IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特開2024-122318印刷サービス提供システム及び印刷装置
<>
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図1
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図2
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図3
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図4
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図5
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図6
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図7
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図8
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図9
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図10
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図11
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図12
  • 特開-印刷サービス提供システム及び印刷装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122318
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】印刷サービス提供システム及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240902BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240902BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240902BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240902BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06Q50/10
G06F3/12 303
G06F3/12 373
G06F3/12 385
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
G03G21/00 396
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029788
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕詞
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK15
2C061HK19
2C061HN05
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA61
2H270KA62
2H270NA08
2H270NA12
2H270NA15
2H270ND03
2H270ND15
2H270ND21
2H270ND22
2H270ND33
2H270QB11
2H270QB13
2H270ZC03
2H270ZC04
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが印刷状況に応じた最適な印刷サービスを利用できるようにする。
【解決手段】管理サーバ100は、有効期限の間だけ使用可能な期限付きチャージ枚数の購入に応じて印刷可能枚数を増加させる、加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数をプリンタ200に送信するステップS45,S165と、期限の制限なく使用可能な無期限チャージ枚数の購入に応じて印刷可能枚数を増加させる、加算した累積チャージ枚数をプリンタ200に送信するステップS15,S125と、を実行し、プリンタ200は、管理サーバ100より送信された加算した累積チャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加するステップS50,S170を実行し、管理サーバ100より送信された加算した累積チャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加するステップS20,S130を実行し、印刷枚数に応じて印刷可能枚数を減算するステップS215を実行する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷部と制御部を備えた印刷装置と、サービス提供サーバと、を備えた印刷サービス提供システムであって、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される印刷権限が保証する保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成され、
前記サービス提供サーバは、
有効期限の間だけ使用可能な第1保証印刷量が保証される第1印刷権限の購入に応じて前記許容印刷量を増加させる第1印刷量増加指示を前記印刷装置に送信する第1指示送信処理と、
期限の制限なく使用可能な第2保証印刷量が保証される第2印刷権限の購入に応じて前記許容印刷量を増加させる第2印刷量増加指示を前記印刷装置に送信する第2指示送信処理と、
を実行するよう構成され、
前記印刷装置の前記制御部は、
前記サービス提供サーバより送信された第1印刷量増加指示に応じて前記許容印刷量を増加する第1印刷量増加処理を実行し、
前記サービス提供サーバより送信された第2印刷量増加指示に応じて前記許容印刷量を増加する第2印刷量増加処理を実行し、
前記印刷部を用いた印刷の印刷量に応じて前記許容印刷量を減算する印刷分減算処理を実行する、
よう構成されている印刷サービス提供システム。
【請求項2】
前記印刷装置の前記制御部は、
所定のタイミングにおいて前記許容印刷量を示す情報を前記サービス提供サーバに送信することで同期する同期処理を実行する、
よう構成された、請求項1に記載の印刷サービス提供システム。
【請求項3】
前記印刷装置の前記制御部は、
前記第1印刷量増加指示に応じて増加した前記許容印刷量のうち前記印刷部を用いた印刷が実行されないで前記有効期限を経過した許容印刷量を減じる期限経過処理を実行する、
よう構成されている、請求項1又は請求項2記載の印刷サービス提供システム。
【請求項4】
前記印刷装置の前記制御部は、
前記有効期限を経過したか否かを判定する期限経過判定処理を実行し、
前記期限経過判定処理にて前記有効期限を経過したと判定した場合に、前記期限経過処理を実行する、
よう構成されている請求項3記載の印刷サービス提供システム。
【請求項5】
前記印刷装置の前記制御部は、
前記有効期限の経過により前記許容印刷量が減じられたことをユーザに向けて報知するための報知信号を出力する報知信号出力処理を実行する、
よう構成されている請求項3記載の印刷サービス提供システム。
【請求項6】
前記印刷装置の前記制御部は、
前記有効期限の経過により前記許容印刷量が減じられたことを前記サービス提供サーバに通知する通知処理を実行する、
よう構成されている請求項3記載の印刷サービス提供システム。
【請求項7】
前記サービス提供サーバは、
前記有効期限の経過により前記許容印刷量が減じられたことをユーザの端末に報知するための報知信号を出力する報知信号出力処理を実行する、
よう構成されている請求項6記載の印刷サービス提供システム。
【請求項8】
前記印刷分減算処理では、
前記許容印刷量のうち、前記第1印刷量増加処理により増加された部分が、前記第2印刷量増加処理により増加された部分よりも優先的に減じられる、
よう構成されている、請求項1又は請求項2記載の印刷サービス提供システム。
【請求項9】
印刷部と、制御部と、を備え、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、購入等による印刷権限が保証する保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成され、かつ、外部装置と通信可能な印刷装置であって、
前記制御部は、
有効期限の間だけ使用可能な第1保証印刷量が保証される第1印刷権限に応じて前記許容印刷量を増加させる第1印刷量増加指示を前記外部装置から受信したことに応じて前記許容印刷量を増加する第1印刷量増加処理を実行し、
期限の制限なく使用可能な第2保証印刷量が保証される第2印刷権限に応じて前記許容印刷量を増加させる第2印刷量増加指示を前記外部装置から受信したことに応じて前記許容印刷量を増加する第2印刷量増加処理を実行し、
前記印刷部を用いた印刷の印刷量に応じて前記許容印刷量を減算する印刷分減算処理を実行する、
よう構成されている印刷装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第1印刷量増加指示に応じて増加した前記許容印刷量のうち前記印刷部を用いた印刷が実行されないで前記有効期限を経過した許容印刷量を減じる期限経過処理を実行する、
よう構成されている請求項9記載の印刷装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記有効期限を経過したか否かを判定する期限経過判定処理を実行し、
前記期限経過判定処理にて前記有効期限を経過したと判定した場合に、前記期限経過処理を実行する、
よう構成されている請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記有効期限の経過により前記許容印刷量が減じられたことをユーザに向けて報知するための報知信号を出力する報知信号出力処理を実行する、
よう構成されている請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記有効期限の経過により前記許容印刷量が減じられたことを前記外部装置に通知する通知処理を実行する、
よう構成されている請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項14】
前記印刷分減算処理では、
前記許容印刷量のうち、前記第1印刷量増加処理により増加された部分が、前記第2印刷量増加処理により増加された部分よりも優先的に減じられる、
よう構成されている請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷部と制御部を備えた印刷装置と、サービス提供サーバと、を備えた印刷サービス提供システム及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置を使用するユーザが、サービス提供者に対して印刷内容に応じた課金料金を支払う印刷サービスが知られている。例えば特許文献1には、第1期間における印刷に消費された消耗品の消費量を取得する消費量取得部と、消費量と、第1期間の消耗品の基準量と、に基づいて消耗品の繰越量を計算する繰越量計算部と、繰越量に基づいて印刷に関する課金額を計算する課金計算部と、を備える課金計算装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-156224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の印刷サービスは、ユーザの定額負担契約に基づき所定期間付与される定額印刷権限が保証する契約プラン枚数に応じて印刷可能枚数が設定される、いわゆるサブスクリプション方式の印刷サービスである。このサブスクリプション方式の印刷サービスでは、契約プランが複数種類用意されており、ユーザはいずれかの契約プランを選択して契約する。しかしながら、ユーザの印刷枚数にばらつきがある場合には最適な契約プランを選択するのが難しいという問題がある。
【0005】
一方、ユーザが有償で印刷権限を購入し、その購入した印刷権限が保証する印刷可能枚数を上限として印刷を行えるようにした、いわゆるプリペイド方式の印刷サービスも知られている。このプリペイド方式の印刷サービスでは、ユーザの印刷枚数にばらつきがある場合でも、ユーザはその印刷枚数に応じて印刷サービスを利用することができる。しかしながら、一般に同じ印刷枚数に対するユーザの負担金額はプイペイド方式よりもサブスクリプション方式の方が低額であることから、ある一定期間における印刷枚数を予想できる場合には、コスト的なデメリットが生じるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが印刷状況に応じた最適な印刷サービスを利用することができる印刷サービス提供システム及び印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、印刷部と制御部を備えた印刷装置と、サービス提供サーバと、を備えた印刷サービス提供システムであって、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される印刷権限が保証する保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成され、前記サービス提供サーバは、有効期限の間だけ使用可能な第1保証印刷量が保証される第1印刷権限の購入に応じて前記許容印刷量を増加させる第1印刷量増加指示を前記印刷装置に送信する第1指示送信処理と、期限の制限なく使用可能な第2保証印刷量が保証される第2印刷権限の購入に応じて前記許容印刷量を増加させる第2印刷量増加指示を前記印刷装置に送信する第2指示送信処理と、を実行するよう構成され、前記印刷装置の前記制御部は、前記サービス提供サーバより送信された第1印刷量増加指示に応じて前記許容印刷量を増加する第1印刷量増加処理を実行し、前記サービス提供サーバより送信された第2印刷量増加指示に応じて前記許容印刷量を増加する第2印刷量増加処理を実行し、前記印刷部を用いた印刷の印刷量に応じて前記許容印刷量を減算する印刷分減算処理を実行する、よう構成されている。
【0008】
本願発明の印刷サービス提供システムは、印刷部と制御部を備えた印刷装置と、サービス提供サーバと、を備えており、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される印刷権限が保証する保証印刷量に応じて許容印刷量を増加可能に構成されている。サービス提供サーバは、第1指示送信処理と、第2指示送信処理と、を実行する。サービス提供サーバは、第1指示送信処理では、有効期限の間だけ使用可能な第1保証印刷量が保証される第1印刷権限の購入に応じて許容印刷量を増加させる第1印刷量増加指示を印刷装置に送信する。サービス提供サーバは、第2指示送信処理では、期限の制限なく使用可能な第2保証印刷量が保証される第2印刷権限の購入に応じて許容印刷量を増加させる第2印刷量増加指示を印刷装置に送信する。印刷装置の制御部は、第1印刷量増加処理と、第2印刷量増加処理と、印刷分減算処理と、を実行する。制御部は、第1印刷量増加処理では、サービス提供サーバより送信された第1印刷量増加指示に応じて許容印刷量を増加し、第2印刷量増加処理では、サービス提供サーバより送信された第2印刷量増加指示に応じて許容印刷量を増加する。また制御部は、印刷分減算処理では、印刷部を用いた印刷の印刷量に応じて許容印刷量を減算する。
本願発明によれば、例えばユーザの印刷枚数にばらつきがあり、ある一定期間における印刷枚数を予想できない場合と、ある一定期間における印刷枚数を予想できる場合と、に応じて第1印刷権限の購入と第2印刷権限の購入を使い分けることができる。本願発明によれば、ユーザが印刷状況に応じた最適な印刷サービスを利用することができる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本願発明は、印刷部と、制御部と、を備え、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、購入等による印刷権限が保証する保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成され、かつ、外部装置と通信可能な印刷装置であって、前記制御部は、有効期限の間だけ使用可能な第1保証印刷量が保証される第1印刷権限に応じて前記許容印刷量を増加させる第1印刷量増加指示を前記外部装置から受信したことに応じて前記許容印刷量を増加する第1印刷量増加処理を実行し、期限の制限なく使用可能な第2保証印刷量が保証される第2印刷権限に応じて前記許容印刷量を増加させる第2印刷量増加指示を前記外部装置から受信したことに応じて前記許容印刷量を増加する第2印刷量増加処理を実行し、前記印刷部を用いた印刷の印刷量に応じて前記許容印刷量を減算する印刷分減算処理を実行する、よう構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが印刷状況に応じた最適な印刷サービスを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る印刷システムのシステム構成の一例を表すブロック図である。
図2】端末装置の構成の一例を表すブロック図である。
図3】印刷システムにより提供されるオンデマンド印刷サービスの概要の一例を表す図である。
図4】累積チャージ枚数、累積印刷枚数、印刷可能枚数等の関係を表す図である。
図5】ユーザが無期限のチャージ枚数を手動購入する際に、端末装置のタッチパネルに表示されるチャージ枚数の購入画面の一例を表す図である。
図6】ユーザが期限付きのチャージ枚数を手動購入する際に、端末装置のタッチパネルに表示されるチャージ枚数の購入画面の一例を表す図である。
図7】ユーザが期限付きのチャージ枚数の自動購入を設定する際に、端末装置のタッチパネルに表示される自動購入の設定画面の一例を表す図である。
図8】ユーザの過去の印刷履歴と、当該印刷履歴に基づいてユーザにおすすめのチャージプランを提案する際に端末装置のタッチパネルに表示される提案画面の一例を表す図である。
図9】チャージ枚数の手動購入時に、端末装置のCPU、管理サーバのプロセッサ、プリンタのプロセッサが実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
図10】チャージ枚数の自動購入時に、端末装置のCPU、管理サーバのプロセッサ、プリンタのプロセッサが実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
図11】プリンタと管理サーバとの間で累積印刷枚数、累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数の値を同期するために、端末装置のCPU、管理サーバのプロセッサ、プリンタのプロセッサが実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
図12】プリンタの不揮発性記憶装置のデータ記憶領域に記憶された期限付きチャージ枚数のテーブルの遷移例を表す図である。
図13】管理サーバが有効期限の経過により期限付きチャージ枚数が減じられたことをユーザに向けて報知する変形例における、端末装置のCPU、管理サーバのプロセッサ、プリンタのプロセッサが実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<印刷システムの概要>
図1に、実施形態に係る印刷システム1のシステム構成の一例を示す。印刷システム1は、顧客であるユーザがあらかじめ料金を支払ってプリンタ200の印刷機能を利用するオンデマンド印刷サービスを実行可能に構成されている。図1において、印刷システム1は、管理サーバ100と、プリンタ200と、端末装置300と、を有している。これら管理サーバ100、プリンタ200、及び端末装置300は、例えばインターネットや携帯電話通信回線を含むネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、印刷システム1が印刷サービス提供システムの一例であり、管理サーバ100がサービス提供サーバの一例であり、プリンタ200が印刷装置の一例であり、端末装置300が端末の一例である。
【0014】
<管理サーバ>
管理サーバ100は、例えばプリンタ200のメーカーが設置及び管理するサーバである。管理サーバ100は、オンデマンド印刷サービスを提供すると共に、当該オンデマンド印刷サービスにおける印刷権限の購入を制御する。図1に示すように、管理サーバ100は、プロセッサ110と、記憶装置115と、通信インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及び通信インタフェース190は、バス105を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。
【0015】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、処理対象となる各種のプログラムやデータを記憶する。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、データ記憶領域132と、を有している。
【0016】
プログラム記憶領域131には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の図9図11図13のシーケンスチャート等に基づく処理プログラムが含まれる。データ記憶領域132には、オンデマンド印刷サービスの提供に必要なデータ、例えば、管理対象であるプリンタ200ごとに累積印刷枚数、累積チャージ枚数、期限付きチャージ枚数等が記憶されている。
【0017】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置、例えばCPUであり、プログラム記憶領域131に格納された各種プログラムを実行する。プロセッサ110は、ネットワークNTに接続された端末装置300及びプリンタ200に対するデータ通信を含む各種の処理を行う。
【0018】
通信インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0019】
なお、上記記憶装置115は上述した装置要素での構成に限られず、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、管理サーバ100に着脱されるUSBメモリ等の可搬記録媒体、プロセッサ110が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成されてもよい。
なお、記憶装置115は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。後述するプリンタ200の記憶装置215についても同様である。
【0020】
<プリンタ>
プリンタ200は、例えば上記オンデマンド印刷サービスの提供を受けるユーザによって保有されている。図1に示すように、プリンタ200は、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、通信インタフェース270と、印刷部290と、を有している。これらプロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、通信インタフェース270、及び印刷部290は、バス205を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。
【0021】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を備えている。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、印刷対象の画像データを記憶する画像データ記憶領域222を備えている。不揮発性記憶装置230は、例えばNVRAM、フラッシュメモリ等であり、プログラム記憶領域231と、データ記憶領域232と、を備えている。プログラム記憶領域231には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の図9図11図13のシーケンスチャート等に基づく処理プログラムや、印刷処理プログラムなどのファームウェア等が含まれる。データ記憶領域232には、上記オンデマンド印刷サービスの提供を受けるための各種データ、例えば累積印刷枚数、累積チャージ枚数、期限付きチャージ枚数等が記憶されている。
【0022】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ210は、プログラム記憶領域231に格納された各種プログラムを実行する。プロセッサ210と上記プログラム記憶領域231に記憶されたプログラムとが、制御部の一例である。
【0023】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示をプリンタ200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0024】
印刷部290は、図示しない搬送機構により搬送されるシート上に画像を印刷する。印刷部290は、端末装置300から送信された印刷ジョブ、若しくは、操作部250での操作に基づき自ら生成した印刷ジョブに基づいて、シート上に画像を印刷する。
【0025】
<端末装置>
図2に、端末装置300の構成の一例を示す。端末装置300は、例えばユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。図2に示すように、端末装置300は、CPU310と、メモリ320と、無線通信を介してネットワークNTに接続するための通信制御部330と、タッチパネル340と、大容量記憶装置350と、を有している。
【0026】
大容量記憶装置350は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域351と、データ記憶領域352と、を備えている。プログラム記憶領域351には各種プログラムが例えばファームウェアとして格納されている。各種プログラムには、後述の図9図11図13のシーケンスチャート等に基づく処理プログラム等が含まれる。CPU310は、プログラム記憶領域351に格納された各種プログラムを実行する。CPU310は、通信制御部330を介し、ネットワークNTに接続された管理サーバ100及びプリンタ200に対するデータ通信を含む種々の処理を実行する。
【0027】
端末装置300はまた、液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせたタッチパネル340で各種の情報の表示と、ユーザによる各種の操作を受け付ける。ユーザは、タッチパネル340を操作することによって、種々の指示を端末装置300に入力可能である。
【0028】
なお、端末装置300として、携帯端末に代えて、例えばタブレットコンピュータやノート型PC、デスクトップ型PC等の他の情報端末を用いてもよい。
【0029】
<オンデマンド印刷サービス>
図3に、印刷システム1により提供されるオンデマンド印刷サービスの概要を示す。管理サーバ100は、オンデマンド印刷サービスの提供を実行する。オンデマンド印刷サービスは、シート上に画像を印刷するときの上限となる印刷可能枚数を、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される印刷権限が保証するチャージ枚数に応じて増加可能な印刷サービスである。なお、印刷可能枚数が許容印刷量の一例であり、チャージ枚数が保証印刷量の一例である。
【0030】
オンデマンド印刷サービスでは、ユーザは印刷を行うために、課金を負担することによりチャージ枚数を購入する。すなわちユーザは、いわゆるプリペイド方式で金銭的な負担を行ってチャージ枚数の購入を行う。ユーザは、期限の制限なく使用可能な無期限チャージ枚数と、有効期限の間だけ使用可能な期限付きチャージ枚数と、を購入可能である。ユーザが端末装置300に対して無期限チャージ枚数又は期限付きチャージ枚数の購入を要求する操作を行うと、管理サーバ100にプリンタ200の識別情報とチャージ枚数の購入要求が送信される。管理サーバ100のプロセッサ110は、購入要求を受け付けると、チャージ枚数の決済処理を行うととともに、ユーザにより新たに購入されたチャージ枚数の値を、指定されたプリンタ200に対する累積チャージ枚数に加算する。累積チャージ枚数は、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132にプリンタごとに記憶されている。加算された累積チャージ枚数は、管理サーバ100からプリンタ200に送信されて、プリンタ200の不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積チャージ枚数も更新される。
【0031】
期限付きチャージ枚数は、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132にプリンタごとに記憶されている。期限付きチャージ枚数は、有効期限ごとに区別して記憶されている。管理サーバ100のプロセッサ110は、期限付きチャージ枚数の購入要求を受け付けると、上記累積チャージ枚数の加算と共に、ユーザにより新たに購入された期限付きチャージ枚数の値を、指定されたプリンタ200に対する期限付きチャージ枚数に加算する。期限付きチャージ枚数は、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132にプリンタごとに記憶されている。加算された期限付きチャージ枚数は、管理サーバ100からプリンタ200に送信されて、プリンタ200の不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された期限付きチャージ枚数も更新される。期限付きチャージ枚数は、プリンタ200の不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232にも、有効期限ごとに区別して記憶されている。
【0032】
プリンタ200のプロセッサ210は、印刷ジョブをユーザの端末装置300から受信すると印刷を実行する。なお、印刷ジョブは端末装置300からの受信に限られず、ユーザの操作に基づきプリンタ200の操作部250を介して受け付けてもよい。プリンタ200のプロセッサ210は、印刷を実行した印刷枚数だけ、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積印刷枚数を加算する。併せて、プロセッサ210は、累積印刷枚数を加算した分だけ累積チャージ枚数を減算する。この際、プロセッサ210は、無期限チャージ枚数よりも期限付きチャージ枚数を優先的に減算する。期限付きチャージ枚数に複数の有効期限が含まれる場合には、プロセッサ210は期限の早いものから優先的に減算する。加算された累積印刷枚数及び減算された期限付きチャージ枚数は、プリンタ200から管理サーバ100に送信されて、データ記憶領域132にプリンタごとに記憶された累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数も更新される。また、プリンタ200のプロセッサ210は、期限付きチャージ枚数の少なくとも一部の有効期限が経過した場合には、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された期限付きチャージ枚数を有効期限が経過した分だけ減算する。
【0033】
管理サーバ100及びプリンタ200の両方において、累積チャージ枚数から累積印刷枚数を差し引いた枚数が印刷可能枚数として管理される。図4にこれらの関係を示す。図4に示すように、累積チャージ枚数から累積印刷枚数を差し引いた枚数が印刷可能枚数である。累積チャージ枚数は、無期限チャージ枚数と期限付きチャージ枚数の合計枚数である。印刷可能枚数のうち、無期限チャージ枚数に対応する部分が無期限の印刷可能枚数であり、期限付きチャージ枚数に対応する部分が期限付きの印刷可能枚数である。
【0034】
プリンタ200のプロセッサ210は、印刷を実行した場合には、累積印刷枚数を加算することで印刷可能枚数を減少させ、管理サーバ100においても累積印刷枚数を同期して加算することで印刷可能枚数が減少する。図4に示すように、プリンタ200のプロセッサ210は、印刷の実行に伴い累積印刷枚数を加算して印刷可能枚数を減少させる際には、期限付きチャージ枚数を無期限のチャージ枚数よりも優先的に減算する。すなわち、印刷可能枚数のうち、期限付きチャージ枚数の購入により増加された部分が、無期限チャージ枚数の購入により増加された部分よりも優先的に減じられる。管理サーバ100においても期限付きチャージ枚数を同期して減算することで、期限付きチャージ枚数が無期限のチャージ枚数よりも優先的に減算される。
【0035】
<チャージ枚数の購入形態>
印刷システム1では、チャージ枚数の購入形態として、無期限チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数のいずれに対しても、ユーザによる手動購入と自動購入の両方が可能となっている。手動購入は、ユーザの操作に応じた購入要求に基づく購入である。すなわち、ユーザの操作に応じて端末装置300から管理サーバ100にチャージ枚数の購入要求が送信され、当該購入要求が管理サーバ100によって受け付けられることにより実行される。手動購入は、ユーザが所望する任意のタイミングで実行される。その際、ユーザは、互いに価格及び購入数量の異なる複数のチャージプランのうちのいずれかのチャージプランを選択して、対応するチャージ枚数を購入する。
【0036】
自動購入は、所定条件を満たす場合にユーザの購入要求に基づかずに自動的に実行される購入である。所定条件は、例えば残りの印刷可能枚数が所定枚数以下となった場合や、ユーザが指定した所定タイミングが到来した場合、等である。上記所定枚数や所定タイミングは、予め固定的に設定されていてもよいし、ユーザが任意に設定可能としてもよい。自動購入されるチャージ枚数の数量は、予め固定的に設定されていてもよいし、ユーザが任意に設定可能としてもよい。
【0037】
<チャージ枚数の購入画面>
図5図7に、ユーザがチャージ枚数の手動購入又は自動購入を行う際に、端末装置300のタッチパネル340に表示されるチャージ枚数の購入画面の一例を示す。図5及び図6は手動購入を行う場合、図7は自動購入を設定する場合の画面である。
【0038】
まず、図5を用いてユーザが無期限のチャージ枚数を手動購入する場合について説明する。ユーザが端末装置300においてオンデマンド印刷サービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムを起動すると、図5(a)に示すホーム画面が表示される。ホーム画面には、ユーザが使用可能なプリンタ200のプリンタID「Printer01」と、当該プリンタ200の印刷可能枚数が表示されている。印刷可能枚数は、例えば数値341と略円環形状の円形ゲージ342により表されている。またホーム画面には、手動チャージの実行を指示するための「チャージ」ボタン343が表示されている。
【0039】
図5(a)に示すホーム画面において、ユーザが「チャージ」ボタン343を操作すると、図5(b)に示すチャージプラン画面に移行する。当該チャージプラン画面には、無期限チャージ枚数を指定するための「期限なしプラン」ボタン345と、期限付きチャージ枚数を指定するための「期限付きプラン」ボタン346と、「決定」ボタン347と、が表示されている。
【0040】
図5(b)に示すチャージプラン画面において、ユーザが「期限なしプラン」ボタン345を選択して「決定」ボタン347を操作すると、図5(c)に示すチャージプラン画面に移行する。当該チャージプラン画面には、手動購入によるチャージプランとして、例えば「50枚/500円」、「100枚/900円」、「250枚/2000円」、「500枚/3500円」、「1000枚/6000円」、「1500枚/7500円」を表す選択ボタン348が表示されている。これらのチャージプランは、期限の制限なく使用可能な無期限チャージ枚数のプランである。ユーザは、これら6種類のチャージプランのうちいずれか1つの選択ボタン348を選択して「チャージ」ボタン343を操作することで、無期限チャージ枚数を購入することができる。
【0041】
また、図5(c)に示すチャージプラン画面には、自動購入によるチャージプランとして、例えば「100枚自動/900円」を表す選択ボタン348が表示されている。ユーザは、この選択ボタン348を選択することで、100枚のチャージ枚数を自動購入するための設定を行うことができる。自動購入の設定については後述する。
【0042】
なお、この例では、自動購入のチャージプランは予め1つに設定されており、自動購入される購入枚数が「100枚=900円」に指定されている。この購入枚数は、端末装置300による操作等を介してユーザが任意の枚数を設定可能としてもよい。あるいは、上記手動購入によるチャージプランと同様に予め自動購入用の複数種類のチャージプランが用意されており、その中からユーザが選択可能としてもよい。
【0043】
図5(c)に示すチャージプラン画面において、ユーザが例えば「500枚/3500円」の選択ボタン348を選択して「チャージ」ボタン343を操作すると、オンライン決済が実行されて、図5(d)に示すホーム画面に移行する。当該ホーム画面には、無期限チャージ枚数の購入により増加された後の印刷可能枚数が、数値341と円形ゲージ342により表示されている。この例では、印刷可能枚数が500枚に加算されている。この状態から、印刷が実行されると印刷可能枚数の数値341が減少すると共に、円形ゲージ342の長さが反時計回りに減少する。
【0044】
次に、図6を用いてユーザが期限付きのチャージ枚数を手動購入する場合について説明する。図6(a)に示すホーム画面及び図6(b)に示すチャージプラン画面は、上記図5(a)及び図5(b)と同様であるので説明を省略する。
【0045】
図6(b)に示すチャージプラン画面において、ユーザが「期限付きプラン」ボタン346を選択して「決定」ボタン347を操作すると、図6(c)に示すチャージプラン画面に移行する。当該チャージプラン画面には、手動購入によるチャージプランとして、例えば「月50枚/450円」、「月100枚/800円」、「月250枚/1800円」、「月500枚/3200円」、「月1000枚/5500円」、「月1500枚/6800円」を表す選択ボタン349が表示されている。これらのチャージプランは、有効期限の間だけ使用可能な期限付きチャージ枚数のプランであり、この例では1か月の有効期限が設定されている。なお、有効期限は1か月に限らず、例えば3か月、半年、1年等でもよい。ユーザは、これら6種類のチャージプランのうちいずれか1つの選択ボタン349を選択して「チャージ」ボタン343を操作することで、期限付きチャージ枚数を購入することができる。
【0046】
なお、図5(c)及び図6(c)に示すように、同一枚数で比較すると、期限付きチャージプランの購入金額は無期限チャージプランの購入金額よりも小さくなっている。つまり、期限付きチャージ枚数は無期限チャージ枚数よりも割安で購入できる。
【0047】
また、図6(c)に示すチャージプラン画面には、自動購入によるチャージプランとして、例えば「月100枚自動/800円」を表す選択ボタン349が表示されている。ユーザは、この選択ボタン349を選択することで、1か月の有効期限が設定された100枚のチャージ枚数を自動購入するための設定を行うことができる。自動購入のチャージプランについても、同一枚数であれば、期限付きチャージプランの購入金額は無期限チャージプランの購入金額よりも小さくなっている。
【0048】
なお、この例では、自動購入のチャージプランは予め1つに設定されており、自動購入される購入枚数が「100枚=800円」に指定されている。この購入枚数は、端末装置300による操作等を介してユーザが任意の枚数を設定可能としてもよい。あるいは、上記手動購入によるチャージプランと同様に予め自動購入用の複数種類のチャージプランが用意されており、その中からユーザが選択可能としてもよい。
【0049】
図6(c)に示すチャージプラン画面において、ユーザが例えば「月250枚/1800円」の選択ボタン349を選択して「チャージ」ボタン343を操作すると、オンライン決済が実行されて、図6(d)に示すホーム画面に移行する。当該ホーム画面には、期限付きチャージ枚数の購入により増加された後の印刷可能枚数が、数値341と円形ゲージ342により表示されている。この例では、印刷可能枚数が750枚に加算されている。また、増加された後の印刷可能枚数のうち、期限付きの部分が占める枚数と、当該期限付きの印刷可能枚数に設定されている有効期限が、情報表示部360により併せて表示されている。この状態から、印刷が実行されると印刷可能枚数の数値341が減少すると共に、円形ゲージ342の長さが反時計回りに減少する。
【0050】
図6(d)に示すホーム画面において、ユーザが例えば情報表示部360を操作すると、図6(e)に示す印刷可能枚数の内訳画面に移行する。当該内訳画面には、期限付きの印刷可能枚数の枚数及び有効期限と、無期限の印刷可能枚数の枚数と、それらの合計の印刷可能枚数と、が表示されている。図6(e)に示す印刷可能枚数の内訳画面において、例えばユーザが「戻る」ボタン361を操作すると、図6(d)に示すホーム画面に戻る。
【0051】
次に、図7を用いてユーザがチャージ枚数を自動購入する場合について説明する。図6では、一例としてユーザが期限付きチャージ枚数を自動購入する場合について説明するが、無期限チャージ枚数を購入する場合も同様である。図7(a)に示すチャージプラン画面は上記図6(c)に対応しており、図7(a)に至るまでの過程は図6(a)~図6(c)と同様であるため説明を省略する。
【0052】
図7(a)に示すチャージプラン画面において、例えばユーザが「月100枚自動/800円」ボタンを選択して「チャージ」ボタン343を操作すると、図7(b)に示す自動チャージ設定画面に移行する。当該自動チャージ設定画面では、自動購入が実行される条件が設定される。具体的には、プリンタ200の残りの印刷可能枚数がどれだけの枚数以下になったら自動購入を実行するかが、枚数設定部362により設定される。当該枚数設定部362により設定される設定枚数が第1所定量の一例である。また、所定の期日が到来したら自動購入を実行するように、所定の期日が期日設定部363により設定される。当該期日設定部363により設定される設定期日が所定タイミングの一例である。ユーザは、上記設定枚数と設定期日のいずれを設定するかを選択できる。図7(b)に示す例では、設定期日が例えば毎月1日に設定されている。この場合、毎月1日に定期的に1か月の有効期限付きのチャージ枚数が自動購入されるので、ユーザはオンデマンド印刷サービスにおいて疑似的にサブスクリプション印刷サービスを利用可能となる。
【0053】
図7(b)に示す自動チャージ設定画面において、例えばユーザが期日設定部363により「毎月1日」を設定して「確定」ボタン364を操作すると、図7(c)に示すホーム画面に移行する。当該ホーム画面には、プリンタ200の印刷可能枚数や「チャージ」ボタン343に加えて、自動購入が設定中であること、自動購入が実行される期日及び期限付きチャージ枚数の内容が情報表示部365に表示されている。この例では、毎月1日になると1か月の有効期限付きのチャージ枚数100枚が自動購入されることが表示されている。
【0054】
<チャージプランの提案画面>
管理サーバ100は、ユーザの過去の印刷履歴に基づき、無期限又は期限付きのいずれのチャージプランが好適であるかを判定し、好適であると判定したチャージプランをユーザに提案する。図8に、ユーザの過去の印刷履歴と、当該印刷履歴に基づいてユーザにおすすめのチャージプランを提案する際に端末装置300のタッチパネル340に表示される提案画面の一例を示す。
【0055】
図8(a)に示す例では、ユーザが実行した印刷枚数は、例えば1月は600枚、2月は250枚、3月は750枚、4月は300枚、5月は480枚となっている。管理サーバ100のプロセッサ110は、例えば過去数か月の範囲における各月の印刷枚数の最低枚数を抽出し、予め用意されたチャージプランの中から当該最低枚数以下で且つ最大の枚数であるチャージプランを提案する。この際、ユーザは過去数か月の間は毎月最低枚数は印刷を実行していることから、該当する枚数のチャージプランのうち、無期限のチャージプランよりも割安である期限付きのチャージプランを提案する。図8(a)に示す例では、過去5か月の範囲における各月の印刷枚数の最低枚数が250枚であるため、管理サーバ100のプロセッサ110は、図8(b)に示すように「月250枚/1800円」の期限付きチャージプランを好適と判定し、ユーザに提案する。図8(b)に示す例では、好適と判定されたチャージプランに例えば「おすすめ」のテキスト366が表示されると共に、該当する選択ボタン349の表示態様が他の選択ボタン349と異なる表示態様で表示される。
【0056】
なお、ユーザにおすすめのチャージプランを提案するための提案画面は図8(b)に示すものに限らず、例えば図8(c)に示す提案画面としてもよい。図8(c)に示す提案画面では、上述の好適と判定した「月250枚/1800円」の期限付きチャージプランの選択ボタン349に加えて、さらにお得となるチャージプランの選択ボタン367を追加で表示する。この例では、例えば「月250枚/1800円」の期限付きチャージプランを1年間継続して定期購入する「月250枚/1年定期購入 1700円」の選択ボタン367が追加で表示されている。当該定期購入プランは、同枚数の一度きりの購入プランよりも割安となっている。また、上記2つのチャージプランを提案した理由を表示部368により表示してもよい。
【0057】
なお、上記では管理サーバ100のプロセッサ110が予め用意されたチャージプランの中から好適なチャージプランを選択するようにしたが、ユーザの過去の印刷履歴に基づいた新たな内容のチャージプランを別途設定して提案してもよい。例えば、図8(a)において過去5か月の範囲における各月の印刷枚数の最低枚数が300枚の場合、例えば「月300枚/2000円」の期限付きチャージプランを新たに設定して提案してもよい。
【0058】
また、例えばユーザの過去の印刷履歴に予め用意されたチャージプランのうち最小枚数のチャージプランよりも少ない印刷枚数が含まれる場合には、無期限のチャージプランを提案してもよい。例えば、図6に示す予め用意された期限付きチャージプランのうち最小枚数である「月50枚/450円」を購入した場合に、ユーザの一月の印刷枚数が30枚だった場合、余った20枚については有効期限が到来して無効となってしまう。このため、そのような場合には無期限のチャージプランを提案してもよい。
【0059】
また、ユーザの過去の印刷履歴に基づき、例えば過去数か月の範囲における各月の印刷枚数の変動が少なかったり一定である場合には、例えば無期限又は期限付きチャージ枚数を自動購入するプランを提案してもよい。これにより、ユーザは手動でチャージ枚数を購入する手間を省くことができる。
【0060】
<チャージ枚数の購入時の制御手順>
本実施形態における上記チャージ枚数の購入時に、端末装置300のCPU310、管理サーバ100のプロセッサ110、プリンタ200のプロセッサ210が実行する制御手順の一例を図9及び図10のシーケンスチャートにより説明する。
【0061】
まず、図9を用いて、チャージ枚数を手動購入する場合について説明する。図9のステップS5では、端末装置300のCPU310は、ユーザによる所定の購入操作に基づき、所定の数量の無期限チャージ枚数の購入指示を管理サーバ100に送信する。
【0062】
ステップS10では、管理サーバ100のプロセッサ110は、端末装置300から送信された購入指示に基づき、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された累積チャージ枚数に無期限チャージ枚数の購入枚数を加算する。つまり、プロセッサ110は、無期限チャージ枚数の手動購入に応じて印刷可能枚数を増加させる。無期限チャージ枚数が第2保証印刷量の一例であり、無期限チャージ枚数が保証されるオンデマンド印刷権限が第2印刷権限の一例である。
【0063】
ステップS15では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS10で加算した累積チャージ枚数をプリンタ200に送信する。当該ステップS15が第2指示送信処理の一例であり、当該ステップS15で送信される加算した累積チャージ枚数が第2印刷量増加指示の一例である。
【0064】
ステップS20では、プリンタ200のプロセッサ210は、管理サーバ100から送信された累積チャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積チャージ枚数を更新する。すなわち、プロセッサ210は、管理サーバ100から送信された加算した累積チャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。当該ステップS20が第2印刷量増加処理の一例である。
【0065】
ステップS25では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS10で増加された後の印刷可能枚数を表示する印刷サービス画面の表示信号を端末装置300に送信する。印刷サービス画面は、例えば前述の図5(d)に示すホーム画面である。
【0066】
ステップS30では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された表示信号に基づき、タッチパネル340に印刷サービス画面を表示する。
【0067】
ステップS35では、端末装置300のCPU310は、ユーザによる所定の購入操作に基づき、所定の数量の期限付きチャージ枚数の購入指示を管理サーバ100に送信する。
【0068】
ステップS40では、管理サーバ100のプロセッサ110は、端末装置300から送信された購入指示に基づき、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された累積チャージ枚数に期限付きチャージ枚数の購入枚数を加算する。つまり、プロセッサ110は、期限付きチャージ枚数の手動購入に応じて印刷可能枚数を増加させる。またプロセッサ110は、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された期限付きチャージ枚数に期限付きチャージ枚数の購入枚数を加算する。期限付きチャージ枚数が第1保証印刷量の一例であり、期限付きチャージ枚数が保証されるオンデマンド印刷権限が第1印刷権限の一例である。
【0069】
ステップS45では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS40で加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数をプリンタ200に送信する。当該ステップS45が第1指示送信処理の一例であり、当該ステップS45で送信される加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数が第1印刷量増加指示の一例である。
【0070】
ステップS50では、プリンタ200のプロセッサ210は、管理サーバ100から送信された累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数を更新する。すなわち、プロセッサ210は、管理サーバ100から送信された加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。当該ステップS50が第1印刷量増加処理の一例である。
【0071】
ステップS55では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS40で増加された後の印刷可能枚数を表示する印刷サービス画面の表示信号を端末装置300に送信する。印刷サービス画面は、例えば前述の図6(d)に示すホーム画面であり、印刷可能枚数のうち期限付きの部分が占める枚数及び有効期限が併せて表示される。
【0072】
ステップS60では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された表示信号に基づき、タッチパネル340に印刷サービス画面を表示する。
【0073】
ステップS65では、端末装置300のCPU310は、ユーザによる所定の要求操作に基づき、おすすめのチャージプランの要求を管理サーバ100に送信する。
【0074】
ステップS70では、管理サーバ100のプロセッサ110は、要求を送信した端末装置300に対応するユーザの過去の印刷履歴を取得する。プロセッサ110は、取得した印刷履歴を解析し、無期限チャージ枚数又は期限付きチャージ枚数のいずれの購入が好適であるか、及び、好適な購入枚数を判定し、おすすめのチャージプランを決定する。
【0075】
ステップS75では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS70で決定したチャージプランを表示するための提案画面の表示信号を端末装置300に送信する。
【0076】
ステップS80では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された表示信号に基づき、タッチパネル340におすすめプランの提案画面を表示する。
【0077】
ステップS85では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS70で決定したチャージプランを通知するための通知信号を端末装置300に送信する。通知は、例えば電子メールで通知する態様としてもよいし、例えばSNS等を介して通知する態様としてもよい。
【0078】
ステップS90では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された通知信号に基づき、タッチパネル340におすすめプランの通知内容を表示する。表示は、例えば電子メールによる表示でもよいし、例えばSNS等による表示でもよい。以上により、本シーケンスを終了する。
【0079】
なお、上記ステップS75及びステップS80と、ステップS85及びステップS90とは、両方が実行されてもよいし、どちらか一方のみが実行されてもよい。
【0080】
次に、図10を用いて、チャージ枚数を自動購入する場合について説明する。図10のステップS105では、端末装置300のCPU310は、ユーザによる所定の設定操作に基づき、無期限チャージ枚数の自動購入の設定内容を管理サーバ100に送信する。
【0081】
ステップS110では、管理サーバ100のプロセッサ110は、端末装置300から送信された設定内容に基づき、無期限チャージ枚数の自動購入を実行するための設定を行う。
【0082】
ステップS115では、管理サーバ100のプロセッサ110は、自動購入の設定対象であるプリンタ200の印刷可能枚数が、上記ステップS110で設定した設定内容に含まれる設定枚数以下となったか否かを判定する。あるいは、プロセッサ110は、上記ステップS110で設定した設定内容に含まれる設定期日が到来したか否かを判定する。プロセッサ110は、印刷可能枚数が設定枚数より大きく、且つ、設定期日が到来していない場合には(ステップS115:No)、本ステップS115を繰り返す。一方、プロセッサ110は、印刷可能枚数が設定枚数以下となったか、又は、設定期日が到来した場合には(ステップS115:Yes)、次のステップS120に移行する。
【0083】
ステップS120では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS110で設定した内容に基づき、無期限チャージ枚数の自動購入を実行する。プロセッサ110は、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された累積チャージ枚数に無期限チャージ枚数の購入枚数を加算する。つまり、プロセッサ110は、無期限チャージ枚数の自動購入に応じて印刷可能枚数を増加させる。
【0084】
ステップS125では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS120で加算した累積チャージ枚数をプリンタ200に送信する。当該ステップS125も第2指示送信処理の一例であり、当該ステップS125で送信される加算した累積チャージ枚数も第2印刷量増加指示の一例である。
【0085】
ステップS130では、プリンタ200のプロセッサ210は、管理サーバ100から送信された累積チャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積チャージ枚数を更新する。すなわち、プロセッサ210は、管理サーバ100から送信された加算した累積チャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。当該ステップS130も第2印刷量増加処理の一例である。
【0086】
ステップS135では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS120で増加された後の印刷可能枚数を表示する印刷サービス画面の表示信号を端末装置300に送信する。
【0087】
ステップS140では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された表示信号に基づき、タッチパネル340に印刷サービス画面を表示する。
【0088】
ステップS145では、端末装置300のCPU310は、ユーザによる所定の設定操作に基づき、期限付きチャージ枚数の自動購入の設定内容を管理サーバ100に送信する。
【0089】
ステップS150では、管理サーバ100のプロセッサ110は、端末装置300から送信された設定内容に基づき、期限付きチャージ枚数の自動購入を実行するための設定を行う。
【0090】
ステップS155では、管理サーバ100のプロセッサ110は、自動購入の設定対象であるプリンタ200の印刷可能枚数が、上記ステップS150で設定した設定内容に含まれる設定枚数以下となったか否かを判定する。あるいは、プロセッサ110は、上記ステップS150で設定した設定内容に含まれる設定期日が到来したか否かを判定する。プロセッサ110は、印刷可能枚数が設定枚数より大きく、且つ、設定期日が到来していない場合には(ステップS155:No)、本ステップS155を繰り返す。一方、プロセッサ110は、印刷可能枚数が設定枚数以下となったか、又は、設定期日が到来した場合には(ステップS155:Yes)、次のステップS160に移行する。
【0091】
ステップS160では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS150で設定した内容に基づき、期限付きチャージ枚数の自動購入を実行する。プロセッサ110は、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された累積チャージ枚数に期限付きチャージ枚数の購入枚数を加算する。つまり、プロセッサ110は、期限付きチャージ枚数の自動購入に応じて印刷可能枚数を増加させる。またプロセッサ110は、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された期限付きチャージ枚数に期限付きチャージ枚数の購入枚数を加算する。
【0092】
ステップS165では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS160で加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数をプリンタ200に送信する。当該ステップS165が第1指示送信処理の一例であり、当該ステップS165で送信される加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数が第1印刷量増加指示の一例である。
【0093】
ステップS170では、プリンタ200のプロセッサ210は、管理サーバ100から送信された累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数を更新する。すなわち、プロセッサ210は、管理サーバ100から送信された加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。当該ステップS170が第1印刷量増加処理の一例である。
【0094】
ステップS175では、管理サーバ100のプロセッサ110は、上記ステップS160で増加された後の印刷可能枚数を表示する印刷サービス画面の表示信号を端末装置300に送信する。
【0095】
ステップS180では、端末装置300のCPU310は、管理サーバ100から送信された表示信号に基づき、タッチパネル340に印刷サービス画面を表示する。以上により、本シーケンスを終了する。
【0096】
<プリンタと第1サーバとの同期手順>
プリンタ200と管理サーバ100の間で累積印刷枚数、累積チャージ枚数、及び期限付きチャージ枚数の値を同期するために、端末装置300のCPU310、管理サーバ100のプロセッサ110、プリンタ200のプロセッサ210が実行する制御手順の一例を図11のシーケンスチャートにより説明する。
【0097】
ステップS205では、端末装置300のCPU310は、印刷ジョブをプリンタ200に送信する。
【0098】
ステップS210では、プリンタ200のプロセッサ210は、端末装置300から送信された印刷ジョブに基づいて印刷を実行する。
【0099】
ステップS215では、プリンタ200のプロセッサ210は、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された累積印刷枚数に上記ステップS210で印刷を実行した枚数を加算する。その結果、累積印刷枚数が加算された分だけ印刷可能枚数が減算される。つまり、プロセッサ210は、印刷部290を用いた印刷の印刷量に応じて印刷可能枚数を減算する。併せて、プロセッサ210は、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された期限付きチャージ枚数を期限の早いものから優先的に減算する。当該ステップS215が印刷分減算処理の一例である。
【0100】
ステップS220では、プリンタ200のプロセッサ210は、所定の同期タイミングになったか否かを判定する。プロセッサ210は、同期タイミングでない場合には(ステップS220:No)、上記ステップS210に戻る。一方、プロセッサ210は、同期タイミングとなった場合には(ステップS220:Yes)、次のステップS225に移行する。同期タイミングが所定のタイミングの一例である。
【0101】
ステップS225では、プリンタ200のプロセッサ210は、上記ステップS215で加算した累積印刷枚数及び減算した期限付きチャージ枚数を管理サーバ100に送信する。上記ステップS220,S225が同期処理の一例であり、累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数が許容印刷量を示す情報の一例である。
【0102】
ステップS230では、管理サーバ100のプロセッサ110は、プリンタ200から送信された累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数を更新する。これにより、プリンタ200の累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数の値が管理サーバ100において同期される。
【0103】
ステップS235では、プリンタ200のプロセッサ210は、不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された期限付きチャージ枚数の少なくとも一部の有効期限が経過したか否かを判定する。プロセッサ210は、期限が経過していない場合には(ステップS235:No)、上記ステップS210に戻る。プロセッサ210は、期限が経過した場合には(ステップS235:Yes)、次のステップS240に移行する。当該ステップS235が期限経過判定処理の一例である。
【0104】
ステップS240では、プリンタ200のプロセッサ210は、期限付きチャージ枚数を有効期限が経過した分だけ減算すると共に、累積チャージ枚数を減算した期限付きチャージ枚数分だけ減算する。すなわち、プロセッサ210は、前述のステップS50で増加した印刷可能枚数のうち印刷が実行されないで有効期限を経過した印刷可能枚数を減じる。当該ステップS240が期限経過処理の一例である。
【0105】
ステップS245では、プリンタ200のプロセッサ210は、上記ステップS245で減算した期限付きチャージ枚数及び減算した累積チャージ枚数を管理サーバ100に送信する。すなわち、プロセッサ210は、有効期限の経過により印刷可能枚数が減じられたことを管理サーバ100に通知する。当該ステップS245が通知処理の一例であり、管理サーバ100が外部装置の一例である。
【0106】
ステップS250では、管理サーバ100のプロセッサ110は、プリンタ200から送信された期限付きチャージ枚数及び累積チャージ枚数に基づき、不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された期限付きチャージ枚数及び累積チャージ枚数を更新する。これにより、プリンタ200の期限付きチャージ枚数及び累積チャージ枚数の値が管理サーバ100において同期される。
【0107】
ステップS255では、プリンタ200のプロセッサ210は、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数すなわち印刷可能枚数が減じられたことを、ユーザに向けて報知するための報知信号を端末装置300に送信する。報知は、例えば電子メールで報知する態様としてもよいし、例えばSNS等を介して報知する態様としてもよい。当該ステップS255が報知信号出力処理の一例である。
【0108】
ステップS260では、端末装置300のCPU310は、プリンタ200から送信された報知信号に基づき、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数すなわち印刷可能枚数が減じられたことをタッチパネル340に表示して報知する。タッチパネル340での表示は、例えば電子メールによる表示でもよいし、例えばSNS等による表示でもよい。以上により、本シーケンスを終了する。
【0109】
<期限付きチャージ枚数のテーブルの遷移例>
図12に、プリンタ200の不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域232に記憶された期限付きチャージ枚数のテーブルの遷移例を示す。プリンタ200と管理サーバ100との同期処理により、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130のデータ記憶領域132に記憶された期限付きチャージ枚数のテーブルも同様に遷移する。なお、説明の便宜上、図12では無期限チャージ枚数の値も併せて図示している。
【0110】
図12(a)に示すテーブルには、例えば有効期限が2023年1月31日の期限付きチャージ枚数が20枚、2023年2月28日の期限付きチャージ枚数が10枚、無期限チャージ枚数が10枚であることが記録されている。
【0111】
上記図12(a)に示す状態から、例えば15枚の印刷が実行されると図12(b)に示すテーブルに遷移する。図12(b)に示すように、チャージ枚数は期限付きチャージ枚数の方が無期限チャージ枚数よりも優先的に減算され、さらに、期限付きチャージ枚数は期限の早いものから優先的に減算される。図12(b)に示す例では、有効期限が2023年1月31日の期限付きチャージ枚数が20枚から15枚を減算されて5枚となっている。
【0112】
上記図12(b)に示す状態から、さらに例えば10枚の印刷が実行されると図12(c)に示すテーブルに遷移する。図12(c)に示すように、期限付きチャージ枚数が期限の早いものから優先的に減算された結果、有効期限が2023年1月31日の期限付きチャージ枚数が全5枚を減算されて0枚となっている。また、印刷実行分の残りの5枚が、有効期限が2023年2月28日の期限付きチャージ枚数の10枚から減算されて5枚となっている。
【0113】
上記図12(c)に示す状態から、例えば2023年2月28日の有効期限が経過した場合には図12(d)に示すテーブルに遷移する。図12(d)に示すように、有効期限が2023年2月28日の期限付きチャージ枚数の全部が期限切れ枚数として記録される。図12(d)に示す例では、有効期限が2023年2月28日の期限付きチャージ枚数の5枚が期限切れ枚数のデータ領域に移動されている。なお、当該図12(d)に示す状態において印刷が実行された場合には、無期限チャージ枚数が減算される。無期限チャージ枚数が例えば0枚になると、プリンタ200による印刷の実行が不可能となる。
【0114】
上記図12(d)に示す状態から、例えば期限付きチャージ枚数が購入された場合には図12(e)に示すテーブルに遷移する。図12(e)に示す例では、例えば有効期限が2023年3月31日の期限付きチャージ枚数が20枚購入されており、テーブルに記録されている。
【0115】
<実施形態の効果>
本実施形態の印刷システム1では、管理サーバ100のプロセッサ110は、ステップS45,S165と、ステップS15,S125と、を実行する。プロセッサ110は、ステップS45,S165では、有効期限の間だけ使用可能な期限付きチャージ枚数の購入に応じて印刷可能枚数を増加させる、加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数をプリンタ200に送信する。管理サーバ100は、ステップS15,S125では、期限の制限なく使用可能な無期限チャージ枚数の購入に応じて印刷可能枚数を増加させる、加算した累積チャージ枚数をプリンタ200に送信する。プリンタ200のプロセッサ210は、ステップS50,S170と、ステップS20,S130と、ステップS215と、を実行する。プロセッサ210は、ステップS50,S170では、管理サーバ100より送信された加算した累積チャージ枚数及び期限付きチャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。プロセッサ210は、ステップS20,S130では、管理サーバ100より送信された加算した累積チャージ枚数に応じて印刷可能枚数を増加する。またプロセッサ210は、ステップS215では、印刷部290を用いた印刷の印刷枚数に応じて印刷可能枚数を減算する。
【0116】
本実施形態によれば、例えばユーザの印刷枚数にばらつきがあり、ある一定期間における印刷枚数を予想できない場合と、ある一定期間における印刷枚数を予想できる場合と、に応じて期限付きチャージ枚数の購入と無期限チャージ枚数の購入を使い分けることができる。例えばユーザの印刷枚数にばらつきがある場合には、無期限のチャージ枚数を購入することで、仮に一定期間においてチャージ枚数が余った場合でも無駄にすることなく、ユーザはその期間の印刷枚数に応じて印刷サービスを利用することができる。また、例えばある一定期間における印刷枚数を予想できる場合には、期限付きのチャージ枚数を購入することで、コスト的なメリットを得ることが可能となる。本実施形態によれば、ユーザが印刷状況に応じた最適な印刷サービスを利用することができる。
【0117】
また、本実施形態では特に、プリンタ200のプロセッサ210は、所定のタイミングにおいて加算した累積印刷枚数と減算した期限付きチャージ枚数を管理サーバ100に送信することで同期するステップS220,S225を実行する。本実施形態によれば、管理サーバ100が最新の累積印刷枚数及び期限付きチャージ枚数を取得することができる。
【0118】
また、本実施形態では特に、プリンタ200のプロセッサ210は、ステップS50,S170で増加した期限付きチャージ枚数のうち印刷が実行されないで有効期限を経過した期限付きチャージ枚数を減じるステップS240を実行する。プリンタ200での印刷実行により印刷可能枚数は減少するが、管理サーバ100は印刷可能枚数をリアルタイムに把握することは困難である。本実施形態によれば、印刷を実行するプリンタ200が正確に有効期限を経過した期限付きチャージ枚数を減じることができるので、期限付きチャージ枚数の有効期限を正確に管理することができる。
【0119】
また、本実施形態では特に、プリンタ200のプロセッサ210は、期限付きチャージ枚数の有効期限を経過したか否かを判定するステップS235を実行し、当該ステップS235にて有効期限を経過したと判定した場合に、ステップS240を実行する。本実施形態によれば、印刷システム1においてプリンタ200と管理サーバ100との間がオフラインである場合においても有効期限の管理が可能となる。
【0120】
また、本実施形態では特に、プリンタ200のプロセッサ210は、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数、すなわち、印刷可能枚数が減じられたことをユーザに向けて報知するための報知信号を出力するステップS255を実行する。本実施形態によれば、ユーザは印刷可能枚数が減じられたことが有効期限の経過によるものであることを知ることができる。
【0121】
また、本実施形態では特に、プリンタ200のプロセッサ210は、有効期限の経過によりチャージ枚数、すなわち、印刷可能枚数が減じられたことを管理サーバ100に通知するステップS245を実行する。本実施形態によれば、管理サーバ100により、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数が減じられたことを管理できる。
【0122】
また、本実施形態では特に、印刷実行の際は、印刷可能枚数のうち、ステップS50,S170により増加された部分を、ステップS20,S130により増加された部分よりも優先的に減じる。本実施形態によれば、期限付きチャージ枚数が期限切れによって無効となるのを抑制することができる。
【0123】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0124】
例えば、上記実施形態ではプリンタ200が有効期限の経過により期限付きチャージ枚数が減じられたことをユーザに向けて報知するようにしたが、管理サーバ100が報知してもよい。図13に本変形例のシーケンスチャートを示す。
【0125】
図13において、ステップS205~ステップS250は前述の図11と同様であるため説明を省略する。管理サーバ100のプロセッサ110は、ステップS250の次にステップS253に移行する。
【0126】
ステップS253では、管理サーバ100のプロセッサ110は、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数すなわち印刷可能枚数が減じられたことを、ユーザに向けて報知するための報知信号を端末装置300に送信する。報知は、例えば電子メールで報知する態様としてもよいし、例えばSNS等を介して報知する態様としてもよい。当該ステップS253も報知信号出力処理の一例である。次のステップS260は前述の図11と同様であるため説明を省略する。
【0127】
本変形例では、管理サーバ100は、有効期限の経過により期限付きチャージ枚数、すなわち、印刷可能枚数が減じられたことをユーザの端末装置300に報知するための報知信号を出力するステップS253を実行する。本変形例によれば、ユーザは印刷可能枚数が減じられたことが有効期限の経過によるものであることを知ることができる。
【0128】
また、以上ではチャージ枚数が購入される場合に、端末装置300から管理サーバ100を経由してプリンタ200の累積チャージ枚数等が増加されるようにしたが、管理サーバ100を経由せずにプリンタ200の累積チャージ枚数等が増加されてもよい。この場合、例えば図9のシーケンスチャートにおいて、ステップS5,S35における購入指示がプリンタ200に送信され、プリンタ200のプロセッサ210は当該購入指示に基づいてステップS20,S50を実行してもよい。
【0129】
また、印刷システム1において、ユーザはニーズに応じて、オンデマンド印刷サービスとサブスクリプション印刷サービスの間で印刷サービスを切り替えることができるようにしてもよい。サブスクリプション印刷サービスは、シート上に画像を印刷するときの上限となる印刷可能枚数を、ユーザの定額負担契約に基づき所定期間付与されるサブスクリプション印刷権限が保証する契約プラン枚数に応じて設定可能な印刷サービスである。その際、ユーザは印刷サービスを切り替えた場合に、前の印刷サービスで使用していた残りの印刷枚数を次の印刷サービスに引き継ぐことができるようにしてもよい。この場合に、サブスクリプション印刷サービスからオンデマンド印刷サービスへの移行の際に、残りの印刷枚数を期限付きチャージ枚数として引き継ぐようにしてもよい。
【0130】
また、図9図11及び図13に示すシーケンスチャートは本発明を上記シーケンスに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0131】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0132】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0133】
1 印刷システム(印刷サービス提供システムの一例)
100 管理サーバ(サービス提供サーバ、外部装置の一例)
110 プロセッサ
200 プリンタ(印刷装置の一例)
290 印刷部
300 端末装置(端末の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13