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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122392
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】繰り出し容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240902BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20240902BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A45D40/00 Y
A45D40/04 A
B65D83/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029909
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 舞
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014AC04
(57)【要約】
【課題】内容物を有する着脱部の簡素化と着脱容易化を実現できる繰り出し容器を提供する。
【解決手段】繰り出し容器1は、軸方向に伸び、一端部に繰り出し口2aを形成する外周壁部2と、外周壁部2に対して回転が規制された状態で軸方向のどちら側にも移動できるように外周壁部2の内周面に保持されるスライド部3と、軸方向に伸びる軸線Oを中心に外周壁部2に対してどちら側にも回転できるように外周壁部2の他端部に保持される操作部4と、外周壁部2に対する操作部4の回転を外周壁部2に対するスライド部3の軸方向の移動に変換するように噛み合うネジ部5a及び凸部5bからなり、操作部4とスライド部3とを連結する少なくとも1段の噛み合い部5と、内容物6aを有する着脱部6とを有し、スライド部3は、繰り出し口2aに入るのに伴って外周壁部2の内周面に押されて弾性変形することによって着脱部6を保持し、繰り出し口2aから出るのに伴って弾性変形から復帰することによって着脱部6を解放する保持部3aを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に伸び、一端部に繰り出し口を形成する外周壁部と、
前記外周壁部に対して回転が規制された状態で前記軸方向のどちら側にも移動できるように前記外周壁部の内周面に保持されるスライド部と、
前記軸方向に伸びる軸線を中心に前記外周壁部に対してどちら側にも回転できるように前記外周壁部の他端部に保持される操作部と、
前記外周壁部に対する前記操作部の回転を前記外周壁部に対する前記スライド部の前記軸方向の移動に変換するように噛み合うネジ部及び凸部からなり、前記操作部と前記スライド部とを連結する少なくとも1段の噛み合い部と、
内容物を有する着脱部とを有し、
前記スライド部は、前記繰り出し口に入るのに伴って前記外周壁部の前記内周面に押されて弾性変形することによって前記着脱部を保持し、前記繰り出し口から出るのに伴って弾性変形から復帰することによって前記着脱部を解放する保持部を有する、繰り出し容器。
【請求項2】
前記スライド部が前記繰り出し口に入る方向に押されることにより、前記保持部が前記繰り出し口に入って前記着脱部を保持するように前記凸部が前記ネジ部のネジ山部を前記軸方向に乗り越えることを可能にする乗り越え部を有する、請求項1に記載の繰り出し容器。
【請求項3】
前記乗り越え部は、前記ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山高さを縮小することで形成される、請求項2に記載の繰り出し容器。
【請求項4】
前記乗り越え部は、前記ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山幅を縮小することで形成される、請求項2に記載の繰り出し容器。
【請求項5】
前記乗り越え部を有する前記噛み合い部の前記ネジ部は規制突起部を有し、前記規制突起部は、繰り出し操作時に前記凸部が前記規制突起部に突き当たった後に所定の力が加わるまでは前記凸部が前記乗り越え部に向けて前記ネジ部のネジ溝部に沿って移動することを規制するように、前記ネジ溝部の一端部において前記乗り越え部の手前に設けられる、請求項2に記載の繰り出し容器。
【請求項6】
前記操作部側に設けられる1段目の前記噛み合い部と、
前記スライド部側に設けられる2段目の前記噛み合い部とを有する、請求項1に記載の繰り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繰り出し容器に関する。
【背景技術】
【0002】
軸方向に伸び、一端部に繰り出し口を形成する外周壁部と、外周壁部に対して軸方向のどちら側にも移動できるように外周壁部の内周面に保持されるスライド部と、軸方向に伸びる軸線を中心に外周壁部に対してどちら側にも回転できるように外周壁部の他端部に保持される操作部と、外周壁部に対する操作部の回転を外周壁部に対するスライド部の軸方向の移動に変換するように噛み合うネジ部及び凸部からなり、操作部とスライド部とを連結する噛み合い部と、内容物を有する着脱部とを有し、スライド部は、着脱部を着脱できる保持部を有する、繰り出し容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-120803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような繰り出し容器は、内容物を有する着脱部の簡素化と着脱容易化を実現できると好ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、内容物を有する着脱部の簡素化と着脱容易化を実現できる繰り出し容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
軸方向に伸び、一端部に繰り出し口を形成する外周壁部と、
前記外周壁部に対して回転が規制された状態で前記軸方向のどちら側にも移動できるように前記外周壁部の内周面に保持されるスライド部と、
前記軸方向に伸びる軸線を中心に前記外周壁部に対してどちら側にも回転できるように前記外周壁部の他端部に保持される操作部と、
前記外周壁部に対する前記操作部の回転を前記外周壁部に対する前記スライド部の前記軸方向の移動に変換するように噛み合うネジ部及び凸部からなり、前記操作部と前記スライド部とを連結する少なくとも1段の噛み合い部と、
内容物を有する着脱部とを有し、
前記スライド部は、前記繰り出し口に入るのに伴って前記外周壁部の前記内周面に押されて弾性変形することによって前記着脱部を保持し、前記繰り出し口から出るのに伴って弾性変形から復帰することによって前記着脱部を解放する保持部を有する、繰り出し容器。
【0008】
[2]
前記スライド部が前記繰り出し口に入る方向に押されることにより、前記保持部が前記繰り出し口に入って前記着脱部を保持するように前記凸部が前記ネジ部のネジ山部を前記軸方向に乗り越えることを可能にする乗り越え部を有する、[1]に記載の繰り出し容器。
【0009】
[3]
前記乗り越え部は、前記ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山高さを縮小することで形成される、[2]に記載の繰り出し容器。
【0010】
[4]
前記乗り越え部は、前記ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山幅を縮小することで形成される、[2]又は[3]に記載の繰り出し容器。
【0011】
[5]
前記乗り越え部を有する前記噛み合い部の前記ネジ部は規制突起部を有し、前記規制突起部は、繰り出し操作時に前記凸部が前記規制突起部に突き当たった後に所定の力が加わるまでは前記凸部が前記乗り越え部に向けて前記ネジ部のネジ溝部に沿って移動することを規制するように、前記ネジ溝部の一端部において前記乗り越え部の手前に設けられる、[2]~[4]の何れか1項に記載の繰り出し容器。
【0012】
[6]
前記操作部側に設けられる1段目の前記噛み合い部と、
前記スライド部側に設けられる2段目の前記噛み合い部とを有する、[1]~[5]の何れか1項に記載の繰り出し容器。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内容物を有する着脱部の簡素化と着脱容易化を実現できる繰り出し容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態の繰り出し容器を内容物の使用開始前の状態で示す断面図である。
図2】内容物の使用終了後にスライド部を上死点まで移動した時の状態を示す断面図である。
図3図2に示す状態から使用済みの着脱部を除去する時の状態を示す断面図である。
図4図3に示す状態から蓋付きの付け替え用の着脱部をスライド部に配置した時の状態を示す断面図である。
図5図4に示す状態から着脱部をスライド部に向けて押すことでスライド部に装着した時の状態を示す断面図である。
図6図5に示す状態からスライド部を下死点に向けて移動している時の状態を示す断面図である。
図7】2段目の噛み合い部のネジ部を示す正面図である。
図8図4の部分拡大図である。
図9図5の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0016】
図1図9に示すように、本発明の一実施形態において繰り出し容器1は、軸方向に伸び、一端部に繰り出し口2aを形成する外周壁部2と、外周壁部2に対して回転が規制された状態で軸方向のどちら側にも移動できるように外周壁部2の内周面に保持されるスライド部3と、軸方向に伸びる軸線Oを中心に外周壁部2に対してどちら側にも回転できるように外周壁部2の他端部に保持される操作部4と、外周壁部2に対する操作部4の回転を外周壁部2に対するスライド部3の軸方向の移動に変換するように噛み合うネジ部5a及び凸部5bからなり、操作部4とスライド部3とを連結する少なくとも1段(本実施形態では2段)の噛み合い部5と、内容物6aを有する着脱部6とを有し、スライド部3は、繰り出し口2aに入るのに伴って外周壁部2の内周面に押されて弾性変形することによって着脱部6を保持し(図5図9参照)、繰り出し口2aから出るのに伴って弾性変形から復帰することによって着脱部6を解放する(図2参照)保持部3aを有する。
【0017】
上記構成によれば、外周壁部2に対して操作部4を正方向に回転させる操作(繰り出し操作ともいう)により、外周壁部2に対してスライド部3を軸方向の一方側(繰り出し方向ともいう)へ移動させ、その結果、内容物6aを繰り出し口2aから繰り出すことができる。また外周壁部2に対して操作部4を逆方向に回転させる操作(繰り入れ操作ともいう)により、外周壁部2に対してスライド部3を軸方向の他方側(繰り入れ方向ともいう)へ移動させ、その結果、内容物6aを繰り出し口2aへ繰り入れることができる。
【0018】
また上記構成によれば、保持部3aを繰り出し口2aに入れる操作により、着脱部6を保持部3aに容易に取り付けることができ、保持部3aを繰り出し口2aから出す操作により、着脱部6を保持部3aから容易に取り外すことができる。また着脱部6は繰り出し口2aにおいて保持部3aに着脱できるように形成すればよいので、着脱部6を簡素化できる。したがって上記構成によれば、内容物6aを有する着脱部6の簡素化と着脱容易化を実現できる。
【0019】
保持部3aは、着脱部6の繰り入れ方向の端面を受ける受け面3bから、繰り出し方向に向けて外周壁部2の径方向外側へ傾斜するように伸びる。上記構成によれば、保持部3aを簡単に形成できる。
【0020】
保持部3aは、周方向に複数の間欠部を有する筒状をなす(図3参照)。上記構成によれば、着脱部6の安定した保持を実現できる。
【0021】
着脱部6は、内容物6aと、保持部3aに対して着脱可能な皿状の内容物支持部6bとを有する。上記構成によれば、着脱部6の簡素性を高めることができる。内容物6aは例えば固形状、ペースト状などであり、例えば化粧品(口紅など)、接着剤、食品などである。
【0022】
着脱部6は、内容物6aの交換のための付け替え部として使用される。上記構成によれば、内容物6aの容易な交換を実現できる。
【0023】
交換のために取り付けられる付け替え部には、内容物6aを内容物支持部6bの反対側から覆うように蓋7が付いており、付け替え部が保持部3aに取り付けられた後の繰り入れ操作に伴って蓋7を外周壁部2の一端部に突き当て、さらなる繰り入れ操作に伴って蓋7を内容物6aからずらすことが可能である(図6参照)。上記構成によれば、付け替え部の付け替え時に蓋7を容易に除去できる。なお、蓋7を除去してから付け替え部を保持部3aに取り付けてもよい。
【0024】
繰り出し容器1は、スライド部3が繰り出し口2aに入る方向(つまり繰り入れ方向)に押されることにより、保持部3aが繰り出し口2aに入って着脱部6を保持するように凸部5bがネジ部5aのネジ山部を軸方向に乗り越える(図4図5参照)ことを可能にする乗り越え部8を有する。上記構成によれば、着脱部6をスライド部3に対して繰り入れ方向に押し付ける操作により、乗り越え部8での乗り越えを生じさせて、容易に着脱部6の装着を行うことができる。
【0025】
乗り越え部8は、ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山高さSh(図7参照)を縮小することで形成される。上記構成によれば、乗り越え部8を簡単に実現できる。
【0026】
乗り越え部8は、ネジ山部の所定部分において少なくともネジ山幅Sw(図7参照)を縮小することで形成される。上記構成によっても、乗り越え部8を簡単に実現できる。ネジ山幅Swは、内容物6aを繰り出す時に凸部5bを押す側のネジ山側面の位置に向けて、その反対側のネジ山側面の位置をずらすことによって縮小される。
【0027】
乗り越え部8は、図7に示すようにネジ山部の所定部分においてネジ山高さShとネジ山幅Swとを何れも縮小することで形成してもよいし、ネジ山部の所定部分においてネジ山高さShとネジ山幅Swとの何れか一方を縮小することで形成してもよい。
【0028】
操作部4側に設けられる1段目の噛み合い部5と、スライド部3側に設けられる2段目の噛み合い部5とを有する。上記構成によれば、1段の噛み合い部5を利用する場合よりも、繰り出し容器1の軸方向長さを抑制できる。1段目の噛み合い部5は、2段目の噛み合い部5を介してスライド部3に連結される。1段目の噛み合い部5のネジ部5aの巻き方向は、2段目の噛み合い部5のネジ部5aの巻き方向と同じである。1段目の噛み合い部5でのネジ部5aと凸部5bとの摺動抵抗は、2段目の噛み合い部5でのネジ部5aと凸部5bとの摺動抵抗に対して、本実施形態のように大きくてもよいし、小さくてもよいし、同じでもよい。
【0029】
乗り越え部8は、本実施形態では2段目の噛み合い部5に設けられるが、これに限らず、1段目の噛み合い部5に設けてもよいし、1段目と2段目との両方に設けてもよい。乗り越え部8は、本実施形態では、着脱部6の取り付けのために凸部5bがネジ部5aのネジ山部を軸方向にネジ山1つ分乗り越えるように構成される(図7参照)が、これに限らず、ネジ山2つ分以上乗り越えるように構成してもよい。各々の噛み合い部5は、本実施形態では、2条ネジ構造を有する(図7参照)が、これに限らず、1条ネジ構造又は3条以上の多条ネジ構造を有する構成としてもよい。なお本実施形態では、乗り越え部8は1条目のネジ山に設けられる第1所定部分(正面側にあるため図7に表れる部分)と、2条目のネジ山に設けられる第2所定部分(背面側にあるため図7に表れない部分)とからなる。ネジ山に沿う方向の乗り越え部8の長さは、ネジ山に沿う方向の凸部5bの長さと合わせて適宜設定できる。
【0030】
乗り越え部8は、スライド部3が最も繰り出された位置(便宜上、上死点ともいう)から繰り出し口2aに入る方向(つまり繰り入れ方向)に押されることにより、乗り越えを生じる。上記構成によれば、着脱部6の着脱の容易性を高めることができる。スライド部3が最も繰り入れられた位置(図1に示す位置)を便宜上、下死点ともいう。
【0031】
乗り越え部8を有する噛み合い部5(本実施形態では2段目の噛み合い部)のネジ部5aは規制突起部9(図7参照)を有し、規制突起部9は、繰り出し操作時に凸部5bが規制突起部9に突き当たった後に所定の力が加わるまでは凸部5bが乗り越え部8に向けてネジ部5aのネジ溝部に沿って移動することを規制するように、ネジ溝部の一端部において乗り越え部8の手前に設けられる。上記構成によれば、着脱部6が外れる位置(上死点)にスライド部3が至る直前で凸部5bが規制突起部9を乗り越えるために所定の力が必要となるので、使用者は着脱部6が外れる直前の位置に到達したことを認識できる。また、使用者は凸部5bが規制突起部9を乗り越えるのに必要な所定の力以上の力を加えることで、着脱部6を外すことができる。規制突起部9は本実施形態では、1条目のネジ溝に設けられる2つの突起9a(正面側にあるため図7に表れる)と、2条目のネジ溝に設けられる2つの突起9a(背面側にあるため図7に表れない)とからなる。規制突起部9を構成する突起9aの数は適宜設定できる。
【0032】
本実施形態では、1段目の噛み合い部5のネジ部5aは雄ネジ部5aとして構成され、2段目の噛み合い部5のネジ部5aは雄ネジ部5aとして構成されるが、これに限らず、1段目の噛み合い部5のネジ部5aを雌ネジ部5aとして構成し、2段目の噛み合い部5のネジ部5aを雄ネジ部5aとして構成してもよいし、1段目の噛み合い部5のネジ部5aを雌ネジ部5aとして構成し、2段目の噛み合い部5のネジ部5aを雌ネジ部5aとして構成してもよいし、1段目の噛み合い部5のネジ部5aを雄ネジ部5aとして構成し、2段目の噛み合い部5のネジ部5aを雌ネジ部5aとして構成してもよい。
【0033】
繰り出し容器1は、操作部4に着脱できるオーバーキャップ10を有し、オーバーキャップ10は、着脱部6が最も繰り入れられた状態で、繰り出し口2aを覆うように操作部4に取り付けられ得る。上記構成によれば、オーバーキャップ10によって内容物6aを保護できる。
【0034】
操作部4は、外周壁部2の内周面に軸線Oを中心に回転できるように保持されるシャフト部材4aと、シャフト部材4aに保持される摘み部材4bと、摘み部材4bに保持され、オーバーキャップ10を着脱できるスリーブ部材4cとを有する。上記構成によれば、操作部4を簡単に形成できる。
【0035】
スライド部3は、筒部材11を介して操作部4に連結され、筒部材11の外周面は2段目の噛み合い部5のネジ部5aを有し、筒部材11の内周面は1段目の噛み合い部5の凸部5bを有し、スライド部3は2段目の噛み合い部5の凸部5bを有し、操作部4は1段目の噛み合い部5のネジ部5aを有する。上記構成によれば、2段の噛み合い部5を簡単に形成できる。
【0036】
外周壁部2の内周面は案内部2bを有し、スライド部3は、案内部2bによって回転が規制された状態で軸方向のどちら側にも案内される被案内部3cを有する。上記構成によれば、簡単な構造により、スライド部3を外周壁部2に対して回転が規制された状態で軸方向のどちら側にも移動できるように外周壁部2の内周面に保持できる。
【0037】
外周壁部2は軸方向の全長に亘って円筒状をなし、案内部2bは軸方向に沿って伸びる複数の溝又はリブからなり、被案内部3cは、案内部2bによって軸方向に案内されるように案内部2bに嵌合する。上記構成によれば、外周壁部2を簡単に形成できる。
【0038】
スライド部3は、受け面3bを有する天壁と、天壁から繰り入れ方向に伸びる外側周壁と、外側周壁よりも径方向内側で天壁から繰り入れ方向に伸びる内側周壁とを有し、外側周壁の外周面は被案内部3cを有し、内側周壁の内周面によって2段目の噛み合い部5(本実施形態では凸部5b)が形成される。
【0039】
内容物支持部6b、スライド部3、シャフト部材4a、摘み部材4b、スリーブ部材4c及び筒部材11はそれぞれ、例えば合成樹脂によって形成される。
【0040】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 繰り出し容器
2 外周壁部
2a 繰り出し口
2b 案内部
3 スライド部
3a 保持部
3b 受け面
3c 被案内部
4 操作部
4a シャフト部材
4b 摘み部材
4c スリーブ部材
5 噛み合い部
5a ネジ部
5b 凸部
6 着脱部
6a 内容物
6b 内容物支持部
7 蓋
8 乗り越え部
9 規制突起部
9a 突起
10 オーバーキャップ
11 筒部材
O 軸線
Sh ネジ山高さ
Sw ネジ山幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9