IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-照明装置、及び、無線給電システム 図1
  • 特開-照明装置、及び、無線給電システム 図2
  • 特開-照明装置、及び、無線給電システム 図3
  • 特開-照明装置、及び、無線給電システム 図4
  • 特開-照明装置、及び、無線給電システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122267
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】照明装置、及び、無線給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20240902BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240902BHJP
   H02J 50/60 20160101ALI20240902BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240902BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240902BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20240902BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20240902BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20240902BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/80
H02J50/60
H02J7/00 301D
H05B47/19
H05B47/125
H05B47/13
H05B47/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029716
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】亀田 圭以
(72)【発明者】
【氏名】石森 淳允
(72)【発明者】
【氏名】田上 直紀
【テーマコード(参考)】
3K273
5G503
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA21
3K273QA29
3K273QA31
3K273QA36
3K273SA02
3K273SA11
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA33
3K273SA47
3K273SA50
3K273SA57
3K273TA09
3K273TA12
3K273TA16
3K273TA41
3K273TA48
3K273TA54
3K273TA61
3K273TA72
3K273TA73
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA26
3K273UA29
5G503BB01
5G503CA10
5G503EA05
5G503GB09
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】所望のタイミングで無線給電を停止することができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置20は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された電波を受信した第1機器30に給電する無線給電部23と、所定の要件が満たされたと判定した場合に、無線給電部23による電波の放射を停止する制御部24とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された前記電波を受信した第1機器に給電する無線給電部と、
所定の要件が満たされたと判定した場合に、前記無線給電部による前記電波の放射を停止する制御部とを備える
照明装置。
【請求項2】
さらに、前記第1機器、及び、前記無線給電部から給電を受けていない第2機器の少なくとも一方と通信する通信部を備え、
前記所定の要件は、前記通信部により所定の信号が受信されたことである
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記所定の信号には、前記第1機器によって送信される前記第1機器の満充電を通知するための満充電通知信号が含まれる
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記所定の信号には、前記第1機器によって送信される前記第1機器において異常が発生したことを通知するための異常通知信号が含まれる
請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記所定の信号には、前記第1機器または前記第2機器によって送信される、前記無線給電部による前記電波の放射を停止することを指示する停止指示信号が含まれる
請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記所定の信号には、前記第1機器または前記第2機器によって送信されるビーコン信号が含まれる
請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
さらに、人を検出するセンサを備え、
前記所定の要件は、前記センサによって人が検出されたことである
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明装置と、
前記第1機器とを備える
無線給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、及び、無線給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置(照明器具)に関する様々な技術が提案されている。特許文献1には、非接触給電装置を備える照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-185934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、所望のタイミングで無線給電を停止することができる照明装置、及び、無線給電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る照明装置は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された前記電波を受信した第1機器に給電する無線給電部と、所定の要件が満たされたと判定した場合に、前記無線給電部による前記電波の放射を停止する制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る無線給電システムは、前記照明装置と、前記第1機器とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る照明装置、及び、無線給電システムは、所望のタイミングで無線給電を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る無線給電システムが適用される空間を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る無線給電システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明装置の動作例1のフローチャートである。
図4図4は、実施の形態に係る照明装置の動作例2のフローチャートである。
図5図5は、給電用の電波の到達する範囲、及び、人検出センサが人を検出できる範囲の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る無線給電システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る無線給電システムが適用される空間を示すブロック図である。図2は、実施の形態に係る無線給電システムの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1及び図2に示されるように、無線給電システム10は、住宅などの施設内の空間に適用される。照明装置20は系統電源から有線で電力供給を受けているため、電源として利用しやすい特徴を有している。無線給電システム10においては、照明装置20に無線給電機能を付加することで電源の無線化を実現している。無線給電システム10は、具体的には、照明装置20と、第1機器30と、第2機器40とを備える。
【0013】
照明装置20は、空間を照明する照明機能だけでなく、第1機器30に対して電力を無線で供給する無線給電機能を有する装置である。図1に示されるように、一般的に、照明装置20は、照明光を遮る障害物の少ない天井などに取り付けられることが多い。このため、照明装置20から放射される無線給電用の電波は、広範囲に、または、遠い距離に届きやすい利点がある。
【0014】
照明装置20は、例えば、天井面に取り付けられるシーリングライトであるが、これに限定されない。照明装置20は、例えば、電球型ランプ、ハロゲンランプ、高輝度放電灯(HIDランプ)、GX53形の口金(導電ピン)を有するランプ、直管ランプ、スポットライト、ベースライト(ライトバー)またはダウンライトなどであってもよい。
【0015】
照明装置20は、具体的には、光源21と、通信部22と、無線給電部23と、制御部24と、記憶部25と、人検出センサ26とを備える。光源21、通信部22、無線給電部23、制御部24、記憶部25、及び、人検出センサ26は、例えば、少なくとも一部が照明装置20の外郭筐体に収容される。
【0016】
光源21は、系統電源から供給される電力を用いて発光する。光源21が発する光は、例えば、白色光である。光源21は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子によって実現されるが、半導体レーザ、有機EL(Electro-Luminescence)、または、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0017】
通信部22は、照明装置20が、第1機器30、及び、第2機器40と局所通信ネットワークを通じた通信を行うための通信回路である。通信部22は、第1機器30、及び、第2機器40の少なくとも一方の機器と通信できればよい。
【0018】
通信部22は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。無線通信の通信プロトコルとしては、Wi-Fi(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、及び、Zigbee(登録商標)などが例示されるが、特に限定されない。無線通信には、電波通信だけでなく赤外線通信などの光通信が含まれる。有線通信の通信規格としては、イーサネット(登録商標)、及び、電力線搬送通信などが例示されるが、特に限定されない。
【0019】
無線給電部23は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された電波を受信した第1機器30に給電する。つまり、無線給電部23は、無線給電を行う。無線給電部23は、具体的には、アンテナと、系統電源から供給される電力を用いてアンテナから電波を放射する無線給電回路とを含む。
【0020】
無線給電部23は、例えば、マイクロ波帯(300MHz~300GHz)のうち、920MHz帯(第1の周波数帯)に含まれる周波数の電波を放射することにより無線給電を行う。無線給電部23は、例えば、2.4GHz帯及び5.7GHz帯(第2の周波数帯)に含まれる周波数の電波を放射することにより無線給電を行ってもよい。なお、周波数帯は、日本国内においては空間伝送型ワイヤレス電力伝送の技術基準として、無線設備規則第24条、第49条の9、別表第1号及び別表第3号等で規定されている。
【0021】
920MHz帯(具体的には、917.8MHz以上919.4MHz以下の範囲)は、電波の放射源から所定範囲内に人が居ても使用可能な周波数帯である。2.4GHz帯(具体的には、2410MHz以上2486MHz以下の範囲)は、電波の放射源から所定範囲内に人が居る場合には使用が禁止されている周波数帯である。5.7GHz帯(5738MHz以上5766MHz以下の範囲)も同様に、電波の放射源から所定範囲内に人が居る場合には使用が禁止されている周波数帯である。2.4GHz帯及び5.7GHz帯は、ハイパワーな無線給電が可能であるので、急速充電に有用である。
【0022】
制御部24は、光源21、通信部22、及び、無線給電部23の制御を行う。制御部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。制御部24の機能は、制御部24を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部25に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0023】
記憶部25は、光源21、通信部22、及び、無線給電部23の制御に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部25に記憶される情報には、制御部24が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部25は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0024】
人検出センサ26は、人を検出する非接触式のセンサである。人検出センサ26は、例えば、人の体から発せられる赤外線を検出(センシング)する焦電センサである。人検出センサ26は、ドップラー効果を利用して人を含む物体を検出する電波センサ(ドップラーセンサ)であってもよいし、画像処理機能を備える画像センサ(カメラ)であるAI(Artificial Intelligence)カメラなどであってもよい。
【0025】
第1機器30は、照明装置20の無線給電部23から給電を受ける機器である。第1機器30は、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末、パーソナルコンピュータ、家電機器、ロボット、電気自動車、または、センサなどである。なお、第1機器30には、照明装置20(通信部22)との通信機能を有している機器と、当該通信機能を有していない機器とがある。第1機器30は、基本的には、無線給電部23が放射する電波により充電される蓄電池を備える機器である。
【0026】
第2機器40は、照明装置20の無線給電部23から第1機器30が給電を受けているときに、照明装置20の無線給電部23から給電を受けていない機器である。第2機器40は、無線給電部23から給電を受ける機能を有していない機器であってもよいし、無線給電部23から給電を受ける機能を有しているが当該機能がオフされている機器であってもよい。第2機器40は、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末、パーソナルコンピュータ、または、照明装置20のリモートコントローラなどである。第2機器40は、照明装置20(通信部22)との通信機能を有している。
【0027】
[動作例1]
上述のように、照明装置20は電波の放射によって無線給電を行うが、電波を常に放射し続けることは消費電力の増大を招く。給電用の電波の放射については適切なタイミングで停止されるべきであるが、どのようなタイミングで電波の放射を停止するかについては検討の余地がある。
【0028】
以下、適切なタイミングで電波の放射を停止することができる動作(動作例1)について説明する。図3は、照明装置20の動作例1のフローチャートである。
【0029】
照明装置20は、無線給電を行う(S11)。具体的には、照明装置20の制御部24は、無線給電部23にマイクロ波帯の電波を放射させる。これにより、電波を受信した第1機器30は、照明装置20から給電を受けることができる。なお、制御部24は、ユーザの壁スイッチへの操作等により、系統電源から照明装置20へ交流電力の供給が開始されたことを契機に無線給電部23による電波の放射を開始してもよいし、通信部22が第1機器30または第2機器40から開始指示信号を受信したことを契機に無線給電部23による電波の放射を開始してもよい。
【0030】
無線給電部23から電波が放射されている間、制御部24は、通信部22により所定の信号が受信されたか否かを判定する(S12)。制御部24は、通信部22により所定の信号が受信されていないと判定すると(S12でNo)、無線給電を継続する(S11)。一方、制御部24は、通信部22により所定の信号が受信されたと判定すると(S12でYes)、無線給電を停止する(S13)。言い換えれば、制御部24は、無線給電部23による電波の放射を停止する。
【0031】
ここで、無線給電が停止される要件となる所定の信号としては、満充電通知信号、異常通知信号、停止指示信号、及び、ビーコン信号などが例示される。
【0032】
満充電通知信号は、第1機器30が備える蓄電池の満充電を通知するための信号である。第1機器30は、第1機器30が備える蓄電池が満充電状態となったことを契機に満充電通知信号を送信する。第1機器30が備える蓄電池が満充電状態であれば、無線給電を継続する必要はない。したがって、満充電通知信号は、無線給電が停止される要件となる所定の信号として利用することができる。
【0033】
異常通知信号は、第1機器30によって送信される、第1機器30において異常が発生したことを通知する信号である。第1機器30は、例えば、第1機器30自体または第1機器30が備える蓄電池の温度が所定温度以上になったこと(異常発熱が発生したこと)を契機に異常通知信号を送信する。第1機器30に異常が発生している場合に給電が継続されると第1機器30の故障等につながる可能性がある。異常通知信号が所定の信号として利用されれば、第1機器30の故障の発生等が抑制される。
【0034】
停止指示信号は、無線給電部23による電波の放射を停止することを指示する信号(コマンド)である。停止指示信号は、第1機器30によって送信される場合もあるし、第2機器40によって送信される場合もある。停止指示信号は、ユーザの第1機器30(または第2機器40)への操作に応じて第1機器30(または第2機器40)から送信される場合もあるし、ユーザの操作によらずに第1機器30(または第2機器40)から自発的に送信される場合もある。停止指示信号が所定の信号として利用されれば、制御部24は、ユーザまたは機器の要望に応じて電波の放射を停止することができる。
【0035】
ビーコン信号は、機器の存在を通知するために、当該機器が所定の時間間隔で送信する信号である。ビーコン信号は、第1機器30によって送信される場合もあるし、第2機器40によって送信される場合もある。ビーコン信号は、基本的には、ユーザ(人)によって所持される携帯端末等が送信することから、ビーコン信号が受信されたことは、照明装置20の近くに人が存在することとみなすことができる。上述のように、無線給電部23が2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射する場合、安全性の観点から、無線給電部23の近くに人が存在するときには電波の放射が禁止されている。ビーコン信号が所定の信号として利用されれば、制御部24は、無線給電部23の近くに人が存在しているとき(つまり、電波の放射が禁止されているとき)に電波の放射を停止することができる。
【0036】
以上説明したように、照明装置20は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された電波を受信した第1機器30に給電する無線給電部23と、第1機器30及び第2機器40と通信する通信部22と、通信部22により所定の信号が受信されたと判定した場合に、無線給電部23による電波の放射を停止する制御部24とを備える。所定の信号には、満充電通知信号、異常通知信号、停止指示信号、及び、ビーコン信号などの少なくとも1つが含まれる。
【0037】
このような照明装置20は、通信部22によって所定の信号が受信されたことを契機に給電用の電波の放射を停止することができる。つまり、照明装置20は、適切なタイミングで給電を停止することができ、消費電力の増大を抑制することができる。
【0038】
なお、無線給電部23による無線給電のオン及びオフと、光源21のオン(発光)及びオフ(消灯)とは独立しており、例えば、無線給電部23による無線給電のオン及びオフは、光源21がオンしたまま行われる。このように光源21がオンしたまま無縁給電をオフする場合には、制御部24は、定常発光している光源21を一時的に点滅させる(一時的に所定の発光態様で発光させる)ことで、無線給電がオフされたことを通知してもよい。
【0039】
[動作例2]
照明装置20が所定の信号が受信されたことを要件として電波の放射を停止することは必須ではない。照明装置20は、所定の要件が満たされたと判定した場合に電波の放射を停止すればよい。例えば、照明装置20は、人検出センサ26の検出結果に応じて電波の放射を停止してもよい。図4は、このような照明装置20の動作例2のフローチャートである。
【0040】
照明装置20は、無線給電を行う(S21)。ステップS21の処理は、ステップS11の処理と同様である。具体的には、照明装置20の制御部24は、無線給電部23にマイクロ波帯の電波を放射させる。これにより、電波を受信した第1機器30は、照明装置20から給電を受けることができる。なお、制御部24は、ユーザの壁スイッチへの操作等により、系統電源から照明装置20へ交流電力の供給が開始されたことを契機に無線給電部23による電波の放射を開始してもよいし、通信部22が第1機器30または第2機器40から開始指示信号を受信したことを契機に無線給電部23による電波の放射を開始してもよい。
【0041】
無線給電部23から電波が放射されている間、制御部24は、人検出センサ26によって人が検出されたか否かを判定する(S22)。制御部24は、人検出センサ26によって人が検出されていないと判定すると(S22でNo)、無線給電を継続する(S21)。一方、制御部24は、人検出センサ26によって人が検出されたと判定すると(S22でYes)、無線給電を停止する(S23)。言い換えれば、制御部24は、無線給電部23による電波の放射を停止する。
【0042】
上述のように、無線給電部23が2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射する場合、安全性の観点から、無線給電部23の近くに人が存在するときには電波の放射が禁止されている。制御部24は、人検出センサ26によって人が検出されたことを要件として電波の放射を停止することで、無線給電部23の近くに人が存在しているとき(つまり、電波の放射が禁止されているとき)に電波の放射を停止することができる。
【0043】
以上説明したように、照明装置20は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された電波を受信した第1機器30に給電する無線給電部23と、人を検出する人検出センサ26とを備え、人検出センサ26により人が検出されたと判定した場合に、無線給電部23による電波の放射を停止する制御部24とを備える。
【0044】
このような照明装置20は、照明装置20の周辺に人がいると推定されるときに給電用の電波の放射を停止することができる。つまり、照明装置20は、適切なタイミングで給電を停止することができ、安全性の向上を図るとともに消費電力の増大を抑制することができる。
【0045】
なお、図5は、給電用の電波の到達する範囲、及び、人検出センサ26が人を検出できる範囲の一例を示す図である。図5に示されるように、人検出センサ26が人を検出できる範囲Aは、例えば、給電用の電波が到達する範囲Bを含み、範囲Bよりも広い。図5のように範囲A及び範囲Bが定められれば、照明装置20は、人が電波に到達する範囲Bに差し掛かる前に給電用の電波の放射を停止することができる。つまり、より安全な無線給電システム10が実現される。
【0046】
[変形例]
上記実施の形態では、照明装置20が給電用の電波の放射を停止する例について説明された。ここで、無線給電部23が給電用の電波の周波数帯を変更できるような場合、制御部24は、通信部によって受信された信号に基づいて、電波の周波数帯を変更してもよい。
【0047】
例えば、第1機器30が、第1機器30が備える蓄電池の残量を通知するための残量通知信号を送信するような場合には、制御部24は、残量通知信号に応じて電波の周波数帯を変更してもよい。制御部24は、例えば、残量通知信号が示す残量が所定残量未満である場合には、無線給電部23に2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波(急速充電用の電波)を放射させ、残量通知信号が示す残量が上記所定残量以上である場合には、無線給電部23に920MHz帯の電波(普通充電用の電波)を放射させてもよい。
【0048】
このような照明装置20は、第1機器30が備える蓄電池の残量に応じて給電モード(急速充電または普通充電)を制御することができる。
【0049】
また、第1機器30または第2機器40がビーコン信号を送信する場合、制御部24は、ビーコン信号が受信されていないとき(周囲に人がいないとき)には、無線給電部23に2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射させ、ビーコン信号が受信されているとき(周囲に人がいるとき)には、無線給電部23に920MHz帯の電波を放射させてもよい。
【0050】
このような照明装置20は、周囲に人がいるときには、安全性が確認されている電波を放射することで給電を継続することができる。
【0051】
また、制御部24は、人検出センサ26の検出結果に基づいて、電波の周波数帯を変更してもよい。制御部24は、人検出センサ26によって人が検出されていないときには、無線給電部23に2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射させ、人検出センサ26によって人が検出されているときには、無線給電部23に920MHz帯の電波を放射させてもよい。
【0052】
このような照明装置20は、周囲に人がいるときには、安全性が確認されている電波を放射することで給電を継続することができる。
【0053】
また、920MHz帯の電波は、人体への安全性が確認されていることから、無線給電部23が920MHz帯の電波の放射している場合には、人を検出したときに電波の放射を停止する機能が無効化されてもよい。
【0054】
例えば、制御部24は、無線給電部23に2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射しているときには、ビーコン信号が受信されたことを契機に当該電波の放射を停止し、無線給電部23が920MHz帯の電波を放射しているときには、ビーコン信号が受信されても当該電波の放射を継続してもよい。
【0055】
同様に、制御部24は、無線給電部23に2.4GHz帯または5.7GHz帯の電波を放射しているときには、人検出センサ26によって人が検出されたことを契機に当該電波の放射を停止し、無線給電部23が920MHz帯の電波を放射しているときには、人検出センサ26によって人が検出されても当該電波の放射を継続してもよい。
【0056】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、当該発明から得られる効果等について説明する。
【0057】
発明1は、マイクロ波帯の電波を放射することにより、放射された電波を受信した第1機器30に給電する無線給電部23と、所定の要件が満たされたと判定した場合に、無線給電部23による電波の放射を停止する制御部24とを備える、照明装置20である。
【0058】
このような照明装置20は、照明装置20の設計者等により所定の要件が適切に定められることにより、設計者等の所望のタイミング(適切なタイミング)に無線給電を停止することができる。
【0059】
発明2は、さらに、第1機器30、及び、無線給電部23から給電を受けない第2機器40の少なくとも一方と通信する通信部22を備え、所定の要件は、通信部22により所定の信号が受信されたことである、発明1の照明装置20である。
【0060】
このような照明装置20は、所定の信号を受信したことを要件として無線給電を停止することができる。
【0061】
発明3は、所定の信号には、第1機器30によって送信される第1機器30の満充電を通知するための満充電通知信号が含まれる、発明2の照明装置20である。
【0062】
このような照明装置20は、満充電通知信号を受信したことを要件として無線給電を停止することができる。つまり、照明装置20は、不必要に電波が放射されることを抑制することができる。
【0063】
発明4は、所定の信号には、第1機器30によって送信される第1機器30において異常が発生したことを通知するための異常通知信号が含まれる、発明2または3の照明装置20である。
【0064】
このような照明装置20は、異常通知信号を受信したことを要件として無線給電を停止することができる。つまり、照明装置20は、第1機器30に異常が発生している場合に第1機器30への給電を停止することで、第1機器30の故障の発生等を抑制することができる。
【0065】
発明5は、所定の信号には、第1機器30または第2機器40によって送信される、無線給電部23による電波の放射を停止することを指示する停止指示信号が含まれる、発明2~4のいずれかの照明装置20である。
【0066】
このような照明装置20は、停止指示信号を受信したことを要件として無線給電を停止することができる。つまり、照明装置20は、ユーザ、第1機器30、または、第2機器40の要望に応じて第1機器30への給電を停止することができる。
【0067】
発明6は、所定の信号には、第1機器または第2機器によって送信されるビーコン信号が含まれる、発明2~5のいずれかの照明装置20である。
【0068】
このような照明装置20は、ビーコン信号を受信したことを要件として無線給電を停止することができる。ビーコン信号は、基本的には、ユーザ(人)によって所持される携帯端末等が送信することから、ビーコン信号が受信されたことは、照明装置20の近くに人が存在することとみなすことができる。つまり、発明6の照明装置20は、無線給電部23の近くに人が存在しているときに無線給電を停止することができる。
【0069】
発明7は、さらに、人を検出する人検出センサ26を備え、所定の要件は、人検出センサ26によって人が検出されたことである、発明1の照明装置20である。
【0070】
このような照明装置20は、無線給電部23の近くに人が存在しているときに無線給電を停止することができる。
【0071】
発明8は、発明1~7のいずれかの照明装置20と、第1機器30とを備える、無線給電システム10である。
【0072】
このような無線給電システム10は、所望のタイミング(適切なタイミング)に無線給電を停止することができる。
【0073】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0074】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0076】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0077】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0078】
例えば、本発明は、上記実施の形態の無線給電システム、第1機器、または、第2機器として実現されてもよい。本発明は、コンピュータが実行する方法として実現されてもよい。本発明は、このような方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0079】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 無線給電システム
20 照明装置
21 光源
22 通信部
23 無線給電部
24 制御部
25 記憶部
26 人検出センサ
30 第1機器
40 第2機器
図1
図2
図3
図4
図5