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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122331
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/157 20060101AFI20240902BHJP
   B23Q 11/08 20060101ALI20240902BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B23Q3/157 C
B23Q11/08 Z
B23Q17/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029814
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】天野 真仁
【テーマコード(参考)】
3C002
3C011
3C029
【Fターム(参考)】
3C002AA03
3C002BB07
3C002DD14
3C002GG02
3C002HH06
3C002KK04
3C011DD00
3C029EE01
(57)【要約】
【課題】工具交換領域と加工領域とを隔てる隔壁の開閉部材を開閉する駆動装置の不具合を抑制できる工作機械を提供する。
【解決手段】マガジンカバー10の底壁110は、第1底壁111と第2底壁112を有する。第2底壁112は、第1底壁111よりも高い位置にあり、両者間には段差を有する。底壁110は工具交換時に工具91を保持する主軸がマガジンカバー10内に進入する開口部を有する。開口部を開閉するシャッタを駆動するエアシリンダは、上下方向において第2底壁112に対応する位置に配置される。工具マガジン31の回転や主軸の移動に伴う衝撃で、工具91に付着するクーラントや切粉はマガジンカバー10内に落ち、第1底壁111に堆積する。クーラントや切粉は段差を超えて第1底壁111から第2底壁112に乗り上げにくく、エアシリンダに付着しにくい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を装着する主軸を回転可能に支持し、前記工具で被削材の加工を行う加工領域と、前記加工領域の上方において前記工具の交換を行う工具交換領域との間で移動する主軸ヘッドと、
前記工具交換領域に配置され、前記主軸への装着対象となる複数の前記工具を保持するマガジンを有する工具交換装置と
を備える工作機械において、
前記工具交換装置は、
前記工具交換領域と前記加工領域とを隔てる底壁を有し、前記マガジンを覆うカバーと、
前記底壁に設けられた開口部と、
前記開口部を開放する開放状態又は閉塞する閉塞状態に移動可能な開閉部材と、
前記開閉部材を前記開放状態又は前記閉塞状態に移動させる駆動装置と
を備え、
前記底壁は、
第1底壁と、
前記第1底壁よりも上方に位置する第2底壁と
を有し、
前記駆動装置は、上下方向において前記第2底壁に対応する位置に配置されたこと
を特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記第1底壁は、前記マガジンが保持する複数の前記工具が配置される領域の下方に位置し、
前記第2底壁は、工具交換時に前記工具を装着する前記主軸が配置される領域の下方に位置すること
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記底壁は、前記第1底壁と前記第2底壁とを接続する接続壁を更に有し、
前記接続壁は、前記上下方向に沿って延びていること
を特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記カバーは、前記第2底壁に接続しており、前記マガジンの側方に配置される側壁を更に有し、
前記駆動装置は前記第2底壁よりも上方の位置において前記側壁に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項5】
前記開口部は、前記底壁と前記側壁とを含む部分に開口され、
前記開閉部材は、
前記底壁における前記開口部を開放又は閉塞する第1部と、
前記側壁における前記開口部を開放又は閉塞する第2部と
を有し、
前記駆動装置の駆動部は、前記開閉部材の前記第2部に固定すること
を特徴とする請求項4に記載の工作機械。
【請求項6】
前記開閉部材の前記開放状態又は前記閉塞状態を検出する検出部を備え、
前記検出部は、前記上下方向において前記第2底壁に対応する位置に配置されたこと
を特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項7】
前記主軸は、水平方向を回転軸として前記主軸ヘッドに支持されたこと
を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具交換装置を備えた工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、主軸に装着した工具を交換する工具交換装置を備える。工具交換装置は複数の工具を保持するマガジンを有する。被削材の加工時に飛散するクーラントや切粉からマガジンを保護するため、マガジンの周囲にはマガジンカバーが設けられる。マガジンカバーの底部には開口部が形成されており、工具交換時、工具を装着した主軸が開口部を介してマガジンカバー内に進入する。開口部にはシャッタが設けられる。シャッタは、工具交換時に開口部を開放し、加工時には閉塞する。
【0003】
例えば特許文献1に記載のシャッタは、加工作業室の入口を開閉する。シャッタを駆動するシリンダと、シャッタの開閉状態を検出するリミットスイッチは、加工作業室入口の開口部の周囲近傍に設けられるシャッタのレールに沿って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-30062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
工具交換装置は、工具交換時にマガジンカバー内に移動する主軸に装着した工具を、マガジンに保持する工具と交換する。交換後の工具にはクーラントや切粉が付着している場合がある。マガジンの回転や主軸ヘッドの移動に伴う振動で、クーラントや切粉は工具から剥がれ、マガジンカバー内に堆積する。特許文献1において堆積したクーラントや切粉がシリンダやリミットスイッチに付着した場合、クーラントによる油没故障や切粉による破損等を生ずる可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、工具交換領域と加工領域とを隔てる隔壁の開閉部材を開閉する駆動装置の不具合を抑制できる工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、工具を装着する主軸を回転可能に支持し、前記工具で被削材の加工を行う加工領域と、前記加工領域の上方において前記工具の交換を行う工具交換領域との間で移動する主軸ヘッドと、前記工具交換領域に配置され、前記主軸への装着対象となる複数の前記工具を保持するマガジンを有する工具交換装置とを備える工作機械において、前記工具交換装置は、前記工具交換領域と前記加工領域とを隔てる底壁を有し、前記マガジンを覆うカバーと、前記底壁に設けられた開口部と、前記開口部を開放する開放状態又は閉塞する閉塞状態に移動可能な開閉部材と、前記開閉部材を前記開放状態又は前記閉塞状態に移動させる駆動装置とを備え、前記底壁は、第1底壁と、前記第1底壁よりも上方に位置する第2底壁とを有し、前記駆動装置は、上下方向において前記第2底壁に対応する位置に配置されたことを特徴とする工作機械が提供される。被削材の加工時に工具に付着したクーラントや切粉は、工具交換時に主軸と共にカバー内に進入し、工具から剥がれ落ちる。クーラントや切粉は、第2底壁よりも下方に位置する第1底壁に堆積する。開閉部材の駆動装置は第2底壁に対応する位置に配置される。故に第1底壁に堆積したクーラントや切粉は、第2底壁に対応する位置に配置される駆動装置に付着しにくい。よって工作機械は、クーラントや切粉が駆動装置に付着することによる油没や破損等の不具合の発生を抑制できる。
【0008】
本態様の前記第1底壁は、前記マガジンが保持する複数の前記工具が配置される領域の下方に位置し、前記第2底壁は、工具交換時に前記工具を装着する前記主軸が配置される領域の下方に位置してもよい。マガジンに保持する工具から剥がれ落ちたクーラントや切粉は、下方に位置する第1底壁に堆積する。第1底壁と第2底壁との間には段差があるので、マガジンの回転や主軸ヘッドの移動に伴う振動があっても、クーラントや切粉は、第1底壁から第2底壁に乗り上げにくく、第2底壁に堆積しにくい。開閉部材の駆動装置は、第2底壁に対応する位置に配置されているため、クーラントや切粉が付着しにくい。
【0009】
本態様の前記底壁は、前記第1底壁と前記第2底壁とを接続する接続壁を更に有し、前記接続壁は、前記上下方向に沿って延びていてもよい。接続壁は上下方向に延びる。故に接続壁は、第1底壁に堆積したクーラントや切粉が第2底壁に乗り上げないようにせき止めることができる。
【0010】
本態様の前記カバーは、前記第2底壁に接続しており、前記マガジンの側方に配置される側壁を更に有し、前記駆動装置は前記第2底壁よりも上方の位置において前記側壁に固定されていてもよい。駆動装置は第2底壁よりも上方の位置で側壁に固定されている。故にクーラントや切粉は、工具交換時に工具から剥がれて第2底壁に落ちても、駆動装置に付着しにくい。
【0011】
本態様の前記開口部は、前記底壁と前記側壁とを含む部分に開口され、前記開閉部材は、前記底壁における前記開口部を開放又は閉塞する第1部と、前記側壁における前記開口部を開放又は閉塞する第2部とを有し、前記駆動装置の駆動部は、前記開閉部材の前記第2部に固定してもよい。側壁に固定した駆動装置は、側壁における開口部を閉塞する第2部に駆動部を容易に固定できる。故にクーラントや切粉は、駆動装置の駆動部が開閉部材に固定される部分にも付着しにくい。
【0012】
本態様は、前記開閉部材の前記開放状態又は前記閉塞状態を検出する検出部を備え、前記検出部は、前記上下方向において前記第2底壁に対応する位置に配置されてもよい。検出部は第2底壁に対応する位置に配置する。故にクーラントや切粉は、検出部にも付着しにくい。
【0013】
本態様の前記主軸は、水平方向を回転軸として前記主軸ヘッドに支持されてもよい。工作機械は、主軸の回転軸が水平方向に配置される、所謂横型の工作機械である。横型の工作機械では、加工時に、クーラントや切粉が主軸の周方向に飛散する場合があり、加工領域上方の工具交換領域に設けられる工具交換装置を保護するため、カバーが設けられる。このため、工具に付着したクーラントや切粉は、工具交換時に主軸と共にカバー内に進入した場合に、底壁に堆積する。故に、底壁の開口部を開閉する開閉部材の駆動装置を、底壁のうち上段に位置する第2底壁に対し上下方向に対応する位置に配置する。これにより、底壁に堆積したクーラントや切粉は、駆動装置に付着しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】前方右上方から見た工作機械1の斜視図である。
図2】後方右上方から見た工作機械1の斜視図である。
図3】工作機械1の右側面図である。
図4図1のI-I線で矢視方向に見た工具交換装置30の断面図である。
図5】グリップアーム35の斜視図である。
図6】シャッタ120が閉塞状態であるマガジンカバー10の斜視図である。
図7】前壁101の下部を切断視したマガジンカバー10の正面図である。
図8】シャッタ120が開放状態であるマガジンカバー10の斜視図である。
図9】工具交換動作の往路を示す図である。
図10】工具交換動作の復路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、上下方向、前後方向は夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。図1に示す工作機械1は、主軸7の回転軸が前後方向(Z軸方向)に延びる横形であり、コラム5がX軸方向とZ軸方向に移動するコラムトラバース型の工作機械である。
【0016】
図1図3を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は基台2、コラム5、X軸移動機構11、Z軸移動機構12、Y軸移動機構13(図1参照)、主軸ヘッド6、主軸7(図3参照)、制御箱8、回転テーブル9、工具交換装置30(図4参照)、マガジンカバー10等を備える。
【0017】
基台2はZ軸方向に長い略直方体状の鉄製土台である。X軸移動機構11は基台2の上面後部に設けられ、移動体15をX軸方向に移動可能に支持する。Z軸移動機構12は移動体15の上面に設けられる。Z軸移動機構12はコラム5をZ軸方向に移動可能に支持する。コラム5は上下方向に延びる立柱である。コラム5には、前後方向に貫通する縦長矩形状の貫通口5A(図2参照)が形成される。枠カバー20はコラム5の前面に取り付ける。枠カバー20は正面視縦長矩形状の枠体であり、コラム5と主軸ヘッド6の間を覆う。Y軸移動機構13はコラム5の前面に設けられ、主軸ヘッド6をY軸方向に移動可能に支持する。X軸移動機構11、Z軸移動機構12、Y軸移動機構13は例えばガイド、ボール螺子、モータ(X軸モータ、Z軸モータ、Y軸モータ)を各々備え、該モータの動力で夫々、移動体15、コラム5、主軸ヘッド6をガイドに沿って移動させる。
【0018】
主軸ヘッド6はZ軸方向に延び、Y軸移動機構13によりコラム5の前面に沿ってY軸方向に移動可能に設けられる。主軸ヘッド6はY軸方向において加工領域と工具交換領域(図3参照)の間を移動可能である。加工領域はY軸原点よりも基台2側(下側)の空間に設けられる。Y軸原点はY軸の機械座標が0の位置である。工具交換領域は、Y軸原点に対して加工領域とは反対側(上側)の空間に設けられる。加工領域は回転テーブル9に固定された被削材の加工を行う領域である。工具交換領域は工具交換装置30による工具交換を行う領域である。工具交換領域はY軸方向において加工領域の上側で、且つZ軸方向にて加工領域と重なる位置に設けられる。
【0019】
主軸ヘッド6は上部カバー28と鎧カバー85を備える。上部カバー28は主軸ヘッド6の上面後端部に固定される。上部カバー28は正面視略矩形状の金属板であり、主軸ヘッド6上面後端部から上方に延出する。鎧カバー85は主軸ヘッド6に下面後端部に吊り下げた状態で固定される。鎧カバー85は複数の金属板を上下方向に並べて備え、上下方向に入れ子状に伸縮する。上部カバー28は主軸ヘッド6と一体に上下動することで、コラム5前面の主軸ヘッド6よりも上側の領域を常時覆う。鎧カバー85は主軸ヘッド6の上下動に応じて上下方向に伸縮することで、コラム5前面の主軸ヘッド6よりも下側の領域を常時覆う。
【0020】
主軸7は主軸ヘッド6内にて主軸ヘッド6と同軸上に設けられる。即ち主軸7の回転軸は、前後方向(Z軸方向)に延びる。主軸ヘッド6は主軸7を回転可能に支持する。主軸ヘッド6の後部にはモータ保持箱27(図3参照)が固定される。モータ保持箱27は主軸ヘッド6の後部から後方に延び、主軸モータ26を内側に保持する。モータ保持箱27はコラム5の貫通口5Aから後方に突出する。主軸モータ(図示略)の出力軸は前方に延び、主軸7の後端部と同軸上に連結する。
【0021】
主軸7は工具装着穴40、ホルダ保持部材19を備える。工具装着穴40は主軸7の先端部(前端部)に設けられる。工具装着穴40は主軸7の先端部に向けて略円錐状に拡径する。ホルダ保持部材19は工具装着穴40の奥側に設けられる。工具装着穴40には、工具ホルダ90(図4参照)が着脱自在に装着される。工具ホルダ90は一端側に工具91を保持し、他端側にテーパ部とプルスタッド93(図4参照)を備える。テーパ部は略円錐状であり、主軸7の工具装着穴40に密着する。プルスタッド93はテーパ部の頂上部から軸方向に突出する。工具装着穴40にテーパ部を装着すると、ホルダ保持部材19はプルスタッド93を保持し、主軸7に工具ホルダ90を固定する。
【0022】
基台2の後部には一対の支持部材17,18が設けられる。支持部材17,18は左右方向に互いに離間し且つ上方に延び、制御箱8を下方から支持する。制御箱8は内部に制御盤(図示略)を収納する。制御盤は工作機械1の動作を制御する。基台2の上面前側には工作台16が設けられる。回転テーブル9は工作台16に組み付けられる。回転テーブル9は主軸ヘッド6の前方に位置する。回転テーブル9は上面に被削材を治具(図示略)で固定し、Y軸方向に平行な回転軸を中心に360度回転可能である。
【0023】
基台2の上面前側で、且つ左右両側には、一対の支持柱21,22が設けられる。図2に示すように、支持柱21と22の互いに対向する夫々の上部の間には連結板23が固定される。図4に示すように、工具交換装置30は連結板23の前面に固定される。故に工具交換装置30は支持柱21,22により、コラム5と回転テーブル9の間で且つ主軸ヘッド6の上方に位置する。工具交換装置30は工具マガジン31、減速機32、マガジンモータ33等を備える。工具マガジン31はマガジンベース37と複数のグリップアーム35を備える。マガジンベース37は略円盤状であり、前後方向に延び前側が後側に対して下方に傾斜する回転軸37Aを中心に連結板23の前面において回転可能に支持される。減速機32とマガジンモータ33は、工具マガジン31に取り付けられる。マガジンモータ33の出力軸(図示略)は、減速機32を介してマガジンベース37の回転軸37Aに噛合する。マガジンモータ33の動力は、減速機32を介してマガジンベース37の回転軸に伝達される。
【0024】
複数のグリップアーム35はマガジンベース37の外周部に沿って並んで設けられ、径方向外側に向けて放射状に延びる。グリップアーム35は、工具ホルダ90を水平に寝かせた姿勢で、工具ホルダ90に直交するY軸方向から工具ホルダ90を把持する。図5に示すように、グリップアーム35は、基台351、一対の爪部材352,353、バネ部材355を備える。基台351は上下方向に延びる。基台351の上端部は、マガジンベース37の外周部に複数の螺子で固定される。基台351の下端部には係合部354が形成される。係合部354は工具ホルダ90と係合する部分である。
【0025】
一対の爪部材352,353は上下方向に延び、左右方向に並べて配置される。爪部材352,353は夫々、上下方向略中央において、前後方向を回転軸として回動可能に基台351に支持される。爪部材352,353の下端部には、前後方向を回転軸とするローラ部356,357が設けられる。バネ部材355は、爪部材352,353の夫々の上端部間に配置され、ローラ部356とローラ部357とが互いに接近する方向に付勢する。
【0026】
工具ホルダ90が係合部354に係合した状態で、一対の爪部材352,353は、工具ホルダ90を係合部354との間に挟み込んで把持する。主軸7と工具交換を行うグリップアーム35は工具マガジン31の工具交換位置C(図9参照)に移動する。工具交換位置Cは工具マガジン31の最下部の位置である。工具交換位置Cにおいて、グリップアーム35の上下方向、左右方向、前後方向は夫々、工作機械1のY軸方向、X軸方向、Z軸方向に配置される。
【0027】
図2に示すように、支持柱21,22の夫々の上部の前面には、マガジンカバー10が固定される。マガジンカバー10は工具マガジン31の周囲を覆う。マガジンカバー10は被削材の加工時に切粉とクーラント(切削液)の飛沫が工具マガジン31に付着するのを防止する。
【0028】
図4図6図8に示すように、マガジンカバー10は正面視で右下角部を面取りした矩形の箱状である。マガジンカバー10は、前壁101、後壁102、左壁103、右壁104、天壁105、底壁110、斜壁106、シャッタ120、エアシリンダ130、センサ140を有する。
【0029】
前壁101は左右方向に延びる上板と下板を上下に並べて螺子で連結した壁部であり、前壁101は工具マガジン31が保持する工具91と干渉しないように、工具マガジン31の前方に離れて配置される。前壁101の下板には工具交換位置Cを目視可能な覗き窓(図1参照)が設けられる。前壁101の左端、右端、上端及び下端は夫々、左壁103、右壁104、天壁105及び底壁110の前端に螺子で固定される。後壁102は、左右方向に延びる下板の上部に、上側が前方へ向けて傾斜する2枚の上板を左右に並べ、夫々螺子で下板に連結した壁部である。後壁102は工具マガジン31の後方に配置される。後壁102の左右の上板の夫々には、支持柱21,22にマガジンカバー10を取り付ける取付部が設けられる。左壁103は後壁102の左上板と一体に形成され、左上板の左端から前方へ向けて屈曲する壁部である。左壁103は工具マガジン31の左方に配置される。右壁104は後壁102の右上板と一体に形成され、右上板の右端から前方へ向けて屈曲する壁部である。右壁104は工具マガジン31の右方に配置される。天壁105は左右方向に並ぶ左天板と右天板を有する。天壁105の左天板は後壁102の左上板と一体に形成され、左上板の上端から前方へ向けて屈曲する壁部である。天壁105の右天板は後壁102の右上板と一体に形成され、右上板の上端から前方へ向けて屈曲する壁部である。天壁105は工具マガジン31の上方に配置される。
【0030】
底壁110は後壁102の下板と一体に形成され、下板の前端から前方へ向けて屈曲する壁部である。底壁110の左端は左壁103の下端に螺子で固定される。底壁110は段状に形成され、第1底壁111、第2底壁112及び接続壁113を有する。第2底壁112の後端は、後壁102の下板に接続する。第1底壁111は第2底壁112の前方に形成され、第2底壁112よりも下方に位置する。マガジンカバー10内で、第1底壁111は、工具マガジン31の複数のグリップアーム35が夫々把持する工具91が配置される領域の下方に位置する。第2底壁112は、工具交換時にマガジンカバー10内に進入する主軸7が、マガジンカバー10内において配置される領域の下方に位置する。即ち第1底壁111は、工具交換位置Cよりも前側の領域に対応する位置の下方にある。また、第2底壁112は、工具交換位置Cよりも後側の領域に対応する位置の下方にある。なお、工具91のうち、工具ホルダ90に保持されている部分については第1底壁111に対応する領域の対象としない。第1底壁111と第2底壁112の左右方向の長さは同じ長さであり、第1底壁の前後方向の長さは第2底壁112よりも長い。第1底壁111と第2底壁112との間には、接続壁113が形成される。接続壁113は上下方向に沿って延び、第1底壁111の後端と第2底壁112の前端とに接続する。底壁110は工具マガジン31の下方に配置される。
【0031】
底壁110と後壁102とを含む部分には、開口部115が形成される。開口部115は、右壁104寄りの位置に形成される。開口部115は、第1底壁111、接続壁113、第2底壁112及び後壁102に亘って矩形状に開口する。開口部115の大きさは、主軸ヘッド6の前端部と、主軸7に保持する工具91とが底壁110及び後壁102の下板の一部を上下方向に通過してマガジンカバー10内に進入可能な大きさである。開口部115は、工具マガジン31の最下部である工具交換位置Cの直下に位置する。工具交換領域は、上下方向において、マガジンカバー10内で、開口部115の上方の位置を含む。後述するシャッタ120が開放状態の時、主軸7は工具91を保持した状態で開口部115を通過し、工具交換位置Cに移動することができる。なお、本実施形態における開放状態は、主軸7が工具91を保持した状態で開口部115を通過可能な程度にシャッタ120が開口部115を開放した状態であればよい。即ちシャッタ120は、開放状態において開口部115を完全に開放した状態であれば好ましいが、必ずしも開口部115を完全に開放した状態でなくともよい。また、シャッタ120が閉塞状態の時、主軸7は開口部115を通過して工具交換位置Cに移動することができない。本実施形態における閉塞状態は、シャッタ120が開口部115の少なくとも一部を塞ぎ、主軸7が開口部115を通過できない状態であればよい。即ちシャッタ120は、閉塞状態において開口部115を完全に閉塞した状態であれば好ましいが、主軸7が通過不可能であれば、必ずしも開口部115を完全に閉塞した状態でなくともよい。
【0032】
斜壁106は、底壁110と一体に形成され、底壁110の右端から右斜め上方へ向けて屈曲する壁部である。斜壁106の上端は、右壁104の下端に螺子で固定される。斜壁106の中央部分は開口し、開閉扉106A(図3参照)が設けられる。ユーザは開閉扉106Aを開放し、マガジンカバー10内のメンテナンスを行うことができる。
【0033】
シャッタ120は、底壁110の開口部115を開放又は閉塞する。シャッタ120は1枚の鉄板を折り曲げて形成される。シャッタ120は、第1部121と第2部122を有する。第1部121は開口部115のうち、第1底壁111、第2底壁112及び接続壁113の開口部分を開放又は閉塞する。第1部121は、第1扉部121A、第2扉部121B及び第3扉部121Cを有する。第1扉部121Aは開口部115のうち、第1底壁111の開口部分の大きさに対応する部分である。第2扉部121Bは開口部115のうち、第2底壁112の開口部分の大きさに対応する部分である。第3扉部121Cは開口部115のうち、接続壁113の開口部分の大きさに対応する部分である。第1扉部121Aと第2扉部121Bは水平方向に延び、第3扉部121Cは上下方向及び左右方向に延びる。第1扉部121Aの後端と第2扉部121Bの先端は、第3扉部121Cを介して接続する。第2部122は開口部115のうち、後壁102の開口部分を開放又は閉塞する。第2部122は上下方向及び左右方向に延び、後壁102の開口部分の大きさに対応する。第2部122の下端は第1部121の第2扉部121Bの後端に接続する。
【0034】
第1底壁111の上面における開口部115の前側の縁部には、左右方向に延びるガイド部材116が螺子で固定されている。ガイド部材116は、シャッタ120の第1部121の前端を左右方向にスライド可能に位置決めする。後壁102の前面における開口部115の上側の縁部にも、左右方向に延びるガイド部材117が螺子で固定されている。ガイド部材117は、シャッタ120の第2部122の上端を左右方向にスライド可能に位置決めする。
【0035】
エアシリンダ130は、外筒132内に送り込まれるエアの圧力でロッド131を駆動する。外筒132は筒軸の方向を左右方向に向け、右端部から右方へ向けてロッド131を伸縮する向きで、上下方向において第2底壁112に対応する位置に配置される。「上下方向において第2底壁112に対応する位置」とは、前後方向及び左右方向において第2底壁112と重なる位置であり、且つ上下方向において第2底壁112の上面上又は第2底壁112よりも上方の位置をいう。なお、前後方向及び左右方向において、エアシリンダ130は、その全体が、必ずしも第2底壁112の範囲内に含まれていなくてもよい。固定部材133は、後壁102の左端部前面に螺子で固定される。エアシリンダ130の外筒132の左端は、第2底壁112の上面よりも上方の位置において、固定部材133に螺子で固定されている。固定部材134は、シャッタ120の第2部122の左端部前面に螺子で固定される。エアシリンダ130のロッド131の先端131Aは、第2底壁112の上面よりも上方の位置において、固定部材134に螺子で固定される。従ってエアシリンダ130は、第2底壁112の上面との間に間隙を有した状態で第2底壁112の上面よりも上方の位置に配置され、第1底壁111の上面及びその上方には配置されない。エアシリンダ130の駆動によってロッド131が右方に伸長すると、シャッタ120はガイド部材116,117に案内されて右方に移動し、開口部115を閉塞する。ロッド131が左方に縮退すると、シャッタ120はガイド部材116,117に案内されて左方に移動し、開口部115を開放する(図8参照)。
【0036】
センサ140は、例えば磁性体のロッド131が外筒132内にあることを検知可能な磁気センサである。センサ140は、外筒132の左端部に固定される。センサ140が固定される位置は、上下方向において第2底壁112に対応する位置である。即ち、センサ140は、第2底壁112の上面との間に間隙を有した状態で第2底壁112の上面よりも上方の位置に配置され、第1底壁111の上面及びその上方には配置されない。センサ140は、ロッド131が外筒132に対して左方に縮退した状態を検出する。即ちセンサ140は、シャッタ120が開口部115を開放した状態であるか否かを検出する。
【0037】
図9図10を参照し、工具交換動作の概要について説明する。工作機械1が被削材Wを切削する加工状態では、主軸7は加工領域に位置する。主軸7に装着した工具91による加工が終了した後、工作機械1は工具交換動作を実行する。工具交換動作は、使用した工具91を工具マガジン31に収納する工具収納動作と、次に使用する次工具92を主軸7に装着し、加工を開始する位置へ移動する工具装着動作を含む。主軸7が工具収納時に移動する経路を往路とし、工具装着時に移動する経路を復路とする。なお、本実施形態において「主軸7を移動する」とは、「主軸ヘッド6を移動する」と同義である。
【0038】
往路は、主軸7を加工終了位置Q1から原点位置Dまで移動する経路(図9参照)である。復路は、主軸7を原点位置Dから加工開始位置Q2まで移動する経路(図10参照)である。加工終了位置Q1は、NCプログラムに従って被削材Wの加工が終了した時の主軸7の位置である。原点位置Dは、工具交換領域に設けられる工具交換時の基準点であり、工具マガジン31が回転可能な位置である。加工開始位置Q2は、NCプログラムに従って被削材Wの加工を開始する時の主軸7の位置であり、工具交換後に主軸7を移動させる目標位置である。
【0039】
往路について説明する。図9に示すように、工作機械1は、主軸7を加工終了位置Q1からZ軸+方向に移動し、第1復帰位置A1を経由して、交換準備位置Bまで移動する。第1復帰位置A1は、加工終了位置Q1に対してZ軸+方向に離れ、主軸7に装着した工具91が回転テーブル9上に固定した被削材W及び治具に接触しない位置に設定される。なお、第1復帰位置A1は、X軸方向及びY軸方向において、加工終了位置Q1と同一座標の位置である。交換準備位置Bは、工具交換位置CとX軸方向及びZ軸方向において同一座標の位置である。工具交換位置Cは、工具マガジン31のグリップアーム35が工具91を保持する工具ホルダ90を把持する位置である。交換準備位置Bは、工具交換位置Cに対してY軸-方向に離れ、グリップアーム35による工具ホルダ90の把持及び解放をY軸方向に行うため主軸7を配置する位置である。
【0040】
エアシリンダ130の駆動によって、マガジンカバー10のシャッタ120は開放状態となる。工作機械1は、主軸7を交換準備位置Bから工具交換位置Cまで上昇する。工具交換位置Cは、マガジンカバー10内にある。このとき、工具マガジン31の直下にある空のグリップアーム35に対して、主軸7に装着した工具ホルダ90が下方から係合する。この状態で、工作機械1は、主軸7を工具交換位置CからZ軸+方向に後進し、原点位置Dまで移動する。このとき、主軸7から工具ホルダ90が引き抜かれる。これにより工具収納時における主軸7の往路の移動が完了する。マガジンカバー10の第1底壁111は、工具マガジン31が保持する工具91の下方に位置する。故に、被削材Wの加工において工具91に付着したクーラントや切粉は、工具交換時の衝撃や工具マガジン31の駆動に伴う振動等により工具91から剥がれ落ちた場合、第1底壁111に堆積する。第2底壁112は第1底壁111より高い位置にあり、第1底壁111と第2底壁112との間で上下方向に延びる接続壁113によって、第1底壁111に堆積したクーラントや切粉はせき止められる。故に第1底壁111に堆積したクーラントや切粉は、第2底壁112に乗り上げにくく、エアシリンダ130及びセンサ140に付着しにくい。
【0041】
復路について説明する。工作機械1は工具マガジン31を回転し、次に装着する次工具92を保持するグリップアーム35を工具マガジン31直下に位置決めする。このとき、次工具92が主軸7の前方に位置する。この状態で、図10に示すように、工作機械1は、原点位置Dにある主軸7をZ軸-方向に前進し、工具交換位置Cまで移動する。これにより、主軸7に次工具92が装着される。
【0042】
主軸7に次工具92が装着されると、工作機械1は、主軸7を工具交換位置Cから交換準備位置Bまで下降する。エアシリンダ130の駆動によって、マガジンカバー10のシャッタ120は閉塞状態となる。工作機械1は、主軸7を交換準備位置Bから第2復帰位置A2まで移動した後、加工開始位置Q2に移動する。第2復帰位置A2は、加工開始位置Q2に対してZ軸+方向に離れ、主軸7に装着した工具91が回転テーブル9上に固定した被削材W及び治具に接触しない位置に設定される。なお、第2復帰位置A2は、X軸方向及びY軸方向において、加工開始位置Q2と同一座標の位置である。これにより工具装着時における主軸7の復路の移動が完了し、一連の工具交換動作が完了する。マガジンカバー10内の工具マガジン31に保持される工具91に付着するクーラントや切粉は、工作機械1の加工動作に伴う振動等により工具91から剥がれ落ちた場合、第1底壁111に堆積するので第2底壁112に乗り上げにくく、エアシリンダ130及びセンサ140に付着しにくい。
【0043】
以上説明したように、被削材Wの加工時に工具91に付着したクーラントや切粉は、工具交換時に主軸7と共にマガジンカバー10内に進入し、工具91から剥がれ落ちる。クーラントや切粉は、第2底壁112よりも下方に位置する第1底壁111に堆積する。シャッタ120を駆動するエアシリンダ130は第2底壁112に対応する位置に配置される。故に第1底壁111に堆積したクーラントや切粉は、第2底壁112に対応する位置に配置されるエアシリンダ130に付着しにくい。よって工作機械1は、クーラントや切粉がエアシリンダ130に付着することによる油没や破損等の不具合の発生を抑制できる。
【0044】
工具マガジン31に保持する工具91から剥がれ落ちたクーラントや切粉は、下方に位置する第1底壁111に堆積する。第1底壁111と第2底壁112との間には段差があるので、工具マガジン31の回転や主軸7ヘッドの移動に伴う振動があっても、クーラントや切粉は、第1底壁111から第2底壁112に乗り上げにくく、第2底壁112に堆積しにくい。シャッタ120のエアシリンダ130は、第2底壁112に対応する位置に配置されているため、クーラントや切粉が付着しにくい。
【0045】
接続壁113は上下方向に延びる。故に接続壁113は、第1底壁111に堆積したクーラントや切粉が第2底壁112に乗り上げないようにせき止めることができる。
【0046】
エアシリンダ130は第2底壁112よりも上方の位置で後壁102に固定されている。故にクーラントや切粉は、工具交換時に工具91から剥がれて第2底壁112に落ちても、エアシリンダ130に付着しにくい。
【0047】
後壁102に固定したエアシリンダ130は、開口部115の後壁102において開口する部分を閉塞するシャッタ120の第2部122に、ロッド131の先端131Aの固定を容易に行える。故にクーラントや切粉は、エアシリンダ130のロッド131の先端131Aがシャッタ120に固定される部分にも付着しにくい。
【0048】
センサ140は第2底壁112に対応する位置に配置する。故にクーラントや切粉は、センサ140にも付着しにくい。
【0049】
工作機械1は、主軸7の回転軸が水平方向(本実施形態では前後方向)に配置される、所謂横型の工作機械1である。横型の工作機械1では、加工時に、クーラントや切粉が主軸7の周方向に飛散する場合があり、加工領域上方の工具交換領域に設けられる工具交換装置30を保護するため、マガジンカバー10が設けられる。このため、工具91に付着したクーラントや切粉は、工具交換時に主軸7と共にマガジンカバー10内に進入した場合に、底壁110に堆積する。故に、底壁110の開口部115を開閉するシャッタ120のエアシリンダ130を、底壁110のうち上段に位置する第2底壁112に対し上下方向に対応する位置に配置する。これにより、底壁110に堆積したクーラントや切粉は、エアシリンダ130に付着しにくい。
【0050】
上記説明において、工具マガジン31は、本発明の「マガジン」の一例である。マガジンカバー10は、本発明の「カバー」の一例である。シャッタ120は、本発明の「開閉部材」の一例である。エアシリンダ130は、本発明の「駆動装置」の一例である。ロッド131は、本発明の「駆動部」の一例である。センサ140は、本発明の「検出部」の一例である。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。工作機械1は横形の工作機械であるが、主軸の軸方向が上下方向である縦形の工作機械であってもよい。この場合、第1底壁111は工具マガジン31に対応する位置の下方に配置し、第2底壁112は、エアシリンダ130のみに対応する位置として形成してもよい。エアシリンダ130は、上下方向において第2底壁112に対応する位置に配置されるが、第2底壁112との間に間隙を有さず、第2底壁112の上面上に配置されてもよい。工作機械1は、コラム5をX軸方向、主軸7をZ軸方向、主軸7をY軸方向に移動することで、被削材Wと工具91を相対的にX軸、Y軸、Z軸に移動するが、これ以外の構造であってもよく、例えば、コラム5をX軸方向とZ軸方向の2軸方向に移動し、主軸7をY軸方向に移動するようにしてもよい。
【0052】
第1底壁111と第2底壁112とを接続する接続壁113は、前方を向き上下方向に延びる面であるが、例えば前方且つ上方を向き斜め方向に延びる傾斜面であってもよい。シャッタ120の開閉をエアシリンダ130で行ったが、モータ、あるいはその他の駆動装置による開閉を行ってもよい。エアシリンダ130の外筒132の左端は固定部材133で後壁102に固定したが、第2底壁112に固定してもよいし、左壁103に固定してもよい。ロッド131の先端131Aは固定部材134でシャッタ120の第2部122に固定したが、第1部121の第2扉部121Bに固定してもよい。センサ140は磁気センサを一例としたが、光電センサ、マイクロスイッチ等、その他のセンサを用いてもよい。また、センサ140はシャッタ120の開放状態の有無を検出するが、センサ140を2つ用い、シャッタ120の閉鎖状態を検出できてもよい。センサ140はエアシリンダ130の外筒132に固定したが、検出対象を検出可能な範囲において、第2底壁112に固定してもよいし、後壁102に固定してもよい。シャッタ120は左右方向にスライド移動することによって開口部115の開閉を行ったが、前後方向にスライド移動してもよい。また、シャッタ120の開閉方法はスライド式に限らず、縁部にヒンジを設け、ヒンジを支点に回動することによって開閉してもよいし、アームに接続し、アームの移動によって開口部115を閉塞する位置と開放する位置との間を移動することで開閉してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 工作機械
6 主軸ヘッド
7 主軸
10 マガジンカバー
30 工具交換装置
31 工具マガジン
91 工具
102 後壁
110 底壁
111 第1底壁
112 第2底壁
113 接続壁
115 開口部
120 シャッタ
121 第1部
122 第2部
130 エアシリンダ
131 ロッド
140 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10