IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図1
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図2
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図3
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図4
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図5
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図6
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図7
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図8
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図9
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図10
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図11
  • 特開-半導体装置およびその製造方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122407
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/10 20230101AFI20240902BHJP
   H10B 41/30 20230101ALI20240902BHJP
   H10B 41/20 20230101ALI20240902BHJP
   H10B 43/20 20230101ALI20240902BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240902BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
H10B43/10
H10B41/30
H10B41/20
H10B43/20
H01L29/78 371
H01L21/82 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029931
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】武木田 秀人
【テーマコード(参考)】
5F064
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F064AA13
5F064BB12
5F064BB15
5F064EE23
5F064EE26
5F064EE43
5F064EE45
5F083EP17
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP33
5F083EP34
5F083GA03
5F083GA10
5F083JA37
5F083KA05
5F083KA06
5F083KA10
5F083KA11
5F083KA12
5F083LA12
5F083ZA01
5F101BA41
5F101BD16
5F101BD34
5F101BF08
5F101BH23
(57)【要約】
【課題】配線に起因するメモリセルの性能の悪化を抑制可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイの下方に設けられ、第1方向に延びる複数の第1ビット線を含む第1配線層と、前記メモリセルアレイの下方に設けられ、前記第1方向と異なる第2方向に延びる複数の第1ソース線を含み、前記第1配線層と異なる第2配線層とを備える。前記装置はさらに、前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第2方向に延びる複数の第2ソース線を含む第3配線層と、前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第1方向に延びる複数の第2ビット線を含み、前記第3配線層と異なる第4配線層とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイの下方に設けられ、第1方向に延びる複数の第1ビット線を含む第1配線層と、
前記メモリセルアレイの下方に設けられ、前記第1方向と異なる第2方向に延びる複数の第1ソース線を含み、前記第1配線層と異なる第2配線層と、
前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第2方向に延びる複数の第2ソース線を含む第3配線層と、
前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第1方向に延びる複数の第2ビット線を含み、前記第3配線層と異なる第4配線層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第2配線層は、前記第1配線層より高い位置に設けられ、前記第4配線層は、前記第3配線層より高い位置に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2方向は、前記第1方向と垂直である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記メモリセルアレイは、前記第1および第2方向と異なる第3方向に交互に積層された複数の電極層および複数の絶縁膜を含む積層膜を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の電極層は、
ワード線を含む第1電極層と、
前記第1電極層の下方に設けられ、ソース側選択線およびドレイン側選択線を含む第2電極層と、
前記第1電極層の上方に設けられ、ソース側選択線およびドレイン側選択線を含む第3電極層と、
を含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記メモリセルアレイは、前記積層膜内に設けられ、電荷蓄積層と半導体層とを含み、前記第3方向に延びる複数の柱状部をさらに含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の柱状部は、
前記第1ビット線および前記第2ソース線と電気的に接続された第1柱状部と、
前記第2ビット線および前記第1ソース線と電気的に接続された第2柱状部と、
を含む、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記メモリセルアレイは、
前記積層膜内に設けられ、前記第2方向に延びる複数の第1絶縁膜と、
前記積層膜内に設けられ、前記第1絶縁膜間で前記第2方向に延び、前記複数の柱状部のうちの第3柱状部と接する第2絶縁膜と、
をさらに含む、請求項6に半導体装置。
【請求項9】
前記メモリセルアレイの下方に設けられ、前記第1ビット線に電気的に接続された第1トランジスタと、
前記メモリセルアレイの下方に設けられ、前記第2ビット線に電気的に接続された第2トランジスタと、
をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1および第2トランジスタは、同じ基板上に設けられている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1トランジスタは、前記基板の上方に設けられた第1パッドと、前記第1パッド上に設けられた第2パッドとを介して、前記第1ビット線と電気的に接続されており、
前記第2トランジスタは、前記基板の上方に設けられた第3パッドと、前記第3パッド上に設けられた第4パッドとを介して、前記第2ビット線と電気的に接続されている、
請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
第1基板上にメモリセルアレイを形成し、
前記メモリセルアレイの上方に、第1方向に延びる複数の第1ビット線を含む第1配線層と、前記第1方向と異なる第2方向に延びる複数の第1ソース線を含み、前記第1配線層と異なる第2配線層とを形成し、
前記第1基板を、前記メモリセルアレイ、前記第1配線層、および前記第2配線層を介して第2基板と貼り合わせて、前記第1基板を前記第2基板上に配置し、
前記第1基板を前記第2基板と貼り合わせた後に、前記第1基板を除去し、
前記第1基板の除去後に、前記メモリセルアレイの上方に、前記第2方向に延びる複数の第2ソース線を含む第3配線層と、前記第1方向に延びる複数の第2ビット線を含み、前記第3配線層と異なる第4配線層とを形成する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2配線層は、前記第1配線層の形成前に形成され、前記第4配線層は、前記第3配線層の形成後に形成される、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第2方向は、前記第1方向と垂直である、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記メモリセルアレイは、前記第1および第2方向と異なる第3方向に交互に積層された複数の電極層および複数の絶縁膜を含む積層膜を含むように形成される、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記メモリセルアレイは、前記積層膜内に設けられ、電荷蓄積層と半導体層とを含み、前記第3方向に延びる複数の柱状部をさらに含むように形成される、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1基板を前記第2基板と貼り合わせる前に、前記第2基板上に第1トランジスタおよび第2トランジスタを形成することをさらに含み、
前記第1トランジスタは、前記第1ビット線に電気的に接続され、
前記第2トランジスタは、前記第2ビット線に電気的に接続される、
請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1基板は、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを介して前記第2基板と貼り合わされる、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元メモリの配線間のピッチを短くすると、3次元メモリのメモリセルの性能が悪化するおそれがある。例えば、ビット線間のピッチを短くすると、各ビット線の寄生容量が大きくなり、メモリセルの書込性能や読出性能が悪化するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開US2016/0141301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配線に起因するメモリセルの性能の悪化を抑制可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイの下方に設けられ、第1方向に延びる複数の第1ビット線を含む第1配線層と、前記メモリセルアレイの下方に設けられ、前記第1方向と異なる第2方向に延びる複数の第1ソース線を含み、前記第1配線層と異なる第2配線層とを備える。前記装置はさらに、前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第2方向に延びる複数の第2ソース線を含む第3配線層と、前記メモリセルアレイの上方に設けられ、前記第1方向に延びる複数の第2ビット線を含み、前記第3配線層と異なる第4配線層とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図2】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
図3】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第1実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
図4】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図5】第1実施形態の半導体装置の構成を示すブロック図である。
図6】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
図7】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
図8】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
図10】第2実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第2実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
図11】第3実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第3実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
図12】第4実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第4実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1図12において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0009】
本実施形態の半導体装置は例えば、3次元メモリを備える半導体チップである。本実施形態の半導体装置は、後述するように、回路チップ1を含む回路ウェハと、アレイチップ2を含むアレイウェハとを貼り合わせることにより製造される。図1は、回路チップ1とアレイチップ2との貼合面Sを示している。アレイチップ2は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを備え、回路チップ1は、メモリセルアレイの動作を制御するCMOS回路を備える。
【0010】
回路チップ1は、基板11と、複数のトランジスタ12と、層間絶縁膜13と、複数のコンタクトプラグ14と、複数のビアプラグ15a~15eと、複数の配線層16a~16eと、複数の金属パッド17とを備える。さらに、各トランジスタ12は、ゲート絶縁膜12aと、ゲート電極12bと、拡散層12cと、拡散層12dとを含む。
【0011】
アレイチップ2は、層間絶縁膜21と、積層膜22と、層間絶縁膜23と、複数の金属パッド24と、複数のビアプラグ25a~25gと、複数の配線層26a~26gと、複数のコンタクトプラグ27a~27eと、複数の柱状部28とを備える。さらに、積層膜22は、複数の電極層31と、複数の絶縁膜32とを含む。さらに、各柱状部28は、メモリ絶縁膜33と、チャネル半導体層34と、コア絶縁膜35と、コア半導体層36と、コア半導体層37とを含む。配線層26b、26c、26d、26eはそれぞれ、第1、第2、第3、および第4配線層の例である。チャネル半導体層34、コア半導体層36、およびコア半導体層37は、半導体層の例である。
【0012】
基板11は例えば、Si(シリコン)基板などの半導体基板である。図1は、基板11の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板11の表面に垂直なZ方向とを示している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差している。この明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向と一致していなくてもよい。Y方向は第1方向の例であり、X方向は第2方向の例であり、Z方向は第3方向の例である。図1はさらに、基板11内や基板11上の領域R1~R4を示している。領域R1~R4の詳細については、後述する。
【0013】
各トランジスタ12は、基板11上に順に形成されたゲート絶縁膜12aおよびゲート電極12bと、基板11内に形成された拡散層12c、12dとを含む。拡散層12c、12dの一方はソース領域として機能し、拡散層12c、12dの他方はドレイン領域として機能する。回路チップ1は、基板11上に複数のトランジスタ12を備え、これらのトランジスタ12は、上記のCMOS回路を構成している。このCMOS回路は、例えばセンスアンプ(S/A)やワード線スイッチ(WLSW)を含む。
【0014】
層間絶縁膜13は、トランジスタ12を覆うように基板11上に形成されている。層間絶縁膜13は例えば、SiO膜(シリコン酸化膜)とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0015】
各コンタクトプラグ14は、対応するトランジスタ12のゲート電極12b、拡散層12c、または拡散層12d上に形成されている。ビアプラグ15a~15eおよび配線層16a~16eは、コンタクトプラグ14上に、配線層16a、ビアプラグ15a、配線層16b、ビアプラグ15b、配線層16c、ビアプラグ15c、配線層16d、ビアプラグ15d、配線層16e、およびビアプラグ15eの順に形成されている。配線層16a~16eの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含む。
【0016】
各金属パッド17は、層間絶縁膜13内において、対応するビアプラグ15e上に配置されている。各金属パッド17は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。
【0017】
層間絶縁膜21は、層間絶縁膜13上に形成されている。層間絶縁膜21は例えば、SiO膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0018】
積層膜22は、層間絶縁膜21内に設けられており、Z方向に交互に積層された複数の電極層31および複数の絶縁膜32を含む。これらの電極層31は、Z方向に互いに離間している。これらの電極層31は、例えば複数のワード線や複数の選択線を含む。各電極層31は例えば、W(タングステン)層を含む金属層である、各絶縁膜32は例えば、SiO膜である。積層膜22は、柱状部28などと共に、上記のメモリセルアレイを構成している。積層膜22は、領域R1~R3内に配置されており、領域R3内に階段構造部を含む。本実施形態の積層膜22は、下層を構成する複数の絶縁膜32と、上層を構成する複数の絶縁膜32と、下層と上層との間に設けられた厚膜の絶縁膜32とを含む。
【0019】
層間絶縁膜23は、層間絶縁膜21上に形成されている。層間絶縁膜23は例えば、SiO膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0020】
各金属パッド24は、層間絶縁膜21内において、対応する金属パッド17上に配置されている。各金属パッド24は例えば、Cu層を含む金属層である。
【0021】
ビアプラグ25a~25bおよび配線層26a~26bは、層間絶縁膜21内で金属パッド24上にビアプラグ25a、配線層26a、ビアプラグ25b、および配線層26bの順に形成されている。配線層26aは、積層膜22の下方に配置されており、配線層26bは、積層膜22の下方で配線層26aよりも高い位置に配置されている。配線層26a~26bの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含む。
【0022】
配線層26bは、領域R1~R2内に、Y方向に延び、X方向に互いに隣接する複数のビット線BL1を含む。これらのビット線BL1は、第1ビット線の例である。図1は、これらのビット線BL1のうちの8本を例示している。各ビット線BL1は、S/A内のトランジスタ12と電気的に接続されている。図1では、1本のビット線BL1が、1対の金属パッド17、24を介して、領域R1内のトランジスタ12と電気的に接続されている。このトランジスタ12は第1トランジスタの例であり、これらの金属パッド17、24は第1および第2パッドの例である。
【0023】
ビアプラグ25cは、層間絶縁膜21内で配線層26b上に形成されており、領域R3内に配置されている。ビアプラグ25dは、層間絶縁膜21内で配線層26b上に形成されており、領域R4内に配置されている。
【0024】
配線層26cは、層間絶縁膜21内に形成されており、積層膜22の下方で配線層26bよりも高い位置に配置されている。配線層26cは、配線層26a~26bと同様に、複数の配線を含む。
【0025】
配線層26cは、領域R2内に、X方向に延び、Y方向に互いに隣接する複数のソース線SL1を含む。これらのソース線SL1は、第1ソース線の例である。図1は、これらのソース線SL1のうちの1本を例示している。
【0026】
各コンタクトプラグ27aは、対応するビット線BL1上に形成されており、対応する柱状部28と電気的に接続されている。図1は、4本のビット線BL1上にそれぞれ形成された4つのコンタクトプラグ27aを例示している。これらのコンタクトプラグ27aはそれぞれ、4つの柱状部28と電気的に接続されている。
【0027】
各コンタクトプラグ27bは、対応するソース線SL1上に形成されており、対応する柱状部28と電気的に接続されている。図1は、1本の同じソース線SL1上に形成された4つのコンタクトプラグ27bを例示している。これらのコンタクトプラグ27bはそれぞれ、4つの柱状部28と電気的に接続されている。
【0028】
各コンタクトプラグ27cは、配線層26b上に形成されており、対応する電極層31と電気的に接続されている。図1は、配線層26b内の1本の配線上に形成された1つのコンタクトプラグ27cを例示している。このコンタクトプラグ27cは、1つの電極層31と電気的に接続されている。
【0029】
配線層26dは、層間絶縁膜23内に形成されており、積層膜22の上方に配置されている。配線層26dは、配線層26a~26cと同様に、複数の配線を含む。
【0030】
配線層26dは、領域R1内に、X方向に延び、Y方向に互いに隣接する複数のソース線SL2を含む。これらのソース線SL2は、第2ソース線の例である。図1は、これらのソース線SL2のうちの1本を例示している。
【0031】
ビアプラグ25eおよび配線層26e~26fは、層間絶縁膜23内でコンタクトプラグ27d上に配線層26e、ビアプラグ25e、および配線層26fの順に形成されている。配線層26eは、積層膜22の上方で配線層26dより高い位置に配置されており、配線層26fは、積層膜22の上方で配線層26eより高い位置に配置されている。配線層26e~26fの各々は、1つの配線層内に複数の配線を含む。
【0032】
配線層26eは、領域R1~R2内に、Y方向に延び、X方向に互いに隣接する複数のビット線BL2を含む。これらのビット線BL2は、第2ビット線の例である。図1は、これらのビット線BL2のうちの8本を例示している。各ビット線BL2は、S/A内のトランジスタ12と電気的に接続されている。図1では、1本のビット線BL2が、1対の金属パッド17、24を介して、領域R2内のトランジスタ12と電気的に接続されている。このトランジスタ12は第2トランジスタの例であり、これらの金属パッド17、24は第3および第4パッドの例である。
【0033】
各コンタクトプラグ27dは、対応するビット線BL2下に形成されており、対応する柱状部28と電気的に接続されている。図1は、4本のビット線BL2下にそれぞれ形成された4つのコンタクトプラグ27dを例示している。これらのコンタクトプラグ27dはそれぞれ、4つの柱状部28と電気的に接続されている。
【0034】
各コンタクトプラグ27eは、対応するソース線SL2上に形成されており、対応する柱状部28と電気的に接続されている。図1は、1本の同じソース線SL2下に形成された4つのコンタクトプラグ27eを例示している。これらのコンタクトプラグ27eはそれぞれ、4つの柱状部28と電気的に接続されている。
【0035】
ビアプラグ25fは、層間絶縁膜23内でビアプラグ25c上に形成されており、領域R3内に配置されている。ビアプラグ25gは、層間絶縁膜23内でビアプラグ25d上に形成されており、領域R4内に配置されている。ビアプラグ25gはさらに、配線層26fと電気的に接続されている。
【0036】
配線層26gは、層間絶縁膜23内に形成されており、積層膜22の上方で配線層26fよりも高い位置に配置されている。配線層26gは、配線層26a~26fと同様に、複数の配線を含む。配線層26gは例えば、領域R3内に、ボンディングパッドPとして機能する配線を含む。ボンディングパッドPは、ビアプラグ25f上に配置されている。
【0037】
各柱状部28は、積層膜22内に形成され、Z方向に延びる柱状の形状を有する。各柱状部28は、積層膜22内に順に設けられたメモリ絶縁膜33、チャネル半導体層34、およびコア絶縁膜35と、コア絶縁膜35下に設けられたコア半導体層36と、コア絶縁膜35上に設けられたコア半導体層37とを含む。チャネル半導体層34は、例えばポリシリコン層である。コア絶縁膜35は、例えばSiO膜である。コア半導体層36、37は、例えばポリシリコン層である。コア半導体層36、37は、チャネル半導体層34と電気的に接続されている。各柱状部28は、電極層32などと共に、複数のメモリセルを構成している。本実施形態の各柱状部28は、上述した厚膜の絶縁膜32内に、ジョイント部Jを含む。
【0038】
図1に示す領域R1内では、各柱状部28のチャネル半導体層34およびコア半導体層36、37が、対応するビット線BL1と、対応するソース線SL2とに電気的に接続されている。この柱状部28は、第1柱状部の例である。さらに、図1に示す領域R2内では、各柱状部28のチャネル半導体層34およびコア半導体層36、37が、対応するビット線BL2と、対応するソース線SL1とに電気的に接続されている。この柱状部28は、第2柱状部の例である。
【0039】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、積層膜22の下方に配置されたビット線BL1だけでなく、積層膜22の上方に配置されたビット線BL2も含む。よって、本実施形態によれば、積層膜22の下方のみにビット線を配置する場合や、積層膜22の上方のみにビット線を配置する場合に比べ、ビット線BL1間のピッチや、ビット線BL2間のピッチを長くすることが可能となる。これにより、ビット線BL1、BL2の寄生容量を小さくすることが可能となり、メモリセルの書込性能や読出性能を向上させることが可能となる。本実施形態の半導体装置はさらに、積層膜22の上方に配置されたソース線SL1だけでなく、積層膜22の下方に配置されたソース線SL2も含む。
【0040】
なお、ビット線BL1、BL2やソース線SL1、SL2は、図1に示すレイアウトと異なるレイアウトで配置されていてもよい。例えば、ビット線BL1間のピッチは、図1に示すように一定でもよいし、あるいは一定でなくてもよい。また、領域R2内のビット線BL1の密度は、領域R1内のビット線BL1の密度と異なっていてもよい。以上は、ビット線BL2についても同様である。また、各柱状部28は、図1ではビット線BL1およびビット線BL2のいずれか一方のみに電気的に接続されているが、少なくとも1つの柱状部28は、ビット線BL1およびビット線BL2の両方に電気的に接続されていてもよい。この場合、1つの柱状部28に電気的に接続されたビット線BL1およびビット線BL2は、S/A内の同じトランジスタ12と電気的に接続されていてもよい。
【0041】
図2は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【0042】
図2は、領域R1内の複数の柱状部28のうちの1つと、領域R2内の複数の柱状部28のうちの1つとを示している。図2に示す各柱状部28は、メモリ絶縁膜33、チャネル半導体層34、コア絶縁膜35、およびコア半導体層36、37(図示せず)を含み、メモリ絶縁膜33は、積層膜22内に順に設けられたブロック絶縁膜33a、電荷蓄積層33b、およびトンネル絶縁膜33cを含む。ブロック絶縁膜33aは例えば、SiO膜である。電荷蓄積層33bは例えば、SiN膜(シリコン窒化膜)である。トンネル絶縁膜33cは例えば、SiO膜である。
【0043】
図2はさらに、図1と同様に、積層膜22内に含まれる複数の電極層31および複数の絶縁膜32を示している。領域R1内では、最上位の2つの電極層31が、ソース側選択線SGSとして機能し、最下位の2つの電極層32が、ドレイン側選択線SGDとして機能し、その他の複数の電極層32が、ワード線WLとして機能する。一方、領域R2内では、最下位の2つの電極層31が、ソース側選択線SGSとして機能し、最上位の2つの電極層32が、ドレイン側選択線SGDとして機能し、その他の複数の電極層32が、ワード線WLとして機能する。
【0044】
よって、本実施形態の各電極層31は、領域R1内の部分と、領域R1内の部分と分断された領域R2内の部分とを含む。例えば、最上位の電極層31は、ソース側選択線SGSとして機能する部分と、ソース側選択線SGSとして機能する部分とを含む。図2に示す電極層31は、第1、第2、および第3電極層の例である。ワード線WL、ソース側選択線SGS、およびドレイン側選択線SGDはそれぞれ、柱状部28と共に、セルトランジスタ(メモリセル)、ソース側選択トランジスタ、およびドレイン側選択トランジスタを構成している。
【0045】
本実施形態では、4つの電極層31が、ソース側選択線SGSおよびドレイン側選択線SGDを含んでいるが、ソース側選択線SGSおよびドレイン側選択線SGDを含む電極層31の個数は、4つ以外でもよい。
【0046】
図3は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第1実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
【0047】
図3(a)は、本実施形態の比較例の半導体装置を上から見た様子を示している。図3(b)は、本実施形態の半導体装置を上から見た様子を示している。図3(c)は、本実施形態の半導体装置を下から見た様子を示している。
【0048】
図3(b)は、本実施形態の領域R1内の積層膜22を示している。図3(b)はさらに、積層膜22内に形成された複数のスリットSTのうちの2つと、積層膜22内に形成された複数の溝SHEのうちの1つとを示している。各スリットSTは、積層膜22をZ方向に貫通しており、X方向に延びている。各溝SHEは、積層膜22に含まれる一部の電極層31を貫通しており、スリットST間をX方向に延びている。例えば、領域R1内の各溝SHEは、図2に示す領域R1内の2つのソース側選択線SGSを貫通している。
【0049】
図3(b)はさらに、各スリットST内に形成された埋込膜41と、各溝SHE内に形成された埋込絶縁膜42とを示している。埋込膜41は、各スリットSTの表面に形成された絶縁膜41aと、各スリットST内に絶縁膜41aを介して形成された配線層41bとを含む。絶縁膜41aは第1絶縁膜の例であり、絶縁膜42は第2絶縁膜の例である。なお、各スリットSTは、絶縁膜41aおよび配線層41bを含む代わりに、絶縁膜41aのみを含んでいてもよい。
【0050】
図3(b)はさらに、領域R1内の複数のビット線BL1、複数のソース線SL2、複数の柱状部28、および複数のコンタクトプラグ27aを示している。図3(b)は、ビット線BL1上にコンタクトプラグ27aを介して配置された柱状部28と、ソース線SL2下に配置された柱状部28と、絶縁膜42下に配置された柱状部28とを示している。絶縁膜42下では、各柱状部28の上面が、絶縁膜42の下面に接している。この柱状部28は、第3柱状部の例である。各ソース線SL2は、スリットSTと溝SHEとの間をX方向に延びている。
【0051】
図3(c)は、本実施形態の領域R2内の積層膜22を示している。図3(c)はさらに、積層膜22内に形成された複数のスリットSTのうちの2つと、積層膜22内に形成された複数の溝SHEのうちの1つとを示している。図3(c)に示すスリットSTは、図3(b)に示すスリットSTと同じものである。一方、図3(c)に示す溝SHEは、図3(b)に示す溝SHEと別のものである。図3(c)に示すスリットSTおよび溝SHEの形状や埋込膜は、図3(b)に示すスリットSTおよび溝SHEの形状や埋込膜と同様である。例えば、領域R2内の各溝SHEは、図2に示す領域R2内の2つのソース側選択線SGSを貫通している。
【0052】
図3(c)はさらに、領域R2内の複数のビット線BL2、複数のソース線SL1、複数の柱状部28、および複数のコンタクトプラグ27aを示している。図3(c)は、ビット線BL2下にコンタクトプラグ27dを介して配置された柱状部28と、ソース線SL1上に配置された柱状部28と、絶縁膜42上に配置された柱状部28とを示している。絶縁膜42上では、各柱状部28の下面が、絶縁膜42の上面に接している。この柱状部28も、第3柱状部の例である。各ソース線SL1は、スリットSTと溝SHEとの間をX方向に延びている。
【0053】
図3(a)は、本実施形態の比較例の領域R1内の積層膜22を示している。本比較例の半導体装置は、本実施形態の半導体装置と同様に、積層膜22や柱状部28を備える。ただし、本比較例の半導体装置は、ビット線BL1およびソース線SL2は含んでいるが、ビット線BL2およびソース線SL1は含んでいない。よって、本比較例のビット線BL1間のピッチは短くなっている(図3(a))。一方、本実施形態によれば、ビット線BL1だけでなくビット線BL2を設けることで、ビット線BL1間のピッチや、ビット線BL2間のピッチを長くすることが可能となる(図3(b)および図3(b))。
【0054】
図4は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0055】
図4(a)は、図3(c)に示すA-A’線に沿ったXZ断面図である。そのため、図4(a)は、図3(c)に示すソース線SL1などを示している。
【0056】
図4(b)は、図3(b)に示すB-B’線に沿ったXZ断面図である。そのため、図4(b)は、図3(b)に示すソース線SL2などを示している。
【0057】
図4(c)は、図3(b)に示すC-C’線に沿ったYZ断面図である。そのため、図4(c)は、図3(b)に示す絶縁膜42(溝SHE)などを示している。
【0058】
図5は、第1実施形態の半導体装置の構成を示すブロック図である。
【0059】
図5では、本実施形態の半導体装置が、メモリセルアレイ51、I/O(Input/Output)制御回路52、論理制御回路53、ステータスレジスタ54、アドレスレジスタ55、コマンドレジスタ56、制御回路57、レディー/ビジー回路58、電圧生成器59、ロウデコーダ61、センスアンプ62、データレジスタ63、およびカラムデコーダ64を備える。
【0060】
メモリセルアレイ51は、上述の積層膜22や柱状部28などにより形成されており、複数のメモリセルを含む。I/O制御回路52は、データ線DQ0-0~DQ7-0を介して入力信号や出力信号をコントローラ(図示せず)との間で授受する。論理制御回路53は、チップイネーブル信号BCE-0、コマンドラッチイネーブル信号CLE-0、アドレスラッチイネーブル信号ALE-0、ライトイネーブル信号BWE-0、リードイネーブル信号RE-0およびBRE-0を受信し、これらの信号に応じてI/O制御回路52や制御回路57の動作を制御する。
【0061】
ステータスレジスタ54は、リード動作、ライト動作、イレース動作などのステータスを格納し、これらの動作の完了をコントローラに通知するために使用される。アドレスレジスタ55は、I/O制御回路52がコントローラから受信したアドレス信号を格納するために使用される。コマンドレジスタ56は、I/O制御回路52がコントローラから受信したコマンド信号を格納するために使用される。
【0062】
制御回路57は、コマンドレジスタ56のコマンド信号に応じて、ステータスレジスタ54、レディー/ビジー回路58、電圧生成器59、ロウデコーダ61、センスアンプ62、データレジスタ63、およびカラムデコーダ64を制御して、リード動作、ライト動作、イレース動作などを行う。
【0063】
レディー/ビジー回路58は、制御回路57の動作条件に応じて、レディー/ビジー信号RY/BBY-0をコントローラに送信する。これにより、制御回路57がコマンドを受付可能か受付不能を通知することができる。電圧生成器59は、リード動作、ライト動作、イレース動作に必要な電圧を生成する。
【0064】
ロウデコーダ61は、ワード線WLに電圧を印加する。センスアンプ62は、ビット線BL1やビット線BL2に読み出されたデータを検知する。データレジスタ63は、I/O制御回路52やセンスアンプ62からのデータを格納するために使用される。カラムデコーダ64は、カラムアドレスをデコードし、デコード結果に基づいてデータレジスタ63内のラッチ回路を選択する。ロウデコーダ61、センスアンプ62、データレジスタ63、およびカラムデコーダ64は、メモリセルアレイ51に対するリード動作、ライト動作、イレース動作のインタフェースとして機能する。
【0065】
これらのブロックは、メモリセルアレイ51を除いて、上述のCMOS回路内に含まれており、トランジスタ12により形成されている。
【0066】
図6図9は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0067】
図6は、回路チップ1を含む回路ウェハW1と、アレイチップ2を含むアレイウェハW2とを示している。図6はさらに、回路ウェハW1の上面S1と、アレイウェハW2の上面S2とを示している。図6に示すアレイウェハW2の向きは、図1に示すアレイチップ2の向きと逆向きになっている。本実施形態の半導体装置は、上述のように、回路ウェハW1とアレイウェハW2とを貼り合わせることにより製造される。図6は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW2を示し、図7は、貼合のために向きを反転されて回路ウェハW1と貼り合わされた後のアレイウェハW2を示している。
【0068】
本実施形態の半導体装置は例えば、次のように製造される。まず、基板11上に、複数のトランジスタ12と、層間絶縁膜13と、複数のコンタクトプラグ14と、複数のビアプラグ15a~15eと、複数の配線層16a~16eと、複数の金属パッド17とを形成する(図6)。基板11は、第2基板の例である。また、基板71上に、層間絶縁膜21と、積層膜22と、複数の金属パッド24と、複数のビアプラグ25a~25dと、複数の配線層26a~26cと、複数のコンタクトプラグ27a~27cと、複数の柱状部28とを形成する(図6)。基板71は例えば、Si基板などの半導体基板である。基板71は、第1基板の例である。
【0069】
積層膜22は、上述した複数の電極層31および複数の絶縁膜32を含むように形成される。各柱状部28は、上述したメモリ絶縁膜33、チャネル半導体層34、コア絶縁膜35、コア半導体層36、およびコア半導体層37を含むように形成される。配線層26cは、積層膜22の上方に、複数のソース線SL1を含むように形成される。配線層26bは、配線層26cの形成後に、積層膜22の上方に、複数のビット線BL1を含むように形成される。よって、図6に示す配線層26bは、配線層26cよりも高い位置に形成されている。代わりに、配線層26bは、配線層26cの形成前に形成されてもよい。この場合、配線層26bは、図6にて配線層26cよりも低い位置に形成される。
【0070】
次に、図7に示すように、回路ウェハW1とアレイウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜13と層間絶縁膜21とが接着される。次に、回路ウェハW1およびアレイウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド17と金属パッド24とが接合される。
【0071】
次に、基板11をCMP(Chemical Mechanical Polishing)またはエッチングにより薄膜化する(図8)。また、基板71を、CMPまたはエッチングにより除去して、層間絶縁膜21、ビアプラグ25c~25d、および柱状部28を露出させる(図8)。
【0072】
次に、層間絶縁膜21上に、層間絶縁膜23と、複数のビアプラグ25e~25gと、複数の配線層26d~26gと、複数のコンタクトプラグ27d~27eとを形成する(図9)。
【0073】
配線層26dは、積層膜22の上方に、複数のソース線SL2を含むように形成される。配線層26eは、配線層26dの形成後に、積層膜22の上方に、複数のビット線BL2を含むように形成される。よって、図9に示す配線層26eは、配線層26dよりも高い位置に形成されている。代わりに、配線層26eは、配線層26dの形成前に形成されてもよい。この場合、配線層26eは、図9にて配線層26dよりも低い位置に形成される。
【0074】
その後、回路ウェハW1およびアレイウェハW2は、複数の半導体チップに切断(ダイシング)される。このようにして、図1に示す半導体装置が製造される。
【0075】
なお、図3(b)および図3(c)に示すスリットSTおよび埋込膜41は、図6の工程で形成される。例えば、積層膜22が、複数の犠牲層と複数の絶縁膜32とを交互に含むように形成され、その後に積層膜22内にスリットSTが形成され、スリットSTを用いて複数の犠牲層が複数の電極層31に置換され、その後にスリットST内に埋込膜41が形成される。各犠牲層は、例えばSiN膜である。また、図3(b)に示す溝SHEおよび埋込絶縁膜42は、例えば図9の工程で形成される。また、図3(c)に示す溝SHEおよび埋込絶縁膜42は、例えば図6の工程で形成される。
【0076】
また、図1は、層間絶縁膜13と層間絶縁膜21との境界面や、金属パッド17と金属パッド24との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、金属パッド17の側面の傾きや、金属パッド24の側面の傾きや、金属パッド17と金属パッド24との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0077】
以上のように、本実施形態の半導体装置は、積層膜22の下方に配置されたビット線BL1だけでなく、積層膜22の上方に配置されたビット線BL2も含む。さらに、本実施形態の半導体装置は、積層膜22の上方に配置されたソース線SL1だけでなく、積層膜22の下方に配置されたソース線SL2も含む。よって、本実施形態によれば、積層膜22の下方のみにビット線を配置する場合や、積層膜22の上方のみにビット線を配置する場合に比べ、ビット線BL1間のピッチや、ビット線BL2間のピッチを長くすることが可能となる。これにより、ビット線BL1、BL2の寄生容量を小さくすることが可能となり、メモリセルの書込性能や読出性能を向上させることが可能となる。
【0078】
(第2~第4実施形態)
図10は、第2実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第2実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
【0079】
図10(a)は、本実施形態の比較例の半導体装置を上から見た様子を示している。図10(b)は、本実施形態の半導体装置を上から見た様子を示している。図10(c)は、本実施形態の半導体装置を下から見た様子を示している。図10(a)~図10(c)はそれぞれ、図3(a)~図3(c)と対応している。
【0080】
図3(b)および図3(c)では、複数の柱状部28が、スリットST間で5つの柱状部28がY方向に互いに隣接するように配置されている(5連構造)。また、図3(b)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42下に配置されており、図3(c)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42上に配置されている。図3(b)に示す絶縁膜42下では、各柱状部28の上面の全体が、絶縁膜42の下面に接している。図3(c)に示す絶縁膜42上では、各柱状部28の下面の全体が、絶縁膜42の上面に接している。
【0081】
図10(b)および図10(c)では、複数の柱状部28が、スリットST間で4つの柱状部28がY方向に互いに隣接するように配置されている(4連構造)。また、図10(b)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42下に配置されており、図10(c)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42上に配置されている。図10(b)に示す絶縁膜42下では、各柱状部28の上面の一部のみが、絶縁膜42の下面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。図10(c)に示す絶縁膜42上では、各柱状部28の下面の一部のみが、絶縁膜42の上面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。
【0082】
図11は、第3実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第3実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
【0083】
図11(a)は、本実施形態の比較例の半導体装置を上から見た様子を示している。図11(b)は、本実施形態の半導体装置を上から見た様子を示している。図11(c)は、本実施形態の半導体装置を下から見た様子を示している。図11(a)~図11(c)はそれぞれ、図3(a)~図3(c)と対応している。
【0084】
図11(b)および図11(c)では、複数の柱状部28が、スリットST間で5つの柱状部28がY方向に互いに隣接するように配置されている(5連構造)。また、図11(b)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42下に配置されており、図11(c)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42上に配置されている。図11(b)に示す絶縁膜42下では、各柱状部28の上面の一部のみが、絶縁膜42の下面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。図11(c)に示す絶縁膜42上では、各柱状部28の下面の一部のみが、絶縁膜42の上面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。
【0085】
図12は、第4実施形態の比較例の半導体装置の構造と、第4実施形態の半導体装置の構造とを示す平面図である。
【0086】
図12(a)は、本実施形態の比較例の半導体装置を上から見た様子を示している。図12(b)は、本実施形態の半導体装置を上から見た様子を示している。図12(c)は、本実施形態の半導体装置を下から見た様子を示している。図12(a)~図12(c)はそれぞれ、図3(a)~図3(c)と対応している。
【0087】
図12(b)および図12(c)では、複数の柱状部28が、スリットST間で4つの柱状部28がY方向に互いに隣接するように配置されている(6連構造)。また、図12(b)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42下に配置されており、図12(c)に示す複数の柱状部28のうちのいくつかは、絶縁膜42上に配置されている。図12(b)に示す絶縁膜42下では、各柱状部28の上面の一部のみが、絶縁膜42の下面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。図12(c)に示す絶縁膜42上では、各柱状部28の下面の一部のみが、絶縁膜42の上面に接している。この柱状部28の側面の一部は、絶縁膜42に接している。
【0088】
このように、柱状部28の配置は、4連構造、5連構造、および6連構造にいずれでもよく、さらにはN連構造(Nは4、5、および6以外の正の整数)でもよい。第2~第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、積層膜22の下方のみにビット線を配置する場合や、積層膜22の上方のみにビット線を配置する場合に比べ、ビット線BL1間のピッチや、ビット線BL2間のピッチを長くすることが可能となる。なお、図12(b)および図12(c)に示すように、ビット線BL1間のピッチと、ビット線BL2間のピッチは、互いに異なっていてもよい。
【0089】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0090】
1:回路チップ、2:アレイチップ、
11:基板、12:トランジスタ、12a:ゲート絶縁膜、12b:ゲート電極、
12c~12d:拡散層、13:層間絶縁膜、14:コンタクトプラグ、
15a~15e:ビアプラグ、16a~16e:配線層、17:金属パッド、
21:層間絶縁膜、22:積層膜、23:層間絶縁膜、24:金属パッド、
25a~25g:ビアプラグ、26a~26g:配線層、
27a~27e:コンタクトプラグ、28:柱状部、
31:電極層、32:絶縁膜、33:メモリ絶縁膜、33a:ブロック絶縁膜、
33b:電荷蓄積層、33c:トンネル絶縁膜、34:チャネル半導体層、
35:コア絶縁膜、36:コア半導体層、37:コア半導体層、
41:埋込膜、41a:絶縁膜、41b:配線層、42:埋込絶縁膜、
51:メモリセルアレイ、52:I/O制御回路、53:論理制御回路、
54:ステータスレジスタ、55:アドレスレジスタ、56:コマンドレジスタ、
57:制御回路、58:レディー/ビジー回路、59:電圧生成器、
61:ロウデコーダ、62:センスアンプ、
63:データレジスタ、64:カラムデコーダ、71:基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12