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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122341
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029831
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 理絵
(72)【発明者】
【氏名】菊地 桂太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】容易にワークフローシステムを構築可能な情報処理方法を提供する。
【解決手段】稟議申請に係るワークフローのルートを生成する情報処理方法は、コンピュータが、稟議規程を定めたテキストデータを含む社内規程データと、社員の所属単位を階層的に区分した組織図データと、を受け付ける工程と、自然言語処理を用いて、社内規程データと前記組織図データとから稟議申請に係るワークフローのルートを生成する工程と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
稟議申請に係るワークフローのルートを生成する情報処理方法であって、コンピュータが、
稟議規程を定めたテキストデータを含む社内規程データと、社員の所属単位を階層的に区分した組織図データと、を受け付ける工程と、
自然言語処理を用いて、前記社内規程データと前記組織図データとから稟議申請に係るワークフローのルートを生成する工程と、を備えた、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記社内規程データとして、稟議事項の基準及び稟議の手続きを定めた稟議規程データ及び職務に対する権限を定めた職務権限規程データを受け付ける、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、更新された前記社内規程データ及び前記組織図データの少なくとも一方を受け付ける工程と、
前記コンピュータが、前記更新された前記社内規程データ及び前記組織図データの少なくとも一方に基づいて、生成された前記稟議申請に係るワークフローのルートを更新する工程と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記ワークフローのルートの生成の実行前に、前記ワークフローのルートの生成に使用する前記社内規程データと前記組織図データとを選択する選択画面を表示し、
前記選択画面は、前記社内規程データ及び前記組織図データを複数表示可能であると共に、前記社内規程データ及び前記組織図データのそれぞれは、各社内規程データ及び組織図データが有効となる施行日と共に表示される、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、稟議申請などをシステム化するためにワークフローシステムが広く使用されている。このようなワークフローシステムにおいて、ワークフローのルートについては、システムを使用する前に、ユーザによって定義されることが一般的であった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-250557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、稟議申請の方法は、会社の稟議規程によって定められているが、稟議規程に従ったワークフローシステムを構築しようとすると、多数のワークフローのルートを手動で設定する必要があり、ユーザにとって大きな負担となっていた。
【0005】
そこで、本発明の一つの目的は、容易にワークフローシステムを構築可能な情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、稟議申請に係るワークフローのルートを生成する情報処理方法であって、コンピュータが、稟議規程を定めたテキストデータを含む社内規程データと、社員の所属単位を階層的に区分した組織図データと、を受け付ける工程と、自然言語処理を用いて、前記社内規程データと前記組織図データとから稟議申請に係るワークフローのルートを生成する工程と、を備えた、ことを特徴とする情報処理方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容易にワークフローシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る稟議処理システムのブロック図。
図2】本実施の形態に係る稟議規程データを示す図。
図3】本実施の形態に係る職務権限規程データを示す図。
図4】本実施の形態に係る組織図データを示す図。
図5】ワークフローのルートの自動生成の手順を示すフローチャート図。
図6】ホーム画面を示す図。
図7】ユーザの管理画面を示す図。
図8】社員名簿及び組織図の管理画面を示す図。
図9】社員名簿の登録画面を示す図。
図10】組織図の登録画面を示す図。
図11】ワークフロー及び社内規程の管理画面を示す図。
図12】社内規程の登録画面を示す図。
図13】ワークフローのルートの自動生成に使用される社内規程及び組織図の選択画面を示す図。
図14】自動生成されたワークフローのルートの確認画面を示す図。
図15】稟議申請画面を示す図。
図16】発注/購買申請画面を示す図。
図17】稟議申請の確認画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。
<稟議システムの概略構成>
まず、本実施の形態に係るワークフローシステムとしての稟議システム1の構成について説明をする。稟議システム1は、図1に示すように、ユーザに対して稟議申請に係るワークフローサービスを提供するシステムであり、稟議処理サーバ2と、端末装置5と、を備えている。これら稟議処理サーバ2及び端末装置5は、インターネット等のネットワーク6を介して通信可能に接続されており、上記稟議申請に係るワークフローサービスは、ユーザがインターネットを介し稟議処理サーバ2にアクセスすることによって、いわゆるクラウドサービスとして提供される。
【0010】
端末装置5は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等のユーザ端末であり、ウェブブラウザや専用のアプリによって稟議処理サーバ2にアクセスすることができる。当該端末装置5は、ディスプレイ等の表示部51を備えており、稟議処理サーバ2にアクセスすることにより、稟議申請に係るワークフローを生成/更新したり、実際に稟議申請を行なったりすることができるように構成されている。
【0011】
稟議処理サーバ2は、社内規程データ及び組織図データを取り込んで稟議規程に係るワークフローのルートを自動生成可能な稟議処理システムであり、制御部10と、記憶部20と、通信部30と、を備えた複数又は単体のコンピュータによって構成されている。通信部30は、ネットワーク6を介して端末装置5と暗号化された通信を行うための通信インターフェースである。
【0012】
記憶部20は、制御部10が実行するためのプログラムや、上述した社内規程データ及び組織図データなどを記憶しており、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などによって構成されている。社内規程データは、詳しくは後述する稟議規程データ及び職務権限規程データを含んだデータであり、記憶部20は、稟議規程データ記憶部21と、職務権限規程データ記憶部22と、組織図データ記憶部23と、社員データ記憶部24と、ワークフロー記憶部25と、モデル記憶部26と、を備えている。
【0013】
稟議規程データ記憶部21には、稟議事項の基準及び稟議の手続きを定めたテキストデータを含むデータである稟議規程データが記憶される。図2は、稟議規程データ記憶部21に記憶される稟議規程データの一例であり、テキストデータ及び図表を含んで構成されている。具体的には、図2に示す稟議規程データでは、第3条にて稟議規程の種類を定め、第3条、第4条及び別表にて、稟議条件、稟議事項の回議者及び決裁者を定めている。また、第7条にて稟議に係る手続きを定めている。
【0014】
職務権限規程データ記憶部22には、職務に対する権限を定めたテキストデータを含むデータである職務権限規程データが記憶される。図3は職務権限規程データ記憶部22に記憶される職務権限規程データの一例であり、テキストデータ及び図表(不図示)を含んで構成されている。具体的には、この図3に示す職務権限規程データでは、設定される職位を第3条で、各職位の職務を第4条及び別表1(不図示)で、各職位の権限を第5条及び別表1及び2に定めている。また、第8条及び9条において、職務権限の代行及び委譲の方法について定めている。これら第8条及び第9条の規程を、稟議規程の第7条と併せて参酌することによって、権限の代行時や委譲時のワークフローのルート(経路)の設定時のアルゴリズムを決定することができるようになる。
【0015】
組織図データ記憶部23には、社員の所属単位を階層的に区分した組織図データが記憶される。図4は、組織図データ記憶部23に記憶される組織図データの一例であり、組織の内部構造を図式化して構成されている。具体的には、この図4に示す組織図データでは、代表取締役を頂点とし、その下に営業本部、製造本部、管理本部などの「本部」が社員の最も大きな所属単位(組織)として置かれている。また、各本部の下に複数の「部」が「本部」よりも小さな社員の所属単位として置かれている。更に、この「部」の下に「課」や「チーム」などの更に小さな社員の所属単位を設定されている。なお、組織図の階層構造は、必要に応じて何階層となっていても良く、また、社員の所属単位は、上述したように会社内での役割の単位では無く、例えば、プロジェクトや指揮命令系統に応じて所属単位を階層化しても良い。
【0016】
社員データ記憶部24には、社員の氏名、役職、所属、システムの管理権限、メールアドレスなどの社員データが記憶される。
【0017】
ワークフロー記憶部25には、制御部10が生成したワークフローのルート(経路、条件分岐)が記憶される。
【0018】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、記憶部20に記憶されているプログラムを実行することにより、データ取得部11、ワークフロー生成部12、ワークフロー更新部13、稟議処理部14、画面生成部15として機能する。
【0019】
データ取得部11は、上述した稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データ、社員データなどを取得するように構成されている。具体的には、データ取得部11は、例えば、稟議規程や職務権限規程が保存されたPDF、ワードなどの文書ファイルや、組織図や社員データが保存されたCSVファイルやエクセルファイルなどが端末装置5からアップロードされることによってデータを受け付け、記憶部20に記憶させる。なお、社内規程データ(本実施の形態では、稟議規程データ及び職務権限規程データ)、組織図データ、社員データは、どのようなデータ形式でアップロードされても良く、データ取得部11は、これらのデータが画像データにてアップロードされた場合には、OCR処理を施して、画像データのテキスト部分をテキストデータに変換する。
【0020】
ワークフロー生成部12は、ワークフローのルートを生成するように構成されている。また、ワークフロー更新部13は、ワークフロー生成部12が生成したワークフローのルートを更新するように構成されている。これらワークフロー生成部12及びワークフロー更新部13は、それぞれ、ユーザが手入力でルートの分岐条件を設定することによって、ワークフローのルートの生成及び更新も可能であるが、上述した稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データに基づいて、これらのワークフローのルートを自動生成/更新することができる。
【0021】
稟議処理部14は、稟議申請の内容に基づいて、ワークフロー記憶部25に記憶されているワークフローのルートから適切なルートをユーザに提案し、選択されたワークフローのルートに基づいて、稟議申請を回議するように構成されている。
【0022】
画面生成部15は、端末装置5の表示部51に表示させる種々の画面データを生成する。
【0023】
<ワークフロールートの自動生成>
ユーザが稟議システム1を使用できる状態にするには、まず、ユーザ内のシステム管理者が自社の稟議規程や職務権限規程などの社内規程に基づいたワークフローのルートを作成し、システムに登録する必要がある。通常、このような社内規程には、稟議申請に関し、金額、稟議の内容、回議者の役職などに応じて、様々な条件が設定されており、これらの条件分岐に応じて、多数の稟議申請のルートが存在している。このような多数のワークフローのルートは、通常、稟議システムの管理者が手動によって設定していたが、社内規程の内容を読み解き、多数のワークフローのルートを手動で設定することは、多大な労力を必要としていた。このため、本実施の形態に係る稟議システム1では、上述したように稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データに基づいて、ワークフローのルートを自動で生成可能に構成されている。以下、ワークフローのルートの自動生成について、詳しく説明をする。
【0024】
図5は、ワークフローのルートの自動生成を行う際の手順を示したフローチャート図である。図5に示すように、ワークフローの経路を自動生成するに際し、稟議システムの管理者は、まず、社員データ、稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データを稟議処理サーバ2にアップロードする必要がある(図5のステップS1及びS2)。以下、これら社員データ、稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データのアップロード処理(データの受け付け工程)について説明をした後、ワークフローのルートの自動生成処理について説明をする(図5のステップS3~S9)。
【0025】
ユーザが端末装置5を介して稟議処理サーバ2に接続されると、制御部10が画面生成部15として機能して、図6に示すように、端末装置5の表示部51にホーム画面100を表示させる。このホーム画面100は、画面左方が操作コマンドに係るアイコン(以下、メニューともいう)41~46を表示するメニュー領域40となっていると共に、このメニュー領域40の右方は、選択されたメニューに応じた情報が表示される情報表示領域60になっている。メニュー領域40は、ユーザの権限に応じて表示内容が決定され、他の画面に遷移しても表示内容が変化しないようになっている。また、情報表示領域60は、選択されたメニューの内容に応じて画面内容が変化するように構成されており、情報表示領域60の画面内容が変化することによってシステム画面が遷移する。
【0026】
より詳しくは、図6の例では、メニュー領域40には、それぞれ「書類の申請」、「社内申請中」、「差戻」、「承認完了」、「却下・取下げ」、「設定」と表示されたアイコン41~46が上下に並んで配置されていると共に、「設定」のアイコン46のサブ項目として、それぞれ「ユーザ」、「ユーザグループ」、「アラート」、「ワークフロー」、「契約管理項目」、「テンプレート」、「連携・オプション」と表示されたアイコン461~467が上下に並んで配置されている。
【0027】
「書類の申請」のアイコン41は、稟議申請を行う際にユーザに選択されるアイコンであり、当該アイコン41がクリックされると、図6のホーム画面100が表示される。ホーム画面100において、情報表示領域60には、現在の申請状況を示すダッシュボード61が表示されている。このダッシュボード61には、それぞれ、社内承認中、相手方確認中、差戻し、下書き、承認有効期限切れの状態の稟議申請の数がそれぞれ表示されている。また、ダッシュボード61の下方には、「書類の申請」と表示されたアイコン62が表示されており、稟議申請を行うユーザは、この「書類の申請」のアイコン62をクリックする。
【0028】
一方、メニューの内、「社内申請中」のアイコン42は、社内申請中の稟議申請の一覧を表示するためのアイコンであり、「差戻」のアイコン43は、社内申請中の稟議申請の一覧を表示するためのアイコンである。「承認完了」のアイコン44は、承認が完了した稟議申請の一覧を表示するためのアイコンであり、「却下・取下げ」のアイコン45は、却下もしくは取下げられた稟議申請の一覧を表示するためのアイコンである。
【0029】
「設定」のアイコン46は、ユーザの権限が管理者の場合に表示されるアイコンであり、サブ項目の内、「ユーザ」のアイコン461は、システムへのユーザ登録(社員登録)や組織図の登録を管理するための画面を開くためのアイコンである。「ユーザグループ」のアイコン462は、ユーザ(社員)の所属(グループ)を管理するための画面を開くためのアイコンである。「アラート」のアイコン463は、承認待ちの状態で一定期間放置されている稟議申請や、承認期限が迫っている稟議申請について、承認者に対して発するアラートの方法や時期を設定するための画面を開くためのアイコンである。
【0030】
「ワークフロー」のアイコン464は、ワークフローのルート及び社内規程を管理するための画面を開くアイコンである。「契約管理項目」のアイコン465は、契約管理に係る稟議申請の際に書類種別ごとの管理などの設定を行う画面を開くアイコンである。「テンプレート」のアイコン466は、稟議申請に使用するテンプレートを管理するための画面を開くアイコンである。「連携・オプション」のアイコン467は、稟議システム1と連携するシステムなどを管理する画面を開くアイコンである。
【0031】
稟議システム1に社員の情報及び組織図を登録するに際し、システムの管理者は、上記「ユーザ」のアイコン461をクリックする。この「ユーザ」のアイコン461がクリックされると、図7に示すユーザの管理画面110が端末装置5の表示部51に表示される。ユーザの管理画面110では、図7に示すように、情報表示領域60に既に登録されているユーザリスト70が表示されており、このユーザリスト70には、「氏名(名前)」、「メールアドレス」、「ロール」、「所属」、「役職」の表示欄が設けられている。なお、「ロール」とは、システム上、ユーザに許可されている権限のことを言う。また、各ユーザの表示欄ごとに「編集」及び「削除」と表示されたアイコン71,72が設けられており、「編集」のアイコン71をクリックすることによってユーザ(社員)情報を編集可能になっていると共に、「削除」のアイコン72をクリックすることによってユーザを削除可能になっている。
【0032】
更に、ユーザの管理画面110には、ユーザ名やメールアドレスなどを入力して、ユーザリスト70に表示させるユーザを検索(ソート)する検索バー73及び付与されたロールに応じてユーザリスト70の表示をソートするための選択ボックス74が設けられている。加えて、ユーザの管理画面110では、上記ユーザリスト70の上方かつ検索バー73の下方に「ユーザを招待」及び「社員名簿や組織図を登録」と表示されたアイコン75,76が並設されている。
【0033】
「ユーザを招待」のアイコン75は、稟議システム1にユーザを招待する招待画面を開くためのアイコンであり、当該招待画面から個別にユーザを招待することによって、一人ずつ、稟議システム1にユーザ(社員)を登録することができる。
【0034】
「社員名簿や組織図を登録」のアイコン76は、図8に示す社員名簿及び組織図の管理画面120を開くためのアイコンであり、図8に示すように、社員名簿及び組織図の管理画面120の情報表示領域60には、登録されている社員名簿のリスト80及び登録されている組織図のリスト81が上下に並んで表示されている。社員名簿のリスト80は、社員名簿の「名簿名」、「施行日」、「件数」、「メモ」の表示欄が設けられており、「名簿名」には、各社員名簿のファイル名が表示される。また、「施行日」には、各社員名簿が有効となる日付が表示される。「件数」には、各社員名簿に含まれている社員数(ユーザ数)が表示される。「メモ」には、各社員名簿の説明が入力される。
【0035】
更に、社員名簿ごとに「編集」及び「削除」と表示されたアイコン82,83が設けられており、「編集」のアイコン82をクリックすることによって当該社員名簿の情報を編集可能になっていると共に、「削除」のアイコン83をクリックすることによって当該社員名簿をリストから削除可能になっている。
【0036】
同様に、組織図のリスト81には、組織図の「組織図名」、「施行日」、「メモ」の表示欄が設けられており、「組織図名」には、各組織図のファイル名が表示される。また、「施行日」には、各組織図が有効となる日付が表示される。「メモ」には、各組織図の説明が入力される。
【0037】
更に、組織図ごとに「編集」及び「削除」と表示されたアイコン84,85が設けられており、「編集」のアイコン84をクリックすることによって当該組織図の情報を編集可能になっていると共に、「削除」のアイコン85をクリックすることによって当該組織図をリスト81から削除可能になっている。
【0038】
また、上記社員名簿のリスト80の上方には、「社員名簿を登録」と表示されたアイコン86が設けられている。このアイコン86は、社員名簿を新規で登録する際にクリックされるアイコンであり、管理者は、新規の社員名簿を登録する場合に、この「社員名簿を登録」のアイコン86をクリックする。アイコン86がクリックされると、端末装置5の表示部51に図9に示す社員名簿の登録画面130が表示される。社員名簿の登録画面130の情報表示領域60には、新規登録する社員名簿ファイルのパスを入力する入力バー90が表示されていると共に、上述した社員名簿のリスト80の表示欄に対応して、新規登録される社員名簿ファイルの施行日、件数(社員数)、メモを入力する入力バー91,92,93がそれぞれ設けられている。
【0039】
なお、新規登録する社員名簿ファイルのパスは、直接、入力バー90に入力することもできるが、入力バー90に並設されているダイアログボックス95からファイルを選択してパスを入力しても良い。また、施行日、件数については、管理者が手入力することもできるが、例えば、所定の書式で記載されたファイル名から自動で取得するようにしても良い。
【0040】
更に、入力バー93の下方には、「取消してもどる」、「保存」と表示されたアイコン96,97が設けられており、「取消してもどる」のアイコン96がクリックされると、社員名簿の登録画面130に入力された情報がクリアされて、図8の管理画面120へと戻る。「保存」のアイコン97がクリックされると、入力された新規社員名簿が、図8の社員名簿のリスト80に新たに登録される。
【0041】
例えば、稟議システム1の利用開始時や、社員名簿の更新時に新規社員名簿をシステムに登録する場合、システムの管理者は、「ユーザ」のアイコン461、「社員名簿や組織図を登録」のアイコン76、「社員名簿を登録」のアイコン86を順にクリックし、図9に示す社員名簿の登録画面130を表示させる。そして、社員名簿の登録画面130において各入力項目90~94を入力した後、「保存」のアイコン97をクリックし、新規社員名簿を社員名簿のリスト80に登録する。そして、図8の社員名簿及び組織図の管理画面120の「登録」のアイコン87をクリックすることによって、当該社員名簿が稟議システム1上、有効になり、登録された新規社員名簿に保存されている社員データが、当該社員名簿の施行日よりシステムのユーザリスト70に登録される。なお、図8の「もどる」のアイコン89をクリックすると、社員名簿及び組織図の管理画面120は、ユーザの管理画面110へと戻る。このため、例えば、社員名簿が即時に有効とした場合、管理者は、上記「もどる」のアイコン89をクリックして、ユーザリスト70に追加した社員名簿の社員が登録されたか否かを確認することができる。
【0042】
また、組織図についても社員名簿と同様に図8の組織図のリスト81の上方には、「組織図を登録」と表示されたアイコン88が設けられている。このアイコン88は、組織図を新規で登録する際にクリックされるアイコンであり、ユーザは、新規の組織図を登録する場合には、この「組織図を登録」のアイコン88をクリックする。アイコン88がクリックされると、端末装置5の表示部51に図10に示す組織図の登録画面140が表示される。組織図の登録画面140の情報表示領域60には、新規登録する組織図ファイルのパスを入力する入力バー141が表示されていると共に、上述した組織図のリスト81(図8参照)の表示欄に対応して、新規登録される組織図ファイルの施行日、メモを入力する入力バー142,143がそれぞれ設けられている。
【0043】
なお、新規登録する組織図ファイルのパスは、直接、入力バー141に入力することもできるが、入力バー141に並設されているダイアログボックス144からファイルを選択してパスを入力しても良い。また、施行日については、管理者が手入力することもできるが、例えば、所定の書式で記載されたファイル名から自動で取得するようにしても良い。
【0044】
更に、入力バー143の下方には、「取消してもどる」、「保存」と表示されたアイコン145,146が設けられており、「取消してもどる」のアイコンがクリックされると組織図の登録画面140に入力された情報がクリアされて、図8の管理画面120へと戻る。「保存」のアイコン146がクリックされると、入力された新規組織図が、図8の組織図のリスト81に登録される。
【0045】
例えば、稟議システム1の利用開始時や、組織図の更新時に新規組織図をシステムに登録する場合、システムの管理者は、「ユーザ」のアイコン461、「社員名簿や組織図を登録」のアイコン76、「組織図を登録」のアイコン88を順にクリックし、図10に示す組織図の登録画面140を表示させる。そして、組織図の登録画面140において各入力項目141~143を入力した後、「保存」のアイコン146をクリックし、新規組織図を組織図のリスト81に登録する。そして、図8の社員名簿及び組織図の管理画面120の「登録」のアイコン87をクリックすることによって、当該組織図が稟議システム1上、有効となる。
【0046】
ついで、社内規程データのアップロードについて説明をする。稟議規程データや職務権限データなどの社内規程データをアップロードする場合、管理者は、「設定」のメニューの内、「ワークフロー」のアイコン464をクリックする。アイコン464がクリックされると、端末装置5の表示部51には、図11に示すワークフロー及び社内規程の管理画面150が表示される。ワークフロー及び社内規程の管理画面150の情報表示領域60には、登録されているワークフローのルートのリスト151及び登録されている社内規程のリスト152が上下に並んで表示されている。登録されているワークフローのルートのリスト151は、ワークフローの「ルート名」及び「説明」の表示欄が設けられている。
【0047】
また、ワークフローのルートごとに「編集」及び「削除」と表示されたアイコン153,154が設けられており、「編集」のアイコン153をクリックすることによって当該ワークフローのルートを編集可能になっていると共に、「削除」のアイコン154をクリックすることによって当該ワークフローのルートを削除可能になっている。
【0048】
同様に、社内規程のリスト152には、社内規程の「規程名」、「説明」、「施行日」の表示欄が設けられており、本実施の形態では、社内規程には、「稟議規程」と「職務権限規程」が含まれているため、「規程名」には、例えば、「稟議規程」や「職務権限規程」などの規程名が表示される。また、「施行日」には、当該社内規程が有効となる日付が表示される。「説明」には、議決日などの当該社内規程の説明が記載される。
【0049】
更に、社内規程ごとに「編集」及び「削除」と表示されたアイコン155,156が設けられており、「編集」のアイコン155をクリックすることによって当該社内規程の情報を編集可能になっていると共に、「削除」のアイコン156をクリックすることによって当該社内規程を削除可能になっている。
【0050】
また、上記社内規程のリスト152の上方には、「社内規程を新規登録」と表示されたアイコン157が設けられている。このアイコン157は、社内規程を新規で登録する際にクリックされるアイコンであり、管理者は、新規の社内規程を登録する場合には、この「社内規程を新規登録」のアイコン157をクリックする。アイコン157がクリックされると、端末装置5の表示部51に図12に示す社内規程の登録画面160が表示される。社内規程の登録画面160の情報表示領域60には、新規登録する社内規程ファイルのパスを入力する入力バー162が表示されていると共に、上述した社内規程のリスト152の表示欄に対応して、新規登録される社内規程ファイルの規程名、施行日、説明を入力する入力バー162,163,164がそれぞれ設けられている。
【0051】
なお、新規登録する社内規程ファイルのパスは、直接、入力バー161に入力することもできるが、入力バー161に並設されているダイアログボックス165からファイルを選択してパスを入力しても良い。また、規程名、施行日については、管理者が手入力することもできるが、例えば、所定の書式で記載されたファイル名から自動で取得するようにしても良い。
【0052】
更に、入力バー164の下方には、「取消してもどる」、「下書き保存」、「保存」と表示されたアイコン166,167,168が設けられており、「取消してもどる」のアイコン166がクリックされると、社内規程の登録画面160に入力された情報がクリアされて、図11の管理画面150へと戻る。「下書き保存」のアイコン167がクリックされると、社内規程の登録画面160に入力された情報が下書き保存され、他の画面へと遷移した後、社内規程の登録画面160に戻ってきても、下書き保存された入力状態が表示される。「保存」のアイコン168がクリックされると、入力された社内規程が、図11の社内規程のリスト152に新たに登録される。
【0053】
例えば、稟議システム1の利用開始時や社内規程の更新時に、新規の稟議規程や職務権限規程などの社内規程をシステムに登録する場合、システムの管理者は、「ワークフロー」のアイコン464、「社内規程を新規登録」のアイコン157を順にクリックし、図12に示す社内規程の登録画面160を表示させる。そして、社内規程の登録画面160において各入力項目161~164を入力した後、「登録」のアイコン168がクリックされると、新規社内規程が社内規程のリスト152に登録される。本実施の形態では、ワークフローのルートを決定するに際し、稟議規程と職務権限規程の2つの社内規程が必要となるため、管理者は、ワークフローのルートの自動生成を行うに際し、少なくとも1つの稟議規程ファイルと職務権限規程ファイルとを上述した方法にて稟議システム1に登録する。
【0054】
このようにして、稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データが稟議システム1に保存されると、管理者は、ワークフローのルートの自動生成を行える状態となる。以下、ワークフローのルートの自動生成について詳しく説明をする。
【0055】
ワークフロー経路を自動生成するに際し、管理者は、まず、端末装置5の表示部51に、図11に示すワークフロー及び社内規程の管理画面150を表示させる。ワークフロー及び社内規程の管理画面150の登録されているワークフローのルートのリスト151の上方には、「新規ワークフローを作成」、「規程・組織図からルートを生成」と表示されているアイコン158,159が並設されており、そして、管理者は、「規程・組織図からルートを生成」のアイコン159をクリックする(図5のステップS3)。なお、手動でワークフローのルートを登録する場合、管理者は「新規ワークフローを作成」のアイコン158をクリックして手動によるワークフローのルートの登録画面を表示させる。
【0056】
「規程・組織図からルートを生成」のアイコン159がクリックされると、端末装置5の表示部51には、図13に示すように、ワークフローのルートの自動生成に使用される社内規程及び組織図の選択画面170が表示される(図5のステップS4)。この選択画面170の情報表示領域60には、選択可能な社内規程のリスト171と、組織図のリスト172が上下に並んで表示されている。社内規程のリスト171には、複数の社内規程(社内規程データ)が表示可能であると共に、社内規程の「規程名」、「説明」、「施行日」の表示欄が設けられている。また、社内規程のリスト171の社内規程ごとに、「有効」及び「無効」のアイコン173,174が表示されている。社内規程のリスト171の各社内規程は、「有効」のアイコン173が選択されると、ワークフローのルートの自動生成に当該社内規程が使用される元データとなり、「無効」のアイコン174が選択されている社内規程については、ワークフローのルートの自動生成の元データとしては使用されない。
【0057】
また、組織図のリスト172は、複数の組織図(組織図データ)が表示可能であると共に、組織図の「組織図名」、「説明」、「施行日」の表示欄が設けられている。また、表示されている組織図ごとに「有効」及び「無効」のアイコン175,176が表示されている。組織図のリスト172の各組織図も同様に、「有効」のアイコン175が選択されると、ワークフローのルートの自動生成の元データとして当該社内規程が使用され、「無効」のアイコン176が選択されている組織図については、ワークフローのルートの自動生成の元データとしては使用されない。
【0058】
そして、管理者は、ワークフローのルートの自動生成に使用する社内規程(本実施の形態では稟議規程及び職務権限規程)と、組織図と、を選択すると、組織図のリスト172の下方に配置された「次に進む」のアイコン177をクリックする(図5のステップS5)。なお、社内規程のリスト171及び組織図のリスト172に選択すべき社内規程もしくは組織図が存在しなかった場合、「取消ししてもどる」のアイコン179をクリックし、選択画面170の入力情報をクリアして図11のワークフロー及び社内規程の管理画面150に戻り、その後、必要な社内規程もしくは組織図を登録する。また、選択画面170の入力情報を保持した状態で、画面を遷移させたい場合には、管理者は、「下書き保存」のアイコン178をクリックした後に画面を遷移させる。
【0059】
「次に進む」のアイコン177がクリックされると、制御部10は、ワークフロー生成部12として機能し、上述した選択画面170にて選択された稟議規程データ、職務権限規程データ及び組織図データに対して自然言語処理を施し、これら稟議規程データ、職務権限規程データ及び組織図データに基づいてワークフローのルートを自動生成する(図5のステップS6)。例えば、本実施の形態では、制御部10は、所定のAI言語モデルを搭載しており、上記選択された稟議規程データ及び職務権限規程データの文書理解を行い、これら稟議規程データ及び職務権限規程データに従った稟議申請のルート設定のアルゴリズムを構築する。また、制御部10は、組織図データより組織図(社内)に含まれる組織単位(社員の所属単位)を解析すると共に、その階層構造を解析する。そして、組織図より取得した組織構造に対して、上記稟議申請のルート設定のアルゴリズムを適用することによって、選択された稟議規程データ、職務権限規程データ及び組織図データに従ったワークフローのルートを自動生成する。なお、上記言語モデルは、大規模言語モデルのようにファインチューニングを経ずに推論可能な言語モデルや、事前学習済み言語モデルをファインチューニングした学習済みモデルなど、どのような言語モデルであっても良く、記憶部20のモデル記憶部26に記憶されている(図1参照)。
【0060】
例えば、ワークフロー/ワークフロールートは、稟議規程データ及び職務権限データに含まれるテキストに対して、以下のような手法で文書解析(自然言語処理)を実行することにより自動生成し得る。
・「部長」、「役員」、「承認」、「決裁」などの役職、承認権限、決裁権限の少なくとも一つに関係するキーワード及び当該キーワードを含む文を抽出し、解析する;
・金額や金額の範囲を示すテキスト及び当該テキストを含む文を抽出し、解析する;
・上記の役職または権限の少なくとも一つと金額とを互いに関連付けながら解析することで、ワークフローの分岐条件を生成していく。
【0061】
ワークフローのルートの自動生成を行うと、制御部10は、端末装置5の表示部51に図14に示すように、自動生成されたワークフローのルートの確認画面180を表示する(図5のステップS7)。この確認画面180の情報表示領域60には、自動生成されたワークフローのルートのリスト181が表示されている。ワークフローのルートのリスト181は、自動生成されたルートの「ルート名」、「説明」、「施行日」の表示欄が設けられており、表示されているルートごとに、「編集」及び「削除」のアイコン182,183が表示されている。「編集」のアイコン182は、自動生成されたルートの内容を編集するためのアイコンであり、管理者は、当該「編集」のアイコン182をクリックして、例えば、生成されたルート名を適切なルート名に変更したり、説明の欄にルートの説明を記入したり、施行日を設定したりする。また、自動生成されたルートの経路に誤りがあった場合には、その内容を修正する。更に、必要のないルートが自動生成されている場合、「削除」のアイコン183をクリックして、当該ルートを削除する(図5のステップS8)。
【0062】
そして、自動生成されたワークフローのルートの確認が終わると、管理者は、ワークフローのルートのリスト181の下方に設けられた「登録」のアイコン185をクリックし、自動生成されたワークフローのルートを図11に示すワークフローのルートのリスト151に登録をする(図5のステップS9)。また、ルートの自動生成の元となる各データのいずれかに誤りがあった場合などには、管理者は、「取消してもどる」のアイコン184をクリックし、自動生成されたルートをクリアして、図13の選択画面170に戻る。
【0063】
このように、本実施の形態に係る情報処理方法では、稟議規程を定めたテキストデータを含む社内規程データと、社員の所属単位を階層的に区分した組織図データと、を受け付け、自然言語処理を用いて、これら社内規程データと組織図データとから稟議申請に係るワークフローのルートを生成可能としている。これにより、システムの管理者は、例えば、稟議規程、職務権限規程、組織図を読み解いて、複雑な分岐条件や組織構造に従った多数のワークフローのルートを手動で作成せずとも、このようなワークフローのルートを稟議処理サーバ2によって容易に生成することができ、容易に自社の社内規程に沿ったワークフローシステムを構築することができる。従って、ワークフローのルート作成に係る労力を大幅に削減することができると共に、特に、システムの使用に慣れていない管理者に対して、システム利用のハードルを下げることができる。
【0064】
なお、上述した実施の形態では、ワークフローのルートの自動生成の元データとして施行日に到達していない社内規程データ及び組織図データを選択画面170において選択可能となっていたが、例えば、施行日前の社内規程データ及び組織図データについては、選択画面170において選択不能にしても良い。また、施行日前の社内規程データ及び組織図データに基づいて生成されたワークフローのルートについては、施行日後に有効となるように設定可能に構成しても良い。
【0065】
<稟議申請処理>
ついで、上述したワークフローのルートを用いた稟議申請処理について説明をする。稟議申請にあたり、ユーザは、まず、図6に示すホーム画面100を開き、「書類の申請」のアイコン62をクリックする。「書類の申請」のアイコン62がクリックされると、図15に示す稟議申請画面190が端末装置5の表示部51に表示される。稟議申請画面190は、図15に示すように、情報表示領域60に、登録されているワークフローのルートに基づいた稟議分類のリスト191と、この稟議分類を入力する入力バー192と、が表示して構成されており、入力バー192のプルダウンメニュー内から所望の稟議分類をユーザが選択するようになっている。また、稟議分類のリスト191の下方には、「もどる」と表示されたアイコン193と、「進む」と表示されたアイコン194とが並設されており、稟議分類が選択されると、「進む」のアイコン194がユーザによりクリックされる。なお、「もどる」のアイコン193がクリックされると稟議申請画面190はホーム画面100に戻る。
【0066】
「進む」のアイコン194がクリックされると、選択された稟議分類に応じた申請画面が端末装置5の表示部51に表示される。例えば、発注/購買稟議の分類を選択した場合、図16に示す発注/購買申請画面200が端末装置5の表示部51に表示される。図16に示すように、発注/購買申請画面200の情報表示領域60には、「タイトル」、「金額」、「説明」、「承認ルート」の入力欄201~204が上下に並んで設けられており、「タイトル」の入力欄201には、今回の申請のタイトルを入力するようになっている。
【0067】
また、「金額」の入力欄202には、購入する物品の金額を入力するようになっており、「説明」の入力欄203には、物品の購入目的や購入先を入力するようになっている。更に、「承認ルート」の入力欄204は、今回の物品購入の稟議申請の際に使用されるワークフローのルートを入力する欄であり、選択ボックス205によって使用するワークフローのルートを選択することができるようになっている。また、「承認ルート」の入力欄204は、選択ボックス205の下方が選択されたルートのプレビュー領域となっており、当該ルートにおける回議経路と共に回議者及び決裁者が表示されている。
【0068】
加えて、本実施の形態では、制御部10は、ログインユーザのユーザ情報(所属、役職など)、稟議分類、金額などの情報に基づいて、「承認ルート」の入力欄204の選択ボックス205に適切と推定されるワークフローのルートを自動で表示(提案)するように構成されている。制御部10によって提案された承認ルートの場合、選択ボックス205には、雲マークのアイコン206が表示され、コンピュータによって自動で提案されたルートであることをユーザが認識できるようになっている。
【0069】
例えば、営業本部、営業第1部の一般社員である金前花子が100000円のパソコンを購入する場合、制御部10は、ログインされているユーザ情報(所属、役職)及び稟議分類情報から、営業第1部の一般社員が物品購入する際のワークフローのルートを絞り込む。また、申請画面200に入力された金額条件から、更に、金額条件に100000円が含まれるルートを絞り込み、絞り込まれたルートを選択ボックス205に表示する。なお、図16で選択ボックス205に表示されている「自動ルート1」は、ワークフローのルートの自動生成処理において生成されたルートであり、制御部10が図2の稟議規程データの別表を解析して、稟議分類が「発注/購買稟議」、金額条件が「10万円以上100万円未満」、ルート設定を一次及び二次回議者がおらず、決裁者が本部長として構築したアルゴリズムを、営業本部の組織図に適用して生成したものである。このため、図16のプレビュー領域には、一次回議者、二次回議者がおらず、決裁者が営業本部長となったワークフローのルートが表示されている。
【0070】
ユーザは、申請画面200の入力事項を入力し終えると、「進む」のアイコン208をクリックする。「進む」のアイコン208がクリックされると、図17に示す確認画面210が端末装置5の表示部51に表示される。確認画面210の情報表示領域60には、申請画面200にて入力された申請内容211が表示されており、ユーザは、申請内容に誤りがない場合には、「申請」のアイコン213をクリックして稟議申請を実行する。申請内容211に誤りがある場合には、「もどる」のアイコン212をクリックして、申請画面200へと戻り、入力内容を修正する。
【0071】
このように、稟議申請時に稟議申請の承認ルートをユーザ情報及び稟議申請情報から制御部10が自動でサジェストするため、稟議申請に慣れていないユーザや、普段と異なる稟議申請を行う場合であっても、適切な申請ルートで稟議申請を行うことができる。なお、上述した実施の形態では、制御部10によりサジェストされた承認ルートを示すために雲マークのアイコン206を表示したが、例えば、選択/提案された承認ルートがコンピュータにより自動生成された承認ルートであることを示すために、上記雲マークのような所定の表示を付すようにしても良い。
【0072】
<ワークフローのルート更新>
ついで、ワークフローのルートの更新について説明をする。稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データのいずれかに更新がある場合、システムの管理者は、社内規程の登録画面160、組織図の登録画面140を介して、新たに更新された稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データをシステムに対して登録する。
【0073】
ついで、管理者は、更新された稟議規程データ、職務権限規程データもしくは組織図データを選択画面170にて選択して、ワークフローのルートの自動生成を実行する。すると制御部10は、ワークフロー更新部13として機能し、選択画面170により選択された稟議規程データ、職務権限規程データ、組織図データに基づいてワークフローのルートを生成し、生成されたワークフローのルートの内、既存のワークフローのルートに対してパラメータ条件(例えば金額条件など)のみが変更となったルートについては、更新された既存のワークフローのルートとして確認画面180に表示する。また、既存のワークフローのルートとは異なる新たな分岐条件に基づいて生成されたルートについては、新ルートとして確認画面180に表示する。更に、既存のワークフローのルートと同一のルートについては、確認画面180に表示を行わず削除する。そして、確認画面180に表示されたルートの内容について管理者により確認が行われ、管理者により「登録」のアイコン185がクリックされると、生成された各ルートがシステムに登録される。なお、この際、更新されたワークフローのルートに対応した更新前の既存ワークフローのルートについては、削除もしくは無効化される。
【0074】
このように、本実施の形態では、社内規程データ及び組織図データの少なくとも一方が更新された場合、更新された社内規程データ及び/又は組織図データを受付け、当該更新データに基づいて、ワークフローのルートの更新を行うことができる。これにより、社内規程データ及び組織図データの更新に応じて、容易にワークフローのルートの更新を行うことができる。また、更新されたルート及び新規に生成されたルートについてのみ、ルートの内容を確認すれば良いため、社内規程データ及び組織図データに変更があるたびに、全てのルートを生成し直す場合と比較して、管理者の作業工数を低減することができる。
【0075】
なお、制御部10は、ワークフローのルートの自動生成もしくは更新に際して、社内規程データもしくは組織図データ上の誤りを検出した場合、その旨を端末装置5の表示部51に警告表示することができる。例えば、社内規程データ及び組織図データにもとづいてワークフローのルートを作成した結果、決裁者が存在しないワークフロー上のルートが生成された場合、当該ルートの問題を警告表示すると共に、例えば、社内規程上の問題のある箇所にマークアップするなどして管理者に対して警告を行うことができる。
【0076】
また、上述した実施の形態では、ワークフローのルートを生成する際に、社内規程データとして、稟議規程データ及び職務権限データを用いたが、これに限らず、例えば、稟議規程データのみに基づいてワークフローのルートを自動生成可能な場合、社内規程データは稟議規程データのみであっても良い。また、社内規程データとして、稟議規程データ及び職務権限データ以外のデータを加入してもよく、制御部10がワークフローのルート設定のアルゴリズムを構築するのに必要なデータを社内規程データが保持していれば、アップロードされる社内規程データの数及び種類は、どのようなものであっても良い。
【0077】
更に、上述した実施の形態では、組織図データとして、組織構造を階層化したデータのみを有する組織図データを例示したが、例えば、組織図データ内に役職者データなどを含んでいても良い。また、上述した実施の形態に記載された発明は、どのように組みわされても良い。
【符号の説明】
【0078】
2:コンピュータ(処理サーバ)
図1
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