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特開2024-122323ドラムカートリッジおよび画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122323
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/18 182
G03G21/18 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029798
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】辻本 嘉之
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA05
2H171GA04
2H171GA12
2H171JA15
2H171JA23
2H171JA50
2H171JA51
2H171KA17
2H171KA22
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB32
(57)【要約】
【課題】ドラムカートリッジにドラムメモリを搭載し、かつ、端子の数を減らすことができる構造を提供する。
【解決手段】画像形成装置から第1トナーメモリ241Aへのクロック信号の送信と、画像形成装置から第2トナーメモリ241Bへのクロック信号の送信とを、第1クロック中継線331cを介して行う。これにより、画像形成装置から第1トナーメモリ241Aへのクロック信号の送信と、画像形成装置から第2トナーメモリ241Bへのクロック信号の送信とを、別々の中継線を介して行う場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に装着可能なドラムカートリッジであって、
記憶媒体である第1トナーメモリを有する第1トナーカートリッジと、記憶媒体である第2トナーメモリを有する第2トナーカートリッジと、が装着可能なフレームと、
感光ドラムと、
記憶媒体であるドラムメモリと、
前記フレームに前記第1トナーカートリッジおよび前記第2トナーカートリッジが装着された状態において、前記第1トナーメモリおよび前記第2トナーメモリに記憶された情報を前記画像形成装置に中継するドラム回路基板と、
を備え、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の第1クロック端子と電気的に接続可能な第1本体側クロック端子と、
前記画像形成装置の第2クロック端子と電気的に接続可能な第2本体側クロック端子と、
前記第1トナーカートリッジのクロック端子と電気的に接続可能な第1トナー側クロック端子と、
前記第2トナーカートリッジのクロック端子と電気的に接続可能な第2トナー側クロック端子と、
前記第1本体側クロック端子と、前記第1トナー側クロック端子と、前記第2トナー側クロック端子とを繋ぐ第1クロック中継線と、
前記第2本体側クロック端子と、前記ドラムメモリのクロック端子とを繋ぐ第2クロック中継線と、
を有することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の第1データ端子と電気的に接続可能な第1本体側データ端子と、
前記画像形成装置の第2データ端子と電気的に接続可能な第2本体側データ端子と、
前記第1トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第1トナー側データ端子と、
前記第2トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第2トナー側データ端子と、
前記第1本体側データ端子と、前記第1トナー側データ端子と、前記ドラムメモリのデータ端子とを繋ぐ第1データ中継線と、
前記第2本体側データ端子と、前記第2トナー側データ端子とを繋ぐ第2データ中継線と、
を有することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の電圧端子と電気的に接続可能な本体側電圧端子と、
前記第1トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第1トナー側電圧端子と、
前記第2トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第2トナー側電圧端子と、
前記本体側電圧端子と、前記第1トナー側電圧端子と、前記第2トナー側電圧端子と、前記ドラムメモリの電圧端子とを繋ぐ電圧中継線と、
を有することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項4】
請求項1に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の接地端子と電気的に接続可能な本体側接地端子と、
前記第1トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第1トナー側接地端子と、
前記第2トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第2トナー側接地端子と、
前記本体側接地端子と、前記第1トナー側接地端子と、前記第2トナー側接地端子と、前記ドラムメモリの接地端子とを繋ぐ接地中継線と、
を有することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項5】
請求項1に記載のドラムカートリッジと、
制御部と、
を備えた画像形成装置であって、
前記制御部は、
前記画像形成装置と前記ドラムメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行い、
前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置に装着可能なドラムカートリッジであって、
記憶媒体である第1トナーメモリを有する第1トナーカートリッジが装着可能なフレームと、
感光ドラムと、
記憶媒体であるドラムメモリと、
前記フレームに前記第1トナーカートリッジが装着された状態において、前記第1トナーメモリに記憶された情報を前記画像形成装置に中継するドラム回路基板と、
を備えるドラムカートリッジと、
前記画像形成装置と前記ドラムメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行う制御部であって、前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を、SWI方式で行う制御部と、
を備え、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置のクロック端子と電気的に接続可能な本体側クロック端子と、
前記画像形成装置の第1データ端子と電気的に接続可能な第1本体側データ端子と、
前記画像形成装置の第3データ端子と電気的に接続可能な第3本体側データ端子と、
前記第1トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第1トナー側データ端子と、
前記本体側クロック端子と、前記ドラムメモリのクロック端子とを繋ぐクロック中継線と、
前記第1本体側データ端子と、前記第1トナー側データ端子とを繋ぐ第1データ中継線と、
前記第3本体側データ端子と、前記ドラムメモリのデータ端子とを繋ぐ第3データ中継線と、
を有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置であって、
前記フレームは、記憶媒体である第2トナーメモリを有する第2トナーカートリッジをさらに装着可能であり、
前記制御部は、前記画像形成装置と前記第2トナーメモリとの間のデータ通信を、SWI方式で行い、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の第2データ端子と電気的に接続可能な第2本体側データ端子と、
前記第2トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第2トナー側データ端子と、
前記第2本体側データ端子と、前記第2トナー側データ端子とを繋ぐ第2データ中継線と、
を有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の電圧端子と電気的に接続可能な本体側電圧端子と、
前記第1トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第1トナー側電圧端子と、
前記第2トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第2トナー側電圧端子と、
前記本体側電圧端子と、前記第1トナー側電圧端子と、前記第2トナー側電圧端子と、前記ドラムメモリの電圧端子とを繋ぐ電圧中継線と、
を有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項9】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記ドラム回路基板は、
前記画像形成装置の接地端子と電気的に接続可能な本体側接地端子と、
前記第1トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第1トナー側接地端子と、
前記第2トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第2トナー側接地端子と、
前記本体側接地端子と、前記第1トナー側接地端子と、前記第2トナー側接地端子と、前記ドラムメモリの接地端子とを繋ぐ接地中継線と、
を有することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項10】
請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記ドラムメモリは、前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信の方式を示す通信方式情報を記憶し、
前記制御部は、前記通信方式情報により示される方式で、前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を行うことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置であって、
(a)前記制御部から前記ドラムメモリへ、前記I2C方式に対応する第1アドレスと、前記SWI方式に対応する第2アドレスとを、送信する処理と、
(b)前記ドラムメモリが、前記第1アドレスおよび前記第2アドレスのうちのいずれか1つに反応して、通信可能を示す信号を前記制御部へ返信する処理と、
(c)前記制御部が、前記第1アドレスおよび前記第2アドレスのうち、前記通信可能を示す信号が返信されたアドレスに対応する通信方式で、前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を行う処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドラムカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、ドラムカートリッジを有する。ドラムカートリッジは、複数の感光ドラムを有する。複数のトナーカートリッジは、ドラムカートリッジに対して着脱可能である。ドラムカートリッジにトナーカートリッジが装着されると、トナーカートリッジの現像ローラと、ドラムカートリッジの感光ドラムとが接触する。
【0003】
ドラムカートリッジを有する画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-128336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、従来、記憶媒体であるトナーメモリを有するトナーカートリッジが知られている。トナーメモリには、トナーカートリッジに関する種々の情報が記憶される。近年では、画像形成装置において、トナーカートリッジだけではなく、ドラムカートリッジに関しても、多くの情報が扱われる。このため、ドラムカートリッジにも、記憶媒体であるドラムメモリを搭載することが求められている。
【0006】
しかしながら、トナーカートリッジにトナーメモリを搭載し、かつ、ドラムカートリッジにドラムメモリを搭載すると、画像形成装置には、トナーメモリと電気的に接続するための端子と、ドラムメモリと電気的に接続するための端子と、が必要になる。これにより、画像形成装置に、多くの端子が必要となる。
【0007】
本開示の目的は、ドラムカートリッジにドラムメモリを搭載し、かつ、端子の数を減らすことができる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の第1開示は、画像形成装置に装着可能なドラムカートリッジであって、記憶媒体である第1トナーメモリを有する第1トナーカートリッジと、記憶媒体である第2トナーメモリを有する第2トナーカートリッジと、が装着可能なフレームと、感光ドラムと、記憶媒体であるドラムメモリと、前記フレームに前記第1トナーカートリッジおよび前記第2トナーカートリッジが装着された状態において、前記第1トナーメモリおよび前記第2トナーメモリに記憶された情報を前記画像形成装置に中継するドラム回路基板と、を備え、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の第1クロック端子と電気的に接続可能な第1本体側クロック端子と、前記画像形成装置の第2クロック端子と電気的に接続可能な第2本体側クロック端子と、前記第1トナーカートリッジのクロック端子と電気的に接続可能な第1トナー側クロック端子と、前記第2トナーカートリッジのクロック端子と電気的に接続可能な第2トナー側クロック端子と、前記第1本体側クロック端子と、前記第1トナー側クロック端子と、前記第2トナー側クロック端子とを繋ぐ第1クロック中継線と、前記第2本体側クロック端子と、前記ドラムメモリのクロック端子とを繋ぐ第2クロック中継線と、を有することを特徴とする。
【0009】
本願の第2開示は、第1開示のドラムカートリッジであって、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の第1データ端子と電気的に接続可能な第1本体側データ端子と、前記画像形成装置の第2データ端子と電気的に接続可能な第2本体側データ端子と、前記第1トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第1トナー側データ端子と、前記第2トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第2トナー側データ端子と、前記第1本体側データ端子と、前記第1トナー側データ端子と、前記ドラムメモリのデータ端子とを繋ぐ第1データ中継線と、前記第2本体側データ端子と、前記第2トナー側データ端子とを繋ぐ第2データ中継線と、を有することを特徴とする。
【0010】
本願の第3開示は、第1開示のドラムカートリッジであって、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の電圧端子と電気的に接続可能な本体側電圧端子と、前記第1トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第1トナー側電圧端子と、前記第2トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第2トナー側電圧端子と、前記本体側電圧端子と、前記第1トナー側電圧端子と、前記第2トナー側電圧端子と、前記ドラムメモリの電圧端子とを繋ぐ電圧中継線と、を有することを特徴とする。
【0011】
本願の第4開示は、第1開示のドラムカートリッジであって、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の接地端子と電気的に接続可能な本体側接地端子と、前記第1トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第1トナー側接地端子と、前記第2トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第2トナー側接地端子と、前記本体側接地端子と、前記第1トナー側接地端子と、前記第2トナー側接地端子と、前記ドラムメモリの接地端子とを繋ぐ接地中継線と、を有することを特徴とする。
【0012】
本願の第5開示は、第1開示のドラムカートリッジと、制御部と、を備えた画像形成装置であって、前記制御部は、前記画像形成装置と前記ドラムメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行い、前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行うことを特徴とする。
【0013】
本願の第6開示は、画像形成装置に装着可能なドラムカートリッジであって、記憶媒体である第1トナーメモリを有する第1トナーカートリッジが装着可能なフレームと、感光ドラムと、記憶媒体であるドラムメモリと、前記フレームに前記第1トナーカートリッジが装着された状態において、前記第1トナーメモリに記憶された情報を前記画像形成装置に中継するドラム回路基板と、を備えるドラムカートリッジと、前記画像形成装置と前記ドラムメモリとの間のデータ通信を、I2C方式で行う制御部であって、前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を、SWI方式で行う制御部と、を備え、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置のクロック端子と電気的に接続可能な本体側クロック端子と、前記画像形成装置の第1データ端子と電気的に接続可能な第1本体側データ端子と、前記画像形成装置の第3データ端子と電気的に接続可能な第3本体側データ端子と、前記第1トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第1トナー側データ端子と、前記本体側クロック端子と、前記ドラムメモリのクロック端子とを繋ぐクロック中継線と、前記第3本体側データ端子と、前記ドラムメモリのデータ端子とを繋ぐ第3データ中継線と、前記第1本体側データ端子と、前記第1トナー側データ端子とを繋ぐ第1データ中継線と、を有することを特徴とする。
【0014】
本願の第7開示は、第6開示の画像形成装置であって、前記フレームは、記憶媒体である第2トナーメモリを有する第2トナーカートリッジをさらに装着可能であり、前記制御部は、前記画像形成装置と前記第2トナーメモリとの間のデータ通信を、SWI方式で行い、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の第2データ端子と電気的に接続可能な第2本体側データ端子と、前記第2トナーカートリッジのデータ端子と電気的に接続可能な第2トナー側データ端子と、前記第2本体側データ端子と、前記第2トナー側データ端子とを繋ぐ第2データ中継線と、を有することを特徴とする。
【0015】
本願の第8開示は、第7開示の画像形成装置であって、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の電圧端子と電気的に接続可能な本体側電圧端子と、前記第1トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第1トナー側電圧端子と、前記第2トナーカートリッジの電圧端子と電気的に接続可能な第2トナー側電圧端子と、前記本体側電圧端子と、前記第1トナー側電圧端子と、前記第2トナー側電圧端子と、前記ドラムメモリの電圧端子とを繋ぐ電圧中継線と、を有することを特徴とする。
【0016】
本願の第9開示は、第7開示の画像形成装置であって、前記ドラム回路基板は、前記画像形成装置の接地端子と電気的に接続可能な本体側接地端子と、前記第1トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第1トナー側接地端子と、前記第2トナーカートリッジの接地端子と電気的に接続可能な第2トナー側接地端子と、前記本体側接地端子と、前記第1トナー側接地端子と、前記第2トナー側接地端子と、前記ドラムメモリの接地端子とを繋ぐ接地中継線と、を有することを特徴とする。
【0017】
本願の第10開示は、第5開示から第9開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記ドラムメモリは、前記画像形成装置と前記第1トナーメモリとの間のデータ通信の方式を示す通信方式情報を記憶し、前記制御部は、前記通信方式情報により示される方式で、前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を行うことを特徴とする。
【0018】
本願の第11開示は、第10開示の画像形成装置であって、(a)前記制御部から前記ドラムメモリへ、前記I2C方式に対応する第1アドレスと、前記SWI方式に対応する第2アドレスとを、送信する処理と、(b)前記ドラムメモリが、前記第1アドレスおよび前記第2アドレスのうちのいずれか1つに反応して、通信可能を示す信号を前記制御部へ返信する処理と、(c)前記制御部が、前記第1アドレスおよび前記第2アドレスのうち、前記通信可能を示す信号が返信されたアドレスに対応する通信方式で、前記第1トナーメモリとの間のデータ通信を行う処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願の第1開示~第5開示によれば、画像形成装置から第1トナーメモリへのクロック信号の送信と、画像形成装置から第2トナーメモリへのクロック信号の送信とを、第1クロック中継線を介して行うことができる。これにより、画像形成装置から第1トナーメモリへのクロック信号の送信と、画像形成装置から第2トナーメモリへのクロック信号の送信とを、別々の中継線を介して行う場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【0020】
また、画像形成装置からトナーメモリへのクロック信号の送信と、画像形成装置からドラムメモリへのクロック信号の送信とを、別々の中継線を介して行う。これにより、トナーメモリおよびドラムメモリのいずれか一方へのアクセス中に、他方が誤動作することを抑制できる。
【0021】
また、本願の第2開示によれば、画像形成装置と第1トナーメモリとの間のデータ通信と、画像形成装置とドラムメモリとの間のデータ通信とを、第1データ中継線を介して行うことができる。これにより、画像形成装置と第1トナーメモリとの間のデータ通信と、画像形成装置とドラムメモリとの間のデータ通信とを、別々の中継線を介して行う場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【0022】
また、本願の第6開示~第11開示によれば、第1トナーメモリ用のクロック中継線が無いため、第1トナーメモリ用のクロック中継線がある場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】画像形成装置の概念図である。
図2】ドラムカートリッジの斜視図である。
図3】ドラムカートリッジの斜視図である。
図4】第1電気端子、第2電気端子、およびこれらを接続するハーネスの斜視図である。
図5】トナーカートリッジの斜視図である。
図6】制御部、ドラム回路基板、および4つのトナー回路基板の間の電気的接続を示したブロック図である。
図7】制御部がドラムメモリおよび第1トナーメモリに対して行うデータ通信の処理の流れを示したフローチャートである。
図8】第2実施形態の制御部、ドラム回路基板、および4つのトナー回路基板の間の電気的接続を示したブロック図である。
図9】データ通信の方式を判定する手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
なお、以下の説明においては、感光ドラムの回転軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、複数の感光ドラムが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0026】
<1.第1実施形態>
<1-1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概念図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置100は、例えば、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。図1に示すように、画像形成装置100は、本体ケーシング101、制御部102、ディスプレイ103、ドラムカートリッジ1、および複数のトナーカートリッジ2を有する。
【0027】
複数のトナーカートリッジ2は、ドラムカートリッジ1に対して、個別に装着可能である。また、複数のトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ1は、本体ケーシング101に対して装着可能である。複数のトナーカートリッジ2は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のトナー(現像剤)を収容する。画像形成装置100は、複数のトナーカートリッジ2から供給されるトナーにより、印刷用紙の記録面に画像を形成する。
【0028】
本実施形態のドラムカートリッジ1に装着されるトナーカートリッジ2の数は、4つである。ただし、ドラムカートリッジ1に装着されるトナーカートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0029】
ドラムカートリッジ1は、ドラム回路基板15と、ドラムメモリ151と、を有する。ドラムメモリ151は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。複数のトナーカートリッジ2は、それぞれ、トナー回路基板24と、トナーメモリ241とを有する。トナーメモリ241は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。
【0030】
制御部102は、画像形成装置100の本体ケーシング101内に位置する。制御部102は、例えば、回路基板と、CPU等のプロセッサ105と、記憶媒体である本体メモリ106とを有する。制御部102は、プログラムに従ってプロセッサ105が動作することにより、画像形成装置100における諸処理を実行する。具体的には、制御部102は、本体メモリ106から情報を読み出す第1読出処理と、第1読出処理により読み出された情報に基づいて、画像形成装置100を動作させる動作処理と、を実行する。
【0031】
ドラムカートリッジ1に複数のトナーカートリッジ2が装着されると、各トナーカートリッジ2のトナー回路基板24と、ドラム回路基板15とが、電気的に接続される。また、複数のトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ1が画像形成装置100の本体ケーシング101に装着されると、本体ケーシング101内の制御部102とドラム回路基板15とが、電気的に接続される。すなわち、各トナーカートリッジ2のトナー回路基板24と、制御部102とが、ドラム回路基板15を介して電気的に接続される。
【0032】
ディスプレイ103は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。ディスプレイ103は、制御部102からの指令に従って、画像形成装置100の動作に関する種々の情報を画面上に表示する。
【0033】
<1-2.ドラムカートリッジの構成>
続いて、ドラムカートリッジ1の構成について説明する。図2および図3は、ドラムカートリッジ1の斜視図である。
【0034】
図2および図3に示すように、ドラムカートリッジ1は、複数の感光ドラム11、フレーム12、第1電気端子13、複数の第2電気端子14、およびドラム回路基板15を有する。本実施形態では、感光ドラム11の数は4つである。また、第2電気端子14の数は4つである。
【0035】
感光ドラム11は、トナーカートリッジ2から供給されるトナーを、印刷用紙に転写するための部材である。複数の感光ドラム11は、第2方向に間隔をあけて配列される。各感光ドラム11は、第1方向に延びる円筒状の外周面を有する。感光ドラム11の外周面は、感光材料に被覆されている。また、各感光ドラム11は、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。
【0036】
フレーム12は、複数の感光ドラム11を保持する枠体である。フレーム12は、複数のトナーカートリッジホルダ121を有する。複数のトナーカートリッジホルダ121は、第2方向に間隔をあけて配列される。トナーカートリッジ2は、トナーカートリッジホルダ121に装着される。したがって、フレーム12には、複数のトナーカートリッジ2が装着可能である。トナーカートリッジホルダ121にトナーカートリッジ2が装着されると、感光ドラム11の外周面と、トナーカートリッジ2の後述する現像ローラ22の外周面とが、接触する。
【0037】
図4は、第1電気端子13、複数の第2電気端子14、ドラム回路基板15、およびこれらを接続するハーネス16,17の斜視図である。
【0038】
第1電気端子13は、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着されたときに、本体ケーシング101内に設けられた端子と電気的に接続される端子である。第1電気端子13は、例えば、フレーム12の表面に固定される。ただし、第1電気端子13は、フレーム12に対して移動不能であってもよく、僅かに移動可能であってもよい。第1電気端子13は、複数の第1端子131を有する。各第1端子131は、露出した導体である。各第1端子131は、ドラム回路基板15の後述する複数の本体側端子31と電気的に接続される。
【0039】
第2電気端子14は、トナーカートリッジホルダ121にトナーカートリッジ2が装着されたときに、後述するトナー回路基板24の端子242と電気的に接続される部分である。第2電気端子14は、トナーカートリッジホルダ121毎に設けられる。各第2電気端子14は、第1方向におけるトナーカートリッジホルダ121の一端部に位置する。各第2電気端子14は、例えば、フレーム12の表面に固定される。ただし、第2電気端子14は、フレーム12に対して移動不能であってもよく、僅かに移動可能であってもよい。第2電気端子14は、それぞれ、複数の第2端子141を有する。各第2端子141は、露出した導体である。各第2端子141は、ドラム回路基板15の後述する複数のトナー側端子32と電気的に接続される。
【0040】
ドラム回路基板15は、第1電気端子13および第2電気端子14と電気的に接続された回路基板である。ドラム回路基板15は、例えば、フレーム12の表面に固定される。図4に示すように、ドラム回路基板15と第1電気端子13とは、第1ハーネス16を介して、電気的に接続される。また、ドラム回路基板15と第2電気端子14とは、第2ハーネス17を介して、電気的に接続される。第1ハーネス16および第2ハーネス17には、例えば、複数の導線を含むワイヤーハーネスが用いられる。
【0041】
また、図4に示すように、ドラムカートリッジ1は、記憶媒体であるドラムメモリ151を有する。ドラムメモリ151は、ドラム回路基板15上に位置する。ドラムメモリ151には、ドラムカートリッジ1に関する種々の情報が記憶される。例えば、ドラムメモリ151には、ドラムカートリッジ1の識別のための情報およびドラムカートリッジ1の特性を示す情報の、少なくとも1つが記憶される。
【0042】
ドラムカートリッジ1の識別のための情報には、例えば、ドラムカートリッジ1の製造シリアル番号、純正品であることを示す識別コード、の少なくとも1つが含まれる。ドラムカートリッジ1の特性を示す情報には、例えば、ドラムカートリッジ1の適合機種、ドラムカートリッジ1の仕様、感光ドラム11の寿命、感光ドラム11の帯電特性、新品であるかどうかを示す情報、感光ドラム11の回転数、感光ドラム11の帯電時間、印刷枚数、エラー履歴、の少なくとも1つが含まれる。
【0043】
なお、ドラムメモリ151は、ドラム回路基板15上に位置していなくてもよい。例えば、ドラムメモリ151は、フレーム12の表面に位置していてもよい。
【0044】
ドラムメモリ151は、書き換え不能な情報を記憶する第1記憶領域と、書き換え可能な情報を記憶する第2記憶領域と、を有する。第1記憶領域には、例えば、上述した製造シリアル番号、識別コード、適合機種、仕様、感光ドラム11の寿命、感光ドラム11の帯電特性、の少なくとも1つが記憶可能である。第2記憶領域には、例えば、ドラムカートリッジ1の使用状況が記憶可能である。ドラムカートリッジ1の使用状況には、例えば、上述した新品であるかどうかを示す情報、感光ドラム11の回転数、感光ドラム11の帯電時間、印刷枚数、エラー履歴、の少なくとも1つが含まれる。
【0045】
また、ドラムメモリ151は、トナーカートリッジ2に関する情報も記憶可能である。例えば、ドラムメモリ151は、ドラムカートリッジ1に装着されたトナーカートリッジ2の個体識別情報を記憶可能である。個体識別情報は、例えば、後述するトナーメモリ241から読み出されて、ドラム回路基板15のドラムメモリ151に書き込まれる。このようにすれば、ドラムカートリッジ1に装着されたトナーカートリッジ2が、過去に装着されたものか、それとも初めて装着されたものかを、区別できる。ただし、ドラムメモリ151は、トナーカートリッジ2に関する情報を、記憶可能でなくてもよい。
【0046】
また、ドラムメモリ151は、ドラムカートリッジ1に装着されたトナーカートリッジ2の使用履歴の情報を記憶可能である。トナーカートリッジ2の使用履歴の情報には、例えば、現像ローラ22の回転数、トナーの使用量、トナーカートリッジ2に関するエラー履歴、の少なくとも1つが含まれる。このように、トナーカートリッジ2の使用履歴の情報をドラムメモリ151に記憶させておけば、不具合が生じたときに、複数のトナーカートリッジ2のトナーメモリ241を1つ1つ確認することなく、ドラムメモリ151を確認するだけで、不具合の解析を行うことができる。ただし、ドラムメモリ151は、ドラムカートリッジ1に装着されたトナーカートリッジ2の使用履歴の情報を、記憶可能でなくてもよい。
【0047】
<1-3.トナーカートリッジの構成>
続いて、トナーカートリッジ2の構成について説明する。以下では、ドラムカートリッジ1に装着された状態におけるトナーカートリッジ2の構成を、上述した第1方向および第2方向を用いて説明する。
【0048】
図5は、トナーカートリッジ2の斜視図である。図5に示すように、トナーカートリッジ2は、ケーシング21、現像ローラ22、複数のギア、カップリング231、ギアカバー232、およびトナー回路基板24を有する。
【0049】
ケーシング21は、トナーを収容可能な筐体である。ケーシング21は、第1外表面211と第2外表面212とを有する。第1外表面211と第2外表面212とは、第1方向に離れている。ケーシング21の内部には、収容室213が設けられている。トナーは、収容室213に収容される。また、ケーシング21は、開口214を有する。開口214は、第1方向および第2方向と交差する第3方向における、ケーシング21の一端に位置する。収容室213とケーシング21の外部空間とは、開口214を介して連通する。
【0050】
現像ローラ22は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。現像ローラ22は、ケーシング21の開口214に位置する。すなわち、現像ローラ22は、第3方向におけるケーシング21の一端に位置する。トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ1に装着されたときには、現像ローラ22の外周面が、感光ドラム11の外周面に接触する。
【0051】
トナーは、収容室213から、現像ローラ22を介して、感光ドラム11の外周面に供給される。その際、現像ローラ22の外周面に担持されたトナーは、感光ドラム11の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ22から感光ドラム11へ移動する。その結果、感光ドラム11の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0052】
複数のギア、カップリング231およびギアカバー232は、ケーシング21の第1外表面211に位置する。ギアカバー232は、ケーシング21の第1外表面211に、例えばねじ止めで固定される。複数のギアの少なくとも一部は、ケーシング21の第1外表面211とギアカバー232との間に位置する。カップリング231は、ギアカバー232から露出する。トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ1が画像形成装置100に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトがカップリング231に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング231および複数のギアを介して、現像ローラ22等に伝達される。
【0053】
トナー回路基板24は、ホルダ25に保持される。ホルダ25は、第1方向において、ケーシング21の第1外表面211とギアカバー232との間に位置する。ただし、ホルダ25は、トナーカートリッジ2の他の位置に配置されていてもよい。また、ホルダ25は、ケーシング21およびギアカバー232に対して、第2方向に移動可能であることが好ましい。
【0054】
トナー回路基板24は、複数の端子242を有する。各端子242は、露出した導体である。ドラムカートリッジ1のトナーカートリッジホルダ121にトナーカートリッジ2が装着されると、トナー回路基板24の各端子242が、第2電気端子14の複数の第2端子141に接触する。本実施形態では、トナー回路基板24の端子242の数は4つである。また、第2電気端子14の第2端子141の数は、4つである。
【0055】
また、トナーカートリッジ2は、記憶媒体であるトナーメモリ241(図5では図示省略。図6参照)を有する。トナーメモリ241は、トナー回路基板24上に位置する。トナーメモリ241には、トナーカートリッジ2に関する種々の情報が記憶される。例えば、トナーメモリ241には、トナーカートリッジ2の識別のための情報およびトナーカートリッジ2の特性を示す情報の、少なくとも1つが記憶される。
【0056】
トナーカートリッジ2の識別のための情報には、例えば、トナーカートリッジ2の製造シリアル番号および純正品であることを示す識別コードの、少なくとも1つが含まれる。トナーカートリッジ2の特性を示す情報には、例えば、トナーカートリッジ2の適合機種、トナーカートリッジ2の仕様、トナーの容量、現像ローラ22の寿命、新品であるかどうかを示す情報、現像ローラ22の回転数、印刷枚数、エラー履歴、の少なくとも1つが含まれる。
【0057】
なお、トナーメモリ241は、トナー回路基板24上に位置していなくてもよい。例えば、トナーメモリ241は、ケーシング21上に位置していてもよい。
【0058】
<1-4.ドラム回路基板について>
続いて、ドラム回路基板15のより詳細な構成について、説明する。図6は、制御部102、ドラム回路基板15、およびトナー回路基板24の間の電気的接続を示したブロック図である。図6に示すように、ドラム回路基板15は、本体側端子31と、トナー側端子32と、中継線33とを有する。
【0059】
<1-4-1.本体側端子について>
本体側端子31は、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、上述した第1電気端子13を介して、制御部102の端子104と、電気的に接続される。これにより、ドラム回路基板15と制御部102とが、電気的に接続される。本体側端子31は、1つの本体側電圧端子31a、1つの本体側接地端子31b、1つの第1本体側クロック端子311c、1つの第2本体側クロック端子312c、1つの第1本体側データ端子311d、および3つの第2本体側データ端子312dを含む。
【0060】
本体側電圧端子31aは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104である電圧端子104aと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15に、電源電圧が供給される。
【0061】
本体側接地端子31bは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104である接地端子104bと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15に、接地電圧が供給される。
【0062】
第1本体側クロック端子311cは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるクロック端子104c(第1クロック端子)と、電気的に接続される。第2本体側クロック端子312cは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるクロック端子104c(第2クロック端子)と、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15に、クロック信号が送信される。
【0063】
第1本体側データ端子311dは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるデータ端子104d(第1データ端子)と、電気的に接続される。第2本体側データ端子312dは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるデータ端子104d(第2データ端子)と、電気的に接続される。これにより、制御部102とドラム回路基板15との間において、種々のデータを示す信号を送受信することが可能となる。
【0064】
<1-4-2.トナー側端子について>
トナー側端子32は、ドラムカートリッジ1のフレーム12にトナーカートリッジ2が装着された状態において、上述した第2電気端子14を介して、トナーカートリッジ2のトナー回路基板24と電気的に接続される。これにより、ドラム回路基板15は、トナー回路基板24と、電気的に接続される。図6に示すように、本実施形態のトナー側端子32の数は、12個である。
【0065】
ドラムカートリッジ1に装着される4つのトナーカートリッジ2は、1つの第1トナーカートリッジ2Aと、3つの第2トナーカートリッジ2Bとを含む。以下では、第1トナーカートリッジ2Aのトナー回路基板24を第1トナー回路基板24Aと称し、第2トナーカートリッジ2Bのトナー回路基板24を第2トナー回路基板24Bと称する。また、以下では、第1トナーカートリッジ2Aのトナーメモリ241を第1トナーメモリ241Aと称し、第2トナーカートリッジ2Bのトナーメモリ241を第2トナーメモリ241Bと称する。
【0066】
トナー側端子32は、1つの第1トナー側電圧端子321a、1つの第1トナー側接地端子321b、1つの第1トナー側クロック端子321c、1つの第1トナー側データ端子321d、3つの第2トナー側電圧端子322a、3つの第2トナー側接地端子322b、3つの第2トナー側クロック端子322c、および3つの第2トナー側データ端子322dを含む。
【0067】
第1トナー側電圧端子321a、第1トナー側接地端子321b、第1トナー側クロック端子321c、および第1トナー側データ端子321dは、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー回路基板24Aと電気的に接続される。第2トナー側電圧端子322a、第2トナー側接地端子322b、第2トナー側クロック端子322c、および第2トナー側データ端子322dは、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第2トナーカートリッジ2Bが装着された状態において、第2トナー回路基板24Bと電気的に接続される。
【0068】
第1トナー側電圧端子321aは、後述する電圧中継線33aを介して、本体側電圧端子31aと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー側電圧端子321aは、第1トナー回路基板24Aの電圧端子242aと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第1トナー回路基板24Aに、電源電圧が供給される。
【0069】
第1トナー側接地端子321bは、後述する接地中継線33bを介して、本体側接地端子31bと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー側接地端子321bは、第1トナー回路基板24Aの接地端子242bと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第1トナー回路基板24Aに、接地電圧が供給される。
【0070】
第1トナー側クロック端子321cは、後述する第1クロック中継線331cを介して、第1本体側クロック端子311cと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー側クロック端子321cは、第1トナー回路基板24Aのクロック端子242cと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第1トナー回路基板24Aに、クロック信号が送信される。
【0071】
第1トナー側データ端子321dは、後述する第1データ中継線331dを介して、第1本体側データ端子311dと、電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー側データ端子321dは、第1トナー回路基板24Aのデータ端子242dと、電気的に接続される。これにより、制御部102と第1トナー回路基板24Aとの間で、ドラム回路基板15を介して、種々のデータを示す信号を送受信することが可能となる。
【0072】
第2トナー側電圧端子322aは、後述する電圧中継線33aを介して、本体側電圧端子31aと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第2トナーカートリッジ2Bが装着された状態において、第2トナー側電圧端子322aは、第2トナー回路基板24Bの電圧端子242aと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第2トナー回路基板24Bに、電源電圧が供給される。
【0073】
第2トナー側接地端子322bは、後述する接地中継線33bを介して、本体側接地端子31bと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第2トナーカートリッジ2Bが装着された状態において、第2トナー側接地端子322bは、第2トナー回路基板24Bの接地端子242bと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第2トナー回路基板24Bに、接地電圧が供給される。
【0074】
第2トナー側クロック端子322cは、後述する第1クロック中継線331cを介して、第1本体側クロック端子311cと電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第2トナーカートリッジ2Bが装着された状態において、第2トナー側クロック端子322cは、第2トナー回路基板24Bのクロック端子242cと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15を介して第2トナー回路基板24Bに、クロック信号が送信される。
【0075】
第2トナー側データ端子322dは、後述する第2データ中継線332dを介して、第2本体側データ端子312dと、電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第2トナーカートリッジ2Bが装着された状態において、第2トナー側データ端子322dは、第2トナー回路基板24Bのデータ端子242dと、電気的に接続される。これにより、制御部102と第2トナー回路基板24Bとの間で、ドラム回路基板15を介して、種々のデータを示す信号を送受信することが可能となる。
【0076】
<1-4-3.中継線ついて>
中継線33は、1つの電圧中継線33a、1つの接地中継線33b、1つの第1クロック中継線331c、1つの第2クロック中継線332c、1つの第1データ中継線331d、および3つの第2データ中継線332dを含む。
【0077】
電圧中継線33aは、本体側電圧端子31aと、第1トナー側電圧端子321aと、第2トナー側電圧端子322aと、ドラムメモリ151の電圧端子とを、電気的に接続する。
【0078】
電圧中継線33aの一端部は、本体側電圧端子31aと電気的に接続される。電圧中継線33aの他端部は、5つに分岐する。具体的には、電圧中継線33aの他端部は、1つの第1端部と、3つの第2端部と、1つの第3端部とを含む。電圧中継線33aの第1端部は、第1トナー側電圧端子321aと電気的に接続される。電圧中継線33aの第2端部は、第2トナー側電圧端子322aと電気的に接続される。電圧中継線33aの第3端部は、ドラムメモリ151の電圧端子と電気的に接続される。
【0079】
したがって、ドラム回路基板15では、1つの本体側電圧端子31aに入力された電源電圧が、電圧中継線33aを介して、第1トナー側電圧端子321a、3つの第2トナー側電圧端子322a、およびドラムメモリ151へ供給される。このように、本体側電圧端子31aを共通化することによって、本体側端子31の数を減らすことができる。
【0080】
接地中継線33bは、本体側接地端子31bと、第1トナー側接地端子321bと、第2トナー側接地端子322bと、ドラムメモリ151の接地端子とを、電気的に接続する。
【0081】
接地中継線33bの一端部は、本体側接地端子31bと電気的に接続される。接地中継線33bの他端部は、5つに分岐する。具体的には、接地中継線33bの他端部は、1つの第1端部と、3つの第2端部と、1つの第3端部とを含む。接地中継線33bの第1端部は、第1トナー側接地端子321bと電気的に接続される。接地中継線33bの第2端部は、第2トナー側接地端子322bと電気的に接続される。接地中継線33bの第3端部は、ドラムメモリ151の接地端子と電気的に接続される。
【0082】
したがって、ドラム回路基板15では、1つの本体側接地端子31bに入力された接地電圧が、接地中継線33bを介して、第1トナー側接地端子321b、3つの第2トナー側接地端子322b、およびドラムメモリ151へ供給される。このように、本体側接地端子31bを共通化することによって、本体側端子31の数を減らすことができる。
【0083】
第1クロック中継線331cは、第1本体側クロック端子311cと、第1トナー側クロック端子321cと、第2トナー側クロック端子322cとを、電気的に接続する。
【0084】
第1クロック中継線331cの一端部は、第1本体側クロック端子311cと電気的に接続される。第1クロック中継線331cの他端部は、4つに分岐する。具体的には、第1クロック中継線331cの他端部は、1つの第1端部と、3つの第2端部とを含む。第1クロック中継線331cの第1端部は、第1トナー側クロック端子321cと電気的に接続される。第1クロック中継線331cの第2端部は、第2トナー側クロック端子322cと電気的に接続される。
【0085】
したがって、ドラム回路基板15では、1つの第1本体側クロック端子311cに入力されたクロック信号が、第1クロック中継線331cを介して、第1トナー側クロック端子321cおよび3つの第2トナー側クロック端子322cへ送信される。このように、第1本体側クロック端子311cを共通化することによって、本体側端子31の数を減らすことができる。
【0086】
第2クロック中継線332cは、第2本体側クロック端子312cと、ドラムメモリ151のクロック端子とを、電気的に接続する。
【0087】
第2クロック中継線332cの一端部は、第2本体側クロック端子312cと電気的に接続される。第2クロック中継線332cの他端部は、ドラムメモリ151のクロック端子と電気的に接続される。したがって、ドラム回路基板15では、第2本体側クロック端子312cに入力されたクロック信号が、第2クロック中継線332cを介して、ドラムメモリ151へ送信される。
【0088】
第1データ中継線331dは、第1本体側データ端子311dと、第1トナー側データ端子321dと、ドラムメモリ151のデータ端子とを、電気的に接続する。
【0089】
第1データ中継線331dの一端部は、第1本体側データ端子311dと電気的に接続される。第1データ中継線331dの他端部は、2つに分岐する。具体的には、第1データ中継線331dの他端部は、第1端部と第2端部とを含む。第1データ中継線331dの第1端部は、第1トナー側データ端子321dと電気的に接続される。第1データ中継線331dの第2端部は、ドラムメモリ151のデータ端子と電気的に接続される。
【0090】
本実施形態では、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信と、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信とを、第1データ中継線331dを介して行う。このようにすれば、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信と、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信とを、別々のデータ中継線を介して行う場合よりも、本体側端子31の数を減らすことができる。
【0091】
第2データ中継線332dは、第2本体側データ端子312dと、第2トナー側データ端子322dとを、電気的に接続する。
【0092】
具体的には、ドラム回路基板15は、3本の第2データ中継線332dを有する。第2データ中継線332dの一端部は、1つの第2本体側データ端子312dと電気的に接続される。第2データ中継線332dの他端部は、1つの第2トナー側データ端子322dと電気的に接続される。すなわち、第2データ中継線332dは、第2本体側データ端子312dと第2トナー側データ端子322dとを、1対1に接続する。
【0093】
本実施形態では、制御部102とトナーメモリ241との間のデータ通信を、I2C(Inter-Integrated Circuit)方式で行う。また、本実施形態では、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信も、I2C方式で行う。I2C方式は、クロック信号に同期させてデータの送信を行う。このため、制御部102とトナーメモリ241との間には、データ線とは別に、クロック信号を送信するための信号線が必要となる。制御部102とドラムメモリ151との間にも、データ線とは別に、クロック信号を送信するための信号線が必要となる。
【0094】
ただし、本実施形態では、制御部102から4つのトナーメモリ241へのクロック信号の送信は、共通の第1クロック中継線331cを介して行う。すなわち、制御部102から第1トナーメモリ241Aへのクロック信号の送信と、制御部102から第2トナーメモリ241Bへのクロック信号の送信とは、共通の第1クロック中継線331cを介して行う。これにより、制御部102から第1トナーメモリ241Aへのクロック信号の送信と、制御部102から第2トナーメモリ241Bへのクロック信号の送信とを、別々の中継線を介して行う場合よりも、本体側端子31の数を減らすことができる。
【0095】
また、本実施形態では、制御部102からドラムメモリ151へのクロック信号の送信は、第1クロック中継線331cとは別の第2クロック中継線332cを介して行う。すなわち、制御部102から4つのトナーメモリ241へのクロック信号の送信と、制御部102からドラムメモリ151へのクロック信号の送信とは、別々の中継線を介して行う。これにより、制御部102が、トナーメモリ241およびドラムメモリ151のいずれか一方へアクセスしている時に、トナーメモリ241およびドラムメモリ151の他方が誤動作することを抑制できる。
【0096】
<1-4-4.ドラム回路基板による情報の中継について>
このように、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ1が、画像形成装置100の本体ケーシング101に装着された状態において、制御部102とトナー回路基板24とは、ドラム回路基板15を介して電気的に接続される。このため、ドラム回路基板15は、制御部102とトナー回路基板24との間で、情報を中継することが可能である。
【0097】
例えば、ドラム回路基板15は、トナーメモリ241に記憶された情報を、第2ハーネス17およびトナー側端子32を介して取得し、取得した情報を、本体側端子31および第1ハーネス16を介して制御部102へ出力することができる。また、ドラム回路基板15は、制御部102から供給される情報を、第1ハーネス16および本体側端子31を介して取得し、取得した情報を、トナー側端子32および第2ハーネス17を介してトナー回路基板24へ出力することもできる。
【0098】
このように、制御部102とトナー回路基板24とを、ドラム回路基板15により中継すれば、制御部102に対して、ドラム回路基板15とトナー回路基板24とを、それぞれ直接接続する場合よりも、端子の数を減らすことができる。例えば、図6のように、ドラム回路基板15のドラムメモリ151とトナー回路基板24のトナーメモリ241とへ供給すべき電源電圧を、1つの本体側電圧端子31aから出力できる。また、図6のように、ドラム回路基板15のドラムメモリ151とトナー回路基板24のトナーメモリ241とへ供給すべき接地電圧を、1つの本体側接地端子31bから出力できる。
【0099】
特に、本実施形態のように、トナー回路基板24が複数存在する場合、制御部102と複数のトナー回路基板24とを、ドラム回路基板15により中継することによって、端子の数をより減らすことができる。例えば、図6のように、複数のトナー回路基板24へ供給すべき電源電圧を、1つの本体側電圧端子31aから出力できる。また、図6のように、複数のトナー回路基板24へ供給すべき接地電圧を、1つの本体側接地端子31bから出力できる。また、図6のように、複数のトナー回路基板24へ送信すべきクロック信号を、1つの第1本体側クロック端子311cから出力できる。
【0100】
<1-5.データ通信時の動作>
続いて、制御部102が行うデータ通信の処理について説明する。図7は、制御部102がドラムメモリ151および第1トナーメモリ241Aに対して行うデータ通信の処理の流れを示したフローチャートである。
【0101】
図7に示すように、制御部102において、第1トナーメモリ241Aへのデータ通信の指令が発生した場合(ステップS1)、制御部102は、まず、ドラムメモリ151とデータ通信中であるか否かを判定する(ステップS2)。制御部102は、ドラムメモリ151とデータ通信中である判定した場合(ステップS2:Yes)、ドラムメモリ151とのデータ通信が完了するのを待つ(ステップS3)。すなわち、制御部102は、ドラムメモリ151とのデータ通信が完了するまで、ステップS2~S3を繰り返す。
【0102】
制御部102は、ドラムメモリ151とのデータ通信が完了したと判定した場合(ステップS2:No)、次に、ドラムメモリ151への次のデータ通信の指令が発生しているか否かを判定する(ステップS4)。制御部102は、ドラムメモリ151への次のデータ通信の指令が発生していると判定した場合(ステップS4:Yes)、ドラムメモリ151とのデータ通信を開始する(ステップS5)。すなわち、制御部102は、上述した第1データ中継線331dを介して、ドラムメモリ151に対するデータ通信を行う。その後、制御部102は、ドラムメモリ151に対するデータ通信を完了させる(ステップS6)。
【0103】
そして、制御部102は、ステップS4においてドラムメモリ151への次のデータ通信の指令が発生していないと判定した場合、または、ステップS6においてドラムメモリ151に対するデータ通信が完了した場合、第1トナーメモリ241Aに対するデータ通信を開始する(ステップS7)。すなわち、制御部102は、上述した第1データ中継線331dを介して、第1トナーメモリ241Aに対するデータ通信を行う。その後、制御部102は、第1トナーメモリ241Aに対するデータ通信を完了させる(ステップS8)。
【0104】
上記のように、本実施形態では、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信と、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信とを、第1データ中継線331dを介して行う。このため、制御部102は、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信と、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信とを、同時に行わない。すなわち、制御部102は、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信と、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信とを、異なる時間に行う。
【0105】
また、上記のように、制御部102は、制御部102とドラムメモリ151との間で第1データ中継線331dを介してデータ通信を行っている時に、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信の指令が発生した場合、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信が完了した後に、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間で第1データ中継線331dを介してデータ通信を行う。
【0106】
図6のように、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間の配線長よりも、制御部102とドラムメモリ151との間の配線長の方が短い。したがって、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信よりも、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信の方が、外乱の影響を受けにくい。つまり、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信よりも、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信の方が、ノイズが生じにくいので、通信が失敗しにくい。このため、図7の例では、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信よりも、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信を優先している。これにより、通信の失敗によるリトライの発生を減らすことができる。
【0107】
<2.第2実施形態>
図8は、第2実施形態の制御部102、ドラム回路基板15、および4つのトナー回路基板24の間の電気的接続を示したブロック図である。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同等の点については、重複説明を省略する。
【0108】
図6図8を比較すると、ドラム回路基板15における本体側端子31の数、トナー側端子32の数、および中継線33の配線は、同一である。このため、図6のドラム回路基板15と図8のドラム回路基板15を異なる仕向けで作製する場合、ドラム回路基板15の部品を共通化できる。
【0109】
上記の第1実施形態では、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信も、制御部102とトナーメモリ241との間のデータ通信も、I2C方式で行っていた。これに対し、第2実施形態では、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信は、I2C方式で行うが、制御部102とトナーメモリ241との間のデータ通信は、SWI(Single-Wire Interface)方式で行う。SWI方式は、1本のデータ線により、同期をとるための信号の送信と、データの送信とを行う方式である。このため、図8の例では、4つのトナー回路基板24が、いずれも、クロック端子242cを有していない。
【0110】
<2-1.本体側端子について>
本実施形態では、ドラム回路基板15の本体側端子31が、1つの本体側電圧端子31a、1つの本体側接地端子31b、1つの本体側クロック端子31c、1つの第1本体側データ端子311d、3つの第2本体側データ端子312d、および1つの第3本体側データ端子313d、を含む。
【0111】
本体側電圧端子31aおよび本体側接地端子31bについては、第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。
【0112】
第1実施形態で第2本体側クロック端子312cとして使用していた本体側端子31を、第2実施形態では、本体側クロック端子31cとして使用する。本体側クロック端子31cは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるクロック端子104cと、電気的に接続される。これにより、制御部102からドラム回路基板15に、クロック信号が送信される。
【0113】
第1実施形態で第1本体側データ端子311dとして使用していた本体側端子31を、本実施形態では、第3本体側データ端子313dとして使用する。また、第1実施形態で第1本体側クロック端子311cとして使用していた本体側端子31を、本実施形態では、第1本体側データ端子311dとして使用する。
【0114】
第1本体側データ端子311dは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるデータ端子104d(第1データ端子)と、電気的に接続される。第2本体側データ端子312dは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるデータ端子104d(第2データ端子)と、電気的に接続される。第3本体側データ端子313dは、画像形成装置100の本体ケーシング101にドラムカートリッジ1が装着された状態において、制御部102の端子104であるデータ端子104d(第3データ端子)と、電気的に接続される。これにより、制御部102とドラム回路基板15との間において、種々のデータを示す信号を送受信することが可能となる。
【0115】
<2-2.トナー側端子について>
図8に示すように、本実施形態のトナー側端子32の数は、12個である。ただし、本実施形態では、制御部102とトナーメモリ241との間のデータ通信を、SWI方式で行うため、トナー回路基板24へのクロック信号の送信するためのトナー側クロック端子は不要である。したがって、図8において「×」印を付けた4つのトナー側端子32は使用しない。したがって、これらの4つのトナー側端子32を無くすことにより、トナー側端子32の数を減らしてもよい。
【0116】
本実施形態では、ドラム回路基板15のトナー側端子32が、1つの第1トナー側電圧端子321a、1つの第1トナー側接地端子321b、1つの第1トナー側データ端子321d、3つの第2トナー側電圧端子322a、3つの第2トナー側接地端子322b、および3つの第2トナー側データ端子322dを含む。
【0117】
第1トナー側電圧端子321a、第1トナー側接地端子321b、第2トナー側電圧端子322a、第2トナー側接地端子322b、および第2トナー側データ端子322dについては、第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。
【0118】
第1実施形態で第1トナー側データ端子321dとして使用していたトナー側端子32は、本実施形態では使用しない。また、第1実施形態で第1トナー側クロック端子321cとして使用していたトナー側端子32を、本実施形態では、第1トナー側データ端子321dとして使用する。
【0119】
第1トナー側データ端子321dは、後述する第1データ中継線331dを介して、第1本体側データ端子311dと、電気的に接続される。また、ドラムカートリッジ1のフレーム12に第1トナーカートリッジ2Aが装着された状態において、第1トナー側データ端子321dは、第1トナー回路基板24Aのデータ端子242dと、電気的に接続される。これにより、制御部102と第1トナー回路基板24Aとの間で、ドラム回路基板15を介して、種々のデータを示す信号を送受信することが可能となる。
【0120】
<2-3.中継線について>
本実施形態では、ドラム回路基板15の中継線33が、1つの電圧中継線33a、1つの接地中継線33b、1つのクロック中継線33c、1つの第1データ中継線331d、3つの第2データ中継線332d、および1つの第3データ中継線333dを含む。
【0121】
電圧中継線33a、接地中継線33b、および3つの第2データ中継線332dについては、第1実施形態と同等であるため、重複説明を省略する。
【0122】
第1実施形態で第2クロック中継線332cとして使用していた中継線33を、本実施形態では、クロック中継線33cとして使用する。
【0123】
クロック中継線33cは、本体側クロック端子31cと、ドラムメモリ151のクロック端子とを、電気的に接続する。
【0124】
クロック中継線33cの一端部は、本体側クロック端子31cと電気的に接続される。クロック中継線33cの他端部は、ドラムメモリ151のクロック端子と電気的に接続される。したがって、ドラム回路基板15では、本体側クロック端子31cに入力されたクロック信号が、クロック中継線33cを介して、ドラムメモリ151へ送信される。
【0125】
第1実施形態で第1データ中継線331dとして使用していた中継線33を、本実施形態では、第3データ中継線333dとして使用する。
【0126】
第3データ中継線333dは、第3本体側データ端子313dと、ドラムメモリ151のデータ端子とを、電気的に接続する。
【0127】
第3データ中継線333dの一端部は、第3本体側データ端子313dと電気的に接続される。第3データ中継線333dの他端部は、2つに分岐する。具体的には、第3データ中継線333dの他端部は、第1端部と第2端部とを含む。第3データ中継線333dの第1端部は、使用しないトナー側端子32と電気的に接続される。第3データ中継線333dの第2端部は、ドラムメモリ151のデータ端子と電気的に接続される。したがって、第3データ中継線333dは、第3本体側データ端子313dと、ドラムメモリ151のデータ端子とを、1対1に接続する。
【0128】
第1実施形態で第1クロック中継線331cとして使用していた中継線33を、本実施形態では、第1データ中継線331dとして使用する。
【0129】
第1データ中継線331dは、第1本体側データ端子311dと、第1トナー側データ端子321dとを、電気的に接続する。
【0130】
第1データ中継線331dの一端部は、第1本体側データ端子311dと電気的に接続される。第1データ中継線331dの他端部は、4つに分岐する。具体的には、第1データ中継線331dの他端部は、1つの第1端部と、3つの第2端部とを含む。第1データ中継線331dの第1端部は、第1トナー側データ端子321dと電気的に接続される。第1データ中継線331dの第2端部は、使用しないトナー側端子32と電気的に接続される。したがって、第1データ中継線331dは、第1本体側データ端子311dと、第1トナー側データ端子321dとを、1対1に接続する。
【0131】
<2-4.ドラム回路基板による情報の中継について>
本実施形態のドラム回路基板も、制御部102とトナー回路基板24とを中継する。これにより、制御部102に対して、ドラム回路基板15とトナー回路基板24とを、それぞれ直接接続する場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【0132】
特に、本実施形態では、制御部102とトナーメモリ241との間のデータ通信を、SWI方式で行う。このため、ドラム回路基板15は、制御部102からトナーメモリ241へクロック信号を送信するためのクロック中継線を有さない。これにより、ドラム回路基板15が、制御部102からトナーメモリ241へクロック信号を送信するためのクロック中継線を有する場合よりも、端子の数を減らすことができる。
【0133】
また、本実施形態では、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信を、第3データ中継線333dを介して行い、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信を、第1データ中継線331dを介して行う。すなわち、本実施形態では、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信と、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信とを、別々のデータ中継線を介して行う。このため、制御部102とドラムメモリ151との間のデータ通信と、制御部102と第1トナーメモリ241Aとの間のデータ通信とを、共通のデータ中継線を介して行う場合よりも、誤動作を抑制できる。具体的には、制御部102が、ドラムメモリ151および第1トナーメモリ241Aのいずれか一方へアクセスしている時に、ドラムメモリ151および第1トナーメモリ241Aの他方が誤動作することを抑制できる。
【0134】
<3.通信方式の判定について>
画像形成装置100は、第1実施形態のトナーカートリッジ2が装着された第1実施形態のドラムカートリッジ1と、第2実施形態のトナーカートリッジ2が装着された第2実施形態のドラムカートリッジ1とを、選択的に装着可能であってもよい。
【0135】
第1実施形態のトナーカートリッジ2が装着された第1実施形態のドラムカートリッジ1が、画像形成装置100に装着された場合、制御部102は、トナーメモリ241との間のデータ通信を、I2C方式で行う。第2実施形態のトナーカートリッジ2が装着された第2実施形態のドラムカートリッジ1が、画像形成装置100に装着された場合、制御部102は、トナーメモリ241との間のデータ通信を、SWI方式で行う。
【0136】
このため、制御部102は、トナーメモリ241との間のデータ通信の方式が、I2C方式およびSWI方式のいずれであるかを、判定する必要がある。そこで、ドラムメモリ151に、制御部102とトナーメモリ241(例えば、第1トナーメモリ241A)との間のデータ通信の方式を示す通信方式情報を、記憶させてもよい。そうすれば、制御部102は、ドラムメモリ151に記憶された通信方式情報により示される方式で、トナーメモリ241との間のデータ通信を行うことができる。
【0137】
また、本体メモリ106は、トナーメモリ241との間でI2C方式によるデータ通信を行うため第1アドレスと、トナーメモリ241との間でSWI方式によるデータ通信を行うための第2アドレスと、を記憶していてもよい。そして、制御部102は、図9に示す手順で、トナーメモリ241との間のデータ通信の方式を判定してもよい。
【0138】
図9の例では、まず、制御部102が、ドラムメモリ151へ、第1アドレスおよび第2アドレスを送信する(ステップS11)。ドラムメモリ151に記憶された通信方式情報がI2C方式を示す場合、ドラムメモリ151は、第1アドレスを受信すると通信可能を示す信号を制御部102へ返信し、第2アドレスを受信すると、通信不能を示す信号を制御部102へ返信する。また、ドラムメモリ151に記憶された通信方式情報がSWI方式を示す場合、ドラムメモリ151は、第1アドレスを受信すると通信不能を示す信号を制御部102へ返信し、第2アドレスを受信すると、通信可能を示す信号を制御部102へ返信する。
【0139】
このように、ドラムメモリ151は、第1アドレスおよび第2アドレスのうちのいずれか1つに反応して、通信可能を示す信号を制御部102へ返信する(ステップS12)。制御部102は、第1アドレスおよび第2アドレスのうち、通信可能を示す信号が返信されたアドレスに対応する通信方式で、トナーメモリ241との間のデータ通信を行う(ステップS13)。
【0140】
<4.変形例>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0141】
上記の各実施形態における構造、回路構成、および処理手順は、あくまで例示である。上記の各実施形態に登場した種々の要素を、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、他の公知の要素に置き換えてもよい。また、上記の各実施形態に登場した種々の要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 ドラムカートリッジ
2 トナーカートリッジ
2A 第1トナーカートリッジ
2B 第2トナーカートリッジ
11 感光ドラム
15 ドラム回路基板
24 トナー回路基板
24A 第1トナー回路基板
24B 第2トナー回路基板
31 本体側端子
31a 本体側電圧端子
31b 本体側接地端子
31c 本体側クロック端子
32 トナー側端子
33 中継線
33a 電圧中継線
33b 接地中継線
33c クロック中継線
100 画像形成装置
102 制御部
151 ドラムメモリ
241 トナーメモリ
241A 第1トナーメモリ
241B 第2トナーメモリ
311c 第1本体側クロック端子
311d 第1本体側データ端子
312c 第2本体側クロック端子
313d 第3本体側データ端子
312d 第2本体側データ端子
321a 第1トナー側電圧端子
321b 第1トナー側接地端子
321c 第1トナー側クロック端子
321d 第1トナー側データ端子
322a 第2トナー側電圧端子
322b 第2トナー側接地端子
322c 第2トナー側クロック端子
322d 第2トナー側データ端子
331c 第1クロック中継線
331d 第1データ中継線
332c 第2クロック中継線
332d 第2データ中継線
333d 第3データ中継線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9