(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122389
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】半導体記憶装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 61/00 20230101AFI20240902BHJP
H10N 50/10 20230101ALI20240902BHJP
H10N 50/20 20230101ALI20240902BHJP
【FI】
H10B61/00
H10N50/10 Z
H10N50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029906
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】金谷 宏行
(72)【発明者】
【氏名】中山 昌彦
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA02
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD09
4M119DD24
4M119DD37
4M119DD45
4M119EE22
4M119EE27
4M119FF16
4M119GG01
4M119JJ12
4M119JJ14
5F092AA04
5F092AA20
5F092AB07
5F092AC12
5F092AD04
5F092AD25
5F092BB23
5F092BB36
5F092BB43
5F092BB90
5F092BC07
5F092CA02
5F092CA08
5F092EA05
(57)【要約】
【課題】非選択セルのリーク電流を抑制することができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】本実施形態によれる半導体記憶装置は、第1方向に延びる複数の第1配線と、第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2配線とを備える。複数のメモリセルは、複数の第1配線と複数の第2配線との間に接続され、それぞれが抵抗変化素子に対して直列に接続されたセレクタを含む。セレクタは、第1配線と第2配線との電圧差に応じて抵抗変化素子への電流をスイッチングするセレクタ材料と、第1配線と抵抗変化素子との間においてセレクタ材料を挟む第1および第2電極とを備える。第1電極とセレクタ材料との接触面積は、セレクタと抵抗変化素子との積層方向から見たときのセレクタ材料の面積よりも小さい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる複数の第1配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との間に接続され、それぞれが抵抗変化素子に対して直列に接続されたセレクタを含む複数のメモリセルとを備え、
前記セレクタは、前記第1配線と前記第2配線との電圧差に応じて前記抵抗変化素子への電流をスイッチングするセレクタ材料と、前記第1配線と前記抵抗変化素子との間において前記セレクタ材料を挟む第1および第2電極とを備え、
前記第1電極と前記セレクタ材料との接触面積は、前記セレクタと前記抵抗変化素子との積層方向から見たときの前記セレクタ材料の面積よりも小さい、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記積層方向から見たときに中心部に貫通孔を有する筒状である、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記積層方向から見たときに前記セレクタ材料よりも小さい径を有する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1電極は、前記積層方向から見たときに前記セレクタ材料の中心からずれて配置されている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1電極の外周部分には、前記第1電極の中心部の抵抗よりも高抵抗である前記第1電極の材料の酸化物が設けられている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1電極の外周部分には、前記第1電極の材料に不純物を導入した導電層が設けられている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1電極は、絶縁体中に設けられた複数の導電線を有する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
第1方向に延びる複数の第1配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との間に接続され、それぞれが抵抗変化素子に対して直列に接続されたセレクタを含む複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセル間に設けられた第1絶縁膜と、を備え、
前記セレクタは、前記第1配線と前記第2配線との電圧差に応じて前記抵抗変化素子への電流をスイッチングするセレクタ材料と、前記抵抗変化素子と前記セレクタ材料との間に設けられた第1電極とを備え、
前記セレクタ材料は、前記第1電極と前記第1配線との間に設けられ第1不純物を含有する第1絶縁材料によって構成され、
前記第1絶縁膜は、前記第1不純物を含有しない前記第1絶縁材料によって構成され、
前記セレクタと前記抵抗変化素子との積層方向から見たときに、前記セレクタ材料の面積は、前記抵抗変化素子の面積よりも小さい、半導体記憶装置。
【請求項9】
前記積層方向から見たときの前記セレクタ材料の面積は、前記第1電極の面積よりも小さい、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1絶縁材料は、シリコン(Si)または酸素(O)を含む、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記抵抗変化素子は、磁気抵抗効果素子である、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記積層方向から見たときに、前記セレクタ材料側における前記第1電極の面積は、前記抵抗変化素子側における前記第1電極の面積よりも小さい、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記積層方向から見たときに、前記抵抗変化素子側の前記第1電極の面積は、前記第1電極側の前記抵抗変化素子の面積よりも小さい、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記積層方向から見たときに、前記第1電極の面積よりも大きく、前記セレクタの周囲に設けられた第2絶縁膜をさらに備え、
前記第2絶縁膜は、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、窒素(N)のいずれかを含む、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1不純物は、ヒ素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)、ボロン(B)のいずれかを含む、請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
第1方向に延びる複数の第1配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との間に接続され、それぞれが抵抗変化素子に対して直列に接続されたセレクタを含む複数のメモリセルとを備え、
前記セレクタは、前記第1配線と前記第2配線との電圧差に応じて前記抵抗変化素子への電流をスイッチングする第1セレクタ材料と、前記抵抗変化素子と前記第1セレクタ材料との間に設けられた第1電極とを備え、
前記第1セレクタ材料は、前記第1電極と前記第1配線との間に設けられ第1不純物を含有する絶縁膜によって構成され、
前記セレクタと前記抵抗変化素子との積層方向から見たときに、前記第1セレクタ材料の面積は、前記第1電極の面積よりも大きく、
前記積層方向から見たときに、前記第1セレクタ材料側の前記第1電極の面積は、前記抵抗変化素子の面積よりも小さい、半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1セレクタ材料は、前記第1電極の周囲に設けられている、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1セレクタ材料は、前記第1不純物として、ヒ素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)、ボロン(B)のいずれかを含む、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記積層方向から見たときに、前記第1セレクタ材料側における前記第1電極の面積は、前記抵抗変化素子側における前記第1電極の面積よりも小さい、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
前記積層方向から見たときに、前記抵抗変化素子側の前記第1電極の面積は、前記第1電極側の前記抵抗変化素子の面積よりも小さい、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化素子を用いた半導体記憶装置が知られている。このような半導体記憶装置の選択セルにデータを書き込みあるいは選択セルからデータを読み出す際に、選択セル以外の非選択セルにおけるオフリーク電流が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-043131号公報
【特許文献2】特開2020-047663号公報
【特許文献3】特開2021-129071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非選択セルのリーク電流を抑制することができる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体記憶装置は、第1方向に延びる複数の第1配線と、第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2配線とを備える。複数のメモリセルは、複数の第1配線と複数の第2配線との間に接続され、それぞれが抵抗変化素子に対して直列に接続されたセレクタを含む。セレクタは、第1配線と第2配線との電圧差に応じて抵抗変化素子への電流をスイッチングするセレクタ材料と、第1配線と抵抗変化素子との間においてセレクタ材料を挟む第1および第2電極とを備える。第1電極とセレクタ材料との接触面積は、セレクタと抵抗変化素子との積層方向から見たときのセレクタ材料の面積よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルアレイの構成を示す回路図。
【
図3】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルの構成を示す断面図。
【
図4】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルの構成を示す断面図。
【
図5】1つの磁気抵抗効果素子およびそれに対応するセレクタの電極の構成例を示す平面図。
【
図6】1つの磁気抵抗効果素子の構成例を示す断面図。
【
図8A】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図8B】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図19】第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図20】第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図21】第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図22】第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図23】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図24】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図25】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図26】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図27】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図28】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図29】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図30】第2実施形態に係るセレクタの構成例を示す断面図。
【
図31A】第3実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図31B】第3実施形態による磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す平面図。
【
図32】第3実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図41】第4実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図42】第5実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図43】第5実施形態に係るセレクタ材料の形成工程を示す断面図。
【
図44】第6実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図45】ベリリウム、マグネシウム、窒素を含む材料と熱伝導度および電気抵抗率を示す表。
【
図46】第7実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図47】第8実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図48】第8実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図49】第9実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【
図50】第9実施形態に係る磁気抵抗効果素子およびセレクタの構成例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものである。明細書と図面において、同一の要素には同一の符号を付す。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置は、例えば、磁気トンネル接合(MTJ(Magnetic Tunnel Junction))によって磁気抵抗効果(Magnetoresistive effect)を有するMTJ素子を抵抗変化素子として用いた垂直磁化方式による磁気記憶装置である。尚、本実施形態は、PCM(Phase Change Memory)等の他の抵抗変化素子にも適用可能である。以下の説明では、半導体記憶装置として磁気記憶装置を例に説明する。
【0009】
磁気記憶装置1は、メモリセルアレイ10、ロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、入出力回路17、及び制御回路18を備えている。
【0010】
メモリセルアレイ10は、行(row)及び列(column)の交差点に対応付けられた複数のメモリセルMCを備えている。同一行にあるメモリセルMCは、同一のワード線WLに接続され、同一列にあるメモリセルMCは、同一のビット線BLに接続される。
【0011】
ロウ選択回路11は、ワード線WLを介してメモリセルアレイ10と接続される。ロウ選択回路11には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(ロウアドレス)が供給される。ロウ選択回路11は、アドレスADDのデコード結果に基づいた行に対応するワード線WLを選択状態に設定する。以下、選択状態に設定されたワード線WLは、選択ワード線WLと言う。また、選択ワード線WL以外のワード線WLは、非選択ワード線WLと言う。
【0012】
カラム選択回路12は、ビット線BLを介してメモリセルアレイ10と接続される。カラム選択回路12には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(カラムアドレス)が供給される。カラム選択回路12は、アドレスADDのデコード結果に基づいた列を選択状態に設定する。以下、選択状態に設定されたビット線BLは、選択ビット線BLと言う。また、選択ビット線BL以外のビット線BLは、非選択ビット線BLと言う。
【0013】
デコード回路13は、入出力回路17からのアドレスADDをデコードする。デコード回路13は、アドレスADDのデコード結果を、ロウ選択回路11、及びカラム選択回路12に供給する。アドレスADDは、選択されるカラムアドレス、及びロウアドレスを含む。
【0014】
書込み回路14は、メモリセルMCへのデータの書込みを行う。書込み回路14は、例えば、書込みドライバを含む。
【0015】
読出し回路15は、メモリセルMCからのデータの読出しを行う。読出し回路15は、例えば、センスアンプを含む。
【0016】
電圧生成回路16は、磁気記憶装置1の外部から提供された電源電圧を用いて、メモリセルアレイ10の各種の動作のための電圧を生成する。例えば、電圧生成回路16は、書込み動作の際に必要な種々の電圧を生成し、書込み回路14に出力する。また、例えば、電圧生成回路16は、読出し動作の際に必要な種々の電圧を生成し、読出し回路15に出力する。
【0017】
入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部からのアドレスADDを、デコード回路13に転送する。入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部からのコマンドCMDを、制御回路18に転送する。入出力回路17は、種々の制御信号CNTを、磁気記憶装置1の外部と、制御回路18と、の間で送受信する。入出力回路17は、磁気記憶装置1の外部からのデータDATを書込み回路14に転送し、読出し回路15から転送されたデータDATを磁気記憶装置1の外部に出力する。
【0018】
制御回路18は、制御信号CNT及びコマンドCMDに基づいて、磁気記憶装置1内のロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、及び入出力回路17の動作を制御する。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。メモリセルMC(MCu及びMCd)は、メモリセルアレイ10内でマトリクス状に二次元配置され、複数のビット線BL(BL<0>、BL<1>、…、BL<N>))のうちの1本と、複数のワード線WLd(WLd<0>、WLd<1>、…、WLd<M>)及びWLu(WLu<0>、WLu<1>、…、WLu<M>)のうちの1本との交差点に対応付けられる(M及びNは、任意の整数)。すなわち、メモリセルMCd<i、j>(0≦i≦M、0≦j≦N)は、ワード線WLd<i>とビット線BL<j>との間に接続される。メモリセルMCu<i、j>は、ワード線WLu<i>とビット線BL<j>との間に接続される。ワード線WLu、WLdは、ビット線BLと交差しており、例えば、直交している。以下、ワード線WLu、WLdはまとめてワード線WLとも呼ぶ。
【0020】
なお、WLd等のdは、ビット線BLに対して下方に設けられた構成を便宜的に示している。WLu等のuは、ビット線BLに対して上方に設けられた構成を便宜的に示している。
【0021】
メモリセルMCd<i、j>は、対応するワード線WLとビット線BLとの間に直列に接続されたセレクタSELd<i、j>及び磁気抵抗効果素子MTJd<i、j>を含む。メモリセルMCu<i、j>は、直列に接続されたセレクタSELu<i、j>及び磁気抵抗効果素子MTJu<i、j>を含む。
【0022】
セレクタSELは、対応する磁気抵抗効果素子MTJへのデータ書込み及び読出し時において、磁気抵抗効果素子MTJへの電流の供給を制御するスイッチとしての機能を有する。例えば、或るメモリセルMC内のセレクタSELは、当該メモリセルMCに印加される電圧が閾値電圧Vthを下回る場合、抵抗値の大きい絶縁体として電流を遮断し(オフ状態となり)、閾値電圧Vthを上回る場合、抵抗値の小さい導電体として電流を流す(オン状態となる)。すなわち、セレクタSELは、流れる電流の方向に依らず、対応するワード線WLとビット線BLとの間の電圧差(メモリセルMCに印加される電圧)の大きさに応じて、電流を流すか遮断するかをスイッチングする機能を有する。
【0023】
磁気抵抗効果素子MTJは、セレクタSELによって供給を制御された電流により、抵抗値を低抵抗状態と高抵抗状態とに切替わることができる。磁気抵抗効果素子MTJは、その抵抗状態の変化によってデータを書込み可能であり、書込まれたデータを不揮発に保持し、読出し可能である記憶素子として機能する。
【0024】
次に、メモリセルアレイ10の断面構造について説明する。
【0025】
図3および
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルMCの構成を示す断面図である。
図3は、ビット線BLに沿った方向の断面を示す。
図4は、ワード線WLに沿った方向の断面を示す。尚、メモリセルMCは、MCuまたはMCdのいずれでもよい。
【0026】
メモリセルMCは、図示しない半導体基板の上方(Z方向)に設けられている。ワード線WLの延伸方向をX方向とし、ビット線BLの延伸方向をY方向とする。X-Y面に対して垂直方向をZ方向とする。
【0027】
半導体基板上には複数のワード線WLが設けられる。複数のワード線WLは、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。複数のワード線WL上には複数のメモリセルMCが設けられている。複数のメモリセルMCは、X-Y面内に二次元配置されている。複数のメモリセルMC上には、複数のビット線BLが設けられている。複数のビット線BLは、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。ワード線WLおよびビット線BLには、例えば、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)等の導電性材料が用いられている。複数のワード線WL間、複数のメモリセルMC間、並びに、複数のビット線BL間には、層間絶縁膜ILDが設けられている。層間絶縁膜ILDには、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)等の絶縁性材料が用いられる。
【0028】
各メモリセルMCは、磁気抵抗効果素子MTJと、セレクタSELとを備えている。磁気抵抗効果素子MTJの構成については、
図6を参照して後で説明する。
【0029】
セレクタSELは、電極SELel_1、SELel_2と、セレクタ材料SELmとを備えている。セレクタ材料SELmは、電極SELel_1と電極SELel_2との間に設けられている。電極SELel_1は、例えば、筒状の形状を有する。電極SELel_1の中心部にはZ方向に設けられた貫通孔HLが設けられている。電極SELel_1と電極SELel_2には、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)等の導電性材料が用いられる。
【0030】
セレクタSELは、電極SELel_1、セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2をZ方向に積層して構成されている。
【0031】
セレクタ材料SELmは、添加元素を含有する絶縁材料で形成されている。セレクタ材料SELmの絶縁材料には、シリコン(Si)及び酸素(O)を含有するシリコン酸化物が用いられる。セレクタ材料SELmの添加元素には、ヒ素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)或いはボロン(B)が用いられる。
【0032】
複数の磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、ワード線WLに沿ってX方向に配列されており、かつ、ビット線BLに沿ってY方向に配列されている。よって、磁気抵抗効果素子MTJは、X-Y面内に二次元的に配列されている。磁気抵抗効果素子MTJの一端は、それぞれ少なくとも1つのセレクタSELを介してビット線BLに接続されている。磁気抵抗効果素子MTJの他端は、それぞれワード線WLに接続されている。
【0033】
図3および
図4に示すメモリセルMCの二次元アレイは、Z方向に複数設けられていてもよい。この場合、2つのメモリセルMCの二次元アレイがビット線BLを挟んで配置され、ビット線BLを共有してもよい。これにより、複数のメモリセルMCは、立体的に三次元配置され得る。この場合、メモリセルアレイ10は、
図2に示すように、1本のビット線BLに対して、2本のワード線WLd及びWLuの組が対応する構造となる。メモリセルアレイ10は、ワード線WLdとビット線BLとの間に設けられたメモリセルMCdと、ビット線BLとワード線WLuとの間に設けられたメモリセルMCuとから構成される。1つのビット線BLに共通に接続される2つのメモリセルMCのうち、ビット線BLの上層に設けられるメモリセルMCは
図2のMCuとなり、下層に設けられるメモリセルMCは
図2のMCdになる。
【0034】
図5は、1つの磁気抵抗効果素子MTJおよびそれに対応するセレクタSELの電極SELel_1の構成例を示す平面図である。電極SELel_1は、磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELを積層方向(Z方向)から見たときに、中心部に貫通孔HLを有する筒状に構成されている。電極SELel_1は、例えば、略円筒形、略角筒形でもよい。電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの間の接触面積は、例えば、
図5のSELel_1の内側の面積から貫通孔HLの内側の面積を引き算した面積Sel_1となる。面積Sel_1は、
図3または
図4の電極SELel_1とセレクタ材料SELmとの接触面積であってもよい。さらに、面積Sel_1は、Z方向から見た平面視における電極SELel_1のレイアウト面積であってもよい。
【0035】
電極SELel_1の面積Sel_1は、Z方向から見たときの磁気抵抗効果素子MTJの面積Smtjよりも小さい。面積Smtjは、Z方向から見た平面視における磁気抵抗効果素子MTJのレイアウト面積であってもよい。
【0036】
また、電極SELel_1の面積Sel_1は、Z方向から見たときのセレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さい。面積Sselmは、Z方向から見た平面視におけるセレクタSEL全体のレイアウト面積であってもよい。電極SELel_1の面積Sel_1は、面積Sselmから貫通孔HLの面積を除いた面積となる。
【0037】
このように、電極SELel_1の面積Sel_1をセレクタ材料SELmの面積Sselmのいずれよりも小さくする。これにより、電極SELel_1の抵抗値が上がり、セレクタ材料SELmに流れる電流を抑制することができる。その結果、セレクタSELのオフリーク電流を低減させることができる。この効果については、後で
図7を参照して説明する。
【0038】
図6は、1つの磁気抵抗効果素子MTJの構成例を示す断面図である。磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SL(Storage Layer)として機能する強磁性体41、トンネルバリア層TB(Tunnel Barrier Layer)として機能する非磁性体42、参照層RL(Reference Layer)として機能する強磁性体43、スペーサ層SP(Spacer Layer)として機能する非磁性体44、及びシフトキャンセル層SCL(Shift Cancelling Layer)として機能する強磁性体45を含む。
【0039】
磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、ワード線WLからビット線BLに向けてZ軸方向に、強磁性体41、非磁性体42、強磁性体43、非磁性体44、及び強磁性体45の順に、複数の材料が積層される。各層の積層順は逆でもよい。磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、磁性体の磁化方向が積層方向(±Z方向)を向く、垂直磁化型MTJ素子として機能する。
【0040】
強磁性体41は、強磁性を有し、±Z方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体41は、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性体41は、例えば、コバルト鉄ボロン(CoFeB)又はホウ化鉄(FeB)を含み、体心立方系の結晶構造を有し得る。
【0041】
非磁性体42は、非磁性の絶縁膜であり、例えば酸化マグネシウム(MgO)を含む。非磁性体42は、強磁性体41と強磁性体43との間に設けられて、これら2つの強磁性体の間に磁気トンネル接合を構成する。
【0042】
強磁性体43は、強磁性を有し、Z方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体43は、例えば、コバルト鉄ボロン(CoFeB)又はホウ化鉄(FeB)を含む。強磁性体43の磁化方向は、固定されており、
図6の例では、強磁性体45の方向を向いている。なお、「磁化方向が固定されている」とは、強磁性体41の磁化方向を反転させ得る大きさの電流(スピントルク)によって、磁化方向が変化しないことを意味する。
【0043】
なお、強磁性体43は、複数の層からなる積層体であってもよい。例えば、強磁性体43は、強磁性体および非磁性の導電体の積層構造であってもよい。強磁性体43の非磁性の導電体は、例えば、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、及びチタン(Ti)から選択される少なくとも1つの金属を含み得る。強磁性体43の強磁性体は、例えば、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、及びコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)から選択される少なくとも1つの人工格子を含み得る。
【0044】
非磁性体44は、非磁性の導電膜であり、例えばルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、バナジウム(V)、及びクロム(Cr)から選択される少なくとも1つの元素を含む。
【0045】
強磁性体45は、強磁性を有し、-Z方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性体45は、例えばコバルト白金(CoPt)、コバルトニッケル(CoNi)、及びコバルトパラジウム(CoPd)から選択される少なくとも1つの合金を含む。強磁性体45は、強磁性体43と同様、複数の層からなる積層体であってもよい。その場合、強磁性体45は、例えば、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、及びコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)から選択される少なくとも1つの人工格子を含み得る。
【0046】
強磁性体45の磁化方向は、固定されており、
図6の例では、強磁性体43の方向を向いている。
【0047】
強磁性体43及び45は、互いに反平行な磁化方向を有するように結合される。このような強磁性体43、非磁性体44、及び強磁性体45の結合構造を、SAF(Synthetic Anti‐Ferromagnetic)構造という。これにより、強磁性体45は、強磁性体43の漏れ磁場が強磁性体41の磁化方向に与える影響を相殺することができる。その結果、強磁性体41は、磁化反転のし易さが非対称性になることが抑制される。すなわち、一方から他方に反転する場合の磁化方向の反転し易さと、その逆方向に反転する場合の磁化方向の反転し易さとで異なることが抑制される。
【0048】
第1実施形態では、このような磁気抵抗効果素子MTJに直接書込み電流を流し、この書込み電流によって記憶層SL及び参照層RLにスピントルクを注入し、記憶層SLの磁化方向及び参照層RLの磁化方向を制御するスピン注入書込み方式を採用する。磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係が平行か反平行かによって、低抵抗状態及び高抵抗状態のいずれかになり得る。
【0049】
磁気抵抗効果素子MTJに、矢印A1の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向に書込み電流Iw0を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、平行になる。この平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は比較的低くなり、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態に設定される。この低抵抗状態は、P(Parallel)状態と呼ばれ、例えばデータ0の状態と規定される。
【0050】
磁気抵抗効果素子MTJに、矢印A1とは逆の矢印A2の方向に、書込み電流Iw0より大きい書込み電流Iw1を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、反平行になる。この反平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は比較的高くなり、磁気抵抗効果素子MTJは高抵抗状態に設定される。この高抵抗状態は、AP(Anti‐Parallel)状態と呼ばれ、例えばデータ1の状態と規定される。なお、P状態をデータ1と規定し、AP状態をデータ0と規定してもよい。
【0051】
図7は、セレクタSELの特性を示すグラフである。縦軸は、セレクタSELに流れる電流Iを対数で示す。横軸は、電極SELel_1と電極SELel_2との間の電圧差Vを示す。ラインL0は、比較例として、電極SELel_1の面積Sel_1がセレクタ材料SELmの面積Sselmと同じかそれよりも大きい場合の特性を示す。ラインL1は、本実施形態によるセレクタSELの特性を示す。即ち、ラインL1は、電極SELel_1の面積Sel_1がSselmよりも小さい場合の特性を示す。
【0052】
セレクタSELは、閾値Vtにおいて電極SELel_1と電極SELel_2との間に流れる電流をスイッチングしている。即ち、セレクタSELは、閾値Vtよりも低い場合、電流をあまり流さず、閾値Vtよりも高い場合、比較的大きな電流を流す。
【0053】
例えば、選択ワード線WLと選択ビット線BLに接続されたメモリセルMC(選択セル)には、大きな電圧差(例えば、Vt_on)が印加される。この場合、セレクタSELは比較的大きな電流を選択セルに流す(オン状態)。これに対し、非選択ワード線WLと非選択ビット線BLに接続されたメモリセルMC(非選択セル)には、小さな電圧差(例えば、Vt_off)が印加される。この場合、セレクタSELは非選択セルにほとんど電流を流さない(オフ状態)。
【0054】
一方、選択ワード線WLと非選択ビット線BLに接続された半選択状態の非選択メモリセル、および、非選択ワード線WLと選択ビット線BLに接続された半選択状態の非選択メモリセル(半選択セル)がある。このような、半選択セルには、非選択のメモリセルであるものの、オン状態とオフ状態との中間電圧差(例えば、Vt_half)が印加される。この場合、半選択セルは、オン状態にはならないものの、非選択セルよりもオフリーク電流において高くなる。オフリーク電流は、このような非選択セルまたは半選択セルに流れる電流である。
【0055】
ここで、メモリセルMCのオン電流の下限値をT_Ionとし、半選択メモリセルのオフリーク電流の上限値をT_Ihalfとする。この場合、選択セルのオン電流は、T_Ion以上であることが必要となり、半選択セルのオフリーク電流は、T_Ihalf未満とする必要がある。
【0056】
上記比較例のラインL0では、選択セルのオン電流はT_Ion以上である。しかし、中間電圧差Vt_halfにおける半選択セルのオフリーク電流はT_Ihalfを超えている。
【0057】
一方、本実施形態のラインL1では、選択セルのオン電流はT_Ion以上を維持しており、かつ、中間電圧差Vt_halfにおける半選択セルのオフリーク電流はT_Ihalf未満に低下している。これは、本実施形態によるセレクタSELの面積Sel_1(電極SELel_1とセレクタ材料SELmとの接触面積)が、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さいため、電極SELel_1がオフリーク電流を抑制するからである。
【0058】
このように、本実施形態によれば、電極SELel_1は、電流の流れる方向(MTJとセレクタSELの積層方向)に貫通孔を有する円筒形に形成されているので、電極SELel_1の面積Sel_1を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくすることができる。電極SELel_1の面積Sel_1をセレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくすることによって、半選択セルのオフリーク電流を上限値T_Ihalf未満に抑制することができる。
【0059】
また、電極SELel_1を円筒形にすることによって、電極SELel_1の表面積が大きくなる。これにより、電極SELel_1は、セレクタSELの熱を放熱し易くなる。
【0060】
次に、本実施形態に係る磁気記憶装置1の製造方法について説明する。
【0061】
【0062】
まず、図示しない基板の上方に複数のワード線WLを形成する。
【0063】
次に、ワード線WL上に磁気抵抗効果素子MTJの材料を積層する。例えば、
図6の強磁性体41、非磁性体42、強磁性体43、非磁性体44、及び強磁性体45の材料がこの順番に積層される。尚、非磁性体44および強磁性体45は1つの層として図示されている。
【0064】
次に、磁気抵抗効果素子MTJの材料の上にハードマスクHM1、MH2の材料を堆積する。ハードマスクMH1には、例えば、カーボン(C)が用いられている。ハードマスクHM2には、例えば、アモルファスシリコンが用いられている。
【0065】
リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ハードマスクHM2を磁気抵抗効果素子MTJのレイアウトパターンに加工する。次に、ハードマスクHM2をマスクとして用いて、ハードマスクHM1を加工する。これにより、
図8Aおよび
図8Bに示すように、ハードマスクHM1、HM2が磁気抵抗効果素子MTJのレイアウトパターンに加工される。
【0066】
次に、ハードマスクHM1をマスクとして用いて、磁気抵抗効果素子MTJの材料をIBE(Ion Beam Etching)法等で加工する。これにより、磁気抵抗効果素子MTJがワード線WL上に形成される。次に、層間絶縁膜ILDの材料で磁気抵抗効果素子MTJおよびハードマスクHM1を被覆する。隣接する磁気抵抗効果素子MTJ間および隣接するハードマスクHM1間には、層間絶縁膜ILDの材料が埋め込まれる。これにより、
図9Aおよび
図9Bに示す構造が得られる。
【0067】
次に、
図10Aおよび
図10Bに示すように、層間絶縁膜ILDの材料をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で平坦化後にエッチバックして、ハードマスクHM1の表面を露出させる。このとき、層間絶縁膜ILDの上面は、磁気抵抗効果素子MTJの上面よりも高い位置に維持される。
【0068】
次に、
図11Aおよび
図11Bに示すように、ハードマスクHM1をアッシングして選択的に除去する。これにより、磁気抵抗効果素子MTJ上のハードマスクHM1が除去され、磁気抵抗効果素子MTJ上に層間絶縁膜ILDの側壁で囲まれた貫通孔HLel_1が形成される。
【0069】
次に、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を用いて、貫通孔HLel_1の内壁および層間絶縁膜ILD上に電極SELel_1の材料(例えば、TiN)を堆積する。これにより、
図12Aおよび
図12Bに示すように、電極SELel_1の材料が、貫通孔HLel_1の内壁および底面(MTJ上)に形成される。
【0070】
次に、RIE(Reactive Ion Etching)法等を用いて電極SELel_1の材料を異方的にエッチバックする。これにより、
図13Aおよび
図13Bに示すように、電極SELel_1の材料が、貫通孔HLel_1の内壁に沿って残置される。電極SELel_1は、各磁気抵抗効果素子MTJの上面の外縁に沿って円筒状に残置される。
【0071】
次に、
図14Aおよび
図14Bに示すように、電極SELel_1を埋め込むように層間絶縁膜ILDを堆積する。
【0072】
次に、CMP法等を用いて電極SELel_1の上面が露出されるまで平坦化する。これにより、
図15Aおよび
図15Bに示すように、電極SELel_1の上面が平坦化され、電極SELel_1が円筒形に成形される。電極SELel_1の円筒の内部には、層間絶縁膜ILDの材料が埋め込まれる。
【0073】
次に、セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2の材料が電極SELel_1および層間絶縁膜ILD上に積層される。次に、ハードマスクHM3、HM4の材料を電極SELel_2の材料上に堆積する。ハードマスクHM3には、例えば、カーボン(C)が用いられる。ハードマスクHM4には、例えば、ポリシリコンが用いられる。また、ハードマスクHM3には、例えば、窒化チタン(TiN)もしくはタングステン(W)等の金属が用いられてもよい。ハードマスクHM4には、例えば、カーボン(C)が用いられてもよい。ハードマスクHM3が窒化チタン(TiN)もしくはタングステン(W)等の金属である場合、ハードマスクHM3は、セレクタ材料SELmの加工後に除去することなく、上部配線BLとの電気的な接合部に用いることができる。
【0074】
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ハードマスクHM4の材料をセレクタSELのパターンに加工する。次に、ハードマスクHM4をマスクとして用いて、ハードマスクHM3の材料をエッチングする。これにより、
図16Aおよび
図16Bに示すように、ハードマスクHM3、HM4がセレクタSELのパターンに加工される。
【0075】
次に、
図17Aおよび
図17Bに示すように、ハードマスクHM3をマスクとして用いて、電極SELel_2の材料およびセレクタ材料SELmの材料をエッチングする。これにより、電極SELel_2およびセレクタ材料SELmが電極SELel_1上に形成される。
【0076】
次に、層間絶縁膜ILDの材料でハードマスクHM3を埋め込む。次に、CMP法等を用いて、電極SELel_2の上面が露出されるまで平坦化する。これにより、
図18Aおよび
図18Bに示すように、ハードマスクHM3が除去され、セレクタSELが形成される。
【0077】
その後、電極SELel_2上にビット線BLを形成することによって、
図3および
図4に示す磁気記憶装置1が完成する。
【0078】
このように、本実施形態によれば、層間絶縁膜ILDの側壁を利用して電極SELel_1を円筒形に形成する。
【0079】
本実施形態によれば、電極SELel_1は、貫通孔を有する円筒形に形成されているので、電極SELel_1の面積Sel_1を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくすることができる。これにより、半選択セルのオフリーク電流を抑制することができる。
【0080】
また、電極SELel_1を円筒形にすることによって、電極SELel_1の表面積が大きくなる。これにより、電極SELel_1は、セレクタSELの熱を放熱し易くなる。
【0081】
(変形例1)
図19および
図20は、第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図である。
図19は、
図3に対応しており、
図20は、
図4に対応している。
【0082】
第1実施形態において、電極SELel_1とセレクタ材料SELmとの接触面積を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくしている。
【0083】
しかし、変形例1のように、電極SELel_2とセレクタ材料SELmとの接触面積(以下、面積Sel_2ともいう)を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくしてもよい。この場合、電極SELel_1に代えて、電極SELel_2を円筒形に形成してもよい。この場合であっても、本実施形態の効果は失われない。
【0084】
電極SELel_2を円筒形に形成するためには、
図16Aおよび
図16Bに示すハードマスクHM3、HM4を、
図8A~
図11Bに示す第1実施形態のハードマスクHM1、HM2と同様に、電極SELel_2の材料を堆積する前に形成し、層間絶縁膜ILDに貫通孔を形成する。さらに、
図12A~
図15Bを参照して説明した工程と同様に、層間絶縁膜ILDの貫通孔の側壁に電極SELel_2の材料を残置させ、それを平坦化する。これにより、電極SELel_2を第1実施形態の電極SELel_1と同様に円筒形に形成することができる。
【0085】
(変形例2)
図21および
図22は、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図である。
図21は、
図3に対応しており、
図22は、
図4に対応している。
【0086】
変形例2では、面積Sel_1、面積Sel_2の両方を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくする。この場合、電極SELel_1とともに、電極SELel_2を円筒形に形成してもよい。この場合であっても、本実施形態の効果は失われない。
【0087】
また、変形例2では、電極SELel_1、SELel_2の表面積がより大きくなるため、熱放出効果が増大される。これにより、セレクタSELのオフリークが低減されるなど、セレクタSELの電気的特性が改善され得る。また、磁気抵抗効果素子MTJのデータリテンション特性の改善効果も期待できる。
【0088】
(第2実施形態)
図23~
図30は、第2実施形態に係るセレクタSELの構成例を示す断面図である。尚、
図23~
図28に示す電極SELel_2の構成は、電極SELel_1に適用してもよい。
【0089】
図23では、電極SELel_2の側面がX-Y方向からスリミングされている。Z方向から見た平面視において、電極SELel_2の径はセレクタ材料SELmのそれよりも小さくなっている。このような構成であっても、電極SELel_2の面積Sel_2は、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくなる。よって、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積がセレクタ材料SELmの面積よりも小さくなる。
【0090】
図24では、電極SELel_2は、X-Y面においてセレクタ材料SELmの中心からずれて配置されている。Z方向から見た平面視において、電極SELel_2の面積は、セレクタ材料SELmのそれと同じか大きくてもよい。電極SELel_2がセレクタ材料SELmの中心からずれていることによって、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積が実質的に小さくなっている。よって、このような構成であっても、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0091】
図25では、電極SELel_2の外周部分に酸素が導入されている。酸素は、インプラント工程によって、電極SELel_2の側壁から導入すればよい。これにより、電極SELel_2の外周部分には、電極SELel_2の材料の酸化膜で構成された高抵抗膜50が設けられている。高抵抗膜50は、電極SELel_2の中心部の抵抗よりも高抵抗な膜である。高抵抗膜50は、電極SELel_2の外周に筒状に形成されている。よって、電極SELel_2の導電領域における面積Sel_2が実質的に小さくなっている。このような構成であっても、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0092】
図26では、電極SELel_2の外周部分に不純物が導入されている。電極SELel_2の材料は、例えば、シリコン(Si)で構成されている。不純物は、インプラント工程によって、電極SELel_2の側壁から導入すればよい。不純物には、例えば、ボロン(B)が用いられる。これにより、電極SELel_2の外周部分には、電極SELel_2の材料よりも低抵抗な低抵抗膜60が設けられている。低抵抗膜60は、電極SELel_2の中心部の抵抗よりも低抵抗な膜である。低抵抗膜60は、電極SELel_2の外周に筒状に形成されている。このような構成であっても、電極SELel_2の面積Sel_2を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも実質的に小さくすることができる。よって、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0093】
図27では、電極SELel_2は、絶縁体70中に設けられた複数の導電線75を有する。導電線75は、自己組織化(DSA(Directed Self-Assembly))によって形成された導電線(例えば、アルミニウム)であってもよい。また、導電線75は、共晶によって析出された導電体柱または導電線であってもよい。この場合、例えば、シリコンにアルミニウム(Al)を含有させた液体からアルミニウムを析出させてもよい。あるいは、シリコンにアルミニウムを含有させたパウダーを焼成することによって、シリコン中のアルミニウムを柱状または線状に配列させてもよい。
【0094】
さらに、導電線75は、カーボンナノチューブまたはコンダクションブリッジであってもよい。このような構成であっても、電極SELel_2の面積Sel_2を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも実質的に小さくすることができる。よって、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0095】
図28では、
図23と同様に、電極SELel_2の側面がX-Y方向からスリミングされている。しかし、
図28の電極SELel_2の側壁は、逆テーパー状に形成されている。従って、Z方向から見た平面視において、電極SELel_2の上面の面積が大きくても、電極SELel_2とセレクタ材料SELmとの接触面積(Sel_2)は、セレクタ材料SELmのそれよりも充分に小さくすることができる。このような構成であっても、電極SELel_2の面積Sel_2を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくすることができる。よって、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0096】
図29では、電極SELel_1、SELel_2の両方の側面がX-Y方向からスリミングされている。Z方向から見た平面視において、電極SELel_1、SELel_2の両方の径が、セレクタ材料SELmのそれよりも小さくなっている。このような構成であれば、電極SELel_1、SELel_2の面積Sel_1、Sel_2の両方を、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さくすることができる。よって、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。さらに、セレクタ材料SELmと電極SELel_1との接触面積も、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0097】
図30では、Z方向から見た平面視において、電極SELel_1、SELel_2は、セレクタ材料SELmの中心からX-Y面内においてずれて配置されている。また、電極SELel_1、SELel_2のそれぞれの面積は、セレクタ材料SELmのそれと同じか大きくてもよい。電極SELel_1、SELel_2がセレクタ材料SELmの中心からX-Y方向へずれて配置されていることによって、セレクタ材料SELmと電極SELel_1との面積Sel_1、並びに、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との面積Sel_2が実質的に小さくなっている。従って、このような構成であっても、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmと電極SELel_2との接触面積を、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。さらに、セレクタ材料SELmと電極SELel_1との接触面積も、セレクタ材料SELmの面積よりも小さくすることができる。
【0098】
また、電極SELel_1、SELel_2は、セレクタ材料SELmの中心から互いに反対方向にずれて配置されている。これにより、電極SELel_1と電極SELel_2との間の距離が実質的に長くなる。これにより、半選択セルのオフリーク電流を抑制することができる。
【0099】
(第3実施形態)
図31Aは、第3実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。
図31Bは、第3実施形態による磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す平面図である。第3実施形態では、磁気抵抗効果素子MTJとセレクタSELとの配置関係が逆になっており、磁気抵抗効果素子MTJがZ方向においてセレクタSELよりも上に配置されている。よって、ワード線WL上にセレクタSELが設けられている。セレクタSEL上に磁気抵抗効果素子MTJが設けられている。さらに磁気抵抗効果素子MTJ上にビット線BLが設けられている。また、第3実施形態によるセレクタSELは、電極SELel_1およびセレクタ材料SELmで構成されており、SELel_2を備えていない。
【0100】
第3実施形態に係るセレクタSELのセレクタ材料SELmは、層間絶縁膜ILDに不純物を導入して形成される。層間絶縁膜ILDには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられている。不純物には、例えば、ヒ素、リン、アンチモン、ボロン等が用いられる。絶縁材料に不純物を導入したセレクタ材料SELmは、
図7を参照して説明したスイッチング機能を有する。
図31Aに示すように、セレクタ材料SELmは、電極SELel_1の底部とワード線WLとの間に接続されている。層間絶縁膜ILDは、セレクタ材料SELmの周囲を取り囲んでいる。
図31Bに示すように、Z方向から見た平面視において、セレクタ材料SELmの面積は、磁気抵抗効果素子MTJおよび電極SELel_1よりも小さい。
【0101】
セレクタSELの電極SELel_1の面積は、Z方向からの平面視において、磁気抵抗効果素子MTJ側において比較的広いものの、セレクタ材料SELmに近づくにつれて小さくなっている。これは、セレクタ材料SELmを不純物のインプラント工程で形成するときに、電極SELel_1の周囲にある絶縁膜80をマスクとして用いるためである。電極SELel_1は、
図31Bに示すように、絶縁膜80および不純物層82の内側に埋め込まれるので、絶縁膜80および不純物層82の内壁形状に沿ってセレクタ材料SELmに近づくにつれてセレクタ材料SELmと同程度の大きさになっている。絶縁膜80には、例えば、シリコン窒化膜(SiN)等の絶縁材料が用いられている。Z方向から見た平面視において、電極SELel_1の面積は、絶縁膜80または不純物層82の外縁で囲まれる面積よりも小さい。セレクタ材料SELmの面積は、電極SELel_1のそれよりもさらに小さい。
【0102】
絶縁膜80と電極SELel_1との間には、不純物層82が設けられている。不純物層82は、セレクタ材料SELmの形成工程において、絶縁膜80に不純物が導入されることで形成される。
【0103】
絶縁膜80は、層間絶縁膜ILDに形成された窪みHL5の内壁に沿って設けられている。絶縁膜80の中心部は、Z方向に貫通孔が設けられており、その内側には、電極SELel_1が設けられている。
図31Bに示すように、Z方向から見た平面視において、窪みHL5の大きさ(絶縁膜80の外縁の大きさ)は、磁気抵抗効果素子MTJの大きさと同程度でよい。
【0104】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同じでよい。第3実施形態によれば、セレクタ材料SELmの面積は、Z方向から見たときに、磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さい。また、電極SELel_1の底面の面積も、Z方向から見たときに、磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さい。これにより、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0105】
また、第3実施形態では、磁気抵抗効果素子MTJ側の電極SELel_1の面積が電極SELel_1側の磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さく、電極SELel_1の上面が磁気抵抗効果素子MTJの底面によって被覆されている。これにより、後述する製造工程において、電極SELel_1の材料(例えば、TiN)がエッチング工程で反跳して磁気抵抗効果素子MTJの側面に付着することを抑制できる。これは、電極SELel_1の材料による短絡経路(シャントパス)が磁気抵抗効果素子MTJの側面に形成されることを抑制する。
【0106】
次に、第3実施形態に係る磁気記憶装置1の製造方法について説明する。
【0107】
図32~
図40は、第3実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図である。
【0108】
まず、図示しない基板の上方に複数のワード線WLを形成する。複数のワード線WLは、X方向に延伸しており、Y方向に配列されている。ワード線WLには、例えば、例えば、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)等の導電性材料が用いられている。
【0109】
次に、ワード線WL上に層間絶縁膜ILDを堆積する。層間絶縁膜ILDには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。次に、
図32に示すように、リソグラフィ技術を用いてフォトレジストPRを層間絶縁膜ILD上に形成する。フォトレジストPRは、磁気抵抗効果素子MTJまたはセレクタSEL(メモリセルMC)以外の領域を被覆するようにパターニングされる。
【0110】
次に、フォトレジストPRをマスクとして用いて、層間絶縁膜ILDをRIE法でエッチングする。これにより、
図33に示すように、層間絶縁膜ILDに窪みHL5が形成される。窪みHL5は、磁気抵抗効果素子MTJまたはセレクタSELの領域に、メモリセルMCの大きさに対応して形成される。窪みHL5は、層間絶縁膜ILDの上面からその途中まで形成されており、ワード線WLまでには達していない。
【0111】
次に、
図34に示すように、PVD(Physical Vapor Deposition)法またはALD法を用いて、層間絶縁膜ILD上に絶縁膜80を堆積する。絶縁膜80は、窪みHL5内にも形成される。絶縁膜80は、窪みHL5内においてシーム84を有するように堆積される。絶縁膜80には、例えば、シリコン窒化膜が用いられる。
【0112】
次に、
図35に示すように、CDE(Chemical Dry Etching)法またはウェットエッチング法等を用いて、絶縁膜80を等方的にエッチングする。これにより、絶縁膜80は、絶縁膜80のシーム84から等方的にエッチバックされ、窪みHL5の底部において、層間絶縁膜ILDが露出される。層間絶縁膜ILDの露出面積は、Z方向から見たセレクタ材料SELmの面積に対応する。従って、層間絶縁膜ILDの露出面積は、Z方向から見た磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さくなる。
【0113】
次に、インプラント工程において、絶縁膜80をマスクとして用いて、不純物をZ方向から導入する。不純物には、例えば、ヒ素、リン、アンチモン、ボロン等が用いられる。これにより、
図36に示すように、セレクタ材料SELmが窪みHL5の底部において層間絶縁膜ILDを貫通するように形成される。即ち、セレクタ材料SELmは、ワード線WLと窪みHL5の底部との間に形成される。また、絶縁膜80の表面に不純物が導入され、不純物層82が絶縁膜80の表面に形成される。
【0114】
次に、
図37に示すように、PVD法またはALD法等を用いて、不純物層82上に電極SELel_1の材料(例えば、TiN)を堆積する。電極SELel_1の材料は窪みHL5内の絶縁膜80および不純物層82の内側に埋め込まれる。これにより、電極SELel_1の材料は、窪みHL5の底部においてセレクタ材料SELmに接続される。
【0115】
次に、CMP法を用いて、電極SELel_1の材料、不純物層82および絶縁膜80を層間絶縁膜ILDが露出されるまで研磨する。これにより、
図38に示すように、各窪みHL5内において絶縁膜80および不純物層82で周囲を囲まれた電極SELel_1が形成される。電極SELel_1は、Z方向に磁気抵抗効果素子MTJ側からセレクタ材料SELm側に近づくに従って細くなっている。電極SELel_1の底部は、セレクタ材料SELmと同程度の大きさとなっている。
【0116】
次に、電極SELel_1、絶縁膜80、不純物層82および層間絶縁膜ILD上に磁気抵抗効果素子MTJの材料を積層する。例えば、
図6を参照して説明したように、強磁性体41、非磁性体42、強磁性体43、非磁性体44、及び強磁性体45の材料がこの順番に積層される。
【0117】
次に、ハードマスクHM5の材料を磁気抵抗効果素子MTJの材料上に堆積する。ハードマスクHM5には、例えば、金属材料が用いられる。次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、
図39に示すように、ハードマスクHM5を磁気抵抗効果素子MTJの形成領域に残置させるように加工する。
【0118】
次に、ハードマスクHM5をマスクとして用いて、磁気抵抗効果素子MTJの材料をIBE法でエッチングする。これにより、磁気抵抗効果素子MTJが電極SELel_1上に形成される。このとき、
図40に示すように、磁気抵抗効果素子MTJが、セレクタSELまたは窪みHL5からX-Y面内において幾分ずれたとしても、電極SELel_1が窪みHL5内の絶縁膜80の内側に設けられているので、電極SELel_1の材料は磁気抵抗効果素子MTJの底面から露出されない。電極SELel_1が磁気抵抗効果素子MTJから幾分露出されたとしても、電極SELel_1の端部の厚みは薄く、不純物層82が電極SELel_1の直下に設けられている。従って、このときにエッチングされる電極SELel_1の量は少なく、磁気抵抗効果素子MTJの側面に反跳して付着する電極SELel_1の材料(例えば、TiN)も非常に少ない。これにより、電極SELel_1の材料による短絡経路(シャントパス)が磁気抵抗効果素子MTJの側面に形成されることを抑制することができる。
【0119】
次に、ハードマスクHM5を除去し、磁気抵抗効果素子MTJ上にビット線BLを形成し、さらに層間絶縁膜ILDを堆積する。これにより、
図31Aおよび
図31Bに示す磁気記憶装置1が完成する。
【0120】
このように、第3実施形態によれば、電極SELel_1の上面の面積が磁気抵抗効果素子MTJの底面の面積よりも小さい。よって、電極SELel_1の上面が磁気抵抗効果素子MTJによって被覆されている。また、電極SELel_1の上面端部では、電極SELel_1の厚みが薄い。これにより、磁気抵抗効果素子MTJの材料をエッチング加工する際に、電極SELel_1の材料(例えば、TiN)が反跳して磁気抵抗効果素子MTJの側面に付着することを抑制できる。その結果、電極SELel_1の材料による短絡経路(シャントパス)が磁気抵抗効果素子MTJの側面、特に、非磁性体42の側面に形成されることを抑制することができる。
【0121】
また、電極SELel_1は、Z方向に磁気抵抗効果素子MTJに近づくに従って広がっている。従って、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触面積を比較的大きくすることができるので、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触抵抗を低くすることができる。
【0122】
(第4実施形態)
図41は、第4実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。第4実施形態では、電極SELel_1が第3実施形態の電極SELel_1よりも細く形成されている。例えば、磁気抵抗効果素子MTJに対する電極SELel_1の接触面積が第3実施形態のそれよりも狭くなっている。よって、磁気抵抗効果素子MTJの底面は、その中心部においてのみ電極SELel_1と面している。磁気抵抗効果素子MTJの底面のその他の領域は、絶縁膜80、不純物層82または層間絶縁膜ILDに面している。
【0123】
第4実施形態による電極SELel_1は、
図34および
図35を参照して説明した絶縁膜80の膜厚またはそのエッチング条件を変更すればよい。第4実施形態のその他の製造工程は、第3実施形態の対応する工程と同様でよい。
【0124】
第4実施形態によれば、電極SELel_1が第3実施形態の電極SELel_1よりも細く形成され、磁気抵抗効果素子MTJの形成の際に、電極SELel_1の材料は、磁気抵抗効果素子MTJから露出されない。これにより、磁気抵抗効果素子MTJの材料をエッチング加工する際に、電極SELel_1の材料(例えば、TiN)が反跳して磁気抵抗効果素子MTJの側面に付着することをさらに確実に抑制できる。その結果、電極SELel_1の材料による短絡経路(シャントパス)が磁気抵抗効果素子MTJの側面、特に、非磁性体42の側面に形成されることをさらに確実に抑制することができる。また、第4実施形態は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0125】
(第5実施形態)
図42は、第5実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。第5実施形態において、セレクタ材料SELmは、層間絶縁膜ILDの表面および窪みHL5の内壁面に不純物を導入して形成された不純物層である。Z方向から見たときに、セレクタ材料SELmの面積は、電極SELel_1の面積よりも大きい。セレクタ材料SELm側の電極SELel_1の面積は、磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さい。セレクタ材料SELmは、電極SELel_1の周囲に設けられている。
【0126】
層間絶縁膜ILDには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。セレクタ材料SELmを形成するために導入される不純物には、例えば、ヒ素、リン、アンチモン、ボロン等が用いられる。
【0127】
このように、セレクタ材料SELmを層間絶縁膜ILDの表面および窪みHL5の内壁に広く設けている。セレクタSELは、電極SELel_1の周囲に、このように比較的広く設けられたセレクタ材料SELmを含む。
【0128】
図43は、第5実施形態に係るセレクタ材料SELmの形成工程を示す断面図である。第5実施形態によるセレクタ材料SELmは、
図33に示す工程において、不純物(例えば、ヒ素、リン、アンチモンまたはボロン)をインプラント工程にて導入することによって形成され得る。これにより、
図43に示すように、層間絶縁膜ILDの表面および窪みHL5の側壁および底部の層間絶縁膜ILDにセレクタ材料SELmが形成される。一方、
図36を参照して説明した不純物のインプラント工程は省略される。
【0129】
絶縁膜80および電極SELel_1の形成方法は、第4実施形態のそれらの形成方法と同じでよい。これにより、第5実施形態に係る磁気記憶装置1を形成することができる。
【0130】
第5実施形態によれば、第4実施形態と比べて、セレクタ材料SELmの面積は広いものの、電極SELel_1は、第4実施形態の電極SELel_1と同程度に細い。よって、第5実施形態は、電極SELel_1とセレクタ材料SELmとの接触面積を小さくすることができる。これにより、半選択セルのオフリーク電流を抑制することができる。第5実施形態のその他の構成は、第4実施形態の構成と同様でよい。よって、第5実施形態は、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0131】
また、第5実施形態は、第3実施形態と組み合わせてもよい。この場合、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触面積が比較的大きくなるので、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触抵抗を低くすることができる。
【0132】
(第6実施形態)
図44は、第6実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。セレクタ材料SELm1は、絶縁膜85にヒ素、リン、アンチモン、ボロンのような不純物を含有させたセレクタとして機能する部分である。絶縁膜85は、熱伝導率が層間絶縁膜ILDよりも大きく、且つ、電気抵抗率が層間絶縁膜ILDと同程度の絶縁材料である。
【0133】
層間絶縁膜ILDには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。絶縁膜85を形成するために導入される不純物には、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、窒素(N)のいずれかが用いられる。これらの不純物を層間絶縁膜ILDに導入すると、例えば、SixBeyO(x、yは正数)、SixNyOまたはSixMgyOとなる。
【0134】
セレクタ材料SELm1は、絶縁膜85の不純物が導入された層間絶縁膜ILDに、例えば、ヒ素、リン、アンチモンまたはボロンをさらに導入することによって形成される。よって、セレクタ材料SELm1は、ヒ素、リン、アンチモンまたはボロンを含有するSixBeyO(x、yは正数)、SixNyOまたはSixMgyOとなる。
【0135】
第6実施形態による絶縁膜85は、
図33に示す工程において、不純物(例えば、ベリリウム、マグネシウムまたは窒素)を層間絶縁膜ILDにインプラント工程にて導入することによって形成される。このとき、絶縁膜85は、の形状は、
図43のセレクタ材料SELmと同じ形状でよい。
【0136】
さらに、
図34および
図35を参照して説明した工程を経た後、
図36に示す工程において、絶縁膜80をマスクとして用いて、絶縁膜80から露出された絶縁膜85に不純物(例えば、ヒ素、リン、アンチモン、ボロン)をインプラント工程にて導入する。これにより、セレクタ材料SELm1が形成され得る。第6実施形態のその他の工程は、第3~第5実施形態のいずれかの対応する工程と同じでよい。これにより、第6実施形態に係る磁気記憶装置1を形成することができる。
【0137】
図45は、ベリリウム、マグネシウム、窒素を含む材料と熱伝導度および電気抵抗率を示す表である。この表からベリリウム、マグネシウム、窒素を含む材料は、シリコン酸化膜よりも熱電導度において高く、かつ、電気抵抗率においてシリコン酸化膜と同程度であることが分かる。
【0138】
絶縁膜85の材料は、熱伝導率がシリコン酸化膜よりも大きく、且つ、電気抵抗率がシリコン酸化膜と同程度の材料を含む。尚、シリコン酸化膜の熱伝導率は、約1.4W/m/Kである。また、シリコン酸化膜の電気抵抗率は、約1×1016Ω・cmである。
【0139】
絶縁膜85の材料は、SixBeyO、SixNyO、SixMgyOの他、例えば、酸化ベリリウム(BeO)(熱伝導率は約250W/m/K,電気抵抗率は約1×1016Ω・cm,結晶構造はウルツ鉱型)、窒化アルミニウム(AlN)(熱伝導率は約285W/m/K,電気抵抗率は約1×1014Ω・cm,結晶構造はウルツ鉱型)、酸化マグネシウム(MgO)(熱伝導率は約59W/m/K,電気抵抗率は約1×1014Ω・cm,結晶構造は岩塩型)、又は、窒化シリコン(Si3N4)(熱伝導率は約25~54W/m/K,電気抵抗率は約1×1014Ω・cm,結晶構造は六方晶)等でもよい。尚、セレクタ材料SELm1の材料は、絶縁膜85の材料に、例えば、ヒ素、リン、アンチモン、ボロンのような不純物が導入された材料である。
【0140】
このように、第6実施形態による絶縁膜85は、層間絶縁膜ILDよりも熱電導度において高く、かつ、電気抵抗率において層間絶縁膜ILDと同程度であると考えられる。
【0141】
このような絶縁膜85を層間絶縁膜ILDの表面および窪みHL5の内壁に広く形成することによって、セレクタSELで発生する熱を効率的に拡散することができる。を含む。
【0142】
ここで、もし、セレクタSELの外周面が層間絶縁膜ILD(例えば、シリコン酸化膜)等のように熱伝導率が低い材料で被覆されている場合、セレクタSELにおいて発生したジュール熱を逃がしづらく、セレクタSELの温度が上昇しやすくなる。
【0143】
セレクタSELの温度が上昇すると、セレクタSELに印加される電圧が比較的低くても、オン状態が持続する場合がある。即ち、セレクタSELがオン状態からオフ状態に切り替わるときのセレクタSELの電圧(ホールド電圧)が小さくなる場合がある。オフ状態からオン状態になるときのセレクタSELの電圧(閾値電圧)とホールド電圧との差が大きくなった場合、セレクタSELがオフ状態からオン状態に切り替わった際に過渡的に大きな電流(スパイク電流)がメモリセルMCに流れる場合がある。この場合、磁気抵抗効果素子MTJのデータが書き変わってしまったり、メモリセルMCの劣化を引き起こす場合がある。
【0144】
また、セレクタSELの熱の影響によって、磁気抵抗効果素子MTJの劣化を招く場合もある。この場合、磁気抵抗効果素子MTJのデータ保持特性が悪化するおそれがある。
【0145】
これに対し、第6実施形態に係るセレクタSELの周囲には、シリコン酸化膜よりも熱伝導率の高い材料で構成された絶縁膜85が設けられている。これにより、磁気抵抗効果素子MTJのデータの劣化や特性の劣化を抑制することができる。
【0146】
また、絶縁膜85の面積は広いものの、電極SELel_1は、第4実施形態の電極SELel_1と同程度に細い。よって、電極SELel_1の材料による短絡経路(シャントパス)が磁気抵抗効果素子MTJの側面、特に、非磁性体42の側面に形成されることを抑制することができる。また、セレクタ材料SELm1の面積は、Z方向から見たときに、磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さい。電極SELel_1の底面の面積も、Z方向から見たときに、磁気抵抗効果素子MTJの面積よりも小さい。これにより、半選択セルのオフリーク電流を抑制することができる。
【0147】
また、第6実施形態は、第3実施形態と組み合わせてもよい。この場合、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触面積が比較的大きくなるので、電極SELel_1と磁気抵抗効果素子MTJとの接触抵抗を低くすることができる。
【0148】
(第7実施形態)
図46は、第7実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。
図46は、ビット線BLの延伸方向(Y方向)の断面構成を示す。ワード線WLの延伸方向(X方向)の断面構成は、
図4に示す構成と同じでよい。
【0149】
第7実施形態では、セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2は、それぞれビット線BLと同様に、ビット線BLの直下において、Y方向に延伸しており、X方向に配列されている。セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2は、セレクタSELの一部を構成するとともに、ビット線BLとして機能することができる。これにより、セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2は、ビット線BLの加工工程においてビット線BLの加工に続いて加工することができる。よって、製造工程の短縮につながるとともに、ビット線BL、セレクタ材料SELmおよび電極SELel_2のアライメントずれが抑制される。
【0150】
第7実施形態のその他の構成は、第1~第6実施形態のいずれかと同様でよい。これにより、第7実施形態は、第1~第6実施形態のいずれかの効果も得ることができる。
【0151】
(第8実施形態)
図47および
図48は、第8実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。
図47は、ビット線BLに沿った方向の断面を示す。
図48は、ワード線WLに沿った方向の断面を示す。
【0152】
第8実施形態では、ハードマスクHM3が電極SELel_2として用いられている。ハードマスクHM3に、例えば、カーボン(C)、窒化チタン(TiN)またはタングステン(W)等の導電性材料が用いられている場合、ハードマスクHM3を電極SELel_2として用いることができる。この場合、
図16Aおよび
図16Bに示す工程において、セレクタ材料SELmの材料上にハードマスクHM3を堆積し、電極SELel_2の材料の堆積は省略すればよい。ハードマスクHM3の加工後、ハードマスクHM3をマスクとして用いてセレクタ材料SELmの材料を加工する。さらに、ハードマスクHM3は、除去することなく、電極SELel_2としてそのまま残置させればよい。これにより、製造工程の短縮につながるとともに、セレクタSELのサイズの縮小、並びに、コスト削減につながる。
【0153】
第8実施形態のその他の構成は、第1~第7実施形態のいずれかと同様でよい。これにより、第8実施形態は、第1~第7実施形態のいずれかの効果も得ることができる。
【0154】
(第9実施形態)
図49および
図50は、第9実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJおよびセレクタSELの構成例を示す断面図である。
図49は、ビット線BLに沿った方向の断面を示す。
図50は、ワード線WLに沿った方向の断面を示す。
【0155】
第9実施形態では、電極SELel_1の窪みHL9は、電極SELel_1を貫通しておらず、磁気抵抗効果素子MTJ側の底部に残置された電極SELel_1によって塞がれている。セレクタ材料SELmと電極SELel_1との接触面積は、セレクタ材料SELmの面積Sselmよりも小さい。これにより、セレクタ材料SELmと電極SELel_1との接触抵抗が上がり、セレクタ材料SELmに流れる電流を抑制することができる。従って、第9実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0156】
第9実施形態では、
図8A~
図12Bに示す工程を経た後、CMP法を用いて、層間絶縁膜ILDの表面が露出されるまで、電極SELel_1の材料を研磨する。これにより、
図49および
図50に示すように窪みHL9を有する電極SELel_1が形成される。その後、
図14A~
図18Bを参照して説明した工程を経ることによって、
図49および
図50に示す構造が得られる。
【0157】
第9実施形態のように、電極SELel_1の材料は、異方性エッチングを用いたエッチバックではなく、CMP法を用いた平坦化によって加工されてもよい。第9実施形態のその他の構成および工程は、第1~第8実施形態のいずれからの対応する構成および工程と同様でよい。これにより、第9実施形態は、第1~第8実施形態のいずれかの効果も得ることができる。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0159】
1 磁気記憶装置(半導体記憶装置)
10 メモリセルアレイ
WL ワード線
BL ビット線
MC メモリセル
SEL セレクタ
MTJ 磁気抵抗効果素子
SELel_1,SELel_2 電極
SELm セレクタ材料