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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122409
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
B65G47/86 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029935
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】新清 誉
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA06
3F072AA14
3F072GB07
3F072GB10
3F072GC01
3F072GC09
3F072GE03
3F072GE05
3F072KB08
3F072KB18
3F072KC02
3F072KC07
3F072KC14
3F072KC18
3F072KE18
(57)【要約】
【課題】ワークを吸引して保持した状態で搬送する搬送装置であって、ワークをスムーズに受け取ることができ、受け取ったワークを容易に離すことができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置は、ワーク2を吸引して保持した状態で搬送する搬送装置であって、ワーク2を吸引可能な吸引口14と、吸引口14と連通する経路15と、経路15を介して吸引口14と連通する開口16とを有し、開口16が外部に開口しており、ワーク2が保持される搬送体6と、経路15を介して吸引口14につながれる吸引装置7と、開口16及び経路15を介して吸引口14につながれる補助吸引装置8と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを吸引して保持した状態で搬送する搬送装置であって、
前記ワークを吸引可能な吸引口と、前記吸引口と連通する経路と、前記経路を介して前記吸引口と連通する開口とを有し、前記開口が外部に開口しており、前記ワークが保持される搬送体と、
前記経路を介して前記吸引口につながれる吸引装置と、
前記開口及び前記経路を介して前記吸引口につながれる補助吸引装置と、を備える搬送装置。
【請求項2】
前記搬送体は、円盤状で、複数の前記経路を有しており、
複数の前記経路はそれぞれ、
前記吸引口を有し、前記吸引装置がつながれ、前記ワークを吸引可能な吸引路と、
前記吸引路に開口する連通口と、前記搬送体の両主面のうちの一方の主面に開口する前記開口とを有し、前記開口に前記補助吸引装置がつながれ、前記吸引路を介して前記ワークを吸引可能な空気流路とを有し、
前記搬送体は、前記補助吸引装置に連通する補助ノズルに対して前記一方の主面が摺動するように、前記搬送体の軸線まわりの回転と回転の停止とが繰り返される間欠回転可能とされており、
前記搬送体の間欠回転中の停止時ごとに、前記補助ノズルとつながれる前記開口が入れ替わる、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記補助ノズルを付勢する付勢手段を更に備え、
前記補助ノズルは、前記付勢手段によって、前記一方の主面に押し当てられるように付勢されている、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送体に保持された前記ワークを撮像するセンサと、
前記搬送体から前記ワークを排出する排出装置と、を更に備え、
前記排出装置は、前記センサによって撮像された画像に基づいて制御される、請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関し、特に、電子部品などのワークを吸引して保持した状態で搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、2つの搬送装置の間で小物物品の受け渡しを可能にする技術が開示されている。2つの搬送装置はそれぞれ、一対の回転ディスクの間の間隙をスリットとする可動対向板と、可動対向板の内側に吸気する吸引手段とを備えている。搬送装置は、吸引手段による吸引によってスリットに負圧がかかり、スリットから外気を吸引できる。スリットに小物物品を接近又は接触させると、小物物品は、負圧によって可動対向板に吸着されて保持される。
【0003】
このような構成の搬送装置の間で小物物品の受け渡しを行うには、搬送装置の吸引手段が用いられる。具体的には、一方の搬送装置から他方の搬送装置に小物物品を受け渡す場合には、小物物品は、他方の搬送装置の吸引手段による吸引によって、一方の搬送装置から他方の搬送装置に受け渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6-88656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の場合、小物物品の受け渡しをスムーズに行うために、安定した保持のため一方の搬送装置の吸引手段の吸引力を強くすると、一方の搬送装置が小物物品を保持する力が強くなりすぎてしまう。この場合、一方の搬送装置から小物物品を離しにくいという不具合が生じるおそれがある。または、スムーズな受け渡しのため異一方の方の搬送装置の吸引手段の吸引力を弱くすると、一方の搬送装置に小物物品を吸引することはできるものの、安定して保持できないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ワークを吸引して安定して保持した状態で搬送する搬送装置であって、ワークをスムーズに受け取ることができ、受け取ったワークを容易に離すことができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の搬送装置は、ワークを吸引して保持した状態で搬送する搬送装置であって、前記ワークを吸引可能な吸引口と、前記吸引口と連通する経路と、前記経路を介して前記吸引口と連通する開口とを有し、前記開口が外部に開口しており、前記ワークが保持される搬送体と、前記経路を介して前記吸引口につながれる吸引装置と、前記開口及び前記経路を介して前記吸引口につながれる補助吸引装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワークを吸引して保持した状態で搬送する搬送装置であって、ワークをスムーズに受け取ることができ、受け取ったワークを容易に離すことができる搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の使用状態を示す概略正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る搬送装置の使用状態を示す概略平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る搬送装置の概略背面図であり、一部を拡大して示している。
図4】本発明の一実施形態に係る搬送装置の吸引動作を示す側面視概略縦断面図であり、一部を拡大して示している。
図5】本発明の一実施形態に係る搬送装置の排出動作を示す側面視概略縦断面図であり、一部を拡大して示している。
図6】電子部品であるワークの概略斜視図である。
図7図6のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の使用状態を示す概略正面図である。図2は、図1の搬送装置の使用状態を示す概略平面図である。図3は、図1の搬送装置の概略背面図であり、一部を拡大して示している。図4は、図1の搬送装置の吸引動作を示す側面視概略縦断面図であり、一部を拡大して示している。本実施形態の搬送装置1は、ワーク2を吸引して保持した状態で搬送する搬送装置である。図示例では、ワーク2は、従来公知の搬送機構であるターンテーブル3によって搬送装置1に搬送される。
【0012】
図1及び図2に示すように、ターンテーブル3は、平面視円形状で、基台4に設けられる。ターンテーブル3は、ターンテーブル3の上下方向に沿う軸線まわりに回転可能である。ターンテーブル3は、モータなどの図示しない駆動手段によって回転させることができる。ターンテーブル3は、例えば、ガラステーブルである。
【0013】
ターンテーブル3上のワーク2は、図示しない吸引装置によって、ターンテーブル3に保持される。吸引装置は、例えば、真空ポンプである。吸引装置は、ターンテーブル3内に設けられる図示しない吸引路につながれる。吸引路は、ワーク2を吸引可能な吸引口を有している。このような構成であるので、ターンテーブル3上のワーク2は、吸引路を介して吸引装置によって吸引されることで、ターンテーブル3に保持することができる。ワーク2をターンテーブル3に保持する方法は、上述した吸引による方法に限定されるものではなく、例えば、ワーク2をターンテーブル3に静電吸着する方法であってもよい。なお、ターンテーブル3は、ワーク2を保持するための機構を設けなくてもよい。
【0014】
図2に示すように、ワーク2は、ワーク供給部5によってターンテーブル3に搬送される。ワーク供給部5は、例えば、従来公知のリニアフィーダである。リニアフィーダは、複数のワーク2を順次に直線的に搬送する。リニアフィーダには、リニアフィーダに振動を与える振動機構が設けられる。振動機構としては、例えば、電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。リニアフィーダは、振動機構によって振動させることで、ワーク2を搬送することができる。
【0015】
ワーク供給部5には、従来公知の図示しないボールフィーダによってワーク2が供給される。ボールフィーダは、ボールフィーダに振動を与える振動機構が設けられる。振動機構としては、例えば、電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。ボールフィーダは、振動機構によって振動させることで、ワーク2を螺旋状に搬送することができる。
【0016】
このような構成であるので、複数のワーク2は、ボールフィーダによってワーク供給部5に順次に搬送された後、ワーク供給部5によってターンテーブル3に順次に搬送される。ターンテーブル3に搬送されたワーク2は、吸引装置によってターンテーブル3に保持される。ターンテーブル3にワーク2が保持された状態で、駆動手段によってターンテーブル3を回転させることで、複数のワーク2は、搬送装置1に順次に搬送される。図1から図4に示すように、本実施形態の搬送装置1は、搬送体6、吸引装置7及び補助吸引装置8を備える。
【0017】
搬送体6は、円盤状である。具体的には、搬送体6は、互いに対向する一対の主面9,10と、一対の主面9,10の間に位置する外周面11とを有している。図3の図示例では、搬送体6は、複数の歯12を有している。複数の歯12は、外周面11に周方向等間隔に配置されている。複数の歯12を有する搬送体6は、円盤状の歯車である。
【0018】
搬送体6は、中空状の筐体13に設けられる。搬送体6が筐体13に設けられた状態において、搬送体6の軸線は、前後方向に沿っている。搬送体6は、筐体13に設けられた状態において、搬送体6の軸線まわりに回転可能である。搬送体6は、モータなどの図示しない駆動手段によって回転させることができる。駆動手段は、筐体13内に収容される。
【0019】
図1に示すように、搬送体6は、筐体13に設けられた状態において、筐体13の前側に位置している。ここでは、前後一対の主面9,10のうち、一方の主面9が筐体13に近い側である後側に位置し、他方の主面10が筐体13から遠い側である前側に位置しているとして説明する。
【0020】
図2から図4に示すように、搬送体6は、ワーク2を吸引可能な吸引口14と、吸引口14と連通する経路15と、経路15を介して吸引口14と連通する開口16とを有している。吸引口14は、搬送体6の外周面11に開口している。吸引口14は、搬送体6の外周面11に、搬送体6の周方向に沿って複数配置される。各吸引口14は、隣接する歯12,12の間において、搬送体6の外周面11に配置される。本実施形態では、吸引口14は、前側に位置する第1吸引口17と、後側に位置する第2吸引口18とを有している。経路15は、搬送体6の内部に配置される。経路15は、複数の吸引口14それぞれに対応するように、搬送体6に設けられる。すなわち、搬送体6は、複数の経路15を有している。複数の経路15は、搬送体6に放射状に配置される。開口16は、搬送体6の外部に開口している。開口16は、搬送体6の一方の主面9に開口している。開口16は、複数の吸引口14それぞれに対応するように、搬送体6に配置される。すなわち、搬送体6は、複数の開口16を有している。複数の開口16は、搬送体6の一方の主面9に、円環状に配置される。各開口16は、隣接する経路15,15の間において、搬送体6の一方の主面9に配置される。開口16は、吸引口14と搬送体6の中心とを結ぶ線から、搬送体6の周方向にずれた位置に配置される。なお、開口16は、搬送体6の他方の主面10に開口してもよい。
【0021】
本実施形態では、搬送体6は、複数の板材19を重ね合わせることで、円盤状に形成されている。この場合、吸引口14、経路15及び開口16は、所定の板材19の一部を切り欠くことで形成される。
【0022】
図3及び図4に示すように、複数の経路15はそれぞれ、ワーク2を吸引可能な吸引路20と、吸引路20を介してワーク2を吸引可能な空気流路21とを有している。吸引路20は、搬送体6の径方向に沿って延出している。吸引路20は、一端部に吸引口14を有している。前述したように、吸引口14は、第1吸引口17及び第2吸引口18を有している。そのため、吸引路20は、一端部に第1吸引口17を有する第1吸引路22と、一端部に第2吸引口18を有する第2吸引路23とを有している。第1吸引路22は、前側に位置し、第2吸引路23は、後側に位置している。図3に示すように、複数の吸引路20は、搬送体6に放射状に配置される。空気流路21は、一端部に連通口24を有している。連通口24は、吸引路20の中途部に開口している。図示例では、連通口24は、第1吸引路22に開口する第1連通口25と、第2吸引路23に開口する第2連通口26とを有している。空気流路21は、他端部に開口16を有している。開口16は、搬送体6の両主面9,10のうちの一方の主面9に開口している。第1連通口25、第2連通口26及び開口16を有する空気流路21は、第1連通口25から搬送体6の内方に延出する第1空気流路27と、第2連通口26から搬送体6の内方に延出する第2空気流路28と、搬送体6の板面に沿って延出する第3空気流路29と、開口16から搬送体6の内方に延出する第4空気流路30とを有している。第1空気流路27と第3空気流路29とは、互いに連通している。第2空気流路28と第3空気流路29とは、互いに連通している。第3空気流路29と第4空気流路30とは、互いに連通している。第4空気流路30は、第2吸引路23を貫通しているわけではなく、図4において、第2吸引路23の手前側に位置している。
【0023】
吸引装置7は、ワーク2を吸引する装置であって、例えば真空ポンプである。吸引装置7は、筐体13内に収容される。吸引装置7は、経路15を介して吸引口14につながれる。具体的には、吸引装置7は、吸引路20につながれる。本実施形態では、複数の吸引路20は、共通の吸引装置7につなげられる。吸引路20は、他端部に図示しない開口を有している。この開口は、搬送体6の一方の主面9に開口している。吸引装置7は、吸引路20の他端部の開口につながれる。これにより、吸引装置7は、吸引路20を介して吸引口14につながれる。前述したように、吸引路20は、第1吸引路22及び第2吸引路23を有している。第1吸引路22は、他端部に図示しない第1開口を有している。第2吸引路23は、他端部に図示しない第2開口を有している。第1開口及び第2開口は、搬送体6の一方の主面9に開口している。吸引路20が第1吸引路22及び第2吸引路23を有する場合、吸引路20の他端部の開口は、第1吸引路22の第1開口及び第2吸引路23の第2開口を有している。吸引装置7は、第1開口及び第2開口につながれる。これにより、吸引装置7は、第1吸引路22を介して第1吸引口17につながれるとともに、第2吸引路23を介して第2吸引口18につながれる。なお、第1開口及び第2開口は、共通の開口であってもよい。この場合、吸引装置7は、共通の開口につながれる。
【0024】
補助吸引装置8は、ワーク2を吸引する装置であって、例えば真空ポンプである。補助吸引装置8は、筐体13内に収容される。補助吸引装置8は、開口16及び経路15を介して吸引口14につながれる。具体的には、補助吸引装置8は、空気流路21の開口16につながれる。図示例では、補助吸引装置8に連通する補助ノズル31が開口16につながれる。補助ノズル31は、筐体13の内部に設けられる支持体32に取り付けられる。補助ノズル31は、内部にノズル吸引路33を有している。ノズル吸引路33は、ノズル31の先端部に開口する先端開口34と、ノズル31の基端部に開口する基端開口35とを有している。補助吸引装置8は、基端開口35につながれる。これにより、ノズル吸引路33は、補助吸引装置8と連通する。
【0025】
図示例では、本実施形態の搬送装置1は、補助ノズル31を付勢する付勢手段36を更に備える。付勢手段36は、例えば、弾性変形可能な円環状の部材である。この場合、付勢手段36は、軸方向に弾性変形可能である。付勢手段36は、補助ノズル31と支持体32との間に設けられる。具体的には、付勢手段36の軸方向一端部が補助ノズル31に接触するとともに、付勢手段36の軸方向他端部が支持体32に接触した状態で、付勢手段36は、補助ノズル31と支持体32との間に配置される。これにより、補助ノズル31は、付勢手段36によって、搬送体6の一方の主面9に押し当てられるように付勢されている。補助ノズル31が主面9に押し当てられることで、補助ノズル31は、空気流路21の開口16につながれる。補助ノズル31が開口16につながれると、ノズル吸引路33と空気流路21とは、先端開口34及び開口16を介して、互いに連通する。なお、付勢手段36はゴムなどであり、付勢手段36を介して外気に空気が漏れることはない。
【0026】
次に、本実施形態の搬送装置1の吸引動作について説明する。前述したように、ワーク2は、ターンテーブル3によって搬送装置1に搬送される。ターンテーブル3は、ワーク2を搬送する際、ターンテーブル3の軸線まわりの回転とその回転の停止とが繰り返される間欠回転する。ワーク2の搬送先である搬送装置1の搬送体6は、搬送体6の軸線まわりの回転とその回転の停止とが繰り返される間欠回転可能である。なお、間欠回転でなくても良い。
【0027】
ワーク2は、ターンテーブル3によって、搬送体6の外周面11に形成された吸引口14と対応する位置に搬送される。ワーク2が吸引口14と対応する位置に到達すると、吸引装置7及び補助吸引装置8によって、ターンテーブル3に保持されたワーク2は、搬送体6側に吸引される。吸引装置7は、第1吸引路22内を吸引するとともに、第2吸引路23内を吸引する。補助吸引装置8は、吸引路20と連通する空気流路21内を吸引する。従って、ターンテーブル3に保持されたワーク2は、吸引路20を介して吸引装置7によって吸引されるとともに、吸引路20及び空気流路21を介して補助吸引装置8によって吸引されることで、搬送体6に受け渡される。
【0028】
このような受け渡し動作を連続して行うには、搬送体6の間欠回転及びターンテーブル3の間欠回転を連続して行えばよい。これにより、複数のワーク2は、ターンテーブル3から搬送体6に順次に受け渡される。本実施形態の搬送装置1では、補助ノズル31は、複数の開口16のうち、実際にワーク2を吸引する吸引口14に連通した開口16を含む一部の複数の開口16につながれる。例えば、図3に示すように、補助ノズル31は、実際にワーク2を吸引する吸引口14に連通した開口16と、その開口16の両隣りに位置する開口16につながれる。そのため、補助ノズル31の先端開口34は、3つの開口16を覆うことができる大きさを有している。なお、複数の補助ノズル31それぞれを対応する開口16につなげてもよい。
【0029】
補助ノズル31は、搬送体6とともに回転しない。すなわち、搬送体6が回転する際、搬送体6の一方の主面9は、補助ノズル31に対して摺動する。これにより、補助ノズル31とつながる開口16は、搬送体6の間欠回転中の停止時ごとに入れ替わる。このような構成であるので、ワーク2が保持された搬送体6を回転させてワーク2を搬送している途中において、補助吸引装置8による吸引が解除される。補助吸引装置8による吸引が解除された後、ワーク2は、吸引装置7による吸引だけで、搬送体6に保持される。言い換えれば、補助吸引装置8による吸引は、ワーク2の受け渡し時に行うことができ、補助吸引装置8の吸引により吸引装置7の吸引が増強され安定して受け渡しされる。吸引装置7による吸引は、ワーク2の受け渡し時、及び搬送体6によるワーク2の搬送中に行われるので、常時行われている。ワーク2が保持された搬送体6を回転させることで、ワーク2は、所定の位置に搬送される。
【0030】
開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積よりも小さい。典型的には、開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積の1/2から1/4程度であるのが好ましい。特に、開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積の1/3程度であるのがより好ましい。開口16の開口面積が大きすぎると、補助吸引装置8による吸引時に吸気が漏れるおそれがあり、開口16の開口面積が小さすぎると、補助吸引装置8による吸引を十分に行うことができないおそれがある。
【0031】
図5は、図1の搬送装置の排出動作を示す側面視概略縦断面図であり、一部を拡大して示している。搬送体6によって搬送されたワーク2は、所定の位置で、搬送体6から排出される。そのため、本実施形態の搬送装置1は、搬送体6、吸引装置7及び排出装置37を備える。
【0032】
搬送体6は、前述したように、ワーク2を吸引可能な吸引路20を有している。搬送体6は、吸引路20に連通する空気流路21を有している。空気流路21は、一端部に連通口24を有している。連通口24は、吸引路20の中途部に開口している。図示例では、連通口24は、第1吸引路22に開口する第1連通口25と、第2吸引路23に開口する第2連通口26とを有している。空気流路21は、他端部に開口16を有している。開口16は、搬送体6の両主面9,10のうちの一方の主面9に開口している。第1連通口25、第2連通口26及び開口16を有する空気流路21は、第1連通口25から搬送体6の内方に延出する第1空気流路27と、第2連通口26から搬送体6の内方に延出する第2空気流路28と、搬送体6の板面に沿って延出する第3空気流路29と、開口16から搬送体6の内方に延出する第4空気流路30とを有している。第1空気流路27と第3空気流路29とは、互いに連通している。第2空気流路28と第3空気流路29とは、互いに連通している。第3空気流路29と第4空気流路30とは、互いに連通している。第4空気流路30は、第2吸引路23を貫通しているわけではなく、図5において、第2吸引路23の奥側に位置している。
【0033】
本実施形態の搬送装置1では、搬送体6にワーク2を吸引する場合と、搬送体6からワーク2を排出する場合とで、空気流路21の役割が異なる。搬送体6にワーク2を吸引する場合、空気流路21は、ワークを吸引する吸引路となる。搬送体6からワーク2を排出する場合、空気流路21は、後述するように、ワーク2の吸引時とは逆方向に空気を流すための流路となる。
【0034】
吸引装置7は、前述したように、吸引路20につながれる。吸引装置7は、吸引路20を介して吸引することで、搬送体6にワーク2を保持させることができる。吸引装置7によって搬送体6に保持されたワーク2は、後述する排出装置37によって、搬送体6から取り外される。
【0035】
排出装置37は、搬送体6からワーク2を排出する装置である。排出装置37は、筐体13内に収容される。排出装置37は、排出部47及び供給部48を有している。排出部47は、搬送体6に保持されたワーク2に圧縮空気を噴出することで、搬送体6からワーク2を排出することができる。排出部47は、例えばコンプレッサである。供給部48は、吸引路20に圧縮空気を供給するものであって、例えばコンプレッサである。供給部48は、吸引路20内に、吸引方向とは逆方向に圧縮空気を供給することができる。
【0036】
排出部47は、噴出ノズル49につながれる。噴出ノズル49は、搬送体6の後側において、筐体13の内部に設けられる図示しない支持体に取り付けられる。噴出ノズル49は、搬送体6の前側に配置してもよい。噴出ノズル49は、内部に噴出路50を有している。噴出路50は、ノズル49の先端部に開口する先端開口51と、ノズル49の基端部に開口する基端開口52とを有している。排出部47は、噴出ノズル49の基端開口52につながれる。これにより、噴出路50は、排出部47と連通する。図1に示すように、支持体には、3つの噴出ノズル49が設けられる。3つの噴出ノズル49は、搬送体6によって搬送されるワーク2の搬送経路に沿うように、円弧状に配列される。3つの噴出ノズル49は、搬送体6に連続して保持された3つのワーク2と対応するように、隣接した状態で配置される。噴出ノズル49が複数の場合、複数の排出部47それぞれが各噴出ノズル49につながれてもよいし、複数の噴出ノズル49それぞれにつながれる複数の排出部47を共通化してもよい。なお、噴出ノズル49の数は、複数に限定されるものではなく、1つであってもよい。
【0037】
供給部48は、搬送体6の開口16につながれる。これにより、空気流路21は、搬送体6からワーク2を離すために用いられる空気の通り道となる。図示例では、供給部48に連通する供給ノズル53が開口16につながれる。供給ノズル53は、後述する付勢手段54によって、搬送体6の一方の主面9に押し当てられるように付勢された状態で、開口16につながれる。付勢手段54は、弾性変形可能な円環状の部材である。この場合、付勢手段54は、軸方向に弾性変形可能である。付勢手段54は、供給ノズル53内に設けられる。
【0038】
供給ノズル53は、筐体13の内部に設けられる図示しない支持体に取り付けられる。供給ノズル53は、支持体に設けられる本体部55と、本体部55に設けられる吐出部56とを有している。本体部55は、供給部48からの圧縮空気が通る第1空気路57を内部に有している。第1空気路57は、本体部55の一端部に開口する一端開口58と、本体部55の他端部に開口する他端開口59とを有している。供給部48は、第1空気路57の他端開口59につながれる。これにより、第1空気路57は、供給部48と連通する。吐出部56は、第1空気路57からの圧縮空気が通る第2空気路60を内部に有している。第2空気路60は、吐出部56の一端部に開口する一端開口61と、吐出部56の他端部に開口する他端開口62とを有している。
【0039】
吐出部56は、付勢手段54を介して、本体部55に設けられる。付勢手段54は、本体部55と吐出部56との間に位置している。この際、付勢手段54の軸方向一端部が吐出部56の他端部に接触した状態とされるとともに、付勢手段54の軸方向他端部が本体部55の一端部に接触した状態とされる。付勢手段54の内孔63と第2空気路60とは、内孔63の軸方向一端側の開口64及び第2空気路60の他端開口62を介して、互いに連通している。付勢手段54の内孔63と第1空気路57とは、内孔63の軸方向他端側の開口65及び第1空気路57の一端開口58を介して、互いに連通している。従って、第1空気路57と第2空気路60とは、付勢手段54を介して連通されている。なお、付勢手段54はゴムなどであり、付勢手段54を介して外気に空気が漏れることはない。
【0040】
このような構成であるので、本体部55が支持体に設けられた状態において、吐出部56は、付勢手段54によって搬送体6に向かって付勢されている。従って、吐出部56は、付勢手段54によって一方の主面9に押し当てられるように付勢された状態で、開口16につなげることができる。吐出部56が主面9に押し当てられることで、吐出部56が開口16につながれると、第2空気路60は、空気流路21と連通する。第2空気路60と空気流路21とは、第2空気路60の一端開口61及び空気流路21の開口16を介して、互いに連通している。このようにして、排出装置37の供給部48は、空気流路21の開口16につながれる。
【0041】
次に、本実施形態の搬送装置1の排出動作について説明する。前述したように、ワーク2が保持された搬送体6を回転させることで、ワーク2は、所定の位置まで搬送することができる。ワーク2は、所定の位置に到達すると、排出装置37によって搬送体6から排出される。排出装置37によって搬送体6からワーク2を排出するには、供給部48から送り出された圧縮空気が吸引路20に供給された状態で、排出部47から送り出された圧縮空気をワーク2に吹き付ければよい。
【0042】
供給部48から送り出された圧縮空気は、供給ノズル53を介して、空気流路21に供給される。具体的には、圧縮空気は、第1空気路57、付勢手段54の内孔63、及び第2空気路60を順次に通った後、開口16から第4空気流路30に供給される。その後、圧縮空気は、第4空気流路30、第3空気流路29、及び第1空気流路27を順次に通った後、第1連通口25を介して第1吸引路22に供給されるとともに、第4空気流路30、第3空気流路29、及び第2空気流路28を順次に通った後、第2連通口26を介して第2吸引路23に供給される。第1連通口25から第1吸引路22に供給される圧縮空気は、吸引装置7によって吸引される第1吸引路22内の気体の吸引方向とは逆方向に供給される。すなわち、第1連通口25から第1吸引路22に供給される圧縮空気は、第1吸引口17に向けて供給される。第2連通口26から第2吸引路23に供給される圧縮空気は、吸引装置7によって吸引される第2吸引路23内の気体の吸引方向とは逆方向に供給される。すなわち、第2連通口26から第2吸引路23に供給される圧縮空気は、第2吸引口18に向けて供給される。したがって、吸引路20内の吸引力を一時的に弱めつつ、排出部47から送り出された圧縮空気は、噴出ノズル49を介して、搬送体6に保持されたワーク2に吹き付けられる。具体的には、圧縮空気は、噴出路50を介して先端開口51からワーク2に噴出され、吸引路20内の吸引力に邪魔されることなく安定して排出が可能となる。
【0043】
このようにして搬送体6からワーク2を取り外す際、供給ノズル53は、支持体に取り付けられているので、搬送体6とともに回転しない。すなわち、搬送体6が回転する際、搬送体6の一方の主面9は、供給ノズル53に対して摺動する。これにより、供給ノズル53とつながる開口16は、搬送体6の間欠回転中の停止時ごとに入れ替えることができる。従って、搬送体6によって搬送されてきたワーク2を順次に搬送体6から取り外すことができる。
【0044】
開口16の開口面積と吸引口14の開口面積との関係は、前述したとおりである。すなわち、開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積よりも小さい。典型的には、開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積の1/2から1/4程度であるのが好ましい。特に、開口16の開口面積は、吸引口14の開口面積の1/3程度であるのがより好ましい。開口16の開口面積が大きすぎると、開口16から真空漏れが生じるおそれがあり、開口16の開口面積が小さすぎると、吸引装置7による吸引を十分に弱めることができないおそれがある。
【0045】
本実施形態の搬送装置1は、複数の噴出ノズル49を有している。そのため、搬送装置1は、噴出ノズル49と同じ数だけ供給ノズル53を有している。供給ノズル53が複数の場合、複数の供給部48それぞれが各供給ノズル53につながれてもよいし、複数の供給ノズル53それぞれにつながれる複数の供給部48を共通化してもよい。なお、供給ノズル53の数は、噴出ノズル49の数と同じであればよい。
【0046】
このようにしてワーク2を排出する際、排出装置37は、以下のように制御される。従って、本実施形態の搬送装置1は、ターンテーブル3に保持されたワーク2を撮像するセンサ66と、搬送体6に保持されたワーク2を撮像するセンサ67と、搬送体6に保持されたワーク2の電気的特性を測定する図示しない測定部と、両センサ66,67によって撮像された画像、及び測定部によって測定された電気的特性に基づいて排出装置37を制御する制御装置68とを備える。ここでは、ワーク2は、積層セラミックコンデンサである。なお、ワーク2は、積層セラミックコンデンサに限定されない。例えば、ワーク2は、サーミスタ又はインダクターなどの電子部品であってもよい。
【0047】
図6及び図7は、電子部品である積層セラミックコンデンサを示す図であり、図6は概略斜視図、図7図6のA-A断面図である。ワーク2である積層セラミックコンデンサのセラミック積層体69の内部には、隣接する内部電極70及び内部電極71の一部同士がセラミック層を介して対向するように、内部電極70及び内部電極71が配置される。セラミック積層体69の一方の端面には、内部電極70に接続される外部電極72が形成される。セラミック積層体69の他方の端面には、内部電極71に接続される外部電極73が形成される。積層セラミックコンデンサは、内部電極70,71の積層方向に相対する第1の主面74及び第2の主面75と、前記積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面76及び第2の側面77と、前記積層方向及び前記幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面78及び第2の端面79とを有する略六面体である。ワーク2の長さ方向の寸法は、例えば、0.2mm~3.2mmである。ワーク2の幅方向の寸法及びワーク2の前記積層方向の寸法は、例えば、0.1mm~2.5mmである。なお、ワーク2の寸法は、これらの寸法に限定されない。
【0048】
センサ66及びセンサ67は、例えば、カメラ又はイメージセンサである。センサ66は、ワーク2の第1の側面76を撮像する第1センサ80と、ワーク2の第2の側面77を撮像する第2センサ81と、ワーク2の第1の主面74を撮像する第3センサ82とを有している。センサ67は、ワーク2の第2の主面75を撮像する第4センサ83と、ワーク2の第1の端面78を撮像する第5センサ84と、ワーク2の第2の端面79を撮像する第6センサ85とを有している。
【0049】
測定部は、ワーク2の外部電極に接触させるプローブを有している。測定部は、例えば、ワーク2の静電容量を測定する。なお、測定部は、ワーク2の抵抗値を測定してもよい。
【0050】
制御装置68は、センサ66によって撮像された画像、センサ67によって撮像された画像、及び測定部によって測定された静電容量や抵抗値に基づいて、排出部47及び供給部48を制御する。制御装置68は、第1センサ80、第2センサ81、第3センサ82、第4センサ83、第5センサ84、第6センサ85、測定部、排出部47、及び供給部48と接続されている。制御装置68は、第1センサ80によって撮像された画像、第2センサ81によって撮像された画像、第3センサ82によって撮像された画像、第4センサ83によって撮像された画像、第5センサ84によって撮像された画像、及び第6センサ85によって撮像された画像に基づいて、ワーク2に外観不良があるか否かを判定する。外観不良があると判定されたワーク2は、外観の不良品と認定される。外観不良がないと判定されたワーク2は、良品と認定される。このような外観検査では、例えば、ワーク2の外形寸法、特定部位の寸法、ワーク2の表面の凹凸の有無、異物の付着の有無、破損の有無、及び変色の有無などが調べられる。制御装置68は、測定部から出力された静電容量や抵抗値が所定の範囲内にあるか否かを判定する。測定部から出力された静電容量や抵抗値が所定の範囲内にあると判定されたワーク2は、良品と認定される。測定部から出力された静電容量や抵抗値が所定の範囲内にないと判定されたワーク2は、電気的特性の不良品と認定される。
【0051】
良品と認定された場合、制御装置68によって排出部47及び供給部48が制御されることで、3つの噴出ノズル49のうちの1つの噴出ノズル49から圧縮空気が噴出されるとともに、その1つの噴出ノズル49に対応する供給ノズル53から空気流路21内に圧縮空気が供給される。これにより、良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外されて排出される。良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外された後、図示しないホースを介して、良品が収容される箱に送られる。
【0052】
外観の不良品と認定された場合、制御装置68によって排出部47及び供給部48が制御されることで、残りの2つの噴出ノズル49,49のうちの一方の噴出ノズル49から圧縮空気が噴出されるとともに、一方の噴出ノズル49に対応する供給ノズル53から空気流路21内に圧縮空気が供給される。これにより、外観の不良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外されて排出される。外観の不良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外された後、図示しないホースを介して、外観の不良品が収容される箱に送られる。
【0053】
電気的特性の不良品と認定された場合、制御装置68によって排出部47及び供給部48が制御されることで、残りの2つの噴出ノズル49,49のうちの他方の噴出ノズル49から圧縮空気が噴出されるとともに、他方の噴出ノズル49に対応する供給ノズル53から空気流路21内に圧縮空気が供給される。これにより、電気的特性の不良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外されて排出される。電気的特性の不良品と認定されたワーク2は、搬送体6から取り外された後、図示しないホースを介して、電気的特性の不良品が収容される箱に送られる。
【0054】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送装置1は、吸引口14につながれる吸引装置7と、主面9の開口16を介して吸引口14につながれる補助吸引装置8とを備える。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、吸引装置7及び補助吸引装置8によってワーク2を吸引することができるので、吸引装置7のみでワーク2を吸引する場合と比較して、吸引力を強くすることができる。これにより、搬送体6は、ターンテーブル3からワーク2をスムーズに受け取ることができる。本実施形態の搬送装置1によれば、吸引装置7のみでワーク2を吸引した状態で、搬送体6によってワーク2を搬送することができる。これにより、ワーク2の搬送中は、吸引装置7及び補助吸引装置8によってワーク2を吸引する場合と比較して、吸引力を弱くすることができる。よって、ワーク2は、搬送体6から容易に離すことができる。
【0055】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送体6は、吸引装置7がつながれる吸引路20と、補助吸引装置8がつながれる空気流路21とを有している。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、搬送体6を簡易な構成とすることができる。本実施形態の搬送装置1の場合、搬送体6の間欠回転中の停止時ごとに、補助ノズル31とつながれる開口16を入れ替えることができる。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、ターンテーブル3から搬送体6にワーク2が受け渡される箇所において、吸引装置7及び補助吸引装置8によってワーク2を吸引することができる。
【0056】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送装置1は、補助ノズル31を付勢する付勢手段36を備えている。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、補助ノズル31とつながれる開口16を入れ替える前後において、補助ノズル31と開口16とをより確実につなげることができる。
【0057】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送装置1は、排出部47及び供給部48を備えている。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、ワーク2を吸引する吸引力を弱めつつ、圧縮空気をワーク2に吹き付けることができる。よって、搬送体6からワーク2を排出する際に、ワーク2に吹き付ける圧縮空気の強さを抑制できる。これにより、搬送装置1は、ワーク2を搬送装置1に安定して保持しつつ、搬送装置1からワーク2を所望のタイミングで確実に排出できる。
【0058】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送装置1は、搬送体6からワーク2を排出する際に用いられる空気流路21を有している。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、搬送体6を簡易な構成とすることができる。本実施形態の搬送装置1の場合、ワーク2の吸引時及びワーク2の排出時において、空気流路21が用いられている。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、ワーク2の吸引時に用いられる流路とワーク2の排出時に用いられる流路とが別の流路の場合と比較して、搬送体6をより簡易な構成とすることができる。
【0059】
本実施形態の搬送装置1の場合、搬送装置1は、供給ノズル53を付勢する付勢手段54を備えている。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、供給ノズル53とつながれる開口16を入れ替える前後において、供給ノズル53と開口16とをより確実につなげることができる。
【0060】
本実施形態の搬送装置1の場合、第1空気路57と第2空気路60とが付勢手段54を介して連通されている。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、付勢手段54を供給ノズル53の流路の一部として用いることができる。
【0061】
本実施形態の搬送装置1の場合、排出装置37は、センサ66,67によって撮像された画像に基づいて制御される。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、搬送体6からワーク2を排出する際に、良品のワーク2と不良品のワーク2とを区別することができる。本実施形態の搬送装置1の場合、センサ66,67によって撮像された画像に加えて、測定部によって測定された電気的特性に基づいて、排出装置37を制御することができる。従って、本実施形態の搬送装置1によれば、外観不良の有無に加えて、電気特性の不良の有無を判定することができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
【0063】
例えば、前記実施形態では、搬送体6は、前後方向に沿う軸線まわりに回転可能とされたが、上下方向に沿う軸線まわりに回転可能であってもよい。前記実施形態では、ターンテーブル3は、上下方向に沿う軸線まわりに回転可能とされたが、前後方向に沿う軸線まわりに回転可能であってもよい。
【0064】
前記実施形態では、搬送体6は、歯車状とされたが、単なる円盤状であってもよい。この場合、吸引口14は、搬送体6の外周面11に、搬送体6の周方向に沿って複数配置される。前記実施形態では、複数の歯12は、搬送体6の外周面11に周方向等間隔に配置されたが、周方向等間隔でなくてもよい。
【0065】
前記実施形態では、吸引路20は、2つの吸引路22,23を有しているが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。この場合、空気流路21は、吸引路20に連通される。
【0066】
前記実施形態では、吸引装置7と補助吸引装置8とは、別の装置とされたが、共通化してもよい。前記実施形態では、排出部47と供給部48とは、別の装置とされたが、共通化してもよい。
【0067】
前記実施形態では、経路15は、1つの空気流路21を有する構成とされたが、複数の空気流路21を有する構成であってもよい。前記実施形態において、空気流路21の下流側を複数に分岐させることで、空気流路21が複数の開口16を有していてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 搬送装置
2 ワーク
6 搬送体
7 吸引装置
8 補助吸引装置
9 主面
10 主面
14 吸引口
15 経路
16 開口
20 吸引路
21 空気流路
24 連通口
31 補助ノズル
36 付勢手段
37 排出装置
67 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7