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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122355
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】化学蓄熱反応装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
F28D20/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029859
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤本 蛍子
(57)【要約】
【課題】化学蓄熱物質の固結を要因とした化学蓄熱物質の反応性の低下を抑えることが可能となる化学蓄熱反応装置を提供する。
【解決手段】化学蓄熱反応装置12は、化学蓄熱反応器21を備える。化学蓄熱反応器21は、脱水反応により蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材HMと、化学蓄熱材HMと熱交換可能に設けられる第1熱交換器22を備える。化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱材HMと第1熱交換器22とが配置される蓄熱室23aを有する第1容器23を備える。化学蓄熱材HMは、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子PAを含む。化学蓄熱反応装置12は、化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液A1を蓄熱室23a内から排出する排出部71を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学蓄熱反応器を備える化学蓄熱反応装置であって、
前記化学蓄熱反応器は、
脱水反応により蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材と、
前記化学蓄熱材と熱交換可能に設けられる熱交換器と、
前記化学蓄熱材と前記熱交換器とが配置される蓄熱室を有する容器と、を備え、
前記化学蓄熱材は、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子を含み、
前記化学蓄熱反応装置は、前記化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液を前記蓄熱室内から排出する排出部を備える、化学蓄熱反応装置。
【請求項2】
前記排出部から排出された前記水溶液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽から供給される前記水溶液を原料として前記化学蓄熱物質の粒子を得る粒子化装置と、をさらに備える、請求項1に記載の化学蓄熱反応装置。
【請求項3】
前記粒子化装置は、粒子化室と、
前記粒子化室に前記水溶液を噴射するスプレーノズルと、
前記粒子化室に熱風を送る熱風発生装置と、を備える流動層造粒装置である、請求項2に記載の化学蓄熱反応装置。
【請求項4】
前記粒子化装置の前記粒子化室は、前記蓄熱室の上方に配置され、
前記粒子化装置は、前記粒子化室で生成した前記化学蓄熱物質の粒子を前記蓄熱室に供給可能に構成される、請求項3に記載の化学蓄熱反応装置。
【請求項5】
前記粒子化装置は、前記化学蓄熱反応器に対して着脱可能に構成される、請求項4に記載の化学蓄熱反応装置。
【請求項6】
前記貯留槽は、前記貯留槽内の前記水溶液を希釈する希釈水を供給可能に構成される、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の化学蓄熱反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学蓄熱反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、化学蓄熱材と、化学蓄熱材と熱交換可能に設けられる熱交換器と、化学蓄熱材と熱交換器とが配置される蓄熱室を有する容器とを備える化学蓄熱反応器が知られている。化学蓄熱材は、脱水反応により蓄熱する。また、化学蓄熱材は、水和反応により放熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-040463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような化学蓄熱反応器で用いる化学蓄熱材が、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子を含む場合、化学蓄熱物質が潮解することにより化学蓄熱物質の水溶液が生成する場合がある。このような水溶液は、化学蓄熱物質の粒子同士を固結させる要因となるおそれがある。化学蓄熱物質の粒子の固結は、化学蓄熱物質の反応性を低下させるおそれがあるため、粒子の固結を抑えることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する化学蓄熱反応装置の各態様について説明する。
態様1の化学蓄熱反応装置は、化学蓄熱反応器を備える化学蓄熱反応装置であって、前記化学蓄熱反応器は、脱水反応により蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材と熱交換可能に設けられる熱交換器と、前記化学蓄熱材と前記熱交換器とが配置される蓄熱室を有する容器と、を備え、前記化学蓄熱材は、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子を含み、前記化学蓄熱反応装置は、前記化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液を前記蓄熱室内から排出する排出部を備える。
【0006】
この構成によれば、化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液で蓄熱室内の化学蓄熱物質の粒子が浸漬されることを回避することが可能となる。これにより、化学蓄熱物質の水溶液を要因として化学蓄熱物質の粒子が固結することを抑えることができる。
【0007】
態様2の化学蓄熱反応装置は、態様1において、前記排出部から排出された前記水溶液を貯留する貯留槽と、前記貯留槽から供給される前記水溶液を原料として前記化学蓄熱物質の粒子を得る粒子化装置と、をさらに備えてもよい。この構成によれば、水溶液中の化学蓄熱物質を容易に再利用することができる。
【0008】
態様3の化学蓄熱反応装置では、態様2において、前記粒子化装置は、粒子化室と、前記粒子化室に前記水溶液を噴射するスプレーノズルと、前記粒子化室に熱風を送る熱風発生装置と、を備える流動層造粒装置であってもよい。この構成によれば、化学蓄熱物質の水溶液から化学蓄熱物質の粒子を容易に生成することができる。
【0009】
態様4の化学蓄熱反応装置では、態様3において、前記粒子化装置の前記粒子化室は、前記蓄熱室の上方に配置され、前記粒子化装置は、前記粒子化室で生成した前記化学蓄熱物質の粒子を前記蓄熱室に供給可能に構成されてもよい。この構成によれば、粒子化室で生成した化学蓄熱物質の粒子を蓄熱室に容易に供給することができる。
【0010】
態様5の化学蓄熱反応装置では、態様4において、前記粒子化装置は、前記化学蓄熱反応器に対して着脱可能に構成されてもよい。この構成によれば、例えば、化学蓄熱反応装置の設置や保守管理が容易となる。
【0011】
態様6の化学蓄熱反応装置では、態様2から態様5のいずれか一つにおいて、前記貯留槽は、前記貯留槽内の前記水溶液を希釈する希釈水を供給可能に構成されてもよい。この構成によれば、貯留槽内の化学蓄熱物質の水溶液を希釈水で希釈することで、水溶液の粘度を低下させることができるため、例えば、水溶液を容易に送液することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、化学蓄熱物質の固結を要因とした化学蓄熱物質の反応性の低下を抑えることが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態における化学蓄熱システムを示す概略図である。
図2図2は、化学蓄熱システムの蓄熱動作を説明する概略図である。
図3図3は、化学蓄熱システムの再生動作を説明する概略図である。
図4図4は、化学蓄熱反応装置を示す概略断面図である。
図5図5は、化学蓄熱反応装置の動作を説明する概略断面図である。
図6図6は、化学蓄熱反応装置の動作を説明する概略断面図である。
図7図7は、第2実施形態の化学蓄熱反応器を示す概略断面図である。
図8図8は、粒子化装置を示す概略断面図である。
図9図9は、化学蓄熱反応装置の動作を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、化学蓄熱反応装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
まず、化学蓄熱反応装置を用いた化学蓄熱システムの構成及び動作について説明する。図1図3に示す化学蓄熱システムでは、化学蓄熱反応装置について、化学蓄熱反応器のみを模式的に示し、化学蓄熱反応装置の全体の詳細は、図4図6を参照して説明する。
【0015】
<化学蓄熱システムの全体構成>
図1に示すように、化学蓄熱システム11は、化学蓄熱反応器21と、回収器31と、復水器41と、蒸発器51とを備えている。化学蓄熱システム11は、排熱源HSの熱を蓄熱した後、排熱源HSよりも高い温度の放熱を行うケミカルヒートポンプとして用いることができる。化学蓄熱システムは、放熱動作時に水蒸気を加熱対象61に送ることができる。
【0016】
<化学蓄熱反応器>
化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱システム11の蓄熱動作時に脱水反応し、化学蓄熱システム11の放熱動作時に水和反応する化学蓄熱材HMを有する。化学蓄熱材HMは、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子を含む。化学蓄熱材HMは、化学蓄熱物質のみから構成してもよいし、化学蓄熱物質の粒子を水蒸気透過性樹脂等の水蒸気透過性のバインダーで結合した材料であってもよい。化学蓄熱物質としては、例えば、アルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。化学蓄熱材HMは、一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
化学蓄熱物質の一種である塩化カルシウムの脱水反応及び水和反応は、例えば、下記式(A)で表される。
CaCl・HO+HO⇔CaCl・2HO・・・(A)
化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱材HMと熱交換する第1熱交換器22を備えている。化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱材HMから発生した熱を利用して第1熱交換器22の流路内で飽和蒸気を発生させる。化学蓄熱反応器21は、第1容器23を備えている。化学蓄熱反応器21の第1容器23は、化学蓄熱材HMの水和反応に用いられる水蒸気を導入可能に構成されている。また、化学蓄熱反応器21の第1容器23は、化学蓄熱材HMの脱水反応で生じる水蒸気が排出されるように構成されている。
【0018】
化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22としては、例えば、フィンチューブ型の熱交換器、フィンレス熱交換器等が挙げられる。なお、以下で説明する熱交換器についても、特段の説明がない限り同様の熱交換器を用いることができる。
【0019】
<回収器>
回収器31は、水蒸気を吸収する吸収材LMを有している。回収器31は、化学蓄熱反応器21の化学蓄熱材HMから発生した水蒸気を吸収材LMにより回収する。回収器31は、吸収材LMと熱交換する第2熱交換器32と、吸収材LMと第2熱交換器32とを収容する第2容器33とを備えている。
【0020】
吸収材LMは、化学蓄熱材HMを脱水反応させる温度を下げるために用いられる。吸収材LMを用いることで、より低い温度の排熱であっても、化学蓄熱材HMの脱水反応を進行させて蓄熱することが可能となる。また、吸収材LMは、排熱源HSの温度において、脱水反応可能な物質が用いられる。これにより、排熱源HSを利用して吸収材LMを再生することができる。
【0021】
冷却源CSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Cは、排熱源HSの温度における化学蓄熱材HMの平衡蒸気圧VP1Hよりも低いことで、化学蓄熱材HMの脱水反応を好適に促進することができる。一方、排熱源HSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Hは、同じく排熱源HSの温度における化学蓄熱材HMの平衡蒸気圧VP1Hよりも高いことが好ましい。このような吸収材LMは、化学蓄熱材HMよりも脱水し易いため、排熱源HSを用いて吸収材LMを再生することで、次の蓄熱動作に効率的に使用することができる。また、排熱源HSの温度における吸収材LMの平衡蒸気圧VP2Hは、冷却源CSの温度における水の平衡蒸気圧VP3Cよりも高いことが好ましい。これにより、排熱源HSにより吸収材LMを加熱して発生した水蒸気を冷却源CSによる冷却で凝縮させることで、吸収材LMの再生を効率的に行うことができる。
【0022】
吸収材LMとしては、例えば、ゼオライト、水酸化リチウム、硫酸マグネシウム、臭化ストロンチウム、活性炭、多孔性金属錯体(MOF)等が挙げられる。吸収材LMは、一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
吸収材LMの一種である臭化ストロンチウムの脱水反応及び水和反応は、例えば、下記式(B)で表される。
SrBr・HO+5HO⇔SrBr・6HO・・・(B)
<復水器>
復水器41は、吸収材LMから発生した水蒸気を凝縮させる。また、復水器41は、回収器31を冷却する。復水器41は、冷却源CSから供給される冷却媒体を流通する第3熱交換器42と、第3熱交換器42を収容する第3容器43とを備えている。第3熱交換器42は、復水器41の第3容器43内に流入される水蒸気を冷却することで、凝縮させる。また、復水器41は、回収器31の第2熱交換器32に水を供給するように構成されている。また、回収器31の第2熱交換器32を通じた水が流入されるように構成されている。例えば、復水器41は、第3容器43内に設けたノズル44を有している。ノズル44は、回収器31の第2熱交換器32を通じた水を第3容器43内に噴出することができる。第3容器43内では、ノズル44から噴出された水のフラッシュ蒸発を利用して冷却してもよい。第3容器43内の圧力条件を、回収器31の第2熱交換器32を通じた水の温度における平衡蒸気圧よりも低い圧力条件とすることで、フラッシュ蒸発を利用した冷却を行うことができる。
【0024】
<蒸発器>
蒸発器51は、化学蓄熱材HMと反応させる水蒸気を化学蓄熱反応器21に供給する。蒸発器51は、排熱源HSから加熱媒体が供給される第4熱交換器52と、第4熱交換器52を収容する第4容器53とを備えている。蒸発器51の第4熱交換器52は、蒸発用流体である水W1を加熱することで、水蒸気を発生させる。蒸発器51には、復水器41の水W2が図示を省略した流路によって送液可能に構成されることが好ましい。これにより、復水器41の水W2を蒸発器51の水W1として再利用することができる。なお、蒸発器51は、外部から水を供給可能に構成することもできる。
【0025】
<流路構成>
次に、化学蓄熱システム11の主な流路構成について説明する。まず、化学蓄熱システム11の蓄熱動作に用いられる流路について説明する。
【0026】
図2に示すように、化学蓄熱システム11は、化学蓄熱反応器21から回収器31に水蒸気WV1を送る回収用水蒸気流路L1を有している。化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1をポンプ62によって化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に送る反応器加熱用流路L2と、第1熱交換器22を通じた水W1を蒸発器51に戻す蒸発器用第1流路L3とを有している。化学蓄熱システム11は、復水器41で冷却した水W2をポンプ63によって回収器31の第2熱交換器32に送る回収器冷却用流路L4と、第2熱交換器32を通じた水W2を復水器41に戻す復水器用第1流路L5とを有している。このように、復水器41と回収器31との間には、復水器41で冷却した水W2を回収器31の第2熱交換器32に循環可能にする流路を有している。
【0027】
次に、化学蓄熱システム11の再生動作に用いられる流路について説明する。
図3に示すように、化学蓄熱システム11は、回収器31から復水器41に水蒸気WV2を送る復水器用第2流路L6を有している。化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1をポンプ62によって回収器31の第2熱交換器32に送る回収器加熱用流路L7と、第2熱交換器32を通じた水W1を蒸発器51に戻す蒸発器用第2流路L8とを有している。
【0028】
化学蓄熱システム11は、図2に示される回収器冷却用流路L4と図3に示される回収器加熱用流路L7とが切り替え可能に構成されている。これにより、回収器冷却用流路L4を用いる化学蓄熱材HMの蓄熱と、回収器加熱用流路L7を用いる吸収材LMの再生とを交互に行うことができる。なお、回収器冷却用流路L4と回収器加熱用流路L7との切り替えは、バルブの開閉により行うことができる。
【0029】
次に、化学蓄熱システム11の放熱動作に用いられる流路について説明する。
図1に示すように、化学蓄熱システム11は、蒸発器51から化学蓄熱反応器21に水蒸気を送る反応器用水蒸気流路L9を有している。化学蓄熱システム11は、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22内の水蒸気を加熱対象61に送る蒸気供給流路L10を備えている。加熱対象61は、特に限定されない。加熱対象61としては、例えば、蒸気発生装置等が挙げられる。
【0030】
<化学蓄熱システムの動作>
次に、化学蓄熱システム11の動作の一例について説明する。
(化学蓄熱システムの蓄熱動作)
図2に示すように、化学蓄熱システム11の蓄熱動作では、化学蓄熱反応器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1を回収器31により回収する。詳述すると、化学蓄熱反応器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1は、回収用水蒸気流路L1を通じて回収器31に送られる。回収器31の第2熱交換器32には、復水器41で冷却された水W2が回収器冷却用流路L4を通じて送られる。回収器31の第2熱交換器32に送られた水W2は、復水器用第1流路L5を通じて復水器41に戻される。このように復水器41で冷却された水W2は、回収器冷却用流路L4及び復水器用第1流路L5を通じて、復水器41と回収器31の第2熱交換器32との間を循環される。
【0031】
化学蓄熱反応器21の化学蓄熱材HMから排出される水蒸気WV1が回収器31に送られることで、化学蓄熱材HMの脱水反応が行われる。ここで、化学蓄熱材HMの脱水反応の進行に伴って、化学蓄熱材HMの温度が低下する。化学蓄熱材HMの温度が排熱源HSの加熱媒体の温度よりも低くなったとき、蒸発器51で加熱した水W1を反応器加熱用流路L2及び蒸発器用第1流路L3を通じて、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22と蒸発器51との間を循環させる。蒸発器51では、排熱源HSから蒸発器51の第4熱交換器52に加熱媒体を供給することで、水W1を加熱することができる。
【0032】
上記のように排熱源HSを利用して化学蓄熱反応器21の化学蓄熱材HMを加熱することで、化学蓄熱材HMの脱水反応を進行させる。化学蓄熱システム11の蓄熱動作は、化学蓄熱反応器21と回収器31との間のバルブを閉じることにより停止させることができる。
【0033】
(化学蓄熱システムの再生動作)
図3に示すように、化学蓄熱システム11の再生動作では、回収器31の吸収材LMから排出される水蒸気WV2を復水器41によって凝縮させる。詳述すると、回収器31の吸収材LMから排出される水蒸気WV2は、復水器用第2流路L6を通じて復水器41に送られる。復水器41の第3熱交換器42には、冷却源CSから冷却媒体が供給されている。化学蓄熱システム11の再生動作は、回収器31と復水器41との間のバルブを閉じることにより、停止させることができる。
【0034】
(化学蓄熱システムの放熱動作)
化学蓄熱システム11の放熱動作では、排熱源HSから蒸発器51の第4熱交換器52に加熱媒体を供給することで、蒸発器51で水蒸気を発生させる。蒸発器51で発生させた水蒸気は、図1に示される反応器用水蒸気流路L9を通じて化学蓄熱反応器21に送られる。
【0035】
化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22の流路内の水は、化学蓄熱材HMの水和反応による発熱により加熱される。これにより、第1熱交換器22の流路内において水蒸気を発生させることができる。第1熱交換器22の流路内の水蒸気は、図1に示される蒸気供給流路L10を通じて加熱対象61に送られる。化学蓄熱システム11の放熱動作は、蒸発器51と化学蓄熱反応器21との間のバルブを閉じることにより停止することができる。
【0036】
化学蓄熱システム11では、放熱動作の前に、蒸発器51で加熱した水W1を、上記反応器加熱用流路L2を通じて化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に送ることが好ましい。
【0037】
<蓄熱方法>
以上の化学蓄熱システム11を用いた蓄熱方法では、化学蓄熱材HMの脱水反応を行う蓄熱ステップと、化学蓄熱材HMの水和反応を行う放熱ステップとを交互に繰り返すことができる。蓄熱方法では、蓄熱ステップの後、次の蓄熱ステップを開始するまでに、吸収材LMを再生する再生ステップが行われる。蓄熱方法では、上述した回収器加熱用流路L7を用いて吸収材LMを再生する再生ステップと、上述した回収器冷却用流路L4を用いて化学蓄熱材HMに蓄熱する蓄熱ステップとを切り替える。蓄熱方法は、放熱ステップの前に、上記反応器加熱用流路L2を用いて化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22を加熱する反応器加熱ステップを含むことが好ましい。
【0038】
<化学蓄熱反応装置>
次に、化学蓄熱反応装置12の詳細について説明する。
図4図6に示すように、化学蓄熱反応装置12は、上述した化学蓄熱反応器21と、排出部71とを備えている。上述した化学蓄熱反応器21の第1容器23は、化学蓄熱材HMと第1熱交換器22とが配置される蓄熱室23aを有している。
【0039】
排出部71は、化学蓄熱反応器21の蓄熱室23aにおいて化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液A1を排出する。詳述すると、排出部71は、蓄熱室23a内の水溶液A1が流入可能な排出室72と、排出室72と蓄熱室23aとを区画するように配置されるフィルタ部材73とを備えている。フィルタ部材73は、化学蓄熱物質の粒子PAは通過不能であり、水溶液A1を通過可能な細孔を有している。フィルタ部材73としては、例えば、メッシュフィルタを用いることができる。
【0040】
排出部71は、排出室72からの水溶液A1の排出、及び排出の停止を行うことの可能な開閉弁74を有している。本実施形態の排出部71は、蓄熱室23a内の水溶液A1が自重で流出するように構成されているが、蓄熱室23a内の水溶液A1を吸引する吸引装置を用いて排出するように構成することもできる。吸引装置としては、例えば、吸引ポンプ等を用いることができる。
【0041】
化学蓄熱反応装置12は、排出部71から排出された水溶液A1を貯留する貯留槽81を備えている。貯留槽81への水溶液A1の流入、及び流入の停止は、上記開閉弁74の開閉により行うことができる。
【0042】
貯留槽81は、貯留槽81内に水溶液A1を希釈する希釈水A2を供給可能に構成されている。詳述すると、貯留槽81には、水溶液A1を希釈するための希釈水A2を貯留槽81内に供給する希釈水供給流路L11が接続されている。本実施形態の希釈水供給流路L11は、上記化学蓄熱システム11の復水器41の水W2を貯留槽81に供給するように接続されている。希釈水供給流路L11は、復水器41の水W2以外の水を供給するように構成することもできる。
【0043】
化学蓄熱反応装置12は、化学蓄熱物質の粒子PAを得る粒子化装置91をさらに備えている。粒子化装置91としては、例えば、流動層造粒装置を好適に用いることができる。粒子化装置91は、粒子化室92と、粒子化室92に水溶液A1を噴射するスプレーノズル93と、粒子化室92に熱風を送る熱風発生装置94とを備えている。
【0044】
粒子化装置91の粒子化室92は、第1容器23の蓄熱室23aの上方に配置されている。粒子化室92は、蓄熱室23aと連通している。すなわち、粒子化装置91は、粒子化室92で生成した化学蓄熱物質の粒子PAを蓄熱室23aに供給可能に構成されている。
【0045】
粒子化装置91は、貯留槽81内の水溶液A1をポンプ95によってスプレーノズル93に送る水溶液供給流路L12を備えている。このように供給された水溶液A1は、スプレーノズル93から噴射される。スプレーノズル93の数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。スプレーノズル93の水溶液A1の噴射方向は、下方に限定されず、例えば、側方や上方であってもよい。
【0046】
粒子化装置91の熱風発生装置94は、粒子化室92内に熱風を送るように構成されている。熱風発生装置94は、例えば、電気ヒータ、送風機等を備えている。本実施形態の熱風発生装置94は、下方に向けて熱風を送るように構成されているが、側方や上方に向けて熱風を送るように構成してもよい。
【0047】
次に、化学蓄熱反応器21の動作について説明する。
化学蓄熱反応器21の化学蓄熱物質は、上述したように水和反応により放熱する。このとき、潮解性を有する化学蓄熱物質が潮解することにより化学蓄熱物質の水溶液A1が生成する場合がある。この場合、化学蓄熱物質の粒子PAは、化学蓄熱物質の潮解により生じた水溶液A1を要因として固結するおそれがある。
【0048】
詳述すると、蓄熱室23a内の化学蓄熱物質は、化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液A1で浸漬される場合がある。化学蓄熱物質が水溶液A1で浸漬された後、例えば、化学蓄熱物質の脱水反応時に、水溶液A1中の水分量が低下すると、隣り合う粒子PA同士が連結して塊状となる。このように潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子PAが塊状となる現象は、固結と呼ばれる。化学蓄熱物質が固結すると、化学蓄熱物質における水和反応及び脱水反応の反応性を低下させるおそれがある。
【0049】
本実施形態の化学蓄熱反応装置12は、図5に示すように、蓄熱室23aで生じた水溶液A1を排出部71により蓄熱室23aから排出することができる。従って、化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液A1で蓄熱室23a内の化学蓄熱物質の粒子PAが浸漬されることを回避することが可能となる。これにより、化学蓄熱物質の水溶液A1を要因として化学蓄熱物質の粒子PAが固結することを抑えることが可能となる。
【0050】
本実施形態の化学蓄熱反応器21は、排出部71から排出された水溶液A1を貯留槽81に貯留することができる。図4に示すように、貯留槽81には、予め希釈水A2を貯留しておくことで、貯留槽81に流入した水溶液A1を希釈水A2で希釈することができる。
【0051】
図6に示すように、粒子化装置91では、水溶液A1を原料として化学蓄熱物質の粒子PAを得る粒子化動作を行うことができる。粒子化装置91には、貯留槽81に貯留された水溶液A1が送られる。水溶液A1は、スプレーノズル93から噴射されることで液滴A3の状態となる。液滴A3は、熱風発生装置94から送られる熱風により乾燥されることで、化学蓄熱物質の粒子PAが生成される。化学蓄熱物質の粒子PAの平均粒径は、例えば、1μm以上、1000μm以下の範囲内である。
【0052】
熱風発生装置94に不活性ガスG1を供給することで、熱風発生装置94で不活性ガスG1の熱風を発生させることが可能である。これにより、粒子化室92に不活性ガスG1の熱風を送ることもできる。不活性ガスG1としては、例えば、窒素等が挙げられる。熱風発生装置94では、空気の熱風を発生させてもよい。
【0053】
粒子化装置91で生成した化学蓄熱物質の粒子PAは、蓄熱室23aに供給される。これにより、化学蓄熱物質の粒子PAを化学蓄熱反応器21で再利用することができる。
<作用及び効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0054】
(1-1)化学蓄熱反応装置12の化学蓄熱反応器21は、脱水反応により蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材HMと、化学蓄熱材HMと熱交換可能に設けられる第1熱交換器22とを備えている。化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱材HMと熱交換器とが配置される蓄熱室23aを有する第1容器23とを備えている。化学蓄熱材HMは、潮解性を有する化学蓄熱物質の粒子PAを含む。化学蓄熱反応装置12は、化学蓄熱物質の潮解により生成した水溶液A1を蓄熱室23a内から排出する排出部71を備えている。
【0055】
この構成によれば、上述したように、化学蓄熱物質の水溶液A1を要因として化学蓄熱物質の粒子PAが固結することを抑えることが可能となる。従って、化学蓄熱物質の固結を要因とした化学蓄熱物質の反応性の低下を抑えることが可能となる。
【0056】
(1-2)化学蓄熱反応装置12は、排出部71から排出された水溶液A1を貯留する貯留槽81と、貯留槽81から供給される水溶液A1を原料として化学蓄熱物質の粒子PAを得る粒子化装置91とをさらに備えている。この場合、水溶液A1中の化学蓄熱物質を容易に再利用することができる。化学蓄熱物質を再利用することにより、コストを削減しつつ、化学蓄熱反応器21で用いる化学蓄熱物質の量を確保することができる。
【0057】
(1-3)化学蓄熱反応装置12の粒子化装置91として、例えば、流動層造粒装置を用いることで、水溶液A1から化学蓄熱物質の粒子PAを容易に生成することができる。
(1-4)粒子化装置91の粒子化室92は、化学蓄熱反応器21の蓄熱室23aの上方に配置されている。粒子化装置91は、粒子化室92で生成した化学蓄熱物質の粒子PAを蓄熱室23aに供給可能に構成されている。この場合、粒子化室92で生成した化学蓄熱物質の粒子PAを蓄熱室23aに容易に供給することができる。従って、水溶液A1から生成した化学蓄熱物質の粒子PAを容易に再利用することができる。
【0058】
(1-5)貯留槽81は、貯留槽81内の水溶液A1を希釈する希釈水A2を供給可能に構成されている。この場合、貯留槽81内の水溶液A1を希釈水A2で希釈することで、水溶液A1の粘度を低下させることができるため、例えば、水溶液A1を容易に送液することが可能となる。また、例えば、水溶液A1の粘度を、スプレーノズル93による噴射に適した粘度まで容易に低下させることが可能となる。
【0059】
(1-6)化学蓄熱システム11は、復水器41で冷却された水W2を回収器31の第2熱交換器32に送る回収器冷却用流路L4と、蒸発器51で加熱した水W1を回収器31の第2熱交換器32に送る回収器加熱用流路L7とを備えている。回収器冷却用流路L4と回収器加熱用流路L7とは、切り替え可能に構成されている。なお、回収器加熱用流路L7を、蒸発器51で発生させた水蒸気を回収器31の第2熱交換器32に送るように変更することもできる。
【0060】
この構成によれば、冷却源CSの冷却媒体の流路とは独立した回収器冷却用流路L4を通じる水W2と、排熱源HSの加熱媒体の流路とは独立した回収器加熱用流路L7を通じる水W1により回収器31を冷却及び加熱することができる。このため、回収器31の第2熱交換器32において、冷却源CSの冷却媒体に排熱源HSの加熱媒体が混入することを回避することができる。これにより、冷却源CSの系統は、排熱源HSの加熱媒体の性質の影響を受けることはない。また、回収器31の第2熱交換器32において、排熱源HSの加熱媒体に冷却源CSの冷却媒体が混入することを回避することができる。これにより、排熱源HSの系統は、冷却源CSの冷却媒体の性質の影響を受けることはない。従って、化学蓄熱システム11の導入先における冷却源CSの系統と排熱源HSの系統とを独立した状態に維持することが可能となる。
【0061】
(1-7)化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1を放熱動作の前に化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に送る反応器加熱用流路L2をさらに備えている。この場合、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22を放熱動作の前に予め加熱することができるため、放熱動作時には、化学蓄熱材HMから発生した熱を効率的に輸送することができる。
【0062】
(1-8)化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に排熱源HSの加熱媒体を供給する場合では、第1熱交換器22が排熱源HSの加熱媒体の性質や清浄度の影響を受けることになる。これにより、例えば、第1熱交換器22のメンテナンス等に手間を要するおそれがある。これに対して、本実施形態の化学蓄熱システム11は、蒸発器51で加熱した水W1を化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に送る反応器加熱用流路L2をさらに備えている。この場合、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に供給される水W1の性質の安定化や清浄性の確保が容易である。これにより、例えば、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22のメンテナンス等の手間を軽減することが可能となる。
【0063】
(第2実施形態)
第2実施形態について第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態と同様に構成については、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
図7図9に示すように、第2実施形態の化学蓄熱反応装置12は、化学蓄熱反応器24と、化学蓄熱反応器24に対して着脱することが可能な粒子化装置96とを備えている。
【0065】
化学蓄熱反応器24の第1容器23は、開閉可能な蓋部材23bを備えている。化学蓄熱反応器24は、第1容器23の蓋部材23bを閉じた状態で上述した蓄熱動作及び放熱動作を行うことができる。
【0066】
粒子化装置96は、蓋部材23bを開放した状態の化学蓄熱反応器24に装着することができる。このとき、第1実施形態と同様に水溶液供給流路L12を配設する。このように化学蓄熱反応器24に粒子化装置96を装着することで、第1実施形態と同様に粒子化動作を行うことができる。
【0067】
第2実施形態の作用及び効果について説明する。
(2-1)第2実施形態の化学蓄熱反応装置12についても、第1実施形態の(1-1)~(1~8)欄に記載の効果と同様の効果が得られる。
【0068】
(2-2)第2実施形態の化学蓄熱反応装置12の粒子化装置96は、化学蓄熱反応器24に対して着脱可能に構成されている。この場合、例えば、化学蓄熱反応装置12の設置や保守管理が容易となる。また、例えば、複数の化学蓄熱反応器24に対して、一つの粒子化装置96を共用することができる。従って、設備の費用を削減することが可能となる。
【0069】
<変更例>
上記実施形態を次のように変更してもよい。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0070】
・各実施形態において、粒子化装置91,96を省略することもできる。
・各実施形態において、貯留槽81への希釈水A2の供給を省略することもできる。
・第1実施形態の化学蓄熱反応装置12では、回収用水蒸気流路L1及び反応器用水蒸気流路L9を粒子化装置91の粒子化室92に接続している。回収用水蒸気流路L1及び反応器用水蒸気流路L9は、化学蓄熱反応器21の蓄熱室23aに接続することもできる。
【0071】
・第2実施形態において、粒子化装置96を化学蓄熱反応器24に装着されずに用いられる粒子化装置に変更してもよい。この場合、例えば、粒子化装置96で得られた粒子PAを保存し、必要に応じて化学蓄熱反応器21で再利用することもできる。
【0072】
・各実施形態において、粒子化装置91,96を流動層造粒装置以外の粒子化装置に変更してもよい。流動層造粒装置以外の粒子化装置としては、例えば、水溶液A1を乾燥することで、固体状の化学蓄熱物質を得る工程と、固体状の化学蓄熱物質を粉砕することで粒子化する工程とを実施する粒子化装置が挙げられる。
【0073】
・上記化学蓄熱反応器21,24は、上記化学蓄熱システム11以外の化学蓄熱システムに用いることもできる。
・上記各実施形態の化学蓄熱システム11では、図3に示すように、蒸発器51で加熱した水W1を回収器31の第2熱交換器32に送る回収器加熱用流路L7を備えているが、この流路を省略してもよい。すなわち、回収器31の第2熱交換器32に排熱源HSの加熱媒体を供給するように変更してもよい。
【0074】
・上記化学蓄熱システム11では、図1に示すように、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に蒸発器51で加熱した水W1を供給しているが、化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に蒸発器51で発生させた水蒸気を供給することもできる。この場合であっても、例えば、第1実施形態の(1-6)欄で述べた作用及び効果を得ることができる。
【0075】
・上記化学蓄熱システム11では、蒸発器51で加熱した水W1を化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に供給しているが、排熱源HSの加熱媒体を化学蓄熱反応器21の第1熱交換器22に供給するように変更することもできる。
【0076】
・上記化学蓄熱システム11の蓄熱動作において、化学蓄熱材HMから発生する水蒸気WV1の回収は、復水器41と回収器31とを用いて行うこともできる。すなわち、上記蓄熱方法において、化学蓄熱材HMの脱水反応を行う蓄熱ステップは、復水器作動ステップと、復水器作動ステップの後に行う回収器作動ステップとを含んでもよい。復水器作動ステップでは、化学蓄熱材HMから発生する水蒸気WV1を復水器41に導入する。回収器作動ステップでは、化学蓄熱材HMから発生する水蒸気WV1を回収器31に導入する。
【符号の説明】
【0077】
12…化学蓄熱反応装置
21,24…化学蓄熱反応器
22…第1熱交換器
23…第1容器
23a…蓄熱室
71…排出部
81…貯留槽
91,96…粒子化装置
92…粒子化室
93…スプレーノズル
94…熱風発生装置
A1…水溶液
A2…希釈水
PA…粒子
HM…化学蓄熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9