IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-122414情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122414
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/077 20060101AFI20240902BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240902BHJP
【FI】
G09B7/077
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029940
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 拓也
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD03
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】選択式問題などの採点結果の有効活用を促すことができるユーザインタフェースを提供する。
【解決手段】情報処理サーバ10は、少なくとも複数の設問の夫々に対するユーザが入力した解答と、前記解答と夫々対応付けて修正のプロパティが設定された表示オブジェクトと、を含む解答群からなる解答欄が表示させ、前記解答群の個々の解答に対する採点を指示する操作を検出すると、前記表示オブジェクトのプロパティを変更することにより、解答群に含まれる個々の解答の編集を制限する、処理を実行する制御部を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも複数の設問の夫々に対するユーザが入力した解答と、前記解答と夫々対応付けて修正のプロパティが設定された表示オブジェクトと、を含む解答群からなる解答欄を表示させ、
前記解答群の個々の解答に対する採点を指示する操作を検出すると、前記表示オブジェクトのプロパティを変更することにより、前記解答群に含まれる個々の解答の編集を制限する、
処理を実行する
制御部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記プロパティは、前記表示オブジェクトの表示/非表示または有効/無効を示すプロパティであり、
前記制御部は、さらに、前記表示オブジェクトに対するユーザ操作に応じて、対応する解答を消去する、
処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記表示オブジェクトは、前記設問毎に設けられたオブジェクトであり、
前記プロパティは、前記表示オブジェクトの表示/非表示または有効/無効を示すプロパティであり、
前記制御部は、さらに、前記表示オブジェクトに対するユーザ操作に応じて、対応する設問を含む設問頁であって前記設問に対する解答を再設定可能な設問頁を表示させる、
処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、さらに、採点を指示する操作を検出すると、前記解答欄に前記解答毎の正誤判定結果を表示させる、
処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記解答欄は、さらに、採点前後でプロパティが維持される第2の表示オブジェクトを含み、
前記制御部は、さらに、前記第2の表示オブジェクトに対するユーザ操作に応じて、前記複数の設問の夫々に対する解答全てを消去する、
処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
少なくとも複数の設問の夫々に対するユーザが入力した解答と、前記解答と夫々対応付けて修正のプロパティが設定された表示オブジェクトと、を含む解答群からなる解答欄が表示させるステップと、
前記解答群の個々の解答に対する採点を指示する操作を検出すると、前記表示オブジェクトのプロパティを変更することにより、前記解答群に含まれる個々の解答の編集を制限するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
少なくとも複数の設問の夫々に対するユーザが入力した解答と、前記解答と夫々対応付けて修正のプロパティが設定された表示オブジェクトと、を含む解答群からなる解答欄が表示させる手順、
前記解答群の個々の解答に対する採点を指示する操作を検出すると前記表示オブジェクトのプロパティを変更することにより、前記解答群に含まれる個々の解答の編集を制限する手順、
を実行させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校教育へのICT(Information and Communication Technology)機器の導入が進んでいる。これに伴い、出題に対する解答を電子的な情報として取得する機会が大幅に増加するため、コンピュータを用いた自動採点技術の利用が促進され、教師の負担軽減が可能となると期待されている。
【0003】
このような技術は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、解答者は、問題毎に採点、ヒント、解説などを選択することで、自主学習を進めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-264874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自己採点可能な選択式問題において解答結果を教師に提出した後、生徒が同じ選択式問題について部分的に解答結果を修正してしまうと、教師の方はこの選択式問題の設問に対する生徒の理解度の把握が困難になる。
【0006】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、選択式問題などの採点結果の有効活用を促すことができるユーザインタフェースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、少なくとも複数の設問の夫々に対するユーザが入力した解答と、前記解答と夫々対応付けて修正のプロパティが設定された表示オブジェクトと、を含む解答群からなる解答欄を表示させ、前記解答群の個々の解答に対する採点を指示する操作を検出すると、前記表示オブジェクトのプロパティを変更することにより、前記解答群に含まれる個々の解答の編集を制限する、処理を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、選択式問題などの採点結果の有効活用を促すことができるユーザインタフェースが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバの電子回路の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバの付箋管理テーブルデータ記憶領域に記憶される付箋管理テーブルの内容を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の電子回路の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される電子付箋作成処理を示すフローチャートである。
図6図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図7図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図8図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行されるマークシート画面処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図18】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図19】模擬試験処理の実行開始を指示可能な、ユーザ端末の表示部に表示される別の画面例を示す図である。
図20】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図21】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図22】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図23】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図24】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図25】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図26】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
図27】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバで実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末の表示部に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、コンピュータの一例である情報処理装置で実行される情報処理方法およびプログラムについて詳細に説明する。
【0011】
(本発明の一実施形態の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0012】
情報処理システム1は、インターネット等のネットワークN上に設けられる情報処理サーバ10(サーバ装置)、および情報処理サーバ10と通信接続されるユーザ端末20(通信機器)を含む。
【0013】
情報処理サーバ10は、情報処理サーバ10を利用するための情報処理サーバ利用アプリケーションとクラウドサービスとを接続する専用サーバである。
【0014】
なお、情報処理サーバ10とユーザ端末20は、何れも、本発明に係る情報処理装置になり得る。以下では、ユーザ端末20のアプリケーション(Webブラウザ、専用アプリケーションなど)上でのユーザ操作に応じて情報処理サーバ10が電子付箋の作成・管理と模擬試験の実施・管理等を含む各種処理を実行するケースを説明する。別の実施形態では、電子付箋の作成・管理と模擬試験の実施・管理等を含む各種処理は、ユーザ端末20で実行されてもよい。
【0015】
ユーザ端末20は、例えば、通信機能を有するタブレット端末、スマートフォン、PC、電子辞書、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等である。
【0016】
図1では、情報処理サーバ10と通信接続されるユーザ端末20を2台示すが、情報処理サーバ10には、より多くのユーザ端末20が情報処理サーバ10と通信接続されてもよい。
【0017】
ユーザ端末20には、情報処理サーバ利用アプリケーション(情報処理サーバ利用アプリ)がインストールされる。
【0018】
<情報処理サーバ10の機能>
情報処理サーバ10は、ユーザ端末20の情報処理サーバ利用アプリに従いユーザ端末20と通信接続した状態において、少なくとも、次の機能(10a)~(10g)を有する。
【0019】
《機能(10a)》
ユーザ端末20の操作に応じてノートブック画面G2を作成し、作成したノートブック画面G2をユーザ端末20の表示部27に表示させる機能(例えば図7参照)。ノートブック画面G2は、ユーザが任意の情報を入力して表示させることができる表示領域(ノートブックNBm)である。なお、符号mは自然数を示す。
【0020】
《機能(10b)》
ノートブック画面G2に設けられたノートブックメニューMNに対するユーザ操作に応じて、ノートブックメニューMNから選択された種類の情報を入力した電子付箋NBm-nを作成し、作成した電子付箋NBm-nをノートブックNB1内のユーザ任意の位置に表示させる機能。なお、符号nは自然数を示す。
【0021】
《機能(10c)》
電子付箋NBm-n(図1では、電子付箋NB1-1)の右端に付加した[線つなぎ]タブLTを、ユーザ操作に応じてノートブックNBm(図1では、ノートブックNB1)内の他の電子付箋(図1では、電子付箋NB1-2)に移動させ、電子付箋NB1-1と電子付箋NB1-2とを、所定の色(例えば青色)のつなぎ矢印Bsで一列に順番に連結(線つなぎ)して整理する機能。
【0022】
《機能(10d)》
一列で順番に連結(線つなぎ)して整理した複数の電子付箋(図1では、電子付箋NB1-1、NB1-2)のうち先頭の電子付箋NB1-1の左端に付加した[畳み込み]タブFTに対するユーザ操作に応じて、先頭の電子付箋(図1では、電子付箋NB1-1)を上にして且つ2番目以降の電子付箋(図1では、電子付箋NB1-2)を下に畳み込んで所定範囲内に収まるように、展開した状態から切り換えて表示させる機能(例えば図1の電子付箋NB1-4参照)。
【0023】
《機能(10e)》
畳み込んで表示させた複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-4、NB1-5(不図示))のうち先頭の電子付箋(例えば電子付箋NB1-4)の左端に付加した[展開]タブET(例えば図1参照)に対するユーザ操作に応じて、複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-4、NB1-5(不図示))を元通りに展開して表示させる機能。
【0024】
《機能(10f)》
一列で順番に連結(線つなぎ)した複数の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1~NB1-n)を、ユーザ操作に応じて選択される表示モードに応じて、スライドショーのように、先頭の電子付箋(例えば電子付箋NB1-1)から最後の電子付箋(例えば電子付箋NB1-n)まで順番に拡大した状態で切り換えながら表示させる機能。
【0025】
《機能(10g)》
ユーザ端末20の操作に応じて模擬試験コンテンツをユーザ端末20の表示部27に表示させ、ユーザの入力した解答と採点結果とを対応付けた試験結果情報を作成し、記録する機能。
【0026】
なお、本実施形態において、電子付箋の連結は、主に、複数の電子付箋NBm-nを一列で順番に連結するものである。
【0027】
また、本実施形態では、複数の電子付箋NBm-nを分類してグループ化し識別できる状態にすること、およびその順番を識別できる状態にすることを含めて、複数の電子付箋NBm-nを「整理」する、という表現を用いる場合がある。
【0028】
また、本実施形態において、符号NBm(NB1、NB2など)は、ノートブックID(識別情報)を示す。符号NBmは、ユーザにより入力されたノートブック名として読み替えられてもよい。また、符号NBm-n(NB1-1、NB1-2など)は、ノートブックNBm内に作成された電子付箋IDを示す。符号NBm-nは、ユーザにより入力された電子付箋名として読み替えられてもよい。
【0029】
具体的には、ノートブック名は、例えば、ユーザが学習している科目の科目名であってもよく、また、電子付箋名は、例えば、科目内の単元名、学習日時であってよい。
【0030】
<情報処理サーバ10の電子回路>
図2は、情報処理サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0031】
情報処理サーバ10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:Central Processing Unit)11、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15、入力部16および表示部17を含む。
【0032】
制御部11は、記憶部12に記憶されているサーバ制御プログラム12aに従い、入力部16に対するユーザ操作に応じた入力信号、またはネットワークN上のユーザ端末20からの通信部15による受信信号に応じて回路各部の動作を制御する。
【0033】
サーバ制御プログラム12aは、記憶部12に予め記憶されてもよく、また、CD-ROM等の外部の記録媒体13から記録媒体読取部14を介して記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよく、ネットワークN上のWebサーバ(この場合、プログラムサーバ)30からダウンロードして記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0034】
サーバ制御プログラム12aは、少なくとも、上記の機能(10a)~(10g)を実行するためのプログラムを含む。
【0035】
記憶部12には、サーバ制御プログラム12aの記憶領域のほか、辞書データベース記憶領域12b、ユーザ管理データ記憶領域12c、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dおよび作業データ記憶領域12eが確保される。
【0036】
辞書データベース記憶領域12b-1には、英和辞書、独和辞書、仏和辞書、国語辞書等の各種辞書データが、見出し語である単語と、同見出し語に対応する訳、語義、例文、解説等の説明情報と、を対応付けた辞書データとして記憶される。
【0037】
テスト問題データベース記憶領域12b-2には、問題、解答、解説などの模擬試験データが記録されている模擬試験データが記録される。例えば、英語の模擬試験データの場合であれば、問題として、選択式問題、スピーキング問題、英作文問題などが含まれる。
【0038】
ユーザ管理データ記憶領域12cには、情報処理サーバ利用アプリがインストールされたユーザ端末20のユーザ(ユーザID(アカウント))毎に、ユーザが登録したパスワード、ユーザ属性(職業(学校)、学年など)、ノートブックNBmの内容のデータ(ノートブックデータ)が、対応付けられて記憶される。ノートブックデータは、ユーザ操作に応じて作成される電子付箋NBm-nの内容を含むデータであり、ノートブックIDおよび電子付箋IDに対応付けられたものとなっている。
【0039】
ユーザ管理データ記憶領域12cには、さらに、ユーザ端末20のユーザ(ユーザID(アカウント))毎に、利用可能な辞書データ(辞書コンテンツ)のID、利用可能な模擬試験データ(模擬試験コンテンツ)のID、採点済みの試験結果のデータが記憶される。
【0040】
図3は、情報処理サーバ10の付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに記憶される付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dの内容を示す図である。
【0041】
付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dには、ユーザ管理データ記憶領域12cに記憶(登録)されたユーザID毎に、ノートブックNBmのノートブックIDに対応付けられて、ノートブックNBmに含まれる電子付箋NBm-nの電子付箋ID、ノートブックメニューMNから選択された情報の種別、電子付箋NBm-nに含まれるデータの属性(作成/編集日時、データフォーマット等のデータ設定情報、サブ属性など)、電子付箋NBm-nのノートブックNBm上での表示位置を示す座標、電子付箋NBm-nの表示サイズ、連結開閉フラグ、連結付箋IDが記憶される。連結開閉フラグは、他の電子付箋と線つなぎ(連結)された電子付箋である場合に展開して表示させるか畳み込んで表示させるかを示す。連結付箋IDは、連結先と連結元の電子付箋IDを示す。
【0042】
なお、本実施形態における電子付箋の連結は、主に、複数の電子付箋(NB1-n)を一列で順番に連結するものなので、連結付箋IDに記憶される連結先と連結元それぞれの電子付箋IDは、何れも最大1つに制限する。これにより、連結付箋IDの連結先/連結元に既に他の電子付箋IDが記憶されている場合には、その電子付箋に対する新たな連結を禁止することで、電子付箋の連結状態が複数列に分岐してしまうことを防止することができる。
【0043】
付箋管理テーブル(ノートブック管理テーブル)12dは、複数のノートブック(NB1、NB2、・・・)のそれぞれに含まれる複数の電子付箋(NB1-n/NB2-n/NBm-n)の管理情報をまとめて記憶するものであり、ノートブックNBmおよびそのノートブックNBmに含まれる電子付箋NBm-nの作成、情報の更新に応じて、記憶されている管理情報の更新が可能なノートブックNBmの管理テーブルでもある。
【0044】
作業データ記憶領域12eには、制御部11による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種データが必要に応じて一時的に記憶される。
【0045】
このように構成された情報処理サーバ10は、制御部11がサーバ制御プログラム12aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種機能を実現する。
【0046】
<ユーザ端末20の電子回路>
図4は、ユーザ端末20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0047】
ユーザ端末20の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)21、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部(Wi-Fi(登録商標)通信/移動体通信)25、キー入力部26、タッチパネル式の表示部27および撮像部(カメラ)28を備える。
【0048】
制御部21は、記憶部22に記憶されたユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリケーション(情報処理サーバ利用アプリ)22bに従い回路各部の動作を制御する。ユーザ端末制御プログラム22aは、記憶部22に予め記憶されてもよく、また、メモリカード等の外部の記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取って記憶部22に記憶されたものであってもよく、ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードして記憶部22に記憶されたものであってもよい。
【0049】
情報処理サーバ利用アプリ22bは、ネットワークN上のWebサーバ(例えばアプリストアのプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされて記憶部22に記憶される。
【0050】
ユーザ端末制御プログラム22aは、ユーザ端末20の全体を制御するシステムプログラムのほか、記憶部22に記憶された各種のアプリケーションプログラムと連携して、ネットワークN上の情報処理サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と随時通信接続するためのプログラムを含む。
【0051】
情報処理サーバ利用アプリ22bは、情報処理サーバ10と通信接続して上記の機能(10a)~(10g)に応じたデータの入出力処理を実行するためのプログラムを含む。
【0052】
制御部21には、システムおよびデータバスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25のほか、電源キーと音量調整キーを含むキー入力部26、タッチパネル式の表示部27、撮像部(カメラ)28等が接続される。
【0053】
記憶部22には、ユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリ22bを記憶するプログラム記憶領域のほか、端末データ記憶領域22cおよび作業データ記憶領域22d等が確保される。
【0054】
端末データ記憶領域22cには、ネットワークN上の情報処理サーバ10およびWebサーバ30を含む外部の通信機器と通信接続するための端末機器番号のほか、電話番号、メールアドレス、ユーザID(アカウント)、ユーザ属性(職業(学校)/学年)等のデータが、ユーザ端末20に固有の端末データとして記憶される。
【0055】
作業データ記憶領域22dには、制御部21による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種データが必要に応じて一時的に記憶される。
【0056】
このように構成されたユーザ端末20は、制御部21がユーザ端末制御プログラム22aおよび情報処理サーバ利用アプリ22bに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種機能を実現する。
【0057】
(基本的な電子付箋処理)
情報処理システム1で実行される基本的な電子付箋処理について説明する。
【0058】
図5は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った電子付箋作成処理を示すフローチャートである。
【0059】
図6から図8は、図5に示される電子付箋作成処理の実行時にユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す図である。
【0060】
図6は、ユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック一覧画面G1の一例を示す。
【0061】
情報処理サーバ10は、ユーザ端末20からのログイン要求に応じてユーザ端末20と通信接続する。この状態において、制御部11は、例えば、図6に示されるように、ノートブック一覧画面G1をユーザ端末20の表示部27に表示させる。
【0062】
図6のノートブック一覧画面G1では、ユーザ操作に応じて作成されたノートブックNBm(例えばノートブックNB1~NB4)がノートブックアイコンNBI1~NBI4の形態でリスト表示される。
【0063】
図7は、ユーザ端末20の表示部27に表示されるノートブック画面G2の一例を示す。
【0064】
ノートブック一覧画面G1において、ユーザがノートブックアイコン(例えばノートブックアイコンNBI1)をタッチ操作して指定したものとする。この場合、制御部11は、ユーザにより指定されたノートブックNB1のノートブックデータをユーザ管理データ記憶領域12cから読み出し、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに記憶されている情報に基づき、図7に示されるように、ノートブックNB1のノートブック画面G2として表示部27に表示させる(ステップS101)。
【0065】
図7の例では、ノートブックNB1の中に電子付箋NB1-nが1つも作成されていないため、電子付箋NB1-nを表示するスペースがブランクとなっている。
【0066】
ユーザがノートブック画面G2の[←](閉じる)ボタンTBをタッチ操作すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、ノートブック画面G2からノートブック一覧画面G1に遷移させる。
【0067】
なお、本実施形態において、表示画面上でのタッチ操作は、マウスカーソルによるクリック操作や他のポインタデバイスによる指定操作と決定操作との組み合わせであってもよい。
【0068】
ユーザが任意の情報を入力した電子付箋NB1-nをノートブックNB1に貼り付けて作成したい場合を説明する。
【0069】
図7に示されるように、ノートブック画面G2の左端には、ノートブックメニューMNが設けられる。ユーザがノートブックメニューMNから任意の種類の情報を示すボタン(Tx/Ca/Li/Fi/Di/To)を選択すると(ステップS102:YES)、制御部11は、選択された種類の情報に応じた電子付箋NB1-nを作成して、ノートブックNB1内に表示させる(ステップS103)。
【0070】
ノートブックメニューMNは、例えば、[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[ツール]ボタンToを含む。
【0071】
[テキスト]ボタンTxが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のテキスト入力アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ操作に応じた任意のテキストを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0072】
[カメラ]ボタンCaが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20の撮像部28を起動させ、電子付箋NB1-nに対し撮像部28で撮影された任意の写真画像を入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0073】
[リンク]ボタンLiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のWebブラウザを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のWebページを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0074】
[ファイル]ボタンFiが選択されると、制御部11は、新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともにユーザ端末20のファイル操作アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意のファイルを入力して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0075】
[辞書]ボタンDiが選択されると、制御部11は、図8に示すように、複数のコンテンツを選択肢として含む電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させる。さらに、制御部11は、辞書コンテンツが選択された場合には、情報処理サーバ10の辞書アプリを起動させ、電子付箋NB1-nに対しユーザ任意の辞書の見出し語とその説明情報を辞書データベース記憶領域12b-1から検索して表示、編集可能な状態とする(ステップS104)。
【0076】
なお、模擬試験コンテンツが選択された場合については、情報処理サーバ10の模擬試験アプリを起動させ、テスト問題データベース記憶領域12b-2から必要な情報を読み出して模擬試験処理を実行する。模擬試験処理の詳細については後述する。
【0077】
[ツール]ボタンToが選択されると、制御部11は、複数のその他のツールを選択肢として含む新たな電子付箋NB1-nをノートブックNB1内に表示させるとともに、選択肢からユーザが特定のツールを選択すると、そのツールに対応する内容を付箋内に表示させる(ステップS104)。
【0078】
なお、ノートブックメニューMNは、[テキスト]ボタンTx、[カメラ]ボタンCa、[リンク]ボタンLi、[ファイル]ボタンFi、[辞書]ボタンDi、[ツール]ボタンToに代えてまたは加えて、別の種類の情報を入力するためのボタンを含んでもよい。
【0079】
制御部11は、ノートブックNB1内に表示させた電子付箋NB1-nの表示位置を、ユーザによりタッチ操作されドラッグ(移動)されることに応じて移動させる。
【0080】
制御部11は、ノートブックNB1内に作成した電子付箋NB1-nの色を、ユーザ操作に応じて任意の色に変更してもよい。
【0081】
制御部11は、ノートブックNB1内に作成した電子付箋NB1-nの電子付箋IDに対応付けて、付箋管理テーブルデータ記憶領域12dに種別、属性、座標、サイズ、連結開閉フラグ、連結付箋IDを記憶させる(ステップS105)。
【0082】
(模擬試験処理)
情報処理システム1で実行される模擬試験処理について説明する。
【0083】
図9は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従った模擬試験処理を示すフローチャートである。図10は、情報処理サーバ10のサーバ制御プログラム12aに従ったマークシート画面処理を示すフローチャートである。図11から図18は、情報処理サーバ10で実行される模擬試験処理の実行時にユーザ端末20の表示部27に表示される画面例を示す図である。
【0084】
図11は、ユーザ端末20の表示部27に表示される模擬試験トップ画面G3であり、電子付箋内で模擬試験コンテンツが選択され、模擬試験処理が開始されると表示される。なお、模擬試験処理では、各画面は表示部27に全画面表示される。
【0085】
まず、制御部11は、ユーザの操作に応じて試験を選択する(ステップS201)。模擬試験トップ画面G3の左側領域には、試験を選択するためのメニューMTが表示される。図11の例は、「6th Day筆記試験&スピーキングテスト」が選択された状態であり、制御部11は、ユーザのメニューMTに対する操作を検出することで、試験を選択する。
【0086】
模擬試験トップ画面G3の右側領域には、ユーザにより選択された「6th Day筆記試験&スピーキングテスト」についての前回の試験結果が表示されている。模擬試験トップ画面G3内のボタンB1をタッチ操作すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、模擬試験トップ画面G3から図12に示す問題説明画面G4に遷移させ、出題・解答処理を行う(ステップS202)。
【0087】
出願・解答処理では、まず、図12に示す問題説明画面G4において、試験問題について説明が表示される。問題説明画面G4下部にある開始ボタン(ボタンB3)に対するユーザの操作を検出すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、問題説明画面G4から図13に示す解答画面G5に遷移させる。
【0088】
図13は、選択式問題における1問目の問題に対する解答画面である。制御部11は、問題文の下方に表示される解答選択欄SBに対するユーザの操作を検出して、選択された解答を問題に対応付けて記憶部12(作業データ記憶領域12e)に記憶させる。なお、図13には、解答として「3」が選択された様子が示されている。
【0089】
その後、解答画面G5下部にあるボタンB4に対するユーザの操作を検出すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、図13に示す解答画面G5から図14に示す次の問題に対する解答画面G5へ遷移させる。
【0090】
ユーザが各問題に対する解答を繰り返し、最終問題に対する解答画面G5上でボタンB4を選択すると、制御部11は、そのユーザの操作を検出して、図10に示すマークシート画面処理を行う(ステップS203)。
【0091】
マークシート画面処理では、制御部11は、まず、ユーザ端末20の表示部27の画面を、図15に示すマークシート画面G6に遷移させ、マークシート画面G6を表示させる(ステップS301)。ステップS301では、制御部11は、複数の設問の夫々に対する解答ANからなる解答群を含む解答欄AFを表示させる処理を行う。
【0092】
マークシート画面G6の左側領域には、模擬試験の大問を選択するためのメニューMSが表示される。図15の例は、1つ目の大問である「[1]短文の語句空所補充問題」が選択された状態であり、マークシート画面G6の右側領域には、選択された大問である「[1]短文の語句空所補充問題」についての解答欄AFが表示されている。制御部11は、ユーザのメニューMSに対する操作を検出することで、マークシート画面G6の右側領域に表示される解答欄AFを、選択された大問に対応するものに切り替える。
【0093】
解答欄AFは、設問毎に選択肢が用意されたマークシート形式の解答欄であり、クリアボタン(ボタンB5)と採点ボタン(ボタンB6)に加えて、各設問に対応する領域で構成されている。
【0094】
各設問に対応する領域には、「1」から「4」の4つの選択肢に加えて、対応する設問の解答画面G5へリンクされたリンクOL1と、消しゴムOEが含まれている。解答画面G5において解答ANが入力された設問については、4つの選択肢のうちのいずれか1つが解答ANとして塗りつぶされて表示される。
【0095】
解答欄AFに含まれる消しゴムOEは、設問毎に設けられた表示オブジェクトである。制御部11は、消しゴムOEに対するユーザ操作を検出すると(ステップS307YES)、そのユーザ操作に応じて、対応する解答ANを消去する処理を行う(ステップS308)。つまり、消しゴムOEは設問単位で解答を取り消すために用いられる。
【0096】
クリアボタン(ボタンB5)は、解答を消去するための第2の表示オブジェクトであり、解答欄AFに対して1つだけ設けられている。制御部11は、クリアボタン(ボタンB5)に対するユーザ操作を検出すると、そのユーザ操作に応じて、複数の設問のそれぞれに対する解答AN全てを消去する処理を行う。つまり、クリアボタン(ボタンB5)は、解答欄AFに含まれる複数の解答ANを一括して消去するために用いられる。
【0097】
解答欄AFに含まれるリンクOL1は、設問毎に設けられた表示オブジェクトである。制御部11は、リンクOL1に対するユーザ操作を検出すると(ステップS309YES)、そのユーザ操作に応じて、リンクOL1にリンクされた設問頁(解答画面G5)を表示部27に表示させる(ステップS310)。換言すると、制御部11は、リンクOL1に対応する設問を含む設問頁であってその設問に対する解答ANを再設定可能な設問頁を表示させる。
【0098】
解答画面G5で解答ANを変更後に、ユーザがマークシートボタン(ボタンB2)を選択すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、再びマークシート画面G6に遷移させる。
【0099】
このように、採点が行われていない段階では、設問毎に設けられた表示オブジェクトに対するユーザ操作に応じて、解答ANを再設定する処理や消去する処理が行われる。また、解答欄AFに設けられた第2の表示オブジェクトに対するユーザ操作に応じて、全ての解答ANを一括して消去する処理が行われる。つまり、ユーザは採点前段階では、解答を自由に編集可能である。
【0100】
一方で、採点後には、制御部11は、解答欄AFに含まれる表示オブジェクトのプロパティを変更して、解答群に含まれる個々の解答の編集を制限する(ステップS303からステップS306)。この際、第2の表示オブジェクトのプロパティは維持する。即ち、制御部11は、採点後には、全ての解答の一括消去を許可することで模擬試験のやり直しについては許容しながら、個々の解答の自由な編集を禁止する。このようなユーザインタフェースによれば、採点後は個々の解答を修正することが制限されるため、ユーザが行った試験の結果に対する恣意的な編集が回避され、試験結果を有効的に活用することができる。
【0101】
具体的には、採点ボタン(ボタンB6)に対するユーザ操作、つまり、採点を指示するユーザ操作を検出すると(ステップS302YES)、制御部11は、採点処理を行う(ステップS303)。採点処理では、制御部11は、設問毎に解答と予め用意されている正解情報を比較して正誤判定を行い、正誤判定結果を生成する。また、制御部11は、生成された正誤判定結果から採点結果(テスト結果)を生成する。さらに、制御部11は、解答、正誤判定結果、採点結果を含む試験結果情報を記憶部12のユーザ管理データ記憶領域12cに記憶させる。
【0102】
採点処理が終了すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、図15に示すマークシート画面G6から図16に示すテスト結果画面G7へ遷移させ、テスト結果画面G7を表示させる(ステップS304)。
【0103】
テスト結果画面G7には、模擬試験に含まれる全設問数に対する正答数、誤答数、未解答数に加えて、総合評価が表示される。図16には、15問中11問正解、4問不正解、0問未解答で、総合評価が良(GOOD)の場合の例が示されている。
【0104】
テスト結果画面G7下部にあるボタンB7に対するユーザの操作を検出すると、制御部11は、ユーザ端末20の表示部27の画面を、テスト結果画面G7から図17に示す採点後のマークシート画面G6に遷移させる。この際、制御部11は、表示オブジェクトのプロパティを変更してから(ステップS305)、採点後のマークシート画面G6を表示させる(ステップS306)。
【0105】
ステップS305で行われるプロパティの変更は、個々の解答の編集を制限するために行われる。具体的には、図17に示すように、マークシート画面G6の解答欄AFから消しゴムOEを非表示にするため、消しゴムOEの表示/非表示を示すプロパティを非表示に設定する。また、図17に示すように、マークシート画面G6の解答欄AFのリンクOL1を無効にするため、リンクOL1の有効/無効を示すプロパティを無効に設定する。
【0106】
ステップS306で表示される採点後のマークシート画面G6は、左側領域にメニューMSが表示される点は、採点前のマークシート画面G6と同様である。採点後のマークシート画面G6は、図17に示すように、右側領域の解答欄AFに採点ボタン(ボタンB6)の代わりに付箋作成ボタン(ボタンB8)が設けられる点と各設問に対応する領域の構成が、採点前のマークシート画面G6とは異なる。
【0107】
各設問に対応する領域には、4つの選択肢に加えて、リンクOL1と、判定結果JMと、対応する設問の解説画面へリンクされたリンクOL2が含まれている。リンクOL1は、後述するように、採点前とは異なりリンク機能が無効化されているため、実質的にラベルオブジェクトと同等である。
【0108】
判定結果JMは、各解答の正誤判定結果であり、この例では、「〇」または「×」で表記される。つまり、採点を指示するユーザ操作を検出すると、ステップS306において、解答欄AFに解答毎の正誤判定結果を表示させる処理が制御部11によって行われる。これにより、ユーザは、解答毎の正誤を容易に認識することが可能となる。
【0109】
さらに、4つの選択肢のうちのいずれか1つは正解CAとして他の選択肢とは区別可能に(この例では白抜き文字を使用して)表示される。また、正解CAとユーザの解答ANが異なる場合には、4つの選択肢のうちの1つが解答ANとして塗りつぶされて表示される。
【0110】
このように、採点後は、マークシート画面G6において、消しゴムOEが非表示となり、個々の解答ANを消去する手段のユーザへの提供が中止される。また、リンクOL1が無効となり、解答画面G5へ遷移して解答を再設定する手段のユーザへの提供が中止される。従って、採点後に個々の解答ANがユーザによって修正されることを防止することができる。
【0111】
上述したマークシート画面処理が終了後に、採点後のマークシート画面G6上で付箋作成ボタン(ボタンB8)に対するユーザ操作を検出すると(ステップS204YES)、制御部11は、電子付箋作成処理を行う(ステップS205)。
【0112】
電子付箋作成処理では、制御部11は、図18に示すように、採点後のマークシート画面G6に表示された解答欄AFを内容とする電子付箋NB1-10を作成し、作成した電子付箋NB1-10をノートブックNB1内に表示させる。
【0113】
ユーザは、作成した電子付箋NB1-10に対して提出操作を行ってもよい。例えば、電子付箋NB1-10をドラッグして提出物アイコンSN上まで移動してその後ドラッグを解除する提出操作を検出すると、制御部11は、その電子付箋NB1-10を教師のユーザ端末20に転送してもよい。これにより、課題として提出が義務付けられた模擬試験の試験結果を容易に教師へ提出することができる。
【0114】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、上述した実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できることが理解されよう。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が実施され得ることが理解されよう。更には、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加して種々の実施形態が実施され得ることが当業者には理解されよう。即ち、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0115】
上述した実施形態では、消しゴムOEの表示/非表示を示すプロパティを非表示に設定することで、採点後に個々の解答の修正を禁止する例を示したが、消しゴムOEの有効/無効を示すプロパティを無効に設定することで、個々の解答の修正を禁止してもよい。また、リンクOL1の表示/非表示を示すプロパティを無効に設定することで、採点後に個々の解答の修正を禁止する例を示したが、リンクOL1の表示/非表示を示すプロパティを非表示に設定することで、解答画面への遷移を禁止して個々の解答の修正を禁止してもよい。
【0116】
上述した実施形態では、ノートブックから模擬試験コンテンツを選択することで、模擬試験処理が実行される例を示したが、模擬試験処理は必ずしもノートブック内での操作により開始される必要はない。例えば、ノートブックアプリを開く前に表示される、図19に示すようなトップ画面G8上での模擬試験コンテンツの選択に応答して、模擬試験処理を開始してもよい。
【0117】
上述した実施形態では、模擬試験コンテンツ内の設問として自動採点可能な選択式問題を例示したが、模擬試験コンテンツ内の設問は選択式問題に限らない。模擬試験コンテンツには、図20及び図21に示す記述問題や図22及び図23に示すスピーキング問題などが含まれてもよい。
【0118】
図20及び図21は、記述式の問題に対する解答画面G5である。制御部11は、図20において問題文の下方に表示されるボタンB9に対するユーザの操作を検出すると、図21に示すように、記述式の解答欄Fを解答画面G5内に表示させ、図20において記述式の解答欄Fの下方に表示されるボタンB10に対するユーザの操作を検出すると、図20に示すように、記述式の解答欄Fを解答画面G5内から非表示にさせる。
【0119】
図22及び図23は、スピーキング問題に対する解答画面G5である。制御部11は、図22において問題文の下方に表示される録音ボタン(ボタンB11)に対するユーザの操作を検出すると、録音を開始するとともに、図23に示すように停止ボタン(ボタンB12)を表示させる。制御部11は、図23において問題文の下方に表示される録音ボタン(ボタンB11)に対するユーザの操作を検出すると、録音を停止する。
【0120】
図24は、採点処理前における記述問題に関する大問「[3]英作文問題」についての解答欄AFが表示されたマークシート画面G6である。図25は、記述問題の自己判定画面G9である。図26は、採点処理後における記述問題に関する大問「[3]英作文問題」についての解答欄AFが表示されたマークシート画面G6である。
【0121】
情報処理サーバ10では、図20から図23に示す記述問題やスピーキング問題については、選択式問題とは異なり、自動採点は行われない。このため、これらの問題に関する大問が選択された状態では、採点前後のマークシート画面G6のどちらにおいても、図24及び図26に示すように、判定結果JMは表示されない。代わりに、図25に示すような自己判定画面G9へ画面遷移するためのボタンB13が表示され、自己判定画面G9においてユーザ自身による自己判定の結果を入力することができる。
【0122】
図25に示す自己判定画面G9では、ユーザは、自身の解答と解答例を比較して、自己判定ボタンJBに対する操作により自己判定(この例では“〇 Good”、“△ Average”、“× Poor”の3種類のいずれか)を入力する。自己判定の結果が入力された設問については、図24及び図26に示すように、マークシート画面G6の解答欄AFでも、自己判定の結果が表示される。
【0123】
なお、採点処理前の解答欄AFが表示された図24に示すマークシート画面G6では、採点処理後の解答欄AFが表示された図26に示すマークシート画面G6と異なり、設問毎に消しゴムOEが表示される。これに対して、採点処理後の解答欄AFが表示された図26に示すマークシート画面G6は、設問毎の消しゴムOEが表示されない点と、付箋作成ボタン(ボタンB8)が表示される点が、採点処理前の解答欄AFが表示された図24に示すマークシート画面G6とは異なる。
【0124】
付箋作成ボタン(ボタンB8)が選択されると、制御部11は、図27に示すように、採点後のマークシート画面G6に表示された解答欄AFを内容とする電子付箋NB1-11を作成し、作成した電子付箋NB1-11をノートブックNB1内に表示させる。
【0125】
情報処理サーバ10とユーザ端末20のハードウェア構成は特に限定しない。上述した実施形態では、一例として、情報処理サーバ10は、図1では単一の装置として図示されているが、複数の装置から構成されてもよい。情報処理サーバ10とユーザ端末20は、それぞれプロセッサとメモリを備えたコンピュータであればよい。情報処理サーバ10、ユーザ端末20が有する上述した機能的構成は、プロセッサがメモリ上のプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0126】
プロセッサは、特に限定しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。また、プロセッサは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路を含んでもよい。メモリは、特に限定しないが、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリであってもよく、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよく、光記憶装置であってもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 :情報処理システム
10 :情報処理サーバ
11、21 :制御部
12、22 :記憶部
12a :サーバ制御プログラム
12b-1 :辞書データベース記憶領域
12b-2 :テスト問題データベース記憶領域
12c :ユーザ管理データ記憶領域
12d :付箋管理テーブルデータ記憶領域
12e、22d :作業データ記憶領域
13、23 :記録媒体
14、24 :記録媒体読取部
15、25 :通信部
16 :入力部
17、27 :表示部
20 :ユーザ端末
22a :ユーザ端末制御プログラム
22b :情報処理サーバ利用アプリ
22c :端末データ記憶領域
26 :キー入力部
28 :撮像部
30 :Webサーバ
AF、F :解答欄
AN :解答
CA :正解
G1 :ノートブック一覧画面
G2 :ノートブック画面
G3 :模擬試験トップ画面
G4 :問題説明画面
G5 :解答画面
G6 :マークシート画面
G7 :テスト結果画面
G8 :トップ画面
G9 :自己判定画面
JB :自己判定ボタン
JM :判定結果
MN :ノートブックメニュー
MS、MT :メニュー
N :ネットワーク
NB1~NB4 :ノートブック
NB1-1~NB1-n :電子付箋
NBI1~NBI4 :ノートブックアイコン
OE :消しゴム
OL1、OL2 :リンク
SB :解答選択欄
SN :提出物アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27