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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122330
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】用紙積載装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/34 20060101AFI20240902BHJP
   B41J 11/66 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B65H31/34
B41J11/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029813
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】武元 永
【テーマコード(参考)】
2C058
3F054
【Fターム(参考)】
2C058AF51
2C058AF54
2C058LA18
2C058LB09
2C058LB10
2C058LB17
2C058LC02
2C058LC28
3F054AA01
3F054BA02
3F054BE02
3F054BE04
3F054BE09
3F054BF12
3F054BH03
3F054BH05
3F054BH07
3F054BH14
3F054BH29
3F054BJ06
3F054BJ12
3F054CA11
3F054CA23
3F054CA35
3F054DA04
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、排出される用紙を受けて積重ねる載置部上に積載される単票用紙の揃え性能を向上させることができ、又、積載する用紙の仕様に応じたガイド位置が簡単且つ、確実に設定できる用紙積載装置を提供することである。
【解決手段】突き当てガイドは、少なくとも、サイドガイドの用紙搬送方向長さの範囲内において、サイドガイドと交差しながら用紙搬送方向に移動可能に構成されている
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて積み重ねる載置部を備える、用紙積載装置において、
前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の前端を規制する突き当てガイドと、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制すると共に、用紙搬送幅方向の位置が変更可能なサイドガイドと、を備えており、
前記突き当てガイドは、少なくとも、前記サイドガイドの用紙搬送方向長さの範囲内において、前記サイドガイドと交差しながら用紙搬送方向に移動可能に構成されている、ことを特徴とする用紙積載装置。
【請求項2】
前記突き当てガイドは、前記排出される単票用紙の前端部が当接するように垂直方向に設けられた複数の棒状のガイド部材で構成され、
前記複数の棒状のガイド部材は、前記単票用紙の排出方向と直角の方向に沿って配列されてなる、ことを特徴とする請求項1に記載の用紙積載装置。
【請求項3】
前記サイドガイドを、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う、ガイド制御部を備えている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の用紙積載装置。
【請求項4】
前記ジョガー動作における前記サイドガイドの往復移動の最大幅は、スリッター処理部により裁断線間に形成されるスリットドブ幅以内に設定される、ことを特徴とする請求項3に記載の用紙積載装置。
【請求項5】
用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて積み重ねる載置部を備える、用紙積載装置において、前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制するサイドガイドを備えており、
前記サイドガイドは、前記載置部において、用紙搬送方向に1列又は複数列に積み重ねられる前記単票用紙の間及び両端にそれぞれ一つずつ配置されており、
前記サイドガイドを所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う、ガイド制御部を有し、
前記ガイド制御部は、前記単票用紙が2列以上の複数列で排出される場合は、前記単票用紙の列数に基づき、前記単票用紙の左右に位置するサイドガイドの対を複数組に分けて任意に選定しながら、順次、前記ジョガー動作を行うように制御する、ことを特徴とする用紙積載装置。
【請求項6】
前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の前端を規制する突き当てガイドを更に備えている、ことを特徴とする請求項5に記載の用紙積載装置。
【請求項7】
用紙を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される用紙に所定の処理を施す処理部と、前記処理部によって処理されて前記搬送部によって排出口から排出された処理済用紙を積載する用紙積載装置と、を備えている、用紙処理装置において、
前記処理部が、用紙を搬送方向に沿って裁断する裁断部を含んでおり、
前記用紙積載装置が、前記裁断部によって処理された処理済用紙の積み重ね時に、前記処理済用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制するサイドガイドを含んでおり、
用紙をどのように裁断するかについての裁断情報を入力する裁断情報入力部を更に備え、
ガイド制御部は、前記裁断情報に基づいて、前記サイドガイドを前記用紙搬送幅方向に移動させて、前記サイドガイドの位置を設定するように制御する、ことを特徴とする用紙処理装置。
【請求項8】
前記用紙積載装置は、前記処理済用紙の積み重ね時に、前記処理済用紙の前端を規制する突き当てガイドを更に含んでおり、
前記ガイド制御部は、前記裁断情報に基づいて、前記突き当てガイドを前記用紙搬送方向に移動させて、前記突き当てガイドの位置を設定する、ことを特徴とする請求項7に記載の用紙処理装置。
【請求項9】
用紙の位置マークを読取る読取り部を備え、前記ガイド制御部は、前記読取り部により読取った前記位置マークの位置に基づいて、前記突き当てガイド及びサイドガイドの設定された位置を調整するように制御する、ことを特徴とする請求項8に記載の用紙処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出される用紙を受けて積重ねる載置部を有する用紙積載装置に関するものであって、具体的には、用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて、そのままの区分け状態で載置部に積み重ねる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加工処理装置から単票状態で排出される用紙を積み重ねる装置としては、コンベアスタッカが知られている。コンベアスタッカは、加工処理装置から排出された裁断加工後の単票用紙を、ベルトコンベアによってゆっくり搬送し、その端部に設けたスタッカに斜めに立てた状態で、単票用紙をさしみ状に積み重ねるようにした装置である。又、下記特許文献1には、紙切断装置から排出される切断用紙の用紙積載装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-95421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記コンベアスタッカについては、操作者は、スタッカにさしみ状に積重ねられた単票用紙を所定枚数単位で揃えるのが手間である。
【0005】
又、前記特許文献1に開示される用紙積載装置(紙積載装置)については、仕切板と側板によって紙の搬送方向の位置を定め、ストッパ板によって紙の搬送方向に垂直な位置を定めることで、紙切断装置から排出される複数列の切断用紙を、所定の場所に順次整列状態で積載することができる為、積載用紙の揃え性能が向上する。しかし、前記用紙積載装置においては、側板とストッパ板の設置位置が固定の為、積載する用紙の仕様に柔軟に対応することができない。これについては、例えば、側板とストッパ板の設置位置を単純に可動式にしたとしても、用紙サイズによっては、側板とストッパ板が相互に干渉し、用紙の仕様に柔軟に対応できない場合がある。すなわち、成果物として、大きな用紙サイズの紙揃えを良くするためには、ある一定以上の搬送方向長さのサイドガイドが必要となるが、その位置関係で、側板とストッパ板を設計すると、成果物の搬送方向長さがサイドガイドの搬送方向長さより短い場合は、成果物の幅サイズによっては、側板とストッパ板が相互に干渉してガイド位置を適正に設定できないことになる。
単純に、用紙サイズに拘わらず、側板とストッパ板が相互に干渉しないような位置関係にすると、相互に隙間ができる為に、積載用紙の前後左右両方向の揃え性能が十分に確保できないという問題が発生する。
【0006】
本発明の目的は、前記従来技術の課題に鑑み、排出される用紙を受けて積重ねる載置部上に積載される単票用紙の揃え性能を向上させることができ、又、積載する用紙の仕様に応じたガイド位置が簡単且つ、確実に設定できる用紙積載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて積み重ねる載置部を備える、用紙積載装置において、
前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の前端を規制する突き当てガイドと、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制すると共に、用紙搬送幅方向の位置が変更可能なサイドガイドと、を備えており、前記突き当てガイドは、少なくとも、前記サイドガイドの用紙搬送方向長さの範囲内において、前記サイドガイドと交差しながら用紙搬送方向に移動可能に構成されている、ことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の用紙積載装置において、前記突き当てガイドは、前記排出される単票用紙の前端部が当接するように垂直方向に設けられた複数の棒状のガイド部材で構成され、前記複数の棒状のガイド部材は、前記単票用紙の排出方向と直角の方向に沿って配列されてなる、ことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の用紙積載装置において、前記サイドガイドを、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う、ガイド制御部を備えている、ことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の用紙積載装置において、前記ジョガー動作における前記サイドガイドの往復移動の最大幅は、スリッター処理部により裁断線間に形成されるスリットドブ幅以内に設定される、ことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて積み重ねる載置部を備える、用紙積載装置において、前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制するサイドガイドを備えており、前記サイドガイドは、前記載置部において、用紙搬送方向に1列又は複数列に積み重ねられる前記単票用紙の間及び両端にそれぞれ一つずつ配置されており、前記サイドガイドを所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、前記単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う、ガイド制御部を有し、前記ガイド制御部は、前記単票用紙が2列以上の複数列で排出される場合は、前記単票用紙の列数に基づき、前記単票用紙の左右に位置するサイドガイドの対を複数組に分けて任意に選定しながら、順次、前記ジョガー動作を行うように制御する、ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の用紙積載装置において、前記載置部は、前記単票用紙の積み重ね時に、前記単票用紙の前端を規制する突き当てガイドを更に備えている、ことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7記載の発明は、用紙を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される用紙に所定の処理を施す処理部と、前記処理部によって処理されて前記搬送部によって排出口から排出された処理済用紙を積載する用紙積載装置と、を備えている、用紙処理装置において、前記処理部が、用紙を搬送方向に沿って裁断する裁断部を含んでおり、前記用紙積載装置が、前記裁断部によって処理された処理済用紙の積み重ね時に、前記処理済用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を規制するサイドガイドを含んでおり、 用紙をどのように裁断するかについての裁断情報を入力する裁断情報入力部を更に備え、ガイド制御部は、前記裁断情報に基づいて、前記サイドガイドを前記用紙搬送幅方向に移動させて、前記サイドガイドの位置を設定するように制御する、ことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の用紙積載装置において、前記用紙積載装置は、前記処理済用紙の積み重ね時に、前記処理済用紙の前端を規制する突き当てガイドを更に含んでおり、前記ガイド制御部は、前記裁断情報に基づいて、前記突き当てガイドを前記用紙搬送方向に移動させて、前記突き当てガイドの位置を設定する、ことを特徴とするものである。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の用紙積載装置において、用紙の位置マークを読取る読取り部を備え、前記ガイド制御部は、前記読取り部により読取った前記位置マークの位置に基づいて、前記突き当てガイド及びサイドガイドの設定された位置を調整するように制御する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、突き当てガイドは、少なくとも、サイドガイドの用紙搬送方向長さの範囲内において、サイドガイドと交差しながら用紙搬送方向に移動可能に構成されている為、大きな用紙サイズから小さな用紙サイズまで双方のガイドで規制されるようなガイド位置が確実に設定でき、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、突き当てガイドは、排出される単票用紙の前端部が当接するように垂直方向に設けられた複数の棒状のガイド部材で構成され、複数の棒状のガイド部材は、単票用紙の排出方向と直角の方向に沿って配列されてなる為、簡易な構成で、突き当てガイドは、サイドガイドと交差しながら用紙搬送方向に移動できる。したがって、大きな用紙サイズから小さな用紙サイズまで双方のガイドで規制されるようなガイド位置が確実に設定でき、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、サイドガイドを、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う、ガイド制御部を備えている為、さらに、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、ジョガー動作におけるサイドガイドの往復移動の最大幅は、スリッター処理部により裁断線間に形成されるスリットドブ幅以内に設定される為、必要以上のジョガー動作を制限することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、ガイド制御部は、単票用紙が2列以上の複数列で排出される場合は、単票用紙の列数に基づき、単票用紙の左右に位置するサイドガイドの対を複数組に分けて任意に選定しながら、順次、ジョガー動作を行うように制御する為、対象となるすべての単票用紙に対して確実にジョガー動作を行うことができる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、載置部は、単票用紙の積み重ね時に、単票用紙の前端を規制する突き当てガイドを更に備えている為、さらに、載置部における単票用紙の揃えが良好となる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、ガイド制御部は、裁断情報に基づいて、サイドガイドを用紙搬送幅方向に移動させて、サイドガイドの位置を設定するように制御する為、積載する用紙の仕様に応じたガイド位置が簡単且つ、確実に設定できる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、ガイド制御部は、裁断情報に基づいて、突き当てガイドを用紙搬送方向に移動させて、突き当てガイドの位置を設定する為、積載する用紙の仕様に応じたガイド位置が簡単且つ、確実に設定できる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、用紙の位置マークを読取る読取り部を備え、ガイド制御部は、読取り部により読取った位置マークの位置に基づいて、突き当てガイド及びサイドガイドの設定された位置を調整するように制御する為、用紙に対する印刷位置のばらつきが大きい場合でも、単票用紙の揃えが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態にかかる加工処理装置Dの概略構成を示す縦断面図である。
図2】シートの加工処理パターンの一例を示す平面図である。
図3】用紙区分け装置2の全体斜視図である。
図4】集積移送部91の斜視図である。
図5】集積移送部91の斜視図である。
図6】集積移送部91の斜視図である。
図7】用紙区分け装置2の区分け動作の様子を示す模式図である。
図8】用紙区分け装置2の区分け動作の様子を示す模式図である。
図9】集積移送部91の他の実施例である。
図10】突き当てガイド93における一つのガイド部材の縦断面図である。
図11図10におけるガイドフォルダ部の横断面図(A-A断面図)である。
図12】突き当てガイド93における要部拡大図である。
図13図2の処理内容の場合の裁断位置とサイドガイドとの関係を示す図である。
図14】単票用紙の列数が1の場合のジョガー動作を示す略図である。
図15】単票用紙の列数が2の場合のジョガー動作を示す略図である。
図16】単票用紙の列数が3の場合のジョガー動作を示す略図である。
図17】加工処理装置Dの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔加工処理装置Dの全体構成〕
本発明にかかる加工処理装置Dの概略全体構成を、図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、シートSを搬送する搬送部4の搬送方向Fに直交する方向を幅方向Wとし、搬送方向F上流側から下流側を見たときの右側を装置の右側、左側を装置の左側と称する。図1は本発明に係る加工処理装置Dの模式縦断面図である。この図1において、加工処理装置Dは、装置本体1のシートS(単票用紙)の搬送方向Fの上流端部に供給部3を備え、搬送方向Fの下流端部に加工処理後の単票用紙Qを載置する用紙区分け装置2を備え、該供給部3と用紙区分け装置2との間に、略水平な搬送路5が構成されている。
【0027】
尚、本発明において、用紙積載装置としての用紙区分け装置2とは、少なくとも、単に、用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて、そのままの区分け状態で積み重ねる装置又は、用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙を受けて区分け単位で積み重ねた後、前記積み重ねた後の積載単票用紙毎に、下流側に連続的に移送する集積移送部91を備える装置の両方の装置を含むものである。
尚、本願で言う用紙とは、主として紙製品であるが、純な紙製に限定するものではなく各種プラスチックシート類やフィルム類も用紙という文言に含むものである。
【0028】
搬送路5には、上下一対の搬送ローラ9~17が複数設置された搬送部4を備えている。搬送ローラ9~17は、搬送方向Fに間隔をおいて配置される。搬送部4を構成する各搬送ローラ9~17は、図示しない動力伝達機構を介して搬送駆動部41~44にそれぞれ連結されており、各搬送駆動部41~44は制御部45に電気的に接続されている。
【0029】
搬送路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部24が設置されている。図1では、加工処理部24として、裁断部19及び搬送方向Fに直交する折り目を形成するクリース処理部21が設けられている。裁断部19は、3つのスリッター処理部20と、カッター処理部22とにより構成される。
【0030】
スリッター処理部20、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各処理部20,21,22の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部24と取り替えたり、追加したりすることができる。
【0031】
スリッター処理部20の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部20の下流側には、裁ち屑落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、裁ち屑回収部23が配置されている。
【0032】
搬送路5には、さらに、シートSの前端縁(下流側端縁)Sfあるいは後端(上流側端縁)Srを検出する複数の光透過式の検出部31~35が配置されており、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62と供給ローラ8との間に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部20の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部20の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置され、最も下流側の第5検出部35は、スタッカ部2の上流側近傍に配置されている。
【0033】
第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62により吸引搬送されたシートSが、供給ローラ8で把持される前の段階にあるシートSの前端縁Sf、又は供給ローラ8により把持され、搬送されるシートSの後端縁Srを検出し、検出したシートSの位置を基準にして、その後搬送路5上で搬送されているシートSの位置の算出に用いられる。
【0034】
第2検出部32及び第3検出部33は、加工途中のシートSの詰まりを検出する。第4検出部34は、搬送路5が長くなって搬送路5上の加工途中のシートSの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。第5検出部35は、用紙区分け装置2への加工処理後の単票用紙Qの排出を検出する。また、第5検出部35は、用紙区分け装置2での単票用紙Qのジャム等を検出する。
【0035】
[供給部3]
供給部3は、供給台61、供給ローラ8、吸引搬送部62及び分離送風部63を備える。供給台61は、シートSが積載され、該シートSを搬送路5へ供給するために設けられる。供給台61は、図示しない昇降手段により昇降可能となっている。昇降手段は、シートSの供給の際、最上位のシートSが吸引搬送部62によって吸引搬送され、搬送路5へ供給可能な所定の高さの供給位置まで、待機位置から供給台61を上昇させる。よって、供給台61は、待機位置と供給位置との間で移動可能となっている。
【0036】
供給ローラ8は、上下一対設置される。吸引搬送部62は、吸引ファン67、搬送ベルト64及びベルトローラ65を備える。供給部3では、供給台61上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送部62及び上下一対の供給ローラ8を用いて、上から順に、一枚ずつ搬送路5に供給する。
【0037】
分離送風部63は、供給台61上のシートSの前端縁Sfに向けて図示しないファンにより送風し、積載された複数のシートSから最上位のシートSを分離して吸引搬送部62に吸着させ、搬送させる。一方のベルトローラ65、及び供給ローラ8のうち下方の供給ローラ81は、給紙用駆動部47に接続される。分離送風部63、吸引ファン67及び給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。
【0038】
[読取部26]
読取部26は、図2に示すようなシートSの前端隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出する。また、読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う入力部として構成することもできる。具体的には、図2に示すようなシートSの前端部に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得する。読取部26は、CCDセンサー等により構成される。
【0039】
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
【0040】
[スリッター処理部20]
スリッター処理部20は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転式切断刃からなる裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。裁断刃36は、搬送部4の搬送方向Fに交差する交差方向に移動可能に設置され、搬送されるシートSの所定位置に所定の加工処理を施す加工部材を構成する。加工部材を駆動する加工部材駆動部としての回転駆動部48の駆動力で、搬送路5の上側または下側のいずれか一方の裁断刃36を回転させ、他方の裁断刃36を従動回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。
【0041】
[クリース処理部21]
クリース処理部21は、上端凹部を有する下型39と、前記凹部に嵌合する下端凸部を有する上型38とを備えており、前記上型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で上型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに折り目を形成する。
【0042】
[カッター処理部22]
カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する一対の裁断刃69を備える。一方の裁断刃69は上側可動刃71により、他方の裁断刃69は下側固定刃73により構成されており、上側可動刃71が下側固定刃73に対し接触離間し、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに裁断を行い、シートSに対して裁断線Kを形成する。上側可動刃71は、動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
【0043】
[用紙区分け装置2]
用紙区分け装置2は、集積移送部91とスタッカ部92から構成され、集積移送部91は、装置本体1(加工処理部)から連続的に排出される加工処理後の単票用紙Qを載置部95で受けて区分け単位で積み重ねた後、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´毎に、下流側に連続的に移送する。前記区分け単位で積み重ねた単票用紙Qは、以後積載単票用紙Q´と呼ぶ。又、スタッカ部92は、集積移送部91の下流側に配置され、集積移送部91から移送されてくる積載単票用紙Q´を、載置面上の異なる位置に区分けして連続的に積載する。詳しくは、集積移送部91には、回動する複数のローラ94(駆動ローラ)上に積載単票用紙Q´を積載する搬送ローラが設けられる。又、スタッカ部92には、積載単票用紙Q´を載置面上の異なる位置に区分けして積載可能な載置部83が設けられる。載置部83には、周回走行するベルト85上に積載単票用紙Q´を積載するベルトコンベア86が設けられる。ベルトコンベア86上には、集積移送部91より移送された積載単票用紙Q´が搬送されつつ載置される。尚、集積移送部91は、図9に示すように、前記回動する複数のローラ94に替えてベルトコンベア88により構成されるようにしてもよい。
【0044】
集積移送部91とスタッカ部92とは、互いに独立駆動されることにより、積載単票用紙Q´を搬送する。ローラ駆動部40は制御部45に電気的に接続され、制御部45がローラ駆動部40の駆動量を制御することで、複数のローラ94は、所定速度で走行するよう調整される。又、コンベア駆動部51は制御部45に電気的に接続され、制御部45がコンベア駆動部51の駆動量を制御することで、ベルトコンベア86は、所定速度で走行するよう調整される。又、用紙区分け装置2は、その他の駆動部として、載置部95における突き当てガイド93とサイドガイド961~964を駆動するガイド駆動部52を有し、ガイド駆動部52は制御部45に電気的に接続される。
【0045】
用紙区分け装置2の具体的な構成及び動作については、後述することにする。
【0046】
[裁ち屑回収部23]
裁ち屑回収部23は、裁ち屑収容箱54及びガイド59、60を備える。裁ち屑収容箱54は、上部開口を有する直方体状に形成される。裁ち屑収容箱54は、裁断部19において切り取られ不要となった裁ち屑Jを回収し、収容する。ガイド59、60は、裁断部19において切り取られ、落下する裁ち屑Jを裁ち屑収容箱54へと案内する。
【0047】
[制御部45]
図17は、加工処理装置Dの電気的構成を示すブロック図である。加工処理装置Dにおける装置本体1には、制御部45が設けられている。制御部45は、演算部451と記憶部452とを備え、加工処理装置D全体の動作を制御する。演算部451は、例えば、CPUである。記憶部452は、ROM、RAM、EEPROM等の記憶媒体を含む。演算部451は、記憶部452に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、制御部45の各機能を実現させる。これにより、制御部45はガイド制御部453として機能する。ここで、主制御用CPU(演算部451)の他に、該CPUの制御下でもっぱら用紙区分け装置2の制御を行う制御用CPUを別途配置し、2つのCPUが相互通信を行うように構成してもよい。
【0048】
制御部45には、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されており、さらに、制御部45には、装置本体1に内蔵される駆動部として、給紙用駆動部47、搬送駆動部41、搬送駆動部42、搬送駆動部43、搬送駆動部44、回転駆動部48、折り型駆動部49、裁断駆動部50が接続されており、さらに、制御部45には、用紙区分け装置2に内蔵される駆動部として、ローラ駆動部40、コンベア駆動部51、ガイド駆動部52が接続されている。
【0049】
制御部45は、加工処理装置D全体の動作を制御する。そして、制御部45は、検出部31~35からの情報を取得し、裁断情報入力部としての操作パネル46または読取部26により入力されたシートSの裁断情報に基づいて供給部3、搬送部4、用紙区分け装置2及び各加工処理部24の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。操作パネル46は、シートSの裁断処理に関する裁断情報を入力する入力部と表示部とを兼ねて構成する。また、読取部26は、前記入力部を構成する。
【0050】
制御部45は、演算部451を含み、演算部451はガイド制御部453として機能する。ガイド制御部453は、入力された裁断情報に基づいて、突き当てガイド93及びサイドガイド961~964を移動させて、配置する位置を設定し、又、ガイド制御部453は、読取り部26により読取った位置マークM1の位置に基づいて、突き当てガイド93及びサイドガイド961~964の設定された位置を調整するように制御する。さらに、ガイド制御部453は、サイドガイド961~964を、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行うように制御する。
【0051】
[シートの加工処理パターン]
図2は、シートSの加工処理パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理パターンは、一枚のシートSから複数の単票用紙Qを製作するようになっている。搬送方向Fと平行に延びる複数の加工線としての裁断線Tと、前記搬送方向Fに直交する幅方向Wに延びる複数の加工線としての裁断線Kが設定されている。
【0052】
図2において右端及び左端に示す第1裁断線T1,T6は、図1の搬送路5で、スリッター処理部20のうち最も上流に設置されたユニット20aによって形成される。第1裁断線T1と第6裁断線T6のそれぞれの内側に形成される第2、5裁断線T2、T5は、搬送方向Fで中央のユニット20bによって形成される。第2裁断線T2と第5裁断線T5のさらに内側に形成される第3、4裁断線T3、T4は、搬送方向Fで最下流に設置されたユニット20cによって形成される。第2裁断線T2と第3裁断線T3の間、および第4裁断線T4と第5裁断線T5の間の帯状の不要な裁ち屑Jbは、図1に示す裁ち屑落とし機構27によって下方へ案内され、裁ち屑回収部23で回収される。
【0053】
また、裁断線Kは、シートSが裁断線T1~T6で搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の裁ち屑Jが除去されることで、幅方向Wに並んだ複数の帯状の裁断片に対し、同時に裁断処理が複数回施されることで形成される。
【0054】
尚、図2に示すシートSの加工処理パターンでは、クリース処理部21による折線が設定されていないので、図1に例示した加工処理部24では、クリース処理部21を受容部6に受容させたまま機能させず、クリース処理を実行させないようにするか、図示しない搬送処理部に差し替えるか、またはクリース処理部21を受容部6から脱離させ、空の状態で使用する。
【0055】
このような加工処理後の単票用紙Qの配列パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの搬送方向長さ及び幅方向長さ等の所定方向の長さ、厚さ、種類等のシートS自体に関する情報、単票用紙Qの配列、数及び寸法等の単票用紙Qに関する情報、シートSから切り取られる不要な裁ち屑Jの大きさ、数、単票用紙Qの区分け処理に関する情報等のシートSの加工処理に関する情報が含まれる。区分け処理に関する情報には、用紙区分け装置2における区分け処理を実行するかどうかの区分け要否情報、区分け処理を実行すべきタイミングに関する区分けタイミング情報、載置部83における前後して区分けされた単票用紙Qの間の距離に関する区分け距離情報、先行の単票用紙Qと後続の単票用紙Qとの重なり長さなどの区分けされる単票用紙Qの積載方法に関する区分け積載情報、区分けする際に光や音で報知するかどうかの区分け報知情報等が含まれる。
【0056】
一度設定が完了した加工処理情報は、制御部45の記憶装置に記憶しておくことができる。シートSの加工処理後の単票用紙Qの配列パターン等の異なる複数の加工処理情報ごとに、番号や処理の名称、名前等を付与し、記憶装置に記憶することで、使用者は操作部としての操作パネル46を操作して、必要な処理内容に関する加工処理情報を記憶装置から呼出し、シートSを処理することができる。
【0057】
[用紙区分け装置2の構成]
次に、用紙区分け装置2の具体的な構成を説明する。
【0058】
図3に示すように、用紙区分け装置2は、集積移送部91とスタッカ部92から構成され、集積移送部91とスタッカ部92とは、互いに独立駆動される。集積移送部91は、装置本体1(加工処理部)から用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される加工処理後の単票用紙Qを載置部95で受けて、区分け単位で積み重ねた後、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´毎に、下流側に連続的に移送する。又、スタッカ部92は、集積移送部91の下流側に配置され、集積移送部91から移送されてくる積載単票用紙Q´を、載置面上の異なる位置に区分けして連続的に積載する。詳しくは、集積移送部91には、回動する複数のローラ94(駆動ローラ)上に積載単票用紙Q´を積載し、搬送する搬送ローラが設けられる。又、スタッカ部92には、積載単票用紙Q´を載置面上の異なる位置に区分けして積載可能な載置部83が設けられる。載置部83には、周回走行するベルト85上に積載単票用紙Q´を積載するベルトコンベア86が設けられる。ベルトコンベア86上には、集積移送部91より移送された積載単票用紙Q´が搬送されつつ載置される。尚、集積移送部91は、前記回動する複数のローラ94に替えて、図9に示すベルトコンベア88により構成されるようにしてもよい。
【0059】
スタッカ部92及び集積移送部91にベルトコンベア86、88を用いると、積載単票用紙Q´の積載及び移送の手段が簡易で安価に構成できる。
【0060】
次に、コンベア駆動部51における、ベルトコンベア86を回動させる駆動機構について説明する。スタッカ部92におけるベルトコンベア86は、無端状のベルト85、コンベアローラ87及びコンベア駆動部51を備える。コンベアローラ87は、シートSの搬送方向Fと同じ方向である積載単票用紙Q´の排出方向に所定量離間して3箇所に設置され、ベルト85が掛け渡される。コンベア駆動部51は、無端状のベルト85を回転させて、区分け処理後の積載単票用紙Q´を用紙搬送方向Fの下流側に向けて移送する為の駆動機構であって、駆動手段として機能する駆動モータ101、駆動モータ101の回転軸に取付けられたプーリ511、コンベアローラ87の回転軸513に取付けられたプーリ512、及びこれらのプーリ511、プーリ512間に掛け渡されたタイミングベルト514を備えている。そして、駆動モータ101が回転駆動されると、その駆動力はプーリ511、プーリ512を介してコンベアローラ87の回転軸513に伝達され、その結果、コンベアローラ87が回転し、無端状のベルト85を回転させる。
【0061】
ベルト85の幅方向Wの長さは、シートSが搬送される搬送路5の幅方向W長さと略同じ又は搬送路5より少し長い所定長さとなっており、幅方向Wで並行し排出される加工後の複数の単票用紙Qを、ベルト85上に載置可能である。コンベア駆動部51は制御部45に電気的に接続され、制御部45がコンベア駆動部51の駆動量を制御することで、ベルトコンベア86は、所定速度で走行するよう調整される。
【0062】
次に、集積移送部91の構成について説明する。図4に示すように、集積移送部91は、装置本体1(加工処理部)から用紙進行方向に1列又は複数列で連続的に排出される加工処理後の単票用紙Qを受取る載置部95と、受取った単票用紙Qを、区分け単位で積み重ねた後、スタッカ部92に連続的に移送する搬送ローラとしての複数のローラ94(駆動ローラ)で構成される。尚、実施例においては、単票用紙Qは装置本体1から3列で排出され、区分け単位で3列で積み重ねられる。
【0063】
これによれば、積載単票用紙Q´の積載及び移送の手段が簡易で安価に構成できる。
【0064】
載置部95には、単票用紙Qの積み重ね時に、単票用紙Qの前端を規制する突き当てガイド93と、単票用紙Qの用紙搬送幅方向の左右端縁を規制するサイドガイド961~964を備えている。尚、実施例においては、図2に示した加工後の単票用紙Qが3列、装置本体1から排出され、載置部95にて受取る場合について例示している。
【0065】
載置部95における突き当てガイド93及びサイドガイド961~964は、ガイド駆動部52にて駆動され、複数のローラ94はローラ駆動部40にて駆動される。尚、両駆動部は、制御部45に電気的に接続され、制御部45が駆動量を制御することで各々のガイド位置を調整する。ガイド駆動部52は、突き当てガイド93を上下方向に駆動する為のモータ103、搬送方向Fの前後方向に駆動する為のモータ102及びサイドガイド961~964を搬送幅方向の左右方向に駆動する為のモータ104~106を備える。又、ローラ駆動部40は、複数のローラ94を回転駆動させる為のモータ108を備える。
尚、実施例では、モータ101はDCギヤモータで構成され、その他のモータ102~108はステッピングモータで構成される。
【0066】
次に、突き当てガイド93の構成について説明する。突き当てガイド93は、図4図5に示すように、排出される単票用紙Qの前端部が当接するように垂直方向に設けられた複数の棒状のガイド部材931で構成され、複数のガイド部材931は、単票用紙Qの排出方向と直角の方向に沿って配列される。複数本のガイド部材931は、サブフレーム522に一体的に取付けられたガイドフォルダ5221に各々装着されている。
これによれば、用紙の速度及び衝撃を吸収して用紙をできるだけ一定の位置に整列させることができる。したがって、積載される単票用紙の揃え性能を向上させることができる。
【0067】
図10(a)は、突き当てガイド93における一つのガイド部材931の縦断面図である。図10(a)に示すように、突き当てガイド93は、各ガイド部材931を各々上部開口部933から挿入した状態で、その自重によって支持する筒状のガイドフォルダ5221を複数有し、各ガイド部材931は、上部開口部933から下方への抜け止めのためのストッパ5222をその上端部に有する。ストッパ5222は、ガイド部材931の上部にビス932でビス止めされて固定されている。尚、ストッパ5222は、ガイド部材931と一体に形成してもよい。
これによれば、サイドガイド961、962、963、964の位置調整後、突き当てガイド93が搬送径路に対して退避位置から下方に進出する途上で、複数本のガイド部材931の何れかがサイドガイド961、962、963、964の上端に当たる場合もあり得るが、ガイド部材931は各々、図10(b)に示すように、上方に持ち上がって退避することができる。したがって、積載する用紙の仕様に柔軟に対応することができる。
【0068】
図12は、突き当てガイド93における要部拡大図である。図12(a)に示すように、円弧状の凸面を有するストッパの下面934は、直線状のガイドフォルダ5221の上端部935に当接した状態で支持されている。
これによれば、ストッパ5222(ガイド部材931)は、ガイドフォルダ5221との当接部で揺動して、ガイド部材とサイドガイドとの接触(ねじれ)による損傷を防ぐことができる。
【0069】
又は、これに替えて、図12(b)に示すように、円弧状の凸面を有するストッパの下面934が、円弧状の凹部を有するガイドフォルダ5221の上端部936に当接した状態で支持されており、ストッパ下面934がガイドフォルダ上端部936よりも曲率半径が小さく形成されるように構成してもよい。
これによれば、ストッパ(ガイド部材)は、ガイドフォルダとの当接部で揺動して、ガイド部材とサイドガイドとの接触(ねじれ)による損傷を防ぐことができると共に、円弧状の凸面を有するストッパの下面が、円弧状の凹部を有するガイドフォルダの上端部の中央部に維持され、ストッパは、左右両方向に安定して揺動することができる。
【0070】
図11は、図10におけるガイドフォルダ部の横断面図(A-A断面図)である。図11に示すように、各ガイド部材931は、少なくとも、各ガイド部材931が挿入されたガイドフォルダ5221との所定のクリアランス分(a、b)だけ用紙搬送幅方向Wに移動可能に構成されている。
これによれば、サイドガイド961、962、963、964の上端に当たっているガイド部材931が、ガイド部材931とガイドフォルダ5221のクリアランス分(a、b)だけ左右にずれることによってサイドガイド961、962、963、964の上端部を回避することができる。
【0071】
又、ガイドフォルダ5221は、略四角形状の角筒状に形成され、ガイド部材931は、回り止め体としてガイドフォルダ5221の内面に適合する略四角形状に形成されている。
これによれば、排出される単票用紙Qの前端部が、常に、ガイド部材931のフラット面に当接でき、前端部の揃えが安定する。
【0072】
次に、ガイド駆動部52における、突き当てガイド93を上下方向に移動させる駆動機構について説明する。サブフレーム522は、メインフレーム521に対して、搬送幅方向2箇所に設置されたガイドシャフト5223を介して上下にスライド移動可能に構成されている。又、このサブフレーム522には、リードナット5224が一体的に固定されており、このリードナット5224にはリードネジ5225が螺合されている。リードネジ5225は、メインフレーム521に固定されたモータ103の回転軸に一体的に固着しており、モータ103を回転駆動することによりリードネジ5225に螺合したリードナット5224によってサブフレーム522を上下方向に駆動するようになっている。その結果、突き当てガイド93を上下方向に駆動できるようになっている。
【0073】
図4は、単票用紙Qを積み重ね時に突き当てガイド93が搬送径路に対して下方に進出した状態を示しており、図5は、積み重ねた積載単票用紙Q´を下流側に移送時に、突き当てガイド93が搬送径路に対して上方に退避した状態を示している。
これによれば、用紙区分け装置上に積載される単票用紙の用紙搬送方向の揃え性能を向上させることができる。
【0074】
次に、ガイド駆動部52における、突き当てガイド93を搬送方向Fの前後方向にスライドさせる駆動機構について説明する。メインフレーム521は、メインフレーム521の搬送幅方向2箇所に設置され、リニアブッシュ5229に嵌合されたガイドシャフト5228を介して搬送方向Fの前後方向にスライド移動可能に構成されている。又、このメインフレーム521には、リードナット5226が一体的に固定されており、このリードナット5226にはリードネジ5227が螺合されている。リードネジ5227は、モータ102の回転軸に一体的に固着しており、モータ102を回転駆動することによりリードネジ5227に螺合したリードナット5226によってメインフレーム521及びサブフレーム522の全体ユニットを前後方向に駆動するようになっている。その結果、積載する単票用紙Qのサイズに応じて、載置部突き当てガイド93を搬送方向Fの前後方向にスライド移動できるようになっている。尚、図3図6において、モータ102とガイドシャフト5228の一端は、図面上、中空上に表現されているが、実際はメインフレーム521とサブフレーム522の外回りに配置される外フレーム(不図示)に一体的に固定されている。
【0075】
次に、ガイド駆動部52における、サイドガイド961~964の搬送幅方向の左右方向の駆動機構について説明する。尚、サイドガイド961~964の駆動機構は、それぞれ同じ構成である為、その内の一つサイドガイド961を取り上げて説明する。
【0076】
サイドガイド961は、載置部95の1列又は複数列間に単票用紙Qを仕切るように複数配置される。
これによれば、1列又は複数列で連続的に排出される単票用紙Qを受けて、そのままの区分け状態で積み重ねることができる。
【0077】
サイドガイド961は、側壁部に前記複数のローラが各々貫通する切欠部9611を有しており、切欠部9611を通してサイドガイド961の用紙搬送幅方向の設置位置を調整できるように構成されている。
これによれば、サイドガイド961の側壁部と複数のローラ94の隙間より用紙がすり抜ける等の問題がなく、用紙区分け装置2上に積載される単票用紙Qの用紙搬送幅方向の揃え性能を向上させることができる。
【0078】
複数のローラ94におけるローラ間には、各々、用紙搬送経路上の隙間を補う為の補助ガイド9612を備えている。
【0079】
これによれば、用紙搬送経路上でのジャムの発生を防ぐことができる。
【0080】
サイドガイド961には、リードナット9613が一体的に固定されており、このリードナット9613にはリードネジ9614が螺合されている。リードネジ9614は、モータ104の回転軸に一体的に固着しており、モータ104を回転駆動することによりリードネジ9614に螺合したリードナット9613によって、積載する単票用紙Qのサイズに応じて、サイドガイド961を用紙搬送幅方向の左右方向に移動するようになっている。同様の構成で、モータ105を回転駆動することによりサイドガイド962を用紙搬送幅方向の左右方向に移動するようになっており、モータ106を回転駆動することによりサイドガイド963を用紙搬送幅方向の左右方向に移動するようになっており、
モータ107を回転駆動することによりサイドガイド964を用紙搬送幅方向の左右方向に移動するようになっている。
【0081】
サイドガイド961が、単票用紙Qのサイズに応じて用紙搬送幅方向の左右方向に移動する際は、突き当てガイド93が搬送径路に対して上方に退避した状態で移動する。
サイドガイド961の位置調整後、突き当てガイド93が搬送径路に対して下方に進出する途上で、複数本のガイド部材931の何れかがサイドガイド961の上端に当たる場合もあり得るが、ガイド部材931は各々、ストッパの規制位置まで自重で上下左右に移動できるように構成されている為、サイドガイド961の上端に当たっているガイド部材931は上方に持ち上がって退避することができる。又は、サイドガイド961の上端に当たっているガイド部材931が、ガイド部材931とガイドフォルダ5221のクリアランス分だけ左右にずれることによってサイドガイド961の上端部を回避することもできる。
【0082】
次に、ローラ駆動部40における、複数のローラ94の回転駆動機構について説明する。ローラ駆動部40は、複数のローラ94を回転させて、区分け処理後の積載単票用紙Q´を用紙搬送方向Fの下流側に向けて移送する為の駆動機構であって、駆動手段として機能する駆動モータ108、駆動モータ108の回転軸に取付けられたプーリ401、ローラ941の回転軸403に取付けられたプーリ402、及びこれらのプーリ401、プーリ402間に掛け渡されたタイミングベルト404を備えている。そして、駆動モータ108が回転駆動されると、その駆動力はプーリ401、プーリ402を介してローラ941の回転軸403に伝達され、その結果、ローラ941が回転する。図6に示すように、ローラ941の駆動モータ108と相対する側にはギア405が取付けられており、又、他の複数のローラ94の同じ側にもそれぞれギア405が取付けられ、これらは順に相互に噛合することにより、ローラ941からの回転駆動を他の複数のローラ94全てに順に伝達していく。
【0083】
[ガイド位置制御]
次に、ガイド位置制御について説明する。尚、上述のように、載置部95におけるサイドガイド961~964は、ガイド駆動部52にて駆動される。ガイド駆動部52は、制御部45に電気的に接続され、制御部45におけるガイド制御部453がガイド駆動部52の駆動量を制御することで各々のガイド位置を制御する。ガイド駆動部52は、サイドガイド961~964を搬送幅方向の左右方向に駆動する為のモータ104~106を備え、サイドガイド961~964をそれぞれ、独立して駆動させることができる。
【0084】
読取部26は、シートSに対する裁断情報(バーコードM2)を読み取るようになっている。例えば、図2に示されるように、シートSが、裁断線T1~T6で裁断される場合、読取部26は、それらに対応した幅方向の位置T1´~T6´を読み取る。図13は、図4をA方向から見た図であって、図2の処理内容の場合の裁断位置とサイドガイドとの関係を示す図である。ガイド制御部453は、図13に示されるように、読取部26によって得られた位置T1´~T6´に対応した位置Ga、Gb、Gc、Gdを設定する。そして、ガイド制御部453は、サイドガイド961、962、963、964がそれぞれ移動して位置Ga、Gb、Gc、Gdに位置するように、ガイド制御部453を制御するようになっている。尚、サイドガイド961、962、963、964は、裁断線間に形成されるスリットドブの幅(X3)以内の所定位置に配置される。又、裁断情報の入力は、前記読取部26に替えて操作パネル46を用いて直接行ってもよい。ガイド制御部453は、前記裁断情報に基づいて、突き当てガイド93を用紙搬送方向に移動させて、突き当てガイド93の位置を設定するように構成してもよい。
【0085】
これによれば、積載する用紙の仕様に応じたサイドガイドの位置が簡単且つ、確実に設定できる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。又、ガイド制御部は、裁断情報に基づいて、突き当てガイドを用紙搬送方向に移動させて、突き当てガイドの位置を設定する為、積載する用紙の仕様に応じたガイド位置が簡単且つ、確実に設定できる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0086】
[ガイド位置の調整(補正)]
次に、ガイド位置の調整(補正)について説明する。尚、前述のように、サイドガイド961~964は、ガイド駆動部52にて駆動され、ガイド制御部453がガイド駆動部52の駆動量を制御することで各々のガイド位置を調整する。
【0087】
読取部26は、図2に示すシートSの位置マークM1を読み取るようになっている。ガイド制御部453は、読取り部26により読取った位置マークM1の位置に基づいて、前記サイドガイド961~964の設定された位置を調整(補正)するように制御する。尚、突き当てガイド93についても同様の制御を行うように構成してもよい。
【0088】
これによれば、用紙に対する印刷位置のばらつきが大きい場合でも、単票用紙Q´の揃えが良好となる。
【0089】
[ジョガー動作]
次に、ジョガー動作について説明する。尚、上述のように、ガイド制御部453は、ガイド駆動部52を制御してサイドガイド961~964を、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、単票用紙の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行うように制御する。
【0090】
図4に示すように、突き当てガイド93は、少なくとも、サイドガイド961~964の用紙搬送方向長さの範囲内において、サイドガイド961~964と交差しながら用紙搬送方向に移動可能に構成されている。詳細には、突き当てガイド93は、排出される単票用紙Qの前端部が当接するように垂直方向に設けられた複数の棒状のガイド部材931で構成され、複数の棒状のガイド部材931は、単票用紙Qの排出方向と直角の方向に沿って配列されている。
【0091】
これによれば、大きな用紙サイズから小さな用紙サイズまで双方のガイドで規制されるようなガイド位置が確実に設定でき、載置部95における単票用紙の揃えが向上する。
【0092】
図13は、図2の処理内容(単票用紙Qは、幅Wで3列排出される)の場合の裁断位置T1´~T6´とそれに対応するサイドガイド961~964の設置位置Ga、Gb、Gc、Gdとの関係を示す図である。ガイド制御部453は、サイドガイド961~964の設置位置Ga、Gb、Gc、Gdにて、サイドガイド961~964を、所定の用紙排出枚数毎に、待機位置(設置位置Ga、Gb、Gc、Gd)から用紙搬送幅方向に所定距離往復移動させることによって、単票用紙Q´の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う。尚、ジョガー動作時は、突き当てガイド93が搬送経路に対して下方に進出した状態で行う。
【0093】
これによれば、さらに、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0094】
ジョガー動作におけるサイドガイド961~964の往復移動の最大幅は、スリッター処理部により裁断線間に形成されるスリットドブの幅(X3)以内に設定される。サイドガイド961~964の往復移動の最大幅(片側)=(スリットドブの幅(X3)―サイドガイドの板厚(t))÷2となる。尚、ジョガー動作時において、サイドガイド961~964が複数の棒状のガイド部材931に干渉する場合であっても、図11に示すように、ガイド部材931が、ガイド部材931とガイドフォルダ5221のクリアランス分だけ左右にずれることによって前記干渉状態を回避することもできる。又は、図12に示すように、ガイド部材931が揺動して前記干渉状態を回避することもできる。
【0095】
これによれば、必要以上のジョガー動作を制限することができる。
【0096】
実施例においては、例えば、次のように設定される。複数の棒状のガイド部材が設置されるピッチ幅(X1)=15mm、棒状のガイド部材の幅(X2)=8mm、スリットドブの幅(X3)=5~15mm、サイドガイドの板厚(t)=2mm。
【0097】
[ジョガー動作の具体例]
次に、ジョガー動作の具体例について説明する。
【0098】
図14図16に示すように、サイドガイド961~964は、載置部95において、用紙搬送方向に1列又は複数列に積み重ねられる単票用紙Q´の間及び両端にそれぞれ一つずつ配置されており、前記サイドガイド961~964を所定の用紙排出枚数毎に、待機位置から用紙幅方向に所定距離往復移動させるガイド制御を行うことによって、前記単票用紙Q´の用紙搬送幅方向の左右端縁を整合させるジョガー動作を行う。
【0099】
次に、載置部95に積載される単票用紙Q´の列数が1列、2列、3列の場合のジョガー動作の具体例について説明する。
【0100】
(1)単票用紙Q´の列数が1列の場合
以下、待機位置(a)、整合位置(b)、待機位置(a)の順にサイドガイド961、962を順次移動させるジョガー動作を行う。
図14(a)に示すように、サイドガイド961、962の待機位置では、サイドガイド961、962は単票用紙Q´の左右端縁から所定の隙間が開いている。
図14(b)に示すように、サイドガイド961、962の整合位置では、サイドガイド961、962の内側面が単票用紙Q´の左右端縁に当接するように矢印の方向に閉じる。
【0101】
(2)単票用紙Q´の列数が2列の場合
以下、待機位置(a)、整合位置”1”(b)、整合位置”2”(c)、待機位置(a)の順にサイドガイド961、962、963を順次移動させるジョガー動作を行う。
図15(a)に示すように、待機位置では、サイドガイド961、962、963は単票用紙Q´1、Q´2の左右端縁から所定の隙間が開いている。
図15(b)に示すように、整合位置”1”では、先ず、サイドガイド961、962の対が選定され、内側面が単票用紙Q´1の左右端縁に当接するように矢印の方向に閉じる。
図15(c)に示すように、整合位置”2”では、次に、サイドガイド962、963の対が選定され、内側面が単票用紙Q´2の左右端縁に当接するように矢印の方向に閉じる。
それと共に、サイドガイド961を矢印の方向に開き、待機位置に戻る。
【0102】
(3)単票用紙Q´の列数が3列の場合
以下、待機位置(a)、整合位置”1”(b)、整合位置”2”(c)、待機位置(a)の順にサイドガイド961、962、963、964を順次移動させるジョガー動作を行う。
図16(a)に示すように、待機位置では、サイドガイド961、962、963、964は単票用紙Q´1、Q´2、Q´3の左右端縁から所定の隙間が開いている。
図16(b)に示すように、整合位置”1”では、先ず、サイドガイド961、962の対及びサイドガイド963、964の対が選定され、内側面が単票用紙Q´1及びQ´3の左右端縁に当接するように矢印の方向に閉じる。
図16(c)に示すように、整合位置”2”では、次に、サイドガイド962、963の対が選定され、内側面が単票用紙Q´2の左右端縁に当接するように矢印の方向に閉じる。
それと共に、サイドガイド961、964を矢印の方向に開き、待機位置に戻る。
【0103】
以上のように、ガイド制御部453は、単票用紙Qが2列以上の複数列で排出される場合は、単票用紙Qの列数に基づき、単票用紙Qの左右に位置するサイドガイドの対を複数組に分けて任意に選定しながら、順次、ジョガー動作を行うように制御する。
【0104】
これによれば、対象となるすべての単票用紙に対して確実にジョガー動作を行うことができる。したがって、載置部における単票用紙の揃えが向上する。
【0105】
尚、載置部95は、単票用紙Qの積み重ね時に、単票用紙Qの前端を規制する突き当てガイド93を更に備えていれば、さらに揃えがよくなる。
【0106】
[用紙区分け装置2の区分け動作]
次に、用紙区分け装置2の区分け動作について説明する。
【0107】
加工処理装置Dを使用する際は、図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。既に記憶装置に登録され、記憶されている処理内容と同じ処理を実行するときは、使用者は、操作部としての操作パネル46を操作し、番号や処理の名称、名前等を入力することで、記憶装置から必要な加工処理情報を呼び出す。そして、使用者は、シートSの処理枚数及び加工処理後の単票用紙Qの区分け枚数(区分け単位)を操作パネル46により入力し、その後、加工処理開始の操作を行う。
【0108】
この時、入力された加工処理情報の内、加工処理後の単票用紙Qのサイズに応じて、予め、突き当てガイド93及びサイドガイド961~964の設定位置が自動的に調整される。突き当てガイド93は、装置本体1(加工処理部)から搬送方向Fに排出される加工処理後の単票用紙Qの前端を規制することにより、載置部95に単票用紙Qの前端縁が揃えられた状態で積載される。又、サイドガイド961~964は、搬送方向Fに直交する幅方向Wの左右端縁を揃えることができる。尚、この時、突き当てガイド93は、搬送径路に対して下方に進出した状態となるように設定される。又、突き当てガイド93及びサイドガイド961~964は、ジョガー動作ができるように構成してもよい。
【0109】
使用者によって、加工処理開始の操作がなされると、加工処理装置Dの供給部3に積載されたシートSが装置本体1の搬送路5に供給され、搬送されるシートSの所定位置に加工処理部24にて所定の加工処理が施される。加工処理後の単票用紙Qは、装置本体1から用紙区分け装置2に向けて排出される。
【0110】
用紙区分け装置2は、集積移送部91とスタッカ部92で構成され、装置本体1から排出された加工処理後の単票用紙Qは、先ず、集積移送部91の載置部95で受取り、区分け単位で積み重ねた後、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´毎に、下流側に配置されるスタッカ部92に連続的に移送される。集積移送部91は、実施例においては、回動する複数のローラ94上に積載単票用紙Q´を積載する搬送ローラが設けられる。尚、集積移送部91は、複数のローラ94に替えて、周回走行するベルト上に積載単票用紙Q´を積載するベルトコンベア88が設けられるように構成してもよい。
【0111】
スタッカ部92は、集積移送部91から移送されてくる積載単票用紙Q´を、載置面83上の異なる位置に連続的に積載する。そして、制御部45は、集積移送部91によってスタッカ部92へ移送される積載単票用紙Q´のうち、先行して移送された積載単票用紙Q´と、後続の積載単票用紙Q´とが所定の隙間を形成するように制御する。尚、スタッカ部は、周回走行するベルト上に積載単票用紙Q´を積載するベルトコンベア86が設けられる。
【0112】
集積移送部91は、積載単票用紙Q´が搬送方向に複数載置可能であって、集積移送部91において、制御部45は、少なくとも、単票用紙Qの積み重ね時に単票用紙Qを移送停止状態で受けて、区分け単位で積み重ねた後、積み重ねた後の積載単票用紙Q´を順次段階的に、途中停滞させつつシフト移送しながら集積し、集積した積載単票用紙Q´からスタッカ部92に向けて順次段階的に、積載単票用紙Q´が受渡されるように制御する。
【0113】
以上によれば、区分けの作業効率を向上させることができる。
【0114】
次に、用紙区分け装置2の区分け動作について具体的な実施例を挙げて説明する。図7図9は、用紙区分け装置2の区分け動作の様子を示す模式図である。尚、図7図9においてはサイドガイド961~964は省略している。
【0115】
実施例における用紙区分け装置2の区分け動作は、図2に示す加工処理パターンのシートSを、加工処理後の単票用紙Qとして装置本体1から排出されるときの一連の区分け動作について説明したものである。
【0116】
(1)図7(a)に示すように、装置本体1の搬送ローラ17から加工処理後の単票用紙Qが、集積移送部91の載置部95に向けて連続的に排出され、単票用紙Qが突き当てガイド93及びサイドガイド961~964により揃えられた状態で積載される。装置本体1から排出される単票用紙Qの枚数は、第5検出部35によりカウントされる。
【0117】
(2)次に、載置部95に積載される単票用紙Qが区分け枚数(区分け単位)に到達後、図7(b)に示すように、突き当てガイド93を上方に退避させた後、ローラ駆動部40により複数のローラ94を回転駆動させて、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´1を、所定距離だけ(概略、単票用紙Qの搬送方向長さに突き当てガイド93の厚みを加えた分だけ)下流側に移送し、回転駆動を停止する。尚、この時、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出は停止しておく。
【0118】
(3)次に、図7(c)に示すように、再び、突き当てガイド93が搬送径路に対して下方に進出した状態となった後、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出が再開される。
【0119】
(4)次に、載置部95に積載される単票用紙Qが区分け枚数(区分け単位)に到達後、
図7(d)に示すように、突き当てガイド93を上方に退避させた上で、ローラ駆動部40により複数のローラ94を回転駆動させて、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´1、Q´2を、所定距離だけ下流側に移送し、回転駆動を停止する。尚、この時、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出は停止しておく。
【0120】
(5)次に、図8(e)に示すように、再び、突き当てガイド93が搬送径路に対して下方に進出した状態となった後、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出が再開される。
【0121】
(6)次に、載置部95に積載される単票用紙Qが区分け枚数(区分け単位)に到達後、
図8(f)に示すように、突き当てガイド93を上方に退避させた上で、ローラ駆動部40により複数のローラ94を回転駆動させて、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´1、Q´2、Q´3を、所定距離だけ下流側に移送し、回転駆動を停止する。その際、Q´1だけが、集積移送部91からスタッカ部92の載置部83(ベルトコンベア86)に向けて受渡される。コンベア駆動部51によりベルトコンベア86は、前記積載単票用紙Q´1、Q´2、Q´3移送時に回転駆動し、積載単票用紙Q´1を集積移送部91からスタッカ部92に受渡し後停止する。尚、この時、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出は停止しておく。
【0122】
(7)次に、図8(g)に示すように、再び、突き当てガイド93が搬送径路に対して下方に進出した状態となった後、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出が再開される。
【0123】
(8)次に、載置部95に積載される単票用紙Qが区分け枚数(区分け単位)に到達後、
図8(h)に示すように、突き当てガイド93を上方に退避させた後、ローラ駆動部40により複数のローラ94を回転駆動させて、前記積み重ねた後の積載単票用紙Q´2、Q´3、Q´4を、所定距離だけ下流側に移送し、回転駆動を停止する。その際、Q´2だけが、集積移送部91からスタッカ部92の載置部83(ベルトコンベア86)に向けて受渡される。コンベア駆動部51によりベルトコンベア86は、前記積載単票用紙Q´2、Q´3、Q´4を移送時に回転駆動し、積載単票用紙Q´2を集積移送部91からスタッカ部92に受渡し後停止する。尚、この時、装置本体1の搬送ローラ17からの単票用紙Qの排出は停止しておく。
【0124】
集積移送部91とスタッカ部92とは、互いに独立駆動されるように構成されており、集積移送部91上における積載単票用紙Q´間の隙間X1と、スタッカ部92上における積載単票用紙Q´間の隙間X2とは、制御部45を介して、ローラ駆動部40とコンベア駆動部51により格別に制御される。X1については、概略、突き当てガイド93の厚み分に、突き当てガイド93がスムーズに進退できる余裕分を加えた隙間のことで、約10mm程度の隙間でよい。X2については、操作者がベルトコンベア上の積載単票用紙を取り出す際、容易に取り出す為に必要な隙間のことで、約20mm~50mm程度の隙間が目安である。両者は、X1<X2の関係となっており、集積移送部91とスタッカ部92の積載単票用紙Q´の搬送速度V1、V2も、V1<V2の関係となっている。すなわち、集積移送部91からスタッカ部92に積載単票用紙Q´を受け渡す(シフト移送する)際、搬送速度を加速してX1からX2に隙間を広げる制御を行う。実施例においては、集積移送部91上に並ぶ積載単票用紙Q´の個数は、3個として説明したが、これに限ることなく、1個又は3個以上としてもよい。又、スタッカ部92上に並ぶ積載単票用紙Q´の個数は、2個として説明したが、これに限ることなく、1個又は2個以上としてもよい。
【0125】
以上によれば、集積移送部91上における積載単票用紙Q´間の最小限の隙間X1さえ確保すれば、あとは、スタッカ部92にシフト移送しながら受け渡せば、積載単票用紙Q´を容易に取り出すことのできる隙間X2まで広げる制御を、集積移送部91とは独立して自動的に行う為、集積移送部91の停止時間を必要最小限に抑えることができ、作業効率が良い。従来技術では、排出される単票用紙Qが、1本(1駆動)のベルトコンベア上に、所定枚数毎に積み重ねられながら、所定の隙間を開けつつ下流側に移送される為、前記下流側で所定の隙間が開くまで、先行用紙の移送中(ベルトコンベア走行中)は後続の排出用紙の積載作業(排出作業)は停止する必要があり、作業効率がわるい。
【0126】
本発明に係る用紙区分け装置2は、加工処理装置1に組み合わされることにより、区分け作業の効率を向上させることができると共に、用紙区分け装置上2に積載される単票用紙の用紙搬送方向の揃え性能を向上させることができる。又、その他、印刷物、カード、郵便物、折帳などの区分け処理を行う他の用紙処理装置と組み合わせたり、あるいは一般的な用紙搬送装置の途上に設けてもよい。
【0127】
尚、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0128】
D 加工処理装置
F 搬送方向
K 裁断線
Q 単票用紙
S シート
T 裁断線
1 装置本体
2 用紙区分け装置
40 ローラ駆動部
45 制御部
46 操作パネル
51 コンベア駆動部
52 ガイド駆動部
83 載置部
85 ベルト
86 ベルトコンベア
87 コンベアローラ
88 ベルトコンベア
91 集積移送部
92 スタッカ部
93 突き当てガイド
94 駆動ローラ
95 載置部
104 モータ
105 モータ
106 モータ
451 演算部
452 記憶部
453 ガイド制御部
961 サイドガイド
962 サイドガイド
963 サイドガイド
964 サイドガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17