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特開2024-122312印刷プログラム、情報処理装置、及び印刷制御方法
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  • 特開-印刷プログラム、情報処理装置、及び印刷制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122312
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】印刷プログラム、情報処理装置、及び印刷制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 378
G06F3/12 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029782
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上田 英明
(57)【要約】
【課題】印刷装置を制御する印刷プログラムのUI画面を、より使いやすくする。
【解決手段】
印刷プログラム13Bは、テープ状の被印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置2と通信するよう構成された情報処理装置1により実行され、UI画面処理と判定処理とを有する。UI画面処理は、いずれかの印刷画像をユーザが選択したことに応じて、該印刷画像に対応するUI画面を表示する。また、判定処理は、UI画面に対応する印刷画像に含まれるオブジェクトが対応する用途に基づき、該UI画面の態様を判定する。そして、UI画面処理は、判定処理により判定された態様で、UI画面を表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状の被印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置と通信するよう構成された通信部と、
表示部と、
制御部と、
を備える情報処理装置の前記制御部が実行可能な印刷プログラムであって、
前記制御部に、いずれかの前記印刷画像をユーザが選択したことに応じて、該印刷画像に対応するUI画面を前記表示部に表示するよう構成されたUI画面処理を実行させ、
前記印刷画像は、前記印刷プログラムにより提供される複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを含み、前記オブジェクトは、複数の異なる用途のうちの少なくとも1つに対応しており、
前記印刷プログラムは、さらに、前記制御部に、前記UI画面に対応する前記印刷画像に含まれる前記オブジェクトが対応する前記用途に基づき、該UI画面の態様を判定するよう構成された判定処理を実行させ、
前記UI画面処理は、前記判定処理により判定された前記態様で、前記UI画面を表示するよう構成される
印刷プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載された印刷プログラムにおいて、
前記判定処理は、前記印刷画像に含まれる前記オブジェクトが対応する前記用途のうち、最も多くのオブジェクトが対応する前記用途に応じて、前記UI画面の前記態様を判定するよう構成される
印刷プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載された印刷プログラムにおいて、
それぞれの前記オブジェクトと、該オブジェクトが対応する前記用途との間には、重みが設定されており、
前記判定処理は、前記印刷画像に含まれる前記オブジェクトと、対応する前記用途との間の前記重みを把握し、これらの重みに基づき、前記UI画面の前記態様を判定するよう構成される
印刷プログラム。
【請求項4】
テープ状の被印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置と通信するよう構成された通信部と、
表示部と、
制御部と、
を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、いずれかの前記印刷画像をユーザが選択したことに応じて、該印刷画像に対応するUI画面を前記表示部に表示するよう構成されたUI画面処理を実行し、
前記印刷画像は、前記情報処理装置により提供される複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを含み、前記オブジェクトは、複数の異なる用途のうちの少なくとも1つに対応しており、
さらに、前記制御部は、前記UI画面に対応する前記印刷画像に含まれる前記オブジェクトが対応する前記用途に基づき、該UI画面の態様を判定するよう構成された判定処理を実行し、
前記UI画面処理は、前記判定処理により判定された前記態様で、前記UI画面を表示するよう構成される
情報処理装置。
【請求項5】
テープ状の被印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置と通信するよう構成された情報処理装置が実行可能な印刷制御方法であって、
いずれかの前記印刷画像をユーザが選択したことに応じて、該印刷画像に対応するUI画面を表示部に表示することを含み、
前記印刷画像は、前記情報処理装置により提供される複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを含み、前記オブジェクトは、複数の異なる用途のうちの少なくとも1つに対応しており、
前記印刷制御方法は、さらに、前記UI画面に対応する前記印刷画像に含まれる前記オブジェクトが対応する前記用途に基づき、該UI画面の態様を判定すること含み、
判定された前記態様で、前記UI画面を表示する
印刷制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置において印刷装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、テープ状の用紙に画像を印刷すると共に、該用紙における画像が印刷された部分を切断し、ラベルとして提供するラベルプリンタが知られている。特許文献1のラベルプリンタは、情報処理装置にインストールされたアプリケーションにより制御可能であり、アプリケーションにて編集された画像を印刷するよう構成される。また、アプリケーションは、ラベルプリンタによる印刷画像に使用可能な複数のオブジェクトを提供しており、ユーザは、これらのオブジェクトを含む印刷画像を編集できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-192052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベルプリンタは、家庭用やビジネス用等、様々な用途のラベルの作成に用いられる。しかしながら、ラベルプリンタを制御するアプリケーションにおけるUI(user ingterface)画面は、ユーザが作成するラベルの用途を十分に考慮すること無く設定されてしまう場合があった。
【0005】
本開示は、印刷装置を制御する印刷プログラムのUI画面を、より使いやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、テープ状の被印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置と通信するよう構成された通信部と、表示部と、制御部と、を備える情報処理装置の制御部が実行可能な印刷プログラムである。印刷プログラムは、制御部に、いずれかの印刷画像をユーザが選択したことに応じて、該印刷画像に対応するUI画面を表示部に表示するよう構成されたUI画面処理を実行させる。印刷画像は、印刷プログラムにより提供される複数のオブジェクトのうちの少なくとも1つを含み、オブジェクトは、複数の異なる用途のうちの少なくとも1つに対応している。印刷プログラムは、さらに、制御部に、UI画面に対応する印刷画像に含まれるオブジェクトが対応する用途に基づき、該UI画面の態様を判定するよう構成された判定処理を実行させる。UI画面処理は、判定処理により判定された態様で、UI画面を表示するよう構成される。
【0007】
上記構成によれば、印刷画像に含まれるオブジェクトの用途に応じて、UI画面の態様が設定される。このため、UI画面をより使いやすくすることができる。
また、本開示の別の態様は、上記印刷プログラムにより動作するコンピュータに相当する情報処理装置と、上記印刷プログラムにより実現される方法に相当する印刷制御方法である。このような態様によれば、UI画面の態様を好適に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における情報処理装置及び印刷装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態における家庭用に対応する態様の編集画面の説明図である。
図3】第1実施形態における特定用途に対応する態様の編集画面の説明図である。
図4】第1実施形態における編集画面標示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0010】
[1.第1実施形態]
[(1)情報処理装置の構成]
第1実施形態の情報処理装置1は、印刷装置2と通信を行い、印刷装置2を制御して印刷を行うよう構成されている(図1参照)。なお、印刷装置2は、例えば、ラベルプリンタ又はラベルライタとしての構成を有する。また、情報処理装置1と印刷装置2との間では、無線通信が行われても良いし、有線通信が行われても良い。無線通信の方式は、例えば、無線LAN又はBluetooth(登録商標)に準拠したものであっても良い。また、有線通信の方式とは、例えば、有線LAN又はUSB(Universal Serial Bus)であっても良い。
【0011】
情報処理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、タブレット、又はスマートフォン等として構成されており、制御部10と、表示部11と、入力部12と、記憶部13と、通信部14とを備える。
【0012】
制御部10は、CPU10Aと、メモリ10Bとを備える。CPU10Aは、メモリ10Bに記憶されたプログラムに従う処理を実行する。メモリ10Bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有していてもよい。
【0013】
表示部11は、各種情報を表示するための部位であり、例えば、液晶ディスプレイ等として構成される。
入力部12は、ユーザからの入力操作を受け付けるための部位であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等を備えていてもよい。また、情報処理装置1がタブレットやスマートフォン等として構成されている場合であれば、入力部12は、表示部11の画像表示領域に重ねて配置されるタッチパネルとして構成されていても良い。
【0014】
記憶部13は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)やハードディスクドライブ(HDD)等のストレージを含み、各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部13は、A non-transitory computer-readable storage mediumの一例としての構成を有している。また、情報処理装置1には、オペレーティングシステム(以後、OS)13Aと、OS13A上で動作する印刷プログラム13B及びプリンタドライバ13Cとがインストールされており、これらのプログラムは、記憶部13に保存されている。これらのプログラムは、メモリ10Bにロードされ、CPU10Aにより実行される。また、記憶部13には、ラベルファイル13D(詳細は後述する)が保存される。
【0015】
通信部14は、上述した通信方式により、印刷装置2と通信を行う部位である。
[(2)印刷装置の構成]
印刷装置2は、テープ状の被印刷媒体に対し、その長さ方向に沿って画像を印刷するように構成されている(図1参照)。被印刷媒体は、一例として、印刷装置2に装着された図示しないカセット内に巻回された状態で収容されている。カセットは、印刷装置2に対し着脱可能となっている。
【0016】
印刷装置2は、カセットから被印刷媒体を引き出しながら、被印刷媒体に画像を印刷する。そして、印刷装置2は、印刷が終わると、被印刷媒体における画像が印刷された部分を、自動または手動で切断する。被印刷媒体における切断された部分は、例えば、ラベルとして使用され、物に貼付される。以後、1つのラベルに印刷される画像のことを、ラベル画像(本開示の印刷画像の一例に相当)と記載する。
【0017】
印刷装置2は、制御部20と、表示部21と、入力部22と、通信部23と、印刷部24と、切断機構25とを備える(図1参照)。
制御部20は、CPU20Aと、メモリ20Bとを備える。メモリ20Bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有していてもよい。メモリ20Bにおける不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)に、印刷装置2の各種機能を実現するためのプログラム及びデータ等が記憶されている。CPU20Aは、メモリ20Bに記憶されたプログラムに従う処理を実行することにより、印刷装置2全体を統括制御する。
【0018】
表示部21は、印刷装置2に関する各種情報を表示する。表示部21は、例えば、ランプあるいは液晶ディスプレイなどの1つ以上の表示デバイスを備えていてもよい。
入力部22は、ユーザからの各種入力操作を受け付ける。入力部22は、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネルなどの1つ以上の入力デバイスを備えていていもよい。
【0019】
通信部23は、上述した通信方式により、情報処理装置1と通信を行う部位である。
印刷部24は、制御部20により制御され、例えば、熱転写方式、感熱方式、インクジェット方式、又はレーザー方式等の印刷方式にて、被印刷媒体の表面にラベル画像を印刷する部位である。被印刷媒体の裏面は、粘着剤が塗布されており、該粘着剤は剥離紙によって覆われている。また、一例として、印刷部24及びカセットは、ラベル画像が印刷された被印刷媒体の表面を、ラミネート加工するよう構成されていても良い。
【0020】
切断機構25は、被印刷媒体におけるラベル画像が印刷された部分を切断する。これにより、ラベルが生成され、新たに生成されたラベルは印刷装置2の外部に排出される。切断機構25は、ユーザが図示しないスイッチを操作することに応じて、被印刷媒体を切断してもよい。切断機構25は、例えば、ユーザが切断スイッチを操作する力を利用して、被印刷媒体を切断しても良い。この外にも、例えば、制御部20は、切断スイッチの操作を検出すると共に、該操作を検出すると、切断機構25を作動させて被印刷媒体を切断してもよい。
【0021】
[(3)印刷装置の機種]
情報処理装置1は、複数の異なる機種の印刷装置2と通信を行い、これらの印刷装置2を制御して印刷を行うよう構成されている(図1参照)。そして、各機種の印刷装置2は、1又は複数の用途に対応しており、印刷装置2は、当該印刷装置2に対応する用途に適したラベルを生成するよう構成されている。なお、ラベルの用途とは、例えば、家庭で使用されるというものであっても良いし、ビジネス等における特定用途で使用されるというものであっても良い。より詳しくは、特定用途とは、例えば、商品や備品の管理や、ネットワーク管理等であってもよい。
【0022】
第1実施形態では、一例として、印刷装置2の機種に対応する用途として、家庭用と、家庭用とは異なる1の特定用途の2種類の用途が設けられている。各機種の印刷装置2は、家庭用と特定用途とのうちの双方又は一方に対応している。無論、これに限らず、3種類以上の用途を設け、各機種の印刷装置2は、これらの用途のうちの少なくとも1つに対応していてもよい。
【0023】
[(4)プリンタドライバ]
プリンタドライバ13Cは、少なくとも1つの機種の印刷装置2に対応している(図1参照)。プリンタドライバ13Cに従い動作する制御部10は、通信部14を介して、当該プリンタドライバ13Cに対応する印刷装置2と通信を行うことで該印刷装置2を制御し、印刷等を行う。以後、プリンタドライバ13Cに従い動作する制御部10により実現される処理の主体を、単にプリンタドライバ13Cと記載する場合がある。
【0024】
[(5)印刷プログラム]
印刷プログラム13Bは、ラベル画像3に関する処理を行うためのプログラムである(図1~3参照)。印刷プログラム13Bに従い動作する制御部10は、ユーザからの指示に従いラベル画像3を生成し、生成したラベル画像3を含むラベルファイル13Dを記憶部13に保存する。また、該制御部10は、プリンタドライバ13Cを介して印刷装置2を制御し、ユーザからの指示に従い、印刷装置2にてラベル画像3を印刷する。以後、印刷プログラム13Bに従い動作する制御部10により実現される処理の主体を、単に印刷プログラム13Bと記載する場合がある。
【0025】
印刷プログラム13Bは、表示部11にUI画面を表示する。一例として、UI画面として、ホーム画面と、図2、3に示す編集画面4A、4Bとの少なくとも2種類が設けられている。ホーム画面は、ラベルファイル13Dの新規作成や、ラベルファイル13Dの新規作成に用いるテンプレートの選択や、記憶部13等に保存されているラベルファイル13Dを開くための画面である。
【0026】
一方、編集画面4A、4Bは、ホーム画面にて新規作成された、又は開かれたラベルファイル13Dに含まれるラベル画像3の編集及び印刷を行うための画面であり、編集画面4A、4Bには、編集や印刷の対象となるラベル画像3が表示される。また、印刷プログラム13Bは、編集画面4A、4Bを介して、ラベル画像3の編集に用いることができる様々なオブジェクトを提供する。具体的には、オブジェクトとは、例えば、所定のフォントの文字、数字や、記号、図形、線、表や、シンボル、枠画像等といった所定の画像であってもよい。印刷プログラム13Bは、ユーザにより選択された少なくとも1つのオブジェクトを含むラベル画像3を生成する。
【0027】
なお、一例として、図2の編集画面4Aにおけるラベル画像3は、文字であるオブジェクト30と、シンボルであるオブジェクト31を有する。また、図3の編集画面4Bにおけるラベル画像3は、文字であるオブジェクト32と、表であるオブジェクト33を有する。
【0028】
ここで、情報処理装置1は、記憶部13以外の外部記憶装置にアクセス可能である場合が想定される。具体的には、例えば、情報処理装置1にUSBメモリ等の記憶媒体が接続されている場合や、情報処理装置1は、ネットワークを介して他の情報処理装置にアクセス可能である場合が想定される。このような場合には、該記憶媒体や他の情報処理装置が、外部記憶装置として機能し得る。印刷プログラム13Bは、このような外部記憶装置にラベルファイルを保存したり、外部記憶装置に保存されているラベルファイルを開いたりしてもよい。
【0029】
また、上述したように、印刷プログラム13BはOS13A上で動作するが、OS13A上で印刷プログラム13Bを起動する方法として、直接起動とファイル起動とが少なくとも設けられている。
【0030】
具体的には、例えば、OS13Aにより表示されるデスクトップ画面に表示されたアイコンを操作することで、印刷プログラム13Bの直接起動を行うことができる。なお、アイコンとは、絵に限らず、文字や記号等の様々な画像要素により構成され得ることを、念のため付言しておく。直接起動がなされた場合、印刷プログラム13Bは、起動直後にホーム画面を表示する。
【0031】
一方、ユーザが、OS13Aに設けられたファイルシステムを介して、記憶部13等に保存されているいずれかのラベルファイル13Dに対し操作を行うことで、印刷プログラム13Bのファイル起動を行うことができる。つまり、ファイル起動では、ユーザが選択したラベルファイルを開くため、印刷プログラム13Bが起動される。ファイル起動がなされた場合、印刷プログラム13Bは、起動直後には編集画面を表示すると共に、編集画面上に、ユーザが選択したラベルファイル13Dに含まれるラベル画像3を表示する。
【0032】
[(6)ホーム画面の詳細]
ホーム画面には、ラベルファイル13Dの新規作成や、ラベルファイル13Dを開くための操作を受け付ける各種アイコンが設けられている。また、ホーム画面には、様々なラベル画像3のテンプレートに対応するアイコンが設けられている。各テンプレートは、ラベル画像3を有している。ユーザによりいずれかのテンプレートに対応するアイコンが操作されると、印刷プログラム13Bは、該テンプレート(換言すれば、ラベル画像3)を含むラベルファイル13Dの新規作成を行う。つまり、印刷プログラム13Bは、該テンプレートに含まれるラベル画像3が表示された編集画面4A、4Bを表示し、以後、該ラベル画像3が編集や印刷の対象となる。
【0033】
また、印刷プログラム13Bは、ホーム画面を介して受け付けた操作に応じて、ラベルファイル13Dを開く。つまり、印刷プログラム13Bは、編集画面4A、4Bを表示すると共に、該ラベルファイル13Dに含まれるラベル画像3を、編集や印刷の対象として編集画面4A、4Bに表示する。
【0034】
[(7)編集画面の詳細]
上述したように、編集画面4A、4Bは、ホーム画面やファイル起動においてユーザがいずれかのラベルファイル13D(換言すれば、ラベル画像3)を選択したことに応じて表示される。編集画面4A、4Bには、ラベル画像3の編集を行うための様々なアイコンや、所定のオブジェクト群を表示するためのアイコンや、ラベル画像3の印刷を行うためのアイコンが設けられている(図2、3参照)。
【0035】
印刷プログラム13Bは、これらのアイコンを介してユーザからの操作を受け付ける。そして、印刷プログラム13Bは、該操作に従い、ユーザに選択されたオブジェクトを用いてラベル画像3を編集すると共に、該ラベル画像3をラベルファイル13Dとして記憶部13に保存したり、印刷装置2により該ラベル画像3を印刷したりする。
【0036】
また、印刷プログラム13Bは、編集画面4A、4Bを介して受け付けた操作に基づき、さらに新たなラベルファイル13Dを開くことができる。つまり、印刷プログラム13Bは、複数のラベルファイル13Dを同時に開くこともでき、この場合には、開かれている各ラベルファイル13Dに対応する編集画面が生成される。そして、生成されている編集画面のうちのいずれか1つがアクティブとなり、印刷プログラム13Bは、アクティブな編集画面を介してユーザの操作を受け付け、該編集画面に表示されているラベル画像3の編集及び印刷を行う。
【0037】
ここで、上述したように、印刷装置2は、少なくとも1つの用途に対応しているが、印刷プログラム13Bが提供する各オブジェクトも同様に、少なくとも1つの用途に対応している。一例として、各オブジェクトは、家庭用と特定用途とのうちの双方又は一方に対応している。
【0038】
さらに、UI画面には、いずれかの用途に対応する複数の態様が設けられている。一例として、図2の編集画面4Aは、家庭用に対応する態様であり、図3の編集画面4Bは、特定用途に対応する態様となっている。なお、ホーム画面についても、編集画面と同様に、異なる用途に対応する複数の態様が設けられていてもよい。
【0039】
具体的には、各態様の編集画面4A、4Bは、編集領域40と、タブ領域41と、アイコン領域42と、を有する。
編集領域40には、編集及び印刷の対象となるラベル画像3が表示される領域である。ユーザは、編集領域40のラベル画像3に対して操作を行うことで、ラベル画像3を編集する。
【0040】
タブ領域41は、タブ41Cが設けられた複数のタブボックス41A、41Bが設けられている。各タブボックスには、編集や印刷に関する情報の表示領域や、ユーザからの操作を受け付けるためのアイコン等が設けられている。また、タブ41Cに対する操作を行うことで、該タブ41Cが設けられたタブボックスの表示状態が切り替わる。すなわち、タブボックスの表示状態として、OPEN状態とCLOSE状態とが設けられており、OPEN状態であるタブボックス41Aは、広がった状態となり、当該タブボックス41Aに設けられた表示領域やアイコンが表示される。一方、CLOSE状態であるタブボックス41Bは、縮小された状態となり、当該タブボックス41Bに設けられたタブ41Cは表示されるが、表示領域やアイコンは表示されない。
【0041】
アイコン領域42は、ユーザからの操作を受け付けるための複数のアイコンが表示される。
そして、一例として、家庭用に対応する態様の編集画面4Aと、特定用途に対応する態様の編集画面4Bとでは、編集画面の表示開始時においてOPEN状態又はCLOSE状態となっているタブボックスが異なっている(図2、3参照)。なお、編集画面の表示開始後、タブ41Cに対する操作を行うことで、タブボックスの表示状態が切り替わるのは、言うまでもない。
【0042】
また、一例として、各態様の編集画面4A、4Bでは、アイコン領域42に表示されるアイコンの種類が行っている。具体的には、家庭用に対応する編集画面4Aのアイコン領域42には、星型の画像のオブジェクト群を表示するためのアイコン42Aが表示されてもよい。一方、特定用途に対応する編集画面4Bのアイコン領域42には、ネットワークケーブル用のラベル画像を作成するためのオブジェクト群を表示するためのアイコン42Bが表示されてもよい。
【0043】
なお、各態様の編集画面は、例えば、タブ領域41に表示されるタブボックスの数や、アイコン領域42に表示されるアイコンの数が異なっていてもよいし、編集画面における背景や枠の色や形状等が行っていてもよい。
【0044】
[(8)編集画面表示処理]
印刷プログラム13Bは、ファイル起動が行われる場合や、ホーム画面を介してラベルファイルを開く場合には、ラベルファイルに含まれるラベル画像3に含まれるオブジェクトの用途に応じた態様で、編集画面を表示する。以下では、編集画面の表示を開始する編集画面表示処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。編集画面表示処理は、ファイル起動時や、印刷プログラム13Bの起動中にラベルファイルを開く際に実行される。
【0045】
S100では、印刷プログラム13Bは、新たに開かれるラベルファイル13Dに含まれるラベル画像3に、いずれか1つの用途に対応するオブジェクト(以後、単一用途のオブジェクト)が含まれるか否かを判定する。そして、印刷プログラム13Bは、肯定判定が得られた場合には(S100:Yes)、S110に移行し、否定判定が得られた場合には(S100:No)、S105に移行する。
【0046】
S105では、印刷プログラム13Bは、最後に表示した編集画面と同様の態様で編集画面を表示すると共に、該編集画面上でラベル画像3を表示し、本処理を終了する。
S110では、印刷プログラム13Bは、新たに開かれるラベルファイル13Dにおけるラベル画像3に含まれるオブジェクトが対応する用途に基づき、編集画面の態様を判定する。すなわち、印刷プログラム13Bは、該ラベル画像3に含まれるそれぞれの単一用途のオブジェクトに対応する用途を把握すると共に、対応する単一用途のオブジェクトが最も多い用途を特定する。そして、印刷プログラム13Bは、特定した用途が家庭用である場合には、S115に移行し、特定用途である場合には、S120に移行する。なお、印刷プログラム13Bは、家庭用に対応するオブジェクトの数と、特定用途に対応するオブジェクトの数とが一致する場合には、S105に移行してもよい。
【0047】
S115では、印刷プログラム13Bは、家庭用に対応する態様の編集画面4Aを表示すると共に、該編集画面4A上でラベル画像3を表示し、本処理を終了する。
S120では、印刷プログラム13Bは、特定用途に対応する態様の編集画面4Bを表示すると共に、該編集画面4B上でラベル画像3を表示し、本処理を終了する。
【0048】
なお、ホーム画面を介してテンプレートを開く場合においても、印刷プログラム13Bは、編集画面表示処理を実行し、テンプレートに含まれるラベル画像3に含まれるオブジェクトの用途に応じた態様で、編集画面を表示してもよい。
【0049】
また、印刷プログラム13Bは、ラベル画像3に含まれるオブジェクトが単一用途であるか否かに関わらず、編集画面の態様を定めてもよい。すなわち、印刷プログラム13Bは、S100、S105を省略し、S110において、ラベル画像3に含まれる各オブジェクトに対応する用途を把握すると共に、最も多くのオブジェクトが対応する用途を特定してもよい。そして、印刷プログラム13Bは、特定した用途に対応する態様で、編集画面を表示してもよい。なお、印刷プログラム13Bは、家庭用に対応するオブジェクトの数と、特定用途に対応するオブジェクトの数とが一致する場合には、S105に移行してもよい。
【0050】
[2.第2実施形態]
第2実施形態の情報処理装置1は、第1実施形態と同様の構成を有しているが、編集画面表示処理において第1実施形態と相違する。以下では、第2実施形態の情報処理装置1における第1実施形態との相違点について説明する。
【0051】
第2実施形態では、単一用途である各オブジェクトと用途との対応関係に対し、重みが設定されている。そして、編集画面表示処理のS110では、印刷プログラム13Bは、新たに開かれるラベルファイル13Dにおけるラベル画像3に含まれる各オブジェクトの重みに基づき、編集画面の態様を判定する(図4参照)。
【0052】
すなわち、印刷プログラム13Bは、該ラベル画像3に含まれるそれぞれの単一用途のオブジェクトとその用途との対応関係に設定された重みとを把握し、各用途についての重みの総和を算出する。そして、印刷プログラム13Bは、重みの総和が最も大きい用途に対応する態様で、編集画面を表示する。つまり、家庭用についての重みの総和が最も多い場合には、S115に移行し、特定用途についての重みの総和が最も多い場合には、S120に移行する。なお、印刷プログラム13Bは、家庭用についての重みの総和と特定用途についての重みの総和とが一致する場合には、S105に移行してもよい。
【0053】
この外にも、単一用途である各オブジェクトと用途との対応関係に加え、家庭用と特定用途との双方に対応するオブジェクトについても、各用途との対応関係に対し重みが設定されていてもよい。なお、家庭用と特定用との双方の用途に対応するオブジェクトは、各用途との対応関係に対し、同一の重みが設定されていてもよいし、異なる重みが設定されていてもよい。
【0054】
この場合、印刷プログラム13Bは、編集画面表示処理において、S100、S105を省略し、S105において、単一用途であるか否かに関わらず、ラベル画像3に含まれる全てのオブジェクト各々について、各用途との対応関係に設定された重みとを把握する。そして、印刷プログラム13Bは、各用途についての重みの総和を算出し、算出結果に応じて、同様にして、S115、S120、S105のうちのいずれかに移行してもよい。
【0055】
[3.効果]
(1)第1及び第2実施形態によれば、ユーザが選択したラベルファイル13Dに含まれるラベル画像3におけるオブジェクトの用途に応じて、編集画面の態様が設定される。このため、ユーザの目的に応じて編集画面の態様を定めることができ、UI画面をより使いやすくすることができる。
【0056】
(2)また、第1実施形態によれば、ラベル画像3に複数のオブジェクトが含まれる場合であっても、最も多くのオブジェクトが対応する用途に応じて、編集画面の態様が設定される。このため、ユーザの目的に応じて編集画面の態様を定めることができ、UI画面をより使いやすくすることができる。
【0057】
(3)また、第12施形態によれば、ラベル画像3に複数のオブジェクトが含まれる場合であっても、各オブジェクトと用途との対応関係に定められた重みをカウントし、重みの総和が最も多い用途に応じて、編集画面の態様が設定される。このため、ユーザの目的に応じて編集画面の態様を定めることができ、UI画面をより使いやすくすることができる。
【0058】
[4.他の実施形態]
(1)第1及び第2実施形態では、編集画面表示処理では、新たに開かれるラベルファイル13Dにおけるラベル画像3に含まれるオブジェクトの用途に基づき、編集画面の態様が判定される。そして、判定結果に従い、編集画面の態様が決定される。しかし、これに限らず、印刷プログラム13Bは、編集画面の態様を判定した後、ダイアログボックスを表示部11に表示し、判定結果に従い新たに表示する編集画面の態様を設定するかどうか、ユーザに問い合わせてもよい。そして、印刷プログラム13Bは、ダイアログボックスを介してユーザの同意が得られた場合に、判定結果に従い編集画面の態様を設定し、同意が得られない場合には、例えば、直前に表示した編集画面と同じ態様で編集画面を表示してもよい。
【0059】
(2)印刷プログラム13Bは、ホーム画面についても、編集画面と同様、家庭用に対応する態様と、特定用途に対応する態様とが設けられていてもよい。そして、印刷プログラム13Bは、例えば、ホーム画面を表示する際には、直前に表示されていた編集画面と同様の態様でホーム画面を表示してもよい。つまり、ホーム画面が表示される前に最後にユーザが選択したラベルファイル13D(換言すれば、ラベル画像3)に含まれるオブジェクトの用途に従い、ホーム画面の態様が定められてもよい。
【0060】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0061】
(4)上述した情報処理装置1や印刷プログラムの他、印刷プログラム13Bが記憶されている、例えば半導体メモリやハードディスクドライブ等のA non-transitory computer-readable storage mediumや、編集画面表示処理に対応する印刷制御方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0062】
[5.文言の対応関係]
編集画面表示処理のS115、S120が、UI画面処理の一例に相当し、S110が判定処理の一例に相当する。
【符号の説明】
【0063】
1…情報処理装置、10…制御部、10A…CPU、10B…メモリ、11…表示部、12…入力部、13…記憶部、13A…OS、13B…印刷プログラム、13C…プリンタドライバ、13D…ラベルファイル、14…通信部、2…印刷装置、20…制御部、20A…CPU、20B…メモリ、3…ラベル画像、30~32…オブジェクト、4A、4B…編集画面、40…編集領域、41…タブ領域、42…アイコン領域。
図1
図2
図3
図4