(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122388
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/14 20060101AFI20240902BHJP
G06F 16/176 20190101ALI20240902BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240902BHJP
【FI】
G09B5/14
G06F16/176
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029904
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 卓也
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BA02
2C028BB04
2C028BC02
2C028BD03
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】対象データに対する意図しない編集を回避する。
【解決手段】複数のユーザが共有して編集可能な対象データ(電子付箋)を管理する情報処理装置(サーバ装置10)は、複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置20からの操作により対象データを編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、選択された編集モードに応じて、当該ユーザに対する対象データの編集条件を決定する。例えば、対象データは、それぞれ編集内容が異なる複数のレイヤーで管理されている。情報処理装置は、複数のレイヤーのうち編集を許可するレイヤーを決定することで、対象データの編集条件を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置であって、
前記複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置からの操作により前記対象データを編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて、当該ユーザに対する前記対象データの編集条件を決定する制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記アプローチ方法は、前記対象データを編集する編集画面へと遷移する際の手順又は操作内容がユーザの属性及び編集の種別に応じて異なる複数のアプローチ方法を含み、
前記制御部は、前記アプローチ方法の違いに応じて異なる前記編集モードを選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置であって、
前記複数のユーザにより前記対象データを段階的に編集していく場合に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて前記対象データの編集条件を決定する制御部を備える情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の編集段階は、第1ユーザによる前記対象データの作成段階、前記作成段階の後に行われる前記第1ユーザとは異なる第2ユーザによる前記対象データの添削段階、前記添削段階の後に行われる前記第1ユーザによる前記対象データの修正段階、前記修正段階の後に行われる前記第2ユーザによる前記対象データの再添削段階、のうちの少なくとも複数の段階を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のユーザは、先生と生徒を含み、
前記対象データは、先生が出した課題に対する生徒の回答が入力されるデータであり、
前記複数の編集段階は、生徒による課題に対する回答としての前記対象データの作成段階、先生による生徒の回答に対する添削としての前記対象データの編集段階、生徒による添削に対する修正としての前記対象データの編集段階、を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象データは、それぞれ編集内容が異なる複数のレイヤーで管理されており、
前記制御部は、選択された前記編集モードに応じて前記複数のレイヤーのうち編集を許可するレイヤーを決定することで、前記対象データの編集条件を決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のレイヤーは、
入力された複数のデータを1つの画像データとして管理し、新たに入力されたデータをイメージ化した状態で前記1つの画像データに重ねて、新たに入力されたデータを個別に削除できない形態で記憶するイメージレイヤーと、
入力された複数のデータを個別のオブジェクトデータとして管理し、新たに入力されたデータを個別に削除可能な形態で記憶するオブジェクトレイヤーと、
を含み、
前記制御部は、少なくとも前記イメージレイヤーについて、選択された前記編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記イメージレイヤー及び前記オブジェクトレイヤーの両方について、選択された前記編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記イメージレイヤーは、選択された前記編集モードに応じた編集条件が異なる第1イメージレイヤーと第2イメージレイヤーとを含む、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記オブジェクトレイヤーは、選択された前記編集モードに応じた編集条件が異なる第1オブジェクトレイヤーと第2オブジェクトレイヤーとを含む、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記イメージレイヤーは、手書きデータが入力されるレイヤーであり、
前記オブジェクトレイヤーは、スタンプデータ又はテキストデータが入力されるレイヤーである、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記複数のレイヤーのうちの一部のレイヤーは、特定の編集モードでの編集操作が行われる前は存在せず、前記特定の編集モードでの編集操作に応じて生成される、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記複数のレイヤーは、前記対象データを作成又は修正する際に用いる第1レイヤーと、前記対象データを添削する際に用いる第2レイヤーと、を含む、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記対象データに対して添削が指示された場合に、前記対象データに対する編集による書き込み先を前記第2レイヤーに決定する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記対象データに対して添削以外の編集が指示された場合に、前記対象データに対する編集による書き込み先を前記第1レイヤーに決定する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、表示部に前記第1レイヤーと前記第2レイヤーとを重ねて表示させ、ユーザの操作により前記第2レイヤーの表示又は非表示を切り替える、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記対象データは、前記複数のユーザにより電子付箋として共有されるデータである、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記複数のユーザのそれぞれに対応する端末装置と、
を備える情報処理システム。
【請求項19】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理方法であって、
前記複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置からの操作により前記対象データを編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて、当該ユーザに対する前記対象データの編集条件を決定する情報処理方法。
【請求項20】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理方法であって、
前記複数のユーザにより前記対象データを段階的に編集していく場合に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて前記対象データの編集条件を決定する情報処理方法。
【請求項21】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置のコンピュータを、
前記複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置からの操作により前記対象データを編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて、当該ユーザに対する前記対象データの編集条件を決定する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項22】
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置のコンピュータを、
前記複数のユーザにより前記対象データを段階的に編集していく場合に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて前記対象データの編集条件を決定する制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータネットワークシステムを用いて、先生と生徒との間で、課題に対する回答や、その添削結果等の各種情報を共有する学習支援システムが利用されている。
【0003】
例えば、受講者用ユニットにおいて受講者が電子ペンで書き込んだ筆跡を示す筆跡画像を生成し、講師用ユニットにおいて筆跡画像を表示しながら講師が添削情報を入力するシステムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムでは、講師が入力した添削情報は、受講者が手書きで書き込むことで生成された筆跡画像とは異なる領域に表示される。
【0004】
このような表示方法では、添削対象位置を認識しにくいため、生徒(学習者)が作成した回答と同一の領域に先生(指導者)が添削内容を書き込む方法が考えられる。これにより、先生は、回答上の添削対象位置を指定してコメントやマークを付すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、生徒が作成した回答のデータについて、先生に対し、修正、削除を含む全ての編集を許可すると、生徒が記載した内容を先生が誤って消してしまうおそれがあった。特に、生徒が手書きツール(フリーハンド)で書き込んだ内容については、一旦消してしまうと、元に戻すことが困難であった。このため、複数のユーザが1つの対象データを編集する場合には、ユーザが意図しない編集を防ぐ機能が望まれる。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、対象データに対する意図しない編集を回避することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置であって、
前記複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置からの操作により前記対象データを編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて、当該ユーザに対する前記対象データの編集条件を決定する制御部を備える。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、
複数のユーザが共有して編集可能な対象データを管理する情報処理装置であって、
前記複数のユーザにより前記対象データを段階的に編集していく場合に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、
選択された前記編集モードに応じて前記対象データの編集条件を決定する制御部を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、対象データに対する意図しない編集を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】サーバ装置の記憶部のストレージに設けられているデータベースの構成例を示す。
【
図4B】付箋表示領域に付箋が表示されたノートブック画面の例である。
【
図7】授業支援機能の使用例の流れを示すラダーチャートである。
【
図8B】提出済みの付箋が表示された課題管理画面の例である。
【
図14A】添削済みの付箋を修正する際の付箋編集画面の例である。
【
図14B】添削内容を非表示とした付箋編集画面の例である。
【
図15】再提出された回答を再添削する際の付箋添削画面の例である。
【
図16】付箋編集に対する編集条件決定処理を示すフローチャートである。
【
図17】付箋編集に対する編集条件決定処理を示すフローチャートである。
【
図18】各ユーザが付箋を編集する際の各場面における書き込み先のレイヤーの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る情報処理システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態において、情報処理システムは、学校の先生及び生徒によって使用されるものとする。なお、学校とは、正規の小学校、中学校、高校、大学に限らず、専門学校、学習塾、予備校等を含むものである。
【0013】
[情報処理システム100の構成]
図1に、本実施形態に係る情報処理システム100の構成例を示す。
情報処理システム100は、情報処理装置であるサーバ装置10と、複数の端末装置20と、を含む。サーバ装置10と各端末装置20とは、ネットワーク30を介してデータ通信可能に接続される。
端末装置20は、各ユーザ(先生、生徒)が使用する端末装置である。端末装置20は、パーソナルコンピュータ、タブレット等の携帯端末装置、スマートフォン等の移動体通信装置のいずれであってもよい。なお、端末装置20の台数は、特に限定されない。
ネットワーク30は、例えば、インターネット、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、移動体通信ネットワーク、近距離無線通信網、あるいは、これらの一部又は全部の組合せといった、任意の電気通信ネットワークであればよい。
【0014】
[サーバ装置10の構成]
サーバ装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13等を備える。これらの構成は、システムバス14を介して互いに接続されている。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、サーバ装置10の各部を制御する。具体的には、制御部11は、記憶部12に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部11は、アプリケーションプログラムの実行結果に応じて、端末装置20の表示部24に当該実行結果に係る表示を行わせるための制御信号を生成し、通信部13を介して端末装置20に送信する。
【0016】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等により構成される。
記憶部12には、制御部11で実行されるシステムプログラム、アプリケーションプログラム等、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。
【0017】
図2に、記憶部12のストレージに設けられているデータベース121の構成例を示す。
データベース121は、ユーザ管理テーブル122、ノートブック管理テーブル123、付箋管理テーブル124、提出場所管理テーブル125、辞書データベース126等を含んでいる。
【0018】
ユーザ管理テーブル122は、情報処理システム100が提供する情報処理サービスである学習支援アプリケーション(以下、「学習支援アプリ」という。)を利用するユーザ(例えば、先生、生徒等)ごとに、ユーザに係る情報を管理するテーブルである。ユーザ管理テーブル122には、ユーザごとに、ユーザID、パスワード、ユーザ名、学校ID、メールアドレス、ユーザ種別、所属クラス、年齢、性別、所在地等の情報が対応付けられて格納されている。ユーザ管理テーブル122に保管される情報を示すデータを、ユーザ管理データともいう。新たなユーザが登録された場合に、ユーザ管理テーブル122では、新たに1行のユーザ管理データが追加される。
ユーザIDは、各々のユーザに付与された固有の識別情報である。
パスワードは、ユーザが登録したパスワードである。
ユーザ名は、登録されたユーザの名称である。
学校IDは、ユーザが所属する学校の識別情報である。
メールアドレスは、登録されたユーザが使用するメールアドレスである。
ユーザ種別、所属クラス、年齢、性別、所在地は、各々のユーザに対応した属性情報である。このうち、ユーザ種別は、生徒、先生等の情報である。所属クラスは、ユーザ種別が生徒の場合に設定される情報であって、ユーザが所属するクラス(例えば、1年1組等)の情報である。所在地は、ユーザの住所、居所等である。
【0019】
ノートブック管理テーブル123は、学習支援アプリにおいてユーザにより作成されるノートブックに係る情報を管理するテーブルである。ノートブック管理テーブル123には、ユーザが作成したノートブックごとに、ノートブックID、ユーザID、授業ID等の情報が対応付けられて格納されている。ノートブック管理テーブル123に保管される情報を示すデータを、ノートブック管理データともいう。新たなノートブックが作成された場合に、ノートブック管理テーブル123では、新たに1行のノートブック管理データが追加される。
ノートブックIDは、ノートブックごとに割り当てられた識別情報である。
ユーザIDは、そのノートブックを作成したユーザの識別情報である。
授業IDは、そのノートブックが属する授業の識別情報である。
【0020】
付箋管理テーブル124は、学習支援アプリにおいてユーザにより作成される電子付箋(以下、単に「付箋」ともいう。)に係る情報を管理するテーブルである。付箋管理テーブル124には、ユーザが作成した付箋ごとに、付箋ID、ノートブックID、付箋タイプ、付箋内容等の情報が対応付けられて格納されている。付箋管理テーブル124に保管される情報を示すデータを、付箋管理データともいう。新たな付箋が作成された場合に、付箋管理テーブル124では、新たに1行の付箋管理データが追加される。
付箋IDは、付箋ごとに付与された固有の識別情報である。
ノートブックIDは、各々の付箋が表示されるノートブックの識別情報であり、ノートブック管理テーブル123に保管されたノートブック管理データに含まれるノートブックIDに対応している。
付箋タイプは、テキスト付箋、カメラ付箋、リンク付箋、ファイル付箋、辞書付箋等の付箋に対応する種類を示す情報である。
付箋内容は、付箋の内容を示す情報であり、文字列、画像、動画等の情報である。また、付箋内容は、ノートブックにおける各々の付箋について、表示位置や表示サイズ、表示色といった、表示設定に関する情報を含んでいてもよい。
【0021】
提出場所管理テーブル125は、学習支援アプリにおいてユーザにより作成される課題の回答(付箋)の提出場所に係る情報を管理するテーブルである。提出場所管理テーブル125には、提出場所ごとに、提出場所ID、提出先名、期限、課題作成ユーザID、課題付箋ID、配布先ユーザID等の情報が対応付けられて格納されている。提出場所管理テーブル125に保管される情報を示すデータを、提出場所管理データともいう。新たな提出場所が作成された場合に、提出場所管理テーブル125では、新たに1行の提出場所管理データが追加される。
提出場所IDは、各々の提出場所管理データに付与された固有の識別情報である。
提出先名は、提出先(提出場所)の名称である。
期限は、課題に対する回答の提出期限である。
課題作成ユーザIDは、提出場所及び課題(付箋)を作成したユーザ(先生)の識別情報である。
課題付箋IDは、課題として作成された付箋の識別情報である。
配布先ユーザIDは、課題の配布先として指定されたユーザ(課題に対する回答を作成すべき生徒)の識別情報である。配布先ユーザIDは、複数指定可能となっている。
また、提出場所管理テーブル125には、配布先ユーザIDごとに、ユーザ(生徒)が課題を取得済み(ダウンロード済み)であるか否かを示す情報、回答を提出済みであるか否かを示す情報、ユーザが作成した回答の付箋を示す付箋IDが記録される。
【0022】
辞書データベース126は、国語辞典、英和辞書、独和辞書、仏和辞書等について、見出し語(単語)と、見出し語の品詞・意味・語源・用例等の解説文と、を対応付けた辞書データを格納したデータベースである。
【0023】
通信部13は、NIC(Network Interface Card)等を含んで構成され、ネットワーク30にアクセスして外部機器との電気通信を行う。
【0024】
制御部11は、端末装置20の操作部23からの操作に応じて、ユーザが任意の情報を入力して表示させる領域(ノートブック)を生成し、このノートブックを端末装置20の表示部24に表示させる。
制御部11は、ノートブック上における端末装置20の操作部23からの操作に応じて、電子付箋を生成し、この電子付箋をノートブック上に表示させる。
【0025】
電子付箋は、ユーザが書き留めておきたい情報等を含む表示オブジェクトである。電子付箋は、表示領域(ノートブック)内の任意に位置に表示され、ユーザの操作に応じて、作成、内容の追加、修正、削除、表示位置の移動等が可能となっている。また、電子付箋の形状、サイズ、色等を変更することもできる。
【0026】
制御部11は、複数のユーザが共有して編集可能な対象データとしての付箋を管理する。本実施形態において、対象データは、複数のユーザにより電子付箋として共有されるデータである。
【0027】
制御部11は、複数のユーザのそれぞれが当該ユーザに対応する端末装置20からの操作により付箋を編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モードを選択し、選択された編集モードに応じて、当該ユーザに対する付箋の編集条件を決定する。アプローチ方法とは、付箋を編集する画面へと遷移する際の手順、操作内容等である。
本実施形態では、付箋に対して添削を行う時の編集モードを「添削モード」といい、付箋に対して添削以外の編集を行う時の編集モードを「作成モード」という。
【0028】
アプローチ方法は、付箋(対象データ)を編集する編集画面へと遷移する際の手順又は操作内容がユーザの属性及び編集の種別に応じて異なる複数のアプローチ方法を含む。
制御部11は、アプローチ方法の違いに応じて異なる編集モードを選択する。
【0029】
制御部11は、複数のユーザにより付箋(対象データ)を段階的に編集していく場合に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、選択された編集モードに応じて付箋の編集条件を決定する。
【0030】
複数の編集段階は、作成段階、添削段階、修正段階、再添削段階、のうちの少なくとも複数の段階を含む。
作成段階は、第1ユーザにより付箋(対象データ)を作成する段階である。
添削段階は、作成段階の後に行われる段階であり、第1ユーザとは異なる第2ユーザにより付箋を添削する段階である。
修正段階は、添削段階の後に行われる段階であり、第1ユーザにより付箋を修正する段階である。
再添削段階は、修正段階の後に行われる段階であり、第2ユーザにより付箋を再添削する段階である。
【0031】
付箋(対象データ)は、例えば、先生が出した課題に対する生徒の回答が入力されるデータである。
この場合、複数の編集段階は、生徒による課題に対する回答としての付箋の作成段階、先生による生徒の回答に対する添削としての付箋の編集段階、生徒による添削に対する修正としての付箋の編集段階、を含む。
【0032】
ここでは、付箋(対象データ)は、それぞれ編集内容が異なる複数のレイヤーで管理されている。
制御部11は、複数のユーザのそれぞれに対して、選択された編集モードに応じて複数のレイヤーのうち編集を許可するレイヤーを決定することで、付箋の編集条件を決定する。
【0033】
例えば、付箋を構成する複数のレイヤーは、第1レイヤーと、第2レイヤーと、を含む。
第1レイヤーは、付箋を作成又は修正する際に用いる作成用レイヤーである。
第2レイヤーは、付箋を添削する際に用いる添削用レイヤーである。第2レイヤーは、添削された場合に付加されるレイヤーであり、添削される前は存在しない。
【0034】
制御部11は、端末装置20からの操作により付箋に対して添削が指示された場合に、付箋に対する編集による書き込み先を第2レイヤーに決定する。例えば、生徒であるユーザが作成した付箋(対象データ)を、先生であるユーザが添削する場合が想定される。
【0035】
制御部11は、端末装置20からの操作により付箋に対して添削以外の編集(通常編集)が指示された場合に、付箋に対する編集による書き込み先を第1レイヤーに決定する。例えば、生徒であるユーザが付箋(対象データ)を作成又は修正する場合が想定される。
【0036】
制御部11は、端末装置20の表示部24に第1レイヤーと第2レイヤーとを重ねて表示させ、端末装置20からのユーザの操作により第2レイヤー(添削内容)の表示又は非表示を切り替える。
【0037】
また、付箋を構成する複数のレイヤーは、イメージレイヤーと、オブジェクトレイヤーと、を含む。
イメージレイヤーは、入力された複数のデータを1つの画像データとして管理し、新たに入力されたデータをイメージ化した状態で1つの画像データに重ねて、新たに入力されたデータを個別に削除できない形態で記憶するレイヤーである。イメージレイヤーは、例えば、手書きデータが入力されるレイヤーである。
オブジェクトレイヤーは、入力された複数のデータを個別のオブジェクトデータとして管理し、新たに入力されたデータを個別に削除可能な形態で記憶するレイヤーである。オブジェクトレイヤーは、例えば、スタンプデータ又はテキストデータが入力されるレイヤーである。
【0038】
制御部11は、少なくともイメージレイヤーについて、選択された編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定する。
制御部11は、イメージレイヤー及びオブジェクトレイヤーの両方について、選択された編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定してもよい。
【0039】
イメージレイヤーは、選択された編集モードに応じた編集条件が異なる第1イメージレイヤーと第2イメージレイヤーとを含む。
オブジェクトレイヤーは、選択された編集モードに応じた編集条件が異なる第1オブジェクトレイヤーと第2オブジェクトレイヤーとを含む。
【0040】
付箋を構成する複数のレイヤーのうちの一部のレイヤーは、特定の編集モードでの編集操作が行われる前は存在せず、特定の編集モードでの編集操作に応じて生成される。特定の編集モードでの編集操作として、例えば、添削が挙げられる。
【0041】
[端末装置20の構成]
端末装置20は、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25、音声入出力部26、撮像部27等を備える。これらの構成は、システムバス28を介して互いに接続されている。
【0042】
制御部21は、CPU及びRAM等を備え、端末装置20の各部を制御する。具体的には、制御部21は、記憶部22に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部21は、学習支援アプリプログラムを実行して、操作部23に対するユーザの入力操作の内容に基づく情報を通信部25によりサーバ装置10に送信させたり、サーバ装置10から受信した情報を表示部24に表示させたりする。
【0043】
記憶部22は、例えば、HDD、SSD、EEPROM等により構成される。
記憶部22には、制御部21で実行されるシステムプログラム、学習支援アプリプログラム等、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。当該プログラムは、外部のWebサーバからネットワーク30、通信部25を介して、記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0044】
操作部23は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス等の操作入力部を有している。操作部23は、ユーザによる操作入力を受け付け、その操作情報を制御部21に出力する。
【0045】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、制御部21から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0046】
通信部25は、NIC等の有線通信モジュール又は無線通信モジュールの少なくとも一方を含んで構成され、ネットワーク30にアクセスして外部機器との電気通信を行う。
【0047】
音声入出力部26は、マイク等の音声入力部と、アンプ、スピーカー等の音声出力部とを有する。音声入出力部26は、音声入力部により、ユーザの音声等の音声信号を取得して音声データに変換して制御部21に出力する。また、音声入出力部26は、音声出力部により、制御部21から入力される音声データに基づいて音声出力する。
【0048】
撮像部27は、光学系と、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、を有するデジタルカメラ部であり、被写体を撮像して、静止画や動画の画像データを生成して制御部21に出力する。
【0049】
[情報処理システム100における動作]
次に、情報処理システム100における動作について説明する。
先生及び生徒は、学校の授業中又は授業時間外に授業支援機能を用いて、授業における添削課題等の各種情報を共有することができる。
【0050】
まず、各ユーザが授業支援機能を利用する際にノートブック画面に遷移するまでの手順について説明する。
ユーザが使用する端末装置20において、制御部21は、学習支援アプリを実行し、ユーザによる操作部23からの操作により、学校ID、ユーザID及びパスワードの入力を受け付ける。
サーバ装置10の制御部11は、ユーザ管理テーブル122を参照し、端末装置20から入力された情報の組み合わせと一致するデータが存在する場合に、端末装置20のユーザのログインを許可する。
【0051】
サーバ装置10の制御部11は、端末装置20の表示部24に授業画面40を表示させる。
図3に、端末装置20の表示部24に表示される授業画面40の例を示す。
サーバ装置10の制御部11は、ノートブック管理テーブル123を参照し、ログインユーザのユーザIDに対応するノートブック管理データに含まれる授業IDに基づいて、当該ユーザに関連する授業を特定し、授業画面40内に授業一覧40aを表示させる。
ユーザは、端末装置20の操作部23からの操作により、授業画面40内の授業一覧40aから、いずれかの授業を選択する。
図3に示す例においては、「授業0729a」が選択されている。
【0052】
サーバ装置10の制御部11は、ノートブック管理テーブル123を参照し、授業画面40内のノートブック表示領域40bに、選択された授業に対して作成されているノートブックに対応するノートブックアイコンを表示させる。
図3に示す例においては、「授業0729a」に対して作成されているノートブックとして、ノートブックアイコンNB1,NB2が表示されている。
ユーザは、端末装置20の操作部23からの操作により、授業画面40内のノートブック表示領域40bにおいて、いずれかのノートブック(ノートブックアイコン)を選択する。
【0053】
なお、ここでは、既に作成されているノートブックの中からノートブックを選択することとしたが、新規にノートブックを作成してもよい。サーバ装置10の制御部11は、端末装置20からの操作により、新規にノートブックが作成された場合には、ノートブック管理テーブル123に、新たに1行のノートブック管理データを追加する。
【0054】
サーバ装置10の制御部11は、選択されたノートブック又は新規に作成されたノートブックに対応するノートブック画面41を、端末装置20の表示部24に表示させる。
図4Aに、端末装置20の表示部24に表示されるノートブック画面41の例を示す。
サーバ装置10の制御部11は、付箋管理テーブル124を参照し、選択されたノートブックに対応するノートブックIDを含む付箋管理データが存在する場合には、
図4Bに示すように、ノートブック画面41内の付箋表示領域41jに付箋411を表示させる。
【0055】
ノートブック画面41には、ノートブックメニュー41aが設けられている。ノートブックメニュー41aには、例えば、テキスト付箋ボタン41b、カメラ付箋ボタン41c、リンク付箋ボタン41d、ファイル付箋ボタン41e、辞書付箋ボタン41fが含まれる。ノートブックメニュー41aに含まれる各ボタンは、ユーザが電子付箋をノートブックに貼り付けて作成したい場合に、押下される。
【0056】
ノートブック画面41において、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、テキスト付箋ボタン41bが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、
図5Aに示す付箋編集画面42を端末装置20の表示部24に表示させ、編集を受け付ける。
【0057】
ノートブック画面41において、カメラ付箋ボタン41cが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20の撮像部27を起動させ、撮像部27で撮影した任意の画像を端末装置20の表示部24に表示させ、編集可能な状態とする。
【0058】
ノートブック画面41において、リンク付箋ボタン41dが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20のWebブラウザを起動させ、Web上のリンク先URL(Uniform Resource Locator)付きの付箋を端末装置20の表示部24に表示させ、編集可能な状態とする。
【0059】
ノートブック画面41において、ファイル付箋ボタン41eが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20のファイル操作アプリを起動させ、表示部24に付箋として任意のファイルを表示させ、編集可能な状態とする。
【0060】
ノートブック画面41において、辞書付箋ボタン41fが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20の辞書アプリを起動させ、辞書の見出し語とその説明情報を辞書データベース126から検索して表示部24に付箋として表示させ、編集可能な状態とする。
【0061】
以下の説明では、テキスト付箋ボタン41bを押下して作成されるテキスト付箋を例にして説明する。テキスト付箋は、手書き入力、スタンプ入力、テキスト入力により作成される。
【0062】
図6に、付箋のレイヤー構成の例を示す。
付箋が添削される前は、付箋のデータは、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcで構成されている。作成用手書きレイヤーLa及び作成用スタンプレイヤーLbは、第1レイヤー(作成用レイヤー)に相当する。
添削において手書きの情報が付加される場合、付箋のデータに、添削用手書きレイヤーLdが追加される。添削においてスタンプが付加される場合、付箋のデータに、添削用スタンプレイヤーLeが追加される。添削用手書きレイヤーLd及び添削用スタンプレイヤーLeは、第2レイヤー(添削用レイヤー)に相当する。
なお、本実施形態では、テキストレイヤーLcを、付箋を作成又は修正する際にも添削する際にも用いる共通レイヤーとしている。つまり、テキスト入力により添削されたデータは、テキストレイヤーLcに書き込まれる。
【0063】
作成用手書きレイヤーLa及び添削用手書きレイヤーLdは、それぞれ、イメージレイヤーに相当する。作成用手書きレイヤーLa(例えば、第1イメージレイヤー)、添削用手書きレイヤーLd(例えば、第2イメージレイヤー)は、編集モードに応じた編集条件が異なる。具体的には、作成用手書きレイヤーLaは、編集モードが「作成モード」の場合に、編集が許可される。添削用手書きレイヤーLdは、編集モードが「添削モード」の場合に、編集が許可される。
【0064】
作成用スタンプレイヤーLb、添削用スタンプレイヤーLe及びテキストレイヤーLcは、それぞれ、オブジェクトレイヤーに相当する。作成用スタンプレイヤーLb(例えば、第1オブジェクトレイヤー)、添削用スタンプレイヤーLe(例えば、第2オブジェクトレイヤー)は、編集モードに応じた編集条件が異なる。具体的には、作成用スタンプレイヤーLbは、編集モードが「作成モード」の場合に、編集が許可される。添削用スタンプレイヤーLeは、編集モードが「添削モード」の場合に、編集が許可される。
【0065】
手書きレイヤー(作成用手書きレイヤーLa、添削用手書きレイヤーLd)に手書きで入力された軌跡データはイメージ化され、手書きレイヤーで管理される1つの画像データ(イメージ領域)に重ねて記憶される。手書きレイヤー内にイメージ化された個々の軌跡データは個別では削除することができず、画像データの一部として消しゴムツールなどで削除する。これに対して、スタンプレイヤー(作成用スタンプレイヤーLb、添削用スタンプレイヤーLe)に入力された個々のスタンプデータや、テキストレイヤー(テキストレイヤーLc)に入力された個々のテキストデータは、個別のオブジェクトデータとして管理され、個別に削除することが可能である。
【0066】
<授業支援機能の使用例>
図7は、授業支援機能の使用例の流れを示すラダーチャートである。
ここでは、先生が課題を出し、生徒が課題に対する回答を提出し、先生がその回答を添削する流れについて説明する。以下、
図7に沿った説明において、先生が使用する端末装置20を「先生側端末装置20A」、生徒が使用する端末装置20を「生徒側端末装置20B」という。
【0067】
サーバ装置10の制御部11は、先生が使用する先生側端末装置20Aの表示部24にノートブック画面41(
図4A)を表示させる(ステップS1)。具体的には、先生がログインした後、授業画面40の授業一覧40a(
図3)から対象授業を選択すると(授業フォルダを開くと)、この授業のフォルダ内に作成されたノートブックに対応するノートブック画面41が開かれる。ログイン方法やノートブック画面を開く手順については、上記の説明と同様である。
【0068】
次に、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aにおいて、課題の提出場所(提出先)の作成を受け付ける(ステップS2)。具体的には、先生側端末装置20Aにおいて、先生による操作部23からの操作により、ノートブック画面41内の提出ボタン41h(
図4A)が押下されると、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aの表示部24に、
図8Aに示す課題管理画面43を表示させる。
【0069】
先生側端末装置20Aにおいて、先生による操作部23からの操作により、課題管理画面43内の提出先作成ボタン43aが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aの表示部24に、提出先新規作成画面(図示せず)を表示させる。
先生は、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、提出先新規作成画面において、提出先名、期限(日付、時間)等を入力する。
【0070】
サーバ装置10の制御部11は、先生により入力された提出先名、期限等を、提出場所ID、先生に対応するユーザID(課題作成ユーザID)と対応付け、提出場所管理データとして提出場所管理テーブル125に追加する(ステップS3)。
【0071】
次に、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aにおいて、課題の付箋の作成を受け付ける(ステップS4)。具体的には、先生による先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、ノートブック画面41(
図4A)において、テキスト付箋ボタン41bが押下されると、制御部11は、
図5Aに示す付箋編集画面42を先生側端末装置20Aの表示部24に表示させる。そして、制御部11は、先生による先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、付箋内容の編集を受け付ける。
【0072】
付箋編集画面42において、テキスト入力ボタン42aが押下されると、ユーザ(先生)は、入力領域42d内に付箋の内容をテキストで入力可能となる。
【0073】
付箋編集画面42において、スタンプ入力ボタン42bが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、
図9に示すスタンプ選択パネル42fを付箋編集画面42上に表示させる。スタンプは、予め用意されているマークや文字列等の画像であり、付箋内での位置や大きさを変更できる。ユーザ(先生)は、スタンプ選択パネル42fから任意のスタンプを選択し、選択したスタンプを付箋編集画面42の入力領域42d内に配置することが可能となる。
【0074】
付箋編集画面42において、手書き入力ボタン42cが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、
図10に示す手書き選択パネル42gを付箋編集画面42上に表示させる。ユーザ(先生)は、入力領域42d内において手書き入力することが可能となる。手書き選択パネル42gには、ペン種変更ボタン421、消しゴムボタン422、太さ変更ボタン423、色変更ボタン424が含まれる。ペン種変更ボタン421が押下されると、通常のペン、マーカーペン、直線等からペンの種類を選択できる。消しゴムボタン422が押下されると、入力領域42d内で操作部23からの操作に応じて移動するポインタの位置に描画されている線を消すことが可能となる。太さ変更ボタン423が押下されると、手書きされる線の太さを変更できる。色変更ボタン424が押下されると、手書きされる線の色を変更できる。
【0075】
そして、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aの表示部24に表示されている付箋編集画面42(
図5A)において、先生により保存ボタン42eが押下されると、課題の付箋のデータを記憶部12に記憶させるとともに、付箋管理テーブル124に、新たに1行の付箋管理データを追加する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、作成した付箋の付箋IDと対応付けて、ノートブックID、付箋タイプ、付箋内容等の情報を付箋管理テーブル124に格納し、付箋管理テーブル124を更新する。
また、サーバ装置10の制御部11は、ノートブック画面41内の付箋表示領域41j(
図4B)に、作成された課題の付箋411を表示させる。
【0076】
次に、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aにおいて、課題の付箋の送信を受け付ける(ステップS6)。具体的には、制御部11は、先生による操作部23からの操作により、ノートブック画面41において、付箋411が送受信ボタン41i(
図4B)上にドラッグアンドドロップされると、先生側端末装置20Aの表示部24に、送信先指定画面(図示せず)を表示させる。
先生は、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、送信先指定画面において、送信先を指定する。例えば、先生は、送信先リストから送信先とする生徒を選択したり、送信先としてクラス全員を指定したりする。
【0077】
サーバ装置10の制御部11は、先生による送信先の指定操作に基づく制御信号を先生側端末装置20Aから受信すると、指定された送信先に課題の付箋を送信することを受け付ける(ステップS7)。制御部11は、課題の付箋を示す課題付箋ID、指定された送信先を示す配布先ユーザIDを、課題に対応する提出場所IDと対応付けて、提出場所管理テーブル125に格納する。
【0078】
生徒が使用する生徒側端末装置20Bに対しても、サーバ装置10の制御部11は、表示部24にノートブック画面41(
図4A)を表示させる(ステップS8)。具体的には、生徒がログインした後、授業画面40の授業一覧40aから対象授業を選択すると(授業フォルダを開くと)、この授業のフォルダ内に作成されたノートブックに対応するノートブック画面41が開かれる。ログイン方法やノートブック画面を開く手順については、上記の説明と同様である。
【0079】
次に、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bにおいて、課題の付箋のダウンロードを受け付ける(ステップS9)。具体的には、生徒側端末装置20Bにおいて、生徒による操作部23からの操作により、ノートブック画面41内の送受信ボタン41i(
図4A)が押下されると、サーバ装置10の制御部11は、
図11に示す送受信履歴画面44を生徒側端末装置20Bの表示部24に表示させる。送受信履歴画面44には、生徒(ログインユーザ)が送受信した各々の付箋について、送受信日時、未取得/取得済みの情報が表示されている。
【0080】
生徒側端末装置20Bにおいて、操作部23からの操作により、送受信履歴画面44内の課題の付箋に対応するダウンロードボタン44aが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bの表示部24に対し、ノートブック画面41内の付箋表示領域41j(
図4B)に課題の付箋411を追加して表示させる。
【0081】
サーバ装置10の制御部11は、生徒により付箋がダウンロードされると、当該生徒が付箋を取得済みであることを示す取得済み情報を取得する(ステップS10)。制御部11は、付箋をダウンロードした生徒のユーザID(配布先ユーザID)と対応付けて、課題を取得済みであることを提出場所管理テーブル125に格納する。
【0082】
次に、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bにおいて、課題に対する回答の付箋の作成を受け付ける(ステップS11)。ステップS11の処理が、生徒(第1ユーザ)による付箋(課題に対する回答)の作成段階に相当する。回答の付箋の作成については、生徒側端末装置20Bにおける生徒による操作に基づくことを除いて、ステップS4の処理と同様である。
【0083】
図5Bに、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示される付箋編集画面42の例を示す。生徒は、例えば、操作部23からの操作により、手書き入力ボタン42cを押下して、付箋編集画面42に手書きの絵を書き込む。ここでは、生徒の操作に基づく編集内容は、付箋の作成用手書きレイヤーLaに書き込まれる。
【0084】
ここでは、絵を書く課題(美術)の例を示すが、数学の課題では、生徒に問題を解くための計算過程と計算結果を書かせたり、語学の課題では、英作文を書かせたりするなど、様々な課題において生徒が手書きで回答を書き込むことができる。
【0085】
そして、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示されている付箋編集画面42において、生徒により保存ボタン42eが押下されると、回答の付箋のデータを記憶部12に記憶させるとともに、付箋管理テーブル124に、新たに1行の付箋管理データを追加する(ステップS12)。回答の付箋のデータは、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb及びテキストレイヤーLcにより構成される。
【0086】
次に、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bにおいて、回答の付箋の提出を受け付ける(ステップS13)。
生徒は、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示されるノートブック画面41(
図4B)において、操作部23からの操作により、付箋411(回答の付箋)を提出ボタン41h上へドラッグアンドドロップすることで、付箋の提出を指示する。
【0087】
サーバ装置10の制御部11は、生徒による提出操作に基づく制御信号を生徒側端末装置20Bから受信すると、課題の提出場所への回答の付箋の提出を受け付ける(ステップS14)。制御部11は、回答の付箋を提出した生徒のユーザID(配布先ユーザID)と対応付けて、提出済みであること、及び、回答の付箋を示す付箋IDを提出場所管理テーブル125に格納する。
【0088】
サーバ装置10の制御部11は、生徒から提出された回答の付箋を、先生側端末装置20Aの表示部24に表示させる(ステップS15)。具体的には、
図8Bに示すように、先生側端末装置20Aの表示部24に表示される課題管理画面43において、提出済みの付箋43bが表示されるようになる。
【0089】
先生が、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、課題管理画面43において、提出済みの付箋の中から添削対象とする付箋を選択すると、サーバ装置10の制御部11は、
図12に示すように、選択された付箋の付箋画面45を、先生側端末装置20Aの表示部24に表示させる。
先生が、操作部23からの操作により、付箋画面45内の添削ボタン45aを押下すると、サーバ装置10の制御部11は、
図13に示すように、生徒から提出された回答に係る付箋添削画面46を、先生側端末装置20Aの表示部24に表示させる。
【0090】
次に、サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aにおいて、生徒から提出された回答の付箋の添削を受け付ける(ステップS16)。ステップS16の処理が、先生(第2ユーザ)による付箋(回答)の添削段階に相当する。
先生は、操作部23からの操作により、付箋添削画面46内のテキスト入力ボタン46a、スタンプ入力ボタン46b、手書き入力ボタン46cを押下することで、付箋に対する添削の書き込みを行うことができる。テキスト入力ボタン46a、スタンプ入力ボタン46b、手書き入力ボタン46cの操作方法は、付箋編集画面42(
図5A)におけるテキスト入力ボタン42a、スタンプ入力ボタン42b、手書き入力ボタン42cと同様である。
【0091】
図13では、先生が手書き入力により書き込んだ添削情報46dが追加されている。この添削情報46dは、付箋の添削用手書きレイヤーLdに書き込まれるため、先生による添削操作により、生徒が作成した内容(作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLbに書き込まれた内容)を消してしまうことがない。一方、先生が書き込んだ内容(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLeに書き込まれた内容)については、適宜修正できる。
先生が、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、付箋添削画面46の添削完了ボタン46eを押下すると、サーバ装置10の制御部11は、添削により付箋に追加された情報を添削用レイヤー(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe)に保存する。なお、制御部11は、添削においてテキスト入力された内容については、テキストレイヤーLcに保存する。
【0092】
先生が、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、付箋添削画面46の返却ボタン46fを押下することで、サーバ装置10の制御部11は、添削済みの付箋の生徒への返却を受け付ける(ステップS17)。
【0093】
サーバ装置10の制御部11は、先生による生徒への返却操作に基づく制御信号を先生側端末装置20Aから受信すると、添削済みの付箋の返却を受け付ける(ステップS18)。
【0094】
次に、生徒は、生徒側端末装置20Bにおいて、先生から返却された添削済みの付箋をダウンロードする(ステップS19)。具体的には、生徒側端末装置20Bにおいて、生徒による操作部23からの操作により、ノートブック画面41内の送受信ボタン41i(
図4A)が押下されると、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bの表示部24に、送受信履歴画面(
図11に示す送受信履歴画面44と同様)を表示させる。
【0095】
生徒側端末装置20Bにおいて、送受信履歴画面内の添削済みの付箋に対応するダウンロードボタンが押下されると、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bの表示部24に対し、ノートブック画面41内の付箋表示領域41j(
図4B)に添削済みの付箋411を追加して表示させる。
【0096】
サーバ装置10の制御部11は、生徒により付箋がダウンロードされると、付箋管理テーブル124に、新たに1行の付箋管理データを追加する(ステップS20)。
【0097】
生徒側端末装置20Bにおいてダウンロードされた添削済みの付箋に対し、操作部23からの操作により、生徒が編集を選択すると、サーバ装置10の制御部11は、添削済みの付箋の修正を受け付ける。この処理が、生徒(第1ユーザ)による付箋(添削済みの回答)の修正段階に相当する。
【0098】
図14Aに、添削済みの付箋の修正時に、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示される付箋編集画面42の例を示す。
図14Aでは、
図5Bとの比較において、生徒が手書き入力により書き込んだ修正情報42hが付加されることで、付箋の内容が修正されている。この修正情報42hは、付箋の作成用手書きレイヤーLaに書き込まれるため、生徒による修正操作により、先生が添削により書き込んだ添削情報42i(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLeに書き込まれた内容)を消してしまうことがない。一方、生徒が書き込んだ内容(作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLbに書き込まれた内容)については、適宜修正できる。
【0099】
また、
図14Aに示すように、添削済みの付箋に係る付箋編集画面42には、添削OFFボタン42jが設けられている。生徒が添削OFFボタン42jを押下すると、サーバ装置10の制御部11は、
図14Bに示すように、付箋編集画面42において添削情報42i(
図14A)を非表示とする。これにより、生徒は、付箋の添削内容を除いた状態を確認することが可能となる。
【0100】
図14Bに示す付箋編集画面42には、添削ONボタン42kが設けられている。生徒が添削ONボタン42kを押下すると、サーバ装置10の制御部11は、
図14Aに示すように、付箋編集画面42において添削情報42iを表示させる。
【0101】
サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示されている付箋編集画面42において、生徒により保存ボタン42eが押下されると、記憶部12に記憶されている回答の付箋のデータを、修正された内容に上書きする。
【0102】
次に、サーバ装置10の制御部11は、生徒側端末装置20Bにおいて、回答の付箋の再提出を受け付ける。
生徒は、生徒側端末装置20Bの表示部24に表示されるノートブック画面41(
図4B)において、操作部23からの操作により、修正した回答の付箋411を提出ボタン41h上へドラッグアンドドロップすることで、付箋の再提出を指示する。
回答の付箋の再提出に伴う処理の詳細については、1回目の提出の時と同様である。
【0103】
図15に、先生側端末装置20Aの表示部24に表示される、再提出された回答に係る付箋添削画面46の例を示す。
サーバ装置10の制御部11は、先生側端末装置20Aにおいて、生徒から再提出された回答の付箋の添削を受け付ける。この処理が、先生(第2ユーザ)による付箋(修正された回答)の再添削段階に相当する。
先生は、先生側端末装置20Aの操作部23からの操作により、付箋添削画面46内のテキスト入力ボタン46a、スタンプ入力ボタン46b、手書き入力ボタン46cを押下することで、付箋に対する添削の書き込みを行う。
【0104】
図15では、再添削において、先生が手書き入力により新たに書き込んだ添削情報46hに書き換えられている。この添削情報46hは、付箋の添削用手書きレイヤーLdに書き込まれるため、先生による添削操作により、生徒が作成又は修正した内容(作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLbに書き込まれた内容)を消してしまうことがない。一方、先生が書き込んだ内容(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLeに書き込まれた内容)については、適宜修正できる。
再提出された付箋を先生が再添削する処理、生徒に付箋を返却する処理の詳細については、1回目の添削の時と同様である。
以下、生徒による付箋の修正や、先生による添削が繰り返される場合にも、同様の処理が繰り返される。
【0105】
<付箋編集に対する編集条件決定処理>
図16及び
図17は、サーバ装置10において実行される付箋編集に対する編集条件決定処理を示すフローチャートである。ここで、端末装置20を使用するユーザは、先生の場合も生徒の場合もある。
【0106】
サーバ装置10の制御部11は、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、付箋に対する編集操作があったか否かを判断する(ステップS21)。付箋に対する編集操作には、付箋を新規に作成する場合、付箋を添削する場合、付箋を修正する場合が含まれる。
【0107】
付箋に対する編集操作がない場合には(ステップS21;NO)、処理はステップS21に戻る。
付箋に対する編集操作があった場合には(ステップS21;YES)、制御部11は、その編集操作が、付箋画面45(
図12)における添削ボタン45aの押下操作であるか、ノートブック上での編集操作であるかを判断する(ステップS22)。ノートブック上での編集操作とは、ノートブック画面41(
図4B)上で選択された付箋に対する編集操作のことである。
【0108】
付箋に対する編集操作が、付箋画面45における添削ボタン45aの押下操作である場合には(ステップS22;添削ボタン押下)、制御部11は、付箋に対する編集モードを「添削モード」とし、端末装置20からの操作に基づく編集内容を、付箋の添削用レイヤー(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe)に書き込むことに決定する(ステップS23)。なお、テキストレイヤーLcについては、作成モードと添削モードにおいて共通のレイヤーであるため、付箋に対してテキスト入力する際には、テキストレイヤーLcに書き込むことになる。すなわち、制御部11は、ユーザに対して、編集を許可するレイヤーを、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe、テキストレイヤーLcに決定する。
【0109】
次に、制御部11は、付箋添削画面46(例えば、
図13)を端末装置20の表示部24に表示させ、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、添削操作を受け付ける(ステップS24)。
【0110】
次に、制御部11は、付箋添削画面46において、添削内容の表示がONに設定されているか否かを判断する(ステップS25)。付箋添削画面46上には、「添削OFFボタン」又は「添削ONボタン」が表示され、両ボタンはトグルボタンになっている。
【0111】
付箋添削画面46において、添削内容の表示がONに設定されている場合には(ステップS25;YES)、制御部11は、編集対象付箋の作成用レイヤーに添削用レイヤーを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる(ステップS26)。具体的には、制御部11は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLc、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLeを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる。この場合、
図13に示すように、付箋添削画面46上に添削OFFボタン46gが表示され、添削内容の表示をOFF状態に変更可能となっている。
【0112】
一方、付箋添削画面46において、添削内容の表示がONに設定されていない場合には(ステップS25;NO)、制御部11は、編集対象付箋の作成用レイヤーのみを端末装置20の表示部24に表示させ、添削用レイヤーは非表示とする(ステップS27)。具体的には、制御部11は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる。この場合、付箋編集画面42上に添削ONボタン(図示せず)が表示され、添削内容の表示をON状態に変更可能となっている。
【0113】
ステップS26又はステップS27の後、制御部11は、端末装置20において、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、付箋に対する編集操作(添削操作)の終了指示があったか否かを判断する(ステップS28)。具体的には、制御部11は、付箋添削画面46の添削完了ボタン46eが押下されたか否かを判断する。
付箋に対する編集操作の終了指示がない場合には(ステップS28;NO)、処理はステップS24に戻る。
【0114】
ステップS22において、付箋に対する編集操作が、ノートブック上での編集操作である場合には(ステップS22;ノートブック上で編集)、
図17に移り、制御部11は、付箋に対する編集モードを「作成モード」とし、端末装置20からの操作に基づく編集内容を、付箋の作成用レイヤー(作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb)に書き込むことに決定する(ステップS29)。なお、テキストレイヤーLcについては、作成モードと添削モードにおいて共通のレイヤーであるため、付箋に対してテキスト入力する際には、テキストレイヤーLcに書き込むことになる。すなわち、制御部11は、ユーザに対して、編集を許可するレイヤーを、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcに決定する。
【0115】
次に、制御部11は、編集対象の付箋が過去に添削されているか否かを判断する(ステップS30)。例えば、制御部11は、編集対象の付箋に添削用レイヤー(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe)が存在する場合に、過去に添削されていると判断する。また、添削済みであるか否かを示すフラグにより、付箋が過去に添削されているか否かを管理してもよい。
【0116】
編集対象の付箋が過去に添削されている場合には(ステップS30;YES)、制御部11は、付箋編集画面42(
図14A、
図14B)を端末装置20の表示部24に表示させ、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、修正操作を受け付ける(ステップS31)。
【0117】
次に、制御部11は、付箋編集画面42において、添削内容の表示がONに設定されているか否かを判断する(ステップS32)。
【0118】
付箋編集画面42において、添削内容の表示がONに設定されている場合には(ステップS32;YES)、制御部11は、編集対象付箋の作成用レイヤーに添削用レイヤーを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる(ステップS33)。具体的には、制御部11は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLc、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLeを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる。この場合、
図14Aに示すように、付箋編集画面42上に添削OFFボタン42jが表示され、添削内容の表示をOFF状態に変更可能となっている。
【0119】
一方、付箋編集画面42において、添削内容の表示がONに設定されていない場合には(ステップS32;NO)、制御部11は、編集対象付箋の作成用レイヤーのみを端末装置20の表示部24に表示させ、添削用レイヤーは非表示とする(ステップS34)。具体的には、制御部11は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcを重ねて、端末装置20の表示部24に表示させる。この場合、
図14Bに示すように、付箋編集画面42上に添削ONボタン42kが表示され、添削内容の表示をON状態に変更可能となっている。
【0120】
ステップS33又はステップS34の後、制御部11は、端末装置20において、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、付箋に対する編集操作の終了指示があったか否かを判断する(ステップS35)。
付箋に対する編集操作の終了指示がない場合には(ステップS35;NO)、処理はステップS31に戻る。
【0121】
ステップS30において、編集対象の付箋が過去に添削されていない場合には(ステップS30;NO)、制御部11は、付箋編集画面42(
図5A、
図5B)を端末装置20の表示部24に表示させ、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、付箋に対する作成操作又は修正操作を受け付ける(ステップS36)。
【0122】
制御部11は、端末装置20において、ユーザによる端末装置20の操作部23からの操作により、付箋に対する編集操作の終了指示があったか否かを判断する(ステップS37)。
付箋に対する編集操作の終了指示がない場合には(ステップS37;NO)、処理はステップS36に戻る。
【0123】
ステップS28において、付箋に対する編集操作の終了指示があった場合(ステップS28;YES)、ステップS35において、付箋に対する編集操作の終了指示があった場合(ステップS35;YES)、又は、ステップS37において、付箋に対する編集操作の終了指示があった場合には(ステップS37;YES)、付箋編集に対する編集条件決定処理が終了する。
【0124】
図18に、各ユーザが付箋を編集する際の各場面について、書き込み先となるレイヤーの例を示す。
【0125】
(付箋作成時)
課題に対する回答の付箋を作成する場面においては、操作者は、生徒1(付箋を作成した人)である。回答の付箋の作成は、
図7のステップS11の処理に相当する。
「付箋作成時」において、付箋を編集対象とする際には、まず、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4A)上のテキスト付箋ボタン41bを押下する。すると、端末装置20の表示部24に付箋編集画面42(
図5A)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「ノートブック上で編集」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcとなる。
【0126】
(付箋添削時)
回答の付箋を添削する場面においては、操作者は、先生1(添削する人)である。付箋の添削は、
図7のステップS16の処理に相当する。
「付箋添削時」において、付箋を編集対象とする際には、まず、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4A、
図4B)において、提出ボタン41hを押下すると、課題管理画面43(
図8B)が表示される。課題管理画面43において、添削対象とする付箋を選択すると、端末装置20の表示部24に付箋画面45(
図12)が表示される。付箋画面45内の添削ボタン45aを押下すると、付箋添削画面46(
図13)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「添削ボタン押下」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe、テキストレイヤーLcとなる。
【0127】
(添削済みの付箋を「提出」から取得してノートブック上で編集)
添削済みの付箋を「提出」から取得してノートブック上で編集する場面においては、先生1(添削する人)、生徒1(付箋を作成した人)に加え、先生2(添削する人その2)、生徒2(付箋をもらった人)も操作者となり得る。
先生2は、1回目の添削を行った先生以外の先生である。
生徒2は、添削済みの付箋をもらった生徒である。「付箋をもらう」とは、付箋の保管機能、送受信機能、シェア機能等により、他のユーザが作成した付箋を利用可能になることである。
【0128】
添削済みの付箋を「提出」から取得してノートブック上で編集する際には、まず、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4A、
図4B)において、提出ボタン41hを押下すると、課題管理画面43(
図8B)が表示される。課題管理画面43において、添削済みの付箋を選択し、取得ボタン43cを押下すると、ノートブック画面41上に、選択された付箋が追加される。このノートブック画面41上の付箋に対して編集を指示すると、付箋編集画面42(例えば、
図14A)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「ノートブック上で編集」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcとなる。
【0129】
(再提出された付箋の再添削時)
再提出された付箋を再添削する場面においては、操作者は、先生1(添削する人)、又は、先生2(添削する人その2)である。
「再添削時」における処理は、基本的には、「付箋添削時」における処理と同様である。
「再添削時」の場合、
図16のステップS22の判断は、「添削ボタン押下」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe、テキストレイヤーLcとなる。
【0130】
(添削済みの付箋を「保管」から取得してノートブック上で編集)
添削済みの付箋を「保管」から取得してノートブック上で編集する場面においては、先生1(添削する人)、先生2(添削する人その2)、生徒1(付箋を作成した人)、生徒2(付箋をもらった人)が操作者となり得る。
【0131】
まず、付箋の保管機能について説明する。
ユーザは、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4B)において、操作部23からの操作により、付箋411を保管ボタン41g上へドラッグアンドドロップすることで、付箋の保管を指示する。保管先として、マイフォルダ、学校共有フォルダ、先生共有フォルダのいずれかを選択できる。
マイフォルダは、ユーザ本人専用のフォルダであり、本人のみが当該フォルダへのアップロード及び当該フォルダからのダウンロードを許可されている。
学校共有フォルダは、同じ学校に属する先生及び生徒の全員の共有フォルダであり、全ての先生が当該フォルダへのアップロード及び当該フォルダからのダウンロードを許可されているが、生徒は当該フォルダからのダウンロードのみ許可されている。
先生共有フォルダは、同じ学校に属する全ての先生の共有フォルダであり、全ての先生が当該フォルダへのアップロード及び当該フォルダからのダウンロードを許可されているが、生徒に対しては、先生共有フォルダは表示されない。
【0132】
添削済みの付箋を「保管」から取得してノートブック上で編集する際には、まず、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4A、
図4B)において、保管ボタン41gを押下すると、
図19に示す付箋保管画面47が表示される。
付箋保管画面47には、マイフォルダ47a、学校共有フォルダ47bが表示される。先生共有フォルダ47cについては、ユーザが先生の場合にのみ、表示される。
また、付箋保管画面47の付箋表示領域47dには、選択されているフォルダ内に保管されている付箋が表示される。
図19では、付箋表示領域47dに、マイフォルダ47a内に保管されている付箋471,472が表示されている。
付箋保管画面47の付箋表示領域47dにおいて、添削済みの付箋を選択すると、ノートブック画面41上に、選択された付箋が追加される。このノートブック画面41上の付箋に対して編集を指示すると、付箋編集画面42(例えば、
図14A)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「ノートブック上で編集」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcとなる。
【0133】
(添削済みの付箋を「送受信」から取得してノートブック上で編集)
添削済みの付箋を「送受信」から取得してノートブック上で編集する場面においては、先生1(添削する人)、先生2(添削する人その2)、生徒1(付箋を作成した人)、生徒2(付箋をもらった人)が操作者となり得る。
【0134】
まず、付箋の送受信機能について、説明を追加する。
送受信機能としては、課題の付箋を配布する場合に限らず、ユーザから任意のユーザへと送信先を指定して付箋を送信し、受信した側のユーザは、この付箋をダウンロードできる。
送信元のユーザが、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4B)において、操作部23からの操作により、付箋411を送受信ボタン41i上へドラッグアンドドロップすると、端末装置20の表示部24に、送信先指定画面(図示せず)が表示される。
送信元のユーザが、端末装置20の操作部23からの操作により、送信先指定画面において、送信先のユーザを指定し、付箋の送信を指示すると、サーバ装置10の制御部11は、指定された送信先のユーザへの付箋の送信を受け付ける。
【0135】
添削済みの付箋を「送受信」から取得してノートブック上で編集する際には、まず、付箋を受信したユーザの端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4A、
図4B)において、送受信ボタン41iを押下すると、送受信履歴画面(
図11示す送受信履歴画面44と同様)が表示される。送受信履歴画面において、添削済みの付箋に対応するダウンロードボタンを押下すると、ノートブック画面41上に、選択された付箋が追加される。このノートブック画面41上の付箋に対して編集を指示すると、付箋編集画面42(例えば、
図14A)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「ノートブック上での編集」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcとなる。
【0136】
(添削済みの付箋を「シェア」から取得してノートブック上で編集)
添削済みの付箋を「シェア」から取得してノートブック上で編集する場面においては、先生1(添削する人)、先生2(添削する人その2)、生徒1(付箋を作成した人)、生徒2(付箋をもらった人)が操作者となり得る。
【0137】
まず、付箋のシェア機能について説明する。
公開元のユーザは、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41(
図4B)において、操作部23からの操作により、ノートブックの公開を指示する。すると、その時点での公開用のノートブックが保存され、他のユーザに公開するためのURLが発行される。公開元のユーザは、公開先のユーザに、このURLを何らかの手段(メール送信等)で伝える。
公開先のユーザ(受け取り側)は、端末装置20において、操作部23からの操作により、公開されたノートブックに対応するURLを指定すると、端末装置20の表示部24に、付箋を含むノートブック画面41(
図4B)が表示される。このようにして、公開先のユーザは、添削済みの付箋を「シェア」から取得でき、ユーザ間で付箋をシェア可能となる。
【0138】
なお、シェア機能において、あるユーザのノートブックを他のユーザに公開する手順については、上記の例に限定されない。
【0139】
「シェア」から取得した添削済みの付箋をノートブック上で編集する際には、端末装置20の表示部24に表示されたノートブック画面41上の付箋(添削済みの付箋)に対して編集を指示すると、付箋編集画面42(例えば、
図14A)が表示される。
この場合、
図16のステップS22の判断は、「ノートブック上で編集」に該当するため、端末装置20からの操作に基づく編集内容の書き込み先は、作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcとなる。
【0140】
付箋編集に対する編集条件決定処理(
図16及び
図17参照)では、付箋を編集対象とする際のアプローチ方法に応じて編集モードを選択する場合を中心に説明したが、付箋を段階的に編集していく際に、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じて編集モードを選択する場合についても、様々な方法を取り得る。
【0141】
例えば、サーバ装置10の制御部11は、属性が「生徒」であるユーザが、課題に対する回答の付箋を新規に作成する編集段階(作成段階)である場合に、編集モードとして「作成モード」を選択する。そして、制御部11は、「作成モード」に応じた編集条件として、付箋の作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcに対する編集を許可する。
【0142】
制御部11は、属性が「先生」であるユーザが、回答の付箋を添削する編集段階(添削段階)である場合に、編集モードとして「添削モード」を選択する。例えば、制御部11は、付箋のデータに添削用手書きレイヤーLd及び添削用スタンプレイヤーLeが存在しないこと、及び、ユーザの属性が「先生」であることに基づいて、今回が初めての添削段階であると判断してもよい。そして、制御部11は、「添削モード」に応じた編集条件として、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe、テキストレイヤーLcに対する編集を許可する。
【0143】
制御部11は、属性が「生徒」であるユーザが、添削済みの付箋を修正する編集段階(修正段階)である場合に、編集モードとして「作成モード」を選択する。例えば、制御部11は、付箋のデータに添削用手書きレイヤーLd及び添削用スタンプレイヤーLeが存在すること、及び、ユーザの属性が「生徒」であることに基づいて、添削済みの付箋に対する修正段階であると判断してもよい。そして、制御部11は、「作成モード」に応じた編集条件として、付箋の作成用手書きレイヤーLa、作成用スタンプレイヤーLb、テキストレイヤーLcに対する編集を許可する。
【0144】
制御部11は、属性が「先生」であるユーザが、修正済みの付箋に対して再度添削する編集段階(再添削段階)である場合に、編集モードとして「添削モード」を選択する。例えば、制御部11は、付箋のデータに添削用手書きレイヤーLd及び添削用スタンプレイヤーLeが存在すること、及び、ユーザの属性が「先生」であることに基づいて、再添削段階であると判断してもよい。そして、制御部11は、「添削モード」に応じた編集条件として、添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe、テキストレイヤーLcに対する編集を許可する。
【0145】
以上説明したように、本実施形態におけるサーバ装置10(情報処理装置)によれば、制御部11が、端末装置20からの操作により付箋を編集対象とする際のアプローチ方法に応じた編集モード(作成モード、添削モード)を選択し、選択された編集モードに応じて、ユーザに対する付箋の編集条件を決定することで、付箋(対象データ)に対する意図しない編集を回避することができる。例えば、付箋を添削しようとする場合には、通常編集とは区別して、編集を許可する範囲を制限することで、意図しない箇所を消去してしまうことがなくなる。
【0146】
また、ユーザの属性及び編集の種別に応じて、付箋を編集する編集画面へと遷移する際の手順又は操作内容が異なる複数のアプローチ方法を取り得る。例えば、ユーザが先生である場合と、生徒である場合とで、操作により遷移し得る編集画面を異ならせたり、許可される編集の種別や、手順又は操作内容の選択候補を異ならせたりすることができる。
【0147】
また、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20からの付箋の編集操作が、複数の編集段階のうちのいずれの編集段階にあるかに応じた編集モードを選択し、選択された編集モードに応じて付箋の編集条件を決定することで、付箋(対象データ)に対する意図しない編集を回避することができる。
【0148】
例えば、付箋に対する編集操作が、生徒による作成段階、先生による添削段階、生徒による修正段階、先生による再添削段階にうち、いずれの編集段階にあるかに応じて、編集モードを選択することができる。
【0149】
また、付箋(対象データ)は、それぞれ編集内容が異なる複数のレイヤーで管理されている。サーバ装置10の制御部11は、選択された編集モードに応じて複数のレイヤーのうち編集を許可するレイヤーを決定することで、付箋の編集条件を決定する。
これにより、複数のレイヤーで管理されている付箋について、書き込み先を分けることで、他レイヤーへの編集を禁止することができる。例えば、付箋を添削しようとする場合には、通常編集とは区別して、添削用レイヤーに書き込ませることで、意図しない編集を回避することができる。
【0150】
また、付箋(対象データ)が、作成又は修正する際に用いる第1レイヤー(作成用レイヤー)と、付箋を添削する際に用いる第2レイヤー(添削用レイヤー)と、に分けて管理されているので、書き込み先を分けることで、他レイヤーへの編集を禁止することができる。付箋の作成又は修正については第1レイヤー、付箋の添削については第2レイヤーを用いることで、他レイヤーの内容を変えることなく、付箋に対する添削及び修正を繰り返すことができる。例えば、サーバ装置10の制御部11は、付箋を編集対象とする際のアプローチ方法(付箋を編集する画面への入り方)に応じて、端末装置20からの操作による書き込み先のレイヤーを自動的に決定するので、ユーザは編集内容が書き込まれるレイヤーを意識して指定する必要はない。
【0151】
なお、作成用、添削用として付箋のデータを二重に保持するわけではないので、従来と比較してデータ量が2倍になるわけではない。
また、単に使用用途によってレイヤーを分けているので、編集するユーザが増えても必要なレイヤー数が増えることはない。
【0152】
また、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20からの操作により付箋に対して添削が指示された場合に、付箋に対する編集による書き込み先を第2レイヤーに決定するので、ユーザが添削しようとしている場合に、第1レイヤーへの編集を禁止することができる。これにより、例えば、先生が添削する際に、添削対象となる元データ(生徒が作成した内容)を誤って消去してしまうことがなくなる。
【0153】
また、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20からの操作により付箋に対して添削以外の編集(通常編集)が指示された場合に、付箋に対する編集による書き込み先を第1レイヤーに決定するので、ユーザが添削以外の編集をしようとしている場合に、第2レイヤーへの編集を禁止することができる。これにより、例えば、生徒が付箋を修正する際に、付箋に対して先生が付加した添削内容を誤って消去してしまうことがなくなる。
【0154】
また、サーバ装置10の制御部11は、端末装置20からの操作により、表示部24における第2レイヤー(添削内容)の表示又は非表示を切り替えることで、第1レイヤーと第2レイヤーとが重なった状態と、第1レイヤーのみが表示された状態とを、任意に切り替えることができる。これにより、ユーザは、添削内容が表示されない状態も確認できる。
【0155】
また、サーバ装置10が提供する授業支援機能を、付箋(対象データ)を作成する生徒と、付箋(対象データ)を添削する先生と、が利用することで、課題の回答等を対象データとして扱う場合に、意図しない編集を回避することができる。
【0156】
また、保管機能、送受信機能等を経由しても、付箋のデータにおけるレイヤー構成は保持される。そのため、付箋を作成した生徒や最初に添削した先生以外のユーザが付箋を扱う際にも、付箋を修正する際には第1レイヤー(作成用レイヤー)が用いられ、付箋を添削する際には第2レイヤー(添削用レイヤー)が用いられる。
【0157】
また、サーバ装置10の制御部11は、イメージ化された1つの画像データとして管理されるイメージレイヤーについて、選択された編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定することで、意図しない編集を回避することができる。
例えば、第1イメージレイヤー(例えば、作成用手書きレイヤーLa)と第2イメージレイヤー(例えば、添削用手書きレイヤーLd)に対して、ユーザの属性(先生、生徒等)や編集段階(作成段階、添削段階、修正段階等)に応じて編集条件を変えることができる。
【0158】
また、サーバ装置10の制御部11は、オブジェクトレイヤーについても、選択された編集モードに応じて編集を許可するか否かを決定することで、意図しない編集を回避することができる。
例えば、第1オブジェクトレイヤー(例えば、作成用スタンプレイヤーLb)と第2オブジェクトレイヤー(例えば、添削用スタンプレイヤーLe)に対して、ユーザの属性(先生、生徒等)や編集段階(作成段階、添削段階、修正段階等)に応じて編集条件を変えることができる。
【0159】
また、サーバ装置10の制御部11は、特定の編集モードに対応するレイヤー(添削用手書きレイヤーLd、添削用スタンプレイヤーLe)を、必要に応じて生成することができる。また、制御部11は、特定の編集モードに対応するレイヤーの有無により、特定の編集モードでの編集操作が行われたか否かを判断できる。
【0160】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムの例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0161】
例えば、付箋(対象データ)に対する編集モードの選択方法について、上述した各種方法を適宜組み合わせることとしてもよい。
また、編集モードの種類、編集段階の分け方についても、上記の例に限定されない。
【0162】
また、上記実施形態では、
図6に示した付箋のレイヤー構成において、テキストレイヤーLcを、付箋を作成又は修正する際にも添削する際にも用いる共通レイヤーとして説明したが、付箋を作成又は修正する際に用いる作成用テキストレイヤーと、付箋を添削する際に用いる添削用テキストレイヤーと、が別々に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0163】
10 サーバ装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
30 ネットワーク
40 授業画面
41 ノートブック画面
42 付箋編集画面
43 課題管理画面
44 送受信履歴画面
45 付箋画面
46 付箋添削画面
47 付箋保管画面
100 情報処理システム
La 作成用手書きレイヤー
Lb 作成用スタンプレイヤー
Lc テキストレイヤー
Ld 添削用手書きレイヤー
Le 添削用スタンプレイヤー