は、封水室21b内の封水を取水する取水口33cを含む。そして、洗浄部30は、取水口33cから取水した封水を洗浄水として第2吐出口33aおよび33bから吐出するように構成されている。これにより、封水室21bに貯めた洗浄水を循環させて洗浄に用いることができるので、洗浄水を用いる量が多くなるのを抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、洗浄部30は、第1吐出口31から洗浄水を加熱した蒸気を噴射して、排水配管20内の洗浄を行うように構成されている。これにより、加熱した蒸気により、排水配管20内の汚れを浮かせることができるので、排水配管20内の汚れを効果的に除去することができる。
【0050】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0051】
たとえば、上記実施形態では、第1吐出口31が封水室21bに配置されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図5に示す第1変形例による排水装置200のように、第1吐出口31aが封水室21baの外に設けられていてもよい。
【0052】
具体的には、第1変形例による排水装置200では、流入口21aaが槽体10a側(上方側)に向かって広がるように、管部材21daが形成されている。また、第1吐出口31aは、封水室21baに対して、排出口21c側に設けられている。また、蓋部22aは、洗浄部30による排水配管20の洗浄の際に、流入口21aaを塞ぐように配置される。
【0053】
また、上記実施形態では、排水配管20の上部にごみかご23が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図5に示す第1変形例による排水装置200のように、排水配管20の上部にごみかご23を設けなくてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、蓋22が排水配管20の上部を閉塞し、洗浄部30により、排水配管20を洗浄する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図6に示す第2変形例による排水装置300のように、蓋22bにより、槽体10bの上部を閉塞し、洗浄部30により、槽体10にも洗浄水を供給して、排水配管20および槽体10の両方を洗浄するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、洗浄水を加熱するために、専用のヒータ32bを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、湯水供給部11により供給する水を温める給湯器などにより加熱した加熱水を、洗浄水として用いてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、排水装置100を、キッチンのシンクの排水を行う排水装置とする構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。風呂(槽体10としてのバスタブ)の排水を行う排水装置に本発明を適用してもよいし、洗面所などの槽体の排水を行う排水装置に本発明を適用してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、封水室21bにおいて、水が内側から流入して、水が外側から排出される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、封水室において、水が外側から流入して、水が内側から排出される構成でもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、封水室内の湯水を循環させる洗浄水循環部により封水を排出する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、封水室の下部に弁を設けて、弁を開放することにより、封水室から封水を排出してもよい。また、封水室の封水をポンプなどにより封水室外に送液して、封水を排出してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10、10a、10b 槽体
20 排水配管
21 排水トラップ
21a、21aa 流入口
21b、21ba 封水室
21c 排出口
30 洗浄部
31、31a 第1吐出口
32 洗浄水供給部(湯水供給部)
32a 洗浄水流路(湯水流路)
32b ヒータ
33 洗浄水循環部(封水排出部)
33a、33b 第2吐出口
33c 取水口
100、200、300 排水装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6