(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122436
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】経路策定システム及び経路策定方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240902BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20240902BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240902BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240902BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240902BHJP
G01C 21/26 20060101ALN20240902BHJP
G08G 1/005 20060101ALN20240902BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/01 F
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029971
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】宮路 大勇
(72)【発明者】
【氏名】上田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】荒川 大祐
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129BB22
2F129CC15
2F129DD04
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD27
2F129DD38
2F129DD39
2F129DD58
2F129EE16
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE90
2F129EE94
2F129FF12
2F129FF60
2F129FF63
2F129FF64
2F129GG17
2F129HH15
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH33
5H181AA21
5H181CC04
5H181CC11
5H181DD04
5H181FF10
5H181MB11
(57)【要約】
【課題】ユーザが移動するエリア内の状況に応じてユーザに案内する経路が適切に設定されるようにする。
【解決手段】案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得部と、前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定部とを備えて経路策定システムを構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得部と、
前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定部と
を備える経路策定システム。
【請求項2】
前記経路策定部により策定された経路を案内する経路案内情報をユーザ端末にて出力させる経路案内情報出力部をさらに備える
請求項1に記載の経路策定システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、ウェアラブル端末である
請求項2に記載の経路策定システム。
【請求項4】
経路策定部は、前記現地状況情報に基づいて対応の現地における混雑状況を判定した結果を利用して経路を策定する
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項5】
前記情報取得部は、案内対象エリアにおいて他のユーザが使用するユーザ端末が出力した位置情報を含む現地状況情報を取得する
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項6】
前記経路策定部は、前記案内対象エリアにおいて存在する地点ごとに立ち寄るか否かを決定するようにして経路を策定する
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項7】
前記経路策定部は、立ち寄るものとして決定された地点ごとの立ち寄りの順序を決定する
請求項6に記載の経路策定システム。
【請求項8】
前記経路策定部は、立ち寄るものとして決定された地点ごとの滞在時間を策定する
請求項6に記載の経路策定システム。
【請求項9】
前記情報取得部は、案内対象のユーザが自身に関連する所定項目を登録したユーザ登録情報をさらに取得し、取得したユーザ登録情報を前記経路策定利用情報に含める
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項10】
前記情報取得部は、案内対象のユーザの行動の履歴を示す行動履歴情報をさらに取得し、取得したユーザ登録情報を前記経路策定利用情報に含める
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項11】
前記経路策定利用情報は、経路変更トリガの発生に応じて経路を再策定する
請求項1から3のいずれか一項に記載の経路策定システム。
【請求項12】
案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得ステップと、
前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定ステップと
を含む経路策定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路策定システム及び経路策定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公共交通機関を利用する利用者の移動履歴を用いて人の行動を分析した結果に基づいて、個人の特性にあった案内情報を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが移動の対象としているエリアにおける状況は場所ごとに異なり、1つの場所の状況も時間経過に応じて変化し得る。このようなことを考慮すると、ユーザが移動対象とするエリア内の状況に応じてユーザに案内する経路が適切に設定されることが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、上記した課題を考慮して、ユーザが移動するエリア内の状況に応じてユーザに案内する経路が適切に設定されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得部と、前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定部とを備える経路策定システムである。
【0007】
本発明の一態様は、案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得ステップと、前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定ステップとを含む経路策定方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが移動するエリア内の状況に応じてユーザに案内する経路が適切に設定されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る経路案内システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るスマートグラスの機能構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るユーザ登録情報サーバの機能部として、ユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶部の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るユーザ特性情報の構造例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る案内指定情報の構造例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るスマートグラスが経路案内に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る経路案内システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係るスマートグラスの機能構成例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る経路案内サーバの機能構成例を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係るスマートグラスと経路案内サーバが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
[経路案内システムの全体構成例]
図1は、本実施形態の経路案内システム(経路策定システムの一例)の全体的な構成例を示している。
本実施形態の経路案内システムは、ユーザUが予め指定した物理的な地域範囲(エリア)を移動するにあたって、エリア内においてユーザUが移動するのに適切な経路をユーザUに案内する。
本実施形態において、ユーザUは、エリア内を移動するにあたり、ウェアラブル端末であるスマートグラス100を装着する。スマートグラス100は、ユーザUに案内する経路を、表示及び音声等を出力する。
【0011】
本実施形態において、ユーザUが移動の対象とするエリアは、或る観光地に該当する一定の地域的範囲である場合を例に挙げる。
本実施形態の経路案内システムは、観光地において存在する複数の観光スポット(地点の一例)に立ち寄る順路としての経路を、各観光スポットの混雑状況に基づいて策定する。さらに、本実施形態の経路案内システムは、ユーザUのこれまでの行動履歴(観光した履歴も含まれる)、ユーザUが観光するにあたっての要望、ユーザの特性等にも基づいて経路を策定してよい。
【0012】
ユーザUは、ユーザ情報登録端末200を所持している。ユーザUは、経路案内システムによる経路案内サービスを受けるにあたり、自分自身に関する所定の項目の情報をユーザ情報として登録する。このようなユーザ情報の登録にあたり、ユーザUは、ユーザ情報登録端末200を利用する。
【0013】
具体的に、ユーザUは、ユーザ情報登録端末200をユーザ登録情報サーバ300にログインさせる操作を行う。ユーザ登録情報サーバ300は、ログインに応じて、ユーザ情報登録端末200にユーザ登録情報入力画面を表示させる。ユーザUは、ユーザ情報登録端末200を操作して、表示されたユーザ登録情報入力画面に対して、所定項目を入力する操作を行う。
【0014】
ユーザ登録情報としては、ユーザに固有的となるユーザ特性情報と、或る特定のエリアの案内を受けようとするごとに必要となる案内指定情報とに分けられてよい。
【0015】
ユーザ特性情報は、例えばユーザの年齢、性別、趣味・趣向、今までの観光の履歴、平均的な歩行速度、ハンディキャップ的特徴(例えば車椅子の利用者である、ベビーカートを利用する)などの情報とされてよい。
【0016】
また、案内指定情報は、案内を受ける対象とするエリア(観光地)の登録のほか、混雑をどの程度許容できるかの度合い(混雑許容度)、観光志向(例えば、できるだけ多くの観光スポットを廻りたい、もしくは一部の観光スポットでよいのでゆったりとした時間を過ごしたいといった、観光に関するユーザの志向)などの情報とされてよい。
【0017】
また、ユーザ特性情報の登録が行われるユーザ登録情報入力画面と、案内指定情報の登録が行われるユーザ登録情報入力画面とは個別に設けられ、ユーザの操作に応じてユーザ情報登録端末200にていずれかのユーザ登録情報入力画面を選択的に表示可能とされてよい。
【0018】
ユーザ登録情報サーバ300は、ユーザ登録情報入力画面に対して入力された情報を、ユーザ登録情報としてユーザごとに対応付けて記憶する。
【0019】
エリア情報サーバ400は、所定のエリアに関する情報(エリア情報)を提供するサーバである。具体的に、エリア情報サーバ400は、エリア情報として、所定の観光地に関する情報を提供する。このようなエリア情報サーバ400は、エリア情報として、例えば観光地に対応する地域範囲において観光スポットが示される地図情報と、観光スポットごとに解説した解説情報等を記憶してよい。
エリア情報サーバ400は、それぞれ異なる所定のエリアごとに対応して設けられてもよいし、複数の所定のエリアに関するエリア情報を包括して記憶するように設けられてもよい。
【0020】
本実施形態の経路案内システムにおいて、スマートグラス100は、ユーザ登録情報サーバ300及びエリア情報サーバ400とネットワーク経由で通信可能に接続される。
また、スマートグラス100は、現地状況検出デバイス群DGに含まれる現地状況検出デバイスのそれぞれとネットワーク経由で通信可能に接続される。
現地状況検出デバイスは、ユーザUが案内対象として案内指定情報に登録したエリア(観光地)において存在する観光スポット(現地)の状況を検出するデバイスである。
具体的に、現地状況検出デバイス群DGは、現地状況検出デバイスとして、案内対象のエリアに存在する他のユーザのスマートグラス100-OTを含んでよい。
【0021】
スマートグラス100-OTは、例えば自己が備えるカメラにより撮像して得た撮像画像、自己が備えるマイクロフォンから入力された音声、自己位置を測位して得られた位置情報、自己が備えるジャイロセンサの検出出力等を、現地状況検出情報として出力してよい。
【0022】
また、現地状況検出デバイス群DGは、現地状況検出デバイスとして、案内対象のエリア(観光地)内に設けられて撮像を行う定点カメラ600を含んでよい。定点カメラ600は、例えば1つの観光スポットにおいて複数が設けられてよい。また、定点カメラ600は、観光地としてのエリアにおいて、観光スポットに該当しない地域において備えられるものがあってよい。
定点カメラ600は、自己が撮影して得られた撮像画像と、自己の位置を示す位置情報とを含む現地状況検出情報を出力してよい。
【0023】
本実施形態の経路案内システムにおいて、ユーザUのスマートグラス100は、ユーザ登録情報サーバ300からユーザ登録情報を取得し、エリア情報サーバ400からエリア情報を取得し、現地状況検出デバイス群DGの現地状況検出デバイスのそれぞれが現地状況について検出して得られた現地状況検出情報を取得する。この場合の現地状況検出デバイスの検出情報は、現地状況検出デバイスが自己位置を測位して得られた位置情報を含んでよい。また、現地状況検出デバイスの検出情報は、スマートグラス100-OTが備えるカメラにより撮像して得られた撮像画像や定点カメラ600が撮像して得られた撮像画像であってよい。これらの撮像画像は、スマートグラス100がユーザUに案内する経路を策定するにあたり、現地(観光スポット)ごとの混雑状況を判定するのに利用される。また、混雑状況は、スマートグラス100-OT等のユーザ端末としての現地状況検出デバイスから送信された検出情報の数によっても判定可能とされてよい。
【0024】
スマートグラス100は、上記のように取得したユーザ登録情報、エリア情報、及び現地状況検出情報に基づいて、指定された観光地においてユーザUに案内する経路を策定する。スマートグラス100は、策定した経路を案内する画像(経路案内画像)をレンズに表示させる。また、スマートグラス100は、経路案内画像の表示とともに、適宜、策定した経路を案内する音声を出力してよい。
【0025】
また、経路案内システムは、経路変更トリガの発生に応じて、スマートグラス100により案内していた経路を再策定する。経路変更トリガは、例えばユーザUが、スマートグラス100にて案内している経路の変更を指示する操作であってよい。また、経路変更トリガは、例えばユーザUが、スマートグラス100にて案内している経路から外れて移動したことであってよい。また、経路変更トリガは、現地状況検出デバイスから取得された検出情報により判定される観光スポットごとの状況(例えば、混雑状況等)の変化の度合いが一定以上となったことであってよい。
【0026】
[スマートグラスの機能構成例]
図2を参照して、本実施形態のスマートグラス100の機能構成例について説明する。同図のスマートグラス100は、通信部101、ユーザインターフェース部102、センサ部103、制御部104、及び記憶部105を備える。同図に示されるスマートグラス100における機能は、スマートグラス100としてのハードウェアが備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
通信部101は、ネットワーク経由で通信を行う。本実施形態において、通信部101は、スマートグラス100ユーザ登録情報サーバ300、エリア情報サーバ400、及び現地状況検出デバイスと通信可能に接続される。
【0028】
ユーザインターフェース部102は、ユーザインターフェースを提供する部位である。具体的に、ユーザインターフェース部102は、例えばスマートグラス100のレンズに画像を表示する表示部、スピーカ(もしくはイヤフォン、ヘッドフォン等)から音を出力させる音出力部を備える。また、ユーザインターフェース部102は、スマートグラス100に備えられるボタン等の操作子、音声入力部等の入力デバイスを備える。音声入力部は、例えばマイクロフォン等の集音器により入力されたユーザUの音声を解析した結果を操作情報として取得するようにされてよい。
【0029】
センサ部103は、スマートグラス100にて備えられる各種のセンサを含む部位である。センサ部103は、例えば、カメラ、GPS(Global Positioning System)等に対応して自己の現在位置を測位する測位部、角速度センサ等を含んでよい。また、センサ部103は、マイクロフォン等の集音器により集音した音が検出情報として入力されるようにしてもよい。
【0030】
制御部104は、スマートグラス100における各種の制御を実行する。制御部104は、行動履歴管理部141、情報取得部142、経路策定部143、及び経路案内情報出力部144を備える。
【0031】
行動履歴管理部141は、行動履歴情報記憶部152が記憶する行動履歴情報を管理する。具体的に、行動履歴管理部141は、センサ部103の出力に基づいてユーザUの行動履歴情報を生成する。例えば行動履歴管理部141は、センサ部103における測位部が測位した位置、ジャイロセンサの検出出力、カメラの撮像により得られた撮像画像等に基づいて、ユーザがどのように行動したのかを示す行動履歴情報を生成する。このように生成される行動履歴情報は、例えば、これまでにおけるユーザの移動軌跡を含んでよい。さらに、行動履歴情報には、ユーザの行動に応じて撮像された画像や、ユーザの発した音声等が含まれてよい。行動履歴管理部141は、生成した行動履歴情報を行動履歴情報記憶部152に記憶させる。
【0032】
情報取得部142は、経路策定に利用される経路策定利用情報の生成に必要な情報を取得する。具体的に、情報取得部142は、経路策定利用情報の生成にあたり、ユーザ登録情報サーバ300から対応のユーザUのユーザ登録情報を取得してよい。また、情報取得部142は、エリア情報サーバ400からユーザUが案内対象として指定したエリアのエリア情報を取得してよい。また、情報取得部142は、現地状況検出デバイス群DGにおける現地状況検出デバイスのそれぞれから現地状況検出情報を取得してよい。また、情報取得部142は、行動履歴情報記憶部152が記憶する行動履歴情報を取得してよい。
情報取得部142は、上記のように取得した情報を利用して経路策定利用情報を生成する。
【0033】
経路策定部143は、情報取得部142が生成した経路策定利用情報を利用して経路を策定する。
また、経路策定部143は、策定した経路に対する変更トリガが発生したことに応じて、経路を再策定可能とされる。
経路策定部143が経路の策定(再策定を含む)に関連して利用するアルゴリズムについては特に限定されない。経路の策定に関するアルゴリズムは、例えばA-starアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、蟻コロニー最適化、深層強化学習アルゴリズムなどのように、古典コンピュータのアルゴリズムであってもよいし、量子コンピュータの量子アルゴリズムであってもよい。
【0034】
経路案内情報出力部144は、経路策定部143により策定された経路をユーザUに案内する情報(経路案内情報)をユーザインターフェース部102にて出力させる。経路案内情報出力部144は、例えばスマートグラス100のレンズにて、ユーザUに案内する経路や、現在位置に応じてユーザUに案内する所定の情報を表示してよい。このような現在位置に応じた情報として、現在位置が観光スポットに該当する場合には、当該観光スポットの情報等も含まれてよい。また、経路案内情報出力部144は、経路の案内、現在位置に応じた案内に関する情報等を音声、電子音等により出力させてよい。
なお、経路策定部143は、策定(再策定を含む)した経路を算出した理由(経路策定理由)についても導出し、導出した経路策定理由を経路案内情報に含めてよい。経路策定部143は、このような経路策定理由を、「説明可能なAI(Explainable AI)」を用いて導出してよい。経路案内情報出力部144は、経路策定理由が含まれる経路案内情報を利用して、経路の案内とともに、案内する経路についての経路策定理由も所定の態様により出力してよい。
【0035】
現地状況情報送信部145は、センサ部103から出力された撮像画像、現在位置等の情報を、現地状況情報として他のスマートグラス100に送信する。つまり、ユーザUのスマートグラス100は、他のスマートグラスの現地状況検出デバイスとしての機能を有するようにされてよい。
【0036】
記憶部105は、スマートグラス100に対応する各種の情報を記憶する。記憶部105は、現地状況情報記憶部151と行動履歴情報記憶部152とを備える。
【0037】
現地状況情報記憶部151は、情報取得部142が現地状況検出デバイスから取得した現地状況情報を記憶する。
情報取得部142は、例えば所定時間が経過したなどの所定の取得トリガの発生に応じて現地状況検出情報を取得するようにされてよい。情報取得部142は、現地状況検出情報を継続的に取得してもよい。しかしながら、この場合には通信部101が定常的に多数の現地状況検出デバイスと通信する必要があることから通信負荷が重くなる。
また、情報取得部142は、例えば所定の地域区分ごとに異なるタイミングで、区分された地域ごとに存在する現地状況検出デバイスから現地状況検出情報を取得してよい。情報取得部142は、このように間欠的に現地状況情報を取得する都度、取得した現地状況検出情報を現地状況情報記憶部151に記憶させてよい。この際、現地状況情報記憶部151は、これまで記憶された現地状況検出情報を消去せずに記憶したまま、新たに取得された現地状況検出情報を記憶するようにしてよい。あるいは、現地状況情報記憶部151は、前回取得された現地状況検出情報を更新するようにして新たに取得された現地状況検出情報を記憶してもよい。
【0038】
行動履歴情報記憶部152は、行動履歴管理部141が生成した行動履歴情報を記憶する。行動履歴情報記憶部152は、これまで行動履歴管理部141が生成した行動履歴情報を蓄積するようにして、行動履歴情報を記憶してよい。
【0039】
[ユーザ登録情報について]
ユーザ登録情報サーバ300は、前述のようにユーザUにより登録されたユーザ登録情報を記憶する。
図3は、ユーザ登録情報サーバ300の機能部として、ユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶部301を示している。同図のユーザ登録情報記憶部301は、ユーザ特性情報記憶部331と案内指定情報記憶部332とを備える。
ユーザ特性情報記憶部331は、ユーザ登録情報におけるユーザ特性情報を記憶する。
案内指定情報記憶部332は、ユーザ登録情報における案内指定情報を記憶する。
【0040】
図4は、1のユーザに対応してユーザ特性情報記憶部331が記憶するユーザ特性情報の構造例を示している。同図に示されるように、ユーザ特性情報記憶部331は、ユーザごとに、ユーザIDを対応付けたユーザ特性情報を記憶する。
【0041】
図5は、1のユーザに対応して案内指定情報記憶部332が記憶する案内指定情報の構造例を示している。同図に示されるように、1のユーザに対応する案内指定情報にはユーザIDが対応付けられる。また、同図は、案内指定情報が、対象エリア指定情報と案内要望情報とを含む例を示している。
対象エリア指定情報は、ユーザUが案内対象として指定したエリアを示す情報である。対象エリア指定情報は、例えば観光地であれば、対象の観光地の名称を示す情報であってもよい。また、対象エリア指定情報は、指定されたエリアの地図上での座標範囲を示すものであってよい。
案内要望情報は、対応の対象エリア指定情報が示す案内対象のエリアの案内に関して要望した内容を示す情報である。案内要望情報の登録は、例えばユーザが、ユーザ登録情報入力画面のフォームにおいて提示されたアンケート項目に回答する操作を行うことで登録可能とされてもよいし、ユーザ登録情報入力画面において自由に文字列を入力可能な案内要望入力欄に対してユーザが文字入力操作を行うことで登録可能とされてもよい。
また、案内指定情報記憶部332は、同じユーザが事前に複数の異なるエリアごとに対応して登録を行ったことに応じて、1のユーザに対応して複数の異なるエリアに対応する案内指定情報を記憶してよい。
【0042】
[処理手順例]
図6のフローチャートを参照して、本実施形態のスマートグラス100が経路案内に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:ユーザUは、観光地内で観光をするにあたり、スマートグラス100に対して観光案内の開始を指示する操作(案内開始指示操作)を行う。スマートグラス100のユーザインターフェース部102は、ユーザUが行った案内開始指示操作を受け付ける。
【0043】
ステップS102:ステップS100により案内開始指示操作が受け付けられたことに応じて、情報取得部142は、ユーザ登録情報サーバ300からユーザ登録情報を取得する。
この際、情報取得部142は、ユーザ登録情報サーバ300にユーザ登録情報要求を送信する。ユーザ登録情報要求は、対応のユーザUを示すユーザIDと、案内対象のエリア(観光地)を示す対象エリア情報を含む。対象エリア情報が示すエリアは、例えばユーザUが案内開始指示操作に際して指定してもよいし、案内開始指示操作が行われたときにセンサ部103により測位された位置として示されてもよい。
ユーザ登録情報サーバ300は、ユーザ特性情報記憶部331から、受信したユーザ登録情報要求に含まれるユーザIDに対応付けられているユーザ特性情報(
図4)を読み出す。また、ユーザ登録情報サーバ300は、案内指定情報記憶部332から、受信したユーザ登録情報要求に含まれるユーザIDに対応付けられ、かつ受信したユーザ登録情報要求に含まれる対象エリア情報と同じエリアを示す対象エリア指定情報を含む案内指定情報を読み出す。ユーザ登録情報サーバ300は、上記のように読み出したユーザ特性情報と案内指定情報とを含むユーザ登録情報をスマートグラス100に送信する。情報取得部142は、受信されたユーザ登録情報を取得する。
【0044】
ステップS104:情報取得部142は、対象エリア情報が示すエリアの現地状況検出デバイス群DGに存在する現地状況検出デバイスから現地状況検出情報を取得する。
また、以降において、情報取得部142は、所定の取得トリガの発生ごとに応じて現地状況検出デバイスから現地状況検出情報を取得し、取得した現地状況検出情報を現地状況情報記憶部151に記憶させる。
【0045】
ステップS106:スマートグラス100にて行動履歴管理部141は、センサ部103の出力に基づいて行動履歴情報を生成し、生成した行動履歴情報を行動履歴情報記憶部152に記憶させている。情報取得部142は、行動履歴情報記憶部152が記憶する行動履歴情報を取得する。
なお、ステップS102、S104、S106の処理の順序は適宜変更されてよい。
【0046】
ステップS108:経路策定部143は、ステップS102、S104、S106により取得された経路策定利用情報(ユーザ登録情報、現地状況検出情報、及び行動履歴情報)に基づいて経路を策定する。ステップS108により策定される経路は、ステップS100により案内開始操作を受け付けてから最初に策定されるものであることから、以降において初期経路とも呼ぶ。
【0047】
ステップS110:経路案内情報出力部144は、ステップS108により策定された初期経路を案内する経路案内情報の表示や音声等による出力を開始させる。即ち、スマートグラス100により経路案内が開始される。
【0048】
ステップS112:ステップS110により経路案内が開始されて以降、経路策定部143は、経路変更トリガが発生したか否かを判定する。
経路策定部143は、ユーザUが、スマートグラス100に対して、現在案内されている経路の変更を指示する操作を受け付けたことに応じて経路変更トリガが発生したと判定してよい。
また、経路策定部143は、センサ部103が測定する現在位置が、案内中の経路に対応する以外の位置となったことにより、変更トリガが発生したと判定してよい。
また、経路策定部143は、例えば現地状況情報記憶部151に現地状況情報が記憶されるごとに、記憶された現地状況情報に基づいて観光スポットごとの状況(例えば、混雑状況)を判定し、判定した状況の変化の度合いに基づいて経路変更トリガが発生したか否かを判定してよい。
【0049】
ステップS114:ステップS112にて経路変更トリガが発生したと判定した場合、経路策定部143は、経路を再策定する。この際、経路策定部143は、ステップS102により取得されたユーザ登録情報と、現在において現地状況情報記憶部151が記憶している現地状況検出情報、及びこれまでに行動履歴情報記憶部152に記憶された行動履歴情報等を用いて経路を再策定する。また、経路策定部143は、例えばユーザ特性情報や案内要望情報に含まれる情報項目の優先度など、経路策定に用いる所定のパラメータを変更して経路を再策定してよい。また、経路策定部143は、ユーザUが経路変更を指示する操作を行った際に、観光スポットの変更等を指定した場合には、ユーザUの指定を反映させるようにパラメータを変更して経路を再策定してよい。再策定によっては、立ち寄り対象となる観光スポットの全てまたは一部が変更されてよい。また、再策定によっては、立ち寄り対象となる観光スポットにおける滞在時間が変更されてよい。
ステップS114により経路を再策定した後は、ステップS110に処理が戻される。この場合、経路案内情報出力部144は、これまでの経路案内情報の出力に代えて、ステップS110においてステップS114により再策定された経路の経路案内情報の出力を開始する。
【0050】
ステップS116:ステップS110により経路案内が開始されて以降、行動履歴管理部141が記憶する行動履歴情報は、経路案内が開始されて以降のユーザUの移動軌跡を含むことになる。
そこで、経路案内情報出力部144は、ステップS110により経路案内が開始されて以降において、行動履歴情報に含まれるユーザUの移動軌跡に基づいて、これまでにユーザUが経過した経路を判定し、判定結果が反映されるように、経路案内情報を更新する。このように経路案内情報が更新されることで、経路案内情報出力部144は、例えばユーザの現在位置を起点として残りの経路を案内する経路案内情報を出力することが可能となる。
【0051】
ステップS118:ステップS116の処理の後、経路案内情報出力部144は、経路案内が完了したか否かを判定する。
経路案内は、例えばユーザUが案内された経路の最終地点にまで到達したことにより完了してよい。また、経路案内は、ユーザUによる中途完了の操作に応じて完了されてもよい。経路案内が完了していないと判定された場合にはステップS112に処理が戻される。一方、経路案内が完了したと判定されると、同図の処理が終了する。
【0052】
[経路策定の具体例]
経路策定部143は、取得した現地状況検出情報に基づいて観光スポットごとの混雑容共を判定し、混雑していない観光スポットを立ち寄り地点として優先して選択して経路を策定してよい。
【0053】
また、例えば案内要望情報により「混雑は許容できない」との要望が示されている場合、経路策定部143は、立ち寄り地点として選択した観光スポットのうち混雑度が高い観光スポットについては滞在時間を他の混雑度が低い観光スポットよりも短くするようにして経路を策定してよい。また、この場合の経路策定部143は、経路において昼食の時間を設定するようにしたうえで、昼食の時間について飲食店が最も混みやすい時間帯を避けるようにして策定してもよい。
【0054】
また、例えば、案内要望情報により「可能な限り多くの観光スポットを周遊したい」との要望が示されている場合、経路策定部143は、対象エリアにおける観光スポットごとの滞在時間を短くし、できるだけ多くの観光スポットに行くことができるように経路を策定する。この場合、経路に含める観光スポットは、例えばできるだけ移動時間が短くなるようにすることを優先して選択されてもよい。
このように、本実施形態の経路策定部143は、経路の策定にあたり、観光スポット等の中途の立ち寄り地点ごとにおける滞在時間も策定してよい。このような滞在時間も含めた経路の策定内容は、観光地の周遊計画(対象エリアでの行動計画)であると捉えることができる。
【0055】
また、逆に、案内要望情報により「立ち寄る観光スポットは少なくてよいので観光スポットを周遊したい」との要望が示されている場合には、経路策定部143は、立ち寄り地点として選択する観光スポットの数を少なくし、観光スポットごとの滞在時間を長くしたり、観光スポット間の移動時間を長くするようにして経路を策定してよい。
【0056】
また、例えば、案内要望情報により「休憩を多く取りたい」との要望が示されていたり、これまでの行動履歴情報から休憩しがちなユーザであることが推定される場合、経路策定部143は、例えば徒歩による移動を少なくしたり、休憩可能な場所のある地点をできるだけ経由するような経路を策定してよい。
【0057】
また、例えば、ユーザ特性情報によりユーザUの歩行速度の早いことが示されていたり、これまでの行動履歴情報からユーザUの歩行速度の早いことが推定される場合、経路策定部143は、例えば徒歩での単位距離の移動時間を短く計算する代わりに、立ち寄り地点として選択する観光スポットを増加する、あるいは観光スポットごとの滞在時間を長く設定したりするように経路を策定してよい。
【0058】
また、例えば、ユーザ特性情報に基づいて、あるいは行動履歴情報に基づいて、ユーザUが車椅子の利用者であったり、ベビーカートを利用していたりすることが特定された場合には、経路策定部143は、バリアフリー化されている観光スポットを選択したり、ユーザUが乗降しやすい公共交通機関を使用できるように経路を策定してよい。
【0059】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態の経路案内システムの全体的な構成例を示している。同図において
図1と同一部分には同一符号を付し、
図1との相違点について説明する。
【0060】
図7に示されるように、本実施形態の経路案内システムにおいては経路案内サーバ500が設けられる。経路案内サーバ500は、ユーザUのスマートグラス100Aにて経路案内情報の出力による経路案内が行われるようにするサーバである。本実施形態において、スマートグラス100Aにて行われる経路案内の態様は、第1実施形態と同様でよい。
【0061】
経路案内サーバ500は、ユーザUのスマートグラス100Aと通信可能に接続される。また、経路案内サーバ500は、ユーザ登録情報サーバ300、エリア情報サーバ400、及び現地状況検出デバイス群DGにおける現地状況検出デバイス(スマートグラス100-OT、定点カメラ600)と通信可能に接続される。
【0062】
図8は、本実施形態のスマートグラス100Aの機能構成例を示している。同図の説明にあたり、
図2と同一部分には同一符号を付し、主として
図2との相違点について説明する。
図8のスマートグラス100Aは、制御部104において経路案内情報出力部144、現地状況情報送信部145、及び行動情報送信部146を備える。
図8の制御部104において、
図1の制御部104が備える行動履歴管理部141、情報取得部142、経路策定部143は省略されてよい。
【0063】
本実施形態における現地状況情報送信部145は、センサ部103の出力を現地状況情報として、経路案内サーバ500に送信する。
【0064】
行動情報送信部146は、センサ部103の出力を、ユーザの行動を示す行動情報として経路案内サーバ500に送信する。送信される行動情報にはユーザUのユーザIDが対応付けられる。
【0065】
また、本実施形態のスマートグラス100Aにおける記憶部105は、現地状況情報記憶部151、行動履歴情報記憶部152が省略されてよい。
【0066】
図9は、本実施形態の経路案内サーバ500の構成例を示している。同図に示される経路案内サーバ500における機能は、経路案内サーバ500としてのハードウェアが備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0067】
同図の経路案内サーバ500は、通信部501、制御部502、及び記憶部503を備える。
通信部501は、ネットワーク経由でユーザ登録情報サーバ300、エリア情報サーバ400、及び現地状況検出デバイス群DGにおける現地状況検出デバイス(スマートグラス100-OT、定点カメラ600)と通信可能に接続する。
【0068】
制御部502は、経路案内サーバ500における各種の制御を実行する。制御部502は、行動履歴管理部521、情報取得部522、及び経路策定部523を備える。
【0069】
行動履歴管理部521は、行動履歴情報記憶部532が記憶する行動履歴情報を管理する。具体的に、本実施形態のスマートグラス100Aは、センサ部103の出力を、ユーザの行動情報として経路案内サーバ500に送信する。スマートグラス100Aは、例えば、所定時間ごとに行動情報を経路案内サーバ500に送信してもよいし、経路案内サーバ500が所定タイミングで実行するポーリングに応答して行動情報を経路案内サーバ500に送信するようにしてよい。
行動履歴管理部521は、受信された行動情報を、対応のユーザUの行動履歴情報として行動履歴情報記憶部532に記憶させる。
【0070】
情報取得部522は、経路策定利用情報の生成に必要な情報を取得する。具体的に、情報取得部522は、経路案内の対象のユーザUに対応するユーザ情報を、ユーザ登録情報サーバ300から取得してよい。また、情報取得部522は、エリア情報サーバ400から、ユーザUにより案内対象として指定されたエリアのエリア情報を取得してよい。また、情報取得部142は、現地状況検出デバイス群DGにおける現地状況検出デバイスのそれぞれから現地状況検出情報を取得してよい。また、情報取得部522は、例えば所定の取得トリガに応じたタイミングで取得した現地状況検出情報を、現地状況検出情報記憶部531に記憶させ、記憶された現地状況検出情報を経路策定利用情報の生成に利用な情報として取得するようにしてもよい。情報取得部522は、上記のように取得した情報を利用して経路策定利用情報を生成する。
【0071】
経路策定部523は、情報取得部522が生成した経路策定利用情報を利用して経路を策定する。
また、経路策定部523は、策定した経路に対する変更トリガが発生したことに応じて、経路を再策定可能とされる。
【0072】
図10のフローチャートを参照して、本実施形態のスマートグラス100Aと経路案内サーバ500が実行する処理手順例について説明する。
まず、スマートグラス100Aが実行する処理手順例について説明する。
ステップS200:スマートグラス100Aにおいて、ユーザインターフェース部102は、ユーザUが行った案内開始操作を受け付ける。
【0073】
ステップS202:ステップS100にて案内開始指示操作が受け付けられたことに応じて、経路案内情報出力部144は、経路案内サーバ500に案内開始要求を送信する。案内開始要求には、案内対象となるユーザUのユーザIDが含まれる。また、案内開始要求には、ユーザUが案内開始指示操作に際して指定した案内対象のエリアを示す対象エリア情報、あるいは案内開始指示操作が行われたときにセンサ部103にて測定された位置を示す対象エリア情報が含まれてよい。
【0074】
ステップS204:ステップS202による案内開始要求の送信に応じて、経路案内サーバ500は、経路策定を実行し、策定された経路を案内する経路案内情報をスマートグラス100Aに送信する。スマートグラス100Aにおいて経路案内情報出力部144は、送信された経路案内情報をユーザインターフェース部102にて出力させることにより経路案内を開始する。
【0075】
ステップS206:経路案内の実行中において、経路案内情報出力部144は、ユーザUの移動に伴ってセンサ部103により測定される現在位置に応じて経路案内情報を更新する。当該ステップS206の処理によって、例えばスマートグラス100Aのユーザインターフェース部102にて、時間経過に応じて変化するユーザUの現在位置を起点にして経路を案内する状態が得られる。
【0076】
ステップS208:経路案内を行っているとき、経路案内情報出力部144は、経路変更トリガが発生したか否かを判定する。経路案内情報出力部144は、例えばユーザUにより現在案内されている経路の変更を指示する操作がユーザインターフェース部102により行われた場合や、センサ部103により測位された位置情報に基づいて、現在の案内対象の経路から外れてユーザUが移動していると判定したことに応じて、経路変更トリガが発生したと判定してよい。
【0077】
ステップS210:ステップS208により経路変更トリガが発生したと判定した場合、経路案内情報出力部144は、経路案内サーバ500に経路変更要求を送信する。経路変更要求には、経路の案内対象とされているユーザU(スマートグラス100Aを使用中のユーザ)のユーザIDが含まれてよい。また、経路案内情報出力部144は、経路の変更を指示する操作に際して、経路変更に対応して要望に応じた観光スポットの指定等が行われている場合には、このようなユーザUの経路変更に関する指定内容も経路変更要求送信に含まれてよい。また、経路案内情報出力部144は、案内対象の経路から外れてユーザUが移動していたことに応じて経路変更トリガが発生した場合には、ユーザUの現在位置を経路変更要求に含めてよい。
【0078】
ステップS212:ステップS210により経路変更要求を送信した後、あるいはステップS208にて経路変更トリガが発生されていないと判定した場合、経路案内情報出力部144は、経路案内が完了したか否かを判定する。経路案内情報出力部144は、例えばセンサ部103が測定する現在位置が案内対象の経路の最終地点に到達したことに応じて経路案内が完了したと判定してよい。
経路案内が完了していないと判定された場合には、ステップS204に処理が戻される。
【0079】
ステップS214:ステップS212にて経路案内が完了したと判定された場合、経路案内情報出力部144は、これまでの経路案内(経路案内情報の出力)の終了に対応する処理(経路案内終了処理)を実行する。経路案内終了処理において経路案内情報出力部144は、経路案内サーバ500に、対応のユーザUについての経路案内が終了したことの通知(案内完了通知)を送信してよい。
【0080】
次に、経路案内サーバ500が実行する処理手順例について説明する。
ステップS300:経路案内サーバ500において、経路策定部523は、スマートグラス100AからステップS202により送信された案内開始要求を受信する。
【0081】
ステップS302:ステップS300にて案内開始要求が受信されたことに応じて、情報取得部522は、ユーザ登録情報サーバ300からユーザ登録情報を取得する。
【0082】
ステップS304:情報取得部522は、対象エリア情報が示すエリアの現地状況検出デバイス群DGに存在する現地状況検出デバイスから現地状況検出情報を取得する。
また、以降において、情報取得部522は、取得トリガの発生ごとに応じて現地状況検出デバイスから現地状況検出情報を取得し、取得した現地状況検出情報を現地状況情報記憶部151に記憶させる。
【0083】
ステップS306:情報取得部522は、行動履歴情報記憶部532が記憶する行動履歴情報のうちから、受信された案内開始要求に含まれるユーザIDが対応付けられた行動履歴情報を取得する。
なお、ステップS302、S304、S306の処理の順序は適宜変更されてよい。
【0084】
ステップS308:経路策定部523は、ステップS302、S304、S306により取得された経路策定利用情報(ユーザ登録情報、現地状況検出情報、及び行動履歴情報)に基づいて、初期経路を策定する。
【0085】
ステップS310:経路策定部523は、ステップS308により策定された初期経路を案内する経路案内情報を生成し、生成した経路案内情報をスマートグラス100Aに送信する。
【0086】
ステップS312:ステップS310により初期経路の経路案内情報をスマートグラス100Aに送信して以降、経路策定部523は、スマートグラス100Aから送信された経路変更要求が受信されたか否かを判定する。
【0087】
ステップS314:ステップS312にて経路変更要求が受信されたと判定した場合、経路策定部523は、経路を再策定し、ステップS310の処理に戻る。この場合のステップS310では、経路策定部523は、ステップS314により再策定された経路を案内する経路案内情報をスマートグラス100Aに送信する。
【0088】
ステップS316:ステップS312にて経路変更要求が受信されないと判定した場合、経路策定部523は、スマートグラス100Aにて経路案内が終了したか否かを判定する。経路策定部523は、ステップS214による経路案内終了処理のもとでスマートグラス100Aから送信された経路案内終了通知が受信されたか否かにより、経路案内が終了したか否かを判定してよい。
スマートグラス100Aにて経路案内が終了していないと判定された場合には、ステップS312に処理が戻される。
一方、スマートグラス100Aにて経路案内が終了したと判定された場合には、同図の処理が終了される。
【0089】
上記各実施形態によれば、スマートグラス100(100A)にて、ユーザUが案内を希望した観光地において観光スポットを巡る経路を案内することができる。このようにユーザUに案内される経路は、現地状況検出デバイス群DGに存在する現地状況検出デバイスから取得した現在の観光スポットの状況に応じて設定されるものとなる。つまり、上記各実施形態においては、現在の観光スポットごとの混雑状況等に応じて適切な経路を案内することが可能となる。
また、現地状況検出デバイス群のうちには、例えば同じ観光地内にて他のユーザが使用するスマートグラス100-OTが含まれることから、的確な現地状況情報を得ることができる。また、現地状況情報を得るための設備を設ける負担も軽減される。
【0090】
上記各実施形態の経路案内システムは、観光地の経路案内に限定されない。
例えば、上記各実施形態の経路案内システムは、テーマパークにおいてアトラクションをまわる案内に適用されてよい。この場合には、スマートグラス100または経路案内サーバ500は、例えばテーマパークにてファストパスを管理するサーバあるいは端末と接続することで、ユーザのファストパスの取得状況も反映して経路を策定可能とされてよい。
【0091】
また、上記各実施形態の経路案内システムは、ショッピングモール等の商業施設において店舗をまわる案内に適用されてよい。この場合には、ユーザUは、例えば対象エリア指定情報として商業施設を指定し、案内要望情報には指定の商業施設にて購入したい(あるいは見てみたい)商品に関する情報を含めるように登録を行ってよい。この場合、スマートグラス100または経路案内サーバ500は、商業施設のサーバや端末から取得した割引、新入荷の情報、タイムサービス、イベント等の情報を利用して経路を策定してよい。
【0092】
また、上記各実施形態の経路案内システムは、所定の警備対象エリアにおいて警備員が巡回する経路の案内に適用されてよい。この場合のスマートグラス100または経路案内サーバ500は、警備会社のサーバや端末から取得した混雑状況、行列の長さ、トラブルの発生状況、人員配置スケジュール等の情報を利用して経路を策定してよい。
【0093】
また、上記各実施形態の経路案内システムは、配送拠点の倉庫等にてピッキング作業者がピッキングをする際の経路の案内に適用されてよい。この場合のスマートグラス100または経路案内サーバ500は、他の作業者が集中していない場所を優先的に選択するようにして経路を策定してよい。このように経路が策定されることで、ピッキング作業の効率化や感染症防止等を図ることができる。
【0094】
なお、本実施形態においてユーザUに経路案内情報を出力するユーザ端末は、スマートグラスのようなウェアラブル端末に限定されない。経路案内情報を出力するユーザ端末は、例えばスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ等のスマートデバイスであってもよい。
【0095】
また、本実施形態における経路策定や経路案内等に関する機能の一部あるいは全てが量子コンピュータの処理によって実現されるようにしてよい。
【0096】
なお、上述のスマートグラス100(100A,100-OT)、ユーザ情報登録端末200、ユーザ登録情報サーバ300、エリア情報サーバ400、経路案内サーバ500等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のスマートグラス100(100A,100-OT)、ユーザ情報登録端末200、ユーザ登録情報サーバ300、エリア情報サーバ400、経路案内サーバ500の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0097】
<付記>
以下、上記各実施形態の態様に関する付記を記載する。
(1)本実施形態の一態様は、案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得部と、前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定部とを備える経路策定システムである。
【0098】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の経路策定システムであって、前記経路策定部により策定された経路を案内する経路案内情報をユーザ端末にて出力させる経路案内情報出力部をさらに備えてよい。
【0099】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の経路策定システムであって、前記ユーザ端末は、ウェアラブル端末である。
【0100】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、経路策定部は、前記現地状況情報に基づいて対応の現地における混雑状況を判定した結果を利用して経路を策定してよい。
【0101】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、前記情報取得部は、案内対象エリアにおいて他のユーザが使用するユーザ端末が出力した位置情報を含む現地状況情報を取得してよい。
【0102】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、前記経路策定部は、前記案内対象エリアにおいて存在する地点ごとに立ち寄るか否かを決定するようにして経路を策定してよい。
【0103】
(7)本実施形態の一態様は、(6)に記載の経路策定システムであって、前記経路策定部は、立ち寄るものとして決定された地点ごとの立ち寄りの順序を決定してよい。
【0104】
(8)本実施形態の一態様は、(6)または(7)に記載の経路策定システムであって、前記経路策定部は、立ち寄るものとして決定された地点ごとの滞在時間を策定してよい。
【0105】
(9)本実施形態の一態様は、(1)から(8)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、前記情報取得部は、案内対象のユーザが自身に関連する所定項目を登録したユーザ登録情報をさらに取得し、取得したユーザ登録情報を前記経路策定利用情報に含めてよい。
【0106】
(10)本実施形態の一態様は、(1)から(9)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、前記情報取得部は、案内対象のユーザの行動の履歴を示す行動履歴情報をさらに取得し、取得したユーザ登録情報を前記経路策定利用情報に含めてよい。
【0107】
(11)本実施形態の一態様は、(1)から(10)のいずれか1つに記載の経路策定システムであって、前記経路策定利用情報は、経路変更トリガの発生に応じて経路を再策定してよい。
【0108】
(12)本実施形態の一態様は、案内対象エリアにおいて存在する現地状況検出デバイスのそれぞれが対応の現地にて検出した現地状況を示す現地状況情報を取得し、取得した現地状況情報を含む経路策定利用情報を生成する情報取得ステップと、前記経路策定利用情報に含まれる現地状況情報が示す現地状況に基づいて前記案内対象エリアにおける経路を策定する経路策定ステップとを含む経路策定方法である。
【符号の説明】
【0109】
100 スマートグラス、101 通信部、102 ユーザインターフェース部、103 センサ部、104 制御部、105 記憶部、141 行動履歴管理部、142 情報取得部、143 経路策定部、144 経路案内情報出力部、145 現地状況情報送信部、146 行動情報送信部、151 現地状況情報記憶部、152 行動履歴情報記憶部、200 ユーザ情報登録端末、300 ユーザ登録情報サーバ、301 ユーザ登録情報記憶部、331 ユーザ特性情報記憶部、332 案内指定情報記憶部、400 エリア情報サーバ、600 定点カメラ、DG 現地状況検出デバイス群