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特開2024-122276カード読取装置、カード判定方法、及び、カード判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122276
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】カード読取装置、カード判定方法、及び、カード判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/30 20140101AFI20240902BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B42D25/30
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029728
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 泰三
(72)【発明者】
【氏名】永石 裕二
【テーマコード(参考)】
2C005
2F065
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HA19
2C005HB01
2C005HB03
2C005LB15
2C005LB60
2F065AA24
2F065AA30
2F065BB13
2F065FF04
2F065JJ09
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065QQ08
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ29
2F065QQ31
2F065TT03
(57)【要約】
【課題】製造コストの上昇を抑制しつつ、カードの厚みが正常であるか否かを判定する。
【解決手段】カード読取装置は、予め定められた厚みを有し券面に情報が記載されているカードが載置される載置部と、載置部に載置されたカードの第1辺が接する第1壁面と、カードの厚みよりも大きい所定の線幅にて、載置されたカードの第1辺に沿って第1壁面に設けられた第1の厚み検出線と、載置されたカードの券面と第1の厚み検出線とを撮影するカメラと、当該カメラによって撮影された撮影画像に含まれる第1の厚み検出線の露出部分に基づいて、載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定するプロセッサと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカードが載置される載置部と、
前記載置部に載置された前記カードの第1辺が接する第1壁面と、
前記カードの厚みよりも大きい所定の線幅にて、前記載置されたカードの前記第1辺に沿って前記第1壁面に設けられた第1の厚み検出線と、
前記載置されたカードの券面と前記第1の厚み検出線とを撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分に基づいて、前記載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定するプロセッサと、を備える、
カード読取装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の厚み検出線の露出部分の高さが所定の区間内である場合、前記載置されたカードの厚みを正常と判定する、
請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の厚み検出線の露出部分の高さが前記所定の区間外である場合、前記載置されたカードの厚みを異常と判定する、
請求項2に記載のカード読取装置。
【請求項4】
前記載置部に載置された前記カードの第2辺が接する第2壁面と、
前記載置部に載置された前記カードの第3辺が接する第3壁面と、
前記所定の線幅にて、前記載置されたカードの前記第2辺に沿って前記第2壁面に設けられた第2の厚み検出線と、
前記所定の線幅にて、前記載置されたカードの前記第3辺に沿って前記第3壁面に設けられた第3の厚み検出線と、をさらに備える、
請求項1に記載のカード読取装置。
【請求項5】
前記第2辺と前記第3辺は互いに対向しており、
前記プロセッサは、前記撮影画像に含まれる、前記第1の厚み検出線の露出部分と、前記第2の厚み検出線の露出部分と、前記第3の厚み検出線の露出部分と基づいて、前記載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定する、
請求項4に記載のカード読取装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の厚み検出線の露出部分の高さの最大値及び最小値と、前記第2の厚み検出線の露出部分の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分の高さとのいずれもが所定の区間内である場合、前記載置されたカードの厚みを正常と判定する、
請求項5に記載のカード読取装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1の厚み検出線の露出部分の高さの最小値が第1の閾値以上であり、かつ、前記第2の厚み検出線の露出部分の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分の高さとのいずれもが所定の区間内である場合、前記載置されたカードの厚みを正常と判定する、
請求項5に記載のカード読取装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第2の厚み検出線の露出部分の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分の高さとのいずれもが第2の閾値以上であり、かつ、前記第1の厚み検出線の露出部分の高さの最大値が所定の区間内である場合、前記載置されたカードの厚みを正常と判定する、
請求項5に記載のカード読取装置。
【請求項9】
所定の載置部に載置された、予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカードと、前記載置部に載置された前記カードの第1辺が接する第1壁面に設けられた、前記カードの厚みよりも大きい所定の線幅である第1の厚み検出線と、をカメラによって撮影し、
前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分に基づいて、前記載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定する、
カード判定方法。
【請求項10】
請求項9に記載のカード判定方法をコンピュータに実行させる、
カード判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カード読取装置、カード判定方法、及び、カード判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カードの真贋を検出する手段の1つとして、厚みセンサを用いてカードの厚みを測定することと、カードの長辺方向を側方から撮影した画像からカードの厚みを算出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-14546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように厚みセンサを設けた場合、製造コストの上昇を招く。また、特許文献1には、カードの長辺方向を側方から撮影してどのようにカードの厚みを算出するのか記載されておらず、カードを側方から撮影するためにカメラを設けることは、製造コストの上昇を招く。
【0005】
本開示の目的は、製造コストの上昇を抑制しつつ、カードの厚みが正常であるか否かを判定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るカード読取装置は、予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカードが載置される載置部と、前記載置部に載置された前記カードの第1辺が接する第1壁面と、前記カードの厚みよりも大きい所定の線幅にて、前記載置されたカードの前記第1辺に沿って前記第1壁面に設けられた第1の厚み検出線と、前記載置されたカードの券面と前記第1の厚み検出線とを撮影するカメラと、前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分に基づいて、前記載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定するプロセッサと、を備える。
【0007】
本開示に係るカード判定方法は、所定の載置部に載置された、予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカードと、前記載置部に載置された前記カードの第1辺が接する第1壁面に設けられた、前記カードの厚みよりも大きい所定の線幅である第1の厚み検出線と、をカメラによって撮影し、前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分に基づいて、前記載置されたカードの厚みが正常であるか否かを判定する。
【0008】
本開示に係るカード判定プログラムは、上記に記載のカード判定方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、カードの厚みが正常であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係るカード読取装置の外観形状に関する構成の一例を示す斜視図
図2】本実施の形態に係るカード読取装置の内部形状に関する構成の一例を示す断面図
図3】本実施の形態に係るカード読取装置の制御に関する構成の一例を示すブロック図
図4】本実施の形態に係るカード投入空間の構成の一例を示す図
図5】本実施の形態に係るカードの厚みと厚み検出線との関係を説明するための図
図6】本実施の形態に係るカードの厚みが正常であるか否かを判定する処理の第1例を示すフローチャート
図7】(a)カード20が反っていない場合と、(b)カード20が山なりに反っている場合と、(c)カード20が谷なりに反っている場合との例を示す模式図
図8】本実施の形態に係るカードの厚みが正常であるか否かを判定する処理の第2例を示すフローチャート
図9】本実施の形態に係る厚み検出線の模様のバリエーションの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(本実施の形態)
<カード読取装置の形状に関する構成>
図1は、本実施の形態に係るカード読取装置1の外観形状に関する構成の一例を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るカード読取装置1の内部形状に関する構成の一例を示す断面図である。図2は、図1に示すカード読取装置1のA-A断面図に相当する。
【0014】
カード読取装置1の筐体10は、図1及び図2に示すように、四角錐台の形状を呈し、前面11、後面12、左側面13、右側面14、底面15及び上面16を有する。
【0015】
なお、説明の便宜上、筐体10の底面15に対して垂直かつ高さ方向に延びる軸をZ軸とする。Z軸に対して垂直(つまり筐体10の底面15に平行)かつ筐体10の前面11から後面12に延びる軸をY軸とする。Y軸及びZ軸に対して垂直な軸をX軸とする。また、説明の便宜上、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」、Y軸の負方向を「前」、Y軸の正方向を「後」、X軸の負方向を「左」、X軸の正方向を「右」と称する場合がある。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0016】
図1及び図2に示すように、筐体10の前面11の下方部分には、略四角形の開口部30が形成される。そして、開口部30から後方に向けて、カード20が投入される空間であるカード投入空間31が形成される。
【0017】
カード読取装置1は、開口部30の下辺から後方に向かって延出し、カード20が載置される面であるカード載置面40を有する。カード載置面40は、後方(Y軸の正方向)に向かって下方傾斜していてもよい。
【0018】
カード読取装置1は、カード載置面40に載置されたカード20を読み取って、当該カード20を載置した人物2に対する本人確認を行う。
【0019】
カード20は、例えば、マイナンバーカード20、運転免許証、在留カード20等である。カード20は長方形であり、カード20の寸法はISO/IEC7810「ID-1」の規格に準拠してよい。ISO/IEC7810「ID-1」は、カード20の寸法について、横幅は85.60mm、縦幅は53.98mm、厚みは0.76mmと規定している。本実施の形態では、カード20の横幅の2つの辺をそれぞれ第1辺21及び第2辺22と称し、カード20の縦幅の2つの辺をそれぞれ第3辺23及び第4辺24と称する。カード202の素材は、例えばプラスチックである。
【0020】
<カード読取装置の制御に関する構成>
図3は、本実施の形態に係るカード読取装置1の制御に関する構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図3に示すように、カード読取装置1は、制御に関する構成要素として、プロセッサ101と、メモリ102と、カード撮影用カメラ103と、顔撮影用カメラ104と、入出力装置105とを備える。
【0022】
メモリ102は、カード読取装置1が有する機能を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。メモリ102は、揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含む構成であってよい。
【0023】
カード撮影用カメラ103は、カード載置面40に載置されたカード20の表面(上面)を撮影し、カード撮影画像を生成する。カード撮影用カメラ103は、カード載置面40に載置されたカード20の表面の全体と、後述する厚み検出線50とを撮影できるように、底面15から所定の高さ方向に離れた位置に設置される。生成されたカード撮影画像は、メモリ102に記憶される。
【0024】
顔撮影用カメラ104は、カード読取装置1の筐体10の前面に設置され、カード20を載置する人物2の顔を撮影し、顔撮影画像を生成する。生成された顔撮影画像は、メモリ102に記憶される。
【0025】
プロセッサ101は、メモリ102からプログラム及びデータを読み出して実行することにより、カード読取装置1が有する機能を実現する。
【0026】
例えば、プロセッサ101は、顔撮影画像が示す人物と、カード撮影画像に含まれる顔写真が示す人物とが同一人物であるか否かを判定する。当該同一人物か否かの判定は、公知の顔認識技術によって実現されてよい。本実施の形態では、当該同一人物か否かの判定を本人確認と称する場合がある。
【0027】
本実施の形態に係るカード読取装置1は、カード20の真贋を検出する機能を有する。カード20の真贋を検出する方法の1つとして、カード20の厚みを確認する方法がある。本実施の形態では、レーザ等のカード20の厚みを測定するためのセンサを追加したり、カード20の側面を撮影するための専用のカメラを設置したりすることなく、カード撮影用カメラ103による撮影によってカード20の厚みを測定できるカード読取装置1について説明する。
【0028】
例えば、プロセッサ101は、カード撮影用カメラ103が撮影したカード撮影画像に基づいてカード20の厚みを算出し、その算出したカード20の厚みからカード20の真贋を判定する。これにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、カード20の厚みを算出し、カード20の真贋を判定できる。なお、カード20の厚みの算出方法及びカード20の真贋の判定方法の詳細については後述する。
【0029】
なお、プロセッサ101は、カード撮影画像が偽造カードではなく正規のカードを撮影したものであると判定した場合、上述した顔撮影画像が示す人物と、カード撮影画像に含まれる顔写真が示す人物とが同一人物であるか否かを判定する処理を行ったり、カード撮影画像に対してOCR(Optical Character Recognition)を行ってカード20の表面に記載されている文字等を読み取ったりしてもよい。
【0030】
入出力装置105は、例えばタッチパネル型ディスプレイであり、人物からの入力を受け付けたり、各種情報を表示したりする。
【0031】
<カード投入空間の構成>
図4は、本実施の形態に係るカード投入空間31の構成の一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係るカード20の厚みと厚み検出線との関係を説明するための図である。
【0032】
カード投入空間31は、開口部30、カード載置面40、奥壁面41、左壁面42、及び、右壁面43によって囲まれた空間である。
【0033】
開口部30を通じてカード載置面40に載置されたカード20は、第1辺21が奥壁面41に接し、第2辺22が左壁面42に接し、第3辺23が右壁面43に接する。
【0034】
奥壁面41には、カード載置面40に載置されたカード20の第1辺21に沿って、第1の厚み検出線51が設けられている。図5に示すように、第1の厚み検出線51は、カード載置面40に正規のカードが載置されたときに、カードによって隠れることなく、少なくとも一部が上方向に露出するように、奥壁面41に設けられる。すなわち、第1の厚み検出線51の線幅(カード載置面40から高さ方向の幅)は、正規のカードの厚みよりも大きい。
【0035】
左壁面42には、カード載置面40に載置されたカード20の第2辺22に沿って、第2の厚み検出線52が設けられている。図5に示すように、第2の厚み検出線52は、カード載置面40に正規のカードが載置されたときに、カードによって隠れることなく、少なくとも一部が上方向に露出するように、左壁面42に設けられる。すなわち、第2の厚み検出線52の線幅(カード載置面40から高さ方向の幅)は、正規のカードの厚みよりも大きい。
【0036】
右壁面43には、カード載置面40に載置されたカード20の第3辺23に沿って、第3の厚み検出線53が設けられている。図5に示すように、第3の厚み検出線53は、カード載置面40に正規のカードが載置されたときに、カードによって隠れることなく、少なくとも一部が上方向に露出するように、右壁面43に設けられる。すなわち、第3の厚み検出線53の線幅(カード載置面40から高さ方向の長さ)は、正規のカードの厚みよりも大きい。
【0037】
なお、第1の厚み検出線51と、第2の厚み検出線52と、第3の厚み検出線53とは、必ずしもすべて設けられる必要はなく、これらの厚み検出線のうちの少なくとも1つが設けられてもよい。また、第1の厚み検出線51と、第2の厚み検出線52と、第3の厚み検出線53とを区別しない場合、厚み検出線50と称する場合がある。
【0038】
<カードの厚み判定処理の第1例>
次に、第1の厚み検出線51を用いてカード20の厚みが正常であるか否かを判定する処理について説明する。
【0039】
図6は、本実施の形態に係るカード20の厚みが正常であるか否かを判定する処理の第1例を示すフローチャートである。次に、図5図6を参照して説明する。
【0040】
プロセッサ101は、カード撮影用カメラ103が撮影したカード撮影画像をメモリ102から取得する(S101)。
【0041】
プロセッサ101は、カード撮影画像の中から、第1の厚み検出線51の露出した部分(以下、第1の厚み検出線の露出部分61と称する)を検出する(S102)。
【0042】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1を算出する(S103)。
【0043】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1が、基準値を含む厚み許容区間内であるか否かを判定する(S104)。
【0044】
基準値は、第1の厚み検出線51の線幅Haから、正規のカードの厚みD(例えば0.76mm)を減算した値である。
【0045】
許容区間は、(基準値-Δe)から(基準値+Δe)の区間である。例えば、基準値を1.24mm、Δeを0.3mmとすると、許容区間は0.94mm~1.54mmとなる。
【0046】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1が基準値を含む許容区間内である場合(S104:YES)、カード20の厚みを正常と判定し(S105)、本処理を終了する。
【0047】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1が基準値を含む許容区間外である場合(S104:NO)、カード20の厚みを異常と判定し(S106)、本処理を終了する。
【0048】
なお、上述した図6に示す処理は、第1の厚み検出線51に代えて、第2の厚み検出線52、又は、第3の厚み検出線53を用いてもよい。
【0049】
以上の処理により、カード読取装置1は、カード撮影用カメラ103によって撮影したカード撮影画像を用いて、カード20の厚みが正常であるか否かを判定することができる。なお、カード読取装置1は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1に基づいて、カード20の厚みを測定してもよい。具体的には、カード読取装置1は、HaからH1を減算した値を、カード20の厚みとしてよい。
【0050】
なお、プロセッサ101は、カード20の厚みを正常と判定した場合、当該カード20は正規のカードであるとして、上述した顔撮影画像が示す人物と、カード撮影画像に含まれる顔写真が示す人物とが同一人物であるか否かを判定する処理を行ったり、カード撮影画像に対してOCRを行ってカードの表面に記載されている文字等を読み取ったりしてもよい。プロセッサ101は、カード20の厚みを異常と判定した場合、当該カード20は偽造されている可能性があるとして、以降の処理を行わず、入出力装置105に問題が発生した旨を表示したり、スタッフが所持する所定の端末に問題が発生した旨を通知したりしてよい。
【0051】
<カードの厚み判定処理の第2例>
次に、第1の厚み検出線51と、第2の厚み検出線52と、第3の厚み検出線53とを用いて、カード20の反りを考慮してカード20の厚みが正常であるか否かを判定する処理について説明する。
【0052】
図7は、(a)カード20が反っていない場合と、(b)カード20が山なりに反っている場合と、(c)カード20が谷なりに反っている場合との例を示す模式図である。図8は、本実施の形態に係るカード20の厚みが正常であるか否かを判定する処理の第2例を示すフローチャートである。
【0053】
プロセッサ101は、カード撮影用カメラ103が撮影したカード撮影画像をメモリ102から取得する(S201)。
【0054】
プロセッサ101は、カード撮影画像の中から、第1の厚み検出線51の露出した部分(第1の厚み検出線の露出部分61)と、第2の厚み検出線52の露出した部分(以下、第2の厚み検出線の露出部分62と称する)と、第3の厚み検出線53の露出した部分(以下、第3の厚み検出線の露出部分63と称する)とを検出する(S202)。
【0055】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1max及び最小値H1minと、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とを算出する(S203)。ここで、図7(a)に示すように、カード20が反っていない場合、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1maxと最小値H1minとはほぼ同じ値となり、図7(b)又は(c)に示すように、カード20が長手方向に反っている場合、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1maxと最小値H1minとは異なる値となる。
【0056】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1max及び最小値H1minと、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが、厚み許容区間内であるか否かを判定する(S204)。厚み許容区間は、上記で図6を参照して説明したものであってよい。
【0057】
プロセッサ101は、反りなし用の判定処理を行う(S204)。
【0058】
反りなし用の判定処理として、プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1max及び最小値H1minと、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の罪検出線の露出部分の高さH3とのいずれもが厚み許容区間内であるか否かを判定する。
【0059】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1max及び最小値H1minと、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが厚み許容区間内である場合(S204:YES)、カード20の厚みを正常と判定し(S205)、本処理を終了する。
【0060】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1max及び最小値H1minと、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのうちの少なくとも1つが厚み許容区間外である場合(S204:NO)、山なり反り用の判定処理を行う(S206)。山なり反り用の判定処理として、プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最小値H1minが第1の閾値以上であり、かつ、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが厚み許容区間内であるか否かを判定する。カード20が山なりに反っている場合、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最小値H1minは、山なりに反っているカード20の長手方向の山の頂上の部分に相当するため、第1の閾値は、どのくらいの山なり反りまでを正常として許容するかに基づいて予め定められる値であってよい。
【0061】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最小値H1minが第1の閾値以上であり、かつ、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが厚み許容区間内である場合(S206:YES)、カード20の厚みを正常と判定し(S205)、本処理を終了する。
【0062】
プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最小値H1minが第1の閾値未満である場合、あるいは、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3との少なくとも一方が厚み許容区間外である場合(S206:NO)、谷なり反り用の判定処理を行う(S207)。
【0063】
谷なり反り用の判定処理として、プロセッサ101は、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが第2の閾値以上であり、かつ、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1maxが厚み許容区間内であるか否かを判定する。カード20が谷なりに反っている場合、第2の厚み検出線の露出部分62の高さ、又は、第3の厚み検出線の露出部分63の高さは、谷なりに反っているカード20の長手方向の端の部分に相当するため、第2の閾値は、どのくらいの谷なり反りまでを正常として許容するかに基づいて予め定められる値であってよい。なお、第1の閾値と第2の閾値は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0064】
プロセッサ101は、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3とのいずれもが第2の閾値以上であり、かつ、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1maxが厚み許容区間内である場合(S207:YES)、カード20の厚みを正常と判定し(S205)、本処理を終了する。
【0065】
プロセッサ101は、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2と、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3との少なくとも一方が第2の閾値未満である場合、あるいは、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1の最大値H1maxが厚み許容区間外である場合(S207:NO)、カード20の厚みを異常と判定し(S208)、本処理を終了する。
【0066】
以上の処理により、カード20が少し反っている場合であっても、カード撮影用カメラ103によって撮影したカード撮影画像を用いて、カード20の厚みが正常であるか否かを判定することができる。
【0067】
なお、図8において、ステップS204とステップS206とステップS207との処理は、どのような順序で実行されてもよい。
【0068】
また、プロセッサ101は、カード撮影画像から、第1の厚み検出線の露出部分61の高さH1、第2の厚み検出線の露出部分62の高さH2、第3の厚み検出線の露出部分63の高さH3を、ミリメートル単位で検出してもよいし、ピクセル単位で検出してもよい。
【0069】
また、カード20の反りを検知する方法は、図7及び図8を参照して説明した方法に限られない。例えば、以下の(A1)又は(A2)の方法によって、カード20の反りを検知してもよい。
【0070】
(A1)プロセッサ101は、カード撮影画像からカード20の第1辺21、第2辺22、第3辺23、及び、第4辺を検出し、検出した第1辺21又は第4辺の歪みから、カード20が反りなし、山なり反り、又は、谷なり反りのいずれであるかを判定する。
【0071】
(A2)プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の中央付近の高さが、第2の厚み検出線の露出部分62又は第3の厚み検出線の露出部分63の高さよりも小さい場合、カード20が山なり反りであると判定する。プロセッサ101は、第1の厚み検出線の露出部分61の中央付近の高さが、第2の厚み検出線の露出部分62又は第3の厚み検出線の露出部分63の高さよりも大きい場合、カード20が谷なり反りであると判定する。
【0072】
なお、上述ではカード20の長辺側の反りについて説明したが、上述した内容はカード20の短辺側の反りにも適用できる。上述した内容をカード20の短辺側の反りに適用する場合、上述した説明におけるカード20の長辺と短辺とを入れ替えればよい。
【0073】
<厚み検出線の模様>
図9は、本実施の形態に係る厚み検出線の模様のバリエーションの例を示す図である。
【0074】
厚み検出線は、当該厚み検出線が設けられている壁面と区別可能な模様であれば、どのような模様であってもよい。例えば、厚み検出線の模様は、図9に示すように、単色の無地、クロスハッチ、斜線、格子状、横縞、又は、縦縞等であってよい。
【0075】
これにより、プロセッサ101は、公知の画像解析技術を用いて、カード撮影画像から厚み検出線の露出部分を容易に検出することができる。
【0076】
(本開示のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0077】
<技術1>
本開示に係るカード読取装置1は、予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカード20が載置される載置部(例えばカード載置面40)と、前記載置部に載置された前記カード20の第1辺21が接する第1壁面(例えば奥壁面41)と、前記カード20の厚みよりも大きい所定の線幅にて、前記載置されたカード20の前記第1辺21に沿って前記第1壁面に設けられた第1の厚み検出線51と、前記載置されたカード20の券面と前記第1の厚み検出線51とを撮影するカメラ(例えばカード撮影用カメラ103)と、前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分61に基づいて、前記載置されたカード20の厚みが正常であるか否かを判定するプロセッサ101と、を備える。
これにより、カード20の券面を撮影するカメラを利用して撮影した第1の厚み検出線51に基づいて、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できるので、製造コストの上昇を抑制しつつ、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0078】
<技術2>
技術1に記載のカード読取装置1において、前記プロセッサ101は、前記第1の厚み検出線の露出部分61の高さが所定の区間内である場合、前記載置されたカード20の厚みを正常と判定する。
このように、第1の厚み検出線の露出部分61の高さから、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0079】
<技術3>
技術2に記載のカード読取装置1において、前記プロセッサ101は、前記第1の厚み検出線の露出部分61の高さが前記所定の区間外である場合、前記載置されたカード20の厚みを異常と判定する。
このように、第1の厚み検出線の露出部分61の高さから、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0080】
<技術4>
技術1から3のいずれか1項に記載のカード読取装置1において、前記載置部に載置された前記カード20の第2辺22が接する第2壁面(例えば左壁面42)と、前記載置部に載置された前記カード20の第3辺23が接する第3壁面(例えば右壁面43)と、前記所定の線幅にて、前記載置されたカード20の前記第2辺22に沿って前記第2壁面に設けられた第2の厚み検出線52と、前記所定の線幅にて、前記載置されたカード20の前記第3辺23に沿って前記第3壁面に設けられた第3の厚み検出線53と、をさらに備える。
これにより、カード20の券面を撮影するカメラを利用して撮影した第1の厚み検出線51、第2の厚み検出線52、及び、第3の厚み検出線53に基づいて、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できるので、製造コストの上昇を抑制しつつ、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0081】
<技術5>
技術4に記載のカード読取装置1において、前記第2辺22と前記第3辺23は互いに対向しており、前記プロセッサ101は、前記撮像画像に含まれる、前記第1の厚み検出線の露出部分61と、前記第2の厚み検出線の露出部分62と、前記第3の厚み検出線の露出部分63と基づいて、前記載置されたカード20の厚みが正常であるか否かを判定する。
このように、第1の厚み検出線の露出部分61、第2の厚み検出線の露出部分62、及び、第3の厚み検出線の露出部分63から、カード20の反りを考慮してカードの厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0082】
<技術6>
技術5に記載のカード読取装置1において、前記プロセッサ101は、前記第1の厚み検出線の露出部分61の高さの最大値及び最小値と、前記第2の厚み検出線の露出部分62の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分63の高さとのいずれもが所定の区間内である場合、前記載置されたカード20の厚みを正常と判定する、
これにより、カード20に反りがない場合において、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0083】
<技術7>
技術5又は6に記載のカード読取装置1において、前記プロセッサ101は、前記第1の厚み検出線の露出部分61の高さの最小値が第1の閾値以上であり、かつ、前記第2の厚み検出線の露出部分62の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分63の高さとのいずれもが所定の区間内である場合、前記載置されたカード20の厚みを正常と判定する。
これにより、カード20が山なりに反っている場合においても、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0084】
<技術8>
技術5から7のいずれか1項に記載のカード読取装置1において、前記プロセッサ101は、前記第2の厚み検出線の露出部分62の高さと、前記第3の厚み検出線の露出部分63の高さとのいずれもが第2の閾値以上であり、かつ、前記第1の厚み検出線の露出部分61の高さの最大値が所定の区間内である場合、前記載置されたカード20の厚みを正常と判定する。
これにより、カード20が谷なりに反っている場合においても、カード20の厚みが正常であるか否かを判定できる。
【0085】
<技術9>
カード判定方法は、所定の載置部(例えばカード載置面40)に載置された、予め定められた厚みを有し、券面に情報が記載されているカード20と、前記載置部に載置された前記カード20の第1辺21が接する第1壁面(例えば奥壁面41)に設けられた、前記カード20の厚みよりも大きい所定の線幅である第1の厚み検出線51と、をカメラ(例えばカード撮影用カメラ103)によって撮影し、前記カメラによって撮影された撮影画像に含まれる前記第1の厚み検出線の露出部分61に基づいて、前記載置されたカード20の厚みが正常であるか否かを判定する、
【0086】
<技術10>
カード判定プログラムは、上記技術9に記載のカード判定方法をコンピュータに実行させる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示の技術は、カードの真贋の検出に有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 カード読取装置
2 人物
10 筐体
11 前面
12 後面
13 左側面
14 右側面
15 底面
16 上面
20 カード
21 第1辺
22 第2辺
23 第3辺
24 第4辺
30 開口部
31 カード投入空間
40 カード載置面
41 奥壁面
42 左壁面
43 右壁面
51 第1の厚み検出線
52 第2の厚み検出線
53 第3の厚み検出線
61 第1の厚み検出線の露出部分
62 第2の厚み検出線の露出部分
63 第3の厚み検出線の露出部分
101 プロセッサ
102 メモリ
103 カード撮影用カメラ
104 顔撮影用カメラ
105 入出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9