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特開2024-122342知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122342
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240902BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029832
(22)【出願日】2023-02-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年12月26日ウェブサイト上に掲載、ウェブサイトのアドレス: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000035800.html
(71)【出願人】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】弁理士法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【弁理士】
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減できる。
【解決手段】知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置である。知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものである。記憶手段に登録を行う登録部と、ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、検索キーを用いて記憶手段を検索する検索部と、知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有する。登録部は、知的財産庁で公開された情報を取得し登録する。受付部は、検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付ける。書類作成部は選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず書類を作成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、
前記検索部の検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付部は、前記検索部の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成部は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする知的財産検索装置。
【請求項2】
前記書類は、登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類である
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項3】
前記書類作成部は、登録料又は特許料を知的財産庁に納付することが可能な時期である場合に前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の知的財産検索装置。
【請求項4】
前記書類作成部は、前記書類の雛形を用い、前記記憶手段から必要な情報を取得し、取得した情報を前記雛形に適用して前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記書類作成部が作成した前記書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて前記書類の電子データをユーザーに送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記書類作成部が作成した前記書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて前記書類の電子データを印刷するための処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項7】
前記書類作成部は、ユーザー以外の所定の者を代理人にして前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項8】
前記知的財産は、商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記書類は、商標権の設定登録時又は更新登録時の登録料を知的財産庁に納付する際に提出する書類であり、
前記書類作成部は、前記書類の雛形を用い、前記記憶手段から区分の数を取得して登録料を計算し、計算した登録料を前記雛形に適用して前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項9】
コンピュータが行う知的財産検索方法であり、知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索方法は、
前記記憶手段に登録を行う登録工程と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付工程と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索工程と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成工程と、
前記検索工程の検索結果をユーザーに提示する提示工程と、を有し、
前記登録工程は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付工程は、前記検索工程の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成工程は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする知的財産検索方法。
【請求項10】
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索プログラムであって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索プログラムは、
前記記憶手段に登録を行う登録処理と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付処理と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索処理と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成処理と、
前記検索処理の検索結果をユーザーに提示する提示処理と、をコンピュータに実行させ、
前記登録処理は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付処理は、前記検索処理の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成処理は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする知的財産検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、知的財産の重要度がますます高まっており、知的財産に関する権利(知的財産権)を取得するための出願が数多くなされている。知的財産権を取得するために、同一の知的財産について出願がなされているかを調査する必要が生じている。また、自身の業務を行う際に、他者の知的財産権を侵害しているかどうかを調査する必要が生じている。従来、これらの調査を行う際に、知的財産を検索するための技術が利用されている。例えば特許文献1では、知的財産の情報を有するデータを用いて検索を行う情報検索システムが開示されている。
【0003】
一方、知的財産権を取得するための出願が数多くなされ、数多くの知的財産権が取得されていることから、権利取得のための手続きの他、権利維持のための手続きを行わなくてはならない場面が増大している。そのため、知的財産に関する手続きについて、負担を減らすための手続支援の技術が求められている。
【0004】
特許文献2には庁費用支払いシステムが開示されている。特許文献2では、登録されたユーザーの案件に関する情報を保持する案件情報記憶部から、ユーザーに関する情報及び案件に関する情報を表示すること、知的財産庁に対する手続書類を自動的に作成し、知的財産庁に自動的に提出することが開示されている。また特許文献2では、ユーザーから庁費用を受領すること、知的財産庁に庁費用の支払いを実行すること、知的財産庁への各種手続に際して必要となる本人認証を、システム管理者の管理下にある本人認証用データを使用して実行することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-206376号公報
【特許文献2】特開2021-197185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、知的財産の検索を行うシステムと、知的財産に関する手続を支援するシステムとがそれぞれ別であるため、ユーザーに不便が生じていた。知的財産の検索を行うシステムは、知的財産の検索を行うことを目的としているため、検索された知的財産について手続の支援を行うといった別の操作が想定されていない。知的財産に関する手続を支援するシステムは、手続を行う対象の知的財産を検索してはいるものの、知的財産に関する手続を行うという目的で使用されるため、自己の知的財産を検索するという用途に限定される。そのため、ユーザーは、知的財産の検索を行うシステムと、知的財産に関する手続を支援するシステムとをそれぞれ別々に使用する必要があり、不便である。また、これら2つのシステムは操作が異なるため、ユーザーは異なる操作を覚える手間が生じる
【0007】
また、特許文献1では、ユーザーが自ら入力して自身の情報や自身の知的財産を記憶部に登録する必要があり、書類作成をするための手間と時間がかかることに加え、入力ミスにより正確な書類が作成されないという問題もある。このため、知的財産の手続支援について、ユーザーの手間を減らすことも求められている。また、知的財産の手続支援を行う対象は、ユーザー自身の知的財産に限られるため、その他のシステムと組み合わせることができない。
【0008】
そこで、本発明は、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減した知的財産検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の知的財産検索装置は、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、
前記検索部の検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付部は、前記検索部の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成部は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減した知的財産検索装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の知的財産検索装置の一例を示す図である。
図2】本発明の知的財産検索装置の他の例を示す図である。
図3】知的財産検索画面の一例を示す図である。
図4】商標検索サイトの画面の一例を示す図である。
図5】商標検索結果画面の一例を示す図である。
図6】知的財産表示画面の一例を示す図である。
図7】書類の一例を示す図である。
図8】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図9】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図10】書類の他の例を示す図である。
図11】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図12】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図13】書類表示画面の一例を示す図である。
図14】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図15】書類の他の例を示す図である。
図16】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図17】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図18】書類表示画面の他の例を示す図である。
図19】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図20】書類の他の例を示す図である。
図21】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
図22】書類の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
本発明の知的財産検索装置は、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、
前記検索部の検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付部は、前記検索部の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成部は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の知的財産検索装置を説明するための図である。図1では、知的財産検索装置10、記憶手段31、ユーザー40、端末41が図示されている。なお、図中の矢印はデータの流れや指示等を模式的に示している。
【0015】
ユーザー40としては、特に制限されるものではなく、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者、受領者などと称してもよい。以下の説明では、ユーザーと対象者を区別なくともに用いている。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0016】
本実施形態の知的財産検索装置10は、登録部11、受付部12、検索部13、書類作成部14、提示部15を有している。本実施形態の知的財産検索装置10は、例えばCPU、RAM、ROM、HDD、IF等を有し、必要に応じてその他の部品等を有する。
【0017】
端末41と知的財産検索装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0018】
記憶手段31は、知的財産の情報を記憶している。知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものである。
なお、本実施形態では、知的財産と称したとき、特に断りのない限り、知的財産庁に出願された知的財産と、知的財産庁で権利が付与された知的財産権とを含むものとする。また、以下では、知的財産の種別と称することがあり、知的財産の種別とは、特許、実用新案、意匠又は商標をいう。
また、知的財産庁は、例えば日本国特許庁が挙げられ、日本の知的財産庁のみならず、外国の知的財産庁も含む。
【0019】
記憶手段31が記憶する情報としては、例えば、出願番号、出願人、出願人の住所又は居所、登録番号、権利者、権利者の住所又は居所、存続期間満了日、出願人又は権利者の識別番号、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、図面、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、区分、指定商品又は指定役務などが挙げられる。この他にも例えば、補正の内容、補正した日、拒絶理由通知や拒絶査定がなされた日、その他の手続きの内容や手続きを行った日などを記憶していてもよい。これらは知的財産庁が公開する情報に基づいて作成される。
【0020】
本実施形態において、記憶手段31に記憶される知的財産は、知的財産検索装置10を利用するユーザーが有するものに限られない。例えば、過去に特許庁に出願されたもの、過去に特許庁で権利が付与されたもの等が記憶されていてもよい。国内の案件に限られず、外国の案件が記憶されていてもよい。
【0021】
記憶手段31は、知的財産検索装置10が有していてもよいし、知的財産検索装置10の外部に設けられていてもよい。例えばクラウド上に設けられていてもよい。知的財産検索装置10と記憶手段31との通信手段は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。また、記憶手段31は1つであってもよいし、複数からなるものであってもよい。
【0022】
登録部11は、記憶手段31に登録(記憶などと称してもよい)を行う。登録部11は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を記憶手段31に登録する。
【0023】
知的財産庁が公開する知的財産は、知的財産庁に出願されたもの、知的財産庁で登録されたものが挙げられる。どのタイミングで公開されるかについては、特許、実用新案、意匠、商標によって異なる。登録部11が記憶手段31に登録する際には、特許、実用新案、意匠、商標の区別をすることなく、公開されたものを登録すればよい。また、出願時や登録時に公開される情報に限られず、審査請求、審判請求、補正書や意見書の提出、更新登録、住所変更、名義変更、移転などを行って公開された情報についても、記憶手段31に登録されることが好ましい。
【0024】
図2は、登録部11の処理内容を模式的に示す図である。登録部11がインターネット20を介して知的財産庁のサイト22にアクセスし、知的財産庁のサイト22が公開する知的財産の情報を取得し、取得した情報を記憶手段31に登録する。
【0025】
登録部11は、定期的に又は不定期的に継続して知的財産の内容を記憶手段31に登録する。特に制限されるものではないが、登録部11は、例えば毎日、毎週、毎月などのように定期的に登録を行う。またこの他にも、登録の指示を受けるなどのように不定的に登録を行う。定期的に又は不定期的に継続して知的財産の内容を記憶手段31に登録することで、記憶手段31の内容を充実させることができる。
【0026】
本実施形態において、ユーザーは、記憶手段31に知的財産の情報を記憶させることが不要である。これにより、ユーザーの手間を低減できる。本実施形態においては、あらかじめ知的財産の内容を記憶した記憶手段31を用いているため、ユーザーは入力の手間を省ける。また、ユーザーが知的財産の内容を手入力する必要がないため、記憶手段31に記憶される知的財産の内容に間違えが生じにくくなり、作成される書類の間違えを低減できる。ユーザーが記憶手段31に知的財産の内容を入力する場合、入力ミスが生じる可能性があるため、本実施形態では知的財産の内容の正確性を向上させることができる。
【0027】
また、本実施形態において、ユーザーは、記憶手段31に知的財産の情報を記憶させることが不要であるため、数多くの知的財産の情報を登録する場合にも、ユーザーに負担がかかることを防止することができる。また、数多くの知的財産の情報を登録する場合にも、知的財産の内容の正確性を確保することができる。
【0028】
なお、特許文献2では、記憶部に知的財産の情報を登録する際に、ユーザーから例えば出願番号や公開番号などの案件情報の一部を受け付けて、これを基に知的財産のシステム側で補足することが開示されている。一方、本実施形態では、このようにユーザーから案件情報の一部を受け付けることも不要である。このため本実施形態では、ユーザーの手間が軽減される。
【0029】
また特許文献2のように、記憶部に知的財産の内容を登録する際に、ユーザーが案件情報の一部を入力する場合、入力ミスが生じる可能性もあり、入力ミスが生じると、システム側で誤った内容を記憶部に登録してしまう。一方、本実施形態では、ユーザーは記憶手段31に知的財産の情報を記憶させることが不要であるため、ユーザーによる入力ミスが生じない仕組みになっているため、知的財産の内容の正確性を確保することができる。
【0030】
受付部12は、ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける。
検索キーとしては、適宜選択することができるが、例えば、出願番号、登録番号が挙げられる。この他にも、任意の文字であってもよい。任意の文字としては、例えば、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠に係る物品の説明、意匠の説明、商標、指定商品・指定役務に含まれる文字が挙げられる。検索キーは、意味のある単語でもよいし、意味のある単語でなくてもよい。検索キーとしてはこの他にも、例えば、出願人又は権利者の識別番号、住所、居所、氏名もしくは名称に含まれる文字などが挙げられる。また、受け付ける検索キーは、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数の場合、適宜組み合わせて検索キーとして用いる。
なお、検索キーは、特定項目、案件特定項目などと称されてもよい。
【0031】
検索部13は、受付部12が受け付けた検索キーを用いて記憶手段31を検索する。検索の方法は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。
検索部13は、例えば、検索キーが出願番号、登録番号に該当するかどうかを判定してもよいし、検索キーが発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、指定商品、指定役務等に含まれているかを判定してもよい。この他にも例えば、検索部13は、検索キーが出願人又は権利者の識別番号、住所、居所、氏名もしくは名称に含まれているかを判定してもよい。
【0032】
検索部13の検索方法について、以下補足する。
検索部13が検索する際、例えば、特許、実用新案、意匠、商標の種別を指定できるようにしてもよい。例えば検索キーを入力する画面で、特許、実用新案、意匠、商標の種別を指定する項目を設ける。このように、種別を指定できるようにすることで、検索精度を向上させることができ、ユーザーが望む検索結果を提示しやすくなる。例えば、他者の特許権を侵害していないかどうかを調べる際に、特許のみを検索するため、ノイズ(この例では例えば実用新案、意匠、商標)が検索結果に含まれることを防止できる。
【0033】
また、検索部13が検索する際、例えば、検索対象の項目を指定できるようにしてもよい。例えば検索キーを入力する画面で、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、指定商品、指定役務等の項目を指定できるようにようにしてもよい。この他にも例えば、出願人又は権利者の氏名もしくは名称、住所、居所を指定できるようにしてもよい。項目を指定できるようにすることで、検索精度を向上させることができ、ユーザーが望む検索結果を提示しやすくなる。
【0034】
また、検索部13が検索する際、検索対象の項目をあらかじめ設定しておいてもよい。例えば、特許であれば、発明の名称と特許請求の範囲、発明の詳細な説明を検索するようにし、意匠であれば、意匠に係る物品、意匠の説明を検索するようにし、商標であれば、商標、指定商品、指定役務を検索するようにしてもよい。すなわち、検索対象の項目をあらかじめ決め打ちしておき(デフォルトの設定として検索対象の項目を決めておき)、検索機ーを用いてあらかじめ決められた検索項目を検索するようにしてもよい。この場合においても、ユーザーが検索項目を指定、選択できるようにしてもよい。
【0035】
これらの検索方法をユーザーが指定、選択するには、例えば知的財産検索画面(検索キーを入力する画面)において、検索設定をできるようにする方法が挙げられる。検索設定をユーザーが指定、選択することで上記のように、検索方法を適宜変更することができる。また、知的財産検索画面(検索キーを入力する画面)は、特許、実用新案、意匠、商標の全てで共通していてもよいし、特許、実用新案、意匠、商標ごとにそれぞれ知的財産検索画面(検索キーを入力する画面)を設けてもよい。このように、特許、実用新案、意匠、商標の種別ごとにそれぞれ知的財産検索画面(検索キーを入力する画面)を設ける場合、ユーザーが操作しやすくなる。
【0036】
提示部15は、検索部13の検索結果をユーザーに提示する。提示の方法は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、端末41に検索結果の画面を表示する。検索結果は、例えば検索部13によって検索された知的財産を一覧形式で表示することが好ましい。一覧形式で表示された知的財産について、ユーザーが任意の知的財産を選択できるようにすることが好ましい。
【0037】
提示部15が検索部13の検索結果をユーザーに提示する際には、検索結果で示される知的財産について、任意の知的財産をユーザーが選択できるようにする。そして、受付部12は、検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付ける。ユーザーが選択できるようにするには、例えば、検索結果を表示する画面において各知的財産に選択ボタンを付しておく。ユーザーがこの選択ボタンを押下することで、検索結果で示される知的財産についてユーザーが選択することができる。
【0038】
書類作成部14は、知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する。
本実施形態において、作成可能な書類としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。書類としては、例えば、登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類が挙げられる。このような書類は、例えば、特許料納付書、意匠登録料納付書、商標登録料納付書、商標権存続期間更新登録申請書が挙げられる。ユーザーは、登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類を自動で作成することができるため、手続を容易に行うことができる。更に、手入力で書類を作成する必要がないため、書類の間違えを防止することができる。ユーザーが自ら登録料や特許料の計算をする場合、計算の手間が生じるだけでなく、計算ミスが生じる可能性がある。本実施形態ではこのような問題を防止できる。
【0039】
登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類について、書類作成部14は、登録料又は特許料を知的財産庁に納付することが可能な時期である場合に、この書類を作成することが好ましい。このようにすることで、ユーザーの手続きミスを防止することができる。例えば、既に権利が消滅しているものに登録料等を納付する誤りを防止できる。
【0040】
書類としては、上記の他にも、知的財産権の存続期間を更新するための申請書、出願審査請求書、知的財産権を取得するための出願を取り下げるための取下書、知的財産権を放棄するための放棄書、意見書、手続補正書、情報提供の書類、異議申立申請書、早期審査の事情説明書、上申書、審判請求書、弁明書、知的財産権の移転登録もしくは分割移転登録を行うための申請書、登録名義人の情報を変更するための申請書、知的財産権に係る実施権の設定もしくは変更するための申請書等が挙げられる。
【0041】
作成する書類の様式は、現行の法律や様式などを考慮して適宜変更すればよい。
【0042】
本実施形態における書類作成部14は、検索結果画面でユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず書類を作成する。これにより、書類の作成を行うユーザーが制限されることを防ぎ、出願人又は権利者以外であっても可能な手続きについての書類を作成することができる。また、ユーザーの本人認証を行う必要がなく、ユーザーの手間を省くことができる。
【0043】
書類作成部14が書類を作成する方法としては、適宜選択することができる。ユーザーによって選択された知的財産について、書類を作成するために必要な項目を記憶手段31から取得し、取得した項目を用いて書類を作成する。
【0044】
書類作成部14は、ユーザーが選択された知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず書類を作成する。このような処理を行うために、例えば書類作成部14は、主体適格についての判定処理を行わないようにする。また、検索部13が検索する際、主体適格についての判定処理を行わないようにする。
【0045】
書類作成部14の処理の一例として、書類作成部14は、公開された情報のみに基づいて書類を作成する。この場合、書類作成部14は、ユーザーによって入力された情報を用いずに書類を作成する。これにより、ユーザーは情報を入力する必要がなく、便利である。
【0046】
また書類作成部14は、書類の雛形を用い、記憶手段31から必要な情報を取得し、取得した情報を前記雛形に適用して書類を作成することが好ましい。これにより、書類を正確に作成することができる。
【0047】
書類作成部14は、ユーザー以外の所定の者を代理人にして書類を作成するようにしてもよい。例えば、代理人が書類の作成を行い、手続きをする場合にも対応でき、ユーザーの幅が広がる。
【0048】
本実施形態の作用効果を以下説明する。
本実施形態の知的財産検索装置10は、知的財産の情報を記憶する記憶手段31を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する。
検索結果の用途は、特に制限されるものではなく、ユーザーが適宜選択することができる。例えば、知的財産権を取得するために、同一の知的財産について出願がなされているかを調査する場合が挙げられる。例えば、商標権を取得したい商標を検索キーとして入力し、検索することで、同一又は類似の商標を検索結果として閲覧することができる。また、ユーザー自身の業務を行う際に、他者の知的財産権を侵害しているかどうかを調査することもできる。
【0049】
なお、従来技術の知的財産管理システムは、ユーザーが自己の知的財産(例えば出願人がユーザーであるものや権利者がユーザーであるもの)を管理するために使用されるため、基本的に他者の知的財産を検索結果として提示しない。例えば特許文献2では、登録されたユーザーの案件を検索結果として提示するのみである。
【0050】
上述したように、本実施形態では、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示するとともに、ユーザーが知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず書類を作成する。これにより、ユーザーは非常に簡便に書類作成を行うことができる。本実施形態では、知的財産を検索するという操作と、知的財産の手続きに関する書類を作成する操作とが統一されており、共通している部分がある。そのため、ユーザーは、新しい使い方を覚えなくてよいため、簡便に操作を行うことができる。
【0051】
従来技術の知的財産検索システムと知的財産管理システムでは、両者の目的が異なるため、他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する検索システムにおいて、書類の作成を行うという発想が生まれにくい。通常の知的財産検索システムでは、例えば他社の権利を検索するなどの目的が想定されており、ユーザー自身の権利を検索するという目的は生じにくい。一方、通常の知的財産管理システムでは、ユーザー自身の出願や権利について管理を行うことが目的であるため、例えば他社の権利を検索するという目的は生じにくい。
【0052】
そのため、本実施形態のように、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置において、ユーザーが出願人又は権利者であるか否かに関わらず手続きの書類を作成できることは、ユーザーの利便性が向上する。本実施形態は、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを併せ持つため、ユーザーは複雑な操作を覚える必要がなく、1つのシステムでこれら機能を利用することができる。
【0053】
本実施形態において、ユーザーは、検索キーを入力し、提示された検索結果の中から対象の知的財産を選択し、書類作成の指示を与えるだけでよいため、簡便な操作でよく、操作の手間が低減されている。また、公開されている知的財産の情報に基づいて書類を作成するため、ユーザーは自身で情報を入力する必要がなく、簡便である。通常の知的財産についての書類作成を自動で行うシステムでは、ユーザーは自身で情報を入力する必要があり、書類作成の完了に至るまでに複数の複雑な操作を経る必要がある。本実施形態では、従来の複雑な操作を行う必要がなくなる。
【0054】
また本実施形態では、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを共通の記憶手段で実行することができるため、データを設計、構築する手間を低減でき、シンプルなデータ設計でシステムを構築できる。例えば、通常の知的財産検索システムでは、データの網羅性(非常に数多くの知的財産の網羅性)が高水準で求められる一方、通常の知的財産管理システムでは、ユーザー自身の情報やユーザーの知的財産に特化してデータを保持する必要がある。通常、従来技術において、ユーザー自身の情報は、知的財産の情報と区別して保持されている。そのため、通常の知的財産検索システムと通常の知的財産管理システムとでは、システムが保持すべきデータの対象が異なり、両者は相入れない。仮に、通常の知的財産管理システムにおいて、他者の知的財産の情報を幅広く取り込もうとすると(このような目的は生じにくいものではあるが)、データ容量が膨大になるほか、システム構築時の設計、開発、実装のコストが増大し、実際に実現しにくい。本実施形態の知的財産検索装置は、従来技術では想到し得ない機能を提供するものであり、本実施形態の内容を読んで知った者は、従来技術にはない知見であると考えるはずである。
【0055】
本実施形態の知的財産検索装置は、上述したように、特許、実用新案、意匠、商標について検索することができ、検索された知的財産について知的財産庁に手続きをするための書類を簡便に作成することができる。中でも、知的財産の種別が商標の場合に、特に優れた利点が得られる。知的財産の種別が商標である場合、検索する際に、検索キーと商標とを比較することで、検索キーと同一又は類似の商標を有する知的財産を検索することができる。また、検索する際に、検索キーと指定商品や指摘役務とを比較することで、検索キーと同一又は類似の指定商品や指摘役務を有する知的財産を検索することができる。このため、商標についての知的財産を精度良く検索することができる。
【0056】
なお、例えば知的財産の種別が特許の場合において、検索キーと特許請求の範囲とを比較する場合であっても、特許についての知的財産を検索することができる。特許請求の範囲には複数の用語が記載されていることが一般的であることから、検索精度を向上させるためには、例えば検索キーを複数受け付けて検索するといった方法も有効である。
【0057】
上記の観点から、本実施形態における好適な一例をここで説明する。
本例における知的財産は、商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものである。また、本例における書類作成部14が作成する書類は、商標権の設定登録時又は更新登録時の登録料を知的財産庁に納付する際に提出する書類である。また、本例における書類作成部14は、前記書類の雛形を用い、記憶手段31から区分の数を取得して登録料を計算し、計算した登録料を前記雛形に適用して書類を作成する。
本例によれば、目的とする知的財産を精度良く検索することができ、ユーザーは登録料の計算をする必要がなく、操作も容易であるため、簡便に書類を作成することができる。
【0058】
知的財産の種別が商標である場合の登録料の計算について、補足を説明する。
商標登録出願がなされた後、例えば補正によって区分を減らし、登録査定になる場合がある。このとき、登録部11は、補正後の区分の数について公開された情報を記憶手段に登録しておくことが好ましい。これにより、商標掲載公報の発行の前であっても、納付すべき登録料を計算することができる。
【0059】
提示部15は、書類作成部14が作成した書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて書類の電子データをユーザーに送信するようにしてもよい。ここでいう送信は、ユーザー側の視点からするとダウンロードであるともいえる。ユーザーが書類をダウンロードすることで、各ユーザーの目的に沿った使用ができる。例えば、紙に印刷して手続きを行ってもよいし、編集を行ってもよい。
【0060】
提示部15は、この他にも、書類作成部14が作成した書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて書類の電子データを印刷するための処理を行うようにしてもよい。この場合、ユーザーは簡便に素早く書類の印刷を行うことができ、書類を用紙に印刷して郵送する場合に簡便に素早く行うことができる。
【0061】
以下、本実施形態の詳細例をいくつか説明する。ただし、本発明は以下の例に限られるものではない。
【0062】
図3は、検索キーを入力する画面の一例を示す図である。検索キーを入力する画面は、知的財産検索画面などと称されてもよい。入力欄51に検索キーを入力して検索ボタン52を押下することで、受付部12は検索キーを受け付け、検索部13は検索の処理を実行する。また、検索設定ボタン53を押下して検索設定を選択、変更できるようにしてもよい。
【0063】
図4は、図3で検索ボタン52を押下したときの検索結果の画面の一例を示す図である。図示する例では、商標、特許、意匠について一覧形式で検索結果が表示されている。図示するように、権利化前と権利化後を検索結果として表示でき、また、出願人や権利者はユーザーのみに限られずに検索結果として表示できる。
【0064】
図5は、知的財産の種別を商標に限定して検索した場合の検索結果の一例である。
本実施形態では、知的財産の種別を絞って検索することも可能である。この場合、検索の精度を向上させることができる。このように知的財産の種別を絞って検索する方法としては、適宜選択することができる。例えば、図4の知的財産検索画面を知的財産の種別ごとに作成する方法が挙げられる。例えば、商標のみに絞って検索する場合、「商標検索画面」などとして商標を検索するようにする。
【0065】
なお、商標のみに絞って検索するとあるのは、知的財産の種別を商標に絞ることを意味し、知的財産庁が公開する商標の公開情報における「商標」の項目のみを検索することではない。知的財産の種別を商標に絞って検索する場合であっても、指定商品や指定役務などの項目を検索することも含まれる。
【0066】
また、知的財産の種別を特許に絞って検索する場合、図4の知的財産検索画面を「特許検索画面」などとして特許を検索するようにする。実用新案や意匠についても同様にすることができる。
【0067】
知的財産の種別を絞って検索する方法としては、上記の他にも例えば、知的財産検索画面に、知的財産の種別を選択できる機能を設けてもよい。例えば特許、実用新案、意匠又は商標を選択するためのボタンを設けてもよい。
【0068】
図5に示す例では、入力された商標「XXXXXXX」と同一又は類似の商標が検索結果として表示されている。No1、2は、入力された商標と同一である商標についての商標登録と、商標登録出願である。このように、権利化後と権利化前とを表示できる。
【0069】
なお、ここで示す例では、No1とNo2はそれぞれ別の出願であることを想定しており、同一の商標について別の商品や役務を指定して商標登録出願をしたものと考えている。そして、No1では商標権が取得され、No2ではまだ商標権が取得されていない、もしくは、権利化しなかった例と考えている。
【0070】
No3~5は、入力された商標と類似の商標についての商標登録である。入力された商標と類似の商標についての商標登録出願が該当すれば、このような商標登録出願を表示してもよい。
【0071】
図示される画面において、表示ボタン61を押下することで、押下した出願や権利について詳細を表示する。なお、表示ボタン61は設けなくてもよく、例えば、表示する項目にリンクを設けておき、項目を押下することで詳細を表示できるようにしてもよい。
【0072】
ここで、図4に示す知的財産検索結果の画面を表示するまでの本例における処理の例を説明する。図3に示す画面において、入力欄55に商標が入力された状態で検索ボタン52が押下されることにより、受付部12は、入力された商標を特定項目として受け付ける。次いで、検索部13は、受け付けた商標を用いて記憶手段31を検索し、その結果を図4に示す知的財産検索結果の画面に表示する。上述のように、同一又は類似の商標を画面に表示している。このように、本例においては、ユーザーが記憶手段31に知的財産の内容を記憶(登録)させていない。
なお、本例は、図4に示す知的財産検索結果の画面を表示する例としているが、知的財産検索結果の画面を表示せずに、後述の図6に示す知的財産表示画面を表示してもよい。例えば、出願番号や登録番号など、1つの知的財産が特定される場合等、知的財産検索結果の画面の表示を省略してもよい。
また、本例は、特定項目が商標である例としているが、特定項目は適宜変更でき、その他の項目であってもよいし、商標に加えて指定商品や指定役務等、その他の項目を組み合わせてもよい。
【0073】
図6は、知的財産表示画面の一例を示す図である。この例は、図4又は図5のNo1の表示ボタン61を押下した場合の例としている。本例の画面では、「知的財産の情報」、「出願人・権利者情報」、「作成可能な書類」を表示している。ただし、本実施形態は図示する例に限られるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0074】
「知的財産の情報」では、商標、区分、登録番号、出願番号等を表示している。これらは、適宜変更可能である。また、存続期間満了日などを表示してもよい。本例では、例えば商標の称呼、指定商品・指定役務等の内容を表示していないが、これらを表示するようにしてもよい。また、「詳細を表示する」といった内容のボタンを設けて、これを押下することで例えば商標の称呼、指定商品・指定役務等の内容を表示するようにしてもよい。
【0075】
「出願人・権利者情報」では、権利者の氏名又は名称を表示している。権利者が複数の場合は、全ての権利者を表示してもよいし、一部の権利者を表示してもよい。また、出願人を表示してもよいし、識別番号、住所又は居所などを表示してもよい。
【0076】
「作成可能な書類」では、書類作成の指示を行うための所定のボタンを表示しており、所定のボタンとして、ここでは例えば、更新登録申請書作成ボタン71、放棄書作成ボタン72を表示している。
【0077】
このような所定のボタンは、所定の手続きのそれぞれに対応して設けられている。例えば、更新登録の申請に対応して更新登録申請書作成ボタン71が設けられており、商標権の放棄に対応して放棄書作成ボタン72が設けられている。
【0078】
また、本例において、これらの所定のボタンは、知的財産の状況に応じて、押下可能もしくは押下不可、又は、表示もしくは非表示となるようにしている。例えば、図6に示す知的財産は、商標登録(登録番号123456号)であり、更新登録の手続きが行える状態であるため、更新登録申請書作成ボタン71を表示し、押下可能なようにしている。例えば、この商標登録に対して既に更新登録を行っている場合、更新登録申請書作成ボタン71を押下できないようにするか、更新登録申請書作成ボタン71を表示しないことが好ましい。これにより、不要な書類を作成することを防止できる。
【0079】
このような知的財産表示画面において、ユーザーによって所定のボタンが押下されることにより、知的財産庁に対して所定の手続きを行うための書類を作成する指示を受け付ける。これにより、押下されたボタンに応じた書類を作成する。
【0080】
本実施形態における記憶手段31は、あらかじめ知的財産の情報を記憶しているともいえる。あかじめとあるのは、ユーザーが知的財産の手続きをするための書類を作成する時点よりも前のことを意味する。そのため、書類作成時に、あらためて書類に必要な情報を入力する手間を低減することができる。
【0081】
知的財産表示画面に表示される知的財産の内容としては、適宜選択することができる。例えば、出願番号、登録番号、登録日、出願日、存続期間満了日、発明の名称、実用新案の名称、意匠の図面、意匠に係る物品、商標、指定商品・指定役務、区分などが挙げられる。この他にも、権利者、出願人などを表示してもよい。
【0082】
知的財産表示画面には、書類に記載する項目を入力するための欄が設けられていてもよい。入力するための欄(入力欄などと称してもよい)が設けられていることにより、ユーザーが書類を修正する手間を低減できる。また、入力欄が設けられていることにより、様々な書類にも対応しやすくなる。
【0083】
所定のボタンは、所定の手続きのそれぞれに対応して設けられており、知的財産の状況に応じて、押下可能もしくは押下不可、又は、表示もしくは非表示となることが好ましい。例えば、権利化前の状態であれば、知的財産権の存続期間を更新するための申請書や権利を放棄するための放棄書などを作成するためのボタンは、押下不可や非表示にすることが好ましい。このようにすることで、不要な書類作成を防止でき、不適当な手続きがなされることを防止できる。
【0084】
また、所定のボタンを押下する際にも、ユーザーは、知的財産表示画面に表示される知的財産の権利者又は出願人であるか否かを問わない。これにより、例えば代理人等が書類を作成する場合にも対応できる。また、ユーザーが知的財産の権利者又は出願人であるか等の本人確認を省くことができ、この場合、ユーザーの操作の手間を省くことができる。
【0085】
所定のボタンが押下された場合の処理としては、適宜変更することが可能である。例えば、所定のボタンが押下された場合、書類作成部14により作成された書類がユーザーの使用する端末にダウンロードされる処理を行うようにしてもよい。ダウンロードの処理としては、特に制限されるものではなく、適宜選択でき、任意の方法を用いることができる。このようにダウンロードができるようにすることで、ユーザーは素早く書類を取得することができ、手続き全体にかかる時間を短縮できる。
【0086】
上記の他にも、所定のボタンが押下された場合、提示部15は、書類作成部14が作成した書類をユーザーが閲覧可能な書類表示画面に表示するようにしてもよい。この場合、受付部12は、書類表示画面に表示された書類に対して、ユーザーからの修正の指示を受け付け可能にすることが好ましい。このように、書類を確認及び修正可能にすることで、書類をダウンロードした後に修正するという操作を防止でき、あらかじめ所望の内容にした後に書類をダウンロードすることができ、書類作成の時間を短縮できる。
【0087】
図7は、更新登録申請書作成ボタン71が押下されることにより作成された書類の例を示す図である。図7に示す書類は、商標権の更新登録を行うための書類であり、商標権存続期間更新登録申請書である。
【0088】
本実施形態における書類作成部14は、書類を作成するために必要な項目を記憶手段31から取得し、取得した項目を用いて書類を作成する。図示するように、商標権存続期間更新登録申請書の項目、例えば提出日、商標登録の番号、商標権者、納付者が設定されて書類が作成される。このため、ユーザーは所定のボタンを押下するのみで書類作成を行うことができる。本実施形態では、書類を作成する際に入力する手間と時間を省き、書類作成にかかる手間と時間を低減することができる。本実施形態において、書類を作成する際に、ユーザーが例えば登録番号、氏名又は名称等を入力する必要はなく、書類作成にかかる手間と時間を低減することができる。
【0089】
また本実施形態において、知的財産表示画面ではすでに知的財産の特定が終わっているため、書類を作成する際には所定のボタンを押下するのみでよい。このため、簡単な操作で書類の作成を指示できる。
【0090】
また本実施形態では上述したように、知的財産表示画面において所定のボタンが押下されることにより、書類作成部14により作成された書類がユーザーの使用する端末にダウンロードされるようにしてもよい。本例では、更新登録申請書作成ボタン71が押下されると、書類作成部14により作成された書類(商標権存続期間更新登録申請書)がユーザーの使用する端末にダウンロードされる。これにより、ダウンロードを行うためのユーザーの手間が低減される。
【0091】
ユーザーは、ダウンロードした書類により知的財産庁への手続きを行う。知的財産庁への手続きは、書類を印刷して郵送してもよいし、電子データを送信して知的財産庁に提出してもよい。
【0092】
後述するように、ダウンロードをする前に作成した書類を確認、修正するようにしてもよい。
【0093】
また本例では、知的財産表示画面に表示される知的財産の権利者又は出願人であるか否かを問わない。このため、書類の作成を行うユーザーが制限されることを防ぐことができる。
【0094】
また、本例は、図4に示す知的財産検索結果の画面を表示し、表示ボタン61が押下されることで図6に示す知的財産表示画面を表示する例としている。特に制限されるものではないが、例えば、表示ボタン61が押下された場合、受付部12がその知的財産の内容を表示する旨の指示を受け付け、提示部15が知的財産表示画面を表示する。
【0095】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図8は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、所定のボタンの横に手続きの説明(補足説明、備考などと称してもよい)を表示している。
【0096】
本例では、更新登録申請書作成ボタン71と放棄書作成ボタン72の近くに手続きの説明を表示している。例えば、更新登録申請書作成ボタン71の横に、手続きの期限日を表示している。手続きの期限日を表示しておくことで、ユーザーが期限日を認識し、期限日の徒過を防ぐことができる。
【0097】
また、放棄書作成ボタン72の横に、本人か代理人の場合に手続きが可能である旨の説明を表示している。権利の放棄は、権利者本人か代理人の場合に手続きが可能であるため、このことをユーザーに知らせることで、不適当な手続きを防ぐことができる。
【0098】
表示する説明は、図に示す例に限られず、適宜変更することが可能であり、上記の他にも、例えばその他の必要な書類(例えば印鑑証明書等)を説明するもの等であってもよい。
【0099】
本実施形態では、本人(出願人本人、権利者本人)以外の者も、知的財産表示画面に表示された知的財産についての書類を作成することができるようになっている。そのため、知的財産庁に作成した書類を提出した際に、主体的要件を満たさないとして手続きができない場合がある。そこで、本例のように、手続きについての説明を表示しておくことが好ましい。
【0100】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図9は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、ユーザーは所定の者を手続きの代理人として選択可能である。
【0101】
本例においてユーザーは、所定の者を手続きの代理人として選択可能であり、このような選択がなされた場合、書類作成部14は、所定の者を代理人として記載した書類を作成する。図示するように、代理人を記載することを選択できるようにしている。どちらにするかは、選択ボタン73により選択する。このようにすることで、書類作成の手間を省くことができる。例えば、代理人について記載する手間を省くことができる。
【0102】
図10は、代理人を記載することを選択して更新登録申請書作成ボタン71が押下されることにより作成された書類の例を示す図である。図示するように、代理人の欄が記載されている。記載される代理人としては、例えば弁理士、弁理士法人、特許業務法人等が挙げられ、要件を満たすのであればシステムの管理者等であってもよい。この他にも、知的財産表示画面で選択できるようにしてもよいし、知的財産表示画面に入力欄を設けてもよい。
【0103】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図11は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、作成する書類のファイル形式を選択できる。
【0104】
本例においてユーザーは、書類作成部14により作成される書類のファイル形式を選択可能である。図示するように、例えば、PDF、WORD、HTML、TXTを選択可能である。どれを選択するかは、選択ボタン73により選択する。
【0105】
このように、ファイル形式を選択できるようにすることで、ユーザーが知的財産庁に手続きを行う方法に対応できる。例えば、書類を紙に印刷して郵送する場合、PDF形式やWORD形式(任意の編集ソフトで編集可能なファイル形式)が行いやすい。その他にも例えば、電子データで書類を提出する場合、HTML形式などが行いやすい。
【0106】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図12は、本例における知的財産表示画面を示す図であり、図13は、書類表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、書類をダウンロードする前に確認と修正ができる。
【0107】
本例では、書類作成部14が作成した書類をユーザーが閲覧可能な書類表示画面に表示し、受付部12は、書類表示画面に表示された書類に対して、ユーザーからの修正の指示を受け付け可能である。このようにすることで、書類をダウンロードした後に修正するという操作を防止でき、あらかじめ所望の内容にした後に書類をダウンロードすることができ、書類作成の時間を短縮できる。
【0108】
図12では、ダウンロードの前に書類の確認と修正を行うかを選択できる領域を設けており、ユーザーは選択ボタン73により、確認と修正を行うかを選択することができる。
【0109】
図13は、図12において書類の確認と修正を行うことが選択された状態で、更新登録申請書作成ボタン71が押下された場合の書類表示画面であり、修正可能な項目に修正ボタン83を設けている。修正ボタン83を押下することにより、その項目を修正することができる。修正した内容でよければ、ダウンロードボタン84を押下し、書類のダウンロードを行う。
【0110】
なお、商標登録番号などの項目には、修正ボタン83を設けずに修正できないようにしている。これにより、ユーザーが誤った修正をすることを防止できる。
【0111】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図14は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、書類の内容を選択することができる。
【0112】
現行の商標法では、更新登録を行う際に、10年分の登録料を一括納付するか、5年分の登録料を分割納付するかを選択することができる。そのため、現行の法律に対応させて、例えば図示するように、一括納付か分割納付かを選択する選択ボタン73を設けている。このようにすることでユーザーの利便性を向上させることができる。
【0113】
図15は、図14において分割納付を選択して更新登録申請書作成ボタン71を押下した場合の例である。図示するように、「納付の表示」と「分割納付」が記載された書類が作成される。これにより、書類作成におけるユーザーの手間を低減できる。
【0114】
図16は、図14の別例である。図示するように、一括納付か分割納付かを選択する選択ボタン73を設けずに、更新登録申請書(一括納付)作成ボタン71aと更新登録申請書(分割納付)作成ボタン71bを設けている。このようにすることで、ユーザーが選択ボタン73を選択する操作を省くことができる。
【0115】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図17は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、書類の項目を記載するための入力欄を設けている。
【0116】
本例において、知的財産表示画面には、書類に記載する項目を入力するための欄が設けられている。図示するように例えば本例では、名義変更を行うために、変更後の氏名又は名称を入力するための入力欄75が設けられている。その他にも、名義変更を行うために、変更後の住所又は居所を入力するための入力欄75が設けられている。
【0117】
図18は、図17において、変更後の氏名又は名称を入力し、表示変更登録申請書作成ボタン74を押下した場合の書類表示画面の例である。また、図17において、ダウンロード前に書類の確認・修正をすることを選択ボタン73で選択した状態で表示変更登録申請書作成ボタン74を押下しているため、図18のような画面が表示されている。選択ボタン73で、書類の確認・修正をしない選択をした場合、図18に示される書類がダウンロードされる。
【0118】
図18に示すように、図17で入力された変更後の氏名又は名称が設定されて表示変更登録申請書が作成される。このようにすることで、ユーザーの書類作成の手間を低減できる。例えば、書類のフォーマットを編集ソフトで開いて、申請日、登録番号、変更前の氏名又は名称などを入力する手間を省くことができる。
【0119】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図19は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、権利化前の知的財産を表示している。
【0120】
本実施形態において、知的財産表示画面に表示される知的財産としては、権利になったものでもよいし、権利になる前のものでもよい。本例では、権利化前の商標登録出願の内容を表示している。適宜変更することが可能であるが、本例では、登録番号、登録日、存続期間満了日の項目を設け、それぞれ「-」(ハイフン)を表示し、商標権になっていないことがわかるようにしている。また、「出願人・権利者情報」では、出願人と表示している。
【0121】
本例では、所定のボタンの例として、登録料納付書作成ボタン76と出願取下書作成ボタン77を設けている。ここで示す登録料納付書作成ボタン76は、商標権の設定登録を行うための書類を作成する。
【0122】
図20は、図19において、登録料納付書作成ボタン76が押下されて作成された登録料納付書の例である。図示するように、提出日、出願番号、商品及び役務の区分の数、商標登録出願人、納付者、金額が設定されて書類が作成される。このようにすることで、ユーザーの書類作成の手間を低減できる。
【0123】
なお、上記の例で説明した内容は、本例においても適用できることは言うまでもないことである。例えば、商標権の設定登録においても、分割納付をしてもよく、これを選択できるように選択ボタン73を設けてもよい。
【0124】
次に、本実施形態の他の例を説明する。上記の例と同様の事項については説明を省略する。図21は、本例における知的財産表示画面を示す図である。上記の例と異なる箇所として、本例では、知的財産として特許の例を説明する。
【0125】
本実施形態は、上記説明したような商標の例に限られず、その他にも、特許、実用新案、意匠等にも適用可能である。特に制限されるものではないが、例えば「知的財産の情報」の「種別」を「特許」と表示することにより、知的財産の種類をわかるようにする。またここでは、「知的財産の情報」として、発明の名称、請求項の数を表示している。表示する項目は、これに限られるものではなく、適宜選択することができる。
【0126】
本例では、所定のボタンとして、特許料納付書作成ボタン78を設けている。また、制限されるものではないが、本例では、特許料納付書を作成する際に、納付年分を記載する入力欄75を設けている。これにより、ユーザーの希望に対応しやすくなる。
【0127】
本実施形態では、納付年分を記載する入力欄75を設けなくてもよい。納付年分を記載する入力欄75を設けない場合、例えば1年分、3年分などの選択をできる選択ボタン73を設けてもよいし、一律に1年分に固定するようにしてもよい。
【0128】
図22は、図21において、特許料納付書作成ボタン78が押下されて作成された特許料納付書の例である。図示するように、提出日、特許番号、請求項の数、特許権者、納付者、納付年分、金額が設定されて書類が作成される。このようにすることで、ユーザーの書類作成の手間を低減できる。
【0129】
上述のように、本実施形態によれば、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の手続支援を行う機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減できる。また本実施形態によれば、書類作成にかかる手間と時間を低減することができる。
【0130】
本発明によれば、上述のように、コンピュータが行う知的財産検索方法が提供される。
本発明の知的財産検索方法は、コンピュータが行う知的財産検索方法であり、知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索方法は、
前記記憶手段に登録を行う登録工程と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付工程と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索工程と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成工程と、
前記検索工程の検索結果をユーザーに提示する提示工程と、を有し、
前記登録工程は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付工程は、前記検索工程の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成工程は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする。
【0131】
本発明によれば、上述のように、知的財産検索プログラムが提供される。
本発明の知的財産検索プログラムは、知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索プログラムであって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索プログラムは、
前記記憶手段に登録を行う登録処理と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付処理と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索処理と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成処理と、
前記検索処理の検索結果をユーザーに提示する提示処理と、をコンピュータに実行させ、
前記登録処理は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付処理は、前記検索処理の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成処理は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成する
ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0132】
10 知的財産検索装置
11 登録部
12 受付部
13 検索部
14 書類作成部
15 提示部
31 記憶手段
40 ユーザー
41 端末
50 知的財産検索画面
51 入力欄
52 検索ボタン
60 検索結果表示画面
61 表示ボタン
70 知的財産表示画面
71 更新登録申請書作成ボタン
72 放棄書作成ボタン
73 選択ボタン
74 表示変更登録申請書作成ボタン
75 入力欄
76 特許料納付書作成ボタン
80 書類
82 書類確認修正画面
83 修正ボタン
84 ダウンロードボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、
前記検索部の検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付部は、前記検索部の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成部は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成し、
前記提示部は、ユーザーによって選択された知的財産の情報を表示する画面を提示するとともに、該画面に書類作成ボタンが設けられるように提示し、前記書類作成ボタンがユーザーによって押下されることにより書類作成の指示が送信される
ことを特徴とする知的財産検索装置。
【請求項2】
前記書類は、登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類である
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項3】
前記書類作成部は、登録料又は特許料を知的財産庁に納付することが可能な時期である場合に前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の知的財産検索装置。
【請求項4】
前記書類作成部は、前記書類の雛形を用い、前記記憶手段から必要な情報を取得し、取得した情報を前記雛形に適用して前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記書類作成部が作成した前記書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて前記書類の電子データをユーザーに送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記書類作成部が作成した前記書類の電子データをユーザーに提示し、ユーザーの指示に基づいて前記書類の電子データを印刷するための処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項7】
前記書類作成部は、ユーザー以外の所定の者を代理人にして前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項8】
前記知的財産は、商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記書類は、商標権の設定登録時又は更新登録時の登録料を知的財産庁に納付する際に提出する書類であり、
前記書類作成部は、前記書類の雛形を用い、前記記憶手段から区分の数を取得して登録料を計算し、計算した登録料を前記雛形に適用して前記書類を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項9】
コンピュータが行う知的財産検索方法であり、知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索方法は、
前記記憶手段に登録を行う登録工程と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付工程と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索工程と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成工程と、
前記検索工程の検索結果をユーザーに提示する提示工程と、を有し、
前記登録工程は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付工程は、前記検索工程の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成工程は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成し、
前記提示工程は、ユーザーによって選択された知的財産の情報を表示する画面を提示するとともに、該画面に書類作成ボタンが設けられるように提示し、前記書類作成ボタンがユーザーによって押下されることにより書類作成の指示が送信される
ことを特徴とする知的財産検索方法。
【請求項10】
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索プログラムであって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索プログラムは、
前記記憶手段に登録を行う登録処理と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付処理と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索処理と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成処理と、
前記検索処理の検索結果をユーザーに提示する提示処理と、をコンピュータに実行させ、
前記登録処理は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付処理は、前記検索処理の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成処理は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成し、
前記提示処理は、ユーザーによって選択された知的財産の情報を表示する画面を提示するとともに、該画面に書類作成ボタンが設けられるように提示し、前記書類作成ボタンがユーザーによって押下されることにより書類作成の指示が送信される
ことを特徴とする知的財産検索プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の知的財産検索装置は、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
知的財産庁に手続きを行うための書類を作成する書類作成部と、
前記検索部の検索結果をユーザーに提示する提示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記受付部は、前記検索部の検索結果で示される知的財産の中からユーザーの選択を受け付け、
前記書類作成部は、ユーザーによって選択された知的財産について、ユーザーが当該知的財産の出願人又は権利者であるか否かに関わらず前記書類を作成し、
前記提示部は、ユーザーによって選択された知的財産の情報を表示する画面を提示するとともに、該画面に書類作成ボタンが設けられるように提示し、前記書類作成ボタンがユーザーによって押下されることにより書類作成の指示が送信される
ことを特徴とする。